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JPH1027331A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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Publication number
JPH1027331A
JPH1027331A JP8182377A JP18237796A JPH1027331A JP H1027331 A JPH1027331 A JP H1027331A JP 8182377 A JP8182377 A JP 8182377A JP 18237796 A JP18237796 A JP 18237796A JP H1027331 A JPH1027331 A JP H1027331A
Authority
JP
Japan
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magnetic
weight
resin
parts
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8182377A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Ota
栄治 太田
Toshitsugu Ono
敏嗣 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP8182377A priority Critical patent/JPH1027331A/ja
Publication of JPH1027331A publication Critical patent/JPH1027331A/ja
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  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系共重合体樹脂とポリエステルポリ
ウレタン樹脂等との相溶性を改善し、分散性と耐久性に
優れた高密度記録対応の磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 磁気記録媒体に供される結合剤が水酸基
を有するアクリル系共重合体にモノイソシアネート化合
物をウレタン結合が0.2mmol/g以上1mmol
/g以下修飾した樹脂とポリウレタン系樹脂とを有する
ことを特徴とする。製造方法では水酸基を有するアクリ
ル系共重合体にモノシアネート化合物をウレタン基量が
0.2mmol/g以上1mmol/g以下修飾させた
樹脂とポリウレタン系樹脂とを有する結合剤と磁性粉末
とを混練して磁性塗料とする工程と磁性塗料を非磁性支
持体に塗布し磁性層形成工程を有することを特徴とす
る。 【効果】 磁性層における磁性粉末を均一に分散させる
ことができるので、高密度記録に対応できるとともに耐
久性に優れた磁気記録媒体が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体および
その製造方法に関し、さらに詳しくは、磁性粉末と結合
剤を主体とする磁性層が非磁性支持体上に形成された磁
気記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野ではビデオ機器の
高画質化の進行あるいはアナログ記録からデジタル記録
への転換等が図られ、磁気記録再生装置においては益々
短波長記録化の方向にある。従って、磁気記録媒体には
スペーシングロスを小とする表面の平滑化、電磁変換特
性を向上させる磁性粉末の高充填性および長時間且つ多
数回の使用に耐えうる高耐久性の何れも兼ね備えている
ことが要求されている。磁気記録媒体表面の平滑化およ
び磁性粉末の高充填性の要求に対応してより微細化され
た磁性粉末を使用すると、表面の平滑化および磁性粉末
の高充填性については改善されるが、比表面積の増加と
ともに表面エネルギーも増加して磁性粉末の分散性が悪
化する。分散性が悪化すると充填性も悪化する為、ポリ
エステルフィルム等の非磁性支持体上に形成される磁性
層には多くの空隙が形成され、この空隙数は供給される
潤滑剤が必要とする空隙数以上となる場合がある。余分
な空隙が形成されると磁性塗膜は非常に脆いものとな
り、例えば磁気記録媒体の一例である磁気テープが記録
再生ヘッド等に摺動される際に磁性粉末、添加剤あるい
は結合剤等が脱落し、ドロップアウト等の記録再生特性
の劣化を招く虞がある。
【0003】上述した分散性の向上と磁性層からの磁性
粉末等の脱落を改善する手段として、結合剤に塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−プロピオン酸共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、
