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JPH10301016A - レンズ鏡筒及びそれを用いた光学装置 - Google Patents

レンズ鏡筒及びそれを用いた光学装置

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JPH10301016A
JPH10301016A JP12633297A JP12633297A JPH10301016A JP H10301016 A JPH10301016 A JP H10301016A JP 12633297 A JP12633297 A JP 12633297A JP 12633297 A JP12633297 A JP 12633297A JP H10301016 A JPH10301016 A JP H10301016A
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Japan
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lens
lens barrel
optical
driving
predetermined range
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JP12633297A
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Noboru Suzuki
昇 鈴木
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ群をメカ端により制限される第1の所
定範囲のうちのサーボ制限可能な第2の所定範囲内で精
度良く駆動させることができるレンズ鏡筒及びそれを用
いた光学装置を得ること。 【解決手段】 筐体内に保持した光学手段を駆動手段か
らの駆動力で光軸方向の所定範囲内を移動させる際、該
光学手段が該所定範囲の一方の端aに位置したことを検
出する端部検出手段、該光学手段の移動情報を検出する
移動情報検出手段、そして該端部検出手段と該移動情報
検出手段からの信号を用いて該光学手段を該一方の端a
より該移動範囲中の内側の端bに駆動制御する制御手段
とを有していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズ鏡筒及びそれ
を用いた光学装置に関し、特にテレビジョン撮影等に用
いられるテレビ用撮影レンズに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりテレビジョン撮影等で用いられ
るテレビ用撮影レンズ(撮影レンズ)は、ズーミングの
ため、またはフォーカスのためにマニュアルあるいはモ
ータ(電動)により複数のレンズ群を光軸方向に駆動し
ている。このうちモータでレンズ群を駆動する場合には
レンズ群の光軸上の位置を検出する位置検出手段を設
け、レンズ群が指令位置に移動するようにモータで駆動
制御している。
【0003】図4は従来の撮影レンズの一部のレンズ群
を駆動させるようにしたレンズ鏡筒の要部断面図であ
る。
【0004】図中、34は移動レンズ群であり、レンズ
保持筒35で支持されていると同時に、固定鏡筒36に
対して光軸方向に変位可能となっている。37はレンズ
駆動環であり、第1ギア38,第2ギア39を介してモ
ータ40により回転駆動される。レンズ駆動環37とレ
ンズ保持筒35は連結ピン41で連結されており、モー
タ40からの駆動力によりレンズ群34を光軸方向に変
位させている。固定鏡筒36にはエンコーダ42が固定
配置されており、レンズ駆動環37の内周に取り付けた
エンコーダスリット43の回転に応じて、レンズ駆動環
37の回転移動量を検出している。またレンズ駆動環3
7の内周には抵抗体44が環状に付設されており、固定
鏡筒36に固定されたブラシ45と接触状態となってい
る。この抵抗体44とブラシ45はレンズ動作端検出用
のスイッチの役割を果たしている。
【0005】この様な構成からなるレンズ鏡筒において
レンズ群34をモータ40で駆動制御するには、まずレ
ンズ群34を原点位置(動作端または端部ともいう。)
に移動して初期設定をする必要がある。その方法とし
て、従来は装置への電源投入時にレンズ群34を所定の
方向へ駆動し、レンズ群34の動作端を上述したような
電気的スイッチ(44,45)で認識して、動作端が駆
動制御上の原点になるように初期設定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のレンズ群を原点
位置に移動させて初期設定を行う機能を有したレンズ鏡
筒においては、レンズ群の相対的な移動量を検出する移
動量検出装置(エンコーダ)と、レンズ群位置の初期化
に必要な動作端検出用のスイッチ(抵抗体とブラシ)の
2つの検出手段を配置している。
【0007】一般にこのような2つの検出手段をレンズ
鏡筒内に設けることは、レンズ鏡筒の小型化を妨げるだ
けでなく、コストアップの要因にもなる。このような問
題に対する対策手段として、レンズ群の絶対位置を検出
する1つの検出手段を設ける方法がある。
【0008】この検出手段としては、例えばアブソリュ
ード型エンコーダがあるが、これは装置全体が大型化し
てくる傾向がある。またポテンショメータはアナログ制
御を行う上では問題ないが高精度なデジタル制御を行う
には十分な分解能が得られないという問題がある。また
別の対策手段として、動作端検出用のスイッチを廃止
し、レンズ群の位置を初期化する場合にはレンズ群を機
構上の端点まで駆動し、レンズ移動が規制された位置を
