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JP2004140738A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

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JP2004140738A
JP2004140738A JP2002305558A JP2002305558A JP2004140738A JP 2004140738 A JP2004140738 A JP 2004140738A JP 2002305558 A JP2002305558 A JP 2002305558A JP 2002305558 A JP2002305558 A JP 2002305558A JP 2004140738 A JP2004140738 A JP 2004140738A
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JP2002305558A
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Yasuhide Onozawa
小野澤 康秀
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

【課題】縦結合多重モードSAWフィルタの通過帯域近傍の減衰傾度及び通過帯域近傍の阻止域減衰量を改善する手段を得ることを目的とする。
【解決手段】複数個のIDTとその両側にグレーティング反射器とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを1個あるいは複数個縦続接続し、前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタに少なくとも1個の1端子対SAW共振子を直列あるいは並列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子にくし形キャパシタが並列に接続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波フィルタに関し、特に通過帯域近傍の阻止域減衰量を改善した弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、弾性表面波フィルタは通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから特に携帯電話等に多く用いられる。図8は、従来の縦続接続型1次−3次縦結合弾性表面波フィルタ(以下、二重モードSAWフィルタと称す)の構成を示す電極パターンの平面図であって、圧電基板41の主面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのすだれ上のIDT42、43、44を近接配置すると共に、これらの両側にグレーティング反射器45a、45b(以下、反射器と称す)を配置して第一のフィルタとする。IDT42、43、44はそれぞれ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対のくし型電極により構成され、IDT42の基板41の端部寄りのくし形電極は該電極の外側近傍に設けた電極パッドP1と接続して入力とし、他方のくし形電極は該電極の近傍で基板41の中心部寄りに設けた接地用電極パッドE1に接続する。そして、IDT43、44の基板41の端部寄りのくし形電極は該電極の外側近傍に設けた接地用電極パッドE2、E3にそれぞれ接続する。また、IDT43、44の他方のくし形電極からそれぞれ縦続接続用のリード電極L1を次段に向けて延在する。
【0003】
第1の二重モードSAWフィルタに対し基板中央でほぼ線対称に第2の二重モードSAWフィルタ、即ちIDT46、47、48とその両側に配置した反射器49a、49bからなる二重モードSAWフィルタを表面波の伝搬方向に沿って形成する。そして、IDT46の基板41の中央部寄りのくし形電極は該電極の外側近傍に設けた接地用電極パッドE4と接続し、IDT46の他方のくし形電極は該電極の外側近傍に設けた出力用電極パッドP2と接続する。さらに、IDT47、48の基板41の端部寄りのくし形電極は該電極の外側近傍に設けた接地用電極パッドE5、E6にそれぞれ接続する。また、IDT47、48の他方のくし形電極からそれぞれ縦続接続用のリード電極L2を前段に向けて延在する。
【0004】
第1の二重モードSAWフィルタの一方の出力端子、即ちIDT43の基板41内側のバスバーより延在するリード電極L1に、表面波の伝搬方向に沿ってIDT50とその両側に反射器51a、51bを配置したSAW共振子(以下、SAW共振子A)の一方の端子を直列接続すると共に、二重モードSAWフィルタの他方の出力端子であるIDT44の基板41内側のバスバーより延在するリード電極L1にIDT52と反射器53a、53bを配置したSAW共振子(以下、SAW共振子B)の一方の端子を直列接続する。そして、SAW共振子A、Bのそれぞれ他方の端子からリード電極L2を延在し、第2の二重モードSAWフィルタのIDT47、48の基板41の中心部寄りのバスバーとそれぞれ接続するように構成する。
【0005】
図8に示す二重モードSAWフィルタの動作は、周知のように、IDT42、43、44によって励起される表面波が反射器45a、45bの間に閉じ込められて音響結合し、電極パターンにより1次と3次の2つの縦共振モードが強勢に励振され、これらの2つのモードを利用して二重モードSAWフィルタを構成する。また、SAW共振子A、Bの反共振周波数を二重モードSAWフィルタの通過帯域よりも高周波数側に設定することで、通過帯域の高域側で前記SAW共振子の反共振周波数による減衰極が発生し、通過帯域高域側の減衰傾度及び阻止域減衰量が改善される。
