JP3341308B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents
レンズ鏡筒Info
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- JP3341308B2 JP3341308B2 JP22074092A JP22074092A JP3341308B2 JP 3341308 B2 JP3341308 B2 JP 3341308B2 JP 22074092 A JP22074092 A JP 22074092A JP 22074092 A JP22074092 A JP 22074092A JP 3341308 B2 JP3341308 B2 JP 3341308B2
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- JP
- Japan
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- lens barrel
- ring
- rotor
- driven ring
- stator
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
- Lens Barrels (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波モータを内蔵す
るレンズ鏡筒に関するものである。
るレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のレンズ鏡筒は、超音波モ
ータ、特に円環型超音波モータを内蔵し、合焦若しくは
変倍光学系又は絞り部材の駆動等に使用していた。この
ように、レンズ鏡筒の各部のアクチュエータとして、円
環型超音波モータを用いる利点は、以下の通りである。
まず、形状的には、円環状でレンズ鏡筒に組み込みやす
い点、次いで、モータの性能的には、高トルク低回転で
あって合焦光学系等を作動させる被駆動環等をダイレク
トドライブでき、ギア列などの減速系が不要な点、停止
性能が良い点、駆動音が静かな点などである。
ータ、特に円環型超音波モータを内蔵し、合焦若しくは
変倍光学系又は絞り部材の駆動等に使用していた。この
ように、レンズ鏡筒の各部のアクチュエータとして、円
環型超音波モータを用いる利点は、以下の通りである。
まず、形状的には、円環状でレンズ鏡筒に組み込みやす
い点、次いで、モータの性能的には、高トルク低回転で
あって合焦光学系等を作動させる被駆動環等をダイレク
トドライブでき、ギア列などの減速系が不要な点、停止
性能が良い点、駆動音が静かな点などである。
【0003】つまり、ギア列等の減速系がないので、ギ
ア列のバックラッシュによるモータから被駆動環までの
ガタがほとんどなく、超音波モータ自体の停止精度もよ
いことから、駆動部の位置制御を非常に精度よく行うこ
とが可能である。また、ギアの噛み合い部から発生する
音がなく、超音波モータ自身の駆動音もほとんどないこ
とから、レンズの操作感が非常によく、静寂を要求され
る場所における自動合焦操作、パワーズーム操作などが
しやすくなる。
ア列のバックラッシュによるモータから被駆動環までの
ガタがほとんどなく、超音波モータ自体の停止精度もよ
いことから、駆動部の位置制御を非常に精度よく行うこ
とが可能である。また、ギアの噛み合い部から発生する
音がなく、超音波モータ自身の駆動音もほとんどないこ
とから、レンズの操作感が非常によく、静寂を要求され
る場所における自動合焦操作、パワーズーム操作などが
しやすくなる。
【0004】従来のレンズ鏡筒では、超音波モータを
用いて合焦光学系等を駆動する場合に、被駆動環を回転
させる駆動源を超音波モータにするか、手動操作環にす
るかを切り換える切り換え部材が設けられ、自動合焦操
作と手動合焦操作の切り換えを容易に行える構造が用い
られている(特開平2−137811号)。
用いて合焦光学系等を駆動する場合に、被駆動環を回転
させる駆動源を超音波モータにするか、手動操作環にす
るかを切り換える切り換え部材が設けられ、自動合焦操
作と手動合焦操作の切り換えを容易に行える構造が用い
られている(特開平2−137811号)。
