JPH10270756A - 窒化ガリウム系化合物半導体装置 - Google Patents
窒化ガリウム系化合物半導体装置Info
- Publication number
- JPH10270756A JPH10270756A JP7509097A JP7509097A JPH10270756A JP H10270756 A JPH10270756 A JP H10270756A JP 7509097 A JP7509097 A JP 7509097A JP 7509097 A JP7509097 A JP 7509097A JP H10270756 A JPH10270756 A JP H10270756A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- compound semiconductor
- gallium nitride
- type
- based compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Led Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 InxGa1-xNを用いる発光デバイスにおい
て、高発光効率で且つ歩留まり良く製造可能な窒化物系
化合物半導体装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 この発明の窒化ガリウム系化合物半導体
装置は、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3と、p型
窒化ガリウム系化合物半導体層5との間に、Al xIny
Ga1-x-yN化合物半導体層からなる発光層4を設けた
ことを特徴とする。
て、高発光効率で且つ歩留まり良く製造可能な窒化物系
化合物半導体装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 この発明の窒化ガリウム系化合物半導体
装置は、n型窒化ガリウム系化合物半導体層3と、p型
窒化ガリウム系化合物半導体層5との間に、Al xIny
Ga1-x-yN化合物半導体層からなる発光層4を設けた
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、青色発光ダイオ
ード、青色レーザダイオードなどの青色の発光デバイス
に用いて好適な窒化物系化合物半導体装置及びその製造
方法に関する。
ード、青色レーザダイオードなどの青色の発光デバイス
に用いて好適な窒化物系化合物半導体装置及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化インジウムガリウム(InxGa1-x
N)化合物半導体膜は、そのIn組成(x)を変化させ
ることにより、可視全域の波長の発光を得る材料として
注目されており、この材料を用いた青色及び緑色発光ダ
イオードが実用化されている。
N)化合物半導体膜は、そのIn組成(x)を変化させ
ることにより、可視全域の波長の発光を得る材料として
注目されており、この材料を用いた青色及び緑色発光ダ
イオードが実用化されている。
【0003】図6は、上記InxGa1-xN化合物半導体
膜を発光層として用いた発光ダイオード(LED)チッ
プの縦断面側面図である。このLEDチップは、サファ
イア基板31上に膜厚2μm程度のn型窒化ガリウム
(GaN)膜32と、発光層としての膜厚2.5nm程
度のIn0.35Ga0.65N層33と、p型の第1窒化物系
化合物半導体としての膜厚0.1μm程度のp型Al
0.2Ga0.8N層34と、p型の第2窒化物系化合物半導
体としての膜厚0.4μm程度のp型GaN層35とが
この順に積層された構造を有しており、前記n型GaN
層32におけるメサエッチングされた表面上にn電極3
6が形成され、p型GaN層35上にp電極37が形成
されている。
膜を発光層として用いた発光ダイオード(LED)チッ
プの縦断面側面図である。このLEDチップは、サファ
イア基板31上に膜厚2μm程度のn型窒化ガリウム
(GaN)膜32と、発光層としての膜厚2.5nm程
度のIn0.35Ga0.65N層33と、p型の第1窒化物系
化合物半導体としての膜厚0.1μm程度のp型Al
0.2Ga0.8N層34と、p型の第2窒化物系化合物半導
体としての膜厚0.4μm程度のp型GaN層35とが
この順に積層された構造を有しており、前記n型GaN
層32におけるメサエッチングされた表面上にn電極3
6が形成され、p型GaN層35上にp電極37が形成
されている。
【0004】上記したLEDは、発光層としてIn0.35
Ga0.65N層を用いることにより、青色発光が得られ
る。上記のLEDを構成する窒化物系化合物半導体層の
各層の結晶成長には、有機金属気相堆積法(MOCVD
法)が広く用いられている。
Ga0.65N層を用いることにより、青色発光が得られ
る。上記のLEDを構成する窒化物系化合物半導体層の
各層の結晶成長には、有機金属気相堆積法(MOCVD
法)が広く用いられている。
【0005】また、LED等の発光デバイスにおける発
光強度、発光スペクトル半値幅等の特性は発光層の光学
特性に強く依存する。
光強度、発光スペクトル半値幅等の特性は発光層の光学
特性に強く依存する。
【0006】ところで、MOCVD法により成長させた
InxGa1-xN層の光学的特性は、例えば、Journ
al of Electronic Material
s,vol.21,No.2,1992の157頁ない
し163頁の論文「Wide−Gap Semicon
ductor InGaN and InGaAlNG
rown by MOVPE」に記載されているよう
に、成長温度が500〜800℃の範囲で高温ほどよ
い。しかし、上記論文には、成長温度500℃では、I
nxGa1-xNのIn組成(x)は、原料であるトリメチ
ルインジウム(TMI:In(CH3)3)とトリメチル
ガリウム(TMG:Ga(CH3)3)の供給比に比例
し、xが0〜1まで直線的に変化させることが可能であ
るが、高温の800℃では、前記の比例関係が成立せ
ず、TMIとTMGの供給比によりIn組成(x)を制
御することが困難であることが報告されている。
InxGa1-xN層の光学的特性は、例えば、Journ
al of Electronic Material
s,vol.21,No.2,1992の157頁ない
し163頁の論文「Wide−Gap Semicon
ductor InGaN and InGaAlNG
rown by MOVPE」に記載されているよう
に、成長温度が500〜800℃の範囲で高温ほどよ
い。しかし、上記論文には、成長温度500℃では、I
nxGa1-xNのIn組成(x)は、原料であるトリメチ
ルインジウム(TMI:In(CH3)3)とトリメチル
ガリウム(TMG:Ga(CH3)3)の供給比に比例
し、xが0〜1まで直線的に変化させることが可能であ
るが、高温の800℃では、前記の比例関係が成立せ
ず、TMIとTMGの供給比によりIn組成(x)を制
御することが困難であることが報告されている。
【0007】そこで、Appl.Phys.Lett.