原点位置と認識する方法もある。しかしながらこの方法
は、レンズ群が機構上の端点に達した時の衝撃により動
力伝達機構部やモータ自身に損傷を与えるという問題が
ある。
【0009】本発明は、レンズ群を駆動制御する駆動機
構を適切に設定することにより撮影レンズを構成するレ
ンズ群のうち所定のレンズ群を第1の所定範囲の端部で
ある動作端(メカ端)まで駆動させた後に該メカ端より
も内側のサーボ制御する第2の所定範囲の端部であるサ
ーボ端(サーボ原点)までに駆動させて該レンズ群を精
度良く、安定して駆動制御することができるようにした
レンズ鏡筒及びそれを用いた光学装置の提供を目的とす
る。
【0010】この他本発明は、撮影レンズを構成するレ
ンズ群のうち所定のレンズ群を動作端(端部)に駆動さ
せる際に駆動力伝達経路中に適切に設定した負荷制限手
段を設けることにより該レンズ群を機構上の動作端まで
駆動させた時に発生する衝撃を該負荷制限手段で緩和し
てモータや動力伝達部の損傷を防止しつつ、精度良く、
かつ安定して駆動させることができるレンズ鏡筒及びそ
れを用いた光学装置の提供を目的とする。
【0011】また本発明は、撮影レンズを構成する所定
のレンズ群を移動させる際に駆動力伝達経路中に負荷制
限手段を含んだ手動と電動の切り換え用の差動機構を設
け、レンズ群を機構上の動作端まで駆動させた時に発生
する衝撃を該差動機構により除去することにより、負荷
制限手段を別途設けることなく、従来の動作端検出用の
スイッチを用いずにレンズ群を原点位置に精度良く駆動
制御することのできるレンズ鏡筒及びそれを用いた光学
装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のレンズ鏡筒は、 (1−1)筐体内に保持した光学手段を駆動手段からの
駆動力で光軸方向の所定範囲内を移動させる際、該光学
手段が該所定範囲の一方の端aに位置したことを検出す
る端部検出手段、該光学手段の移動情報を検出する移動
情報検出手段、そして該端部検出手段と該移動情報検出
手段からの信号を用いて該光学手段を該一方の端aより
該移動範囲中の内側の端bに駆動制御する制御手段とを
有していることを特徴としている。
【0013】特に、 (1−1−1)前記制御手段は前記端部検出手段から前
記光学手段が一方の端aに位置したときの信号を得た後
に予め記憶手段に設定した移動情報に基づいて該光学手
段を前記端bに駆動していること。
【0014】(1−1−2)前記記憶手段に設定した移
動情報は環境変化に基づいて可変としていること。等、
を特徴としている。
【0015】(1−2)筐体内に保持した光学手段を駆
動手段からの駆動力で光軸方向の第1の所定範囲内を移
動させる際、該光学手段が該第1の所定範囲の一方の端
a又は他方の端cに位置したことを検出する端部検出手
段、該光学手段の移動情報を検出する移動情報検出手
段、そして該端部検出手段と該移動情報検出手段からの
信号を用いて該光学手段を該一方の端aより内側の端b
から該他方の端cより内側の端dまでの第2の所定範囲
内で駆動制御する制御手段とを有していることを特徴と
している。
【0016】特に、 (1−2−1)前記制御手段は前記端部検出手段から得
られる前記第1の所定範囲の一方の端aと他方の端cの
位置情報より該第1の所定範囲の距離情報を算出する距
離算出部を有していること。
【0017】(1−2−2)前記距離検出部から得られ
た距離情報と予め設定した基準距離とを比較する距離比
較部を有し、前記端部検出手段は該距離比較部からの信
号に基づいて前記第1の所定範囲の端aと端cとを再度
検出していること。
【0018】(1−2−3)前記端部検出手段による前
記第1の所定範囲の端aと端cとを検出する回数を制限
する端検出制限部を有していること。
【0019】(1−2−4)前記端検出制限部からの前
記端部検出手段による検出を行なわない旨の信号が出力
されたとき、該信号を表示する表示部を有しているこ
と。
【0020】(1−2−5)前記端検出制限部からの信
号に応じて前記光学手段を手動でのみ駆動可能となるよ
うにしていること。
【0021】(1−2−6)前記制御手段は前記端部検
出手段から前記光学手段が一方の端aに位置したときの
信号を得た後に予め記憶手段に設定した移動情報に基づ
いて該光学手段を前記端bに駆動していること。
【0022】(1−2−7)前記記憶手段に設定した移
動情報は環境変化に基づいて可変としていること。
【0023】(1−2−8)前記制御手段は前記光学手
段の前記端部検出手段による前記第1の所定範囲の端a
と端cとの検出後は該光学手段を前記第2の所定範囲内
においてのみ駆動制御していること。等、を特徴として
いる。
【0024】また、本発明の光学装置は前述の構成(1
−1),(1−2)の何れか1つのレンズ鏡筒を用いて
所定面上に物体像を形成していることを特徴としてい
る。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1の要部
断面図である。本実施形態では筐体内に保持した光学手
段(レンズ群)1を駆動させる際に切り換えスイッチな
しに電動とマニュアルで切り換えて駆動可能なレンズ鏡
筒の一部を表している。
【0026】図1において1は可動のレンズ群(光学手
段)、2はレンズ保持枠であり、レンズ群1を保持して
いる。レンズ保持枠2はレンズ鏡筒の本体を構成してい
る固定鏡筒3とネジで噛合し、光軸方向に移動可能とな
っている。4はマニュアル環(手動操作手段)であり、
レンズ群1を手動操作する時に回転操作するためのもの
である。5は駆動手段としての超音波モータであり、振
動波を利用してレンズ群1を電動駆動する時の駆動手段
