JPH10322161A - 縦結合3重モードsawフィルタ - Google Patents
縦結合3重モードsawフィルタInfo
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- JPH10322161A JPH10322161A JP13935297A JP13935297A JPH10322161A JP H10322161 A JPH10322161 A JP H10322161A JP 13935297 A JP13935297 A JP 13935297A JP 13935297 A JP13935297 A JP 13935297A JP H10322161 A JPH10322161 A JP H10322161A
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- saw filter
- idt
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- triple mode
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の1次3次縦結合型二重モードフィルタ
は、通過帯域の高周波側の阻止域減衰量が十分とれない
という問題があった。本発明はこの問題を解決するため
になされたものであって、広帯域、低損失であるのみな
らず減衰特性の急峻な表面波フィルタを提供することを
目的とする。 【解決手段】 圧電基板上にほぼ等しい対数の3個のI
DTとその両側に反射器とを配置したSAWフィルタ
に、前記IDTの間にグレーティング電極を設け、ID
Tの総電極指数Lとグレーティング総電極指本数Mとの
比を0.25<M/L<0.80、アルミニウム電極膜
厚を3〜12%とする。
は、通過帯域の高周波側の阻止域減衰量が十分とれない
という問題があった。本発明はこの問題を解決するため
になされたものであって、広帯域、低損失であるのみな
らず減衰特性の急峻な表面波フィルタを提供することを
目的とする。 【解決手段】 圧電基板上にほぼ等しい対数の3個のI
DTとその両側に反射器とを配置したSAWフィルタ
に、前記IDTの間にグレーティング電極を設け、ID
Tの総電極指数Lとグレーティング総電極指本数Mとの
比を0.25<M/L<0.80、アルミニウム電極膜
厚を3〜12%とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は縦結合型SAWフィ
ルタに関し、特にギガヘルツ帯の高周波領域で広帯域、
低損失であると共に減衰傾度が急峻な縦結合3重モード
(リーキー)SAWフィルタに関する。
ルタに関し、特にギガヘルツ帯の高周波領域で広帯域、
低損失であると共に減衰傾度が急峻な縦結合3重モード
(リーキー)SAWフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多重モードSAWフィルタの小
型、低損失、低価格等はめざましいものがあり、携帯電
話端末等の普及に大きく貢献している。多重モードSA
Wフィルタの1つで、図4に電極パターンの模式図の一
例を示す縦結合1次3次二重モードSAWフィルタ(以
下、二重モードフィルタと称す)がある。図4の二重モ
ードフィルタは、圧電基板11の主面上にIDTが励起
または受信する表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT
12、IDT13及びIDT14を近接配置し、これら
IDTの両側に反射器15a、15bを配設したもので
ある。更に、1次3次二重モードフィルタの帯域幅を広
帯域化するため、IDT12とIDT13及びIDT1
2とIDT14の対面する最内側の電極指の中心間間隔
をλ/4(λは表面波の波長)としている。この結果、
対面する電極指同士は接して1本の電極指となる。ID
T12、13、14はそれぞれ互いに間挿し合う複数本
の電極指を有する一対のくし形電極により構成し、ID
T12の一方のくし形電極は入力端子に接続し、他方の
くし形電極は接地する。更に、IDT13とIDT14
の一方のくし形電極は互いに接続して出力端子に接続
し、IDT13とIDT14の他方のくし形電極は互い
に接続して接地する。
型、低損失、低価格等はめざましいものがあり、携帯電
話端末等の普及に大きく貢献している。多重モードSA
Wフィルタの1つで、図4に電極パターンの模式図の一
例を示す縦結合1次3次二重モードSAWフィルタ(以
下、二重モードフィルタと称す)がある。図4の二重モ
ードフィルタは、圧電基板11の主面上にIDTが励起
または受信する表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT
12、IDT13及びIDT14を近接配置し、これら
IDTの両側に反射器15a、15bを配設したもので
ある。更に、1次3次二重モードフィルタの帯域幅を広
帯域化するため、IDT12とIDT13及びIDT1
2とIDT14の対面する最内側の電極指の中心間間隔
をλ/4(λは表面波の波長)としている。この結果、
対面する電極指同士は接して1本の電極指となる。ID
T12、13、14はそれぞれ互いに間挿し合う複数本
の電極指を有する一対のくし形電極により構成し、ID
T12の一方のくし形電極は入力端子に接続し、他方の
くし形電極は接地する。更に、IDT13とIDT14
の一方のくし形電極は互いに接続して出力端子に接続
し、IDT13とIDT14の他方のくし形電極は互い
に接続して接地する。
【0003】上記のように構成された1次3次二重モー
ドフィルタの動作は周知のように、IDT12、13、
14によって励起される表面波が反射器15a、15b
の間に閉じ込められ、前記IDT12、13、14の間
で音響結合が生ずる結果、1次及び3の共振モードが強
勢に励振され、これらのモードを利用した1次3次二重
モードフィルタとして動作する。なお、二重モードフィ
ルタの通過域は1次共振モードと3次共振モードとの周
波数差に比例することは周知のことである。図5は、6
4°YカットX伝搬LiNbO3基板上に入力IDT
(IDT12)を対数26.5対、出力IDT(IDT
13、14)をそれぞれ18.5対、反射器15a、1
5bをそれぞれ300本、最内側電極指中心間間隔をλ
/4、アルミニウム合金電極膜厚を10%λとした場合
の二重モードフィルタの濾波特性の一例を示す図であ
る。
ドフィルタの動作は周知のように、IDT12、13、
14によって励起される表面波が反射器15a、15b
の間に閉じ込められ、前記IDT12、13、14の間
で音響結合が生ずる結果、1次及び3の共振モードが強
勢に励振され、これらのモードを利用した1次3次二重
モードフィルタとして動作する。なお、二重モードフィ
ルタの通過域は1次共振モードと3次共振モードとの周
波数差に比例することは周知のことである。図5は、6
4°YカットX伝搬LiNbO3基板上に入力IDT
(IDT12)を対数26.5対、出力IDT(IDT
13、14)をそれぞれ18.5対、反射器15a、1
5bをそれぞれ300本、最内側電極指中心間間隔をλ
/4、アルミニウム合金電極膜厚を10%λとした場合
の二重モードフィルタの濾波特性の一例を示す図であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の1次3次縦結合型二重モードフィルタにおいて
は、図5の濾波特性に示すように通過帯域の高周波側の
阻止域減衰量が十分とれないという問題があった。これ
はIDTのトランスバーサル特性に起因して必然的に生
ずる特性であって、これを解消する適切な手法が未だ見
出されていない。例えば、前記2重モードフィルタの減
衰域の急峻度Sを、濾波特性における1dBの通過帯域
幅Δf1と10dBの減衰帯域幅Δf10とを用いて S=Δf10 /Δf1 と定義すると、図5の場合にはS=1.63であり、一
般に従来の縦結合二重モードフィルタの急峻度はほぼS
=1.6〜1.65程度と大きな値となっている。通過
域が広帯域であり、減衰傾度のより急峻な特性が要求さ
れる、例えば1.9GHz帯の携帯電話のRFフィルタ
等ではS=1.45程度のものが要求されているが、こ
のままでは急峻度が不十分であるという問題があった。
本発明は上述した如き二重モードフィルタの問題を解決
するためになされたものであって、広帯域、低損失であ
るのみならず減衰特性の急峻な表面波フィルタを提供す
ることを目的とする。
た従来の1次3次縦結合型二重モードフィルタにおいて
は、図5の濾波特性に示すように通過帯域の高周波側の
阻止域減衰量が十分とれないという問題があった。これ
はIDTのトランスバーサル特性に起因して必然的に生
ずる特性であって、これを解消する適切な手法が未だ見
出されていない。例えば、前記2重モードフィルタの減
衰域の急峻度Sを、濾波特性における1dBの通過帯域
幅Δf1と10dBの減衰帯域幅Δf10とを用いて S=Δf10 /Δf1 と定義すると、図5の場合にはS=1.63であり、一
般に従来の縦結合二重モードフィルタの急峻度はほぼS
=1.6〜1.65程度と大きな値となっている。通過
域が広帯域であり、減衰傾度のより急峻な特性が要求さ
れる、例えば1.9GHz帯の携帯電話のRFフィルタ
等ではS=1.45程度のものが要求されているが、こ
のままでは急峻度が不十分であるという問題があった。
本発明は上述した如き二重モードフィルタの問題を解決
するためになされたものであって、広帯域、低損失であ
