JPH1052094A - ステップモータの制御装置 - Google Patents
ステップモータの制御装置Info
- Publication number
- JPH1052094A JPH1052094A JP21414196A JP21414196A JPH1052094A JP H1052094 A JPH1052094 A JP H1052094A JP 21414196 A JP21414196 A JP 21414196A JP 21414196 A JP21414196 A JP 21414196A JP H1052094 A JPH1052094 A JP H1052094A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- motor
- time
- rotor
- phase
- sensorless
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Control Of Stepping Motors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課 題】本発明は停止から高速回転まで可能でかつ,
起動位置決め時間を大幅に短縮し,停止位置決め時に回
転子の振動を大幅に低減するステップモータの制御装置
を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明のステップモータの制御装置におい
ては,モータを停止状態から始動する時には回転させた
い方向とは逆方向に1ステップ転流させ回転子が反転
し,正方向で安定点を通過したとき2ステップ分転流し
センサレス閉ループ駆動させるシーケンスと,回転して
いる状態から停止させる時には最終停止位置の1ステッ
プ前にセンサレス閉ループ駆動から定電流駆動に切り換
え,最終切り換え位置に停止させるシーケンスとにより
動作させる構成にしている。
起動位置決め時間を大幅に短縮し,停止位置決め時に回
転子の振動を大幅に低減するステップモータの制御装置
を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明のステップモータの制御装置におい
ては,モータを停止状態から始動する時には回転させた
い方向とは逆方向に1ステップ転流させ回転子が反転
し,正方向で安定点を通過したとき2ステップ分転流し
センサレス閉ループ駆動させるシーケンスと,回転して
いる状態から停止させる時には最終停止位置の1ステッ
プ前にセンサレス閉ループ駆動から定電流駆動に切り換
え,最終切り換え位置に停止させるシーケンスとにより
動作させる構成にしている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステップモータの制御
装置に関するものである。
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,ステップモータは開ループ駆
動で幅広く利用されてきた。しかし開ループ駆動である
ことから脱調現象が発生し易く,効率が低く,振動・騒
音が比較的大きい等の問題点がある。解決法として位置
検出器を用いた閉ループ駆動法の検討が行われてきた。
特に,位置検出にエンコーダを用いた制御装置は,装置
全体が高価なものとなり実用的ではない。そこで閉ルー
プ駆動の一例として,比較的安価に回転子の位置検出で
きる手法として社団法人電気学会発行の半導体電力変換
研究会資料「ステップモータの位置センサレス閉ループ
駆動システム」 SPC-91-62がある。この資料では,低速
時には逆起電力が小さく位置検出が困難であるため位置
決め制御に適さない。
動で幅広く利用されてきた。しかし開ループ駆動である
ことから脱調現象が発生し易く,効率が低く,振動・騒
音が比較的大きい等の問題点がある。解決法として位置
検出器を用いた閉ループ駆動法の検討が行われてきた。
特に,位置検出にエンコーダを用いた制御装置は,装置
全体が高価なものとなり実用的ではない。そこで閉ルー
プ駆動の一例として,比較的安価に回転子の位置検出で
きる手法として社団法人電気学会発行の半導体電力変換
研究会資料「ステップモータの位置センサレス閉ループ
