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JPH10270696A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH10270696A
JPH10270696A JP6980297A JP6980297A JPH10270696A JP H10270696 A JPH10270696 A JP H10270696A JP 6980297 A JP6980297 A JP 6980297A JP 6980297 A JP6980297 A JP 6980297A JP H10270696 A JPH10270696 A JP H10270696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
region
amorphous
forming
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6980297A
Other languages
English (en)
Inventor
Pal Gosain Daram
パル ゴサイン ダラム
Westwater Jonathan
ウエストウォーター ジョナサン
Miyako Nakakoshi
美弥子 中越
Setsuo Usui
節夫 碓井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6980297A priority Critical patent/JPH10270696A/ja
Publication of JPH10270696A publication Critical patent/JPH10270696A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非晶質の半導体膜を結晶化させる際、下地の
構造に応じて最適エネルギーのビームを照射可能で、膜
全体を一様に結晶化でき、膜破壊の恐れのない半導体装
置の製造方法を提供する。 【解決手段】 SiO膜14をガラス基板10上のゲ
ート電極11に対応する領域のみ残してエッチング除去
する。フォトレジスト膜をマスクとしてn型不純物を非
晶質Si膜にプラズマまたはイオンドーピングし、ソー
ス領域18a及びドレイン領域18bを形成する。次に
レジスト膜を剥離後基板表面側からレーザビーム19を
照射して非晶質Si膜を溶融し、室温に冷却して溶融領
域を結晶化させ、ソース及びドレイン領域18a,18
bを有する多結晶膜Si膜20が形成される。この際ゲ
ート電極に対応領域には温度調整膜としてのSiO
14が形成されているので、膜表面の到達温度は殆ど同
一になり、膜全体に一様に結晶化が起る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質シリコン等
の半導体膜にエネルギービームを照射して結晶化を行う
ことにより成膜を行う半導体装置の製造方法に係り、特
に、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)
等に用いられる薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film T
ransistor)のように結晶化の対象となる半導体膜の下
地が一様でない構造を有する半導体装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】TFT液晶表示装置は、スイッチング機
能をもつ素子に薄膜トランジスタ(TFT)を用いるも
ので、このTFTは液晶ディスプレイの画素の1つ1つ
に対応してガラス基板上に形成される。TFTには非晶
質シリコン膜製と多結晶シリコン膜製のものがあり、こ
のうち多結晶シリコン膜製のTFTは、非晶質のシリコ
ン膜に対してエネルギービーム、特にエキシマレーザを
照射することにより、低温で、ガラス基板上に高性能な
ものを作製することができる。このような多結晶シリコ
ン膜製のTFTを用いて、液晶ディスプレーの周辺回路
とピクセルスイッチング素子を同一基板上に作製するこ
とができる。そして、近年、多結晶シリコン膜製のTF
Tのうち、特に、安定した特性が得られることから、ボ
トムゲート構造のTFTが注目されている。
【0003】このボトムゲート構造のTFTは例えば図