となっている。
【0027】超音波モータ5は振動波を発するリング状
のステータ5aとロータ5bとで構成され、ステータ5
aの端面に固着された圧電素子(PZT)が振動を発し
ている。ステータ5aの先端にはスリット(不図示)が
放射方向に設けられ、スリット内にステータ回転防止部
材6を配置し、ステータ5aの回転を防止している。ま
たステータ5aのもう一方の端面にはフェルト固定環7
に固定された環状のフェルト8aが配置されている。更
にフェルト固定環7の側面には皿バネ9が設けられてい
る。皿バネ9とモータベース10とネジで噛合う皿バネ
押圧部材11によりステータ5aをロータ5b方向に所
定の力で押圧している。
【0028】また、ステータ回転防止部材6はステータ
回転防止部材固定環12によりモータベース10に固定
されている。この様な構成のもとでステータ5aのPZ
Tに所定の電圧を印加すると、ステータ5aの先端が発
生する振動波によりロータ5bが回転する。一方、ロー
タ5bの側面にはロータ出力環13が防振ゴム14を介
して固定されており、ロータ5bと一体的に回転する。
【0029】15はコロ部材(転動部材)であり、自軸
回りに回転すると共に固定鏡筒3の周方向に転動可能と
なっている。コロ部材15はマニュアル環4に固定され
た環状のボールレース外輪16とロータ出力環13の両
端面に接触すると同時に、ボールレース内輪17に突設
したピン18を自軸として回転可能な状態にある。コロ
部材15は光軸を同心として少なくとも3個以上配置さ
れている。
【0030】本実施形態ではコロ部材15とロータ出力
環13、そしてボールレース外輪16は負荷制限手段の
一要素を構成しており、動力伝達経路中に設けている。
そして過負荷時にはコロ部材15とロータ出力環13の
接面またはコロ部材15とボールレース外輪16の接面
が滑り、衝撃を解消している。
【0031】19はボールレース出力環であり、ボール
レース内輪17とネジで固定され、モータベース10の
回りを回動すると同時にボールレース外輪16,ボール
レース内輪17,球体20と共に軸受を構成している。
またボールレース外輪16の端面はモータベース10に
設けられたレース支持面10aに当接しており、超音波
モータ5の加圧手段である皿バネ9により軸受全体がレ
ース支持面10aに押圧されている。
【0032】これらコロ部材15とボールレース16,
17、そして球体20から構成される軸受はレンズ駆動
のマニュアルと電動をスイッチなしで切り換える差動機
構の一要素を構成している。
【0033】次にその機能について説明する。レンズ群
1を電動で駆動する場合には超音波モータ5によりロー
タ5b,防振ゴム14,ロータ出力環13が一体的に回
転する。マニュアル環4の回転トルクを所定値(レンズ
駆動トルクの約半分)以上に設定すると、ロータ出力環
13に当接しているコロ部材15はピン18回りを回転
すると同時に、コロ部材15の接触面が発するフリクシ
ョンにより、ボールレース内輪17と一体的に光軸回り
を回動する。この時、ボールレース外輪16にはマニュ
アル環4の摺動トルクが抵抗力として働くのでボールレ
ース外輪16、即ちマニュアル環4は回動することはな
い。また、ボールレース内輪17の回転角はロータ5b
の回転角の半分になるが、伝達トルクはロータ5bの出
力トルクの約2倍となる。
【0034】ボールレース内輪17にはボールレース出
力環19、更にその先端にはレンズ駆動環21が一体的
に固定されている。これによりレンズ駆動環21の回動
により連結ピン22を介してレンズ保持枠2を光軸方向
に駆動している。この様に電動駆動時にはレンズ外周の
マニュアル環4には駆動力が伝達されずにマニュアル環
4が動作することなくレンズ群1のみが駆動される。
【0035】一方、レンズ群1を手動で駆動する場合に
は、まずマニュアル環4の回動に伴い、それに固定され
たボールレース外輪16が回動する。この時のマニュア
ル操作トルクを超音波モータ5の保持トルク(ロータ5
bとステータ5a間の摩擦トルク)以下に設定してお
り、ロータ出力環13に当接しているコロ部材15がピ
ン18回りを回転し、駆動手段5側には駆動力が伝達さ
れないようにしている。そしてボールレース外輪16の
回動に伴ってボールレース内輪17が一体的に回動する
ようにしている。
【0036】この時ロータ出力環13は超音波モータ5
の保持力により回動することはない。ボールレース内輪
17はマニュアル環4の半分の回転角で回動し、ボール
レース出力環19,レンズ駆動環21,連結ピン22を
介してレンズ群1を駆動する。この構造の基では、レン
ズ駆動環21はストッパ部材23により、その回動範囲
が規制されるが、マニュアル環4はレンズ群1が動作端
に達した後も回動可能な状態にある。このようにコロ部
材15を利用した差動機構(要素13,15〜20)を
用いることで、切り換えスイッチなしに電動とマニュア
ルの切り換えを実現している。
【0037】また、レンズ駆動環4の外周面にはメモリ
21aが、モータベース10の外周面には指標線10b
が刻まれており、マニュアル環4に設けた透明窓4aよ
りレンズ位置に応じた光学値を確認している。さらに固
定鏡筒3には移動量検出用のエンコーダ(移動情報検出
手段)24が固定され、レンズ駆動環21の内周面に取
り付けたエンコーダスリット25の回転に応じて、レン
ズ駆動環21の回転移動量を検出している。レンズ群1
をモータで制御するにはレンズ群1の絶対位置の把握が
不可欠であるが、エンコーダ24はレンズ群1の移動
量、即ち相対位置情報のみを検出するので、レンズ群1
を超音波モータ5で制御する前にレンズ群1を所定の原
点位置まで移動してレンズ位置の初期化を行う必要があ