【0006】
図9は、39°YカットX伝搬LiTaO基板上に、中心周波数836.5MHz、通過帯域幅25MHzの二重モードSAWフィルタを形成すべく、アルミニウム合金の膜厚を4100Å、二重モードSAWフィルタのIDT42、46の対数を18.5対、IDT43、44及び47、48の対数をそれぞれ12.5対、反射45a、45b及び49a、49bの本数をそれぞれ120本とし、SAW共振子A、BのIDT50、52の対数をそれぞれ63対、反射器51a、51b及び53a、53bの本数をそれぞれ4本とした場合の二重モードSAWフィルタの通過特性を示す図である。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、更なる通話品質の向上に伴い、市場からの要求仕様が厳しくなってきており、特に通過帯域近傍の阻止域の高減衰化の要求が顕著になってきた。これらの要求に応えるため、例えば特開2000−349590号公報、特開平7−307641号公報、特開平7−30366号公報、特開平7−30367号公報に開示されたように、弾性表面波フィルタに一端子対SAW共振子を接続することで通過帯域近傍の減衰傾度及び阻止域減衰量の改善が行われてきたが、これら従来の弾性表面波フィルタでは通過帯域近傍の阻止域の減衰特性の改善も限界に達し、市場からの要求仕様を満足することが困難になってきた。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、市場からの様々な特性改善要求の中で特に通過帯域近傍の減衰傾度及び阻止域減衰量を改善した弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明に係る弾性表面波フィルタの請求項1記載の発明は、複数個のIDTとその両側に反射器とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを1個あるいは複数個縦続接続し、前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタに少なくとも1個の1端子対SAW共振子を直列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子に並列にキャパシタを接続したことを特徴とする弾性表面波フィルタである。
【0010】
請求項2記載の発明は、複数個のIDTとその両側に反射器とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを1個あるいは複数個縦続接続し、前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタに少なくとも1個の1端子対SAW共振子を並列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子に並列にキャパシタを接続したことを特徴とする弾性表面波フィルタである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の弾性表面波フィルタにおいて、前記キャパシタは圧電基板上にくし形形状の電極を配置したくし形キャパシタであることを特徴とする弾性表面波フィルタである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の弾性表面波フィルタにおいて、前記くし形キャパシタは縦結合多重モード弾性表面波フィルタあるいは1端子対SAW共振子と同一の圧電基板上に形成されたものであり、これらとの間で弾性表面波を送受信しないように配置したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3乃至4記載の弾性表面波フィルタにおいて、前記くし形キャパシタを同一の圧電基板上に複数個設けた場合にくし形キャパシタ同士での弾性表面波を送受信しないように当該くし形キャパシタを配置したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
【発明の実施の形態】
【0014】
以下、本発明を図面に図示した実施の形態例に基づいて詳細に説明する。 図1は、本発明の第1の実施例に係る二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図であって圧電基板1の主面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT2、3、4を近接配置すると共にこれらの両側に反射器5a、5bを配設して第1のフィルタとする。IDT2、3、4はそれぞれ互いの間挿し合う複数本の電極指を有する一対のくし形電極により構成され、IDT2の外側のくし形電極は該電極の外側近傍に設けた電極パッドP1と接続して入力とし、他方のくし形電極は該電極の近傍で基板1の中心部寄りに設けた接地用電極パッドE1に接続する。そして、IDT3、4の外側のくし形電極は該電極の外側近傍に設けた接地用電極パッドE2、E3に接続する。またIDT3、4の他方のくし形電極からそれぞれ縦続接続用のリード電極L1を次段に向けて延在する。
【0015】
