JPH10339960A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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- JPH10339960A JPH10339960A JP10009749A JP974998A JPH10339960A JP H10339960 A JPH10339960 A JP H10339960A JP 10009749 A JP10009749 A JP 10009749A JP 974998 A JP974998 A JP 974998A JP H10339960 A JPH10339960 A JP H10339960A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性、耐汚染性(残留トナー離型性)、
耐コロナ性等に優れた表面を有し、高寿命で且つ加工性
に優れた電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 電子写真感光体1は、導電性基体10上
に、透明樹脂硬化体中に光導電材料を含む電荷発生層1
1と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材料を含む少なくと
も1つの電荷輸送層12とが順次積層されてなり、少な
くとも最外層12を構成する透明樹脂硬化体が、直鎖状
ポリシロキサンジオールを、それを除く全シリコーン固
形分100重量部に対して1〜100重量部の配合割合
で含むシリコーンレジンの硬化体からなる。
耐コロナ性等に優れた表面を有し、高寿命で且つ加工性
に優れた電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 電子写真感光体1は、導電性基体10上
に、透明樹脂硬化体中に光導電材料を含む電荷発生層1
1と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材料を含む少なくと
も1つの電荷輸送層12とが順次積層されてなり、少な
くとも最外層12を構成する透明樹脂硬化体が、直鎖状
ポリシロキサンジオールを、それを除く全シリコーン固
形分100重量部に対して1〜100重量部の配合割合
で含むシリコーンレジンの硬化体からなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式電子写真複写
機、乾式電子写真印刷機等の感光部に用いられる電子写
真感光体に関する。
機、乾式電子写真印刷機等の感光部に用いられる電子写
真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】乾式電子写真法においては、一般に、感
光ドラム等の電子写真感光体上に電子写真的に画像を形
成し、該電子写真画像を転写用紙上に転写した後、該電
子写真画像を構成する電荷と反対の電荷を持つ顔料入り
熱可塑性樹脂粉末(以下、トナーと記す)を転写用紙上
の該電子写真画像部分に付着させ、目に見える画像とし
て定着させることによって、印刷や複写が行われる。
光ドラム等の電子写真感光体上に電子写真的に画像を形
成し、該電子写真画像を転写用紙上に転写した後、該電
子写真画像を構成する電荷と反対の電荷を持つ顔料入り
熱可塑性樹脂粉末(以下、トナーと記す)を転写用紙上
の該電子写真画像部分に付着させ、目に見える画像とし
て定着させることによって、印刷や複写が行われる。
【0003】従来、電子写真画像形成のために電子写真
感光体に用いられる光導電材料としては、セレン、酸化
亜鉛、酸化カドミウム等の無機の光導電材料が使用され
ていたが、これらは、熱安定性、耐久性、加工性、可撓
性等の特性に関して必ずしも満足し得るものではないた
め、近年では、有機の光導電材料が主流になっている。
この有機光導電材料を用いた電子写真感光体としては、
たとえば、導電性基体上に、透明有機樹脂硬化体中に有
機光導電材料を含む電荷発生層と、透明有機樹脂硬化体
中に電荷輸送材料を含む電荷輸送層とが順次積層されて
なる機能分離型電子写真感光体が用いられることが多
い。このような機能分離型感光体の形状としては、シー
ト状、ベルト状、ドラム状等があるが、金属等の導電体
製の円柱状ドラム芯の周面に、電荷発生層と電荷輸送層
とが順次積層されてなる感光ドラムが主流である。な
お、上記機能分離型感光体において、電荷発生層中およ
び電荷輸送層中の透明樹脂硬化体は、それぞれ光導電材
料および電荷輸送材料のバインダーとして用いられた樹
脂の硬化体である。
感光体に用いられる光導電材料としては、セレン、酸化
亜鉛、酸化カドミウム等の無機の光導電材料が使用され
ていたが、これらは、熱安定性、耐久性、加工性、可撓
性等の特性に関して必ずしも満足し得るものではないた
め、近年では、有機の光導電材料が主流になっている。
この有機光導電材料を用いた電子写真感光体としては、
たとえば、導電性基体上に、透明有機樹脂硬化体中に有
機光導電材料を含む電荷発生層と、透明有機樹脂硬化体
中に電荷輸送材料を含む電荷輸送層とが順次積層されて
なる機能分離型電子写真感光体が用いられることが多
い。このような機能分離型感光体の形状としては、シー
ト状、ベルト状、ドラム状等があるが、金属等の導電体
製の円柱状ドラム芯の周面に、電荷発生層と電荷輸送層
とが順次積層されてなる感光ドラムが主流である。な
お、上記機能分離型感光体において、電荷発生層中およ
び電荷輸送層中の透明樹脂硬化体は、それぞれ光導電材
料および電荷輸送材料のバインダーとして用いられた樹
脂の硬化体である。
【0004】電荷発生層および電荷輸送層の両層には、
透明性、暗所での帯電保持性・静電荷受容性等に関して
高い性能が要求される。特に、電荷輸送層は電子写真感
光体の最外表面となるため、電荷輸送層には、耐摩耗
性、耐汚染性(残留トナー離型性)、耐コロナ性等の性
能に優れていることがさらに要求される。
透明性、暗所での帯電保持性・静電荷受容性等に関して
高い性能が要求される。特に、電荷輸送層は電子写真感
光体の最外表面となるため、電荷輸送層には、耐摩耗
性、耐汚染性(残留トナー離型性)、耐コロナ性等の性
能に優れていることがさらに要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の電子写真感光体には、その電荷輸送層に関して、以
下の問題点があった。転写用紙に転写されずに感光体表
面に残留したトナーを除去するために、感光体表面に
は、通常、クリーニングブレードまたはブラシが接触し
ている。電荷輸送層表面が耐摩耗性に劣ると、クリーニ
ングブレードまたはブラシとの摺接により、電荷輸送層
の表面が荒れ、さらには摩耗して特性が劣化しやすい。
来の電子写真感光体には、その電荷輸送層に関して、以
下の問題点があった。転写用紙に転写されずに感光体表
面に残留したトナーを除去するために、感光体表面に
は、通常、クリーニングブレードまたはブラシが接触し
ている。電荷輸送層表面が耐摩耗性に劣ると、クリーニ
ングブレードまたはブラシとの摺接により、電荷輸送層
の表面が荒れ、さらには摩耗して特性が劣化しやすい。
【0006】また、感光体を帯電させるためにコロナ帯
電装置を使用する場合、コロナ放電により、オゾンが発
生する。有機の透明樹脂硬化体の電荷輸送層では、オゾ
ンが有機樹脂の結合を破壊するため、この場合も、電荷
輸送層の表面が荒れ、特性が劣化しやすい。摩耗および
/またはコロナ放電によって電荷輸送層の表面が荒れる
と、当然、残留トナーのクリーニング性は低下し、感光
特性が劣化し、画像に悪影響を及ぼす。このように電荷
輸送層の表面が荒れやすいと、1つの感光体で印刷でき
る枚数、すなわち、耐刷数の低下につながる。
電装置を使用する場合、コロナ放電により、オゾンが発
生する。有機の透明樹脂硬化体の電荷輸送層では、オゾ
ンが有機樹脂の結合を破壊するため、この場合も、電荷
輸送層の表面が荒れ、特性が劣化しやすい。摩耗および
/またはコロナ放電によって電荷輸送層の表面が荒れる
と、当然、残留トナーのクリーニング性は低下し、感光
特性が劣化し、画像に悪影響を及ぼす。このように電荷
輸送層の表面が荒れやすいと、1つの感光体で印刷でき
る枚数、すなわち、耐刷数の低下につながる。
【0007】近年、電荷輸送層の透明有機樹脂硬化体と
して、透明性と耐摩耗性を考慮した特殊アクリル樹脂ま
たは特殊ポリカーボネート樹脂が多く使用されている
が、上述の耐摩耗性、耐汚染性、耐コロナ性等の性能を
充分に満足しているわけではない。感光体表面の摩耗量
を低減させる方法として、クリーニングブレード、トナ
ー等の感光体周辺物を改良する方法が数多く提案されて
いる。たとえば特開昭57−128376号公報では、
クリーニングブレードの表面にシリコーンオイルを固定
化させて感光体表面とクリーニングブレードの間の摩擦
係数を低減させることによって、感光体表面の摩耗量を
低減させる方法が提案されている。しかし、固定化され
たシリコーンオイルの耐久性がなく、さほどの耐久性向
上にはつながらない。また、特開平4−16855号公
報では、トナーに熱可塑性フッ素樹脂を混入させて感光
体表面とクリーニングブレードの間の摩擦抵抗を低減さ
せることによって感光体表面の摩耗量を低減させる方法
が提案されている。しかし、トナーのコストが高くな
り、且つ、定着条件の範囲が狭くなる欠点がある。
して、透明性と耐摩耗性を考慮した特殊アクリル樹脂ま
たは特殊ポリカーボネート樹脂が多く使用されている
が、上述の耐摩耗性、耐汚染性、耐コロナ性等の性能を
充分に満足しているわけではない。感光体表面の摩耗量
を低減させる方法として、クリーニングブレード、トナ
ー等の感光体周辺物を改良する方法が数多く提案されて
いる。たとえば特開昭57−128376号公報では、
クリーニングブレードの表面にシリコーンオイルを固定
化させて感光体表面とクリーニングブレードの間の摩擦
係数を低減させることによって、感光体表面の摩耗量を
低減させる方法が提案されている。しかし、固定化され
たシリコーンオイルの耐久性がなく、さほどの耐久性向
上にはつながらない。また、特開平4−16855号公
報では、トナーに熱可塑性フッ素樹脂を混入させて感光
体表面とクリーニングブレードの間の摩擦抵抗を低減さ
せることによって感光体表面の摩耗量を低減させる方法
が提案されている。しかし、トナーのコストが高くな
り、且つ、定着条件の範囲が狭くなる欠点がある。
【0008】他方、感光体表面の耐久性を材料的に向上
させる方法として、シリコーン樹脂塗料を表面保護層と
して塗布する方法が提案されている。たとえば、特開平
2−148043号公報では、有機酸および/または無
機酸を含有するシリコーン樹脂塗料の硬化体を、感光層
上に保護層として形成させることによって感光体の耐久
性を向上させる方法が提案されている。シリコーン樹脂
は、一般に、有機樹脂と比較して、その硬化被膜の硬度
が高いため耐摩耗性が向上し、且つ、主構造が無機物で
あるためコロナ放電によるオゾンに侵されにくい特徴が
ある。前記特開平2−148043号公報に記載のシリ
コーン樹脂は、アルコキシシランの加水分解物であり、
その硬化には、硬化触媒を併用しても加熱が必要であ
る。その実施例では、100℃で1時間の硬化時間を要
しており、加工性に劣る欠点がある。また、特開平6−
11853号公報では、シリカを主成分とするコーティ
ング材の硬化体を電荷発生層に使用して、その表面に耐
摩耗性を付与した上で、この電荷発生層を感光体の最外
周に設ける方法が提案されている。最外表面が電荷発生
層になると、最外表面が電荷輸送層である場合と異な
り、感光体表面は正電荷に帯電し、オゾン発生の問題を
回避できる利点がある。しかしながら、シリカを主成分
とするコーティング材は、充分な耐摩耗性を有する硬化
体を形成するためには、通常、200℃以上の加熱処理
を必要とするため、光導電材料の特性を損なう恐れがあ
る。前記特開平6−11853号公報に記載の実施例で
は、80℃の加熱処理で硬化体を形成しているが、低温
硬化を達成できた説明は明記されていない。さらに、こ
の硬化体は、靭性がなく、クラックが発生しやすい欠点
もある。また、前記特開平2−148043号公報およ
び前記特開平6−11853号公報に記載の技術は、有
機材料より硬いシリコーン樹脂またはシリカを感光体の
最外表面に形成させることによって、耐摩耗性と耐コロ
ナ性の改善を目的としているが、残留トナーに対する耐
汚染性(離型性)は考慮されていない。
させる方法として、シリコーン樹脂塗料を表面保護層と
して塗布する方法が提案されている。たとえば、特開平
2−148043号公報では、有機酸および/または無
機酸を含有するシリコーン樹脂塗料の硬化体を、感光層
上に保護層として形成させることによって感光体の耐久
性を向上させる方法が提案されている。シリコーン樹脂
は、一般に、有機樹脂と比較して、その硬化被膜の硬度
が高いため耐摩耗性が向上し、且つ、主構造が無機物で
あるためコロナ放電によるオゾンに侵されにくい特徴が
ある。前記特開平2−148043号公報に記載のシリ
コーン樹脂は、アルコキシシランの加水分解物であり、
その硬化には、硬化触媒を併用しても加熱が必要であ
る。その実施例では、100℃で1時間の硬化時間を要
しており、加工性に劣る欠点がある。また、特開平6−
11853号公報では、シリカを主成分とするコーティ
ング材の硬化体を電荷発生層に使用して、その表面に耐
摩耗性を付与した上で、この電荷発生層を感光体の最外
周に設ける方法が提案されている。最外表面が電荷発生
層になると、最外表面が電荷輸送層である場合と異な
り、感光体表面は正電荷に帯電し、オゾン発生の問題を
回避できる利点がある。しかしながら、シリカを主成分
とするコーティング材は、充分な耐摩耗性を有する硬化
体を形成するためには、通常、200℃以上の加熱処理
を必要とするため、光導電材料の特性を損なう恐れがあ
る。前記特開平6−11853号公報に記載の実施例で
は、80℃の加熱処理で硬化体を形成しているが、低温
硬化を達成できた説明は明記されていない。さらに、こ
の硬化体は、靭性がなく、クラックが発生しやすい欠点
もある。また、前記特開平2−148043号公報およ
び前記特開平6−11853号公報に記載の技術は、有
機材料より硬いシリコーン樹脂またはシリカを感光体の
最外表面に形成させることによって、耐摩耗性と耐コロ
ナ性の改善を目的としているが、残留トナーに対する耐
汚染性(離型性)は考慮されていない。
【0009】上記のように耐摩耗性、耐汚染性、耐コロ
ナ性等に問題があると、電子写真感光体の寿命が短く、
電子写真感光体を頻繁に交換する必要がある。そこで、
本発明の課題は、耐摩耗性、耐汚染性(残留トナー離型
性)、耐コロナ性等に優れた表面を有し、高寿命で、か
つ、加工性に優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。
ナ性等に問題があると、電子写真感光体の寿命が短く、
電子写真感光体を頻繁に交換する必要がある。そこで、
本発明の課題は、耐摩耗性、耐汚染性(残留トナー離型
性)、耐コロナ性等に優れた表面を有し、高寿命で、か
つ、加工性に優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子写真感
光体は、導電性基体上に、透明樹脂硬化体中に光導電材
料を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材
料を含む少なくとも1つの電荷輸送層とが順次積層され
てなる電子写真感光体において、その少なくとも最外層
を構成する透明樹脂硬化体が、下記(A)成分を、この
(A)成分を除く全シリコーン固形分100重量部に対
して1〜100重量部の配合割合で含むシリコーンレジ
ンの硬化体からなることを特徴とする。 (A)成分: 一般式HO(R1 2 SiO)n H …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の1価の炭化
水素基を示し、nは3以上の整数である)直鎖状ポリシ
ロキサンジオール(以下、これを「直鎖状ポリシロキサ
ンジオール(A)」と称することがある)。
光体は、導電性基体上に、透明樹脂硬化体中に光導電材
料を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材
料を含む少なくとも1つの電荷輸送層とが順次積層され
てなる電子写真感光体において、その少なくとも最外層
を構成する透明樹脂硬化体が、下記(A)成分を、この
(A)成分を除く全シリコーン固形分100重量部に対
して1〜100重量部の配合割合で含むシリコーンレジ
ンの硬化体からなることを特徴とする。 (A)成分: 一般式HO(R1 2 SiO)n H …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の1価の炭化
水素基を示し、nは3以上の整数である)直鎖状ポリシ
ロキサンジオール(以下、これを「直鎖状ポリシロキサ
ンジオール(A)」と称することがある)。
【0011】前記(A)成分である前記直鎖状ポリシロ
キサンジオールを表す前記式(I)中のnは10≦n≦
50の範囲内であることが好ましい。前記シリコーンレ
ジンは、下記シリコーンレジン(1)または(2)であ
ることが好ましい。シリコーンレジン(1)は、前記
(A)成分に加え、さらに下記(B)成分を含む。 (B)成分:(B1 )一般式R3 Si(OR2 )3 で表
されるケイ素化合物100重量部に対し、(B2 )一般
式Si(OR2 )4 で表されるケイ素化合物および/ま
たはコロイダルシリカ20〜200重量部を含む加水分
解性混合物(ここでR2 、R 3 は1価の炭化水素基を示
す)の加水分解重縮合物であって、この加水分解重縮合
物の重量平均分子量がポリスチレン換算で800以上に
なるように調整されているオルガノシロキサン(以下、
これを「オルガノシロキサン(B)」と称することがあ
る)。
キサンジオールを表す前記式(I)中のnは10≦n≦
50の範囲内であることが好ましい。前記シリコーンレ
ジンは、下記シリコーンレジン(1)または(2)であ
ることが好ましい。シリコーンレジン(1)は、前記
(A)成分に加え、さらに下記(B)成分を含む。 (B)成分:(B1 )一般式R3 Si(OR2 )3 で表
されるケイ素化合物100重量部に対し、(B2 )一般
式Si(OR2 )4 で表されるケイ素化合物および/ま
たはコロイダルシリカ20〜200重量部を含む加水分
解性混合物(ここでR2 、R 3 は1価の炭化水素基を示
す)の加水分解重縮合物であって、この加水分解重縮合
物の重量平均分子量がポリスチレン換算で800以上に
なるように調整されているオルガノシロキサン(以下、
これを「オルガノシロキサン(B)」と称することがあ
る)。
【0012】ここで、前記加水分解性混合物は、前記
(B1 )100重量部に対し、(B3)一般式R3 2 S
i(OR2 )2 で表されるケイ素化合物60重量部以下
をさらに含むことが好ましい。シリコーンレジン(2)
は、前記(A)成分に加え、さらに下記(C)、(D)
および(E)成分を、(C)成分と(D)成分の合計1
00重量部に対し、(C)成分1〜99重量部、(D)
成分1〜99重量部、(E)成分0.0001〜10重
量部の配合割合で含む。 (C)成分: 一般式R4 m SiX4-m …(II) で表される(ここでR4 は同一または異種の置換もしく
は非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す)加水分解性オ
ルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒
に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性基
(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを使
用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラン
のシリカ分散オリゴマー溶液(以下、これを「シリカ分
散オリゴマー溶液(C)」と称することがある)。 (D)成分: 平均組成式R5 a Si(OH)b O(4-a-b)/2 …(III) で表され(ここでR5 は同一または異種の置換もしくは
非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
びbはそれぞれ0.2≦a<2、0.0001≦b≦
3、a+b<4の関係を満たす数である)、分子中にシ
ラノール基を含有するポリオルガノシロキサン(以下、
これを「ポリオルガノシロキサン(D)」と称すること
がある)。 (E)成分:硬化触媒(以下、これを「硬化触媒
(E)」と称することがある)。
(B1 )100重量部に対し、(B3)一般式R3 2 S
i(OR2 )2 で表されるケイ素化合物60重量部以下
をさらに含むことが好ましい。シリコーンレジン(2)
は、前記(A)成分に加え、さらに下記(C)、(D)
および(E)成分を、(C)成分と(D)成分の合計1
00重量部に対し、(C)成分1〜99重量部、(D)
成分1〜99重量部、(E)成分0.0001〜10重
量部の配合割合で含む。 (C)成分: 一般式R4 m SiX4-m …(II) で表される(ここでR4 は同一または異種の置換もしく
は非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す)加水分解性オ
ルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒
に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性基
(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを使
用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラン
のシリカ分散オリゴマー溶液(以下、これを「シリカ分
散オリゴマー溶液(C)」と称することがある)。 (D)成分: 平均組成式R5 a Si(OH)b O(4-a-b)/2 …(III) で表され(ここでR5 は同一または異種の置換もしくは
非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
びbはそれぞれ0.2≦a<2、0.0001≦b≦
3、a+b<4の関係を満たす数である)、分子中にシ
ラノール基を含有するポリオルガノシロキサン(以下、
これを「ポリオルガノシロキサン(D)」と称すること
がある)。 (E)成分:硬化触媒(以下、これを「硬化触媒
(E)」と称することがある)。
【0013】本発明で用いられるシリコーンレジンは、
さらに下記(F)成分を、前記(A)成分を除く全シリ
コーン固形分100重量部に対して1〜100重量部の
配合割合で含むことが好ましい(これは、シリコーンレ
ジンの好ましい例として前述したシリコーンレジン
(1)および(2)についても同様)。 (F)成分: 一般式CH2 =CR6 (COOR7 ) …(IV) で表される(ここでR6 は水素原子および/またはメチ
ル基を示す)モノマーであって、R7 が置換もしくは非
置換で炭素数1〜9の1価炭化水素基である第1の(メ
タ)アクリル酸エステルと、R7 がエポキシ基、グリシ
ジル基およびこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化
水素基からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の基
である第2の(メタ)アクリル酸エステルと、R7 がア
ルコキシシリル基および/またはハロゲン化シリル基を
含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル酸エステ
ルと、の共重合体であるアクリル樹脂(以下、これを
「アクリル樹脂(F)」と称することがある)。