駆動システム」 SPC-91-62がある。この資料では,低速
時には逆起電力が小さく位置検出が困難であるため位置
決め制御に適さない。
【0003】又、社団法人電気学会発行の昭和63年電
気学会産業応用部門全国大会論文集「センサレスブラシ
レスモータの駆動方法(振動起動方式)」 No.54があ
る。この論文では,起動時に予め定められた巻き線に初
期励磁して回転子の位置決めを行うが回転子に振動が発
生する。この回転子の振動中に回転させる方向と同じ方
向の速度をもち安定点を通過する起動点を検出し,位置
決め時間を短縮し起動性能を向上させる振動起動方式で
ある。中性点間電圧から得られる位置検出信号と初期励
磁時に励磁しない巻き線に発生する誘起電圧の極性から
起動安定点を検出しセンサレス駆動による起動時間を短
縮している。
気学会産業応用部門全国大会論文集「センサレスブラシ
レスモータの駆動方法(振動起動方式)」 No.54があ
る。この論文では,起動時に予め定められた巻き線に初
期励磁して回転子の位置決めを行うが回転子に振動が発
生する。この回転子の振動中に回転させる方向と同じ方
向の速度をもち安定点を通過する起動点を検出し,位置
決め時間を短縮し起動性能を向上させる振動起動方式で
ある。中性点間電圧から得られる位置検出信号と初期励
磁時に励磁しない巻き線に発生する誘起電圧の極性から
起動安定点を検出しセンサレス駆動による起動時間を短
縮している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成のそれ
ぞれは、起動から停止までを制御する位置決め用途用に
は考慮されていない。本発明は停止から高速回転まで運
転可能でかつ,起動位置決め時間を大幅に短縮し,停止
位置決め時に回転子の振動を大幅に低減するステップモ
ータの制御装置を提供することを目的としている。
ぞれは、起動から停止までを制御する位置決め用途用に
は考慮されていない。本発明は停止から高速回転まで運
転可能でかつ,起動位置決め時間を大幅に短縮し,停止
位置決め時に回転子の振動を大幅に低減するステップモ
ータの制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために,並列に還流素子を備えたスイッチ素子をブ
リッジ接続した主回路で構成された120度通電電圧形
インバータがチョッパ制御によりモータ電圧を制御する
モータ駆動装置において,モータを停止状態から始動す
る時には回転させたい方向とは逆方向に1ステップ転流
させ回転子が反転し,正方向で安定点を通過したとき2
ステップ分転流しセンサレス閉ループ駆動させるシーケ
ンスと,回転している状態から停止させる時には最終停
止位置の1ステップ前にセンサレス閉ループ駆動から定
電流駆動に切り換え,最終切り換え位置に停止させるシ
ーケンスとにより動作させるように構成されている。そ
して,本発明の発明者は本発明を含む研究成果を,平成
8年1月27日に開催された社団法人電気学会の半導体
電力変換技術研究会で発表した。
するために,並列に還流素子を備えたスイッチ素子をブ
リッジ接続した主回路で構成された120度通電電圧形
インバータがチョッパ制御によりモータ電圧を制御する
モータ駆動装置において,モータを停止状態から始動す
る時には回転させたい方向とは逆方向に1ステップ転流
させ回転子が反転し,正方向で安定点を通過したとき2
ステップ分転流しセンサレス閉ループ駆動させるシーケ
ンスと,回転している状態から停止させる時には最終停
止位置の1ステップ前にセンサレス閉ループ駆動から定
電流駆動に切り換え,最終切り換え位置に停止させるシ
ーケンスとにより動作させるように構成されている。そ
して,本発明の発明者は本発明を含む研究成果を,平成
8年1月27日に開催された社団法人電気学会の半導体
電力変換技術研究会で発表した。
【0006】
【作 用】本発明に成るステップモータの制御装置は従
来の定電流方式のみの駆動法に比較して,高効率・低振
動・低騒音で回転数範囲を拡大し,またセンサレス閉ル
ープ駆動においてもセンサレス駆動への切り換えがスム
ーズに行え,安定なセンサレス閉ループ駆動が広い速度
範囲で良好にモータ駆動を実現することができる。さら
に,位置制御においても良好に制御でき短時間で確実な