アクリル共重合体等が提案され、さらにこれ等の結合剤
に−SO3 M、−OSO3 M、−OH、−COOH、−
PO3 2 、−OPO3 2 、−N<、−CON<(但
し、Mは水素原子またはアルカリ金属である)等の親水
性官能基を一つ以上併せ持たせることにより、磁性粉末
の分散性に効果を有することが提案されている。
【0004】しかしながら、このような結合剤を用いて
も、より微細化された磁性粉末においては十分満足する
分散性が得られていないのが実情である。この為、磁性
粉末、結合剤および各種添加剤とを高い剪断力で混練す
る工程と、混練された混練物を長時間攪拌して希釈分散
させる工程と、ビーズミル等のような摩擦力が大きい分
散機で分散させる工程が必要であり、これ等の工程は発
熱を伴う多くの工数を要するものである。また、塩化ビ
ニル系共重合体は加熱とともに塩素ガスを発生させ、磁
性粉末を腐食させるのみならず環境保護の観点からも問
題である。このような問題点を改善する結合剤として、
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、(メタ)アク
リル酸エステル−アクリロニトリル共重合体等のアクリ
ル系共重合体樹脂が提案されており、これ等は分散性、
対溶剤性および環境保護に関しても優れているものであ
る。しかしながら、ガラス転移点温度が比較的高い為、
ポリエステルフィルム等の非磁性支持体に形成する磁性
層としては硬くて脆いものとなり、磁気記録媒体として
の耐久性に問題があった。
【0005】そこで、(メタ)アクリル酸エステル樹脂
等との接着性および分散性の何れにも良好であるポリエ
ステルポリウレタン樹脂との組み合わせが注目されつつ
ある。しかしながら、この(メタ)アクリル酸エステル
樹脂等を他の樹脂と複合して使用する場合、ウレタン基
等の極性部分を有するポリエステルポリウレタン樹脂等
との相溶性、分散性、粉落ちおよび接着性等が良好でな
く、磁気記録媒体としての耐久性に問題があった。従っ
て、(メタ)アクリル酸エステル樹脂等とウレタン基等
の極性部分を有するポリエステルポリウレタン樹脂等と
の相溶性、分散性、粉落ちおよび接着性等を改善する技
術が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アク
リル系共重合体樹脂とポリエステルポリウレタン樹脂等
との相溶性や分散性等を改善し、耐久性に優れた高密度
記録に対応する磁気記録媒体およびその製造方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを主
体とした磁性層が形成された磁気記録媒体では、結合剤
が、水酸基を有するアクリル系共重合体に、モノイソシ
アネート化合物をウレタン基量が0.2mmol/g以
上1mmol/g以下、望ましくは0.2mmol/g
以上0.8mmol/g以下修飾した樹脂とポリウレタ
ン系樹脂とを有するものであることを特徴とする。
【0008】また本発明の磁気記録媒体の製造方法で
は、水酸基を有するアクリル系共重合体にモノシアネー
ト化合物をウレタン基量が0.2mmol/g以上1m
mol/g以下、望ましくは0.2mmol/g以上
0.8mmol/g以下修飾させた樹脂とポリウレタン
系樹脂とを有する結合剤と、磁性粉末とを混練して磁性
塗料とする工程と、磁性塗料を非磁性支持体に塗布し、
磁性層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0009】そして、磁気記録媒体およびその製造方法
における望ましい実施態様としては、結合剤100重量
部に対して、アクリル系共重合体が20重量部以上80
重量部以下とするものである。
【0010】上述した手段による作用としては、(メ
タ)アクリル酸エステル樹脂等とウレタン基等の極性部
分を有するポリエステルポリウレタン樹脂等との相溶
性、分散性、粉落ちおよび接着性等が改善されることで
ある。
【0011】
【実施例】本発明において用いられるポリエステルポリ
ウレタン樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールの脱
水反応で得られるポリエステルポリオールと少なくとも
二個以上のイソシアネートを有する(ポリ)イソシアネ
ート化合物を付加反応して得られる樹脂である。ポリエ
ステルポリオールは多価アルコールとして、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1、4−ブタンジオ
ール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオ
ール、1、6−ヘキサンジオールまたはネオペンチルグ
リコール等が使用でき、多価カルボン酸としてテレフタ
ル酸、イソフタル酸、1、5−ナフタル酸、アジピン
酸、コハク酸またはアゼライン酸等が使用できる。ポリ
イソシアネートはトリレンジイソシアネート、4、4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート等
