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JPH10505233A - シルコウイルス由来の植物転写調節因子 - Google Patents

シルコウイルス由来の植物転写調節因子

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JPH10505233A
JPH10505233A JP8508355A JP50835596A JPH10505233A JP H10505233 A JPH10505233 A JP H10505233A JP 8508355 A JP8508355 A JP 8508355A JP 50835596 A JP50835596 A JP 50835596A JP H10505233 A JPH10505233 A JP H10505233A
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Japan
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gene
virus
promoter
scsv
sequence
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Application number
JP8508355A
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English (en)
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クリスティナ ベビンク,ペトラ
ピーター スリン,ブライアン
コンラッド キース,ポール
ウィング ゲイ チュー,ポール
マイケル ウォーターハウス,ピーター
イスラム カン,ラフィクル
ジョン ラーキン,フィリップ
クラーク テイラー,ウィリアム
スチュワート マーシャル,ジェリー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Australian National University
Original Assignee
Australian National University
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Publication date
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Priority claimed from AUPM9281A external-priority patent/AUPM928194A0/en
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells

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Abstract

(57)【要約】 本発明はシルコウイルス起源の転写調節因子及び転写調節因子様配列に関する。本出願において使用されるように、シルコウイルスグループはサブテレーニアン・クローバ・スタント・ウイルス(SCSV)、ココナット・フォリア・ディケイ・ウイルス(CFDV)、バナナ・バンチ・トップ・ウイルス(BBTV)、ミルク・ベッチ・ドゥオルフ・ウイルス(MDV)及びファバ・ビーン・ネクロティック・イエロー・ウイルス(FBNYV)を含むと考えられる。本発明の転写調節因子及び転写調節因子様配列は、外来遺伝子の発現を促進し又はコントロールするため、植物、殊にマメ科植物の遺伝子工学において有用である。本発明の転写調節因子及び転写調節因子様配列は、異なるタイプの植物組織において異なるレベルの発現を容易にする場合にも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 シルコウイルス由来の植物転写調節因子 本発明は一般的に植物中で機能し得る新規な転写調節因子及び転写調節因子様 配列に関する。より詳しくは、本発明はウイルス起源の、より具体的にはシルコ ウイルス起源の転写調節因子及び転写調節因子様配列に関する。本発明の転写調 節因子及び転写調節因子様配列は外来遺伝子の発現の容易化あるいはコントロー ルなどの植物、特にマメ科の植物の遺伝子工学において有用である。本発明の転 写調節因子及び転写調節因子様配列は異なるタイプの植物組織における異なるレ ベルの発現を容易にする場合にも有用である。 本出願書類で著者により参照された出版物の文献上の詳細は明細書の末尾に集 めてある。本出願書類中で参照されたヌクレオチド配列に対する配列番号は文献 の後に規定している。 本出願書類を通じて、文脈上別義に解する必要がある場合を除き、語「含む(c omprise)」、やその変形「含む(comprises)」や「含んでいる(comprising)」 は、述べられている要素又は個体又は要素群又は個体群を含むことを意味するが その他の要素又は個体又は要素群又は個体群を排除することを意味するものでは ないと理解すべきである。 転写調節因子は分子であり、一般的にはヌクレオチド系の分子であり、転写の レベルで遺伝子配列の発現を容易にしたり調節したりする。転写調節因子は他の 転写エフェクターや転写促進因子の中でも特にプロモーター及び終結配列及びポ リアデニル化配列を含む。 プロモーターは細胞中でRNAポリメラーゼがそれに結合してRNA合成を開 始する特殊なヌクレオチド配列である。プロモーターはRNA合成の開始位置及 びポリメラーゼにより媒介されるRNA合成を開始させるための遺伝的シグナル を含む。さらに、配列特異的なDNA結合タンパク質がプロモーターの隣に結合 しそしてそのプロモーターへのポリメラーゼの結合に悪影響を与えることにより RNA合成の開始を阻害したり刺激したりするものと考えられている。ターミネ ーター配列とは終結配列及びポリアデニル化配列を指し、機能的mRNAの転写 に要求される。終結配列は遺伝子の下流(即ち、3’−末端側)に位置し、RN AポリメラーゼによってmRNAの合成を停止させるためのシグナルとして認識 される。ポリアデニル化配列は転写後に行われる真核生物mRNA分子のポリア デニル化のために必要なシグナルである。 植物において外来遺伝子の発現を容易にするために広く用いられているウイル スプロモーターはカリフラウワー・モザイク・ウイルス(CaMV)35Sプロ モーター(オデル(Odell)ら,1985)であり、これは二本鎖DNA植物ウイルス 由来のものである。植物及び植物細胞におけるこのプロモーターの使用は充分に 文献で実証されている(ベンフィー及びチュア(Benfey and Chua,1990; ヒギン ス及びスペンサー(Higgins and Spencer,1991)。しかしながら、このプロモー ターの明らかな有用性にもかかわらず、それはすべての植物では機能せず、特に マメ科植物ではほとんど機能し得ない。従って、植物でそして特にマメ科植物で 機能し得るウイルス起源のような他のプロモーターを探し出す必要がある。また 、植物細胞中 で遺伝子又は他の遺伝子配列の発現のレベルを調節する必要もある。 このような事情から、本発明の一つの側面はシルコウイルスプロモーター又は シルコウイルスプロモーター様配列を含み、かつ植物細胞中で機能することがで きる遺伝子構築物に関する。 本発明の関連する側面では、シルコウイルスプロモーター又はシルコウイルス プロモーター様配列及び終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含む遺伝子構 築物が提供される。これらの配列は植物細胞中で機能することができるものであ る。 シルコウイルスは双球形でない(non-geminated)一本鎖(ss)DNA植物ウイル ス(表1)であり、二本鎖ゲノムを持つカウリモウイルス及び他の唯一の知られ たssDNA植物ウイルスであって双球形の粒子を持つジェミニウイルスとも異な っている(チュー(Chu)ら,1994)。本明細書で使用するとき、シルコウイルス群 はサブテレーニアン・クローバ・スタント・ウイルス(SCSV)(チュー及び ヘルムス(Chu and Helms),1988)、ココナット・フォリア・ディケイ・ウイルス (CFDV)(ローデ(Rhode)ら,1990)、バナナ・バンキー・トップ・ウイル ス(BBTV)(トーマス及びディーツゲン(Thomas and Dietzgen),1991; ハ ーディング(Harding)ら,1991; 1993; バーンズ(Burns)ら,1993)及びミルク− ベッチ・ドゥオーフ・ウイルス(MDV)(イソガイ(Isogai)ら,1992; サノ(S ano)ら,1993)及びファバ・ビーン・ネクロティック・イエローズ・ウイルス( FBNYV)(カツール(Katul)ら,1993)を含むものと考える。 特に好ましい態様では、本発明に従って使用することを意図するシルコウイル スは3個以上のDNA成分又はDNAセグメントを含んでいる。 本発明は、シルコウイルス群の代表としてサブテレーニアン・クローバ・スタ ント・ウイルス(以下には「SCSV」と短縮する)を特に取り上げ、以下には これに関して記述する。このことは、しかしながら、SCSVへの言及が本発明 の範囲に含まれるシルコウイルス群の他のすべての適当なメンバーへの言及を含 んでいるという理解の基になされるものである。SCSVなどのシルコウイルス 群の好ましいメンバーは3個以上のDNA成分またはDNAセグメントを含んで いる。以下の「SCSV」への言及もまた、このウイルスの自然に生じる突然変 異体又は人工的に誘導された突然変異体、このウイルスの誘導体、部分、断片、 ホモログ、又はアナログなどであって、なお少なくとも1個の適当なプロモータ ー及び/又は終結配列及び/又はポリアデニル化配列を保持しているものすべて を含みそしてこれらのすべてに拡張される。 従って、本発明の特に好ましい態様は、SCSVプロモーター又はSCSVプ ロモーター様配列を含む遺伝子構築物であって、植物細胞中で機能し得る遺伝子 構築物を意図する。 本発明の関連する側面は、SCSVプロモーター又はSCSVプロモーター様 配列及び終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含む遺伝子構築物であって、 これらの配列が植物細胞中で機能し得る 遺伝子構築物に関する。 「遺伝子構築物」という言葉は、その最も広い意味で用いられ、単離された核 酸分子、ベクター、発現ベクター又は二成分ベクターなどの如何なる組換え核酸 分子をも含む。それはシルコウイルスプロモーターのみを含んでいてもよく、又 は調節配列及び/又はレポータ配列と共に1又は2以上のプロモーターを含んで いてもよい。 遺伝子構築物は二本鎖DNAでも一本鎖DNAでもよく、直鎖状でも共有結合 的に閉じた環状であってもよい。上に述べたように、それはプロモーター又はプ ロモーター様配列のみを含んでいてもよく又はSCSVと関連するプロモーター を含む他の異種の又は同種の転写調節配列及び/又は異種の構造遺伝子配列を保 持していてもよい。「同種の」とは、自然界でSCSVプロモーターと関連して いる遺伝子配列を意味する。「異種の」とは、そのプロモーターに関しては「外 来の」遺伝子、あるいはSCSVプロモーターとは他の方法では正常には関連し ない遺伝子を意味する。好ましい1態様では、外来遺伝子はSCSVにとっても 外来である。外来遺伝子の例としては、昆虫や他の害虫の侵略に対して抵抗性を 高める遺伝子、殺虫剤や除草剤に対する抵抗性を高める遺伝子、霜抵抗性を高め る遺伝子、花や花弁の色を変える遺伝子、特に切り花の、老化速度を遅くする遺 伝子、ある種のタンパク質及び/又はリボザイムのレベルを増加または高める遺 伝子などが含まれる。より具体的には、外来遺伝子には以下のものが含まれる。 