JPH10333159A

JPH10333159A - 液晶表示装置

Info

Publication number: JPH10333159A
Application number: JP14524397A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Nagahara; 孝行永原; Takao Inoue; 孝夫井上; Norihiko Egami; 典彦江上; Hideki Matsukawa; 秀樹松川
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1997-06-03
Filing date: 1997-06-03
Publication date: 1998-12-18

Abstract

(57)【要約】【課題】セルギャップ精度及びシール性を向上させた
液晶表示装置を提供する。【解決手段】紫外線硬化性または熱硬化性のシール剤
により内外シールライン３、４をガラス基板１、２上に
塗布し、硬化させた内周側シールラインの内側に液晶材
料５とスペーサ７とを収容して、第１、第２の各ガラス
基板１、２間を加圧して外周側シールライン４を硬化さ
せて基板１、２間を接合する。内周側シールライン３を
滑り性のよい材料で形成することにより、内周側シール
ライン３上に載ったスペーサ７が滑り落ちるので内周側
シールライン３の表面に残存することが抑制され、基板
１、２間を接合したときのセルギャップ精度やシール性
の低下が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶滴下法を用い
て製造される液晶表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は、周知の通り透明電極を
形成した２枚のガラス基板の間に液晶材料を封入して形
成される。液晶材料は２枚のガラス基板の対向面の周囲
に形成されたシール剤によるシールラインの高さ分の空
間内に収容され、このシールラインによって２枚のガラ
ス基板間の接合がなされる。図５は、液晶滴下法によっ
て製造された液晶表示装置の断面構造を示すもので、各
構成要素を明確に示すため模式図的に表示している。

【０００３】図５に示すように、液晶表示装置２０は、
２枚のガラス基板２１、２２の対向面間の周囲を２重の
シールライン２３、２４で接合した内周側シールライン
２３の内側に液晶材料２５とスペーサ２６とを封止して
形成されており、第１、第２のガラス基板２１、２２の
間のセルギャップは前記スペーサ２６によって確保さ
れ、２重のシールライン２３、２４によって液晶材料２
５の漏出を防止すると共に各ガラス基板２１、２２間が
接合されている。この液晶表示装置２０は、液晶滴下法
により製造されたもので、図６に示すような手順で製造
される。

【０００４】図６（ａ）に示すように、第１のガラス基
板２１の第２のガラス基板２２との対向面の周囲にＵＶ
硬化性または熱硬化性の材料を用いたシール剤をシール
ライン２３として塗布する。このシール剤は硬化後に弾
性体となる材料が採用される。同様に、図６（ｂ）に示
すように、第２のガラス基板２２の第１のガラス基板２
１との対向面の周囲にＵＶ硬化性または熱硬化性の材料
を用いたシール剤をシールライン２４として塗布する。
これらのシールライン２３、２４は、第１のガラス基板
２１と第２のガラス基板２２とを接合したとき、対向面
間に２重のシールライン２３、２４として形成されるよ
うに、シールライン２３が内側となるように塗布され
る。

【０００５】次に、第１のガラス基板２１に塗布された
シール剤をＵＶ硬化または熱硬化させ、硬化したシール
ライン２３で囲まれた中に、図６（ｃ）に示すように、
液晶材料２５を滴下し、第１のガラス基板２１と第２の
ガラス基板２２との対向間にセルギャップを形成させる
ためのスペーサ２６が散布される。この後、図６（ｄ）
に示すように、第１のガラス基板２１と第２のガラス基
板２２とを重ね合わせて加圧し、第２のガラス基板２２
に塗布されたシール剤をＵＶ硬化または熱硬化させ、第
１、第２の各ガラス基板２１、２２間を接合する。

