【発明の詳細な説明】
過炭酸塩含有洗剤、漂白剤及び清浄剤組成物
本発明は、漂白成分として被覆されたアルカリ金属過炭酸塩及び洗剤、漂白剤
又は清浄剤の通常の成分、その内、殊に、ケイ酸塩系ビルダーを含有する粉末状
洗剤、漂白剤又は清浄剤組成物に関する。有利に被覆された過炭酸ナトリウムを
含有する組成物は、高い貯蔵安定性を有し、かつその場合、アルカリ金属過炭酸
塩の遊離が、所定に調節可能である。更に、本発明は、該組成物の製法並びにそ
の中に使用されるアルカリ金属過炭酸塩に関する。
水中に溶けると過酸化水素を遊離する活性酸素化合物は、洗剤、漂白剤及び清
浄剤組成物中で、漂白成分として広く使用されている。前記の組成物は、漂白成
分の他に、基本成分として、いわゆるビルダー、例えば、ゼオライト及びアルミ
ノケイ酸塩をベースとする層状ケイ酸塩及び通常、1種又は数種の表面活性物質
(界面活性剤)並びに列、アルカリ性及び/又は無機電解質、漂白活性剤、例え
ば、N−アシル化合物及びO−アシル化合物、安定剤、光学増白剤、発泡抑制剤
、酵素、抗沈積剤、消毒剤、腐食防止剤、香料、染料、pH−値調節剤、更に、
清浄剤の場合には、剥離作用物質からの成分を含有する。
過ホウ酸ナトリウム−三水和物及び過ホウ酸ナトリウム−一水和物が、漂白剤
として前記の組成物中で、従来使用されているが、近年では、ホウ素不含漂白成
分、殊に、過炭酸ナトリウム(2Na2CO3・3H2O2)に対する関心が高まっ
ている。温度の高い湿潤な−環境下、殊に、洗剤、漂白剤及び清浄剤の通常の成
分の存在下での過炭酸ナトリウムの不充分な貯蔵安定性の故に(その際、特に、
ケイ酸塩ビルダーが、貯蔵安定性を低める)、可能な限り安定な過炭酸ナトリウ
ムを選択することが、実際にはかなり重要である。相応して、当業界では、貯蔵
の間の許容不可能な活性酸素損失(Oa−損失)を回避するために、過炭酸ナト
リウムを、前記の組成物中に、製造による充分に安定な生成物の形で、又は被覆
の施与により安定化された生成物の形で使用しようとしている。
過炭酸ナトリウム核上に被覆層を施与することにより得られる安定化された過
炭酸ナトリウムは、多くの文献から公知である:DE−OS2417572及び
DE−PS2622610では、安定化するための被覆は、列、炭酸ナトリウム
、硫酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウムからの物質を含有し;US−特許432
5933によると、過炭酸ナトリウムは、アルカリ土類金属塩、殊に、硫酸マグ
ネシウムの使用下で安定化されうる。ホウ素化合物、例えば、ホウ酸(DE−P
S2800916)、ホウ酸塩(DE−OS3321
082)及び過ホウ酸塩(DE−PS2651442及びDE−PS28103
79)も、過炭酸ナトリウムを被覆する安定剤として公知である。最後に、安定
化をもたらす被覆は、有機化合物、例えば、脂肪酸(DE−OS4109954
)又は有機ポリマー、例えば、ポリカルボキシレート及びセルロース化合物(D
E−OS4109953)を含有することもできる。更に、有利な二層被覆、第
一層にマグネシウム化合物及び第二層にソーダ並びにアルカリ金属ケイ酸塩を有
する特に有効に被覆された過炭酸ナトリウム粒子が、まだ公開されていないドイ
ツ特許出願P4324104.2に教示されている。過炭酸ナトリウムの回りを
安定化する被覆は、例えば、前記の文献中に記されているように、過炭酸ナトリ
ウムを、1種又は数種の安定化する被覆成分を含有する水溶液と接触させ、かつ
同時に、又はそれに引き続き、水を蒸発させることにより製造することができる
。
EP−A0451893中に、ゼオライト含有ベース粒子及び粒子状アルカリ
金属過炭酸塩、殊に、過炭酸ナトリウムを含有し、その際、該アルカリ金属過炭
酸塩が、0.06未満の該文献中で定義された形態インデックスを有する粉末状
