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JPH1049830A - 磁気抵抗センサ - Google Patents

磁気抵抗センサ

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Publication number
JPH1049830A
JPH1049830A JP20169296A JP20169296A JPH1049830A JP H1049830 A JPH1049830 A JP H1049830A JP 20169296 A JP20169296 A JP 20169296A JP 20169296 A JP20169296 A JP 20169296A JP H1049830 A JPH1049830 A JP H1049830A
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JP
Japan
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layer
magnetoresistive sensor
ferromagnetic
interface control
control layer
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JP20169296A
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English (en)
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JP2850866B2 (ja
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Masabumi Nakada
正文 中田
Junichi Fujikata
潤一 藤方
Kazuhiko Hayashi
一彦 林
Hidefumi Yamamoto
英文 山本
Kunihiko Ishihara
邦彦 石原
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性が高く、合成温度が低い反強磁性体の
交換バイアス層を用いた磁気抵抗センサを提供する。 【解決手段】 基板11上に下地層12を積層し、磁気
抵抗センサを形成する。すなわち、下地層12の上に交
換バイアス層としてNiO層13と界面制御層14の二
層膜を積層し、第二の強磁性体層15、非磁性体スペー
サ層16、第一の強磁性体層17を順次積層し磁気抵抗
センサを形成する。界面制御層14は、非磁性金属、C
r若しくはMn又はその酸化物、鉄酸化物等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気的な情報を読み
取るための磁気抵抗センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気抵抗センサ(「MRセンサ」
ともいう。)又は磁気抵抗ヘッドと呼ばれる磁気読み取
り変換器が知られており、これは大きな線形密度で磁性
表面からデータを読み取れることがわかっている。磁気
抵抗センサは、読み取り素子によって感知される磁束の
強さと、方向の関数としての抵抗変化とを介して磁界信
号を検出する。こうした従来の磁気抵抗センサは、読み
取り素子の抵抗の1成分が磁化方向と素子中を流れる感
知電流の方向との間の角度の余弦の2乗に比例して変化
する、異方性磁気抵抗(AMR)効果に基づいて動作す
る。AMR効果のより詳しい説明は、D.A.トムソン (Th
omson)等の論文”Memory,Storage,and Related Applica
tions"IEEE Trans.on Mag.MAG-11,p.1039(1975) に記載
されているる。
【0003】さらに最近の論文には、積層磁気センサの
抵抗変化が、非磁性層を介する磁性層間での伝導電子の
スピン依存性伝導、及びそれに付随する層界面でのスピ
ン依存性散乱に帰される、より顕著な磁気抵抗効果が記
載されている。この磁気抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効
果」や「スピン・バルブ効果」など様々な名称で呼ばれ
