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JPH10280263A - 清拭材用不織布およびその製造方法 - Google Patents

清拭材用不織布およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10280263A
JPH10280263A JP9087987A JP8798797A JPH10280263A JP H10280263 A JPH10280263 A JP H10280263A JP 9087987 A JP9087987 A JP 9087987A JP 8798797 A JP8798797 A JP 8798797A JP H10280263 A JPH10280263 A JP H10280263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fiber
short fibers
fibers
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9087987A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Noguchi
信夫 野口
Michiyo Kato
美智代 加藤
Mamiko Matsunaga
雅美子 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP9087987A priority Critical patent/JPH10280263A/ja
Publication of JPH10280263A publication Critical patent/JPH10280263A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミクロな汚れの拭き取り性に優れ、かつ作業
性が良好で、吸液性も兼ね備えた清拭材を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 互いに非相溶性の繊維形成性重合体から
なる分割型二成分系複合短繊維の分割により発現した極
細割繊短繊維と、吸水性を有する短繊維とからなる不織
布からなり、不織布には1個の孔面積が0.2〜1.0
mm2 である孔が配設密度25〜100個/cmで配さ
れ、かつ該開孔間の非開孔部では構成繊維同士が三次元
的に交絡している清拭材用不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布からなる清
拭材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より清拭材として、綿や合成繊維か
らなる織物や編物、また簡便な使い捨て用の不織布から
なる清拭材等が多く用いられている。
【0003】これらの清拭材のなかで、特に細かい微塵
や、鏡や眼鏡等のミクロな汚れを拭き取る清拭材とし
て、極細繊維を使用した織物、編物や不織布が用いられ
ている。極細繊維を使用した布帛は、細かい微塵や鏡や
眼鏡等に付着するミクロな汚れの拭き取り性に優れ、ま
た繊維毛羽の発生が少ないこと、対象物に対してソフト
タツチであることから鏡、眼鏡、宝石、ピアノ等の楽器
や精密機械等の傷をつけてはいけない取扱いに注意を要
するものに対して優れた拭き取り性を発揮している。
【0004】しかし、極細繊維を使用した布帛は、柔ら
かくコシがないため、ドレープ性に富んでおり、拭き取
りの際に対象物に密着し、まとわりつくため、時に拭き
取りの作業性が悪いという問題があった。また、表面平
滑であるため対象物との接触面積が大きいので、拭き取
り時の摩擦係数が大きくなり、頑固な汚れに対しては、
かなり力をいれないと汚れが落ちにくいという問題があ
った。
【0005】さらに、極細繊維を使用した布帛は、一般
に疎水性であるため、使用に際して洗浄剤等の保液性
や、拭き取った水分等の吸水性に劣る問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題を解
決し、細かい微塵や鏡や眼鏡等に付着するミクロな汚れ
の拭き取り性に優れ、かつ作業性が良好で、吸液性も兼
ね備えた清拭材を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するもので次の構成よりなるものである。すなわち、
本発明は、互いに非相溶性の繊維形成性重合体からなる
分割型二成分系複合短繊維の分割により発現した極細割
繊短繊維と、吸水性を有する短繊維とからなる不織布か
らなり、不織布には1個の孔面積が0.2〜1.0mm
2 である孔が配設密度25〜100個/cm2 で配さ
れ、かつ該開孔間の非開孔部では構成繊維同士が三次元
的に交絡していることを特徴とする清拭材用不織布を要
旨とするものである。
【0008】また、本発明は、繊維形成性低融点重合体
と前記低融点重合体に対し非相溶性でかつ前記低融点重
合体の融点より30〜180℃高い融点を有する繊維形
成性高融点重合体とからなる分割型二成分系複合短繊維
の分割により発現した前記低融点重合体および/または
前記高融点重合体からなる極細割繊短繊維と、吸水性を
有する短繊維とからなる不織布からなり、不織布には1