の漂白洗剤組成物が公開されている。該形態インデックス(MI)は、粒子分布
に関して、平均粒径と粒子分布の標準偏差とを、式:
MI=0.048・CV+3.61・106・d-3
[式中、変数は、CV=σ/dであり、かつ
であり、かつd=Σdi・wi/100である]により結びつけている。この文献
によると、0.06未満の形態インデックスを有する過炭酸ナトリウム(これは
、約0.4mmより大きい平均粒径を有する生成物に相応する)を添加すると、
ゼオライト及び過炭酸ナトリウムを含有する洗剤の貯蔵安定性は、有利に影響さ
れる。更に、この文献中では、0.06未満、有利に0.04未満、かつ殊に、
0.03未満の形態インデックスを有する過炭酸ナトリウムを使用すると、洗剤
組成物の充分な貯蔵安定性が達成され、それにより、場合により経費をかけて製
造されるべき被覆された過炭酸ナトリウムの使用は、不必要になると指摘されて
いる。
本出願の発明者は、種々異なる形態インデックス(EP−出願0451893
中の定義による)を有する市販の被覆されていない過炭酸ナトリウムを、市販の
洗剤塔粉末(Waschmittelturmpulver)と混合して、その貯蔵安定性に関して調べ
た。Oa−保持率を、30℃及び相対湿度80%での2−、4−及び8−週間貯
蔵の後に測定し、その際、対照目的のために、過炭酸ナトリウムの代わりに、過
ホウ酸ナトリウム−一水和物を含有する、それぞれ1種の類似の、Oa−保持率
に関して同じ組成物を一緒に試験した:最初の4週間
の間に、組成物のOa−保持率は、前記のEP−文献と一致して低下したが、;
しかし8週間貯蔵では、前記のEP−文献の教示との一致は、認められない。更
に、非常に低い形態インデックスを有する過炭酸ナトリウムを使用しても、製造
された洗剤は、充分な貯蔵安定性(Oa−保持率で測定して)を有さないという
ことが確認された。実験で、低い形態インデックスを有する被覆されていない過
炭酸ナトリウムを選択することにより可能な貯蔵安定性よりも、かなり高い貯蔵
安定性を、洗剤組成物中の漂白成分として被覆された過炭酸ナトリウムを使用す
ることにより、達成することができることが示された。最後に、被覆された過炭
酸ナトリウムを含有する洗剤組成物では、最初の4週間の貯蔵期間の間、実際に
、被覆された過炭酸ナトリウムの形態インデックスに対する安定性の依存は、観
察されなかった;8週間の貯蔵の後に、やっと、期待された、形態インデックス
に依存した安定性の違いが示された。比較例は、前記の判定を裏付ける。従って
、漂白成分として被覆された過炭酸ナトリウムを有する洗剤組成物は、暖かく湿
潤な貯蔵条件の下でも、充分な貯蔵安定性を有するが、これらには、もう1つの
欠点、即ち、漂白成分としての長すぎる溶解時間が付随している:まさに、特に
貯蔵安定な生成物、例えば、殊に、流動層−噴霧粒子化により製造され、引き続
き被覆された過炭酸ナトリウム並びに可溶性を低下さ
せる被覆成分、例えば、アルカリケイ酸塩のより高い割合を有する過炭酸塩は、
水中で一定の溶解条件下で測定して、10分をはるかに上回る、部分的には30
分を上回る溶解時間を有する。この長い溶解時間は、より長い洗浄時間を必要と
するので、不所望である。
従って、本発明の課題は、一方で、高い貯蔵安定性をOa−保持率に関して有
するが、他方で、洗浄時間、漂白時間かつ清浄時間の延長を必要としない、被覆
されたアルカリ金属過炭酸塩を含有する洗剤、漂白剤及び清浄剤を提供すること
である。組成物中に含有される被覆されたアルカリ金属過炭酸塩は、10分未満
でも溶けるべきである。有利には、組成物中の被覆されたアルカリ金属過炭酸塩
の溶解時間が、確かに、約1/2分〜10分未満に調節されうるような1方法も
示されるべきである。
意外にも、慣用の洗剤又は漂白成分の存在下で、所望の活性酸素安定性を有す