【0005】 また、超音波モータは、ステータとロ
ータとを所定の加圧力により加圧することにより、ステ
ータに生ずる進行性振動波によってロータを駆動するた
めに、ロータに加圧力を作用させると、非常に大きな摩
擦損失が生ずるので、ボールベアリング等で加圧力を受
けるのが普通である。例えば、ロータと一体に回転する
部材とレンズの固定鏡筒の間に、超音波モータの加圧力
を受けるスラストベアリングを設けてある(実公平3−
31929)。
ータとを所定の加圧力により加圧することにより、ステ
ータに生ずる進行性振動波によってロータを駆動するた
めに、ロータに加圧力を作用させると、非常に大きな摩
擦損失が生ずるので、ボールベアリング等で加圧力を受
けるのが普通である。例えば、ロータと一体に回転する
部材とレンズの固定鏡筒の間に、超音波モータの加圧力
を受けるスラストベアリングを設けてある(実公平3−
31929)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
のレンズ鏡筒には、以下のような問題点があった。前者
の従来例では、切り換え部材を設けたので、その切り
換え部のガタがモータから被駆動環(カム環又はヘリコ
イド環)までのガタとなり、被駆動環の回転駆動制御の
停止精度に悪影響をおよぼし、超音波モータによるダイ
レクトドライブにした利点をなくすことになる。切り換
え部材のガタを零にすることは不可能であり、加工精度
だけで管理するのも非常に困難である。また、このガタ
は、駆動方式がダイレクトドライブであるために被駆動
環自体のガタに相当し、絶対値としては小さくても制御
上は無視できないという問題がある。
のレンズ鏡筒には、以下のような問題点があった。前者
の従来例では、切り換え部材を設けたので、その切り
換え部のガタがモータから被駆動環(カム環又はヘリコ
イド環)までのガタとなり、被駆動環の回転駆動制御の
停止精度に悪影響をおよぼし、超音波モータによるダイ
レクトドライブにした利点をなくすことになる。切り換
え部材のガタを零にすることは不可能であり、加工精度
だけで管理するのも非常に困難である。また、このガタ
は、駆動方式がダイレクトドライブであるために被駆動
環自体のガタに相当し、絶対値としては小さくても制御
上は無視できないという問題がある。
【0007】一方、後者の従来例のように、超音波モ
ータの加圧力を受けるスラストベアリングを設けると、
レンズ鏡筒に組み込みやすい円環型の超音波モータを用
いたにもかかわらず、スラストベアリングによりレンズ
鏡筒の外形が大きくなり、製品としての魅力が小さくな
る。また、ベアリング部の耐久性を保証するために、ベ
アリング部を単に大きくして剛性を高める以外には、特
殊な材料又は表面処理、高精度の加工などが必要となる
が、これらはコストアップになるとともにベアリング部
の組立が煩雑であるという問題がある。さらに、ベアリ
ング部は、荷重の加わる摺動部であるから駆動音も小さ
くなく、超音波モータの特性を損なうものでもある。
ータの加圧力を受けるスラストベアリングを設けると、
レンズ鏡筒に組み込みやすい円環型の超音波モータを用
いたにもかかわらず、スラストベアリングによりレンズ
鏡筒の外形が大きくなり、製品としての魅力が小さくな
る。また、ベアリング部の耐久性を保証するために、ベ
アリング部を単に大きくして剛性を高める以外には、特
殊な材料又は表面処理、高精度の加工などが必要となる
が、これらはコストアップになるとともにベアリング部
の組立が煩雑であるという問題がある。さらに、ベアリ
ング部は、荷重の加わる摺動部であるから駆動音も小さ
くなく、超音波モータの特性を損なうものでもある。
【0008】本発明の第1の目的は、超音波モータのロ
ータとカム環又はヘリコイド環等の被駆動環とをガタな
く連結し、被駆動環の駆動制御を高精度に行うことがで
きるレンズ鏡筒を提供することである。本発明の第2の
目的は、超音波モータの加圧力を受けるスラストベアリ
ングをなくすことにより、小型化及びコストダウンを図
ることができるレンズ鏡筒を提供することである。
ータとカム環又はヘリコイド環等の被駆動環とをガタな
く連結し、被駆動環の駆動制御を高精度に行うことがで
きるレンズ鏡筒を提供することである。本発明の第2の
