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JPH10246728A - 走査型プローブ顕微鏡における部分測定方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡における部分測定方法

Info

Publication number
JPH10246728A
JPH10246728A JP4915897A JP4915897A JPH10246728A JP H10246728 A JPH10246728 A JP H10246728A JP 4915897 A JP4915897 A JP 4915897A JP 4915897 A JP4915897 A JP 4915897A JP H10246728 A JPH10246728 A JP H10246728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
probe
measurement
sample
displacement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4915897A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yagi
明 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP4915897A priority Critical patent/JPH10246728A/ja
Publication of JPH10246728A publication Critical patent/JPH10246728A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな面積の走査でのアクチュエータの線形性
補正と小さな面積の走査での位置的な連続性を保てるよ
うにすること。 【解決手段】測定試料の測定領域全体を走査して表示し
(ステップS10,S11)、この内の一部分が指定さ
れと(ステップS12,S16)、指定された測定領域
の一部分の内の所定位置に探針を移動した後(ステップ
SS14,15,S17)、指定された一部分をX,Y
方向に相対的に走査して(ステップS18)、探針と測
定試料との実際の相対的移動量を測定する(ステップS
19)。そして、この測定された実際の相対的移動量に
基づいて、探針が測定領域の指定された一部分をX,Y
方向に実際に相対的に走査するように補正して走査を行
い(ステップS20,S21)、この補正により実際に
走査して得られた測定結果を表示する(ステップS2
2)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、探針を試料に近接させ
て走査することにより試料の微視的な表面情報を得る走
査型プローブ顕微鏡に係り、特に、試料の全体的な走査
に続けて狭い部分を走査する部分測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原子スケールの分解能を持つ顕微
鏡として、走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Mic
roscope: SPM)の利用が進んでいる。この走査型プロー
ブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope: SPM)として
は、試料と探針の相互作用力をカンチレバーの変位量や
振動特性とすることにより試料表面の形状及び物性を検
出する原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope: AF
M)や、nmオーダーの距離に近接させた試料と探針の
間にバイアス電圧を印加した時に流れるトンネル電流の
特性を利用して試料表面の物性を測定する走査型トンネ
ル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope: STM)、及
び、試料表面もしくは探針先端部に局在するエバネッセ
ント光を用いて光の回折限界を超える分解能で試料の屈
折率分布を測定する近視野顕微鏡(Near Field Microsc
ope )、もしくは、Photon- 走査型トンネル顕微鏡(Ph
oton-Scanning Tunneling Microscope: PSTM)、等が知
られている。
【0003】図6は、このような従来のSPMの一例を
示す図である。カンチレバー10の自由端表面に設けら
れた先端が尖鋭な探針12が、円筒型圧電体等の三次元
微動素子14によりX,Y,Zの方向に微動される試料
台16上に保持された試料18と正対するように配置さ
れる。試料18は、高圧アンプ20による印加電圧に応
じて微動するアクチュエータとしての三次元微動素子1
4による試料台16の移動により、X,Y方向に走査さ
れる。この試料台16の移動によって試料18表面を移
動する探針12と試料18の間の距離の変位は、カンチ
レバー10の自由端裏面に照射したレーザー光の反射光
を元にカンチレバー10の端点の変位量を検出する変位
検出装置22によって検出される。Z制御機構24は、
この検出された変位信号を例えばディジタル信号に変換
してコントローラ26に出力するとともに、上記変位信
号に基づいて、前記探針12と前記試料18との間に働
く力を一定に維持するように三次元微動素子14をZ方
向に駆動する。
【0004】コントローラ26は、このZ制御機構24
による力一定動作を行いながら試料18を探針12に対