個の孔面積が0.2〜1.0mm2 である孔が配設密度
25〜100個/cm2 で配され、かつ該開孔間の非開
孔部では構成繊維同士が三次元的に交絡し、繊維同士の
交点が繊維形成性低融点重合体によりに熱接着されてい
ることを特徴とする清拭材用不織布を要旨とするもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に使用する分割型二成分系複合短繊維につ
いて説明する。該分割型二成分系複合短繊維は、互いに
非相溶性の繊維形成性重合体とからなるものである。互
いに非相溶性とするのは、複合短繊維に衝撃を与えたと
きに分割しやすいようにするためである。
【0010】分割型二成分系複合短繊維は、繊維形成性
低融点重合体と前記低融点重合体に対し非相溶性でかつ
前記低融点重合体の融点より30〜180℃高い融点を
有する繊維形成性高融点重合体とからなることが望まし
い。両者の融点差が30℃未満であると、後の工程にお
いて、熱処理する場合に、低融点重合体のみでなく高融
点重合体も軟化溶融することとなり、柔軟性を有する不
織布が得られにくく、例えば、清拭材を人体に接して用
いる用途や傷つきやすい物品等を清拭する場合において
は、ソフト感の乏しいものとなり、さらには対象物を傷
つける恐れがあるため好ましくない。一方、融点差が1
80℃を超えると、両重合体を溶融複合紡糸する際に低
融点重合体が熱劣化を起こしやすく、現実的に複合短繊
維を製造しにくくなるため好ましくない。
【0011】分割型二成分系複合短繊維の具体例として
は、図1〜図4に示した如き横断面を持つものが好まし
い。これらは、分割型二成分系複合短繊維を構成する繊
維形成性重合体の両成分が共に繊維の表面に露出してお
り、かつ繊維の断面内において、一方の成分が他方の成
分により分割割繊可能な形に仕切られているものであ
る。
【0012】分割型二成分系複合短繊維の単糸繊度は、
1〜12デニールであることが好ましい。単糸繊度が1
デニール未満になると、溶融紡糸する際の紡糸口金の単
孔当たりの吐出量が低下し、生産量が低下する傾向にあ
り、また、生産量を向上させるために、紡糸口金の孔数
を増加させると、紡糸工程が不安定になる。一方、単糸
繊度が12デニールを超えると、溶融紡糸された糸条の
冷却不足により引き取りが困難になる傾向にあり、ま
た、糸条の冷却を促進させるため、紡糸口金の孔数を減
らすと、生産量が低下する。
【0013】分割型二成分系複合短繊維は、後の分割割
繊処理により、両成分の境界で分割され、一方の重合体
からなる極細割繊短繊維及び他方の極細割繊短繊維が少
なくとも一部発現する。本発明において、少なくとも一
部発現する極細割繊短繊維の単糸繊度は、0.8デニー
ル以下が好ましく、より好ましくは0.05〜0.8デ
ニール、さらに好ましくは0.1〜0.5デニールであ
る。単糸繊度が0.05デニール未満であると、現実的
に紡糸が困難となり分割型二成分系複合短繊維が安価で
合理的に得にくい。また、十分に分割割繊を行うことが
困難となる傾向にある。一方、0.8デニールを超える
と、ミクロな汚れの拭き取り性に劣る傾向となり、ま
た、本発明の清拭材用不織布を人体に接して用いる場合
においては、肌触りが悪く粗硬感を感じる傾向にある。
【0014】本発明において、分割型二成分系複合短繊
維を構成する繊維形成性重合体としては、ポリオレフィ
ン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合
体等が挙げられる。
【0015】また、本発明において、分割型二成分系複
合短繊維を構成する重合体として、低融点重合体と高融
点重合体との組み合わせとしては、ポリオレフイン/ポ
リアミド、ポリオレフイン/ポリエステル、ポリアミド
/ポリエステル等が挙げられるが、これらは代表例であ
って他の各種の組み合わせも任意に採用される。
【0016】本発明に使用しうる繊維形成性ポリオレフ
イン系重合体の例としては、炭素原子数が2〜16の脂
肪族α−モノオレフイン、例えばエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン,3−メチル1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン、1−
オクタデセンのホモポリオレフイン又は共重合ポリオレ
フインがある。脂肪族α−モノオレフインは他のオレフ
イン及び/又は少量(重合体重量の約10重量%まで)
の他のエチレン系不飽和モノマ−、例えばブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン、α−メ
チルスチレンの如き類似のエチレン系不飽和モノマ−と
共重合されていてもよい。特にポリエチレンの場合、重
合体重量の約10重量%までのプロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン又は類似の高級α−オ
レフインと共重合させたものが製糸性がよくなるため好
ましい。
【0017】本発明に使用しうる繊維形成性ポリアミド
系重合体の例としては、ナイロン−4、ナイロン−4
6、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−61
0、ナイロン−11、ナイロン−12やポリメタキシレ
ンアジパミド(MXD−6)、ポリパラキシレンデカン
