JPH10259221A - 熱可塑性エラストマー及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性エラストマー及びその製造方法Info
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- JPH10259221A JPH10259221A JP8551597A JP8551597A JPH10259221A JP H10259221 A JPH10259221 A JP H10259221A JP 8551597 A JP8551597 A JP 8551597A JP 8551597 A JP8551597 A JP 8551597A JP H10259221 A JPH10259221 A JP H10259221A
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Abstract
度高機械強度の熱可塑性エラストマ−の提供。 【解決手段】 (a)高分子鎖を構成する分子構造単位
として、一部または全部が共役ジエン単量体もしくはそ
の誘導体から構成されるブロック単位(Aブロック)を
少なくとも2個、直鎖状共役ジエン単量体もしくは直鎖
状共役ジエン単量体を主体とする単量体から構成される
ブロック単位(Bブロック)を少なくとも1個有し、か
つGPC法によるMn量が50000〜500000で
あってA/Bの重量比が3/97〜50/50の範囲で
あり、かつBブロックを構成する直鎖状共役ジエン単量
体単位中の1,2−ビニル結合量が15〜55%である
環状ジエン系熱可塑性エラストマ−。
Description
少なくとも2個の環状共役ジエン系ブロックと少なくと
も1個の1,3−ブタジエンやイソプレン等の直鎖状共
役ジエンブロックを有する新規環状共役ジエン系熱可塑
性エラストマ−、その部分水添環状ジエン系熱可塑性エ
ラストマ−及びこれらの製造方法に関する。より詳しく
は環状ジエン系ブロック共重合体のうち、特に常温・高
温に於ける機械強度、圧縮永久歪み、動的ヒステリシ
ス、耐熱老化性、耐候性、反発弾性等に優れた特定構造
を有する環状ジエン系熱可塑性エラストマ−、部分水添
熱可塑性エラストマ−及びこれらの製造方法に関する。
提案がなされており、主にエラストマ−、熱可塑性エラ
ストマ−、特殊透明樹脂として、タイヤ、ベルト、樹脂
の耐衝撃性改質用、粘接着剤、フィルム、容器等に広く
用いられている。代表的な共役ジエン系重合体として、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプ
レン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、α−メチルスチレン−ブタジ
エン共重合体、α−メチルスチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−イソプレン共重合体、ブタジエン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、イソプレン−メタクリル酸メチル
共重合体、あるいはこれらの水素化重合体等が既知であ
る。
して、両端に室温より高いガラス転移温度(Tg)のポ
リマ−ブロック(拘束相)を有し、その間に室温より低
いTgのポリマ−ブロック(ゴム相)からなるブロック
共重合体、例えば、スチレン−ブタジエン(またはイソ
プレン)−スチレンブロック共重合体及びその水素化重
合体は熱可塑性エラストマ−として粘接着剤・樹脂の改
質等多くの用途に広く用いられている。また、これらの
スチレン−ブタジエン(またはイソプレン)−スチレン
ブロック共重合体及びその水素化重合体にポリスチレ
ン、ポリオレフィン、ポリフェニレンエ−テル、スチレ
ン−ブタジエンジブロック共重合体及びその水素化物等
をブレンドさせたブロック共重合体組成物はスチレン−
ブタジエン(またはイソプレン)−スチレンブロック共
重合体及びその水素化重合体の耐熱性、流動性、粘着特
性等の諸物性を改良するために広く実用化されている。
い、高分子材料に対する市場要求は益々高度なものとな
ってきており、更に高い耐熱特性(耐熱老化性)・機械
的特性(引張強度・引張伸び・高温引張強度・高温引張
伸び等)・より加硫ゴムに近い圧縮永久歪みや動的ヒス
テリシスに優れた熱可塑性エラストマ−の開発が強く望
まれていた。この課題を解決するための有力な手段のひ
とつとして、ブタジエン、イソプレンのような比較的立
体障害の小さい単量体のみならず、立体障害の大きい単
量体、すなわち環状の単量体を共重合し、必要に応じて
さらに水素化することによって、共役ジエン系重合体の
高分子鎖の構造を改良して、高度な熱的・機械的特性を
有する高分子材料を得ようとする研究活動が盛んに行わ
れるようになってきている。
独重合あるいは共重合することが困難であるばかりでな
く、環状共役ジエン単量体を高分子鎖に導入したことに
よる特性を顕著に発現させる目的で環状共役ジエン単量
体をブロック共重合しようとする試みも検討されてはき
たが、未だに充分な物性を発現する環状ジエン系ブロッ
ク共重合体は得られておらずこの解決が強く望まれてい
た。米国特許4020251号明細書には、1,3−シ
クロヘキサジエン/ブタジエン系トリブロック共重合体
をTHFやTMEDAの存在下、1,3−シクロヘキサ
ジエンとブタジエンとを一括で仕込み、ジリチウムを開
始剤として重合する方法が開示されているが、得られた
トリブロックコポリマ−の分子量は数平均分子量で4〜
5.8万の記載があるものの、分子量分布は広く(1.
86〜2.35)、熱可塑性エラストマ−物性の代表で
ある引っ張り強度に至っては「低い」という記載のみで
あり、完全なトリブロック体が得られていない。
シクロヘキサジエン−ブタジエン−シクロヘキサジエン
トリブロックポリマ−とジブロックコポリマ−の混合物
が開示されているが、分子量分布が単峰でなく、完全な
トリブロック体が得られていない。しかもブタジエン部
分のミクロ構造もビニル結合量が54〜63%と高く、
機械強度も満足する強度が出ていない(室温破断強度で
150kgf/cm2以下)。
詳細な発明の説明の中に分子量の高いシクロヘキサジエ
ン−共役ジエン−シクロヘキサジエントリブロックポリ
マ−が開示されているが、エラストマ−として有用なト
リブロック以上のブロックポリマ−の重合・物性評価の
実施例や、他のエラストマ−物性やハ−ドセグメント/
ソフトセグメントのミクロ相分離に重要なソフト成分の
ミクロ構造の開示も示唆もない。また、これらの重合触
媒はTMEDA/n−BuLi=1/4の反応物を単離
精製したものを重合開始剤に用いているため、ブタジエ
ン部分のミクロ構造のうち1,2(ビニル)結合が高く
なり、機械強度、伸び、耐熱性、圧縮永久歪みが十分で
ない欠点を有する。これら錯体を用いた場合に得られた
ポリマ−の構造、物性比較を比較例で詳しく述べる。
公報、WO95/21202号公報には、TMEDA/
n−BuLi=1/4(mol比)の錯体を重合開始剤
として、シクロヘキサジエン−ブタジエン−シクロヘキ
サジエントリブロックポリマ−を重合し、さらにブタジ
エン部分を完全水添した分子量分布の狭い(Mw/Mn
≦1.1)トリブロックポリマ−が開示されているが、
ブタジエン部分のミクロ構造に関する開示も示唆も無
く、またシクロヘキサジエン部分の水添率やハ−ドセグ
メントのガラス転移温度等の記載がない。これも比較例
で示すが、重合開始剤の性質上、ブタジエン部分のミク
ロ構造が高くなる為、熱可塑性エラストマ−に有用な機
械強度、伸び、圧縮永久歪みが悪化する欠点を有する。
環状ジエン系ブロック共重合体の分子量・分子量分布・
水添部位及び水添率・ハ−ド/ソフト比率・ソフトセグ
メントのミクロ構造を特定範囲に規定した、高分子鎖を
構成する分子構造単位として、一部または全部が環状共
役ジエン単量体もしくはその誘導体から構成される少な
くとも2個のブロックと直鎖状共役ジエン単量体もしく
は直鎖状共役ジエン単量体を主体とする単量体から構成
される少なくとも1個のブロックを有する超高性能な環
状ジエン系熱可塑性エラストマ−、部分水添環状ジエン
系熱可塑性エラストマ−及びこれらの製造方法を提供す
るものである。
を解決するためにこれまで報告された環状共役ジエン系
ブロック共重合体について一次構造・高次構造と物性と
の関係について鋭意検討を重ねた結果、従来法では得る
ことの出来なかった、特定構造の環状共役ジエン系ブロ
ック共重合体が熱可塑性エラストマ−として優れている
ことを見出し、併せてその製造方法について鋭意検討し
た結果、この熱可塑性エラストマ−が従来の熱可塑性エ
ラストマ−の中で最も広い温度範囲で、優れたゴム特性
・低歪み性・耐久性及び加工性を有する高性能熱可塑性
エラストマ−であることを確認し、併せてその製造方法
を確立したことで本発明を完成した。
たは全部が、下記一般式(1)(2)で表される環状共
役ジエン単量体もしくはその誘導体から構成されるブロ
ック単位(Aブロック)を少なくとも2個、直鎖状共役
ジエン単量体もしくは直鎖状共役ジエン単量体を主体と
する単量体から構成されるブロック単位(Bブロック)
を少なくとも1個有し、GPC法によるポリスチレン換
算数平均分子量が50000〜500000であって、
A/Bの重量比が3/97〜50/50の範囲であり、
かつBブロック中を構成する直鎖状共役ジエン単量体単
位中のビニル結合量が15〜55%であることを特徴と
する環状ジエン系熱可塑性エラストマ−。
る。)
る。)
単位の一部または全部が、下記一般式(1)(2)で表
される環状共役ジエン単量体もしくはその誘導体から構
成されるブロック単位(Aブロック)を少なくとも2
個、直鎖状共役ジエン単量体もしくは直鎖状共役ジエン
単量体を主体とする単量体から構成されるブロック単位
(Bブロック)を少なくとも1個有し、かつGPC法に
よるポリスチレン換算数平均分子量が50000〜50
0000であってA/Bの重量比が3/97〜50/5
0の範囲であり、かつBブロック中のビニル結合量が2
5〜55%であって、Aブロックを構成する単量体中の
不飽和二重結合の水添率(A水添率)が50%以下であ
り、かつBブロックを構成する単量体中の不飽和二重結
合の水添率(B水添率)が90%以上である部分水添環
状ジエン系熱可塑性エラストマ−。
る。)
る。)
であり、かつB水添率が95%以上である[2]項記載
の部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ−。 [4] 好ましくはA水添率が25%以下であり、かつ
B水添率が95%以上であって、かつBブロック中の
1,2−ビニル結合量が30〜50%であることを特徴
とする[2]項記載の部分水添環状ジエン系熱可塑性エ
ラストマ−。 [5] 好ましくはAブロックを構成する単量体の一部
または全部が1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シ
クロヘキサジエン誘導体もしくはその分子内に6員環構
造を有する環状共役ジエン単量体であり、Bブロックを
構成する単量体が1,3−ブタジエン及び/またはイソ
プレンであるか、あるいは1,3−ブタジエン及び/ま
たはイソプレンを主体とする単量体である[1] 〜
[4] 項のいづれか記載の環状ジエン系熱可塑性エラス
トマ−、もしくは部分水添環状ジエン系熱可塑性エラス
トマ−。 [6] 好ましくは粘弾性測定法によるG”ピ−ク温度
から求めたハ−ドセグメントのガラス転移温度が130
〜200℃である[1] 〜[5] 項のいずれか記載の環
状ジエン系熱可塑性エラストマ−、もしくは部分水添環
状ジエン系熱可塑性エラストマ−。
換算分子量の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下で
ある[1] 〜[5] 項のいずれか記載の環状ジエン系熱
可塑性エラストマ−、もしくは部分水添環状ジエン系熱
可塑性エラストマ−。 [8] 2当量のモノ有機リチウム開始剤を−20〜6
0℃の温度範囲にて非極性炭化水素中で第三モノアミン
及び/またはエ−テル化合物の存在下に1,3−ジイソ
プロペニルベンゼンないしはその誘導体と反応させ、次
いで反応混合物にLi濃度に対して0.05〜0.49
倍モルの第三ジアミン及び/またはアルコキシリチウム
化合物を、また必要に応じてLiに対して30倍モル以
下の共役ジエン系単量体を添加することで生成するα,
ω−ジリチウム化合物を単離せずにそのまま開始剤に用
い、はじめにBブロックを重合し、ついで必要に応じて
Liに対して0.1〜2.0倍モルの第三ジアミンを添
加してからAブロックを重合することを特徴とする請求
項1〜7いずれか記載の環状ジエン系熱可塑性エラスト
マ−の重合方法。
キシ化合物のLi濃度に対する添加量が0.1〜0.2
4倍モルである[8]項記載の重合方法。 [10] [8]、[9]項の開始剤を用い、環状共役
ジエン単量体と直鎖状共役ジエン単量体を同時に添加し
て重合することを特徴とする[1] 〜[7] 項いずれか
記載の環状ジエン系熱可塑性エラストマ−の重合方法。 [11] 第三モノアミンがトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ジメチルアニリンから選ばれる少なくとも
一種の化合物であり、第三ジアミンがテトラエチルエチ
レンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラ
フェニルエチレンジアミン、テトラシクロヘキシルエチ
レンジアミンから選ばれる少なくとも一種の化合物であ
り、アルコキシリチウム化合物が炭素数1〜10個の化
合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である[8]
〜[10] 項いずれか記載の重合方法。
添熱可塑性エラストマ−を製造するに際し、下記(A)
成分、(B)成分の水添触媒組成物を用いることを特徴
とする部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ−の製
造方法。 (A)下記一般式(3)で示されるチタノセン化合物
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)及び、(B)Li、N
a、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも1つ
以上含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元
剤。
添熱可塑性エラストマ−を製造するに際し、下記(A)
成分、(B)成分にさらに(C)成分の触媒組成物を用
いることを特徴とする部分水添環状ジエン系熱可塑性エ
ラストマ−の製造方法。 (A)下記一般式(3)で示されるチタノセン化合物
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)及び、(B)Li、N
a、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも1つ
以上含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元
剤、(C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体の
オレフィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜
1であるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体。
添熱可塑性エラストマ−を製造するに際し、下記(A)
成分及び(B)成分、あるいは(A)、(B)及び
(C)成分に、さらに下記(D)成分を含む触媒組成物
を用いることを特徴とする部分水添環状ジエン系熱可塑
性エラストマ−の製造方法。 (A)下記一般式(3)で示されるチタノセン化合物
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)及び、(B)Li、N
a、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも1つ
以上含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元
剤、(C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体の
オレフィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜
1であるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体、
(D)アルコ−ル化合物、アルコキシリチウム化合物、
アルコキシナトリウム化合物、アルコキシカリウム化合
物、エ−テル化合物、チオエ−テル化合物、ケトン化合
物、スルホキシド化合物、カルボン酸化合物、カルボン
酸エステル化合物、アルデヒド化合物、ラクトン化合
物、アミン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エ
ポキシ化合物及びオキシム化合物の群から選ばれる少な
くとも一種の極性化合物。
り、水素化触媒添加量が重合体100gあたり0.01
〜5ミリモルである[12] 〜[14] 項いずれか記載
の製造方法。熱可塑性エラストマ−や耐衝撃性を有する
特殊透明樹脂(組成物)は少なくとも2個の拘束相(ブ
ロック)と少なくとも1個のゴム相(ブロック)から構
成され、両ブロックはミクロ相分離する必要がある。こ
のような構造を有する分子は拘束相がそのTg以下では
物理的架橋点として働き、エラストマ−弾性を発現す
る。ハ−ドセグメントのTg以上では拘束相も流動し、
射出成形やリサイクルが可能となる。
ミクロ相分離するには下記の(1)式でΔGmix >0に
