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JPH10320854A - 情報記録再生方法及び装置 - Google Patents

情報記録再生方法及び装置

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Publication number
JPH10320854A
JPH10320854A JP14473897A JP14473897A JPH10320854A JP H10320854 A JPH10320854 A JP H10320854A JP 14473897 A JP14473897 A JP 14473897A JP 14473897 A JP14473897 A JP 14473897A JP H10320854 A JPH10320854 A JP H10320854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
segment
probe
recording
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14473897A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Yasuda
進 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP14473897A priority Critical patent/JPH10320854A/ja
Publication of JPH10320854A publication Critical patent/JPH10320854A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、媒体上に物理的なトラックを設ける
ことなく、短い走査時間でかつ簡単な処理で情報の再生
を行うことができる情報記録再生方法及び装置を提供す
ることを目的としている。 【解決手段】本発明は、媒体上をプローブで走査して情
報の記録と再生を行う情報記録再生方法及び装置におい
て、情報の記録に際して、該情報を媒体上で複数のセグ
メントトラックに分割し、その一つのセグメントトラッ
クの長さLを、再生時に前記プローブが該長さLを走査
するのに要する時間をT、前記セグメントトラックの幅
をw、最大許容ドリフト速度をDとしたときに、式 T
<w/(2・D)の関係を満たす長さとして記録し、該
記録された情報を再生することを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録再生方法
及び装置に関するものであり、特に走査プローブ顕微鏡
の原理を応用した情報記録再生装置の技術分野に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型トンネル顕微鏡(STM)
が開発され[G.Binning et al、Hel
vetica Physica Acta、55、72
6(1982)]、単結晶、非晶質を問わず導体表面の
実空間像を原子オーダーの高い分解能で観察できるよう
になった。STMは金属のプローブと導体表面との間に
電圧を加えて、両者の距離を1nm程度まで近づけると
トンネル電流が流れることを利用している。この電流は
両者の距離変化に非常に敏感で指数関数的に変化するの
で、トンネル電流を一定に保つようにプローブを走査す
ることにより実空間の表面構造を原子オーダーの分解能
で観察することができる。また、走査型力顕微鏡(以下
SFM)は、物質間に働く力によって物質表面の形状を
二次元的に観察するものであり、STMと異なり、電気
伝導性のない材料表面や有機分子をナノメートルスケー
ルで観察できることから広範な応用が期待されている
[Binning et al,Phys.Rev.L
ett.,56(1986)1930]。これらのST
MやSFMは走査型プローブ顕微鏡(SPM)と総称さ
れている。そして、これらのSPMをメモリ装置に応用
し、高密度メモリを実現するという提案もなされている
(特開昭63−161552号公報、特開昭63−16
1553号公報)。このメモリ装置においては、1ビッ
トを数nmの大きさに記録できるので、媒体が1cm角
のものでも1012ビットオーダの記録容量を持つメモリ
装置が実現できる。
【0003】さて、一般に媒体上に記録された情報を再
生する場合には、媒体上に記録された情報列に沿って情
報読み出し用のプローブを相対移動させる必要がある。