が使用できる。また、ポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートからポリエステルポリウレタン樹脂を製造
するに際しては、前記した多価アルコール類、脂肪族ポ
リアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン等公知
の鎖伸長剤を適量使用することが好ましい。ポリエステ
ルポリウレタン樹脂の製造方法としては、ポリエステル
ポリオールと(ポリ)イソシアネート化合物および/ま
たは多価カルボン酸や多価アルコール、あるいは多価ア
ミノ基含有化合物を溶液中で反応させるものと、前記し
た各材料を混練機により温度調節を行いつつ攪拌して反
応させた後、脱水して半固形あるいは固形の樹脂を得る
ものとがあるが、何れも何ら問題なく使用可能である。
このようにして得られるポリエステルポリウレタン樹脂
には、磁性粉末と樹脂との吸着性の向上および磁性粉末
の分散性向上を目的として、−SO3 M、−OSO
3 M、−OH、−COOH、−PO3 2 、−OPO3
2 、−N<、−CON<(但し、Mは水素原子または
アルカリ金属)等の親水性官能基を一つ以上有するよう
な化合物を選定し、前記した公知の極性基を適当な割合
で有するものとすることができる。一般的には平均分子
量が5000g/mol以上100000g/mol以
下であり、望ましくは10000g/mol以上600
00g/mol以下であり、適用量としては磁性層中に
含有する全結合剤樹脂100重量部に対して10重量部
以上90重量部以下であり、望ましくは20重量部以上
80重量部以下である。
【0012】また、水酸基アクリル系共重合体にモノイ
ソシアネート化合物を修飾した樹脂は、アクリル系単量
体と水酸基を有するアクリル系単量体を主剤として、お
よび/またはラジカル重合性単量体と水酸基を有するラ
ジカル重合性単量体を共重合して得られるアクリル系共
重合体にモノイソシアネート化合物を修飾した樹脂であ
る。アクリル系単量体としてはメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチル(メ
タ)アクリレート等のアリキル系(メタ)アクリレート
類、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエ
チル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレート類、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコール
モノ(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸ヒドロキシプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリセロー
ルモノ(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
等があり、このアクリル系単量体は一種類以上であれば
良く、水酸基を有するラジカル系単量体を含まない場合
においても、本発明の水酸基を有するアクリル系単量体
を組み合わせて使用すれば何ら問題は生じない。前記し
たアクリル系単量体以外のラジカル系単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、無水マレイン酸、イタ
コン酸、フェニルマレイミド等があり、これ等の単量体
はアクリル系単量体100重量部に対して50重量部以
下の範囲で使用することができる。
【0013】本発明において使用される単量体の種類と
量は、得られる共重合体のガラス転移点温度および磁気
記録媒体に使用される他の樹脂、例えばウレタン樹脂と
の相溶性、磁性層の物性に応じて選定すれば良く、本発
明の水酸基を有するアクリル系共重合体をモノイソシア
ネート化合物で修飾した後に、ガラス転移点温度やウレ
タン樹脂との相溶性、磁性層の物性を満足するように選
定すれば良い。
【0014】さらに、水酸基を有するアクリル系共重合
体を修飾するモノイソシアネート化合物としては、イソ
シアン酸イソブチル、イソシアン酸イソプロピル、イソ
シアン酸プロペニル、メチルイソシアネート、エチルイ
ソシアネート、フェニルイソシアネート、α−ナフチル
イソシアネート、β−ナフチルイソシアネート、イソシ
アン酸トリル等のイソシアン酸エステル類があり、モノ
イソシアネートを有する化合物であれば何ら問題はな
い。水酸基を有するアクリル系共重合体にモノイソシア
ネートを修飾する方法としては、アクリル系共重合体を
シクロヘキサノン、メチルエチルケトンまたはアセトン
等の溶媒に溶解した溶液にモノイソシアネート化合物を
添加、攪拌、必要に応じて加熱と調節を行い反応させる
方法、アクリル系共重合体の溶解した溶液にモノイソシ
アネートを添加して水分を遮断できる容器内に保存す