9に示したような構成を有している。すなわち、ガラス
基板100上にモリブデンタンタル(MoTa)からな
るゲート電極101が形成され、このゲート電極101
上に酸化膜(Ta2 5 )102が形成されている。こ
の酸化膜102を含むガラス基板100上には窒化シリ
コン(SiNX ) 膜103および二酸化シリコン膜(S
iO2 )104からなるゲート絶縁膜が形成され、更に
この二酸化シリコン膜104上に薄い多結晶シリコン膜
105が形成されている。この多結晶シリコン膜105
内には例えばn型不純物の導入によりソース領域105
aおよびドレイン領域105bがそれぞれ形成されてい
る。多結晶シリコン膜105上にはこの多結晶シリコン
膜105のチャネル領域105cに対応して二酸化シリ
コン膜(SiO2 )106が選択的に形成されている。
多結晶シリコン膜105および二酸化シリコン膜106
の上にはn+ ドープト多結晶シリコン膜107、更にこ
のn+ ドープト多結晶シリコン膜107上にソース領域
105aに対向してソース電極108、またドレイン領
域105bに対向してドレイン電極109がそれぞれ形
成されている。
【0004】このボトムゲート構造のTFTは、次のよ
うな方法により製造することができる。すなわち、ガラ
ス基板100の全面にモリブデンタンタル(MoTa)
膜を形成した後、このモリブデンタンタル膜をエッチン
グにより所定形状にパターニングしてゲート電極101
を形成する。その後、ゲート電極101を陽極酸化させ
ることによりその表面に酸化膜102を形成する。次
に、PECVD(PlasmaEnhanced Chemical Vapor Depo
sition)法により、酸化膜102上の全面に窒化シリコ
ン膜103,二酸化シリコン膜104および非晶質シリ
コン膜を連続的に形成する。
【0005】次に、この非晶質シリコン膜に例えばエキ
シマレーザによるレーザビームを照射することにより、
この非晶質シリコン膜を一旦溶融させ、その後、室温に
冷却して結晶化させる。これによって非晶質シリコン膜
が多結晶シリコン膜105となる。続いて、チャネル領
域となる部分の多結晶シリコン膜105上にチャネル領
域に対応する形状の二酸化シリコン膜106を選択的に
形成した後、n型不純物例えば燐(P)や砒素(As)
を含んだ非晶質シリコン膜を形成し、再度エキシマレー
ザによるレーザビームの照射によってn+ ドープト多結
晶シリコン膜107とすると共に不純物を電気的に活性
化させる。
【0006】次に、スパッタガスとしてアルゴン(A
r)を用いたスパッタリング法により全面にアルミニウ
ム(Al)膜を形成した後、このアルミニウム膜および
+ ドープト多結晶シリコン膜107をそれぞれエッチ
ングにより所定の形状にパターニングし、ソース領域1
05aおよびドレイン領域105b上にソース電極10
8およびドレイン電極109を形成する。続いて、水素
にさらし二酸化シリコン膜106を通過する水素ラジカ
ル,原子状水素によってチャネル領域105cを水素化
することによってダングリングボンドなどを不活性化さ
せる。以上のプロセスにより図9に示したボトムゲート
構造のTFTを得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の方
法では、非晶質シリコン膜を結晶化する工程において、
非晶質シリコン膜に対してエネルギービームを照射する
が、このとき非晶質シリコン膜の下地の構造は一様では
ない。すなわち、ガラス基板100上に金属膜(ゲート
電極101)があり、非晶質シリコン膜の下地は金属と
ガラスの2種類の材質の異なる構造となっており、従
来、それぞれの上の領域の非晶質シリコン膜に対して同
時にエネルギービームを照射している。そして、この場
合、金属膜(ゲート電極101)上のチャネル領域にお
ける非晶質シリコン膜の結晶化エネルギーの最適条件を
基準とし、これと同じエネルギービームをガラス基板1
00上の非晶質シリコン膜にも照射していた。
【0008】しかしながら、同じ非晶質シリコン膜であ
っても、下地が金属の領域と下地がガラスの領域とで
は、熱伝導率が異なるため結晶化するためのエネルギー
の最適値は異なる。そのため、金属膜(ゲート電極10
1)上の非晶質シリコン膜の最適条件に合わせた従来の
方法では、ガラス基板100上の非晶質シリコン膜に対
して最適条件よりも多くのエネルギービームが照射され
ることとなり、そのため部分的に膜破壊が生ずるという