なる必要があることが知られている。 ΔGmix =ΔHmix −TΔSmix (1) ΔHmix =f(χA-B ) (2) χA-B =(σA −σB )2 MA /ρA RT (3) 〔但し、(1)式でΔGmix は混合の自由エネルギ−変
化を、ΔHmix は混合のエンタルピ−変化を、Tは絶対
温度を、ΔSmix は混合のエントロピ−変化を表す。ま
た、(2)式でχA-B はA−Bブロック間のχパラメ−
タを表し、混合エンタルピ−変化はχA-B の関数である
ことを表している。(3)式でσは溶解度パラメ−タ
を、Mは分子量を、ρは比重を、Rはガス定数を、Tは
絶対温度を表す。〕 一般的に高分子では低分子に比べ、エントロピ−は小さ
い(ΔSmix ≒0)と考えられるから(1)式でΔG
mix >0になるにはΔHmix >0、すなわち(2)
(3)式が大きくなる必要がある。すなわちA−Bブロ
ックがミクロ相分離するにはA−Bブロック間の溶解度
パラメ−タの差(σA −σB )が大きくなるか、或いは
分子量が大きくなればよい。
ントの溶解度パラメ−タは既知文献では求められておら
ず、ソフトセグメントの溶解度パラメ−タもミクロ構造
で変化し得る為、ミクロ相分離を発現させるためのポリ
マ−構造は文献・計算等から求めることが出来ない。ま
た、ミクロ相分離は成形条件にも依存することが知られ
ており、これは主にポリマ−の溶融粘度に依存する。従
って新しいポリマ−でミクロ相分離構造を制御し、物性
を発現させることは大変困難なことである。本発明では
構造を特定することで環状ジエン系ブロック共重合体の
AブロックとBブロックが驚くべきことに高温下でもミ
クロ相分離するという事実を見出し、これに基づいて鋭
意検討した結果、本発明を完成させたものである。本発
明でいう拘束相(ハ−ドセグメント)を形成するのはA
ブロックであり、ゴム相(ソフトセグメント)を形成す
るのはBブロックである。
ストマ−、すなわち環状共役ジエン系ブロック共重合体
とは、その高分子鎖を構成する分子構造単位の一部に少
なくとも2個のAブロック単位及び1個のBブロック単
位から構成されるブロック共重合体である。かかる高分
子鎖を構成する分子構造単位として、主に環状共役ジエ
ン単量体もしくはその誘導体から構成されるブロック単
位(Aブロック)を少なくとも2個と、直鎖状共役ジエ
ン単量体もしくは直鎖状共役ジエン単量体を主体とする
単量体から構成されるブロック単位(Bブロック)を少
なくとも1個とを有する環状ジエン系ブロック共重合体
の例としては下記一般式(4)で表される線状ブロック
共重合体及び一般式(5)で表されるラジアルブロック
共重合体がある。
る。Xは例えばジメチルジクロロシラン、塩化メチレ
ン、四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油等の
多官能カップリング剤の残基又は多官能有機アルカリ金
属化合物等の開始剤の残基を表す。)
エラストマ−として用いるにはブロック共重合体の高分
子鎖を構成する分子構造単位が上記一般式(4)(5)
に示したAブロックが分子中に2個以上有する必要があ
る。このような分子が含まれていれば一般式(4)でa
=1、c=1であるブロック共重合体、すなわちB−A
−Bトリブロック共重合体やA−Bジブロック共重合体
等が含まれていても良い。この場合、これらの物理的架
橋に寄与しない共重合体の量は全ブロック共重合体中に
任意の割合で入っていても各々の用途に応じて利用する
ことが出来るが、機械物性発現上は70重量パ−セント
以下が望ましい。
クの連結点は環状共役ジエン単量体と直鎖状共役ジエン
単量体とが直接結合しても構わないし、2官能カップリ
ング剤の残基(例えばジメチルジクロロシラン、塩化メ
チレン等)、エステル結合、アミド結合、カ−ボネ−ト
結合等で連結されていても構わない。また、一般式
[(A−B)n ]m+2 X、[(A−B)n −A]m+2 X
(但しmは0または1以上、nは1以上の整数)で表さ
れるラジアルブロック共重合体は熱可塑性エラストマ−
になるが、一般式[(B−A)n ]m+2 X、[(B−
A)n −B]m+2 Xで表されるラジアルブロック共重合
体は組成物が熱可塑性エラストマ−になるにはnが2以
上の整数になる必要がある(但しmは0または1以上の
整数である)。これらラジアルブロック共重合体は全て
同じ組成である必要はない。例えば、一般式(5)にお
ける[(A−B)n ]m+2 Xは(A−B)4 X、(A−
B)3X、(A−B)2 X及び(A−B)の任意の組成
の混合物であっても良い。
共重合体とは、その高分子鎖を構成する分子構造単位の
一部に少なくとも2個のAブロック単位及び少なくとも
1個のBブロック単位から構成されるブロック共重合体
であるのでA、Bブロックのみから構成される必要はな
い。したがって、例えば、A−B−C−A、A−C−B
−A、B−A−C−A(但し、CブロックはA,B単量
体ブロックと共重合可能な単量体及びその誘導体から選
ばれる一種以上の単量体よりなるブロック単位で例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭
化水素単量体、メチルメタアクリレ−ト、アクリロニト
リル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の極性
単量体、環状ラクトン、環状シロキサン等の環状極性化
合物単量体等)なる構造の環状ジエン系ブロック共重合
体も本願発明の中に含まれる。
もしくはその誘導体、及び/または直鎖状共役ジエン単
量体を共重合していても良い。また、複数の異種ブロッ
ク(C、D、E・・・)が入っていても良い。D、E・
・・ブロックを構成する単量体は上記Cブロックを構成
する単量体の定義と同じである。本発明の環状ジエン系
熱可塑性エラストマ−は、好ましい製造例として後述す
るようにアルキルリチウムと各種錯化剤の組み合わせに
よりリビングアニオン重合でA−Bジブロックを重合し
ておき、この一部をカップリングさせることで本発明の
ブロック共重合体組成物を製造するプロセスを挙げるこ
とが出来るが、この方法では実質的には、必ず未反応の
A−Bジブロック共重合体が残る。このジブロック共重
合体の全ブロック共重合体中の割合は5〜95重量パ−
セントである。この割合が5重量パ−セントより少ない
と加工性・流動性の改良効果が低くなる場合がある。9
5重量パ−セントより多いとこれら加工性等は大幅に改
良されるが、熱可塑性エラストマ−や耐衝撃性を有する
特殊透明樹脂としての良好な機械物性(破断強度・破断
伸び等)は失われるので好ましくない。
好ましい分子量分布(Mw/Mn)は1.2以下であ
り、このジブロック共重合体の割合は全ブロックポリマ
−中10重量パ−セント以下である。本発明の環状ジエ
ン系熱可塑性エラストマ−の分子量は、GPC法による
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)として、50
000〜500000である。50000より短いとハ
−ド/ソフト比にもよるが、高性能熱可塑性エラストマ
−物性、特に高温機械強度に劣るので好ましくない。ま
た、数平均分子量が500000より大きいと、300
℃以上の高温でも可塑化せず、実用上使用が困難な場合
もある。
は重量平均分子量である)は加工性を高めるために意図
的に広げる場合もあるが、1.01〜1.2が好まし
い。また、本発明の環状ジエン系熱可塑性エラストマ−
を構成するAブロック、すなわち主に環状共役ジエン単
量体もしくはその誘導体から構成される単量体の重量
は、3〜50重量パ−セントである。この値が50重量
パ−セントを越えると軟質樹脂の領域となり、熱可塑性
エラストマ−に必要な引っ張り伸び、低歪み、高反発な
どの性質が損なわれる。またこの値が3重量パ−セント
を下回ると、ハ−ドセグメントが物理的架橋点として働
かず、また耐熱物性等も期待できなくなる。
共役ジエン単量体もしくはその誘導体とは、炭素−炭素
結合により構成される5員環以上の環状共役ジエンであ
り、好ましくは1,3−シクロペンタジエン、1,3−
シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエン、
1,3−シクロオクタジエン及びこれらの誘導体を例示
することが出来るが、特に好ましいものは1,3−シク
ロヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン誘導体も
しくはその分子内に六員環構造を有する環状共役ジエン
である。リビングアニオン重合において、環状ジエン単
量体は一般式(1)(1,2−付加)、または一般式
(2)(1,4−付加)のミクロ構造をとる。
る。)
る。)
用いた場合、本発明においては1,2/1,4の比率は
約10/90〜50/50に変化する。本発明において
は特にこの値は限定しないが、耐熱物性発現上、好まし
い比率は1,2/1,4で30/70〜50/50であ
る。なお、本発明の環状ジエン系熱可塑性エラストマ−
を構成するAブロック、すなわち「高分子鎖を構成する
分子構造単位として、一部または全部が環状共役ジエン
単量体もしくはその誘導体から構成されるブロック単
位」の「一部または全部」という意味は環状共役ジエン
単量体もしくはその誘導体からのみなる場合だけではな
く、これら環状共役ジエン単量体もしくはその誘導体と
共重合可能な他の単量体との共重合ブロックでも構わな
いことを意味する。共重合可能な単量体としては、例え
ばアニオン重合によって重合可能な従来公知の単量体を
例示することが出来る。
ソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の直鎖
状共役ジエン単量体やスチレン、α−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−
ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ジフェニ
ルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等
のビニル芳香族炭化水素単量体あるいはメタアクリル酸
メチル、アクリル酸メチル、アクリロニトリル等の極性
単量体、環状ラクトン、環状シロキサン等の環状極性化
合物単量体等を挙げることが出来る。これら単量体は一
種でも、あるいは2種以上の混合物であっても構わな
い。この中でもスチレン及びα−メチルスチレンが好ま
しい。これらの共重合可能な単量体はAブロック中に好
適には80重量パ−セント以下、さらに好ましくは50
重量パ−セント以下の範囲で用いることが出来る。Aブ
ロック中のこれら共重合可能な単量体はランダム或は交
互共重合により分子鎖中に分布していても良いし、一部
ブロックを形成していても、テ−パ−状に分布していて
も構わない。
ストマ−を構成しているものの内Bブロックを構成する
直鎖状共役ジエン単量体とは、一対の共役炭素−炭素二
重結合を有する直鎖状のジオレフィンであり、1,3−
ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エンが挙げられ、特に1,3−ブタジエン、イソプレン
が好ましい。また、Bブロックを構成する直鎖状共役ジ
エン単量体を主体とする単量体から構成されるブロック
単位とは、必要に応じ、上記直鎖状共役ジエン単量体と
共重合可能な従来公知の単量体を共重合させたブロック
単位を意味する。
共重合が可能な単量体として、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、1、3−ジメチルス
チレン、ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニ
ルアントラセン等のビニル芳香族炭化水素単量体あるい
はメタアクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリロ
ニトリル等の極性単量体、環状ラクトン、環状シロキサ
ン等の環状極性化合物単量体等を挙げることが出来る。
勿論、環状共役ジエン、環状共役ジエン誘導体も共重合
することが出来る。これら単量体は一種でも、あるいは
2種以上の混合物であっても構わない。この中でもスチ
レン及びα−メチルスチレンが好ましい。これらの共重
合可能な単量体はBブロック中に好適には50重量%以
下、さらに好ましくは30重量%以下の範囲で用いるこ
とが出来る。Bブロック中のこれら共重合可能な単量体
はランダム或は交互共重合によりBブロック分子鎖中に
分布していても良いし、一部ブロックを形成しても、テ
−パ−状に分布していても構わない。
エン単量体として、1,3−ブタジエンを用いた場合に
は、ポリブタジエンブロックが形成される。ポリブタジ
エンにはミクロ構造がシス、トランスの1,4結合とビ
ニルの1,2結合がある。また、ポリイソプレンの場合
はシス、トランスの1,4結合の他に、3,4結合と
1,2結合がある。ポリイソプレンは通常のリビングア
ニオン重合においては1,2は殆ど生成しないので、通
常ビニル結合といえば、ポリブタジエンの場合は1,2
結合、ポリイソプレンの場合は3,4結合を指す。本発
明のビニル結合とはポリブタジエンの1,2−結合、ポ
リイソプレンの1,2−及び3,4−結合である。
塑性エラストマ−の物性発現上、重要な因子である。す
なわちこの値が環状ジエン系熱可塑性エラストマ−では
直鎖状共役ジエン単量体中の15〜55重量パ−セント
である。後述する部分水添環状ジエン系熱可塑性エラス
トマ−では25〜55重量パ−セント、好ましくは30
〜50重量パ−セントである。このBブロックを構成す
る直鎖状共役ジエン単量体中のビニル結合量が上限を越
えると特に室温・高温機械物性や、低温性能の悪化が起
こり好ましくない。また、下限を越えると特に部分水添
環状ジエン系熱可塑性エラストマ−の場合、ソフト部の
結晶化が起こり、柔軟さ・低温性能に劣るので好ましく
ない。
二重結合は熱・酸素・ラジカル等により容易にゲル化・
架橋・分子鎖切断等を起こすので、成形・加工時には既
存の安定剤の充分な添加が必須である。本発明の第二の
発明である、部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ
−の一次構造は基本的には、1)第一の発明である環状
ジエン系熱可塑性エラストマ−のBブロック中のオレフ
ィン性二重結合を90%以上水添(B水添率≧90%)
し、かつAブロック中のオレフィン性不飽和結合の水添
率を50%以下に押さえること、2)Bブロック中のビ
ニル結合量を25〜55%であること、以外は同じであ
る。
水添率を90%未満にすると、成形加工時にゲル化、ポ
リマ−鎖の切断等、好ましくない副反応が起こりやすく
なるばかりでなく耐候性も悪化するので好ましくない。
特にハ−ドセグメントのガラス転移温度が高いことから
加工温度は必然的に高くなり、副反応が起こり易くな
る。特に耐熱性が要求される用途に用いる場合は、この
水添率を90%以上にすることは必須である。より望ま
しい水添率は95%以上である。Aブロック中のオレフ
ィン性不飽和二重結合の水添率を50%以上にすると、
更に耐候性、耐熱性が向上するが、加工温度が上昇する
こと、分子量・ハ−ド/ソフト比によってはミクロ相分
離性が悪化し、逆に高性能熱可塑性エラストマ−として
充分な性能を発揮しない場合がある。好ましいAブロッ
ク中のオレフィン性不飽和二重結合の水添率は25%以
下である。
ン性不飽和二重結合の水添率がそれぞれ、95%以上、
25%以下であり、所定の範囲の分子量・ハ−ド/ソフ
ト比・ミクロ構造を有する部分水添環状ジエン系熱可塑
性エラストマ−が最も高性能エラストマ−物性の発現上
好ましい。部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ−
の主にBブロック中の鎖状共役ジエン系単量体のビニル
結合量は25〜55%である。このBブロック中の鎖状
共役ジエン単量体は事実上、殆ど水添されているため、
共役ジエン単量体がブタジエンの場合は1,4結合はポ
リエチレン単量体に、ビニル結合は1−ブテン単量体と
なる。水添前のビニル結合量が25%より小さいとこれ
を水添した場合にポリエチレンの結晶成分が生じ、エラ
ストマ−の機械強度は向上するものの、圧縮永久歪み
(c−set)、永久歪み(p−set)等の物性が悪
化し、柔軟さや低温性能も失われるので好ましくない。
また、この値が55%を越えると低温性能が失われるば
かりでなく、室温・高温の機械強度・伸び等が失われる
場合がある。より好ましいビニル結合量は30〜50%
である。
び部分水添熱可塑性エラストマ−は室温以下から250
℃程度までの温度領域においてミクロ相分離構造をとる
ので良好なエラストマ−物性を示す温度領域が広いのが
特徴である。通常、スチレン系熱可塑性エラストマ−
(例えば、SBSやSEBS)では、スチレンドメイン
部分のガラス転移温度をDSCやバイブロン等の動的粘
弾性測定法によって求めるが、本発明のハ−ドドメイン
のガラス転移温度はせん断速度一定の条件下でもっぱら
レオメトリックス社のRMS(Rheometrics
Mechanical Spectrometer)
800のG”のピ−ク温度から求めた。これによると本
発明の好ましい熱可塑性エラストマ−のハ−ドドメイン
のガラス転移温度は130〜200℃である。より望ま
しくは140〜180℃である。
−は好ましくは複合ジリチウム開始剤を用いて下記方法
によってリビングアニオン重合により得ることが出来
る。この方法は2当量のモノ有機リチウム開始剤を−2
0〜60℃の温度範囲にて非極性炭化水素中で第三モノ
アミン及び/またはエ−テル化合物の存在下に1,3−
ジイソプロペニルベンゼンないしはその誘導体と反応さ
せ、次いで反応混合物にLi濃度に対して0.05〜
0.49倍モルの第三ジアミン及び/またはアルコキシ
リチウム化合物を、また必要に応じてLiに対して30
倍モル以下の共役ジエン系単量体を添加することで生成
するα,ω−ジリチウム化合物を単離せずにそのまま開
始剤に用いることを特徴とするものである。
