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JPH1027335A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH1027335A
JPH1027335A JP19978896A JP19978896A JPH1027335A JP H1027335 A JPH1027335 A JP H1027335A JP 19978896 A JP19978896 A JP 19978896A JP 19978896 A JP19978896 A JP 19978896A JP H1027335 A JPH1027335 A JP H1027335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abrasive
magnetic
recording medium
magnetic recording
alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19978896A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Watanabe
晶子 渡辺
Makoto Inoue
誠 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP19978896A priority Critical patent/JPH1027335A/ja
Publication of JPH1027335A publication Critical patent/JPH1027335A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨剤を工夫することにより、電磁変換特性
を良好にし、走行耐久性にも優れた磁気記録媒体を得る
こと。 【解決手段】 磁性粉及び研磨剤を含有する磁性層を有
する磁気記録媒体において、前記研磨剤がアルミニウム
原子含有率が99.5重量%以上の高純度で結晶性の高
いα−アルミナであり、前記研磨剤に対して10ppm
以上、250ppm以下のアルカリ金属又はアルカリ土
類金属原子と、前記研磨剤に対して0.1重量%以下の
ケイ素原子とが、前記研磨剤に含有されていることを特
徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉及び研磨剤
を含有する磁性層を有する磁気記録媒体に関し、特に、
磁性粉及び研磨剤と結合剤を主成分として含有した磁性
層を非磁性支持体上に形成してなる磁気テープ、磁気デ
ィスク等の塗布型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュータ等に用いられ、その
需要は著しく伸びてきている。
【0003】こうした磁気記録媒体は、一般に、ポリエ
ステルフィルム等の非磁性支持体上に、磁性粉末及び研
磨剤からなる磁性層が設けられた構造を有している。そ
して、この磁性層は、通常、結合剤を含有する組成物中
に磁性粉等を分散させた磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布したり、或いは転写することによって形成されてい
る。
【0004】例えば、ポリエステルやポリエチレンテレ
フタレート(PET)等からなる非磁性支持体上に、マ
グヘマイト、マグネタイト、酸化クロム等の磁性酸化
物、Fe、Co、Ni等を主成分とする磁性合金からな
る強磁性微粉末と非磁性の研磨剤等の粉末とを有機高分
子材料からなるバインダ中に分散せしめた磁性塗料を塗
布し、これにより磁性層を形成した、いわゆる塗布型の
磁気記録媒体が広く使用されている。
【0005】こうした強磁性微粉末を使用する磁気記録
媒体において、VTR(ビデオテープレコーダ)等に見
られる記録波長の短波長化、高密度化に伴い、ビデオテ
ープやオーディオテープ等の磁気記録媒体の特性を改善
するために、磁性粒子(磁性粉)の高密度充填が図られ
ている。
【0006】このため、塗布型の磁気記録媒体では、磁
性粒子を高密度に充填する上で、磁性塗料の分散性を飛
躍的に向上させることが求められている。
【0007】また、記録の高密度化に伴い、磁性層表面
の平滑化が図られており、そのために、磁性層と磁気ヘ
ッドとの間の耐摩耗効果が低下し、磁気ヘッド表面の酸
化変色や面粗れ、脱落物の堆積を生じる等の問題が生じ
ている。
【0008】これを防止するため、磁性層の耐摩耗性の
向上と、磁気ヘッド表面のクリーニング効果には、磁性
層に研磨剤を添加することが不可欠であり、研磨剤の添
加によって、磁性層の耐久性及び走行性を高めることが
できる。
【0009】これまで知られている研磨剤は、研磨力の
高いα−アルミナ(α−Al2 3)、β−アルミナ
(β−Al2 3 )や酸化クロム(Cr2 3 )、酸化
チタン(TiO2 )、α−酸化鉄(α−Fe2 3 )等
が一般的である。
【0010】しかし、研磨剤を添加すると、磁性層の表
面性及び静磁気特性が悪くなり易く、電磁変換特性上好
ましくないことがある。
【0011】この対策として、磁性層中への分散が容易
であって磁気記録媒体の磁気特性及び電磁変換特性の劣
化が少なく、磁気テープ等に十分な走行耐久性を付与で
きるような研磨剤を用いることが望ましい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした従
来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、研