始動が可能であり,停止時の固有振動を大幅に抑制可能
と成る。
来の定電流方式のみの駆動法に比較して,高効率・低振
動・低騒音で回転数範囲を拡大し,またセンサレス閉ル
ープ駆動においてもセンサレス駆動への切り換えがスム
ーズに行え,安定なセンサレス閉ループ駆動が広い速度
範囲で良好にモータ駆動を実現することができる。さら
に,位置制御においても良好に制御でき短時間で確実な
始動が可能であり,停止時の固有振動を大幅に抑制可能
と成る。
【0007】
【実施例】以下図面によって本発明の実施例を説明す
る。図1および図2は本発明に成る一実施例を示す。図
1はセンサレス閉ループ駆動と定電流駆動を併用した3
相ステップモータ駆動システムを示す。図1で,1が負
荷の一例で3相ハイブリッド形ステップモータモータ,
2が駆動用直流電源の一例として整流回路による駆動電
源部,3が平滑コンデンサ,4がU相上側スイッチ素子
Tu,5がU相上側還流素子Du,6がU相下側スイッ
チ素子Tx,7がU相下側還流素子Dx,8がV相上側
スイッチ素子Tv,9がV相上側還流素子Dv,10が
V相下側スイッチ素子Ty,11がV相下側還流素子D
y,12がW相上側スイッチ素子Tw,13がW相上側
還流素子Dw,14がW相下側スイッチ素子Tz,15
がW相下側還流素子Dz,16が制御回路を示す。
る。図1および図2は本発明に成る一実施例を示す。図
1はセンサレス閉ループ駆動と定電流駆動を併用した3
相ステップモータ駆動システムを示す。図1で,1が負
荷の一例で3相ハイブリッド形ステップモータモータ,
2が駆動用直流電源の一例として整流回路による駆動電
源部,3が平滑コンデンサ,4がU相上側スイッチ素子
Tu,5がU相上側還流素子Du,6がU相下側スイッ
チ素子Tx,7がU相下側還流素子Dx,8がV相上側
スイッチ素子Tv,9がV相上側還流素子Dv,10が
V相下側スイッチ素子Ty,11がV相下側還流素子D
y,12がW相上側スイッチ素子Tw,13がW相上側
還流素子Dw,14がW相下側スイッチ素子Tz,15
がW相下側還流素子Dz,16が制御回路を示す。
【0008】図1において,駆動電源部2および平滑コ
ンデンサ3の正電極へ接続されたU相上側スイッチ素子
4とU相上側還流素子5は図示の極正で並列接続されて
おり,U相下側スイッチ素子6とU相下側還流素子7も
同様に並列接続し,それぞれの還流素子はスイッチ素子
4や6のスイッチング操作によって3相モータ1の巻線
に生ずるサージ電圧を吸収するように還流電流経路を形
成し,スイッチ素子をサージ電圧による破壊から保護す
る役目をはたしている。U相下側スイッチ素子6とU相
下側還流素子7のアノード側は駆動電源部2および平滑
コンデンサ3の負電極へ接続されている。これらの構成
はV相およびW相においても同様であり,これらのスイ
ッチ素子群と還流素子群でインバータの主回路を形成し
ている。
ンデンサ3の正電極へ接続されたU相上側スイッチ素子
4とU相上側還流素子5は図示の極正で並列接続されて
おり,U相下側スイッチ素子6とU相下側還流素子7も
同様に並列接続し,それぞれの還流素子はスイッチ素子
4や6のスイッチング操作によって3相モータ1の巻線
に生ずるサージ電圧を吸収するように還流電流経路を形
成し,スイッチ素子をサージ電圧による破壊から保護す
る役目をはたしている。U相下側スイッチ素子6とU相
下側還流素子7のアノード側は駆動電源部2および平滑
コンデンサ3の負電極へ接続されている。これらの構成
はV相およびW相においても同様であり,これらのスイ
ッチ素子群と還流素子群でインバータの主回路を形成し
ている。
【0009】このような主回路構成の電圧形インバータ
で120度通電駆動シーケンスを基本としチョッパ信号
を重畳させたゲート信号を用いてステッピングモータを
駆動する。
で120度通電駆動シーケンスを基本としチョッパ信号
を重畳させたゲート信号を用いてステッピングモータを
駆動する。
【0010】図2に,センサレス閉ループ駆動と定電流
駆動の併用システムの制御回路16の構成を示す。図2
に示した制御回路16を動作させるには、先ず2つの切
り換えスイッチ28a,28bを下側に閉じ,さらに位
置指令パルスから直接転流信号を与えて120度通電駆