して相対的に走査したりX,Y方向の位置を制御するた
めの元信号を発生し、これをX走査D/Aコンバータ2
8,Y走査D/Aコンバータ30によりアナログ値に変
換した後(以後、このアナログ信号をレファレンス信号
と称する)、上記高圧アンプ20により三次元微動素子
14に印加する。
【0005】ここで、レファレンス信号にランプ波を印
加すれば、三次元微動素子14はそれを支持する筐体3
2とともにカンチレバー10に対して、試料18をラン
プ波の通りに微動させることになるが、この場合、三次
元微動素子(圧電体)14は、図3の(E)の印加電圧
に対する変位量の特性図に示すような非線形性を有して
いるため、実際には、リニアに走査が行われることには
ならない。
【0006】そこで、画像解析装置34は、コントロー
ラ26から、X変位センサ36,Y変位センサ38から
X,Y変位A/Dコンバータ40,42を介してディジ
タル信号として取り込まれた試料18又は探針12の
X,Y方向の変位量と、上記変位検出装置22によって
検出された変位量に対応する凹凸信号とを受け、画像の
ゆがみ補正等の画像解析を行って、三次元像として表示
する。
【0007】あるいは、レファレンス信号をそのまま高
圧アンプ20に供給するのではなく、Xフィードバック
制御回路44,Yフィードバック制御回路46を介して
供給する。即ち、Xフィードバック制御回路44,Yフ
ィードバック制御回路46は、X変位センサ36,Y変
位センサ38により検出した試料18又は探針12の
X,Y方向の変位量がX,Yのレファレンス信号と一致
するように、高圧アンプ20により三次元微動素子14
をX,Y方向に駆動する。そして、画像解析装置34
は、上記変位検出装置22によって検出された変位量に
対応する凹凸信号をコントローラ26から受け、画像解
析を行って、三次元像として表示する。
【0008】以上のように、従来の走査型プローブ顕微
鏡では、圧電体の変位を測定する光学式変位センサ,静
電容量式変位センサ,歪みゲージ,等を利用して変位信
号を検出し、画像のゆがみ補正をソフトウェアで行った
り、センサ信号に対してサーボをかける制御を行って、
圧電体の非線形性に起因する画像のゆがみを補正してい
た。
【0009】なお、図6に示すように、アナログスイッ
チSWX,SWYによって、X,Y走査D/Aコンバー
タ28,30とX,Yフィードバック制御回路44,4
6とを選択的に高圧アンプ20に接続することにより、
ゆがみ補正とX,Y走査のサーボ動作とを選択的に行う
ことができるようになっている。また、サーボ状態から
非サーボ状態に切り替える際の針とびを防止するため、
コントローラ26は、X,Y電圧A/Dコンバータ4
8,50によってX,Yフィードバック制御回路44,
46の出力電圧をディジタル信号として取り込み、それ
に対応する信号をX,Y走査D/Aコンバータ28,3
0から出力されるように制御する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うにSPMを用いて試料18を測定する際に、X,Y走
査のサーボ動作を行う場合、X,Yフィードバック制御
回路44,46から高圧アンプ20を介して三次元微動
素子14に印加される走査信号は、nmオーダーのノイ
ズを持っている。このノイズは、X,Y変位センサ3
6,38のセンサ信号のノイズに起因するものであり、
走査範囲にはよらない。このため、試料18のごく一部
を走査範囲として測定する場合のX,Y走査範囲は、こ
のノイズの大きさによって規定されてしまう。
【0011】そこで、試料18のごく一部を走査範囲と
して測定する場合、アナログスイッチSWX,SWYを
切り替えて、サーボ動作を停止させれば、このノイズを
避けることができるようになる。
【0012】しかしながら、例えば、図3の(F)に示
すように100μm角のAFM測定を行った後で、走査
範囲を狭めて、点(Xoffset,Yoffset)
を中心とする領域Aを新たな走査範囲として設定した場
合、試料測定の広い面積から狭い領域までX,Yのサー
ボ動作を行っていれば、この走査範囲の変更に伴うX,
Yのオフセット量と走査範囲は一意的に決まり、設定画
面上の走査範囲と実際の走査範囲の対応が保たれるが、
ノイズを避けるためにX,Yのサーボ動作を無くして、
電圧を比例配分した場合には、X,Yのサーボ動作時か
らの連続性が保てなくなってしまう。即ち、三次元微動
素子(圧電体)14の非線形性の影響により、位置ずれ
が生じたり、走査範囲が小さくなってしまい、所望の測
定領域の測定結果が得られないことになる。
【0013】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、カンチレバー上の探針と試料との間に働く相互作用
(原子間力、静電気力及び磁気力)によって変化するカ
ンチレバーの撓みを一定に保つことにより、試料と探針
の間に働く力を一定に保ちながら、試料と探針の相対的
位置を走査する動作において、大きな面積の走査でのア
クチュエータの線形性補正と小さな面積の走査での位置
的な連続性を保つことのできる走査型プローブ顕微鏡に
おける部分測定方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による走査型プローブ顕微鏡における部分
測定方法は、探針を測定試料に対し相対的に走査させて
前記測定試料表面の測定領域の物理的あるいは化学的量
を測定する走査型プローブ顕微鏡であって、前記測定領
域全体を走査することにより得られた測定結果を表示す
るステップと、前記表示された測定領域の測定結果の内
の一部分を指定するステップと、前記探針もしくは前記