【０００６】上記構成により、内側のシールライン２３
は弾性体で形成されているので、第１、第２の各ガラス
基板２１、２２間の加圧により第２のガラス基板２２の
対向面に密着してシール効果が発揮され、外側のシール
ライン２４は第１、第２の各ガラス基板２１、２２間を
接合して、２重のシールにより内周側シールライン２３
内に封入した液晶材料２５の漏出が防止される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図７に
示すように、スペーサ２６が散布されるときに、内周側
シールライン２３上にスペーサ２６が載りやすく、この
ままの状態で第１、第２の各ガラス基板２１、２２の間
を接合すると、内周側シールライン２３が弾性体である
といえども、その形成厚さ（５〜７μｍ）に近似の直径
（３〜７μｍ）を有するスペーサ２６を吸収するほどに
変形できない。このため、内周側シールライン２３上に
スペーサ２６が存在することによってガラス基板２１、
２２間のセルギャップ精度が低下するばかりでなく、内
周側シールライン２３のシール性が損なわれ液晶材料２
５の漏れが発生する問題点があった。

【０００８】本発明の目的とするところは、シールライ
ン上にスペーサが載ることによって生じるセルギャップ
精度やシール性の低下を防止する液晶表示装置を提供す
ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の第１発明は、対面配置される２枚の基板の対向
面周囲に内周側、外周側の２重のシールラインを形成
し、内周側シールライン内に液晶材料及びスペーサを配
すると共に、前記シールラインにより基板間を接合して
液晶材料をシールライン内に封止した液晶表示装置にお
いて、前記内周側シールラインが、珪素系またはフッ素
系のシール剤により形成されてなることを特徴とする。

【００１０】上記構成によれば、内周側シールラインを
珪素系またはフッ素系のシール剤により形成することに
より、珪素系材料により形成されたスペーサに対する滑
り性がよくなるため、スペーサの散布時に内周側シール
ライン上に載ったスペーサが２枚の基板の接合時に残存
したままになることが抑制される。従って、内周側シー
ルライン上にスペーサが残存したままで基板間が接合さ
れることによるセルギャップの精度低下やシール性の低
下を抑制することができる。

【００１１】また、本願の第２発明は、対面配置される
２枚の基板の対向面周囲に内周側、外周側の２重のシー
ルラインを形成し、内周側シールライン内に液晶材料及
びスペーサを配すると共に、前記シールラインにより基
板間を接合して液晶材料をシールライン内に封止した液
晶表示装置において、前記内周側シールラインが、発泡
樹脂または多孔性樹脂によるシール剤により形成されて
なることを特徴とする。

【００１２】上記構成によれば、内周側シールラインを
形成する発泡性樹脂または多孔性樹脂は多数の空間を含
んでいるため、スペーサの散布時に内周側シールライン
上に載ったスペーサが２枚の基板の接合時の加圧により
内周側シールライン内に取り込まれる。従って、内周側
シールラインの表面上にスペーサが残存したままで基板
間が接合されることによるセルギャップの精度低下やシ
ール性の低下を抑制することができる。

【００１３】更に、本願の第３発明は、対面配置される
２枚の基板の対向面周囲に内周側、外周側の２重のシー
ルラインを形成し、内周側シールライン内に液晶材料及
びスペーサを配すると共に、前記シールラインにより基
板間を接合して液晶材料をシールライン内に封止した液
晶表示装置において、前記内周側シールラインの断面形
状を山形に形成したことを特徴とする。

【００１４】上記構成によれば、内周側シールライン上
に載ったスペーサは山形の傾斜面から転がり落ちやすく
残存することがないので、内周側シールラインの表面上
にスペーサが残存することによるセルギャップ精度やシ
ール性の低下が抑制される。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す各図は、微細な構成を明解に示すため、
実際の状態と寸法比率が異なる模式図的に表示してお
り、実際の寸法は本文中に記載する寸法例のように形成
される。また、基板に形成される電極等の表示は省略し
ている。

【００１６】まず、本実施形態に係る液晶表示装置を製
造するための液晶滴下法を用いた製造方法について説明
する。図１は、製造方法の手順を（ａ）〜（ｆ）の順に
示すもので、以下に各手順を順を追って説明する。