る。
【0038】本実施形態では以下の手段でレンズ位置を
初期化している。まずレンズ群1をモータ5で制御する
前、例えばレンズ鏡筒に設けた電源入力手段から電源投
入時にレンズ群1を所定の時間内に所定の方向へ駆動す
る。レンズ駆動環21はストッパ部材23により動作範
囲が規制されているため、レンズ群1は動作端(メカ
端)で停止すると同時にエンコーダ24の出力信号の変
化が止まる。超音波モータ5に駆動指令を与えているに
もかかわらず、エンコーダ24の出力信号に変化が生じ
ない状態を所定時間検知すると、CPU内の端検出手段
(端部検出手段ともいう。)がレンズ動作端と判断し、
レンズ制御用位置カウンタをクリアして制御上の動作端
とする。
【0039】レンズ駆動環21がストッパ部材23に達
する時に動力伝達系に衝撃を与えると同時に、レンズ停
止後もモータ5は所定時間駆動し続けるが、コロ部材を
用いた差動機構がトルクリミッタとして作用し、この衝
撃を吸収すると同時に過負荷状態を解消する。即ち、超
音波モータ5とレンズ群1間の動力伝達経路中にある負
荷制限手段を構成するコロ部材15とロータ出力環13
との間に発生する摩擦力が所定値以下であれば、レンズ
群1が動作端に達した時点からコロ部材15とロータ出
力環13の間に滑りが生じる。
【0040】また、コロ部材15とロータ出力環13の
間に発生する摩擦力が所定値以上の場合でも、レンズ群
1が動作端に達した時点から、それまで静止していたマ
ニュアル環4が回動し、モータ5が発生する動力はレン
ズ駆動環21からマニュアル環4に切り換わるため、レ
ンズ群1が動作端に達した後も動力伝達系もしくはモー
タ自身に衝撃や過負荷状態を与えることはない。
【0041】本実施形態では以上述べたような構造によ
り、レンズ群の動作端検出用のスイッチを特に設けるこ
となく、さらに動力伝達系やモータ自身に損傷を与える
ことなく、レンズ移動量検出手段のみでレンズ群の動作
端の位置を検出している。
【0042】図2及び図3は本発明の実施形態2の要部
断面図である。図2は筐体内のレンズ群1を駆動させる
際に切り換えスイッチなしに電動とマニュアルが切り換
えて駆動可能な撮影レンズの一部分を表している。
【0043】本実施形態が実施形態1と異なる点はモー
タ5と移動レンズ群1を結ぶ動力伝達機構に設けた負荷
制限手段としてコロ部材を用いた差動機構の代わりに磁
力を利用した負荷制限手段を有した差動機構を取り入れ
た所にある。以下、その構造と機能について説明する。
【0044】図2において、図1と同一部材には同一符
号を付し、その部材についての説明は省略している。図
3は磁力を利用した差動機構の構造の図2の部分拡大図
である。図中26はボールレース外輪であり、モータベ
ース10に固定されたボールレース内輪27,ボールレ
ース押え環28,球体20と共に軸受を構成している。
また超音波モータ5のロータ5b,防振ゴム14とを一
体的に光軸回りを回動する。また、このボールレース外
輪26の端面には環状の鋼板29が固定されている。
【0045】一方、レンズ群を手動操作する時に回転操
作するマニュアル環30の端面には、環状のヨーク31
を挟んで環状のマグネット32が固定されている。ま
た、マグネット32のもう一方の端面には、マグネット
端面の摩耗を防止する樹脂リング33が取り付けられ、
ヨーク31,マグネット32,樹脂リング33はマニュ
アル環30と一体的に光軸回りを回動する。さらに、樹
脂リング33の端面はボールレース外輪26に固定され
た鋼板29に当接しており、これによりマニュアル環3
0とボールレース外輪26はマグネット32の力で磁力
結合すると同時に、樹脂リング33と鋼板29の接触面
33aを摺動面として回動可能な状態にしている。
【0046】磁力を用いてレンズ駆動の電動とマニュア
ルを切り換える差動機構を実現するには、マグネット3
2の磁力が発生する接触面33aの摩擦トルクをレンズ
群1の駆動トルク以上、かつ超音波モータ5の保持トル
ク以下に調整する必要がある。ここで、鋼板29と樹脂
リング33は負荷制限手段を構成し、鋼板29,ヨーク
31,マグネット32,樹脂リング33は磁力結合手段
を構成している。
【0047】このような構成の基でレンズ群1を電動駆
動すると、まずボールレース外輪26が超音波モータ5
のロータ5bと一体的に回動する。マニュアル環30と
ボールレース外輪26間の摩擦トルクはレンズ群1の駆
動トルクより大きく設定されているので、マニュアル環
30はボールレース外輪26と一体的に回動し、マニュ
アル環30の先端に設けた連結ピン22を介してレンズ
群1が光軸方向に駆動される。また、レンズ群1をマニ
ュアル操作する際、即ち、マニュアル環30を手動で回
動する場合には、マニュアル環30とボールレース外輪
26間の摩擦トルクはモータ5の保持力より小さく設定
されているので、ボールレース外輪26は回動すること
なく、即ち駆動手段5側には駆動力が伝達されずにマニ
ュアル環30のみが樹脂リング33と鋼板29の接触面
33aを摺動面として回動する。このように本実施形態
では、マグネット32の磁力を利用した差動機構を用い
ることで、切り換えスイッチなしに電動とマニュアルの
切り換えを実現している。
【0048】このように構成される撮影レンズにおい
て、実施形態1と同様にレンズ群の動作端の位置を設定
することについて説明する。まず超音波モータ5により
ボールレース外輪26を駆動すると、マニュアル環30
はボールレース外輪26と一体的に回動し、レンズ群1
を移動する。このマニュアル環30の内周部には環状の
エンコーダスリット25が固定されている。マニュアル
環30はストッパ部材23で回動範囲が規制されている