問題があった。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、非晶質の半導体膜を結晶化する際
に、下地の構造に応じて最適エネルギーのビームを照射
することが可能であり、膜全体にわたって一様に結晶化
することができ、膜破壊の虞れのない半導体装置の製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体装置
の製造方法は、基板上に選択的に金属膜を形成する工程
と、金属膜および基板上に非晶質で膜厚の均一な半導体
膜を形成する工程と、半導体膜上の金属膜に対応する領
域に金属膜よりも熱伝導率の低い温度調整膜を形成する
工程と、半導体膜にエネルギービームを照射することに
より半導体膜を一様に多結晶化する工程とを含むもので
ある。
【0011】本発明に係る半導体装置の製造方法は、よ
り具体的には、基板の表面に薄膜トランジスタのゲート
電極としての金属膜を形成し、この金属膜および基板上
に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に非晶質で膜厚の
均一な半導体膜を形成する工程と、半導体膜上の金属膜
に対応する領域に金属膜よりも熱伝導率の低い温度調整
膜を形成する工程と、温度調整膜に対応する領域以外の
領域に不純物を導入してソース領域およびドレイン領域
をそれぞれ形成する工程と、ソース領域およびドレイン
領域が形成された半導体膜にエネルギービームを照射し
て多結晶化する工程とを含むものである。
【0012】本発明による半導体装置の製造方法では、
非晶質の半導体膜を結晶化するためにエネルギービーム
を照射すると、非晶質の半導体膜が溶融し、その後、室
温に冷却することにより溶融領域が結晶化して多結晶の
半導体膜となる。このとき非晶質の半導体膜上の金属膜
(ゲート電極)に対応する領域に、金属膜より熱伝導率
の低い温度調整膜が成膜されているので、半導体膜表面
の最高到達温度がほぼ同じになり、同じエネルギーのビ
ーム照射で半導体膜の全面に渡って一様に結晶化するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0014】具体的な実施の形態の説明に先立ち、ま
ず、本発明の基本的な原理について説明する。前述のよ
うに、同じ非晶質シリコン膜であっても、下地が金属の
場合とガラスの場合とでは結晶化するためのエネルギー
の最適値はそれぞれ異なる。本発明では下地構造におい
て金属膜がある領域に、温度調整膜として金属膜より熱
伝導率の低い絶縁膜を成膜させることにより、同じエネ
ルギーのビーム照射で半導体膜の全面に渡って一様に結
晶化できるようにするものである。以下、その理由につ
いて説明する。
【0015】図3(a),(b)はシリコン膜の下地構
造が互いに異なる基板の例を表している。図3(a)の
構造は、ガラス基板60上にニッケル(Ni)膜61を
形成し、その上に窒化シリコン(SiN)膜62、絶縁
膜(SiO2)63および非晶質シリコン膜(a−Si)64
をこの順に形成したものである。一方、図3(b)の構
造は、ガラス基板60上に窒化シリコン(SiN)膜6
2、絶縁膜(SiO2)63および非晶質シリコン膜64をこ
の順に形成したもので、非晶質シリコン膜64の下地に
金属膜(ニッケル膜61)が存在しないこと以外は同じ
構造となっている。
【0016】図4は図3(a)の構造の非晶質シリコン
膜64に対してエネルギービームとしてエキシマレーザ
(エネルギー;360mJ/cm2 ,パルス幅;30n
s,波長308nm)を照射したときの、非晶質シリコ
ン膜64の最表面の温度変化をシミュレーションした結
果を表すものである。一方、図5は図3(b)の構造の
非晶質シリコン膜64に対して同じエキシマレーザを照
射したときの、非晶質シリコン膜64の最表面の温度変
化をシミュレーションした結果を表すものである。な
お、図6に膜の材料のパラメータを示す。
【0017】図4および図5の結果からも明らかなよう
に、エキシマレーザが照射されている間は、非晶質シリ
コン膜64の温度は融点(a−Si融点)まで急激に上
昇し、融点に達すると、そこで融解の潜熱のために上昇
の傾斜が一旦なだらかになり、その後再び急速に上昇す
る。ここで、それぞれ同じエネルギーのエキシマレーザ
を照射した場合、非晶質シリコン膜64の下地構造によ
って最高到達温度が異なる。すなわち、非晶質シリコン