アミド(PXD−12)、ポリビスシクロヘキシルメタ
ンデカンアミド(PCM−12)又はこれらのモノマー
を構成単位とする共重合ポリアミドがある。本発明に使
用しうる繊維形成性ポリエステル系重合体の例として
は、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸もしくはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸またはこれらのエステル類と、アルコール成
分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール化合
物とから合成されるホモポリエステルないしは共重合ポ
リエステルであり、このホモポリエステルないしは共重
合ポリエステルにパラオキシ安息香酸、5−ナトリウム
スルフオイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、
ペンタエリスリトール、ビスフエノールA等が添加ある
いは共重合されていてもよい。
【0018】その他の繊維形成性重合体の例としては、
例えばビニル系重合体が用いられ、具体的にはポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、または、これらの共重合体が用いら
れる。また、ポリフエニレン系重合体またはその共重合
体を使用することもできる。
【0019】なお、繊維形成性重合体には、本発明の効
果を損なわない範囲内で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消
臭剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤
等の任意の添加物が添加されていてもよい。
【0020】分割型二成分系複合短繊維は、一般に以下
の如き方法で製造される。すなわち、従来公知の溶融複
合紡糸法で紡糸され、横吹付や環状吹付等の従来公知の
冷却装置を用いて、吹付風により冷却された後、油剤を
付与し引き取りローラーを介して未延伸糸として巻取機
に巻取られる。引き取りローラー速度は500m/分〜
2000m/分である。巻取られた未延伸糸を複数本引
き揃え、公知の延伸機にて周速の異なるローラー群の間
で延伸される。次いで、前記延伸トウを押し込み式捲縮
付与装置にて捲縮を付与した後、所定の繊維長に切断し
て短繊維を得ることができる。なお、要求される用途に
より延伸トウに素材の融点以下の温度で熱セットを施し
てもよい。
【0021】次に本発明に用いる吸水性を有する短繊維
について説明する。吸水性を有する短繊維としては、特
に公定水分率が5%以上の繊維を用いることが好まし
い。公定水分率が5%以上の繊維としては、天然繊維と
して木綿、麻、羊毛、短繊維状に裁断されたシルク繊
維、再生繊維としてビスコースレーヨン、銅アンモニア
レーヨン、溶剤紡糸されたレーヨン等が有効に用いられ
る。また、公定水分が5%以上のビニロン繊維、アクリ
ル繊維等の合成繊維を用いることも可能である。本発明
の不織布は、吸水性を有する短繊維として、前述したも
のが1種または2種以上混綿されたものであってもよ
い。
【0022】本発明の清拭材用不織布は、吸水性を有す
る短繊維が30〜70重量%の割合で混綿されているこ
とが好ましい。吸水性を有する短繊維が30重量%未満
では、水分の拭き取り性に劣る傾向のものとなる。一
方、吸水性を有する短繊維が70重量%を超えると、吸
水性は十分であるが、極細割繊短繊維量が少なくなり、
構成繊維同士の緻密な交絡が期待できにくく、粉塵の捕
集性、ミクロな汚れの拭き取り性に乏しくなる傾向にあ
る。
【0023】本発明の清拭材用不織布の目付は、20〜
150g/m2 の範囲であることが好ましい。目付が2
0g/m2 未満であると、不織布の地合に劣るものとな
り、また、不織布の形態安定性、寸法安定性に劣る傾向
となるので、清拭材として使い勝手が悪く、耐久性にお
いても好ましくない。目付が150g/m2 を超える
と、構成繊維同士を三次元的に交絡させるための高圧液
体流処理の加工エネルギーが多大となるため経済的に好
ましくなく、また、場合によっては不織布の内層におい
て繊維相互に十分な交絡がなされず機械的強度の低い不
織布となる傾向にある。
【0024】本発明の清拭材用不織布には、1個の孔面
積が0.2〜1.0mm2 である孔が、配設密度25〜
100個/cm2 で配されている。この孔は、後の高圧
液体流処理工程で付与されるものであり、不織布の厚み
方向に貫通している開孔であっても、また、孔内に少量
の繊維が存在しているものであってもよい。不織布にこ
のような孔が配されることにより、孔が凹部を形成し、
孔を取り巻く縁(開孔間の非開孔部)が凸部を形成する
ごとく不織布は凹凸構造を有するものとなる。本発明の
清拭材用不織布は、使用時において、凸部(非開孔部)
がエツジ状となり汚れや塵を取り、削り取った汚れや塵
等はすみやかに凹部(開孔部)や繊維間空隙部へ移動し
溜めることができ優れた拭き取り性を有するものとな
る。1個の孔面積が0.2mm2 未満または配設密度2
5個/cm2 未満であると、不織布に孔が形成されてい
る効果が薄れるため好ましくない。一方、1個の孔面積
が1.0mm2 を超えるまたは配設密度100個/cm
2 を超えると、拭き取り性や不織布の形態安定性が乏し