a)植物ウイルス類、細菌類、カビ類、線虫及び他の病原体に対する抵抗性 遺伝子、 b)アルファルファ・モザイク・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・ スタント・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・モトル・ウイルス、サブテ レーニアン・クローバ・レッド・リーフ・ウイルス、ポテト・リーフロル・ウイ ルス、トマト・スポッテッド・ウィルト・ウイルス、ビーン・イエロー・モザイ ク・ウイルス、ホワイト・クローバ・モザイク・ウイルス、クローバ・イエロー ・ベイン・ウイルス、ポテト・ウイルス類x,y,s,m及びa、カカムバー・ モザイク・ウイルス、ライス・ラッグド・スタント・ウイルス及びバーリー・イ エロー・ドゥオーフ・ウイルスからの合成遺伝子及びこれらのウイルスに対する 合成遺伝子を含む植物ウイルス耐性遺伝子、 c)ヒマワリ高硫黄遺伝子SF8などの植物の栄養価を高める遺伝子、 d)鼓腸症耐性遺伝子、 e)抗体遺伝子、 f)穀類チオニン及びリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子、 g)BT毒素遺伝子及びニコチアーナ・アラータ(Nicotiana alata)由来の プロテイナーゼ阻害剤遺伝子を含む昆虫抵抗性遺伝子、 h)カナマイシン、ホスフィノトリシン、スペクチノマイシン及びハイグロ マイシンに対する耐性を与える遺伝子などの選択可能なマーカー遺伝子、 i)GUS遺伝子、CAT遺伝子及び色素遺伝子などのレポーター遺伝子、 j)植物細胞中で遺伝子の発現を調節する調節タンパク質をコ ードする遺伝子。 本発明は、植物細胞中で働くことができる同一ま又は異種のシルコウイルスプ ロモーターに機能的に連結された二つの異種遺伝子を含む遺伝子構築物をさらに 含んでいる。このプロモーター又は異種のプロモーター類は3個以上の成分又は セグメントを含む1つのゲノムを持つシルコウイルス由来のものであることが好 ましい。このプロモーター又は異種のプロモーター類はSCSV由来のものであ ることがより好ましく、配列番号1〜7(以下を見よ)により規定されるような SCSVのセグメント1〜7から選択されるものであることが特に好ましい。こ の遺伝子構築物は異種遺伝子の一方又は両方に機能的に連結している一つの終結 配列又はポリアデニル化配列を含むこともできる。一つの態様では、終結配列及 び/又はポリアデニル化配列は各遺伝子について同一である。別の態様では終結 配列及び/又はポリアデニル化配列は各遺伝子について異なっている。終結配列 及びポリアデニル化配列が配列番号1〜7(以下を見よ)により規定されたよう なSCSVのセグメント1〜7から選択されることが最も好ましい。さらに別の 態様では少なくとも一つの終結配列及びポリアデニル化配列はフラベリア・ビデ ンティス(Flaveria bidentis)のMeA3遺伝子由来のものである(以下を見よ )。 「転写調節因子」という語は最も広い意味で用いられ、プロモーター類、終結 配列類、ポリアデニル化配列類、及び遺伝配列の転写の他のエフェクター類や促 進因子類を含むものである。本発明の考えるプロモーター類については、終結配 列及びポリアデニル化配列はSCSV起源のものであってもよく、そしてSCS V由来の対応 するプロモーターと自然に組み合わされていてもよくあるいはSCSVの他のプ ロモーターと組み合わされていてもよい。また、終結配列及び/又はポリアデニ ル化配列はSCSV起源以外のものから由来してもよい。特に好ましいターミネ ーターは、C4光合成のNADP−リンゴ酸酵素をコードするフラベリア・ビデ ンティスのMeA3遺伝子の3’ヌクレオチド配列を含むものである(ハチ(Hat chi),1987)。MeA遺伝子のターミネーター領域のヌクレオチド配列を図15 に示す。SCSVプロモーターの、例えばエフ・ビデンティスMeA遺伝子ター ミネーター配列との組み合わせは、ターミネーター配列を持たない構築物に比べ て特に単子葉植物中で高レベルの発現を引き起こす。 外来遺伝子は内因性植物遺伝子産物のレベルを減少させやすいようにアンチセ ンスの方向であってもよい。なお、「遺伝子」とは長さが10塩基対であっても よく、長さが数十の塩基対であってもよく、長さが数100の塩基対であっても よく、あるいは全長又は全長に近い遺伝子であってもよいが、プロモーターに関 しては逆方向である。外来遺伝子は標的遺伝子の同時抑制のために「センス」方 向に置かれてもよい。 本発明の別の側面によれば、植物細胞中で機能し得るSCSVプロモーター又 はSCSVプロモーター様配列を含みかつ異種遺伝子が該プロモーターに機能的 に連結するように該遺伝子を挿入しやすくするための該プロモーターの下流の制 限エンドヌクレアーゼ部位を少なくとも一つ含む遺伝子構築物が提供される。別 の態様では、遺伝子構築物は植物細胞中で機能し得るSCSVプロモーター又は SCSVプロモーター様配列及び該プロモーターに機能的に連結している異種遺 伝子とを含んでいる。両態様共に、「遺伝子」とはアンチセンス技法において有 用なオリゴヌクレオチド類及びリボザイム類の合成を指令する遺伝子を含んでい る。 本発明のさらなる態様においては、植物細胞中で機能し得るSCSVプロモー ター又はSCSVプロモーター様配列を含みかつ異種遺伝子が該プロモーターに 機能的に連結するように該遺伝子を挿入しやすくするための該プロモーターの下 流の制限エンドヌクレアーゼ部位を少なくとも一つ含みかつ同一配列が該異種遺 伝子の発現を容易にするため該異種遺伝子に関して該同一配列が3’末端に在る ように配置された終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含んでいる遺伝子構 築物が提供される。この終結配列はSCSV由来のものが好ましい。また、ター ミネーター配列はエフ・ビデンティスMeA3遺伝子由来のものであることが好 ましい。 本発明の対象となる植物は単子葉植物と双子葉植物の両者を含む。本発明はマ メ科植物及び非マメ科植物にも適用されるが、マメ科植物の方が好ましい。 SCSVゲノムはセグメント1〜7と記述される少なくとも7個の異なる環状 ssDNA成分を含んでいる。これらのセグメントの大きさは、約988ヌクレオ チドから約1022ヌクレオチドの範囲にある。SCSVのこの7個のDNA成 分はそれぞれウイルスのセンス配列の主要なオープンリーディングフレーム一つ と保存された潜在的ステム−ループ構造を含む種々の長さの非コード領域とを含 んでいる(図1及び図2、表2)。各転写ユニットは転写の開始と終末にそれぞ れ対応する典型的なTATAボックス及びポリアデニル化シグナルを含んでいる (図2、表2)。 DNA類は環状であるから、非コード領域の配列はDNA成分が異なれば異な るところのプロモーター類とターミネーターシグナル類を含んでいる(表2)。 セグメント2及びセグメント6における二つのレプリカーゼ関連タンパク質遺伝 子のTATAボックスとステム−ループとはその他の遺伝子のものとは全く異な っている。対照的に、セグメント1、3、4、5及び7では、ステム−ループと TATAボックスは同一である。全てのDNAは、セグメント2及び6のDNA を除き、非コード領域に共通配列(共通領域として知られている)を共有しても いる(図1及び図2)。 本発明は、従って、SCSVのセグメント1〜セグメント7上の7個のプロモ ーターのそれぞれに及び終結配列及びポリアデニル化配列にまで及ぶものである 。セグメント1〜セグメント7のヌクレオチド配列を図6に示し、そしてそれぞ れ配列番号1〜配列番号7に規定されている。 セグメント5はN末端アミノ酸配列及びアミノ酸組成のデータに基づきコート タンパク質遺伝子と同定された(チュー(Chu)ら,1993a)。セグメント2及び セグメント6は特徴的なNTP−結合モチーフを含むタンパク質をコードしてお り、従って仮のウイルス複製−関連タンパク質(RAP)遺伝子であると予想さ れる。残りの4個のDNA成分は、それらの特色のある推定アミノ酸配列からは 相互に関連がなくあるいはセグメント2、5及び6にも関連がない。SCSVの DNA類はジェミニウイルス類のゲノムとは、推定アミノ酸レベルでは一部相同 性が認められるものの、ヌクレオチド配列においては有意の相同性を持っていな い。 SCSVの複製能力が実証されてきた(チュー(Chu)ら,1993b)。SCSV ビリオンのDNAは一本鎖であり、その転写物はウイルス・センスであるから、 脱外被後の最初の生合成現象と思われるものは宿主のDNAポリメラーゼを用い る複製型DNAの合成であるように思われる。(SCSVのDNA類は二本鎖D NA合成における自己プライマーとなる能力を有する(チュー及びヘルムス(Chu and Helms),1988)。宿主のRNAポリメラーゼはRNA転写を開始するプロモ ーターに結合し続いてウイルス増殖に必要なウイルスタンパク質の合成を行う。 本発明の特に好ましい態様においては、配列番号:1、配列番号:2、配列番 号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6及び配列番号:7の中から 選択される一つのヌクレオチド配列を含むSCSVプロモーター又はSCSVプ ロモーター様配列及び/又は同一物を含む遺伝子構築物が提供される。 本明細書で用いられる「プロモーター様配列」とは、自然に生ずるSCSVプ ロモーターの機能的変異体、誘導体、部分、断片、ホモログ又はアナログなどの 全てを含むものである。本明細書で提供されるプロモーター様配列は、該プロモ ーター様配列が対応する野生型のSCSVプロモーターと比較したとき、少なく とも35%の 、好ましくは少なくとも45%の、より好ましくは少なくとも55%の、さらに より好ましくは少なくとも67〜70%の、そしてさらに一層好ましくは85〜 95%又はそれ以上のプロモーター活性を保持している限り、SCSVプロモー ターに対する1個又は複数個のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加を含む ものである。 さらに別の態様では、SCSVプロモーター又はSCSVプロモーター様配列 を含みかつ植物細胞中で機能し得る遺伝子構築物であって、該プロモーター又は プロモーター様配列が配列番号:1から配列番号:7までのいずれか1個の全部 又は部分に相当するか又は配列番号:1から配列番号:7までの少なくとも1個 に高い厳格条件から低い厳格条件に及ぶ厳格条件(stringency conditions)の範 囲でハイブリダイズすることができるものである遺伝子構築物が提供される。便 宜上、SCSVプロモーターの変異体、誘導体、部分、断片、ホモログ又はアナ ログは植物細胞中で機能を有しかつ配列番号:1から配列番号:7までの少なく とも1個に少なくとも高いところから低いところまでの厳格条件の範囲の下でハ イブリダイズすることができるものと定義される。 特に好ましい態様では、この遺伝子構築物はSCSV起源由来の又は非SCS V起源由来の終結配列及び/又はポリアデニル化配列をさらに含みそして該プロ モーターに機能的に連結された遺伝子の発現を高め又はその他の方法により促進 する。 厳格性のレベルを規定するために、参照により本明細書にインコーポレートさ れるサムブルック(Sambrook)ら(1989)を参照するのが 便利である。ここにあるページ9.52−9.57の洗浄操作が高い厳格性と考 えられる。低い厳格性は0.1−0.5% w/vSDS中37−45℃で2−3時 間であるとここに定義される。ハイブリダイゼーションに用いられる核酸の起源 及び濃度により、0.25−0.5% w/vSDS中45℃以上で2−3時間と考 えられる中程度の厳格条件やサムブルックら(1989)によって開示された高い厳 格条件などの別の厳格性の条件を採用してもよい。 本発明の別の態様は植物細胞中で外来遺伝子を発現させる方法であって、該植 物細胞中で機能できかつ該外来遺伝子に機能的に連結されているSCSVプロモ ーター又はSCSVプロモーター様配列を含む遺伝子構築物を該植物細胞中に導 入することを含む方法、を提供する。さらなる態様においては、多重SCSVプ ロモーター類が拮抗現象なしに一つ以上のトランスジーンをドライブするために 使用される。別の態様では、SCSVプロモーターは外来遺伝子の発現を高める ためにSCSVセグメント2遺伝子と組み合わされる。さらに別の態様では、遺 伝子構築物は外来遺伝子の3’末端に位置する1以上の終結配列及び/又はポリ アデニル化配列をさらに含む。これらの配列は外来遺伝子の発現を高めあるいは 別の方法で容易にする。終結配列及び/又はポリアデニル化セグメントはSCS V由来のものであってもよくあるいはエフ・ビデンティスMeA遺伝子のような 別の起源由来のものであってもよい。 