膜64の下地に金属膜(ニッケル膜61)が存在する場
合(図3(a)の構造)には最高到達温度が約2653
(K)であるのに対して、下地に金属膜(ニッケル膜6
1)が存在しない場合(図3(b)の構造)には最高到
達温度が約2970(K)であり、下地の構造によって
大きく異なる。この最高到達温度の差は、絶縁膜63の
厚さが薄くなると、より大きくなる。最高温度に達した
後、エキシマレーザの照射が終了すると、図3(a),
(b)のいずれの構造においても、熱がガラス基板60
の方向に広がり、非晶質シリコン膜64の温度が徐々に
下がる。そして、シリコンの結晶化の温度(1410°
C)に達すると、結晶化の潜熱が出て、ある時間(結晶
化時間)は温度が一定となり、その後再び徐々に下がっ
ていく。
【0018】図3(a),(b)それぞれの構造の非晶
質シリコン膜64に対してエキシマレーザを照射する場
合、レーザ条件を最適化するためには、同じエネルギー
で、各非晶質シリコン膜64の表面の最高到達温度が同
じであることが望ましい。このようなことから、本発明
者は、図7に示したように図3(a)の構造の非晶質シ
リコン膜64上に温度調整膜として例えば二酸化シリコ
ン(SiO2)膜65を成膜させることにより、図3
(a),(b)の構造が互いに同じ温度条件となり、よ
って下地の構造(金属膜の有無)にかかわらずシリコン
膜の最表面の温度を同じにすることができると考え、図
8に示す特性図を実験により求めた。
【0019】図8は、図7の構造において、二酸化シリ
コン膜65の膜厚を変えたときのレーザ照射時における
非晶質シリコン膜64の最表面の最高到達温度と、レー
ザの反射率を表すものである。すなわち、図8は図7の
構造において、絶縁膜(SiO2)63の膜厚を100n
m、窒化シリコン(SiN )膜62の膜厚を50nm、非
晶質シリコン膜64の膜厚を30nmにそれぞれ固定
し、二酸化シリコン膜65の膜厚を変えて、エキシマレ
ーザを360mJ/cm2 で照射し、そのときの非晶質
シリコン膜64の最表面の最高到達温度と反射率をシミ
ュレーションした結果を表すものである。例えば、図3
(b)の構造では、非晶質シリコン膜64の最表面の最
高到達温度は2970Kまで上昇し、図3(a)の構造
では2653Kまでしか上昇しない。図8の結果によ
り、図3(b)の構造と図7の構造において、エネルギ
ービーム照射によるシリコン膜64の表面の最高到達温
度を同じにしてレーザ条件を最適化するためには、図7
の構造の二酸化シリコン膜65の膜厚を70nm,14
5nmまたは160nmに設定すればよいことがわか
る。従って、図7の構造において、二酸化シリコン膜6
5の膜厚を変えることによりニッケル膜61が有る領域
上の非晶質シリコン膜64の最表面の温度を自由に調整
することができるということがわかる。
【0020】本発明はこのような結果を利用し、同一の
基板上において、金属膜のある領域に金属膜より熱伝導
率が低い温度調整膜を成膜することにより、膜全体にわ
たって最高到達温度を同じとして一様に結晶化を行うも
のである。以下、本発明を薄膜トランジスタの製造方法
に適用した例について説明する。
【0021】図1(a)〜(c)および図2(a),
(b)は本発明の一実施の形態に係る薄膜トランジスタ
の製造方法を工程順に表すものである。まず、図1
(a)に示したように、例えばスパッタガスとしてアル
ゴン(Ar)を用いたスパッタリング法により基板、例
えばガラス基板10の全面に膜厚100nmのニッケル
(Ni)膜からなるゲート電極11を形成する。続い
て、例えば同じくスパッタガスとしてヘリウム(He)
を用いたスパッタリング法により全面に膜厚50nmの
窒化シリコン(SiNX ) 膜12a、引き続き膜厚10
0nmの二酸化シリコン(SiO2 )膜12bを形成し
て積層構造の絶縁膜12を形成し、続いて、例えばPE
CVD法により絶縁膜12上に膜厚30nmの非晶質シ
リコン膜13を連続的に形成する。非晶質シリコン膜1
3を形成した後、例えばスパッタリング法により非晶質
シリコン膜13上に例えば膜厚70nmの二酸化シリコ
ン膜14を成膜する。
【0022】次に、図1(b)に示したように、二酸化
シリコン膜14上の全面にフォトレジストを塗布し、こ
のフォトレジスト膜15に対してガラス基板10の裏面
側から例えばg線(波長436nm)による露光(裏面
露光)16を行う。このときゲート電極11がマスクと