68(22),27 May 1996の3147頁な
いし3149頁の論文「Growth and cha
racterization of bulk InG
aN films andquantum well
s」に記載されているように、TMIとTMGの供給比
を変えずに成長温度を変化させることにより、In組成
(x)の制御が行われている。
68(22),27 May 1996の3147頁な
いし3149頁の論文「Growth and cha
racterization of bulk InG
aN films andquantum well
s」に記載されているように、TMIとTMGの供給比
を変えずに成長温度を変化させることにより、In組成
(x)の制御が行われている。
【0008】一方、窒化ガリウム系化合物半導体発光素
子の発光出力を向上させるために、発光層としてx値の
異なるInxGa1-xN(但し、xは0<x<1)層を交
互に積層したいわゆる多重量子井戸構造を有する窒化ガ
リウム系化合物半導体発光素子が提案されている(特開
平6−268257号公報)。
子の発光出力を向上させるために、発光層としてx値の
異なるInxGa1-xN(但し、xは0<x<1)層を交
互に積層したいわゆる多重量子井戸構造を有する窒化ガ
リウム系化合物半導体発光素子が提案されている(特開
平6−268257号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、MOC
VD法では、装置の経時変化の影響により、成長温度が
微妙に変化する場合がある。成長温度の変化はIn組成
(x)の変化をもたらし、さらには、これを発光層とす
る発光デバイスの発光波長を変化させることになる。こ
のため、発光デバイスの波長再現性に問題を引き起こす
ことになる。
VD法では、装置の経時変化の影響により、成長温度が
微妙に変化する場合がある。成長温度の変化はIn組成
(x)の変化をもたらし、さらには、これを発光層とす
る発光デバイスの発光波長を変化させることになる。こ
のため、発光デバイスの波長再現性に問題を引き起こす
ことになる。
【0010】また、成長中の温度を急激に変化させるこ
とは困難であるため、In組成を急峻に変化させるには
限界がある。このため、発光層として多重量子井戸構造
を用いた場合には、多重量子井戸の各層の膜厚及びIn
組成を制御することは困難である。このような制御の不
安定性は多重量子井戸を発光層とする発光デバイスの特
性劣化をもたらすことになる。
とは困難であるため、In組成を急峻に変化させるには
限界がある。このため、発光層として多重量子井戸構造
を用いた場合には、多重量子井戸の各層の膜厚及びIn
組成を制御することは困難である。このような制御の不
安定性は多重量子井戸を発光層とする発光デバイスの特
性劣化をもたらすことになる。
【0011】この発明は上述した従来の問題点を解決す
るためになされたものにして、In xGa1-xNを用いる
発光デバイスにおいて、高発光効率で且つ歩留まり良く
製造可能な窒化物系化合物半導体装置を提供することを
目的とする。
るためになされたものにして、In xGa1-xNを用いる
発光デバイスにおいて、高発光効率で且つ歩留まり良く
製造可能な窒化物系化合物半導体装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の窒化ガリウム
系化合物半導体装置は、n型窒化ガリウム系化合物半導
体層と、p型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、
AlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を設けたことを
特徴とする。
系化合物半導体装置は、n型窒化ガリウム系化合物半導
体層と、p型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、
AlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を設けたことを
特徴とする。
【0013】前記AlxInyGa1-x-yN化合物半導体
層を発光層として用いることにより発光デバイスを構成
することができる。
層を発光層として用いることにより発光デバイスを構成
することができる。
【0014】InとNの結合エネルギーは小さく且つI
nの蒸気圧は高い。従って、InGaNを高温で成長す
る場合、N原子が成長表面から容易に脱離し、N原子と
の結合が断たれたIn原子の成長表面からの脱離が容易
となる。
nの蒸気圧は高い。従って、InGaNを高温で成長す
る場合、N原子が成長表面から容易に脱離し、N原子と
の結合が断たれたIn原子の成長表面からの脱離が容易
となる。
【0015】一方、AlとNとの結合エネルギーは大き
いために、AlInGaNの成長においては、Alの存
在によってNの脱離が抑制され、これに伴ってIn脱離
も抑制される。
いために、AlInGaNの成長においては、Alの存
在によってNの脱離が抑制され、これに伴ってIn脱離
も抑制される。
【0016】この結果、InGaN中のIn組成の制御
性に比して、AlInGaN中のIn組成の制御性は高
まる。従って、高温で制御性の良好な結晶成長が可能と
なる。この結果、AlxInyGa1-x-yN化合物半導体
層を発光層として用いると、発光デバイスの性能が高ま
ると共に、歩留まりが向上する。
性に比して、AlInGaN中のIn組成の制御性は高
まる。従って、高温で制御性の良好な結晶成長が可能と
なる。この結果、AlxInyGa1-x-yN化合物半導体
層を発光層として用いると、発光デバイスの性能が高ま
ると共に、歩留まりが向上する。
【0017】また、この発明の窒化ガリウム系化合物半
導体装置は、n型窒化ガリウム系化合物半導体層と、p
型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、多重量子井
戸を設けた窒化ガリウム系化合物半導体装置であって、
前記多重量子井戸は、障壁層としてAlxInyGa
1-x-yN化合物半導体層を用い、井戸層としてInyGa
1- yN化合物半導体層又は障壁層よりバンドギャップの
小さいAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用いた
ことを特徴とする。
導体装置は、n型窒化ガリウム系化合物半導体層と、p
型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、多重量子井
戸を設けた窒化ガリウム系化合物半導体装置であって、
前記多重量子井戸は、障壁層としてAlxInyGa
1-x-yN化合物半導体層を用い、井戸層としてInyGa
1- yN化合物半導体層又は障壁層よりバンドギャップの
小さいAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用いた
ことを特徴とする。
【0018】また、多重量子井戸より基板側に、多重量
子井戸を構成する井戸層、或いは障壁層のいずれか一方
より格子定数の大きい層からなる半導体層を設け、前記
井戸層或いは障壁層のいずれか一方に引張歪みを設けた
ことを特徴とする。
子井戸を構成する井戸層、或いは障壁層のいずれか一方
より格子定数の大きい層からなる半導体層を設け、前記
井戸層或いは障壁層のいずれか一方に引張歪みを設けた
ことを特徴とする。
【0019】この発明は、従来のIn組成の異なる極薄
膜からなる多重量子井戸構造(MQW)と異なり、In
