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JPH10506379A - 可溶性の組合せライブラリー - Google Patents

可溶性の組合せライブラリー

Info

Publication number
JPH10506379A
JPH10506379A JP8505990A JP50599096A JPH10506379A JP H10506379 A JPH10506379 A JP H10506379A JP 8505990 A JP8505990 A JP 8505990A JP 50599096 A JP50599096 A JP 50599096A JP H10506379 A JPH10506379 A JP H10506379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
library
soluble
combinatorial
molecules
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP8505990A
Other languages
English (en)
Inventor
ジャンダ,キム
ヒュンソー,ハン
Original Assignee
ザ・スクリプス・リサーチ・インスティチュート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ・スクリプス・リサーチ・インスティチュート filed Critical ザ・スクリプス・リサーチ・インスティチュート
Publication of JPH10506379A publication Critical patent/JPH10506379A/ja
Ceased legal-status Critical Current

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H3/00Compounds containing only hydrogen atoms and saccharide radicals having only carbon, hydrogen, and oxygen atoms
    • C07H3/06Oligosaccharides, i.e. having three to five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/04General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers
    • C07K1/047Simultaneous synthesis of different peptide species; Peptide libraries
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、コア分子に結合した溶液状態の可溶相を含み、かつ可溶性組合せライブラリーの改良された高収量かつ効率的な生成を可能にする新規の可溶性組合せライブラリーに関する。本明細書に審査請求する可溶性組合せライブラリーの二三の具体的な例は1種以上の次のものを含む。すなわち、アミノ酸、α−アゼチドアミノ酸、トリアジンジオン分子、γ−ラクタムチド分子、δ−ラクタムチオチド分子、β−ラクタム核含有分子、リコラミンアルカロイド核含有分子およびβ−ブロッカー核分子。さらに、組合せ分子のライブラリーを生成させる分割合成法は、プール、分割およびカップリングの工程中は可溶であるが、洗浄工程中は不溶である二相性高分子担体を使用する。二相性高分子担体の可溶相における使用は、プール、分割、およびカップリングの工程の効率および性能を著しく高める。二相性高分子担体の不溶相における使用は洗浄工程の効率および性能を著しく高める。

Description

【発明の詳細な説明】 可溶性の組合せライブラリー参照すべき関連特許出願 本特許出願は、係属中の出願である米国特許出願第08/281,200号(1994年7月 26日付け出願)および米国特許出願第08/484,153号(1995年6月7日付け出願) の一部継続出願である。発明の背景 本発明は、可溶性の組合せライブラリー(soluble combinatorial libraries )およびこうした可溶性の組合せライブラリーの合成法に関する。このようなラ イブラリーは、薬物発見の努力をすすめていく上で、また他の科学的研究にとっ て有用である。 化合物の多様なコレクションまたはライブラリーを速やかに得ることは、薬理 学的活性に関して多数の新規化合物又はダイバーソマー(diversomers)を選別 しようとしている研究者にとって重要な目標である。組合せ合成(combinatoria l synthesis)を使用して、分子のライブラリーが造り出されている。これらの ライブラリーは、モノマーサブユニットの逐次的付加により得られるオリゴマー 分子またはポリマー分子からなることが多い。しかしながら一般には、こうして 得られるライブラリーは不溶性であり、溶液の形で合成されない。 ダウアー(Dower)らによるWO 91/19818(PCT/US91/04384)は、バクテリオフ ァージ被覆タンパク質の融合タンパク質として表されているペプチドライブラリ ーについて開示している。 ダウアーらによるWO 93/06121(PCT/US92/07815)は、ランダムオリゴマーを 合成する方法、および所望の特性を有するオリゴマーを識別するための識別タグ (identification tag)の使用について開示している。 エルマン(Ellman)による米国特許第5,288,514号は、固体支持体上へのベン ゾジアゼピン化合物の固相合成および組合せ合成について開示している。 ヒューブナー(Huebner)による米国特許第5,182,366号は、樹脂混合物の使用 によるペプチド混合物の制御された合成について開示している。ホーテン (Houghten)らによる“354ネイチャー84,1991”およびWO 92/09300(PCT/US91 /08694)は、基礎研究および薬物の発見を進めていく上での、合成ペプチド組合 せライブラリーの生成とその使用について開示している。これらのライブラリー は、不均質ライブラリーを形成する遊離ペプチドの混合物で構成されている。最 適ペプチドリガンドの系統的な識別は、ライブラリーをスクリーニングし、次い で繰り返し選択と合成プロセスによって達成される。例えば、あるライブラリー は、特異的に画定された最初の2つの位置と、18L-アミノ酸のランダム混合物 からなる最後の4つの位置とを有する、一連の6つの残基ペプチド(residue pe ptides)からなっていた。このライブラリーをスクリーニングして、画定された ペプチドのどのペアがアッセイにおいて最適の活性を有しているかを決定した。 次いで、最適ペアのペプチドが含まれていて、各ペプチドの第3の位置が個別に 合成されていて、そして最後の3つのペプチドが18L-アミノ酸のランダム混合 物からなるという第2のライブラリーを合成した。このライブラリーを上記のよ うにスクリーニングし、最適の6つの残基ペプチドが識別されるまでプロセスを 繰り返した。ホーテンらは次のように述べている。 “全体で数億のペプチドの系統的スクリーニングが可能な、他の多くのラ イブラリー(例えば、完全にD-アミノ酸で構成されているライブラリー)を合 成した。SPCL(synthetic peptide combinatorial libraries; 合成ペプチ ド組合せライブラリー)の基本的な特徴は、遊離のペプチドを生成させ、実質的 に全ての現行のアッセイシステムにおいて、アッセイに最も適用可能な各ペプチ ドの濃度にて溶液の形で使用できる、という点にある。このアプローチは、放射 性受容体アッセイ(アヘン様作用ペプチド)およびプラーク抑制アッセイ〔ヒト の免疫不全ウイルス(HIV-1)および単純性疱疹ウイルス(HSV)〕に使 用してうまくいっている。前述したように、SPLCは、ペプチドが関与する薬 物の発見と研究のあらゆる分野に大いに役立つ。” ラム(Lam)らによる“354ネイチャー82,1991”とWO 92/00091(PCT/US91/04 666)、およびホーテンらによる“354ネイチャー84,1991”とWO 92/ 09300(PCT/US91/08694)は、ペプチドと構造の明確な他のライブラリーの系統 的合成とスクリーニングについて開示している。使用している方法は、無数のビ ーズからなる大きなペプチドライブラリーをスクリーニングするという、1ビー ズ−1ペプチド法(one bead one peptide approach)に基づいている。各ビー ズが単一のペプチドを含んでいる。著者らは次のように述べている。 “ペプチド合成のプロトコルにおいて活性化アミノ酸のランダム混合物を 使用することは明らかに充分とは言えない。なぜなら、異種アミノ酸のカップリ ング速度が大きく異なるために表示(representation)が等しくなくなり、また 各ビーズが異種ペプチドの混合物を含むようになるからである。我々の解決策は “スプリット合成(split synthesis)”法を使用することであった。最初のサ イクルは、レジンビーズのプールをそれぞれ単一のアミノ酸を含んだ別個の反応 容器中に分配し、カップリング反応を完全に起こさせ、そしてビーズを再びプー ルすることからなっていた。このサイクルを数回繰り返して、ペプチド鎖を延ば した。このようにすれば、各ビーズは1つだけのペプチド種を含むはずである。 ” ビーズのライブラリーを染色法によってスクリーニングし、染色されたビーズ を顕微鏡を使用して見えるようにし、そしてこれらを除去した。ペプチドの構造 は、単一ビーズ上の物質の化学分析によって得られる。ラムらは次のように述べ ている。 “さらに、我々のアプローチは、D-アミノ酸もしくは非天然アミノ酸だ けでなく環状ペプチドを含む特異的な二次的構造を組み込んだライブラリーを合 成する際に、充分に確立されたペプチド化学の豊富な内容を適用する上ではるか に大きな可能性を有している。こうした合成の全てを、合成生成物の記録を残す 必要なく行うことができる。我々の関心は、受容体に強い相互作用シグナルを与 えるペプチドに向けられているからである。” これらの組合せライブラリーは、固相〔例えばビーズ、レジン、またはファイ バー〕で合成されており、溶液状態では合成されていない。薬物発見のプロセス は、高処理量のスクリーニングプロセスを自動化したロボット工学によるベンチ マークアッセイの出現によって容易になった。新薬になりそうな物質をより簡単 にスクリーニングできるので、新薬可能性物質を見いだす必要性が高まっている 。新薬可能性物質のライブラリーを生成させるために、組合せ化学(combinator ial chemistry)−−多様な分子構造体のパラレル合成を可能にする−−を使用 することができる〔ホッジソン(Hodgson),J.,Bio/Technology 11: 683-688, 1993〕。 組合せライブラリーは、組合せ的に配列されたサブコンポーネントを有する分 子の集合である。サブコンポーネントがいずれも同じ部類に属する場合、組合せ ライブラリーを構成している分子はポリマーもしくはオリゴマーである。サブコ ンポーネントが異なった部類に属する場合、組合せライブラリーまたは組合せラ イブラリー中の分子の種々のサブセットを構成する分子は、非オリゴマーの複素 環式化合物であってもよい。組合せライブラリーはスプリット合成法によって得 られ、このとき、組合せ配列の反応容器中に収容されている初期ライブラリー成 分に、サブコンポーネントがパラレル方式にて加えられる。各サブコンポーネン トを加えた後に、初期ライブラリー成分を洗浄し、プールし、混合し、そして引 き続きパラレル反応容器の組に分割してさらに分子を延ばす。ライブラリーが得 られるまで(このとき各ライブラリー成分は所望数のサブユニットを有する)、 スプリット合成のプロセス自体を繰り返す。一度に1つの分子種だけを生成する 逐次化学(serial chemistry)と異なって、組合せ化学は、組合せの規則(comb inometrics)に従って予測される仕方で、指数関数的に多様な分子を造り出せる 可能性を有している(すなわち、Janda,K.D.,Proc .Natl.Acad.Sci USA 91 :10779-10785,1994)。 組合せ化学は、高収率の反応生成物を与える一般的な反応計画と反応プロトコ ルを優先的に使用する。この目的に対し、組合せライブラリーを生成させるため の好ましい方法として固相のポリマー担持合成が開発された〔例えば、ブーニン B.A.とエルマンによる“J .Am.Chem.Soc.114:10997-10998,1992”;ホッブ ス・デウィット,S.キーリー,J.S.スタンコビッチ,C.J.シュローダー,M.C. レイノルズ,コディ D.M.およびパヴィアM.R.による“Proc .Natl.Acad.Sci U SA 90:6909-6913,1993”;チェンC,アルバーグL.A.,ミラーR.B.,ジョーンズA.D .およびカースM.J.による“J .Am.Chem.Soc. 116:2661-2262,1994”;及びバ ッケスJ.B.とエルマンJ.A.による“J .Am.Chem.Soc. 116:11171-11172,1994 ”〕。固相ポリマー担持合成は、初期ライブラリー分子を組み上げることのでき る不溶性のマトリックス基質を使用する。この不溶性マトリックス基質を、各延 長工程の後に洗浄する。次いで生成物をプールし、第2のあるいは引き続いた反 応容器の組に分割して、必要に応じてさらなる延長工程を施す。 固相法は組合せ化学における好ましい方法であるけれども、この方法はある特 定の欠点を有する。最も大きな欠点は反応条件が不均一であるということであり 、このため以下のような問題点のうちの幾つかが現れることがある。 a) 速度論的挙動が非線形である; b) 化学反応の分布および/または起こりやすさが均一でない; c) 溶媒和の問題; d) 不溶性の試剤または触媒を使用する;および e) 固相合成に付きものの単に合成上の問題。 求められているものは、組合せ化学のための固相合成の代替法、すなわち、よ り高い収率をもたらし、上記の欠点を軽減するような方法である。組合せ化学の 分野をはずれて、後述するように、二相支持体(biphasic support)が個々の分 子の逐次合成と関連づけて使用される。ポリエチレングリコール(PEG)は、 その物理的・化学的特性が適切であることから、逐次化学の分野において従来か ら使用されている二相支持体である。PEGポリマーは、2,000から20,000まで の種々の分子量のものが市販されており、フルカ(Fluka)社、シグマ(Sigma) 社、およびアルドリッチ(Aldrich)社から、非保護または保護処理の単官能化 もしくは二官能化ポリマー(例えばPEGのモノメチルエーテル)として購入す ることができる。 PEG物品は、殆どの反応混合物および有機溶媒に対して溶解性である(w/v: ベンゼン10%,CCl410%,ジオキサン10%,メタノール20%,ピリジン40% ,CHCl347%,CH2Cl253%,H2O55%,EtOH20%,34℃の EtOH 1%,32℃のEtOH 0.1%,20℃のジエチルエーテル0.01%)。しか しながら、ジエチルエーテルにさらすと沈殿が生じ、これによって簡単な分離と 、20℃エタノール中での結晶化が可能となる。他のポリマーと異なって、PEG はゲル状沈殿物を形成しにくい。 PEGは、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖類、およびペプチドの逐次合成と逐 次精製と結びつけて二相支持体として使用されている。PEGは通常、エステル 結合を介してコアー分子に連結される(例えば、PEG上の遊離ヒドロキシルが 、コアー分子上の遊離ヒドロキシルに対するスクシネート結合を介してエステル 化される)。しかしながら、PEGに対してはアミド結合やエーテル結合も同様 に可能である。 E.バイエルら(ネイチャー237:512,1972)は、ペプチドの合成に対しPEG を二相支持体として使用することを説明している。バイエルはさらに、PEGの 可溶化能力が、最大12残基の鎖長をもつオリゴマーの合成を可能にするのに充分 である、ということを開示している。さらに、最大10〜15個のアミノ酸残基鎖長 をもつオリゴマーがリンカー(たとえばスクシネート結合)として使用される場 合、PEG結合ペプチドの物理化学的特性はポリマーエステル基によって支配さ れる。PEGは、非晶質ペプチドブロックに結合した後でも、その結晶質相をか なり保持するが、より長いペプチド(残基の数が20個を越えるペプチド)の合成 は、主要なシーケンス、側鎖の保護、およびペプチドの配座によって大きく異な る。 ボノラ(Bonora)らによる“ヌクレオシドとヌクレオチド10:269,1991”は、 PEGを二相支持体として使用した大規模ジデオキシヌクレオチド合成について 開示しており、シーケンス:d(TAGCGCTA)を有するオクタヌクレオチ ドの合成に対して90%以上の高い収率を報告している。環状オリゴデオキシリボ ヌクレオチドの合成の場合もPEG支持体の有用性が示されており、沈殿条件と 結晶化精製条件の例が挙げられている(ボノラらによる“ヌクレオシドとヌクレ オチド 12:21,1993”)。 ボノラは、これらのオリゴヌクレオチドを合成する上で、二相支持体が、固相 支持体システムに比較して幾つかの利点を有していることを開示している。すな わち、 a) 反応混合物からのオリゴヌクレオチドの分離がクリーン且つ簡便であり 、これによって精製時間が短縮される; b) ミリグラム量での小さなオリゴヌクレオチドの合成が経済的である;お よび c) 溶液相有機化学(solution phase organic chemistry)が使用できると いう利点がある(例えば、TLCもしくはHPLC、種々の試薬、および種々の 温度・圧力条件によってモニターすることができる)。 クレピンスキー(Krepinsky)らは、PEGの結晶化精製特性を使用した、小 さなPEG結合二糖類のミリグラム量合成について開示している。この合成の重 要なポイントは、PEGを炭水化物ヒドロキシル基に結合させるときに、グリコ シル化剤を繰り返し加えることによって、グリコシル化反応を実質的に完全に起 こさせることができるということである。引き続き過剰な試剤を、沈殿したPE G結合生成物から洗い落とし、所望の長さのポリマーが得られるまでプロセスを 繰り返す(クレピンスキーらによる“J .Am.Chem.Soc.113:5095,1191”)。 PEG(ポリエチレングリコール)は、沈殿と結晶化が容易であるという特性 のために、逐次合成に対する好ましい二相支持体である。しかしながら逐次化学 の分野では、これに代わる二相支持体も知られている。代替の二相支持体として は、ポリビニルアルコール−ポリビニルピロリドン共重合体およびポリビニルア ミン−ポリビニルピロリドン共重合体などがある(バイエルらによる“ネイチャ ー237:512,1972”)。発明の要約 本発明によれば、可溶性の組合せライブラリーを合成するための新規な方法が 提供される。この方法を使用すれば、不溶性固相の場合とは対照的に、可溶性相 (soluble phase)においてこのような合成を行うことができる。この方法によ れば、新規なライブラリーを高収率で容易に造ることができ、またより効率的な 手段によって評価することができる。本発明の可溶性の組合せライブラリーが溶 解 状態で合成されるだけでなく、組合せライブラリー自体も、いったん合成される と可溶性となる。 組合せライブラリーは、次のような特徴を有する分子の集合体(assemblages )である。すなわち、コアー分子の化学構造または組成が異なる;コアー分子の 集合体の化学構造または組成が異なる;あるいはコアー分子の化学成分(chemic al moieties)もしくは基の化学構造または組成が異なる。可溶性の組合せライ ブラリーは、可溶性分子で構成される組合せライブラリーであり、このライブラ リーの合成は溶液中で行われ、例えば固体支持体(例えば、ビーズまたはファイ バー)上では行われない。むしろ、ライブラリーの分子は可溶性のポリマー化合 物に結合する。 本発明の可溶性の組合せライブラリーは、薬理学的に活性で且つ薬効のある薬 物可能性物質である多くの分子を速やかに生成させ、これを識別するのに特に有 用である。本発明により、薬理学的活性分子のセットの、速やかで、効率的で、 そして簡便な生成とスクリーニングが可能となる。薬理学的に活性な分子または 分子のセットがいったん識別されたら、再び本発明を使用して、分子または分子 のセットを若干変えることによって、活性分子または活性分子のセットを最適化 することができる。 本発明の利点は、生物学的に活性であって可能性のありそうな広範囲の化合物 に対して、効率的な合成と自動化されたスクリーニングが可能になるということ である。 本発明(詳細については後述する)は、関連した又は構造的に類似した分子の セットで構成された可溶性の組合せライブラリーを特徴とし、このとき各分子は 可溶性のポリマー分子に結合している。本発明は、可溶性の組合せライブラリー を合成する効率的な方法、および可溶性の組合せライブラリーを生成させるため の組成物を含む。本発明は、合成のフォーマットにおいて大きなフレキシビリテ ィをもたらす。 1つの実施態様においては、本発明は、ライブラリー分子の改良された操作、 より大きなライブラリーの生成、およびライブラリーを構成している組成物の改 良された効率的な精製を可能による可溶性の組合せライブラリーである。さらに 、組合せライブラリー自体は溶液に対して溶解性であり、これは従来の固相合成 を凌ぐ利点である。 好ましい実施態様においては、可溶性の組合せライブラリーは“コアー分子” または“コアー分子の集合体”で構成されている。コアー分子は、共通の化学構 造または官能成分を共有し、可溶性の組合せライブラリーの個性を決定する化合 物である。しかしながら、コアー分子または分子の集合体は、1つ以上の化学成 分が異なっていてもよい。 “コアー分子のセット”とは、個々の化学成分が異なっている2つ以上のコア ー分子である。“コアー分子の集合体”とは、化学的に繋がった一連の2つ以上 のコアー分子である。 コアー分子の例(これによって本発明の範囲が限定されることはない)として は、アミノ酸、α−アゼチドアミノ酸、トリアジンジオン分子、γ−ラクタムチ ド分子、δ−ラクタムチオチド分子、β−ラクタム核含有分子、リコラミンアル カロイド核含有分子、β−遮断薬核(β-blocker nucleus)分子、またはこれら の組合せ物なとがある。 “可溶性ポリマー化合物”は、所望のライブラリー合成反応を起こさせようと する溶媒中に溶解させることのできる分子である。単独では不溶性である関連化 合物が、いったん可溶性ポリマー化合物に結合すると、所望の溶媒中に溶解する ようになる場合がある。このようにすれば、試剤を溶液の形でコアー分子と反応 させることができる。一般には、溶液中でのこのような反応は、可溶性ポリマー 化合物に結合していないコアー分子と試剤とが反応するときは、非効率的である かまたは不可能である。 本発明では、可溶性ポリマー化合物に関して合成することによって、固相合成 によって得られる収量より数桁大きい収量が得られる。一般に、本発明ではミリ グラムまたはグラムレベルの生成物が得られ、本発明の収量は限度がない場合も ある。これとは対照的に、固相合成では、ナノグラムレベルの生成物しか得られ ない。 本発明の可溶性組合せライブラリーを合成する際に使用する可溶性ポリマー化 合物は、コアー分子と反応させようとする化学物質に対して不活性であるが、化 学的に活性であってもよい。コアー分子は、試剤と可溶性ポリマー化合物との間 に望ましくない副反応を引き起こす恐れなく、試剤で処理することができる。さ らに、可溶性ポリマー化合物は、コアー分子またはコアー分子からの生成物と反 応しない他の特定の化学物質と反応してもよい。 可溶性ポリマー化合物のさらなる利点は、効率的な単離と所望生成物の回収を 容易にすることである。 可溶性ポリマー化合物は、濾過やクロマトグラフィー法(当業者にはよく知ら れている)によって容易に単離できるようなサイズおよび重量でよい。 さらに、可溶性ポリマー化合物は、コアー分子から開裂可能であってもよい。 可溶性ポリマー化合物とは反応するが、コアー分子とは反応しない試剤と化学物 質を使用することにより、可溶性ポリマー化合物を不溶性となるよう化学的に変 性させることができ、これによって結合したコアー分子の精製と単離が容易にな る。 本発明を使用して可溶性の組合せライブラリーを生成させることができ、これ を後で不溶性にすることができる。したがって本発明は、従来の合成およびライ ブラリー〔例えば、固相合成によって得られるライブラリー(不溶性ライブラリ ー)〕のもつ全ての利点を有しており、また従来の合成およびライブラリーによ っては得られなかった多くのさらなる利点を有する。これらのさらなる利点の幾 つかは、速やかで効率的な生成、高い収量、および可溶性組合せライブラリーの 生成などである。 可溶性ポリマー化合物は、結合しているコアー分子を可溶性ポリマー化合物か ら開裂させ、そして回収できるよう、他の化学物質と反応させることができる。 “組成物(Composition)”は、1つ以上の化学成分を加えるかまたは取り除 くかして化学的に変性させたコアー分子のセットの1つである。 ライブラリーは、異なった化学成分を含んだ化合物のいかなる組合せで構成さ れていてもよい。これらの化合物は、従来の化学的方法によって、あるいは酵素 を使用することによって合成することができる。化学成分は、天然物であっても 非天然物であってもよく、アミノ酸(メチオニン中のヒドロキシル基のようなア ミノ酸のR基)、ヌクレオチドもしくはその一部、糖類、脂質、および炭水化物 を含む。それぞれの基を結びつけるのに使用される結合は、共有結合、イオン結 合、および配位結合を含めたいかなるタイプの結合であってもよい。これらの結 合は、酵素または化学的処理によって選択的に開裂することができる。 本発明は、可溶性化合物が結合しているために幾つかの効率的な方法によって 単離・精製することのできるコアー分子の多様なセットを迅速且つ効率的に生成 させることができるので有用である。可溶性化合物は、結合したままであっても よいし、あるいは精製のいかなる段階で必要に応じて開裂してもよい。例えば、 PEGを可溶性化合物として使用すると、膜濾過または沈殿によって迅速且つ効 率的な単離が可能となる。 本発明はさらに、従来の固相合成によって得られるライブラリーより大きなラ イブラリーの生成に対して有用である。 本発明はさらに、新規の治療用分子(therapeutic molecules)をスクリーニ ングするのに有用である。例えば、本発明により、このような治療用分子を受容 体作用薬または受容体拮抗薬としてスクリーニングすることができる。 さらに、α−アザアミノ酸を主鎖として使用すれば、ライブラリー分子を経口 投与できる可能性が生じる。この可能性は、α−アザアミノ酸が簡単には加水分 解されないという事実によるものである。さらに、α−アザアミノ酸では、従来 のアミノ酸のα−炭素が窒素で置き換えられている。この窒素は、α−アゼチド を含んだライブラリー分子に薬理学的活性を増大させる可能性がある。 他の態様においては、本発明は、本発明の可溶性反応法(soluble-reaction m ethod)または他の全ての組合せライブラリー生成法(当業者には周知のもの) によって結びつけることのできる以下のような組成物を特徴とする:α−アゼチ ド組成物;トリアジンジオン組成物(核酸様の化合物である);γ−ラクタムチ ドおよびδ−ラクタムチオチド(後者は保護処理したシステインから誘導するこ とができる);β−ラクタム核(このとき化学基を変えてもよい);リコラミン アルカロイド核(このとき化学成分またはそれに結合した基を変えてもよい); および、例えばナフトール環またはフェノール環を含んだβ−遮断薬核(このと き化学成分または環のまわりの基を変えてもよい)。 さらに以下のような組合せライブラリーが提供される:2つ以上の酸素原子と 少なくとも1つの化学成分または基を有する複素環式化合物を含んだポリ酸素化 化合物ライブラリー(このとき前記化合物は、ペプチドもしくはペプチド様の主 鎖に沿って結合させることができる);アリールオキシ酢酸ライブラリー;ポリ エーテル主鎖化合物ライブラリー;ピリジル主鎖化合物ライブラリー;およびジ デオキシヌクレオチド化合物ライブラリー。 好ましい実施態様では、可溶性組合せライブラリーの合成は、ポリエチレング リコール(PEG)を、組合せライブラリーの初期コアー分子が結びつく可溶性 ポリマー化合物として使用する。可溶性のポリマー保護基(soluble,polymeric protecting group)としては、例えば、ポリビニルアルコールまたはポリビニ ルアミンとポリビニルピロリドンとの共重合体がある。組合せライブラリーを生 成させる際には、一般には多くのコアー分子が使用され、通常は、反応容器1つ 当たり1つのコアー分子が使用される。 必要に応じて、各反応容器において沈殿工程を行ってもよい。この沈殿工程に より、PEGに結合していないコアー分子からのPEG−分子の精製が可能とな る。なぜならPEG−分子だけが沈殿し、溶液中に残存しているコアー分子から 分離できるからである。精製工程の後、ミキシング工程を行うことができる。次 いでこの混合したPEG−分子を別のコアー分子と反応させることができる。所 望数のコアー分子が結合するまでこのプロセスを続ける。最後に、PEGを開裂 して、結合したコアー分子を所望の生成物として得る。 他の実施態様においては、共有している構造成分(structural elements)は 1つ以上のペプチド結合であり、また化学成分はポリ酸素化された複素環式化合 物である。 他の実施態様においては、共有構造成分はβ−ラクタムであり、化学成分は、 β−ラクタムのカルボキシ官能基またはアミノ官能基に結合してもよい。カルボ キシ官能基に結合してもよい化学成分としては、アルコール、アミノ酸、および アミンなどがあるが、これらに限定されない。アミノ基に結合してもよい化学成 分としては、エステル、アミノ酸、カルバメート、およびチオエステルなどがあ るが、これらに限定されない。 本発明の他のさらなる目的、特徴、および利点は、本発明の好ましい実施態様 についての下記の説明から明らかとなろう。 本発明は、組合せ分子のライブラリーを生成させるための改良された方法を提 供すること目的としている。本発明の方法は、パラレルスプリット合成の少なく とも2つのサイクルを使用する。パラレルスプリット合成のサイクルは、共通の プール中に二相高分子支持体(biphasic macromolecular supports)を集めてミ キシングすることによって始まる。それぞれの高分子支持体は、それに結合した 初期ライブラリー分子を有する。次いで、二相高分子支持体の共通のプールを分 割し、一連の別個の反応容器に移す。二相高分子支持体を溶解性にする第1の溶 媒(例えばアルコール)中で、反応容器に反応物をパラレルに加えることによっ て、各別個の反応容器中にて初期ライブラリー分子が延長される。次いで、第2 の溶媒を加えることによって二相高分子支持体を不溶性にし、洗浄して反応物を 取り除く。次いで必要に応じてサイクルを繰り返して、組合せ分子のライブラリ ーを生成させることができる。 好ましい態様においては、二相高分子支持体は、ポリエチレングリコール(P EG)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミンとポリビニルピロリドンの共 重合体、およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる。これらの二相高分子支 持体は、アルコールを加えることによって可溶性になり、またエーテルを加える ことによって不溶性になる。好ましい組合せ分子としては、オリゴペプチド、オ リゴ糖類、オリゴヌクレオチド、アリールスルホンアミド、およびこれらの誘導 体などがある。 他の好ましい態様においては、組合せ分子のライブラリーと並行してデコンボ リューション集合体(deconvolution assemblage)を合成する。デコンボリュー ション集合体は、アッセイによりポジティブと識別された組合せ分子の個性をデ コンボリュートするのに使用することができる。デコンボリューション集合体は 、高分子支持体のアリコートを、洗浄工程後に各反応容器から取り出すことによ って形成される。 二相高分子支持体を使用するパラレルスプリット合成は、面倒な中間体精製手 順を必要としない段階的合成であるという利点を有する。アミノ酸、ヌクレオチ ド、アリールスルホンアミド、または糖残基は、二相高分子支持体に可逆的・共 有結合的に結合していることが明らかとなっており、これによって、合成の全段 階を通じて成長するオリゴマー鎖の物理的・化学的特性が決まる。反応はいずれ も、標準的な溶液相有機化学にしたがって行われる。これにより、必要に応じて 種々の量(例えば、化学量論や大過剰)の試剤を使用するためのフレキシビリテ ィがもたらされ、反応を完全に進行させるために反応時間を長くしたり、また反 応温度を変えたりすることができる。さらに、標準的なTLC分析やHPLC分 析によって反応をモニターすることができる。さらなる利点は、簡単な精製およ び/または結晶化手順(これは二相高分子支持体によるものである)によって、 ポリマー結合コアー分子を可溶性試剤から精製できるという点である。二相高分 子支持体はさらに、試剤とは分子サイズが異なるという利点を有しており、した がって、カップリング工程後に生成物を精製するには、単に膜濾過などによる透 析によって濾過すればよいだけである(E.バイエルらによる“ネイチャー237:51 2,1972”)。 二相高分子支持体を使用すると、次のような利点が得られる。 1) 合成サイクルが単純化され、精製法は、濾過、沈殿、および/または結 晶化という手段を使用する(これは、二相高分子支持体に特徴的な物理的特性を 反映している)。したがって、オリゴマーの合成に必要なトータル時間が短縮さ れる。 2) コアー分子と二相高分子支持体との間の共有結合(例えば、ポリマーエ ステル基)によって、コアー分子の溶解性を高めることができる(例えばペプチ ド)。 3) 二相高分子支持体に対して濾過、沈殿、または結晶化という手段を適用 すると、比較的コストのかからない方法を使用することができ、また同時に、生 成物を高収率にて速やかに生成させることができる。 要するに、二相高分子支持体を使用すると、組合せ分子のライブラリーを生成 させるためのパラレルスプリット合成(プール工程、スプリット工程、および延 長工程が液相中で行われ、一方、洗浄工程が固相で行われる)が達成される。こ のアプローチを適用することによって、固相組合せ合成の欠点が解消されるとと もに、その優れた面は保持される。これとは逆に、液相合成は固相組合せ合成の ような欠点をもたない。こうした方策は液相組合せ合成(Liquid Combinatorial Synthesis; LPCS)と呼ばれる。 LPCSの好ましい実施態様においては、線状ホモポリマー〔ポリエチレングリコ ールモノメチルエーテル(MeO-PEG)〕を二相高分子支持体として使用する。MeO -PEGはさらに、合成される化合物のライブラリーのための末端保護基としても機 能する。この単官能ポリマーは、ペプチド、オリゴヌクレオチド、およびオリゴ 糖類の合成にうまく使用できるので、ホモポリマー“保護基”として選択されて いる(バイエルE.とムッターM.による“ネイチャー237:512-513,1972”;ボノ ラG.M.,スクレミンC.L.,コロンナF.P.およびカルベシA.による“Nucleic Acid Res .18:3155-3159,1990”;ならびにダグラスS.P.,ホイットフィールドD.M. およびクレピンスキーJ.J.による“J .AJn.Chem.Soc.113:5095-5097,1991” )。 このホモポリマーの構造組成に固有の2つの特性により、このホモポリマーは 組合せフォーマットにおいて魅力ある物質となっている。第一に、らせん状構造 のために、Meo-PEGは強い結晶化傾向を有する(ラジャセクハラン ピライV.N.お よびムッターM.による“Acc .Chem.Res.14:122-130,1981”)。したがって、 ライブラリーの構成中にポリマーが不変のままである限り、組合せプロセスの各 段階において結晶化による精製を行うことができる。第二に、MeO-PEGは、種々 の水性溶媒および有機溶媒中にて顕著な可溶化効果を示す(バイエルE.,ムッタ ーM.,ポスターJ.およびユーマンR.らによる“Pept .Proc.Eur.pept.Sympo. 13:129-136,1975”)。この可溶化させるという特徴(“液相”プロセスにおい て認められる)は、ホモポリマーを“試剤”として処理し、そしてこれを大過剰 に使用すれば、有利な仕方で利用することができる。このような条件下では、定 量的な反応を達成することができる。これとは対照的に、従来の固相合成では、 このタイプの代替化学(alternative chemistry)を使用して組み合わせユーザ ー(combinatorial user)を提供することはできない。MeO-PEGの好ましい溶解 性特性がもつさらに他の利点は、スプリット合成を含めて、LPCS法における全て の操作を均一な条件下で行うことができる、という点である。さらに、LPCSは溶 液相プロセスであるので、我々の“帰納的なデコンボリューション・ストラテジ ー(recursive deconvolution strategy)”を使用して、問題とするライブラリ ーを生成させ、これをスクリーニングすることができる(エルブE.,ジャンダK. D.,およびブレナーS.による“Proc .Natl.Acad.Sci USA 91:11422-11426,1994 ”)。最後に、個々の組合せ反応工程からの収量を、炭素-13またはプロトン核 磁気共鳴分光学によってモニターすることができる。図面の簡単な説明 図1は、β−遮断薬組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示している。 図2は、ラクタムチド組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示している 。 図3は、ラクタムチオチド組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示して いる。 図4は、γ−ラクタムペプチド組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示 している。 図5は、アリールオキシ酢酸組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示し ている。 図6は、ポリエーテル主鎖組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示して いる。 図7は、高度に酸素化されたアミノ酸組成物の可溶性組合せライブラリーの合 成を示している。 図8は、高度に酸素化されたアミノ酸組成物の可溶性組合せライブラリーの合 成を示している。 図9は、高度に酸素化された組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示し ている。 図10は、トリアジンジオン組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示して いる。 図11は、ヌクレオシド類縁体組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示し ている。 図12は、リコラミン組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示している。 図13は、β−ラクタム組成部の可溶性組合せライブラリーの合成を示している 。 図14は、アザ−アミノ酸組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示してい る。 図15は、アザペプチド組成物の可溶性組合せライブラリーの合成を示している 。 図16は、可溶性支持体に関して帰納的なデコンボリューションを使用した、組 合せライブラリー合成の概略図である。 図17は、コアー分子11と12の合成を示している。 図18は、コアー分子23と24の合成を示している。 図19は、コアー分子へのPEG支持体の結合を示している。 図20は、ライブラリー2の合成を示している。 図21は、ライブラリー3の合成を示している。 図22は、ライブラリー4の合成を示している。 図23は、ライブラリー5の合成を示している。 図24は、ライブラリーの最終的な精製を示している。 図25は、PEG支持体を使用したヌクレオチドスプリット合成を示している。 図26は、PEG支持体を使用したオリゴヌクレオチドスプリット合成を示してい る。 図27は、5回のカップリング後のヘキサマーを示している。 図28は、[Leu5]-=エンケファリン-ウシ血清アルブミン結合体の合成を示し ている。 図29は、アリールスルホンアミドの2つの合成法を示している。 図30は、アリールスルホンアミドライブラリーの構成を示している。 図31は、モノクローナル抗体3E7によって認識される抗原決定基Tyg-Gly- Gly-Phe-Leuを含んだペプチドライブラリーの帰納的デコンボリューションを示 している。 図32は、アリールスルホンアミド誘導体7を示している。 図33は、化合物3〜8の構造を示している。 図34は、化合物4〜18の構造を示している。 図35は、化合物19〜24の構造を示している。 図36は、化合物501〜503の構造を示している。 図37は、化合物504〜506の構造を示している。 図38は、化合物507〜508の構造を示している。 図39は、化合物509〜511の構造を示している。 図40は、化合物512〜514の構造を示している。 図41は、アザ−ジペプチドのワンポット合成(one-pot synthesis)を示して いる。 図42は、種々のアザ−ジペプチドの収率を示している。 図43は、MeO-PEG支持体によるアザ−ペプチド合成の概略を示している。発明の詳細な説明 可溶性組合せライブラリーが提供される。このような組合せライブラリーは、 コアー分子のより簡単で改良された操作を可能にし、より大きなライブラリーの 生成を可能にし、またライブラリーを構成している組成物のより簡単でより効率 的な精製を可能にする。さらに、組合せライブラリー自体は、可溶性ポリマー化 合物に基づいていったん合成されると可溶性である。 本発明は、組合せライブラリーの合成に関する。本発明の重要なポイントは、 分子構造、分子サイズ、またはこれらの両方が異なるコアー分子を有する分子の 多様なライブラリーを速やかに且つ効率的に生成できるという点である。 組合せ分子とデコンボリューション集合体のライブラリーを同時的に生成させ るための、パラレルスプリット合成の一般化されたプロトコルが、スキーム1に 示されている。可溶性支持体、すなわち二相高分子支持体を、一連のn個のパラ レル反応容器(n parallel reaction vessels)中に等分または分割する。一連 の反応 容器のそれぞれに、一連のn個のコアー分子(n core molecules)の対応する化 学種を加える。たとえば、第1のコアー分子を第1の反応容器に加え、第2のコ アー分子を第2の反応容器に加えることができる。次いで、コアー分子を可溶性 支持体(すなわち二相高分子支持体)に結合させて、初期組合せ分子を形成させ るか、あるいは初期組合せ分子を延長する。次に二相高分子支持体を結晶化させ るか、あるいは固相に転化させて洗浄する。洗浄した生成物のそれぞれを、二相 高分子支持体に対して再び可溶化し、アリコートを採取し、そして保存してデコ ンボリューション集合体を形成させる。残部は共通のプールに加える。この共通 のプールをミキシングし、第2の一連の反応容器に分割する。延長、洗浄、およ び分割のサイクルをもう一度繰り返す。組合せ分子の完全なライブラリーが生成 されるまで、必要に応じてこのサイクルを繰り返すことができる。 本発明の実際上の有用性は以下のとおりである。本発明は、特に新薬の開発に 有用である。本発明はさらに、数多くの薬物可能性分子の速やかな生成・開発に 有用である。本発明はさらに、化学構造または化学組成が大きく異なるか、ある いは化学構造または化学組成が少しだけ異なる数多くの分子を系統的に合成する のに有用である。本発明はさらに、数多くの薬物可能性物質をランダムに生成さ せ、医薬品として最も可能性のあるものを最適化するのに有用である。 組合せライブラリーを生成するのに使用される方法(たとえばスプリット合成 法)はさらに、本発明の組合せライブラリーとも適合する。スプリット合成は以 下のように行われる:第1の工程は、10個の別個の容器に10種の異なった分子A ,B,C...Jを加えることである。