くなるため本発明の目的より好ましくない。
【0025】次に、本発明の清拭材用不織布の製造方法
に関して説明する。本発明では、まず、分割型二成分系
複合短繊維と吸水性を有する短繊維とを(好ましくは7
0/30〜30/70重量%の混綿率で)混綿し、カー
ド法やエアレイ法等を用いて所定の目付の不織ウエブを
作製することができる。カード法ではカード機を用い
て、構成繊維の配列度合を種々選択することができる。
構成繊維の配列パターンとしては、構成繊維が一方向に
配列したパラレルウエブ、パラレルウエブがクロスレイ
ドされたウエブ、構成繊維がランダムに配列したランダ
ムウエブあるいは両者の中程度に配列したセミランダム
ウエブ等が挙げられる。
【0026】次に、得られた不織ウエブに高圧液体流処
理を施して、分割型二成分系複合短繊維を分割させて極
細割繊短繊維を少なくとも発現させると共に構成繊維同
士を三次元的に交絡させる。ここでいう三次元的な交絡
とは、不織ウエブを構成している繊維相互間が不織布の
縦/横の方向のみでなく不織布の厚み方向に対しても交
絡し、一体化した構造を有していることをいう。
【0027】高圧液体流処理について説明する。処理を
施すための高圧液体流装置としては、例えば、孔径が
0.05〜1.5mm、特に0.1〜0.4mmの噴射
孔を孔間隔0.05〜5mmで一列あるいは複数列に多
数配列した装置を用いる。噴射孔から高圧力で噴射させ
て得られる水流すなわち高圧液体流を噴射し、多孔性支
持部材上に載置した不織ウエブに衝突させる。分割型二
成分系複合短繊維は、高圧液体流による衝撃によって、
極細割繊短繊維を発現し、かつ構成繊維同士が三次元的
に交絡一体化する。このとき、繊維同士の交絡は、極細
割繊短繊維の発現により緻密で強固なものとなる。
【0028】噴射孔の配列は、不織ウエブの進行方向と
直行する方向に列状に配列する。高圧液体流としては、
常温あるいは温水を用いることができる。噴射孔と不織
ウエブとの間の距離は、10〜150mmとするのが良
い。この距離が10mm未満であると、この処理により
得られる不織布の地合が乱れ、一方、この距離が150
mmを超えると、液体流が不織ウエブに衝突したときの
衝撃力が低下して、分割割繊及び交絡一体化が十分に施
されない傾向にある。
【0029】この高圧液体流の処理圧力は、製造方法お
よび不織布の要求性能によって制御されるが、一般的に
は、20〜200kg/cm2 Gの高圧液体流を噴出す
るのが良い。なお、処理する不織ウエブの目付等にも左
右されるが、前記処理圧力の範囲内において、処理圧力
が低いと嵩高で柔軟性に優れた不織布を得ることがで
き、処理圧力が高いと構成繊維同士の交絡が緻密で強固
な不織布を得ることができる。高圧液体流の圧力が20
kg/cm2 G未満であると、分割割繊及び交絡一体化
が十分に施されず、本発明が目的とする不織布を得るこ
とができない。但し、本発明の不織布には、分割型二成
分系複合短繊維が十分に分割されず一部残存するものも
包含される。逆に、高圧液体流の圧力が200kg/c
2 Gを超えると水圧による打撃により、極端な場合に
は構成繊維が切断されて、得られる不織布は表面に毛羽
を有するものとなる傾向にあり好ましくない。
【0030】高圧液体流処理を施すに際して用いる不織
ウエブを担持する多孔性支持部材としては、メツシユス
クリーンや有孔板等が挙げられ、高圧液体流が不織ウエ
ブと支持部材を貫通するものを用いる。
【0031】この工程において不織ウエブを担持する多
孔性支持材は、不織布に付与される孔の面積および孔配
設密度を決定するものであり、使用するメツシユスクリ
ーンのメツシユの粗密度を任意に選ぶことにより目的と
する清拭材用不織布を得ることができる。メツシユスク
リーンの網糸の太さ、組織にもよるが、本発明の目的を
達成するものとしては、15〜25メツシユ(15〜2
5本/インチ)のメツシユスクリーンが好ましく用いら
れる。メツシユスクリーンの網糸の組織は、綾、畦等の
組織が通常用いられるが、本発明の目的を達成する範囲
であれば柄や模様を有するものでもよい。また、メツシ
ユスクリーンに限らず目的とする孔を付与できるもの、
例えば、有孔板に多数の突起を有するもの等であればよ
い。
【0032】高圧液体流処理工程において、不織布に、
複合繊維の分割割繊を行い、かつ繊維同士を交絡させる
工程と、孔を付与する工程とは、同時に行っても別工程
でもよい。同時におこなう場合は、前記孔を付与するた
めの多孔性支持材に混綿した不織ウエブを載置し、高圧
液体流を噴射することにより、複合繊維の分割割繊およ
び繊維同士の交絡、そして繊維の再配列による孔の付与
を同時に行う。別工程で行う場合は、まず孔を付与しな
い多孔性支持材(例えば、30メツシユ以上の比較的細
かいメツシユスクリーン)上に混綿した不織ウエブを載
置し、高圧液体流で噴射することにより、複合繊維の分
割割繊および繊維同士の交絡を行わせ、次に、交絡した
不織布を前記孔を付与するための多孔性支持材に載置
し、再度高圧液体流を噴射することにより、繊維の再配
列による孔の付与を行う。
【0033】なお、不織ウエブの片面より高圧液体流処
理を施した後、引き続き交絡の施された不織ウエブを反
転して高圧液体流処理を施すことにより、表裏共に緻密
に交絡した不織布を得ることができるので、不織布の用
途に応じて、また、不織ウエブの目付の大きいもの等に