るのみならず減衰特性の急峻な表面波フィルタを提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る縦結合3重モードSAWフィルタの請求
項1記載の発明は、圧電基板上にほぼ等しい対数の3個
のIDTと該IDTの両側に反射器とを表面波の伝搬方
向に沿って配置したSAWフィルタにおいて、前記ID
Tの間にグレーティング電極を設け、前記IDTの総電
極指数Lとグレーティングの電極指総本数Mとの比が 0.25<M/L<0.80 であると共にアルミニウム電極膜厚を励振する表面波の
波長λの3〜12%とすることを特徴とする縦結合3重
モードSAWフィルタである。請求項2記載の発明は、
請求項1の縦結合3重モード表面波フィルタにおいて、
前記IDTと前記グレーティング電極とが互いに対面す
る最内側電極指の中心間間隔αと、前記IDTの電極指
周期λとの関係を (n/2−1/3)λ<α<(n/2−1/10)λ (n=1〜5) としたことを特徴とする縦結合3重モードSAWフィル
タである。請求項3記載の発明は、請求項1及び2の縦
結合3重モードSAWフィルタにおいて、中心間間隔α
を前記IDTの電極指周期λのλ/4として、隣接する
電極指を密着させて幅λ/2の電極指を形成したことを
特徴とする縦結合3重モードSAWフィルタである。請
求項4記載の発明は、請求項3の縦結合3重モードSA
Wフィルタにおいて、密着して形成した幅λ/2の電極
指のグレーティング電極側のバスバーを切断して前記I
DTと前記グレーティング電極とを電位的に分離したこ
とを特徴とする縦結合3重モードSAWフィルタであ
る。
に本発明に係る縦結合3重モードSAWフィルタの請求
項1記載の発明は、圧電基板上にほぼ等しい対数の3個
のIDTと該IDTの両側に反射器とを表面波の伝搬方
向に沿って配置したSAWフィルタにおいて、前記ID
Tの間にグレーティング電極を設け、前記IDTの総電
極指数Lとグレーティングの電極指総本数Mとの比が 0.25<M/L<0.80 であると共にアルミニウム電極膜厚を励振する表面波の
波長λの3〜12%とすることを特徴とする縦結合3重
モードSAWフィルタである。請求項2記載の発明は、
請求項1の縦結合3重モード表面波フィルタにおいて、
前記IDTと前記グレーティング電極とが互いに対面す
る最内側電極指の中心間間隔αと、前記IDTの電極指
周期λとの関係を (n/2−1/3)λ<α<(n/2−1/10)λ (n=1〜5) としたことを特徴とする縦結合3重モードSAWフィル
タである。請求項3記載の発明は、請求項1及び2の縦
結合3重モードSAWフィルタにおいて、中心間間隔α
を前記IDTの電極指周期λのλ/4として、隣接する
電極指を密着させて幅λ/2の電極指を形成したことを
特徴とする縦結合3重モードSAWフィルタである。請
求項4記載の発明は、請求項3の縦結合3重モードSA
Wフィルタにおいて、密着して形成した幅λ/2の電極
指のグレーティング電極側のバスバーを切断して前記I
DTと前記グレーティング電極とを電位的に分離したこ
とを特徴とする縦結合3重モードSAWフィルタであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る縦
結合三重モード表面波フィルタの電極パターンの一実施
例を示す図である。圧電基板1の主面上にIDT2、I
DT3及びIDT4を表面波の伝搬方向に沿ってを並
べ、これらIDTの両外側に反射器5a、5bを配設す
る。さらに、前記IDT2、3、4の間にグレーティン
グ電極6a、6bを設ける。IDT2、3、4はそれぞ
れ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対のくし
形電極により構成され、IDT2の一方のくし形電極を
入力端子とし、他方のくし形電極を接地とする。さら
に、IDT3とIDT4の一方のくし形電極を互いに接
続して出力端子とし、IDT3とIDT4の他方のくし
形電極を接地とする。
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る縦
結合三重モード表面波フィルタの電極パターンの一実施
例を示す図である。圧電基板1の主面上にIDT2、I
DT3及びIDT4を表面波の伝搬方向に沿ってを並
べ、これらIDTの両外側に反射器5a、5bを配設す
る。さらに、前記IDT2、3、4の間にグレーティン
グ電極6a、6bを設ける。IDT2、3、4はそれぞ
れ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対のくし
形電極により構成され、IDT2の一方のくし形電極を
入力端子とし、他方のくし形電極を接地とする。さら