一般にプローブを情報列まで持っていく動作をシーキン
グといい、情報列に沿ってプローブを沿わせる動作をト
ラッキングと呼ぶ。まず、トラッキングを行う方法とし
て、媒体上に物理的なトラックを形成し、そのトラック
にプローブを沿わせる方法が知られている。特開平01
−107341号公報には記録媒体表面にトラックとし
てV字型の溝を形成し、プローブ電極が常にこの溝の中
央に位置するように制御する方法が開示されている。ま
た特開平01−133239号公報には記録媒体の下に
トラックを導電帯層で形成して、トラックにトラッキン
グ信号を印加し、プローブから検出されるトラッキング
信号に基づいてフィードバック制御を行う方法が開示さ
れている。また、特別なトラックを媒体上に形成するこ
となく情報列を、トラッキングする方法として、特開平
04−212737号公報には、プローブをドット列に
対し垂直方向に微小な振幅で振動させながら記録ドット
の位置を検出し、位置ずれをなくすように制御するトラ
ッキング方法が開示されている。
【0004】これに対して、位置ずれに対してフィード
バック制御を行うのではなく、情報列が存在する付近を
ある程度の密度で走査して情報読み取りを行い、トラッ
キング制御を不要とする手法も提案されている。例え
ば、特開平02−050333号公報にはトラッキング
を行わずに、再生時には記録密度よりも高い密度でプロ
ーブを走査して情報を読み込み、パターン認識の技術を
用いて記録された情報の再生を行う方法が開示されてい
る。また、特開平04−364244号公報には、パタ
ーン認識という処理を行うことなく、複数本の走査情報
列の論理和信号を再生信号として用いて情報の再生を行
う方法が開示されている。さらに、特開平04−355
231号公報には、記録再生走査の前に2度の予備走査
を行って、その際に得られたトンネル電流をそれぞれ積
分して、その作動出力値を得て、1回目の予備走査軌跡
に対して2回目の予備走査軌跡の作動出力値から実際の
信号列の中心位置を検出して3回目に信号列の中心付近
を走査して再生信号を得る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
1−107341号公報や特開平1−133239号公
報に開示されているような媒体上に物理トラックを作成
する方法は、物理トラックを設ける工程が必要になり記
録媒体の作成工程が複雑になるという問題点があった。
また、トラックをフォトリソグラフィ等のSPMよりも
分解能の低い製造技術で製造すると、その製造技術の分
解能で情報の記録密度が制限されてしまうという問題点
があった。また、特開平04−212737号公報に開
示された方法においては、情報列の向きに垂直な微小振
動の周波数を走査速度に比例して速くしなければならな
いため、走査速度が微小振動の最高周波数で制限され、
高速で情報を読み出すことが困難であるという問題点が
あった。また、特開平02−050333号公報に開示
されるパターン認識を用いた方法は、高密度で読み取り
を行うために走査に時間がかかり、さらに後処理におい
てもパターン認識という複雑で処理時間を有する工程が
必要であるという問題点があった。また、特開平04−
364244号公報や特開平04−355231号公報
に開示される方法においては、1列の情報列を読み取る
のに3度以上の走査が必要となるため読み取り走査に時
間がかかるという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は、上記課題を解決し、媒
体上に物理的なトラックを設けることなく、短い走査時
間でかつ簡単な処理で情報の再生を行うことができる情
報記録再生方法及び装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、情報記録再生方法及び装置をつぎのように
構成したことを特徴とするものである。すなわち、本発
明の情報記録再生方法は、媒体上をプローブで走査して
情報の記録と再生を行う情報記録再生方法において、情
報の記録に際して、該情報を媒体上で複数のセグメント
トラックに分割し、その一つのセグメントトラックの長
さLを、再生時に前記プローブが該長さLを走査するの
に要する時間をT、前記セグメントトラックの幅をw、
最大許容ドリフト速度をDとしたときに、 T<w/(2・D) を満たす長さとして記録し、該記録された情報を再生す
ることを特徴としている。また、本発明の情報記録再生
方法は、前記記録された情報の再生が、前記プローブを
前記セグメントトラックの中央付近に位置決めする第1
のステップと、前記セグメントトラック上を前記プロー
ブで走査し情報の再生を行う第2のステップからなるこ