さらに下記(F)成分を、前記(A)成分を除く全シリ
コーン固形分100重量部に対して1〜100重量部の
配合割合で含むことが好ましい(これは、シリコーンレ
ジンの好ましい例として前述したシリコーンレジン
(1)および(2)についても同様)。 (F)成分: 一般式CH2 =CR6 (COOR7 ) …(IV) で表される(ここでR6 は水素原子および/またはメチ
ル基を示す)モノマーであって、R7 が置換もしくは非
置換で炭素数1〜9の1価炭化水素基である第1の(メ
タ)アクリル酸エステルと、R7 がエポキシ基、グリシ
ジル基およびこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化
水素基からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の基
である第2の(メタ)アクリル酸エステルと、R7 がア
ルコキシシリル基および/またはハロゲン化シリル基を
含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル酸エステ
ルと、の共重合体であるアクリル樹脂(以下、これを
「アクリル樹脂(F)」と称することがある)。
【0014】なお、本明細書中、(メタ)アクリル酸エ
ステルは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エス
テルのいずれか一方または両方を指す。本発明の電子写
真感光体においては、前記電荷発生層と前記電荷輸送層
との間に、透明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中
塗り層がさらに積層されていることが好ましい。
ステルは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エス
テルのいずれか一方または両方を指す。本発明の電子写
真感光体においては、前記電荷発生層と前記電荷輸送層
との間に、透明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中
塗り層がさらに積層されていることが好ましい。
【0015】本発明の電子写真感光体においては、前記
電荷輸送層が複数あり、それらの層間の少なくとも1つ
に、透明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中塗り層
がさらに積層されていてもよい。
電荷輸送層が複数あり、それらの層間の少なくとも1つ
に、透明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中塗り層
がさらに積層されていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、シリコーンレジ
ンは、電子写真感光体の少なくとも最外層のバインダー
樹脂または造膜成分として用いられる。シリコーンのケ
イ素単位には、一般に、下式化1:
ンは、電子写真感光体の少なくとも最外層のバインダー
樹脂または造膜成分として用いられる。シリコーンのケ
イ素単位には、一般に、下式化1:
【0017】
【化1】
【0018】(ここで、Rは同一または異種の1価の有
機基を表す。)に示す、単官能、2官能、3官能および
4官能のケイ素単位があるが、本発明で用いられるシリ
コーンレジンは、これらのケイ素単位のうち、直鎖状ポ
リシロキサンジオール(A)に由来する2官能のケイ素
単位を必須単位として含むとともに、3官能のケイ素単
位および4官能のケイ素単位のいずれか一方または両方
を、全ケイ素単位の合計数に対し、好ましくは30%以
上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは40
%以上の数(シリコーンレジンが3官能のケイ素単位お
よび4官能のケイ素単位を両方とも含む場合はそれらの
合計数)含む。この数の割合が30%未満だと、シリコ
ーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の硬化被
膜は、架橋密度が低く、被膜強度が不十分で、耐摩耗性
に欠けるものになる傾向がある。
機基を表す。)に示す、単官能、2官能、3官能および
4官能のケイ素単位があるが、本発明で用いられるシリ
コーンレジンは、これらのケイ素単位のうち、直鎖状ポ
リシロキサンジオール(A)に由来する2官能のケイ素
単位を必須単位として含むとともに、3官能のケイ素単
位および4官能のケイ素単位のいずれか一方または両方
を、全ケイ素単位の合計数に対し、好ましくは30%以
上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは40
%以上の数(シリコーンレジンが3官能のケイ素単位お
よび4官能のケイ素単位を両方とも含む場合はそれらの
合計数)含む。この数の割合が30%未満だと、シリコ
ーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の硬化被
膜は、架橋密度が低く、被膜強度が不十分で、耐摩耗性
に欠けるものになる傾向がある。
【0019】本発明で用いられるシリコーンレジンは、
前記直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を必須成分と
して含む。直鎖状ポリシロキサンジオール(A)は、そ
れを含むシリコーンレジンの硬化被膜の表面を撥水性に
するとともに、該表面の摩擦係数を低減させる効果があ
る。そのため、この直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンを用いて電子写真感光体
の少なくとも最外層を形成すれば、表面撥水性効果によ
り電子写真感光体の表面に優れた残留トナー離型性を付
与し、且つ、クリーニングブレードと電子写真感光体表
面の間の摩擦係数を低減させる効果により電子写真感光
体の摩耗量を低減させることができる(もちろん、シリ
コーンレジンを電子写真感光体の最外層の造膜成分とし
て用いること自体によって電子写真感光体の表面硬度が
アップするので、耐摩耗性はそれだけでも向上する)。
前記直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を必須成分と
して含む。直鎖状ポリシロキサンジオール(A)は、そ
れを含むシリコーンレジンの硬化被膜の表面を撥水性に
するとともに、該表面の摩擦係数を低減させる効果があ
る。そのため、この直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンを用いて電子写真感光体
の少なくとも最外層を形成すれば、表面撥水性効果によ
り電子写真感光体の表面に優れた残留トナー離型性を付
与し、且つ、クリーニングブレードと電子写真感光体表
面の間の摩擦係数を低減させる効果により電子写真感光
体の摩耗量を低減させることができる(もちろん、シリ
コーンレジンを電子写真感光体の最外層の造膜成分とし
て用いること自体によって電子写真感光体の表面硬度が
アップするので、耐摩耗性はそれだけでも向上する)。
【0020】直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を表
す前記一般式(I)中、R1 は、1価の炭化水素基であ
れば特に限定はされないが、たとえば、置換または非置
換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が挙げられる。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル
基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−
クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル
基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これ
らの中でも、合成の容易さ或いは入手の容易さから炭素
数1〜4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。
す前記一般式(I)中、R1 は、1価の炭化水素基であ
れば特に限定はされないが、たとえば、置換または非置
換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が挙げられる。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル
基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−
クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル
基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これ
らの中でも、合成の容易さ或いは入手の容易さから炭素
数1〜4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。
【0021】上記のようなR1 を有する直鎖状ポリシロ
キサンジオールの中でも、シリコーンレジンを含む後述
のコーティング材組成物の硬化被膜に、より優れた残留
トナー離型性を付与するためには、ジメチルシロキサン
ジオール、メチルフェニルシロキサンジオールが好まし
い。直鎖状ポリシロキサンジオール(A)は、末端OH
基以外の反応基を有していないため、反応性に比較的乏
しい分子である。そのため、シリコーンレジンに配合さ
れた直鎖状ポリシロキサンジオール(A)は、シリコー
ンレジンを含む後述のコーティング材組成物中での完全
な相溶性に欠け、超微粒子として分散しているので、容
易に前記コーティング材組成物の塗膜表面に配位して単
分子層を形成するが、最終的には、末端反応性基である
シラノール基がバルク樹脂と縮合反応して塗膜表面に固
定化される。その結果、シロキサン結合が硬化被膜表面
に高密度に局在化して、硬化被膜に優れた残留トナー離
型性を長期間付与することができる。前記式(I)中の
nが比較的小さいものは相溶性に優れるため、塗膜表面
で層を形成するだけではなく、バルクに取り込まれるこ
とで硬化被膜に弾性および靭性を付与し、電子写真感光
体の変形に対する硬化被膜の追随性を改善し、クラック
防止効果にもつながる。
キサンジオールの中でも、シリコーンレジンを含む後述
のコーティング材組成物の硬化被膜に、より優れた残留
トナー離型性を付与するためには、ジメチルシロキサン
ジオール、メチルフェニルシロキサンジオールが好まし
い。直鎖状ポリシロキサンジオール(A)は、末端OH
基以外の反応基を有していないため、反応性に比較的乏
しい分子である。そのため、シリコーンレジンに配合さ
れた直鎖状ポリシロキサンジオール(A)は、シリコー
ンレジンを含む後述のコーティング材組成物中での完全
な相溶性に欠け、超微粒子として分散しているので、容
易に前記コーティング材組成物の塗膜表面に配位して単
分子層を形成するが、最終的には、末端反応性基である
シラノール基がバルク樹脂と縮合反応して塗膜表面に固
定化される。その結果、シロキサン結合が硬化被膜表面
に高密度に局在化して、硬化被膜に優れた残留トナー離
型性を長期間付与することができる。前記式(I)中の
nが比較的小さいものは相溶性に優れるため、塗膜表面
で層を形成するだけではなく、バルクに取り込まれるこ
とで硬化被膜に弾性および靭性を付与し、電子写真感光
体の変形に対する硬化被膜の追随性を改善し、クラック
防止効果にもつながる。
【0022】前記式(I)中、nは10≦n≦50の範
囲内であることが望ましく、20≦n≦40の範囲内で
あることがさらに望ましい。nが10未満では残留トナ
ー離型性向上の効果が小さくなる傾向がある。nが50
を超えると、直鎖状ポリシロキサンジオール(A)とバ
ルク被膜との相対的な結合強度が低下し、長期に硬化被
膜表面に固定化されず、残留トナー離型性の発現が持続
されなくなる傾向がある。
囲内であることが望ましく、20≦n≦40の範囲内で
あることがさらに望ましい。nが10未満では残留トナ
ー離型性向上の効果が小さくなる傾向がある。nが50
を超えると、直鎖状ポリシロキサンジオール(A)とバ
ルク被膜との相対的な結合強度が低下し、長期に硬化被
膜表面に固定化されず、残留トナー離型性の発現が持続
されなくなる傾向がある。
【0023】シリコーンレジン中の直鎖状ポリシロキサ
ンジオール(A)の配合割合は、特に限定はされない
が、たとえば、直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を
除く全シリコーン固形分100重量部に対して1〜10
0重量部(好ましくは5〜80重量部)の割合である。
(A)の配合量が1重量部未満だと残留トナー離型性の
発現が弱くなる傾向があり、100重量部を超えると塗
膜の硬化阻害を引き起こしてしまう傾向がある。
ンジオール(A)の配合割合は、特に限定はされない
が、たとえば、直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を
除く全シリコーン固形分100重量部に対して1〜10
0重量部(好ましくは5〜80重量部)の割合である。
(A)の配合量が1重量部未満だと残留トナー離型性の
発現が弱くなる傾向があり、100重量部を超えると塗
膜の硬化阻害を引き起こしてしまう傾向がある。
【0024】本発明で用いられるシリコーンレジンは、
透明性、耐摩耗性の点で、前記(A)成分に加え、さら
に前記(B)成分を含むシリコーンレジン(1)である
ことが好ましく、透明性、耐摩耗性、室温(常温)硬化
性の点で、前記(A)成分に加え、さらに前記(C)、
(D)および(E)成分を含むシリコーンレジン(2)
であることが好ましい。
透明性、耐摩耗性の点で、前記(A)成分に加え、さら
に前記(B)成分を含むシリコーンレジン(1)である
ことが好ましく、透明性、耐摩耗性、室温(常温)硬化
性の点で、前記(A)成分に加え、さらに前記(C)、
(D)および(E)成分を含むシリコーンレジン(2)
であることが好ましい。
【0025】シリコーンレジン(1)に含まれる前記
(B)成分すなわちオルガノシロキサン(B)の原料と
しては、前記ケイ素化合物(B1 )および(B2 )を含
む加水分解性混合物が用いられるが、この加水分解性混
合物にはさらに前記ケイ素化合物(B3 )が含まれてい
ることが、シリコーンレジンを含む後述のコーティング
材組成物の硬化被膜に靱性を付与する点で好ましい。
(B)成分すなわちオルガノシロキサン(B)の原料と
しては、前記ケイ素化合物(B1 )および(B2 )を含
む加水分解性混合物が用いられるが、この加水分解性混
合物にはさらに前記ケイ素化合物(B3 )が含まれてい
ることが、シリコーンレジンを含む後述のコーティング
材組成物の硬化被膜に靱性を付与する点で好ましい。
【0026】ケイ素化合物(B1 )〜(B3 )は、 一般式R3 p Si(OR2 )4-p …(V) で総体的に表すことができる(ここでR2 、R3 は1価
の炭化水素基を示し、pは0〜2の整数)。R3 として
は、特に限定はされないが、たとえば、置換または非置
換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が挙げられる。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル
基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−
クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル
基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これ
らの中でも、合成の容易さ或いは入手の容易さから炭素
数1〜4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。
の炭化水素基を示し、pは0〜2の整数)。R3 として
は、特に限定はされないが、たとえば、置換または非置
換で炭素数1〜8の1価の炭化水素基が挙げられる。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル
基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−
クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル
基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これ
らの中でも、合成の容易さ或いは入手の容易さから炭素
数1〜4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。
【0027】また、R2 としては、特に限定はされない
が、たとえば、炭素数1〜4のアルキル基を主原料とす
るものが用いられる。特に、p=0のテトラアルコキシ
シランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシランなどが例示でき、p=1のオルガノトリアルコ
キシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメト
キシシランなどが例示できる。また、p=2のジオルガ
ノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニ
ルジメトキシシランなどが例示できる。
が、たとえば、炭素数1〜4のアルキル基を主原料とす
るものが用いられる。特に、p=0のテトラアルコキシ
シランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシランなどが例示でき、p=1のオルガノトリアルコ
キシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメト
キシシランなどが例示できる。また、p=2のジオルガ
ノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニ
ルジメトキシシランなどが例示できる。
【0028】これらR2 、R3 は、ケイ素化合物
(B1 )〜(B3 )の間で同一のものであってもよい
し、違うものであってもよい。オルガノシロキサン
(B)は、たとえば、前記加水分解性混合物を適当な溶
剤で希釈し、そこに硬化剤としての水および触媒を必要
量添加して、加水分解および重縮合反応を行わせてプレ
ポリマー化させることにより調製することができる。そ
の際、得られるプレポリマーの重量平均分子量(Mw)
がポリスチレン換算で800以上、好ましくは850以
上、より好ましくは900以上になるように調整する。
プレポリマーの分子量分布(重量平均分子量(Mw))
が800より小さいときは、シリコーンレジン(1)の
縮重合の際の硬化収縮が大きくて硬化後に、シリコーン
レジンを含む後述のコーティング材組成物の塗膜にクラ
ックが発生しやすくなったりする。
(B1 )〜(B3 )の間で同一のものであってもよい
し、違うものであってもよい。オルガノシロキサン
(B)は、たとえば、前記加水分解性混合物を適当な溶
剤で希釈し、そこに硬化剤としての水および触媒を必要
量添加して、加水分解および重縮合反応を行わせてプレ
ポリマー化させることにより調製することができる。そ
の際、得られるプレポリマーの重量平均分子量(Mw)
がポリスチレン換算で800以上、好ましくは850以
上、より好ましくは900以上になるように調整する。
プレポリマーの分子量分布(重量平均分子量(Mw))
が800より小さいときは、シリコーンレジン(1)の
縮重合の際の硬化収縮が大きくて硬化後に、シリコーン
レジンを含む後述のコーティング材組成物の塗膜にクラ
ックが発生しやすくなったりする。
【0029】オルガノシロキサン(B)を調製する際の
原料(B1 )および(B2 )の使用量は、(B1 )10
0重量部に対して、(B2 )20〜200重量部(好ま
しくは40〜160重量部、より好ましくは60〜12
0重量部)の割合である。(B2 )の使用量が上記範囲
より少ないと、シリコーンレジンを含む後述のコーティ
ング材組成物の硬化被膜の所望の硬度が得られない(硬
度が低くなる)という問題があり、逆に上記範囲より多
いと、硬化被膜の架橋密度が高すぎて硬度が高くなりす
ぎ、そのためクラックを発生しやすいという問題があ
る。
原料(B1 )および(B2 )の使用量は、(B1 )10
0重量部に対して、(B2 )20〜200重量部(好ま
しくは40〜160重量部、より好ましくは60〜12
0重量部)の割合である。(B2 )の使用量が上記範囲
より少ないと、シリコーンレジンを含む後述のコーティ
ング材組成物の硬化被膜の所望の硬度が得られない(硬
度が低くなる)という問題があり、逆に上記範囲より多
いと、硬化被膜の架橋密度が高すぎて硬度が高くなりす
ぎ、そのためクラックを発生しやすいという問題があ
る。
【0030】必要に応じてさらに原料(B3 )を用いる
場合は、(B1 )〜(B3 )の使用量は、(B1 )10
0重量部に対して、(B2 )20〜200重量部(好ま
しくは40〜160重量部、より好ましくは60〜12
0重量部)、(B3 )60重量部以下(好ましくは40
重量部以下、より好ましくは30重量部以下)の割合で
ある。(B2 )の使用量が上記範囲より少ないか、ある
いは、(B3 ) の使用量が上記範囲より多いと、硬化被
膜の所望の硬度が得られない(硬度が低くなる)という
問題がある。また、(B2 )の使用量が上記範囲より多
いと、硬化被膜の架橋密度が高すぎて硬度が高くなりす
ぎ、そのためクラックを発生しやすいという問題があ
る。
場合は、(B1 )〜(B3 )の使用量は、(B1 )10
0重量部に対して、(B2 )20〜200重量部(好ま
しくは40〜160重量部、より好ましくは60〜12
0重量部)、(B3 )60重量部以下(好ましくは40
重量部以下、より好ましくは30重量部以下)の割合で
ある。(B2 )の使用量が上記範囲より少ないか、ある
いは、(B3 ) の使用量が上記範囲より多いと、硬化被
膜の所望の硬度が得られない(硬度が低くなる)という
問題がある。また、(B2 )の使用量が上記範囲より多
いと、硬化被膜の架橋密度が高すぎて硬度が高くなりす
ぎ、そのためクラックを発生しやすいという問題があ
る。
【0031】原料(B2 )として使用できるコロイダル
シリカとしては、特に限定はされないが、たとえば、水
分散性あるいはアルコール等の非水系の有機溶媒分散性
コロイダルシリカが使用できる。一般に、このようなコ
ロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50
重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定で
きる。また、水分散性コロイダルシリカを使用する場
合、固形分以外の成分として存在する水は、後に示すよ
うに硬化剤として用いることができる。水分散性コロイ
ダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市販品
として容易に入手することができる。また、有機溶媒分
散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダルシリ
カの水を有機溶媒と置換することで容易に調製すること
ができる。このような有機溶媒分散性コロイダルシリカ
も水分散性コロイダルシリカと同様に市販品として容易
に入手することができる。有機溶媒分散性コロイダルシ
リカにおいて、コロイダルシリカが分散している有機溶
媒の種類は、たとえば、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低
級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;
ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジ
アセトンアルコール等を挙げることができ、これらから
なる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用
することができる。これらの親水性有機溶媒と併用して
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチル
ケトオキシム等も用いることができる。
シリカとしては、特に限定はされないが、たとえば、水
分散性あるいはアルコール等の非水系の有機溶媒分散性
コロイダルシリカが使用できる。一般に、このようなコ
ロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50
重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定で
きる。また、水分散性コロイダルシリカを使用する場
合、固形分以外の成分として存在する水は、後に示すよ
うに硬化剤として用いることができる。水分散性コロイ
ダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市販品
として容易に入手することができる。また、有機溶媒分
散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダルシリ
カの水を有機溶媒と置換することで容易に調製すること
ができる。このような有機溶媒分散性コロイダルシリカ
も水分散性コロイダルシリカと同様に市販品として容易
に入手することができる。有機溶媒分散性コロイダルシ
リカにおいて、コロイダルシリカが分散している有機溶
媒の種類は、たとえば、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低
級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;
ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジ
アセトンアルコール等を挙げることができ、これらから
なる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用
することができる。これらの親水性有機溶媒と併用して
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチル
ケトオキシム等も用いることができる。
【0032】なお、原料(B2 )としてコロイダルシリ
カを用いる場合、(B2 )の前記使用割合は分散媒も含
む重量部である。また、前記加水分解性混合物の加水分
解重縮合反応の際に用いられる硬化剤としては、水が用
いられるが、この量としては、加水分解性混合物中に含
まれるOR1 基1モル当量当たり、水0.01〜3.0
モルが好ましく、0.3〜1.5モルがさらに好まし
い。
カを用いる場合、(B2 )の前記使用割合は分散媒も含
む重量部である。また、前記加水分解性混合物の加水分
解重縮合反応の際に用いられる硬化剤としては、水が用
いられるが、この量としては、加水分解性混合物中に含
まれるOR1 基1モル当量当たり、水0.01〜3.0
モルが好ましく、0.3〜1.5モルがさらに好まし
い。
【0033】加水分解性混合物の加水分解重縮合反応の
際に用いられる希釈溶剤としては、コロイダルシリカの
分散溶媒として前述した、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の
低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導
体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およ
びジアセトンアルコール等を挙げることができ、これら
からなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを
使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用
してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトオキシムなども例示することができる。
際に用いられる希釈溶剤としては、コロイダルシリカの
分散溶媒として前述した、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の
低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導
体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およ
びジアセトンアルコール等を挙げることができ、これら
からなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを
使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用
してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトオキシムなども例示することができる。
【0034】また、オルガノシロキサン(B)のpHは
3.8〜6の範囲内に調整されていることが好ましい。
pHがこの範囲内であれば、前記の分子量の範囲内で、
安定してオルガノシロキサン(B)を使用することがで
きる。pHがこの範囲外であると、オルガノシロキサン
(B)の安定性が悪いため、シリコーンレジンを含む後
述のコーティング材組成物の調製時からの使用できる期
間が限られてしまう。ここで、pH調整方法は、特に限
定されるものではないが、たとえば、オルガノシロキサ
ン(B)の原料混合時、pHが3.8未満となった場合
は、たとえば、アンモニア等の塩基性試薬を用いて前記
範囲内のpHに調整すればよく、pHが6を超えた場合
も、たとえば、塩酸等の酸性試薬を用いて調整すればよ
い。また、pHによっては、分子量が小さいまま逆に反
応が進まず、前記分子量範囲に到達させるのに時間がか
かる場合は、オルガノシロキサン(B)を加熱して反応
を促進してもよいし、酸性試薬でpHを下げて反応を進
めた後、塩基性試薬で所定のpHに戻してもよい。
3.8〜6の範囲内に調整されていることが好ましい。
pHがこの範囲内であれば、前記の分子量の範囲内で、
安定してオルガノシロキサン(B)を使用することがで
きる。pHがこの範囲外であると、オルガノシロキサン
(B)の安定性が悪いため、シリコーンレジンを含む後
述のコーティング材組成物の調製時からの使用できる期
間が限られてしまう。ここで、pH調整方法は、特に限
定されるものではないが、たとえば、オルガノシロキサ
ン(B)の原料混合時、pHが3.8未満となった場合
は、たとえば、アンモニア等の塩基性試薬を用いて前記
範囲内のpHに調整すればよく、pHが6を超えた場合
も、たとえば、塩酸等の酸性試薬を用いて調整すればよ
い。また、pHによっては、分子量が小さいまま逆に反
応が進まず、前記分子量範囲に到達させるのに時間がか
かる場合は、オルガノシロキサン(B)を加熱して反応
を促進してもよいし、酸性試薬でpHを下げて反応を進
めた後、塩基性試薬で所定のpHに戻してもよい。
【0035】シリコーンレジン(1)は、加熱硬化させ
る場合は硬化触媒を含む必要はないが、オルガノシロキ
サン(B)の縮合反応を促進することによって、シリコ
ーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の塗布被
膜の加熱硬化を促進させたり同被膜を常温で硬化させた
りする目的で必要に応じて、さらに硬化触媒を含むこと
ができる。硬化触媒としては、特に限定はされないが、
たとえば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸錫、ジブ
チル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート等のカ
ルボン酸金属塩類;ジブチルアミン−2−ヘキソエー
ト、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセ
テート等のアミン塩類;酢酸テトラメチルアンモニウム
等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペ
ンタミン等のアミン類、N−β−アミノエチル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチ
ル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のア
ミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン
酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシ
ド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物;酢
酸リチウム、酢酸カリウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリ
ウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属塩;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等の
チタニウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチル
ジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロ
ゲン化シラン類等が挙げられる。しかし、これらの他
に、オルガノシロキサン(B)の縮合反応の促進に有効
なものであれば特に制限はない。
る場合は硬化触媒を含む必要はないが、オルガノシロキ
サン(B)の縮合反応を促進することによって、シリコ
ーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の塗布被
膜の加熱硬化を促進させたり同被膜を常温で硬化させた
りする目的で必要に応じて、さらに硬化触媒を含むこと
ができる。硬化触媒としては、特に限定はされないが、
たとえば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸錫、ジブ
チル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート等のカ
ルボン酸金属塩類;ジブチルアミン−2−ヘキソエー
ト、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセ
テート等のアミン塩類;酢酸テトラメチルアンモニウム
等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペ
ンタミン等のアミン類、N−β−アミノエチル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチ
ル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のア
ミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン
酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシ
ド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物;酢
酸リチウム、酢酸カリウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリ
ウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属塩;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等の
チタニウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチル
ジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロ
ゲン化シラン類等が挙げられる。しかし、これらの他
に、オルガノシロキサン(B)の縮合反応の促進に有効
なものであれば特に制限はない。
【0036】シリコーンレジン(1)が硬化触媒をも含
む場合、その量は、オルガノシロキサン(B)に対し、
好ましくは10重量%以下、より好ましくは8%以下で
ある。10重量%を超えると、シリコーンレジンを含む
後述のコーティング材組成物の貯蔵安定性を損なう可能
性がある。シリコーンレジン(2)に含まれる前記
(C)成分すなわちシリカ分散オリゴマー溶液(C)
は、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成
物の硬化被膜形成に際して、硬化反応に預かる官能性基
としての加水分解性基(X)を有するベースポリマーの
主成分である。これは、たとえば、有機溶媒または水
(有機溶媒と水との混合溶媒でもよい)に分散されたコ
ロイダルシリカに、前記一般式(II)で表される加水分
解性オルガノシランの1種あるいは2種以上を加え、水
(コロイダルシリカ中に予め含まれていた水および/ま
たは別途添加された水)を前記加水分解性基(X)1モ
ル当量当たり水0.001〜0.5モル使用する条件下
で、該加水分解性オルガノシランを部分加水分解するこ
とで得られる。
む場合、その量は、オルガノシロキサン(B)に対し、
好ましくは10重量%以下、より好ましくは8%以下で
ある。10重量%を超えると、シリコーンレジンを含む
後述のコーティング材組成物の貯蔵安定性を損なう可能
性がある。シリコーンレジン(2)に含まれる前記
(C)成分すなわちシリカ分散オリゴマー溶液(C)
は、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成
物の硬化被膜形成に際して、硬化反応に預かる官能性基
としての加水分解性基(X)を有するベースポリマーの
主成分である。これは、たとえば、有機溶媒または水
(有機溶媒と水との混合溶媒でもよい)に分散されたコ
ロイダルシリカに、前記一般式(II)で表される加水分
解性オルガノシランの1種あるいは2種以上を加え、水
(コロイダルシリカ中に予め含まれていた水および/ま
たは別途添加された水)を前記加水分解性基(X)1モ
ル当量当たり水0.001〜0.5モル使用する条件下
で、該加水分解性オルガノシランを部分加水分解するこ
とで得られる。
【0037】前記一般式(II)で表される加水分解性オ
ルガノシラン中の基R4 としては、同一または異種の置
換もしくは非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基であ
れば特に限定はされないが、たとえば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2
−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フ
ェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニ
ル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化
水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシド
キシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチ
ル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等
を例示することができる。これらの中でも、合成の容易
さ或いは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基お
よびフェニル基が好ましい。
ルガノシラン中の基R4 としては、同一または異種の置
換もしくは非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基であ
れば特に限定はされないが、たとえば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2
−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フ
ェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニ
ル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化
水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシド
キシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチ
ル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等
を例示することができる。これらの中でも、合成の容易
さ或いは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基お
よびフェニル基が好ましい。
【0038】前記一般式(II)中、加水分解性基Xとし
ては、特に限定はされないが、たとえば、アルコキシ
基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ
基、アミノキシ基、アミド基などが挙げられる。これら
の中でも、入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶
液(C)を調製しやすいことから、アルコキシ基が好ま
しい。
ては、特に限定はされないが、たとえば、アルコキシ
基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ
基、アミノキシ基、アミド基などが挙げられる。これら
の中でも、入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶
液(C)を調製しやすいことから、アルコキシ基が好ま
しい。
【0039】前記加水分解性オルガノシランの具体例と
しては、前記一般式(II)中のmが0〜3の整数である
モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキ
シシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、
エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン
類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中で
も、入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液
(C)を調製しやすいことから、アルコキシシラン類が
好ましい。
しては、前記一般式(II)中のmが0〜3の整数である
モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキ
シシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、
エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン
類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中で
も、入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液
(C)を調製しやすいことから、アルコキシシラン類が
好ましい。
【0040】アルコキシシラン類のうち、特に、m=0
のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1の
オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
イソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオ
ロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。ま
た、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示
でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとして
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソ
ブチルメトキシシランなどが例示できる。さらに、一般
にシランカップリング剤と呼ばれるオルガノシラン化合
物もアルコキシシラン類に含まれる。
のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1の
オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
イソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオ
ロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。ま
た、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示
でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとして
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソ
ブチルメトキシシランなどが例示できる。さらに、一般
にシランカップリング剤と呼ばれるオルガノシラン化合
物もアルコキシシラン類に含まれる。
【0041】これらの前記一般式(II)で表される加水
分解性オルガノシランの内、50モル%以上、好ましく
は60モル%以上、より好ましくは70モル%以上は、
m=1で表される三官能性のものである。これが、50
モル%未満では、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物から十分な塗膜硬度が得られないととも
に、このコーティング材組成物の乾燥硬化性が劣りやす
い。
分解性オルガノシランの内、50モル%以上、好ましく
は60モル%以上、より好ましくは70モル%以上は、
m=1で表される三官能性のものである。これが、50
モル%未満では、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物から十分な塗膜硬度が得られないととも
に、このコーティング材組成物の乾燥硬化性が劣りやす
い。
【0042】シリカ分散オリゴマー溶液(C)中のコロ
イダルシリカは、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物の塗布硬化被膜の硬度を高くし、平滑性
と耐クラック性を改善する効果がある。コロイダルシリ
カとしては、特に限定はされないが、たとえば、水分散
性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性コ
ロイダルシリカが使用できる。一般に、このようなコロ
イダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50重
量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定でき
