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JPH10322826A - ケーブル架渉用金車装置 - Google Patents

ケーブル架渉用金車装置

Info

Publication number
JPH10322826A
JPH10322826A JP12986097A JP12986097A JPH10322826A JP H10322826 A JPH10322826 A JP H10322826A JP 12986097 A JP12986097 A JP 12986097A JP 12986097 A JP12986097 A JP 12986097A JP H10322826 A JPH10322826 A JP H10322826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
wheel
body frame
main body
existing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12986097A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiro Suzuki
智博 鈴木
Makoto Oshima
誠 大嶋
Nobuo Otsuka
信夫 大塚
Shigeomi Matsunami
重臣 松波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NDS Co Ltd
Original Assignee
Nippon Denwa Shisetsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Denwa Shisetsu Co Ltd filed Critical Nippon Denwa Shisetsu Co Ltd
Priority to JP12986097A priority Critical patent/JPH10322826A/ja
Publication of JPH10322826A publication Critical patent/JPH10322826A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electric Cable Installation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高所作業を行うことなく既設支障物と新設ケ
ーブルとの接触を防止し、既設支障物の上越しに円滑に
新設ケーブルの牽引を行い得る金車装置を提供するこ
と。 【解決手段】 上記課題を解決する本発明の金車装置
は、既設ケーブル50に取り付けられる本体フレーム1
0と、既設ケーブル50に取り付けられた該本体フレー
ム10を地上から支持するための支持具とから構成され
ており、その本体フレーム10には、新たに架渉するケ
ーブル52を通過させる金車部12と、既設ケーブル5
0に該本体フレーム10を取り付けるための係合部14
とが備えられており、ここで前記金車部12は、前記本
体フレーム10が前記既設ケーブル50に取り付けられ
た際に該既設ケーブル50の上方に配置されるように該
本体フレーム10に設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線、ケーブル等
を架渉するための金車に関し、詳しくは、地上からの操
作によって既設支障物箇所において上越しにケーブル架
渉を行うための金車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電線や通信ケーブル等の種々のケ
ーブル類(以下単に「ケーブル」という。)を架渉(架
設)する場合、先ず、新たに架渉するケーブル(以下
「新設ケーブル」という。)を当該新設ケーブル先端に
予め接続させておいた牽引ロープと共に幾つものガイド
滑車(いわゆる柱間金車)に通し、それら柱間金車を既
設のケーブルや吊り線(以下、単に「既設ケーブル」と
いう。)に吊り下げ状態となるように順次取り付けてい
き、それら柱間金車を介して当該既設ケーブルの下方を
当該既設ケーブルに沿って目的の場所まで新設ケーブル
を牽引し、次いで、使用した柱間金車を取り外すと共
に、新設ケーブルの弛みをなくし、所定の位置に新設ケ
ーブルを取り付けて保持する工法が一般的である。例え
ば、特開平8−223724号公報には、このようなケ
ーブル架渉工法に好適に使用される柱間金車装置が開示
されている。
【0003】ところで、上述のケーブル架渉工法によっ
て新設ケーブルを既設ケーブルに沿って牽引する場合に
おいて、当該既設ケーブルから分岐したケーブル(以下
「既設分岐ケーブル」という。)が設けられている箇所
あるいは当該既設ケーブルに他の既設ケーブルが交差し
ている箇所では、新設ケーブル牽引作業に支障をきたす