これらの容器の内容物をミキシングまたはプー ルし、10個の新たな異なった容器中に分割し、そして10個のさらなるパラレル合 成を行ってコアー分子XA1,XB1,XC1...XJ1を生成させる。このときXは最初のA 〜Jのいずれか1つであり、A1,B1,C1...J1は、A〜Jと同一でも異なっていても よい10種の異なった分子である。当然のことながら、この第2の工程においては 、10種より少ない合成を使用しても、あるいは10種より多い合成を使用してもよ い。第3の工程において、容器の内容物を再び混合し、それぞれの所望のコアー 分子の全体が合成されるまで合成手順を繰り返せるよう、10個のさらなる容 器に分割する。 上記の例における最終的な10個の容器(それぞれの容器が、多様なコアー分子 、コアー分子化学基、および/または末端に公知のサブユニットを有するコアー 分子集合体を含む)を、標準的なアッセイフォーマットを使用して分析評価する ことができる。すなわち、10個の混合物のそれぞれを分析評価して、どの混合物 が1種以上の活性化合物を含有しているかを決定する。 このような組合せライブラリーは、数十、数千、あるいはそれ以上の分子を含 んでもよい。本発明によって生成させることのできるコアー分子の数は、実質上 無限である。たとえば、ある特定の酵素受容体部位に結びつくことのできる分子 の大きなライブラリーを速やかに生成・スクリーニングすることができる。酵素 または受容体部位に結合する分子は、以下に説明するスクリーニング法と治療法 を使用して、迅速且つ正確に分析評価し、投与することができる。 組合せライブラリーの合成は、溶液中の可溶性ポリマー分子に関して行われる 。本発明では、溶液中の可溶性ポリマー分子に関して組み合わせライブラリーを 合成することによって、従来の方法(たとえば固相合成)より迅速で効率的なラ イブラリー合成が可能となる。本発明により可溶性の組合せライブラリーが得ら れ、このとき合成工程は溶液中で行うことができる。本発明では、溶液中で合成 することによって、固相合成の収率より数桁大きい収率が得られる。固相合成は 一般に、数ナノグラム程度の生成物しか得られない。これとは対照的に、本発明 では、溶液中で合成することによって、ミリグラムおよびグラムレベルの生成物 が得られる。 可溶性ポリマー分子をコアー分子に結合させる。コアー分子は、1つ以上の共 通の化学構造成分もしくは官能成分を共有する。所望の反応溶媒に対して不溶性 であるコアー分子が、いったん可溶性ポリマー分子に結合すると可溶性になる場 合がある。コアー分子が可溶性になると、溶液中におけるコアー分子の効率的な 化学操作が可能となる。 コアー分子はさらに、化学成分を含んでいてもよい。コアー分子は、可溶性ポ リマー分子に結合することによっていったん溶解するようになると、分子の化学 成分に化学的変性を施すことによって化学的に変化させることができる。このよ うに、多様なコアー分子の大きなセットを生成させることができる。コアー分予 のある与えられたセットは、コアー分子の成分を置き換えることによって多様化 することができる。 本発明の明確な利点は、大きくて高度に多様化された分子のライブラリーを速 やかに生成させることができるという点である。ライブラリーの高い多様性にコ アー分子はさらに、化学成分(chemical moieties)を含んでいてもよい。コア ー分子は、いったん可溶性ポリマー分子に結合することによって溶解するようよ り、大きな多様性をもつコアー分子に関して迅速且つ正確な実験および分析評価 を行うことができる。 本発明は、薬理学的活性に関してスクリーニングすることのできる数多くのコ アー分子を生成・単離するのに特に有用である。次いで、大きなセットの分子を 治療用途に関してスクリーニングすることができる。いったん可能性のあるター ゲット分子が識別されたら、本発明を使用して、分子の大きくて多様なライブラ リー(たとえば官能基を導入、除去、または変えることによってターゲット分子 を変える)を迅速且つ効率的に合成・分析評価することによって分子を最適化す ることができる。 本発明はさらに、組合せライブラリーの合成における各工程にて、反応混合物 のアリコートサンプルの採取を可能にする。各アリコート中に存在する分子の構 造を記録する。いったん薬理学的に活性の“ターゲット”分子が識別されたら、 当業界によく知られているように、ターゲット分子の厳密な構造と組成を正確且 つ迅速に確認することができる。 本発明の他の利点は、本発明は、手操作フォーマットおよび自動化フォーマッ トを含めた種々のフォーマットで実施できるということである。 本発明の可溶性組合せライブラリー中の分予はさらに、当業界によく知られて いるいかなる方法によっても精製することができる。これらの方法としては、沈 殿、薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグ ラフィー、結晶化、ゲル電気泳動、および濾過などがあるが、これらに限定され ない。 PEGは、本発明の可溶性組合せライブラリーを得るための好ましい可溶性ポ リマー化合物である。しかしながら、ポリビニルアルコールやポリビニルアミン とポリビニルピロリドンとの共重合体を含めた、他の化合物も使用することがで きる。 コアー分子のある好ましいセットは、ラクタムチド分子のクラスを構成する。 コアー分子の他の好ましいセットは、天然および非天然のヌクレオチドを含めた ジデオキシヌクレオチドのクラスを構成する。コアー分子のさらに他の好ましい セットはアリールオキシ酢酸組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好まし いセットはポリエーテル組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセ ットはポリ酸素化アミノ酸のクラスを構成する。コアー分子のさらに他の好まし いセットはアミノ酸組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセット はトリアジン−ジオン組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセッ トはβ−遮断薬分子のクラスを構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセッ トはリコラミン核組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセットは β−ラクタム組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセットはピリ ジル組成物を構成する。コアー分子のさらに他の好ましいセットはα−アゼチド 組成物を構成する。可溶性組合せライブラリーのスクリーニング 本発明の可溶性組合せライブラリーは、当業界によく知られているいかなる方 法によってもスクリーニングすることができる。これらの方法としては、ELIZA プレーティング法、受容体結合法、サザン法、ウェスターン法、ノザン法、およ び競合的結合法などがあるが、これらに限定されない。 結合する能力、および細胞受容体シグナルの形質導入経路を調節しうる能力に 関して試験すべき薬剤を識別するための1つの方法は以下のとおりである。本方 法は、本発明の組合せライブラリーからの少なくとも1種の化合物を、細胞受容 体(cellular receptor)の官能部分を含んだタンパク質に、組合せライブラリ ー化合物が細胞受容体の官能部分に結合できるだけの充分な時間にわたって暴露 す る工程;結合していない化合物を除去する工程;および細胞受容体の官能部分に 結合している化合物の存在を確認し、これによって細胞受容体シグナルの形質導 入経路を調節する能力に関して試験すべき化合物を識別する工程;を含む。 このアプローチ(受容体結合分子の単離を行う)を使用する1つの方法は、組 合せライブラリー分子またはその一部分を固体マトリックス〔たとえば、アガロ ースビーズもしくはプラスチックビーズ、ミクロタイター・ウェル(microtiter wells)、ペトリ皿、またはたとえばナイロンやニトロセルロースで造られた膜 〕に結びつけること、およびこれらの結びついた組合せライブラリー分子を、組 合せライブラリー分子結合化合物の存在下でインキュペーションすることを含む 。前記固体支持体への結びつきは、直接であってもよいし、あるいは組合せライ ブラリー化合物に特異的な抗体によって固体支持体に結合していてもよい。イン キュベーション後、結合していない化合物を洗い落とし、成分結合化合物を回収 する。この方法を使用することによって、多くのタイプの分子を、受容体結合活 性に関して同時にスクリーニングすることができる。特徴づけした化合物の投与 スクリーニング法によって可能性のある化合物を識別した後、識別された化合 物を、それ単独で、あるいは識別された活性化合物とキャリヤーもしくは賦形剤 を含んだ医薬用組成物の形で患者に投与することができる。こうした化合物は、 医薬用として許容しうる塩(すなわち、該化合物がその効果を発揮するのを妨げ ない無毒性の塩)として合成することができる。 本発明に使用するのに適した医薬用組成物としては、活性化合物がその意図す る目的を達成するのに有効な量にて含まれているような組成物がある。この有効 量の決定は、本明細書に記載の開示内容を考察すれば、当業者にとって可能であ る。本発明の医薬用組成物は、それ自体公知の仕方で、たとえば従来のミキシン グ、溶解、粒状化、糖衣錠作製、糊状化、乳化、カプセル封入、エントラッピン グ(entrapping)、または凍結乾燥などの方法によって製造することができる。 経口使用のための医薬製剤は、たとえば、活性化合物と固体賦形剤とを混合し 、得られた混合物を必要に応じて粉砕し、そして必要に応じて錠剤または糖衣コ ア ーを得るための適切な補助剤を加えた後にグラニュール混合物を加工することに よって得ることができる。適切な賦形剤としては、ラクトース、スクロース、マ ンニトール、またはソルビトールを含めた糖類;ならびに、たとえばトウモロコ シスターチ、小麦スターチ、コメスターチ、ポテトスターチ、ゼラチン、トラガ カントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルーセルロース、カル ボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PV P)等のセルロース調製物;などがある。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリ ドン、寒天、アルギン酸、またはその塩(たとえばアルギン酸ナトリウム)など の崩壊剤(disintegrating agent)を加えてもよい。 医薬用として許容しうる塩は、標準的な方法によって製造することができる。 たとえば、先ず化合物の遊離塩基形を適切な溶媒(たとえば、適切な酸を含有し た水溶液または水性アルコール溶液)に溶解させる。次いで、溶液を蒸発除去し て塩を単離する。他の例では、有機溶媒中で遊離塩基と酸とを反応させることに よって塩を製造する。 化合物の投与を容易にするために、たとえば化合物の溶解性を高めるために、 キャリヤーまたは賦形剤を使用することができる。キャリヤーおよび賦形剤の例 としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類もしくは種々のタイ プのスターチ、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール 、および生理学的に相容性のある溶媒などがある。本発明の化合物または医薬用 組成物は、静脈、腹膜、皮下、筋内、経口、または粘膜を含めた種々のルートに よって投与することができる。 本発明の薬剤を、注入できるよう水溶液の形に、好ましくは生理学的に相容性 のある緩衝液の形(例えば生理学的食塩水緩衝液)に調製することができる。こ のような粘膜通過投与の場合、透過すべきバリヤーに適した浸透剤(penetrant )を配合物中に使用する。このような浸透剤は、当業界において広く知られてい る。 医薬用として許容しうるキャリヤーを使用して、本明細書に開示の化合物を系 統的投与に適した調剤を作製することは、本発明の範囲内である。キャリヤーと 製造法を適切に選択すれば、本発明の組成物(特に溶液の形で配合したもの)を 非経口的に(たとえば静脈注射によって)投与することができる。本発明の化合 物は、当業界によく知られている医薬用として許容しうるキャリヤーを使用して 、経口投与に適した調剤に容易に造り上げることができる。このようなキャリヤ ーを使用することにより、治療すべき患者に対する経口投与用に、本発明の化合 物をタブレット、ピル、カプセル、リキッド、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁 液、およびこれらの類似物として造り上げることができる。 非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。さらに 、活性化合物の懸濁液を適切なオイル状の注入懸濁液として調製することもでき る。適切な親油性の溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油等の脂肪油、オレイン 酸エチル等の合成脂肪酸エステル、トリグリセリド、またはリポソームなどがあ る。注射用水性懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質(たとえば、カルボキ シメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストラン)を含有し てもよい。必要に応じて、懸濁液はさらに、化合物の溶解性を増大させて高濃度 溶液の調製を可能にする適切な安定剤または薬剤を含有してもよい。 細胞内投与用として調製された薬剤は、当業者によく知られている方法を使用 して投与することができる。たとえば、このような薬剤は、リポソーム中にカプ セル封入してから上記のように投与することができる。リポソームは、水性内部 を有する球状脂質二層体である。リポソームの形成時に水溶液中に存在する分子 はすべて、水性内部中に導入される。リポソーム内容物は外部の微環境から保護 され、またリポソームが細胞膜と融合するので、細胞質中に効率的に供給される 。 本明細書に記載の全ての特許および論文は、本発明が関係する当業者のレベル を示している。これらの全ての特許および論文参照のこと。また個々の特許およ び論文が引用している特許および論文も参照のこと。 当業者にとっては、本発明の範囲と精神を逸脱することなく、本発明の対する 種々の置換形や変形が可能であることは言うまでもない。化学的定義 以下に、本発明の開示内容において使用されている用語の定義を幾つか説明す る。 “アルキル”基とは、直鎖、枝分かれ鎖、および環状アルキル基を含めた飽和 脂肪族炭化水素基を表している。アルキル基は1〜12個の炭素を有していてもよ いし、あるいは3〜9個の炭素を有していてもよい。アルキル基は、置換されて いても非置換でもよい。置換されている場合、置換基は、ヒドロキシル、シアノ 、アルコキシ、=O、=S、NO2、N(CH3)2、アミノ、SH、またはアリー ルであってよい。 “アルケニル”基とは、直鎖、枝分かれ鎖、および環状基を含めた、少なくと も1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和炭化水素基を表している。アルケニ ル基は1〜12個の炭素を有していてもよいし、あるいは3〜9個の炭素を有して いてもよい。アルケニル基は、置換されていても非置換でもよい。置換されてい る場合、置換基は、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO2、 N(CH3)2、アミノ、SH、またはアリールであってよい。 “アルキニル”基とは、直鎖、枝分かれ鎖、および環状基を含めた、少なくと も1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和炭化水素基を表している。アルキニ ル基は1〜12個の炭素を有していてもよいし、あるいは3〜9個の炭素を有して いてもよい。アルケニル基は、置換されていても非置換でもよい。置換されてい る場合、置換基は、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO2、 N(CH3)2、アミノ、SH、またはアリールであってよい。 “アルコキシ”基とは、“−O−アルキル”基を表しており、このとき“アル キル”は上記にて定義したとおりである。 “アリール”基とは、共役pi電子系(conjugated pi electron system)を 有する少なくとも1つの環をもった芳香族基を表しており、炭素環式アリール基 、複素環式アリール基、およびビアリール基を含み、これらはいずれも必要に応 じて置換されていてもよい。アリール基の置換基は、ヒドロキシル、シアノ、ア ルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、またはアリールであっ てよい。 アルキルアリール基とは、アルキル基(前述)がアリール基(前述)に共有結 合している形の基を表している。 炭素環式アリール基とは、芳香環上の環原子が炭素原子であるような基を表し ている。炭素原子は、必要に応じて置換されていてもよい。炭素環式アリール基 は、単環の炭素環式アリール基および必要に応じて置換されたナフチル基を含む 。 複素環式アリール基は、1〜3個のヘテロ原子を芳香環中の環原子として有し 、環原子の残りが炭素原子であるような基である。適切なヘテロ原子としては、 酸素、イオウ、および窒素などがあり、そして複素環式アリール基としては、フ ラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−低級アルキル、ピロロ、ピリミジ ル、ピラジニル、およびイミダゾリルなどがあり、これらはいずれも必要に応じ て置換されていてもよい。 “カルボアルコキシ(carbalkoxy)”基とはCOOX基を表しており、このと き“X”は低級アルキル基である。 “低級”とは、有機基または有機化合物に関して述べており、それぞれ最大7 個までの炭素原子を有し、1つまたは2つの炭素原子を含んでいてもよい。この ような基は、直鎖であっても枝分かれ鎖であってもよい。 複素環式アリール基は、1〜3個のヘテロ原子を芳香環中の環原子として有し 、環原子の残りが炭素原子であるような基である。ヘテロ原子としては、酸素、 イオウ、および窒素などがあり、そして複素環式アリール基としては、フラニル 、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−低級アルキル、ピロロ、ピリミジル、ピ ラジニル、およびイミダゾリルなどがあり、これらはいずれも必要に応じて置換 されていてもよい。 “アミド”とは-C(O)-NH-Rを表しており、このときRはアルキル、アリ ール、アルキルアリール、または水素であってよい。 “チオアミド”とは-C(S)-NH-Rを表しており、このときRはアルキル、 アリール、アルキルアリール、または水素であってよい。 “エステル”とは-C(O)-OR'を表しており、このときR'はアルキル、アリ ール、またはアルキルアリールであってよい。 “アミン”とは-N(R'')R'''を表しており、このときR''とR'''は独立的 に水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであってよい。 チオエーテルとはR-S-Rを表しており、このときRはアルキル、アリール、 またはアルキルアリールである。 エーテルとはR-O-Rを表しており、このときRはアルキル、アリール、また はアルキルアリールである。 本発明を理解しやすくするために、幾つかの特定のコアー分子の可溶性組合せ ライブラリーについて以下に説明する。本発明は下記の実施例によって限定され ることはなく、当業者であれば考え得るような、未だ明らかにされていないか又 は後で開発されるであろう本発明の変形も、請求の範囲に記載の本発明の範囲内 であることは言うまでもない。 実施例1 β−遮断薬組成物の可溶性組合せライブラリー β−遮断薬組成物を含んだ組成物および化合物は、診断用および/または医療 用に使用できる薬理学的に有用な化合物をスクリーニングするのに有効である。 本発明により、多様で多くのセットのβ−遮断薬組成物の合成およびスクリーニ ングが可能となる。したがって、薬理学的に活性である新規の効果的なβ−遮断 薬組成物は、従来の方法より本発明の方法によってより迅速且つ効率的に識別す ることができる。β−遮断薬組成物の可溶性組合せライブラリーの特に重要な用 途は、自律神経系に影響を及ぼす新規の有効な薬物を開発することにある。 本発明を使用してのβ−遮断薬組成物の合成は、基本的には2つの工程を含ん だ単純且つ効率的なプロセスである。それにもかかわらず、実質的に無限の多様 性を合成プロセス中に簡単且つ速やかに導入することができ、多数の多様なβ− 遮断薬分子が高収率で得られる。 1つの合成スキームにおいては、フェノール類1(例えばナフトール)をエピ クロロヒドリンで処理する。図1を参照のこと。こうして得られる化合物2をア ミン3で処理して、例えばβ−遮断薬であるプロプラノロールを生成させる。 本発明は、これらβ−遮断薬の大きなセットの速やかな合成を可能にする。こ の合成の第一段階においては、別個の溶液の形の15種のフェノール類をエピクロ ロヒドリンと反応させる。フェノール類のRn基は、アルキル、アルケニル、ア ル キニル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、カルボキシリックアリール 、複素環式アリール、カルボアルコキシ、複素環式アリール、アミド、チオアミ ド、エステル、アミン、またはチオエーテルのうちの1つ以上であってよい。図 1に示されているmは1〜4の範囲である。フェノール類は、1つ以上のRn基 を有していてもよい。同様に、フェノール類のRp基は、アルキル、アルケニル 、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、カルボキシリックア リール、複素環式アリール、カルボアルコキシ、複素環式アリール、アミド、チ オアミド、エステル、アミン、またはチオエーテルのうちの1つ以上であってよ い。図1に示されているoは1〜4の範囲である。 次いでこれらの溶液15種すべてをプールし、15種のアミンと速やかに反応させ て、225種のβ−遮断薬を迅速且つ簡単に生成させる。