【００１７】（ａ）第１のガラス基板１に内周側シール
ライン３となるシール剤を図２（ａ）に示すように、後
述する第２のガラス基板２に施される外周側シールライ
ン４の内周側となる位置に塗布する。このシール剤は、
紫外線（ＵＶ）硬化性樹脂または熱硬化性樹脂が用いら
れ、硬化させたとき弾性体となる材質で、液晶材料と反
応しにくい材質が用いられる。この内周側シールライン
３は、２００μｍ以下のライン幅で第２のガラス基板２
の外周側シールライン４の高さより厚い塗布厚さに塗布
される。ここでは紫外線硬化性樹脂を採用し、塗布方法
は凹版オフセット印刷を用いている。塗布方法は、スク
リーン印刷、ディスペンサ等の方法を用いることもでき
る。

【００１８】（ｂ）塗布されたシール剤により形成され
た内周側シールライン３の内側は、液晶材料の収容部と
なるので、液晶材料を注入する前に硬化させておく必要
がありため、紫外線を照射して硬化させる。

【００１９】（ｃ）硬化させた内周側シールライン３に
囲まれた内部に、所定量の液晶材料５を滴下する。

【００２０】（ｄ）続いて、セルギャップを形成するた
めのスペーサ７を散布する。

【００２１】（ｅ）次に、図２（ｂ）に示すように、外
周側シールライン４となるシール剤を塗布した第２のガ
ラス基板２を第１のガラス基板１上に重ね合わせる。

【００２２】（ｆ）第１のガラス基板１と第２のガラス
基板２との間を加圧すると共に、未硬化の外周側シール
ライン４に紫外線を照射して硬化させ、第１のガラス基
板１と第２のガラス基板２との間を接合する。この加圧
接合時に、内周側シールライン３は弾性体であるので、
加圧による変形によってスペーサ７の直径まで圧縮さ
れ、第２のガラス基板２に密着するのでシール性が高め
られる。

【００２３】上記製造方法において、手順（ｄ）のスペ
ーサ７の散布時に、スペーサ７が内周側シールライン３
上に載り、そのままの状態で第１、第２の各ガラス基板
１、２を接合すると、セルギャップ精度が低下したり、
シール性の低下による液晶材料５の漏出が発生すること
は従来技術の問題点として指摘した通りである。本発明
は、この問題点を解決するために以下に示す各実施形態
の構成が採用されている。以下に各実施形態の構成を説
明する。

【００２４】本発明の第１の実施形態は、内周側シール
ライン３を形成するシール剤として、珪素（Ｓｉ）系あ
るいはフッ素（Ｆ）系のゴム状樹脂を用いるもので、硬
化したときに、二酸化珪素（ＳｉＯ₂）等によって形成
されるスペーサ７との間の滑り性がよくなるため、第２
のガラス基板２を接合するまでの間に内周側シールライ
ン３上にスペーサ７が残る残存確率が大幅に減少し、セ
ルギャップ精度の低下が抑制される。

【００２５】また、本発明の第２の実施形態は、内周側
シールライン３を形成するシール剤として、発泡樹脂あ
るいは多孔性樹脂を用いるもので、硬化したときにスペ
ーサ７を吸収する空間が多数存在するため、表面に載っ
たスペーサ７は、第２のガラス基板２を接合するときの
加圧によって内周側シールライン３内の空間に取り込ま
れ、表面に残存することがないので、セルギャップ精度
の低下が抑制される。

【００２６】更に、本発明の第３の実施形態は、図３に
示すように、内周側シールライン３の断面形状が山形に
なるように形成することにより、内周側シールライン３
の表面が傾斜面となるため、球形であるスペーサ７が内
周側シールライン３上に残存できないようにしたもので
ある。内周側シールライン３の断面形状を山形に形成す
るための製造方法は、凹版オフセット印刷等のシール剤
塗布手段により内周側シールライン３を、その塗布幅を
変えて複数回塗布することによって山形の断面形状を得
るものである。