とを特徴としている。また、本発明の情報記録再生装置
は、媒体とプローブを相対的に走査する走査手段と、前
記媒体上に情報の記録を行う情報記録手段と、前記媒体
上に記録された情報を再生する情報再生手段を有する情
報記録再生装置において、前記情報記録手段が、情報を
複数のセグメントトラックに分割し、その一つのセグメ
ントトラックの長さLを、再生時に前記プローブが該長
さLを走査するのに要する時間をT、前記セグメントト
ラックの幅をw、最大許容ドリフト速度をDとしたとき
に、 T<w/(2・D) を満たす長さで記録を行う情報記録手段であることを特
徴としている。また、本発明の情報記録再生装置は、前
記情報再生手段が、前記プローブを前記セグメントトラ
ックの中央付近に位置決めするトラッキング手段と、前
記セグメントトラック上を前記プローブで走査し情報の
再生を行うスキャン手段からなることを特徴としてい
る。そして、本発明の情報記録再生方法及び装置におい
ては、前記セグメントトラックが、位置決めに使用する
サーボセグメントと、情報が記録されているデータセグ
メントからなることを特徴としており、また、それが同
期ドットと、情報が記録されているデータセグメントと
を、交互に配置した構成であることを特徴としている。
また、前記セグメントトラックが、直線状であって、前
記媒体上に平行かつ格子状に配列していること、また
は、円弧状であって、前記媒体上に同心円状に配列して
いることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本願発明は、上記のように構成し
たことを特徴とするものであるが、それは媒体上に情報
を記録する際に、情報をセグメントトラック単位に分割
し、再生時に一つのセグメントトラックの走査時間をド
リフト量を無視できる範囲内に収めるようにすることに
より、走査中にプローブがトラックから外れることがな
くなるという知見に基づくものである。すなわち、トラ
ッキングエラーが生じる原因は幾つかあるが、SPMメ
モリにおけるトラッキングエラーの最大の要因は、温度
ドリフトである。この温度ドリフトは、温度変化により
メモリ装置のアクチュエータや構造部材が熱変形を起す
ために生じる。例えば、シリコンでできた部材について
考えると、20℃における熱膨張係数は2.6×10-6
[K-1]なので、1℃温度が変化するだけでも10mm
の部材の長さが26nm変化してしまう。これは、記録
ドットの大きさが数nmであることを考えると、非常に
大きな値であることが分かる。
【0009】温度ドリフトには、移動量は大きいもの
の、比較的ゆっくりとした動きであるという特徴があ
る。そこで、本発明の情報記録再生方法及び装置におい
ては、媒体上に情報を記録する際に、情報をセグメント
トラック単位に分割し、再生時に一つのセグメントトラ
ックの走査時間をドリフト量を無視できる範囲内に収め
ることで、情報を読み出しながらトラッキング動作を行
う必要を無くしている。すなわち、プローブをトラック
の中央部に位置した状態から、ドリフト量がトラックの
幅wの半分以内に収まる時間内で走査を行えば、走査中
にプローブがトラックから外れることはなくなる。つま
り、セグメントトラックを走査するのに要する時間をT
とすると、速度Dのドリフトによる移動量がトラック幅
wの半分になる時間はw/(2・D)であるから、 T<w/(2・D)…………(1) が成り立てば、走査中にプローブがトラックから外れる
ことがなくなる。例えば、Tは、長さLのセグメントト
ラックを一定速度Vで走査したとすると、T=L/Vに
なる。一般には、Tはプローブのセグメントトラックに
沿った位置をxとしたときの走査速度をv(x)とする
と、 で与えられる。
【0010】上記(1)式より、温度ドリフトの速度D
が数nm/s程度であるとすると、セグメントトラック
の幅が10nm程度のときには、Tが1秒以内の走査に
おいてはドリフトによる移動量はトラックの幅に比べて
十分小さいとみなすことができることがわかる。このよ
うに、プローブをトラックの中央に位置合せを行った後
にトラッキング動作無しで情報の再生を行うことで、物
理的なトラックを設けることなく、情報の再生を行うこ
とができる。また、情報再生時にトラッキング動作を行
う必要がないため、プローブを高速に走査することがで
きる。さらに、情報復調のための信号処理も一度の走査
から得られる信号のみを対象とするため非常に単純な処
理ですむ。
【0011】また、プローブをセグメントトラックの中
央部に位置させるためのトラッキングセグメントを設け
ることで、プローブをセグメントトラック中央部に位置