る、あるいは必要に応じて加熱しながら保存する方法
等、モノイソシアネート化合物とアクリル系共重合体が
十分に反応する修飾方法であれば如何なるものでも構わ
ない。イソシアネート化合物で修飾したアクリル系共重
合体には、磁性粉末への樹脂の吸着性と分散性の向上を
目的として、−SO3 M、−OSO3 M、−OH、−C
OOH、−PO3 2 、−OPO3 2 、−N<、−C
ON<(但し、Mは水素原子またはアルカリ金属)等の
親水性官能基を一つ以上有するような化合物を選定し、
前記した公知の極性基を適当な割合で有するものとする
ことができる。一般的には平均分子量が5000g/m
ol以上100000g/mol以下であり、望ましく
は10000g/mol以上60000g/mol以下
であり、適用量としては磁性層中に含有する全結合剤樹
脂100重量部に対して10重量部以上90重量部以下
であり、望ましくは20重量部以上80重量部以下であ
る。アクリル系共重合体の結合剤樹脂に対する混合比率
が10重量部未満の場合には磁性層が軟らかすぎ、磁気
ヘッドにはりつきを起こす虞が大となり、80重量部を
超えると磁性層が硬くて脆くなり、耐久性を劣化させる
虞が大となる。
【0015】水酸基を有するアクリル系共重合体に修飾
するモノイソシアネート化合物の量としては、ウレタン
結合が0.2mmol/g以上1mmol/g以下、望
ましくは0.2mmol/g以上0.8mmol/g以
下が適当である。モノイソシアネート化合物の修飾量が
0.2mmol/g以下ではポリウレタン樹脂との骨格
にも共通するウレタン結合の含有量が少なく、十分な相
溶性が得られず塗膜となった時の組成のムラが生じ易く
なり、磁気記録媒体の走行時等における粉落ちが多くな
り耐久性が悪化する。また、モノイソシアネート化合物
の修飾量が1mmol/g以上では、ポリウレタン樹脂
との骨格にも共通するウレタン結合の含有量が多いので
相溶性は十分なものとなるが、ウレタン結合部分の極性
部分が多くなり過ぎる為に塗料調整溶媒への溶解性が不
十分なものとなり、分散性の低下あるいは塗膜となった
時の組成のムラが生じ易くなり、磁気記録媒体の走行時
等における粉落ちが多くなり耐久性が悪化する。
【0016】本発明の磁気記録媒体としては、先ず磁性
塗料を非磁性支持体表面に塗布することにより磁性層が
形成される塗布型の磁気記録媒体に適用可能であるが、
非磁性支持体や磁性層を構成する磁性粉末等においては
従来公知のものは何れも適用することができる。磁性粉
末を例示すれば、γ−Fe2 3 、Fe3 4 、γ−F
2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合物、Coを
含有するγ−Fe2 3 、Coを含有するFe3 4
Coを含有するγ−Fe2 3 とFe3 4 とのベルト
ライド化合物、CrO2 に一種またはそれ以上の金属元
素、例えばTe、Sb、Fe、Bi等を含有させた酸化
物、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、
Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−M
n、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−N
i、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−
Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co
−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等が挙げられる。勿論、
還元時の焼結防止または形状維持等の目的で添加される
Al、Si、P、B等の軽金属元素が適当量含有して
も、本発明の効果を妨げるものではない。
【0017】本発明において使用可能な他の樹脂結合剤
としては、本発明のモノイソシアネートの水酸基を有す
るアクリル系共重合体を修飾した樹脂を10重量部以上
90重量部以下使用し、ウレタン樹脂を10重量部以上
90重量部以下使用する他に、本発明の効果を損なわな
い範囲において、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、合成ゴム等の熱可塑性樹脂を使
用することができる。さらに、従来より公知の結合剤と
しての熱可塑性樹脂には、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂がある。磁性層およ
び下層非磁性層におけるこれ等結合剤は、磁性粉末およ
び下層非磁性層100重量部に対して1重量部以上20
0重量部以下であり、望ましくは1重量部以上50重量
部以下である。結合剤の量が多過ぎると相対的に磁性粉
末の磁性層に占める割合が低下して出力の低下を招き、
少な過ぎると磁性層および下層非磁性層の力学的強度が
低下し、耐久性を劣化させる虞が大となる。