る。また、水分散性コロイダルシリカを使用する場合に
は、固形分以外の成分として存在する水は、前記加水分
解性オルガノシランの加水分解に用いることができると
ともに、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材
組成物の硬化剤として用いることができる。水分散性コ
ロイダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市
販品として容易に入手することができる。また、有機溶
媒分散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダル
シリカの水を有機溶媒と置換することで容易に調製する
ことができる。このような有機溶媒分散性コロイダルシ
リカも水分散性コロイダルシリカと同様に市販品として
容易に入手することができる。有機溶媒分散性コロイダ
ルシリカにおいて、コロイダルシリカが分散している有
機溶媒の種類は、特に限定はされないが、たとえば、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エ
チレングリコール、エチレングリコールモノブチルエー
テル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等の
エチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレン
グリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙
げることができ、これらからなる群より選ばれた1種も
しくは2種以上を使用することができる。これらの親水
性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用いること
ができる。
イダルシリカは、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物の塗布硬化被膜の硬度を高くし、平滑性
と耐クラック性を改善する効果がある。コロイダルシリ
カとしては、特に限定はされないが、たとえば、水分散
性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性コ
ロイダルシリカが使用できる。一般に、このようなコロ
イダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50重
量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定でき
る。また、水分散性コロイダルシリカを使用する場合に
は、固形分以外の成分として存在する水は、前記加水分
解性オルガノシランの加水分解に用いることができると
ともに、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材
組成物の硬化剤として用いることができる。水分散性コ
ロイダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市
販品として容易に入手することができる。また、有機溶
媒分散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダル
シリカの水を有機溶媒と置換することで容易に調製する
ことができる。このような有機溶媒分散性コロイダルシ
リカも水分散性コロイダルシリカと同様に市販品として
容易に入手することができる。有機溶媒分散性コロイダ
ルシリカにおいて、コロイダルシリカが分散している有
機溶媒の種類は、特に限定はされないが、たとえば、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エ
チレングリコール、エチレングリコールモノブチルエー
テル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等の
エチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレン
グリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙
げることができ、これらからなる群より選ばれた1種も
しくは2種以上を使用することができる。これらの親水
性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用いること
ができる。
【0043】シリカ分散オリゴマー溶液(C)中のコロ
イダルシリカは、前述の効果があるが、配合量が多すぎ
ると、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組
成物の硬化被膜が硬くなりすぎて同被膜のクラックの発
生を招来する原因となる恐れがある。そのため、シリカ
分散オリゴマー溶液(C)中において、コロイダルシリ
カは、シリカを固形分として、好ましくは5〜95重量
%、より好ましくは10〜90重量%、最も好ましくは
20〜85重量%の範囲内で含有される。含有量が5重
量%未満であると、所望の被膜硬度が得られなくなる傾
向がある。一方、95重量%を越えると、クラックの発
生を招来しやすくなる。
イダルシリカは、前述の効果があるが、配合量が多すぎ
ると、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組
成物の硬化被膜が硬くなりすぎて同被膜のクラックの発
生を招来する原因となる恐れがある。そのため、シリカ
分散オリゴマー溶液(C)中において、コロイダルシリ
カは、シリカを固形分として、好ましくは5〜95重量
%、より好ましくは10〜90重量%、最も好ましくは
20〜85重量%の範囲内で含有される。含有量が5重
量%未満であると、所望の被膜硬度が得られなくなる傾
向がある。一方、95重量%を越えると、クラックの発
生を招来しやすくなる。
【0044】シリカ分散オリゴマー溶液(C)を調製す
る際に用いられる水の量は、前述のように、前記加水分
解性オルガノシランが持つ加水分解性基(X)1モル当
量当たり0.001〜0.5モルの範囲内、好ましくは
0.01〜0.4モルの範囲内である。水の使用量が
0.001モル未満であると、十分な部分加水分解物が
得られず、0.5モルを超えると、部分加水分解物の安
定性が悪くなる。ここで、加水分解性オルガノシランの
部分加水分解反応における水の上記使用量は、水を全く
含まないコロイダルシリカ(たとえば、分散媒として有
機溶媒のみを用いたコロイダルシリカ)を用いた場合は
別途に添加された水の量であり、水を含むコロイダルシ
リカ(たとえば、コロイダルシリカの分散媒として水の
みまたは有機溶媒と水との混合溶媒を用いたコロイダル
シリカ)を用いた場合は、コロイダルシリカ中に予め含
まれていた水および別途添加の水のうちの少なくともコ
ロイダルシリカ中に予め含まれていた水の量である。水
の量がコロイダルシリカ中に予め含まれていた水だけで
上記使用量に足りるならば別途に水を添加しなくてもよ
いのであるが、水の量がコロイダルシリカ中に予め含ま
れていた水だけでは上記使用量に足りない場合は、別途
に水を上記使用量に達するまで添加する必要がある。そ
の場合、上記水の使用量は、コロイダルシリカ中に予め
含まれていた水と別途添加された水の合計量である。な
お、コロイダルシリカ中に予め含まれていた水だけで上
記使用量に足りる場合でも、別途に水を添加してもよ
く、その場合も、上記水の使用量は、コロイダルシリカ
中に予め含まれていた水と別途添加された水の合計量で
ある。ただし、この合計量が上記上限(加水分解性基
(X)1モル当量当たり0.5モル)を超えないように
別途に水を添加する。
る際に用いられる水の量は、前述のように、前記加水分
解性オルガノシランが持つ加水分解性基(X)1モル当
量当たり0.001〜0.5モルの範囲内、好ましくは
0.01〜0.4モルの範囲内である。水の使用量が
0.001モル未満であると、十分な部分加水分解物が
得られず、0.5モルを超えると、部分加水分解物の安
定性が悪くなる。ここで、加水分解性オルガノシランの
部分加水分解反応における水の上記使用量は、水を全く
含まないコロイダルシリカ(たとえば、分散媒として有
機溶媒のみを用いたコロイダルシリカ)を用いた場合は
別途に添加された水の量であり、水を含むコロイダルシ
リカ(たとえば、コロイダルシリカの分散媒として水の
みまたは有機溶媒と水との混合溶媒を用いたコロイダル
シリカ)を用いた場合は、コロイダルシリカ中に予め含
まれていた水および別途添加の水のうちの少なくともコ
ロイダルシリカ中に予め含まれていた水の量である。水
の量がコロイダルシリカ中に予め含まれていた水だけで
上記使用量に足りるならば別途に水を添加しなくてもよ
いのであるが、水の量がコロイダルシリカ中に予め含ま
れていた水だけでは上記使用量に足りない場合は、別途
に水を上記使用量に達するまで添加する必要がある。そ
の場合、上記水の使用量は、コロイダルシリカ中に予め
含まれていた水と別途添加された水の合計量である。な
お、コロイダルシリカ中に予め含まれていた水だけで上
記使用量に足りる場合でも、別途に水を添加してもよ
く、その場合も、上記水の使用量は、コロイダルシリカ
中に予め含まれていた水と別途添加された水の合計量で
ある。ただし、この合計量が上記上限(加水分解性基
(X)1モル当量当たり0.5モル)を超えないように
別途に水を添加する。
【0045】加水分解性オルガノシランを部分加水分解
する方法は、特に限定されず、たとえば、加水分解性オ
ルガノシランとコロイダルシリカとを混合すればよい
(コロイダルシリカに水が全く含まれていないかあるい
は必要量含まれていない場合はここで水を添加配合す
る)。その際、部分加水分解反応は常温で進行するが、
部分加水分解反応を促進させるために、必要に応じ、加
温(たとえば、60〜100℃)するか、あるいは、触
媒を用いてもよい。この触媒としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、ク
ロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻
酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレ
イン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸など
の有機酸および無機酸等の1種または2種以上を用いる
ことができる。
する方法は、特に限定されず、たとえば、加水分解性オ
ルガノシランとコロイダルシリカとを混合すればよい
(コロイダルシリカに水が全く含まれていないかあるい
は必要量含まれていない場合はここで水を添加配合す
る)。その際、部分加水分解反応は常温で進行するが、
部分加水分解反応を促進させるために、必要に応じ、加
温(たとえば、60〜100℃)するか、あるいは、触
媒を用いてもよい。この触媒としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、ク
ロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻
酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレ
イン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸など
の有機酸および無機酸等の1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0046】シリカ分散オリゴマー溶液(C)は、その
性能を長期にわたり安定して得るために、液のpHを、
好ましくは2.0〜7.0、より好ましくは2.5〜
6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0にすると良
い。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量が加水
分解性基(X)1モル当量当たり0.3モル以上の条件
下で(C)成分の性能持続性の低下が著しい。(C)成
分のpHが上記範囲外にあるときは、この範囲より酸性
側であれば、アンモニア、エチレンジアミン等の塩基性
試薬を添加してpHを調整すれば良く、塩基性側であれ
ば、塩酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いてpHを調整
すればよい。しかし、その調整方法は特に限定されるも
のではない。
性能を長期にわたり安定して得るために、液のpHを、
好ましくは2.0〜7.0、より好ましくは2.5〜
6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0にすると良
い。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量が加水
分解性基(X)1モル当量当たり0.3モル以上の条件
下で(C)成分の性能持続性の低下が著しい。(C)成
分のpHが上記範囲外にあるときは、この範囲より酸性
側であれば、アンモニア、エチレンジアミン等の塩基性
試薬を添加してpHを調整すれば良く、塩基性側であれ
ば、塩酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いてpHを調整
すればよい。しかし、その調整方法は特に限定されるも
のではない。
【0047】シリコーンレジン(2)に含まれる前記
(D)成分すなわちシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサン(D)は、硬化反応に預かる官能性基としての加
水分解性基を有するベースポリマーである前記(C)成
分と縮合反応して硬化被膜中に3次元架橋を形成するた
めの架橋剤であり、前記(C)成分の硬化収縮による歪
みを吸収してクラック発生を防止する効果のある成分で
ある。
(D)成分すなわちシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサン(D)は、硬化反応に預かる官能性基としての加
水分解性基を有するベースポリマーである前記(C)成
分と縮合反応して硬化被膜中に3次元架橋を形成するた
めの架橋剤であり、前記(C)成分の硬化収縮による歪
みを吸収してクラック発生を防止する効果のある成分で
ある。
【0048】シラノール基含有ポリオルガノシロキサン
(D)を表す前記平均組成式(III)中のR5 としては、
特に限定はされず、前記式(II)中のR4 と同じものが
例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル
基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル
基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換
炭化水素基、より好ましくはメチル基およびフェニル基
である。また、前記式(III) 中、aおよびbはそれぞれ
前記の関係を満たす数であり、aが0.2未満またはb
が3を超えると、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物の硬化被膜にクラックを生じる等の不都
合がある。また、aが2以上且つ4以下の場合またはb
が0.0001未満では硬化がうまく進行しない。
(D)を表す前記平均組成式(III)中のR5 としては、
特に限定はされず、前記式(II)中のR4 と同じものが
例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル
基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル
基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換
炭化水素基、より好ましくはメチル基およびフェニル基
である。また、前記式(III) 中、aおよびbはそれぞれ
前記の関係を満たす数であり、aが0.2未満またはb
が3を超えると、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物の硬化被膜にクラックを生じる等の不都
合がある。また、aが2以上且つ4以下の場合またはb
が0.0001未満では硬化がうまく進行しない。
【0049】シラノール基含有ポリオルガノシロキサン
(D)は、特に限定されるわけではないが、たとえば、
メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フ
ェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
もしくは、これらに対応するアルコキシシランの1種も
しくは2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で
加水分解することにより得ることができる。シラノール
基含有ポリオルガノシロキサン(D)を得るために、ア
ルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解した場
合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る場合が
ある。すなわち、シラノール基と極微量のアルコキシ基
とが共存するようなポリオルガノシロキサンが得られる
こともあるが、本発明においては、このようなポリオル
ガノシロキサンを用いても差し支えない。
(D)は、特に限定されるわけではないが、たとえば、
メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フ
ェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
もしくは、これらに対応するアルコキシシランの1種も
しくは2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で
加水分解することにより得ることができる。シラノール
基含有ポリオルガノシロキサン(D)を得るために、ア
ルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解した場
合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る場合が
ある。すなわち、シラノール基と極微量のアルコキシ基
とが共存するようなポリオルガノシロキサンが得られる
こともあるが、本発明においては、このようなポリオル
ガノシロキサンを用いても差し支えない。
【0050】シリコーンレジン(2)に含まれる前記
(E)成分すなわち硬化触媒(E)は、前記(C)成分
と(D)成分との縮合反応を促進し、シリコーンレジン
を含む後述のコーティング材組成物の被膜を硬化させる
成分である。硬化触媒(E)としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエー
ト等のカルボン酸金属塩類;ジブチルアミン−2−ヘキ
ソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミ
ンアセテート等のアミン塩類;酢酸テトラメチルアンモ
ニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエ
チルペンタミン等のアミン類、N−β−アミノエチル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミ
ノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスル
ホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコ
キシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合
物;酢酸リチウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リ
ン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テ
トライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネー
ト、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニ
ウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化
シラン類等が挙げられる。しかし、これらの他に、
(C)成分と(D)成分との縮合反応の促進に有効なも
のであれば特に制限はない。
(E)成分すなわち硬化触媒(E)は、前記(C)成分
と(D)成分との縮合反応を促進し、シリコーンレジン
を含む後述のコーティング材組成物の被膜を硬化させる
成分である。硬化触媒(E)としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエー
ト等のカルボン酸金属塩類;ジブチルアミン−2−ヘキ
ソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミ
ンアセテート等のアミン塩類;酢酸テトラメチルアンモ
ニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエ
チルペンタミン等のアミン類、N−β−アミノエチル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミ
ノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスル
ホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコ
キシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合
物;酢酸リチウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リ
ン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テ
トライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネー
ト、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニ
ウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化
シラン類等が挙げられる。しかし、これらの他に、
(C)成分と(D)成分との縮合反応の促進に有効なも
のであれば特に制限はない。
【0051】シリコーンレジン(2)中、(C)成分お
よび(D)成分の配合割合は、(C)成分と(D)成分
の合計100重量部に対し、(C)成分1〜99重量
部、(D)成分99〜1重量部(好ましくは、(C)成
分5〜95重量部、(D)成分95〜5重量部、より好
ましくは、(C)成分10〜90重量部、(D)成分9
0〜10重量部)である。(C)成分が1重量部未満で
ある((D)成分が99重量部を超える)と、硬化性に
劣り、また、十分な被膜硬度が得られない傾向がある。
一方、(C)成分が99重量部を超える((D)成分が
1重量部未満である)と、硬化性が不安定であり、か
つ、良好な塗膜が得られないことがある。
よび(D)成分の配合割合は、(C)成分と(D)成分
の合計100重量部に対し、(C)成分1〜99重量
部、(D)成分99〜1重量部(好ましくは、(C)成
分5〜95重量部、(D)成分95〜5重量部、より好
ましくは、(C)成分10〜90重量部、(D)成分9
0〜10重量部)である。(C)成分が1重量部未満で
