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JPH1045682A - 高品位ポリエチレンポリアミン類の製造方法 - Google Patents

高品位ポリエチレンポリアミン類の製造方法

Info

Publication number
JPH1045682A
JPH1045682A JP8221813A JP22181396A JPH1045682A JP H1045682 A JPH1045682 A JP H1045682A JP 8221813 A JP8221813 A JP 8221813A JP 22181396 A JP22181396 A JP 22181396A JP H1045682 A JPH1045682 A JP H1045682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamines
boiling point
distillation
hydrogen halide
polyethylene polyamines
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8221813A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Shinohara
俊哉 篠原
Sadakatsu Kumoi
貞勝 雲井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DERAMIN BV
Tosoh Corp
Original Assignee
DERAMIN BV
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DERAMIN BV, Tosoh Corp filed Critical DERAMIN BV
Priority to JP8221813A priority Critical patent/JPH1045682A/ja
Priority to US08/906,244 priority patent/US5861537A/en
Publication of JPH1045682A publication Critical patent/JPH1045682A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C209/00Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton
    • C07C209/82Purification; Separation; Stabilisation; Use of additives
    • C07C209/84Purification

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱色効果が大きく、経済的に高品位のポリエ
チレンポリアミン類が得られる工業的製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリエチレンポリアミン類の混合物にハ
ロゲン化水素を添加し加熱した後、蒸留して沸点がトリ
エチレンテトラミン以下の成分を分留し、次いでその蒸
留残液にアルカリ金属の水酸化物を加え中和した後、再
び蒸留し沸点がテトラエチレンペンタミン以上の成分を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品位ポリエチレ
ンポリアミン類、詳しくは脱色された高品位ポリエチレ
ンポリアミン類の製造方法に関する。ポリエチレンポリ
アミンは、紙力増強剤、エポキシ硬化剤、潤滑油添加
剤、界面活性剤等に大量に用いられる有用なアミン化合
物である。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンポリアミン(以下ポリアミ
ンと略す)類は、エチレンジクロライド(以下EDCと
略す)とアンモニア及び/又はエチレンジアミン(以下
EDAと略す)等の比較的低級のエチレンアミン類との
反応、又はエタノールアミン類とアンモニア及び/又は
EDA等の比較的低級のエチレンアミン類との反応で製
造されている。
【0003】これらの製造法で得られるポリアミン類
は、通常混合物であり蒸留により分別されるが、その蒸
留分別品は、黄褐色ないし茶褐色の色を呈している。こ
れは不純物によるものと考えられ、そのままでは商品価