目的は、超音波モータの加圧力を受けるスラストベアリ
ングをなくすことにより、小型化及びコストダウンを図
ることができるレンズ鏡筒を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明によるレンズ鏡筒は、固定鏡筒(1)に対し
て移動可能に支持されるとともに、合焦若しくは変倍光
学系又は絞り部材を光軸方向に移動可能に保持しかつ前
記合焦若しくは変倍光学系又は絞り部材を移動させる被
駆動環(2)と、圧電体の励振により進行性振動波を発
生するステータ及びそのステータに加圧接触され前記進
行性振動波によって前記被駆動環に駆動力を与えるロー
タとからなり前記被駆動環を移動させる超音波モータ
(USM)とを有するレンズ鏡筒において、前記被駆動
環(2)に前記ロータ(2b)を一体的に設け、前記被
駆動環と前記固定鏡筒との間に配置され、前記被駆動環
の厚み内であって加圧方向に略直交する面で加圧力を受
け、前記加圧接触によって発生する摩擦力を低減する機
構を設けた構成としてある。
に、本発明によるレンズ鏡筒は、固定鏡筒(1)に対し
て移動可能に支持されるとともに、合焦若しくは変倍光
学系又は絞り部材を光軸方向に移動可能に保持しかつ前
記合焦若しくは変倍光学系又は絞り部材を移動させる被
駆動環(2)と、圧電体の励振により進行性振動波を発
生するステータ及びそのステータに加圧接触され前記進
行性振動波によって前記被駆動環に駆動力を与えるロー
タとからなり前記被駆動環を移動させる超音波モータ
(USM)とを有するレンズ鏡筒において、前記被駆動
環(2)に前記ロータ(2b)を一体的に設け、前記被
駆動環と前記固定鏡筒との間に配置され、前記被駆動環
の厚み内であって加圧方向に略直交する面で加圧力を受
け、前記加圧接触によって発生する摩擦力を低減する機
構を設けた構成としてある。
【0010】この場合に、前記摩擦力を低減する機構
は、前記固定鏡筒に植設され前記被駆動環であるカム環
の円周溝に嵌合するスラスト止めピンを有することを特
徴とすることができる。また、前記スラスト止めピン
は、前記固定鏡筒にラジアル方向へ植設される軸(1
4)と、その軸に設けられたラジアルベアリング(14
a)とからなることを特徴とすることができる。
は、前記固定鏡筒に植設され前記被駆動環であるカム環
の円周溝に嵌合するスラスト止めピンを有することを特
徴とすることができる。また、前記スラスト止めピン
は、前記固定鏡筒にラジアル方向へ植設される軸(1
4)と、その軸に設けられたラジアルベアリング(14
a)とからなることを特徴とすることができる。
【0011】一方、前記被駆動環と前記ロータは、同一
部材(2,2b)で構成されることを特徴とすることが
できる。また、前記被駆動環と前記ロータは、別部材
(2,20)で構成され一体的に接着されていることを
特徴とすることができる。
部材(2,2b)で構成されることを特徴とすることが
できる。また、前記被駆動環と前記ロータは、別部材
(2,20)で構成され一体的に接着されていることを
特徴とすることができる。
【0012】
【作用】本発明においては、超音波モータのロータと合
焦光学系等を駆動する被駆動環とが一体的に構成されて
いるので、ロータから被駆動環までのガタが零である。
したがって、合焦光学系等の位置制御を簡単な方法によ
り、高精度に行うことができ、自動合焦の合焦精度等を
飛躍的に向上させることが可能である。
焦光学系等を駆動する被駆動環とが一体的に構成されて
いるので、ロータから被駆動環までのガタが零である。
したがって、合焦光学系等の位置制御を簡単な方法によ
り、高精度に行うことができ、自動合焦の合焦精度等を
飛躍的に向上させることが可能である。
【0013】また、超音波モータのロータとステータの
加圧力の受けを、被駆動環であるカム環のスラスト方向
止めの円周溝ピンで共用しているので、別個に加圧受け
のベアリング等を設ける場合と比較して、小型化及び部
品点数の減少によるコストダウンが可能となる。
加圧力の受けを、被駆動環であるカム環のスラスト方向
止めの円周溝ピンで共用しているので、別個に加圧受け
のベアリング等を設ける場合と比較して、小型化及び部
品点数の減少によるコストダウンが可能となる。
【0014】
(第1の実施例)以下、図面などを参照しながら、実施