磨剤を工夫することにより、高い研磨力を保持しつつ、
磁気特性及び電磁変換特性を良好にし、走行耐久性に優
れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、高純度で結晶性の高いアルミナを主成分と
し、アルカリ金属又はアルカリ土類金属原子を特定の量
で含有し、かつ、ケイ素原子とを特定の量以下とした研
磨剤を添加すれば、上述した本発明の目的を達成できる
ことを見出し、本発明に到達したものである。
【0014】即ち、本発明は、磁性粉及び研磨剤を含有
する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記研磨剤
が高純度で結晶性の高いアルミナを主成分とし、前記研
磨剤に対して10ppm以上、250ppm以下のアル
カリ金属原子と、前記研磨剤に対して0.1重量%以下
(これは0であってもよい。)のケイ素原子とが、前記
研磨剤に含有されていることを特徴とする磁気記録媒体
(以下、本発明の磁気記録媒体と称することがある。)
に係るものである。
【0015】本発明者の検討によれば、一般に、純粋な
微粒子状の金属やセラミックスの表面は非常に活性が高
く、粒子間凝集力や触媒活性が強い。従って、多少のア
ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子等の不純物が研
磨剤の金属やセラミックスの粒子の表面に存在している
方が、研磨剤の分散性に優れる傾向がある。しかし、こ
れらの不純物が多すぎると、研磨剤の結晶性が低下し、
研磨力が低下し易くなり、また、滑剤として添加されて
いる脂肪酸等と反応して有機溶剤に不溶性の塩を形成
し、この塩がテープ等の表面に析出して磁性層の表面性
や信号の欠落等の電磁変換特性に悪影響を及ぼす等の弊
害が生じ易い。
【0016】本発明の磁気記録媒体によれば、研磨剤が
高純度で結晶性の高いアルミナを主成分とすることによ
って、高い研磨力を発揮すると同時に、表面の微量の不
純物として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属原子を
10ppm以上含みかつケイ素原子が0.1重量%以下
と少ないアルミナ(特にAl2 3 )とすれば、分散性
が向上することが判明した。こうした不純物量の特定に
よって、特に表面の塩基性が増すために、アニオン系の
極性官能基(例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫
酸基、リン酸基又はその塩)を有するバインダ(結合
剤)を使用した際に、結合剤に対する研磨剤の親和性が
増すので、研磨剤の分散効果が著しい。
【0017】そして、不純物によるダメージ(研磨力の
低下)を最小限に抑えるためには、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属原子の含有量が250ppm以下、ケイ
素原子含有量が0.1重量%以下、さらにアルミニウム
原子含有量が99.5重量%以上の結晶性に優れたアル
ミナとすることによって十分な研磨性が得られる。
【0018】以上の条件を満たすアルミナ、特にα−A
2 3 を使用すると、磁気特性、表面性が向上し、耐
久性を落とさずに電磁変換特性が改善される。
【0019】ここで、研磨剤の主成分であるアルミナが
上記の「高純度で結晶性の高い」とは、後述のX線回折
スペクトルの半値幅が0.300以下であることを意味
する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体において、
研磨剤に含まれるアルカリ金属原子は、リチウム、ナト
リウム、カリウム、ルビジウム等であり、アルカリ土類
金属原子はマグネシウム、カルシウム等である。
【0021】また、このアルカリ金属又はアルカリ土類
金属原子の研磨剤に対する含有量は、10ppm未満で
あると、研磨剤の分散性が劣化し、250ppmより多
くなると、滑剤として添加されている脂肪酸等に反応し
て有機溶媒に不溶性の塩を形成し、この塩がテープ等の
表面に析出して磁性層の表面性や信号の欠落等の電磁変
換特性に悪影響を及ぼす等の弊害があるので、10pp
m以上、250ppm以下の含有量とすべきである。こ
のアルカリ金属又はアルカリ土類金属原子の含有量は2
0〜180ppmがより好ましい。
【0022】また、ケイ素原子は、研磨剤の結晶性を損
なわない観点からは極めて少量であることが望ましい
が、このケイ素原子は研磨剤の主成分であるα−アルミ
ナの形状を保持する役割もあり、このケイ素原子を研磨
剤中に0.1重量%以下と少量含有させることによっ
て、α−アルミナ粒子の粒径をコントロールできる。
【0023】本発明の磁気記録媒体においては、アルミ
ナを主成分とする研磨剤、特に実質的にα−アルミナか
らなる研磨剤を使用することが望ましい。
【0024】この場合、研磨剤の金属成分の総量に対し
て、アルミニウム原子の含有量が99.5重量%以上で
あることが望ましい。
【0025】このα−アルミナ(α−Al2 3 )は、
研磨剤として多用されるβ−アルミナ(β−Al
2 3 )に比べて結晶性に優れ、酸化クロム(Cr2
3 )に比べてもモース硬度が高く、研磨力が非常に優れ
ている。
【0026】α−アルミナの金属成分の総量に対しての
アルミニウム原子の含有量は多いほど良い。但し、この
アルミニウム原子の含有量は上記したアルカリ金属又は
アルカリ土類金属原子及びケイ素原子の含有量を保有で
きる限度を超えてはならない。
【0027】また、α−アルミナの粒径は0.1〜0.