ある((D)成分が99重量部を超える)と、硬化性に
劣り、また、十分な被膜硬度が得られない傾向がある。
一方、(C)成分が99重量部を超える((D)成分が
1重量部未満である)と、硬化性が不安定であり、か
つ、良好な塗膜が得られないことがある。
【0052】シリコーンレジン(2)中、(E)成分の
配合割合は、(C)成分と(D)成分との合計量100
重量部に対して、0.0001〜10重量部の範囲内
(好ましくは0.0005〜8重量部の範囲内、より好
ましくは0.0007〜5重量部の範囲内)である。
(E)の配合量が0.0001重量部未満では硬化性が
低下し、また、十分な被膜硬度が得られない傾向があ
る。10重量部を超えると、硬化被膜の耐熱性が低下し
たり、硬化被膜の硬度が高くなりすぎてクラックを生じ
たりする恐れがある。
配合割合は、(C)成分と(D)成分との合計量100
重量部に対して、0.0001〜10重量部の範囲内
(好ましくは0.0005〜8重量部の範囲内、より好
ましくは0.0007〜5重量部の範囲内)である。
(E)の配合量が0.0001重量部未満では硬化性が
低下し、また、十分な被膜硬度が得られない傾向があ
る。10重量部を超えると、硬化被膜の耐熱性が低下し
たり、硬化被膜の硬度が高くなりすぎてクラックを生じ
たりする恐れがある。
【0053】本発明で用いられるシリコーンレジンは、
シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の
硬化被膜に靭性を付与するとともに、同被膜の密着性を
向上させる点で、さらに前記(F)成分すなわちアクリ
ル樹脂(F)を含むことが好ましい(これは、シリコー
ンレジンの好ましい例であるシリコーンレジン(1)お
よび(2)についても同様)。
シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の
硬化被膜に靭性を付与するとともに、同被膜の密着性を
向上させる点で、さらに前記(F)成分すなわちアクリ
ル樹脂(F)を含むことが好ましい(これは、シリコー
ンレジンの好ましい例であるシリコーンレジン(1)お
よび(2)についても同様)。
【0054】アクリル樹脂(F)は、シリコーンレジン
を含む後述のコーティング材組成物の硬化被膜の靭性を
改善する効果を有し、これによりクラックの発生を防止
して厚膜化を可能にする。また、アクリル樹脂(F)
は、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成
物の硬化被膜を構成する透明樹脂硬化体の3次元骨格と
なるポリシロキサン縮合架橋物に取り込まれて該縮合架
橋物をアクリル変性にする。前記縮合架橋物がアクリル
変性されると、上記硬化被膜の密着性が向上する。
を含む後述のコーティング材組成物の硬化被膜の靭性を
改善する効果を有し、これによりクラックの発生を防止
して厚膜化を可能にする。また、アクリル樹脂(F)
は、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成
物の硬化被膜を構成する透明樹脂硬化体の3次元骨格と
なるポリシロキサン縮合架橋物に取り込まれて該縮合架
橋物をアクリル変性にする。前記縮合架橋物がアクリル
変性されると、上記硬化被膜の密着性が向上する。
【0055】アクリル樹脂(F)の構成モノマーの一つ
である第1の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表
す前記式(IV)中のR7 が置換または非置換で炭素数1
〜9の1価の炭化水素基、たとえば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;クロロ
メチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基;2−ヒド
ロキシエチル基等のヒドロキシ炭化水素基;等であるも
のの内の少なくとも1種である。
である第1の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表
す前記式(IV)中のR7 が置換または非置換で炭素数1
〜9の1価の炭化水素基、たとえば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;クロロ
メチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基;2−ヒド
ロキシエチル基等のヒドロキシ炭化水素基;等であるも
のの内の少なくとも1種である。
【0056】アクリル樹脂(F)の別の構成モノマーで
ある第2の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表す
前記式(IV)中のR7 がエポキシ基、グリシジル基およ
びこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化水素基(た
とえば、γ−グリシドキシプロピル基等)からなる群の
中から選ばれる少なくとも1種の基であるものの内の少
なくとも1種である。
ある第2の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表す
前記式(IV)中のR7 がエポキシ基、グリシジル基およ
びこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化水素基(た
とえば、γ−グリシドキシプロピル基等)からなる群の
中から選ばれる少なくとも1種の基であるものの内の少
なくとも1種である。
【0057】アクリル樹脂(F)のさらに別の構成モノ
マーである第3の(メタ)アクリル酸エステルは、それ
を表す前記式(IV)中のR7 がアルコキシシリル基およ
び/またはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基、たと
えば、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチ
ルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロ
ピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメ
チルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピ
ル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシ
リルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、ク
ロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシ
リルプロピル基等であるものの内の少なくとも1種であ
る。
マーである第3の(メタ)アクリル酸エステルは、それ
を表す前記式(IV)中のR7 がアルコキシシリル基およ
び/またはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基、たと
えば、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチ
ルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロ
ピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメ
チルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピ
ル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシ
リルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、ク
ロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシ
リルプロピル基等であるものの内の少なくとも1種であ
る。
【0058】アクリル樹脂(F)は、上記第1、第2、
第3の(メタ)アクリル酸エステル中、それぞれ少なく
とも1種、合計少なくとも3種を含む(メタ)アクリル
酸エステルの共重合体であり、上記第1、第2、第3の
(メタ)アクリル酸エステルの中から選ばれたさらに1
種あるいは2種以上、あるいは上記以外の(メタ)アク
リル酸エステルの中から選ばれたさらに1種あるいは2
種以上を含む共重合体であっても構わない。
第3の(メタ)アクリル酸エステル中、それぞれ少なく
とも1種、合計少なくとも3種を含む(メタ)アクリル
酸エステルの共重合体であり、上記第1、第2、第3の
(メタ)アクリル酸エステルの中から選ばれたさらに1
種あるいは2種以上、あるいは上記以外の(メタ)アク
リル酸エステルの中から選ばれたさらに1種あるいは2
種以上を含む共重合体であっても構わない。
【0059】上記第1の(メタ)アクリル酸エステル
は、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成
物の硬化被膜に靭性を付与し、これにより、導電性基体
の熱膨張に硬化被膜を追随させる効果のある成分であ
り、さらに、シリコーンレジン(2)の(C)成分と
(D)成分の間の相溶性を改善する効果もある。これら
の効果をより大きく得るためには、R7 の置換あるいは
非置換炭化水素基が、ある程度以上の体積を持つことが
望ましく、炭素数が2以上であることが好ましい。
は、シリコーンレジンを含む後述のコーティング材組成
物の硬化被膜に靭性を付与し、これにより、導電性基体
の熱膨張に硬化被膜を追随させる効果のある成分であ
り、さらに、シリコーンレジン(2)の(C)成分と
(D)成分の間の相溶性を改善する効果もある。これら
の効果をより大きく得るためには、R7 の置換あるいは
非置換炭化水素基が、ある程度以上の体積を持つことが
望ましく、炭素数が2以上であることが好ましい。
【0060】第2の(メタ)アクリル酸エステルは、シ
リコーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の硬
化被膜と下地材(電荷発生層、プライマー層、導電性基
体など、場合によって異なる。)との密着性を長期間維
持させる効果のある成分である。第3の(メタ)アクリ
ル酸エステルは、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物の塗膜硬化時に、アクリル樹脂(F)と
オルガノシロキサンとの間に化学結合を形成させ、これ
によりアクリル樹脂(F)を硬化被膜中に固定化させる
効果のある成分である。また、第3の(メタ)アクリル
酸エステルは、シリコーンレジン(1)を含む後述のコ
ーティング材組成物中でのアクリル樹脂(F)と(B)
成分との相溶性、または、シリコーンレジン(2)を含
む後述のコーティング材組成物中でのアクリル樹脂
(F)と(C)成分および(D)成分との相溶性を改善
する効果もある。
リコーンレジンを含む後述のコーティング材組成物の硬
化被膜と下地材(電荷発生層、プライマー層、導電性基
体など、場合によって異なる。)との密着性を長期間維
持させる効果のある成分である。第3の(メタ)アクリ
ル酸エステルは、シリコーンレジンを含む後述のコーテ
ィング材組成物の塗膜硬化時に、アクリル樹脂(F)と
オルガノシロキサンとの間に化学結合を形成させ、これ
によりアクリル樹脂(F)を硬化被膜中に固定化させる
効果のある成分である。また、第3の(メタ)アクリル
酸エステルは、シリコーンレジン(1)を含む後述のコ
ーティング材組成物中でのアクリル樹脂(F)と(B)
成分との相溶性、または、シリコーンレジン(2)を含
む後述のコーティング材組成物中でのアクリル樹脂
(F)と(C)成分および(D)成分との相溶性を改善
する効果もある。
【0061】アクリル樹脂(F)の分子量は、アクリル
樹脂(F)と(B)成分との相溶性、または、アクリル
樹脂(F)と(C)成分および(D)成分との相溶性に
大きく関わる。アクリル樹脂(F)のポリスチレン換算
重量平均分子量が5万を超えると、相分離し、塗膜が白
化することがある。従って、アクリル樹脂(F)のポリ
スチレン換算重量平均分子量を5万以下にすることが望
ましい。また、アクリル樹脂(F)のポリスチレン換算
重量平均分子量の下限は1千であることが望ましい。分
子量が1千未満だと、塗膜の靭性が下がり、クラックが
発生しやすくなる傾向があり、好ましくない。
樹脂(F)と(B)成分との相溶性、または、アクリル
樹脂(F)と(C)成分および(D)成分との相溶性に
大きく関わる。アクリル樹脂(F)のポリスチレン換算
重量平均分子量が5万を超えると、相分離し、塗膜が白
化することがある。従って、アクリル樹脂(F)のポリ
スチレン換算重量平均分子量を5万以下にすることが望
ましい。また、アクリル樹脂(F)のポリスチレン換算
重量平均分子量の下限は1千であることが望ましい。分
子量が1千未満だと、塗膜の靭性が下がり、クラックが
発生しやすくなる傾向があり、好ましくない。
【0062】第2の(メタ)アクリル酸エステルは、ア
クリル樹脂(F)である共重合体中の単量体モル比率で
2%以上であることが望ましい。2%未満では、塗膜の
密着性が不十分となる傾向がある。第3の(メタ)アク
リル酸エステルは、アクリル樹脂(F)である共重合体
中の単量体モル比率で2〜50%の範囲であることが望
ましい。2%未満においては、シリコーンレジン(1)
を含む後述のコーティング材組成物中でのアクリル樹脂
(F)と(B)成分との相溶性、または、シリコーンレ
ジン(2)を含む後述のコーティング材組成物中でのア
クリル樹脂(F)と(C)成分および(D)成分との相
溶性が悪く、塗膜が白化することがある。また、50%
を超えると、アクリル樹脂(F)と(B)成分との結合
密度、または、アクリル樹脂(F)と(C)成分および
(D)成分との結合密度が高くなり過ぎ、アクリル樹脂
本来の目的である靭性の改善が見られなくなる傾向があ
る。
クリル樹脂(F)である共重合体中の単量体モル比率で
2%以上であることが望ましい。2%未満では、塗膜の
密着性が不十分となる傾向がある。第3の(メタ)アク
リル酸エステルは、アクリル樹脂(F)である共重合体
中の単量体モル比率で2〜50%の範囲であることが望
ましい。2%未満においては、シリコーンレジン(1)
を含む後述のコーティング材組成物中でのアクリル樹脂
(F)と(B)成分との相溶性、または、シリコーンレ
ジン(2)を含む後述のコーティング材組成物中でのア
クリル樹脂(F)と(C)成分および(D)成分との相
溶性が悪く、塗膜が白化することがある。また、50%
を超えると、アクリル樹脂(F)と(B)成分との結合
密度、または、アクリル樹脂(F)と(C)成分および
(D)成分との結合密度が高くなり過ぎ、アクリル樹脂
本来の目的である靭性の改善が見られなくなる傾向があ
る。
【0063】アクリル樹脂(F)の合成方法としては、
たとえば、公知の有機溶媒中での溶液重合、乳化重合、
懸濁重合によるラジカル重合法、あるいは、アニオン重
合法、カチオン重合法等を用いることができるが、これ
に特定するものではない。溶液重合によるラジカル重合
法においては、たとえば、公知の方法で、前記第1、第
2および第3の(メタ)アクリル酸エステル単量体を反
応容器中で有機溶媒に溶解し、さらにラジカル重合開始
剤を加え、窒素気流下加熱し反応させる。このときに用
いられる有機溶媒は、特に限定するものではないが、た
とえば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモ
ノエチルエーテルなどが使われる。また、ラジカル重合
開始剤は特に限定するものではないが、たとえば、クメ
ンヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、ジ第3ブチルペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロ
イル、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素−Fe
2+塩、過硫酸塩−NaHSO3 、クメンヒドロペルオキ
シド−Fe2+塩、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリ
ン、過酸化物−トリエチルアルミニウムなどが用いられ
る。分子量をコントロールするためには、連鎖移動剤を
添加することも可能である。連鎖移動剤としては、特に
限定するわけではないが、たとえば、モノエチルハイド
ロキノン、p−ベンゾキノンなどのキノン類;メルカプ
トアセチックアシッド−エチルエステル、メルカプトア
セチックアシッド−n−ブチルエステル、メルカプトア
セチックアシッド−2−エチルヘキシルエステル、メル
カプトシクロヘキサン、メルカプトシクロペンタン、2
−メルカプトエタノールなどのチオール類;ジ−3−ク
ロロベンゼンチオール、p−トルエンチオール、ベンゼ
ンチオールなどのチオフェノール類;γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシランなどのチオール誘導体;フェ
ニルピクリルヒドラジン;ジフェニルアミン;第3ブチ
ルカテコールなどが使える。
たとえば、公知の有機溶媒中での溶液重合、乳化重合、
懸濁重合によるラジカル重合法、あるいは、アニオン重
合法、カチオン重合法等を用いることができるが、これ
に特定するものではない。溶液重合によるラジカル重合
法においては、たとえば、公知の方法で、前記第1、第
2および第3の(メタ)アクリル酸エステル単量体を反
応容器中で有機溶媒に溶解し、さらにラジカル重合開始
剤を加え、窒素気流下加熱し反応させる。このときに用
いられる有機溶媒は、特に限定するものではないが、た
とえば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモ
ノエチルエーテルなどが使われる。また、ラジカル重合
開始剤は特に限定するものではないが、たとえば、クメ
ンヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、ジ第3ブチルペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロ
イル、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素−Fe
2+塩、過硫酸塩−NaHSO3 、クメンヒドロペルオキ
シド−Fe2+塩、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリ
ン、過酸化物−トリエチルアルミニウムなどが用いられ
る。分子量をコントロールするためには、連鎖移動剤を
添加することも可能である。連鎖移動剤としては、特に
限定するわけではないが、たとえば、モノエチルハイド
ロキノン、p−ベンゾキノンなどのキノン類;メルカプ
トアセチックアシッド−エチルエステル、メルカプトア
セチックアシッド−n−ブチルエステル、メルカプトア
セチックアシッド−2−エチルヘキシルエステル、メル
カプトシクロヘキサン、メルカプトシクロペンタン、2
−メルカプトエタノールなどのチオール類;ジ−3−ク
ロロベンゼンチオール、p−トルエンチオール、ベンゼ
ンチオールなどのチオフェノール類;γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシランなどのチオール誘導体;フェ
ニルピクリルヒドラジン;ジフェニルアミン;第3ブチ
ルカテコールなどが使える。
【0064】シリコーンレジンがアクリル樹脂(F)を
含む場合、その配合量は、特に限定はされないが、たと
えば、前記(A)成分を除く全シリコーン固形分100
重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好
ましくは5〜30重量部の割合である。(F)の配合量
が1重量部未満であると靭性の発現が弱くなる傾向があ
り、100重量部を超えると塗膜の硬化阻害を引き起こ
してしまう傾向がある。
含む場合、その配合量は、特に限定はされないが、たと
えば、前記(A)成分を除く全シリコーン固形分100
重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好
ましくは5〜30重量部の割合である。(F)の配合量
が1重量部未満であると靭性の発現が弱くなる傾向があ
り、100重量部を超えると塗膜の硬化阻害を引き起こ
してしまう傾向がある。
【0065】電荷発生層に用いられる光導電材料として
は、従来の電子写真感光体に用いられるものを使用で
き、特に限定はされないが、たとえば、フタロシアニン
系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料、シアニン染
料、スクエアリリウム染料等の有機の染・顔料等が挙げ
られる。光導電材料は1種のみを用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。
は、従来の電子写真感光体に用いられるものを使用で
き、特に限定はされないが、たとえば、フタロシアニン
系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料、シアニン染
料、スクエアリリウム染料等の有機の染・顔料等が挙げ
られる。光導電材料は1種のみを用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0066】電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料とし
ては、従来の電子写真感光体に用いられるものを使用で
き、特に限定はされないが、たとえば、スチルベン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ピ
ラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体等が挙げられる。
電荷輸送材料は1種のみを用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。
ては、従来の電子写真感光体に用いられるものを使用で
き、特に限定はされないが、たとえば、スチルベン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ピ
ラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体等が挙げられる。
電荷輸送材料は1種のみを用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。
【0067】本発明の電子写真感光体において、電荷輸
送層は、1層だけ設けられていてもよいが、これに限定
されず、2層以上設けられていてもよい。電荷輸送層が
2層以上ある場合、それら複数の電荷輸送層のうちの少
なくとも最上層(導電性基体から最も離れた層、すなわ
ち最外層)の透明樹脂硬化体が、直鎖状ポリシロキサン
ジオール(A)を含むシリコーンレジンの硬化体であれ
ばよい。そのため、最上層以外の電荷輸送層の透明樹脂
硬化体については、直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンの硬化体に限らず、従来
の機能分離型電子写真感光体の電荷輸送層に用いられる
後述の透明樹脂硬化体であってもよい。また、電荷輸送
層が複数ある場合、それらの間の密着性を向上させるた
めに、図2に示すように、前記複数の電荷輸送層の層間
の少なくとも1つに、透明樹脂硬化体からなる少なくと
も1つの中塗り層がさらに積層されていてもよい。中塗
り層としては、特に限定はされないが、たとえば、ナイ
ロン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、アクリルシリコーン樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂およびメラミ
ン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を1
0重量%以上含有する中塗り層形成用コーティング材組
成物の透明樹脂硬化体からなるもの等が挙げられる。中
塗り層の厚みは、特に限定はされないが、たとえば、
0.1〜10μmが好ましく、0.5〜3μmがより好
ましい。この厚みが薄すぎると密着性向上効果が得られ
ず、厚すぎると電荷輸送の妨げになる恐れがある。
送層は、1層だけ設けられていてもよいが、これに限定
されず、2層以上設けられていてもよい。電荷輸送層が
2層以上ある場合、それら複数の電荷輸送層のうちの少
なくとも最上層(導電性基体から最も離れた層、すなわ
ち最外層)の透明樹脂硬化体が、直鎖状ポリシロキサン
ジオール(A)を含むシリコーンレジンの硬化体であれ
ばよい。そのため、最上層以外の電荷輸送層の透明樹脂
硬化体については、直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンの硬化体に限らず、従来
の機能分離型電子写真感光体の電荷輸送層に用いられる
後述の透明樹脂硬化体であってもよい。また、電荷輸送
層が複数ある場合、それらの間の密着性を向上させるた
めに、図2に示すように、前記複数の電荷輸送層の層間
の少なくとも1つに、透明樹脂硬化体からなる少なくと
も1つの中塗り層がさらに積層されていてもよい。中塗
り層としては、特に限定はされないが、たとえば、ナイ
ロン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、アクリルシリコーン樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂およびメラミ
ン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を1
0重量%以上含有する中塗り層形成用コーティング材組
成物の透明樹脂硬化体からなるもの等が挙げられる。中
塗り層の厚みは、特に限定はされないが、たとえば、
0.1〜10μmが好ましく、0.5〜3μmがより好
ましい。この厚みが薄すぎると密着性向上効果が得られ
ず、厚すぎると電荷輸送の妨げになる恐れがある。
【0068】なお、電荷輸送層が複数ある場合、キャリ
ア移動に問題がなければ、複数の電荷輸送層のうち、直
鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレ
ジンを用いて形成された最外層は、必ずしも電荷輸送材
料を含む必要はない。たとえば、本発明の電子写真感光
体は、導電性基体上に、透明樹脂硬化体中に光導電材料
を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材料
を含む電荷輸送層とが順次積層されてなる既製の機能分
離型電子写真感光体(たとえば、従来の機能分離型電子
写真感光体)の最外表面に、直鎖状ポリシロキサンジオ
ール(A)を含むシリコーンレジン(ただし、電荷輸送
材料は含まない)の硬化体がさらに積層されたものであ
ってもよいのである。
ア移動に問題がなければ、複数の電荷輸送層のうち、直
鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレ
ジンを用いて形成された最外層は、必ずしも電荷輸送材
料を含む必要はない。たとえば、本発明の電子写真感光
体は、導電性基体上に、透明樹脂硬化体中に光導電材料
を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材料
を含む電荷輸送層とが順次積層されてなる既製の機能分
離型電子写真感光体(たとえば、従来の機能分離型電子
写真感光体)の最外表面に、直鎖状ポリシロキサンジオ
ール(A)を含むシリコーンレジン(ただし、電荷輸送
材料は含まない)の硬化体がさらに積層されたものであ
ってもよいのである。
【0069】本発明の電子写真感光体において、電荷輸
送層が一つしかなく、それを構成する透明樹脂硬化体が
直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーン
レジンの硬化体である場合、または、電荷輸送層が複数
あり且つその最下層(導電性基体に最も近い層)の透明
樹脂硬化体も直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含
むシリコーンレジンの硬化体である場合は、該シリコー
ンレジンの硬化体と電荷発生層とが直接接することにな
る。その場合、電荷発生層と電荷輸送層との間の密着性
をさらに向上させるためには、電荷輸送層の透明樹脂硬
化体だけでなく、電荷発生層の透明樹脂硬化体も直鎖状
ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジン
の硬化体であることが好ましいが、本発明の電子写真感
光体においては、その少なくとも最外層の透明樹脂硬化
体が直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコ
ーンレジンの硬化体であればよいので、電荷発生層の透
明樹脂硬化体については、直鎖状ポリシロキサンジオー
ル(A)を含むシリコーンレジンの硬化体に限定される
わけではなく、従来の電子写真感光体の電荷発生層に用
いられる透明樹脂硬化体であってもよい。
送層が一つしかなく、それを構成する透明樹脂硬化体が
直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーン
レジンの硬化体である場合、または、電荷輸送層が複数
あり且つその最下層(導電性基体に最も近い層)の透明
樹脂硬化体も直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含
むシリコーンレジンの硬化体である場合は、該シリコー
ンレジンの硬化体と電荷発生層とが直接接することにな
る。その場合、電荷発生層と電荷輸送層との間の密着性
をさらに向上させるためには、電荷輸送層の透明樹脂硬
化体だけでなく、電荷発生層の透明樹脂硬化体も直鎖状
ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジン
の硬化体であることが好ましいが、本発明の電子写真感
光体においては、その少なくとも最外層の透明樹脂硬化
体が直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコ
ーンレジンの硬化体であればよいので、電荷発生層の透
明樹脂硬化体については、直鎖状ポリシロキサンジオー
ル(A)を含むシリコーンレジンの硬化体に限定される
わけではなく、従来の電子写真感光体の電荷発生層に用
いられる透明樹脂硬化体であってもよい。
【0070】従来の電子写真感光体の電荷発生層または
電荷輸送層に用いられるもので、本発明の電子写真感光
体の電荷発生層、および/または、最外層以外の電荷輸
送層に使用可能な透明樹脂硬化体としては、特に限定さ
れるわけではないが、たとえば、ポリビニルブチラール
樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
スルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアクリルシリコ
ーン樹脂、ポリアクリルウレタン樹脂等の樹脂の硬化体
を使用できる。
電荷輸送層に用いられるもので、本発明の電子写真感光
体の電荷発生層、および/または、最外層以外の電荷輸
送層に使用可能な透明樹脂硬化体としては、特に限定さ
れるわけではないが、たとえば、ポリビニルブチラール
樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
スルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアクリルシリコ
ーン樹脂、ポリアクリルウレタン樹脂等の樹脂の硬化体
を使用できる。
【0071】電荷発生層の厚みは、特に限定はされない
が、たとえば、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜
0.8μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると、電
荷輸送層へのキャリア注入が不十分になり、良好な画像
が得られないという問題が起こる恐れがある。厚すぎる
と、表面電位の著しい低下を招来するという問題が起こ
る恐れがある。
が、たとえば、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜
0.8μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると、電
荷輸送層へのキャリア注入が不十分になり、良好な画像
が得られないという問題が起こる恐れがある。厚すぎる
と、表面電位の著しい低下を招来するという問題が起こ
る恐れがある。
【0072】電荷輸送層の厚みは、特に限定はされない
が、たとえば、1〜50μmが好ましく、5〜30μm
がより好ましい。この厚みが薄すぎると、帯電性が不十
分になり、良好な画像が得られないという問題が起こる
恐れがある。厚すぎると、クラックの発生を招来し、電
子写真感光体の耐久性が低下するという問題が起こる恐
れがある。
が、たとえば、1〜50μmが好ましく、5〜30μm
がより好ましい。この厚みが薄すぎると、帯電性が不十
分になり、良好な画像が得られないという問題が起こる
恐れがある。厚すぎると、クラックの発生を招来し、電
子写真感光体の耐久性が低下するという問題が起こる恐
れがある。
【0073】本発明の電子写真感光体は、特に限定され
るわけではないが、電荷発生層と電荷輸送層との間に透
明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中塗り層がさら
に積層されていることが、電荷発生層と電荷輸送層との
間の密着性が向上する点で好ましい。この密着性向上効
果は、特に、電荷発生層および最下層の電荷輸送層のう
ちのいずれか一方の透明樹脂硬化体として従来の電子写
真感光体の電荷発生層または電荷輸送層に用いられるも
のを用い、且つ、他方の透明樹脂硬化体として直鎖状ポ
リシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジンの
硬化体を用いた場合に著しい。中塗り層としては、特に
限定はされないが、たとえば、ナイロン樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコー
ン樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の
中から選ばれた少なくとも1種を10重量%以上含有す
る中塗り層形成用コーティング材組成物の透明樹脂硬化
体からなるもの等が挙げられる。中塗り層の厚みは、特
に限定はされないが、たとえば、0.1〜10μmが好
ましく、0.5〜3μmがより好ましい。この厚みが薄
すぎると密着性向上効果が得られず、厚すぎると電荷輸
送の妨げになる恐れがある。
るわけではないが、電荷発生層と電荷輸送層との間に透
明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中塗り層がさら
に積層されていることが、電荷発生層と電荷輸送層との
間の密着性が向上する点で好ましい。この密着性向上効
果は、特に、電荷発生層および最下層の電荷輸送層のう
ちのいずれか一方の透明樹脂硬化体として従来の電子写
真感光体の電荷発生層または電荷輸送層に用いられるも
のを用い、且つ、他方の透明樹脂硬化体として直鎖状ポ
リシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジンの
硬化体を用いた場合に著しい。中塗り層としては、特に
限定はされないが、たとえば、ナイロン樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコー
ン樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の
中から選ばれた少なくとも1種を10重量%以上含有す
る中塗り層形成用コーティング材組成物の透明樹脂硬化
体からなるもの等が挙げられる。中塗り層の厚みは、特
に限定はされないが、たとえば、0.1〜10μmが好
ましく、0.5〜3μmがより好ましい。この厚みが薄
すぎると密着性向上効果が得られず、厚すぎると電荷輸
送の妨げになる恐れがある。
【0074】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性基体の形状としては、特に限定はされず、たとえば、
ドラム状、シート状、ベルト状等のいずれでもよい。導
電性基体の材質としては、導電性を有し、かつ、機械的
強度が十分なものであれば特に制限はなく、鉄、銅、ア
ルミニウム、真鍮、ステンレス鋼等の金属単体材料の等
のように、それ自体導電性を有する材料;上記金属また
はその酸化物の膜が蒸着等の手法により表面に形成され
たガラス基材、プラスチック基材等のように、絶縁性材
料の表面に導電性を有する膜が形成されたもの等が例示
される。
性基体の形状としては、特に限定はされず、たとえば、
ドラム状、シート状、ベルト状等のいずれでもよい。導
電性基体の材質としては、導電性を有し、かつ、機械的
強度が十分なものであれば特に制限はなく、鉄、銅、ア
ルミニウム、真鍮、ステンレス鋼等の金属単体材料の等
のように、それ自体導電性を有する材料;上記金属また
はその酸化物の膜が蒸着等の手法により表面に形成され
たガラス基材、プラスチック基材等のように、絶縁性材
料の表面に導電性を有する膜が形成されたもの等が例示
される。
【0075】導電性基体は、特に限定されるわけではな
いが、その表面がプライマー層(下塗り層)で予め被覆
されたものであること(導電性基体と電荷発生層との間
にプライマー層がさらに積層されていること)が、導電
性基体と電荷発生層との間の密着性が向上する点で好ま
しい。また、このプライマー層は、導電性基体と電荷発
生層および電荷輸送層とを電気的に絶縁する効果を持つ
ものであってもよい。プライマー層としては、特に限定
はされないが、たとえば、ナイロン樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン
樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、
ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種を10重量%以上含有するプ
ライマー層形成用コーティング材組成物の透明樹脂硬化
体からなるものや、金属酸化物被膜(たとえば、アルミ
ニウムの表面保護のためのアルマイト被膜等)等が挙げ
られる。プライマー層の厚みは、特に限定はされない
が、たとえば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜3
μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着性向上
効果が得られず、厚すぎると電荷輸送の妨げになる恐れ
がある。
いが、その表面がプライマー層(下塗り層)で予め被覆
されたものであること(導電性基体と電荷発生層との間
にプライマー層がさらに積層されていること)が、導電
性基体と電荷発生層との間の密着性が向上する点で好ま
しい。また、このプライマー層は、導電性基体と電荷発
生層および電荷輸送層とを電気的に絶縁する効果を持つ
ものであってもよい。プライマー層としては、特に限定
はされないが、たとえば、ナイロン樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン
樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、
ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種を10重量%以上含有するプ
ライマー層形成用コーティング材組成物の透明樹脂硬化
体からなるものや、金属酸化物被膜(たとえば、アルミ
ニウムの表面保護のためのアルマイト被膜等)等が挙げ
られる。プライマー層の厚みは、特に限定はされない
が、たとえば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜3
μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着性向上
効果が得られず、厚すぎると電荷輸送の妨げになる恐れ
がある。
【0076】本発明の電子写真感光体の形状としては、
特に限定はされず、たとえば、前述した導電性基体の形
状に応じ、ドラム状、シート状、ベルト状等のいずれで
もよい。本発明の電子写真感光体を製造する方法として
は、特に限定はされないが、たとえば、導電性基体表面
に、下記の、電荷発生層形成用コーティング材組成物
と、電荷輸送層形成用コーティング材組成物とを順次塗
布し硬化させる方法等が挙げられる。
特に限定はされず、たとえば、前述した導電性基体の形
状に応じ、ドラム状、シート状、ベルト状等のいずれで
もよい。本発明の電子写真感光体を製造する方法として
は、特に限定はされないが、たとえば、導電性基体表面
に、下記の、電荷発生層形成用コーティング材組成物
と、電荷輸送層形成用コーティング材組成物とを順次塗
布し硬化させる方法等が挙げられる。
【0077】以下、この方法について説明する。電荷発
生層形成用コーティング材組成物は、光導電材料と、透
明樹脂硬化体の原料樹脂(好ましくは直鎖状ポリシロキ
サンジオール(A)を含むシリコーンレジン、特に好ま
しくはシリコーンレジン(1)または(2))とを含
む。電荷輸送層形成用コーティング材組成物は、電荷輸
送材料と、透明樹脂硬化体の原料樹脂(好ましくは直鎖
状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジ
ン、特に好ましくはシリコーンレジン(1)または
(2))とを含む。ただし、電子写真感光体の少なくと
も最外層の形成には、直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンを原料樹脂とするコーテ
ィング材組成物が用いられる。また、電荷輸送層を複数
形成する場合、最外層となる電荷輸送層の形成に用いら
れるコーティング材組成物は、キャリア移動に問題がな
ければ、必ずしも電荷輸送材料を含む必要はない。
生層形成用コーティング材組成物は、光導電材料と、透
明樹脂硬化体の原料樹脂(好ましくは直鎖状ポリシロキ
サンジオール(A)を含むシリコーンレジン、特に好ま
しくはシリコーンレジン(1)または(2))とを含
む。電荷輸送層形成用コーティング材組成物は、電荷輸
送材料と、透明樹脂硬化体の原料樹脂(好ましくは直鎖
状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジ
ン、特に好ましくはシリコーンレジン(1)または
(2))とを含む。ただし、電子写真感光体の少なくと
も最外層の形成には、直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンを原料樹脂とするコーテ
ィング材組成物が用いられる。また、電荷輸送層を複数
形成する場合、最外層となる電荷輸送層の形成に用いら
れるコーティング材組成物は、キャリア移動に問題がな
ければ、必ずしも電荷輸送材料を含む必要はない。
【0078】電荷発生層形成用コーティング材組成物
中、光導電材料の配合割合は、特に限定はされないが、
たとえば、透明樹脂硬化体の原料樹脂100重量部に対
し、好ましくは200〜500重量部、より好ましくは
250〜400重量部である。光導電材料の配合割合が
上記範囲より少ないと、電荷輸送層へのキャリア注入が
不十分になり、良好な画像が得られないという問題が起
きる恐れがある。逆に多いと、電荷発生層の塗膜強度が
不十分になり、密着不良等のトラブルを招来するという
問題が起きる恐れがある。
中、光導電材料の配合割合は、特に限定はされないが、
たとえば、透明樹脂硬化体の原料樹脂100重量部に対
し、好ましくは200〜500重量部、より好ましくは
250〜400重量部である。光導電材料の配合割合が
上記範囲より少ないと、電荷輸送層へのキャリア注入が
不十分になり、良好な画像が得られないという問題が起
きる恐れがある。逆に多いと、電荷発生層の塗膜強度が
不十分になり、密着不良等のトラブルを招来するという
問題が起きる恐れがある。
【0079】電荷輸送層形成用コーティング材組成物
中、電荷輸送材料の配合割合は、特に限定はされない
が、たとえば、透明樹脂硬化体の原料樹脂100重量部
に対し、好ましくは30〜130重量部、より好ましく
は50〜100重量部である。電荷輸送材料の配合割合
が上記範囲より少ないと、キャリア移動が不十分になる
という問題が起きる恐れがある。逆に多いと、電荷輸送
層の塗膜強度が低下し、耐摩耗性が低下するという問題
が起きる恐れがある。
中、電荷輸送材料の配合割合は、特に限定はされない
が、たとえば、透明樹脂硬化体の原料樹脂100重量部
に対し、好ましくは30〜130重量部、より好ましく
は50〜100重量部である。電荷輸送材料の配合割合
が上記範囲より少ないと、キャリア移動が不十分になる
という問題が起きる恐れがある。逆に多いと、電荷輸送
層の塗膜強度が低下し、耐摩耗性が低下するという問題
が起きる恐れがある。
【0080】導電性基体と電荷発生層との間に前記プラ
イマー層がさらに積層された電子写真感光体を得るため
には、たとえば、電荷発生層形成用コーティング材組成
物の塗布前に前述のプライマー層形成用コーティング材
組成物を塗布し、得られた塗膜を硬化させる工程を追加
すればよい。電荷発生層と電荷輸送層との間に前記中塗
り層がさらに積層された電子写真感光体を得るために
は、たとえば、電荷発生層形成用コーティング材組成物
の塗布後かつ電荷輸送層形成用コーティング材組成物の
塗布前に前述の中塗り層形成用コーティング材組成物を
塗布し、得られた塗膜を硬化させる工程を追加すればよ
い。
イマー層がさらに積層された電子写真感光体を得るため
には、たとえば、電荷発生層形成用コーティング材組成
物の塗布前に前述のプライマー層形成用コーティング材
組成物を塗布し、得られた塗膜を硬化させる工程を追加
すればよい。電荷発生層と電荷輸送層との間に前記中塗
り層がさらに積層された電子写真感光体を得るために
は、たとえば、電荷発生層形成用コーティング材組成物
の塗布後かつ電荷輸送層形成用コーティング材組成物の
塗布前に前述の中塗り層形成用コーティング材組成物を
塗布し、得られた塗膜を硬化させる工程を追加すればよ
い。
【0081】電荷輸送層を複数有する電子写真感光体を
得るためには、たとえば、導電性基体上に、透明樹脂硬
化体中に光導電材料を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化
体中に電荷輸送材料を含む電荷輸送層とが順次積層され
てなる従来の機能分離型電子写真感光体の表面に、直鎖
状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジ
ンを原料樹脂とするコーティング材組成物を塗布し、得
られた塗膜を硬化させればよい。
得るためには、たとえば、導電性基体上に、透明樹脂硬
化体中に光導電材料を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化
体中に電荷輸送材料を含む電荷輸送層とが順次積層され
てなる従来の機能分離型電子写真感光体の表面に、直鎖
状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコーンレジ
ンを原料樹脂とするコーティング材組成物を塗布し、得