例をあげて、さらに詳しく説明する。図1は、本発明の
第1の実施例である超音波モータを内蔵したレンズ鏡筒
を示す図である。固定筒1は、その内周側には、合焦光
学系L2を保持するレンズ室15が嵌合しており、その
外周側には、リード溝を有するカム環2が嵌合してい
る。合焦光学系L2及びレンズ室15は、ピン12によ
り光軸まわりの回転は規制され、光軸方向の直進のみ許
容されている。一方、カム環2は、光軸回りに複数設け
られたボールベアリング14aとピン14とにより光軸
方向の直進が規制され、光軸まわりの回転のみ許容され
ている。ピン13は、レンズ室15に、ラジアル方向へ
突出するように設けられ、その先端は、カム環2のリー
ド溝部2aに嵌合しており、カム環2が回転することに
より、合焦光学系L2は光軸方向に移動され合焦操作が
行われる。
例をあげて、さらに詳しく説明する。図1は、本発明の
第1の実施例である超音波モータを内蔵したレンズ鏡筒
を示す図である。固定筒1は、その内周側には、合焦光
学系L2を保持するレンズ室15が嵌合しており、その
外周側には、リード溝を有するカム環2が嵌合してい
る。合焦光学系L2及びレンズ室15は、ピン12によ
り光軸まわりの回転は規制され、光軸方向の直進のみ許
容されている。一方、カム環2は、光軸回りに複数設け
られたボールベアリング14aとピン14とにより光軸
方向の直進が規制され、光軸まわりの回転のみ許容され
ている。ピン13は、レンズ室15に、ラジアル方向へ
突出するように設けられ、その先端は、カム環2のリー
ド溝部2aに嵌合しており、カム環2が回転することに
より、合焦光学系L2は光軸方向に移動され合焦操作が
行われる。
【0015】超音波モータUSMのロータ2bは、カム
環2の後方にラジアル方向へ突出して、カム環2と一体
的に設けられている。ロータ2bの後方には、円環状の
弾性体に圧電素子が接着されたステータ3が配置されて
いる。このステータ3は、板バネ10によって光軸方向
にロータ2bへ加圧されている。ロータ2bは、ステー
タ3との接触面に耐摩耗性に優れた摺動材が接着されて
いる。ロータ2bとステータ3との加圧力は、加圧力調
整環6を回転させ、板バネ10のたわみ量を調整するこ
とによって最適な値に設定される。
環2の後方にラジアル方向へ突出して、カム環2と一体
的に設けられている。ロータ2bの後方には、円環状の
弾性体に圧電素子が接着されたステータ3が配置されて
いる。このステータ3は、板バネ10によって光軸方向
にロータ2bへ加圧されている。ロータ2bは、ステー
タ3との接触面に耐摩耗性に優れた摺動材が接着されて
いる。ロータ2bとステータ3との加圧力は、加圧力調
整環6を回転させ、板バネ10のたわみ量を調整するこ
とによって最適な値に設定される。
【0016】この加圧力は、カム環2の光軸方向への移
動を規制するベアリング14aとその軸となるピン14
で受けられる。ベアリング14aによって加圧力を受け
ているので、カム環2の回転にともなう摩擦損失は、非
常に小さい。しかも、超音波モータUSMの加圧力を受
けるための専用のベアリングを設けることなく、従来の
レンズ鏡筒の構成部品である円周溝ピンを用いるので、
構成部品の減少とレンズ鏡筒の小型化が可能である。ま
た、この実施例では、ロータをベアリングを介して支持
した場合(従来例)と比較して、ロータ2bとステータ
3は、同一部材に嵌合しているために、ロータ2bとス
テータ3の中心軸の芯出しが容易にしかも精度よくでき
るので、超音波モータUSMの性能を向上させることが
できる。
動を規制するベアリング14aとその軸となるピン14
で受けられる。ベアリング14aによって加圧力を受け
ているので、カム環2の回転にともなう摩擦損失は、非
常に小さい。しかも、超音波モータUSMの加圧力を受
けるための専用のベアリングを設けることなく、従来の
レンズ鏡筒の構成部品である円周溝ピンを用いるので、
構成部品の減少とレンズ鏡筒の小型化が可能である。ま
た、この実施例では、ロータをベアリングを介して支持
した場合(従来例)と比較して、ロータ2bとステータ
3は、同一部材に嵌合しているために、ロータ2bとス
テータ3の中心軸の芯出しが容易にしかも精度よくでき
るので、超音波モータUSMの性能を向上させることが