【００２７】図４（ａ）（ｂ）は、凹版オフセット印刷
によりシール剤を２回塗布した場合の製造方法を示すも
ので、内周側シールライン３の形成高さを６μｍとした
場合、第１回目の印刷により塗布幅１００〜２００μｍ
で高さ３μｍにシール剤３ａを塗布し、これを硬化させ
た後（未硬化でもよい）、第２回目の印刷により塗布幅
５０μｍで高さ３μｍにシール剤３ｂを塗布し、これを
硬化させる。塗布されたシール剤は、図３に拡大図示す
るように、その流動や表面張力により断面形状の角部が
丸くなるので、緩い傾斜面を形成した山形になり、その
上に載ったスペーサ７は傾斜面から転落しやすくなるの
で、内周側シールライン３上にスペーサ７が残存するこ
とがなくなる。この内周側シールライン３を形成するシ
ール剤に、第１の実施形態に示した滑り性のよい材料を
用いることにより、山形の断面形状によるスペーサ７を
転落させる効果がより効果的となる。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明の通り本願の第１発明によれ
ば、内周側シールラインを珪素系またはフッ素系のシー
ル剤により形成することにより、珪素系材料により形成
されたスペーサに対する滑り性がよくなるため、スペー
サの散布時に内周側シールライン上に載ったスペーサが
２枚の基板の接合時に残存したままになることが抑制さ
れる。従って、内周側シールライン上にスペーサが残存
したままで基板間が接合されることによるセルギャップ
の精度低下やシール性の低下を抑制することができる。

【００２９】また、本願の第２発明によれば、内周側シ
ールラインを発泡性樹脂または多孔性樹脂のシール剤に
より形成することにより、多数の空間を含んでいるた
め、スペーサの散布時に内周側シールライン上に載った
スペーサが２枚の基板の接合時の加圧により内周側シー
ルライン内に取り込まれる。従って、内周側シールライ
ンの表面にスペーサが残存したままで基板間が接合され
ることによるセルギャップの精度低下やシール性の低下
を抑制することができる。

【００３０】更に、本願の第３発明によれば、内周側シ
ールラインの断面形状を、山形に形成することにより、
内周側シールライン上に載ったスペーサは山形の傾斜面
から転がり落ち、残存することがないので、表面にスペ
ーサが残存することによるセルギャップ精度やシール性
の低下が抑制される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方
法の手順を（ａ）〜（ｆ）に示す模式図。

【図２】内外シールラインの形成を（ａ）、（ｂ）に説
明する平面図。

【図３】第３の実施形態による内周側シールラインの断
面形状を示す拡大断面図。

【図４】第３の実施形態による内周側シールラインの形
成方法を（ａ）、（ｂ）に説明する模式図。

【図５】液晶滴下法により製造された液晶表示装置の構
成を示す断面図。

【図６】従来技術に係る液晶表示装置の製造方法を
（ａ）〜（ｄ）に説明する模式図。

【図７】従来技術の問題点を説明する模式図。

【符号の説明】

１第１のガラス基板（第１の基板）２第２のガラス基板（第２の基板）３内周側シールライン４外周側シールライン５液晶材料７スペーサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者松川秀樹大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】対面配置される２枚の基板の対向面周囲
に内周側、外周側の２重のシールラインを形成し、内周
側シールライン内に液晶材料及びスペーサを配し、前記
シールラインにより基板間を接合して液晶材料をシール
ライン内に封止した液晶表示装置において、前記内周側シールラインが、珪素系またはフッ素系のシ
ール剤により形成されてなることを特徴とする液晶表示
装置。
【請求項２】対面配置される２枚の基板の対向面周囲
に内周側、外周側の２重のシールラインを形成し、内周
側シールライン内に液晶材料及びスペーサを配し、前記
シールラインにより基板間を接合して液晶材料をシール
ライン内に封止した液晶表示装置において、前記内周側シールラインが、発泡樹脂または多孔性樹脂
によるシール剤により形成されてなることを特徴とする
液晶表示装置。
【請求項３】対面配置される２枚の基板の対向面周囲
に内周側、外周側の２重のシールラインを形成し、内周
側シールライン内に液晶材料及びスペーサを配し、前記
シールラインにより基板間を接合して液晶材料をシール
ライン内に封止した液晶表示装置において、前記内周側シールラインの断面形状が、山形に形成され
てなることを特徴とする液晶表示装置。