ている。このような磁気抵抗センサは適当な材料で構成
されており、AMR効果を利用するセンサで観察される
よりも、感度が改善され、抵抗変化が大きい。この種の
磁気抵抗センサでは、非磁性層で分離された一対の強磁
性体層の間の平面内抵抗が、二つの層の磁化方向間の角
度の余弦に比例して変化する。
【0004】特開平2−61572号公報には、磁性層
内の磁化の反平行整列によって生じる高いMR変化をも
たらす積層磁性構造が記載されている。積層構造で使用
可能な材料として、上記公報には強磁性の遷移金属及び
合金が挙げられている。また、中間層により分離してい
る少なくとも二層の強磁性体層の一方に反強磁性体層を
付加した構造及び反強磁性体層としてFeMnが適当で
あることが開示されている。
【0005】特開平4−358310号公報には、非磁
性金属体の薄膜層によって仕切られた強磁性体の二層の
薄膜層を有し、印加磁界が零である場合に二つの強磁性
薄膜層の磁化方向が直交し、二つの非結合強磁性体層間
の抵抗が二つの層の磁化方向間の角度の余弦に比例して
変化し、センサ中を通る電流の方向とは独立な、磁気抵
抗センサが開示されている。
【0006】特開平6−203340号公報には、非磁
性金属材料の薄膜層で分離された二つの強磁性体薄膜層
を含み、外部印加磁界がゼロのとき、隣接する反強磁性
体層の磁化が他方の強磁性体層に対して垂直に保たれ
る、上記の効果に基づく磁気抵抗センサが開示されてい
る。
【0007】図8に、従来の磁気抵抗センサの部分断面
図を示す。図8では、基板21上に下地層22を積層
し、磁気抵抗センサを形成する。すなわち、下地層22
の上に交換バイアス層としてのFeMn層23を積層
し、第二の強磁性体層24、非磁性体スペーサ層25、
第一の強磁性体層26の順次積層し磁気抵抗センサを形
成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】反強磁性体の交換バイ
アス層には、従来FeMn膜、NiMn膜、NiO膜が
用いられていた。FeMn膜は作製が容易で広く交換バ
イアス層として用いられてきていたが、腐食しやすいと
いう欠点がある。NiMn膜は、強磁性体層の磁化方向
を固定する磁界である交換結合磁界が大きく耐食性も高
いが、高い合成温度を必要とするため磁気抵抗効果(M
R)比が低くなるという欠点がある。NiO、は耐食性
が高いこと及び絶縁体であることなどから、FeMnや
NiMnよりも有効であるが、強磁性体層と積層した場
合、強磁性体の保磁力が交換結合磁界よりも大きくな
り、磁気抵抗センサとして正常な動作を期待できないと
いう問題点がある。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような問題点を解決すべ
くなされたもので、その目的は、耐食性が高く、合成温
度が低い反強磁性体の交換バイアス層を用いた磁気抵抗
センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気抵抗セ
ンサは、非磁性体スペーサ層と、この非磁性体スペーサ
層によって互いに分離された第一の強磁性体層及び第二
の強磁性体層と、この第二の強磁性体層の磁化を所望の
方向に維持するための交換バイアス層とを備えている。
そして、交換バイアス層はニッケル酸化物と界面制御層
との積層膜からなり、なおかつ界面制御層は第二の強磁
性体層に接している。界面制御層としては、非磁性金
属、Cr若しくはMn又はその酸化物、鉄酸化物等を用
いる。非磁性金属は、Al,Ti,V,Cu,Zn,
Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,H
f,Ta,W,Re,Pt,Au,Pb,Bi,La,
Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o及びErの中から選ばれた一つの金属又は二つ以上の
金属からなる合金である。非磁性金属の厚さtは、0.
3nm≦t≦1.0nmの範囲である。界面制御層がC
r若しくはMn又はその酸化物、鉄酸化物等の場合は、
厚さtは0.3nm≦t≦2.0nmの範囲である。
【0011】ニッケル酸化物層を交換バイアス層に用い
る場合、積層する強磁性体との間に非磁性金属又は反強
磁性からなる薄層(以下、「界面制御層」という。)を
積層することで、強磁性体の保磁力が低下することが、