できる。
【0017】一方、ステータ3は、手動距離操作環5の
内周側に回転可能に嵌合している円環部材8と突出部3
aによって係合しており、円環部材8と一体に光軸回り
に回転可能になっている。この円環部材8は、板バネ9
により手動距離操作環5に光軸方向へ押さえ付けられて
いる。摩擦トルク調整環7は、手動距離操作環5の内周
面に設けられたネジに螺合しており、摩擦トルク調整環
7を回転することにより、板バネ9のたわみ量を調整す
る。そして、手動距離操作環5と円環部材8のすべり摩
擦トルクは、超音波モータUSMの非駆動時のロータ2
bとステータ3の保持トルクより小さく、かつ、駆動部
の負荷トルクより大きく設定する。
内周側に回転可能に嵌合している円環部材8と突出部3
aによって係合しており、円環部材8と一体に光軸回り
に回転可能になっている。この円環部材8は、板バネ9
により手動距離操作環5に光軸方向へ押さえ付けられて
いる。摩擦トルク調整環7は、手動距離操作環5の内周
面に設けられたネジに螺合しており、摩擦トルク調整環
7を回転することにより、板バネ9のたわみ量を調整す
る。そして、手動距離操作環5と円環部材8のすべり摩
擦トルクは、超音波モータUSMの非駆動時のロータ2
bとステータ3の保持トルクより小さく、かつ、駆動部
の負荷トルクより大きく設定する。
【0018】次に、本発明による第1の実施例の作動に
ついて、説明する。自動合焦操作時には、不図示の超音
波モータ駆動回路により、ステータ3の圧電素子に所定
の電圧を加えることにより、ステータ3に進行性振動波
を発生させて、ロータ2b、すなわちカム環2が光軸回
りに回転される。前述したように、ステータ3と一体的
に係合している円環部材8は、駆動部の負荷トルクより
大きな摩擦トルクで保持されているので、超音波モータ
USMを駆動したときに、固定筒1に対してロータ2b
のみ回転し、ステータ3は、回転しないで保持される。
そして、不図示のカメラボディの焦点検出装置からの信
号に基づいて、超音波モータUSMを駆動制御し、合焦
光学系を光軸の所定の位置に停止させることにより、自
動合焦操作が行われる。このとき、超音波モータUSM
とカム環2の間には、ガタが一切ないので、カム環2の
位置制御が簡単にかつ非常に高精度に行うことが可能に
なる。
ついて、説明する。自動合焦操作時には、不図示の超音
波モータ駆動回路により、ステータ3の圧電素子に所定
の電圧を加えることにより、ステータ3に進行性振動波
を発生させて、ロータ2b、すなわちカム環2が光軸回
りに回転される。前述したように、ステータ3と一体的
に係合している円環部材8は、駆動部の負荷トルクより
大きな摩擦トルクで保持されているので、超音波モータ
USMを駆動したときに、固定筒1に対してロータ2b
のみ回転し、ステータ3は、回転しないで保持される。
そして、不図示のカメラボディの焦点検出装置からの信
号に基づいて、超音波モータUSMを駆動制御し、合焦
光学系を光軸の所定の位置に停止させることにより、自
動合焦操作が行われる。このとき、超音波モータUSM
とカム環2の間には、ガタが一切ないので、カム環2の
位置制御が簡単にかつ非常に高精度に行うことが可能に
なる。
【0019】一方、手動合焦操作時には、手動距離操作
環5を光軸回りに回転させることにより、その内周側に
嵌合している円環部材8,ステータ3及びステータ3に
加圧接触しているカム環2が一体となって回転し、合焦
光学系L2を光軸方向に移動させて、手動合焦が行われ
る。このとき、前述したように、手動距離操作環5と円
環部材8の摩擦トルク及び超音波モータUSMの非駆動
時におけるロータ2bとステータ3の保持トルクは、カ
ム環2に加わる負荷トルクより大きいので、カム環2の
み固定筒1に対して回転し、その他のロータ2bとステ
ータ3の間、手動距離操作環5と円環部材8の間での相
対的なすべりは発生しない。また、カム環2が回転制限
ピン11に当接し、回転が規制されたときには、前述し
たように、ロータ2bとステータ3の保持トルクより、
手動距離操作環5と円環部材8のすべり摩擦トルクを小
さく設定してあるので、カム環2の回転が規制されたと
きにさらに手動距離操作環5を回しても、手動距離操作
環5と円環部材8が空回りし、ロータ2bとステータ3