第1の二重モードSAWフィルタに対し基板中央でほぼ線対称に第2の二重モードSAWフィルタ、即ちIDT6、7、8とその両側に配置した反射器9a、9bとからなる二重モードSAWフィルタを形成する。そして、IDT6の内側のバスバーは該電極の近傍で基板1の中心部寄りに設けた接地用電極パッドE4と接続し、IDT6の外側のバスバーは該電極の外側近傍に設けた出力用電極パッドP2と接続する。さらに、IDT7、8の基板1の端部寄りのバスバーをそれぞれ接地用電極パッドE5、E6と接続する。またIDT7、8の他方のくし形電極からそれぞれ縦続接続用のリード電極L2を前段に向けて延在する。
【0016】
第1の二重モードSAWフィルタの一方の出力端子、即ちIDT3の基板1内側のバスバーより延在するリード電極L1に表面波の伝搬方向に沿ってIDT10とその両側に反射器11a、11bを配置したSAW共振子(以下、SAW共振子C)の一方の端子を直列接続すると共に、第1の二重モードSAWフィルタの他方の出力端子であるIDT4の基板1内側のバスバーより延在するリード電極L1にIDT12と反射器13a、13bを配置したSAW共振子(以下、SAW共振子D)の一方の端子を直列接続する。そして、SAW共振子C、Dのそれぞれ他方の端子からリード電極L2を延在し、第2の二重モードSAWフィルタのIDT7、8の基板1の中心寄りのバスバーとそれぞれ接続するように構成する。
【0017】
SAW共振子C、Dを構成するIDT10、12の互いに間挿し合う電極指のピッチにより規定される波長λrは、IDT2〜4、6〜8の互いに間挿し合う電極指のピッチにより規定される波長λより幾分小さくし、その反共振周波数を縦続接続した第1及び第2の二重モードSAWフィルタの通過帯域近傍の高周波数側に位置するよう設定し、通過帯域高域側に該SAW共振子C、Dの反共振周波数を減衰極とするトラップを構成する。本発明の特徴は、表面波の励振受信がなされないよう表面波の伝搬方向と直交する方向にIDTを配置して構成したくし形キャパシタ14をリード電極L3を介して前記SAW共振子Cに並列接続し、同様にリード電極L4を介してSAW共振子Dにくし形キャパシタ15を並列接続して、弾性表面波フィルタを構成したことである。
【0018】
次に、SAW共振子C、Dのような1端子対SAW共振子とそれに並列接続したキャパシタとの関係について説明する。図2は、1端子対SAW共振子のインピーダンス−周波数特性を示す図であり、破線は1端子対SAW共振子単体の特性であり、実線は1端子対SAW共振子に1pF相当のキャパシタを並列接続したときの特性である。同図に示す通り1端子対SAW共振子にキャパシタを並列に接続することにより、反共振周波数faが共振周波数fr側に移動してfa’となり、共振周波数と反共振周波数の間隔が狭まることがわかる。
【0019】
本願発明者はこの点に着目し、縦結合多重モードSAWフィルタにおいて、該SAWフィルタに直列に1端子対SAW共振子を接続して、通過帯域高域側に該SAW共振子の反共振周波数を減衰極としてトラップを形成する場合、1端子対SAW共振子にキャパシタを並列に接続することで、図3に示すように通過帯域高域側に設定した減衰極が低周波数側に移動し、通過帯域高域側の減衰傾度が更に改善されるのではないかと考えた。
【0020】
図4は、39°YカットX伝搬LiTaO基板上に、中心周波数836.5MHz、通過帯域幅25MHzの二重モードSAWフィルタを形成すべく図1に示すような電極パターンを形成して、くし形キャパシタを1端子対SAW共振子に並列に接続した場合(実線)とくし形キャパシタを設けない従来構造の場合(破線)の実測データの比較を示す図である。この実測データにおいては、実線、破線共にアルミニウム合金の膜厚を4100Å、IDT2を18.5対、IDT3、4をそれぞれ12.5対、反射器5a、5bの本数をそれぞれ120本とし、1端子対SAW共振子のIDT10、12の対数をそれぞれ63対、反射器11a、11b及び13a、13bの本数をそれぞれ4本とし、IDT2、3、4を構成する電極指のピッチで規定される波長λと1端子対SAW共振子を構成する電極指のピッチで規定される波長λrの比(λr/λ)を0.99193と設定した。実線データにおいては、くし形キャパシタ14、15の対数を33対、くし形電極の交差幅を53μmとし、0.85pF相当のキャパシタを1端子対SAW共振子に並列接続した。なお、くし形キャパシタをそれぞれの1端子対SAW共振子C、Dに並列接続しただけの構成にすると、1端子対SAW共振子の共振周波数−反共振周波数間隔が狭まる影響で、フィルタ全体としての通過帯域幅が若干狭くなるため、図4に示した実測データにおいては、くし形キャパシタを並列接続した1端子対SAW共振子は、くし形キャパシタを接続しない1端子対SAW共振子と比較してIDTと反射器の周期を短くし共振周波数を2MHz高くしている。同図から明らかなように、1端子対SAW共振子にくし形キャパシタを並列に接続することで、通過帯域の高域側近傍の減衰傾度及び阻止域減衰量が改善されていることが分かる。
【0021】
くし形キャパシタの電極指配置周期は1端子対SAW共振子のIDTや反射器と必ずしも同等とする必要はなく、所望のリアクタンスが得られればよく、その構造上において他のIDT等の電極パターンと同時に形成することができるので、製造工程において工程が追加されることがない。
【0022】
くし形キャパシタの配置方法においては、図1では、IDTと直交する方向にくし形キャパシタを配置しているが、必ずしも直交にする必要はなくIDTの表面波を送受信しないような方向であればよい。ただし、チップサイズを考慮すると図1に示すIDTに対し直交にくし形キャパシタを配置した構造が望ましい。また、くし形キャパシタをSAWチップ上に複数個設けた場合、くし形キャパシタ同士で表面波が送受信され通過帯域外にスプリアスが発生しないようにくし形キャパシタを配置する必要がある。