動シーケンス信号25を変化させれば,定電流駆動の方
式の開ループ駆動システムとなる。一方,2つの切り換
えスイッチ28a,28bを上側に閉じ,回転子位置検
出器の信号を転流信号として用いれば,閉ループ駆動シ
ステムとなる。偏差カウンタ19の信号をチョッパ制御
にフィードバックするこの制御系は,直流モータの位置
制御系と等価な2次振動系となる。この振動を抑制する
ために,F/V変換回路18を用いて速度マイナールー
プを構成している。
駆動の併用システムの制御回路16の構成を示す。図2
に示した制御回路16を動作させるには、先ず2つの切
り換えスイッチ28a,28bを下側に閉じ,さらに位
置指令パルスから直接転流信号を与えて120度通電駆
動シーケンス信号25を変化させれば,定電流駆動の方
式の開ループ駆動システムとなる。一方,2つの切り換
えスイッチ28a,28bを上側に閉じ,回転子位置検
出器の信号を転流信号として用いれば,閉ループ駆動シ
ステムとなる。偏差カウンタ19の信号をチョッパ制御
にフィードバックするこの制御系は,直流モータの位置
制御系と等価な2次振動系となる。この振動を抑制する
ために,F/V変換回路18を用いて速度マイナールー
プを構成している。
【0011】センサレス閉ループ駆動として動作させる
場合には,スイッチ素子と並列に接続された環流素子の
導通検出回路17より得られた回転子の位置信号を用い
る。導通検出回路17の出力信号は転流すべき位相より
も30度進んでいるため,位相シフト回路21を用い
て,検出信号を遅らせて転流信号を得ている。
場合には,スイッチ素子と並列に接続された環流素子の
導通検出回路17より得られた回転子の位置信号を用い
る。導通検出回路17の出力信号は転流すべき位相より
も30度進んでいるため,位相シフト回路21を用い
て,検出信号を遅らせて転流信号を得ている。
【0012】ステップモータを図5のようなモデルに置
き換え,回転子の位置と電流ベクトル位相角の位置関係
を示しながら,始動シーケンスの過程を説明する。モー
タに定電流を流した停止状態図(5−1)から回転させ
たい方向とは逆方向に1ステップだけ転流させると,回
転子は振動しながら電流ベクトルと同方向の位置(安定
点)(図5−2)の状態に収束する。このとき,回転子
の振動周期は電流に依存する。最初に転流した時刻から
回転子が反転するまで(図5−3)の時間(t1−t
0)は振動周期のほぼ1/2になる。そして回転方向が
反転し正方向で安定点を通過するまで(図5−4)の時
間(t2−t1)は振動周期のほぼ1/4になる。そこ
で転流した時刻t0から1回目に回転子が反転(逆方向
から正方向に)するまで(図5−3)の時間t1を計測
し,回転子が2回目に安定点(正方向)を通過する時刻
t2(図5−4)を計算する。回転子が安定点(正方
向)を通過した時,ステップ信号を2ステップ進ませる
(図5−5)ことで,電流と回転子は120度の位相差
をもつ。このとき開放相はV相である。回転子はさらに
回転し,V相巻き線に鎖交する磁束が最大になる位置
(図5−6)を通過するとともに,V相逆起電力の極性
が反転する。環流素子の導通検出回路17がV相逆起電
力の極性反転を検出し,電気角で30度位相シフトした
位置(図5−7)を計算し,転流を行う(図5−8)。
同時に切り替えスイッチ28a,28bを定電流制御か
ら閉ループ制御に切り換え,センサレス位置信号より作
り出した転流信号により転流させることで始動シーケン
スが完了し,センサレス閉ループ駆動へと移行する。図
3は時間経過にともなう回転子位置と電流ベクトル位相
角を示し,図4は実動作の1例で回転子位置と1相の電
流を示す。切り替えスイッチ28a,28bの操作は切
り替え回路22の指令で操作するようになっている。
き換え,回転子の位置と電流ベクトル位相角の位置関係
を示しながら,始動シーケンスの過程を説明する。モー
タに定電流を流した停止状態図(5−1)から回転させ
たい方向とは逆方向に1ステップだけ転流させると,回
転子は振動しながら電流ベクトルと同方向の位置(安定
点)(図5−2)の状態に収束する。このとき,回転子
の振動周期は電流に依存する。最初に転流した時刻から
回転子が反転するまで(図5−3)の時間(t1−t
0)は振動周期のほぼ1/2になる。そして回転方向が