に1個のリチウム原子を結合した有機リチウム化合物で
あり、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−プ
ロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム、アリルリチウム、フェニルリチウム等が挙げら
れる。この中で好ましいリチウムはsec−ブチルリチ
ウムもしくはtert−ブチルリチウムである。1,3
−ジイソプロペニルベンゼンないしはその誘導体とモノ
有機リチウムとの反応に際し、反応温度は好ましくは−
10〜50℃、より好ましくは10〜30℃の範囲であ
る。
はその誘導体とモノ有機リチウムとの反応の際のモノ有
機リチウムの濃度がリチウム/非極性炭化水素溶剤で
0.3モル/リットル、好ましくは0.6モル/リット
ル、さらに好ましくは1モル/リットル以上で反応させ
ることによって合成されたジリチウム化合物中の全リチ
ウム原子の90モル%以上、好ましくは95モル%以上
がジリチウム化合物で構成されるものである。
たジリチウム化合物を不活性雰囲気下で水によって失活
させた後、有機層に含有される成分のGPCを測定する
ことによって決定される。用いるカラムは排除限界が1
000〜5000のものが好ましく、また、検出器には
紫外吸光光度計(254nm)が用いられる。ポリスチ
レンを標準サンプルとするカラム検量線より、水失活さ
せた化合物中のオリゴマ−成分を同定し、その分子量に
より各成分比を分析することが可能である。さらに触媒
中に含まれる未反応のモノ有機リチウム化合物は、水失
活させたサンプル及び活性サンプルよりガスクロマトグ
ラフィ−によって別途分析される。従って上記分析値か
ら真のジリチウム含率が算出できる。
−の重合開始剤として用いられるジリチウム化合物の具
体的な例としては、1,3−または1,4−ビス(1−
リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン、1,3
−または1,4−ビス(1−リチオ−1−エチル−3−
メチルペンチル)ベンゼン、1,3−または1,4−ビ
ス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)−5−メ
チルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−リチ
オ−1,3−ジメチルブチル)ベンゼン、1,3−また
は1,4−ビス(1−リチオ−1,3,3−トリメチル
ブチル)−5−メチルベンゼン等が挙げられる。かかる
ジリチウム化合物のうち、ジリチウム含有率が高く溶解
性にも優れ、かつリビングアニオン重合活性が高く、し
かも工業的に入手し易い原料から合成される好ましい開
始剤は、1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチル
ペンチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−リチオ−1,
3,3−トリメチルブチル)ベンゼンである。すなわち
1,3−ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリ
チウムないしはtert−ブチルリチウムが最も好まし
い組み合わせである。
素溶剤は5〜8個の炭素原子、より好ましくは5個もし
くは6個の炭素原子を有するアルカン、シクロアルカン
から選ばれる少なくとも一種の溶剤が良い。1,3−ジ
イソプロペニルベンゼン誘導体とはイソプロペニル基の
メチルがフェニル基、炭素数が7〜10個のアリ−ル基
に置換されているもの、ベンゼン環の一部または全部が
メチル基で置換されているものを指す。
ロペニルベンゼンとの反応で促進剤として用いる第三モ
ノアミンは及び/またはエ−テル化合物はトリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、テトラヒ
ドロフラン(THF)、テトラメチルTHF、アニソ−
ル、ジエチルエ−テル、tert−ブチルメチルエ−テ
ルから選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。こ
れらの化合物が入っていれば一部を他のエ−テル化合物
(例えばエチルブチルエテル)もしくは他の第三モノア
ミン、第三ジアミン化合物(例えばTMEDA)と置換
しても良い。置換できる量は第三モノアミン及び/また
はエ−テル化合物の60モルパ−セント以下である。ま
た、Aブロックの重合の際に用いられる第三ジアミンは
テトラエチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレン
ジアミン、テトラフェニルエチレンジアミン、テトラシ
クロヘキシルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも
一種の化合物が好ましい。
アルコキシリチウム化合物としては好ましくは3〜6個
の炭素原子、より好ましくは4個の炭素原子を有し、特
に好ましくはtert−ブトキシリチウムが使用され
る。第三ジアミン及び/またはアルコキシリチウム化合
物はLi濃度に対して0.05〜0.49倍モルの濃度
で添加される。添加量が0.05倍モル以下であると、
単分散で重合しない場合がある。また、この量を越える
と、単分散で重合するものの、共役ジエン単量体中のビ
ニル量が高くなり、所望の高性能熱可塑性エラストマ−
を得ることが出来ないので好ましくない。より好ましい
添加量はLi濃度に対し、0.1〜0.24倍モルであ
る。
系熱可塑性エラストマ−の重合方法の一例を以下に示
す。はじめに直鎖状共役ジエン単量体を主体とするブロ
ック(Bブロック)を重合し、ついで必要に応じてLi
に対して0.1〜2.0倍モルの第三ジアミンを添加し
てから環状共役ジエン単量体もしくはその誘導体をブロ
ック(Aブロック)重合する逐次重合法があげられる。
また、環状共役ジエン単量体と直鎖状共役ジエン単量体
を同時に添加して重合するモノマ−一括重合方法があげ
られる。後者の重合の場合には重合の段階で第三ジアミ
ンの追添加は直鎖状共役ジエン単量体中のビニル量を上
げる効果があるので不要である。
しくはその誘導体の単量体あるいは直鎖状共役ジエン単
量体もしくは直鎖状共役ジエン単量体を主体とする単量
体を逐次フィ−ドすることでトリブロック、ペンタブロ
ック、マルチブロック共重合体を重合することが出来
る。また、これらの重合は等温重合でも断熱重合でも構
わない。重合温度は0〜120℃、好ましくは20〜1
00℃、より好ましくは30〜80℃の範囲で行う。ま
た、本発明のジリチウム開始剤は重合に用いる前に必要
に応じてLiに対して30倍モル以下の共役ジエン系単
量体を添加することが出来るが、好ましい共役ジエン系
単量体としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2−
エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンまたはその混
合物から選択することが出来る。
の異なる2種以上の成長種が出現し、重合の開始及び初
期重合において各々の重合速度の速い部分と遅い部分が
生じ、少なくとも2分散型の分子量分布で成長反応が進
む場合がある。この場合は必要に応じて第三ジアミンの
添加が効果的である。一方、30倍モル以下であれば、
重合の開始反応及び成長反応は完全に統一されて起こ
り、単分散で重合が進行するので、極めて分子量分布の
狭い単分散ポリマ−が得られる。該モル比は30以下で
適宜選択されるが、共約ジエン系単量体/ジリチウム開
始剤が単量体と開始剤とを混合した際、発熱が大きく、
反応系の条件が変動しやすくコントロ−ルが難しくなる
のでポリマ−濃度の比較的高い場合(約25重量パ−セ
ント以上)はあまり好ましくない。従って、重合開始時
の好ましい共約ジエン系単量体/ジリチウム開始剤モル
比は10〜30、より好ましくは10〜20である。か
かる範囲に選択すれば、重合開始に伴う発熱も大きくな
く、ジリチウム開始剤は全て同一活性となって重合開始
反応が起こり、成長反応も全系同一速度で重合し、単分
散で極めて分子量分布の狭いポリマ−を得ることが出来
る。
始剤モル比は重合開始時に実現することが必要であるが
初期重合後、すなわち触媒に単量体がつけば重合系にさ
らにいかなる量の新たな単量体を追加しても良い。ま
た、かくして得られたジリチウムオリゴマ−を開始剤と
して別の重合を行っても良い。より好ましい鎖状共役ジ
エン系単量体は1,3−ブタジエン、イソプレンであ
る。合成されるα、ω−ジリチウム化合物は単離せずに
そのまま重合開始剤に用いる。
トマ−の重合法は溶液重合であるが、使用できる溶媒と
してはブタン、ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサ
ン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン
等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ
−テル類を例示することが出来る。これらは単独でも2
種以上混合して用いても構わない。
ましい製造方法に用いられる重合開始剤の使用量は、目
的により種々異なったものとなるため限定することは出
来ないが、一般的には単量体1molに対し、1×10
ー5〜1×10ー1モルパ−セントの範囲であり、好ましく
は1×10ー4〜1×10ー2モルパ−セントの範囲で実施
することが出来る。重合に要する時間は条件によって異
なるが、通常は20時間以内であり、特に好適には1〜
5時間である。また、重合系の雰囲気は窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスをもって置換することが望
ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲で単量体及び溶
媒を液相に維持するのに十分な圧力の範囲で行えば良
く、特に限定されるものではない。さらに重合系内には
開始剤及び活性末端を不活性化させるような不純物、例
えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないように留意する
必要がある。重合方式はバッチ式、連続式、あるいはセ
ミバッチ式のいずれの方法でも利用することが出来る。
量体及び/またはこれと共重合可能な単量体の存在下、
好ましくは非存在下に開始剤成分の一部の組合せ、ある
いは全てを予備反応あるいは熟成しておくことは本発明
のブロック共重合体を好適に得る方法においては好まし
い手段である。これらの操作の条件によっては重合活性
が向上し、好ましくない副反応(連鎖移動、活性金属種
の脱離)を極力防ぎ、その結果、分子量分布が狭くなる
等の効果を達成することも可能である。重合反応が所定
の反応率を達成した後、必要に応じて既述のごとく公知
のカップリング剤の他、末端変性剤もしくは末端分岐化
剤、さらには重合停止剤、重合安定剤、酸化防止剤等を
反応系に加える。これらをこの段階で添加するのは、次
の工程で溶媒を除去する際に重合体が酸化的劣化や熱的
劣化を起こすのを防止する上で有効である。末端変性剤
としては通常のリビングアニオン重合の活性末端と反応
し得る公知の化合物を挙げることが出来る。
炭素、アルキレンオキシド、アルキレンスルフィド、イ
ソシアナ−ト化合物、イミノ化合物、アルデヒド化合
物、ケトン及びチオケトン化合物、エステル類、ラクト
ン類、含アミド化合物、尿素化合物、酸無水物等を挙げ
ることが出来る。末端分岐化剤としてはポリエポキサイ
ド、ポリイソシアナ−ト、ポリイミン、ポリアルデヒ
ド、ポリケトン、ポリアンハイドライド、ポリエステ
ル、ポリハライド等の化合物がある。これらの化合物は
2種あるいはそれ以上の官能基を分子中に含んでいても
良い。これら末端変性剤もしくは末端分岐化剤はそれぞ
れ単独あるいは2種以上組み合わせても良い。
されてきた公知の安定剤のいずれでも良く、フェノ−ル
系、有機ホスフェ−ト系、有機ホスファイト系、アミン
系、イオウ系等の種々の公知の酸化防止剤が使用され
る。安定剤は一般にブロック共重合体組成物100重量
部に対し、0.001〜10重量部の範囲で使用され
る。重合停止剤としては好ましい開始剤である有機金属
化合物の錯体の活性末端を失活させることの出来る公知
の停止剤が使用できるが、好適なものは水、炭素数が1
〜10であるアルコ−ル、ケトン、多価アルコ−ル(エ
チレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリ
ン)、フェノ−ル、酸化防止剤でもあるヒンダ−ドフェ
ノ−ル、酸、ケトン、ハロゲン化炭化水素、アミン及び
これらの混合物である。これらは、一般に重合体及び組
成物100重量部に対し、0.01〜10重量部の範囲
で使用される。停止剤は安定剤を添加する前に添加して
も良いし、安定剤と同時に添加しても良い。また、活性
末端に分子状の水素を接触させることで、失活させても
構わない。
通常の共役ジエン系重合体の製造における公知の脱溶媒
方法を用いれば良く、例えば、溶媒を加熱して蒸発させ
る方法、溶液を温水に分散させ水蒸気を吹き込んで溶媒
を蒸発させる方法(スチ−ムストリッピング法)、メタ
ノ−ル等の沈澱剤を多量に添加して溶媒と分離する方
法、溶液を真空乾燥させる方法、フラッシュ塔等で溶媒
の一部を蒸発させた後更にベント式押出機で溶媒を除去
する方法などが採用できる。本発明の部分水添共役ジエ
ン系熱可塑性エラストマ−は上記重合方法等で重合した
ブロック共重合体中のオレフィン性不飽和二重結合のう
ち、Bブロック中のそれをより選択的に水添(水素添
加)し、耐候性・耐酸化性をさらに高めた熱可塑性エラ
ストマ−である。
用することでBブロック中の直鎖状共役ジエンブロック
のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上、好ま
しくは95%以上水添し、かつAブロック中の環状共役
ジエンもしくはその誘導体ブロックのオレフィン性不飽
和二重結合のうち、50%以下、好ましくは25%以下
の水添率に押さえることを意味している。通常、直鎖状
共役ジエンブロック中のオレフィン性不飽和二重結合は
酸素、熱、オゾンにより酸化劣化、架橋、分子鎖切断を
受け、熱可塑性エラストマ−として好ましくない物性低
下を引き起こす場合がある。しかしながら環状ジエン共
役ジエンブロック中のオレフィン性不飽和二重結合が残
っていてもさほど好ましくない物性低下を受けにくい。
この理由は定かではないが、環状共役ジエンブロック部
分は通常分子鎖切断が起こりやすい、二重結合のアリル
位が切れても分子骨格にC−C単結合が残っており、極
端な分子量の低下は見られない為と一つには推定され
る。
ユニットのオレフィン性不飽和二重結合の水添率を高く
すれば、超耐熱・耐候性ブロックポリマ−になり得る
が、耐熱性が上がる分、加工性が悪くなり、構造を限定
しないと実用には向かない。本発明の部分水添共役ジエ
ン系熱可塑性エラストマ−は以下の方法で効率良く製造
できることを見出し、発明を完成させた。本発明の方法
は部分水添熱可塑性エラストマ−を製造するに際し、下
記(A)成分、(B)成分の水添触媒組成物を用いるこ
とを特徴とする部分水添環状ジエン系熱可塑性エラスト
マ−の製造方法である。
(3)で示されるチタノセン化合物である。
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)
て例えば下記一般式(4)で表される置換基も含まれ
る。
キル炭化水素基を示し、R8 からR10のうち1つ以上は
水素であり、n=0または1である。) 一般式(4)のうち、R8 からR10が全てアルキル炭化
水素基である化合物は恐らく立体障害の為に水添活性が
若干、劣る可能性もあるので好ましくない。また、アル
キル炭化水素基が中心金属に対しオルトの位置にある化
合物は活性はあるものの、合成が困難であるので望まし
くない。
ス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
メチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チ
タニウムジメチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス
(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエ
チル、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウム
ジエチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジエチル、ビス(η5 −n−ブチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジエチル、ビス(η5 −
シクロペンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチ
ル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジ−sec−ブチル、ビス(η5 −エチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス
(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
−sec−ブチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(η
5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、
ル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5−エチルシクロ
ペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5 −
プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシ
ル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チ
タニウムジヘキシル、ビス(η5 −シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −メチルシクロ
ペンタジエニル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −
エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジオクチル、
ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジオクチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −
メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシ
ド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジメトキシド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −n−
ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシ
ド、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジ
エトキシド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジエトキシド、
ル)チタニウムジエトキシド、ビス(η5 −プロピルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス
(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジエトキシド、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チ
タニウムジプロポキシド、ビス(η5 −メチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス(η5
−エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキ
シド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チ
タニウムジプロポキシド、ビス(η5 −n−ブチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス
(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジブトキシ
ド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジブトキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジブトキシド、
ル)チタニウムジブトキシド、ビス(η5 −n−ブチル
シクロペンタジエニル)チタニウムジブトキシド、ビス
(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニ
ル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジフェニル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −プロピルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η
5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフ
ェニル、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウ
ムジ(m−トリル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、ビス(η5 −
エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリ
ル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チ
タニウムジ(m−トリル)、ビス(η5 −n−ブチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、
ニウムジ(p−トリル)、ビス(η5−メチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η
5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−
トリル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −n−ブ
チルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリ
ル)、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウム
ジ(m,p−キシリル)、ビス(η5 −メチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、ビ
ス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
(m,p−キシリル)、ビス(η5 −プロピルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、ビ
ス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジ(m,p−キシリル)、ビス(η5−シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス
(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
(4−エチルフェニル)、
ル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス(η5
−プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−
エチルフェニル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビ
ス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−
ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビ
ス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −プロピルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニ
ル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)
チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −
シクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビ
ス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
フェノキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェノキシド、ビス(η5 −プロピル
シクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビ
ス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジフェノキシド、
ニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス
(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジフルオラ
イド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジフルオライド、ビス(η5 −エチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −
プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジフルオラ
イド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)
チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −メチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビ
ス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −n−ブチル
シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス
(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイ
ド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジブロマイド、ビス(η5−エチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジブロマイド、ビス(η5 −プロピ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイド、ビ
ス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジブロマイド、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)
チタニウムジイオダイド、ビス(η5 −メチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジイオダイド、ビス(η5 −
エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジイオダイ
ド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジイオダイド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジイオダイド、
ニウムクロライドメチル、ビス(η5−メチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η
5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライ
ドメチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η5 −n−ブ
チルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドメチ
ル、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムク
ロライドエトキサイド、ビス(η5 −メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス
(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロ
ライドエトキサイド、ビス(η5 −プロピルシクロペン
タジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス
(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウム
クロライドエトキサイド、ビス(η5−シクロペンタジ
エニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、ビス
(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロ
ライドフェノキサイド、ビス(η5 −エチルシクロペン
タジエニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、ビ
ス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウム
クロライドフェノキサイド、ビス(η5 −n−ブチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキサ
イド、
ニウムクロライドベンジル、ビス(η5 −メチルシクロ
ペンタジエニル)チタニウムクロライドベンジル、ビス
(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジベンジ
ル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジベンジル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジベンジル、ビス(η5 −プロピルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジベンジル、ビス(η
5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジベ
ンジル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チ
タニウムジカルボニル、ビス(η5 −シクロペンタジエ
ニル)チタニウムジカルボニル、ビス(η5−エチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル、ビス
(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
カルボニル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジカルボニル等が挙げられる。これら
は単独あるいは相互に組み合わせて用いることが出来
る。これらチタノセン化合物は以上の例示に限定され
ず、これら以外でもシクロペンタジエニル環のアルキル
基の置換数が0、2、3、4のものも好適に用いられ
る。
ィン化合物のオレフィン性不飽和二重結合を高位に水添
し、かつ耐熱性にも優れるが、特に環状ジエン系ブロッ
ク重合体中の直鎖状共役ジエンユニットのオレフィン性
不飽和二重結合に対する水添活性及び選択性が高く、か
つ広い温度領域中で不飽和二重結合を高位にかつ選択的
に水添し、工業的にも入手可能な望ましいものとして
は、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −エチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η
5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロ
ライド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −シクロペン
タジエニル)チタニウムジメチル、
ル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −エチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −プロ
ピルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス
(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジメチル、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5
−エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p- ト
リル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)
チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −n−ブチル
シクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、
ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジフェ
ニル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジフェニル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −プロピル
シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス
(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニルを挙げることが出来る。
しいものとしては、ビス(η5 −シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −メチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η