今回本発明者によって明らかにされた。
【0012】図2は、界面制御層にCuを用いたガラス
基板/NiO(50nm)/Cu(0.5nm)/Ni
Fe(6nm)構成の試料の磁化曲線と、比較のための
NiO単層の磁化曲線である。NiO単層では保磁力が
大きく磁界ゼロで二値を取るため、スピンバルブ膜には
使用できない。これに対し、界面制御層としてCu
(0.5nm)層を用いることで、保磁力は1/3以下
に低減し、スピンバルブ動作が可能となる。
【0013】図3は、ガラス基板/NiO(50nm)
/界面制御層(tnm)/NiFe(6nm)という構
成の試料において、層厚tによる交換結合磁界及び保磁
力の変化を示し、界面制御層に非磁性金属としてCu又
はAgを用いた例である。41はCuを界面制御層にし
た試料の保磁力、42はAgを界面制御層にした試料の
保磁力、43はCuを界面制御層にした試料の交換結合
磁界、44はAgを界面制御層にした試料の交換結合磁
界である。界面制御層の厚さを増加すると、保磁力及び
交換結合磁界の値は減少するが、保磁力の低下量は交換
結合磁界の低下量よりも大きい。このため、界面制御層
の厚さを0.3nm以上、1.0nm以下に選ぶこと
で、交換結合磁界は保磁力よりも大きくなり、磁気抵抗
センサとして正常な動作が可能となる。適当な界面制御
層の厚さは、非磁性金属では0.3nm以上、1.0n
m以下であり、反強磁性体では0.3nm以上、2.0
nm以下の範囲である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る磁気抵抗セ
ンサの一実施形態を示す、一部をブロック化した断面図
である。以下、この図面に基づき説明する。
【0015】基板11上に下地層12を積層し、磁気抵
抗センサを形成する。すなわち、下地層12の上に交換
バイアス層としてNiO層13と界面制御層14の二層
膜を積層し、第二の強磁性体層15、非磁性体スペーサ
層16、第一の強磁性体層17を順次積層し磁気抵抗セ
ンサを形成する。磁気抵抗センサはフォトリソグラフィ
工程により適当な大きさ形状にパターン化されており、
その端部に接するように電極層18a,18bが積層さ
れている。電極層18a,18bには電流源19及び感
知手段20が接続されており、外部磁界変化を抵抗率変
化として検知できる磁気検出装置が構成されている。
【0016】下地層12には、アルミナ、SiO2 、窒
化アルミニウム、窒化シリコン等の誘電体やZr,T
a,Hf,Mo等のfcc構造を有する材料が適当であ
る。界面制御層14には、非磁性金属、Cr若しくはM
n又はこれらの酸化物、鉄酸化物等が用いられる。非磁
性金属としては、Al,Ti,V,Cu,Zn,Y,Z
r,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Hf,T
a,W,Re,Pt,Au,Pb,Bi,La,Ce,
Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
rの中から選ばれた一つの金属又は二つ以上の金属から
なる合金とするのが好ましい。非磁性金属とした場合の
厚さtは、0.3nm≦t≦1.0mの範囲が好まし
い。Cr若しくはMn又はこれらの酸化物、又は鉄酸化
物等とした場合の厚さtは、0.3nm≦t≦2.0n
mの範囲が好ましい。第一及び第二の強磁性体層15,
17としては、NiFe,NiFeCo,CoZr系材
料,FeCoB,センダスト,窒化鉄系材料,FeCo
等を用いることができる。第一及び第二の強磁性体層1
5,17の膜厚は1〜10nm程度が望ましい。第一及
び第二の強磁性体層15,17が、非磁性体スペーサ層
16に隣接する薄いCo膜を有することも可能である。
非磁性体スペーサ層16は、銀、金及び銅の中から選ば
れた一つの金属又は二つ以上の金属からなる合金を用い
ることができる。非磁性体スペーサ層16の膜厚は2〜
3nmが好ましい。ニッケル酸化物の組成比O/(Ni
+O)は、0.4≦O/(Ni+O)≦0.6の範囲と
することが好ましい。
【0017】図4は、界面制御層として非磁性金属であ
るCuを0.5nm用いたスピンバルブ膜のR−H曲線
である。構成はNiO(50nm)/Cu(0.5n
m)/NiFe(3nm)/Cu(2.5nm)/Ni
Fe(6nm)である。NiOの成膜には、焼結体ター
ゲットを用いたrfスパッタ法を用いた。スパッタガス