ことが多い。すなわち、これら箇所において上述のよう
に既設ケーブルに沿って、かつ、上記既設分岐ケーブル
や交差するケーブル等の下を潜って新設ケーブルを牽引
した結果、必要な地上高を確保して新設ケーブルを所定
位置に取り付けることが当該新設ケーブル上方に存在す
る既設分岐ケーブルや交差するケーブル等の既設支障物
によって阻まれることがあるからである。このため、従
来、このような箇所においては支障物となり得る既設線
の下を潜らずにそれら既設線の上越しに新設ケーブルお
よび先端牽引ロープを牽引し得るように、高所作業車お
よび特別の装置を用いて作業者が煩雑な高所作業を別途
行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな既設支障物箇所における高所作業は、それに付随し
た種々の煩雑な作業(例えば作業者転落防止措置や高所
作業車設置場所確保のための交通規制)を余計に行う必
要が生じ、ケーブル架渉工事全体の遅れ(作業進捗ロ
ス)の一因となる場合があった。
【0005】本発明はこのようなケーブル架渉工事の一
問題点を解決するものであり、その目的とするところ
は、高所作業を行うことなく既設支障物箇所におけるケ
ーブル架渉工事を円滑に遂行するための一手段を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、ケーブルを架渉するための金車
装置であって、その金車装置は、既設のケーブルに取り
付けられる本体フレームと、既設ケーブルに取り付けら
れた際の当該本体フレームを地上から支持するための支
持具とから構成されており、その本体フレームには、新
たに架渉するケーブルを通過させる金車部と、既設ケー
ブルに当該本体フレームを取り付けるための係合部とが
備えられており、ここで上記金車部は、上記本体フレー
ムが上記既設ケーブルに取り付けられた際に当該既設ケ
ーブルの上方に配置され得るように当該本体フレームに
設けられており、その金車部に新たに架渉するケーブル
を通すことによって、上記既設ケーブルの上越しに当該
架渉するケーブルの牽引が実現されることを特徴とする
ケーブル架渉用金車装置(以下「本発明の第一の金車装
置」という。)を提供する。
【0007】本発明の第一の金車装置では、上記本体フ
レームを既設ケーブルに取り付けた際、当該本体フレー
ムに備えられている上記金車部(すなわち牽引する新設
ケーブルをガイドする滑車部分)が、当該既設ケーブル
よりも上方に配置されることとなる。このため、上記新
設ケーブルは、当該既設ケーブルおよび当該既設ケーブ
ルに関連する支障物(例えば、分岐ケーブルやその分岐
箇所)の上越しに当該金車部を介して牽引され得る。従
って、本発明の第一の金車装置によれば、ケーブル架渉
工事における既設支障箇所と新設ケーブルとの接触を回
避することができる。このとき、これら既設支障物箇所
は新設ケーブルの下方に位置するため、必要な地上高を
確保しつつ新設ケーブルを所定位置に取り付けることが
これら既設支障物によって阻まれることはない。
【0008】さらに、本発明の第一の金車装置において
は、上記支持具が装備されている。このため、当該支持
具を地上から操作することによって、既設ケーブルに取
り付けられた本体フレームをその状態のまま支持するこ
とができる。従って、本発明の第一の金車装置によれ
ば、従来のケーブル架渉工事におけるような上述の高所
作業を行うことなく、当該支持具を地上部から操作する
ことによって既設支障物箇所における新設ケーブルの牽
引作業を滞りなく円滑に行うことができる。
【0009】さらに好ましい本発明の金車装置として提
供される金車装置は、上記第一の金車装置において、上
記本体フレームには、上記金車部の当該本体フレームに
対する相対位置を可逆的に変動させ得るアジャスタ機構
がさらに備えられていることを特徴とするケーブル架渉
用金車装置(以下「本発明の第二の金車装置」とい
う。)である。
【0010】本発明の第二の金車装置では、新設ケーブ
ルを通過させるための上記金車部の本体フレームに対す
る相対位置を上記アジャスタ機構によって任意に動かす
ことが可能となる。このため、本発明の第二の金車装置
においては、上記第一の金車装置における作用効果に加
え、金車部の本体ケーブルに対する相対位置を調節する
ことによって、当該金車部の本体フレームに対する角度
(方向)を適宜異ならせることができる。すなわち、本
発明の第二の金車装置によれば、本体フレームの向き或
いは上記既設ケーブルの方向に限定されることなく、既
設ケーブル上方に配置した金車部の向きを所望する新設
ケーブルの牽引方向(即ち架渉方向)に応じて適宜変動
させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金車装置(上記第
一および第二の金車装置を包含する。)の好適な一実施
形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1および図