適用すればよい。
【0034】高圧液体流処理を施した後、処理後の不織
布から過剰水分を除去する。この過剰水分を除去するに
際しては、公知の方法を採用することができる。例え
ば、マングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をあ
る程度機械的に除去し、引き続きサクシヨンバンド方式
の熱風循環式乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を
除去する。
【0035】さらに、耐久性、寸法安定性に優れ、より
強固な汚れを拭き取るための清拭材を得たい場合には、
三次元的に交絡させた不織布に、熱処理装置を用い少な
くとも低融点重合体が溶融軟化する温度で熱処理を施
し、構成繊維同士の交点を低融点重合体の溶融軟化によ
り熱接着するのがよい。用いる熱処理装置としては、乾
熱熱風循環方式のものが効果的に用いられる。三次元的
に交絡された不織布は、不織布として形態が安定したも
のであるので、熱風により構成繊維が飛散することなく
熱処理が施され、構成繊維の交点が低融点重合体を介し
て熱接着される。熱接着により不織布の交絡状態が固定
化されるため、嵩高性を維持した状態で形態安定性、寸
法安定性、機械的強力が向上し、耐摩耗性、耐洗濯性、
耐久性の向上が図れる。よって、熱処理の施された清拭
用不織布は、摩擦力に対し変形することなく、また不織
布表面が毛羽立ち繊維が抜けることがなく、より強固な
汚れを拭き取ることができる。
【0036】熱処理温度は、少なくとも低融点重合体が
溶融軟化する温度とするが、低融点重合体の融点または
軟化点を(Tm)℃としたときに、(Tm+5)℃〜
(Tm+25)℃の熱風を吹きつけるのがよい。この温
度範囲を採用することにより、低融点重合体のみを溶融
軟化させ、かつ他の構成繊維に対して熱による変化を及
ぼすことなく柔軟性を保持した不織布を得ることができ
る。(Tm+5)℃未満であると、低融点重合体が十分
に溶融軟化しないため熱接着効果が薄くなる。一方、
(Tm+25)℃を超えると、低融点重合体が軟化流動
し、不織布がフイルム化して粗硬感が感じられるものと
なり、また、高融点重合体までもが溶融軟化すると、例
えば、清拭材を人体に接して用いる用途や傷つきやすい
物品等を清拭する場合においては、ソフト感の乏しいも
のとなり、さらには対象物を傷つける恐れがある。
【0037】本発明の清拭材用不織布に対し柔軟性を付
与する目的で、上野山機工(株)製のカムフイツト機に
よる柔軟加工機を用いてもよい。
【0038】
【作用】本発明の清拭材用不織布は、極細割繊短繊維と
吸水性を有する繊維からなり、不織布には特定の大きさ
の孔が特定密度で配設され、不織布表面に凹凸を有して
いる。
【0039】本発明の清拭材用不織布は、使用の際、凸
部がエツジ状となり対象物に接し、極細割繊繊維がミク
ロな汚れや塵埃を削り取る。極細割繊繊維の横断面が異
形断面であれば、シヤープなエツジ部分によって削り取
り効果をより奏することとなる。そして凸部により削り
取った汚れや塵埃等は、すみやかに凹部や繊維間空隙部
へ移動して溜められるため優れた拭き取り性を有する。
【0040】本発明の清拭材用不織布は、従来の表面平
滑な清拭材と比べて対象物との接触面が少なく密着しす
ぎないため摩擦係数が小さくなり、弱い力でも簡単に拭
き取ることが可能となる。しかも凸部は、極細割繊繊維
を含む短繊維同士が交絡した構成のものでありソフトタ
ッチであるので、対象物を傷つけることなく優れた拭き
取り性を発揮できる。
【0041】また、構成繊維の吸水性を有する繊維は、
液体をすばやく吸い取り、吸い取った液体を毛細管現象
により凹部や繊維間空隙部へすみやかに移動して溜める
ことができるため、使用に際して、洗浄剤、消毒剤、化
粧料等の液体を効果的に保液することが可能となる。
【0042】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限
定されるものではない。実施例において、各特性値の測
定を次の方法によって実施した。 (1)重合体の融点(℃):パーキンエルマー社製DS
C−2型の示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/
分で測定した融解吸熱ピークの最大値を与える温度を融
点とした。
【0043】(2)ポリエステルの相対粘度(イ):フ
エノールと四塩化エタンの等重量混合液を溶媒とし、こ
の溶媒100ccに試料0.5gを溶解し温度20℃の
条件で常法により求めた。
【0044】(3)ナイロン6の相対粘度(ロ):96
%硫酸100ccに試料1gを溶解し、温度25℃の条
件で常法により求めた。
【0045】(4)孔面積(mm2 ):万能投影器(日
本光学株式会社製:型式 PROJECTOR V−1
2)を用い、50個の開孔の縦方向a、横方向bの長さ
をmm単位で小数点以下3桁で測定しa×bを算出し各
々50個の面積の平均値を孔面積(mm2 )とした。な
お、孔内に少量の繊維が存在する場合であってもそれは
存在しないものとして測定した。
【0046】(5)孔配設密度(個/cm2 ):万能投
影器(日本光学株式会社製:型式 PROJECTOR
V−12)を用い、1cm2 中の孔数を10ケ所に亘
り数え、その平均値を配設密度(個/cm2 )とした。