値は低下する。この着色問題の解決策として、ポリアミ
ン類の脱色方法が数多く提案されている。
【0004】例えば、ポリアミン類を水酸化カリウムに
て処理する方法(米国特許第3,595,921号明細
書)、ポリアミン類に、亜鉛・錫・アルミニウム等の還
元性金属と、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを加
え加熱処理する方法(特公昭44−2209号公報)、
室温〜 150℃でポリアミンに亜鉛と水を加え処理する方
法(特公昭44−4768号公報)、単に亜鉛のみを加
え加熱処理する方法(特公昭45−33163号公報)
等の金属又はその塩を用いる方法が開示され、また、ポ
リアミンを高温下活性炭で処理する方法(米国特許第
3,723,529号明細書)、スルホン酸系陽イオン
交換樹脂で処理する方法(米国特許第4,731,16
5号明細書)等の活性炭、イオン交換樹脂を用いる方法
が開示され、更に、酸性ゼオライトにより処理する方法
(米国特許第4,737,243号明細書)、ニッケ
ル、コバルト、パラジウム、ルテニウム等を触媒とし水
素化処理する方法(特開昭63−101421号公報)
等の触媒により水素化処理する方法等が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法は、いずれもその脱色効果が十分でなく工業的に満
足できるものではない。すなわち、金属又はその塩を用
いる方法では、金属費用がかさみ経済的に不利であり、
金属又はその塩がポリアミン類に随伴するため、その除
去が必要となり、溶出した金属により、ポリアミン類が
逆に汚染される等、工業的方法とはいえない。活性炭、
イオン交換樹脂を用いる方法では、それらの劣化が大き
く、またそれらが大量に必要となるため、経済的でな
い。触媒により水素化処理する方法も、触媒の劣化が大
きく、またそれらが大量に必要となるため、経済的では
なく、分解生成物によりポリアミン類の品質が低下する
おそれがあり、これも工業的方法とは成り得ない。
【0006】このため、塩酸添加処理による脱色方法が
提案されている。例えば、特公昭50−20047号公
報には、ポリアミン類をそれらの塩酸塩の存在下に蒸留
する方法が開示され、特開昭57−171939号公報
には、ポリアミン類を水の存在下それらの塩酸塩により
加熱処理した後フラッシュ蒸発する方法が開示されてい
る。
【0007】しかしながら、特公昭50−20047号
公報に記載の方法は、比較的経済的で脱色効果も小さく
ないが、大量の塩酸が必要となる上、中和により塩が大
量に生成するため工業的に満足できる方法ではない。ま
た、特開昭57−171939号公報に記載の方法は、
脱色効果は比較的高いものの、高温下において沸点の低
い水を共存させるため圧力が高くなり、加圧に耐える装
置が必要である。更に、フラッシュ蒸発して得られたポ
リアミン類は、単一成分ではなく、低沸点成分や高沸点
成分が多く随伴しているため、そのままでは商品とはな
り得ず、再度蒸留分離する必要があり、経済的な方法と
はいえない。
【0008】以上のように、従来の脱色方法は、いずれ
もポリアミンを効果的、効率的に脱色して、高品位ポリ
アミンを製造する方法ではなく、満足できるものではな
かった。本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、脱色効果が大きく、経済的に高品位の
ポリアミン類が得られる工業的製造方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高品位ポ
リアミン類の製造方法、具体的にはポリアミン類の経済
的・工業的脱色方法について、鋭意検討した。
【0010】その結果、高品位ポリアミン、具体的には
十分脱色されたポリアミンを経済的に得るには、塩酸添
加処理による脱色方法が効果的であることが判った。し
かしながら、蒸留してポリアミン類を得る際、低沸点の
ポリアミン類は十分脱色されるものの、高沸点のポリア
ミンは十分脱色することができなかった。
【0011】そこで、更に検討を重ねた結果、低沸点の
ポリアミン類を蒸留し分離した時点で、蒸留残液にアル
カリ金属水酸化物を添加し、一旦蒸留残液に存在する塩
酸を中和した後、再び蒸留して高沸点のポリアミン類を
分離すれば、低沸点のポリアミン類から高沸点のポリア
ミン類までの全てのポリアミン類を十分脱色された状態
で得ることができることが判った。また、加える塩酸の
代わりに臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素