【0018】本発明においては必要に応じて潤滑剤、非
磁性補強粒子、導電性粒子、界面活性剤等を磁性層およ
び下層非磁性層に適量含有させることができる。潤滑剤
としては黒鉛、二硫化モリブデン、シリコーンオイル、
炭素数10ないし22までの脂肪酸、炭素数10ないし
22までの脂肪酸と炭素数2ないし26までのアルコー
ルから成る脂肪酸エステル、テルペン系化合物、テルペ
ン系化合物のオリゴマー等がある。非磁性補強粒子とし
ては酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤ
モンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素等あり、磁
性粉末100重量部に対して20重量部、望ましくは1
0重量部以下が良い。そして平均粒径は1.0μm以
下、望ましくは0.5μm以下が良い。導電性粒子とし
てはカーボンブラック、黒鉛、その他金属粒子等があ
る。界面活性剤としてはノニオン系、アニオン系、カチ
オン系、両性の界面活性剤等がある。
【0019】非磁性支持体としてはポレエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート等のポ
リエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等
のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリカ
ーボネート類に代表されるような高分子材料あるいは金
属、ガラス、セラミックス等がある。
【0020】非磁性支持体に磁性層を形成するには、塗
料にした磁性層形成材料を非磁性支持体に塗布乾燥させ
るが、磁性層形成材料を塗料にする場合の溶剤としては
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、
エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸
エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系
溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エ
トキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレン
クロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等がある。
【0021】また、磁性層形成材料を塗料にするための
分散や混練にはロールミル、ボールミル、サンドミル、
アジター、ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザ
ー、超音波分散機等が用いられ、塗料を非磁性支持体に
塗布するにはグラビアコーター、ナイフコーター、ワイ
ヤーバーコーター、ドクターブレードコーター、リバー
スロールコーター、ディッピングコーター、エアナイフ
コーター、ダイコーター等が用いられる。そして、下層
非磁性層が非磁性支持体に塗布され湿潤状態にある状態
で、磁性層をダイコーター等により下層非磁性層上に塗
布すれば良く、本発明の効果が損なわれない範囲におい
て塗布方法は任意である。
【0022】以下、本発明の具体的な実施例について説
明するが、これに限定されるものでないことは言うまで
もない。
【0023】実施例1 先ず、メチルメタクリレート70重量部、ベンジルメタ
クリレート15重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート15重量部を含有するポリメチルメタクリレート
樹脂を合成する。
【0024】次に、アクリル系共重合体100重量部を
溶解したシクロヘキサノン溶液にフェニルイソシアネー
トを5重量部添加し、窒素ガスで容器内を置換した後に
60℃に加熱しつつ4時間攪拌し、修飾させる。
【0025】次に、修飾したアクリル系共重合体が含ま
れる溶液を5000重量部のメタノールに滴下し、上澄
みを除く沈殿物に再度メタノールを5000重量部加え
て濾過洗浄を行う。そしてこれを乾燥させることにより
アクリル系共重合体が得られる。このアクリル系共重合
体の特性を以下に示す。 重量平均分子量 56000g/mol N元素量 0.04重量% 但し、この樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)
は高速液体クロマト(昭和電工社製)で測定し、N元素
量はCHN元素分析機(パーキンエルマー社製)で測定
したものである。また、アクリル系共重合体の修飾前の
溶液を乾燥して得られた樹脂を元素分析した結果、N元
素量が0.00重量%であったことからN元素を含むフ
ェニルイソシアネートによる修飾が確認できた。
【0026】次に、アクリル系共重合体とポリウレタン
樹脂に添加剤としてカーボン、α−Al2 3 を加え、
以下の塗料組成にて混合、混練、分散を経て塗料化し