測定試料を相対的に移動させて、前記指定された測定領
域の一部分の内の所定位置に前記探針を移動するステッ
プと、前記所定位置に移動された探針が前記測定領域の
一部分をX方向及びそれに垂直なY方向に相対的に走査
するように、前記探針もしくは前記測定試料を移動させ
るステップと、前記測定領域の一部分の走査における前
記探針と測定試料との実際の相対的移動量を測定するス
テップと、前記探針が前記測定領域の前記指定された一
部分をX方向及びそれに垂直なY方向に実際に相対的に
走査するように、前記測定された実際の相対的移動量に
基づいて補正して、前記探針もしくは前記測定試料を移
動させるステップと、前記補正により実際に走査して得
られた測定結果を表示するステップと、を具備すること
を特徴としている。
【0015】即ち、本発明の走査型プローブ顕微鏡にお
ける部分測定方法によれば、まず、測定試料の測定領域
全体を走査して、得られた測定結果を表示し、この表示
された測定領域の測定結果の内の一部分を指定する。次
に、この指定に応じて、探針もしくは測定試料を相対的
に移動させて、この指定された測定領域の一部分の内の
所定位置に探針を移動した後、この探針が前記指定され
た測定領域の一部分をX方向及びそれに垂直なY方向に
相対的に走査するように、探針もしくは測定試料を移動
させ、この測定領域の一部分の走査における探針と測定
試料との実際の相対的移動量を測定する。そして、この
測定された実際の相対的移動量に基づいて、探針が測定
領域の前記指定された一部分をX方向及びそれに垂直な
Y方向に実際に相対的に走査するように補正して、前記
探針もしくは前記測定試料を移動させ、この補正により
実際に走査して得られた測定結果を表示する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図6は、本発明の実施の形態の
適用される走査型プローブ顕微鏡(SPM)の構成を示
す図である。
【0017】即ち、カンチレバー10の自由端表面に設
けられた先端が尖鋭な探針12が、円筒型圧電体等の三
次元微動素子14によりX,Y,Zの方向に微動される
試料台16上に保持された試料18と正対するように配
置される。試料18は、高圧アンプ20による印加電圧
に応じて微動するアクチュエータとしての三次元微動素
子14による試料台16の移動により、X,Y方向に走
査される。この試料台16の移動によって試料18表面
を移動する探針12と試料18の間の距離の変位は、カ
ンチレバー10の自由端裏面に照射したレーザー光の反
射光を元にカンチレバー10の端点の変位量を検出する
変位検出装置22によって検出される。Z制御機構24
は、この検出された変位信号を例えばディジタル信号に
変換してコントローラ26に出力するとともに、上記変
位信号に基づいて、前記探針12と前記試料18との間
に働く力を一定に維持するように三次元微動素子14を
Z方向に駆動する。
【0018】コントローラ26は、このZ制御機構24
による力一定動作を行いながら試料18を探針12に対
して相対的に走査したりX,Y方向の位置を制御するた
めの元信号を発生し、これをX走査D/Aコンバータ2
8,Y走査D/Aコンバータ30によりアナログ値に変
換した後(以後、このアナログ信号をレファレンス信号
と称する)、上記高圧アンプ20により三次元微動素子
14に印加する。
【0019】画像解析装置34は、X変位センサ36及
びY変位センサ38からX変位A/Dコンバータ40及
びY変位A/Dコンバータ42を介してディジタル信号
として取り込まれた試料18又は探針12のX及びY方
向の変位量と、上記変位検出装置22によって検出され
た変位量に対応する凹凸信号とをコントローラ26から
受け、画像のゆがみ補正等の画像解析を行って、三次元
像として表示する。
【0020】あるいは、レファレンス信号をそのまま高
圧アンプ20に供給するのではなく、Xフィードバック
制御回路44,Yフィードバック制御回路46を介して
供給する。即ち、Xフィードバック制御回路44,Yフ
ィードバック制御回路46は、X変位センサ36及びY
変位センサ38により検出した試料18又は探針12の
X及びY方向の変位量がX及びYのレファレンス信号と
一致するように、高圧アンプ20により三次元微動素子
14をX及びY方向に駆動する。そして、画像解析装置
34は、上記変位検出装置22によって検出された変位
量に対応する凹凸信号をコントローラ26から受け、画
像解析を行って、三次元像として表示する。
【0021】なお、アナログスイッチSWX及びSWY
によって、X走査D/Aコンバータ28及びY走査D/
Aコンバータ30と、Xフィードバック制御回路44及
びYフィードバック制御回路46とを、選択的に高圧ア
ンプ20に接続することにより、ゆがみ補正とX,Y走
査のサーボ動作とを選択的に行うことができるようにな
っている。また、サーボ状態から非サーボ状態に切り替
える際の針とびを防止するため、コントローラ26は、
X電圧A/Dコンバータ48及びY電圧A/Dコンバー
タ50によってXフィードバック制御回路44及びYフ
ィードバック制御回路46の出力電圧をディジタル信号
として取り込み、それに対応する信号をX走査D/Aコ
ンバータ28及びY走査D/Aコンバータ30から出力
されるように制御する。
【0022】次に、このような構成のSPMにおける部
分測定方法を説明する。図1は、本発明の第1の実施の
形態の動作フローチャートであり、本実施の形態は、走
査中にX,Yのフィードバック機能を使用しない場合の
例である。
【0023】まず、リニア補正無し測定を行う(ステッ
プS10)。この測定は、実際には、図2の(A)のフ
ローチャートに示すようにして行われる。即ち、試料1