はArとし、ガス圧0.3Pa、投入パワー200Wで
行った。Cu,NiFeの成膜は、dcマグネトロンス
パッタ法で行った。スパッタガスはArとし、ガス圧
0.3Pa、投入パワーはCu7W、NiFe35Wで
行った。正常なMR動作をしており、MR比5.5%が
得られている。Cuの層厚が、0.3nm以下では、固
定層の保磁力が大きいため正常なスピンバルブ動作はし
なかった。1.0nm以上では、交換結合磁界が小さく
なるので磁気抵抗センサには適さない。一方、界面制御
層を用いないNiO(50nm)/NiFe(3nm)
/Cu(2.5nm)/NiFe(6nm)構成のスピ
ンバルブ膜では、固定層の保磁力が大きいため正常なス
ピンバルブ動作はしなかった。
【0018】図5は、界面制御層として非磁性金属であ
るAgを0.5nm用いたスピンバルブ膜のR−H曲線
である。構成はNiO(50nm)/Ag(0.5n
m)/NiFe(3nm)/Cu(2.5nm)/Ni
Fe(6nm)である。MR比5.5%で、正常なMR
動作をしていることが分かる。成膜条件はCuの場合と
同様である。Agの層厚が、0.3nm以下では、固定
層の保磁力が大きいため正常なスピンバルブ動作はしな
かった。1.0nm以上では、交換結合磁界が小さくな
るので磁気抵抗センサには適さない。界面制御層とし
て、他の非磁性金属すなわちAl,Ti,V,Zn,
Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Hf,T
a,W,Re,Pt,Au,Pb,Bi,La,Ce,
Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho及び
Erの中から選ばれた一つの金属又は二以上の金属から
なる合金を用いた場合も、Cu又はAgを用いた場合と
同様の結果が得られた。
【0019】図6は、ガラス基板/NiO(50nm)
/界面制御層(tnm)NiFe(6nm)という構成
の試料において、層厚tによる交換結合磁界Hexと保
磁力Hcの変化を示し、界面制御層に反強磁性金属のM
n又はCrを用いた結果である。71はMnを界面制御
層にした試料の保磁力、72はCrを界面制御層にした
試料の保磁力、73はMnを界面制御層にした試料の交
換結合磁界、74はCrを界面制御層にした試料の交換
結合磁界である。界面制御層の厚さを増加すると、保磁
力は単調に減少するが、交換結合磁界は一旦増加した
後、低下する。界面制御層の厚さを0.3nm以上に選
ぶことで、交換結合磁界は保磁力よりも大きくなり、磁
気抵抗センサとして正常な動作が可能となる。界面制御
層に反強磁性金属のCr又はMnを用いたNiO(50
nm)/Cr又はMn(0.5nm)/NiFe(3n
m)/Cu(2.5nm)/NiFe(6nm)構成の
試料を作製し、R−H曲線を測定したところ、MR比
5.5%で、正常なMR動作をした。Cr又はMnの層
厚が、0.3nm以下では、固定層の保磁力が大きいた
め正常なスピンバルブ動作をしなかった。2.0nm以
上では、交換結合磁界が小さくなるので磁気抵抗センサ
には適さない。界面制御層としてCr又はMnの酸化物
を用いた場合も、Cr又はMnの場合と同様の結果が得
られた。
【0020】図7は、ガラス基板/NiO(50nm)
/鉄酸化物(tnm)/NiFe(6nm)という構成
の試料における、層厚tによる交換結合磁界Hexと保
磁力Hcの変化を示す。81は保磁力、82は交換結合
磁界である。界面制御層の厚さを増加すると、保磁力は
単調に減少するが、交換結合磁界は一旦増加した後、低
下する。界面制御層の厚さを0.3nm以上に選ぶこと
で、交換結合磁界は保磁力より大きくなり、磁気抵抗セ
ンサとして正常な動作が可能となる。界面制御層に鉄酸
化物を用いたNiO(50nm)/鉄酸化物(0.5n
m)/NiFe(3nm)/Cu(2.5nm)/Ni
Fe(6nm)構成の試料を作製し、R−H曲線を測定
したところ、MR比5.5%で、正常なMR動作をし
た。鉄酸化物の層厚が、0.3nm以下では、固定層の
保磁力が大きいため正常なスピンバルブ動作はしなかっ
た。2.0nm以上では、交換結合磁界が小さくなるの
で磁気抵抗センサには適さない。
【0021】なお、本発明に係る磁気抵抗センサ(請求
項1,2,3,4,5,6又は7記載の磁気抵抗セン
サ)を用い、基板上にシールド層、下ギャップ層、及び