ので、レンズ群1は動作端で停止すると同時にエンコー
ダ24の出力信号の変化が止まる。
【0049】超音波モータ5に駆動指令を与えているに
もかかわらず、エンコーダ24の出力信号に変化が生じ
ない状態を所定時間検知すると、CPU内の端検出手段
がレンズ動作端と判断し、レンズ制御用位置カウンタを
クリアして制御上の動作端とする。マニュアル環30が
ストッパ部材23に達する時に動力伝達系に衝撃を与え
ると同時に、レンズ停止後もモータ5は所定時間駆動し
続けるが、磁石を用いた差動機構がトルクリミッタとし
て作用し、樹脂リング33と鋼板29の間で構成される
負荷制限手段で滑りが発生するので、この衝撃を吸収す
ると同時に過負荷状態を解消する。
【0050】以上、2つの実施形態を基に説明したよう
に、このような構成にすることによりレンズ移動量を検
出する移動情報検出手段24のみでレンズ群の動作端の
位置を設定でき、レンズ群の絶対位置を認識しながら制
御することができる。
【0051】本実施形態では負荷制限手段としてコロ部
材を用いた差動機構と負荷制限手段としてマグネットを
利用した差動機構の2つを例に取り上げたが、負荷を制
限する手段であればこれらの実施形態以外のものであっ
てもかまわない。
【0052】次に本発明におけるレンズをサーボ原点に
位置させる第1の初期化アルゴリズムについて説明す
る。まず図5を用いて本発明の光学装置においてレンズ
群を駆動させる際のサーボ構成を説明する。ここでは駆
動するレンズ群(光学手段)を例えばフォーカシング・
レンズとする。203はマイコン(制御手段)でフォー
カシング・レンズのサーボ系のコントロールを行う。2
07はタイマであり、システムのタイミングを管理する
ためのものである。
【0053】フォーカシング・レンズ206には駆動の
ためのモータ(駆動手段)205が接続され、マイコン
203により駆動部204を通してモータ205を駆動
している。またマイコン203にはフォーカシング・レ
ンズ206と同期して動くエンコーダ201がカウンタ
202を介して接続されている。ここでエンコーダ20
1とカウンタ202は移動量検出手段としての一要素を
構成している。エンコーダ201からの出力はカウンタ
202でカウントされマイコン203でカウンタ値が読
み込めるようになっている。
【0054】ただし機構によってはエンコーダ201が
フォーカシング・レンズ206に接続されずにモータ2
05に接続されても、フォーカシング・レンズ206の
動きとエンコーダ201の出力が同期可能な構成であれ
ば良い。さらにマイコン203には光学装置の調整デー
タを記憶しておくEEPROM208、表示用LED2
09および温度センサ201が接続されている。
【0055】次にサーボ機構によるサーボ移動量とカウ
ンタ202のカウンタ値との関係を図6を用いて説明す
る。
【0056】以下フォーカシング・レンズ206の物体
距離を示す無限距離をINF、最至近距離をMODと称
する。フォーカシング・レンズ206が物理的に動ける
移動範囲のうちINF側をメカ端(端a)301とし、
MOD側をメカ端(端c)302とする。このときのメ
カ端301からメカ端302までを第1の所定範囲と称
する。その移動量をCm308とする。その内側にサー
ボ系で駆動可能なINF側のサーボ端(端b)303と
MOD側のサーボ端(端d)304が存在する。このと
きのサーボ端303からサーボ端304までを第2の所
定範囲と称する。その移動量をCs307とする。
【0057】今、仮にINF側のサーボ端303をサー
ボ原点305とすると、INF側のメカ端301とサー
ボ原点305との間にカウンタ値のオフセットが存在す
ることになる。そのオフセット値をCoff(306)
とすると、次式が成立する。
【0058】Cm≧Cs−Coff ‥‥(a) ここでサーボ原点303におけるカウンタ値を0とし、
フォーカシング・レンズ206をサーボ原点303から
MOD側のサーボ端点304の方向に駆動した場合にカ
ウンタ202のカウンタ値がカウント・アップする。
【0059】例えばサーボ移動量Csが 10000パルスの
ときMOD側のサーボ端点304におけるカウンタ20
2のカウンタ値は 10000となる。またサーボ原点305
からINF方向のメカ端301にフォーカシング・レン
ズ206を駆動すると、カウンタ202のカウンタ値は
カウント・ダウンするので、オフセット・パルスCof
fは例えば−20パルスという値をとる。ここでオフセ
ット・パルスCoffを正の値とすると式(a)は次の
ようになる。
【0060】Cm≧Cs+Coff‥‥(b) このオフセット値(オフセット・パルス数Coff)3
06は設計値で決まるが、光学装置のシステムの組立状
態により微妙に異なる場合がある。そこで組立後、無限
距離が出る位置までフォーカシング・レンズ206を移
動し、INF側のメカ端301との移動量を測定するこ
とで、組立誤差を吸収している。またこのオフセット値
306は、測定後に書き換え可能な記憶媒体であるEE
PROM(記憶手段)208などに記憶するようにして
おり、これにより市場に出したあとに無限距離位置がず
れてしまった場合でも、オフセット値306を再調整す
ることができるようにしている。
【0061】ここで初期化の概略について説明をする。
フォーカシング・レンズ206の原点を物体距離が無限
の位置とする。そこで一般にレンズが物理的に移動でき
ない機械的な端がINF側とMOD側に各々存在し、そ
の内側でレンズはサーボ駆動により移動することにな
る。またレンズは温度条件で焦点が多少移動したり、ス
リップ機構があってもメカ端にぶつかると音が発生した
りして悪影響が出る。
【0062】そこで常温状態で機械端は過焦点設計し