8と探針12の関係は、通常のAFM動作により、力一
定動作になっている。この動作の下で、アナログスイッ
チSWX及びSWYは、コントローラ26の指令により
それぞれI側になっており、コントローラ26からX走
査D/Aコンバータ28及びY走査D/Aコンバータ3
0を介して三角波状の走査信号が高圧アンプ20に印加
され、三次元微動素子14は試料18をX及びY方向に
走査する(ステップS10A)。その走査本数及び測定
点数は、例えば256×256点であり、各サンプリン
グポイント(xs,ys)で、Z制御機構24の出力デ
ータを数値化Z(xs,ys)して、画像解析装置34
の不図示画像記憶部の図3の(A)に示すようなデータ
メモリ34Aに記憶する(ステップS10C)。ここで
即時に、対応する256×256点のZデータを、図3
の(B)に示すような表示メモリ34Bに転送し、画面
上の対応する点に、強度に対するテーブルを参照した輝
度信号として表示することもできる。なお、Z信号とし
ては、三次元微動素子14のZ方向の変位を不図示のZ
変位センサのセンサ信号を数値化したものでもかまわな
い。
【0024】このようなデータ取り込みを上記256×
256の全サンプリングポイントについて終了するまで
(ステップS10D)繰り返すことになるが、走査中に
探針12が所定のサンプリングポイント(xn,yn)
(例えば、サンプリングの8点おき、8ラインおき[x
n(yn)=0,8,16,…,248])にきたとき
には(ステップS10B)、Z信号にとどまらず、X,
Yの変位量に相当するX変位センサ36とY変位センサ
38の出力値を、X変位A/Dコンバータ40及びY変
位A/Dコンバータ42でX(xn,yn)及びY(x
n,yn)のように数値化し、画像解析装置34上の図
3の(C)及び(D)に示すようなX及びY変位メモリ
34C,34Dに記憶する(ステップS10E)。
【0025】このように、ステップS10におけるリニ
ア補正無し測定の工程では、256×256点の画像Z
(xs,ys)及び32×32点のX,Y平面上の変位
の記録であるX(xn,yn)及びY(xn,yn)が
記憶される。
【0026】このようにして画像解析装置34に取り込
まれた画像Z(xs,ys)は、図3の(B)の表示メ
モリ34Bに書き込まれ、画像解析装置34の表示装置
の画面上に256×256点の画素ピクセルの輝度Z
(px,py)で表示される(ステップS11)。
【0027】即ち、画像解析装置34の表示装置の画面
上で、オペレータがより詳しく見たい位置を指定するこ
とにより、オフセット位置(pxoff,pyoff)
を設定する(ステップS12)。このときの実際のX,
Y平面上でのオフセット位置を知るために、測定時にX
変位メモリ34C及びY変位メモリ34Dに記録した3
2×32点×2のX及びY変位信号データの内で、上記
オフセット位置(pxoff,pyoff)に近接する
最低4点の変位の記録(X(xn,yn),Y(xn,
yn))から、指定したオフセット位置の座標に当たる
変位センサ信号の値(Xoffset,Yoffse
t)を求める(ステップS13)。
【0028】または、Xoffset=X(pxof
f,pyoff)、Yoffset=Y(pxoff,
pyoff)としても良い。ここで、X(px,py)
及びY(px,py)の関数は、サンプリングした25
6×256点の位置(px,py)が実際の空間ではど
の位置になるのかを求めるためのセンサ信号の組みであ
るX変位メモリ34C及びY変位メモリ34Dの(X
(xn,yn),Y(xn,yn))から求めた変換関
数である。この変換関数は、前述したような画面上で近
接する4点のX,Y変位のサンプリング値の重み付けし
た平均から求める変換アルゴリズムであっても良いし、
サンプリングデータを元にX及びYの信号に関して関数
曲面に当てはめ、変換関数を求めたものであっても良
い。
【0029】上記のようにして256×256点の画像
Z(xs,ys)及び32×32点の実際のX,Y平面
上の変位の記録であるX(xn,yn)及びY(xn,
yn)が記憶されていれば、新たな走査の中心位置を何
処に置くかを正確に指定することができる。
【0030】次に、アクチュエータの非線形性を考慮す
る必要のない程度に走査領域を小さく設定して、測定を
行う。まず、この測定を開始するに当たって、探針12
を新たな走査領域の中心にもっていくために、X,Yそ
れぞれの変位センサ信号が前述の(Xoffset,Y
offset)になるように、三次元微動素子14への
X及びYの印加電圧を調整する。それには、例えば、コ
ントローラ26からの指令で、X,Yのリニアサーボを
行うために、アナログスイッチSWX及びSWYをS側
にして、フィードバック動作をオンにする(ステップS
14)。
【0031】そして、探針12の位置を移動させる(ス
テップS15)。即ち、この状態で、Xフィードバック
制御回路44及びYフィードバック制御回路46のレフ
ァレンス値となるX走査D/Aコンバータ28及びY走
査D/Aコンバータ30の出力を、上記Xoffset
及びYoffsetになるまで変化させる。これによ
り、探針12は、新たな走査領域の中心に移動すること
になる。ここで、コントローラ26は、Xフィードバッ
ク制御回路44及びYフィードバック制御回路46から
三次元微動素子14に印加しているサーボ信号vxho
ld,vyholdを、X電圧A/Dコンバータ48及
びY電圧A/Dコンバータ50を介して取り込み、Xフ
ィードバック制御回路44及びYフィードバック制御回
路46に対してホールド信号Holdを供給して、これ
らX及びYフィードバック制御回路44及び46から三