5μm、磁性層中の含有量は3〜15重量部であること
が望ましい。
【0028】研磨剤としては、上記したα−アルミナ等
のアルミナを主成分として使用するが、これに加えて、
酸化クロム、酸化チタン、α−酸化鉄、炭化ケイ素、コ
ランダム、(人造)ダイヤモンド等を少量併用してもよ
い。
【0029】本発明の磁気記録媒体においては、研磨剤
の表面が塩基性を呈するため、磁性層中に含まれる結合
剤がアニオン系の極性官能基を有するものであることが
望ましい。
【0030】即ち、所定量のアニオン系の極性官能基を
有する結合剤によって、研磨剤が結合剤を介して磁性層
中に均一に分散可能である。
【0031】このアニオン系の極性官能基としては、例
えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基
等の他、これらの塩が挙げられる。また、この極性基は
1種類でよいが、2種類以上含まれても構わない。
【0032】本発明の磁気記録媒体は、具体的には、磁
性粉及び研磨剤が結合剤中に分散されている磁性層が非
磁性支持体上に設けられている塗布型磁気記録媒体であ
る。
【0033】この磁気記録媒体において、磁性層に混入
される強磁性粉末、結合剤、硬化剤、帯電防止剤、防錆
剤、非磁性支持体、或いは磁性塗料を調製するのに使用
される溶剤は、従来公知のものがいずれも適用可能であ
り、何ら限定されない。
【0034】また、上記した各添加剤は、磁性塗料の混
合−分散の初期、途中、終了時いずれに添加してもよ
く、添加形態は粉末状としたり、磁性粉と別に分散した
スラリー状態で添加してよい。潤滑剤や防錆剤は、磁性
層が形成された後にトップコートしてもよい。
【0035】強磁性粉末としては、α−Feの他、γ−
FeOX (x=1.33〜1.5)、Co変性γ−Fe
X (x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたは
Coを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライトなど、公知の
強磁性材料を使用できる。またこれらの強磁性粉末には
所定の原子以外に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、
Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、S
b、Te、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、
Pb、Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、S
r、Bなどの原子が含まれいていもかまわない。
【0036】また、磁性層に用いる結合剤としては、い
ずれも公知の材料を使用できる。即ち、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エス
テル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビ
ニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂またはこれらの混合物な
どが挙げられる。
【0037】なかでも、柔軟性を付与するとされている
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体等や、剛性を付与するとされて
いるセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等が望ましい。
【0038】上記の結合剤は、イソシアネート化合物
(硬化剤)で架橋させることにより、耐久性を向上させ
たり、或いは、適当な極性基を導入させたものであって
もよい。
【0039】硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネー
ト及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと
活性水素化合物との付加体が好ましい。
【0040】芳香族ポリイソシアネートとしてはトルエ
ンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイ
ソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジ
イソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等
を挙げることができる。
【0041】また、脂肪族ポリイソシアネートとして
は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)等を挙げることができる。
【0042】これらと付加体を形成する活性水素化合物
としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリン等があり、付加体の平均分子量は、100〜
5,000の範囲のものが好ましい。
【0043】これらのイソシアネート系硬化剤の含有量
は前記結合剤100重量部に対して0〜30重量部であ
るのが望ましい。
【0044】また、潤滑剤としては、シリコーンオイ
ル、脂肪酸変性シリコーン、弗素含有シリコーン、また
はその他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコ
ール、アルキル燐酸エステル及び金属塩、ポリフェニル
エーテル、弗化アルキルエーテル、炭素数12〜24の
アルコール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していて
もかまわない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸及び脂
