JPH1024579A - 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ及び液体吐出装置 - Google Patents
液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ及び液体吐出装置Info
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- JPH1024579A JPH1024579A JP8183035A JP18303596A JPH1024579A JP H1024579 A JPH1024579 A JP H1024579A JP 8183035 A JP8183035 A JP 8183035A JP 18303596 A JP18303596 A JP 18303596A JP H1024579 A JPH1024579 A JP H1024579A
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Abstract
熱を加えることで液体に気泡を発生させる発熱体2が設
けられる。発熱体2に面して可動部材31が設置され
る。可動部材31は、吐出口18側に自由端32をも
ち、気泡の発生に基づく圧力によって発熱体2から遠ざ
かる向きに変位し、気泡の収縮によって元の位置に復帰
する。可動部材31の幅は、発熱体2との対向面からそ
の反対側の面に向かって小さくなっており、変位すると
きの流体に対する抵抗が小さい。
Description
体に作用させることで起こる気泡の発生によって、所望
の液体を吐出する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用
いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置に関する。
する可動部材を有する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッド
を用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置に関する。
金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の
被記録媒体に対し記録を行うプリンター、複写機、通信
システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワ
ードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合
的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明であ
る。
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特
許4,723,129号等の公報に開示されているよう
に、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連
通するインク流路と、インク流路内に配されたインクを
吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換
体が一般的に配されている。
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらにたかまっている。
する検討としては、保護膜の厚さを調整するといった発
熱体の最適化が挙げられている。この手法は、発生した
熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果がある。
の吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好
なインク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆
動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐
出された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速
い液体吐出ヘッドを得るために流路形状を改良したもの
も提案されている。
(a),(b)に示すものが、特開昭63−19997
2号公報等に記載されている。この公報に記載されてい
る流路構造やヘッド製造方法は、気泡の発生に伴って発
生するバック波(吐出口へ向かう方向とは逆の方向へ向
かう圧力、即ち、液室12へ向かう圧力)に着目した発
明である。このバック波は、吐出方向へ向かうエネルギ
ーでないため損失エネルギーとして知られている。