に、IDT3とIDT4の一方のくし形電極を互いに接
続して出力端子とし、IDT3とIDT4の他方のくし
形電極を接地とする。
【0007】本発明に係る縦結合三重モードSAWフィ
ルタの動作は、IDT2、3、4によって励起された表
面波が前記反射器5a、5b間に閉じ込められ、音響的
に結合するため縦1次、3次及び5次の共振モードが強
勢に励振される。IDT2を入力端子とし、IDT3、
4を互いに接続して出力端子とすることにより、縦1
次、3次及び5次の共振モードを利用した三重モードフ
ィルタを構成することができる。該フィルタの帯域幅は
縦1次と5次共振モードの周波数によってほぼ決まる。
この際、音響的には縦2次、4次等の偶数次モードも励
振されるが、前記偶数次モードによる発生電荷は相殺さ
れて励起されない。このような三重モードフィルタでは
3つの共振を利用して通過域を形成するため通過域にリ
ップルが生じ易い。そこで種々の条件についてシュミレ
ーションと実験を行ったところ通過域を平坦にするため
には前記IDT2、3、4の電極対数をほぼ等しくする
と共にIDTの総電極指数Lとグレーティングの電極指
総本数Mの比が 0.25<M/L<0.80 の条件を満たすことが必要であることを確認した。
ルタの動作は、IDT2、3、4によって励起された表
面波が前記反射器5a、5b間に閉じ込められ、音響的
に結合するため縦1次、3次及び5次の共振モードが強
勢に励振される。IDT2を入力端子とし、IDT3、
4を互いに接続して出力端子とすることにより、縦1
次、3次及び5次の共振モードを利用した三重モードフ
ィルタを構成することができる。該フィルタの帯域幅は
縦1次と5次共振モードの周波数によってほぼ決まる。
この際、音響的には縦2次、4次等の偶数次モードも励
振されるが、前記偶数次モードによる発生電荷は相殺さ
れて励起されない。このような三重モードフィルタでは
3つの共振を利用して通過域を形成するため通過域にリ
ップルが生じ易い。そこで種々の条件についてシュミレ
ーションと実験を行ったところ通過域を平坦にするため
には前記IDT2、3、4の電極対数をほぼ等しくする
と共にIDTの総電極指数Lとグレーティングの電極指
総本数Mの比が 0.25<M/L<0.80 の条件を満たすことが必要であることを確認した。
【0008】更に、本発明に係る縦結合三重モードSA
WフィルタにおいてIDT2、3とグレーティング6
a、IDT2、4とグレーティング6bの対面するそれ
ぞれの最内側電極指の中心間間隔αを前記IDT2、
3、4の電極指周期λに対して (n/2−1/3)λ<α<(n/2−1/10)λ (n=1〜5) の範囲に選び、αを可変することにより前記縦結合三重
モードSAWフィルタの帯域幅を変化させることも確認
できた。特に、中心間間隔αをλ/4とすることにより
前記縦結合三重モードSAWフィルタの帯域幅を最大に
することができる。図2はこのときの本発明の縦結合三
重モードSAWフィルタの電極パターンの模式図を示し
たものである。
WフィルタにおいてIDT2、3とグレーティング6
a、IDT2、4とグレーティング6bの対面するそれ
ぞれの最内側電極指の中心間間隔αを前記IDT2、
3、4の電極指周期λに対して (n/2−1/3)λ<α<(n/2−1/10)λ (n=1〜5) の範囲に選び、αを可変することにより前記縦結合三重
モードSAWフィルタの帯域幅を変化させることも確認
できた。特に、中心間間隔αをλ/4とすることにより
前記縦結合三重モードSAWフィルタの帯域幅を最大に
することができる。図2はこのときの本発明の縦結合三
重モードSAWフィルタの電極パターンの模式図を示し
たものである。
【0009】本発明に係る縦結合三重モードSAWフィ
ルタを試作した一例として、圧電基板に、例えば36°
YカットX伝搬LiTaO3を用い、IDT2とグレー
ティング6a、6bの対面する最内側電極指の中心間間
隔αをλ/4とすると共にグレーティング6a、6bの
電極指周期をIDT2、3、4の電極指周期と等しく配
置する構成とした。入力IDT2の電極対数を24.5
対、出力IDT3、4の電極対数をそれぞれ16.5
対、グレーティング6a、6bの本数をそれぞれ13
本、反射器5a、5bの本数を各300本、電極に膜厚
6%λ(λはIDT2〜4の周期)のアルミニウム合金
を用いた場合の濾波特性を図3(a)に示す。中心周波
数は1.88GHz、1dB及び3dBの帯域幅はそれ
ぞれ67.1MHz、75.7MHzであり、10dB
の帯域幅は91.3MHzであった。前記急峻度Sで表
すとS=1.36となる。図3(a)から明らかなよう
に図5に示した従来の1次3次縦結合型二重モード表面
波フィルタと比べて急峻度が大いに改善されている。こ
の改善された濾波特性であれば、例えば携帯電話用1.