2は、それぞれ、本実施形態に係る本発明の金車装置
(以下「本金車装置」と略称する。)における本体フレ
ーム10の正面図および背面図である。また、図3は本
金車装置の側面図である。
【0012】図1および図2に示すように、本金車装置
の本体フレーム10は、大まかにいって、二等片三角形
状のフラットな金属プレートから成るフレーム部材16
と、当該フレーム部材16の下部に装備される係合部1
4と、当該フレーム部材16の上部(頂点付近)に装備
される金車部12とから構成されている。上記フレーム
部材16は本体フレーム10の骨格を形成するものであ
り、その外周部分を除く中央部分には開口部17が形成
されている。このため、後述するように本体フレーム1
0を既設ケーブル50に取り付けた際、当該本体フレー
ム10が既設ケーブル50上で被る風圧の影響を軽減す
ることができる。
【0013】本体フレーム10に装備される上記係合部
14は、フレーム部材16の下部(即ち底辺部分)に設
けられた左右一対のフック片18a,18bによって構
成されている。図3に示すように、これらフック片18
a,18bは、くの字に折れ曲がった二叉状の金属片か
ら成り、その一辺はリベット19によってフレーム部材
16下部に接合・固定されている。このことによって、
本体フレーム10の下部において上記フック片18a,
18bの両辺間に既設ケーブル50を挟み込むことが可
能となり(図3参照)、結果、本体フレーム10を既設
ケーブル50上部に着脱自在に係合させることができ
る。
【0014】次に、本金車装置に備えられている金車部
12について図面を参照しつつ詳述する。先ず、本金車
装置における金車部12のフレーム部材16への取付け
構造について説明する。図4は、本実施形態に係る金車
部12の本体フレーム10への取付け構造を模式的に示
した斜視図である。
【0015】図4に示すように、フレーム部材16の上
部にはビス取付け穴20が設けられており、当該ビス取
付け穴20には直方体形状の金車保持部材22がビス2
1によって固着されている(図3参照)。なお、ビス着
された当該金車保持部材22の底面には後述する操作棒
48を装着するための結合凸片22b(図3)が突設さ
れており、本金車装置における本体フレーム10と後述
する操作棒48を結合するジョイント部を構成してい
る。
【0016】一方、ビス着された金車保持部材22の上
面には、中央部に雌ネジが形成された円筒形ナット状の
取付けボス22aが突設されている。そして、当該金車
保持部材22の上面には、取付けボス22aに対応する
サイズの穴を有する円筒ドーナツ状の可動リング24が
当該取付けボス22aの周囲を包囲するようにして(即
ち可動リング24の穴に取付けボス22aが挿入される
ことによって)、回動可能に配置されている。このと
き、可動リング24の高さは、当該取付けボス22aの
高さと同じであるか好ましくは若干高めに設定されてい
る。
【0017】さらに、この可動リング24の外周部には
コの字形状に成型された金車取付けアーム26が装着さ
れている。すなわち、図4に示すように、可動リング2
4の外周部に設けられたビス着用の孔と金車取付けアー
ム26に設けられたビス着用の通し孔とを介し、これら
二つの部材をビス31(図3)によって結合している。
このことによって、本金車装置においては金車取付けア
ーム26を可動リング24と一体に上記取付けボス22
aを軸として回動させることができる。
【0018】一方、図4に示すように、可動リング24
の上面には、平ワッシャー28を配置すると共に、本金
車装置におけるアジャスタ機構を構成する締め付け調節
ネジ30が装着されている。この締め付け調節ネジ30
の雄ねじ部分は、可動リング24中央穴部分に埋設する
ようにして配置されている上記取付けボス22aの雌ネ
ジ部分に対応している。而して、当該締め付け調節ネジ
30を上記取付けボス22aに締め込むことによって、
可動リング24および金車取付けアーム26が平ワッシ
ャー28と金車保持部材22との間で締め付けられる。
その結果、可動リング24および金車取付けアーム26
をその位置で金車保持部材22に固定することができ
る。逆に、当該締め付け調節ネジ30を緩めることによ
って可動リング24および金車取付けアーム26を再び
回動させることができる。
【0019】上記のようにして本体フレーム10に装着
されたコの字状金車取付けアーム26の両辺先端部に
は、本金車装置における金車部12を支持するための取
付け軸38が装着されている。而して、図1および図3
に示すように、この取付け軸38には、本金車装置にお
ける金車部12を構成する支持腕32およびローラー3
6が装着されている。以下、本金車装置における金車部
12について詳述する。
【0020】本実施形態に係る支持腕32は、本体フレ
ーム10の側面からみて逆Uの字形状に成型された湾曲
フレーム(典型的には金属製)から成り、その頂上部分