熱素子2が形成する気泡の発生領域よりも離れ、かつ、
発熱素子2に関して吐出口18とは反対側に位置する弁
5を開示する。
材等を利用する製造方法によって、液流路10の天井に
貼り付いたように初期位置を持ち、気泡の発生に伴って
液流路10内へ垂れ下がるものとして開示されている。
この発明は、上述したバック波の一部を弁5によって制
御することでエネルギー損失を抑制するものとして開示
されている。
べき液体を保持する液流路10内部に、気泡が発生した
際を検討するとわかるように、弁5によるバック波の一
部を抑制することは、液体吐出にとっては実用的なもの
でないことがわかる。
吐出に直接関係しないものである。このバック波が液流
路10内に発生した時点では、図42(a)に示すよう
に、気泡のうち吐出に直接関係する圧力はすでに液流路
10から液体を吐出可能状態にしている。従って、バッ
ク波のうち、しかもその一部を抑制したからといって
も、吐出に大きな影響を与えないことは明らかである。
は、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返すた
め、発熱体の表面にインクの焦げによる堆積物が発生す
るが、インクの種類によってはこの堆積物が多く発生す
ることで、気泡の発生を不安定にしてしまい、良好なイ
ンクの吐出を行うことが困難な場合があった。また、吐
出すべき液体が熱によって劣化しやすい液体の場合や十
分に発泡が得られにくい液体の場合においても、吐出す
べき液体を変質させず、良好に吐出するための方法が望
まれていた。
させる液体(発泡液)と吐出する液体(吐出液)とを別
液体とし、発泡による圧力を吐出液に伝達することで吐
出液を吐出する方法が、特開昭61−69467号公
報、特開昭55−81172号公報、米国特許4,48
0,259号等の公報に開示されている。これらの公報
では、吐出液であるインクと発泡液とをシリコンゴムな
どの可撓性膜で完全分離し、発熱体に吐出液が直接接し
ないようにすると共に、発泡液の発泡による圧力を可撓
性膜の変形によって吐出液に伝える構成をとっている。
このような構成によって、発熱体表面の堆積物の防止
や、吐出液体の選択自由度の向上等を達成している。
液とを完全分離する構成のヘッドにおいては、発泡時の
圧力を可撓性膜の伸縮変形によって吐出液に伝える構成
であるため、発泡による圧力を可撓性膜がかなり吸収し
てしまう。また、可撓性膜の変形量もあまり大きくない
ため、吐出液と発泡液とを分離することによる効果を得
ることはできるものの、エネルギー効率や吐出力が低下
してしまう虞があった。
来の気泡(特に膜沸騰に伴う気泡)を液流路中に形成し
て液体を吐出する方式の、根本的な吐出特性を、従来で
は考えられなかった観点から、従来では予想できない水
準に高めることを主たる背景課題とする。
返り、従来では得られなかった気泡を利用した新規な液
滴吐出方法及びそれに用いられるヘッド等を提供すべく
鋭意研究を行った。このとき、流路中の可動部材の機構
の原理を解析すると言った液流路中の可動部材の動作を
起点とする第1技術解析、及び気泡による液滴吐出原理
を起点とする第2技術解析、さらには、気泡形成用の発
熱体の気泡形成領域を起点とする第3解析を行うことに
した。
自由端の配置関係を吐出口側つまり下流側に自由端が位
置する関係にすること、また可動部材を発熱体もしく
は、気泡発生領域に面して配することで積極的に気泡を
制御する全く新規な技術を確立するに至った。
ギーを考慮すると気泡の下流側の成長成分を考慮するこ
とが吐出特性を格段に向上できる要因として最大である
との知見に至った。つまり、気泡の下流側の成長成分を
吐出方向へ効率よく変換させることこそ吐出効率、吐出
速度の向上をもたらすことも判明した。このことから、
発明者らは気泡の下流側の成長成分を積極的に可動部材
の自由端側に移動させるという従来の技術水準に比べ極
めて高い技術水準に至った。
例えば電気熱変換体の液体の流れ方向の面積中心を通る
中心線から下流側、あるいは、発泡を司る面における面
積中心等の気泡下流側の成長にかかわる可動部材や液流
路等の構造的要素を勘案することも好ましいということ
がわかった。
構造を考慮することで、リフィル速度を大幅に向上する
ことができることがわかった。
に研究で得られた知見および、総合的観点から優れた液
体の吐出原理を出願しているが、本発明者達は、この発
明を前提に、より好ましい着想をするに至った。
原理をより有効に活用することを狙い、可動部材の形状
に着目し、それを改善することによって、より高い吐出
効率及び吐出力を達成するという点である。
第1の目的は、発生した気泡が可動部材に作用した際
に、可動部材がより効果的に機能すべく、可動部材が変
位するときに液体から受ける抵抗を小さくすることで、
より高い吐出効率及び吐出力が得られる液体吐出ヘッド