酸とした場合、塩酸と同等以上の脱色効果が得られるこ
とが判った。
【0012】以上の検討結果より、ポリアミン類をハロ
ゲン化水素酸の存在下加熱処理した後、低沸点のポリア
ミン類を蒸留分離して得、次に残留残液にアルカリを加
えて中和し、再び蒸留分離して高沸点のポリアミン類を
得ることで、前述の課題を解決でき、目標を達成できる
ことを見出し、ついに本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、ポリアミン類の混合
物にハロゲン化水素を添加し加熱処理した後、蒸留して
トリエチレンテトラミンの沸点以下の沸点を有する成分
を分留し、次いでその蒸留残液にアルカリ金属の水酸化
物を加え、再び蒸留してテトラエチレンペンタミンの沸
点以上の沸点を有する成分を分留することを特徴とする
高品位ポリアミン類の製造方法である。
【0014】本発明の骨子は、 :ポリアミン類の混合物にハロゲン化水素を添加して
加熱すること、 :低沸点のポリアミン成分を、ハロゲン化水素酸存在
下で蒸留して分離すること、及び :蒸留残液にアルカリ金属水酸化物を加え、先に添加
したハロゲン化水素酸を中和した後、該残液中の高沸点
ポリアミン成分を蒸留して分離することにある。 本発明の方法により簡便な操作で効果的に高度に脱色さ
れた高品位ポリアミン類を経済的に製造することができ
る。
【0015】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明においてポリアミン類とは、エチレンアミン類のう
ち、その沸点がピペラジン以上のものをいう。エチレン
アミン類の沸点は、その分子量と相関しており、沸点の
低い順から、エチレンジアミン[以下EDAと略す、沸
点 116.9℃(760mmHg )]、ピペラジン[以下PIPと
略す、沸点 148.5℃(760mmHg )]、ジエチレントリア
ミン[以下DETAと略す、沸点 206.9℃(760mmHg
)]、N−アミノエチルピペラジン[以下N−AEP
と略す、沸点 222℃(760mmHg )]、トリエチレンテト
ラミン[以下TETAと略す、沸点 277.4℃(760mmHg
)]、テトラエチレンペンタミン[以下TEPAと略
す、沸点 195℃(10mmHg)]、ペンタエチレンヘキサミ
ン[以下PEHAと略す、沸点 230℃(10mmHg)]、ヘ
キサエチレンヘプタミン(以下HEPAと略す)等とな
る。これらは通常EDCとアンモニア及び/又はエチレ
ンアミン類との反応(EDC法)、エタノールアミン類
とアンモニア及び/又はエチレンアミン類との反応(E
O法)、ホルマリン、青酸とアンモニア及び/又はエチ
レンアミン類との反応等により製造され、蒸留によって
分離され製品化されるが、いずれも沸点が 100℃以上で
あり、通常減圧下で蒸留分別される。尚、本発明におい
て、沸点がPIP以上TETA以下のポリアミン類を低
沸点ポリアミン類、沸点がTEPA以上のポリアミン類
を高沸点のポリアミン類という場合がある。
【0016】本発明の方法は、上記のEDC法、EO法
で製造された、分子量(沸点)がDETA以上のエチレ
ンアミン類に好適に使用される。分子量がDETAより
も小さいエチレンアミン類は、蒸留のみで高品位の製品
を得ることができ、脱色処理を必要としない場合が多
い。一方、分子量がDETA以上のエチレンアミン類
は、着色不純物が多く、これらを蒸留のみでは除去する
ことができないため、脱色処理が必要不可欠である。
【0017】本発明の方法に使用されるポリアミン類の
混合物としては、例えば、 :上記反応によって得らえる各種エチレンアミン類の
混合物、 :からEDA又はEDA以上N−AEP以下の沸点
を有するエチレンアミン類を蒸留分離した後の蒸留残液
(すなわち、TETA,TEPA,PEHA等の比較的
高沸点のポリアミン類の混合物)、 :又はの蒸留により得られるTETA,TEP
A,PEHA等の各留分又はそれらの混合物等が挙げら
れ、いずれも本発明の方法に好適に用いることができ
る。
【0018】本発明の方法は、水及び無機塩の存在によ
る制限を何等受けるものではない。通常、EDCとアン
モニアの反応により得られたエチレンアミン類の混合物
を本発明に供する場合、その原料中には水及びNaCl
等の無機塩が存在するが、何等問題なく効果的にポリア
ミン類を脱色できる。また、その混合物より比較的低沸
点のエチレンアミン類を蒸留分離したポリアミン類の場
合、原料中に水は存在しないが、この場合も本発明によ
り効果的にポリアミン類を脱色できる。更に、蒸留して