には図示しない係合穴が設けられている。そして、この
係合穴に上記取付け軸38を貫通させることによって、
当該支持腕32は振り子のように揺動可能に上記金車取
付けアーム26に装着されている(図3参照)。また、
図3に示すように、金車取付けアーム26に装着された
上記金車腕32のアウト側(即ちフレーム部材16から
離隔した側)フレームの先端部分には、ヒンジピン32
cが設けられており、そのヒンジピン32cには当該金
車取付けアーム26に連結する可動支持フレーム32b
が回動可能に取り付けられている。この可動支持フレー
ム32bの動作については後述する。
【0021】一方、図2に示すように、支持腕32のイ
ン側(即ちフレーム部材16および金車保持部材22に
近接した側)フレームの中間部分外側において、当該イ
ン側フレームを挟み込むようにしてレバー装着部材42
が装着されている。このレバー装着部材42の裏面側に
はリベット状の軸材43が支持腕32イン側フレームに
当接するように凸状に固設されている。而して、当該レ
バー装着部材42と支持腕32イン側フレームとの間隙
を利用して、曲線形状の開放レバー44が当該軸材43
に回動可能に装着されている。この開放レバー44の上
部は、湾曲状に成型されると共に本体フレーム10の外
側に大きく引き出されている(図1参照)。他方、この
開放レバー44の下端部分は、半円状に折り曲げられて
フック部44a(図2)を形成しており、後述するロー
ラー軸34の一端を引っ掛けて支えることができる。ま
た、図2に示すように、支持腕32のイン側フレーム先
端部分には、上記開放レバー44のフック部44aに対
応する位置にはガイド溝32dが形成されている。この
ガイド溝32dの下側は開放状態であり、後述するロー
ラー軸34を挟み込むことができる。
【0022】次に、上記支持腕32に支持されているロ
ーラー36について説明する。図3に示すように、上記
可動支持フレーム32bの先端部分には、ローラー軸3
4が装着されている。このローラー軸34には鼓のよう
に中央部のくびれた円筒状のローラー36が回転自在に
装着されている。このとき、ローラー軸34の他端はロ
ーラー36から十分に突き出るように延伸しており、通
常、その先端部分は支持腕32イン側フレーム先端部に
設けられた上記ガイド溝32dに挟み込まれていると共
に開放レバー44のフック部44aによって支持されて
いる。このことによって、本金車装置において、支持腕
32とローラー36との間に新設ケーブル52を通過さ
せ、当該新設ケーブル52をローラー36(典型的には
中央くびれ部分;図3)で支持すると共にローラー36
の回転によって抵抗力を減じつつ所望の方向に当該新設
ケーブル52を牽引することができる。
【0023】さらに、本金車装置においては、上記構成
の結果、開放レバー44の上部湾曲部分を押し下げるこ
とによって、開放レバー44のフック部44aが回動し
て持ち上がり、結果、このフック部44aに支持されて
いたローラー軸34は当該フック部44aから外れるこ
ととなる。ここで、上述のとおり、ローラー軸34の他
端は、支持腕32アウト側フレームのヒンジピン32c
に連結されている上記可動支持フレーム32b先端部分
に取り付けられている。このため、ローラー軸34が上
記フック部44aから外れた際には、ローラー36およ
びローラー軸34は、自身の重力によって上記ヒンジピ
ン32cを中心軸として弧を描くように上記ガイド溝3
2dから下方に落下し、ヒンジピン32cに対して宙づ
り状態となる(図2に示した矢印参照)。従って、本金
車装置の金車部12においては、上記開放レバー44を
操作することによってローラー軸34の一端を支持腕3
2から容易に開閉することができる。このため、新設ケ
ーブル52の当該金車部12への着脱をスムーズに行う
ことが可能となる。
【0024】さらに、本金車装置の金車部12は、上述
のとおり、本金車装置におけるアジャスタ機構たる上記
締め付け調節ネジ30等を介してフレーム部材16に取
り付けられている。このため、当該締め付け調節ネジ3
0を操作することによって、金車部12(具体的にはロ
ーラー36)のフレーム部材16に対する相対位置(向
き)を可逆的に自在に変動することができる。
【0025】次に、上記支持具に相当する操作棒48の
本体フレーム10への装着様式について説明する。本金
車装置における操作棒48は、長さの調節可能な竿状の
棒材から構成されている。上述のとおり、フレーム部材
16にビス着されている上記金車保持部材22の底面に
は、結合凸片22bが下方に向けて凸設されている。他
方、操作棒48の天辺には上記結合凸片22bに対応す
る図示しない結合凹部が設けられている。而して、図3
に示すように、操作棒48の結合凹部に当該結合凸片2
2bを着脱可能に挿入することによって、操作棒48の
天辺部に本体フレーム10を載置することができる。こ
のことによって、本金車装置においては、本体フレーム
10を載置した操作棒48を地上から操ることによっ