合せする時間をより短くすることができる。また、セグ
メントトラックが交互に配置した同期ドットと情報が記
録されているデータセグメントからなるようにすること
で、情報の記録密度をより高めることができる。また、
セグメントトラックが直線状に配列した複数の記録ドッ
トからなり、セグメントトラックが平行でかつ格子状に
配列しているようにすることで、さらに情報の記録密度
を高めることができる。また、セグメントトラックが円
弧状に配列した複数の記録ドットからなり、セグメント
トラックが同心円状に配列しているようにすることで機
械的な走査速度をより速くすることができる。
【0012】つぎに、図2を用いて、本発明を適用する
記録再生装置の概要を説明する。導電性を有する基板2
01上の記録層202からなる記録媒体203に対し、
先端に設けられている探針204が接触するように、複
数のプローブ205が配置されている。各プローブ20
5において、探針204は、たわむ様に弾性変形を生じ
る弾性体206により支持されている。ここで、弾性体
206の弾性変形の弾性定数が約0.1[N/m]、弾
性変形量が約1[μm]であるとすると、記録媒体に対
する探針の接触力は約10-7[N]程度となる。
【0013】制御コンピュータ214により制御された
位置制御回路213からの位置制御信号を受け、xyz
駆動機構207により、記録媒体203に取り付けられ
たxyzステージ208が駆動され、プローブ205と
記録媒体203とは相対的に3次元方向に移動する。記
録媒体203に対し、プローブの204のxy方向及び
z方向位置を調節し、探針204先端が記録媒体203
上の所望の位置で、かつ所望の接触力で接触させた状態
になるようプローブ205が位置合せされる。
【0014】上記の記録再生装置において、記録媒体2
03に対しプローブ205を走査する際、プローブ20
5上の探針204先端は記録媒体203に対し、常に接
触した状態を保つ。このような接触走査方式は、探針2
04先端を記録媒体203に対し接触させたまま走査す
る場合に、記録媒体203の表面に凹凸があっても、弾
性体206の弾性変形によりこれを吸収するため、探針
204先端と記録媒体203表面の接触力はほぼ一定に
保たれ、探針204先端や記録媒体203表面が破壊す
ることを避けられる。この方式は個々のプローブをz方
向に位置合せするピエゾ素子等の手段が不必要であるた
め、構成が複雑にならず、特に複数のプローブを有する
装置に適している。また、記録媒体203に対する個々
のプローブ205のz方向位置のフィードバック制御が
不必要であるため、記録媒体203に対するプローブ2
05の高速走査が可能となる。制御コンピュータ214
により制御された記録制御回路211から発生された記
録信号が、記録系に切り替えられた切り替えスイッチ2
09を通し、各探針204から記録媒体203に印加さ
れる。このようにして、記録層202の探針204先端
が接触する部分に局所的に記録が行われる。このよう
に、媒体上で記録が行われた微小部分を以下ドットと称
する。
【0015】上述の装置における記録層201として
は、電圧印加により流れる電流値が変化するような材料
を用いる。具体例としては、第1に、特開昭63−16
1552号公報、特開昭63−161553号公報に開
示されているようなポリイミドやSOAZ(ビス−n−
オクチルスクアリリウムアズレン)等電気メモリー効果
を有するLB膜(=Langmuir−Blodget
te法により作成された有機単分子の膜の累積膜)が挙
げられる。この材料は、探針−LB膜−基板間にしきい
値以上の電圧(5〜10[V]程度)を印加すると間の
LB膜の導電性が変化(OFF状態→ON状態)し、再
生用のバイアス電圧(0.01〜2[V]程度を印加し
た際に流れる電流が増大するものである。この媒体を使
用した場合、記録されたドットは周囲に比べて導電性が
向上する。第2の具体例として、GeTe,GaSb,
SnTe等の非晶質薄膜材料が挙げられる。この材料
は、探針−非晶質薄膜材料−基板間に電圧を印加し、流
れる電流により発生する熱で非晶質→晶質への相転移を
起こさせるものである。これにより材料の導電性が変化
し、再生用のバイアス電圧を印加した際に流れる電流が
増大するものである。第3の具体例として、ZnやW、
Si、GaAs等の酸化性金属・半導体材料が挙げられ
る。この材料は、探針−酸化性金属・半導体材料間に電
圧を印加すると、流れる電流により、材料表面に吸着し
ている水や大気中の酸素と反応し、表面に酸化膜が形成
される。このため材料表面の接触抵抗が変化し、バイア
ス電圧を印加した際に流れる電流が減少する。この媒体