更に別の態様では、本発明はそのゲノム中に上記のように規定されたSCSV プロモーター又はSCSVプロモーター様配列及び必要に応じて該プロモーター の下流にある遺伝子の発現を高めるため の終結配列及び/又はポリアデニル化配列を保持するトランスジェニック植物を 提供する。このトランスジェニック植物はSCSVプロモーターの下流の遺伝子 、オリゴヌクレオチド又はリボザイムなどの遺伝子配列の発現により特性の変化 を示す。 本発明は以下の図面及び/又は実施例を参照することによりさらに説明するが 、これらに限定されるものではない。SCSV由来のプロモーター領域に本明細 書で言及するときはSCSVに対しては“S”と、ゲノムセグメント番号(例え ば、1,3,4,5及び7)、及び非コード領域に対しては“nc”と略記する 。例えば、SCSVゲノムセグメント1由来のプロモーターは“S1nc”と記 述される。特定のSCSVゲノムセグメントに対するターミネーター配列は例え ば次のように示される。すなわち、セグメント1及び5のターミネーター配列に 対してはそれぞれ“SC1Tr”又は“SC5Tr”となる。SCSVプロモー ター、GUSのようなレポーター遺伝子及びSCSV由来のものなどのターミネ ーター配列を含む遺伝子構築物は、“SCSV:GUS:SCTr”又は“SC SV:GUS:SCSVTr”と略記される。具体的なプロモーターと終結配列 は、上記のように、例えば“S4nc:GUS:SCTr”又は“S4nc:G US:Me3”と記述される。後者の構築物では、本明細書で“Me3”と記述 するフラベリア・ビデンティスのMeA遺伝子由来のターミネーター配列が用い られている。 図面の簡単な説明 図1は典型的ジェミニウイルス及びSCSVの代表的DNA成分 中に見出される構造及び転写ユニットを示す。両者とも一本鎖DNAゲノムを含 む。 図2は直鎖状のSCSVのゲノム中に見出される7個のDNAセグメントを示 す。これは各DNA上にあるステム−ループ構造、共通領域、オープンリーディ ングフレーム(ORF)、TATAボックス及び終結シグナル及びポリアデニル 化シグナルを指示する。 図3はタバコ植物中への形質転換のための、7個のSCSV・DNAの非コー ド領域とβ−グルキュロニダーゼ(GUS)の融合発現ベクターの構築を示す。 増幅したPCR断片を指摘したBamHI(B)及びNcoI(N)部位でpH W9中のGUS遺伝子の前に別々にクローニングした。得られた組換えpHW9 ベクターをEcoRI部位で切断しレシピエントであるPGA470二重ベクタ ーのEcoRI部位中にクローニングした。 図4は原形質体を用いる研究のための、セグメント5プロモーター及びセグメ ント7プロモーターとGUSとの融合発現ベクター及びそれらの欠失誘導体の構 築を示す。全長の非コード領域に相当するDNAをPCRで取得しそして指摘し たSalI部位で平滑末端連結によりpKGO中のGUSの前にクローニングし た。欠失誘導体は全長配列を含むpKGOクローンをベクターについてはHin dIII又はPstIで消化することにより、またSCSV配列については示した ような適当な制限酵素で消化することにより取得した。欠失したpKGO構築物 を、必要なときは末端を充填した後再度連結した。 図5はサブテレーニアン・クローバ植物中に形質転換するためのセグメント7 プロモーター(57nc):GUS融合遺伝子を含む組換え二重pTAB10ベ クター(pBS150)遺伝子の構築を示す。57nc:GUS発現カセットを pKGO構築物(図4)からHindIII及びBamHIで消化して切取りそし てこのDNAを末端充填した後EcoRI部位でpTAB10に平滑末端連結を 行った。 図6は7個の環状SCSV・DNAの完全な配列を示す。発現カセットの構築 に使用された各DNA上の非コード領域の配列は下線で示す。 図7はSCSVセグメント7プロモーター(S7nc):GUS融合発現カセ ットで形質転換されたトランスジェニック・タバコ及びトランスジェニック・サ ブテレーニアン・クローバの葉についての組織化学的染色により検出されたGU S発現を示す。 図8Aから8Fまでは、トランスジェニック植物のGUS活性に対する組織化 学的染色の明視野(bright field)における写真である。S1nc、S3nc、 S4nc、S5nc及びS7ncプロモーター領域と呼ぶセグメント1、3、4 、5及び7由来のSCSVプロモーター領域を含むGUS融合構築物で形質転換 されたタバコ植物及び形質転換されていない植物(NT)の染色された葉の断片 (L)、茎の切片(S)、根(R)及び花粉(P)の明視野における曝露である 。青色への変化はGUSの発現を示す。葉、茎又は根 の各断片は独立の形質転換体を表し(ただし、容易に分けることができなかった S5ncの先端2個の根断片を除く)、そして花粉試料は2以上の形質転換体の 混合物であった。図8aは形質転換されていない植物(NT)と比較したときの S4ncまたはS5nc領域で形質転換した植物中でのGUS発現の相違をしめ す。 図9Aから9Eまでは、トランスジェニック植物中でのGUS活性に対する組 織化学的染色を示す暗視野における写真である。成分1(S1nc)、成分3( S3nc)、成分4(S4nc)、成分5(S5nc)及び成分7(S7nc) プロモーター領域を含むGUS融合構築物で形質転換されたタバコ植物の染色・ 包埋された茎部分の横(T)及び縦(L)薄片を暗い場所で見た。ピンクの結晶 はGUSの発現を示す。横切片及び縦切片用に用いられた茎部分は独立の形質転 換体を表す。拡大は、S1ncT及びL、S3ncL、S4ncT、S5ncT 及びL、及びS7ncLでは375倍、S3ncTでは480倍、S4ncLで は200倍、そしてS7ncTでは300倍である。 図10はGUS発現の蛍光定量試験を示すグラフである。蛍光定量試験は成分 1(S1nc)、成分3(S3nc)、成分4(S4nc)、成分5(S5nc )及び成分7(S7nc)プロモーター領域を含むGUS融合構築物で形質転換 されたタバコ植物の葉抽出物についてなされた。各カラムは独立の形質転換体を 表す。GUS活性は4−メチルウムベリフェリル(methylumbelliferyl)β−D −グルキュロナイド(MSG)を基質とし、ラボシステムス・フルオロスカンを 用いて5又は10分間隔で60分間(又はS4ncに ついては30分間)測定した。GUS活性の比はタンパク質のmg当たり分当た りの蛍光定量の単位(F1.U.)として表される。1000F1.U.は4− メチルウムベリフェロン(MU)の825pmolにほぼ等しい。 図11はタバコ原形質体中でGUS発現を指令することができるSCSVセグ メント2プロモーター(S2nc)構築物を表す図である。セグメント2DNA のNcoI−XbaI断片をプロモーターを持たないGUSベクターであるpK GO.に融合した。Prはプロモーターを、seg2はSCSVのセグメント2 を表す。 図12a及び12bはSCSV:GUS:SCSVTr発現ベクターの構築を 示す図である。SCSV(SC3Tr)のセグメント3及びセグメント5(SC 5Tr)に対する終結配列/ポリアデニル化配列をPCRで増幅し、それぞれの 制限酵素で切断し、ついで指示したように組換えpKGOベクター中にクローニ ングした。このSC3Tr構築物をEcoRI−XhoI断片としてS1nc: GUS:OCS3’を含むpKGOベクター中にクローニングしてS1nc:G US:SC3Trを作成した。SC5Tr構築物はEcoRV断片としてS4n c:GUS:OCS3’を含むベクターpKGO中にクローニングしてS4nc :GUS:SC5Trを作成した。 図13Aから13Dまでは、SCSVセグメント4プロモーター(S4nc) により指令されるポテト植物組織中でのGUS発現を示す写真である。Aは茎、 Bは葉、Cは芽茎、およびDは塊茎であ る。 図14はSCSVセグメント7プロモーター(S7nc)により指令された綿 の葉中でのGUS発現を表す写真である。 図15はフラベリア・ビデンティスのMeA遺伝子(Me3)のMeA3’タ ーミネーター配列を示す。停止コドンは配列の最初に太字タイプで示す。この配 列はEcoRI部位、GAATTCGTTTAG...を含むようにキメラ構築 物中で遺伝子工学的処理がなされた。こうしてこのキメラ構築物はAATTCG TTTAGで始まる配列を含むこととなった。 図16は、指示されたフラベリア・ビデンティスのMeA遺伝子調節要素を含 むGUS発現ベクター(ME20及びME29)を表す図である。 図17は、発現カセットS4nc:GUS:Me3’を含むS4ncプラスミ ドpBS237の構築を示す図である。プラスミドpBS218をEcoRIで 消化してOCS3’領域を除きついでEcoRIで連結した。 図18はS1nc:nptII:SC3Tr発現カセットを含むプラスミドpB S246の構築を示す図である。SalI−SalI断片は約8.5〜9kbp であり、BLは約0.5kbpであり、BRは約0.6kbpである。SC1nc :nptII:SC3Trは約1.7kbpである。 図19a−cは、pKHAN2及びpKSB.bar1からのプラスミドpK HAN4の構築を示す図である。pKHAN4は、pKHAN2由来のS7nc (572bp)、nptIIコード領域(978bp)及びビシリン(vicillin)3 ’末端(276bp)を含むHindIII−EcoRIセグメントを二重プラス ミドpKSB.bar1中に挿入してpKHAN4を作成した。pKHAN2は 、p35SKN由来のnptIIコード領域(978bp、BamHI−SmaI 断片)をpKHAN1のAsp718部位(クレノウ断片で平滑化したもの)中 にクローニングしてpKHAN2を作成した。SCSV ProはS7ncであ り、pKSB.Bar1はEcoRIで消化し連結したpTAB10.MCSo ri1Bである。 図20は、35Sプロモーター:NPTII:35Sターミネーター配列(35 SPrm:NPTII:35STrm)又はS1nc:NPTII:SC3Tr発現 カセットを含む二重ベクターで形質転換されたカナマイシン耐性タバコ植物の再 生培地上での選択を表す写真である。(図中、略字は、それぞれ35SPrmN PTII35STrm及びSC1PrmNPTIISC3Trmである。) 図21は、SCSV・DNAの転写調節シグナルを利用するクローニングベク ターを表す図である。 図22は、SCSVセグメント2ダイマー構築物pBS2を表す図である。こ の構築物はSCSVセグメント2DNA(セグメント2転写ユニットの全機能を 含む)の縦列反復をpGEM7のポリリ ンカー部位中へクローニングしついでpMCP3二重ベクターの縮小物(カーン( Khan)ら,1994年))中にクローニングすることによって作成された。 SCSV転写調節要素により促進された転写活性は表19に要約して示す。 実施例1 SCSV・DNA配列の決定 配列決定のためにSCSV(チュー(Chu)ら,1993a)のF単離物を使用した。S CSVゲノム成分の全長クローン類はチュー(Chu)ら(1993a)によって記載された ように複製型(RF)DNAから作成した。他のクローン類は既知配列からデザ インされたSCSV特異的プライマーを用いPCRによってこのRFから作成し た。 ジデオキシ・チェイン・ターミネーション法(サンガー(Sanger)ら,1977)を 用いて、M13ssDNA鋳型(サムブルック(Sambrook)ら,1989)又は上述のクロ ーン類からCTAB法(デル サル(Del Sal)ら,1989)で調製したdsDNA鋳 型の配列決定を行った。配列分析はウィスコンシン大学遺伝子コンピューターグ ループ配列分析ソフトウエアパッケージ(デバロー(Deveareaux)ら,1984)を用 いて行った。 実施例2 プラスミドの構築 使用したDNA操作技法はサムブルック(Sambrook)ら(1989)に より記載されたとおりであった。SCSVの7個のDNAセグメントすべての全 非コード領域を、プラロミドベクター中にクローニングするための適当な制限酵 素認識部位を持つ特定のプライマー(表8を見よ)を用いPCRによって増幅し た。増幅されたDNA断片を、適当な向きでプロモーターを持たないGUSレポ ーター遺伝子の上流にある各発現ベクター中に別々にクローニングして、図3及 び図4に示すようなSCSVプロモーター−GUS融合構築物を作成した。この 発現ベクターpHW9(図3)を二重ベクターpGA470(アン(An)ら,1985 )中にクローニングした後、タバコの形質転換に使用した。