【0047】(6)引張強力(kg/5cm幅)および
破断伸度(%):JIS L−1096に記載のストリ
ツプ法に準じ、最大引張強力を測定した。すなわち、幅
5cm、長さ15cmの試験片10個用意し、定速伸長
型引張試験機(テンシロンUTM−4−1−100 東
洋ボールドウイン社製)を用いて、掴み間隔10cm、
引張速度10cm/分の条件で最大引張強力を測定し、
試料10個の平均値を不織布の引張強力(kg/5cm
幅)とし、切断時伸長率の平均値を不織布の破断伸度
(%)とした。
【0048】(7)圧縮剛軟度(g):幅5cm,長さ
5cmの試料片を5個用意し、試料の長手方向に曲げて
円筒状物とし、各々その端部を接合したものを剛軟度測
定試料とした。定速伸張型引張試験機(テンシロンUT
M−4−1−100 東洋ボールドウイン社製)を用い
て圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値の
平均値を不織布の圧縮剛軟度(g)とした。
【0049】(8)吸水性(mm/10分):JIS
L−1096に記載のバイレツク法に準じて測定した。
【0050】(9)耐摩耗性(級):学振形摩擦試験機
を用い、100回の往復摩擦試験を行い、目視評価によ
り5段階評価を行った。不織布表面の摩耗がなく毛羽立
ちの見られないものを5級とし、不織布表面の摩耗が激
しく毛羽立ったものを1級とし、その間を2〜4級と段
階的に評価した。
【0051】(10)粉塵の拭き取り性:粉塵として片
山化学社製の特級試薬の塩化ナトリウムを5gをガラス
板上にまき、清拭材でガラス板上の塩化ナトリウムを拭
き取りガラス板上に残された塩化ナトリウムの重量を測
定した。70%以上の拭き取り性を示す清拭材を拭き取
り性が良好、80%以上の拭き取り性を示す清拭材を拭
き取り性が特に優れているとした。
【0052】実施例1 分割型二成分系複合短繊維として、繊維断面が図1に示
す複合形態でポリエチレン(融点128℃、ASTM−
D−1238(E)法で測定のメルトインデックス20
g/10分)とポリエチレンテレフタレート(融点25
8℃、相対粘度1.38)との分割型二成分系複合短繊
維を用意した。
【0053】すなわち、図1に示す如く全分割数が7個
となるような分割型二成分系複合型紡糸口金より複合比
を重量比で1:1とし、単孔吐出量=0.68g/分で
押し出した。紡出糸条を冷却し仕上げ油剤を付与した
後、引き取り速度が1000m/分の引き取りロ−ルを
介して、未延伸糸として捲き取った。次いで、得られた
未延伸糸を複数本引き揃えてトウとなし、公知の延伸機
を用いて延伸倍率が3.2倍で延伸を行った後、押し込
み式捲縮付与装置にて捲縮を付与し38mmの繊維長に
切断して2デニール(ポリエチレンからなる極細割繊短
繊維の繊度は1.0デニール、ポリエチレンテレフタレ
ートからなる極細割繊短繊維の繊度は0.16デニー
ル)の短繊維を得た。吸水性を有する短繊維として、平
均繊度1.5デニール、平均繊維長24mmの木綿の晒
綿を用意した。
【0054】分割型二成分系複合短繊維30重量%と吸
水性を有する短繊維70重量%とを混綿し、ランダムカ
ード機にて目付80g/m2 の不織ウエブを準備した。
【0055】次いで、不織ウエブを70メツシユの金属
製メツシユスクリーン上に積載して高圧液体流処理を施
した。高圧液体流処理は、孔径0.1mmの噴射孔が孔
間隔0.6mmで配置された高圧液体流処理装置を用
い、前記積層体の上方50mmの位置から液体流圧力を
70kg/cm2 Gの条件下で処理を施した。引き続
き、交絡に施された不織布を15メツシユの金属製メツ
シユスクリーン上に積載し、前記オリフイスを用いて液
体流圧力を70kg/cm2 Gの条件下で処理を施し、
不織布に孔形状を付与した。得られた不織布より過剰水
分の除去と乾燥処理を施し、本発明の不織布を得た。
【0056】実施例2 実施例1で得られた不織布に、熱風循環式乾燥機(寿工
業社製)を用いて、処理温度135℃、処理時間30秒
の条件で熱処理を行った。続いて、柔軟加工機(上野山
機工株式会社製:カムフイツト)を用いて柔軟加工を施
し本発明の不織布を得た。
【0057】実施例3 実施例2において、分割型二成分系複合短繊維20重量
%と吸水性を有する短繊維80重量%とを混綿した以外
は、実施例2と同様にして本発明の不織布を得た。
【0058】実施例4 実施例2において、分割型二成分系複合短繊維70重量
%と吸水性を有する短繊維30重量%とを混綿し、高圧
液体流処理の際に孔形状を付与する多孔性支持材として
25メツシユの金属製メツシユスクリーンを用い、熱処
理温度を140℃とした以外は、実施例2と同様にして
本発明の不織布を得た。
【0059】実施例5 実施例2において、分割型二成分系複合短繊維40重量
%と吸水性を有する短繊維として短繊維状に裁断したシ
ルク繊維60重量%とを混綿した以外は、実施例2と同
様にして本発明の不織布を得た。
【0060】実施例6 分割型二成分系複合短繊維として、糸断面が図2に示す
如く複合形態でナイロン6(融点225℃、相対粘度
2.55)とポリエチレンテレフタレート(融点258
℃、相対粘度1.38)との分割型二成分系複合短繊維
を用意した。
【0061】すなわち、図2に示す如く複合形態で全分
割数が24個となるような分割型二成分系複合型紡糸口
金より複合比を重量比で1:1とし、単孔吐出量=0.