を使用した場合は、記録されたドットは周囲に比べて導
電性が低下する。さて、上述のようにして媒体上に記録
されたドットの再生は次のように行う。スイッチ209
により、各プローブ205からの信号配線を再生系に切
り替えた後、バイアス電圧印加手段210により、探針
204と基板201との間にバイアス電圧を印加し、間
に流れる電流を再生制御回路212において検出する。
記録媒体203上のドットの部分は記録がなされていな
い部分に比べ電流が多く(または、少なく)流れるた
め、再生制御回路212において、この電流の違いを検
出し、再生信号とし、制御コンピュータ214に出力す
る。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は、本発明の実施例1を示すものであ
って、媒体上に配置されたデータの一部を示している。
図1において、情報は101〜109のセグメントトラ
ックに分けて記録されており、各セグメントトラックは
媒体上で3×3の格子状に配置されている。また、各セ
グメントトラック101〜109は、サーボセグメント
111〜119及びデータセグメント121〜129か
らなっている。各セグメントトラックの長さはL、幅は
wである。
【0017】本実施例の情報の再生方法を以下に述べ
る。図3は図1のセグメントトラック101と102の
詳細図である。
【0018】情報の再生は、プローブを経路100に沿
って移動しながら行う。まず、プローブがサーボセグメ
ント111を走査するときにはプローブがセグメントト
ラック101に対してy方向にどれだけずれているかを
検出し、そのずれに対してプローブ位置の補正を行い、
プローブをセグメントトラック101の中央に位置させ
る。そして、プローブがセグメントトラック101の中
央に位置した状態で、トラッキングを行わずにデータセ
グメント121をX方向に直線状に走査し、プローブか
ら検出される信号を復調してデジタルデータを得る。以
下同様にして、サーボセグメントで位置ずれを補正し、
データセグメントで情報を読み出すというサイクルを繰
り返すことで情報の再生を行う。
【0019】本実施例においては、セグメントトラック
の長さL、幅w、最大想定ドリフト速度D、プローブの
走査所要時間Tの関係は前述した(1)式を満たしてい
るので、走査中にプローブがセグメントトラックから外
れることはない。この最大想定ドリフト速度Dは以下の
ようにして測定する。まず、記録再生装置をドリフトが
最も大きくなると思われる条件下に置く。例えば、使用
想定温度範囲の最低温度環境下にしばらく置いた後、使
用想定温度範囲の最高温度環境下に移動することで使用
想定温度範囲における最大の温度ドリフトが得られる。
その条件下で、媒体上にドットを記録し、その直後から
記録したドットの周囲を走査してドットの移動速度を計
測することで最大想定ドリフト速度Dを得ることができ
る。実用的には、この計測された最大ドリフト速度Dに
1.0よりも大きな安全率を乗じるのが望ましい。
【0020】図4は本実施例のセグメントトラック10
1の詳細図である。本実施例のセグメントトラックは、
3つのドットからなるサーボセグメント111と、スタ
ートドットとデータ列からなるデータセグメント121
からなっている。データ列は、情報に応じて変調された
ドットからなっている。例えば、バイナリデータを記録
する際に、‘1’を記録する際にはドットを記録し、
‘0’を記録する際にはドットを記録しないといった手
順で情報を記録することができる。データ列の長さは、
上記(1)式の条件を満たす限り、任意の長さを取れる
ことはいうまでもない。
【0021】本実施例において、サーボセグメント上で
プローブをトラック中央に位置させるためには以下のよ
うな動作を行う。図4において、プローブがサーボセグ
メント上を走査するときに、走査方向とは垂直な方向に
プローブを往復運動させる。このときプローブは媒体上
で蛇行運動を行う。この蛇行運動中にプローブがサーボ
セグメント上のドットを横切ると、プローブがトラック
の中央部に来たときにプローブから検出される信号が極
大値になる。この信号が極大値になる位置を記録し、プ
ローブをその位置に持っていくことで、プローブをトラ
ックの中央部に位置させることができる。そして、プロ
ーブがトラックの中央部に位置した状態でプローブをX
方向に直線状に走査する。このとき、プローブはデータ
セグメント上を走査する。そして、プローブから検出さ
れる信号のうち、最初に検出されたドット(スタートド
ット)をきっかけとして、以下、一定の時間間隔でプロ
ーブからの検出信号を2値化することで、情報の復調を
行うことができる。データセグメント上を走査するとき