反転し正方向で安定点を通過するまで(図5−4)の時
間(t2−t1)は振動周期のほぼ1/4になる。そこ
で転流した時刻t0から1回目に回転子が反転(逆方向
から正方向に)するまで(図5−3)の時間t1を計測
し,回転子が2回目に安定点(正方向)を通過する時刻
t2(図5−4)を計算する。回転子が安定点(正方
向)を通過した時,ステップ信号を2ステップ進ませる
(図5−5)ことで,電流と回転子は120度の位相差
をもつ。このとき開放相はV相である。回転子はさらに
回転し,V相巻き線に鎖交する磁束が最大になる位置
(図5−6)を通過するとともに,V相逆起電力の極性
が反転する。環流素子の導通検出回路17がV相逆起電
力の極性反転を検出し,電気角で30度位相シフトした
位置(図5−7)を計算し,転流を行う(図5−8)。
同時に切り替えスイッチ28a,28bを定電流制御か
ら閉ループ制御に切り換え,センサレス位置信号より作
り出した転流信号により転流させることで始動シーケン
スが完了し,センサレス閉ループ駆動へと移行する。図
3は時間経過にともなう回転子位置と電流ベクトル位相
角を示し,図4は実動作の1例で回転子位置と1相の電
流を示す。切り替えスイッチ28a,28bの操作は切
り替え回路22の指令で操作するようになっている。
【0013】上記の動作は,以下の手順で実現すること
が可能である。手順1として,回転させたい方向とは逆
方向に1ステップ転流する。手順2として,固有振動周
期の半分(t1−t0)の時間を測定する。手順3とし
て,時刻t1から測定時間の1/2経過した時刻t2に
2ステップ正方向に転流する。最後に,転流信号とチョ
ッパ信号をセンサレス閉ループ駆動に切り換える。この
始動シーケンスは,固有振動周期を測定してから始動す
るため,慣性の変化する用途にも適用可能である。
が可能である。手順1として,回転させたい方向とは逆
方向に1ステップ転流する。手順2として,固有振動周
期の半分(t1−t0)の時間を測定する。手順3とし
て,時刻t1から測定時間の1/2経過した時刻t2に
2ステップ正方向に転流する。最後に,転流信号とチョ
ッパ信号をセンサレス閉ループ駆動に切り換える。この
始動シーケンスは,固有振動周期を測定してから始動す
るため,慣性の変化する用途にも適用可能である。
【0014】センサレス閉ループ駆動時に電流ベクトル
は回転子より120〜60(平均して90)度進んでい
る。始動時にステップ信号を2ステップ進めることで電
流ベクトルを120度進めたが,停止時にはステップ信
号を2ステップ遅らせ,電流ベクトルと回転子の方向を
同一にしてロックを行わなければならない。始動時と同
様に回転子の位置と電流ベクトルの方向を考慮しなが
ら,停止シーケンスについて説明する。
は回転子より120〜60(平均して90)度進んでい
る。始動時にステップ信号を2ステップ進めることで電
流ベクトルを120度進めたが,停止時にはステップ信
号を2ステップ遅らせ,電流ベクトルと回転子の方向を
同一にしてロックを行わなければならない。始動時と同
様に回転子の位置と電流ベクトルの方向を考慮しなが
ら,停止シーケンスについて説明する。
【0015】モータがセンサレス駆動で回生運転中であ
ることを仮定する(図8−1)。V相巻き線に鎖交する
磁束が最大になる位置(図8−2)でV相逆起電力は極
性反転を行い,ダイオード導通検出回路はそれを検出す
る。検出位置から電気角で30度位相シフトした位置
(図8−3)を計算し,回転子がその位置を通過した時
点t5で,ステップ信号を2ステップ遅らせる(図8−
4)。同時に切り替えスイッチ28a,28bを定電流
制御に切り換える。電流ベクトルと回転子のなす角は6
0度となり,回転子の回転方向とは逆向きのトルクが回
転子に加わる。回転子は慣性のためさらに回り続ける
が,逆向きのトルクが加わっているため,やがて反転
(図8−5)し,電流ベクトルを中心に振動しようとす
る。このときの開放相はU相であり,U相のダイオード
の導通状態を監視することで,回転子の反転する位置を
検出できる。検出と同時にステップ信号を1ステップ進
ませる(図8−6)。電流ベクトルと回転子のなす角は
小さくなり,回転子に加わるトルクは減少する。これに
より,回転子の振動の振幅は小さくなる(図8−7)。
