JPH10279802A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物Info
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- JPH10279802A JPH10279802A JP9089549A JP8954997A JPH10279802A JP H10279802 A JPH10279802 A JP H10279802A JP 9089549 A JP9089549 A JP 9089549A JP 8954997 A JP8954997 A JP 8954997A JP H10279802 A JPH10279802 A JP H10279802A
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Abstract
リアリーレンサルファイド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 1
00重量部に対し、(B) α−オレフィンとα,β−不飽和
酸のグリシジルエステルを主成分とするオレフィン系共
重合体 0.5〜50重量部、(C) フェノール系酸化防止剤0.
05〜5重量部、(D) チオエーテル系酸化防止剤0.05〜5
重量部を配合する。
Description
ルファイド樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発
明は耐衝撃性に優れ、耐熱性、成形性に優れたポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物に関する。
ェニレンサルファイド(以下PPSと略す)樹脂に代表
されるポリアリーレンサルファイド(以下PAS樹脂と
略す)樹脂は、高い耐熱性、機械的物性、耐化学薬品
性、寸法安定性、難燃性を有していることから、電気・
電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品
材料等に広く使用されている。しかしながら、PAS樹
脂は靭性に乏しく脆弱であり、耐衝撃性に代表される機
械的物性が不十分であるという根本的な欠点がある。こ
の問題を解決する従来の方法としては、各種エラストマ
ーを配合することが知られている。特にα−オレフィン
とα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを主成分とす
るオレフィン系共重合体は、特開昭58−154757号公報、
特開昭59−152953号公報、特開昭59−189166号公報、特
開平1−306467号公報などに示されているように、PA
S樹脂への相溶性に優れるため、耐衝撃性の向上が見ら
れる。しかし、PAS樹脂の加工温度は 300℃以上であ
るために、オレフィン系共重合体の成分は熱劣化を生
じ、十分な耐衝撃性改良効果が得られないばかりか、成
形時に分解しガスを生じるために、著しく成形性を低下
させる問題がある。一方、これら耐熱性を改良する方法
として、特開平3−68656 号公報のようにヒンダードフ
ェノール系安定剤を添加する方法が提案されている。し
かし、この手法でも十分な耐衝撃性、耐熱性、成形性を
兼ね備えたPAS樹脂組成物は得られていない。本発明
は、かかる問題に鑑み、耐衝撃性、耐熱性が飛躍的に向
上し、他の成形加工性や機械的物性の諸物性に優れたP
AS樹脂組成物を提供することを目的としたものであ
る。
解決すべく鋭意検討した結果、PAS樹脂に特定のオレ
フィン系共重合体と特定2種の酸化防止剤を併用配合す
ることにより、耐衝撃性、耐熱性が飛躍的に向上し、且
つ他の成形加工性や機械的物性、耐熱性等の優れた諸物
性を兼備することを見出し、本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、(A) ポリアリーレンサルファイド樹
脂 100重量部に対し、(B) α−オレフィンとα,β−不
飽和酸のグリシジルエステルを主成分とするオレフィン
系共重合体 0.5〜50重量部、(C) フェノール系酸化防止
剤0.05〜5重量部、(D) チオエーテル系酸化防止剤0.05
〜5重量部を配合してなるポリアリーレンサルファイド
樹脂組成物に関するものである。
細に説明する。本発明に用いる(A) 成分としてのPAS
樹脂は、繰返し単位として-(Ar-S)-(但しArはアリーレ
ン基)で主として構成されたものである。アリーレン基
としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン
基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p'−ジフ
ェニレンスルフォン基、p,p'−ビフェニレン基、p,p'−
ジフェニレンエーテル基、p,p'−ジフェニレンカルボニ
ル基、ナフタレン基などが使用できる。この場合、前記
のアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド
基の中で、同一の繰返し単位を用いたポリマー、すなわ
ちホモポリマーの他に、組成物の加工性という点から、
異種繰返し単位を含んだコポリマーが好ましい場合もあ
る。ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フ
ェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を
繰返し単位とするものが特に好ましく用いられる。又、
コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリ
ーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み
合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサルファ
イド基とm−フェニレンサルファイド基を含む組み合わ
せが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレ
ンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%
以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性
上の点から適当である。又、これらのPAS樹脂の中
で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマ
ーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高
分子量ポリマーが、特に好ましく使用できるが、直鎖状
構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させるときに、3個
以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等
のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造または架橋
構造を形成させたポリマーも使用できるし、低分子量の
直鎖状構造ポリマーを酸素又は酸化剤存在下、高温で加
熱して、酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇さ
せ、成形加工性を改良したポリマーも使用可能である。
又、(A) 成分のPAS樹脂は、前記直鎖状PAS(310
℃・ズリ速度 1200sec-1における粘度が10〜300 Pa・s)
を主体とし、その一部(1〜30重量%、好ましくは2〜
25重量%)が、比較的高粘度(300〜3000Pa・s 、好まし
くは 500〜2000Pa・s)の分岐又は架橋PAS樹脂との混
合系も好適である。又、本発明に用いるPAS樹脂は、
重合後、酸洗浄、熱水洗浄、有機溶剤洗浄(或いはこれ
らの組合せ)を行って副生不純物等を除去精製したもの
が好ましい。
(B) は、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジ
ルエステルを主成分とするオレフィン系共重合体である
が、共重合部分を構成する一方の成分であるα−オレフ
ィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが
挙げられるが、好ましくはエチレンが挙げられる。ま
た、オレフィン系共重合体(B) の他の成分であるα,β
−不飽和酸のグリシジルエステルとは、一般式(2)
基を示す)で示される化合物であり、アクリル酸グリシ
ジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、エタ
クリル酸グリシジルエステル等が挙げられるが、好まし
くはメタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。α
−オレフィン(例えばエチレン)とα,β−不飽和酸の
グリシジルエステルは、通常よく知られたラジカル重合
反応により共重合させることによって得ることができ
る。オレフィン系共重合体(B) は、α−オレフィン 100
重量部に対して、不飽和酸のグリシジルエステルを1〜
40重量部用いて共重合することが好適である。さらにオ
レフィン系共重合体(B) は、耐衝撃性、耐熱性向上のた
めに、下記一般式(1)で示される繰返し単位で構成さ
れた重合体又は共重合体の一種又は二種以上を分岐又は
架橋構造的に化学結合させたグラフト共重合体であるこ
とが好ましい。
は-COOCH3 、-COOC2H5、-COOC4H9、-COOCH2CH(C2H5)C4H
9 、
示す) 分岐又は架橋鎖としてグラフト重合させる重合体又は共
重合体セグメントとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、ス
チレンから選ばれた一種又は二種以上を重合又は共重合
体が挙げられる。好ましくは、メタクリル酸重合体、ア
クリロニトリルとスチレンの共重合体、メタクリル酸メ
チルとアクリル酸ブチルの共重合体等が挙げられ、特に
好ましくはメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共
重合体である。これら重合体又は共重合体は、通常知ら
れたラジカル重合によって調製される。また、これら重
合体又は共重合体の分岐又は架橋反応も、ラジカル反応
によって容易に調製できる。例えば、これら重合体又は
共重合体に過酸化物等でフリーラジカルを生成させ、α
−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステル
の共重合体を溶融混練することによって、所望のオレフ
ィン系共重合体(B) は調製できる。分岐又は架橋鎖は、
α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ル共重合体 100重量部に対し、10〜100 重量部を分岐又
は架橋することが好適である。オレフィン系共重合体
(B) の配合量としては、(A) ポリアリーレンサルファイ
ド樹脂 100重量部に対し、 0.5〜50重量部、好ましくは
1〜20重量部が用いられる。
性、成形性を得るために、フェノール系酸化防止剤(C)
とチオエーテル系酸化防止剤(D) を併用することが必須
とされる。ポリアリーレンサルファイド樹脂のプロセス
温度はおよそ 300℃以上であるため、靭性改良のために
配合されたオレフィン系共重合体(B) は、著しい熱劣化
を受ける。このため、成形時の金型の付着物(モールド
デポジット)が多く、金型清掃という煩雑な工程を必要
としていた。この熱劣化を抑制するために、フェノール
系酸化防止剤(C) 、チオエーテル系酸化防止剤(D) 、又
はその他の燐系安定剤、アミン系安定剤等を各々単独で
添加しても十分な成形性、耐衝撃性、耐熱性の改良効果
は得られず、モールドデポジットを除去する金型清掃と
いう工程を必要としていた。これに対し、フェノール系
酸化防止剤(C) 及びチオエーテル系酸化防止剤(D) を併
用することで、オレフィン系共重合体(B) の熱劣化を十
分に抑制し、優れた成形性、耐衝撃性、耐熱性を有した
ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を得ることがで
き、モールドデポジットの発生をかなり抑制することが
できることを見出し本発明を完成するに至ったのであ
る。本発明は、フェノール系酸化防止剤(C) 及びチオエ
ーテル系酸化防止剤(D) という特定2種の化合物の組み
合わせにより所期の効果を発現したものであり、他の組
み合わせ、例えばフェノール系酸化防止剤(C) とリン系
酸化防止剤(D) との併用では本発明の目的を達成するこ
とはできない。
(C) は、その分子構造中にアルキルフェノール基を1個
以上有する化合物である。フェノール系酸化防止剤の具
体例としては、2,6 −ジ−第3ブチル−p−クレゾー
ル、ステアリル−(3,5 −ジ−メチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)チオグリコレート、ステアリル−β−(4−
ヒドロキシ−3,5 −ジ−第3ブチルフェニル)プロピオ
ネート、ジステアリル−3,5 −ジ−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジルホスホネート、ジステアリル(4−ヒ
ドロキシ−3−メチル−5−第三ブチル)ベンジルマロ
ネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第3ブ
チルフェノール)、4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−第
3ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス〔6−(1
−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール〕、ビス
〔3,3 −ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルブチル
フェニル)ブチリックアシド〕グリコールエステル、4,
4'−ブチリデンビス(6−第3ブチル−m−クレゾー
ル)、1,1,3 −トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−第3ブチルフェニル)ブタン、1,3,5 −トリス(3,
5 −ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,
6 −トリメチルベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−
(3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン、1,3,5 −トリス(3,5 −ジ−第
3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5 −トリス〔(3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシ
アヌレート、2−オクチルチオ−4,6 −ジ(4−ヒドロ
キシ−3,5 −ジ−第3ブチル)フェノキシ−1,3,5 −ト
リアジン、4,4'−チオビス(6−第3ブチル−m−クレ
ゾール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−
第3ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6 −ヘキシルジオール−ビス〔3−
(3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、2,4 −ビス−オクチルチオ−6−(4
−ヒドロキシ−3,5 −ジ−第3ブチルアニリノ)−1,3,
5 −トリアジン、2,2 −チオ−ジエチレンビス〔3−
(3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、N,N −ヘキサメチレンビス(3,5 −ジ
−第3ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミ
ド)、3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジ
ルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5 −トリメチ
ル−2,4,6 −トリス(3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5 −ジ−第3
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、
イソオクチル−3−(3,5 −ジ−第3ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2,4 −ビス〔(オク
チルチオ)メチル〕−o−クレゾールなどが挙げられ
る。これらは、一種又は二種以上を併用して用いること
ができる。フェノール系酸化防止剤(C) の配合量は、ポ
リアリーレンサルファイド樹脂100 重量部に対して0.05
〜5重量部、好ましくは 0.1〜3重量部が適当である。
0.05重量部未満では、耐熱性改良効果が不十分であり、
5重量部より多い場合には、成形時の金型のモールドデ
ポジットが著しく多くなるため好ましくない。
化防止剤(D) は、分子構造中に少なくとも1個以上のチ
オエーテル結合を有する化合物である。チオエーテル系
酸化防止剤の例としては、テトラキス〔メチレン−3−
(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタン、ジラウリル
−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−
チオジプロピオネートなどが挙げられ、これら1種また
は2種以上を併用してもかまわない。チオエーテル系酸
化防止剤(D) の配合量は、ポリアリーレンサルファイド
樹脂100 重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは
0.1〜3重量部が適当である。0.05重量部未満では、耐
熱性改良効果が不十分であり、5重量部より多い場合に
は、成形時の金型のモールドデポジットが著しく多くな
るため好ましくない。
熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性
能の改良のため無機充填物を配合することもでき、これ
には目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の充填材が用い
られる。繊維状充填材としては、ガラス繊維、アスベス
ト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ
繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、チタ
ン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、
チタン、銅、真鍮等金属の繊維状物などの無機質繊維状
物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填材はガラス
繊維、又はカーボン繊維である。なおポリアミド、フッ
素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維物質も使
用することができる。一方、粉粒状充填材としてはカー
ボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラ
ス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、
タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトのごとき硅
酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナのごと
き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの
ごとき金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの
ごとき金属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化
硼素、各種金属粉末が挙げられる。又、板状充填材とし
てはマイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔が挙げられ
る。これらの無機充填材は一種又は二種以上併用するこ
とができる。これらの充填材の使用にあたっては必要な
らば収束剤又は表面処理剤を使用することが望ましい。
この例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート系
化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能
性化合物である。これ等の化合物はあらかじめ表面処理
又は収束処理を施して用いるか、又は材料調製の際同時
に添加してもよい。無機充填材の使用量は(A) 成分のP
AS樹脂 100重量部あたり10〜300 重量部であり、10重
量部より過小の場合は機械的強度がやや劣り、過大の場
合は成形作業が困難になるほか、成形品の機械的強度に
も問題が出る。
果を損なわない範囲で、バリ等を改良する目的としてシ
ラン化合物を配合することができる。シラン化合物とし
ては、ビニルシラン、メタクリロキシシラン、エポキシ
シラン、アミノシラン、メルカプトシラン等の各種タイ
プが含まれ、例えば、ビニルトリクロルシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシランなどが例示されるが、これらに限定される
ものではない。
応じ前記成分の他に、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量
併用することも可能である。ここで用いられる他の熱可
塑性樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂で
あれば、いずれのものでもよい。例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香
族ジカルボン酸とジオール或いはオキシカルボン酸など
からなる芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ABS、ポリフェニレンオキサイド、ポリアル
キルアクリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、フッ素
樹脂などを挙げることができる。又、これらの熱可塑性
樹脂は2種以上混合して使用することもできる。更に、
本発明に使用する成形品組成物として、一般に熱可塑性
樹脂に添加される公知の物質、すなわち難燃剤、染・顔
料等の着色剤、潤滑剤および結晶化促進剤、結晶核剤等
も要求性能に応じ適宜添加することができる。
樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製す
ることができる。一般的には必要な成分を混合し、1軸
又は2軸の押出機を使用して溶融混練し、押出して成形
用ペレットとすることができる。この溶融混練時の樹脂
温度は、オレフィン系共重合体の熱劣化を防止するため
に 360℃以下が好ましい。また、樹脂成分を溶融押出
し、その途中でガラス繊維の如き無機成分を添加配合す
るのも好ましい方法の1つである。このようにして得た
材料ペレットは、射出成形、押出し成形、真空成形、圧
縮成形等、一般に公知の熱可塑性樹脂の成形法を用いて
成形することができるが、最も好ましいのは射出成形で
ある。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例および比較例に用いた各(A) 、(B) 、(C) 、