る被覆されたアルカリ金属過炭酸塩の形態インデックスは、所望の溶解時間で溶
ける被覆されたアルカリ金属過炭酸塩のための選択基準として好適であることを
発見した。
相応して、本発明の目的は、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩及び慣用の洗剤
、漂白剤又は清浄剤成分、殊に、ケイ酸塩ビルダーを含有する粉末状洗剤、漂白
剤又は清浄剤組成物であり、これは、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩が、流動
層−噴霧粒子化により製造
されたアルカリ金属過炭酸塩及び過炭酸ナトリウム核に対して15重量%の量の
1種又は数種の安定化する化合物からなる一層又は多層被覆を有し、被覆された
アルカリ金属過炭酸塩の溶解時間が、15℃及び2g/水lの濃度で水中に95
%溶解するための溶解時間として測定して、10分未満であり、被覆されたアル
カリ金属過炭酸塩の形態インデックスMIが、0.03を上回り、その際、MI
は、式:MI=0.0448・CV+3.61・106・d-3により、変数CV
は、式:CV=σ/dにより、平均粒度dは、式:d=Σdi−wi/100によ
り、かつ標準偏差σは、式:
により定義され、[この際、diは、粒度フラクションiの平均粒度(2つの篩い
の間の算術的平均)を、かつwiは、これらのフラクションの重量部を表し、か
つこれらのフラクションは、約0.1mm−間隔の0.1〜0.8mmの篩い及
び1.0mmの篩を使用しての篩がけにより得られ、かつケイ酸塩ビルダーを含
有する洗剤組成物中でのOa*−保持率は、30℃及び相対湿度80%での8週
間貯蔵の後に、最低で70%であり、その際、Oa*−保持率は、該組成物のOa
−保持率と、被覆された過炭酸ナトリウムの代わりに過ホウ酸ナトリウム−一水
和物を有する、同じ方法で貯蔵された、Oa−の等しい類似の組成物のOa−保持
率とのパーセンテージで表された比である。
アルカリ金属過炭酸塩を充分に被覆すると、洗剤組成物中でのその貯蔵安定性
(Oa−保持率)は、実際にもはや形態インデックスに依存しない;しかし、請
求された範囲内で、形態インデックスが増加するにつれて、被覆されたアルカリ
金属過炭酸塩の溶解時間が、長くなることは重要である。一定の形態インデック
スを有する充分に貯蔵安定な被覆されたアルカリ金属過炭酸塩を選択することに
より、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩が、所望の時間内に溶解する、請求に記
載の組成物を得ることが可能である。
有利な組成物は、その核が流動層−噴霧粒子化により製造された、被覆された
アルカリ金属過炭酸塩を含有する。充分に短い溶解時間を保つ目的のために、0
.03より大きいMIを有する過炭酸塩を選択するという本発明による教示は、
流動層−噴霧粒子化の際に特に重要になる。既に、流動層−噴霧粒子化によるア
ルカリ金属過炭酸塩核の製造の際に、その条件を、0.03より大きいMI−値
が生ずるように選択するのが有利である。
図1/1は、例で実験された被覆された過炭酸ナトリウムの溶解時間と形態イ
ンデックスとの関係を示している:0.03〜0.04の範囲の形態インデック
スだと、曲線は、変曲点を示す。本発明の組成物は、0.04を上回る形態イン
デックスを有する式:2N
a2CO3・3H2O2の被覆された過炭酸ナトリウムを含有するのが有利である;
非常に短い溶解時間を有する組成物は、0.06を上回る形態インデックスを有
する被覆されたアルカリ金属過炭酸塩を含有する。
本発明による洗剤、漂白剤又は清浄剤組成物は、被覆されたアルカリ金属過炭
酸塩、有利に、被覆された過炭酸ナトリウムを含有する。安定化するための被覆
を有する過炭酸ナトリウム粒子は、数多くの文献により公知である、例えば、冒