には、トラッキング動作を行わないのでサーボセグメン
ト上で位置合せを行っているときに比べて高速な走査を
行うことができる。本発明の情報記録再生法を使用する
ことで、媒体上に物理的なトラックを設けることなく、
媒体上に記録された情報を高速に再生することができ
る。また、プローブがデータセグメント上をただ一度だ
け走査するので、単純な処理で再生した信号をデジタル
データに復調することができる。
【0022】[実施例2]図5は、実施例2のセグメン
トトラックの詳細図である。本実施例においても、複数
のセグメントトラックが媒体上で実施例1のように配列
している。図5において、セグメントトラック301
は、レの字状に配置したドットからなるサーボセグメン
ト311と、スタートドットとデータ列からなるデータ
セグメント312からなっている。サーボセグメント3
11のレの字状に配置したドットは、トラックの中央部
で間隔がd0になっており、図中上側に行くほど間隔が
広くなっている。データセグメント321の構造は実施
例1と同様である。データセグメント312の長さは、
上記(1)式を満たす限り、任意の長さを取れることは
いうまでもない。図5において、データを記録した部分
の長さLとは、サーボセグメント311の右端から、デ
ータセグメント321の右端までの長さのことである。
【0023】本実施例において、サーボセグメント31
1上でプローブをトラック中央に位置させるためには以
下のような動作を行う。図5において、プローブが30
0に沿って、サーボセグメント311上を走査すると、
ドットの上を2回横切る。この横切った2つのドットの
間隔をdとする。図から明らかなように、偏差d0−d
はプローブのトラックからの外れ量に比例する。そし
て、この偏差d0−dはプローブが図中でトラックより
も上側にあるときには正になり、プローブが図中でトラ
ックよりも下側にあるときには負になる。そこで、d0
−dに比例してプローブを移動することで、プローブを
トラックの中央部に位置させることができる。
【0024】そして、プローブがトラックの中央部に位
置した状態でプローブをX方向に直線状に走査する。こ
のとき、プローブはデータセグメント上を走査する。そ
して、プローブから検出される信号のうち、最初に検出
されたドット(スタートドット)をきっかけとして、以
下、一定の時間間隔でプローブからの検出信号を2値化
することで、情報の復調を行うことができる。本実施例
においても、セグメントトラックの長さL、幅w、最大
想定ドリフト速度D、プローブの走査所要時間Tの関係
は上記(1)式を満たしているので、走査中にプローブ
がセグメントトラックから外れることはない。本発明の
情報記録再生法を使用することで、媒体上に物理的なト
ラックを設けることなく、媒体上に記録された情報を高
速に再生することができる。また、プローブがデータセ
グメント上をただ一度だけ走査するので、単純な処理で
再生した信号をデジタルデータに復調することができ
る。また、実施例1と異なり、サーボセグメント上でプ
ローブを蛇行運動させる必要がないので、より高速にプ
ローブをトラックの中央に位置させることができる。
【0025】[実施例3]図6は、本発明の実施例3を
示すものであって、媒体上に配置されたデータの一部を
示している。図6において、情報は401〜404のセ
グメントトラックに分けて記録されており、各セグメン
トトラックは互いに平行に配置されている。各セグメン
トトラックは、同期ドット411とその間に挟まれたデ
ータセグメント421からなっている。データセグメン
ト421は記録される情報に応じて変調されたドットか
らなる。実施例1と異なり、セグメントトラックに特別
なサーボセグメントは存在しない。それゆえ、実施例1
に比べてより高密度な情報記録を行うことができる。各
セグメントトラックの長さはL、幅はwであり、実施例
1と同様に上記(1)式の関係を満たすようになってい
る。
【0026】情報の再生は図6の経路400に沿って行
い、セグメントトラック401から404まで順番に再
生を行う。再生方法の詳細を以下に述べる。まず、プロ
ーブをセグメントトラック401の中央部に位置決めす
る。そのために、図6に示すようにセグメントトラック
401を挟むようにプローブを蛇行させながら走査し
て、その時の信号強度を測定する。そして、この信号強
度が極大になる位置がセグメントトラック401の中央
部であるので、その位置にプローブを位置させる。この
動作で、プローブがセグメントトラック401の中央部
に位置決めされる。この位置決め時には、セグメントト
ラック401の全長にわたって蛇行走査を行う必要はな