発現ベクターpKG Oは原形質体中でのGUS発現(図4)に用いられ、そして二重ベクターpTA B10はサブテレーニアン・クローバの形質転換に用いられた(図5)。pKG OはGUS遺伝子を含むpKIWI101(ヤンセン及びガードナー(Janssen a nd Gardner)ら,1989)のXhoI断片及びOCSターミネーター配列をpJK Km(カーシュマン及びクレーマー(Kirschman and Cramer),1988)のSalI 部位中にクローニングすることにより構築された。GUSと融合した35Sプロ モーターを含む対応するプラスミド類をコントロールとして用いた。クローン類 の結合は配列決定によりチェックした。プロモーターを持たないGUS構築物は コントロールとして使用した。 SCSVセグメント5及び7プロモーター類の欠失誘導体は全長非コード配列 を所望の欠失が得られるように適当な酵素で消化することにより作成した(図4 )。 トランス活性化(transactivation)の現象を研究するため、S5 nc:GUS発現カセットを組換えpKGO構築物から切り出し、35Sプロモ ーターから発現される seg2RAPコード領域を含むpGEMプラスミド中にク ローニングした。この結果得られるプラスミドはSCSVプロモーター:GUS 発現カセットと35Sプロモーター: seg2RAP発現カセットの両方を保持し ており、これを原形質体中に電気穿孔法により導入した。 実施例3 原形質体分離及び一時的遺伝子発現 組換えプラスミドをアルカリ溶解法により大腸菌から抽出し、ついでキアゲン (Qiagen)プラスミド・ハンドブックに記載のようにキアゲン・カラムを通して精 製した。 細胞懸濁培養を用いてニコチアナ・プルムバギニホリア(Nicotiana plumbagin ifolia)(ラスト(Last)ら,1991)及びサブテレーニアン・クローバcv.ウー ゲネラップ(Woogenellup)原形質体(チュー(Chu)ら,1993b)を単離した。精製し たプラスミドをテイラー及びラーキン(Taylor and Larkin)(1988)により記載さ れたようにサブテレーニアン・クローバ又はニコチアナ・プルムバギニホリアの 原形質体中に電気穿孔法により導入した。3日後に原形質体を収穫し、一時的な GUS活性を4−メチルウムベリフェリルβ−グルキュロナイドを基質として使 用して蛍光定量的に測定した(下記を見よ)。実験はすべて1処理当たり2連の 試料を用いて行った。 実施例4 SCSV−プロモーター−GUS融合構築物を用いる タバコの形質転換 種々のSCSVプロモーター:GUS発現カセットを含む組換えpGA470 二重構築物をナーゲル(Nagel)ら(1990)により記載されたように電気穿孔法によ りアグロバクテリウム・トゥメファシエンス株LBA4404(ホエキーマ(Hoe kema)ら,1983)中に別々に導入して形質転換した。ニコチアナ・タバクム(Nico tiana tobacum)cv.ウィスコンシン38はエリス(Ellis)ら、(1987)により記載 されたように形質転換し再増殖させた。 実施例5 サブテレーニアン・クローバの SCSV−プロモーター−GUS融合構築物による形質転換 S7nc:GUS融合構築物(pBS150)を含む組換えpTAB10二重 ベクターをアグロバクテリウム・トゥメファシエンス株AGL1(ラゾ(Lazo)ら ,1991)中に3親交配(ディッタ(Ditta)ら,1980)により形質転換した。サブ テレーニアン・クローバcv.ラリサはアグロバクテリウム媒介形質転換により形 質転換され、カーン(Khan)ら(1994)の方法により再生させた。 実施例6 GUS試験 原形質体を収穫直後に 0.3%v/v のトリトンX-100の存在下に超音波破壊によ り溶解した。可溶性抽出物のGUS活性は4−メチルウムベリフェリルβ−D− グルキュロナイド(MUG)を基質とする蛍光定量試験で測定した(ジェファー ソン(Jefferson)ら,1987)。蛍光はラボシステムス・フルオロスカンII分光光 度計を用いて 測定した。 完全な形質転換組織中でのGUS発現は、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン ドリル−β−グルキュロン酸(X-gluc)(ジェファーソン(Jefferson)ら,1987)中 での組織化学的染色により、またMUGを用いる可溶性抽出物の蛍光定量試験に より検出された。 実施例7 SCSV非コード領域の配列 7個の既知の環状SCSV・DNA全ての完全な配列を決定した(図6)。各D NAはプロモーター活性のためのシグナル(TATAボックス)を持つ非コード 領域を一つ含んでいる(表2)。これらの配列はこれまで記載も単離もされてい ないものである。これらのプロモーターを含む非コード領域の配列を比較すると 、セグメント3及びセグメント5が最も類似しており、これらのDNAの非コー ド領域中の平均491ヌクレオチドのうち258の保存ヌクレオチドを共有して いる。セグメント3、4、5及び7はそれらの間で170の保存塩基を含んでい るが、セグメント1、3、4、5及び7間では僅か152塩基しか保存されてい ない。SCSV・DNAの非コード領域における配列の変動から、異種SCSV 遺伝子の転写及び複製は別々に調節されている可能性が示唆される。 実施例8 原形質体中でのSCSVプロモーター類の一時的活性 2個のSCSV・DNA非コード領域のプロモーター活性は、サブテレーニア ン・クローバ原形質体(表3)及びタバコ原形質体( 表4)中でSCSVプロモーター:GUS融合構築物を用いてGUSを一時的に 発現させることにより直接的に証明された。これらの結果により、セグメント5 プロモーター及びセグメント7プロモーターが他のSCSV・DNA成分の非存 在下において機能を有することが示された。SCSVプロモーターは天然の宿主 (サブテレーニアン・クローバ)の原形質体中でも非宿主(タバコ)の原形質体 中でも機能を有する。タバコの原形質体中では、セグメント7プロモーターは活 性の点では35Sプロモーターに類似していたが、セグメント5(コートタンパ ク質)プロモーターは一貫してCaMV35Sプロモーターの活性の約半分を示 した(表4)。しかしながら、両プロモーターの活性はサブテレーニアン・クロ ーバ原形質体中でより高く、セグメント7プロモーターの活性は35Sプロモー ターのそれの7倍を示した(表3)。このことはSCSVプロモーター類が広く 用いられている35Sプロモーターよりもある種のマメ科植物中ではより良く働 くことを示唆する。セグメント7プロモーターの活性は試験された他のものより もサブテレーニアン・クローバ原形質体中でより一層変動するようにも見えた。 GUSに融合されたセグメント5及びセグメント7の非コード領域の種々の欠 失誘導体を含むプラスミド類も構築され(図4)そして電気穿孔法により原形質 体中に導入された(表5)。これらの構築物でトランスフェクトされた原形質体 のGUS試験から、ステム−ループも共通領域もプロモーター活性には必要がな いことが示された。ただし共通領域は完全な活性には必要であった(表5)。高 レベルのプロモーター活性に要求されるDNA配列は、35Sプロモーター(オ デル(Odell)ら,1985)などの他のプロモーター類に 要求されるものよりも小さい300bpよりも少ないように見える。 実施例9 SCSVセグメント2遺伝子産物による SCSVプロモーター活性のトランス活性化(transactivation) 35Sプロモーター: seg2RAP遺伝子構築物と同時電気穿孔法導入がなさ れたとき、セグメント5プロモーターによりドライブされるGUSの活性はサブ テレーニアン・クローバ原形質体及びタバコ原形質体の両方で明らかに約2倍だ け増加した(表6)。セグメント7プロモーター活性も35S: seg2RAP構 築物ど同時電気穿孔法導入がなされたとき増加するが、これを確認するためには さらに実験が必要である。 GUS活性のトランス活性化はS5nc:GUS構築物がセグメント2DNA の縦列反復(ダイマー)を含む二重ベクタープラスミド(pBS2)と同時電気 穿孔法導入がなされたときも明らかに観察された(表6)。SCSVセグメント 2ダイマー構築物pBS2の地図は図22に示す。この構築物は、SCSVセグ メント2DNA(seg2転写ユニットの全機能を含む)の縦列反復をpGEM7 のポリリンカー部位中にクローニングした後、これを次にpMCP3二重ベクタ ーの縮小物(カーン(Khan)ら,1994)中にクローニングすることによって作成し た。この結果は、異なるSCSVプロモーターが両者とも同時に発現されること を示唆する。こうして、異種のSCSVプロモーター類は、植物中で35Sプロ モーターとの組み合わせにおいて使用され得るか又は多重導入遺伝子(multiple transgenes)の同時発現を容易にするよう同時に使用され得るので ある。逆に、35Sプロモーターが多重で使用され又は多重コピー導入遺伝子中 で使用されるときは、導入遺伝子(transgene)活性の減少が観察された(リン(Li nn)ら,1990、マツケとマツケ(Matzke and Matzke),1991、シャイト(Scheid)ら ,1991、カルバルホ(Carvalho)ら,1992)。 実施例10 トランスジェニック植物中でのSCSVプロモーター類の活性 SCSVプロモーター類は、セグメント2及びセグメント6由来のものを除き 、すべてがタバコ植物中で導入遺伝子の発現をドライブできることが示された( 図7)。MUG試験で測定されたこのプロモーター類の活性レベルは植物により 、そしてプロモーターにより変動したが、35Sプロモーターの活性レベルより も一般に低い(図7)。 インタクトなトランスジェニックタバコ組織の組織化学的染色により、S4n cプロモーターの活性は構成的であるように見えそしてGUS活性はすべての植 物器官中で検出されることが示された。その他は、発現が花粉中でも検出される が一般的には導管組織に限定される。 S7nc:GUS遺伝子構築物を発現するトランスジェニック・サブテレーニ アン・クローバ植物では、組織化学的染色によりGUS活性が葉、茎及び葉柄に 見出される。GUS活性の分布は大部分構成的であるが、一部の組織ではこの活 性の多くは導管組織中にある(図7)。これらの植物では、プロモーター活性の レベルも植物 により変動するが、この活性は一般に35Sプロモーターの活性に匹敵する。 これらの結果は、SCSVプロモーターが広いタイプの植物や組織中で1以上 の外来遺伝子の発現を独立に又は同時にコントロールするために使用することが できるプロモーターの選択という手段を提供していることを示すものである。マ メ科植物は適用の主要な標的である。これらのプロモーター類の活性も seg2遺 伝子産物の存在により増大させることができる。従って、これらのプロモーター 類は、発現のレベルにおいて及び35Sプロモーターの一部の欠陥を克服する点 においての両面でCaMV35Sプロモーターに勝る重要な利点を有するように 見える。これらは広範囲のトランスジェニック適用において適用可能である。 実施例11 トランスジェニック植物中での SCSVプロモーター活性のより詳細な性質 5個(セグメント1、3、4、5及び7)のSCSVプロモーター:GUS融 合カセットで形質転換されたタバコのトランスジェニック植物について組織化学 的(図8及び図9)及び蛍光定量的(図 10)試験の両者によりGUS活性の試験をした。組織培養をした若い温室育ち の植物から得た試料は同一のGUS発現パターンを示した。GUS活性は、根、 茎、葉、葉柄及び花の全ての部分を含む植物のすべての部分で観察された。プロ モーター5構築物は他のプロモーターに比べて花粉では比較的低いGUS発現を 示した。蛍光定量試験の結果は、セグメント4プロモーターが残りのものの10 倍又はそれ以上の活性を示し、最も高い発現体であったことを示した以前のデー タを確認したが、それでもなお35Sプロモーターのそれよりも低いものである 。セグメント1、3、5及び7プロモーターの発現レベルはタバコ中では師管部 (phloem)特異的なプロモーターである rolCのそれ(シュムリング(Schmulling) ら,1989、スガヤ(Sugaya)ら,1989)と同定度であった。プロモーターを持たな いGUS構築物で形質転換された植物はいずれの試験方法でもGUSを発現しな かった。