頭に記載の文献に記載されている。有利な本発明で使用可能な被覆された過炭酸
ナトリウム粒子は、過炭酸ナトリウムからなる核及び列、ソーダ、重炭酸ナトリ
ウム、鉱酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、殊に、硫酸ナトリウム及
び硫酸マグネシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ金
属ホウ酸塩及び−過ホウ酸塩からなる、水不含の形又は水和物の形の1種又は数
種の化合物からなる被覆を有する。高い貯蔵安定性、即ち、洗剤成分の存在下で
被覆された過炭酸ナトリウムを貯蔵する間の僅かな活性酸素損失をもたらす特に
有効な被覆は、ソーダ、硫酸ナトリウム及び水ガラスからなる組み合わせ又は硫
酸マグネシウム、ソーダ及び水ガラスからなる組み合わせをベースとし、その際
、前記の物質は、一層で、又は多層で備えられていてよい。被覆量は、所望の安
定効果に合わせる:被覆量の増加に伴い、貯蔵安定性は増すが、他方で、殊に、
被覆が、アルカリ金属ケイ酸塩を含有する場合には、水溶性が低下する。過炭酸
ナトリウム核上の被覆量により、被覆された生成物の活性酸素含有率が低下する
ので、被覆量は、一般に、過炭酸ナトリウム核に対して、25重量%未満、有利
に、15重量%未満である。1重量%未満の被覆量で、既に、著しい安定性の増
加がもたらされうるが、本発明で使用される被覆された過炭酸ナトリウム粒子は
、過炭酸ナトリウム核に対して、最低1重量%の被覆量を有するのが有利である
。一方で、貯蔵安定性の必要性に合わせ、他方で、可能な限り高い活性酸素含有
率を有する生成物を、洗剤、漂白剤及び清浄剤組成物中で使用可能にするために
は、被覆量を、過炭酸ナトリウム核に対して、有利に2〜12重量%、特に有利
に3〜8重量%にする。
請求の記載で定義される溶解時間は、その時間内で、2g/lの濃度、15℃
で、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩の95%が水中に溶ける時間であり、その
際、実験の間、撹拌される。この測定を、伝導測定により行うのが有利である。
活性酸素化合物を漂白剤として含有する洗剤、漂白剤並びに清浄剤組成物に関
する本質的な品質基準の1つは、その貯蔵安定性である。漂白成分、この場合に
は即ち、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩の貯蔵安定性は、かなりの範囲で、こ
の組成物中に含有される慣用の成分に影響される;ケイ酸塩系ビルダー、例えば
、ゼオライト及びアルミノケイ酸塩ベース上の層状ケイ酸塩は、特に安定性を低
下させる。相応して、組成物の貯蔵安定性を、30℃及び80%の相対湿度での
8週間の貯蔵の後の活性酸素含有率(Oa−保持率)により測定する。品質の比
較のために、本発明の組成物の貯蔵と平行して、それぞれ、類似の組成物の貯蔵
テストを行うのが有利であると判明しており、その際、その類似の組成物は、単
に、本発明の組成物とは、それが、確かに、同じ活性酸素含有率をもたらす量だ
が、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩の代わりに、過ホウ酸塩ナトリウム−一水
和物を、含有するという点でのみ異なる。過ホウ酸塩ナトリウム−一水和物を含
有する洗剤、漂白剤及び清浄剤は、実際に、完全に充分な貯蔵安定性を示し、本
発明の組成物の安定性を、それぞれ過ホウ酸塩ナトリウム−一水和物を含有する
類似の組成物の安定性と比較することができる:請求項に記載のOa*−保持率
は、相応して、本発明の組成物のOa−保持率と、類似の過ホウ酸ナトリウム−
一水和物を含有する組成物のOa−保持率とのパーセンテージで表された比であ
る。請求の項に記載の組成物は、最低70%、有利に最低80%及び特に有利に