次元微動素子14への信号vxhold,vyhold
の印加状態を保持する。
【0032】この間に、画像解析装置34の表示装置の
画面上で、オペレータがより詳しく見たい範囲を指定す
ることにより、走査領域(LX,LY)を設定すること
ができる(ステップS16)。勿論、この走査領域の設
定は、上記ステップS12でのオフセット位置の設定動
作に続けて行っても良い。
【0033】そして、X走査D/Aコンバータ28及び
Y走査D/Aコンバータ30の出力信号を上記サーボ信
号値vxhold,vyholdにし、アナログスイッ
チSWX及びSWYをI側に戻すことにより、サーボ動
作をオフにする(ステップS17)。これは、アナログ
スイッチSWX,SWYを切り替えたときに、X走査D
/Aコンバータ28及びY走査D/Aコンバータ30の
出力信号が、切り替え前に印加されていた電圧と異なる
と、探針12が新たな走査領域の中心から移動してしま
う、いわゆる針飛びが生じてしまうということを防ぐた
めである。
【0034】次に、この電圧vxhold,vyhol
dを中心として、新たな走査範囲の像を取るプリスキャ
ンを行う(ステップS18)。即ち、走査領域の確認の
ために、コントローラ26は、X走査D/Aコンバータ
28及びY走査D/Aコンバータ30から、X方向とY
方向に少なくとも1回ずつ走査信号として圧電定数DX
及びDYから見積もられる電圧LX/DX及びLY/D
Yを、三次元微動素子14に印加する。そして、X変位
A/Dコンバータ40及びY変位A/Dコンバータ42
を介してX変位センサ36及びY変位センサ38によ
り、そのときの走査量、つまり走査範囲LXPRE及び
LYPREを検出する(ステップS19)。
【0035】次に、コントローラ26は、得られた走査
範囲LXPER及びLYPREに対して設定したい走査
範囲LX及びLYとの比率で、走査電圧Δvx及びΔv
yを、次の計算を元に設定し直す(ステップS20)。
【0036】Δvx=LX/DX・LX/LXPRE, Δvy=LY/DY・YX/LYPRE そして、上記vxhold,vyholdを走査電圧の
中心とし、且つ、このΔvx,Δvyを走査電圧範囲と
して、X走査D/Aコンバータ28及びY走査D/Aコ
ンバータ30の出力を発生させることで、探針走査を行
う(ステップS21)。これにより、適切な位置で適切
な走査範囲の像を取り込むことができるようになるの
で、後は、Z制御機構24の出力データを数値化して、
そのまま画像解析装置34により表示を行うことができ
る(ステップS22)。
【0037】なお、更に走査領域を小さくしていく場合
には、圧電体の非線形性を無視できるようになるため、
ここで得られた電圧値の比例配分で正しい走査範囲と走
査中心の設定が可能となる。また、別の位置に移動する
場合には、リニア補正が必要な領域のX(xn,y
n),Y(xn,yn)のデータを元に再度走査中心及
び走査領域の設定をし直すことになる。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態を、図4
のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態
は、得られた32×32点のX,Y平面上の変位の記録
であるX(xn,yn)及びY(xn,yn)に基づい
て実際の試料18の形を反映する画像に補正表示する場
合である。
【0039】即ち、前述したような第1の実施の形態と
同様のステップS10のリニア補正無し測定を行った
後、ソフト補正表示を行う(ステップS30)。これ
は、画像解析装置34において、上記32×32点のデ
ータから、二次元変換式を計算し、各ピクセル座標(p
x,py)の位置に対応する値を割り当てて表示するも
のである。このときの変換は、変位信号X,Yを256
分割した内の(px,py)に比例配分された変位信号
に対応した点 px×Δx=X(xs,ys), py×Δy=Y(xs,ys) となるデータメモリ34Aのサンプリング点(xs,y
s)のZ方向の信号Z(xs,ys)を、表示メモリ3
4Bの(px,py)に割り付けることになる。ここ
で、ΔxはX方向の走査ラインの長さをサンプリング数
で割った長さに相当する変位センサ信号の大きさであ
り、ΔyはY方向の走査範囲を走査ライン数で割った長
さに相当する変位センサ信号の大きさである。
【0040】そして、このようにして割り付けられた画
像解析装置34の表示画面上で、次の測定に際して中心
位置となるオフセット位置(Xoffset,Yoff
set)を指定すると(ステップS31)、このオフセ
ット位置(Xoffset,Yoffset)は、画面
上のピクセルから指定した(pxoff,pyoff)
から Xoffset=Δx×pxoff, Yoffset=Δy×pyoff として変位センサ信号の値として決められる。
【0041】なお、これは、変位センサ信号のゲインが
決まっていることから、換算した値として実際の長さで
数値入力することも可能である。こうして、オフセット
位置(Xoffset,Yoffset)が設定された
ならば、後は、前述の第1の実施の形態のステップS1
4以降と同様の処理を行うことにより、適切な位置で適
切な走査範囲の像を取り込むことができるようになる。
【0042】なお、これら第1の実施の形態の通常表示
と第2の実施の形態のソフト補正表示の両方を実施でき
るようにSPMを構成し、それらを任意に切り替えられ
るようにしても良いことは勿論である。
【0043】次に、本発明の第3の実施の形態を、図5
のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態