組織化学的試験ではすべてのプロモーター構築物の発現が導管組織内で 最高であることが示され、高い発現体はより導管に限定的であった低い発現体よ りもより構成的であった(図8)。一般に、プロモーター1、3、5及び7構築 物は大部分導管組織内で発現される。特に、プロモーター1及び3構築物による GUS発現は主に師管部組織に限定される。しかしながら、すべてのプロモータ ーについての葉の組織化学的染色はこれらの組織内でのGUS発現がしみだらけ (構成的でありかつ導管に限定的である)であり、そして同一植物の葉の間でも 変動することが少なくないことを示した。暗視野顕微鏡(ジャコブソン−ライア ン(Jacobsen-Lyon)ら,1995)も厳密に導管−限定的なものはないことを示した( 図9)。 セグメント7プロモーター:GUS遺伝子を発現する20個の一次トランスジ ェニック・サブテレーニアン・クローバ植物についてさらに組織化学的試験によ り解析した(表9)。これらの試験により、GUS活性が根、茎、葉及び葉柄な どのすべての植物部分で観察されることが示された。GUS発現は導管で最高で あり、一部の葉は他の器官よりもより構成的でありしみだらけであった、そして GUS高発現植物は低発現植物よりも一層構成的であった。組織培養で温室育ち の植物の試料は同一のGUS発現パターンを示した。 実施例12 SCSVセグメント2DNA中でのプロモーター活性の検出 実験により、SCSVセグメント2及び6DNA由来の非コード領域はトラン スジェニック・タバコ内でGUS遺伝子の発現をドライブすることができないこ とが分かった。これらの領域はヌクレオチド長がそれぞれ僅か179及び159 しかなく、従ってプロモーター活性のためには付加的な配列が要求されるように 思われる。この仮説をテストするために、ヌクレオチド526〜546のDNA 断片からなる新たなセグメント2プロモーター配列を構築し、そしてプロモータ ーを持たないGUSベクターpKGOに融合した(図11)。この融合構築物を タバコ原形質体中に電気穿孔法により導入した。セグメント5プロモーター:G US構築物のGUS活性に類似のレベルで、電気穿孔法処理タバコ原形質体中で もGUS活性が検出された(表10)。 上記のSRncプロモーター:GUS融合DNAを含む二重ベク ター(binary vector)も、実施例4に記述したようにタバコ植物中に形質転換し た。数個の形質転換タバコ植物の組織化学的染色により、GUS発現が主に導管 であることが示された。これらの結果から、SCSVセグメント2DNAコード 領域からの付加的配列がプロモーター機能のためには必要であることが分かった 。SCSVセグメント6はSCSVセグメント2の変種であるから、このDNA の非コード領域及びコード領域の一部を含む同様な構築物は活性なプロモーター となるであろうことが予想される。こうして、すべてのSCSVプロモーターは 植物中で遺伝子発現をドライブするのに適していることが予期される。 実施例13SCSVの転写終結シグナル及びポリアデニル化シグナルによる 遺伝子発現の増強 効果的な遺伝子発現には、プロモーターのみでなく該遺伝子のコード領域の3 ’末端における特異的ヌクレオチド配列−終結シグナル及びポリアデニル化シグ ナルとして知られている(メッシング(Messing)ら,1983、ジョシ(Joshi),1987 b、ギル及びプラウドフット(Gil and Proudfoot),1984、ロットニー(Rothnie) ら,1994)−の存在も要求される。これらの特異的配列はRNAポリメラーゼに 転写を停止させそしてRNA転写物のさらなるプロセスを行わせるためのシグナ ルとして必要である。終結シグナル及びポリアデニル化シグナルの活性は転写効 率及び転写されつつあるRNAの安定性に影響するかも知れない。広く用いられ ている終結配列/ポリアデニル化配列は、例えばNOS遺伝子(デピッカー(Dep icker)ら, 1982)、OCS遺伝子(ジャンセン及びガードナー(Janssen and Gardner),198 9)及びCaMV35S遺伝子(ピートルザック(Pietrzak)ら,1986)由来のも のである。 SCSV・DNAセグメント(又は成分)はそれぞれ非コード領域に終結シグ ナル配列及びポリアデニル化シグナル配列を含むターミネーター配列を含んでい る(表11、図2)。SCSV・DNA中の終結シグナル/ポリアデニル化シグ ナルの活性を明らかにするために、セグメント3又はセグメント5のポリアデニ ル化シグナル及び終結シグナル(図12)のいずれかを含むGUS発現ベクター を構築し、タバコ原形質体中での一時的発現を行わせた。それぞれのターミネー ター配列を、プライマー中に幾つかの制限部位を取り込ませて、PCRにより増 幅した(図12)。増幅されたターミネーター断片を指示された制限酵素で切断 し、S1ncプロモーター:GUS:OCS3’又はS4ncプロモーター:G US:OCS3’構築物のいずれかを含むpKGO組換えプラスミド中にクロー ニングし、それからOCS3’配列を欠失させた(図12)。その結果得られた S1nc:GUS:S3Tr構築物(ここに、セグメント1プロモーターはGU S活性に影響を持たないヌクレオチド641−782のHindIII断片の欠失 を有している)及びS4nc:GUS:S5Tr構築物を電気穿孔法でタバコ原 形質体中へ導入し、GUS活性について試験した。その結果、同じ構築物中で普 通に用いられるOCS終結配列/ポリアデニル化配列の代わりにSCSV終結配 列/ポリアデニル化配列が使用されたときは、GUS活性は2〜3倍に増加した (表12)。同じ実験で、S1nc:GUS:S3Tr構築物は35S:GUS :OCS3’構築物よりも 2倍高い活性を示した(図12)。これらの結果は、SCSV・DNA成分はそ れぞれ異なる終結及びポリアデニル化シグナル配列を含んでおり、これらをSC SVプロモーターと種々組み合わせて使用して植物中での外来遺伝子の発現を調 節し及び/又は増強することができることを明らかにする。SCSVプロモータ ー配列と同様に、SCSV終結配列/ポリアデニル化配列は現在利用可能な終結 配列/ポリアデニル化配列に比して、そのサイズの小さいこと(160〜170 ヌクレオチド)そして種々の強度のそして種々の組織特異性を持つ広範囲の転写 調節因子を遺伝子操作のために利用可能であることなどの点でこれらに勝る長所 を有している。上の結果はまた、SCSVターミネーター配列との組み合わせに よるSCSVプロモーターの使用が通常の転写ターミネーター配列の一つとの組 み合わせによる35Sプロモーターを使用する構築物よりも高レベルの遺伝子発 現をもたらすことを明らかにする。 実施例14 トランスジェニック・ポテト植物における SCSVプロモーター類の活性 pHW9にクローニングされたS4nc:GUS:NOS融合構築物を含むp GA470二重ベクター(binary vector)(図3)を使用してポテト植物を形質 転換した。pHW9はpHW8(ドルフェラス(Dolferus)ら,1994)から、これ にpGEM3zf(+)由来のポリリンカーを挿入して、誘導される。この組換 え二重ベクターを電気穿孔法によりアグロバクテリウム・トゥメファシエンスL BA4404株中に形質転換させた(ナゲル(Nagel)ら,1990)。 ポテト栽培変種アトランティック及びポテト栽培変種セバゴを形質転換し、次の 修正を除き実質的にはウェンツラー(Wenzler)ら(1989)の記載通りに再生(rege nerated)させた。葉部分の代わりに茎部分を形質転換に使用し、そして同時培養 (co-cultivation)の間ベンジルアミノプリン(BAP)を2.24mg/lの 代わりに10mg/l使用した。同時培養の後、ステージI培地をセフォタクシ ムの100mg/lと共に添加したが、カナマイシンやカルベニシリンは添加し なかった。ステージII培地は2mg/lのBAP、5mg/lのGA3、100 mg/lのカナマイシン及び100mg/lのセフォタクシムを含んでいた。 栽培変種アトランティック5個と栽培変種セバゴ1個を含む6個の形質転換植 物を移植し、小さな塊茎が形成されるまで温室で10〜11週間生育させた。こ の植物の異なる部分から採取した組織を組織化学的GUS染色により試験した。 その結果は、根、走出枝(stolon)、塊茎、茎及び葉などの植物部分のすべてにお いてGUSが高度に発現したことを示した。しかし、その発現は導管で優勢であ り、これには樹皮下の形成細胞層(cambium)、師管部(phloem elements)及び一部 の木質部(xylem elements)などが含まれる(図13)。他のトランスジェニック 宿主の場合と同様に、GUS活性の高い植物材料の導管以外の組織におけるGU S発現は、特に若い塊茎では、35S:GUS:NOS構築物で形質転換させた 植物と比べたとき、活性の低い組織におけるよりもよりはっきりしていた。塊茎 におけるSCSVプロモーターにより指令されたGUS発現は35S:GUS構 築物の発現と少なくとも同じ高さであった。 実施例15 トランスジェニック綿植物における SCSVセグメント7プロモーターの活性 pHW9にクローニングされたS7nc:GUS:NOS融合構築物を含むp GA470二重ベクターを用いて綿植物を形質転換させた。この組換え二重ベク ターを3親交配(triparental mating)法によりアグロバクテリウム・トゥメフ ァシエンスAGL1株中に形質転換させた。綿(Gossypium hirsutum)cv.coke r 315を形質転換させ、カズンズ(Cousins)ら(1991)により記載された方法で再 生させた。 形質転換植物を温室で生育させ18個の独立のトランスジェニック植物から採 取した葉組織について組織化学的染色によりGUS活性を試験した。GUS活性 は植物間で変動した。これらの植物の中の5個は、35Sプロモーターでドライ ブされたGUS発現と同様な範囲で強いGUS発現を示し、導管組織で優勢であ った(図14)。GUS活性はゴシポル(gossypol)腺内で特に強かった。他の トランスジェニック宿主類の場合と同様に、高度に発現される組織におけるGU S染色も構成的であった。 これらの植物から採取した様々な組織を、次に染色し、そして根、茎、葉柄、 花弁及び他の導管を有する花の部分などを含むすべての器官中で導管発現が観察 された。発現は若い花の蕾中で特に高かった。これらの系統(lines)の一つから 得た苗木類(seedlings)についてGUS活性をスクリーニングした。10個の子 孫のすべてが 根及び葉に強い染色を示したが、このことはこの遺伝子が遺伝されること及びこ の系統がおそらく2個以上の独立の挿入部位を含むことを示すものである。 実施例16 形質転換されたSCSVプロモーター:GUS発現カセットの トランスジェニック植物内での安定性 種々のSCSVプロモーター類によりドライブされるGUS発現のトランスジ ェニック・タバコ及びトランスジェニック・サブクローバ中における安定性につ いて、サブテレーニアン・クローバ植物及びタバコ植物のT1世代苗木の中でさ らに分析された。 タバコについて、10個の独立のトランスジェニック系統由来のT1苗木を組 織化学的染色により試験した。その結果は、5個(セグメント1、3、4、5及 び7)のプロモーターによりドライブされたGUS遺伝子の発現がすべてT1苗 木中で安定であり、発現のパターンは同令のT0植物組織とT1植物組織の間で すべての場合に維持されることを示した。導管組織が未だ十分に分化していない 極めて若い茎では、プロモーターからの発現はすべて極めて高く、茎組織のすべ てにわたって検出された。樹令につれそして導管束の分化が進むにつれて徐々に 導管限定が現れる。T0植物については、セグメント4プロモーターに媒介され るGUS発現は他のものよりも一層構成的であった。 S7nc:GUS融合構築物を発現する15個の独立のトランス ジェニック・サブクローバ植物由来の50個の2−3月令T1苗木について、組 織化学的試験及び蛍光定量的試験によりGUS活性を試験した。その結果は、セ グメント7プロモーターによりドライブされるGUS遺伝子の発現がT1苗木中 で安定であり、発現のパターンが同令のT0植物組織とT1植物組織との間で維 持されることを示した。GUS発現は一般に3:1の予想比で分離することが見 出された。