最低90%のOa*−保持率を有する。
本発明の洗剤、漂白剤及び清浄剤組成物は、冒頭に既に記載したように、被覆
されたアルカリ金属過炭酸塩の他に、慣用の洗剤、漂白剤又は清浄剤成分を含有
する。組成物の主成分は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性及び両性
分解性表面活性剤の列からなる表面活性剤である。もう1つの主成分は、既に記
載のビルダーであり、その際、ゼオライト、層状ケイ酸塩又は二ケイ酸塩の列か
らなるアルミノケイ酸塩系洗剤ビルダーが、有利である;その他のビルダーは、
例えば、ポリリン酸塩、アミノポリ酢酸及びアミノポリホスホン酸、ポリオキシ
カルボン酸並びに生物学的に分解可能なポリマー、有利には、近年増加した原料
をベースとするものである。リン酸塩含有ビルダーは、今日では、有利さにおい
て、比較的劣る。該組成物は、アルカリ性及び無機電解質、例えば、アルカノー
ルアミン及びケイ酸塩、炭酸塩及び硫酸塩を含有することが多い。より低い温度
で有効に洗浄、漂白又は浄化をすべき組成物は、更に、漂白活性化剤、例えば、
N−アシル化合物及びO−アシル化合物、例えば、テトラアセチルエチレンジア
ミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)の列
からのものを含有する。
本発明の洗剤及び漂白剤組成物は、例えば、次のような組成である:アニオン
性及び/又は非イオン性界面活性剤5〜30重量%、有利に10〜25重量%;
ケイ酸塩系洗剤ビルダー5〜70重量%、有利に20〜50重量%;有機ビルダ
ー0〜20重量%、有利に1〜8重量%;被覆されたアルカリ金属過炭酸塩2〜
35重量%、有利に10〜25重量%;漂白活性剤0.3〜20重量%、有利に
1〜10重量%、更に、アルカリ性及び無機電解質、必要により、酵素及び慣用
の助剤並びに水。
漂白剤を含有しない洗剤用の添加剤として使用することができるような純粋な
漂白剤は、通常、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩5〜95重量%、殊に、15
〜70重量%;漂白活性剤2〜50重量%、殊に5〜25重量%;pH−調節剤
0〜40重量%、更に慣用の助剤及び水を含有する。本発明の清浄剤は、一般に
、界面活性剤、ビルダー、被覆されたアルカリ金属過炭酸塩及び活性剤を含有す
る;研磨清浄剤は、付加的に剥離作用のある成分を含有する。
本発明による洗剤、漂白剤及び清浄剤組成物は、被覆されたアルカリ金属過炭
酸塩と、単独で又は既に予備混合された形で存在してよい慣用の洗剤、漂白剤も
しくは清浄剤成分とを、均一に混合することにより製造することができる。予備
混合された形とは、有利に、組成物の主成分を既に含有する噴霧乾燥された生成
物であり;相応して、洗剤組成物の製造のために、噴霧乾燥又は形成粉末化によ
り製造された漂白剤不含洗剤塔粉末が好適である。本発明の方法は、0.03よ
り大きい形態インデックス、10分未満の溶解時間及び30℃及び80%の相対
湿度での8週間の貯蔵の後に測定して最低70%、有利に80%を上回る、かつ
殊に90%を上回る、組成物のOa*−保持率に相応する活性酸素安定性を有す
る、粒子状の被覆されたアルカリ金属過炭酸塩を使用することを特徴とし、その
際、形態インデックス、溶解時間、Oa*−保持率は、前記のように定義されて
いる。均一な混合の他に、その製法には、その他の慣用の方法行程、例えば、粉
末化又は公知の例えば、プレス凝集又は押しだしによる均一に混合された組成物
の球状化も包含される。製造の際に使用される被覆されたアルカリ金属過炭酸塩
は、0.04より大きい、かつ殊に0.06より大きい形態インデックスを有す
るのが有利である。
本発明のもう1つの目的は、0.03より大きい形態インデックス及び10分