回転子は微小な振動を続け,やがて停止に至る(図8−
8) この停止シーケンスを使うためには,モータを十分減速
させなければならない。十分に減速されないうちに切り
替えスイッチ28a,28bを定電流制御に切り換えて
も,回転子の慣性が大きいため,回転子は1回転以上し
た後に振動を行い,停止する。位置特性を損なわないた
めにも,減速レートの設定にはこれらのことを考慮しな
ければならない。図6は時間経過にともなう回転子位置
と電流ベクトル位相角を示し,図7は実動作の1例で回
転子位置と1相の電流を示す。
ることを仮定する(図8−1)。V相巻き線に鎖交する
磁束が最大になる位置(図8−2)でV相逆起電力は極
性反転を行い,ダイオード導通検出回路はそれを検出す
る。検出位置から電気角で30度位相シフトした位置
(図8−3)を計算し,回転子がその位置を通過した時
点t5で,ステップ信号を2ステップ遅らせる(図8−
4)。同時に切り替えスイッチ28a,28bを定電流
制御に切り換える。電流ベクトルと回転子のなす角は6
0度となり,回転子の回転方向とは逆向きのトルクが回
転子に加わる。回転子は慣性のためさらに回り続ける
が,逆向きのトルクが加わっているため,やがて反転
(図8−5)し,電流ベクトルを中心に振動しようとす
る。このときの開放相はU相であり,U相のダイオード
の導通状態を監視することで,回転子の反転する位置を
検出できる。検出と同時にステップ信号を1ステップ進
ませる(図8−6)。電流ベクトルと回転子のなす角は
小さくなり,回転子に加わるトルクは減少する。これに
より,回転子の振動の振幅は小さくなる(図8−7)。
回転子は微小な振動を続け,やがて停止に至る(図8−
8) この停止シーケンスを使うためには,モータを十分減速
させなければならない。十分に減速されないうちに切り
替えスイッチ28a,28bを定電流制御に切り換えて
も,回転子の慣性が大きいため,回転子は1回転以上し
た後に振動を行い,停止する。位置特性を損なわないた
めにも,減速レートの設定にはこれらのことを考慮しな
ければならない。図6は時間経過にともなう回転子位置
と電流ベクトル位相角を示し,図7は実動作の1例で回
転子位置と1相の電流を示す。
【0016】停止シーケンスは,以下の手順で実現する
ことが可能である。はじめに,電流位相が最終位置の1
ステップ前に転流した瞬間,定電流駆動に切り換える。
その後,回転子が固有振動周期のために反転した瞬間,
最後の1ステップだけ転流させる。最後の転流をした後
に残る固有振動の振幅は,時刻t5における回転子速度
に依存するため,指令パルスの減速レートを調整するこ
とで,ほとんど完全に抑制することも可能である。
ことが可能である。はじめに,電流位相が最終位置の1
ステップ前に転流した瞬間,定電流駆動に切り換える。
その後,回転子が固有振動周期のために反転した瞬間,
最後の1ステップだけ転流させる。最後の転流をした後
に残る固有振動の振幅は,時刻t5における回転子速度
に依存するため,指令パルスの減速レートを調整するこ
とで,ほとんど完全に抑制することも可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明に成るステップモータの制御装置
は従来の定電流方式のみの駆動法に比較して,高効率・
低振動・低騒音で回転数範囲を拡大し,またセンサレス
閉ループ駆動においてもセンサレス駆動への切り換えが
スムーズに行え,安定なセンサレス閉ループ駆動が広い
速度範囲で良好にモータ駆動を実現することができる。
さらに,位置制御においても良好に制御でき短時間で確
実な始動が可能であり,停止時の固有振動を大幅に抑制
可能と成る。この結果、起動位置決め時間の大幅な短縮
が可能となり,停止位置決め時に回転子の固有振動を大
幅に低減も実現することもできる。
は従来の定電流方式のみの駆動法に比較して,高効率・
低振動・低騒音で回転数範囲を拡大し,またセンサレス
閉ループ駆動においてもセンサレス駆動への切り換えが
スムーズに行え,安定なセンサレス閉ループ駆動が広い
速度範囲で良好にモータ駆動を実現することができる。
さらに,位置制御においても良好に制御でき短時間で確
実な始動が可能であり,停止時の固有振動を大幅に抑制
可能と成る。この結果、起動位置決め時間の大幅な短縮