蛍光定量試験によるこの予備的結果は、このセグメント7プロモータ ー構築物が葉及び葉柄中で35Sプロモーターのそれよりも幾らか低いGUS活 性を持つことを示唆する組織化学的データを確認するものであった(表13)。 しかしながら、サブテレーニアン・クローバ茎中のGUS活性は葉柄におけるそ れよりも3倍高くそして葉におけるそれよりも6倍高かった(表14)。試験の 時点におけるこの植物の樹令は2〜3月であった。 実施例17 大豆の葉におけるSCSVプロモーターの一時的活性 使用したSCSVプロモーター:GUS構築物(表15)は、前述したように 、プロモーターを持たないGUSプラスミドであるpKGO(図4、pJKKm f(−)KIWIGUS:OCS)から誘導された。ただし、35Sプロモータ ー:GUS構築物はpGUSであった。pGUSはpKIWI101由来のGU S遺伝子を植物発現ベクターであるpDH51(ピートルザク(Pietrzak)ら,19 86)中にクローニングすることにより誘導される。 大豆組織中での一時的GUS発現のために、GUS構築物を上記 のようにビオラッド・ビオリスティックPDS−1000/He粒子送達システ ムを用い粒子砲撃法により組織中に導入した。1:1の比の1μm及び5μmの 金粒子3mgプラス6μgのDNAを含む50μlの懸濁液をそれぞれ3枚の葉 を含むプレート上に打ち込んだ。これらの実験に用いた十分に広げた葉は24日 令の大豆植物cv.ウエインから調製された。粒子砲撃後、X−Glucで葉の 真空浸潤(クレーグ(Craig)ら,1992)により24時間後のGUS活性を測定し た。 その結果(表15)は、大豆葉での一時的発現においては、SCSVセグメン ト4プロモーターは、それぞれのプラスミドを大豆葉中に打ち込んだとき、35 Sプロモーター(10〜15スポット/葉1枚)よりもより活性であった(25 〜35スポット/葉1枚)。 実施例18 カルスに特異的な発現のためのSCSVプロモーターのテスト 7個のSCSV非コード配列のすべてを、プロモーターを持たないGUSベク ターであるpHW9中にクローニングした。それぞれが7個のSCSVプロモー ター:GUS融合構築物の一つを含む二重ベクターをアグロバクテリウム媒介遺 伝子移転によりタバコ組織中に形質転換した。形質転換の2〜3週間後に、形質 転換された若芽(shoots)の原基を含むカルスを組織化学的GUS染色に付した 。セグメント1で形質転換されたカルスで最も良い発現が観察され、ついでS4 nc:GUS:OCS構築物が続いた。この結果は、セグメント1プロモーター が選択可能なマーカー遺伝子発現にとっ て最も適しておりそしてセグメント4プロモーターが遺伝子発現にとって最も良 いことを示唆する。 実施例19 フラベリア・ビデンティスMeA遺伝子の調節配列の性質 フラベリア・ヒデンティス(キティ(Chitty)ら,1994)では、MeA遺伝子は C4光合成に適応したNADP−リンゴ酸酵素をコードする遺伝子である。この 遺伝子の構造及び推定的なプロモーター配列及び転写終結/ポリアデニル化シグ ナル配列が単離され、ターミネーター配列配列が決定された(図15)。フラベ リア・ヒデンティスMeA遺伝子の推定的プロモーター要素(MeA5’配列〔 MeA5’〕及びターミネーターMeA3’配列〔MeA3’〕)の潜在的な活 性について、GUS発現ベクターを用いるトランスジェニック・フラベリア・ヒ デンティス植物中で研究した(図16)。MeA3’ターミネーター配列の長鎖 版(MeA3’L=停止コドンから5.5kb)をこれらの実験に用いた。図1 6では、GUS発現カセットME20を二重ベクターpGA470(アン(An) ら,1985)に連結し、一方ME29をpGA482(アン(An)ら,1986)中に クローニングする。キティ(Chitty)ら(1994)の記載のようにして、植物をこれら のベクターで形質転換した。 形質転換した植物のGUS活性を組織化学的染色及び蛍光定量試験により研究 し、フラベリア・ヒデンティス植物の葉におけるGUSの高レベル発現にこの遺 伝子のMeA3’配列が必要であることが示された(表16)。この遺伝子の5 ’配列は葉における遺伝子発現に寄与するようには見えず、分裂組織及び茎中で はOCS3’ のような適当な転写終結シグナル配列/ポリアデニル化シグナル配列の存在の下 に発現を指令するように見える(表16)。 実施例20 単子葉植物における遺伝子発現を増強するため、 SCSVプロモーター構築物中での MeA3’終結シグナル配列/ポリアデニル化シグナル配列の使用 多くの遺伝子調節要素は5’末端に位置するので、MeA3’配列の活性は、 SCSVプロモーターにより指令される遺伝子発現を増強するという目的でS4 ncSCSVプロモーターと組み合わせて試験する。これらの実験では、MeA 3’ターミネーター配列の短鎖版(MeA3’S=停止コドンから900塩基) を用いて、OCS3’、SCSVセグメント5の3’(SC5Tr)又はMeA 3’転写終結/ポリアデニル化シグナル配列のいずれかを持つS4ncプロモー ターを含むGUS発現ベクターを調製した。これらの構築物は、上述のように、 プロモーターを持たないGUSプラスミドであるpKGOから誘導された。S4 nc:GUS:MeA3’を含む組換えプラスミドpBS237は図17に示す 。これらの構築物によって与えられるGUS活性はジャポニカ稲カルスcv.タ イペイ309中で試験された。これらの構築物をビオラッド・ビオリスティック PDS−1000/He粒子送達システム(ビオーラド・ラボラトリース)を用 いる粒子砲撃により稲カルス中に導入し、大豆葉やタバコ原形質体などの双子葉 植物組織中で得られた結果と比較した(表17)。稲粒子砲撃実験では、1:1 の比の1μm及び5μmの金粒子4mgプラス5μgのDNAを総容量50μl でカルスの6枚のプレート上に砲撃した。このDNAはGUS遺伝子を含む各ベ クターの選択マーカー遺伝子を含むベクターへの比が4:1モル比となるように 作成された。選択マーカーを含むベクターはpTRA151(ゼング(Zheng)ら ,1991)であった。各プレートには成熟胚から誘導された50〜100個の新鮮 な二次カルスを含ませた。DNA砲撃の40時間後に、100mMリン酸緩衝液 中の0.3%w/vX−Gluc溶液中にカルスを置くことによりGUS活性を 検出した。1夜インキュベーションした後、青色のスポットを数えた。 タバコ及び大豆中での一時的GUS発現に対しては、GUS構築物のみを原形 質体及び葉組織中にそれぞれ導入した。電気穿孔法導入後、タバコ原形質体につ いて前述のようにGUS活性を試験した。この構築物を前述のように粒子砲撃に より大豆組織中に導入した。 その結果は、単子葉植物である稲の組織では、SCSVターミネーターと比べ てMeA3’構築物では16倍高い活性が得られた(表17)。同様な実験で、 ユビキティン(ubiquitin)プロモーター:GUS:NOSカセット(クリステン セン(Christensen)ら,1992)を含む高発現したGUS構築物はSC4:GUS :MeA3’構築物よりも約4倍高い活性を有する。 双子葉植物の組織では、タバコ原形質体及び大豆葉においてこれらの構築物は 両者とも同様な活性を示した。しかしながら、両者の活性はタバコ原形質体中で はOCSターミネーターで得られた活性よりも2倍高かった(表17)。 これらの結果は、単子葉植物中でSCSVプロモーターにより指令される遺伝 子発現を可能とするためにMeA3’配列を使用することができることを示唆す るものである。 実施例21トランスジェニック植物において選択可能マーカー遺伝子をドライ ブするためSCSVプロモーター及びターミネーターを含む新規な ベクターの使用 形質転換及び再生の後にトランスジェニック植物を選択するための基礎として の選択可能マーカー遺伝子をドライブするためにSCSVプロモーターを使用す ることの妥当性について、タバコ植物で検討した。使用された選択可能マーカー はカナマイシン耐性遺伝子、nptIIである。このnptII遺伝子に融合したS CSVセグメント1(pBS246)(図18)又はSCSVセグメント7プロ モーター(pKHAN4)(図19)のいずれかを含む二重ベクターをそれぞれ pART27(グリーブ(Gleave),1992)及びpKSB.bar1(図19)か ら構築した。これらを別々にタバコ植物中に形質転換し(エリス(Ellis)ら,198 7)、トランスジェニック植物と思われるものを100μg/mlカナマイシン を用いるカナマイシン選択の下で選択した(図20)。カナマイシン耐性をトラ ンスジェニック植物内でnptII遺伝子活性(マクドンネル(McDonnell)ら,198 7)に対するドット・ブロット試験及び100μg/mlカナマイシンを含む根 定着用培地(rooting medium)中でのトランスジェニック植物の生存により確認 した。その結果は、同一実 験における35Sプロモーター構築物の使用と同様に少なくとも多数のカナマイ シン耐性植物をSCSVセグメントプロモーター構築物が作成したこと示した。 従って、SCSVセグメントプロモーター構築物はカナマイシン耐性に基づきト ランスジェニック・タバコ植物を選択するのに35Sプロモーターと同様に有効 である(表18)。pKHAN4で形質転換されたタバコは再生培地において1 00μg/mlカナマイシンに耐性でありそして根定着用培地において50μg /mlカナマイシンに耐性である。pKHAN4を作成するために使用したpK SB.bar1及びpKHAN2の制限地図を図19に示す。 実施例22 新規な植物遺伝子発現ベクター系の開発 目的の有用遺伝子をドライブするSCSVセグメント4プロモーター及びSC SVセグメント5ターミネーターを含む新規な発現ベベクター(pICAN1) (図21)をpGEM誘導体から構築した。得られた発現カセットは二重ベクタ ーであるpBS246及びpKHAN4中に挿入することができる。次いで、こ うして得られた二重ベクターを使用して経済的に重要な植物、殊に綿、サブクロ ーバ、ポテト及びホワイトクローバなどをカナマイシン選択の下で形質転換する ことができる。SCSVプロモーターとターミネーターの異種組み合わせから他 の二重ベクターを構築して植物遺伝子発現用の全範囲をカバーする二重ベクター 系を作成することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年12月2日 【補正内容】 1. 植物細胞中で機能することができる多重成分シルコウイルス由来のシルコ ウイルスプロモーターを含む遺伝子構築物であって、該シルコウイルスが多重成 分DNAゲノムを含むものである遺伝子構築物。 2. シルコウイルスゲノムが3個以上のDNA成分又はDNAセグメントを含 むものである、請求項1記載の遺伝子構築物。 3. シルコウイルスがサブテレーニアン・クローバ・スタント・ウイルス(S CSV)である、請求項2記載の遺伝子構築物。 4. プロモーターが配列番号:1〜配列番号:7により規定されたSCSVの セグメント1〜セグメント7の一つから選択されるものである又はプロモーター が低い厳格条件の下でそれにハイブリダイズすることができるものである、請求 項3記載の遺伝子構築物。 5. 遺伝子が機能し得るように該プロモーターに連結されるとき該配列が機能 し得るように該遺伝子に連結されるような終結配列及び/又はポリアデニル化配 列をさらに含む、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の遺伝 子構築物。 6. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列がSCSV起源のも のである、請求項5記載の遺伝子構築物。 7. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列が配列番号:1〜配列番号:7に より規定されたSCSVのセグメント1〜セグメント7の一つから選択されるも のである、又は終結配列及び/又はポリアデニル化配列が低い厳格条件の下でそ れにハイブリダイズすることができるものである、請求項5記載の遺伝子構築物 。 8. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列がフラベリア・ビデンティス(Fla veria bidentis)MeA遺伝子由来のものである、請求項5記載の遺伝子構築物 。 9. 