て、サーボ駆動でフォーカシング・レンズ206を動か
す場合は、上記機械端よりもサーボ端は内側に設定して
いる。その一つであるINF側のサーボ端をサーボ原点
305とする。まず光学装置に電源が入ると駆動部はフ
ォーカシング・レンズ206をINF側に駆動し始め
る。エンコーダ201からのパルス出力をカウントする
カウンタ202を監視し、予め決められたある時間内に
カウンタ202のカウンタ値が変化しなくなるまで駆動
する。即ちサーボ原点の存在するメカ端301にフォー
カシング・レンズ206がぶつかりスリップ機構により
エンコーダ201からパルス信号が出力されなくなった
状態で駆動停止する。
【0063】続いてメカ端301からサーボ原点305
の位置までの移動量オフセット値Coff(305)を
カウンタ202にセットして、これによりレンズの原点
出しを終了する。
【0064】以上の動作を図7,図8のフローチャート
を用いて説明する。メインルーチン160において電源
が入る(ステップ101)と、現在のカウンタ値をカウ
ンタ202より読み込み、その値をC0とし(ステップ
102)、INF方向にフォーカシング・レンズ206
を駆動する(ステップ103)。そしてサブルーチン1
50のFindLimit を呼び出し、(ステップ116)、I
NF方向のメカ端301を検出する。
【0065】サブルーチン150のFindLimit において
フォーカシング・レンズ206の動きを観察するために
カウンタ202よりカウンタ値C1を読み込む(ステッ
プ104)。カウンタ値C0とカウンタ値C1を比較し
(ステップ105)、一致していなければフォーカシン
グ・レンズ206は動いていると判断し、ステップ10
6でC0=C1とカウンタ値を置き換えてステップ10
4に戻る。ステップ105でカウンタ値C0とカウンタ
値C1が一致していると判断された場合、フォーカシン
グ・レンズ206は動いていないと判断し、カウンタ値
C0=C1として(ステップ107)現在の時刻T0を
タイマ207から読み込む(ステップ108)。
【0066】続いて現在のカウンタ値C1をカウンタ値
202より読み込み、ステップ107で記憶したカウン
タ値C0との比較を行う(ステップ110)。一致して
いなければフォーカシング・レンズ206は動いている
と判断し、ステップ106に戻る。一致していると判断
された場合、フォーカシング・レンズ206は動いてい
ないと判断し、ステップ111で現在の時刻T1をタイ
マ207より読み込む。時刻T0とT1を次式により比
較する。
【0067】T1−T0≧Tk ‥‥‥(1) ここでTkはあらかじめ決められた時間であり、フォー
カシング・レンズ206が動いていないと判断されるカ
ウンタ202のカウンタ値が変化しない時間を示すもの
である。例えばTk=100msecとすれば、フォーカシ
ング・レンズ206が100msec間以上動いていないと
判断されれば、停止していると判断される。
【0068】そこでステップ112で式(1)が成立し
ていなければフォーカシング・レンズ206が停止条件
を満足していないとし、ステップ109に戻りカウンタ
202のカウンタ値の管理を続ける。ステップ112で
式(1)が成立している場合、フォーカシング・レンズ
206は停止条件を満足したと判断し、ステップ113
で駆動停止する。ステップ114で停止した現在位置を
メカ端とし、メインルーチン160に戻る。
【0069】ステップ115で温度センサ210の出力
に応じたINF側のメカ端301からサーボ原点305
までの移動量のオフセット値Coff(306)をEE
PROM208から読み込み、その値をカウンタ値20
2にセットする。ステップ117でフォーカシング・レ
ンズ206をサーボ原点303まで移動し、フォーカシ
ング・レンズ206の原点だしを終了する。
【0070】ここでステップ117においてフォーカシ
ング・レンズ206をサーボ原点303まで戻している
が、フォーカシング・レンズ206の駆動指令が来るま
で、メカ端301に留まっていてもよい。
【0071】次に図8,図9のフローチャートを用いて
本発明のレンズをサーボ移動範囲の両端に位置させる第
2の初期化アルゴリズムについて説明する。図9のメイ
ンルーチン170において電源が入る(ステップ12
0)と初期化NGカウンタのINIT_NG_COUNTER を0にす
る。現在のカウンタ値をカウンタ202より読み込み、
その値をC0とする(ステップ122)。そしてMOD
方向にフォーカシング・レンズ206を駆動し(ステッ
プ123)、サブルーチンのステップ150のFindLimi
t を呼び出し(ステップ124)、MOD方向のメカ端
302を検出する。
【0072】サブルーチン150のFindLimit における
メカ端の検出は前述の通りである。MOD方向のメカ端
302を検出した後、現在のカウンタ値C1をCmod
とする(ステップ125)。次にINF方向のメカ端3
01を検出するために、INF方向にフォーカシング・
レンズ206を駆動する(ステップ126)。MOD方
向のメカ端302を検出したのと同様にサブルーチン1
50のFindLimit を呼び出す(ステップ127)。IN
F側のメカ端301を検出した後、現在のカウンタ値C
1をCinfとする(ステップ128)。
【0073】両メカ端301,302を検出したので、
その両メカ端間の移動量(第1の所定範囲)である(C
mod−Cinf)の値をマイコン202内の距離算出
部で次式によりチェックする(ステップ129)。そし
てマイコン202内の距離比較部により、 (Cmod−Cinf)≧(Cs−Coff) ‥‥(2) を判断する。即ち実際の距離と基準距離とを比較する。