られた塗膜を硬化させればよい。
【0082】電荷輸送層を複数有し、かつ、それらの層
間に前記中塗り層がさらに積層された電子写真感光体を
得るためには、たとえば、上記従来の機能分離型電子写
真感光体の表面に、直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンを原料樹脂とするコーテ
ィング材組成物の塗布硬化被膜を形成する前に前述の中
塗り層形成用コーティング材組成物を塗布し、得られた
塗膜を硬化させる工程を追加すればよい。
間に前記中塗り層がさらに積層された電子写真感光体を
得るためには、たとえば、上記従来の機能分離型電子写
真感光体の表面に、直鎖状ポリシロキサンジオール
(A)を含むシリコーンレジンを原料樹脂とするコーテ
ィング材組成物の塗布硬化被膜を形成する前に前述の中
塗り層形成用コーティング材組成物を塗布し、得られた
塗膜を硬化させる工程を追加すればよい。
【0083】各コーティング材組成物を塗布する方法
は、特に限定されるものではなく、たとえば、刷毛塗
り、スプレー、浸漬(ディッピング)、ロール、フロ
ー、カーテン、ナイフコート等の通常の各種塗布方法を
選択することができる。各コーティング材組成物は、取
り扱いの容易さから必要に応じて各種有機溶媒で希釈し
て使用できるし、また、同有機溶媒で希釈したものであ
ってもよい。有機溶媒の種類は、シリコーンレジンの各
成分の有する1価炭化水素基の種類、または、シリコー
ンレジンの各成分の分子量の大きさ等に応じて適宜選定
することができる。このような有機溶媒としては、特に
限定はされないが、たとえば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、
エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレン
グリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール
誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;
および、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム、ジアセト
ンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群
より選ばれた1種もしくは2種以上を使用することがで
きる。有機溶媒での希釈割合は特に制限はなく、必要に
応じて希釈割合を適宜決定すれば良い。
は、特に限定されるものではなく、たとえば、刷毛塗
り、スプレー、浸漬(ディッピング)、ロール、フロ
ー、カーテン、ナイフコート等の通常の各種塗布方法を
選択することができる。各コーティング材組成物は、取
り扱いの容易さから必要に応じて各種有機溶媒で希釈し
て使用できるし、また、同有機溶媒で希釈したものであ
ってもよい。有機溶媒の種類は、シリコーンレジンの各
成分の有する1価炭化水素基の種類、または、シリコー
ンレジンの各成分の分子量の大きさ等に応じて適宜選定
することができる。このような有機溶媒としては、特に
限定はされないが、たとえば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、
エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレン
グリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール
誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;
および、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム、ジアセト
ンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群
より選ばれた1種もしくは2種以上を使用することがで
きる。有機溶媒での希釈割合は特に制限はなく、必要に
応じて希釈割合を適宜決定すれば良い。
【0084】各コーティング材組成物は、必要に応じ
て、増粘剤、カップリング剤、レベリング剤等の添加剤
を、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で含んでい
てもよい。各コーティング材組成物の塗膜の硬化方法に
ついては、公知の方法を用いればよく、特に限定はされ
ない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、特
に、直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコ
ーンレジンを原料樹脂とするコーティング材組成物につ
いては、所望される硬化被膜性能や硬化触媒の使用の有
無や光導電材料、電荷輸送材料の耐熱性等に応じて常温
〜加熱温度の広い範囲をとることができる。
て、増粘剤、カップリング剤、レベリング剤等の添加剤
を、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で含んでい
てもよい。各コーティング材組成物の塗膜の硬化方法に
ついては、公知の方法を用いればよく、特に限定はされ
ない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、特
に、直鎖状ポリシロキサンジオール(A)を含むシリコ
ーンレジンを原料樹脂とするコーティング材組成物につ
いては、所望される硬化被膜性能や硬化触媒の使用の有
無や光導電材料、電荷輸送材料の耐熱性等に応じて常温
〜加熱温度の広い範囲をとることができる。
【0085】次に、本発明の電子写真感光体の構造を、
その具体例を示す図面を参照しながら説明する。図1
は、本発明にかかる電子写真感光体の一実施態様である
ドラム状の電子写真感光体(感光ドラム)を表す。図に
みるように、この電子写真感光体1は、円柱状のドラム
芯からなる導電性基体10の周面に、電荷発生層11
と、電荷輸送層12とが順次積層された構造を持つ。電
荷発生層11は透明樹脂硬化体中に光導電材料を含んで
なり、電荷輸送層12は透明樹脂硬化体中に電荷輸送材
料を含んでなる。電荷発生層11および電荷輸送層12
のうち、少なくとも、電子写真感光体1の最外層となる
電荷輸送層12の透明樹脂硬化体が直鎖状ポリシロキサ
ンジオール(A)を含むシリコーンレジンの硬化体から
なる。
その具体例を示す図面を参照しながら説明する。図1
は、本発明にかかる電子写真感光体の一実施態様である
ドラム状の電子写真感光体(感光ドラム)を表す。図に
みるように、この電子写真感光体1は、円柱状のドラム
芯からなる導電性基体10の周面に、電荷発生層11
と、電荷輸送層12とが順次積層された構造を持つ。電
荷発生層11は透明樹脂硬化体中に光導電材料を含んで
なり、電荷輸送層12は透明樹脂硬化体中に電荷輸送材
料を含んでなる。電荷発生層11および電荷輸送層12
のうち、少なくとも、電子写真感光体1の最外層となる
電荷輸送層12の透明樹脂硬化体が直鎖状ポリシロキサ
ンジオール(A)を含むシリコーンレジンの硬化体から
なる。
【0086】図2は、本発明にかかる電子写真感光体の
別の実施態様であるドラム状の電子写真感光体(感光ド
ラム)を表す。図にみるように、この電子写真感光体2
は、円柱状のドラム芯からなる導電性基体20の周面
に、透明樹脂硬化体中に光導電材料を含む電荷発生層2
1と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材料を含む電荷輸送
層22とが順次積層された構造を持つ。ここまでは、前
述の図1に示す電子写真感光体1と同様である。図2に
示す電子写真感光体2においては、電荷輸送層22が第
1電荷輸送層22aと第2電荷輸送層22bの2層から
なり、これら両層の間には、密着性向上の目的で中塗り
層23が挿入されている。電子写真感光体2の各層のう
ち、少なくとも、電子写真感光体2の最外層となる第2
電荷輸送層22bの透明樹脂硬化体が直鎖状ポリシロキ
サンジオール(A)を含むシリコーンレジンの硬化体で
あればよい。なお、キャリア移動に問題がなければ、第
2電荷輸送層22bには電荷輸送材料が含まれていなく
ても構わない。
別の実施態様であるドラム状の電子写真感光体(感光ド
ラム)を表す。図にみるように、この電子写真感光体2
は、円柱状のドラム芯からなる導電性基体20の周面
に、透明樹脂硬化体中に光導電材料を含む電荷発生層2
1と、透明樹脂硬化体中に電荷輸送材料を含む電荷輸送
層22とが順次積層された構造を持つ。ここまでは、前
述の図1に示す電子写真感光体1と同様である。図2に
示す電子写真感光体2においては、電荷輸送層22が第
1電荷輸送層22aと第2電荷輸送層22bの2層から
なり、これら両層の間には、密着性向上の目的で中塗り
層23が挿入されている。電子写真感光体2の各層のう
ち、少なくとも、電子写真感光体2の最外層となる第2
電荷輸送層22bの透明樹脂硬化体が直鎖状ポリシロキ
サンジオール(A)を含むシリコーンレジンの硬化体で
あればよい。なお、キャリア移動に問題がなければ、第
2電荷輸送層22bには電荷輸送材料が含まれていなく
ても構わない。
【0087】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。実施例及び比較例中、特に断らない限
り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重
量%」を表す。また、分子量はGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)により、測定機種として東
ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリスチレ
ンで検量線を作成し、その換算値として測定したもので
ある。なお、本発明は下記実施例に限定されない。
細に説明する。実施例及び比較例中、特に断らない限
り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重
量%」を表す。また、分子量はGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)により、測定機種として東
ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリスチレ
ンで検量線を作成し、その換算値として測定したもので
ある。なお、本発明は下記実施例に限定されない。
【0088】実施例および比較例に先立ち、それらに用
いる各成分を以下のように準備した。 (A成分): <A−1>重量平均分子量Mw=800、前記式(I)
中のnがn≒11(平均値)、R 1 がメチル基の直鎖状
ジメチルポリシロキサンジオール。これをA−1と称す
る。
いる各成分を以下のように準備した。 (A成分): <A−1>重量平均分子量Mw=800、前記式(I)
中のnがn≒11(平均値)、R 1 がメチル基の直鎖状
ジメチルポリシロキサンジオール。これをA−1と称す
る。
【0089】<A−2>重量平均分子量Mw=300
0、前記式(I)中のnがn≒40(平均値)、R1 が
メチル基の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。こ
れをA−2と称する。 <A−3>重量平均分子量Mw=450、前記式(I)
中のnがn≒4(平均値)、R1がメチル基とフェニル
基の直鎖状メチルフェニルポリシロキサンジオール。こ
れをA−3と称する。
0、前記式(I)中のnがn≒40(平均値)、R1 が
メチル基の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。こ
れをA−2と称する。 <A−3>重量平均分子量Mw=450、前記式(I)
中のnがn≒4(平均値)、R1がメチル基とフェニル
基の直鎖状メチルフェニルポリシロキサンジオール。こ
れをA−3と称する。
【0090】<A−4>重量平均分子量Mw=700
0、前記式(I)中のnがn≒90(平均値)、R1 が
メチル基の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。こ
れをA−4と称する。 (B成分の調製例): <調製例B−1>原料(B1 )としてメチルトリメトキ
シシラン100部に、原料(B2 )として酸性コロイダ
ルシリカであるIPAオルガノシリカゾル〔商品名「O
SCAL1432」、触媒化成工業(株)製、固形分3
0%〕90部を混合し、次いでIPAの100部で希釈
し、さらに水37.7部を添加し、攪拌した。得られた
液を60℃恒温槽中で5時間加熱することにより重量平
均分子量Mw=1500に調整してオルガノシロキサン
23%アルコール溶液を得た。この溶液をB−1と称す
る。
0、前記式(I)中のnがn≒90(平均値)、R1 が
メチル基の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。こ
れをA−4と称する。 (B成分の調製例): <調製例B−1>原料(B1 )としてメチルトリメトキ
シシラン100部に、原料(B2 )として酸性コロイダ
ルシリカであるIPAオルガノシリカゾル〔商品名「O
SCAL1432」、触媒化成工業(株)製、固形分3
0%〕90部を混合し、次いでIPAの100部で希釈
し、さらに水37.7部を添加し、攪拌した。得られた
液を60℃恒温槽中で5時間加熱することにより重量平
均分子量Mw=1500に調整してオルガノシロキサン
23%アルコール溶液を得た。この溶液をB−1と称す
る。
【0091】B−1の調製条件: ・〔水〕/〔OR2 〕モル比 0.95 ・重量平均分子量 1500 ・固形分含有量 23% <調製例B−2>原料(B1 )としてメチルトリメトキ
シシラン100部に、原料(B2 )として酸性コロイダ
ルシリカであるIPAオルガノシリカゾル〔商品名「O
SCAL1432」、触媒化成工業(株)製、固形分3
0%〕60部および原料(B3 )としてジメチルジメト
キシシラン30部を混合し、次いでイソプロピルアルコ
ール(以下IPAと略す)100部で希釈し、さらに水
39部を添加し、攪拌した。得られた液を60℃恒温槽
中で5時間加熱することにより重量平均分子量Mw=1
200に調整してオルガノシロキサン26%アルコール
溶液を得た。この溶液をB−2と称する。
シシラン100部に、原料(B2 )として酸性コロイダ
ルシリカであるIPAオルガノシリカゾル〔商品名「O
SCAL1432」、触媒化成工業(株)製、固形分3
0%〕60部および原料(B3 )としてジメチルジメト
キシシラン30部を混合し、次いでイソプロピルアルコ
ール(以下IPAと略す)100部で希釈し、さらに水
39部を添加し、攪拌した。得られた液を60℃恒温槽
中で5時間加熱することにより重量平均分子量Mw=1
200に調整してオルガノシロキサン26%アルコール
溶液を得た。この溶液をB−2と称する。
【0092】B−2の調製条件: ・〔水〕/〔OR2 〕モル比 1.15 ・重量平均分子量 1200 ・固形分含有量 26% <調製例B−3>原料(B1 )としてメチルトリメトキ
シシラン100部に、原料(B2 )として酸性コロイダ
ルシリカであるIPAオルガノシリカゾル〔商品名「O
SCAL1432」、触媒化成工業(株)製、固形分3
0%〕20部および原料(B3 )としてジメチルジメト
キシシラン60部を混合し、次いでイソプロピルアルコ
ール(以下IPAと略す)131部で希釈し、さらに水
58部を添加し、攪拌した。得られた液を60℃恒温槽
中で5時間加熱することにより重量平均分子量Mw=1
300に調整してオルガノシロキサン25%アルコール
溶液を得た。この溶液をB−3と称する。
シシラン100部に、原料(B2 )として酸性コロイダ
ルシリカであるIPAオルガノシリカゾル〔商品名「O
SCAL1432」、触媒化成工業(株)製、固形分3
0%〕20部および原料(B3 )としてジメチルジメト
キシシラン60部を混合し、次いでイソプロピルアルコ
ール(以下IPAと略す)131部で希釈し、さらに水
58部を添加し、攪拌した。得られた液を60℃恒温槽
中で5時間加熱することにより重量平均分子量Mw=1
300に調整してオルガノシロキサン25%アルコール
溶液を得た。この溶液をB−3と称する。
【0093】B−3の調製条件: ・〔水〕/〔OR2 〕モル比 1.0 ・重量平均分子量 1300 ・固形分含有量 25% (C成分の調製例): <調製例C−1>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー及び温度計をつけたフラスコ中に、IPA分散コロイ
ダルシリカゾルIPA−ST(粒子径10〜20nm、
固形分30%、水分0.5%、日産化学工業(株)製)
100部と、メチルトリメトキシシラン68部と、水1
0.8部とを投入し、攪拌しながら65℃で約5時間か
けて部分加水分解反応を行った後、冷却することによ
り、(C−1)成分を得た。このものは、室温で48時
間放置したときの固形分が36%であった。
ー及び温度計をつけたフラスコ中に、IPA分散コロイ
ダルシリカゾルIPA−ST(粒子径10〜20nm、
固形分30%、水分0.5%、日産化学工業(株)製)
100部と、メチルトリメトキシシラン68部と、水1
0.8部とを投入し、攪拌しながら65℃で約5時間か
けて部分加水分解反応を行った後、冷却することによ
り、(C−1)成分を得た。このものは、室温で48時
間放置したときの固形分が36%であった。
【0094】 C−1の調製条件 ・加水分解性基1モル当量に対する水のモル数 0.4モル ・(C−1)成分のシリカ分含有量 47.3% ・m=1の加水分解性オルガノシランのモル% 100モル% <調製例C−2>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー及び温度計をつけたフラスコ中に、キシレン・n−ブ
タノール混合溶媒分散コロイダルシリカゾルXBA−S
T(粒子径10〜20nm、固形分30%、水分0.2
%、日産化学工業(株)製)100部と、メチルトリメ
トキシシラン68部とを投入し、攪拌しながら65℃で
約5時間かけて部分加水分解反応を行った後、冷却する
ことにより、(C−2)成分を得た。このものは、室温
で48時間放置したときの固形分が36%であった。
ー及び温度計をつけたフラスコ中に、キシレン・n−ブ
タノール混合溶媒分散コロイダルシリカゾルXBA−S
T(粒子径10〜20nm、固形分30%、水分0.2
%、日産化学工業(株)製)100部と、メチルトリメ
トキシシラン68部とを投入し、攪拌しながら65℃で
約5時間かけて部分加水分解反応を行った後、冷却する
ことにより、(C−2)成分を得た。このものは、室温
で48時間放置したときの固形分が36%であった。
【0095】 C−2の調製条件 ・加水分解性基1モル当量に対する水のモル数 0.007モル ・(C−2)成分のシリカ分含有量 47.3% ・m=1の加水分解性オルガノシランのモル% 100モル% (D成分の調製例): <調製例D−1>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコに、メ
チルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)がト
ルエン150部に溶解してなる溶液を仕込み、これに、
1%塩酸水溶液108部を20分かけて滴下し、メチル
トリイソプロポキシシランを攪拌下60℃で加水分解し
た。滴下終了から40分後に攪拌を止め、反応液を分液
ロートに移し入れて静置したところ、二層に分離した。
少量の塩酸を含んだ下層の水とイソプロピルアルコール
の混合溶液を分液除去し、後に残ったトルエンの樹脂溶
液中に残存している塩酸を水洗で除去し、更にトルエン
を減圧除去した後、残留物をイソプロピルアルコールで
希釈することにより、重量平均分子量(Mw)約200
0のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのイソプ
ロピルアルコール40%溶液を得た。これをD−1と称
する。このD−1中のシラノール基含有ポリオルガノシ
ロキサンは前記平均組成式(III) を満たすものであるこ
とが確認されている。
ー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコに、メ
チルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)がト
ルエン150部に溶解してなる溶液を仕込み、これに、
1%塩酸水溶液108部を20分かけて滴下し、メチル
トリイソプロポキシシランを攪拌下60℃で加水分解し
た。滴下終了から40分後に攪拌を止め、反応液を分液
ロートに移し入れて静置したところ、二層に分離した。
少量の塩酸を含んだ下層の水とイソプロピルアルコール
の混合溶液を分液除去し、後に残ったトルエンの樹脂溶
液中に残存している塩酸を水洗で除去し、更にトルエン
を減圧除去した後、残留物をイソプロピルアルコールで
希釈することにより、重量平均分子量(Mw)約200
0のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのイソプ
ロピルアルコール40%溶液を得た。これをD−1と称
する。このD−1中のシラノール基含有ポリオルガノシ
ロキサンは前記平均組成式(III) を満たすものであるこ
とが確認されている。
【0096】<調製例D−2>攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた
フラスコに水1000部、アセトン50部を仕込み、更
にメチルトリクロロシシラン44.8部(0.3モ
ル)、ジメチルジクロロシラン38.7部(0.3モ
ル)およびフェニルトリクロロシラン84.6部(0.
4モル)がトルエン200部に溶解してなる溶液を攪拌
下に滴下しながら60℃で加水分解した。滴下終了から
40分後に攪拌を止め,反応液を分液ロートに移し入れ
て静置したところ、二層に分離した。下層の塩酸水を分
液除去し、後に残ったオルガノポリシロキサンのトルエ
ン溶液中に残存している水と塩酸を減圧ストリッピング
により過剰のトルエンとともに除去することにより、重
量平均分子量(Mw)約3000のシラノール基含有ポ
リオルガノシロキサンのトルエン60%溶液を得た。こ
れをD−2と称する。このD−2中のシラノール基含有
ポリオルガノシロキサンは前記平均組成式(III) を満た
すものであることが確認されている。 (E成分(硬化触媒)): <E−1>N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン。これをE−1と称する。 (F成分の調製例): <調製例F−1>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出口及び温度計を取
り付けたフラスコ中で、n−ブチルメタクリレート(B
MA)5.69部、トリメトキシシリルプロピルメタク
リレート(SMA)1.24部、グリシジルメタクリレ
ート(GMA)0.71部、更に連鎖移動剤としてγ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.784部を
トルエン8.49部に溶解させてなる反応液に、アゾビ
スイソブチロニトリル0.025部がトルエン3部に溶
解してなる溶液を窒素気流下で滴下し、70℃で2時間
反応させた。これにより、重量平均分子量Mw=100
0のアクリル樹脂の40%トルエン溶液を得た。これを
F−1と称する。
ト、コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた
フラスコに水1000部、アセトン50部を仕込み、更
にメチルトリクロロシシラン44.8部(0.3モ
ル)、ジメチルジクロロシラン38.7部(0.3モ
ル)およびフェニルトリクロロシラン84.6部(0.