GaN化合物半導体膜へのAlの添加量の制御、若しく
はAlの添加、無添加によってMQWを製造することが
できるので、MQWを制御良く形成できる。
膜からなる多重量子井戸構造(MQW)と異なり、In
GaN化合物半導体膜へのAlの添加量の制御、若しく
はAlの添加、無添加によってMQWを製造することが
できるので、MQWを制御良く形成できる。
【0020】加えて、MQWの井戸層或いは障壁層に引
張歪みを導入する構造、さらには、MQWの井戸層或い
は障壁層には引張歪みを、障壁層或いは井戸層には圧縮
歪みを導入する構造を容易に得ることができるので、発
光効率の高い発光デバイスの製造が可能となる。
張歪みを導入する構造、さらには、MQWの井戸層或い
は障壁層には引張歪みを、障壁層或いは井戸層には圧縮
歪みを導入する構造を容易に得ることができるので、発
光効率の高い発光デバイスの製造が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
き図面を参照して説明する。
き図面を参照して説明する。
【0022】図1は、この発明の窒化ガリウム系化合物
半導体装置の第1の実施の形態を示し、AlxInyGa
1-x-yN化合物半導体膜を発光層として用いた発光ダイ
オード(LED)チップの縦断面側面図である。
半導体装置の第1の実施の形態を示し、AlxInyGa
1-x-yN化合物半導体膜を発光層として用いた発光ダイ
オード(LED)チップの縦断面側面図である。
【0023】このLEDチップは、サファイア基板1上
に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nm程度のAl
Nバッファ層2が形成されている。このAlNバッファ
層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(Ga
N)膜3と、発光層としての膜厚0.1μm程度のAl
0.02In0.4Ga0.58N層4と、p型の第1窒化物系化
合物半導体としての膜厚0.1μm程度のp型Al0.2
Ga0.8N層5と、p型の第2窒化物系化合物半導体と
しての膜厚0.4μm程度のp型GaN層6とがこの順
に積層形成されている。そして、前記n型GaN層3に
おけるメサエッチングされた表面上にn電極7が形成さ
れ、p型GaN層6上にp電極8が形成されている。
に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nm程度のAl
Nバッファ層2が形成されている。このAlNバッファ
層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(Ga
N)膜3と、発光層としての膜厚0.1μm程度のAl
0.02In0.4Ga0.58N層4と、p型の第1窒化物系化
合物半導体としての膜厚0.1μm程度のp型Al0.2
Ga0.8N層5と、p型の第2窒化物系化合物半導体と
しての膜厚0.4μm程度のp型GaN層6とがこの順
に積層形成されている。そして、前記n型GaN層3に
おけるメサエッチングされた表面上にn電極7が形成さ
れ、p型GaN層6上にp電極8が形成されている。
【0024】前述したように、InとNの結合エネルギ
ーは小さく且つInの蒸気圧は高い。従って、InGa
Nを高温で成長する場合、N原子が成長表面から容易に
脱離し、N原子との結合が断たれたIn原子の成長表面
からの脱離が容易である。
ーは小さく且つInの蒸気圧は高い。従って、InGa
Nを高温で成長する場合、N原子が成長表面から容易に
脱離し、N原子との結合が断たれたIn原子の成長表面
からの脱離が容易である。
【0025】一方、AlとNとの結合エネルギーは大き
いために、AlInGaN膜の成長においては、Alの
存在によってNの脱離が抑制され、これに伴ってIn脱
離も抑制される。この結果、InGaN中のIn組成の
制御性に比して、AlInGaN膜中のIn組成の制御
性は高まる。従って、高温で制御性の良好な結晶成長が
可能となる。
いために、AlInGaN膜の成長においては、Alの
存在によってNの脱離が抑制され、これに伴ってIn脱
離も抑制される。この結果、InGaN中のIn組成の
制御性に比して、AlInGaN膜中のIn組成の制御
性は高まる。従って、高温で制御性の良好な結晶成長が
可能となる。
【0026】また、AlをInGaN膜中にドープする
ことで、結晶性が悪くなる懸念があるが、InとGaの
組成に比べてAlのドープ量は極めて少ないので、結晶
性への影響はほとんどない。
ことで、結晶性が悪くなる懸念があるが、InとGaの
組成に比べてAlのドープ量は極めて少ないので、結晶
性への影響はほとんどない。
【0027】上記図1に示すLEDチップの各化合物半
導体膜はMOCVD法によりサファイア基板1上に形成
される。図2は、上記各化合物半導体膜の成膜に用いら
れる横型MOCVD装置の一例を示す模式図である。
導体膜はMOCVD法によりサファイア基板1上に形成
される。図2は、上記各化合物半導体膜の成膜に用いら
れる横型MOCVD装置の一例を示す模式図である。
【0028】この横型MOCVD装置は、2層流構造に
なっており、2層流ガスが交わる形成室20内のところ
にサファイア基板1が図示しないサセプタにより傾斜を
有して保持される。この形成室20は、図示しない真空
ポンプにより所定の真空度に排気される。また、サセプ
タは高周波コイルなどにより所定の成長温度に加熱され
るようになっている。
なっており、2層流ガスが交わる形成室20内のところ
にサファイア基板1が図示しないサセプタにより傾斜を
有して保持される。この形成室20は、図示しない真空
ポンプにより所定の真空度に排気される。また、サセプ
タは高周波コイルなどにより所定の成長温度に加熱され
るようになっている。
【0029】そして、形成室20内には、原料ガス供給
ライン21より原料ガスが基板の表面に供給されると共
に、その原料ガス供給ライン21より上層に配置された
上層流ガスライン22より水素及び/又は窒素ガスが供
給される。この上層流ガスライン22は、バルブを介し
て水素(H2)ガスボンベ、窒素( N2)ガスボンベに
接続されている。そして、この上層流ガスライン22か
ら供給される水素(H 2)ガス及び/又は窒素(N2)ガ
スにより、原料ガスが基板1面に押圧され、原料ガスが
基板1に接触される。
ライン21より原料ガスが基板の表面に供給されると共
に、その原料ガス供給ライン21より上層に配置された
上層流ガスライン22より水素及び/又は窒素ガスが供
給される。この上層流ガスライン22は、バルブを介し
て水素(H2)ガスボンベ、窒素( N2)ガスボンベに
接続されている。そして、この上層流ガスライン22か
ら供給される水素(H 2)ガス及び/又は窒素(N2)ガ
スにより、原料ガスが基板1面に押圧され、原料ガスが
基板1に接触される。
【0030】原料ガスとしてのトリメチルアルミニウム
(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチ
ルインジウム(TMI)の有機金属化合物ソースは、微
量のバブリングガスにより気化され、図示しないバルブ
を介して原料ガス供給ライン21に与えられる。また、
アンモニア(NH3)、Siを含むn型ドーパントガス
(例えば、SiH4)、Mgを含むp型ドーパントガス
(例えば、Cp2Mg)も図示しないバルブを介して原
料ガス供給ライン21に与えられる。
(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチ
ルインジウム(TMI)の有機金属化合物ソースは、微
量のバブリングガスにより気化され、図示しないバルブ
を介して原料ガス供給ライン21に与えられる。また、
アンモニア(NH3)、Siを含むn型ドーパントガス
(例えば、SiH4)、Mgを含むp型ドーパントガス
(例えば、Cp2Mg)も図示しないバルブを介して原
料ガス供給ライン21に与えられる。
【0031】上記のように構成された横型MOCVD装
置を用いて、図1に示すLEDチップを製造する方法に
ついて説明する。
置を用いて、図1に示すLEDチップを製造する方法に
ついて説明する。
【0032】まず、基板1上に低温AlNバッファ層2
を形成する。原料ガスとして、TMAとNH3を形成室
20内に供給し、基板温度を500℃に保ち基板1上に
膜厚5nmの低温AlNバッファ層2を形成する。
を形成する。原料ガスとして、TMAとNH3を形成室
20内に供給し、基板温度を500℃に保ち基板1上に
膜厚5nmの低温AlNバッファ層2を形成する。
【0033】続いて、原料ガスをTMG、NH3、ドー
パントガスをSiH4に切り替え形成室20内にそれぞ
れ供給し、基板温度を1000℃に保ちAlNバッファ
層2上に膜厚0.4μmのn型窒化ガリウム(GaN)
膜3を形成する。
パントガスをSiH4に切り替え形成室20内にそれぞ
れ供給し、基板温度を1000℃に保ちAlNバッファ
層2上に膜厚0.4μmのn型窒化ガリウム(GaN)
膜3を形成する。
【0034】そして、原料ガスを、TMA、TMI、T
MGとNH3に切り替え形成室20内にそれぞれ供給
し、基板温度を800℃に保ち、n型窒化ガリウム(G
aN)膜3上に発光層としての膜厚0.1μmのAl
0.02In0.4Ga0.58N層4を形成する。
MGとNH3に切り替え形成室20内にそれぞれ供給
し、基板温度を800℃に保ち、n型窒化ガリウム(G
aN)膜3上に発光層としての膜厚0.1μmのAl
0.02In0.4Ga0.58N層4を形成する。
【0035】次に、原料ガスを、TMA、TMGとNH
3、ドーパントガスをCp2Mgに切り替えて形成室20
内にそれぞれ供給し、基板温度を1000℃に保ち、A
l0. 02In0.4Ga0.58N層4上にp型の第1窒化物系
化合物半導体としての膜厚0.1μmのp型Al0.2G
a0.8N層5を形成する。
3、ドーパントガスをCp2Mgに切り替えて形成室20
内にそれぞれ供給し、基板温度を1000℃に保ち、A
l0. 02In0.4Ga0.58N層4上にp型の第1窒化物系
化合物半導体としての膜厚0.1μmのp型Al0.2G
a0.8N層5を形成する。
【0036】そして、原料ガスを、TMGとNH3、ド
ーパントガスをCp2Mgに切り替えて形成室20内に
それぞれ供給し、基板温度を1000℃に保ち、p型A
l0.2Ga0.8N層5上にp型の第2窒化物系化合物半導
体としての膜厚0.4μmのp型GaN層6を形成す
る。
ーパントガスをCp2Mgに切り替えて形成室20内に
それぞれ供給し、基板温度を1000℃に保ち、p型A
l0.2Ga0.8N層5上にp型の第2窒化物系化合物半導
体としての膜厚0.4μmのp型GaN層6を形成す
る。
【0037】上記のように形成することで、発光層のA
l0.02In0.4Ga0.58N層4を基板温度800℃の高
温でIn組成の制御性良く形成できる。従って、光学特
性の良好な発光層を歩留まり良く形成することができ
る。
l0.02In0.4Ga0.58N層4を基板温度800℃の高
温でIn組成の制御性良く形成できる。従って、光学特
性の良好な発光層を歩留まり良く形成することができ
る。
【0038】図3は、この発明の窒化ガリウム系化合物
半導体装置の第2の実施の形態を示し、InyGa1-yN
化合物半導体膜を井戸層、AlxInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を障壁層とした多重量子井戸(MQW)を発
光層として用いた発光ダイオード(LED)チップの縦
断面側面図である。
半導体装置の第2の実施の形態を示し、InyGa1-yN
化合物半導体膜を井戸層、AlxInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を障壁層とした多重量子井戸(MQW)を発
光層として用いた発光ダイオード(LED)チップの縦
断面側面図である。
【0039】このLEDチップは、サファイア基板1上
に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nm程度のAl
Nバッファ層2が形成されている。このAlNバッファ
層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(Ga
N)膜3と、膜厚3nm程度のAl0.05In0.14Ga
0.81Nの障壁層4aと膜厚2.5nm程度のIn0.15G
a0.85Nの井戸層4bを交互に積層した多重量子井戸
(MQW)からなる発光層4’と、p型の第1窒化物系
化合物半導体としての膜厚0.1μm程度のp型Al
0.2Ga0.8N層5と、p型の第2窒化物系化合物半導体
としての膜厚0.4μm程度のp型GaN層6とがこの
順に積層され形成されている。そして、前記n型GaN
層3におけるメサエッチングされた表面上にn電極7が
形成され、p型GaN層6上にp電極8が形成されてい
る。
に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nm程度のAl
Nバッファ層2が形成されている。このAlNバッファ
層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(Ga
N)膜3と、膜厚3nm程度のAl0.05In0.14Ga
0.81Nの障壁層4aと膜厚2.5nm程度のIn0.15G
a0.85Nの井戸層4bを交互に積層した多重量子井戸
(MQW)からなる発光層4’と、p型の第1窒化物系
化合物半導体としての膜厚0.1μm程度のp型Al
0.2Ga0.8N層5と、p型の第2窒化物系化合物半導体
としての膜厚0.4μm程度のp型GaN層6とがこの
順に積層され形成されている。そして、前記n型GaN
層3におけるメサエッチングされた表面上にn電極7が
形成され、p型GaN層6上にp電極8が形成されてい
る。
【0040】上記図3に示すLEDチップの各化合物半
導体膜は図1に示すLEDチップと同様に図2に示す横
型MOCVD装置を用いてサファイア基板1上に形成さ
れる。図1に示すLEDチップとは、発光層の構造が相
違し、他の各化合物半導体膜は、上記した図1に示すも
のと同様にして形成されるので、MQWの発光層につい
てその成膜方法を説明する。
導体膜は図1に示すLEDチップと同様に図2に示す横
型MOCVD装置を用いてサファイア基板1上に形成さ
れる。図1に示すLEDチップとは、発光層の構造が相
違し、他の各化合物半導体膜は、上記した図1に示すも
のと同様にして形成されるので、MQWの発光層につい
てその成膜方法を説明する。
【0041】上記したMQW構造の発光層4’は、基板
温度を800℃に保ち、原料ガスTMI、TMGとNH
3の量を一定にして形成室20内にそれぞれ供給する。
そして、TMAガスの形成室20内への供給をオン、オ
フ制御する。このように、TMAガスの形成室20内へ
の供給をオン、オフ制御することで、膜厚3nm程度の
Al0.05In0.14Ga0.81Nの障壁層4aと膜厚2.5
nmの程度In0.15Ga0.85Nの井戸層4bを交互に形
成することができる。