肪酸エステル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐してい
てもかまわない)、アルキルカルボン酸アミン塩及び弗
化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、な
どを使用できる。
【0045】上記の高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類の
具体的な例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン
酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、
リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ス
テアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ミリ
スチン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、
ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘプチル等がある。
また潤滑剤は、複数の潤滑剤を混合してもかまわない。
【0046】帯電防止剤としては、公知のカーボンブラ
ックを使用できる。例えば、アセチレンブラック、ファ
ーネスブラック、カラー用ブラック等を任意に使用でき
る。また、製造工程中のハンドリングを良くするため、
顆粒状のものを使用してもかまわない。カーボンブラッ
クの粒子径は、10〜1000nmの範囲のものを使用
するのが好ましい。
【0047】また、非磁性支持体の素材としては、一般
に磁気記録媒体に使用されるものを使用することがで
き、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースジアセテート、セルロースアセテー
トブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプラスチ
ック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、
チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリコン
等である。
【0048】非磁性支持体の形状も何ら限定されるもの
ではなく、テープ状、シート状、ドラム状等如何なる形
態であってもよい。更に、非磁性支持体には、その表面
性をコントロールするために、微細な凹凸が形成される
ような表面処理が施されてもよい。
【0049】また、磁性塗料を調製するための溶剤とし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチ
ルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系
炭化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリ
ン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられ
る。また、その他従来公知の有機溶媒を使用することが
できる。さらに、これらの溶剤を併用しても構わない。
【0050】磁性塗料を調製する方法としては、いずれ
も公知の方法を利用できる。例えば、ロールミル、ボー
ルミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、
バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダ
ー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー
及び超音波分散機等を用いることができる。
【0051】磁性塗料を塗布するに際しては、非磁性支
持体上に直接塗布する前に、接着剤層等の下塗り層を形
成したり、非磁性支持体上にコロナ放電処理や電子線照
射処理等の前処理を施しても構わない。
【0052】非磁性支持体上への塗布の方法としては、
エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコー
ト、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコー
ト、トランスファーロールコート、キャストコート等の
方法を挙げることができ、これら以外の方法も使用でき
る。
【0053】なお、磁性層は単層であってもよいし、2
層以上の多層であってもよい。そして、非磁性支持体上
の磁性層と同じ側に、α−酸化鉄、カーボンブラック、
酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ等の非磁性又は
磁性の非常に小さい粉末と、結合剤とを主体とする下塗
層を設けてもよい。
【0054】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、磁気記録媒体の構成はこれに限られず、例
えば非磁性支持体の磁性層が形成されている側とは反対
側に、非磁性又は磁性の粉末と結合剤とを主体としたバ
ックコート層が形成されていてよい。
【0055】バックコート層に用いる非磁性粉末として
は、カーボンブラックを主体とするものが一般的である
が、これ以外にも、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チ
タン、α−酸化鉄等が挙げられる。また、磁性粉末とし
ては、磁性層に用いるものとして上述したもののいずれ
も使用可能である。それらを単独又は組み合わせて用い