なりゲート電極11と同じ幅のフォトレジスト膜15が
自己整合的に形成される。次いで、二酸化シリコン膜1
4をゲート電極11上にのみ残してエッチング除去する
ことにより図1(c)に示したようにガラス基板10上
のゲート電極11が形成された領域のみに二酸化シリコ
ン膜14を残す。次に、フォトレジスト膜15をマスク
として例えば90℃の低温でPH3 のプラズマを用いた
プラズマドーピングまたはイオンドーピングによりn型
不純物17、例えば燐(P)を非晶質シリコン膜13に
導入する。これにより、ソース領域18aおよびドレイ
ン領域18bが形成される。続いて、フォトレジスト膜
15を剥がした後、図2(a)に示したように、基板表
面からレーザビーム19を照射する。このレーザビーム
19の照射により非晶質シリコン膜13が溶融し、その
後、室温に冷却することにより溶融領域が結晶化し、ソ
ース領域18aおよびドレイン領域18bを備えた多結
晶シリコン膜20が形成される。ここで、本実施の形態
では、この多結晶シリコン膜20上の金属膜(ゲート電
極11)に対応する領域にこの金属膜よりも熱電導率の
低い二酸化シリコン膜14が成膜されているので、前述
のように下地での金属膜の有無にかかわらず膜表面の最
高到達温度がほぼ同じになり、膜全体に渡って一様に結
晶化を行うことができる。
【0023】レーザビーム19としては非晶質シリコン
膜13が吸収する波長のもの、特にエキシマレーザによ
るパルスレーザビームを用いることが好ましい。エキシ
マレーザとしては、XeClエキシマレーザによるパル
スレーザビーム(波長308nm)やXeFエキシマレ
ーザによるパルスレーザビーム(波長350nm)など
が用いられる。
【0024】次に、図2(b)に示したように例えばス
パッタガスとしてアルゴン(Ar)を用いたスパッタリ
ング法により、多結晶シリコン膜20中のソース領域1
8aおよびドレイン領域18b上にそれぞれアルミニウ
ム(Al)からなる電極21a,21bを形成する。続
いて、スパッタリング法により、保護層としての窒化シ
リコン膜22を形成する。次に、水素プラズマ中でプラ
ズマ水素化を行うことにより多結晶シリコン膜20内の
チャネル領域18cを水素化してダングリングボンドな
どを不活性化させる。
【0025】このように本実施の形態による薄膜トラン
ジスタの製造方法によれば、結晶化のためにレーザビー
ム19を照射する際に、金属膜(ゲート電極11)の有
る領域に予め金属膜より熱伝導率が低い二酸化シリコン
膜14が成膜されているので、基板の全面に渡って一様
に非晶質シリコン膜13の結晶化を行うことができる。
従って、膜破壊の虞れがなくなり、プロセスマージンを
大きくとることができる。
【0026】以上実施の形態を挙げて本発明を説明した
が、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく
種々変形可能である。例えば、上記実施の形態において
は、シリコン膜の下地の金属膜をニッケル膜として説明
したが、その他の金属膜(例えばアルミナ(Al
2 3 )膜とアルミニウム膜との2層構造)でもよい。
また、温度調整膜として、上記実施の形態では二酸化シ
リコン膜を用いるようにしたが、その他の膜、例えば窒
化シリコン膜を用いるようにしても良い。また、上記実
施の形態においては、非晶質の半導体膜としてシリコン
膜を用いて説明したが、その他の非晶質膜についてもエ
ネルギービームの照射により結晶化するものであれば適
用可能である。更に、上記実施の形態においては、本発
明を薄膜トランジスタの製造方法に適用した例について
説明したが、その他の半導体デバイスの製造プロセスに
適用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る半導体
装置の製造方法によれば、非晶質の半導体膜上の下地の
金属膜に対応する領域に、金属膜より熱伝導率の低い温
度調整膜を形成するようにしたので、非晶質の半導体膜
を結晶化するためにエネルギービームを照射する際、同
じエネルギーのビーム照射で半導体膜の全面に渡って一
様に結晶化させることができる。従って、膜破壊の虞れ
がなくなり、プロセスマージンを大きくとることができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜トランジスタ
の製造方法を工程ごとに表す断面図である。
【図2】図1に続く工程を表す断面図である。