該プロモーターに機能し得るように連結された異種遺伝子をさらに含む、 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の遺伝子構築物。 合成を開始させるための遺伝的シグナルを含む。さらに、配列特異的なDNA結 合タンパク質がプロモーターの隣に結合しそしてそのプロモーターへのポリメラ ーゼの結合に悪影響を与えることによりRNA合成の開始を阻害したり刺激した りするものと考えられている。ターミネーター配列とは終結配列及びポリアデニ ル化配列を指し、機能的mRNAの転写に要求される。終結配列は遺伝子の下流 (即ち、3’−末端側)に位置し、RNAポリメラーゼによってmRNAの合成 を停止させるためのシグナルとして認識される。ポリアデニル化配列は転写後に 行われる真核生物mRNA分子のポリアデニル化のために必要なシグナルである 。 植物において外来遺伝子の発現を容易にするために広く用いられているウイル スプロモーターはカリフラウワー・モザイク・ウイルス(CaMV)35Sプロ モーター(オデル(Odell)ら,1985)であり、これは二本鎖DNA植物ウイルス 由来のものである。植物及び植物細胞におけるこのプロモーターの使用は充分に 文献で実証されている(ベンフィー及びチュア(Benfey and Chua,1990; ヒギン ス及びスペンサー(Higgins and Spencer,1991)。しかしながら、このプロモー ターの明らかな有用性にもかかわらず、それはすべての植物では機能せず、特に マメ科植物ではほとんど機能し得ない。従って、植物でそして特にマメ科植物で 機能し得るウイルス起源のような他のプロモーターを探し出す必要がある。また 、植物細胞中で遺伝子又は他の遺伝子配列の発現のレベルを調節する必要もある 。 このような事情から、本発明の一つの側面はシルコウイルスプロモーター又は シルコウイルスプロモーター様配列を含み、かつ植物細胞中で機能することがで きる遺伝子構築物であって、該シルコウイルスが多コンポーネントDNAゲノム を含むものである遺伝子構築物に関する。 本発明の関連する側面では、シルコウイルスプロモーター又はシルコウイルス プロモーター様配列及び終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含む遺伝子構 築物が提供される。これらの配列は植物細胞中で機能することができるものであ る。 シルコウイルスは双球形でない(non-geminated)一本鎖(ss)DNA植物ウイル ス(表1)であり、二本鎖ゲノムを持つカウリモウイルス及び他の唯一の知られ たssDNA植物ウイルスであって双球形の粒子を持つジェミニウイルスとも異な っている(チュー(Chu)ら,1994)。本明細書で使用するとき、シルコウイルス群 はサブテレーニアン・クローバ・スタント・ウイルス(SCSV)(チュー及び ヘルムス(Chu and Helms),1988)、バナナ・バンキー・トップ・ウィルス(BB TV)(トーマス及びディーツゲン(Thomas and Dietzgen),1991; ハーディン グ(Harding)ら,1991; 1993; バーンズ(Burns)ら,1993)及びミルク−ベッチ・ ドゥオーフ・ウイルス(MDV)(イソガイ(Isogai)ら,1992,サノ(Sano)ら, 1993)及びファバ・ビーン・ネクロティック・イエローズ・ウイルス(FBNY V)(カツール(Katul)ら,1993)を含むものと考える。 特に好ましい態様では、本発明に従って使用することを意図するシルコウイル スは3個以上のDNA成分又はDNAセグメントを含んでいる。 本発明は、シルコウイルス群の代表としてサブテレーニアン・クローバ・スタ ント・ウイルス(以下には「SCSV」と短縮する)を特に取り上げ、以下には これに関して記述する。このことは、しかしながら、SCSVへの言及が本発明 の範囲に含まれるシルコウイルス群の他のすべての適当なメンバーへの言及を含 んでいるという理解の基になされるものである。SCSVなどのシルコウイルス 群の好ましいメンバーは3個以上のDNA成分またはDNAセグメントを含んで いる。以下の「SCSV」への言及もまた、このウイルスの自然に生じる突然変 異体又は人工的に誘導された突然変異体、このウイルスの誘導体、部分、断片、 ホモログ、又はアナログなどであって、なお少なくとも1個の適当なプロモータ ー及び/又は終結配列及び/又はポリアデニル化配列を保持しているものすべて を含みそしてこれらのすべてに拡張される。 従って、本発明の特に好ましい態様は、SCSVプロモーター又はSCSVプ ロモーター様配列を含む遺伝子構築物であって、植物細胞中で機能し得る遺伝子 構築物を意図する。 本発明の関連する側面は、SCSVプロモーター又はSCSVプロモーター様 配列及び終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含む遺伝子構築物であって、 これらの配列が植物細胞中で機能し得る遺伝子構築物に関する。 「遺伝子構築物」という言葉は、その最も広い意味で用いられ、単離された核 酸分子、ベクター、発現ベクター又は二成分ベクターなどの如何なる組換え核酸 分子をも含む。それはシルコウイルスプロモーターのみを含んでいてもよく、又 は調節配列及び/又はレポータ配列と共に1又は2以上のプロモーターを含んで いてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ベビンク,ペトラ クリスティナ オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、ラインハム 2602、 22 アーチバルド ストリート、フラット 20 (72)発明者 スリン,ブライアン ピーター オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、リベット 2611、カ ービーン ストリート 45 (72)発明者 キース,ポール コンラッド オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、カーチン 2605、モ アヘッド ストリート 10 (72)発明者 チュー,ポール ウィング ゲイ オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、フローリー 2615、 ヒューレット カーキット 25 (72)発明者 ウォーターハウス,ピーター マイケル オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、オコンナー 2601、 バンジン ストリート 5 (72)発明者 カン,ラフィクル イスラム オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、ギララング 2617、 ドットウェル ストリート 4 (72)発明者 ラーキン,フィリップ ジョン オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、ウェストン 2611、 マッキンス ストリート 82 (72)発明者 テイラー,ウィリアム クラーク オーストラリア、ニュー サウス ウェー ルズ バンゲンドール 2621 マックス リーフ ロード、アール・エム・ビー 401 (72)発明者 マーシャル,ジェリー スチュワート オーストラリア、オーストラリアン キャ ピタル テリトリー、アランダ 2614、バ ナンビラ ストリート 45

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 植物細胞中で機能することができるシルコウイルスプロモーターを含む遺 伝子構築物。 2. シルコウイルスゲノムが3個以上のDNA成分又はDNAセグメントを含 むものである、請求項1記載の遺伝子構築物。 3. シルコウイルスがサブテレーニアン・クローバ・スタント・ウイルス(S CSV)である、請求項2記載の遺伝子構築物。 4. プロモーターが配列番号:1〜配列番号:7により規定されたSCSVの セグメント1〜セグメント7の一つから選択されるものである又はプロモーター が低い厳格条件の下でそれにハイブリダイズすることができるものである、請求 項3記載の遺伝子構築物。 5. 遺伝子が機能し得るように該プロモーターに連結されるとき該配列が機能 し得るように該遺伝子に連結されるような終結配列及び/又はポリアデニル化配 列をさらに含む、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の遺伝 子構築物。 6. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列がSCSV起源のものである、請 求項5記載の遺伝子構築物。 7. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列が配列番号:1〜配列番号:7に より規定されたSCSVのセグメント1〜セグメント 7の一つから選択されるものである、又は終結配列及び/又はポリアデニル化配 列が低い厳格条件の下でそれにハイブリダイズすることができるものである、請 求項5記載の遺伝子構築物。 8. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列がフラベリア・ビデンティス(Fla veria bidentis)MeA遺伝子由来のものである、請求項5記載の遺伝子構築物 。 9. 該プロモーターに機能し得るように連結された異種遺伝子をさらに含む、 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の遺伝子構築物。 10. 該プロモーター及び該終結配列及び/又はポリアデニル化配列に機能し 得るように連結された異種遺伝子をさらに含む、請求項5記載の遺伝子構築物。 11. 該プロモーター及び該終結配列及び/又はポリアデニル化配列に機能し 得るように連結された異種遺伝子をさらに含む、請求項6又は請求項7又は請求 項8に記載の遺伝子構築物。 12. 異種遺伝子が下記のものから選択されるものである、請求項9又は請求 項10又は請求項11に記載の遺伝子構築物、 a) 植物ウイルス類、細菌類、カビ類、線虫類及び他の病原体類に対する耐 性遺伝子、 b) アルファルファ・モザイク・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・ スタント・ウイルス、サブテレーニアン・ク ローバ・モトル・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・レッド・リーフ・ウ イルス、ポテト・リーフロル・ウイルス、トマト・スポッテッド・ウィルト・ウ イルス、ビーン・イエロー・モザイク・ウイルス、ホワイト・クローバ・モザイ ク・ウイルス、クローバ・イエロー・ベイン・ウイルス、ポテト・ウイルス類x ,y,s,m及びa、カカムバー・モザイク・ウイルス、ライス・ラッグド・ス タント・ウイルス及びバーリイ・イエロー・ドゥオルフ・ウイルスなどからの及 びこれらに対する合成遺伝子を含む植物ウイルス耐性遺伝子、 c) ヒマワリの高硫黄遺伝子SF8などの植物の栄養価値を高めるための遺 伝子、 d) 鼓腸症耐性遺伝子、 e) 抗体遺伝子、 f) 穀類のチオニン及びリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子、 g) BT毒素遺伝子及びニコチアナ・アラタ(Nicotiana alata)由来のプロ テイナーゼ阻害剤遺伝子を含む昆虫耐性遺伝子、 h) カナマイシン、ホスフィノトリシン、スペクチノマイシン及びハイグロ マイシンに対する抵抗性を与える遺伝子などの選択可能マーカー遺伝子、 i) GUS遺伝子、CAT遺伝子及び色素遺伝子などのレポーター遺伝子、 j) 植物細胞中で遺伝子の発現を調節する調節タンパク質をコードする遺伝 子。 13. 植物細胞中で機能することができるSCSVプロモーター 、該プロモーターに機能的に連結した異種遺伝子の挿入を容易にするため該プロ モーターの下流にある少なくとも1個の制限エンドヌクレアーゼ部位及び必要な 場合には該遺伝子が該制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入されるとき該異種遺伝 子の3’末端に位置する終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含む遺伝子構 築物。 