未満の溶解時間及び30℃及び相対湿度80%での8週間貯蔵の後に、ケイ酸塩
系ビルダーを含有する洗剤組成物中で最低70%のOa*−保持率を有する被覆
されたアルカリ金属過炭酸塩であり、その際、形態インデックス、溶解時間及び
Oa*−保持率は、前記のように、洗剤、漂白剤及び清浄剤組成物中での使用の
ために、定義されている。製造される生成物の形態インデックスよりも低い形態
インデックスを有するアルカリ金属過炭酸塩、有利に、流動層噴霧粒子化により
製造されたアルカリ金属過炭酸塩を、自体公知の方法で例えば、1種又は数種の
被覆成分を含有する溶液を、このアルカリ金属過炭酸塩上に、流動層中で噴霧し
、かつ水を蒸発させること
により被覆すると、前記の特性を有する被覆されたアルカリ金属過炭酸塩、例え
ば、殊に、被覆された過炭酸ナトリウムが得られる。場合により、このために、
所望の充分な活性酸素安定性を有するが、より低い形態インデックスを有し、従
って、製造される生成物に必要なデータに比べてより長い溶解時間を有する既に
被覆されたアルカリ金属過炭酸塩を、篩による分別により得ることもできる。有
利な被覆された過炭酸ナトリウムは、主に、リン及び塩化物不含である。
既に記載したように、本発明の洗剤、漂白剤及び清浄剤組成物は、より高い活
性酸素安定性で、10分未満の溶解時間を示す。本発明組成物の特に有利な点は
、形態インデックスが、選択基準として関することにより、その中に含有される
被覆されたアルカリ金属過炭酸塩の溶解時間を、所望に調節することができるこ
とである。アルカリ金属過炭酸塩の遊離の調節は、組成物が、酸化不安定な酵素
を含有する場合には、殊に重要である:このような場合には、溶解したアルカリ
金属過炭酸塩が、過酸化水素を遊離し、かつ酵素の作用が、酸化により抑制され
る前に、酵素が、洗浄、漂白又は清浄の間の初めの数分以内に、その効果を、完
全に発揮することができるのが、望ましい。形態インデックスの選択により、所
望の溶解時間を、10分未満の範囲で調節することができる。
アルカリ金属過炭酸塩の代わりに、過ホウ酸ナトリ
ウム−一水和物を含有する組成物とは異なり、本発明で可能な、本発明の組成物
中のアルカリ金属過炭酸塩の10分及び殊に、4分未満の短い溶解時間により、
洗浄、漂白及び清浄時間の延長は、より低い貯蔵安定性を甘受する必要もなしに
不必要である。
次の例及び比較例により、本発明を更に詳述する。
例
a)洗剤混合物中の貯蔵安定性の測定:
標準及び対照漂白剤として、リン酸塩不含であるが、ゼオライト含有洗剤粉末
、活性剤TADE及び被覆されたもしくは被覆されていない過炭酸ナトリウム(
NaPc)もしくは過ホウ酸ナトリウム−一水和物(Pbmh)を、その混合物
が、TAED5%を含有し、かつOa−保持率が、約2.35重量%であるよう
に混合する。
洗剤粉末中の成分(重量%):
アニオン界面活性剤 12
非イオン性界面活性剤 8
ゼオライトA 36
ソーダ 10
Na−ケイ酸塩 3
残分、含有水分 31。
混合物それぞれ800gを、市販の疎水性に含浸され、かつ接着されたE1−
洗剤包み中、30℃及び相対湿度80%で、空気調節キャビネット中で貯蔵する
。取り出し期日に従い−2、4及び8週後−、この包みを貯蔵する。Oa−保持
率を、通常の方法で、過マンガン酸塩滴定により測定する;出発−Oa−保持率
と2、4及び8週後のOa−保持率から、それぞれ、Oa−保持率を、%で測定す
る。標準に対するOa*−保持率を、式:
により算出する。Pbmhを有する対照のOa−保持率は、全ての例及び比較例
で、89〜93%であった。
b)溶解時間の測定:
被覆された過炭酸ナトリウム2gを、15℃の水1l中で撹拌し;溶解時間を
、95%まで溶けた時間と決め;その測定を、伝導測定により行った。
c)形態インデックス(MI)の測定:
測定される生成物を、公称値(mm)0.1;0.2;0.3;0.4;0.