の接触面で強制的に回転させることはなく、ロータ2b
及びステータ3の摺動面を破損させ、超音波モータUS
Mの性能を劣化させることはない。
環5を光軸回りに回転させることにより、その内周側に
嵌合している円環部材8,ステータ3及びステータ3に
加圧接触しているカム環2が一体となって回転し、合焦
光学系L2を光軸方向に移動させて、手動合焦が行われ
る。このとき、前述したように、手動距離操作環5と円
環部材8の摩擦トルク及び超音波モータUSMの非駆動
時におけるロータ2bとステータ3の保持トルクは、カ
ム環2に加わる負荷トルクより大きいので、カム環2の
み固定筒1に対して回転し、その他のロータ2bとステ
ータ3の間、手動距離操作環5と円環部材8の間での相
対的なすべりは発生しない。また、カム環2が回転制限
ピン11に当接し、回転が規制されたときには、前述し
たように、ロータ2bとステータ3の保持トルクより、
手動距離操作環5と円環部材8のすべり摩擦トルクを小
さく設定してあるので、カム環2の回転が規制されたと
きにさらに手動距離操作環5を回しても、手動距離操作
環5と円環部材8が空回りし、ロータ2bとステータ3
の接触面で強制的に回転させることはなく、ロータ2b
及びステータ3の摺動面を破損させ、超音波モータUS
Mの性能を劣化させることはない。
【0020】このレンズ鏡筒では、固定筒1からレンズ
保持筒15の間には、カムピン13と固定筒1とのガ
タ、円周軸14とベアリング14aのガタ、ベアリング
14aとカム環2の孔とガタなどがある。しかし、この
実施例では、ベアリング14aを受けとして、板バネ1
0によって1方向に加圧しているので、相対的に一方に
ガタが寄っている。従って、固定筒1とカム環2のガタ
が必ずとれる。AFの精度あげる場合に、像面移動係数
の大きなレンズのときには、上述のガタが像面上でズレ
に大きく影響するので、このようなガタ取りは極めて有
用である。
保持筒15の間には、カムピン13と固定筒1とのガ
タ、円周軸14とベアリング14aのガタ、ベアリング
14aとカム環2の孔とガタなどがある。しかし、この
実施例では、ベアリング14aを受けとして、板バネ1
0によって1方向に加圧しているので、相対的に一方に
ガタが寄っている。従って、固定筒1とカム環2のガタ
が必ずとれる。AFの精度あげる場合に、像面移動係数
の大きなレンズのときには、上述のガタが像面上でズレ
に大きく影響するので、このようなガタ取りは極めて有
用である。
【0021】(第2の実施例)図2は、本発明の第2の
実施例である超音波モータを内蔵したレンズ鏡筒を示す
図である。なお、第2の実施例は、前述した第1の実施
例と構成及び作動が略同様であるので、同一の機能を果
たす部分には同一の符号を付して、重複する説明は省略
する。第1の実施例では、カム環2とロータ2bは、同
一部材で構成したが、第2の実施例では、カム環2とロ
ータ20は別部材にし、これらを接着等によって一体的
に構成している。超音波モータUSMの構成部品は、高
い加工精度が要求され、特に、ロータ20とステータ3
の摺動面は、高い面精度を得るために、数多くの工程が
必要である。第1の実施例のようにロータ2bとカム環
3が同一部材で構成されると、大型の部品をさまざまな
工程を通過させなければならず、非効率的であるととも
に不良部品が発生する可能性がある。第2の実施例のよ
うに、カム環2とロータ20を別部品にすることによ
り、前記欠点がなくなるとともに、カム環2の組み込み
調整作業時に、ロータ部分を損失する心配なく行うこと
ができる。
実施例である超音波モータを内蔵したレンズ鏡筒を示す
図である。なお、第2の実施例は、前述した第1の実施
例と構成及び作動が略同様であるので、同一の機能を果
たす部分には同一の符号を付して、重複する説明は省略
する。第1の実施例では、カム環2とロータ2bは、同
一部材で構成したが、第2の実施例では、カム環2とロ
ータ20は別部材にし、これらを接着等によって一体的
に構成している。超音波モータUSMの構成部品は、高
い加工精度が要求され、特に、ロータ20とステータ3
の摺動面は、高い面精度を得るために、数多くの工程が
必要である。第1の実施例のようにロータ2bとカム環
3が同一部材で構成されると、大型の部品をさまざまな
工程を通過させなければならず、非効率的であるととも