14. このプロモーターが配列番号:1〜配列番号:7により規定されたSC SVのセグメント1〜セグメント7の一つから選択されるものであり、又はこの プロモーターが低い厳格条件の下でこれらにハイブリダイズすることができるも のである、請求項13記載の遺伝子構築物。 15. この終結配列及び/又はポリアデニル化配列がSCSV起源のものであ る、請求項13又は請求項14に記載の遺伝子構築物。 16. この終結配列及び/又はポリアデニル化配列が配列番号:1〜配列番号 :7により規定されたSCSVのセグメント1〜セグメント7の一つから選択さ れるものであり、又はこの終結配列及び/又はポリアデニル化配列が低い厳格条 件の下でこれらにハイブリダイズすることができるものである、請求項15記載 の遺伝子構築物。 17. この終結配列及び/又はポリアデニル化配列がフラベリア・ビデンティ スMeA遺伝子由来のものである、請求項13記載の遺伝子構築物。 18. 下記のものから選択される異種遺伝子をさらに含む請求項13記載の遺 伝子構築物、 a) 植物ウイルス類、細菌類、カビ類、線虫類及び他の病原体類に対する耐 性遺伝子、 b) アルファルファ・モザイク・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・ スタント・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・モトル・ウイルス、サブテ レーニアン・クローバ・レッド・リーフ・ウイルス、ポテト・リーフロル・ウイ ルス、トマト・スポッテッド・ウィルト・ウイルス、ビーン・イエロー・モザイ ク・ウイルス、ホワイト・クローバ・モザイク・ウイルス、クローバ・イエロー ・ベイン・ウイルス、ポテト・ウイルス類x,y,s,m及びa、カカムバー・ モザイク・ウイルス、ライス・ラッグド・スタント・ウイルス及びバーリイ・イ エロー・ドゥオルフ・ウイルスなどからの及びこれらに対する合成遺伝子を含む 植物ウイルス耐性遺伝子、 c) ヒマワリの高硫黄遺伝子SF8などの植物の栄養価値を高めるための遺 伝子、 d) 鼓腸症耐性遺伝子、 e) 抗体遺伝子、 f) 穀類のチオニン及びリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子、 g) BT毒素遺伝子及びニコチアナ・アラタ由来のプロテイナーゼ阻害剤遺 伝子を含む昆虫耐性遺伝子、 h) カナマイシン、ホスフィノトリシン、スペクチノマイシン及びハイグロ マイシンに対する抵抗性を与える遺伝子などの選択可能マーカー遺伝子、 i) GUS遺伝子、CAT遺伝子及び色素遺伝子などのレポーター遺伝子、 j) 植物細胞中で遺伝子の発現を調節する調節タンパク質をコードする遺伝 子。 19. 植物細胞中で機能することができる同一の又は異なるシルコウイルスプ ロモーター類に機能できるように連結された2個以上の異種遺伝子を含む遺伝子 構築物。 20. このプロモーター又は異なるプロモーター類が3個以上の成分又はセグ メントを含むゲノムを持つシルコウイルス由来のものである、請求項19記載の 遺伝子構築物。 21. このプロモーター又は異なるプロモーター類がサブテレーニアン・ク ローバ・スタント・ウイルス(SCSV)由来のものである、請求項20記載の 遺伝子構築物。 22. このプロモーター又は異なるプロモーター類が配列番号:1〜配列番号 :7により規定されたSCSVのセグメント1〜セグメント7の一つから選択さ れるものであり、又はこのプロモーターが低い厳格条件の下で配列番号:1〜配 列番号:7の少なくとも一つにハイブリダイズすることができるものである、請 求項21記載の遺伝子構築物。 23. 該異種遺伝子の1個以上と機能できるように連結された終結配列及び/ 又はポリアデニル化配列をさらに含む、請求項19又 は請求項20又は請求項21又は請求項22に記載の遺伝子構築物。 24. この終結配列及び/又はポリアデニル化配列が各遺伝子に対して同一で ある、請求項23記載の遺伝子構築物。 25. この終結配列及び/又はポリアデニル化配列が各遺伝子に対して異なる ものである、請求項23記載の遺伝子構築物。 26. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列の少なくとも一つが配列番号: 1〜配列番号:7により規定されたSCSVのセグメント1〜セグメント7から 選択されるものであり、かつこの終結配列及び/又はポリアデニル化配列が低い 厳格条件の下で配列番号:1〜配列番号:7の少なくとも一つにハイブリダイズ することができるものである、請求項24又は請求項25に記載の遺伝子構築物 。 27. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列の少なくとも一つがフラベリア ・ビデンティスのMeA遺伝子由来のものである、請求項24又は請求項25に 記載の遺伝子構築物。 28. 異種遺伝子が下記のものから選択されるものである請求項19記載の遺 伝子構築物、 a) 植物ウイルス類、細菌類、カビ類、線虫類及び他の病原体類に対する耐 性遺伝子、 b) アルファルファ・モザイク・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・ スタント・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・モトル・ウイルス、サブテ レーニアン・クローバ ・レッド・リーフ・ウイルス、ポテト・リーフロル・ウイルス、トマト・スポッ テッド・ウィルト・ウイルス、ビーン・イエロー・モザイク・ウイルス、ホワイ ト・クローバ・モザイク・ウイルス、クローバ・イエロー・ベイン・ウイルス、 ポテト・ウイルス類x,y,s,m及びa、カカムバー・モザイク・ウイルス、 ライス・ラッグド・スタント・ウイルス及びバーリイ・イエロー・ドゥオルフ・ ウイルスなどからの及びこれらに対する合成遺伝子を含む植物ウイルス耐性遺伝 子、 c) ヒマワリの高硫黄遺伝子SF8などの植物の栄養価値を高めるための遺 伝子、 d) 鼓腸症耐性遺伝子、 e) 抗体遺伝子、 f) 穀類のチオニン及びリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子、 g) BT毒素遺伝子及びニコチアナ・アラタ由来のプロテイナーゼ阻害剤遺 伝子を含む昆虫耐性遺伝子、 h) カナマイシン、ホスフィノトリシン、スペクチノマイシン及びハイグロ マイシンに対する抵抗性を与える遺伝子などの選択可能マーカー遺伝子、 i) GUS遺伝子、CAT遺伝子及び色素遺伝子などのレポーター遺伝子、 j) 植物細胞中で遺伝子の発現を調節する調節タンパク質をコードする遺伝 子。 29. 植物細胞中で外来遺伝子を発現させる方法であって、該植物細胞中に請 求項13〜請求項17のいずれか1項に記載の遺伝子 構築物を導入することを含み、かつ機能できるように該遺伝子構築物上のプロモ ーターに連結された該外来遺伝子をさらに含む方法。 30. この外来遺伝子が下記のものから選択されるものである請求項29記載 の方法、 a) 植物ウイルス類、細菌類、カビ類、線虫類及び他の病原体類に対する耐 性遺伝子、 b) アルファルファ・モザイク・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・ スタント・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・モトル・ウイルス、サブテ レーニアン・クローバ・レッド・リーフ・ウイルス、ポテト・リーフロル・ウイ ルス、トマト・スポッテッド・ウィルト・ウイルス、ビーン・イエロー・モザイ ク・ウイルス、ホワイト・クローバ・モザイク・ウイルス、クローバ・イエロー ・ベイン・ウイルス、ポテト・ウイルス類x,y,s,m及びa、カカムバー・ モザイク・ウイルス、ライス・ラッグド・スタント・ウイルス及びバーリイ・イ エロー・ドゥオルフ・ウイルスなどからの及びこれらに対する合成遺伝子を含む 植物ウイルス耐性遺伝子、 c) ヒマワリの高硫黄遺伝子SF8などの植物の栄養価値を高めるための遺 伝子、 d) 鼓腸症耐性遺伝子、 e) 抗体遺伝子、 f) 穀類のチオニン及びリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子、 g) BT毒素遺伝子及びニコチアナ・アラタ由来のプロテイナーゼ阻害剤遺 伝子を含む昆虫耐性遺伝子、 h) カナマイシン、ホスフィノトリシン、スペクチノマイシン及びハイグロ マイシンに対する抵抗性を与える遺伝子などの選択可能マーカー遺伝子、 i) GUS遺伝子、CAT遺伝子及び色素遺伝子などのレポーター遺伝子、 j) 植物細胞中で遺伝子の発現を調節する調節タンパク質をコードする遺伝 子。 31. 植物細胞中で2個以上の外来遺伝子を発現させる方法であって、該植物 細胞中に請求項19〜請求項28のいずれか1項に記載の遺伝子構築物を導入す ることを含む方法。 32. SCSVプロモーター及び機能できるようにそれに連結された異種遺伝 子及び必要な場合は終結配列及び/又はポリアデニル化配列を含むトランスジェ ニック植物。 33. 該異種遺伝子が下記のものから選択されるものである請求項32記載の トランスジェニック植物、 a) 植物ウイルス類、細菌類、カビ類、線虫類及び他の病原体類に対する耐 性遺伝子、 b) アルファルファ・モザイク・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・ スタント・ウイルス、サブテレーニアン・クローバ・モトル・ウイルス、サブテ レーニアン・クローバ・レッド・リーフ・ウイルス、ポテト・リーフロル・ウイ ルス、トマト・スポッテッド・ウィルト・ウイルス、ビーン・イエロー・モザイ ク・ウイルス、ホワイト・クローバ ・モザイク・ウイルス、クローバ・イエロー・ベイン・ウイルス、ポテト・ウイ ルス類x,y,s,m及びa、カカムバー・モザイク・ウイルス、ライス・ラッ グド・スタント・ウイルス及びバーリイ・イエロー・ドゥオルフ・ウイルスなど からの及びこれらに対する合成遺伝子を含む植物ウイルス耐性遺伝子、 c) ヒマワリの高硫黄遺伝子SF8などの植物の栄養価値を高めるための遺 伝子、 d) 鼓腸症耐性遺伝子、 e) 抗体遺伝子、 f) 穀類のチオニン及びリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子、 g) BT毒素遺伝子及びニコチアナ・アラタ由来のプロテイナーゼ阻害剤遺 伝子を含む昆虫耐性遺伝子、 h) カナマイシン、ホスフィノトリシン、スペクチノマイシン及びハイグロ マイシンに対する抵抗性を与える遺伝子などの選択可能マーカー遺伝子、 i) GUS遺伝子、CAT遺伝子及び色素遺伝子などのレポーター遺伝子、 j) 植物細胞中で遺伝子の発現を調節する調節タンパク質をコードする遺伝 子。 34. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列がSCSV由来のものである請 求項32又は請求項33に記載のトランスジェニック植物。 35. 終結配列及び/又はポリアデニル化配列がフラベリア・ビ デンティスMeA遺伝子由来のものである請求項32又は請求項33に記載のト ランスジェニック植物。 36. 請求項19〜請求項28のいずれか1項に記載の遺伝子構築物を含むト ランスジェニック植物。 37. 配列番号:1〜配列番号:7から選択される単離された核酸分子又は低 い厳格条件の下で配列番号:1〜配列番号:7の少なくとも一つとハイブリダイ ズすることができる核酸分子。 38. 植物細胞中で機能できるようにSCSVプロモーターに連結された外来 遺伝子の発現レベルを高める方法であって、該細胞中に1個の遺伝子構築物、又 は発現させるべき遺伝子とその産物が該遺伝子の発現を高め又はトランス活性化 することができる別の遺伝子とからなる2個の異なる遺伝子構築物を導入するこ とを含む方法。 39. トランス活性化する遺伝子が配列番号:1〜配列番号:7から選択され るものである、又は低い厳格条件の下でそれらにハイブリダイズすることができ る遺伝子である、請求項38記載の方法。
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