当該磁気抵抗センサが積層されており、シールド層はパ
ターン化されており、磁気抵抗センサはパターン化され
ており、その端部に接するように縦バイアス層及び下電
極層が順次積層されており、その上にギャップ層、上シ
ールド層が順次積層されている、シールド型磁気抵抗セ
ンサを構成することもできる。
【0022】また、本発明に係る磁気抵抗センサ(請求
項1,2,3,4,5,6又は7記載の磁気抵抗セン
サ)を用い、基板上にシールド層、下ギャップ層、及び
当該磁気抵抗センサが積層されており、シールド層はパ
ターン化されており、磁気抵抗センサはパターン化され
ており、その上部に一部重なるように縦バイアス層及び
下電極層が順次積層されており、その上に上ギャップ
層、上シールド層が順次積層されている、シールド型磁
気抵抗センサを構成することもできる。
【0023】さらに、上記の二つのシールド型磁気抵抗
センサのいずれかを用いて、当該シールド型磁気抵抗セ
ンサを通る電流を生じる手段と、検出される磁界の関数
として前記シールド型磁気抵抗センサの抵抗率変化を検
出する手段とを備えた磁気抵抗検出装置を構成すること
もできる。
【0024】さらにまた、この磁気抵抗検出装置を用い
て、データ記録のための複数個のトラックを有する磁気
記憶媒体と、この磁気記憶媒体上にデータを記憶させる
ための磁気記録装置と、この磁気記録装置及び当該磁気
抵抗検出装置を前記磁気記憶媒体の選択されたトラック
へ移動させるために、前記磁気記録装置及び磁気抵抗変
換装置に結合されたアクチュエータ手段とを備えた磁気
記憶システムを構成することもできる。
【0025】
【発明の効果】本発明にによれば、交換バイアス層をニ
ッケル酸化物と界面制御層との積層膜とし、かつ界面制
御層に非磁性金属、Cr若しくはMn又はその酸化物、
鉄酸化物等を用いたことにより、ニッケル酸化物を用い
ても強磁性体層の保持力を低く抑えることができるの
で、耐食性が高く、合成温度が低い反強磁性体の交換バ
イアス層を有する磁気抵抗センサを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗センサの一実施形態を示
す、一部をブロック化した断面図である。
【図2】本発明に係る磁気抵抗センサにおいて界面制御
層にCuを用いてガラス基板/NiO(50nm)/C
u(0.5nm)/NiFe(6nm)とした試料、及
び比較用として界面制御層にCuを用いないでガラス基
板/NiO(50nm)/NiFe(6nm)とした試
料における、それぞれの磁化曲線を示すグラフである。
【図3】本発明に係る磁気抵抗センサにおいて界面制御
層にCu又はAgを用いガラス基板/NiO(50n
m)/Cu又はAg(tnm)/NiFe(6nm)と
した試料における、界面制御層の厚さと交換結合磁界及
び保磁力との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る磁気抵抗センサにおいて界面制御
層にCuを用いたスピンバルブ膜のR−H曲線を示すグ
ラフである。
【図5】本発明に係る磁気抵抗センサにおいて界面制御
層にAgを用いたスピンバルブ膜のR−H曲線を示すグ
ラフである。
【図6】本発明に係る磁気抵抗センサにおいて界面制御
層にMn又はCrを用いガラス基板/NiO(50n
m)/Mn又はCr(tnm)/NiFe(6nm)と
した試料における、界面制御層の厚さと交換結合磁界及
び保磁力との関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係る磁気抵抗センサにおいて界面制御
層に鉄酸化物を用いガラス基板/NiO(50nm)/
鉄酸化物(tnm)/NiFe(6nm)とした試料に
おける、界面制御層の厚さと交換結合磁界及び保磁力と
の関係を示すグラフである。
【図8】従来の磁気抵抗センサを示す断面図である。
【符号の説明】
11 基板 12 下地層 13 NiO層 14 界面制御層 15 第二の強磁性体層 16 非磁性体スペーサ層 17 第一の強磁性体層 41 Cuを界面制御層にした試料の保磁力 42 Agを界面制御層にした試料の保磁力 43 Cuを界面制御層にした試料の交換結合磁界 44 Agを界面制御層にした試料の交換結合磁界 71 Mnを界面制御層にした試料の保磁力 72 Crを界面制御層にした試料の保磁力 73 Mnを界面制御層にした試料の交換結合磁界 74 Crを界面制御層にした試料の交換結合磁界 81 保磁力 82 交換結合磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 英文 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 石原 邦彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体スペーサ層と、この非磁性体ス