9GHz帯のRFフィルタに適用することができる。
ルタを試作した一例として、圧電基板に、例えば36°
YカットX伝搬LiTaO3を用い、IDT2とグレー
ティング6a、6bの対面する最内側電極指の中心間間
隔αをλ/4とすると共にグレーティング6a、6bの
電極指周期をIDT2、3、4の電極指周期と等しく配
置する構成とした。入力IDT2の電極対数を24.5
対、出力IDT3、4の電極対数をそれぞれ16.5
対、グレーティング6a、6bの本数をそれぞれ13
本、反射器5a、5bの本数を各300本、電極に膜厚
6%λ(λはIDT2〜4の周期)のアルミニウム合金
を用いた場合の濾波特性を図3(a)に示す。中心周波
数は1.88GHz、1dB及び3dBの帯域幅はそれ
ぞれ67.1MHz、75.7MHzであり、10dB
の帯域幅は91.3MHzであった。前記急峻度Sで表
すとS=1.36となる。図3(a)から明らかなよう
に図5に示した従来の1次3次縦結合型二重モード表面
波フィルタと比べて急峻度が大いに改善されている。こ
の改善された濾波特性であれば、例えば携帯電話用1.
9GHz帯のRFフィルタに適用することができる。
【0010】また、他の試作例として圧電基板に例え
ば、36°YカットX伝搬LiTaO3を用いて、上記
中心間間隔αを3λ/4に設定し、グレーティング6
a、6bの電極指周期をIDT2、3、4の電極指周期
と等しくし構成した縦結合三重モードSAWフィルタの
濾波特性を図3(b)に示す。この時のパラメータは入
力IDT2の対数は22.5対、出力IDT3、4の電
極対数は共に14.5対、グレーティング6a、6bの
本数は共に13本、反射器5a、5bの本数は各300
本で、電極として膜厚6%λ(λはIDT2〜4の周
期)のアルミニウム合金を用いた。図3(b)から明か
なように中心周波数は1.88GHz、1dB及び3d
Bの帯域幅はそれぞれ63.6MHz、71.3MH
z、10dBの帯域幅は91.3MHzであった。前記
急峻度Sで表すとS=1.44となり、従来の方式の二
重モードフィルタに比べて減衰傾度が大いに改善されて
いる。この結果により、上記の条件が十分に有効である
ことが分かる。
ば、36°YカットX伝搬LiTaO3を用いて、上記
中心間間隔αを3λ/4に設定し、グレーティング6
a、6bの電極指周期をIDT2、3、4の電極指周期
と等しくし構成した縦結合三重モードSAWフィルタの
濾波特性を図3(b)に示す。この時のパラメータは入
力IDT2の対数は22.5対、出力IDT3、4の電
極対数は共に14.5対、グレーティング6a、6bの
本数は共に13本、反射器5a、5bの本数は各300
本で、電極として膜厚6%λ(λはIDT2〜4の周
期)のアルミニウム合金を用いた。図3(b)から明か
なように中心周波数は1.88GHz、1dB及び3d
Bの帯域幅はそれぞれ63.6MHz、71.3MH
z、10dBの帯域幅は91.3MHzであった。前記
急峻度Sで表すとS=1.44となり、従来の方式の二
重モードフィルタに比べて減衰傾度が大いに改善されて
いる。この結果により、上記の条件が十分に有効である
ことが分かる。
【0011】尚、以上本発明を圧電基板として36°Y
カットX伝搬LiTaO3基板を用いた例で説明した
が、本発明はこれのみに限定されるものではなく、45
°XカットZ伝搬Li2B4O7、STカット水晶、4
2°YカットX伝搬LiTaO3あるいは64°Yカッ
トX伝搬LiNbO3等の如何なる圧電材料にも適用で
きることは云うまでもない。
カットX伝搬LiTaO3基板を用いた例で説明した
が、本発明はこれのみに限定されるものではなく、45
°XカットZ伝搬Li2B4O7、STカット水晶、4
2°YカットX伝搬LiTaO3あるいは64°Yカッ
トX伝搬LiNbO3等の如何なる圧電材料にも適用で
きることは云うまでもない。
【0012】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成したの
で、1次、3次、5次共振モードを用いて縦結合三重モ
ード表面波フィルタを構成することが可能となり、その
上広帯域、低挿入損失であると共に減衰傾度の急峻なフ
ィルタを実現することができたので、900MHz〜2
GHzまでの無線通信機等のRFフィルタとして用いれ
ば、無線機の特性を改善する上で著しい効果を発揮す
る。
で、1次、3次、5次共振モードを用いて縦結合三重モ
ード表面波フィルタを構成することが可能となり、その
上広帯域、低挿入損失であると共に減衰傾度の急峻なフ
ィルタを実現することができたので、900MHz〜2
GHzまでの無線通信機等のRFフィルタとして用いれ
ば、無線機の特性を改善する上で著しい効果を発揮す
る。
【図1】本発明に係る縦結合三重モードSAWフィルタ
の実施の一形態例の電極パターンを示す模式図である。
の実施の一形態例の電極パターンを示す模式図である。
【図2】本発明に係る縦結合三重モードSAWフィルタ
の他の実施の一形態例の電極パターンを示す模式図であ
る。
の他の実施の一形態例の電極パターンを示す模式図であ