は、従来例で説明したような走査に際してX,Y変位セ
ンサ36,38の値を元にX,Yの走査にサーボをかけ
て走査の線形性補正を行っていた場合に、走査領域を小
さくした時にX,Yのサーボ動作を行わないでノイズの
少ない測定を行うようにした例である。
【0044】まず、X,Yリニア補正あり測定を行って
データメモリ34AにZ(xs,ys)を格納し(ステ
ップS40)、この配列をそのまま表示メモリ34に転
送して画像解析装置34にて表示する(ステップS4
1)。ここで、表示される像は、少なくともX,Y平面
の配置に関して実際の試料18の測定領域と相似形にな
っている。
【0045】なお、上記ステップS40でのリニア補正
あり測定は、図2の(B)に示すようにして行われる。
即ち、まず、コントローラ26からの指令で、X,Yの
リニアサーボを行うために、アナログスイッチSWX及
びSWYをS側にして、フィードバック動作をオンにす
る(ステップS40A)。そして、X及びYフィードバ
ック制御回路44及び46によるサーボ動作を行いなが
ら、試料18をX及びY方向に走査する(ステップS4
0B)。その走査本数及び測定点数は、例えば256×
256点であり、各サンプリングポイント(xs,y
s)で、Z制御機構24の出力データを数値化Z(x
s,ys)して、画像解析装置34のデータメモリ34
Aに記憶する(ステップS40C)。このようなデータ
取り込みを上記256×256の全サンプリングポイン
トについて終了するまで(ステップS10D)繰り返
す。
【0046】このようなリニア補正あり測定によって2
56×256点の画像Z(xs,ys)が記憶され、画
像解析装置34にて表示されたならば、次に、このリニ
ア補正測定を行った画像の表示された画面上でのオペレ
ータの位置指定に応じて、走査中心となるオフセット位
置を設定する(ステップS42)。その指定位置の画像
上の点をpxoff,pyoffとすると、その位置で
のX及びY変位センサ36及び38の出力値Xoffs
et,Yoffsetは、その位置でX走査D/Aコン
バータ28及びY走査D/Aコンバータ30から出力さ
れていたX及びYサーボのレファレンスの値と等しいの
で、画面の画素に対応するpxoff,pyoffから
求めることができる。
【0047】ここの段階で、X及びYのサーボ切り替え
用のアナログスイッチSWX及びSWYはS側になって
いるので、X走査D/Aコンバータ28の出力をXof
fsetに、またY走査D/Aコンバータ30の出力を
Yoffsetになるように値を変化させることによ
り、探針12を新たな走査領域の中心に移動する(ステ
ップS15)。ここで、コントローラ26は、Xフィー
ドバック制御回路44及びYフィードバック制御回路4
6から三次元微動素子14に印加しているサーボ信号v
xhold,vyholdを、X電圧A/Dコンバータ
48及びY電圧A/Dコンバータ50を介して取り込
み、Xフィードバック制御回路44及びYフィードバッ
ク制御回路46に対してホールド信号Holdを供給し
て、これらX及びYフィードバック制御回路44及び4
6から三次元微動素子14への信号vxhold,vy
holdの印加状態を保持する。
【0048】この間に、オペレータは、表示画面上で範
囲指定することにより、走査範囲LX,LYを設定する
ことができる(ステップS16)。そして、オフセット
位置に探針12が移動したところで、前述したようにX
及びYフィールドバック制御回路44及び46をホール
ド状態にして、アナログスイッチSWX及びSWYをI
側に切り替えて、サーボ動作を停止させる(ステップS
17)。
【0049】次に、この電圧vxhold,vyhol
dを中心として、新たな走査範囲の像を取るプリスキャ
ンを行う(ステップS18)。即ち、走査領域の確認の
ために、コントローラ26は、X走査D/Aコンバータ
28及びY走査D/Aコンバータ30から、X方向とY
方向に少なくとも1回ずつ走査信号として圧電定数DX
及びDYから見積もられる電圧LX/DX及びLY/D
Yを、三次元微動素子14に印加する。そして、X変位
A/Dコンバータ40及びY変位A/Dコンバータ42
を介してX変位センサ36及びY変位センサ38によ
り、そのときの走査量、つまり走査範囲LXPRE及び
LYPREを検出する(ステップS19)。
【0050】次に、コントローラ26は、得られた走査
範囲LXPER及びLYPREに対して設定したい走査
範囲LX及びLYとの比率で、走査電圧Δvx及びΔv
yを、次の計算を元に設定し直す(ステップS20)。
【0051】Δvx=LX/DX・LX/LXPRE, Δvy=LY/DY・YX/LYPRE そして、上記vxhold,vyholdを走査電圧の
中心とし、且つ、このΔvx,Δvyを走査電圧範囲と
して、X走査D/Aコンバータ28及びY走査D/Aコ
ンバータ30の出力を発生させることで、探針走査を行
う(ステップS21)。これにより、適切な位置で適切
な走査範囲の像を取り込むことができるようになるの
で、後は、Z制御機構24の出力データを数値化して、
そのまま画像解析装置34により表示を行うことができ
る(ステップS22)。
【0052】このように、変位センサ信号を元に探針を
移動し、サーボしていた電圧との対照により探針位置を
決定し、探針走査のサーボを切って走査信号を直接印加
することにより、ノイズの少ない信号で測定を行うこと
が可能になる。
【0053】なお、上記第1乃至第3の実施の形態にお
いては、走査範囲LX,LYの設定を探針位置移動を行
っている間に行うものとして説明したが、これは、オフ
セット位置の設定に続けて行っても良いし、サーボをオ
フした後でも良く、要は、プリスキャンを行う前に設定