た。 磁性粉末 100重量部 アクリル系共重合体 10重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂10重量部 (−SO3 Na含有) α−Al2 3 2重量部 (平均粒径240nm) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 ミリスチン酸 2重量部
【0027】次に、得られた磁性塗料に硬化剤としてイ
ソシアネート化合物であるコロネートL(日本ポリウレ
タン社製)を添加し、14μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に塗布、配向、乾燥する。そして、
表面処理工程としてカレンダー処理を行い、硬化促進の
為に60℃の硬化炉に24時間入れ硬化させ、磁気テー
プを完成した。
【0028】実施例2 本実施例はフェニルイソシアネートを、実施例1の半分
である2.5重量部添加した以外は実施例1と同様の工
程で磁気テープを得たものである。
【0029】実施例3 本実施例はフェニルイソシアネートを、実施例1の倍で
ある10重量部添加した以外は実施例1と同様の工程で
磁気テープを得たものである。
【0030】実施例4 本実施例はフェニルイソシアネートで修飾したアクリル
系共重合体の仕込み量を実施例1の10重量部から4重
量部とし、ポリウレタン樹脂の仕込み量を10重量部か
ら16重量部とした以外は実施例1と同様の工程で磁気
テープを得たものである。
【0031】実施例5 本実施例はフェニルイソシアネートで修飾したアクリル
系共重合体の仕込み量を実施例1の10重量部から16
重量部とし、ポリウレタン樹脂の仕込み量を10重量部
から4重量部とした以外は実施例1と同様の工程で磁気
テープを得たものである。
【0032】比較例1 本比較例はアクリル系共重合体をフェニルイソシアネー
トで修飾せずに10重量部とし、ポリウレタン樹脂を1
0重量部とした以外は実施例1と同様の工程で磁気テー
プを得たものである。
【0033】比較例2 本比較例はフェニルイソシアネートを1.5重量部とし
た以外は実施例1と同様の工程で磁気テープを得たもの
である。
【0034】比較例3 本比較例はフェニルイソシアネートを15重量部とした
以外は実施例1と同様の工程で磁気テープを得たもので
ある。
【0035】比較例4 本比較例は水酸基を有する2−ヒドロキシエチルメタク
リレート15重量部を入れずにアクリル系共重合体を作
製した以外は実施例1と同様の工程で磁気テープを得た
ものである。
【0036】比較例5 本比較例はフェニルイソシアネートで修飾したアクリル
系共重合体の代わりにニトロセルロース1/8タイプを
使用した以外は実施例1と同様の工程で磁気テープを得
たものである。
【0037】比較例6 本比較例はフェニルイソシアネートで修飾したアクリル
系共重合体の代わりに塩化ビニル系共重合体(商品名M
R−110AN、日本ゼオン社製)を使用した以外は実
施例1と同様の工程で磁気テープを得たものである。
【0038】比較例7 本比較例はフェニルイソシアネートで修飾したアクリル
系共重合体の仕込み量を実施例1の10重量部から1重
量部とし、ポリウレタン樹脂の仕込み量を10重量部か
ら19重量部とした以外は実施例1と同様の工程で磁気
テープを得たものである。
【0039】比較例8 本比較例はフェニルイソシアネートで修飾したアクリル
系共重合体の仕込み量を実施例1の10重量部から19
重量部とし、ポリウレタン樹脂の仕込み量を10重量部
から1重量部とした以外は実施例1と同様の工程で磁気
テープを得たものである。
【0040】上述した実施例1ないし実施例5と比較例
1ないし比較例8の特性を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】また、実施例1〜5と比較例1〜8の評価
として、磁性層の分散性についてはグロスメーター(日
光電色工業社製)で光沢度で評価し、光線の入射角度は
45°とし、JIS−8741に準ずるものとした。磁
気特性は試料振動型磁力計で測定した。耐久性の評価と
しては8mmビデオテープレコーダ(ソニー社製)で7
MHz の信号を記録し、200回走行させた後の再生出
力の変化をオシロスコープで測定した。これを表2に示
す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例1、2および3のようにウレタン基
量が0.2mmol/g以上1mmol/g以下修飾処
理されたアクリル系共重合体と、比較例1〜4のように
ウレタン基量が0.2mmol/g以上1mmol/g
以下修飾処理されなかったアクリル系共重合体とを比較
すると、比較例1〜4は磁気特性および走行耐久性の何
れも実施例1、2および3よりも劣っていることが明ら
かである。比較例1、2で使用したアクリル系共重合体
は水酸基を含有し水素結合の極性が強く、また、比較例
4で使用したアクリル系共重合体は水酸基を含有せず水