5;0.6;0.71;0.8及び1.0及び必要な場合には(比較例)、付加
的に1.25及び1.4mmの篩を使用して篩にかける。フラクションを測り、
それから、式に従い、MIを測定する。
d)その他に記載の無い限り、被覆されていない過炭酸ナトリウムを、DE−
特許出願P4329205.4に従い、流動層−噴霧粒子化により製造し、その
際、リン含有結晶化抑制剤を含有しない過酸化水素水溶液及び炭酸ナトリウム水
溶液を、延長された中心管三成分噴霧ノズルにより、かつ溶液の外部混合下に、
その大きさが、製造されるべき顆粒粒子よりも小さい播種を有する流動層中に噴
霧し、かつ同時に、水を、40〜95℃の範囲の流動層温度で蒸発させる。
所望の形態インデックスが、直接、操作パラメータの選択により得られない場
合には、所望の生成物を、分別(ふるい分け)により得る。
e)被覆された過炭酸ナトリウム:
流動層乾燥器中で、乾燥空気(供給空気温度100〜110℃)の使用下で形
成された被覆される過炭酸ナトリウム(NaPc)からなる流動層上に、連続的
に、被覆成分を含有する水溶液を上から噴霧する(先ず、MgSO4−溶液(M
gSO420重量%)、引き続き、Na2CO3/ケイ酸ナトリウムの組み合わさ
れた溶液(Na2Co320重量%、ケイ酸ナトリウム8重量%(SiO2:Na2
O=約3.5:1))。流動層の温度を、50〜60℃の範囲に保持し、80〜
90℃で、後乾燥させる。溶液の噴霧を、慣用の二成分ノズルの使用下に、噴射
剤として空気を用いて行う。
比較例VB1及びVB2
種々異なる形態インデックス(MI)を有する、結晶化法により製造された被
覆されていない市販の過炭酸ナトリウムを、貯蔵の間のOa−保持率に関して試
験した。Oa−保持率の結果が、第1表から判明する。
被覆されていない過炭酸ナトリウムの貯蔵安定性は、MIに関わらず、不充分
である。
被覆された過炭酸ナトリウム(結晶化により製造された市販の過炭酸ナトリウ
ムを、MgSO44重量%及びソーダ4重量%及び水ガラス1.6重量%で安定
化した)を、Oa−保持率に関して試験した。結果が、第2表から判明する。
MIのOa−保持率に対する影響は、初めは、殆ど認められないが、8週後に
ようやく、明らかな違いが示された。
例1〜3
項d)の一般的処方で製造された過炭酸ナトリウム(NaPc)を、項a)の
記載により被覆した。MgSO4とソーダとケイ酸ナトリウムとの重量比は、常
に5対5対2であった。第3、4及び5表は、MI、溶解時間、かさ密度(Sd
)、出発Oa−値、30℃及び相対湿度80%での8週間の貯蔵後のOa−保持率
並びに篩分析の測定結果を示している。MIが増大するにつれて、Oa−保持率
が減ることなく、溶解時間が短くなる。
被覆量は、それぞれ過炭酸ナトリウム核に対して、例1中では、全部で12%
、例2中では、6%、かつ例3中では4%である。
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フロントページの続き
(72)発明者 クラース−ユルゲン クラーゼン
ドイツ連邦共和国 D−63579 フライゲ
リヒト アム ジルバーベルク 19ツェー
(72)発明者 トーマス リーザー
ドイツ連邦共和国 D−63457 ハーナウ
トロイエナー シュトラーセ 1
(72)発明者 リューディガー シュッテ
ドイツ連邦共和国 D−63755 アルツェ
ナウ イム ゴルデネン リング 11