アミン3は、アルキル、 アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、カルボキ シリックアリール、複素環式アリール、カルボアルコキシ、または複素環式アリ ールのうちの1つであるRq基を有する。同様に、アミンのRrは、アルキル、ア ルケニル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール 、カルボキシリックアリール、複素環式アリール、カルボアルコキシ、または複 素環式アリールのうちの1つである。これらのβ−遮断薬は、速やかに分析評価 および特性決定を行うことができる。 実施例2 γ−ラクタムチド組成物の可溶性組合せライブラリー γ−ラクタムチド組成物の可溶性組合せライブラリーは、診断用および/また は治療用に使用することのできる薬理学的に有用な化合物をスクリーニングする のに役立つ。好ましい使い方は、天然に産するペプチドの活性によく似た活性を 示す分子を見いだすために、γ−ラクタムチド組成物のライブラリーを使用する ことである。 γ−ラクタムチド組成物の可溶性組合せライブラリーに対する合成スキームの 1つの例は以下のとおりである。メチオニン(アミノ末端が保護されている)と アミノ酸4とを反応させ、EDCで処理し、次いでMEIで処理する。図2を参 照のこと。メチオニン保護基は、ペプチドまたは他のターゲット分子中にラクタ ムを導入できるものであれば、当業界に公知のいかなるタイプの基でもよい。例 えば、保護基はt-Bocであってもよい。アミノ酸のR基の例としては、水素 、CH2CH(CH3)2、CH2Ph、CH2、CH2CH2CH2CH2-NHCbz、 あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルキル アリール、カルボキシリックアリール、複素環式アリール、カルボアルコキシ、 複素環式アリール、アミド、チオアミド、エステル、アミン、またはチオエーテ ルのうちの1つなどがある。アミノ酸のR基はさらに、天然アミノ酸のもつR基 のうちの1つでもよい。 こうして得られる生成物をヨウ化メチルで処理し、インターアルキル化(inte ralkylailon)を起こさせ、5員環を有するラクタムを形成させる。次いで、こ の化合物を可溶性ポリマーのアミノ末端と反応させる。生成物7のアミノ末端か らt−Bocブロッキング基を開裂させる。 次いで、保護基をはずした化合物をさらなるラクタムと反応させて、γ−ラク タムチドを形成させる。さらなるラクタム5のR"基の例としては、水素、CH2 CH(CH3)2、CH2Ph、CH2、CH2CH2CH2CH2-NHCbz、あるい はアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルキルアリー ル、カルボキシリックアリール、複素環式アリール、カルボアルコキシ、複素環 式アリール、アミド、チオアミド、エステル、アミン、またはチオエーテルのう ちの1つなどがある。5のR"基はさらに、天然アミノ酸のもつR基のうちの1 つであってもよい。 実施例3 δ−ラクタムチオチド組成物の可溶性組合せライブラリー δ−ラクタムチオチド組成物の可溶性組合せライブラリーは、診断用および/ または治療用に使用することのできる薬理学的に有用な化合物をスクリーニング するのに役立つ。 本発明を使用した本ライブラリーの1つの可能な合成法は次の通りである。保 護処理したシステイン8をアミノ酸エステル9と反応させ、先ずEDCで処理し 、 次いでヒドロキシド(OH-)で処理する。図3を参照のこと。アミノ酸エステ ルのR'は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アル キルアリール、カルボキシリックアリール、複素環式アリール、カルボアルコキ シ、複素環式アリール、アミド、チオアミド、エステル、アミン、またはチオエ ーテルのうちの1つであってよい。9のR'基はさらに、天然アミノ酸のもつR 基のうちの1つであってもよい。アミノ酸エステル9のR"基は、アルキル、ア ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、またはアルキルアリールのうち の1つであってよい。 こうして得られる化合物に、5員環ラクタム11に環化させるために(CH2O)x とTsDHを加える。ラクタム11を、可溶性ポリマー化合物のアミノ末端と反応 させる。結合ラクタム12を脱保護処理する。すなわち、保護基を12のアミノ末端 から開裂させる。次いで、脱保護処理した12を未結合のラクタム13と反応させる 。未結合ラクタム13のR'''基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコ キシ、アリール、アルキルアリール、カルボキシリックアリール、複素環式アリ ール、カルボアルコキシ、複素環式アリール、アミド、チオアミド、エステル、 アミン、またはチオエーテルのうちの1つであってよい。13のR'''基はさらに 、天然アミノ酸のもつR基のうちの1つであってもよい。こうして得られる反応 生成物は結合したδ-ラクタムチオチド13であり、拘束されたペプチド様(a con strained peptidomimetic)である。 実施例4 γ−ラクタムペプチド組成物の可溶性組合せラブラリー δ−ラクタムペプチド組成物の可溶性組合せライブラリーは、診断用または治 療用またはその両方用に使用することのできる薬理学的に有用な化合物をスクリ ーニングするのに役立つ。例えば、γ−ラクタムペプチド組成物の可溶性組合せ ライブラリーは、天然に存在するペプチドの生物学的活性と同じかあるいはそれ より高い生物学的活性を示すペプチド類縁体を開発するのに有用である。 図4を参照のこと。R(CH2=O)CH3OH14をH2S、Al23、および化 合物15で処理する。Rはアルキル基、アリール基、またはアルキルアリール基で あ る。こうして得られる化合物を酸(H+)で処理し、BF3の存在下で化合物16と 反応させる。こうして得られる化合物を(EtO)2POCH2COOEtと反応さ せ、還元し、そして水酸化物で処理して化合物17aを生成させる。化合物17aを 化合物17bおよびEDCと反応させて化合物17cを生成させる。Et3Nの存在 下で化合物17cとBu2BOHとを反応させて化合物17dを生成させる。化合物1 7dをNBDで処理して化合物17eを生成させる。化合物17eをN3と反応させ、 LiOHと反応させ、次いで還元剤で処理して化合物17fを生成させる。化合物 17fを先ずフタルイミドで処理し、次いでCF3COOHで処理し、次いでアミ ノ酸で処理し、次いでMeIで処理して化合物17gを生成させる。アミノ酸のR '基は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ア ルキルアリール、カルボキシリックアリール、複素環式アリール、アミド、チオ アミド、エステル、アミン、またはチオエーテルでよい。さらにアミノ酸のR" 基は、天然アミノ酸が有するR基のうちの1つでもよい。次いで化合物17gをN aHで処理して環化を起こさせ、γ−ラクタムペプチド18を生成させる。次いで このγ−ラクタムペプチドを可溶性ポリマー支持体に結合させることができる。 結合したγ−ラクタムペプチドに対し化学的変性を施すことができる。さらに、 他のγ−ラクタムペプチド、アミノ酸、またはアミノ酸類縁体を加えることによ って、結合したγ−ラクタムペプチドを延ばすことができる。 実施例5 アリールオキシ酢酸組成物の組合せライブラリー アリールオキシ酢酸組成物の組合せライブラリーは、医学的、薬理学的、およ び科学的研究の分野において広い用途を有している。特に、アテローム性動脈硬 化症受容体を目標とする新薬をスクリーニングするのに使用することができる。 アリールオキシ酢酸組成物はさらに、トリグリセリドのレベルを低下させる有効 な新薬をスクリーニングするのに有用である。 アリールオキシ酢酸組成物の組合せライブラリーの1つの可能な一段階合成に おいては、置換フェノール19とケトンまたはアルデヒドとを、塩基の存在下にて 適切な溶媒中で反応させる。図5を参照のこと。塩基はNaOH、溶媒は塩化メ チレンである。置換フェノール19は、オルト、メタ、またはパラ位のいずれが置 換されていてもよいし、あるいはこれらの位置の組合せの形で置換されていても よい。19のX基は、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、カルボキシリックアリール、複 素環式アリール、カルボアルコキシ、複素環式アリール、アミド、チオアミド、 エステル、アミン、チオエーテル、または縮合体(fused)のうちの1つであっ てよい。置換フェノール19は複数のX基を有していてもよい。化合物20のR1基 は水素であってもよく、あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキ シ、アリール、およびアルキルアリールのうちの1つであってもよい。同様に、 化合物20のR2基は水素であってもよいし、あるいはアルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルコキシ、アリール、およびアルキルアリールのうちの1つであっ てもよい。ギルマンとワイルダー(1955)による文献を参照のこと。こうして得 られる化合物はアリールオキシ酢酸21である。 実施例6 ポリエーテル主鎖組成物の可溶性組合せライブラリー ポリエーテル主鎖組成物の組合せライブラリーは、診断用および/または治療 用に使用することのできる、薬理学的に有用な化合物をスクリーニングするのに 役立つ。特に、ポリエーテル主鎖組成物は、患者の細胞膜を横切るのを可能にす るような親油性を有しているものがある。 図6を参照のこと。化合物22をビニル化合物A、B、及びCからなる群から選 ばれるビニル化合物でエステル化する。化合物A、B、及びCのnは種々の値を とることができ、ゼロより大きい整数である。反応により化合物23が得られる。 化合物23をHg(OAc)2で処理し、A、B、およびCからなる群から選ばれる ビニル化合物と反応させる。化合物A、B、及びCのnは種々の値をとることが でき、ゼロより大きい整数である。所望のサイズのポリエーテル化合物が生成さ れるまで、Hg(OAc)2による処理と、A、B、およびCからなる群から選ば れるビニル化合物との反応を繰り返す。 実施例7 ポリ酸素化組成物の可溶性組合せライブラリー ポリ酸素化組成物の可溶性組合せライブラリーは、診断用または治療用、ある いはその両方用に使用することのできる、薬理学的に有用な化合物をスクリーニ ングするのに役立つ。 ポリ酸素化アミノ酸の可溶性組合せライブラリーは、以下のように合成するこ とができる。図7を参照のこと。マンニトールと化合物24との縮合は、適切な溶 媒中で行われる。マンニトールは、d-マンニトールであっても、1-マンニトー ルであってもよい。d-マンニトールのほうが好ましい形態である。化合物24の Rc基とRd基は、アルキルまたはアルキルアリールのいかなる組合せであっても よい。化合物24のRa基とRb基は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、 アルコキシ、アリール、またはアルキルアリールのいかなる組合せであってもよ い。ジメトキシケタールが化合物24の好ましい形態である。溶媒は、ジメチルホ ルムアミドおよびCSAである。こうして得られるジオール25を過ヨウ素酸酸化 (KIO4およびKHCO3)により開裂して、高度に酸素化されたアルデヒド26 を形成させる。アルキリデン保護されたグリセルアルデヒドは当業界によく知ら れており、シュミットとブラッドレーによる“Synthesis(1992)”およびシュミ ットらによる“J .Org.Chem(1992)”等の文献中に報告されている(これらの文 献を参照のこと)。ケタール化されたグリセルアルデヒド27とジアルキルホスフ ィニル化合物との凝縮により、アミノエステル28が得られる。このアミノエステ ルを水素化し、次いで水酸化カリウムで処理して高度に酸素化されたアミノ酸を 生成させる。たとえばFMOCを使用してアミノ酸のアミノ末端を保護する。 ポリ酸素化アミノ酸の可溶性組合せライブラリーは次のように合成することが できる。図8を参照のこと。ゾラー(Zoller)とベン・アイシャイ(Ben-Ishai )による“Tetrahedron 1975”およびシュミットらによる“Synthesis 1984”を 参照のこと。グリオキサル29と化合物30とを反応させて化合物31を生成させる。 次いで化合物31を、適切な溶媒中にて酸で処理する。溶媒はメタノールでよい。 こうして得られる化合物32とP(OMe)3とを反応させて、化合物33を生成させ る。 化合物33をKOtBuと反応させ、次いで化合物34と反応させてデヒドロアミノ エステル35を形成させる。化合物34のR'基およびR"基は、水素、アルキル、ア ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、およびアルキルアリールの組合 せであってよい。このエステルを水素化し、次いで塩基で処理して高度に酸素化 されたアミノ酸36を生成させる。塩基は水酸化カリウムでよい。次いで、たとえ ばFMOCを使用して、高度に酸素化されたアミノ酸36のアミノ末端を保護する ことができる。 高度に酸素化されたアミノ酸からのポリ酸素化ライブラリーの合成は、次のよ うに行うことができる。図9を参照のこと。高度に酸素化されたアミノ酸Aを可 溶性ポリマー化合物のアミノ末端に結合させる。結合アミノ酸44を脱保護処理し 、次いでさらなる高度酸素化アミノ酸と反応させる。所望数のアミノ酸を有する ペプチド主鎖が生成されるまで、さらなる高度酸素化アミノ酸を加える。 実施例8 トリアジン−ジオン組成物の可溶性組合せライブラリー トリアジン−ジオン組成物の可溶性組合せライブラリーは、診断用または治療 用あるいはその両方用に使用することのできる、薬理学的に有用な化合物をスク リーニングするのに役立つ。 図10を参照のこと。化合物45を可溶性ポリマー化合物に結合させる。こうして 得られる化合物46と化合物47とを反応させて、化合物48を生成させる。化合物48 とNH2-NH2とを反応させる。こうして得られる化合物49を化合物50と反応さ せて、化合物51を生成させる。化合物50のRh基とRi基は、水素、アルキル、ア ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、およびアルキルアリールのいか なる組合せであってもよい。次いで化合物51と化合物53とを反応させる。化合物 53は、化合物52をホスゲンで処理することによって簡単に得られる。化合物52の R'基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルキ ルアリール、カルボキシリックアリール、複素環式アリール、カルボアルコキシ 、複素環式アリール、アミド、チオアミド、エステル、アミン、またはチオエー テルであってよい。化合物52のR'基はさらに、天然アミノ酸の有するR基のう ちの 1つであってもよい。化合物51と53との間の反応により、化合物54が得られる。 次いで化合物54を酸で処理して、1,2,3-トリアジン-3,6-ジオン55を生成させる 。 実施例9 ジデオキシヌクレオチド組成物の可溶性組合せライブラリー ジデオキシヌクレオチドの可溶性組合せライブラリーは、診断用または治療用 あるいはその両方用に使用することのできる、薬理学的に有用な化合物をスクリ ーニングするのに役立つ。例えば、本発明によって得られるジデオキシヌクレオ チドは、遺伝子ベクター、遺伝子治療、およびゲルアッセイ等に使おうとするジ デオキシヌクレオチドの大きくて多様なセットを生成させてスクリーニングする のに使用することができる。 チェン(Chen)らによる“The Journal of Organic Chemistry(1991)”、およ び図11を参照のこと。溶媒はジメチルホルムアミドとジオキサンであり、70℃の 温度にて使用する。化合物60の好ましい形態の固相は、ポリスチレン、テンタゲ ル(tentagel)、およびコントロール・ポアー・ガラス(control pore glass) である。固相の代わりに、可溶性ポリマー化合物を使用してもよい。化合物60の Bはジデオキシヌクレオチド塩基でよく、たとえばアデニン、グアニン、シトシ ン、チミン、ウラシル、あるいは非天然のプリンもしくはピリミジン複素環式化 合物などがある。次いで、生成物61と求核剤とを反応させる。求核剤は、アミノ 酸、糖類、小さな分子(たとえばN3やNaIなどがあるが、これらに限定され ない)、OR、SR、NR12、CN、アルキル、N3、ハライド、リン酸エス テル、または硫酸エステルなどでよい。R、R1、およびR2基は、アルキル、ア リール、アシル、ホスフェート、またはサルフェートでよい。 こうして得られる生成物62をCF3SO2Clで処理し、求核剤Nu'と反応さ せ、次いでビーズから開裂して化合物63を生成させる。求核剤Nu'は、アミノ 酸、糖類、小さな分子(たとえばN3やNaIなどがあるが、これらに限定され ない)、OR、SR、NR12、CN、アルキル、N3、ハライド、リン酸エス テル、または硫酸エステルなどでよい。R、R1、およびR2基は、アルキル、ア リール、アシル、ホスフェート、またはサルフェートでよい。 さらに、化合物62の2'-OHをキャップし、次いでビーズから開裂して化合物 64を生成させることもできる。 実施例10 リコラミン様核組成物の可溶性組合せライブラリー リコラミン様核組成物の可溶性組合せライブラリーは、医学的、薬理学的、お よび科学的研究を含めた多くの重要な研究作業にとって有用である。たとえば、 リコラミン様核組成物の可溶性組合せライブラリーは、抗菌剤、鎮痛薬、および 幻覚剤として有用である。 図12を参照のこと。化合物70と化合物71(レジンまたは可溶性ポリマー化合物 に結合していてもよい)とを反応させて、化合物72を生成させる。化合物70は置 換されていてもよい。R'基とR"基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ア ルコキシ、アリール、アルキルアリール、カルボキシリックアリール、複素環式 アリール、カルボアルコキシ、複素環式アリール、アミド、チオアミド、エステ ル、アミン、またはチオエステルのいかなる組合せであってもよい。xは1、2 、または3である。yは1または2である。次いで化合物72のレジンを開裂させ て、化合物73(リコラミン様核)を生成させる。 実施例11 β−ラクタム組成物の可溶性組合せライブラリー β−ラクタム組成物の可溶性組合せライブラリーは、医学的、薬理学的、およ び科学的研究作業において有用である。 β−ラクタム組成物の可溶性組合せライブラリー(図13)は、化合物75または 76のカルボキシル末端を可溶性ポリマー支持体に結びつけることによって簡単に 合成できる。次いで、化合物75または76のアミノ末端を、アミノ酸、カルバメー ト、アミド、チオアミド、エステル、アミン、またはチオエステルと反応させる 。 実施例12A α−アゼチド組成物の可溶性組合せライブラリー α−アゼチド組成物の可溶性組合せライブラリーは、医学的、薬理学的、およ び医学的研究に有用である。たとえば、α−アブペプチドの可溶性組合せライブ ラリーは、ヒトの白血球のエラスターゼ、豚の膵臓のエラスターゼ、キモトリプ シン様の酵素、およびシステインプロテアーゼを含めた、数多くの酵素の抑制剤 および活性部位滴定剤として有用である。α−アゼチドライブラリーはさらに、 ノロフタルミン酸アミド(norophthalmic acid amide)の類縁体としても有用で ある。 α−アザアミノ酸組成物の可溶性組合せライブラリーの合成例が図14に示され ている。カルバゼート(carbazate)(化合物95)と化合物96とを反応させて化合物9 7を生成させる。化合物96のR2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ア ルコキシ、アリール、またはアルキルアリールであってよい。化合物96のR1は アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、またはアルキルア リールであってよい。化合物97をNaBH3CN及び酸と反応させて、化合物98 を生成させる。化合物98と化合物99とを反応させて、化合物100を生成させる。 化合物100をMeIと、次いでモルホリンと反応させて、化合物101(アザアミノ 酸)を生成させる。これとは別に、化合物100を求核剤と反応させる。得られた 化合物をMeIと、次いでモルホリンと反応させて、化合物102(アザアミノ酸 )を生成させる。 別の合成スキーム(図15)では、化合物103と化合物104とを反応させて、化合 物106を生成させる。化合物104のリンカーは、脂肪族基(たとえば、アセトアル デヒドやシクロヘキサンカルボキサルデヒド等のアルデヒド、ケトン、またはメ タクロレイン);芳香族基(たとえば、フェニルアセトアルデヒド、フルフラー ル、2,4,6−トリメトキシベンズアルデヒド、またはピペロナール);あるいは 帯電化合物(たとえば、5−ホルミル−2−フランスルホン酸またはピリジン−2 −カルボキサルデヒド−N−オキシド)であってよい。化合物106を脱保護処理 して化合物107を生成させる。次いで、化合物107と活性化されたアザアミノ酸エ ステル(化合物108)とを反応させて化合物109を生成させる(ステップ*)。化 合物108は、カルバゼート(化合物103)と化合物105とを反応させることによっ て容易に得られる。化合物109を脱保護処理し、アザペプチドの鎖が所望の長さ に延びるまでステップ*を繰り返す。 実施例12B α−アゼチド組成物の組合せライブラリーの製造法 化合物501の製造: ビスペンタフルオロフェノールカーボネートの合成 (化合物501の構造を図36に示す) ペンタフルオロフェノール(0.27モル,アルドリッチケミカル社から市販)を 0.5モラー(Molar)のKOH中に溶解し、0℃に冷却した。激しく攪拌しながら 、溶液中にホスゲンを通した。反応混合物のpHを6.0以上になるよう調節した 。ときにははカーボネートが溶液から結晶化するが、大抵の場合は油状の沈殿物 が生じる。反応混合物を0℃で一晩静置した。固化した残留物を濾過し、水で洗 浄し、クロロホルム中に溶解した。無水硫酸ナトリウムで溶液を乾燥し、濾過し 、そして溶媒を蒸発除去した。