【0074】ここでCoffは前述したように負の値を
取るものと仮定した場合である。また基準距離(Cs−
Coff)の代わりに予め決めた値Ck(Ck≧Cs)
によってチェックしてもかまわない。
【0075】ステップ129(距離比較部)で式(2)
が成立した場合、ステップ133で温度センサ210か
らの出力に応じたINF側のメカ端301からサーボ原
点305までの移動量のオフセット値Coff(ステッ
プ306)をEEPROM208から読み込み、その値
をカウンタ202にセットする。ステップ134でフォ
ーカシング・レンズ206をサーボ原点305まで移動
し、フォーカシング・レンズ206の原点だしを終了す
る。
【0076】ここでステップ134においてフォーカシ
ング・レンズ207をサーボ原点303まで戻している
が、フォーカシング・レンズ206の駆動指令が来るま
で、メカ端301に留まっていてもよい。またステップ
129で式(2)が成立しなかった場合は、フォーカシ
ング・レンズ206の原点だしがうまくいかなかったと
してマイコン202内の端検出制限部で初期化NGカウ
ンタのINIT_NG_COUNTER を+1する(ステップ13
0)。ステップ131で初期化NGカウンタのINIT_NG_
COUNTER をチェックするために、予め決められた値CN
Tngと次式のように比較する。ここで端検出制限部
(ステップ130,131)はメカ端301,302の
検出回数を制限している。
【0077】 INIT_NG_COUNTER ≧CNTng ‥‥‥(3) ステップ131で式(3)が成立しなかった場合、ステ
ップ122にもどり、再びフォーカシング・レンズ20
6の初期化のための駆動をやり直す。またステップ13
1で式(3)が成立した場合、ステップ132で光学装
置のシステムが不良であると判断し(ステップ13
2)、光学装置のシステムが不良であると判断された場
合、ユーザーに光学装置のシステムの異常状態を知らせ
るために、ステップ134で表示用LED(表示部)2
09などの点灯や点滅による不具合表示をして、初期化
を終了する。
【0078】また光学装置のシステムが不良であると判
断された場合にサーボ駆動を行うと、フォーカシング・
レンズ206が暴走する恐れがあるため、フォーカシン
グ・レンズ206によるピント調整は、マニュアル動作
のみを可能とするシステムに構成するようにしている。
【0079】以上フォーカシング・レンズの原点をIN
Fに設定した例で説明したが、MOD側に原点を設定す
ることも可能であるし、またズーミング・レンズやIR
ISなどにおいても同様に初期化アルゴリズムを適応す
ることは容易である。また温度センサ210を用いてオ
フセット値Coff306を変えているが、ピント移動
に影響なければ一定値でもかまわない。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、レンズ群
を駆動制御する駆動機構を適切に設定することにより撮
影レンズを構成するレンズ群のうち所定のレンズ群を第
1の所定範囲の端部である動作端(メカ端)まで駆動さ
せた後に該メカ端よりも内側のサーボ制御する第2の所
定範囲の端部であるサーボ端(サーボ原点)までに駆動
させて該レンズ群を精度良く、安定して駆動制御するこ
とができるようにしたレンズ鏡筒及びそれを用いた光学
装置を達成することができる。
【0081】また本発明によれば、撮影レンズを構成す
るレンズ群のうち所定のレンズ群を動作端(端部)に駆
動させる際に駆動力伝達経路中に適切に設定した負荷制
限手段を設けることにより該レンズ群を機構上の動作端
まで駆動させた時に発生する衝撃を該負荷制限手段で緩
和してモータや動力伝達部の損傷を防止しつつ、精度良
く、かつ安定して駆動させることができるレンズ鏡筒及
びそれを用いた光学装置を達成することができる。
【0082】また本発明によれば、撮影レンズを構成す
る所定のレンズ群を移動させる際に駆動力伝達経路中に
負荷制限手段を含んだ手動と電動の切り換え用の差動機
構を設け、レンズ群を機構上の動作端まで駆動させた時
に発生する衝撃を該差動機構により除去することによ
り、負荷制限手段を別途設けることなく、従来の動作端
検出用のスイッチを用いずにレンズ群を原点位置に精度
良く駆動制御することのできるレンズ鏡筒及びそれを用
いた光学装置を達成することができる。
【0083】この他本発明によれば、レンズ群を電動駆
動する場合、レンズ群の相対的な移動量を検出するレン
ズ移動量を検出する移動情報検出装置のみでレンズ群の
絶対位置を認識し、制御することができる。
【0084】また、レンズを移動させるための手動/電
動の切り換え手段に差動機構を設けているので、レンズ
群を機構上の動作端まで駆動した時に発生する衝撃は差
動機構により除去される。そのため、負荷制限手段を別
途設けることなく、従来の動作端検出用のスイッチが排
除できる等の効果を有したレンズ鏡筒及びそれを用いた
光学装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部断面図
【図2】本発明の実施形態2の要部断面図
【図3】図2の一部分の拡大説明図
【図4】従来のレンズ鏡筒の要部断面図
【図5】本発明に係るレンズ群を駆動制御するための要
部ブロック図
【図6】本発明に係る端検出手段のカウンタ値の関係を
示す説明図
【図7】本発明に係る初期化アルゴリズムのフローチャ
ート
【図8】本発明に係る初期化アルゴリズムのフローチャ
ート
【図9】本発明に係る初期化アルゴリズムのフローチャ
ート
【符号の説明】