    ペーサ層によって互いに分離された第一の強磁性体層及
    び第二の強磁性体層と、この第二の強磁性体層の磁化を
    所望の方向に維持するための交換バイアス層とを備えた
    磁気抵抗センサにおいて、 前記交換バイアス層がニッケル酸化物と非磁性金属との
    積層膜からなり、かつこの非磁性金属が前記第二の強磁
    性体層と接することを特徴とする磁気抵抗センサ。
  2. 【請求項2】 前記非磁性金属が、Al,Ti,V,C
    u,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,
    Ag,Hf,Ta,W,Re,Pt,Au,Pb,B
    i,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,T
    b,Dy,Ho及びErの中から選ばれた一つの金属又
    は二つ以上の金属からなる合金である、請求項1記載の
    磁気抵抗センサ。
  3. 【請求項3】 前記非磁性金属の厚さtが、0.3nm
    ≦t≦1.0nmの範囲である、請求項1又は2記載の
    磁気抵抗センサ。
  4. 【請求項4】 非磁性体スペーサ層と、この非磁性体ス
    ペーサ層によって互いに分離された第一の強磁性体層及
    び第二の強磁性体層と、この第二の強磁性体層の磁化を
    所望の方向に維持するための交換バイアス層とを備えた
    磁気抵抗センサにおいて、 前記交換バイアス層がニッケル酸化物とCr若しくはM
    n又はその酸化物との積層膜からなり、かつこのCr若
    しくはMn又はその酸化物が前記第二の強磁性体層と接
    することを特徴とする磁気抵抗センサ。
  5. 【請求項5】 前記Cr若しくはMn又はその酸化物の
    厚さtが、0.3nm≦t≦2.0nmの範囲である、
    請求項4記載の磁気抵抗センサ。
  6. 【請求項6】 非磁性体スペーサ層と、この非磁性体ス
    ペーサ層によって互いに分離された第一の強磁性体層及
    び第二の強磁性体層と、この第二の強磁性体層の磁化を
    所望の方向に維持するための交換バイアス層とを備えた
    磁気抵抗センサにおいて、 前記交換バイアス層がニッケル酸化物と鉄酸化物との積
    層膜からなり、この鉄酸化物が前記第二の強磁性体層と
    接することを特徴とする磁気抵抗センサ。
  7. 【請求項7】 前記鉄酸化物の厚さtが、0.3nm≦
    t≦2.0nmの範囲である、請求項6に記載の磁気抵
    抗センサ。
  8. 【請求項8】 前記第一及び第二の強磁性体層が、C
    o,Fe及びNiの中から選ばれた一つの金属又は二つ
    以上の金属からなる合金である、請求項1,2,3,
    4,5,6又は7記載の磁気抵抗センサ。
  9. 【請求項9】 前記第一及び第二の強磁性体層が、前記
    非磁性体スペーサ層に隣接する薄いCo膜を有する、請
    求項1,2,3,4,5,6又は7記載の磁気抵抗セン
    サ。
  10. 【請求項10】 前記非磁性体スペーサ層が、金、銀及
    び銅の中から選ばれた一つの金属又は二つ以上の金属か
    らなる合金を含む、請求項1,2,3,4,5,6又は
    7記載の磁気抵抗センサ。
  11. 【請求項11】 前記ニッケル酸化物の組成比O/(N
    i+O)が、0.4≦O/(Ni+O)≦0.6であ
    る、請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の磁気抵
    抗センサ。
JP20169296A 1996-07-31 1996-07-31 磁気抵抗センサ Expired - Fee Related JP2850866B2 (ja)

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