温度を800℃に保ち、原料ガスTMI、TMGとNH
3の量を一定にして形成室20内にそれぞれ供給する。
そして、TMAガスの形成室20内への供給をオン、オ
フ制御する。このように、TMAガスの形成室20内へ
の供給をオン、オフ制御することで、膜厚3nm程度の
Al0.05In0.14Ga0.81Nの障壁層4aと膜厚2.5
nmの程度In0.15Ga0.85Nの井戸層4bを交互に形
成することができる。
【0042】この実施の形態によれば、発光層を800
℃の高温で成長させることができると共に、MQW構造
の発光層を組成と膜厚の制御性が良好に形成できる。そ
して、〜400nmの発光波長の再現性が良く、高発光
効率のものが得られる。
℃の高温で成長させることができると共に、MQW構造
の発光層を組成と膜厚の制御性が良好に形成できる。そ
して、〜400nmの発光波長の再現性が良く、高発光
効率のものが得られる。
【0043】上記した実施の形態においては、MQWか
らなる発光層4’は、障壁層4aとしてAlxInyGa
1-x-yN化合物半導体層を用い、井戸層4bとしてIny
Ga 1-yN化合物半導体層を用いたが、障壁層4aとし
て同じくAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用
い、井戸層4bとして障壁層4aよりバンドギャップの
小さいAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用いて
もよい。
らなる発光層4’は、障壁層4aとしてAlxInyGa
1-x-yN化合物半導体層を用い、井戸層4bとしてIny
Ga 1-yN化合物半導体層を用いたが、障壁層4aとし
て同じくAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用
い、井戸層4bとして障壁層4aよりバンドギャップの
小さいAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用いて
もよい。
【0044】図4は、この発明の窒化ガリウム系化合物
半導体装置の第3の実施の形態を示し、AlxInyGa
1-x-yN化合物半導体膜を障壁層、AlxInyGa1-x-y
N化合物半導体膜を井戸層とした多重量子井戸(MQ
W)を活性層として用いた半導体レーザダイオードチッ
プの縦断面側面図である。
半導体装置の第3の実施の形態を示し、AlxInyGa
1-x-yN化合物半導体膜を障壁層、AlxInyGa1-x-y
N化合物半導体膜を井戸層とした多重量子井戸(MQ
W)を活性層として用いた半導体レーザダイオードチッ
プの縦断面側面図である。
【0045】この半導体レーザチップは、サファイア基
板1上に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nmのA
lNバッファ層2が形成されている。このAlNバッフ
ァ層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(G
aN)膜11と、膜厚0.3μm程度のn型Al0.25I
n0.35Ga0.40のクラッド層12と膜厚0.1μm程度
のn型Al0.22In0.35Ga0.43Nの光ガイド層13と
膜厚3nmのAl0.20In0.40Ga0.40Nの障壁層14
aと膜厚2.5nmのAl0.02In0.23Ga0. 75N井戸
層14bを交互に積層した多重量子井戸(MQW)から
なる光活性層14’と、膜厚0.1μmの程度のp型A
l0.22In0.35Ga0.43Nの光ガイド層15と、膜厚
0.3μm程度のp型Al0.2Ga0.8Nのクラッド層1
6と、膜厚0.4μm程度のp型GaNのコンタクト層
17とがこの順に積層されて形成されている。そして、
前記n型GaN層11におけるメサエッチングされた表
面上にn電極18が形成され、p型GaN層のコンタク
ト層17上にp電極19が形成されている。
板1上に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nmのA
lNバッファ層2が形成されている。このAlNバッフ
ァ層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(G
aN)膜11と、膜厚0.3μm程度のn型Al0.25I
n0.35Ga0.40のクラッド層12と膜厚0.1μm程度
のn型Al0.22In0.35Ga0.43Nの光ガイド層13と
膜厚3nmのAl0.20In0.40Ga0.40Nの障壁層14
aと膜厚2.5nmのAl0.02In0.23Ga0. 75N井戸
層14bを交互に積層した多重量子井戸(MQW)から
なる光活性層14’と、膜厚0.1μmの程度のp型A
l0.22In0.35Ga0.43Nの光ガイド層15と、膜厚
0.3μm程度のp型Al0.2Ga0.8Nのクラッド層1
6と、膜厚0.4μm程度のp型GaNのコンタクト層
17とがこの順に積層されて形成されている。そして、
前記n型GaN層11におけるメサエッチングされた表
面上にn電極18が形成され、p型GaN層のコンタク
ト層17上にp電極19が形成されている。
【0046】上記図4に示す半導体レーザダイオードの
各化合物半導体膜は図1に示すLEDチップと同様に図
2に示す横型MOCVD装置を用いてサファイア基板1
上に形成することができる。
各化合物半導体膜は図1に示すLEDチップと同様に図
2に示す横型MOCVD装置を用いてサファイア基板1
上に形成することができる。
【0047】上記した化合物半導体層においては、格子
定数をInの組成比で制御している。即ち、Inの組成
比が多くなると格子定数が大きくなる。
定数をInの組成比で制御している。即ち、Inの組成
比が多くなると格子定数が大きくなる。
【0048】上記した半導体レーザダイオードによれ
ば、井戸層の格子定数が小さいために、引張歪みが導入
され、光学利得を生じるためのキャリア密度が低減でき
る。
ば、井戸層の格子定数が小さいために、引張歪みが導入
され、光学利得を生じるためのキャリア密度が低減でき
る。
【0049】特に、格子定数が障壁層>クラッド層>井
戸層となっているため、障壁層には圧縮歪みが井戸層に
は引張歪みが生じ、MQWは歪み補償型となり、結晶性
が良好になる。この結果、半導体レーザダイオードの閾
値電流密度を低減できる。
戸層となっているため、障壁層には圧縮歪みが井戸層に
は引張歪みが生じ、MQWは歪み補償型となり、結晶性
が良好になる。この結果、半導体レーザダイオードの閾
値電流密度を低減できる。
【0050】図5は、この発明の窒化ガリウム系化合物
半導体装置の第4の実施の形態を示し、AlxInyGa
1-x-yN化合物半導体膜を障壁層、InyGa1-yN化合
物半導体膜を井戸層とした多重量子井戸(MQW)を活
性層として用いた半導体レーザダイオードチップの縦断
面側面図である。
半導体装置の第4の実施の形態を示し、AlxInyGa
1-x-yN化合物半導体膜を障壁層、InyGa1-yN化合
物半導体膜を井戸層とした多重量子井戸(MQW)を活
性層として用いた半導体レーザダイオードチップの縦断
面側面図である。
【0051】この半導体レーザチップは、サファイア基
板1上に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nmのA
lNバッファ層2が形成されている。このAlNバッフ
ァ層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(G
aN)膜21と、膜厚0.3μm程度のn型Al0.25I