粗製結晶質生成物(不純物のために、強いクロロ ホルメート様の臭気を有する)をヘキサンから再結晶した。55gのペンタフルオ ロフェノールで始めて、収率は約75%であった。 化合物502の製造(化合物502の構造を図36に示す) 0.51モルの85%ヒドラジン水和物(アルドリッチ社から市販)を2.55モラー( 2.55 Molar)のエタノール中に溶解して得られる溶液を還流しておき、これに0. 098モルの塩化ベンジルを0.98モラーのエタノール中に溶解して得られる溶液を 1時間で加えた。還流6時間後、アルコールを蒸留によって除去した。残留物を エーテルで抽出し、エーテル抽出液を炭酸カリウムで乾燥し、濾過した。次いで 0.1モラーの塩化メチレン中にて、この粗製塩基(1.0当量)を1.1当量のジ-tert -ブチルジカーボネート(アルドリッチ社から市販)にさらし、25℃で一晩攪拌 した。蒸留により溶媒を除去し、残留物をエーテルで抽出し、水で洗浄し(1X) 、炭酸カリウムで乾燥し、濾過した。塩化メチレン:エーテル/石油エーテル勾 配を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製することがで きる。 化合物503の製造(化合物503の構造を図36に示す) 85%ヒドラジン水和物(10当量,アルドリッチ社から市販)を2.55モラーのエ タノール中に溶解して得られる溶液を1.0当量のジ-tert-ブチルジカーボネート (アルドリッチ社から市販)にさらし、25℃で一晩攪拌した。蒸留により溶媒を 除去し、残留物をエーテルで抽出し、水で洗浄し(1X)、炭酸カリウムで乾燥し 、そして濾過した。塩化メチレン:エーテル/石油エーテル勾配を使用したフラ ッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製することができる。 化合物504の製造(化合物504の構造を図37に示す) 1.0当量の臭化p-ヒドロキシベンジルを塩化メチレン中に溶解して得られる溶 液に、1.1当量の60%水素化ナトリウムを0℃で加え、1時間攪拌した。1.1当量 の臭化ベンジルを加え、混合物を一晩攪拌した。次いで混合物を水で冷却し、エ ーテルで希釈し、蒸留によって精製した。0.51モルの85%ヒドラジン水和物(ア ルドリッチ社から市販)を2.55モラーのエタノール中に溶解して得られる溶液を 還流しておき、これに1.0当量の本化合物を1時間で加えた。還流6時間後、ア ルコールを蒸留によって除去した。残留物をエーテルで抽出し、エーテル抽出液 を炭酸カリウムで乾燥し、そして濾過した。次いで0.1モラーの塩化メチレン中 にて、この粗製塩基(1.0当量)を1.1当量のジ-tert-ブチルジカーボネート(ア ルドリッチ社から市販)にさらし、25℃で一晩攪拌した。蒸留により溶媒を除去 し、残留物をエーテルで抽出し、水で洗浄し(1X)、炭酸カリウムで乾燥し、そ して濾過した。塩化メチレン:エーテル/石油エーテル勾配を使用したフラッシ ュクロマトグラフィーによって生成物を精製することができる。 化合物505の製造(化合物505の構造を図37に示す) 0.51モルの85%ヒドラジン水和物(アルドリッチ社から市販)を2.55モラーの エタノール中に溶解して得られる溶液を還流しておき、これに0.098モルのヨウ 化メチルを0.98モラーのエタノール中に溶解して得られる溶液を1時間で加えた 。還流6時間後、アルコールを蒸留によって除去した。残留物をエーテルで抽出 し、エーテル抽出液を炭酸カリウムで乾燥し、そして濾過した。次いで0.1モラ ーの塩化メチレン中にて、この粗製塩基(1.0当量)を1.1当量のジ-tert-ブチル ジカーボネート(アルドリッチ社から市販)にさらし、25℃で一晩攪拌した。溶 媒をエーテルで抽出し、水で洗浄し(1X)、炭酸カリウムで乾燥し、そして濾過 した。塩化メチレン:エーテル/石油エーテル勾配を使用したフラッシュクロマ トグラフィーによって生成物を精製することができる。 化合物506の製造(化合物506の構造を図37に示す) 0.51モルの85%ヒドラジン水和物(アルドリッチ社から市販)を2.55モラーの エタノール中に溶解して得られる溶液を還流しておき、これに0.098モルの2-ク ロロプロパンを0.98モラーのエタノール中に溶解して得られる溶液を1時間で加 えた。還流6時間後、アルコールを蒸留によって除去した。残留物をエーテルで 抽出し、エーテル抽出液を炭酸カリウムで乾燥し、そして濾過した。次いで0.1 モラーの塩化メチレン中にて、この粗製塩基(1.0当量)を1.1当量のジ-tert-ブ チルジカーボネート(アルドリッチ社から市販)にさらし、25℃で一晩攪拌した 。蒸留により溶媒を除去し、残留物をエーテルで抽出し、水で洗浄し(1X)、炭 酸カリウムで乾燥し、そして濾過した。塩化メチレン:エーテル/石油エーテル 勾配を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製することが できる。 化合物507の製造(化合物507の構造を図38に示す) 0.51モルの85%ヒドラジン水和物(アルドリッチ社から市販)を2.55モラーの エタノール中に溶解して得られる溶液を還流しておき、これに0.098モルの1-ブ ロモ-2-メチルプロパンを0.98モラーのエタノール中に溶解して得られる溶液を 1時間で加えた。還流6時間後、アルコールを蒸留によって除去した。残留物を エーテルで抽出し、エーテル抽出液を炭酸カリウムで乾燥し、そして濾過した。 次いで0.1モラーの塩化メチレン中にて、この粗製塩基(1.0当量)を1.1当量の ジ-tert-ブチルジカーボネート(アルドリッチ社から市販)にさらし、25℃で一 晩攪拌した。蒸留により溶媒を除去し、残留物をエーテルで抽出し、水で洗浄し (1X)、炭酸カリウムで乾燥し、そして濾過した。塩化メチレン:エーテル/石 油エーテル勾配を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製 することができる。 化合物508の製造(化合物508の構造を図38に示す) アザジペプチド(化合物508,見出し番号1〜7,図38)の合成に対する一般 化された手順は以下の通りである。化合物501、ビスペンタフルオロフェノール カーボネート(1.1当量)、および1.1当量のジメチルアミノピリジン(DMAP )を 0.10モラーの塩化メチレン中に溶解して得られる溶液に、1.0当量のアルキル/ アリールヒドラジン(化合物502〜507、図36,37,および38)を、シリンジポン プを介して30〜40分で滴下する。滴下完了後、反応混合物を別の1.1当量のジメ チルアミノピリジン(DMAP)にさらし、別の1.0当量のアルキル/アリール ヒドラジン(化合物502〜507、図36,37,および38)を一度に加える。24時間後 、反応混合物をから全ての溶媒を蒸発除去する。この粗製物をできるだけ少量の 塩化メチレン中に再び懸濁させ、塩化メチレン:エーテル勾配(9:1)にてフラ ッシュクロマトグラフィーにより精製する。一般的な収率は約85%である。得ら れる収率(粗収率)に関しては図38のチャートを参照のこと。 化合物509の製造(化合物509の構造を図39に示す) メチル4-(ヒドロキシメチル)ベンゾエート(2.0g,12ミリモル,1.0当量,ア ルドリッチ社から市販)を0.10モラーのジエチルエーテル中に溶解して得られた 溶液に、8mlのイソブチレン(2-メチルプロペン,アルドリッチ社から市販) を−78℃にて吹き込んだ。次いで10滴の硫酸を加え、本混合物を一晩攪拌した。 反応混合物をエーテル(25ml)で希釈し、重炭酸ナトリウム(10ml)で冷却し、 水(10ml)で洗浄し、濃縮し、そして硫酸マグネシウムで乾燥した。生成物は、 フラッシュクロマトグラフィーまたは蒸留によって精製することができる。メタ ノール/水の3:1混合物(3モラー)中で、生成物を5当量のLiOH-H2O にさらす。混合物を25℃で2時間攪拌し、エーテルで抽出し、1mlのHClで酸 性にする。沈殿物をガラスフィルター上に集め、フラッシュクロマトグラフィー または結晶化によってさらに精製することができる。 化合物510の製造(化合物510の構造を図39に示す) MeO-PEG-OH(分子量500,シグマ社から市販)を17mMの塩化メチレン 中に溶解して得られる溶液に、3.0当量の化合物509(図39)、3.0当量の1,3−ジ クロロヘキシルカルボジイミド(DCC)、および0.75当量の4-DMAP(4- ジメチルアミノピリジン)を25℃にて加える。反応混合物を一晩攪拌する。次い で反応混合物を3.0当量のトリフルオロ酢酸(TFA)にさらし、25℃でさらに1 1分攪拌する。反応混合物を氷冷エーテル(約17mM)中に注ぎ込んでPEGを沈 殿さ せ、次いで低温エーテルとエタノールで洗浄する。最終生成物は、高温エタノー ルからの結晶化によってさらに精製することができる。 化合物511の製造(化合物511の構造を図39に示す) 工程1: 活性化されたアザカルバメートの形成 化合物501(図36)、ビスペンタフルオロフェノールカーボネート(1.1当量) 、および1.1当量のジメチルアミノピリジン(DMAP)を0.10モラーの塩化メ チレン中に溶解して得られる溶液に、1.0当量のアルキル/アリールヒドラジン (すなわち化合物502〜507、図36,37,および38)をシリンジポンプを介して25 ℃にて30〜40分で滴下する。活性化されたアザカルバメートをフラッシュクロマ トグラフィー、蒸留、または結晶化によってさらに精製する。 工程2: 活性化アザカルバメートのPEG支持体へのカップリング 1.0当量のPEG支持体(化合物510、図39)を17mMの塩化メチレン中に溶解し て得られる溶液に、5.0当量の活性化アザカルバメート(上記の工程1において 作製)と5.1当量の4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を25℃にて加え る。反応混合物を24時間攪拌し、エーテル(17mMのジエチルエーテル)を加えて 沈殿させる。エーテル(1X)および低温エタノール(1X)で洗浄することによっ て生成物をさらに精製する。 化合物512の製造(化合物512の構造を図40に示す) 化合物512は、下記の工程1〜3の繰り返しサイクルにより形成される。 工程1: t-But 保護基の除去 1.0gの化合物511(図39)を10%のトリフルオロ酢酸/塩化メチレン溶液(10 mL,1:1 TFA/塩化メチレン)にさらし、25℃で1時間攪拌する。エーテル(17mM のジエチルエーテル)を加えて反応混合物を沈殿させる。エーテル(1X)で洗浄 することによって生成物をさらに精製し、エタノール(1X)から結晶化させるこ とができる。 工程2: 活性化アザカルバメートの形成 化合物501(図36)、ビスペンタフルオロフェノールカーボネート(1.1当量) 、および1.1当量のジメチルアミノピリジン(DMAP)を0.10モラーの塩化メ チレ ン中に溶解して得られる溶液に、1.0当量のアルキル/アリールヒドラジン(す なわち化合物502〜507、図36、37、および38)をシリンジポンプを介して30〜40 分で滴下する。次いでこの活性化アザカルバメートを、フラッシュクロマトグラ フィー、蒸留、または再結晶によってさらに精製する。 工程3: 活性化アザカルバメートのPEG支持体へのカップリング 1.0当量のPEG支持体(化合物510、図39)を17mMの塩化メチレン中に溶解し て得られる溶液に、5.0当量の活性化アザカルバメート(上記工程1にて作製) と5.1当量の4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を25℃にて加える。反 応混合物を24時間攪拌し、エーテル(17mMのジエチルエーテル)を加えて沈殿さ せる。エーテル(1X)で洗浄することによって生成物をさらに精製し、高温エタ ノールから再結晶することができる。 化合物513の製造(化合物513の構造を図40に示す) この工程では、PEG支持体からアザ−ペプチドを取り外し、さらにベンジル 保護基を取り除く。1.0gの化合物512(図40)を10mLのメタノールに溶解して得 られる溶液に、200mgの10%pd/Cを加える。反応混合物を水素バルーン(hydr ogen balloon)でキャップし、一晩攪拌する。生成物をエーテルで洗浄し、濾過 し、そして濃縮する。少量のペプチドに対して標準的なクロマトグラフィー法を 適用することによって、さらなる精製を達成することができる。 化合物514の製造(化合物514の構造を図40に示す) t-But保護基の除去。1.0gの化合物513(図40)を10%のトリフルオロ酢酸/ 塩化メチレン溶液(10mL,1:1 TFA/塩化メチレン)にさらし、25℃で1時間攪拌 する。生成物をエーテルで洗浄し、重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム で乾燥し、そして濃縮する。少量のペプチドに対して標準的なクロマトグラフィ ー法を適用することによって、さらなる精製を達成することができる。 実施例13 ピリジル主鎖組成物の可溶性組合せライブラリー ピリジル主鎖組成物の可溶性組合せライブラリーは、広範囲の医学的、薬理学 的、および科学的用途に有用である。たとえば、ピリジル主鎖組成物の可溶性組 合せライブラリーは、天然ペプチドの活性と同等かあるいはより高い生物学的活 性を示すペプチド類縁体を見いだすのに有用である。 実施例14 MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-N[4]-N[5]ペプチドライブラリーの合成 我々の帰納的デコンボリューション法を使用したペプチドライブラリーの合成 により、LPCS法が実証された。前述したように、帰納的デコンボリューショ ンの最も重要なポイントは、部分的に合成された組合せライブラリーのセットを 造り上げ、これを保持することである。第1のLPCSライブラリーは4種の成 分(Tyr,Gly,Phe,およびLeu)と5つの部分サブライブラリーを 含み、トータルのライブラリーサイズは1024であった。4種の成分があったので 、4つの合成チャンネルを使用した。このとき各チャンネルにおいては、いかな るときでも単一の成分を加えた。 プロセスを開始するにはMeO-PEGを4つの等しいプールに分割すること が必要であり、このときTyr,Gly,Phe,およびLeuをホモポリマー にカップリングさせた。それぞれのカップリング反応が完了したら、ジエチルエ ーテルを加えることによってMeO-PEG-Naa(Naa=Tyr,Gly, Phe,Leu)の沈殿を起こさせた。MeO-PEG-Naaを濾過することに よって、過剰なカップリング剤を除去することができた。MeO-PEGカップ リング生成物を単純に再結晶することにより、より極性の高い汚染物を除去した 。この工程の重要な点は、結晶化により混在物の取り込みが避けられるというこ とである(混在物が取り込まれると、ゼリー状の沈殿物が生じることがある)。 さらに、保護されたアミノ酸の過剰な分を定量的に除去することができる。これ らの各サブライブラリーの一部を取り上げ、部分ライブラリーp(1)としてカタ ログ作成する。残りのMeO-PEG-Naaを合わせ、可溶化し、4つの部分に 分離し、各チャンネルに装入し、Tyr、Gly、Phe、およびLeuを前記 のように結びつけ、そしてポリマーサブライブラリーを沈殿させ、再結晶する。 この場合も、このライブラリーのアリコートを部分ライブラリーp(2)(MeO- PEG-N[1]-Tyr、MeO-PEG-N[1]-Gly、MeO-PEG-N[1]- Phe、およびMeO-PEG-N[1]-Leuで構成された4つのプールからなる )として取り上げる。残りをプールし、分割し、そしてサブライブラリーp(3) 、p(4)、および最終ライブラリーのp(5)の集成体(MeO-PEG-N[1]-N[2 ] -N[3]-N[4]-Tyr,MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-N[4]-Gly,Me O-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-N[4]-Gly,MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3 ] -N[4]-Phe,MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-N[4]-Leu)に対して全 体のプロセスを繰り返す。 実施例15 MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-N[4]-N[5]ペプチドライブラリーの 帰納的デコンボリューション: アンチ-β-エンドルフィンリガンドに 対するスクリーニング 我々の帰納的デコンボリューション法に統合すると、ロイシンエンケファリン (Tyr-Gly-Gly-Phe-Leu-OH)のアンチ-β-エンドルフィン単 クローン抗体3E7への結合を抑制する最適リガンドを明らかにできるような、 拮抗ELISAをベースとした方法が考案された(Meo,T.,Gramsch,C.,Inan ,R.,Hollt,V.,Weber,E.,Herz,A.& Reithmuller,G.,Proc .Natl.Acad .Sci.USA 80:4084-4088,1983)。この抗体は、高い親和性(Kd = 7.1nM)を 有する天然エピトープに結合する。 ELISAを造り上げるためには、充分な疎水性をもつタンパク質への真正リ ガンド(true ligand)の結合を起こさせなければならなかった。C-末端ピリジ ニウムジスルフィド誘導体1(図28)を化学的に合成するために、ある方策を施 した。このタイプの合成法を使用することによって、活性化されたペンタペプチ ド1を、トラウト試薬(Traut's reagent)で変性したウシ血清アルブミン(B SA)に速やかに且つクリーンに結合させた。このように、このBSA-1コン ジュゲート(BSA-1 conjugate)は、ペンタペプチドリガンドをELISAプレ ート上に表示する方法を提供した。いくぶん明確ではないが重要なことは、チオ ピリジンが343nmにて吸収されるので、本方策によりカップリンクプロセスをモ ニターできるということである。ELISAプレートに固定されたこのBSA- Tyr- Gly-Gly-Phe-Leu単位により、アンチ-β-エンドルフィンの固定化 Tyr-Gly-Gly-Phe-Leuへの結合に対する競合によって、溶液中で のTyr-Gly-Gly-Phe-Leuまたはその類縁体の定量化が可能となっ た。結合したアンチ-β-エンドルフィンの量は、ELISAによって定量化する ことができる。 MeO-PEGの多様な可溶可能力により、β-エンドルフィン抗体への結合に 対する均質競合ELISAアッセイにて、保存・カタログ作成した(saved and catalogued)MeO-PEGサブライブラリーをスクリーニングする方法が得ら れた(図31)。しかしながら、ライブラリーは“脱保護処理”できること、また リガンドのライブラリーのみが得られるようMeO-PEGを取り外すことがで きる、ということに留意しなければならない。これらのサブライブラリー混合物 はさらに、見込みのある結合リガンドに対して類似の方法で研究することができ 、また図31に示すように、検知された結合親和性は全く同等である。 デコンボリューション配列は、図31に示されている各p(n)サブライブラリー に関して決定されるIC50値を調べることによって求めることができる。したが って、ペンタペプチドサブライブラリーp(5)の4つのプールで始めると(この 場合は、N-末端アミノ酸だけが明らかにされる)、MeO-PEG-N[1]-N[2] -N[3]-N[4]-Tyrプールは検出可能な結合(IC50=51μM)のみを与える。 帰納的方法に基づいて、Tyrを4つの保存・カタログ作成したp(4)サブライ ブラリーに結合させて、MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-Gly-Tyr、M eO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-Phe-Tyr、MeO-PEG-N[1]-N[2]- N[3]-Leu-Tyr、およびMeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-Tyr-Tyr を得る。これらの4つの新たなプールのアッセイにより富化工程(enrichment s tep)が得られる、さらに重要なことには、このアッセイは次の残部であるグリ シンをデコンボリュートする(MeO-PEG-N[1]-N[2]-N[3]-Gly-Ty r,IC50=7.7μM)。これらの結果により、次の保存サブライブラリーp(3) に対する論理的処理(logical procession)が可能となり、このときチロシンと グリシンの両方を、プールされた4つのp(3)配列体に結合させる。第3のアミ ノ酸 に対する解明作業ではユニークな結果が得られなかったが、MeO-PEG-N[1 ] -N[2]-Gly-Gly-Tyr(活性エピトープの配列に対応した配列)は最も 強力なバインダーであった(IC50=1.1μM)。p(2)サブライブラリーは類似 の方法にて解明されたが(下記を参照)、2つのプール〔(MeO-PEG-N[1 ] -Phe-Gly-Gly-Tyr,IC50=0.18μM)という予測配列を有するプ ール、および(MeO-PEG-N[1]-Leu-Gly-Gly-Tyr,IC50=4 .0μM)という配列を有するプール〕が見いだされた。この点において、Tyr- Gly-Gly-PheとTyr-Gly-Gly-Leuの両方の配列体を続けて トレースすることによって、これに代わる活性メンバーの演繹を行うことができ た。しかしながら、我々は、“固相”帰納的デコンボリューション法にしたがっ て同じペンタペプチドライブラリーを既に調べてあるので、繰り返しプロセスに よって最も活性な成分(Tyr-Gly-Gly-Phe)を求めるだけに決定し た。図30において、最終的なp(1)サブライブラリーにより、我々は活性エピト ープと他の幾つかの強力なバインダーを得た。実施例16非ペプチド、非オリゴマー分子:スルホンアミドの液相合成および 特性 前記のLPCS法は、使用する化学反応がポリマーの性質と相互作用せず、す なわち、ポリマーの性質に悪影響を与えない限り、いかなる種類の分子体の合成 をも考慮に入れることが望ましい。