る。
【図3】(a)、(b)は本発明に係る縦結合三重モー
ドSAWフィルタの濾波特性の一例を示す図である。
ドSAWフィルタの濾波特性の一例を示す図である。
【図4】従来の1次3次縦結合二重モードSAWフィル
タの電極パターンの一例を示す模式図である。
タの電極パターンの一例を示す模式図である。
【図5】従来の1次3次縦結合二重モードSAWフィル
タの濾波特性の一例を示す図である。
タの濾波特性の一例を示す図である。
1・・圧電基板 2、3、4・・IDT 5a、5b・・反射器 6a、6b・・グレーティング電極 α・・IDTとグレーティング電極の対面する最内側電
極指の中心間間隔
極指の中心間間隔
Claims (4)
- 【請求項1】 圧電基板上にほぼ等しい対数の3個のI
DTと該IDTの両側に反射器とを表面波の伝搬方向に
沿って配置したSAWフィルタにおいて、前記IDTの
間にグレーティング電極を設け、前記IDTの総電極指
数Lとグレーティングの電極指総本数Mとの比が 0.25<M/L<0.80 であると共にアルミニウムもしくはアルミニウム合金か
ら成る電極膜厚を励振する表面波の波長λの3〜12%
とすることを特徴とする縦結合3重モードSAWフィル
タ。 - 【請求項2】 請求項1の縦結合3重モードSAWフィ
ルタにおいて、前記IDTと前記グレーティング電極と
が互いに対面する最内側電極指の中心間間隔αと、前記
IDTの電極指周期λとの関係を (n/2−1/3)λ<α<(n/2−1/10)λ (n=1〜5) としたことを特徴とする縦結合3重モードSAWフィル
タ。 - 【請求項3】 請求項1又は2の縦結合3重モードSA
Wフィルタにおいて、中心間間隔αを前記IDTの電極
指周期λのλ/4として、隣接する電極指を密着させて
幅λ/2の電極指を形成したことを特徴とする縦結合3
重モードSAWフィルタ。 - 【請求項4】 請求項3の縦結合3重モード表面波フィ
ルタにおいて、密着して形成した幅λ/2の電極指のグ
レーティング電極側のバスバーを切断して前記IDTと
前記グレーティング電極とを電気的に分離したことを特
徴とする縦結合3重モードSAWフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13935297A JPH10322161A (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 縦結合3重モードsawフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13935297A JPH10322161A (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 縦結合3重モードsawフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10322161A true JPH10322161A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=15243337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13935297A Pending JPH10322161A (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 縦結合3重モードsawフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10322161A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011099532A1 (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-18 | 京セラ株式会社 | 弾性波装置 |
US9325046B2 (en) | 2012-10-25 | 2016-04-26 | Mesaplexx Pty Ltd | Multi-mode filter |
US9401537B2 (en) | 2011-08-23 | 2016-07-26 | Mesaplexx Pty Ltd. | Multi-mode filter |
US9406988B2 (en) | 2011-08-23 | 2016-08-02 | Mesaplexx Pty Ltd | Multi-mode filter |
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WO2022019072A1 (ja) * | 2020-07-20 | 2022-01-27 | 株式会社村田製作所 | 弾性波フィルタおよびマルチプレクサ |
-
1997
- 1997-05-14 JP JP13935297A patent/JPH10322161A/ja active Pending
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