【0023】
図5は本発明に係る第2の実施例であり、圧電基板1上に表面波の伝搬方向に沿って3個のIDT21、22、23を近接配置しその両端部に反射器24a、24bを配置した縦結合二重モードSAWフィルタにおいて、IDT21の一方のくし形電極は入力用電極パッドP1に接続し、IDT21の他方のくし形電極は接地用電極パッドE1に接続する。また、IDT22、23の一方のくし形電極はそれぞれ接地用電極パッドE2、E3に接続し、IDT22、23の他方のくし形電極は、1端子対SAW共振子25の片側一方のくし形電極と接続し、SAW共振子25の他方のくし形電極を出力用電極パッドP2と接続する。なお、1端子対SAW共振子25の反共振周波数を前記二重モードSAWフィルタの通過帯域よりも高周波数側に位置するよう設計している。本実施例の特徴は、前記二重モードSAWフィルタに1端子対SAW共振子25を直列接続した構造において、1端子対SAW共振子25にくし形キャパシタ26を並列に接続したことである。
【0024】
第2の実施例においても、1端子対SAW共振子にくし形キャパシタを並列に接続することで第1の実施例と同様に通過帯域の高域側近傍の減衰傾度及び阻止域減衰量が改善される。なお、図5においては二重モードSAWフィルタの出力側に1端子対SAW共振子を1個直列接続した構造であるが、二重モードSAWフィルタに1端子対SAW共振子を複数個直列接続した構造、あるいは二重モードSAWフィルタの入出力側に1端子対SAW共振子を直列接続した構造においても、同様な効果が得られるのは明らかである。
【0025】
図6は、本発明に係る第3の実施例であり、二重モードSAWフィルタは図5の構成と同じであるため、図5と同じ符号を用いている。本実施例の特徴は、二重モードSAWフィルタの出力側に1端子対SAW共振子27を並列に接続した構造において、1端子対SAW共振子27にくし形キャパシタ28を並列に接続し、1端子対SAW共振子27の共振周波数を二重モードSAWフィルタの通過帯域よりも低周波数側に位置するよう設計したことである。
【0026】
第3の実施例においては、二重モードSAWフィルタに1端子対SAW共振子が並列に接続された構造において、1端子対SAW共振子にくし形キャパシタを並列に接続することで通過帯域の低域側近傍の減衰傾度及び阻止域減衰量が改善される。なお、図6においては二重モードSAWフィルタの出力側に1端子対SAW共振子を1個並列接続した構造であるが、二重モードSAWフィルタに1端子対SAW共振子を複数個並列接続した構造、あるいは二重モードSAWフィルタの入出力側に1端子対SAW共振子を並列接続した構造においても同様な効果が得られるのは明らかである。
【0027】
図7は、本発明に係る第4の実施例である。本実施例の特徴は、二重モードSAWフィルタの入力側において1端子対SAW共振子29を直列に接続し、前記二重モードSAWフィルタの出力側において1端子対SAW共振子31を並列に接続した構造において、1端子対SAW共振子29、31にくし形キャパシタ30、32がそれぞれ並列に接続しており、1端子対SAW共振子29の反共振周波数を二重モードSAWフィルタの通過帯域よりも高周波数側に位置するよう設計し、且つ1端子対SAW共振子31の共振周波数を二重モードSAWフィルタの通過帯域よりも低周波数側に位置するよう設計したことである。
【0028】
第4の実施例においては、二重モードSAWフィルタの入力側に直列に1端子対SAW共振子を接続し、該二重モードSAWフィルタの出力側に並列に1端子対SAW共振子を接続した構造において、前記1端子対SAW共振子に並列にくし形キャパシタを接続することで通過帯域の低域側近傍および高域側近傍の両側の減衰傾度及び阻止域減衰量が改善される。なお、図6においては二重モードSAWフィルタの入力側に1端子対SAW共振子を1個直列接続し、出力側に1端子対SAW共振子を1個並列接続した構造であるが、1端子対SAW共振子を複数個直列接続あるいは並列接続した場合も同様な効果が得られるのは明らかである。
【0029】
以上のように、本発明の特徴は、多重モード縦結合SAWフィルタに1端子対SAW共振子を接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子にくし形キャパシタを接続することによって、くし形キャパシタを設けない時と比較して通過帯域近傍の減衰傾度を急峻にしたことである。
【0030】
以上では、1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタを1段あるいは2段縦続接続した例を用いて説明したが、本発明はこれのみに限ることなく2段以上縦続接続した多重モードSAWフィルタ等に適用できることは言うまでもない。また、圧電基板に39°YカットX伝搬LiTaO基板を用いて説明したが他のカットでもよく、また、他の圧電材料、例えばニオブ酸リチウム、水晶、ランガサイト、四方酸リチウム等に適用できることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る弾性表面波フィルタは、以上説明した如く構成したので下記の優れた効果を奏する。請求項1又は2記載の発明は、複数個のIDTとその両側に反射器とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを1個或いは複数個縦続接続し、前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタに少なくとも1個の1端子対SAW共振子を直列あるいは並列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子に並列にキャパシタを接続することにより、通過帯域近傍の減衰傾度を急峻にすることができるという優れた効果を奏する。