5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロライド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)
チタニウムジフェニル、ビス(η5 −n−ブチルシクロ
ペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −
シクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、
ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジ(p−トリル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジ(p−トリル)を挙げること
が出来る。
(A)のチタノセン化合物を還元する能力のある公知の
有機金属化合物・含金属化合物のうち、Li、Na、
K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも一つ以上
を含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤
が用いられる。これらは有機リチウム化合物、有機ナト
リウム化合物、有機カリウム化合物、有機亜鉛化合物、
有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有
機カルシウム化合物等を挙げることが出来るが、単独あ
るいは二種以上(A)と組み合わせて用いることによっ
てオレフィン化合物を水添することができる。
チウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソ
プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチ
ルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウ
ム、フェニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウ
ム、m−トリルリチウム、p−トリルリチウム、キシリ
ルリチウム、ジメチルアミノリチウム、ジエチルアミノ
リチウム、各種ジリチウム、トリリチウム化合物、ま
た、メトキシリチウム、エトキシリチウム、n−プロポ
キシリチウム、イソプロポキシリチウム、n−ブトキシ
リチウム、sec−ブトキシリチウム、t−ブトキシリ
チウム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチ
ウム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウ
ム、フェノキシリチウム、4−メチルフェノキシリチウ
ム、ベンジルオキシリチウム、4−メチルベンジルオキ
シリチウム等が挙げられる。
チウムを反応させて得られるリチウムフェノラ−ト化合
物も使われる。かかるフェノ−ル系安定剤の具体例とし
ては、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベン
ゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル、
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ−ル、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノ−
ル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブ
チルフェノ−ル、ブチルヒドロキシアニソ−ル、2−
(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェ
ノ−ル、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェ
ノ−ル、2−メチル−4,6−ジノニルフェノ−ル、
2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−
p−クレゾ−ル、メチレンビス(ジメチル−4,6−フ
ェノ−ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン
ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノ−ル)、
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−
ブチルフェノ−ル)、4,4’−メチレンビス(2,6
−ジ−tert−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチ
レンビス(6−α−メチルベンジル−p−クレゾ−ル)
等が挙げられる。
−クレゾ−ルの水酸基を−OLiとした2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノキシリチウムが特に好適に
使われる。また、トリメチルシリルリチウム、ジエチル
メチルシリルリチウム、ジメチルエチルシリルリチウ
ム、トリエチルシリルリチウム、トリフェニルシリルリ
チウム等の有機ケイ素リチウム化合物でも良い。含Na
化合物の具体例としては、メチルナトリウム、エチルナ
トリウム、n−プロピルナトリウム、イソプロピルナト
リウム、n−ブチルナトリウム、sec−ブチルナトリ
ウム、イソブチルナトリウム、tert−ブチルナトリ
ウム、n−ペンチルナトリウム、n−ヘキシルナトリウ
ム、フェニルナトリウム、シクロペンタジエニルナトリ
ウム、m−トリルナトリウム、p−トリルナトリウム、
キシリルナトリウム、ナトリウムナフタレン等が挙げら
れる。
ウム、エチルカリウム、n−プロピルカリウム、イソプ
ロピルカリウム、n−ブチルカリウム、sec−ブチル
カリウム、イソブチルカリウム、tert−ブチルカリ
ウム、n−ペンチルカリウム、n−ヘキシルカリウム、
トリフェニルメチルカリウム、フェニルカリウム、フェ
ニルエチルカリウム、シクロペンタジエニルカリウム、
m−トリルカリウム、p−トリルカリウム、キシリルカ
リウム、カリウムナフタレン等を挙げることができる。
上記有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化
合物の一部は環状共役ジエン及び直鎖上共役ジエン化合
物、場合によってはこれらとビニル芳香族炭化水素化合
物のリビングアニオン重合開始剤として用いられるが、
被水添のオレフィン化合物がこれら金属の活性末端を有
する環状共役ジエン系重合体(リビングポリマ−)であ
る場合、これらの活性末端も触媒(B)成分として作用
する。
ス(η5 −シクロペンタジエニル)亜鉛、ジフェニル亜
鉛等が挙げられ、さらに含Mg化合物としては、ジメチ
ルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、エチルブチルマグネシウム、メチルマグネシ
ウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチ
ルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロラ
イド、フェニルマグネシウムブロマイド、フェニルマグ
ネシウムクロライド、tー ブチルマグネシウムクロライ
ド、tー ブチルマグネシウムブロマイド等が挙げられ
る。
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニ
ウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアル
ミニウムヒドリド、トリフェニルアルミニウム、トリ
(2−エチルヘキシル)アルミニウム、(2−エチルヘ
キシル)アルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサ
ン、エチルアルミノキサン等が挙げられる。
ウムハイドライド、ナトリウムハイドライド、カルシウ
ムハイドライド等のアルカリ(土類)金属水素化物や、
ナトリウムアルミニウムハイドライド、カリウムアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルナトリウムアルミニ
ウムハイドライド、トリ(t- ブトキシ)アルミニウム
ハイドライド、トリエチルナトリウムアルミニウムハイ
ドライド、ジイソブチルナトリウムアルミニウムハイド
ライド、トリエチルナトリウムアルミニウムハイドライ
ド、トリエトキシナトリウムアルミニウムハイドライ
ド、トリエチルリチウムアルミニウムハイドライド等の
2種以上の金属を含有する水素化物でも構わない。ま
た、上記有機アルカリ金属化合物と有機アルミニウム化
合物とを予め反応させることで合成される錯体、有機ア
ルカリ金属化合物と有機マグネシウム化合物を予め反応
させることで合成される錯体(ア−ト錯体)等も含まれ
る。
両者から構成される触媒組成物は広い温度領域において
オレフィン化合物の不飽和二重結合を高位に水添する。
(A)(B)成分にさらに(C)または(D)成分を組
み合わせることで触媒の貯蔵安定性が増し、水添活性に
再現性が発現し取扱い易くなる。本発明の部分水添熱可
塑性エラストマ−を製造するに際し、触媒成分として
(A)成分、(B)成分にさらに側鎖のオレフィン性不
飽和二重結合の全体のオレフィン性不飽和二重結合量に
対する分率が0.3〜1であるオレフィン性不飽和二重
結合含有重合体を(C)成分として使用した触媒組成物
を用いることが好ましい実施態様となる。
和二重結合量全体のオレフィン性不飽和二重結合量に対
する分率が0.3〜1であるオレフィン性不飽和二重結
合含有重合体であるが、この重合体の製造に用いられる
モノマ−の例としては共役ジエンが挙げられ、一般に4
〜約12個の炭素原子を有する共役ジエンが挙げられ
る。具体的な例としては、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、2,3−ジメチルブタジエン、1,3−ペンタジ
エン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘ
キサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエ
ン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、1,3−シク
ロヘキサジエン等が挙げられる。これらは、単独または
二種以上共重合させてもいい。工業的に有利に展開で
き、取扱いが比較的楽な1,3−ブタジエン、イソプレ
ンが特に好ましく、これらの単独或は共重合体であるポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレ
ン共重合体が好ましい。
エン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエンおよびこ
れらのアルキル置換体を単独重合あるいは共重合したも
のでよい。触媒成分(C)の重合体は数平均分子量が5
00以上1000000以下であればよい。数平均分子
量が500より小さいと触媒活性安定化の効果が少なく
なる。取扱いが容易で溶剤溶解性にも優れる数平均分子
量500以上の液状ゴムが用いられる。液状ゴムは常温
で液状のものが好ましく、数平均分子量が500〜10
000のものが特に良い。数平均分子量が10000以
上になると液状としての取扱いが困難になることを除い
ては触媒組成物の性能は特に問題はない。かかる触媒
(C)成分の重合体においてはミクロ構造が最も重要で
ある。「側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体のオ
レフィン性不飽和二重結合に対する分率」とは、以下の
ように定義される。
ン性不飽和炭素炭素二重結合数]/[(C)成分重合体
の全体のオレフィン性不飽和炭素炭素二重結合全数] この値が0.3〜1の範囲にあることが好ましく、この
範囲であれば末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ
基、エポキシ基等の官能基を有していてもよい。この値
の範囲の意味するところは触媒(C)成分の具体例とし
てポリブタジエンを用いた場合、全オレフィン性不飽和
二重結合(シス1,4結合、トランス1,4結合、1,
2結合)に対し側鎖のオレフィン不飽和二重結合(1,
2結合)が0.3〜1(30〜100%)の範囲にある
ことが好ましいことである。この割合が0.3より小さ
くなると還元後の水添触媒組成物が不安定となり、貯蔵
安定性が劣るので好ましくない。
ニル化合物との共重合体でもよい。芳香族ビニル化合物
の具体例としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α
ーメチルスチレン、p- メチルスチレン、ジビニルベン
ゼン、1、1ージフェニルエチレン、N,Nージエチル
−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレ
ンが好ましい。具体的な共重合体の例としては、ブタジ
エン/スチレン共重合体、イソプレン/スチレン共重合
体等が最も好適である。これらの共重合体は、ランダ
ム、ブロック、星型ブロック、テ−パ−ドブロック等い
ずれでもよく、特に限定されない。また結合芳香族ビニ
ル化合物の量としては70%以下が好ましい。この量が
70%を越えると実質的に共役ジエン部の側鎖のオレフ
ィン性不飽和二重結合量の全体の共重合体に占める割合
が少なくなるために触媒の安定化効果が減少する結果、
比較的多量の触媒成分(C)が必要となるので水添され
る共役ジエン系重合体及び共役ジエンとビニル芳香族炭
化水素との共重合体の物性が変わる可能性があるので実
質的に意味が無い。
の側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体のオレフ
ィン性二重結合に対する分率が0.3〜1であることが
必要であり、より望ましい分率は0.5〜0.99であ
る。これら触媒成分(C)は、ラジカル重合、カチオン
重合、アニオン重合、配位アニオン重合等既知の方法い
ずれを用いて重合してもよいが、側鎖のオレフィン性不
飽和二重結合の量を増加させるには極性溶媒中あるいは
その存在下で有機リチウムや有機ナトリウム化合物を触
媒としてリビングアニオン重合して得るか、コバルト系
チ−グラ−型触媒により配位アニオン重合で得るか、ま
たはエチレンとジシクロペンタジエン類を共重合させて
得ることが出来る。
ヒドロフラン、テトラメチルエチレンジアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、エチルエーテル、テト
ラメチルフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジピペリジノエタン等が挙げられる。Li系触媒として
メチルリチウム、エチルリチウム,n−プロピルリチウ
ム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリウム、sec
−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブ
チルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリ
チウム、トリメチルシリルリチウム、等が挙げられる。
Na系触媒としては、メチルナトリウム、エチルナトリ
ウム、n−プロピルナトリウム、イソプロピルナトリウ
ム、n−ブチルナトリウム、sec−ブチルナトリウ
ム、イソブチルナトリウム、フェニルナトリウム、ナト
リウムナフタレン、シクロペンタジエニルナトリウム等
が挙げられる。
(A)(B)(D)成分から構成される触媒組成物の貯
蔵安定性をさらに向上させるには触媒(A)(B)
(C)(D)成分との組合せが最も効果的である。
(D)成分としては、アルコ−ル化合物、アルコキシリ
チウム化合物、アルコキシナトリウム化合物、アルコキ
シカリウム化合物、エ−テル化合物、チオエ−テル化合
物、ケトン化合物、スルホキシド化合物、カルボン酸化
合物、カルボン酸エステル化合物、アルデヒド化合物、
ラクトン化合物、アミン化合物、アミド化合物、ニトリ
ル化合物、エポキシ化合物及びオキシム化合物の群から
選ばれる少なくとも一種の極性化合物が挙げられる。
ては、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピル
アルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブチルアル
コ−ル、イソブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ
−ル、tert−ブチルアルコ−ル、n−アミルアルコ
−ル、イソアミルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル及び
その異性体、ヘプチルアルコ−ル及びその異性体、オク
チルアルコ−ル及びその異性体、カプリルアルコ−ル、
ノニルアルコ−ル及びその異性体、デシルアルコ−ル及
びその異性体、ベンジルアルコ−ル、フェノ−ル、クレ
ゾ−ル、2,6−ジ・tert−ブチル−p−クレゾ−
ル等の一価アルコ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレ
ングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ペンチルグリコ−ル、
ネオペンチルグリコ−ル、ヘキシルグリコ−ル、ヘプチ
ルグリコ−ル及びこれらのグリコ−ルの異性体であるグ
リコ−ル(二価アルコ−ル)等を挙げることが出来る。
また、グリセリン等の三価アルコ−ルやエタノ−ルアミ