てもよい。結合剤及びその他の添加剤としては、磁性層
に用いるものとして上述したもののいずれも使用可能で
あり、それらを単独又は組み合わせて用いてもよい。
【0056】本発明の磁気記録媒体は、例えば図1に示
すように、非磁性支持体1上に、磁性層2を形成したも
のである。また、この磁性層とは反対側の支持体面には
バックコート層3が仮想線の如くに設けられてよいが、
これは必ずしも設ける必要はない。磁性層上にはオーバ
ーコート層を設けてよい。
【0057】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0058】以下に示す各種特性の測定及び評価を行っ
た。これらの結果は後記の表1に示す。
【0059】1.研磨剤粉体単独についての評価 (1)不純物解析 研磨剤1重量部と純水99重量部を容器に入れ、ウォー
ターバス中で90℃に保ち、表面の付着物を抽出した液
をイオンクロマト測定器(Dionex社製の2000i/S
P)にて、可溶性陽イオン及び極少量の陰イオンを検出
した。検出した陽イオンはナトリウムイオン、カルシウ
ムイオンであり、陰イオンは塩素イオン、硫酸イオンで
あった。
【0060】(2)蛍光X線元素分析 研磨剤をプレス機で板状に凝固させ、定法に従って研磨
剤中に含まれているケイ素原子及びアルミニウム原子の
含有量(重量%)を測定した(測定機器:理学電気工業
社製の蛍光X線測定器3370E)。
【0061】(3)X線回折 研磨剤約5重量部をガラス板の溝部分に固定させ、〔1
16〕面回折ピークの半値幅を測定した。この半値幅が
小さいほど結晶性に優れている(測定機器:理学電気工
業社製のX線回折装置「RAD−IIC」、X線源:Cu
−Kα、Kβ線、フィルター:Ni)。
【0062】(4)pH値測定 研磨剤5重量部と純水50重量部を容器に入れ、煮沸
し、常温に戻した後、自動pHメーター(東亜電波工業
社製のガラス電極pHメーターS HM−50S)にて
pH値を測定した。
【0063】2.研磨剤単独の塗膜についての評価 塗料組成: α−アルミナ(研磨剤) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(結合剤) 20重量部 (−SO3 Na基0.08mmol/g含有) (東洋紡社製のUR−8300) メチルエチルケトン(溶剤) 60重量部 トルエン(溶剤) 40重量部 シクロヘキサノン(溶剤) 20重量部
【0064】この組成物の全量を混合容器内に投入し、
約24時間、サンドミルを用いて混合分散を行った。攪
拌後、塗料はポリエチレンテレフタレートベースフィル
ム上にドクターブレードを用いて塗布し、次に示す測定
を行った。
【0065】(1)研磨力 摩耗試験機(新東科学社製の表面性測定機14DR)に
て、研磨剤単独の塗膜上に一定の条件下でスチールボー
ル(鋼球)を走らせ、その削れ具合を摩耗面について光
学顕微鏡で写真撮影して、鋼球摩耗径を測定した。
【0066】但し、摩耗半径r(cm)、鋼球半径R
(cm)、X0 =(R2 −r2 1/2とし、 摩耗堆積V=2/3πR2 −πr2 0 +1/3πX0 (後記の表1中の単位は10-6cm3 )で表した。
【0067】(2)分散性 グロスメーター(日本電色工業社製VGS−センサー)
を用いて光沢度を測定した。但し、入出射角は、60度
とした。後記の表1中の値は反射率であり、大きいほど
分散性が良い。
【0068】3.研磨剤含有の磁性層を設けたテープの
特性評価 塗料組成: α−Fe(磁性粉) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(結合剤) 10重量部 (−SO3 Na基0.08mmol/g含有) (東洋紡社製のUR−8300) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(結合剤) 10重量部 (−SO3 K基0.06mmol/g含有) (日本ゼオン社製のMR−110) ステアリン酸(潤滑剤) 1重量部 ブチルステアレート(潤滑剤) 1重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 80重量部 トルエン(溶剤) 80重量部 シクロヘキサノン(溶剤) 40重量部
【0069】この組成物に、研磨剤を10重量部添加
し、サンドミルに投入し、約5時間混合分散を行った。
この後、塗料をポリエチレンテレフタレートベースフィ
ルム上に、グラビアコートを用いて塗布し、カレンダ処
理後、下記組成の塗料を用いてバックコ−ト層を設け、
硬化処理後に8mm幅に裁断し、サンプルテープを作成
した。但し、磁性層の厚みは3μm、ベースフィルム
(非磁性支持体)の厚みは7μm、バックコ−ト層の厚
みは1μmであった。
【0070】 バックコート層用塗料組成: カーボンブラック(非磁性粉末) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(結合剤) 50重量部 (−SO3 Na基0.08mmol/g含有) (東洋紡社製のUR−8300) オレイン酸(潤滑剤) 3重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 70重量部 トルエン(溶剤) 30重量部
【0071】こうして作製されたサンプルテープは、後
記の表1に示す如く磁性層に各種組成のα−アルミナを
研磨剤として添加したものであり、それぞれのテープに
ついて次の評価を行った。
【0072】(1)表面性 磁気テープの磁性層の表面性を非接触式3次元粗度計
(小坂研究所社製の非接触式3次元微細形状測定器ET
−30HK)にて、中心線の平均粗さ(SRa)を測定
した。
【0073】(2)角型比 磁気テープの静磁気特性(角型比Rs:Br/Bm)を
振動試料型磁気特性測定器(東英工業社製のVSM)に
て測定した。