が可能となり,停止位置決め時に回転子の固有振動を大
幅に低減も実現することもできる。
【図1】本発明になるセンサレス閉ループ駆動と定電流
駆動を併用した3相ステップモータ駆動システム構成と
なるステップモータの制御装置の要部回路図である。
駆動を併用した3相ステップモータ駆動システム構成と
なるステップモータの制御装置の要部回路図である。
【図2】本発明になるセンサレス閉ループ駆動と定電流
駆動を併用した3相ステップモータ駆動システムの制御
回路構成である。
駆動を併用した3相ステップモータ駆動システムの制御
回路構成である。
【図3】本発明になる始動シーケンスのタイミングチャ
ートである。
ートである。
【図4】本発明になる始動シーケンスによる駆動時の波
形の1例である。
形の1例である。
【図5】本発明になる始動時の回転子位置と電流ベクト
ル位相角の関係である。
ル位相角の関係である。
【図6】本発明になる停止シーケンスのタイミングチャ
ートである。
ートである。
【図7】本発明になる停止シーケンスによる駆動時の波
形の1例である。
形の1例である。
【図8】本発明になる停止時の回転子位置と電流ベクト
ル位相角の関係である。
ル位相角の関係である。
1 3相モータ 2 駆動電源部 3 平滑コンデンサ 4 U相上側スイッチ素子 Tu 5 U相上側還流素子 Du 6 U相下側スイッチ素子 Tx 7 U相下側還流素子 Dx 8 V相上側スイッチ素子 Tv 9 V相上側還流素子 Dv 10 V相下側スイッチ素子 Ty 11 V相下側還流素子 Dy 12 W相上側スイッチ素子 Tw 13 W相上側還流素子 Dw 14 W相下側スイッチ素子 Tz 15 W相下側還流素子 Dz 16 制御回路 17 環流素子導通検出回路 18 F/V変換回路 19 偏差カウンタ 20 電流検出回路 21 位相シフト回路 22 切り換え回路 23 電圧指令制御回路 24 電流制御回路 25 120度通電駆動シーケンス信号発生回路 26 ゲート信号発生回路 27 チョッパ制御回路 28a,28b 切り換えスイッチ
Claims (1)
- 【請求項1】並列に還流素子を備えたスイッチ素子をブ
リッジ接続した主回路で構成された120度通電電圧形
インバータがチョッパ制御によりモータ電圧を制御する
モータ駆動装置において,モータを停止状態から始動す
る時には回転させたい方向とは逆方向に1ステップ転流
させ回転子が反転し,正方向で安定点を通過したとき2
ステップ分転流しセンサレス閉ループ駆動させるシーケ
ンスと,回転している状態から停止させる時には最終停
止位置の1ステップ前にセンサレス閉ループ駆動から定
電流駆動に切り換え,最終切り換え位置に停止させるシ
ーケンスとにより動作させることを特徴とするステップ
モータの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21414196A JPH1052094A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ステップモータの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21414196A JPH1052094A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ステップモータの制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1052094A true JPH1052094A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16650913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21414196A Pending JPH1052094A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ステップモータの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1052094A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1020987A4 (en) * | 1998-07-16 | 2002-12-18 | Seiko Epson Corp | DEVICE AND METHOD FOR CONTROLLING A MOTOR WITHOUT A POSITION SENSOR |