等を提供することにある。
て、吐出効率、吐出力の向上を図りつつ、発熱体上の液
体への蓄熱を大幅に軽減できると共に、発熱体上の残留
気泡の低減を図ることで、良好な液体の吐出を行いうる
液体吐出ヘッド等を提供することにある。
よる液体供給方向とは逆方向への慣性力が働くのを抑え
ると同時に、可動部材の弁機能によって、メニスカス後
退量を低減させることで、リフィル周波数を高め、印字
スピード等を向上させた液体吐出ヘッド等を提供するこ
とにある。
物を低減すると共に、吐出用液の用途範囲を広げること
ができ、しかも吐出効率や吐出力が十分に高い液体吐出
ヘッド等を提供することにある。
択自由度を高くできる液体吐出ヘッド等を提供すること
にある。
るための液体導入路を少ない部品点数で構成することで
製造が容易で安価なヘッドおよび装置を提供すること、
また小型化が図れた液体吐出ヘッド、装置等を提供する
ことである。
するための本発明の代表的な要件は、次のようなもので
ある。
通する液流路と、前記液流路内の液体に気泡を発生させ
る気泡発生領域と、前記液流路内に前記気泡発生領域に
面して配され、前記気泡発生領域での気泡の発生に基づ
く圧力によって変位して前記圧力を前記吐出口側へ導
き、気泡の収縮による負圧で元の位置に復帰する可動部
材とを有し、前記可動部材は、変位するときの前記流路
内の液体に対する抵抗が、元の位置に復帰するときの抵
抗よりも小さい液体吐出ヘッド。
吐出口に連通した第1の液流路と、液体に熱を加えるこ
とで該液体に気泡を発生させる気泡発生領域を有する第
2の液流路と、前記第1の液流路と前記気泡発生領域と
の間に配され、前記気泡発生領域での気泡の発生に基づ
く圧力によって前記第1の液流路側へ変位して前記圧力
を前記吐出口側へ導き、気泡の収縮による負圧で元の位
置に復帰する可動部材とを有し、前記可動部材は、変位
するときの前記第1の液流路内の液体に対する抵抗が、
元の位置に復帰するときの抵抗よりも小さい液体吐出ヘ
ッド。
出口と、それぞれの吐出口に対応して直接連通する複数
の第1の液流路を構成するための複数の溝と、前記複数
の第1の液流路に液体を供給するための第1の共通液室
を構成する凹部とを一体的に有する溝付き部材と、液体
に熱を与えることで液体に気泡を発生させるための複数
の発熱体が配された素子基板と、前記溝付き部材と前記
素子基板との間に配され、前記発熱体に対応した第2の
液流路の壁の一部を構成するとともに、前記発熱体に面
した位置に、前記気泡の発生に基づく圧力によって前記
第1の液流路側に変位して前記圧力を前記吐出口側へ導
き、気泡の収縮による負圧で元の位置に復帰する可動部
材とを具備した分離壁とを有し、前記可動部材は、変位
するときの前記第1の液流路内の液体に対する抵抗が、
元の位置に復帰するときの抵抗よりも小さい液体吐出ヘ
ッド。
体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを
有するヘッドカートリッジ。
体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供
給する駆動信号供給手段とを有する液体吐出装置。
体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒体を
搬送する被記録媒体搬送手段とを有する液体吐出装置。
生領域に発生した気泡の作用により可動部材が変位され
るが、その際、可動部材は液流路中の液体の抵抗を受け
る。この液体の抵抗は、可動部材を上記のような形状と
することで軽減される。その結果、可動部材が変位し易
くなり、吐出効率及び吐出力がより向上することにな
る。
出原理に基づく本発明の液体吐出ヘッド等によると、発
生する気泡とこれによって変位する可動部材との相乗効
果を得ることができ、吐出口近傍の液体を効率よく吐出
できるため、従来のバブルジェット方式の液体吐出ヘッ
ド等に比べて、吐出効率を向上できる。例えば本発明の
最も好ましい形態においては2倍以上という飛躍的な吐
出効率の向上を達成できた。
低温や低湿で長期放置を行った場合であっても不吐出に
なることを防止でき、仮に不吐出になっても、予備吐出
や吸引回復といった回復処理をわずかに行うだけで正常
状態に即座に復帰できる利点もある。
ブルジェット方式のヘッドの大半が不吐出になるような
長期放置条件においても、本発明のヘッドでは約半分以
下の吐出口が吐出不良になるだけである。また、これら
のヘッドを予備吐出で回復した場合、各吐出口に対して
従来ヘッドで数千発の予備吐出を行う必要があったが、
本発明では100発程度の予備吐出で回復を行うだけで
十分であった。これは、回復時間の短縮や回復による液
体の損失を低減でき、ランニングコストも大幅に下げる
ことが可能であることを意味する。