く、蛇行走査中に少なくとも1つの同期ドットを通るよ
うにすればよい。
【0027】そして、プローブがセグメントトラック4
01の中央部に位置決めされた後に、プローブの走査方
向を反転し、プローブをX方向に走査しながらセグメン
トトラック401上の信号の読み取りを行うことで、セ
グメントトラック401の情報の再生を行うことができ
る。各セグメントトラック401〜404の長さL、幅
w、最大想定ドリフト速度D、プローブの走査所要時間
Tの関係は上記(1)式を満たしているので、走査中に
プローブがセグメントトラックから外れることはない。
以下同様にしてセグメントトラック402以降の情報を
再生して行くことで、連続して情報の再生を行うことが
できる。本実施例においても、媒体上に物理的なトラッ
クを設けることなく、媒体上に記録された情報を高速に
再生することができる。また、プローブがデータセグメ
ント上をただ一度だけ走査するので、再生した信号をデ
ジタルデータに復調する処理も単純で良い。また、本実
施例においてはサーボセグメントが存在しないので、実
施例1、2に比ベてより高密度な情報記録を行うことが
できる。
【0028】[実施例4]図7は、本発明の実施例4を
示すものであって、上記した構成とは別のデータの配置
構成を示している。本実施例においては、セグメントト
ラックは円弧状になっており、媒体上でセグメントトラ
ック501は同心円状に配置されている。セグメントト
ラック501はサーボセグメント511とデータセグメ
ント512から成っている。情報の再生は、プローブ軌
跡500に沿って行う。実施例1と同様にサーボセグメ
ント上でプローブの位置合せを行い、データセグメント
の情報を再生するというサイクルを繰り返して情報再生
を行う。実施例1と異なるのは、セグメントトラックが
円弧状であるため、走査を円弧に沿って行うということ
である。本実施例において、プローブと媒体は相対的に
角速度ωで円状に駆動されている。読み出しを行うセグ
メントトラックの曲率半径をrとすると、プローブの走
査所要時間Tは、 T=L/rω ………………(2) と表せられる。データセグメントの長さLは上記(2)
式を満たすように設定されるので、走査中にドリフトが
生じてもプローブがセグメントトラックから外れること
はない。本実施例においても、媒体上に物理的なトラッ
クを設けることなく、媒体上に記録された情報を高速に
再生することができる。また、プローブがデータセグメ
ント上をただ一度だけ走査するので、再生した信号をデ
ジタルデータに復調する処理も単純で良い。
【0029】また、同じ駆動系を使用した場合、実施例
1、2のようなラスター走査よりも本実施例のような円
走査の方が高速な走査を行うことができるので、本実施
例においては、より高速な情報再生を行うことができ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上記したように、媒体上に情
報を記録する際に、情報をセグメントトラック単位に分
割し、再生時に一つのセグメントトラックの走査時間を
ドリフト量を無視できる範囲内に収めるように構成する
ことにより、物理的なトラックを設けることなく、媒体
上に記録された情報列をトラッキングすることができ、
媒体の製造が容易になり、また高密度な情報記録が可能
になり、媒体上に記録された情報を単純な処理で高速に
再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の媒体上に記録された情報の配置図で
ある。
【図2】本発明を適用するSPMメモリ装置の図と制御
回路の概略図である。
【図3】実施例1の情報再生の様子を説明した図であ
る。
【図4】実施例1のセグメントトラックの詳細を説明し
た図である。
【図5】実施例2のセグメントトラックの詳細を説明し
た図である。
【図6】実施例3の媒体上に記録された情報の配置図で
ある。
【図7】実施例4の媒体上に記録された情報の配置図で
ある。
【符号の説明】
100、300、400、500:プローブ軌跡 101〜109、301、401〜404、501:セ
グメントトラック 111〜119、311、511:サーボセグメント 411:同期ドット 121〜129、321、421、521:データセグ
メント 201:基板 202:記録層 203:記録媒体 204:探針 205:プローブ 206:弾性体 207:xyz駆動機構 208:xyz駆動ステージ 209:切り替えスイッチ 210:バイアス印加手段 211:記録制御回路 212:再生制御回路 213:位置制御回路 214:制御コンピュータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】媒体上をプローブで走査して情報の記録と