ペプチド結合および脱保護反応以外の条件下 で、MeO−PEG担体を調べる出発点として、スルホンアミドと呼ぶ1種の化 合物の合成に関連してポリマーの利用可能性を検討した。スルホンアミドは、低 コストと感染しやすい伝染病に対するすばらしい効果のために、多年にわたり数 多くの類似体の調製を促してきた。しかし、細菌の抵抗性、比較的狭い細菌生長 抑制範囲および患者によっては好ましくない副作用のために、抗菌性スルホンア ミドはもはや曽てのように臨床的に用いられなくなっている。面白いことには、 これら広範囲の臨床的研究のために、いくつかの好ましい驚くべきことがこの研 究から生まれた。すなわち、抗菌性効果の乏しかった多くのアリールスルホン酸 アミドが今や新種薬剤の手掛りを与えるに至った。該薬剤の中には新種のエンド テリンアンタゴニスト、抗腫瘍剤があり、さらに/または抗不整脈作用を有する ものもある(31)。アリールスルホンアミド核はこのように組合せライブラリー を作る上の重要な薬剤搬送体(pharmacophore)と思われる。 いかなる大きさのライブラリーも入手可能となる前には、多くの化学反応に対 して信頼しうる実験計画とともに一般的合成機構を検討しなければならない。薬 剤をもたらしたアリールスルホンアミドの過去の合成は2つのかなり簡単な径路 の1つ(図29)によって達成された(Ellingboe,J.W.,Spinelli,W.,Win- ldey,M.W.,Nguyen,T.T.,Parsons,R.W.,Moubarak,I.F.,Kitzen,J.M. ,Vonengen,D.および Bagli,J.F.,J .Med.Chem.35:707−716, 1992)。第1の方法では、アセトアニリドのクロロスルホン化が対応するス ルホニルクロリド2をもたらし、また適切なアミンとの反応によって中間体3が 得られる。酸または塩基性加水分解の結果はスルファニルアミド4を生成する。 別の方法では、アミド生成が、パラニトロベンゼンスルホニルクロリド5につい て行われる。化学的または接触的方法による還元は、直接所望の生成物をもたら す。我々は、2のようなアリールスルホニルクロリド(図29)が我々のMeO −PEG合成における重要な中間体であり、いずれの径路もこのような中間体を もたらすけれども、いずれも該アリールスルホニルクロリド付加物を結合させる 都合のよい手掛りを与えないと考えた。 付加多様性に適応性を与え、所望のアリールスルホニルクロリドを簡単に包含 する新径路(図30)が考案された。4−(クロロスルホニル)フェニルイソシ アネートから出発することにより、MeO−PEG担体は機能的てあることがで き、所望のスルホニルクロリド中間体6が一工程で得られる。もっとも印象的で あるのは、このカップリング反応中、クロロスルホン酸部分において求核プロセ スに拮抗するものがないことである。同様に重要であるのは、この結合が、この 反応後にプロトンNMR分析を可能にし(図32)、種々のスルホニル求核付加 反応と適合性があり、さらに合成の最後に、アリールスルホンアミドをMeO− PEGに結合させているカルバメートを容易に分解させて(NaOH)、その生 成物を均質担体から単離させることである。図30に示す反応機構を用いて、我 々は数ミリグラム量の構造的に異なるアリールスルホンアミド8を合成した。そ の重要な中間体はスルホニルクロリド6であるけれども、図32に示すように合 成されたアリールスルホンアミドの全般的な成功は、求核試薬のpKaによるこ とが大きいことに注目すべきである。したがって、7eおよび7fのような極め て質の劣る求核試薬にはより長い反応時間およびさらに厳しい温度が必要である (図32)。 最初に化学的に合成された組合せライブラリーは、固体担体上に得られたペプ チドライブラリーであった(Geysen,H.M.,Rodda,S.J.およびMason,T.J .,Mol .Immunol.23:709−715、1986;Lam,K.S.,Salmon,S. E.,Hersch,E.M.,Hruby,V.J.,Kazmierski,W.M.および Knapp,R.J.,Na ture(London) 354:82−84、1991;Houghton,R.A.,Pinilla,C., Blo-ndelle,S.E.,Appeal,J.R.,Dooley,C.T.およびCurevo,J.H,Natu re(London) 354:84−86、1991;Foder,S.P.A.,Read,J.L.,Pi r-rung,M.C.,Styer,L.,Lu,A.T.およびSolas,D.,Science 251:7 67−773、1991)。この研究と同様に重要なことは、より大きな化学的 多様性に対する要望が急速に認められ、非オリゴマー複素環式化合物ライブラリ ーの急増が組合せ分野を支配し始めたことであった(Bunnin,B.A.,Plunkett ,M.J.およびEllman, J .A.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4708 −4712、1994;Gordon,D.W.およびSteele, J. ,Bioorg.Med.ChemLett.5:47−50、1995;Pirrung,M.C.およびChen,J.,J .Am.C hem.Soc. 117:1240−1245、1995;Willard,R.,Jammalama-da ka,V.,Zava,D.,Hunt,C.A.,Benz,C.C.,Kushner,P.J.およびSc-anla n,T.S.,Chem .Biol.2:45−51,1995)。この種のライブラリーは、 結果的に固相合成を多段有機反応シーケンスに適合させようとする精力的な努力 をもたらした。我々は、この方法をさらに発展させ、単純な液相組合せ合成と呼 ぶ技術を提案し、実行している。この方法において、我々は古典的有機合成が溶 液状態で与える利点を、固相合成がもたらすことができる利点とともに利用する 。この論文で報告する結果は、LPCSの反応の及ぶ範囲が多方面にわたるべき であることを示している。多重高収量スクリーニングテスト(multi-high-throu gh-put screening assay)に対する価値は、数ミリグラム量の各ライブラリー成 員を得ることができるので、際立ったメリットを有することができた。概説した 原理および方法を用いるLPCSは複雑な化学構造物合成のライブラリーのみな らず化学的多様性の項目に入る他のプロセスにも適用しうることが望ましい。材料および方法 概説。 BOCで保護したアミノ酸は Bachem Cariforniaから購入した。N−スクシン イミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)は Prochem から購入した。ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(M.W.5000) を含む他の試薬はすべて Aldrichから購入した。塩化メチレンおよびクロロホル ムはCaH2を用いる蒸留で精製し、メチルアルコールはマグネシウムの削り屑 を用いて蒸留した。N,N−ジメチルホルムアミドはオーブンで乾燥したモレキ ュラーシーブ(4A)を用いて連続的に脱水した。他の溶剤は、特記しなければ 購入したまま使用した。TLC溶離液はCHCl3:MeOH:AcOH:H2O =83:15:1:1であった。UVスペクトルは室温において Hewlett- Packard 8452Aダイオードアレイ分光光度計で測定した。 ペンタペプチドライブラリーの構成。 分割合成(13)および Bayerの手法(7)に下記の修正を施して、モノメト キシポリエチレングリコール(MeO−PEG)ポリマー担体上に手動でペンタ ペプチドライブラリーをつくった。N−BOC−L−Leu、N−BOC−Gl y、N−BOC−L−PheおよびN−BOC−O−(2−Br−Cbz)−T yrがライブラリーを構成するアミノ酸成分であった。第1のアミノ酸残基はD CC/DMAPカップリング法(Zalipsky,S.,Gilon,C.およびZilka,A. ,J .Macromol.Sci.Chem .A21:839−834、1984)によって Me O−PEGに固着させた。このカップリング効率は、触媒量のジブチルスズラウ レートの存在下で、MeO−PEGの未反応ヒドロキシル基とフェニルイソシア ネートとの反応によって定量的に生成させたフェニルカルバメート誘導体の吸光 度(ε 236nm=17,500M-1cm-1)を基準として99%を上回ることが 確められた。次のアミノ酸は、O−ベンゾトリアゾール−1Y−L−N,N,N ′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)お よびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いて逐次付加させた(Dour toglou,V.,Gross,B.,Lambropoulou,V.,および Zioudrou,C.,Synth-esis A:572−574、1984)。各カップリング反応は、Kaiserのニンヒドリ ン試験(Kaiser,E.,Colescott,R.L.,Bossinger,C.D.および Cook,P.J. ,Anal .Biochem. 34:595−598、1979)が負になるまで、CH2C l2とDMFとの混合溶剤中で行い、未カップルアミノ基を閉塞させるのに無水 酢酸を使用した。各カップリング工程後、組合せ化学ライブラリーの帰納的デコ ンボリューション法(recursive deconvolution method)(12)により他日使 用するためにポリマーの一部を残しておいて標識した。ヨードトリメチルシラン によるN−BOC−およびO−(2−Br−Cbz)−基の最終脱保護(Lott, R.S.,Chauhan,V.および Stammer,C.H.,J .Chem.Soc.Chem.Commun.4 95−496、1979)によってペンタペプチドライブラリーの構成が完了し た。 〔Leu5〕−エンケファリン−ウシの血清アルブミン結合体(BSA−1)の 調製。 〔Leu5〕−エンケファリンをウシの血清アルブミンとカップルさせてBS A−1をつくった。BSA−1を調製するのに用いた機構を図28に示す。1と BSAとのカップリングにはTrauts試薬によってBSAをスルフヒドリル化タン パク質への再形成させることが必要なことに留意すべきである。 N−Boc−O−t−ブチル-Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−CO2 −PEG−OMe。 MeO−PEG(5g、1ミリモル)、N−Boc−Leu−H2O(0.7 48g、3ミリモル)、およびDMAP(0.0306g、0.25ミリモル) を塩化メチレン(25mL)に溶解し、DCC(1.24g,6ミリモル)を加 えた。室温下で2時間攪拌後、無水酢酸(1mL)を加えて、さらに30分間攪 拌を続けた。尿素を濾別し、濾液に激しく攪拌しながら徐々にエチルエーテルを 加えた。沈澱をガラスフィルター上に集めた後、DMFに再溶解させた。エチル エーテルを加えて化合物を再沈澱させ、沈澱をエタノールで洗って純N−BOC −Leu−CO2−PEG−OMe(I)(5.15g、99%)を得た。I( 5.15g)を塩化メチレン:トリフルオロ酢酸混合物(1:1、40mL)に 溶解し、室温下で30分攪拌した。溶剤の容量を1/2に減らし、エチルエーテル を徐々に加えてトリフルオロ酢酸アンモニウム塩(II)を白色沈澱(4.98g 、96%)として得た。II(4g、0.765ミリモル)、N−BOC−Phe (0.609g、2.30ミリモル)、およびDIPEA(1.3g、7.65 ミリモル)を塩化メチレンとDMFとの混合物(25mL)に溶解した後、HB TU(0.871g、2.30ミリモル)を加えた。Kaiserのニンヒドリン試験 により負の読みが得られるまで、この反応をモニターした。次に無水酢酸(1m L)を加えて、さらに30分攪拌を続けた。この反応混合物を1/2の容量まで濃 縮した。エチルエーテルによる沈澱、DMF中への再溶解、エーテルによる再沈 澱および沈澱のエタノールによる最終洗浄の逐次操作によってN−BOC−Ph e−Leu−CO2−PEG−OMe(III) (3.91g、95%)を得た。 TFA:塩化メチレン混合物によるN−BOC基の脱保護によってトリフルオロ 酢酸アンモニウム塩(IV)を白色沈澱として得た(3.75g、96%)。N− BOC−Gly、N−BOC−Phe、およびN−BOC−O−t−ブチル−T yrによるカップリングおよび脱保護の1サイクルの繰返しによってN−Boc −O−t−ブチル−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−CO2−PEG −OMe(2.51g、96%)を得た。 N−Boc−O−t−ブチル−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−CO2 Me。 N−Boc−O−t−ブチル−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−C O2−PEG−OMe(2g、0.35ミリモル)およびKCN(200mg、3 .08ミリモル)をMeOH(10mL)に溶解して、TLCによるモニターを 行いつつN−Boc−O−t−ブチル−Tyr−Gly−Gly−Phe−Le u−CO2−PEG−OMeを消失するまで室温下で攪拌した(24時間)。こ の反応混合物を3mLに濃縮し、1N HClで酸性にし、さらにEtOAcで 2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で洗って、MgSO4で乾燥した 。溶剤を減圧で除去して、所望の生成物を得た(0.273g、93%)。TL C Rf 0.61;エレクトロスプレイーMS m/z 726(M+H+) 、748(M+Na+)。 N−Boc−O−t−ブチル−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−(C =O)−NH−(CH2)2−NH2。 該ペプチドメチルエステル(80mg、0.11ミリモル)、NaCN(20mg 、0.41ミリモル)、およびエチレンジアミン(400μL、5.99ミリモ ル)をMeOHに溶解した。得られた混合物を45℃で8時間加熱した。この反 応混合物を冷却し、濃縮して1N HClで酸性にした。このものをEtOAc とCuSO4水溶液との間に分配させ、有機層を酢酸エチル溶液中にエチレンジ アミンが認められなくなるまでCuSO4水溶液で連続的に洗った。この酢酸エ チル溶液をMgSO4で乾燥し、溶剤を除去して所望の生成物(62mg、75% )を得た。TLC Rf 0.15:エレクトロスプレイーMS m/z 75 4 (M+H+)。 N−Boc−O−t−ブチル−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−(C =O)−NH−(CH2)2−NH−(C=O)−(CH2)2−SS−2−ピリジン。 該ペプチドアミド(9.2mg、12マイクロモル)およびN−スクシンイミジ ル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(3.8mg、12マイクロモル )(SPDP)をMeOH(5mL)に溶解した。2滴のトリエチルアミンを加 え、反応混合物を室温下で1時間攪拌した。この反応物を蒸発乾固し、予備TL Cにより精製した(10.7mg、92%)。TLC Rf 0.55;FAB− MS m/z 951(M+H+)、973(M+Na+)。 (CF3COO-)−NH3+−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−(C= O)−NH−(CH2)2−NH−(C=O)−(CH2)2−SS−2−ピリジニウム 。 トリフルオロ酢酸(2ml)中で前記N−ヒドロキシスクシンイミドエステル( 10.7mg、11.3マイクロモル)を17時間攪拌することによってN−BO C基およびO−t−ブチル基を脱保護させた。揮発分をすべて除去し、エチルエ ーテルを加えて所望の生成物を黄褐色固体として得た(11mg、95%)。FA B−MS m/z 795(M+H+)、817(M+Na+)。 〔Leu5〕−エンケファリン−ウシの血清アルブミン結合体。 前記の塩(2mg、1.96マイクロモル)をDMF(50μL)に溶解し、そ の溶液をPBS(1mL)中のウシの血清アルブミン(Traut試薬によりスルフ ヒドリル化したもの)に徐々に加えた。10分後、その一部の50μLを移して 希釈し1mLとした。〔Leu5〕−エンケファリン−ウシ血清アルブミン結合 体の濃度は、2−チオピリジンの生成(A344=0.2529)を基準にして0 .8mMと求められた。ピリジン−2−チオンは343nmにおいて8080M-1 cm-1のモル吸光係数を示す。 抗β−エンドルフィン単クローン抗体のための部分ライブラリー競合ELISA 。 Costarのくぼみが96個のミクロタイタープレートの各くぼみを、一夜間、当 初60mM重炭酸ナトリウム/30mM炭酸ナトリウム中BSA−1(5−20 mg/mL)の溶液(pH9.3)25μLで被覆した。そのくぼみを脱イオン水 で洗い非特異吸着を防ぐために100μLのBLOTTOでブロックした。加湿 チャンバー内で、37℃1/2時間温置した後、BLOTTOを振り落し、25μ Lの部分ライブラリープール(競合抗原)を第1のくぼみに加え、プレート全体 を逐次希釈して、さらに第2列の第1のくぼみに同じプロセスを続けた。レーン 12は陽性のコントロールとして用いた(この一連の希釈工程を、すべての競合 部分ライブラリープールに用いたことに注目すべきである)。各くぼみにその抗 −β−エンドルフィン抗体を加え(25μL)、さらにプレートを37℃で2時 間温置した。そのプレートは脱イオン水で20回洗い、各くぼみにヤギで作製し た抗マウスIgG−グルコースオキシダーゼ結合体(Cappel)の1:1000希 釈液25μLを加えて、そのプレートを37℃で1時間温置した。そのプレート は脱イオン水で20回洗い、各くぼみに50μLの顕色剤(developing agent) (5mLのリン酸塩緩衝液、pH6.0中0.6μLの20%グルコース、40 μLのABTS、40μLのHRPO)を加えて結合抗体を検知した。30分後 に405nmにおいてプレートの読みを取った。 スルホンアミドライブラリーの構成。 並行合成によって、MeO−PEG担体上にアリールスルホンアミドライブラ リーをつくった。触媒量のジブチルスズラウレートの存在下で、MeO−PEG を4−(クロロスルホニル)フェニルイソシアネートと反応させて、MeO−P EGの4−(クロロスルホニル)フェニルカルバメート(6)を得た。化合物6 を6つの部分に分け、ピリジンの存在下で各部分を6種類のアミンと反応させて スルホンアミド類7を得た。これらMeO−PEGスルホンアミドの塩基性加水 分解によって、6成員より成るアリールスルホンアミドライブラリーの構成が完 了した(図30)。 O−(MeO−PEG)−N−〔(4−クロロスルホニル)フェニル〕カルバメ ート。 4−(クロロスルホニル)フェニルイソシアネート(0.653g、3ミリモ ル)を塩化メチレン(50mL)中のMeO−PEG(5g、1ミリモル)溶液 に加えて2滴のジブチルスズラウレートを添加した(Bayer,E.,Gatfield,I. ,Mutter,H.および Mutter,M.,Tetrahedron 34:1829−1831、 1978)。室温下で5時間攪拌後、激しく攪拌しつつある反応混合物にエチル エーテルを徐々に加えた。沈澱をガラスフィルター上に集めてエチルエーテルで よく洗った。沈澱を真空下で乾燥して、所望の生成物を定量的に得た。 N−(4−アルキルアミノスルホニル)フェニル−O−(MeO−PEG)カル バメート。 i)ピリジン(20当量)含有塩化メチレン(5mL)中O−(MeO−PE G)−N−〔(4−クロロスルホニル)フェニル〕カルバメート(0.5g、9 5.8マイクロモル)の溶液に室温下でアンモニアガスを24時間連続的に吹き 込むか(A方法)、ii)ピリジン(20当量)含有塩化メチレン(5mL)中で 過剰のアミン(15当量)とともに、O−(MeO−PEG)−N−〔(4−ク ロロスルホニル)フェニル〕カルバメート(0.5g、95.0マイクロモル) を室温下で24時間攪拌するか(B方法)(Winterbottom,R.,J .Am.Chem.S oc .62:160−161、1940)、または iii)反応混合物をピリジン 溶剤中で65℃で1時間加熱することによって(Caldwell,W.T.,Kornfeld,E .C.,および Donnell,C.K.,J .Am.Chem.Soc.63:2188−2190、 1941)、N−(4−アルキルアミノスルホニル)フェニル−O−MeO−P EGカルバメートを調製した。このMeO−PEGポリマーをエチルエーテルを 加えて均質溶液から沈澱させ、エタノールで洗い、真空乾燥して所望の生成物を 定量的に得た。 スルホンアミド。 N−(4−アルキルアミノスルホニル)フェニル−O−(MeO−PEG)カ ルバメート(0.45g)を0.5N NaOH(10mL)に溶解し、90℃ で30分加熱した(Winterbottom,R.,J .Am.Chem.Soc.62:160−16 1、1940;Caldwell,W.T.,Kornfeld,E.C.,および Donnell,C.K.,J .Am.Chem.Soc .63:2188−2190、1941)。その反応混合物を 4℃に冷却し、濃HClでpH6−8に中和した。その反応混合物を酢酸エチル で3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて、食塩水で洗い、MgSO4で乾燥した 。溶剤を除去して、分析的に純粋な生成物(NMRスペクトルを基準にして)を 得た。反応物の収率は概して95−97%であった。 液相組合せ合成(LPCS)と呼ぶ新規概念について述べる。この方法の中心 的な特徴は、この方法が、線状均質ポリマーの適用によって、溶液状態における 古典的有機合成が与える利点と固相合成がもたらすことができる利点とを利用す るということである。この考えが正しいことを証明するために、1つはペプチド 系、他は非ペプチド系の2つのライブラリーを調製した。このペプチド系ライブ ラリーは帰納的逆重畳積分法を用いて合成し(Erb,E.,Janda,K.D.,Brenner ,S.