素結合性の極性は少ないが、極性の有無に関わらずポリ
ウレタン樹脂との相溶性が悪かった。この為に磁気特性
および走行耐久性が劣っていたものと推察される。これ
に対して、モノイソシアネート0.2mmol/g以上
1mmol/g以下修飾処理されたアクリル系共重合体
は、ウレタン樹脂の骨格にも共通するウレタン結合を適
当量含有する為にポリウレタン樹脂との相溶性が良好な
ものとなる。このことにより、ポリウレタン樹脂と併用
するアクリル系共重合体としてモノイソシアネートによ
るウレタン基量が0.2mmol/g以上1mmol/
g以下修飾処理されたものとすれば分散性、磁気特性、
走行耐久性の何れも良好な磁気テープとすることができ
た。
【0045】また、モノイソシアネートによりイソシア
ネートを修飾されたアクリル系共重合体の結合剤樹脂中
の混合比率が20〜80%である実施例1、4および5
と、混合比率が20〜80%以外である比較例7および
8を比較すると、比較例7および8では実施例1、4お
よび5よりも走行耐久性よりも劣っていることが明らか
である。混合比率が5%である比較例7では塗布膜が軟
らかく塑性流動等による塗布膜破壊が起きやすく、混合
比率が95%である比較例8では塗布膜が硬過ぎて摺動
による塗布膜の微細な割れ等による粉落ち、あるいは磁
性粉末や塗布膜の接着性の低下が生じやすい為に走行耐
久性が劣っているものとなっている。このことから、ア
クリル系共重合体とポリエステルポリウレタン樹脂とを
結合剤として使用する場合においては、耐久性を良好と
する為にその構成比が重要であることは明らかである。
【0046】一方、結合剤としてアクリル系共重合体に
変えてニトロセルロースの混合物を使用した比較例5で
は磁性粉末が結合剤中に良好に分散せず、磁性塗料を製
作することができなかった。また、結合剤としてアクリ
ル系共重合体に変えて塩化ビニル共重合体の混合物を使
用した比較例6では磁性塗料の製作はできたものの、製
作された磁気テープは磁気特性および走行耐久性の何れ
も実施例1、2、3、4および5のものよりも劣ってお
り、燃焼させた場合には塩化水素が発生し環境保護の観
点から問題である。
【0047】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体およびその製造方
法によれば、アクリル系共重合体樹脂とポリエステルポ
リウレタン樹脂等との相溶性が改善され、磁性層におけ
る磁性粉末を均一に分散させることができる。従って、
高密度記録に対応できるとともに耐久性に優れた磁気記
録媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHX C09D 175/04 PHX G11B 5/842 G11B 5/842 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを
    主体とした磁性層が形成された磁気記録媒体において、 前記結合剤が、 水酸基を有するアクリル系共重合体に、モノイソシアネ
    ート化合物をウレタン基量が0.2mmol/g以上1
    mmol/g以下修飾した樹脂と、 ポリウレタン系樹脂とを有するものであることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記ウレタン基量が0.2mmol/g
    以上0.8mmol/g以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記結合剤100重量部に対して、前記
    アクリル系共重合体が20重量部以上80重量部以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 水酸基を有するアクリル系共重合体に、
    モノシアネート化合物をウレタン基量が0.2mmol
    /g以上1mmol/g以下修飾させた樹脂と、 ポリウレタン系樹脂とを有する結合剤と、 磁性粉末とを混練して磁性塗料とする工程と、 前記磁性塗料を非磁性支持体に塗布し、磁性層を形成す
    る工程とを有することを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ウレタン基量が0.2mmol/g
    以上0.8mmol/g以下であることを特徴とする請
    求項4に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記結合剤100重量部に対して、前記
    アクリル系共重合体が20重量部以上80重量部以下で
    あることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103849263A (zh) * 2012-11-30 2014-06-11 浙江恒丰包装有限公司 高韧度耐揉搓电化铝的烫印胶及其制备方法

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