1 レンズ群 2 レンズ保持枠 3 固定鏡筒 4 マニュアル環 5 超音波モータ 5a ステータ 5b ロータ 6 ステータ回転防止部材 7 フェルト固定環 8 フェルト 9 皿バネ 10 モータベース 11 皿バネ押圧部材 12 ステータ回転防止部材固定環 13 ロータ出力環 14 防振ゴム 15 コロ部材 16 ボールレース外輪 17 ボールレース内輪 18 ピン 19 ボールレース出力環 20 球体 21 レンズ駆動環 22 連結ピン 23 ストッパ部材 24 エンコーダ 25 エンコーダスリット 26 ボールレース外輪 27 ボールレース内輪 28 ボールレース押え環 29 鋼板 30 マニュアル環 31 ヨーク 32 マグネット 33 樹脂リング 34 移動レンズ群 35 レンズ保持筒 36 固定鏡筒 37 レンズ駆動環 38 第1ギア 39 第2ギア 40 モータ 41 連結ピン 42 エンコーダ 43 エンコーダスリット 44 抵抗体 45 ブラシ 201 エンコーダ 202 カウンタ 203 マイコン(CPU) 204 駆動部 205 モータ 206 フォーカシング・レンズ 207 タイマ 208 EEPROM 209 LED

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体内に保持した光学手段を駆動手段か
    らの駆動力で光軸方向の所定範囲内を移動させる際、該
    光学手段が該所定範囲の一方の端aに位置したことを検
    出する端部検出手段、該光学手段の移動情報を検出する
    移動情報検出手段、そして該端部検出手段と該移動情報
    検出手段からの信号を用いて該光学手段を該一方の端a
    より該移動範囲中の内側の端bに駆動制御する制御手段
    とを有していることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は前記端部検出手段から前
    記光学手段が一方の端aに位置したときの信号を得た後
    に予め記憶手段に設定した移動情報に基づいて該光学手
    段を前記端bに駆動していることを特徴とする請求項1
    のレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段に設定した移動情報は環境
    変化に基づいて可変としていることを特徴とする請求項
    2のレンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】 筐体内に保持した光学手段を駆動手段か
    らの駆動力で光軸方向の第1の所定範囲内を移動させる
    際、該光学手段が該第1の所定範囲の一方の端a又は他
    方の端cに位置したことを検出する端部検出手段、該光
    学手段の移動情報を検出する移動情報検出手段、そして
    該端部検出手段と該移動情報検出手段からの信号を用い
    て該光学手段を該一方の端aより内側の端bから該他方
    の端cより内側の端dまでの第2の所定範囲内で駆動制
    御する制御手段とを有していることを特徴とするレンズ
    鏡筒。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は前記端部検出手段から得
    られる前記第1の所定範囲の一方の端aと他方の端cの
    位置情報より該第1の所定範囲の距離情報を算出する距
    離算出部を有していることを特徴とする請求項4のレン
    ズ鏡筒。
  6. 【請求項6】 前記距離検出部から得られた距離情報と
    予め設定した基準距離とを比較する距離比較部を有し、
    前記端部検出手段は該距離比較部からの信号に基づいて
    前記第1の所定範囲の端aと端cとを再度検出している
    ことを特徴とする請求項5のレンズ鏡筒。
  7. 【請求項7】 前記端部検出手段による前記第1の所定
    範囲の端aと端cとを検出する回数を制限する端検出制
    限部を有していることを特徴とする請求項6のレンズ鏡
    筒。
  8. 【請求項8】 前記端検出制限部からの前記端部検出手
    段による検出を行なわない旨の信号が出力されたとき、
    該信号を表示する表示部を有していることを特徴とする
    請求項7のレンズ鏡筒。
  9. 【請求項9】 前記端検出制限部からの信号に応じて前
    記光学手段を手動でのみ駆動可能となるようにしている
    ことを特徴とする請求項7のレンズ鏡筒。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は前記端部検出手段から
    前記光学手段が一方の端aに位置したときの信号を得た
    後に予め記憶手段に設定した移動情報に基づいて該光学
    手段を前記端bに駆動していることを特徴とする請求項
    4のレンズ鏡筒。
  11. 【請求項11】 前記記憶手段に設定した移動情報は環
    境変化に基づいて可変としていることを特徴とする請求
    項4又は10のレンズ鏡筒。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は前記光学手段の前記端
    部検出手段による前記第1の所定範囲の端aと端cとの
    検出後は該光学手段を前記第2の所定範囲内においての
    み駆動制御していることを特徴とする請求項4のレンズ
    鏡筒。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れか1項記載のレ
    ンズ鏡筒を用いて所定面上に物体像を形成するようにし
    ていることを特徴とする光学装置。
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