n0.3Ga0.45のクラッド層22と膜厚0.1μm程度
のn型Al0.22In0.3Ga0.48Nの光ガイド層23と
膜厚3nmのAl0.1In0.18Ga0.72Nの障壁層24
aと膜厚2.5nmのIn0.35Ga0.65N井戸層24b
を交互に積層した多重量子井戸(MQW)からなる光活
性層24と、膜厚0.1μmの程度のp型Al0.22In
0.3Ga0.48Nの光ガイド層25と、膜厚0.3μm程
度のp型Al0.3Ga0.7Nのクラッド層26と、膜厚
0.4μm程度のp型GaNのコンタクト層27とがこ
の順に積層されて形成されている。そして、前記n型G
aN層21におけるメサエッチングされた表面上にn電
極28が形成され、p型GaN層のコンタクト層27上
にp電極29が形成されている。
板1上に窒化物系化合物半導体としての膜厚5nmのA
lNバッファ層2が形成されている。このAlNバッフ
ァ層2上に膜厚0.4μm程度のn型窒化ガリウム(G
aN)膜21と、膜厚0.3μm程度のn型Al0.25I
n0.3Ga0.45のクラッド層22と膜厚0.1μm程度
のn型Al0.22In0.3Ga0.48Nの光ガイド層23と
膜厚3nmのAl0.1In0.18Ga0.72Nの障壁層24
aと膜厚2.5nmのIn0.35Ga0.65N井戸層24b
を交互に積層した多重量子井戸(MQW)からなる光活
性層24と、膜厚0.1μmの程度のp型Al0.22In
0.3Ga0.48Nの光ガイド層25と、膜厚0.3μm程
度のp型Al0.3Ga0.7Nのクラッド層26と、膜厚
0.4μm程度のp型GaNのコンタクト層27とがこ
の順に積層されて形成されている。そして、前記n型G
aN層21におけるメサエッチングされた表面上にn電
極28が形成され、p型GaN層のコンタクト層27上
にp電極29が形成されている。
【0052】上記図5に示す半導体レーザダイオードの
各化合物半導体膜は図1に示すLEDチップと同様に図
2に示す横型MOCVD装置を用いてサファイア基板1
上に形成することができる。
各化合物半導体膜は図1に示すLEDチップと同様に図
2に示す横型MOCVD装置を用いてサファイア基板1
上に形成することができる。
【0053】上記した各化合物半導体層においても、図
4の半導体レーザダイオードと同様に、格子定数をIn
の組成比で制御している。
4の半導体レーザダイオードと同様に、格子定数をIn
の組成比で制御している。
【0054】上記した半導体レーザダイオードによれ
ば、障壁層の格子定数が小さいために、引張歪みが導入
され、光学利得を生じるためのキャリア密度が低減でき
る。
ば、障壁層の格子定数が小さいために、引張歪みが導入
され、光学利得を生じるためのキャリア密度が低減でき
る。
【0055】特に、格子定数が井戸層>クラッド層>障
壁層となっているため、障壁層には引張歪みが井戸層に
は圧縮歪みが生じ、MQWは歪み補償型となり、結晶性
が良好になる。この結果、半導体レーザダイオードの閾
値電流密度を低減できる。
壁層となっているため、障壁層には引張歪みが井戸層に
は圧縮歪みが生じ、MQWは歪み補償型となり、結晶性
が良好になる。この結果、半導体レーザダイオードの閾
値電流密度を低減できる。
【0056】尚、上記した第3及び第4の実施の形態に
おいては歪み補償型のMQW構造を説明したが、少なく
とも井戸層又は障壁層に引張歪みを設ければ、光学利得
を生じるキャリア密度が低減でき、半導体レーザダイオ
ードとして良好な機能を有する。
おいては歪み補償型のMQW構造を説明したが、少なく
とも井戸層又は障壁層に引張歪みを設ければ、光学利得
を生じるキャリア密度が低減でき、半導体レーザダイオ
ードとして良好な機能を有する。
【0057】上記した実施の形態においては、発光ダイ
オード又は半導体レーザダイオードについて説明した
が、この発明は、ヘテロ接合界面を有する他のデバイス
にも適用できる。例えば、HEMT(高電子移動度トラ
ンジスタ)、HBT(ヘテロバイポーラトランジスタ)
等の電子デバイスや、光変調素子、光電変換素子に適用
することができる。
オード又は半導体レーザダイオードについて説明した
が、この発明は、ヘテロ接合界面を有する他のデバイス
にも適用できる。例えば、HEMT(高電子移動度トラ
ンジスタ)、HBT(ヘテロバイポーラトランジスタ)
等の電子デバイスや、光変調素子、光電変換素子に適用
することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、Alの存在によってNの脱離が抑制され、これに伴
ってIn脱離も抑制することができ、AlInGaN膜
中のIn組成の制御性がよくなり、高温でIn組成の制
御性の良好な結晶成長が可能となるので、高発光効率で
且つ歩留まりの良好な窒化ガリウム系化合物半導体装置
を提供することができる。
ば、Alの存在によってNの脱離が抑制され、これに伴
ってIn脱離も抑制することができ、AlInGaN膜
中のIn組成の制御性がよくなり、高温でIn組成の制
御性の良好な結晶成長が可能となるので、高発光効率で
且つ歩留まりの良好な窒化ガリウム系化合物半導体装置
を提供することができる。
【図1】この発明の窒化ガリウム系化合物半導体装置の
第1の実施の形態を示し、Al xInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を発光層として用いた発光ダイオード(LE
D)チップの縦断面側面図である。
第1の実施の形態を示し、Al xInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を発光層として用いた発光ダイオード(LE
D)チップの縦断面側面図である。
【図2】この発明の窒化ガリウム系化合物半導体膜の成
膜に用いられる横型MOCVD装置の一例を示す模式図
である。
膜に用いられる横型MOCVD装置の一例を示す模式図
である。
【図3】この発明の窒化ガリウム系化合物半導体装置の
第2の実施の形態を示し、In yGa1-yN化合物半導体
膜を井戸層AlxInyGa1-x-yN化合物半導体膜を障
壁層としたMQWを発光層として用いた発光ダイオード
(LED)チップの縦断面側面図である。
第2の実施の形態を示し、In yGa1-yN化合物半導体
膜を井戸層AlxInyGa1-x-yN化合物半導体膜を障
壁層としたMQWを発光層として用いた発光ダイオード
(LED)チップの縦断面側面図である。
【図4】この発明の窒化ガリウム系化合物半導体装置の
第3の実施の形態を示し、Al xInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を障壁層、AlxInyGa1-x-yN化合物半
導体膜を井戸層とした多重量子井戸(MQW)を活性層
として用いた半導体レーザダイオードチップの縦断面側
面図である。
第3の実施の形態を示し、Al xInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を障壁層、AlxInyGa1-x-yN化合物半
導体膜を井戸層とした多重量子井戸(MQW)を活性層
として用いた半導体レーザダイオードチップの縦断面側
面図である。
【図5】この発明の窒化ガリウム系化合物半導体装置の
第3の実施の形態を示し、Al xInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を障壁層、InyGa1-yN化合物半導体膜を
井戸層とした多重量子井戸(MQW)を活性層として用
いた半導体レーザダイオードチップの縦断面側面図であ