て、特段の高所作業を行うことなく、当該本体フレーム
10の上記係合部14を既設ケーブル50に係合させる
ことができる。
【0026】次に、上記構成を有する本金車装置の典型
的な一使用態様を図5を参照しつつ模式的に説明する。
既設ケーブル50に吊り下げられた既存の柱間金車(図
示せず)を次々に通過させつつ当該既設ケーブル50に
沿って新設ケーブル52を目的地まで牽引するケーブル
架渉工事において、既設分岐ケーブル等の既設支障物
(図示せず)が既設ケーブル50に接するようにして存
在する場合、当該箇所近くの地上において本金車装置に
設けられた上記開放レバー44を操作することによって
予め金車部12に新設ケーブル52を通しておく。この
とき、フレーム部材16に対する金車部12の位置(向
き)は、上記締め付け調節ネジ30を操作することによ
ってケーブル牽引方向に応じて予め調節しておくことが
できる。次いで、本体フレーム10に設けられたジョイ
ント部(即ち上記結合凸片22b)に上記操作棒48を
連結する。
【0027】而して、図5に示すように、地上より操作
棒48を垂直に持ち上げつつ操作することによって当該
操作棒48上部に載置されている本体フレーム10の係
合部14(フック片18a,18b)を既設ケーブル5
0に係合する。ここで、操作棒48を垂直状態としたま
ま地面に立てることによって当該既設支障物箇所におい
て本金車装置の設置が完了する。このとき、本金車装置
においては、金車部12とジョイント部(結合凸片22
b)に連結された操作棒48とがフレーム部材16に対
して同側面側に装着されている。このため、金車部12
にかかる新設ケーブル52の重量を当該操作棒48で支
えることができ、本体フレーム10が倒れることがな
い。また、本金車装置においては、三角形状のフレーム
部材16の下辺部両端に係合部14が一対設けられてい
るため、本体フレーム10を既設ケーブル50上部に安
定した状態で取り付けることができる。このため、既設
ケーブル50軸方向に本体フレーム10が傾くおそれも
ない。他方、操作棒48には金車部12にかかる新設ケ
ーブル52の重みが加わるため、垂直状態を保つ限り、
特段の補助具を用いることなく安定して地上に立たせる
ことができる。なお、風雪等の悪条件下で作業を行う際
には、垂直に立てた操作棒48の下部にカウンターウェ
イト等を連結することによって、操作棒48のスタンド
状態をさらに安定させることができるが、このような補
助具は通常のケーブル架渉工事において必須のものでは
ない。
【0028】以上の操作によって、本金車装置の金車部
12は既設ケーブル50の上方に配置されることとな
り、結果、柱間金車を通過しつつ既設ケーブル50下方
に沿って牽引されてきた新設ケーブル52を、本金車装
置取り付け箇所においては当該既設ケーブル50の上越
しに牽引することが可能となる(図5参照)。そして、
目的地までのケーブル牽引作業が終了した際には、上記
開放レバー44の上部湾曲部分(即ち図5に示されてい
る部分)を地上から既存の棒材等(あるいは当該湾曲部
分に予め紐を取り付けておいてもよい)を用いて押し下
げることによって、ローラー軸34およびローラー36
を開放し、架渉された新設ケーブル52を金車部12か
ら外す。次いで、操作棒48を操作して係合部14を既
設ケーブル50から取り外すことによって、本金車装置
の本体フレーム10を地上から回収することができる。
このように、本金車装置を従来のケーブル牽引作業に使
用することによって、特別な高所作業を行うことなく地
上からの操作によって、既設支障物の上越しにケーブル
牽引作業を円滑に行うことが可能となる。
【0029】以上、本発明の金車装置の好適な一実施形
態を図面を参照しつつ説明したが、本発明の金車装置を
上記実施形態において示した形状のものに限定すること
を意図したものではない。例えば、上記実施形態におい
ては、本体フレームを形成するフレーム部材16が三角
形状の金属製プレートで形成されているがこれに限ら
ず、例えば、矢尻形状に一体成型された立体形状のフレ
ーム部材でもよい。また、本実施形態に係る金車装置に
おいては、フレーム部材16の下部にフック片18a,
18bを設けることによって係合部14を形成している
がこれに限らず、例えば、方形枠状プレートの上部にフ
ック片を設けておき、既設ケーブルに吊り下げるタイプ
のものであってもよい。この場合には金車部およびジョ
イント部を取り付け得るフレームを当該方形枠状フレー
ムから煙突状に突設しておき、既設ケーブル上方に金車
部が配置されるように構成することによって本発明の金
車装置を作製し得る。また、本実施形態に係る金車装置
においては、上記支持具に相当する操作棒48が上記ジ
ョイント部に着脱可能に備えられているが、これに限ら
ず、例えば、操作棒48が本体フレーム10に着脱不能
に固設されたものも本発明の金車装置として好適であ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ケーブル架渉工事にお