得られるTETA,TEPA,PEHA等の各留分又は
それらの混合物のように、水、無機塩いずれも存在しな
い場合においても好適にポリアミン類を脱色できる。ま
た、ポリアミンにアルカノールアミン類が含まれていて
も良く、本発明の方法により効果的にポリアミン類を脱
色できる。
【0019】本発明の方法は、上記のポリアミン類の混
合物にハロゲン化水素を添加することを必須とする。ハ
ロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水
素、フッ化水素が挙げられ、これらのうち1種を用いて
も良く、又2種以上併用しても良い。フッ化水素酸は、
やや効果が劣るうえその危険性のため取扱いが難しく、
工業的製法において使用するにはあまり好適とはいえな
い。その他の3種はいずれも十分な脱色効果を得られる
が、モル基準での効果は、ヨウ化水素が最も大きく、重
量基準での効果は、臭化水素が最大となる。一方、経済
性からは、塩化水素が好ましい。
【0020】ハロゲン化水素の添加方法は、特に限定さ
れないが、ポリアミン類にハロゲン化水素を気体として
吹き込む方法、ポリアミン類にハロゲン化水素の水溶液
を添加してポリアミンの塩を生成する方法、ポリアミン
類に予め調製したポリアミン類のハロゲン化水素酸塩を
直接添加する方法等が用いられる。一般には、ハロゲン
化水素の水溶液を添加する方法が経済的で操作が容易で
あり望ましい。また、添加するハロゲン化水素酸の水溶
液の濃度は、何等制限されない。
【0021】ハロゲン化水素の添加量は、脱色処理に供
するポリアミン類の着色成分濃度に依存するが、通常ポ
リアミン類に対して、塩酸の場合、HClとして0.05〜
10重量%であり、好ましくは、0.1 〜5重量%である。
添加量が著しく少ない場合、脱色効果が小さくなり、ま
た添加量が著しく多い場合は、短時間のうちに脱色処理
できるもののポリアミンの分解が一部起こり、また装置
材質の腐食が問題となる。
【0022】本発明の方法は、蒸留精製の前処理とし
て、ハロゲン化水素存在下でポリアミン類の混合物を加
熱処理することを必須とする。加熱温度は、通常 150〜
240 ℃の範囲であり、この温度範囲で好適に脱色処理で
きるが、更に好ましくは 170〜 230℃の範囲である。加
熱温度が著しく低い場合、脱色に長時間を要し、また加
熱温度が著しく高い場合は、短時間で脱色できるもの
の、ポリアミン類の分解や装置の腐食等の問題が生じ
る。
【0023】加熱処理時の圧力は、特に限定されるもの
ではなく、大気圧、減圧下、いずれも容易に実施できる
が、減圧下において実施する場合、DETA以下の沸点
を有する成分を留出させながら加熱処理ができるため、
合理的であり経済的である。これにより蒸留操作時間を
大幅に短縮することができる。
【0024】加熱処理に要する時間は、ハロゲン化水素
の添加量と同様、脱色処理に供するポリアミンの着色成
分濃度に依存するが、通常 0.5〜10時間が好ましく、1
〜5時間が更に好ましい。
【0025】本発明の方法は、加熱処理後、蒸留して沸
点がTETA以下の成分を分留することを必須とする。
前述の如く、低沸点成分の蒸留と加熱処理を同時に行っ
ても良いが、TETAの蒸留は加熱処理の後に行うこと
が好ましい。これは、沸点がTETA以上のポリアミン
類は、蒸留しながらの加熱処理では十分な脱色効果が得
られないためである。
【0026】TETAまでの低沸点成分の蒸留は、通
常、PIPの場合常圧で、DETA,N−AEP,TE
TAの場合は5〜100mmHg 程度の減圧下で実施する。ま
た、蒸留の理論段数は通常5〜60段、還流比は通常 0.5
〜10である。以上の操作により、着色のない極めて高品
質の低沸点ポリアミン類が得られ、その着色度は、DE
TAではAPHA10以下、TETAではAPHA30以下
である。
【0027】本発明の方法は、TETA以下の低沸点成
分の蒸留後、その蒸留残液中の過剰な酸をアルカリによ
って中和した後に、再び蒸留してTEPA以上の高沸点
成分を分留することを必須とする。この操作によって、
十分脱色された高品質のTEPA,PEHA,HEPA
を得ることができる。本発明の方法において中和剤とし
て用いるアルカリは、アルカリ金属の水酸化物である。
具体的には水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム
が操作容易で経済的であるため好ましい。
【0028】アルカリの添加方法は特に限定されないが
中和反応にとって有利な水溶液での添加が好適である。