76g/分で押し出した。紡出糸条を冷却し仕上げ油剤
を付与した後、引き取り速度が1000m/分の引き取
りロールを介して、未延伸糸として捲き取った。次い
で、得られた未延伸糸を複数本引き揃えてトウとなし、
公知の延伸機を用いて延伸倍率が3.0倍で延伸を行っ
た後、押し込み式捲縮付与装置にて捲縮を付与し38m
mの繊維長に切断して2.4デニール(ナイロン6から
なる極細割繊短繊維の繊度は0.1デニール、ポリエチ
レンテレフタレートからなる極細割繊短繊維の繊度は
0.1デニール)の短繊維を得た。
【0062】吸水性を有する短繊維として、麻を用意し
た。分割型二成分系複合短繊維50重量%と吸水性を有
する短繊維50重量%とを混綿し、ランダムカード機に
て目付80g/m2 の不織ウエブを準備した。
【0063】次いで、不織ウエブを70メツシユの金属
製メツシユスクリーン上に積載して高圧液体流処理を施
した。高圧液体流処理は、孔径0.1mmの噴射孔が孔
間隔0.6mmで配置された高圧液体流処理装置を用
い、前記積層体の上方50mmの位置から液体流圧力を
70kg/cm2 Gの条件下で処理を施した。引き続
き、交絡に施された不織布を20メツシユの金属製メツ
シユスクリーン上に積載し、前記オリフイスを用いて液
体流圧力を70kg/cm2 Gの条件下で処理を施し、
不織布に孔形状を付与した。
【0064】得られた不織布より過剰水分の除去と乾燥
処理を施し、次に、熱風循環式乾燥機(寿工業社製)を
用いて、処理温度240℃、処理時間30秒の条件で熱
処理を行った。続いて、柔軟加工機(上野山機工株式会
社製:カムフイツト)を用いて柔軟加工を施し本発明の
不織布を得た。
【0065】実施例7 分割型二成分系複合短繊維として、糸断面が図3に示す
如く複合形態でナイロン6(融点225℃、相対粘度
2.55)とポリエチレンテレフタレート(融点258
℃、相対粘度1.38)との分割型二成分系複合短繊維
を用意した。
【0066】すなわち、図3に示す如く複合形態で全分
割数が36個となるような分割型二成分系複合型紡糸口
金より複合比を重量比で1:1とし、単孔吐出量=0.
66g/分で押し出した。紡出糸条を冷却し仕上げ油剤
を付与した後、引き取り速度が1000m/分の引き取
りロ−ルを介して、未延伸糸として捲き取った。次い
で、得られた未延伸糸を複数本引き揃えてトウとなし、
公知の延伸機を用いて延伸倍率が2.6倍で延伸を行っ
た後、押し込み式捲縮付与装置にて捲縮を付与し38m
mの繊維長に切断して2.4デニール(ナイロン6から
なる極細割繊短繊維の繊度は0.07デニール、ポリエ
チレンテレフタレートからなる極細割繊短繊維の繊度は
0.07デニール)の中空率17%の短繊維を得た。分
割型二成分系複合短繊維30重量%と吸水性を有する短
繊維として木綿の晒綿70重量%とを混綿し、ランダム
カード機にて目付120g/m2 の不織ウエブを準備
し、高圧液体流処理の水圧を100kg/cm2 Gとし
た以外は実施例6と同様にして本発明の不織布を得た。
【0067】比較例1 実施例1において、木綿の晒綿よりなる目付80g/m
2 の不織ウエブを準備した以外は、実施例1と同様にし
て比較例1の不織布を得た。
【0068】比較例2 実施例2において、高圧液体流処理の際に10メツシユ
の金属製メツシユスクリーンを用いて孔形状を付与した
以外は実施例2と同様にして比較例2の不織布を得た。
【0069】比較例3 実施例2において、高圧液体流処理を施さなかった以外
は実施例2と同様にして比較例3の不織布を得た。
【0070】実施例1〜7および比較例1〜3の不織布
の物性を表1に示した。
【0071】
【表1】
【0072】実施例1の不織布は、機械的強力、寸法安
定性に優れ、また柔軟性に特に優れた肌触りの良いもの
であり、拭き取り性も良好であった。
【0073】実施例2〜7の不織布は、熱処理を施して
構成繊維同士を熱により接着させたものであり、機械的
強力、寸法安定性、さらに耐摩耗性に特に優れた不織布
であるので、耐久使用性において優れており、また、柔
軟性に優れ、拭き取り性も良好であった。
【0074】分割型二成分系複合短繊維を混綿しなかっ
た比較例1の不織布は、極細割繊短繊維を含まないもの
であるため、構成繊維同士の緻密な交絡はなされず、ミ
クロな汚れの拭き取りが困難なものであった。
【0075】不織布に付与する1個の孔面積および孔の
配設密度を本発明の範囲外とした比較例2の不織布は、
1個の孔面積が大きいために、拭き取りの際、付着した
塩化ナトリウムが反対面に抜け出やすく清拭材としては
不適当な素材であった。
【0076】高圧液体流処理を施さなかった比較例3の
不織布は、分割型二成分系複合短繊維は分割されず極細