(D) 、(E) の具体的物質は以下の通りである。 (A) ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂 呉羽化学工業(株)製 フォートロンKPS (B) オレフィン系重合体 B-1 ;エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体 B-2 ;エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体に
スチレン/アクリロニトリル共重合体をグラフトさせた
共重合体 B-3 ;エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体に
メチルメタクリレート/ブチルアクリレート共重合体を
グラフトさせた共重合体 B'-1;エチレン/エチルアクリレート (C) フェノール系酸化防止剤 C-1 ;テトラキス〔メチレン−3−(3,5 −ジ−第3ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン C-2 ;トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−第3
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕 (D) チオエーテル系酸化防止剤 D-1 ;テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プ
ロピオネート〕メタン D-2 ;ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート (E) リン系酸化防止剤 E-1 ;トリス(2,4 −ジ−第3ブチルフェニル)フォス
ファイト また、実施例および比較例で評価した評価方法は以下の
通りである。アイゾット衝撃強さ ASTM D-256に準じて、ノッチ側衝撃値を測定した。熱安定性(TGA熱重量変化) 熱重量分析(TGA)装置を用い、 200℃から 300℃ま
で10℃/分で昇温した時の 300℃の重量変化(%)を測
定した。サンプルは、各ペレットを粉砕した粉末を 100
mgを用いて測定した。成形性(金型付着物の量) 射出成形機で下記の条件で特定の成形品を8時間連続成
形を行い、金型への付着物の量を目視にて判定した。 射出成型機 :住友SG25 シリンダー温度:310 ℃ 射出時間 :1秒 冷却時間 :15秒 金型温度 :80℃ 目視判定レベル A 付着量は僅か B 付着量はレベルAとレべルCの中程度 C 付着量は多い 実施例1〜9および比較例1〜9 表1〜2に示す(A) 、(B) 、(C) 、(D) 、(E) 成分をヘ
ンシェルミキサーで5分間混合し、これをシリンダー温
度 310℃の二軸押出機にかけて樹脂温度 350℃にて溶融
混練し、樹脂組成物のペレットを作った。次いで射出成
形機でシリンダー温度 320℃、金型温度 150℃でASTM D
-256に準じてアイゾット衝撃試験片を成形し、測定し
た。結果を表1〜2に示す。
性、成形性に優れたポリアリーレンサルファイド樹脂組
成物を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100
重量部に対し、 (B) α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエ
ステルを主成分とするオレフィン系共重合体 0.5〜50重
量部、 (C) フェノール系酸化防止剤0.05〜5重量部、 (D) チオエーテル系酸化防止剤0.05〜5重量部 を配合してなるポリアリーレンサルファイド樹脂組成
物。 - 【請求項2】(B) オレフィン系共重合体が、α−オレフ
ィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルから成る
オレフィン系共重合体に下記一般式(1)で示される繰
返し単位で構成された重合体又は共重合体の一種又は二
種以上を分岐又は架橋構造的に化学結合したグラフト共
重合体である請求項1記載のポリアリーレンサルファイ
ド樹脂組成物。 【化1】 (但し、R は水素又は低級アルキル基、X は-COOCH3 、
-COOC2H5、-COOC4H9、-COOCH2CH(C2H5)C4H9 、 【化2】 -CN から選ばれた一種又は二種以上の基を示す) - 【請求項3】(B) オレフィン系共重合体が、α−オレフ
ィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルから成る
オレフィン系共重合体にアクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、スチレン
から選ばれた一種又は二種以上を重合又は共重合させた
ものを、分岐又は架橋構造的に化学結合させたグラフト
共重合体である請求項2記載のポリアリーレンサルファ
イド樹脂組成物。 - 【請求項4】(B) オレフィン系重合体が、メタクリル酸
メチルおよびアクリル酸ブチルからなる共重合体を分岐
鎖として化学結合させたグラフト共重合体である請求項
3記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP08954997A JP3970374B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08954997A JP3970374B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10279802A true JPH10279802A (ja) | 1998-10-20 |
JP3970374B2 JP3970374B2 (ja) | 2007-09-05 |
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JP08954997A Expired - Fee Related JP3970374B2 (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3970374B2 (ja) |
Cited By (7)
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