る。
第3の実施の形態を示し、Al xInyGa1-x-yN化合
物半導体膜を障壁層、InyGa1-yN化合物半導体膜を
井戸層とした多重量子井戸(MQW)を活性層として用
いた半導体レーザダイオードチップの縦断面側面図であ
る。
【図6】従来のInxGa1-xN化合物半導体膜を発光層
として用いた発光ダイオードチップを示す縦断面側面図
である。
として用いた発光ダイオードチップを示す縦断面側面図
である。
1 サファイア基板 2 AlNバッファ層 3 n型GaN層 4 発光層(AlxInyGa1-x-yN) 4a 障壁層(AlxInyGa1-x-yN) 4b 井戸層 (InyGa1-yN) 4’ MQW発光層 5 p型AlGaN層 6 p型GaN層
Claims (4)
- 【請求項1】 n型窒化ガリウム系化合物半導体層と、
p型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、AlxI
nyGa1-x-yN化合物半導体層を設けたことを特徴とす
る窒化ガリウム系化合物半導体装置。 - 【請求項2】 前記AlxInyGa1-x-yN化合物半導
体層を発光層として用いることを特徴とする窒化ガリウ
ム系化合物半導体装置。 - 【請求項3】 n型窒化ガリウム系化合物半導体層と、
p型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、多重量子
井戸を設けた窒化ガリウム系化合物半導体装置であっ
て、前記多重量子井戸は、障壁層としてAlxInyGa
1-x-yN化合物半導体層を用い、井戸層としてInyGa
1-yN化合物半導体層又は障壁層よりバンドギャップの
小さいAlxInyGa1-x-yN化合物半導体層を用いた
ことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体装置。 - 【請求項4】 多重量子井戸より基板側に、多重量子井
戸を構成する井戸層或いは障壁層のいずれか一方材料よ
りも格子定数の大きい層からなる半導体層を設け、前記
井戸層或いは障壁層のいずれか一方に引張歪みを設けた
ことを特徴とする請求項3に記載の窒化ガリウム系化合
物半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7509097A JPH10270756A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 窒化ガリウム系化合物半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7509097A JPH10270756A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 窒化ガリウム系化合物半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10270756A true JPH10270756A (ja) | 1998-10-09 |
Family
ID=13566129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7509097A Pending JPH10270756A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 窒化ガリウム系化合物半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10270756A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003530703A (ja) * | 2000-04-12 | 2003-10-14 | サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク | GaInNからなる薄い半導体層およびその製造方法ならびにその半導体層を備えたLEDさらにはこのLEDを備えた照明デバイス |
WO2004008551A1 (ja) * | 2002-07-16 | 2004-01-22 | Nitride Semiconductors Co.,Ltd. | 窒化ガリウム系化合物半導体装置 |
JP2008053519A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Canon Inc | 発振素子 |
WO2010024436A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-04 | 株式会社 東芝 | 半導体装置 |
JP2010103429A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Nitride Semiconductor Co Ltd | 窒化ガリウム系発光装置の製造方法 |
US8338820B2 (en) | 2010-09-06 | 2012-12-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light emitting device |
JP2013527626A (ja) * | 2010-05-28 | 2013-06-27 | コーニング インコーポレイテッド | GaN端面発光レーザの高められた平坦性 |
JP2013528948A (ja) * | 2010-05-28 | 2013-07-11 | コーニング インコーポレイテッド | 不一致転位が活性領域から駆逐されているGaNベースレーザダイオード |
WO2016002684A1 (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-07 | ウシオ電機株式会社 | Led素子 |
WO2018077855A1 (de) * | 2016-10-25 | 2018-05-03 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Halbleiterschichtenfolge und verfahren zur herstellung einer halbleiterschichtenfolge |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP7509097A patent/JPH10270756A/ja active Pending
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003530703A (ja) * | 2000-04-12 | 2003-10-14 | サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク | GaInNからなる薄い半導体層およびその製造方法ならびにその半導体層を備えたLEDさらにはこのLEDを備えた照明デバイス |
US7700940B2 (en) | 2002-07-16 | 2010-04-20 | Nitride Semiconductor Co., Ltd. | Gallium nitride-based compound semiconductor device |
WO2004008551A1 (ja) * | 2002-07-16 | 2004-01-22 | Nitride Semiconductors Co.,Ltd. | 窒化ガリウム系化合物半導体装置 |