【0032】
請求項3記載の発明は、前記キャパシタが圧電基板上にくし形形状の電極を配置したくし形キャパシタであり、SAWチップの主面上に電極パターンを形成する際に同時に形成できるので、製造工程において工程が追加されないという優れた効果を奏する。
【0033】
請求項4乃至5記載の発明は、前記くし形キャパシタが隣接するIDT及び他のくし形キャパシタ同士の表面波を送受信しないよう配置されているので、通過帯域外でスプリアスが発生しないという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の縦続接続型1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図である。
【図2】1端子対SAW共振子単体と該SAW共振子にくし形キャパシタを並列接続した場合のインピーダンス−周波数特性の比較を示した図である。
【図3】縦続接続型1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタに用いるSAW共振子の反共振周波数とフィルタの減衰極の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る縦続接続型1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタのフィルタ特性と従来のフィルタ特性との比較を示した実測データの図である。
【図5】本発明に係る第2の実施例の縦続接続形1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図である。
【図6】本発明に係る第3の実施例の縦続接続形1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図である。
【図7】本発明に係る第4の実施例の縦続接続形1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図である。
【図8】従来の縦続接続型1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図である。
【図9】従来の縦続接続型1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタのフィルタ特性を示す図である。
【符号の説明】
1、41・・圧電基板
2、3、4、6、7、8、10、12、21、22、23、42、43、44、46、47、48、50、52・・IDT電極
5a、5b、9a、9b、11a、11b、13a、13b、24a、24b、45a、45b、49a、49b、51a、51b、53a、53b・・グレーティング反射器
P1、P2・・入出力用電極パッド
E1、E2、E3、E4、E5、E6・・接地用電極パッド
L1、L2、L3、L4・・リード電極
14、15、26、28、30、32・・くし形キャパシタ
25、27、29、31、A、B、C、D・・1端子対SAW共振子

Claims (5)

  1. 複数個のIDTとその両側にグレーティング反射器とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを1個あるいは複数個縦続接続し、前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタに少なくとも1個の1端子対SAW共振子を直列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子に並列にキャパシタを接続したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 複数個のIDTとその両側にグレーティング反射器とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを1個あるいは複数個縦続接続し、前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタに少なくとも1個の1端子対SAW共振子を並列に接続した弾性表面波フィルタにおいて、前記1端子対SAW共振子に並列にキャパシタを接続したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  3. 請求項1又は2記載の弾性表面波フィルタにおいて、前記キャパシタは圧電基板上にくし形形状の電極を配置したくし形キャパシタであることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  4. 請求項3記載の弾性表面波フィルタにおいて、前記くし形キャパシタは縦結合多重モード弾性表面波フィルタあるいは1端子対SAW共振子と同一の圧電基板上に形成されたものであり、これらとの間で弾性表面波を送受信しないように配置したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  5. 請求項3乃至4記載の弾性表面波フィルタにおいて、前記くし形キャパシタを同一の圧電基板上に複数個設けた場合にくし形キャパシタ同士で弾性表面波を送受信しないように当該くし形キャパシタを配置したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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