割繊短繊維を含まないものであるため、構成繊維同士の
緻密な交絡はなされず、拭き取り性において劣るもので
あった。
【0077】
【発明の効果】本発明の清拭材用不織布は、極細割繊繊
維と吸水性を有する繊維を構成繊維とし、不織布に特定
の大きさの孔が特定密度で配設され、不織布表面に凹凸
形状を有している。よって、本発明の清拭材用不織布
は、使用の際に、微塵やミクロな汚れの拭き取りに優
れ、吸液性も兼ね備え、さらに不織布表面の凹凸構造に
より作業性において優れた効果を奏する。
【0078】本発明の清拭材用不織布は、ガラス、鏡、
眼鏡、家具、床、車および化粧パフ、おしぼり、おしり
拭き等、幅広い用途にドライ状態およびウエツト状態で
拭き取りとして効果的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる分割型二成分系複合短繊維
の横断面の一実施模式図である。
【図2】本発明に用いられる分割型二成分系複合短繊維
の横断面の一実施模式図である。
【図3】本発明に用いられる分割型二成分系複合短繊維
の横断面の一実施模式図である。
【図4】本発明に用いられる分割型二成分系複合短繊維
の横断面の一実施模式図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに非相溶性の繊維形成性重合体から
    なる分割型二成分系複合短繊維の分割により発現した極
    細割繊短繊維と、吸水性を有する短繊維とからなる不織
    布からなり、不織布には1個の孔面積が0.2〜1.0
    mm2 である孔が配設密度25〜100個/cm2 で配
    され、かつ該開孔間の非開孔部では構成繊維同士が三次
    元的に交絡していることを特徴とする清拭材用不織布。
  2. 【請求項2】 分割型二成分系複合短繊維が、繊維形成
    性低融点重合体と前記低融点重合体に対し非相溶性でか
    つ前記低融点重合体の融点より30〜180℃高い融点
    を有する繊維形成性高融点重合体とからなることを特徴
    とする請求項1記載の清拭材用不織布。
  3. 【請求項3】 繊維同士の交点が繊維形成性低融点重合
    体によりに熱接着されていることを特徴とする請求項2
    記載の清拭材用不織布。
  4. 【請求項4】 分割型二成分系複合短繊維の分割により
    少なくとも発現した極細割繊短繊維の単糸繊度が、0.
    8デニール以下であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の清拭材用不織布。
  5. 【請求項5】 吸水性を有する短繊維が、天然繊維、再
    生繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の清拭材用不織布。
  6. 【請求項6】 吸水性を有する短繊維が、不織布中に3
    0〜70重量%混綿されていることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の清拭材用不織布。
  7. 【請求項7】 互いに非相溶性の繊維形成性重合体から
    なる分割型二成分系複合短繊維と吸水性を有する短繊維
    とを混綿して不織ウエブを得、この不織ウエブを多孔性
    支持材に載置して高圧液体流処理を施し、前記複合短繊
    維を分割させて極細割繊短繊維を少なくとも発現させる
    と共に構成繊維同士を三次元的に交絡させ、不織布に1
    個の孔面積が0.2〜1.0mm2 である孔を配設密度
    25〜100個/cm2 で配設させることを特徴とする
    清拭材用不織布の製造方法。
  8. 【請求項8】 繊維形成性低融点重合体と前記低融点重
    合体に対し非相溶性でかつ前記低融点重合体の融点より
    30〜180℃高い融点を有する繊維形成性高融点重合
    体とからなる分割型二成分系複合短繊維と吸水性を有す
    る短繊維とを混綿して不織ウエブを得、この不織ウエブ
    を多孔性支持材に載置して高圧液体流処理を施し、前記
    複合短繊維を分割させて極細割繊短繊維を少なくとも発
    現させると共に構成繊維同士を三次元的に交絡させ、か
    つ、不織布に1個の孔面積が0.2〜1.0mm2 であ
    る孔を配設密度25〜100個/cm2 で配設させた
    後、熱処理装置を用い少なくとも前記低融点重合体が溶
    融軟化する温度で処理して、構成繊維同士の交点を熱接
    着することを特徴とする清拭材用不織布の製造方法。
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