ン、グリシジルアルコ−ル等、一分子中に他の官能基を
有する化合物であっても良い。
ジメチルエ−テル、ジエチルエ−テル、ジ−n−プロピ
ルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、ジ−n−ブチル
エ−テル、ジ−sec−ブチルエ−テル、ジフェニルエ
−テル、メチルエチルエ−テル、エチルブチルエ−テ
ル、ブチルビニルエ−テル、アニソ−ル、エチルフェニ
ルエ−テル、エチレングリコ−ルジメチルエ−テル、エ
チレングリコ−ルジエチルエ−テル、エチレングリコ−
ルジブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ
−テル、ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル、フラ
ン、テトラヒドロフラン、α−メトキシテトラヒドロフ
ラン、ピラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等が挙
げられる。また、テトラヒドロフランカルボン酸のよう
に一分子中に他の官能基を有する化合物でも構わない。
は、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジ−n
−ブチルスルフィド、ジ−sec−ブチルスルフィド、
ジ−t−ブチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、メ
チルエチルスルフィド、エチルブチルスルフィド、チオ
アニソ−ル、エチルフェニルスルフィド、チオフェン、
テトラヒドロチオフェン等が挙げられる。さらにケトン
化合物の具体例としては、アセトン、ジエチルケトン、
ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジ−
n−ブチルケトン、ジ−sec−ブチルケトン、ジ−t
−ブチルケトン、ベンゾフェノン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン、ベンジルフェニルケトン、プロピ
オフェノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジ
アセチル、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等が
挙げられる。
は、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テ
トラメチレンスルホキシド、ペンタメチレンスルホキシ
ド、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシ
ド、p−トリルスルホキシド等が挙げられる。さらにカ
ルボン酸化合物の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、カプロン酸、ラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、シクロヘキシルプロピオン酸、シク
ロヘキシルカプロン酸、安息香酸、フェニル酢酸、o−
トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸等の一塩基酸、蓚酸、マレイン酸、
マロン酸、フマル酸、琥珀酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、セバシン酸、イタコン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、ジフェン酸
等の二塩基酸の他、トリメリット酸・ピロメリット酸及
びそれらの誘導体等を挙げることが出来る。また、例え
ば、ヒドロキシ安息香酸のように一分子中に他の官能基
を有する化合物であっても構わない。
は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、ラ
ウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シクロヘキシ
ルプロピオン酸、シクロヘキシルカプロン酸、安息香
酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、
p−トルイル酸、アクリル酸、メタクリル酸等の一塩基
酸、蓚酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、琥珀酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、イ
タコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナ
フタル酸、ジフェン酸等の二塩基酸と、メチルアルコ−
ル、n−プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−
ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ−
ル、t−ブチルアルコ−ル、アミルアルコ−ル、ヘキシ
ルアルコ−ル、ヘプチルアルコ−ル、イソヘプチルアル
コ−ル、sec−ヘプチルアルコ−ル、オクチルアルコ
−ル及びその異性体、フェノ−ル、クレゾ−ル、グルシ
ジルアルコ−ル等のアルコ−ル類とのエステル、アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のβ−ケトエステル等
が挙げられる。
β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプ
ロラクトン、及び次の酸に対応するラクトン化合物等が
挙げられる。すなわち、この酸としては、2−メチル−
3−ヒドロキシ−プロピオン酸、3−ヒドロキシノナノ
ンまたは3−ヒドロキシペラルゴン酸、2−ドデシル−
3−ヒドロキシプロピオン酸、2−シクロペンチル−3
−ヒドロキシプロピオン酸、3−フェニル−3−ヒドロ
キシプロピオン酸,2−ナフチル−3−ヒドロキシプロ
ピオン酸,2−n−ブチル−3−シクロヘキシル−3−
ヒドロキシプロピオン酸、2−フェニル−3−ヒドロキ
シトリデカン酸、2−(2−エチルシクロペンチル)−
3−ヒドロキシプロピオン酸、2−メチルフェニル−3
−ヒドロキシプロピオン酸、3−ベンジル−3−ヒドロ
キシプロピオン酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピオン酸、2−メチル−5−ヒドロキシバレリル
酸、3−シクロヘキシル−5−ヒドロキシバレリル酸、
4−フェニル−5−ヒドロキシバレリル酸,2−ヘプチ
ル−4−シクロペンチル−5−ヒドロキシバレリル酸,
2−メチル−3−フェニル−5−ヒドロキシバレリル
酸、3−(2−シクロヘキシルエチル)−5−ヒドロキ
シバレリル酸、2−(2−フェニルエチル)−4−(4
−シクロヘキシルベンジル)−5−ヒドロキシバレリル
酸、ベンジル−5−ヒドロキシバレリル酸、3−エチル
−5−イソプロピル−6−ヒドロキシカプロン酸、2−
シクロペンチル−4−ヘキシル−6−ヒドロキシカプロ
ン酸、2−イクロペンチル−4−ヘキシル−6−ヒドロ
キシカプロン酸、3−フェニル−6−ヒドロキシカプロ
ン酸、3−(3,5−ジエチル−シクロヘキシル)−5
−エチル−6−ヒドロキシカプロン酸、4−(3−フェ
ニル−プロピル)−6−ヒドロキシカプロン酸,2−ベ
ンジル−5−イソブチル−6−ヒドロキシカプロン酸,
7−フェニル−6−ヒドロキシル−オクトエノ酸,2,
2−ジ(1−シクロヘキセニル)−5−ヒドロキシ−5
−ヘプテノ酸、2,2−ジプロペニル−5−ヒドロキシ
−5−ヘプテノ酸、2,2−ジメチル−4−プロペニル
−3−ヒドロキシ−3,5−ヘプタジエノ酸等が挙げら
れる。
ソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチル
アミン、t−ブチルアミン、n−アミルアミン、t−ア
ミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミ
ン、アニリン、ベンジルアミン、o−アニシジン、m−
アニシジン、p−アニシジン、α−ナフチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ
−sec−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−
n−アミルアミン、ジイソアミルアミン、ジベンジルア
ミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−
エチル−o−トルイジン、N−エチル−m−トルイジ
ン、N−エチル−p−トルイジン、トリエチルアミン、
トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、
トリ−n−アミルアミン、トリイソアミルアミン、トリ
−n−ヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェ
ニルメチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリ
ン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエ
チル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイ
ジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピロ
リジン、ピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチ
ルピペリジン、ピリジン、ピペラジン、2−アセチルピ
リジン、N−ベンジルピペラジン、キノリン、モルホリ
ン等が挙げられる。
なくとも一つの−C(=O)−N<または−C(=S)
−N<結合を有する化合物であり、具体的には、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、アセトアミド、プロピオンアミ
ド、ベンツアミド、アセトアニリド、ベンツアニリド、
N−メチルアセトアニリド、N,N−ジメチルチオホル
ムアミド、N,N−ジメチル−N,N’−(p−ジメチ
ルアミノ)ベンズアミド、N−エチレン−N−メチル−
8−キノリンカルボキシアミド,N,N’−ジメチルニ
コチンアミド,N,N−ジメチルメタクリルアミド、N
−メチルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N
−アセチル−ε−カプロラクタム,N,N,N’,N’
−テトラメチルフタルアミド,10−アセチルフェノキ
サジン、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベン
ゾイルフェノチアジン、10−アセチルフェノチアジ
ン,3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイ
ルフェノチアジン,N−エチル−N−メチル−8−キノ
リンカルボキシアミド等の他、N,N’−ジメチル尿
素、N,N’−ジエチル尿素、N,N’−ジメチルエチ
レン尿素、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、
N,N−ジメチル−N’,N’−ジエチル尿素、N,N
−ジメチル−N’,N’−ジフェニル尿素等の直鎖状尿
素化合物などが挙げられる。
アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、
ベンジルニトリル、アジポニトリル、マロノニトリル、
N,N−ジメチルアミノ−ベンジルニトリル等が挙げら
れる。さらにエポキシ化合物の具体例としては1,3−
ブタジエンモノオキシド、1,3−ブタジエンオキシ
ド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキ
シド、シクロヘキセンオキシド、1,2−エポキシシク
ロドデカン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキ
シエイコサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エ
ポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、
1,2−エポキシオクタン、エチレングリコ−ルジグリ
シジルエ−テル、1,2−エポキシテトラデカン、ヘキ
サメチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,7−
オクタジエンエポキシド、2−フェニルプロピレンオキ
シド、プロピレンオキシド、トランス−スチルベンオキ
シド、スチレンオキシド、エポキシ化1,2−ポリブタ
ジエン、エポキシ化アマニ油、グリシジルメチルエ−テ
ル、グリシジルn−ブチルエ−テル、グリシジルアリル
エ−テル、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアク
リレ−ト等を挙げることが出来る。
アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム、ジエチ
ルケトンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフ
ェノンオキシム、ベンジルフェニルケトンオキシム、シ
クロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、
ベンズアルデヒドオキシム等が挙げられる。本発明の水
素化触媒及び好ましい水添条件下では環状ジエン系ブロ
ック共重合体中にビニル置換芳香族炭化水素ユニットを
共重合した場合、この炭素炭素二重結合(芳香環)の水
添は実質的に起こらない。本発明では環状ジエン系ブロ
ック共重合体のうち環状ジエン単量体ユニットのオレフ
ィン性不飽和二重結合よりもBブロック中のそれをより
選択的に水添した部分水添環状オレフィン系熱可塑性エ
ラストマ−を効率良く得ることが出来る。部分水添の意
味は、特定の水素化触媒を使用することでBブロック中
の直鎖状共役ジエンブロックのオレフィン性不飽和二重
結合のうち90%以上、好ましくは95%以上水添し、
かつAブロック中の環状共役ジエンもしくはその誘導体
ブロックのオレフィン性不飽和二重結合のうち、50%
以下、好ましくは25%以下の水添率に押さえることを
意味している。
オレフィン性不飽和二重結合を有する前記重合体を不活
性有機溶媒に溶解した溶液において行われる。ここで言
う「不活性有機溶媒」とは、溶媒が水添反応のいかなる
関与体とも反応しないものを意味する。好適な溶媒は、
例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、シクロヘプタンの如き脂環式炭化
水素類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランの如き
エ−テル類の単独もしくは混合物である。また、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族
炭化水素も、選択された水添条件下で芳香族二重結合が
水添されない時に限って使用することができる。
添物溶液を水素または不活性雰囲気下、所定の温度に保
持し、撹拌下または不撹拌下にて水添触媒を添加し、つ
いで水素ガスを導入して所定圧に加圧することによって
実施される。不活性雰囲気とは、例えば、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン等の水添反応のいかなる関与体とも反応
しない雰囲気を意味する。空気や酸素は触媒成分を酸化
したりして触媒の失活を招くので好ましくない。また窒
素は水添反応時触媒毒として作用し、水添活性を低下さ
せる場合がある。特に、水添反応器内は水素ガス単独の
雰囲気であることが最も好適である。本発明の複合水添
触媒組成物は触媒槽中で適当な溶媒中で触媒成分(C)
の存在下、触媒成分(A)を触媒成分(B)で還元した
後に、触媒成分(D)を最後に添加させることで調製す
る。(A)(B)(C)の添加順序は任意で構わない
が、必ず(D)が最後でなければならない。
は環状共役ジエンと直鎖状共役ジエン、必要に応じて、
ビニル芳香族炭化水素との共重合体がリビングアニオン
重合法で得られる場合は、活性末端を停止させる際に通
常は活性末端の当モル以下ないし過剰の失活剤を添加す
るが、失活剤として過剰のアルコ−ルないしケトン化合
物等を用いた場合には系中にアルコキシアルカリ金属が
存在する場合もあり得る。本発明に用いられる複合水添
触媒の調合雰囲気は前記不活性雰囲気の他に、水素でも
構わない。還元温度ならびに貯蔵温度は−50℃から5
0℃であり、−20℃から30℃の範囲が特に好まし
い。還元に要する時間は、還元温度によっても異なる
が、25℃では、数秒から60日であり、1分から20
日の範囲が好ましい。
取扱うことが必要である。触媒成分(A)については空
気中においても安定である場合もあるが、不活性雰囲気
下で取扱うことが好ましい。本発明の複合水添触媒を構
成する触媒成分(A)、(B)、(C)、(D)は前記
不活性有機溶媒の溶液として使用する方が扱い易く好適
である。溶液として用いる場合に使用する不活性有機溶
媒としては、水添反応のいかなる関与体とも反応しない
前記各種溶媒を使用することができる。好ましくは水添
反応に用いる溶媒と同一の溶媒である。
加する場合は、水素雰囲気下で行うのが最も好適であ
る。添加する時の温度は−30℃から100℃の温度、
好ましくは−10℃から50℃の範囲の温度にて水添反
応直前に添加するのが好ましい。高い水添活性および水
添選択性を発現するための各触媒成分の混合比率は、触
媒成分(B)の金属モル数と、触媒成分(A)のモル数
との比率(以下 Metal(B)/Metal(A)