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 91:11422−11426、19 94)、このライブラリー中に、β−エンドルフィンに対して作成された単クロ ーン抗体と結合するいくつかのリガンドを見出した。合成された非ペプチド分子 はアリールスルホンアミドであって、この種の化合物はその公知の臨床的殺菌効 果に基づいて選抜された(Maren,T.H.,Annu .Rev.Pharmacol.Toxicol.16 :309−327、1976)。この論文で報告する結果は、数ミリグラム量の 各ライブラリー成員を容易に得ることができるので、多重高処理(multiple high -throughput)スクリーニングテストに対する価値は際立ったメリットを有するこ とができたと同時に、LPCSの反応の及ぶ範囲が多方面にわたるべきであるこ とを示している。 合成方法 化合物3または4の調製(化合物3および4の構造は図33に示す)。 Whistler,R.が Methods in Carbohydrate Chemistry、II、1963、p32 7に述べた方法。メタノール200ミリリットル(mL)中 Aldrich chemicalc ompany から入手した無水のD−グルコサミン塩酸塩またはD−ガラクトサミン 塩酸塩80グラム(g)の溶液および Dowex50(H+)酸性樹脂20gの混合 物を丸底フラスコ中で沸点において攪拌する。24時間の反応時間後、濾過して 該樹脂を除去し、20mLのメタノールで3回洗う。濾液と洗浄液とを合わせて rotovap により約125mLに濃縮する。この濃縮液を室温に冷却し、結晶化ま たはフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して3または4を得、さらに次 のように続行する。 CH2Cl2(0.4モル)中粗製物(1.0当量)の溶液を0℃に冷却する。 その溶液を次に4−DMAP(0.2当量)、トリエチルアミン(8.0当量) と処理し、無水酢酸(365mL、3.84ml、7.0当量)を1滴ずつ加える 。この反応物を0℃で1時間攪拌した後、0℃で5%HClを1滴ずつ加えて反 応を制止させるかまたはpHが中性になるまで攪拌する。次に反応物をエーテル で希釈した後NaHCO3飽和水溶液(2×)、水(1×)および食塩水(1× )で洗う。この水層をエーテル(1×)で逆抽出してから当初の有機相と再び一 緒にして、乾燥(MgSO4)後蒸発させる。 メタノール(0.5モル)中粗製物(1.0当量)の溶液をNaOMe(0. 1当量)と処理し、25℃で24時間攪拌する。次に反応混合物を濃縮してフラ ッシュカラムクロマトグラフィーで精製するかまたは結晶化させて化合物3また は4を得る。 化合物5または6の調製(化合物5および6の構造は図23に示す)。 塩化メチレン中3または4の溶液(0.5モル)に、Aldrich company から購 入したベンズアルデヒドジメチルアセタール(1.2当量)、ZnCl2 (0. 1当量)を加え反応混合物を25℃で一夜間攪拌する。次に生成物5または6を 結晶化させるかもしくはフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、次の 工程を続ける。 化合物7または8の調製(化合物7および8の構造は図33に示す)。 DMF(0.5モル)中アルコール5または6(1.0当量)の溶液に数回に 分けてKH(1.1当量、鉱油中35%分散液)を加える。この反応混合物を室 温に温め、1時間攪拌する。次に、この反応物を0℃に冷却して臭化ベンジル( 1.1当量)と処理して、1.5時間攪拌する。塩化アンモニウム飽和溶液を1 滴ずつ加えて0℃の反応混合物の反応を制止させ、混合物を酢酸エチル(2L) で希釈し、水(2×100mL)、食塩水(1×100mL)で洗い、MgSO4 で乾燥して蒸発させる。結晶化またはフラッシュカラムクロマトグラフィーに より精製して7または8を得る。 化合物9または10の調製(化合物9および10の構造は図34に示す)。 Johansson,R.,Samuelsson,B.が J .Chem.Soc.,Chem.Commun., 201、1 984に記述したような条件。粉末状3Åモレキュラーシーブを含有するジメチ ルホルムアミド(DMF)(0.1モル)中7または8(1.0当量)および水 素化シアノホウ素ナトリウム(5.0当量)の溶液に0℃で、DMF(1.0モ ル)に溶解したトリフルオロ酢酸(10当量)を添加する。TLCが反応の完了 を示すときに、フラッシュカラムクロマトグラフィーまたは結晶化により生成物 を精製して、所望の9または10を得る。 化合物11または12の調製(化合物11および12の構造は図34に示す)。 塩化メチレン(0.10モル)中中間体9または10(1.0当量)の溶液に 0℃で2,6−ルチジン(1.3当量)を溶解する。トリイソプロピルまたはト リエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.3当量)を次に加えた後 、2時間攪拌してから、ジエチルエーテルで反応物を希釈し、塩化アンモニウム (2×)、食塩水(1×)で洗った後結晶化により精製する。化合物は次のよう に手順を進める。 この中間体は次に酢酸(0.5モル)中無水酢酸(1.1当量)の混合液に曝 露し、0℃ないし60℃で1時間攪拌する。反応完了後、混合物を塩化メチレン で希釈し、NaHCO3で中和した後水(1×)および食塩水で洗う。次に化合 物をエーテルで沈澱させ、エタノールから再結晶させて、次のように手順を進め る。 この中間体を塩化メチレン(0.1モル)中 Aldrich Companyから得たテトラ ブチルアンモニウムフルオリド(1.5当量)の混合物に曝露して、0℃で1時 間攪拌する。次にこの化合物を塩化メチレンで希釈し、NaHCO3で中和して から水(1×)および食塩水で洗う。この化合物はさらにエーテルで沈澱させ、 エタノールから再結晶させて化合物11または12を得る。 化合物15または16の調製(化合物15および16の構造は図34に示す)。 Whistler,R.が Methods in Carbohydrate Chemistry 、II、1963、p32 7に記述したような方法。200mLメタノール中 Aldrich chemical company から得た無水のD−グルコースまたはD−ガラクトース80gの溶液およびDowe x 50(H+)酸性樹脂20gの混合物を丸底フラスコ中で沸点で攪拌する。2 4時間の反応時間後、濾過して樹脂を除去し、20mLのメタノールで3回洗う 。濾液と洗液とを一緒にして rotovapにより約125mlに濃縮する。この濃縮液 を室温に冷却して一夜間生成物を結晶化させる。 化合物17または18の調製(化合物17および18の構造は図34に示す)。 テトロール15または16(1.0当量)をベンゼン(2×100mL)と共 沸させた後真空下でP25を用い一夜間乾燥する。トリオール、ジブチルスズオ キシド(1.2当量)および乾燥メタノール(0.25モル)の混合物を、溶液 が透明かつ均質になるまで4時間還流加熱する(自動攪拌装置が必要かもしれな い)。次に溶剤を真空除去して、泡の多い白色のスズ錯体を得、これをさらにベ ンゼン(2×100mL)と共沸させ、P25を用い真空下で乾燥する(2時間 ないし一夜間)。次に無水DMF(2.18L、0.2モル)を加えてスズ錯体 を再溶解させた後、CsF(1.2当量)および最後に臭化ベンジル(0.5当 量)を加えてから一夜間加熱する(40℃)。この透明な溶液を真空下で部分蒸 留(3.3mmHg、75−100℃)して、当初の 1/5の容積の溶剤とする。次 に反応混合物を酢酸エチル(2L)で希釈し、少量の水(2×100mL)で洗 いセシウム塩を除く。酢酸エチル(3×500mL)で水層を逆抽出してから 有機層と再び一緒にしてMgSO4で乾燥後蒸発させる。フラッシュカラムクロ マトグラフィーまたは結晶化による精製を行って所望のトリオール17または1 8を得る。 化合物19または20の調製(化合物19および20の構造は図35に示す)。 DMF(0.25モル)中トリオール17または18(1.0当量)の溶液に 、0℃で数回に分けてKH(3.3当量、鉱油中35%分散液)を加える。反応 混合物を室温に温めて1時間攪拌する。次に、この反応物を0℃に冷却し、臭化 ベンジル(3.3当量)と処理して1.5時間攪拌する。塩化アンモニウム飽和 溶液を一滴ずつ加えて反応混合物の反応を制止させ、混合物を酢酸エチル(2L )で希釈し、水(2×100mL)、食塩水(1×100mL)で洗い、MgS O4で乾燥して蒸発させる。結晶化またはフラッシュカラムクロマトグラフィー により精製して19または20を得る。 化合物21または22の調製(化合物21および22の構造は図35に示す)。 ベンゾエート19または20(1.0当量)の溶液にTHF(0.464モル )を加えて、溶液を0℃に冷却する。この反応混合物をDIBAL(1.1当量 )の1.0モル溶液に曝露して2.5時間攪拌する。次にこの溶液をエーテル( 5mL)で希釈してから2mLのロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム飽和 溶液)を加え、混合物をさらに1時間25℃で攪拌する。この反応物を次に水( 2×10mL)、食塩水(1×5mL)で洗ってからMgSO4で乾燥する。化 合物はフラッシュカラムクロマトグラフィーまたは結晶化で精製する。 化合物23または24の調製(化合物23および24の構造は図35に示す)。 塩化メチレン(0.10モル)中、中間体21または22(1.0当量)の溶 液に0℃で2,6−ルチジン(1.3当量)を溶解させる。トリイソプロピルま たはトリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.3当量)を次に加 えた後、2時間攪拌してから反応物をジエチルエーテルで希釈し、塩化アンモニ ウム(2×)、食塩水(1×)で洗った結晶化により精製する。化合物は次のよ うに手順を進める。 中間体は、次に酢酸(0.5モル)中無水酢酸(1.1当量)の混合物に曝露 して、0℃で1時間攪拌する。反応完了後、混合物を塩化メチレンで希釈し、N aHCO3で中和してから水(1×)および食塩水で洗う。この化合物をエーテ ルで沈澱させ、エタノールから再結晶させ、次のように手順を進める。 この中間体を塩化メチレン(0.1モル)Aldrich companyから得たテトラブ チルアンモニウムフルオリド(1.5当量)の混合物に曝露して、0℃で1時間 攪拌する。この化合物は、次に塩化メチレンで希釈し、NaHCO3で中和して から水(1×)および食塩水で洗う。この化合物はさらにエーテルで沈澱させ、 エタノールから再結晶させて化合物23または24を得る。 化合物27または28の調製(化合物27および28の構造は図35に示す;図 19をも参照のこと)。 エーテルおよびアミド結合のような他の官能性も、PEG可溶性担体とヌクレ オチドコア分子とのリンカーとして適しているけれども、このC−4で分化させ た炭水化物23または24は、エステル/スクシニル結合を介して(スクシニル クロリド1.5当量、DMAP−ジメチルアミノピリジン1.1当量、ピリジン 0.5モル)PEG(好ましくはそのモノメチルエーテル、分子量5,000、 Aldri-ch,Fluka または Sigma chemical company 製)にカップルさせる。化合 物25または26とのPEGスクシネートのカップリングは、Keckらが開発した DCC/DMAP条件( J .Org.Chem. 50:2394、1985)を用いる 標準活性化エステル法によって行われる。PEGをBoc−Gly−OH残基に 結合させる標準の実験計画については、Bayery らの The Peptides 、2:30 9、Academic Press、1979参照のこと。次に所望の化合物27または28は エーテルおよびエタノールからの沈澱および再結晶によって精製される。 一般的な手順は次の通りである。保護された糖23または24、無水コハク酸 (5当量)およびDMAP(1当量)を室温下で乾燥ピリジン(0.20モル) 中で攪拌する。反応完了後、蒸発によりピリジンを除き、残留物を酢酸エチル中 でフラッシュクロマトグラフィーにかける。次にPEGのモノメチルエーテル (0.8当量)を3−O−ヘミスクシネート25または26と混合し、乾燥剤五 酸化リンP25を用いて一夜間高真空で乾燥する。次にこの混合物を、無水塩化 メチレン(0.5モル)および触媒量のジメチルアミノピリジン−DMAP(0 .1当量)に続いてジシクロヘキシルカルボジイミド−DCC(0.8当量)に 溶解する。15分後、反応物は不透明になり、それを室温で一夜間攪拌する。沈 澱した尿素を濾過して除き、塩化メチレンで洗い、合わせた濾液の容量を当初の 大きさに減らす。これを0℃に冷却し、激しく攪拌しながら無水エーテルを加え て沈澱させる。濾過後、固形物を熱無水エタノールに溶解し、再結晶させて27 または28を得る(Krepinsky らによる J .Am.Chem.Soc. 113:5095 、1991、suppl.material)。炭水化物ライブラリー2の調製(図20参照) 工程1。MeOH中ライブラリー1の溶液(0.10モル)に、触媒量のNa OCH3(0.10当量)を加えて、混合物を0℃で1時間攪拌するかまたは薄 層クロマトグラフィーによるラクトールの生成が完了するまで攪拌する。次に反 応混合物を塩化アンモニウム(1.0モル)で反応を制止させてから、酢酸エチ ル(0.05モル)で希釈し、水(1×)、食塩水(1×)で洗い、濃縮する。 粗化合物を次にエチルエーテルで沈澱させて濾過する。このPEG結合体を熱エ タノールから結晶化させ、濾過し、冷エタノールで洗って所望の中間体ラクトー ルライブラリーを得る。 工程2。この中間体ラクトールライブラリーを次に0℃において塩化メチレン 溶液(0.10モル)中でアセトイミデートに転化させる。この混合物を次に水 素化ナトリウム(0.10モル)に曝露して、1時間攪拌した後一工程でトリク ロロアセトニトリル(1.2当量)を加える。さらに1時間後に(または薄層ク ロマトグラフィーで反応が完了したと思われるまで)、反応混合物を重炭酸ナト リウム飽和溶液(1.0モル)で反応を制止させてから酢酸エチルで希釈して水 (1×)、食塩水(1×)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥して、蒸発させる。 エーテル中での再懸濁および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過によ って活性化アセトイミデートライブラリーが得られる。 工程3。塩化メチレン(0.01モル)中、アセトイミデートライブラリー( 1.0当量)および化合物11または12(3.0当量)の冷溶液(−10℃) に三フッ化ホウ素エーテル錯化合物(3.5当量)を添加する。反応混合物を徐 々に室温まで温めて一夜間攪拌を続ける。この反応混合物を重炭酸ナトリウム( 3.5当量)で反応を制止させ、酢酸エチルで希釈し、水(1×)、食塩水(1 ×)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥して、蒸発させる。エーテル中での再懸濁 および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過により所望のライブラリー 2が得られる。2種類の糖類とPEG担体とのカップリングに関する関連技術に ついてはKrep-inskyらの J .Am.Chem.Soc.,Suppl.material 、113:50 95、1991参照のこと。 PEG担体を用いる分割合成法。 合成の各段階後、各PEG担持ライブラリーの一部を保留してカタログを作り 、残りの部分は一緒にし、混合して再分割する。(i)カップリング、(ii)保 留およびカタログ作り、ならびに(iii)無作為抽出、を所望のライブラリーが 得られるまで繰返す。この帰納的デコンボリューション法についての総説は Jan da,K.らの Proc.Natl .Acad.Sci. 91:11422、1994を参照のこと。 炭水化物ライブラリー3の調製(図21参照)。 工程1。 MeOH中予め無作為化したライブラリー2の溶液(0.10モル )に触媒量のNaOCH3(0.10当量)を加え、その混合物を、0℃で1時 間攪拌するか、または薄層クロマトグラフィーによりラクトール生成が完了する まで攪拌する。次に反応混合物を塩化アンモニウム(1.0モル)で反応を制止 させてから、酢酸エチル(0.05M)で希釈して、水(1×)、食塩水(1× )で洗って濃縮する。次に粗化合物をエチルエーテルで沈澱させて濾過する。こ のPEG結合体を熱エタノールから結晶化させ、濾過し、冷エタノールで洗って 、所望の中間体ラクトールライブラリーを得る。 工程2。 この中間体ラクトールライブラリーを次に、0℃で塩化メチレン (0.10モル)溶液中でアセトイミデートに転化させる。次にこの混合物を水 素化ナトリウム(1.2当量)に曝露して1時間攪拌した後一工程でトリクロロ アセトニトリル(1.2当量)を加える。さらに1時間後に(または薄層クロマ トグラフィーで反応が完了したと思われるまで)、反応混合物を重炭酸ナトリウ ム飽和溶液(1.0モル)で反応を制止させてから、酢酸エチルで希釈し、水( 1×)、食塩水(1×)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥して、蒸発させる。エ ーテル中での再懸濁および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過によっ て活性化アセトイミデートライブラリーを得る。 工程3。 塩化メチレン(0.01モル)中アセトイミデートライブラリー( 1.0当量)および化合物23または24(3.0当量)の冷溶液(−10℃) に、三フッ化ホウ素エーテル錯化合物(3.5当量)を加える。反応混合物を徐 々に室温まで温め、攪拌を一夜間続ける。次に反応混合物を重炭酸ナトリウム( 3.5当量)で反応を制止させ、酢酸エチルで希釈し、水(1×)、食塩水(1 ×)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥して、蒸発させる。エーテル中での再懸濁 および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過によって所望のライブラリ ー3を得る。2種の糖類とPEG担体とのカップリングに関する関連技術につい ては Krepin-sky らの J .Am.Chem.Soc.,Suppl.material 、113:509 5、1991を参照のこと。 PEG担体を用いる分割合成法。 合成の各段階後、各PEG担持ライブラリーの一部を保留してカタログを作り 残りの部分は一緒にして、混合して再分割する。(i)カップリング、(ii)保 留およびカタログ作りならびに(iii)無作為抽出を所望のライブラリーが得ら れるまで繰返す。この帰納的デコンボリューション法に関する総説については J anda,K.らの Proc .Natl.Acad.Sci. 91:11422、1994を参照のこ と。 炭水化物ライブラリー4または5の調製(図22および図23参照)。 工程1。 MeOH中のライブラリー3の画分(0.10モル)に触媒量のN aOCH3(0.10当量)を加えて、混合物を、0℃で1時間または薄層クロ マトグラフィーによりラクトールの生成が完了するまで攪拌する。次に反応混合 物を塩化アンモニウム(1.0モル)で反応を制止させてから、酢酸エチル(0 .05モル)で希釈し、水(1×)、食塩水(1×)で洗って濃縮する。粗化合 物は次にエチルエーテルで沈澱させて濾過する。PEG結合体は熱エタノールか ら結晶化させ、濾過して、冷エタノールで洗い、所望の中間体ラクトールライブ ラリーを得る。 工程2。 この中間体ラクトールライブラリーを、次に0℃で塩化メチレン溶 液(0.10モル)中でアセトイミデートに変える。この混合物を次に水素化ナ トリウム(1.2当量)に曝露して1時間攪拌してからトリクロロアセトニトリ ル(1.2当量)を一工程で加える。さらに1時間後(または薄層クロマトグラ フィーで反応が完了したように思われるとき)反応混合物を重炭酸ナトリウム飽 和溶液(1.0モル)で反応を制止させた後酢酸エチルで希釈し、水(1×)、 食塩水(1×)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥してから蒸発させる。エーテル 中での再懸濁および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過によって活性 化アセトイミデートライブラリーを得る。 工程3。 塩化メチレン(0.01モル)中アセトイミデートライブラリー( 1.0当量)および化合物11または12(3.0当量)の冷溶液(−10℃) に、三フッ化ホウ素エーテル錯化合物(3.5当量)を加える。この反応混合物 を徐々に室温まで温め、一夜間攪拌を続ける。この反応混合物は次に重炭酸ナト リウム(3.5当量)で反応を制止させ、酢酸エチルで希釈して、水(1×)、 食塩水(1×)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥してから蒸発させる。エーテル 中での再懸濁および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過によって所望 ライブラリー4または5が得られる。2種の糖類とPEG担体とのカップリング に関する関連技術は Krepinskyらの J .Am.Chem.Soc.,Suppl.material 、1 13:5095、1991を参照のこと。 脱保護ライブラリー4または5の調製。 乾燥エタノール(0.10モル)中ベンジルで保護したライブラリー4または 5(1.0当量)の溶液に、10%Pd/C(0.2当量)を加える。この反応 混合物を水素バルーンでキャップしてから1日間25℃で攪拌する。完了時に、 コットンの栓、0.5cm(長さ)の砂、5cmのシリカ、1cmのシーライトをこの 順に詰めた直径5cmのカラムに反応物を通して残留炭素を除く。次にカラムを酢 酸エチルで4回フラッシュして溶剤を蒸発させる。必要ならば、エーテル中での 再懸濁および沈澱に続くエタノール中での結晶化および濾過によって、この化合 物をさらに精製して所望の脱保護(脱ベンジル化)ライブラリー4または5を得 る。 PEG担体からのオリゴ糖の開裂。 