いて、高所作業を行うことなく地上からの操作によって
既設支障物箇所と新設ケーブルとの接触を防止し、当該
既設支障物の上越しに新設ケーブル牽引を円滑に行い得
る金車装置を提供することができる。
【0031】すなわち、本発明の第一の金車装置では、
上記本体フレームを既設ケーブルに取り付けた際、当該
本体フレームに備えられている上記金車部が、当該既設
ケーブルよりも上方に配置される。従って、本発明の第
一の金車装置によれば、金車部を通過する新設ケーブル
を当該既設ケーブルおよび当該既設ケーブル付近の支障
物の上越しに当該金車部を介して牽引することができ
る。また、本発明の第一の金車装置によれば、上記支持
具を操作することによって、本体フレームの既設ケーブ
ルへの取り付けおよび取り外しを地上から行うことがで
きる。このため、煩雑な高所作業を行うことなく、既設
支障物箇所における新設ケーブルの牽引作業を滞り無く
円滑に行うことができる。
【0032】さらに、本発明の第二の金車装置では、上
記金車部の本体フレームに対する相対位置を任意に変動
させ得るアジャスタ機構が装備されている。従って、本
発明の第二の金車装置によれば、上記第一の金車装置が
奏する上記効果に加え、金車部の本体ケーブルに対する
相対位置を調節することによって当該金車部の本体フレ
ームに対する角度(方向)を適宜異ならせることができ
る。このため、本体フレームの向きや既設ケーブルの架
設方向に限定されることなく、既設ケーブル上方に配置
した金車部の向きを新設ケーブルの架渉方向に応じて適
宜変動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る本発明の金車装置の正面図で
ある。
【図2】一実施形態に係る本発明の金車装置の背面図で
ある。
【図3】一実施形態に係る本発明の金車装置の側面図で
ある。
【図4】一実施形態に係る本発明の金車装置における金
車部取付け構造を模式的に示した斜視図である。
【図5】本発明の金車装置の一使用態様を模式的に示し
た斜視図である。
【符号の説明】
10 本体フレーム 12 金車部 14 係合部 16 フレーム部材 18a,18b フック片 22 金車保持部材 22a 取付けボス 22b 結合凸片 34 ローラー軸 36 ローラー 38 取付け軸 44 開放レバー 50 既設ケーブル 52 新設ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松波 重臣 愛知県名古屋市中区千代田2丁目15番18号 日本電話施設株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーブルを架渉するための金車装置であ
    って、 その金車装置は、既設のケーブルに取り付けられる本体
    フレームと、既設ケーブルに取り付けられた際の該本体
    フレームを地上から支持するための支持具とから構成さ
    れており、 その本体フレームには、新たに架渉するケーブルを通過
    させる金車部と、既設ケーブルに該本体フレームを取り
    付けるための係合部とが備えられており、 ここで前記金車部は、前記本体フレームが前記既設ケー
    ブルに取り付けられた際に該既設ケーブルの上方に配置
    され得るように該本体フレームに設けられており、 その金車部に新たに架渉するケーブルを通すことによっ
    て、前記既設ケーブルの上越しに該架渉するケーブルの
    牽引が実現されることを特徴とするケーブル架渉用金車
    装置。
  2. 【請求項2】 前記本体フレームには、前記金車部の該
    本体フレームに対する相対位置を可逆的に変動させ得る
    アジャスタ機構が備えられていることを特徴とする請求
    項1に記載のケーブル架渉用金車装置。
JP12986097A 1997-05-20 1997-05-20 ケーブル架渉用金車装置 Pending JPH10322826A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101938097A (zh) * 2010-09-14 2011-01-05 山东电力集团公司潍坊供电公司 一种折叠式飞车
CN104485602A (zh) * 2014-11-03 2015-04-01 国家电网公司 一种便携式电力线路跨越支架
CN104934897A (zh) * 2015-06-12 2015-09-23 国家电网公司 输电线路放、撤线跨越飞车
CN109546373A (zh) * 2018-11-22 2019-03-29 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司曲靖局 一种变电站用接地线夹安装装置及接地线夹的安装方法

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