【0074】(3)電磁変換特性 磁気テープをカセットに組み込み、これに改造8mmビ
デオデッキ(ソニー社製のEV−S2200)にて5M
Hzの信号を記録再生した場合の再生出力を測定して、
リファレンステープ(再生出力0dB)に対する相対値
(dB)として求めた。
【0075】(4)スチル耐久性 改造8mmビデオデッキ(ソニー社製のEV−S220
0)にて、静止画モードで記録済みテープの再生を行
い、信号出力が3dB以上低下したところを寿命と判定
し、120分で打ち切りとしてスチル耐久性(分)を求
めた。
【0076】ここで、上記の研磨剤としては、後記の表
1中、例1〜4は有機金属法、例5〜20は改良バイヤ
ー法で製造した研磨剤を使用した。但し、有機金属法と
は、ボーキサイトを電気分解し、イソプロピルアルコー
ルを加えて加水分解した後、焼成し、α−Al2 3
する方法であり、改良バイヤー法とは、ボーキサイトを
NaOHで溶解し、更に冷却、水洗(Na除去)した
後、焼成し、α−Al23 とする方法である。
【0077】また、例20、21はそれぞれ、研磨剤の
アルカリ金属としてナトリウムの代わりにリチウム、カ
リウムを使用したサンプルである。例22については、
研磨剤を予め混合分散(別分散)し、別途分散させた磁
性層成分と共に、さらに混合分散したサンプルである。
例23は、結合剤として−SO3 Na基を有しない樹脂
を用いたサンプルである。例24は、例6においてナト
リウムの代わりに研磨剤にカルシウム(アルカリ土類金
属)を含有させた場合に得られたサンプルである。
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】 *カルシウムイオン
【0084】<結果>表1から、研磨剤に含有されるア
ルカリ金属原子の含有量が10ppm以上、250pp
m以下のサンプルは、研磨剤の分散性及び結晶性にも優
れ、研磨力も十分であるため、角型比、表面粗度、電磁
変換特性及びスチル耐久性に優れた磁気テープが得られ
ることが分かった。このアルカリ金属原子は、20〜1
80ppm含有することがより好ましい。
【0085】また、研磨剤に含有されるケイ素原子の含
有量が、0.1重量%以下のサンプルも、研磨剤の分散
性及び結晶性にも優れ、研磨力も十分であるため、角型
比、表面粗度、電磁変換特性及びスチル耐久性に優れた
磁気テープが得られることが分かった。
【0086】また、例20及び21から、アルカリ金属
原子としてナトリウム原子の他にリチウム原子、カリウ
ム原子も使用できることがわかった。更に、アルカリ金
属原子以外にも、アルカリ土類金属原子(カルシウム原
子)も使用できることがわかった。
【0087】また、結晶性の高い(X線回折スペクトル
の半値幅が0.300以下の)α−アルミナを使用する
ことにより、研磨力、分散性及び表面性に優れた磁気テ
ープを得ることができた。
【0088】また、例22のように、研磨剤を予め混合
分散し、磁性層成分と共にさらに混合分散したサンプル
も、角型比、表面粗度、電磁変換特性及びスチル耐久性
にさらに優れることが分かった。
【0089】さらに、例23と例6との比較から、研磨
剤が塩基性(pH>7)を呈しているため、極性官能基
を有する結合剤を使用した方が、分散性等が向上するこ
とが分かった。
【0090】研磨剤の製造方法についても、有機金属法
で製造した場合よりも改良バイヤー法で製造した場合の
方が、より良い結果を得られた。
【0091】
【発明の作用効果】本発明によれば、上述した如く、高
純度で結晶性の高いアルミナを主成分とする研磨剤にお
いて、前記研磨剤に対して10ppm以上、250pp
m以下のアルカリ金属又はアルカリ土類金属原子と、前
記研磨剤に対して0.1重量%以下のケイ素原子とを、
前記研磨剤に含有させることによって、表面性、研磨力
に優れ、かつ、ドロップアウト等の弊害を招くこともな
く、分散性に優れた磁性層を得ることができ、さらに、
角型比、表面粗度、電磁変換特性及びスチル耐久性に優
れた磁気記録媒体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁気記録媒体の一例の断面図で
ある。
【符号の説明】 1…非磁性支持体、2…磁性層、3…バックコート層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉及び研磨剤を含有する磁性層を有
    する磁気記録媒体において、前記研磨剤が高純度で結晶
    性の高いアルミナを主成分とし、前記研磨剤に対して1
    0ppm以上、250ppm以下のアルカリ金属又はア
    ルカリ土類金属原子と、前記研磨剤に対して0.1重量
    %以下のケイ素原子とが、前記研磨剤に含有されている
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 研磨剤の主成分が実質的にα−アルミナ
    であり、さらに、前記研磨剤の金属成分の総量に対して
    アルミニウム原子の含有量が99.5重量%以上であ
    る、請求項1に記載した磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 磁性粉及び研磨剤が結合剤中に分散され
    てなる塗布型の磁性層を有する、請求項1に記載した磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 研磨剤の表面が塩基性を呈する、請求項
    1に記載した磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 結合剤がアニオン系の極性官能基を有す
    る、請求項1に記載した磁気記録媒体。
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