【図3】本発明の基本原理を説明するための図であり、
(a)はシリコン膜の下地に金属膜が形成された構造、
(b)はシリコン膜の下地に金属膜が形成されていない
構造をそれぞれ表す断面図である。
【図4】図3(a)の構造にレーザビームを照射したと
きのシリコン膜の温度変化の状態を説明するための特性
図である。
【図5】図3(b)の構造にレーザビームを照射したと
きのシリコン膜の温度変化の状態を説明するための特性
図である。
【図6】図3の原理を説明するためのシミュレーション
に用いる各材料のパラメータを表す図である。
【図7】本発明の基本原理を説明するための図であり、
シリコン膜の下地に金属膜が形成されており、シリコン
膜上に金属膜より熱伝導率の低い絶縁膜が形成された構
造を表す断面図である。
【図8】図7の構造で金属膜より熱伝導率が低い絶縁膜
の膜厚に対するシリコン膜の最高到達温度と反射率を表
す特性図である。
【図9】従来の薄膜トランジスタの構造および製造方法
を説明するための断面図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板、11…ゲート電極(金属膜)、12
…絶縁膜、13…非晶質シリコン膜、14…二酸化シリ
コン膜(温度調整膜)、15…フォトレジスト膜、17
…n型不純物、18a…ソース領域、18b…ドレイン
領域、18c…チャネル領域、19…レーザビーム、2
0…多結晶シリコン膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 碓井 節夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に選択的に金属膜を形成する工程
    と、 前記金属膜および基板上に非晶質で膜厚の均一な半導体
    膜を形成する工程と、 前記半導体膜上の前記金属膜に対応する領域に前記金属
    膜よりも熱伝導率の低い温度調整膜を形成する工程と、 前記半導体膜にエネルギービームを照射することにより
    前記半導体膜を一様に多結晶化する工程とを含むことを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記非晶質の半導体膜はシリコン膜であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記エネルギービームはエキシマレーザ
    によるビームであることを特徴とする請求項1記載の半
    導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記温度調整膜の膜厚を前記金属膜の膜
    厚に応じて決定することを特徴とする請求項1記載の半
    導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の表面に薄膜トランジスタのゲート
    電極としての金属膜を形成し、この金属膜および前記基
    板上に絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜上に非晶質で膜厚の均一な半導体膜を形成す
    る工程と、 前記半導体膜上の前記金属膜に対応する領域に前記金属
    膜よりも熱伝導率の低い温度調整膜を形成する工程と、 前記温度調整膜に対応する領域以外の領域に不純物を導
    入してソース領域およびドレイン領域をそれぞれ形成す
    る工程と、 前記ソース領域およびドレイン領域が形成された半導体
    膜にエネルギービームを照射して多結晶化する工程とを
    含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP6980297A 1997-03-24 1997-03-24 半導体装置の製造方法 Pending JPH10270696A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008040192A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Sony Corp 表示装置および表示装置の製造方法
CN100382255C (zh) * 2004-09-24 2008-04-16 财团法人工业技术研究院 平坦多晶硅薄膜晶体管的制作方法

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