アルカリの添加量は、TEPA,PEHA等の蒸留品質
の面から、蒸留残液に対して、−0.25〜+0.25eq. (当
量)/kgの範囲が好ましい。このときの蒸留残液中の酸
濃度を測定する方法としては、通常、中和滴定法が用い
られる。具体的には、残液の一部を水希釈し、1規定の
水酸化ナトリウム水溶液を過剰量加え、1規定の塩酸で
逆滴定し、酸濃度を求める。
【0029】TEPA以上の沸点を有する成分の蒸留は
通常10mmHg以下の圧力で実施する。また、蒸留の理論段
数は通常1〜30段、還流比は通常0〜5である。こうし
て、着色のない極めて高品質の高沸点ポリアミン類が得
られ、その着色度は、TEPAではガードナー2以下、
PEHAではガードナー6以下である。
【0030】TEPA,PEHA蒸留後の残液中に含ま
れる高分子量ポリアミン類を製品化する場合は、アルカ
リ添加を、より厳密に行う必要がある。これは、アルカ
リ金属のハロゲン化物量が多くなったり、ハロゲン化水
素酸が残存することにより、その製品の品質が低下する
為である。前者の場合、アルカリ金属のハロゲン化物は
通常析出しており、固液分離操作により、かなりの比率
で除くことができる。
【0031】
【発明の効果】次に本発明の効果を列記する。 (1)低沸点ポリアミン類(PIP〜TETA)ばかり
でなく、脱色が困難な高沸点ポリアミン類(TEPA以
上)も効果的・効率的に脱色できる。 (2)低沸点から高沸点までのポリアミン類について、
それぞれの成分毎に高品位ポリアミン類を製造すること
ができる。 (3)ポリアミン類の分解を抑えることができるため、
アルキルアミン等の不純物がほとんど含まれない高品位
ポリアミンを高収率で製造することができる。 (4)脱色に用いる薬剤はハロゲン化水素酸及びアルカ
リ金属の水酸化物であり、非常に経済的である。 (5)操作は加熱と蒸留のみでありまた工程も単純であ
るので、工業的に容易に実施できる。 (6)高沸点ポリアミンであるPEHA蒸留後の残液を
固液分離して、更に高分子量・高沸点である有用なポリ
アミン類を得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。尚、ポリアミン類の色度の評価法としては、ASTM D
-1544 に基づくガードナー比色計測定によるガードナー
表示法、又は、ASTM D-1209-62に基づくPt−Co色相
標準を用いたAPHA表示法を使用した。ガードナー色
度、APHA色度はいずれも数値の増大に伴い、黄褐色
が濃くなるものであり、ガードナー色度1は、ほぼAP
HA色度 250に相当する。
【0033】調製例 EDC法により製造した粗ポリアミン類の混合物から低
沸点成分を蒸留除去し、沸点がDETA以下の成分を
9.8重量%、TETAを53.0重量%、TEPAを23.2重
量%、沸点がPEHA以上の成分を10.2重量%、H2
を 1.3重量%及びNaClを 2.5重量%含有する、ガー
ドナー数8のポリアミン類の混合物を得た。
【0034】実施例1 オールダーショー蒸留塔(5段)、温度計、挿入管、真
空対応攪拌機を具備した1L4口丸底フラスコに、調製
例で得られたポリアミン類の混合物を 500g仕込み、撹
拌しながら、35%塩酸10g(0.096mol)をゆっくり滴下
した。滴下後、系内を充分に窒素で置換した後、真空ポ
ンプにて、圧力を150mmHg とし、混合液をマントルヒー
ターにて昇温した。液温の上昇に伴い、低沸点成分を還
流比1にて留出させ、更に液温を上昇させた。加熱開始
後、約1時間でDETA留分の留出が始まり、その時の
液温は 215℃、塔頂温度は 140℃であった。DETA留
分を還流比1で、3時間留出させた(加熱処理3時
間)。3時間の加熱処理終了時点での液温は 225℃、塔
頂温度は 145℃であった。加熱処理終了後、直ちに冷却
し、圧力を8mmHgまで下げ、引き続き、残りのDETA
留分、及びTETA留分の留出を行った。こうして、D
ETAの沸点以下の留分60.7g,TETA留分 221.1
g,残液222.9gを得た。更に、残液70gに48%NaO
Hを添加し中和した液を、小型の蒸留塔を有する100cc
丸底フラスコに仕込み、1mmHgにて蒸留し、TEPA留
分35.4gを得た。ハロゲン化水素種、ハロゲン化水素水
溶液添加量、加熱処理条件及び得られたTETA及びT
EPAの色度を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】比較例1 塩酸を添加せず、加熱処理を行わない以外は実施例1と