に不良部品が発生する可能性がある。第2の実施例のよ
うに、カム環2とロータ20を別部品にすることによ
り、前記欠点がなくなるとともに、カム環2の組み込み
調整作業時に、ロータ部分を損失する心配なく行うこと
ができる。
【0022】以上説明した実施例に限定されず、種々の
変形ができる。例えば、合焦光学系の被駆動環として、
カム環を例にしたが、ヘリコイド環であってもよい。ま
た、合焦光学系の駆動を例に説明したが、変倍光学系や
絞り部材を作動する被駆動環についてもそのまま適用で
きる。
変形ができる。例えば、合焦光学系の被駆動環として、
カム環を例にしたが、ヘリコイド環であってもよい。ま
た、合焦光学系の駆動を例に説明したが、変倍光学系や
絞り部材を作動する被駆動環についてもそのまま適用で
きる。
【0023】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、超音波モータを内蔵したレンズ鏡筒において、ロ
ータと被駆動環が一体的に構成されているので、超音波
モータからカム環までのガタがなくなり、合焦光学系の
位置制御を簡単な方法で非常に高精度に行うことがで
き、自動合焦の合焦精度を飛躍的に向上させることが可
能である。また、ロータとステータの加圧力の受けを、
被駆動環であるカム環のスラスト方向止めの円周溝ピン
で共用しているので、別個に加圧受けのベアリング等を
設ける場合に比較してレンズ鏡筒の小型化及び部品点数
の減少によるコストダウンが可能となる。
れば、超音波モータを内蔵したレンズ鏡筒において、ロ
ータと被駆動環が一体的に構成されているので、超音波
モータからカム環までのガタがなくなり、合焦光学系の
位置制御を簡単な方法で非常に高精度に行うことがで
き、自動合焦の合焦精度を飛躍的に向上させることが可
能である。また、ロータとステータの加圧力の受けを、
被駆動環であるカム環のスラスト方向止めの円周溝ピン
で共用しているので、別個に加圧受けのベアリング等を
設ける場合に比較してレンズ鏡筒の小型化及び部品点数
の減少によるコストダウンが可能となる。
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す断面図である。
1 固定筒 2 カム環 3 ステータ 4 ステータ保持部材 5 手動距離操作環 6 加圧力調整環 7 摩擦トルク調整環 8 円環部材 9 板バネ 10 板バネ 11 回転制限ピン 12 直進ピン 13 カムピン 14 円周ピン 15 レンズ保持筒 20 ロータ
Claims (5)
- 【請求項1】 固定鏡筒に対して移動可能に支持される
とともに、合焦若しくは変倍光学系又は絞り部材を光軸
方向に移動可能に保持しかつ前記合焦若しくは変倍光学
系又は絞り部材を移動させる被駆動環と、 圧電体の励振により進行性振動波を発生するステータ及
びそのステータに加圧接触され前記進行性振動波によっ
て前記被駆動環に駆動力を与えるロータとからなり前記
被駆動環を移動させる超音波モータとを有するレンズ鏡
筒において、 前記被駆動環に前記ロータを一体的に設け、前記被駆動
環と前記固定鏡筒との間に配置され、前記被駆動環の厚
み内であって加圧方向に略直交する面で加圧力を受け、
前記加圧接触によって発生する摩擦力を低減する機構を
設けたことを特徴とするレンズ鏡筒。 - 【請求項2】 前記摩擦力を低減する機構は、前記固定
鏡筒に植設され前記被駆動環であるカム環の円周溝に嵌
合するスラスト止めピンを有することを特徴とする請求
項1に記載のレンズ鏡筒。 - 【請求項3】 前記スラスト止めピンは、前記固定鏡筒
にラジアル方向へ植設される軸と、その軸に設けられた
ラジアルベアリングとからなることを特徴とする請求項
1に記載のレンズ鏡筒。 - 【請求項4】 前記被駆動環と前記ロータは、同一部材
で構成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ
鏡筒。 - 【請求項5】 前記被駆動環と前記ロータは、別部材で
構成され一体的に接着されていることを特徴とする請求