すれば良いものである。
【0054】さらに、以上の実施の形態中のX,Y変位
センサ36,38としては、光学的変位センサや、歪み
ゲージ、静電容量センサ、その他でもかまわない。ま
た、測定動作としては、AFMに限ったものではなく、
走査型トンネル顕微鏡STMや、磁気力顕微鏡MFM、
ACモードのAFM等、走査型プローブ顕微鏡(SP
M)一般として知られる、圧電体を用いて平面走査を行
い、得られた像から探針の位置のXYのオフセットを行
う、形状測定装置あるいは物性分析装置のXY位置制御
動作に関しても同様の使用が可能であることは当然であ
る。
【0055】また、装置構成では、コントローラ26の
代わりに、DSP等の制御ICに置き換えることや、コ
ントローラ26で行っている一致検出(フィードバック
制御)をロジックICに置き換えてハード的に行うこと
や、コントローラ26でのフィルタ処理を他のデジタル
信号処理によるフィルタ処理で行ったり、A/D変換す
る前段でアナログICによるアナログフィルタ処理に置
き換えることも可能である。
【0056】以上実施の形態に基づいて本発明を説明し
たが、本発明は上述した実施の形態に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可
能である。ここで、本発明の要旨をまとめると以下のよ
うになる。
【0057】(1) 探針を測定試料に対し相対的に走
査させて前記測定試料表面の測定領域の物理的あるいは
化学的量を測定する走査型プローブ顕微鏡において、前
記測定領域全体を走査することにより得られた測定結果
を表示するステップと、前記表示された測定領域の測定
結果の内の一部分を指定することにより、前記測定領域
の一部分を指定するステップと、前記探針もしくは前記
測定試料を相対的に移動させて、前記指定された測定領
域の一部分の内の所定位置に前記探針を移動するステッ
プと、前記所定位置に移動された探針が前記測定領域の
一部分をX方向及びそれに垂直なY方向に相対的に走査
するように、前記探針もしくは前記測定試料を移動させ
るステップと、前記測定領域の一部分の走査における前
記探針と測定試料との実際の相対的移動量を測定するス
テップと、前記探針が前記測定領域の前記指定された一
部分をX方向及びそれに垂直なY方向に実際に相対的に
走査するように、前記測定された実際の相対的移動量に
基づいて補正して、前記探針もしくは前記測定試料を移
動させるステップと、前記補正により実際に走査して得
られた測定結果を表示するステップと、を具備すること
を特徴とする走査型プローブ顕微鏡における部分測定方
法。
【0058】即ち、アクチュエータの非線形性を考慮し
て測定領域の一部分の所定位置(例えば中心)を指定
し、この指定された部分を走査させた場合の実際の探針
の移動量に応じて、指定された部分に対応する実際の範
囲を走査できるようにしたので、大きな面積の走査での
アクチュエータの線形性補正と小さな面積の走査での位
置的な連続性を保つことができるようになる。
【0059】(2) 前記探針と測定試料との相対的な
移動及び走査は、前記測定試料を三次元方向それぞれに
移動させるアクチュエータに対する印加電圧を変化させ
ることにより行われ、前記探針の所定位置への移動は、
前記アクチュエータの非線形性を補正するように前記印
加電圧が調整されて行われ、前記測定領域全体の走査、
前記測定領域の一部分の走査、及び前記実際の相対的移
動量に基づいて補正された走査は、前記印加電圧の調整
を行うこと無く行われることを特徴とする前記(1)に
記載の走査型プローブ顕微鏡における部分測定方法。
【0060】即ち、探針の所定位置への移動はノイズの
影響を無視できるので、走査のフィードバック動作(サ
ーボ動作)を行って正確に位置決めすることができる。 (3) 前記測定領域全体の走査時に、所定間隔で前記
探針と測定試料との実際の相対的移動量を測定するステ
ップをさらに含み、前記測定領域全体を走査することに
より得られた測定結果を表示するステップは、前記測定
した実際の相対的移動量に基づいて測定結果を補正して
表示することを特徴とする前記(2)に記載の走査型プ
ローブ顕微鏡における部分測定方法。
【0061】即ち、予めテーブルを用意しておくのでは
なく、測定ごとに新しい補正用テーブルを作成するの
で、経時変化や環境の変化に対応することができる。 (4) 前記探針と測定試料との相対的な移動及び走査
は、前記測定試料を三次元方向それぞれに移動させるア
クチュエータに対する印加電圧を変化させることにより
行われ、前記測定領域全体の走査及び前記探針の所定位
置への移動は、前記アクチュエータの非線形性を補正す
るように前記印加電圧が調整されて行われ、前記測定領
域の一部分の走査及び前記実際の相対的移動量に基づい
て補正された走査は、前記印加電圧の調整を行うこと無
く行われることを特徴とする前記(1)に記載の走査型
プローブ顕微鏡における部分測定方法。
【0062】測定領域全体の走査ではサーボ動作を行っ
て正確に走査を行い、走査領域を小さくした時にはサー
ボどうさを行わないでノイズの少ない測定を行うことが
でき、しかもその際、位置的な連続性を保つことが可能
になる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
カンチレバー上の探針と試料との間に働く相互作用(原
子間力、静電気力及び磁気力)によって変化するカンチ
レバーの撓みを一定に保つことにより、試料と探針の間
に働く力を一定に保ちながら、試料と探針の相対的位置
を走査する動作において、大きな面積の走査でのアクチ
ュエータの線形性補正と小さな面積の走査での位置的な