    再生を行う情報記録再生方法において、 情報の記録に際して、該情報を媒体上で複数のセグメン
    トトラックに分割し、その一つのセグメントトラックの
    長さLを、 再生時に前記プローブが該長さLを走査するのに要する
    時間をT、前記セグメントトラックの幅をw、最大許容
    ドリフト速度をDとしたときに、 T<w/(2・D) を満たす長さとして記録し、該記録された情報を再生す
    ることを特徴とする情報記録再生方法。
  2. 【請求項2】前記記録された情報の再生が、前記プロー
    ブを前記セグメントトラックの中央付近に位置決めする
    第1のステップと、 前記セグメントトラック上を前記プローブで走査し情報
    の再生を行う第2のステップからなることを特徴とする
    請求項1に記載の情報記録再生方法。
  3. 【請求項3】前記セグメントトラックが、位置決めに使
    用するサーボセグメントと、情報が記録されているデー
    タセグメントからなることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の情報記録再生方法。
  4. 【請求項4】前記セグメントトラックが、同期ドット
    と、情報が記録されているデータセグメントとを、交互
    に配置した構成であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の情報記録再生方法。
  5. 【請求項5】前記セグメントトラックが、直線状であっ
    て、前記媒体上に平行かつ格子状に配列していることを
    特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の
    情報記録再生方法。
  6. 【請求項6】前記セグメントトラックが、円弧状であっ
    て、前記媒体上に同心円状に配列していることを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の情報記
    録再生方法。
  7. 【請求項7】媒体とプローブを相対的に走査する走査手
    段と、前記媒体上に情報の記録を行う情報記録手段と、
    前記媒体上に記録された情報を再生する情報再生手段を
    有する情報記録再生装置において、 前記情報記録手段が、情報を複数のセグメントトラック
    に分割し、その一つのセグメントトラックの長さLを、 再生時に前記プローブが該長さLを走査するのに要する
    時間をT、前記セグメントトラックの幅をw、最大許容
    ドリフト速度をDとしたときに、 T<w/(2・D) を満たす長さで記録を行う情報記録手段であることを特
    徴とする情報記録再生装置。
  8. 【請求項8】前記情報再生手段が、前記プローブを前記
    セグメントトラックの中央付近に位置決めするトラッキ
    ング手段と、前記セグメントトラック上を前記プローブ
    で走査し情報の再生を行うスキャン手段からなることを
    特徴とする請求項7に記載の情報記録再生装置。
  9. 【請求項9】前記セグメントトラックが、位置決めに使
    用するサーボセグメントと、情報が記録されているデー
    タセグメントからなることを特徴とする請求項7または
    請求項8に記載の情報記録再生装置。
  10. 【請求項10】前記セグメントトラックが、同期ドット
    と、情報が記録されているデータセグメントとを、交互
    に配置して構成されていることを特徴とする請求項7ま
    たは請求項8に記載の情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】前記セグメントトラックが、直線状であ
    って、前記媒体上に平行でかつ格子状に配列されている
    ことを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項
    に記載の情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】前記セグメントトラックが円弧状であっ
    て、前記媒体上に同心円状に配列されていることを特徴
    とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の情
    報記録再生装置。
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