項1に記載のレンズ鏡筒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22074092A JP3341308B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | レンズ鏡筒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22074092A JP3341308B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | レンズ鏡筒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0651181A JPH0651181A (ja) | 1994-02-25 |
JP3341308B2 true JP3341308B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=16755789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22074092A Expired - Lifetime JP3341308B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | レンズ鏡筒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3341308B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW344912B (en) * | 1996-06-05 | 1998-11-11 | Toshiba Co Ltd | Multifunctional ultrasonic motor and apparatus using the motor |
KR100501196B1 (ko) * | 2003-07-09 | 2005-07-18 | 삼성전기주식회사 | 렌즈 이송장치 |
JP4710527B2 (ja) * | 2005-10-03 | 2011-06-29 | コニカミノルタオプト株式会社 | 駆動機構及び駆動機構を備えた装置 |
EP4310569A1 (en) * | 2011-11-11 | 2024-01-24 | Nikon Corporation | Focal point adjustment device, image capture device, and lens barrel |
US20190033687A1 (en) * | 2016-02-02 | 2019-01-31 | Sony Corporation | Optical-device drive apparatus, interchangeable lens, and imaging apparatus |
JP6702482B2 (ja) * | 2019-04-11 | 2020-06-03 | セイコーエプソン株式会社 | 圧電駆動装置及びその駆動方法、ロボット及びその駆動方法 |
CN109960002A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-07-02 | 江苏米创医疗科技有限公司 | 一种基于超声波电机的摄像镜头及其应用 |
JP7000645B2 (ja) * | 2020-04-23 | 2022-02-10 | ビクター ハッセルブラッド アクチボラーグ | レンズ装置、及び撮像装置 |
JP7000644B2 (ja) * | 2020-04-23 | 2022-02-10 | ビクター ハッセルブラッド アクチボラーグ | レンズ装置、及び撮像装置 |
JP2021173850A (ja) * | 2020-04-23 | 2021-11-01 | ビクター ハッセルブラッド アクチボラーグVictor Hasselblad Ab | レンズ装置、及び撮像装置 |
-
1992
- 1992-07-28 JP JP22074092A patent/JP3341308B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0651181A (ja) | 1994-02-25 |
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