モル比)で約20以下の範囲である。MetaL(B)
/Metal(A)モル比が20を越えると実質的な活
性向上に関与しない高価な触媒成分(B)を過剰に用い
ることにより不経済であるばかりではなく、不必要な副
反応を招き易く好ましくない。Metal(B)/Me
tal(A)モル比=0.05から20の範囲で水添活
性がある。さらに好ましくは、0.05から5の範囲で
あり、この範囲で水添活性は著しく向上する。
合で得られたリビング重合体である場合は、リビング末
端が還元剤として作用するため、リビング活性末端を有
する重合体を水添するためには、この最適なMetal
(B)/Metal(A)モル比を達成するため、種々
の活性水素やハロゲンを有する化合物で失活させておく
のが好ましい。かかる活性水素を有する化合物として
は、水およびメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノー
ル、n−ブタノール、 sec−ブタノ−ル、tert
−ブタノール,1−ペンタノ−ル、2−ペンタノール、
3−ペンタノ−ル、1−ヘキサノ−ル、2−ヘキサノ−
ル、3−ヘキサノ−ル、1−ヘプタノ−ル、2−ヘプタ
ノ−ル、3−ヘプタノ−ル、4−ヘプタノ−ル、オクタ
ノ−ル、ノナノ−ル、デカノ−ル、ウンデカノ−ル、ラ
ウリルアルコ−ル、アリルアルコ−ル、シクロヘキサノ
−ル、シクロペンタノ−ル、ベンジルアルコ−ル等のア
ルコ−ル類、フェノ−ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ
−ル、p−クレゾ−ル、p−アリルフェノ−ル、2、6
−ジ−t- ブチル−p−クレゾール、キシレノ−ル、ジ
ヒドロアントラキノン、ジヒドロキシクマリン、1−ヒ
ドロキシアントラキノン、mー ヒドロキシベンジルアル
コ−ル、レゾルシノ−ル、ロイコアウリン等のフェノ−
ル類が挙げられる。
酸、イソ酢酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、
デカリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
安息香酸などの有機カルボン酸等を挙げることができ
る。またハロゲンを有する化合物としては、塩化ベンジ
ル、トリメチルシリルクロライド(ブロマイド)、tー
ブチルシリルクロライド(ブロマイド)、メチルクロラ
イド(ブロマイド)、エチルクロライド(ブロマイ
ド)、プロピルクロライド(ブロマイド)、n- ブチル
クロライド(ブロマイド)等を挙げることができる。こ
れらは単独で使用しても二種以上混合しても構わない。
触媒成分(C)の添加量は触媒成分(A)の触媒に対し
て重量比で10から500の範囲が好ましい。10より
小さいと貯蔵安定化や触媒量低減化の効果は小さくな
る。この比が500を越えても水添活性は良好である
が、被水添物が重合体である場合は、該水添重合体と触
媒成分(C)との分離が困難なため、場合によっては物
性等に影響がでる。
有重合体であって、側鎖のオレフィン性不飽和二重結合
含有量が全体のオレフィン性不飽和二重結合に対して
0.3から1である場合は、この一部を触媒槽に移送さ
せ、触媒成分(C)としても良いし、これと別の触媒成
分(C)と混合して用いても差し支えない。触媒成分
(D)の添加量は、触媒成分(B)の触媒に対してモル
比で(D)/(B)が0.01から10の範囲であり、
この範囲では水添活性が高く、かつ貯蔵安定性・水添活
性持続性が極めて高いものとなる。触媒成分(E)を用
いる場合はその添加量は触媒成分(A)に対してモル比
で(E)/(A)が30以下、好ましくは20以下、さ
らに好ましくは10の範囲である。この比が30を越え
ても水添の触媒活性は保有しているが、実質的に活性向
上に関与しない(E)成分を多量に用いることになり、
不経済であるばかりでなく、ポリマ−のゲル化等の副反
応を起こす場合があるために好ましくない。これら
(E)成分は水添槽内の被水添物がリビングアニオン重
合で得られたリビング重合体である場合は、そのリビン
グ活性末端をアルコ−ル、フェノ−ル等の誘導体で失活
させる際に生成するアルカリ化合物でも構わないし、別
途アルコ−ル、フェノ−ルとアルカリ金属またはアルキ
ルアルカリ化合物を反応させて合成したアルカリ化合物
を用いても構わない。
002から20ミリモルの範囲で十分である。この添加
量範囲であれば被水添物のオレフィン性不飽和二重結合
を優先的に水添することが可能で、共重合体中の芳香族
二重結合の水添は実質的に起こらないので極めて高い水
添選択性が実現される。20ミリモルを越える量の添加
においても水添反応は可能であり、特に環状共役ジエン
部分のオレフィン性不飽和二重結合の水転率は増加する
傾向にあるが、必要以上の触媒使用は不経済となり、本
発明の趣旨から外れたり、また水添反応後の触媒脱灰、
除去が複雑となる等不利な面もある。また選択された条
件下で重合体の直鎖状共役ジエン単位の不飽和二重結合
を定量的に水添する好ましい触媒添加量は、重合体10
0g当り0.01から5ミリモルである。より好ましく
は0.1から2ミリモルの範囲である。
行われ、より好ましくはガス状で被水添物中に導入され
る。水添反応は、撹拌下で行われるのがより好ましく、
導入された水素を十分迅速に被水添物と接触させること
ができる。水添反応は一般的に0から150℃の温度範
囲で実施される。0℃未満では触媒の活性が低下し、か
つ水添速度も遅くなり多量の触媒を要するので経済的で
なく、また150℃を越える温度では副反応や分解、ゲ
ル化を併発し易くなり、かつ環状共役ジエン部分の不飽
和二重結合の水添も起こりやすくなったり、熱失活によ
る水添活性が低下するので好ましくない。さらに好まし
く20から120℃の範囲である。特に好ましくは40
〜80℃である。水添反応に使用される水素の圧力は1
から100kg/cm2 の範囲が好適である。1kg/
cm2 未満では水添速度が遅くなって実質的に頭打ちと
なるので水添率を上げるのが難しくなり、100kg/
cm2 を越える圧力では昇圧と同時に水添反応がほぼ完
了し、実質的に意味がなく、不必要な副反応やゲル化を
招くので好ましくない。より好ましい水添水素圧力は2
から30kg/cm2 に範囲であるが、触媒添加量等と
の相関で最適水素圧力は選択され、実質的には前記好適
触媒量が少量になるに従って水素圧力は高圧側を選択し
て実施するのが好ましい。
0時間である。他の水添反応時間の選択によって水添反
応時間は上記範囲内で適宜選択して実施される。本発明
の方法により、環状ジエン系ブロック共重合体(熱可塑
性エラストマ−)中の直鎖状共役ジエン部分のオレフィ
ン性不飽和二重結合は90%以上の水添率が得られる。
好ましくは95%以上の水添率も十分に可能である。本
発明の触媒を用いて水添反応を行った溶液からは、水添
された目的物を蒸留、沈澱等の化学的または物理的手段
で容易に分離することができる。特に、本発明の方法に
より水添反応を行った重合体溶液からは、必要に応じて
触媒残査を除去し、水添された重合体を溶液から容易に
単離することができる。例えば、水添後の反応液にアセ
トンまたはアルコール等の水添重合体に対する貧溶媒と
なる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方
法、反応液を撹拌下熱湯中に投入後溶媒と共に蒸留回収
する方法、または直接反応液を加熱して溶媒を留去する
方法で行なうことができる。
ロック共重合体中の直鎖状共役ジエン単量体単位中のオ
レフィン性不飽和二重結合を高水添率で水添し、環状ジ
エン単量体単位中のそれを極力水添しないという高選択
性に特徴がある。第二に使用する水添触媒量がより少量
である特徴を有する。従って水添触媒がそのまま重合体
に残存しても得られる水添重合体の物性に著しい影響を
及ぼさず、かつ水添重合体の単離過程において触媒の大
部分が分解、除去され重合体より除かれるので、触媒を
脱灰したり除去したりするための特別な操作は必要とせ
ず、極めて簡単なプロセスで実施することができる。第
三に貯蔵安定性が極めて優れることである。したがって
触媒の活性は数カ月たっても殆ど当初の活性をそのまま
維持することが出来る。
らに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施
例等により何等限定されるものではない。なお、本発明
に用いた薬品は入手しうる最高純度のものを用いた。一
般の溶剤は脱気した後、活性金属上で還流し、次いで蒸
留したものを使用した。 <評価方法> [分子量] ブロック共重合体の重量平均分子量、数平均分子量、分
子量分布はGPC法によるポリスチレン換算の値で表示
した。 [組成・ミクロ構造] ブロック共重合体の組成及びミクロ構造は 1H−NMR
(200MHz:ブルッカ−製FT−NMR)により1
0w/v%d化クロロホルム溶媒中にて64回積算し、
定量化した。また、ミクロ構造は必要に応じて赤外線吸
収分光計を用い、モレロ法にて確認した。
並びにtanδをDMAスペクトロメ−タ−(デュポン
・インストラメント社製983DMA)を用い、表1に
示す条件にて測定した。特に低温側(ソフトセグメン
ト)のガラス転移温度は専らDMAのtanδピ−ク温
度から求めた。また、高温側(ハ−ドセグメント)のガ
ラス転移温度はせん断モ−ドにてG”ピ−ク温度をレオ
メトリックス社製のRheometrics Mech
anical Spectrometer(RMS−8
00)にて測定することで求めた。同様に測定条件を表
1に示す。
×厚さ3mmの圧縮成形片を用い、25℃・90℃にて
ヘッドスピ−ド20mm/分の条件で引張試験を行うこ
とにより測定した。 [ 永久歪み(p−set)] 室温及び90℃における100%伸張後の回復から残留
歪みを求めた。 [ 軟化温度] SEIKOI&E製のTMA100を用い、荷重50
g、昇温速度2℃/minの条件で100μm針入温度
を測定することで求めた。
測定した。 10. [テ−バ−磨耗] ASTMD1044規格に準じ、1kg荷重・H−22
輪を使用し、100回回転時の磨耗量(mg)にて評価
した。
した。十分に脱気置換した滴下ロ−ト及び冷却管付き3
00mlの三ツ口フラスコに窒素存在下で1.27モル
/リットルのsec−ブチルリチウム(関東化学社製)
シクロヘキサン溶液とトリエチルアミン0.1935モ
ルを室温にてマグネチックスタ−ラ−で攪拌混合した。
次いで滴下ロ−トから予め脱水・減圧蒸留した0.09
68モルの1,3−ジイソプロペニルベンゼンを4時間
かけて攪拌下、20℃にて滴下した。さらに12時間同
温にて攪拌した。得られた濃赤色の1,3−ビス(1−
リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼンを一部サ
ンプリングし、窒素存在下で水で失活させた。真空脱気
させて水とトリエチルアミンを除去し、残った粘凋液体
を低分子量分析用のGPCで測定した。96%の収率で
ジリチウム化合物が得られた。
−ブチルリチウム(関東化学社製)を用いた以外は同等
に行った。水失活成分のGPC分析より求めたジリチウ
ム収率は100%であった。 (実施例3) :ジリチウム開始剤3の合成 実施例2でトリエチルアミンの代わりにアニソ−ルを用
いた以外は同様に行った。ジリチウム収率は98%であ
った。
ン(TMEDA)をシクロヘキサンに溶解した。この溶
液を−10℃に冷却・保持し、乾燥アルゴン雰囲気下に
等モルのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液をゆっ
くり添加した。滴下開始後後この溶液を−78℃まで冷
却し、白色結晶状の錯体固体を析出し、単離した。 (比較製造例2) :有機金属・アミン錯体の調製2 比較製造例1でTMEDAとn−ブチルリチウムのモル
数の比率を1/4にした以外は同様に行い、白色結晶状
の錯体固体を単離した。
キサン2060g、33重量パ−セントのブタジエンの
シクロヘキサン溶液を990g加え、あらかじめTME
DAを実施例1のジリチウム開始剤のLiのモル数に対
して0.2倍モルになるように添加した複合ジリチウム
開始剤をLiのモル数として18.46ミリモルとなる
ように添加し、60〜70℃で30分重合させた。次い
で系内温度を45℃に落とし、TMEDAを仕込みのL
i原子に対して1倍モル添加した。次いで1、3−シク
ロヘキサジエン154g添加し、同温で3時間重合させ
た。ガスクロマトグラフィ−により求めた1,3−シク
ロヘキサジエンの添加率は97.8パ−セントであっ
た。この時点でポリマ−溶液を一部メタノ−ル中に抜き
出し、GPC測定に供した。ポリマ−溶液の色は濃い黄
色であり、リビング重合で反応が進行していることを確
認した。
活させ、溶媒を蒸発させ、一部を250℃で圧縮成形し
て2mm圧のシ−トとし、各種物性試験に供した。得ら
れたブロック共重合体の分子量・組成・諸物性を表2に
まとめて示す。また、この環状ジエン系ブロック共重合
体のDMAスペクトル(tanδピ−ク温度)から求め
た低温側のガラス転移温度を、また、RMS800
(G”ピ−ク温度)から求めた高温側のガラス転移温度
を表2に示す。図1に順次抜きだした成分のGPCチャ
−トを示す。それぞれのシ−ケンス毎に高分子量側にピ
−クがシフトしていることが確認され、リビングアニオ
ン重合で重合が進行しており、かつ目的とする環状ジエ
ン系ブロック共重合体が生成していることが確認され
た。ポリブタジエンブロックのミクロ構造を調べるた
め、途中サンプリングしたポリブタジエンのIRスペク
トルからモレロ法にてミクロ構造を調べた。さらに、こ
のブロック共重合体の 1H−NMR(200MHz)ス
ペクトルを図2に示す。5.0〜6.4ppm付近にオ
レフィニックプロトン由来のシグナルが観察された。
す。 4.5〜4.9ppm:ブタジエン部の1,2結合のビ
ニルプロトン(2H) 4.9〜6.ppm:ブタジエン部の1,2結合の−C
H=Cプロトン(1H)+ブタジエン部の1,4結合の
−CH=CH−プロトン(2H)+シクロヘキサジエン
部のオレフィン性プロトン ポリブタジエンブロックの重合終了後、サンプリングに
よりIRもしくは 1H−NMRにてブタジエン部分のミ
クロ構造を算出し、ポリブタジエン部分のミクロ構造を
決定した。ついでCHDブロック重合部分のサンプリン
グで 1H−NMRを測定し、ブタジエン部の1,2結合
のシグナルを内部標準とすることでブロックポリマ−の
CHD含率を求めた。
0g、1,3−シクロヘキサジエンの量を80gとし、
1,3−シクロヘキサジエン部分の重合時間を2時間と
した以外は同様に行った。1,3−シクロヘキサジエン
の転化率は99.7%であった。同様に得られたブロッ
ク共重合体の分子量・ミクロ構造・組成・諸物性を表2
にまとめて示す。また、低温側、高温側のガラス転移温
度も表2に示す。GPCを図3に、1 H−NMRスペク
トルを図4に示す。
%ブタジエンシクロヘキサン混液を1030g、1,3
−シクロヘキサジエンを60gにした以外は同様に行っ
た。1,3−シクロヘキサジエンの転化率は99.5%
であった。得られたブロック共重合体の分子量・組成・
諸物性を表2にまとめて示す。また、低温側、高温側の
ガラス転移温度も表2に示す。GPCを図5に、 1H−
NMRスペクトルを図6に示す。
と同時に調製したものを添加するのではなく、溶剤、ブ
タジエンモノマ−等とをリアクタ−に添加し、次いでジ
リチウム開始剤を添加したこと以外は同様に行った。G
PC分析の結果、得られたブロック共重合体は単分散で
あった。結果を表2に示す。
サン2060g、33重量パ−セントのブタジエンのシ
クロヘキサン溶液を990g、1,3−シクロヘキサジ
エンを154g添加し、実施例2で得られたジリチウム
開始剤を加えたのち、TMEDAをLiのモル数(Li
のモル数として18.46ミリモル)に対して0.4倍
モルになるように添加した。40〜50℃で120分重
合させた。ガスクロマトグラフィ−により求めた1,3
−シクロヘキサジエンの添加率は95.1%であった。
この時点でポリマ−溶液を一部メタノ−ル中に抜き出
し、GPC測定に供した。得られたブロックポリマ−は
単分散であり、ポリマ−溶液の色は濃い黄色であり、リ
ビング重合で反応が進行していることを確認した。
50℃で圧縮成形し、各種物性試験に供した。得られた
ブロック共重合体の分子量・組成・諸物性を表2にまと
めて示す。また、この環状ジエン系ブロック共重合体の
DMAスペクトル(tanδピ−ク温度)から求めた低
温側のガラス転移温度を、また、RMS800(G”ピ
−ク温度)から求めた高温側のガラス転移温度を表2に
示す。低温側及び高温側のTgが明確に観察されている
ことからポリブタジエンブロックとポリシクロヘキサジ
エンブロックが出来ていることが判った。
ウム開始剤のLiのモル数に対して0.5倍モルになる
ように添加した複合ジリチウム開始剤をLiのモル数と
して18.46ミリモル用いた以外は同様に行った。
1,3−シクロヘキサジエンの転化率は99.3%であ
った。得られたブロック共重合体の分子量・組成・諸物
性を表2にまとめて示す。また、低温側、高温側のガラ
ス転移温度も表2に示す。 (比較例2) :トリブロックコポリマ−の重合 比較例1で、実施例1のジリチウム開始剤にTMEDA
を添加させない以外は同様に行った。得られたポリマ−
の分子量をGPCで調べると、双峰の分子量分布を有し
ていた。
にシロヘキサン2060g、1,3−シクロヘキサジエ
ン77g加え、系内温度を40℃にホ−ルドした。次い
で比較製造例1で合成した錯体をLiのモル数として
9.23ミリモルとなるように添加し、同温で120分
重合させた(第一ステップ)。次いで33重量%のブタ
ジエンのシクロヘキサン溶液を990g加え、50〜6
0℃において45分間重合した(第二ステップ)。次い
で系内温度を45℃に落とし、1、3−シクロヘキサジ
エンを77g添加し、同温で5時間重合させた(第三ス
テップ)。ガスクロマトグラフィ−により求めた1,3
−シクロヘキサジエンの添加率は第一ステップで99.