25℃で攪拌しながら、塩化メチレン(0.5モル)に溶解したライブラリー 5(たとえば化合物200、図24参照)とメタノール(2.0モル)および1 ,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBU(ライブラリ ー 0.02ミリモル当り1滴))との一夜間の処理によってポリマーからオリ ゴ糖部分を除去する。PEG担体と脱保護オリゴ糖ライブラリーは次にエーテル で沈澱させ、濾過して除去する。PEGおよびオリゴ糖ライブラリーの両方を含 む沈澱は熱エタノールに溶解し、PEGを結晶化させ、濾過して、冷エタノール で洗う。濾液と洗液を一緒にした後蒸発させて、完全に脱保護したオリゴ糖30 0を対応する脱保護ライブラリー5とともに得、標準の逆相HPLC分析法によ り、これをさらに精製することができる。PEG担体とオリゴ糖に関する関連技 術については Krepinskyらの J .Am.Chem.Soc.suppl.material 113:5 095、1991を参照のこと。 コアヌクレオチドの保護。 ヌクレオチドは一般の保護基で保護されるように見える。5′−水酸基の場合 には、酸性の不安定性のために、DMTr(ジメトキシトリチル)基が好ましい 保護基である。代りのものとしては、9−フェニルキサンテン−9−イル(ピキ シル)基が完全に容認できるものであり、かつ Beaucage らが Tetrahedron 1 2:2233、1992で検討した補足的な結晶化度のみならず他のものをもも たらす。標準のベンゾイルおよびイソブチリル基は、それぞれ2′−デオキシシ チジンならびに2′−デオキシグアノシンのN4およびN2−環外アミノ基の保護 に用いられる。ジ−n−ブチルアミノメチレンまたは標準のベンゾイル基はアデ ニンのN6位に用いることができ、長さが少なくとも20個の塩基の合成のほと んどに良好な結果を示す。5′−O−DMT−N−3′OPEGの調製。 エーテルおよびアミド結合のような他の官能性もPEG可溶性担体とヌクレオ チドコア分子とのリンカーとして適しているけれども、この保護5′−O−ヌク レオチドは、スクシニル結合を介して、PEG(好ましくはそのモノメチルエー テル、分子量5000、ヒドロキシル価 0.20ミリ当量/グラム、Aldrich 、Fluka または Sigma chemical company)とカップルさせる。ヌクレオチドとの モノメチルエーテル−PEGスクシネートのカップリングは、Keekら( J .Org. Chem .50:2394,1985)により開発されたようなDCC条件を用いる 標準の活性化エステル法によって行われる。可溶性担体を5′−O位に結合させ る別法としては、Napoliら(Nucleoside and Nucleotide、12:21−30、 1993)によって示されたようにアミド官能性を介して、アデニン、グアニン およびシトシンの環外アミン基をPEGに結合させることができる。 手順は次の通りである。保護アミノ酸(1.0当量)、無水コハク酸(5当量 )およびDMAP(1当量)を室温下で乾燥ピリジン(0.20モル)中で攪拌 する。反応完了後、ピリジンを蒸発させて除去し、残留物を酢酸エチル中でフラ ッシュクロマトグラフィーにかける。次にPEGのモノメチルエーテル(0.8 当量)を3−O−ヘミスクシネートと混合し、乾燥剤五酸化リン(P25)を用 い高真空で一夜間乾燥する。次にこの混合物を無水塩化メチレン(0.5モル) および触媒量のジメチルアミノピリジン−DMAP(0.1当量)、続いてジシ クロヘキシルカルボジイミド−DCC(0.8当量)と溶解する。15分後、反 応物は不透明になり、それを室温で一夜間攪拌する。沈澱した尿素を濾別し、塩 化メチレンで洗い、濾液を合せて、その容積を当初の大きさまで減少させる。そ れを0℃に冷却し、激しく攪拌しながら無水エーテルを加えて、沈澱させる。濾 過後、固形分を熱無水アルコールに溶解し、再結晶させて、27または28を得 る(Krepinskyらの J .Am.Chem.Soc. 113:5095、1991、supplemen tary mate-rials)。 PEGの代替品。 PEG(ポリエチレングリコール)は、沈澱しやすさおよび結晶性の点から、 すぐれた可溶性担体であるけれども、別の高分子基を用いることもでき、その中 にはポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンと共重合したポリビニル アミンがある(Bayerら、Nature 237:512、1972)。 連鎖集合工程(chain assembly step)1−2 標準条件(Gaitら、Oligonucleotide synthesis a practical approach IR L Press Ltd、Oxford、1984 pg 83−115)を用い、1サイクル当り2 つの化学反応を含む循環プロセスにおいて、3′末端から5′末端にオリゴデオ キシリボヌクレオチドを合成する。第1工程は適当なプロトン性酸(たとえば1 ,2−ジクロロエタン中3%−10%(w/v)ジクロロ酢酸溶液)で5′保護 基(DMTrまたはPx)を除き、次いで適切な洗浄で残留酸を除いてPEG結 合体を沈澱または結晶化(必要ならば)させる。次に適当に保護したホスホルア ミダイト、ホスフィットまたはホスホトリエステルヌクレオチド(使用するモノ マーは選択するカップリング法による)を、カップリング剤(たとえば1−メジ チレンスルホニル−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(もしも必要ならば );選択するカップリング法による)の存在下で、PEG担体に結合したデオキ シリボヌクレオシドの遊離5′−水酸基と縮合させる。試薬を完全に除くために 、PEG−結合配列を、塩化メチレン/ジエチルエーテルまたはエチルアルコー ルからさらに再結晶させることができる。PEG−5000モノメチルエーテル 沈澱物は少なくともオクタマーのレベルまでは(試験した最大の長さ)純粋で、 容易に濾過可能と報告されている(Bonoraら、Necleosides and Nucleotides、 10:269、1991)。注:PEG−結合オリゴマーの精製は脱トリチル化 工程以前にキャンピング混合物(たとえば無水酢酸)との処理によって増進させ ることができる。 PEG担体とヌクレオチドとを用いる分割合成法。 合成の各工程後に、PEG担持ライブラリーのそれぞれの一部を、保留してカ タログを作り、残りの部分は一緒にし、混合して、再分割する。(1−2)脱保 護、カップリング、(3)保留およびカタログ作りならびに(4)無作為抽出の 工程を所望のライブラリーが得られるまで繰返す。この帰納的デコンボリューシ ョン法に関する総説については、Janda,K.らの Proc .Natl.Acad.Sci., 9 1:11422、1994を参照のこと。 精製、酸化、脱保護工程3−6。 ホスフィットまたはホスホルアミダイトのホスフェートへの酸化。 ホスフィット類の酸化は、0.2モルのヨウ素(1.1当量)含有テトラヒド ロフラン−2,6−ルチジン−水(2:1:1)溶液(総濃度0.1モル)中で 25℃、10分間標準条件で行われる。この混合物は次に重硫酸ナトリウム飽和 溶液で洗って残留ヨウ素を除去し(1×)、重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗って 残留塩基を除去し(1×)、かつ食塩飽和溶液で洗い、エーテルで希釈してPE Gポリマーを沈澱させる。次の熱エタノール中での再結晶化に続く冷エタノール 洗浄によって所望のホスフェートを得る。ポリマー担体上のデオキシオリゴヌク レオチドの合成を概説する標準方法については Carutheres ら、J .Am.Chem.S oc. 103:3185−3191,1981;Gait らの Oligonucleotide synt hesis,a practical approach IRL Press Ltd,Oxford,Chapt.4、83、1 984を参照のこと。 N2,N4,N6および5′保護基の除去。 2′−デオキシシチジンならびに2′−デオキシグアノシンのN4およびN2− 環外アミノ基、ならびにアデニンのN6位のジ−n−ブチルアミノメチレン基の 脱保護については、ベンゾイルおよびイソブチリル基と約60℃で15−20時 間加熱する標準法が用いられる。 5′DMT保護基を用いる場合には、ニトロメタン(0.1モル)中ZnBr2 (1.5当量)の飽和溶液でPEG結合オリゴヌクレオチドを処理することに よって該保護基を除去することができる。次の工程は、テトラヒドロフランおよ び 2,6−ルチジン中でn−ブタノールによる加水分解洗浄である(試薬はす べてAldrich chemical company から入手可能)。あるいはまた、80%酢酸を 用いることができる。したがってPEG担体の結晶化は精製5′脱保護オリゴヌ クレオチドをもたらす。 オリゴヌクレオチドからPEGを除くためのコハク酸エステルの開裂。 塩化メチレンに溶解したライブラリー(0.5モル)とメタノール(2.0モ ル)および1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBU (ライブラリー0.02ミリモル当り1滴)とを25℃で攪拌しながら一夜間処 理することによって該ポリマーからオリゴヌクレオチド部分が除かれる。このP EG担体と脱保護オリゴヌクレオチドライブラリーは次にエーテルで沈澱させて 濾過して除去する。PEGおよびオリゴヌクレオチドライブラリーの両方を含む 沈澱を熱エタノールに溶解し、PEGを結晶化させ、濾過して、冷エタノールで 洗う。次に濾過と洗液を一緒にして蒸発させて完全な脱保護オリゴヌクレオチド ライブラリーを得、標準の逆相HPLC分析法またはイオン交換クロマトグラフ ィーでそれをさらに精製することができる。PEG担体に関する関連技術につい ては Bonoraらの Nucleosides and Nucleotides、12:21、1993を参照 のこと。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 303/40 C07C 303/40 311/39 311/39 311/47 311/47 C07H 15/18 C07H 15/18 21/00 21/00 C07K 1/04 C07K 1/04 // C08L 39/00 C08L 39/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ヒュンソー,ハン アメリカ合衆国カリフォルニア州92122, サン・ディエゴ,ショアライン・ドライブ 7190,アパートメント 6101

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.1組のコア分子またはコア分子群を含み、前記コア分子または前記コア分 子群がそれぞれ可溶性ポリマー化合物に結合している可溶性組合せライブラリー 。 2.前記1組のコア分子または前記関連分子群中の分子は化学部分が1つ以上 異なる請求項1記載の可溶性組合せライブラリー。 3.前記可溶性ポリマー化合物が、PEG、ポリビニルアルコール、およびポ リビニルピロリドンと共重合したポリビニルアミンより成る群から選ばれる請求 項1記載の可溶性組合せライブラリー。 4.前記1組のコア分子がα−アゼチド組成物を含む請求項1記載の可溶性組 合せライブラリー。 5.前記1組のコア分子がトリアジンジオン組成物を含む請求項1記載の可溶 性組合せライブラリー。 6.前記1組のコア分子がγ−ラクタムチド組成物を含む請求項1記載の可溶 性組合せライブラリー。 7.前記1組のコア分子がδ−ラクタムチオチド組成物を含む請求項1記載の 可溶性組合せライブラリー。 8.前記1組のコア分子がβ−ラクタム核含有組成物を含む請求項1記載の可 溶性組合せライブラリー。 9.前記1組のコア分子がリコラミンアルカロイド核含有組成物を含む請求項 1記載の可溶性組合せライブラリー。 10.前記1組のコア分子がβ−ブロッカー核組成物を含む請求項1記載の可溶 性組合せライブラリー。 11.α−アゼチド組成物の集団を含む可溶性組合せライブラリー。 12.トリアジンジオン組成物の集団を含む可溶性組合せライブラリー。 13.γ−ラクタムチド組成物の集団を含む可溶性組合せライブラリー。 14.δ−ラクタムチオチド組成物の集団を含む可溶性組合せライブラリー。 15.β−ラクタム核含有組成物の集団を含む可溶性組合せライブラリー。 16.リコラミンアルカロイド核含有組成物の集団を含む可溶性組合せライブラ リー。 17.β−ブロッカー核組成物の集団を含む可溶性組合せライブラリー。 18.可溶性ポリマー化合物に結合したコア分子を付与する工程を含む可溶性組 合せライブラリーを生成させる方法。 19.一連のコア分子中の特定位置にコア分子をランダムに結合させることによ って組成の異なる分子集団を効率的に生成させる可溶性組合せライブラリーを生 成させる方法において、前記コア分子集団それぞれの前記第1コア分子を可溶性 ポリマー化合物に付加させる方法。 20.1組のコア分子を合成する工程を含む可溶性組合せライブラリーを生成さ せる方法において、前記合成工程に関与する各コア分子を溶液状態に溶解させる 方法。 21.分割合成を行う工程を含む可溶性組合せライブラリーを生成させる方法に おいて、前記分割合成を溶液状態で行う方法。 22.組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法であって、該方法が下記の 工程A:高分子担体を共通プール内に集めて混合し、このとき各高分子担体に は初期の組合せ分子が結合されており;ついで 工程B:前記工程Aの共通プールの高分子担体を分割して一連の別個の反応容 器に移し;ついで 工程C:反応体を付加して、前記工程Bの各別個の反応容器内の該高分子担体 に結合した該初期の組合せ分子を伸長させ、さらに 工程D:前記工程C後に、該高分子担体を洗浄して、担体から反応体を除去し 、次に 前記工程A,B,CおよびDを必要なだけ繰返して、組合せ分子のライブラリ ーを生成させる工程の連続を包含する少なくとも2サイクルの並行分割合成法を 用いる方法において、次のように、 前記工程A,B,CおよびDにおいて該高分子担体は二相性であり; 前記工程Cにおいて、該高分子担体を可溶にする第1溶剤を用いることによっ て、該初期の組合せ分子の伸長を容易にし; 前記工程Dにおいて、該高分子担体を不溶にする第2溶剤を用いることによっ て、該高分子担体の洗浄および該反応体の除去を容易にすることを特徴とする方 法。 23.請求項22記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法において さらに次のように 前記工程Cにおいて、該高分子担体が、ポリエチレングリコール(PEG)、 ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンと共重合したポリビニルアミン、 およびそれらの誘導体より成る群から選ばれることを特徴とする方法。 24.請求項23記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法において 、さらに次のように 前記工程Cにおいて、該高分子担体がポリエチレングリコール(PEG)を含 むことを特徴とする方法。 25.請求項23記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法において 、さらに次のように 前記工程Cにおいて、該第1溶剤がアルコール類を含み、かつ 前記工程Dにおいて、該第2溶剤がエーテル類を含むことを特徴とする方法。 26.請求項22記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法であって 、該ライブラリーの該組合せ分子がオリゴペプチド、オリゴ糖、オリゴヌクレオ チド、アリールスルホンアミド、およびそれらの誘導体より成る群から選ばれる 方法において、さらに次のように、 前記工程Cにおいて、該第1溶剤がアルコール類を含みかつ該高分子担体がポ リエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド ンと共重合したポリビニルアミン、およびこれらの誘導体より成る群から選ばれ 、さらに 前記工程Dにおいて、該第2溶剤がエーテル類を含むことを特徴とする方法。 27.デコンボリューション群(deconvolution assemblage)と相まって、組合 せ分子のライブラリーを生成させる改良法であって、該方法が次の 工程A:高分子担体を共通のプールに集めて混合し、各高分子担体には初期の 組合せ分子が結合されており、さらに 工程B:前記工程Aの該共通プールの高分子担体を分割して一連の別個の反応 容器に移し、さらに 工程C:反応体を付加することによって、前記工程Bの各別個の反応容器内の 該高分子担体に結合した初期の組合せ分子を伸長させ、さらに 工程D:前記工程C後に該高分子担体を洗浄してそれから反応体を除去し、さ らに 工程E:前記工程D後に、各反応容器から該高分子担体の一部を取り出してデ コンボリューション群を生成させ、次に 前記工程A,B,C,DおよびEを必要なだけ繰返して組合せ分子のライブラ リーを生成させる工程の連続を包含する少なくとも2サイクルの並行分割合成法 を用いる方法において、 前記工程A,B,C,DおよびEにおいて、該高分子担体が二相性であり、 前記工程Cにおいて、該高分子担体を可溶にする第1溶剤を用いることによっ て該初期の組合せ分子の伸長を容易にし、 前記工程Dにおいて、該高分子担体を不溶にする第2溶剤を用いることによっ て、該高分子担体の洗浄および該反応体の除去を容易にすることを特徴とする方 法。 28.請求項27記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法において さらに、次のように 前記工程Cにおいて、該高分子担体がポリエチレングリコール(PEG)、ポ リビニルアルコール、ポリビニルピロリドンと共重合したポリビニルアミンおよ びそれらの誘導体より成る群から選ばれることを特徴とする方法。 29.請求項28記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法において 、さらに次のように 前記工程Cにおいて、該高分子担体がポリエチレングリコール(PEG)を含 むことを特徴とする方法。 30.請求項28記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法において 、さらに次のように 前記工程Cにおいて、該第1溶剤がアルコール類を含み、かつ 前記工程Dにおいて、該第2溶剤がエーテル類を含むことを特徴とする方法。 31.請求項27記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる改良法であって 、 該ライブラリーの該組合せ分子がオリゴペプチド、オリゴ糖、オリゴヌクレオチ ド、アリールスルホンアミド、およびそれらの誘導体より成る群から選ばれる方 法において、さらに次のように 前記工程Cにおいて、該第1溶剤がアルコール類を含み、かつ該高分子担体が ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ ドンと共重合したポリビニルアミンおよびそれらの誘導体より成る群から選ばれ 、さらに 前記工程Dにおいて、該第2溶剤がエーテル類を含むことを特徴とする方法。 32.組合せ分子のライブラリーを生成させる方法において、該方法が、次の 工程A:二相性高分子担体を共通のプール内に集めて混合し、各二相性高分子 担体には初期の組合せ分子が結合されており、さらに 工程B:前記工程Aの共通プールの二相性高分子担体を分割して、一連の別個 の反応容器に移し、さらに 工程C:該二相性高分子担体を可溶にする第1溶剤の存在下で反応体を加える ことによって、前記工程Bの各別個の反応容器内の該二相性高分子担体に結合し た該初期の組合せ分子を伸長させ、さらに 工程D:該二相性高分子担体を不溶にする第2溶剤の存在下で前記工程C後に 該二相性高分子担体を洗浄して反応体を除き、 前記工程A,B,C,およびDを必要なだけ繰返して、組合せ分子の該ライブ ラリーを生成させる工程の連続を含む少なくとも2サイクルの並行分割合成法を 用いる方法。 33.請求項31記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる方法において、 さらに次のように 前記工程Cにおいて、該二相性高分子担体がポリエチレングリコール(PEG )、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンと共重合したポリビニルアミ ン、およびそれらの誘導体より成る群から選ばれることを特徴とする方法。 34.請求項33記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる方法において、 さらに次のように 前記工程Cにおいて、該二相性高分子担体がポリエチレングリコール(PEG ) を含むことを特徴とする方法。 35.請求項33記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる方法において、 さらに次のように 前記工程Cにおいて、該第1溶剤がアルコール類を含みかつ 前記工程Dにおいて、該第2溶剤がエーテル類を含むことを特徴とする方法。 36.請求項32記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる方法であって、 該ライブラリーの該組合せ分子が、オリゴペプチド、オリゴ糖、オリゴヌクレオ チド、アリールスルホンアミド、およびそれらの誘導体より成る群から選ばれる 方法において、該方法がさらに次のように 前記工程Cにおいて、該第1溶剤がアルコール類を含み、かつ該高分子担体が ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ ドンと共重合したポリビニルアミン、およびそれらの誘導体より成る群から選ば れ、さらに 前記工程Dにおいて、該第2溶剤がエーテル類を含むことを特徴とする方法。 37.請求項32記載の組合せ分子のライブラリーを生成させる方法において、 さらに下記付加工程、 工程E:前記工程D後に、該反応容器から該高分子担体の一部を除いてデコン ボリューション群をつくることを特徴とする方法。 38.α−アゼチド組成物の集団を含む組合せライブラリーを生成させる方法。
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