連続性を保つことのできる走査型プローブ顕微鏡におけ
る部分測定方法を提供することができる。
【0064】即ち、本発明の走査型プローブ顕微鏡の部
分測定方法によって、圧電体の変位と電圧ヒステリシス
特性の影響を受ける測定に対しても、変位検出センサの
ノイズレベルに応じた探針制御法の切り替えで、走査位
置及び走査範囲変更の連続性を保つことができるように
なり、μmレベルの探針位置と原子的オーダーの測定領
域とで対応のとれる、高分解能かつ直線性の高い高精度
な試料表面情報測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の動作フローチャー
トである。
【図2】(A)はリニア補正無し測定のフローチャート
であり、(B)はリニア補正あり測定のフローチャート
である。
【図3】(A)乃至(D)はそれぞれ画像解析装置内の
メモリ割付を示す図であり、(E)は圧電体の非線形を
示す線図、(F)は走査領域の変更を説明するための図
である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の動作フローチャー
トである。
【図5】本発明の第3の実施の形態の動作フローチャー
トである。
【図6】従来及び本発明の適用される走査型プローブ顕
微鏡(SPM)のブロック構成図である。
【符号の説明】
10 カンチレバー 12 探針 14 三次元微動素子(圧電体) 16 試料台 18 試料 20 高圧アンプ 22 変位検出装置 24 Z制御機構 26 コントローラ 28 X走査D/Aコンバータ 30 Y走査D/Aコンバータ 32 筐体 34 画像解析装置 36 X変位センサ 38 Y変位センサ 40 X変位A/Dコンバータ 42 Y変位A/Dコンバータ 44 Xフィードバック制御回路 46 Yフィードバック制御回路 48 X電圧A/Dコンバータ 50 Y電圧A/Dコンバータ SWX,SWY アナログスイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針を測定試料に対し相対的に走査させ
    て前記測定試料表面の測定領域の物理的あるいは化学的
    量を測定する走査型プローブ顕微鏡において、 前記測定領域全体を走査することにより得られた測定結
    果を表示するステップと、 前記表示された測定領域の測定結果の内の一部分を指定
    するステップと、 前記探針もしくは前記測定試料を相対的に移動させて、
    前記指定された測定領域の一部分の内の所定位置に前記
    探針を移動するステップと、 前記所定位置に移動された探針が前記測定領域の一部分
    をX方向及びそれに垂直なY方向に相対的に走査するよ
    うに、前記探針もしくは前記測定試料を移動させるステ
    ップと、 前記測定領域の一部分の走査における前記探針と測定試
    料との実際の相対的移動量を測定するステップと、 前記探針が前記測定領域の前記指定された一部分をX方
    向及びそれに垂直なY方向に実際に相対的に走査するよ
    うに、前記測定された実際の相対的移動量に基づいて補
    正して、前記探針もしくは前記測定試料を移動させるス
    テップと、 前記補正により実際に走査して得られた測定結果を表示
    するステップと、 を具備することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡にお
    ける部分測定方法。
  2. 【請求項2】 前記探針と測定試料との相対的な移動及
    び走査は、前記測定試料を三次元方向それぞれに移動さ
    せるアクチュエータに対する印加電圧を変化させること
    により行われ、 前記探針の所定位置への移動は、前記アクチュエータの
    非線形性を補正するように前記印加電圧が調整されて行
    われ、 前記測定領域全体の走査、前記測定領域の一部分の走
    査、及び前記実際の相対的移動量に基づいて補正された
    走査は、前記印加電圧の調整を行うこと無く行われるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡
    における部分測定方法。
  3. 【請求項3】 前記測定領域全体の走査時に、所定間隔
    で前記探針と測定試料との実際の相対的移動量を測定す
    るステップをさらに含み、 前記測定領域全体を走査することにより得られた測定結
    果を表示するステップは、前記測定した実際の相対的移
    動量に基づいて測定結果を補正して表示することを特徴
    とする請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡における
    部分測定方法。
  4. 【請求項4】 前記探針と測定試料との相対的な移動及
    び走査は、前記測定試料を三次元方向それぞれに移動さ
    せるアクチュエータに対する印加電圧を変化させること
    により行われ、 前記測定領域全体の走査及び前記探針の所定位置への移
    動は、前記アクチュエータの非線形性を補正するように
    前記印加電圧が調整されて行われ、 前記測定領域の一部分の走査及び前記実際の相対的移動
    量に基づいて補正された走査は、前記印加電圧の調整を
    行うこと無く行われることを特徴とする請求項1に記載
    の走査型プローブ顕微鏡における部分測定方法。
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Cited By (4)

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