8%、第二ステップで95.6%であった。この時点で
ポリマ−溶液を一部メタノ−ル中に抜き出し、GPC測
定に供した。ポリマ−溶液の色は濃い黄色であり、リビ
ング重合で反応が進行していることを確認した。エタノ
−ルで活性Liを失活後、この溶媒を蒸発させ、得られ
たシ−トを250℃で圧縮成形し、各種物性試験に供し
た。得られたブロック共重合体の分子量・ミクロ構造・
組成・諸物性を表2にまとめて示す。また、各ステップ
ごとのGPCを図7に示す。
用いた以外は同様に行った。第一、第三ステップの1,
3−シクロヘキサジエンの転化率はそれぞれ99.2
%、95.1%であった。得られたブロック共重合体の
分子量・ミクロ構造・組成・諸物性を表2にまとめて示
す。また、各ステップごとのGPCを図8に示す。
コポリマ−の部分水添を実施例などにより具体的に説明
するが、本発明はこれらに何等限定されるものではな
い。実施例及び比較例を行なうに際し用いた水添触媒に
ついて以下に示す。 [触媒(A)成分] ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジクロリド;関東化学社製試薬をジクロロメタン中で
再結晶させたものを用いた。 ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロリド;と同様 ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロリド;関東化学社製試薬一級をジクロロメタン中で再
結晶させたものを用いた。 ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジ
(p−トリル);チタノセンジクロリドとp−トリルリ
チウムの反応生成物をシクロヘキサン中で再結晶させた
ものを用いた。
製試薬)を不活性雰囲気下で濾別し、黄色透明な部分を
用いた。 エチルブチルマグネシウム;ペンタン溶液(関東化学
社製試薬)をそのまま用いた。 トリエチルアルミニウム;ヘキサン溶液(東ソ−・ア
クゾ社製)をそのまま用いた。 トリメチルアルミニウム;ヘキサン溶液(東ソ−・ア
クゾ社製)をそのまま用いた。
o B−1000:1,2−ビニル結合量85%) 日石化学社製液状1,2−ポリブタジエン(B−70
0:1,2−ビニル結合量57%)) 出光石油化学社製液状ポリブタジエン(R−45M:
1,2−ビニル結合量23%) なお、水添率は 1H−NMRにより、反応前後のオレフ
ィン性水素のシグナル強度の減少をクロロホルム不純物
の水素のシグナル強度(7.26ppm)を内部標準に
して求めた。
ングLi等量のメタノ−ルで失活させ、ポリマ−溶液と
して500g(ポリマ−量:50g)となるように予め
水素置換された3リットルのステンレス製オ−トクレ−
ブに移送した。触媒成分(A)としてビス(η5 −メチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドをTi
量として50ppmとなるように添加し、触媒成分
(B)としてsec−ブチルリチウムをTiに対し、2
倍モル添加した。直ちに水素圧を10kg/cm2 Gか
けて、75℃で1時間攪拌し水添した。結果を表3に示
す。また、この部分水添ポリマ−の諸物性を表4に示
す。
エンのシクロヘキサン溶液を1130g、第一、第三ス
テップの1,3−シクロヘキサジエンのフィ−ド量をそ
れぞれ53gとした以外は同様に行った。水添は実施例
9と同様に行った。得られた部分水添ポリマ−の構造を
表3に、また、物性を表4に示す。 (実施例10) :部分水添トリブロックコポリマ−の製造 実施例9で触媒成分(A)としてビス(η5 −シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド、触媒成分(B)
としてトリメチルアルミニウムを用い、Al/Tiモル
比を1.2にした以外は同様に行った。結果を表3に示
す。
ル)チタニウムジクロリド、触媒成分(B)としてエチ
ルブチルマグネシウム、触媒成分(C)としてNiss
o B−1000をそれぞれTiとして25ppm、M
g/Ti=2倍モル、液状ゴム0.2gをシクロヘキサ
ン20gに溶解させたものを触媒とした以外は、実施例
9に従って行った。結果を表3に示す。 (実施例12) :部分水添トリブロックコポリマ−の製造 触媒成分(A)としてビス(η5 −n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド、触媒成分(B)
としてトリエチルアルミニウム、触媒成分としてB−7
00を用い、実施例11と同様に行った。結果を表3に
示す。
ウム、触媒成分(D)としてtert−ブチルアルコ−
ル(対Liモル比:1.0)を用いた以外は同様に行っ
た。結果を表3に示す。 (実施例14) :部分水添トリブロックコポリマ−の製造 実施例13で触媒成分(D)としてアセトン(対Liモ
ル比:1.5)を、用いた以外は同様に行った。結果を
表3に示す。
等量のイソヘプタノ−ルで失活させ、ポリマ−溶液とし
て500g(ポリマ−量:50g)となるように予め水
素置換された3リットルのステンレス製オ−トクレ−ブ
に移送した。触媒成分(A)としてビス(η5 −メチル
シクロペンタジエニル)チタニウムジp−トリルをTi
量として50ppmとなるように添加し、触媒成分
(B)としてジエチルアルミニウムクロリドをTiに対
し、2倍モル添加した。直ちに水素圧を10kg/cm
2 Gかけて、75℃で1時間攪拌し、水添した。結果を
表3に示す。また、得られたポリマ−の 1H−NMR、
DMA、GPCをそれぞれ図9、10、11に示す。ま
た、得られたポリマ−の諸物性を表4に示す。
ングLi等量のメタノ−ルで失活させ、ポリマ−溶液と
して500g(ポリマ−量:50g)となるように予め
水素置換された5リットルのステンレス製オ−トクレ−
ブに移送した。触媒として5重量%Pd/C触媒をポリ
マ−に対し、Pdで10重量%となるように添加し、水
素圧を50kg/cm2 Gかけて、160℃で1時間攪
拌し、水添した。結果を表3に示す。また、この部分水
添トリブロックコポリマ−の諸物性を表4に示す。
実施例15と同じ方法で部分水添した。結果を表3に示
す。また、得られたポリマ−の 1H−NMR、DMA、
GPCをそれぞれ図12、13、14に示す。また、こ
の部分水添トリブロックコポリマ−の諸物性を表4に示
す。
共重合体は、一部または全部の環状ジエン系単量体もし
くはその誘導体から構成されるAブロックと、これと共
重合可能な直鎖状共役ジエン系単量体もしくは直鎖状共
役ジエン系単量体を主体とする単量体から構成されるB
ブロックとを特定の単位で含有し、Bブロックを選択的
に水添した新規な熱可塑性エラストマ−である。すなわ
ち、環状共役ジエンブロックの有する優れた耐熱機械物
性に加え、水添共役ジエンブロックの優れた低温性能、
歪み性能等を併せ持った、使用温度領域の極めて広い低
硬度エラストマ−材料の設計が可能となった。場合によ
っては安定剤・紫外線吸収剤・光安定剤・フィラ−等の
添加剤を加えたり、また末端変性、ハ−ドセグメント及
びまたはソフトセグメントに不飽和カルボン酸及び/ま
たはこれらの誘導体をグラフト変性させることにより、
熱可塑性エラストマ−単体としてばかりではなく、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリエ−テル、ポリフェニレン
サルファイド、ポリオレフィン等の他の高分子材料の改
質を目的とした場合においても自動車部品・電気・電子
部品・フィルム・シ−ト等の幅広い用途分野に用いるこ
とが出来る。また、パラフィンオイル、ナフテンオイ
ル、エステル系可塑剤等、適当な可塑剤、樹脂等と組み
合わせることによって、圧縮永久歪みに抜群に優れた、
低硬度熱可塑性エラストマ−コンパウンドとして、チュ
−ブ、ホ−ス、ラバ−コンタクト材等の用途分野にも好
適に用いることが出来る。
チャ−ト図である。
NMRスペクトル図である。
チャ−ト図である。
NMRチャ−ト図である。
チャ−ト図である。
NMRスペクトル図である。
チャ−ト図である。
チャ−ト図である。
−NMRスペクトル図である。
H−NMRスペクトル図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 (a)高分子鎖を構成する分子構造単位
の一部または全部が、下記一般式(1)(2)で表され
る環状共役ジエン単量体もしくはその誘導体から構成さ
れるブロック単位(以下「Aブロック」という。)を少
なくとも2個、直鎖状共役ジエン単量体もしくは直鎖状
共役ジエン単量体を主体とする単量体から構成されるブ
ロック単位(以下「Bブロック」という。)を少なくと
も1個有し、GPC法によるポリスチレン換算数平均分
子量が50000〜500000であってA/Bの重量
比が3/97〜50/50の範囲であり、かつBブロッ
クを構成する直鎖状共役ジエン単量体単位中のビニル結
合量が15〜55%であることを特徴とする環状ジエン
系熱可塑性エラストマ−。 【化1】 (但し、n=1から4までの整数から選ばれる値であ
る。) 【化2】 (但し、n=1から4までの整数から選ばれる値であ
る。) - 【請求項2】 (a)高分子鎖を構成する分子構造単位
の一部または全部が、下記一般式(1)(2)で表され
る環状共役ジエン単量体もしくはその誘導体から構成さ
れるブロック単位(以下「Aブロック」という。)を少
なくとも2個、直鎖状共役ジエン単量体もしくは直鎖状
共役ジエン単量体を主体とする単量体から構成されるブ
ロック単位(以下「Bブロック」という。)を少なくと
も1個有し、かつGPC法によるポリスチレン換算数平
均分子量が50000〜500000であってA/Bの
重量比が3/97〜50/50の範囲であり、かつBブ
ロックを構成する直鎖状共役ジエン単量体単位中の水添
前のビニル結合量が25〜55%であって、Aブロック
を構成する単量体単位中の不飽和二重結合の水添率(以
下「A水添率」という。)が50%以下であり、かつB
ブロックを構成する単量体単位中の不飽和二重結合の水
添率(以下「B水添率」という。)が90%以上である
部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ−。 【化3】 (但し、n=1から4までの整数から選ばれる値であ
る。) 【化4】 (但し、n=1から4までの整数から選ばれる値であ
る。) - 【請求項3】 A水添率が25%以下であり、かつB水
添率が95%以上である請求項2記載の部分水添環状ジ
エン系熱可塑性エラストマ−。 - 【請求項4】 A水添率が25%以下であり、かつB水
添率が95%以上であって、かつBブロック中の直鎖状
共役ジエン単量体単位の水添前のビニル結合量が30〜
50%であることを特徴とする請求項2記載の部分水添
環状ジエン系熱可塑性エラストマ−。 - 【請求項5】 Aブロックを構成する単量体の一部また
は全部が1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロ
ヘキサジエン誘導体もしくはその分子内に6員環構造を
有する環状共役ジエン単量体であり、Bブロックを構成
する単量体が1,3−ブタジエン及び/またはイソプレ
ンであるか、あるいは1,3−ブタジエン及び/または
イソプレンを主体とする単量体である請求項1〜4のい
づれか記載の環状ジエン系熱可塑性エラストマ−、もし
くは部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ−。 - 【請求項6】 動的粘弾性測定法によるG”ピ−ク温度
から求めたハ−ドセグメントのガラス転移温度が130
〜200℃である請求項1〜5いずれか記載の環状ジエ
ン系熱可塑性エラストマ−、もしくは部分水添環状ジエ
ン系熱可塑性エラストマ−。 - 【請求項7】 GPC法から求めたポリスチレン換算分
子量の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下である請
求項1〜5いずれか記載の環状ジエン系熱可塑性エラス
トマ−、もしくは部分水添環状ジエン系熱可塑性エラス
トマ−。 - 【請求項8】 2当量のモノ有機リチウム開始剤を−2
0〜60℃の温度範囲にて非極性炭化水素中で第三モノ
アミン及び/またはエ−テル化合物の存在下に1,3−
ジイソプロペニルベンゼンないしはその誘導体と反応さ
せ、次いで反応混合物にLi濃度に対して0.05〜
0.49倍モルの第三ジアミン及び/またはアルコキシ
リチウム化合物を、また必要に応じてLiに対して30
倍モル以下の共役ジエン系単量体を添加することで生成
するα,ω−ジリチウム化合物を単離せずにそのまま開
始剤に用い、はじめにBブロックを重合し、ついで必要
に応じてLiに対して0.1〜2.0倍モルの第三ジア
ミンを添加してからAブロックを逐次重合することを特
徴とする請求項1〜7いずれかに記載された環状ジエン
系熱可塑性エラストマ−の重合方法。 - 【請求項9】 第三ジアミン及び/またはアルコキシ化
合物のLi濃度に対する添加量が0.1〜0.24倍モ
ルである請求項8記載の重合方法。 - 【請求項10】 請求項8もしくは9記載の開始剤を用
い、環状共役ジエン単量体と直鎖状共役ジエン単量体を
同時に添加して重合することを特徴とする請求項1〜7
いずれかに記載された環状ジエン系熱可塑性エラストマ
−の重合方法。 - 【請求項11】 第三モノアミンがトリメチルアミン、
トリエチルアミン、ジメチルアニリンから選ばれる少な
くとも一種の化合物であり、エ−テル化合物がテトラヒ
ドロフラン(THF)、テトラメチルTHF、アニソ−
ル、ジエチルエ−テル、tert−ブチルメチルエ−テ
ルから選ばれる少なくとも一種の化合物であり、第三ジ
アミンがテトラエチルエチレンジアミン、テトラメチル
エチレンジアミン、テトラフェニルエチレンジアミン、
テトラシクロヘキシルエチレンジアミンから選ばれる少
なくとも一種の化合物であり、アルコキシリチウム化合
物が炭素数1〜10個の化合物から選ばれる少なくとも
1種の化合物である請求項8〜10いずれか記載の重合
方法。 - 【請求項12】 請求項2〜7記載の部分水添熱可塑性
エラストマ−を製造するに際し、下記(A)成分、
(B)成分からなる水添触媒組成物を用いることを特徴
とする部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ−の製
造方法。 (A)下記一般式(3)で示されるチタノセン化合物 【化5】 (但し、R1 、R2 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)及び、 (B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を
少なくとも1つ以上含有する化合物から選ばれる少なく
とも一種の還元剤。 - 【請求項13】 請求項2〜7記載の部分水添熱可塑性
エラストマ−を製造するに際し、下記(A)成分、
(B)成分に更に(C)成分の触媒組成物を用いること
を特徴とする部分水添環状ジエン系熱可塑性エラストマ
−の製造方法。 (A)下記一般式(3)で示されるチタノセン化合物 【化6】 (但し、R1 、R2 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)及び、 (B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を
少なくとも1つ以上含有する化合物から選ばれる少なく
とも一種の還元剤、 (C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体のオレ
フィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜1で
あるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体。 - 【請求項14】 請求項2〜7記載の部分水添熱可塑性
エラストマ−を製造するに際し、下記(A)成分及び
(B)成分、あるいは(A)、(B)及び(C)成分
に、さらに下記(D)成分を含む触媒組成物を用いるこ
とを特徴とする部分水添環状ジエン系熱可塑性エラスト
マ−の製造方法。 (A)下記一般式(3)で示されるチタノセン化合物 【化7】 (但し、R1 、R2 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基
から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっ
ていても良い。R3 、R4 は、水素、C1 〜C12の炭化
水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基及
びカルボニル基から選択された基を表し、R3 、R4 は
同一でも異なっていても良い。)及び、 (B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を
少なくとも1つ以上含有する化合物から選ばれる少なく
とも一種の還元剤、 (C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体のオレ
フィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜1で
あるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体、 (D)アルコ−ル化合物、アルコキシリチウム化合物、
アルコキシナトリウム化合物、アルコキシカリウム化合
物、エ−テル化合物、チオエ−テル化合物、ケトン化合
物、スルホキシド化合物、カルボン酸化合物、カルボン
酸エステル化合物、アルデヒド化合物、ラクトン化合
物、アミン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エ
ポキシ化合物及びオキシム化合物の群から選ばれる少な
くとも一種の極性化合物。 - 【請求項15】 水添温度が40〜80℃であり、水素
化触媒添加量が重合体100gあたり0.01〜5ミリ
モルである請求項12〜14いずれか記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8551597A JPH10259221A (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 熱可塑性エラストマー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8551597A JPH10259221A (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 熱可塑性エラストマー及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259221A true JPH10259221A (ja) | 1998-09-29 |
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JP8551597A Pending JPH10259221A (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 熱可塑性エラストマー及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10259221A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002093575A1 (fr) * | 2001-05-16 | 2002-11-21 | Bridgestone Corporation | Butee d'ecrasement |
JP2002371117A (ja) * | 2001-06-13 | 2002-12-26 | Asahi Kasei Corp | 環状共役ジエン系共重合体 |
US7517466B2 (en) | 1999-06-07 | 2009-04-14 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method for manufacturing porous structure and method for forming pattern |
JP2021518471A (ja) * | 2018-03-26 | 2021-08-02 | フィナ テクノロジー,インコーポレイティド | 硬化性低硫黄液体ゴム組成物及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-03-21 JP JP8551597A patent/JPH10259221A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8043520B2 (en) | 1999-06-07 | 2011-10-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method for manufacturing porous structure and method for forming pattern |
US8394877B2 (en) | 1999-06-07 | 2013-03-12 | Kabushika Kaisha Toshiba | Method for manufacturing porous structure and method for forming pattern |
US8435416B2 (en) | 1999-06-07 | 2013-05-07 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method for manufacturing porous structure and method for forming pattern |
US8778201B2 (en) | 1999-06-07 | 2014-07-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method for manufacturing porous structure and method for forming pattern |
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JP2021518471A (ja) * | 2018-03-26 | 2021-08-02 | フィナ テクノロジー,インコーポレイティド | 硬化性低硫黄液体ゴム組成物及びその製造方法 |
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