KR101002271B1 (ko) | 2002-07-16 | 2010-12-20 | 나이트라이드 세마이컨덕터스 코포레이션, 리미티드 | 질화갈륨계 화합물 반도체장치 |
JP2008053519A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Canon Inc | 発振素子 |
CN102138227A (zh) * | 2008-08-29 | 2011-07-27 | 株式会社东芝 | 半导体装置 |
JP2010080955A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-04-08 | Toshiba Corp | 半導体装置 |
WO2010024436A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-04 | 株式会社 東芝 | 半導体装置 |
JP2011258994A (ja) * | 2008-08-29 | 2011-12-22 | Toshiba Corp | 半導体装置 |
JP2010103429A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Nitride Semiconductor Co Ltd | 窒化ガリウム系発光装置の製造方法 |
JP2013528948A (ja) * | 2010-05-28 | 2013-07-11 | コーニング インコーポレイテッド | 不一致転位が活性領域から駆逐されているGaNベースレーザダイオード |
JP2013527626A (ja) * | 2010-05-28 | 2013-06-27 | コーニング インコーポレイテッド | GaN端面発光レーザの高められた平坦性 |
US8338820B2 (en) | 2010-09-06 | 2012-12-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light emitting device |
WO2016002684A1 (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-07 | ウシオ電機株式会社 | Led素子 |
JP2016015411A (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-28 | ウシオ電機株式会社 | Led素子 |
US20170155013A1 (en) * | 2014-07-02 | 2017-06-01 | Ushio Denki Kabushiki Kaisha | Led element |
US9954138B2 (en) | 2014-07-02 | 2018-04-24 | Ushio Denki Kabushiki Kaisha | Light emitting element |
WO2018077855A1 (de) * | 2016-10-25 | 2018-05-03 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Halbleiterschichtenfolge und verfahren zur herstellung einer halbleiterschichtenfolge |
US11018277B2 (en) | 2016-10-25 | 2021-05-25 | Osram Oled Gmbh | Semiconductor layer sequence and method for producing a semiconductor layer sequence |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101626058B (zh) | Ⅲ族氮化物类半导体发光元件及外延晶圆 | |
JP2890396B2 (ja) | 窒化物半導体発光素子 | |
JP3304782B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
US20100187497A1 (en) | Semiconductor device | |
US7456034B2 (en) | Nitride semiconductor device and method for fabricating the same | |
JPH06268259A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
US20060223288A1 (en) | Group-III nitride semiconductor stack, method of manufacturing the same, and group-III nitride semiconductor device | |
JPH0870139A (ja) | n型窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法 | |
US8445938B2 (en) | Nitride semi-conductive light emitting device | |
JPH0715041A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
JPH10229217A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP2000031533A (ja) | 半導体発光素子 | |
JPH10270756A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体装置 | |
JP3399216B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
JP2000261035A (ja) | GaN系の半導体素子 | |
US20060081860A1 (en) | Group III nitride semiconductor light-emitting element and method of manufacturing the same | |
KR100925062B1 (ko) | 4원계 질화물 반도체 발광 소자 및 그 제조 방법 | |
JPH077182A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
JP2008270275A (ja) | 窒化物半導体発光素子 | |
JPH10289877A (ja) | 化合物半導体の形成方法及び半導体装置 | |
JP3763701B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体発光素子 | |
US11955581B2 (en) | Group III nitride semiconductor device and production method therefor | |
JP3605907B2 (ja) | コンタクト抵抗低減層を有する半導体装置 | |
US20040056267A1 (en) | Gallium nitride semiconductor device and method of producing the same | |
JP2000183399A (ja) | GaN系化合物半導体発光素子 |