4モル)がトルエン200部に溶解してなる溶液を攪拌
下に滴下しながら60℃で加水分解した。滴下終了から
40分後に攪拌を止め,反応液を分液ロートに移し入れ
て静置したところ、二層に分離した。下層の塩酸水を分
液除去し、後に残ったオルガノポリシロキサンのトルエ
ン溶液中に残存している水と塩酸を減圧ストリッピング
により過剰のトルエンとともに除去することにより、重
量平均分子量(Mw)約3000のシラノール基含有ポ
リオルガノシロキサンのトルエン60%溶液を得た。こ
れをD−2と称する。このD−2中のシラノール基含有
ポリオルガノシロキサンは前記平均組成式(III) を満た
すものであることが確認されている。 (E成分(硬化触媒)): <E−1>N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン。これをE−1と称する。 (F成分の調製例): <調製例F−1>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出口及び温度計を取
り付けたフラスコ中で、n−ブチルメタクリレート(B
MA)5.69部、トリメトキシシリルプロピルメタク
リレート(SMA)1.24部、グリシジルメタクリレ
ート(GMA)0.71部、更に連鎖移動剤としてγ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.784部を
トルエン8.49部に溶解させてなる反応液に、アゾビ
スイソブチロニトリル0.025部がトルエン3部に溶
解してなる溶液を窒素気流下で滴下し、70℃で2時間
反応させた。これにより、重量平均分子量Mw=100
0のアクリル樹脂の40%トルエン溶液を得た。これを
F−1と称する。
【0097】F−1の調製条件 ・単量体モル比率 BMA/SMA/GMA=8/1/
1 ・重量平均分子量 1000 ・固形分含有量 40% 上記で得られた各成分を用い、以下のようにしてシリコ
ーンレジンを調製した。 〔シリコーンレジン(1)の調製〕: <調製例1−1および1−2>表1に示す成分を同表に
示す割合で混合することにより、シリコーンレジン(1
−1)および(1−2)を得た。
1 ・重量平均分子量 1000 ・固形分含有量 40% 上記で得られた各成分を用い、以下のようにしてシリコ
ーンレジンを調製した。 〔シリコーンレジン(1)の調製〕: <調製例1−1および1−2>表1に示す成分を同表に
示す割合で混合することにより、シリコーンレジン(1
−1)および(1−2)を得た。
【0098】<比較調製例1−1>調製例B−2で得ら
れたオルガノシロキサン26%アルコール溶液(B−
2)に硬化触媒として表1に示す量の酢酸カリウムを加
えて比較用シリコーンレジン(1−1)を得た。 〔シリコーンレジン(2)の調製〕: <調製例2−1〜2−4および比較調製例2−1〜2−
2>表1〜2に示す成分を同表に示す割合で混合するこ
とにより、シリコーンレジン(2−1)〜(2−4)お
よび比較用シリコーンレジン(2−1)〜(2−2)を
得た。
れたオルガノシロキサン26%アルコール溶液(B−
2)に硬化触媒として表1に示す量の酢酸カリウムを加
えて比較用シリコーンレジン(1−1)を得た。 〔シリコーンレジン(2)の調製〕: <調製例2−1〜2−4および比較調製例2−1〜2−
2>表1〜2に示す成分を同表に示す割合で混合するこ
とにより、シリコーンレジン(2−1)〜(2−4)お
よび比較用シリコーンレジン(2−1)〜(2−2)を
得た。
【0099】上記で得られた各シリコーンレジン中の全
ケイ素単位数に対する3官能のケイ素単位および4官能
のケイ素単位のそれぞれの数の割合を、原料モノマーの
仕込み量から、反応率を100%として算出した。その
結果を表1〜2に示す。また、(A)成分を除く全シリ
コーン固形分に対する(A)成分の割合(%)を表1〜
2に示す。
ケイ素単位数に対する3官能のケイ素単位および4官能
のケイ素単位のそれぞれの数の割合を、原料モノマーの
仕込み量から、反応率を100%として算出した。その
結果を表1〜2に示す。また、(A)成分を除く全シリ
コーン固形分に対する(A)成分の割合(%)を表1〜
2に示す。
【0100】上記で得られたシリコーンレジンを用い、
以下の実施例を行った。 <実施例1>導電性基体としてSUS304製パイプ
(30mmφ×253mmL×0.4mmt)を用い、
その周面に、タイプ8ナイロン樹脂(商品名「トレジン
F」、帝国化学(株)製)の溶液(溶媒:メタノールと
ブタノールとの重量比1/3の混合溶媒、樹脂固形分:
25%)からなるプライマー組成物をディッピング塗装
により塗布し、塗膜を80℃で1時間硬化させることに
より、導電性基体の周面を膜厚1μmのプライマー層で
被覆した。
以下の実施例を行った。 <実施例1>導電性基体としてSUS304製パイプ
(30mmφ×253mmL×0.4mmt)を用い、
その周面に、タイプ8ナイロン樹脂(商品名「トレジン
F」、帝国化学(株)製)の溶液(溶媒:メタノールと
ブタノールとの重量比1/3の混合溶媒、樹脂固形分:
25%)からなるプライマー組成物をディッピング塗装
により塗布し、塗膜を80℃で1時間硬化させることに
より、導電性基体の周面を膜厚1μmのプライマー層で
被覆した。
【0101】次いで、X型無金属フタロシアニンからな
る光導電材料がポリビニルブチラール樹脂(商品名「エ
スレックBM1」、積水化学(株)製)(樹脂固形分1
0%)からなるバインダー中に分散してなるコーティン
グ材組成物(光導電材料とバインダーとの重量比3/
1)を上記プライマー層の表面にディッピング塗装によ
り塗布し、塗膜を60℃で2時間硬化させることによ
り、プライマー層の表面に膜厚0.3μmの電荷発生層
を形成させた。
る光導電材料がポリビニルブチラール樹脂(商品名「エ
スレックBM1」、積水化学(株)製)(樹脂固形分1
0%)からなるバインダー中に分散してなるコーティン
グ材組成物(光導電材料とバインダーとの重量比3/
1)を上記プライマー層の表面にディッピング塗装によ
り塗布し、塗膜を60℃で2時間硬化させることによ
り、プライマー層の表面に膜厚0.3μmの電荷発生層
を形成させた。
【0102】次に、上記電荷発生層の表面に市販アクリ
ルシリコーン樹脂(商品名「アルコSP」、ナトコペイ
ント製)をディッピング塗装により塗布し、塗膜を60
℃で30分間硬化させることにより、電荷発生層の表面
に膜厚0.5μmの中塗り層を形成させた。次に、N,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)ベン
ジジンからなる電荷輸送材料と、調製例1−1で得られ
たシリコーンレジン(1−1)からなるバインダーとを
36/64の重量比で含む混合物からなるコーティング
材組成物を上記中塗り層の表面にスプレー塗装により塗
布し、塗膜を60℃で2時間硬化させることで中塗り層
の表面に膜厚20μmの電荷輸送層を形成させることに
より、電荷輸送層が単層であるドラム状の電子写真感光
体(感光ドラム)を得た。 <実施例2〜10および比較例1〜4>実施例1におい
て、導電性基体の材質、プライマー層の有無、電荷発生
層および電荷輸送層のバインダーの種類、電荷発生層と
電荷輸送層との間の中塗り層の有無を表3、4、6に示
す通りとしたこと以外は実施例1と同様の操作を行うこ
とにより、各実施例および比較例の、電荷輸送層が単層
であるドラム状の電子写真感光体(感光ドラム)を得
た。 <実施例11>導電性基体として実施例1で用いたのと
同様のSUS304製パイプの周面に、表5に示す通
り、プライマー層、電荷発生層、第1電荷輸送層を実施
例1と同様の操作で順次形成することにより、電荷輸送
層が単層であるドラム状の電子写真感光体(感光ドラ
ム)を得た。この電子写真感光体の前記第1電荷輸送層
の表面にさらに市販アクリルシリコーン樹脂(商品名
「アルコSP」、ナトコペイント製)をディッピング塗
装により塗布し、塗膜を60℃で30分間硬化させるこ
とにより、第1電荷輸送層の表面に膜厚0.5μmの中
塗り層を形成させた。
ルシリコーン樹脂(商品名「アルコSP」、ナトコペイ
ント製)をディッピング塗装により塗布し、塗膜を60
℃で30分間硬化させることにより、電荷発生層の表面
に膜厚0.5μmの中塗り層を形成させた。次に、N,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)ベン
ジジンからなる電荷輸送材料と、調製例1−1で得られ
たシリコーンレジン(1−1)からなるバインダーとを
36/64の重量比で含む混合物からなるコーティング
材組成物を上記中塗り層の表面にスプレー塗装により塗
布し、塗膜を60℃で2時間硬化させることで中塗り層
の表面に膜厚20μmの電荷輸送層を形成させることに
より、電荷輸送層が単層であるドラム状の電子写真感光
体(感光ドラム)を得た。 <実施例2〜10および比較例1〜4>実施例1におい
て、導電性基体の材質、プライマー層の有無、電荷発生
層および電荷輸送層のバインダーの種類、電荷発生層と
電荷輸送層との間の中塗り層の有無を表3、4、6に示
す通りとしたこと以外は実施例1と同様の操作を行うこ
とにより、各実施例および比較例の、電荷輸送層が単層
であるドラム状の電子写真感光体(感光ドラム)を得
た。 <実施例11>導電性基体として実施例1で用いたのと
同様のSUS304製パイプの周面に、表5に示す通
り、プライマー層、電荷発生層、第1電荷輸送層を実施
例1と同様の操作で順次形成することにより、電荷輸送
層が単層であるドラム状の電子写真感光体(感光ドラ
ム)を得た。この電子写真感光体の前記第1電荷輸送層
の表面にさらに市販アクリルシリコーン樹脂(商品名
「アルコSP」、ナトコペイント製)をディッピング塗
装により塗布し、塗膜を60℃で30分間硬化させるこ
とにより、第1電荷輸送層の表面に膜厚0.5μmの中
塗り層を形成させた。
【0103】次に、調製例1−2で得られたシリコーン
レジン(1−2)からなるコーティング材組成物(電荷
輸送材料は含まない)を上記中塗り層の表面にディッピ
ング塗装により塗布し、塗膜を60℃で2時間硬化させ
ることで中塗り層の表面に膜厚2μmの第2電荷輸送層
(オーバーコート層)を形成させることにより、電荷輸
送層が複層であるドラム状の電子写真感光体(感光ドラ
ム)を得た。 <実施例12、13および比較例5>実施例11におい
て、第1電荷輸送層と第2電荷輸送層の間の中塗り層の
有無、第2電荷輸送層形成用コーティング材の種類を表
5および6に示す通りとしたこと以外は実施例11と同
様の操作を行うことにより、各実施例および比較例の、
電荷輸送層が複層であるドラム状の電子写真感光体(感
光ドラム)を得た。 <比較例6>電荷輸送層のバインダーとして市販のシリ
コーンゴムを用いてドラム状の電子写真感光体(感光ド
ラム)を作製しようとしたが、シリコーンゴムには透明
性がないため、ドラム状の電子写真感光体(感光ドラ
ム)を得ることはできなかった。
レジン(1−2)からなるコーティング材組成物(電荷
輸送材料は含まない)を上記中塗り層の表面にディッピ
ング塗装により塗布し、塗膜を60℃で2時間硬化させ
ることで中塗り層の表面に膜厚2μmの第2電荷輸送層
(オーバーコート層)を形成させることにより、電荷輸
送層が複層であるドラム状の電子写真感光体(感光ドラ
ム)を得た。 <実施例12、13および比較例5>実施例11におい
て、第1電荷輸送層と第2電荷輸送層の間の中塗り層の
有無、第2電荷輸送層形成用コーティング材の種類を表
5および6に示す通りとしたこと以外は実施例11と同
様の操作を行うことにより、各実施例および比較例の、
電荷輸送層が複層であるドラム状の電子写真感光体(感
光ドラム)を得た。 <比較例6>電荷輸送層のバインダーとして市販のシリ
コーンゴムを用いてドラム状の電子写真感光体(感光ド
ラム)を作製しようとしたが、シリコーンゴムには透明
性がないため、ドラム状の電子写真感光体(感光ドラ
ム)を得ることはできなかった。
【0104】以上で得られた電子写真感光体の耐摩耗
性、耐汚染性(残留トナー離型性)、耐コロナ性を以下
の方法で評価した。電子写真感光体を、コロナ放電によ
る帯電装置と、半導体レーザーによる画像書き込み装置
と、一成分トナー現像装置と、転写装置と、ウレタンゴ
ムブレードを備えたクリーニング装置とを具備するプリ
ンターに装着し、1万枚および5万枚の複写試験を行っ
た。複写終了後、電子写真感光体表面の外観を観察し、
トナー付着性を以下の判断基準で評価した。
性、耐汚染性(残留トナー離型性)、耐コロナ性を以下
の方法で評価した。電子写真感光体を、コロナ放電によ
る帯電装置と、半導体レーザーによる画像書き込み装置
と、一成分トナー現像装置と、転写装置と、ウレタンゴ
ムブレードを備えたクリーニング装置とを具備するプリ
ンターに装着し、1万枚および5万枚の複写試験を行っ
た。複写終了後、電子写真感光体表面の外観を観察し、
トナー付着性を以下の判断基準で評価した。
【0105】 ○:電子写真感光体表面にトナーの付着なし。 △:数本の筋状にトナーが付着。 ×:全面にトナーが付着。 上記項目で△か×の場合、電子写真感光体表面に付着し
たトナーが綿布できれいに拭き取れるかどうかを調べ、
その結果を以下の基準で評価した。
たトナーが綿布できれいに拭き取れるかどうかを調べ、
その結果を以下の基準で評価した。
【0106】 ○:付着していたトナーがきれいに拭き取れる。 △:付着していたトナーの一部が残留する。 ×:全面に渡ってトナーが電子写真感光体表面に埋め込
まれ、ほとんど除去できない。 なお、1万枚の複写試験では、いずれの電子写真感光体
も、印刷トラブルがなく、良好な画像が得られた。他
方、5万枚の複写試験においては、実施例1〜13の電
子写真感光体では、印刷トラブルもなく、良好な画像が
得られたが、比較例1の電子写真感光体では字がにじ
み、かすれが全面に発生した。また、比較例2〜5の電
子写真感光体では、字のにじみが発生した。
まれ、ほとんど除去できない。 なお、1万枚の複写試験では、いずれの電子写真感光体
も、印刷トラブルがなく、良好な画像が得られた。他
方、5万枚の複写試験においては、実施例1〜13の電
子写真感光体では、印刷トラブルもなく、良好な画像が
得られたが、比較例1の電子写真感光体では字がにじ
み、かすれが全面に発生した。また、比較例2〜5の電
子写真感光体では、字のにじみが発生した。
【0107】トナー付着性とトナー拭き取り性の評価結
果を表3〜6に示す。
果を表3〜6に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】表1〜6の注釈は以下の通り。 *1:全ケイ素単位数に対する割合。 *2:(A)成分を除く全シリコーン固形分に対する
(A)成分の割合。 *3:電荷発生層と(第1)電荷輸送層の間の中塗り
層。 *4:電荷輸送層が2層ある場合における第1電荷輸送
層と第2電荷輸送層の間の中塗り層。
(A)成分の割合。 *3:電荷発生層と(第1)電荷輸送層の間の中塗り
層。 *4:電荷輸送層が2層ある場合における第1電荷輸送
層と第2電荷輸送層の間の中塗り層。
【0115】*5:電荷輸送層が2層ある場合における
電子写真感光体の最外層の電荷輸送層。
電子写真感光体の最外層の電荷輸送層。
【0116】
【発明の効果】本発明で用いられるシリコーンレジン
は、耐摩耗性、耐汚染性(残留トナー離型性)、耐コロ
ナ性等に優れた硬化被膜を形成することができる。その
ため、このシリコーンレジンを少なくとも最外層の形成
に用いてなる本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性、耐
汚染性(残留トナー離型性)、耐コロナ性等に優れた表
面を有する。そのため、この電子写真感光体は、前述し
た従来の電子写真感光体と比べて、下記の利点を併せ持
つ。
は、耐摩耗性、耐汚染性(残留トナー離型性)、耐コロ
ナ性等に優れた硬化被膜を形成することができる。その
ため、このシリコーンレジンを少なくとも最外層の形成
に用いてなる本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性、耐
汚染性(残留トナー離型性)、耐コロナ性等に優れた表
面を有する。そのため、この電子写真感光体は、前述し
た従来の電子写真感光体と比べて、下記の利点を併せ持
つ。
【0117】1)表面の耐汚染性(残留トナー離型性)
性が高いため、表面にトナーが付着しにくい。また、ト
ナーが付着したとしても、それを綿布等で容易に除去で
きる。 2)表面が耐摩耗性に優れるため、クリーニングブレー
ド等との摩擦による表面劣化が起きにくい。
性が高いため、表面にトナーが付着しにくい。また、ト
ナーが付着したとしても、それを綿布等で容易に除去で
きる。 2)表面が耐摩耗性に優れるため、クリーニングブレー
ド等との摩擦による表面劣化が起きにくい。
【0118】3)表面が耐コロナ性に優れるため、電子
写真感光体をコロナ放電により帯電させる場合、コロナ
放電による表面劣化が起きにくい。 4)上記1)〜3)の利点があるため、電子写真感光体
の寿命が長いので、電子写真感光体を頻繁に交換する必
要がない。 また、本発明の電子写真感光体の少なくとも最外層の形
成に用いられる前記シリコーンレジンは、常温で硬化さ
せることが可能であるため、本発明の電子写真感光体
は、加工性にも優れる。
写真感光体をコロナ放電により帯電させる場合、コロナ
放電による表面劣化が起きにくい。 4)上記1)〜3)の利点があるため、電子写真感光体
の寿命が長いので、電子写真感光体を頻繁に交換する必
要がない。 また、本発明の電子写真感光体の少なくとも最外層の形
成に用いられる前記シリコーンレジンは、常温で硬化さ
せることが可能であるため、本発明の電子写真感光体
は、加工性にも優れる。
【図1】本発明にかかる電子写真感光体の一実施態様を
表す部分横断面図。
表す部分横断面図。
【図2】本発明にかかる電子写真感光体の別の実施態様
を表す部分横断面図。
を表す部分横断面図。
1、2 電子写真感光体 10、20 導電性基体 11、21 電荷発生層 12、22a、22b 電荷輸送層 23 中塗り層
Claims (8)
- 【請求項1】導電性基体上に、透明樹脂硬化体中に光導
電材料を含む電荷発生層と、透明樹脂硬化体中に電荷輸
送材料を含む少なくとも1つの電荷輸送層とが順次積層
されてなる電子写真感光体において、その少なくとも最
外層を構成する透明樹脂硬化体が、下記(A)成分を、
この(A)成分を除く全シリコーン固形分100重量部
に対して1〜100重量部の配合割合で含むシリコーン
レジンの硬化体からなることを特徴とする電子写真感光
体。 (A)成分: 一般式HO(R1 2 SiO)n H …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の1価の炭化
水素基を示し、nは3以上の整数である)直鎖状ポリシ
ロキサンジオール。 - 【請求項2】前記(A)成分である前記直鎖状ポリシロ
キサンジオールを表す前記式(I)中のnが10≦n≦
50の範囲内である、請求項1に記載の電子写真感光
体。 - 【請求項3】前記シリコーンレジンは、前記(A)成分
に加え、さらに下記(B)成分を含むシリコーンレジン
である、請求項1または2に記載の電子写真感光体。 (B)成分:一般式R3 Si(OR2 )3 で表されるケ
イ素化合物100重量部に対し、一般式Si(OR2 )
4 で表されるケイ素化合物および/またはコロイダルシ
リカ20〜200重量部を含む加水分解性混合物(ここ
でR2 、R3 は1価の炭化水素基を示す)の加水分解重
縮合物であって、この加水分解重縮合物の重量平均分子
量がポリスチレン換算で800以上になるように調整さ
れているオルガノシロキサン。 - 【請求項4】前記加水分解性混合物は、前記一般式R3
Si(OR2 )3 で表されるケイ素化合物100重量部
に対し、一般式R3 2 Si(OR2 )2 で表されるケイ
素化合物60重量部以下をさらに含む、請求項3に記載
の電子写真感光体。 - 【請求項5】前記シリコーンレジンは、前記(A)成分
に加え、さらに下記(C)、(D)および(E)成分
を、(C)成分と(D)成分の合計100重量部に対
し、(C)成分1〜99重量部、(D)成分1〜99重
量部、(E)成分0.0001〜10重量部の配合割合
で含むシリコーンレジンである、請求項1または2に記
載の電子写真感光体。 (C)成分: 一般式R4 m SiX4-m …(II) で表される(ここでR4 は同一または異種の置換もしく
は非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す)加水分解性オ
ルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒
に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性基
(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを使
用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラン
のシリカ分散オリゴマー溶液。 (D)成分: 平均組成式R5 a Si(OH)b O(4-a-b)/2 …(III) で表され(ここでR5 は同一または異種の置換もしくは
非置換で炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
びbはそれぞれ0.2≦a<2、0.0001≦b≦
3、a+b<4の関係を満たす数である)、分子中にシ
ラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。 (E)成分:硬化触媒。 - 【請求項6】前記シリコーンレジンは、さらに下記
(F)成分を、前記(A)成分を除く全シリコーン固形
分100重量部に対して1〜100重量部の配合割合で
含む、請求項1から5までのいずれかに記載の電子写真
感光体。 (F)成分: 一般式CH2 =CR6 (COOR7 ) …(IV) で表される(ここでR6 は水素原子および/またはメチ
ル基を示す)モノマーであって、 R7 が置換もしくは非置換で炭素数1〜9の1価炭化水
素基である第1の(メタ)アクリル酸エステルと、 R7 がエポキシ基、グリシジル基およびこれらのうちの
少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選
ばれる少なくとも1種の基である第2の(メタ)アクリ
ル酸エステルと、 R7 がアルコキシシリル基および/またはハロゲン化シ
リル基を含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル
酸エステルと、の共重合体であるアクリル樹脂。 - 【請求項7】前記電荷発生層と前記電荷輸送層との間
に、透明樹脂硬化体からなる少なくとも1つの中塗り層
がさらに積層されている請求項1から6までのいずれか
に記載の電子写真感光体。 - 【請求項8】前記電荷輸送層が複数あり、それらの層間
の少なくとも1つに、透明樹脂硬化体からなる少なくと
も1つの中塗り層がさらに積層されている請求項1から
7までのいずれかに記載の電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10009749A JPH10339960A (ja) | 1997-01-28 | 1998-01-21 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-14360 | 1997-01-28 | ||
JP1436097 | 1997-01-28 | ||
JP10009749A JPH10339960A (ja) | 1997-01-28 | 1998-01-21 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10339960A true JPH10339960A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=26344533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10009749A Pending JPH10339960A (ja) | 1997-01-28 | 1998-01-21 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10339960A (ja) |
-
1998
- 1998-01-21 JP JP10009749A patent/JPH10339960A/ja active Pending
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