CN102602362A (zh) * | 2012-03-19 | 2012-07-25 | 南京航空航天大学 | 一种电动车防盗用制动电机的方法 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP21414196A patent/JPH1052094A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1020987A4 (en) * | 1998-07-16 | 2002-12-18 | Seiko Epson Corp | DEVICE AND METHOD FOR CONTROLLING A MOTOR WITHOUT A POSITION SENSOR |
CN102602362A (zh) * | 2012-03-19 | 2012-07-25 | 南京航空航天大学 | 一种电动车防盗用制动电机的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6236179B1 (en) | Constant power speed range extension of surface mounted PM motors | |
JP3765287B2 (ja) | エネルギー変換機制御装置 | |
KR100329077B1 (ko) | 공기조화기의 실외팬용 브러시리스모터의 구동장치 | |
US6577087B2 (en) | Multilevel DC link inverter | |
CN101841291B (zh) | 一种直流无刷电机控制方法 | |
CN105191113A (zh) | 用于无刷电机的ac/ac变换器 | |
JP2011211799A (ja) | モータ駆動装置 | |
KR20170067151A (ko) | 모터 제어 시스템, 모터 제어 방법 및 진공 클리너 | |
JP3731105B2 (ja) | モータシステムおよび該モータシステムを備えた空気調和機ならびにモータの起動方法 | |
JP3698051B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
CN102857163A (zh) | 无刷dc马达的无传感器控制装置 | |
CN102916648B (zh) | 逆变器的控制装置 | |
JPH07115791A (ja) | 電気自動車用制御装置 | |
JPH1052094A (ja) | ステップモータの制御装置 | |
JP2011030385A (ja) | モータ駆動装置、及びモータに備えられたロータの相対位置の判別方法 | |
JP4168287B2 (ja) | ブラシレスdcモータの駆動装置および同期運転引き込み方法 | |
Nguyen et al. | Intermittent control for efficiency gain of a switched reluctance machine | |
JP4291976B2 (ja) | ブラシレス・センサレスdcモータの起動方法 | |
JP2004328850A (ja) | インバータ冷蔵庫の圧縮機モータ始動方法 | |
JP2020156166A (ja) | スイッチトリラクタンスモータ制御装置及びスイッチトリラクタンスモータ制御方法 | |
JP3244799B2 (ja) | センサレス多相直流モータの起動方法 | |
CN109600081A (zh) | 一种步进电机控制策略 | |
JP3552380B2 (ja) | ブラシレスモータ駆動装置 | |
JP4079385B2 (ja) | ブラシレスdcモータの駆動装置 | |
JP3811955B2 (ja) | ブラシレスdcモータの駆動装置および駆動方法並びにブラシレスdcモータの回転子速度または回転子位相の検出方法 |