同様にして蒸留を行った。ハロゲン化水素種、ハロゲン
化水素水溶液添加量、加熱処理条件及び得られたTET
A及びTEPAの色度を表1にあわせて示す。表1から
明らかなように、ほとんど脱色されていないTETA、
及びTEPAが得られた。
【0037】実施例2 加熱処理を 1.5時間とする以外は、実施例1と同様な操
作で、脱色処理を行った。ハロゲン化水素種、ハロゲン
化水素水溶液添加量、加熱処理条件及び得られたTET
A及びTEPAの色度を表1にあわせて示す。
【0038】実施例3実施例4 表1に示すハロゲン化水素を0.096mol添加する以外は、
実施例2と同様な操作で、脱色処理を行った。ハロゲン
化水素種、ハロゲン化水素水溶液添加量、加熱処理条件
及び得られたTETA及びTEPAの色度を表1にあわ
せて示す。
【0039】実施例5〜実施例17 表2に示す反応液で行った以外は、実施例1と同様にポ
リアミン類の脱色処理を行った。ハロゲン化水素種、ハ
ロゲン化水素水溶液添加量、加熱処理条件及び得られた
TETA及びTEPAの色度を表2に示す。尚、上記い
ずれの実施例においても、蒸留後のTETA、TEPA
留分の環状/非環状アミン比、不純物等の組成上の問題
点は全く認められなかった。
【0040】
【表2】
【0041】実施例18〜実施例19 表2に示す反応条件で行い、TETA蒸留残液の中和を
48%KOHで行う以外は、実施例1と同様にポリアミン
類の脱色処理を行った。ハロゲン化水素種、ハロゲン化
水素水溶液添加量、加熱処理条件及び得られたTETA
及びTEPAの色度を表2にあわせて示す。尚、上記い
ずれの実施例においても、蒸留後のTETA、TEPA
留分の環状/非環状アミン比、不純物等の組成上の問題
点は全く認められなかった。
【0042】比較例2〜比較例4 表3に示す反応条件で行い、塩酸を添加しない以外は、
実施例1と同様ポリアミン類の脱色処理を行った。ハロ
ゲン化水素種、ハロゲン化水素水溶液添加量、加熱処理
条件及び得られたTETA及びTEPA色度を表3に示
す。表3から明らかなように、ほとんど脱色されていな
いTETA、及びTEPAが得られた。
【0043】
【表3】
【0044】比較例5比較例6 表3に示す反応条件で行い、加熱処理を行わない以外
は、実施例1と同様にポリアミン類の脱色処理を行っ
た。ハロゲン化水素種、ハロゲン化水素水溶液添加量、
加熱処理条件及び得られたTETA及びTEPAの色度
を表3にあわせて示す。表3から明らかなように、脱色
効果の小さいTETA及びTEPAが得られた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンポリアミン類の混合物にハ
    ロゲン化水素を添加し加熱した後、蒸留して沸点がトリ
    エチレンテトラミン以下の成分を分留し、次いでその蒸
    留残液にアルカリ金属の水酸化物を加え中和した後、再
    び蒸留して沸点がテトラエチレンペンタミン以上の成分
    を得ることを特徴とする高品位ポリエチレンポリアミン
    類の製造方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化水素が、塩酸、臭化水素酸及
    びヨウ化水素酸からなる群より選ばれた少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 加熱温度が、 150℃〜 240℃であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 加熱時間が、1〜5時間であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 減圧下で加熱することを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化水素の添加量が、ポリエチレ
    ンポリアミン類に対して、0.05〜10重量%である請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 再び蒸留して得られる沸点がテトラエチ
    レンペンタミン以上の成分が、テトラエチレンペンタミ
    ン、ペンタエチレンヘキサミン、及びヘキサエチレンヘ
    プタミンからなる群より選ばれる1種又はそれ以上であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに
    記載の方法。
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