た構成によれば、連続吐出時の応答性、気泡の安定成
長、液滴の安定化を達成して、高速液体吐出による高速
記録また高画質記録を可能にすることができた。
例の記載から理解される。
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
主として液滴の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出
口側部分を代表する。より具体的には気泡の中心に対し
て、上記流れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、
又は、発熱体の面積中心より下流側の領域で発生する気
泡を意味する。
閉」とは、気泡が成長するとき、可動部材が変位する前
に可動部材の周囲の隙間(スリット)から気泡がすり抜
けない程度の状態を意味する。
義では気泡発生領域と吐出口に直接連通する領域とを区
分するように介在する壁(可動部材を含んでもよい)を
意味し、狭義では気泡発生領域を含む流路を吐出口に直
接連通する液流路とを区分し、それぞれの領域にある液
体の混合を防止するものを意味する。
例を詳細に説明する。
気泡に基づく圧力の伝搬方向や気泡の成長方向を制御す
ることで吐出力や吐出効率の向上を図る場合の例を説明
する。
ドを液流路方向で切断した模式断面図を示しており、図
2はこの液体吐出ヘッドの部分破断斜視図を示してい
る。また図3は本実施例の液体吐出ヘッドを吐出口方向
から見た模式断面図を示している。
するための吐出エネルギー発生素子として、液体に熱エ
ネルギーを作用させる発熱体2(本実施例においては4
0μm×105μmの形状の発熱抵抗体)が素子基板1
に設けられており、この素子基板1上に発熱体2に対応
して液流路10が配されている。液流路10は吐出口1
8に連通していると共に、複数の液流路10に液体を供
給するための共通液室13に連通しており、吐出口18
から吐出された液体に見合う量の液体をこの共通液室1
3から受け取る。
の発熱体2に対向するように面して、金属等の弾性を有
する材料で構成された平板状の可動部材31が片持梁状
に設けられている。可動部材31は、発熱体2と対向す
る面が実質的に平面で、発熱体2の表面と平行となって
いる。さらに可動部材31は、発熱体2と対向する面か
らその反対側の面に向かって、幅が徐々に狭くなってい
る。可動部材31の一端は液流路10の壁や素子基板上
に感光性樹脂などをパターニングして形成した土台(支
持部材)34等に固定されている。これによって可動部
材31は保持されると共に支点(支点部分)33を構成
している。
って共通液室13から可動部材31を経て吐出口18側
へ流れる大きな流れの上流側に支点33を持ち、この支
点33に対して下流側に自由端(自由端部分)32を持
つように、発熱体2に面した位置に発熱体2を覆うよう
な状態で発熱体2から15μm程度の距離を隔てて配さ
れている。この発熱体2と可動部材31との間が気泡発
生領域11となる。なお発熱体2、可動部材31の種類
や形状および配置はこれに限られることなく、後述する
ように気泡の成長や圧力の伝搬を制御しうる形状および
配置であればよい。
と発熱体2との間の気泡発生領域11の液体に熱を作用
させ、液体に米国特許4,723,129号に記載されているよ
うな膜沸騰現象に基づく気泡40を発生させる。気泡4
0の発生に基づく圧力と気泡40は可動部材31に優先
的に作用し、可動部材31は図1(b)、(c)もしく
は図2で示されるように支点33を中心に吐出口18側
に大きく開くように変位する。可動部材31の変位若し
くは変位した状態によって気泡40の発生に基づく圧力
の伝搬や気泡自身の成長が吐出口18側に導かれる。
を説明する。本発明において最も重要な原理の1つは、
気泡40に対面するように配された可動部材31が気泡
40の圧力あるいは気泡自体に基づいて、定常状態の第
1の位置から変位後の位置である第2の位置へ変位し、
この変位する可動部材31によって、気泡40の発生に
伴う圧力や気泡自身を吐出口18が配された下流側へ導
くことである。
路構造を模式的に示した図4と本発明の図5とを比較し
てさらに詳しく説明する。なおここでは吐出口方向への
圧力の伝搬方向をVA、上流側への圧力の伝搬方向をVB
として示した。
ては、発生した気泡40による圧力の伝搬方向を規制す
る構成はない。このため気泡40の圧力伝搬方向はV1〜
V8のように気泡表面の垂線方向となり様々な方向を向い
ていた。このうち、特に液吐出に最も影響を及ぼすVA
方向に圧力伝搬方向の成分を持つものは、V1〜V4即ち気
泡40のほぼ半分の位置より吐出口に近い部分の圧力伝
搬の方向成分であり、吐出効率、吐出力、吐出速度等に
直接寄与する重要な部分である。さらにV1は吐出方向V
Aの方向に最も近いため効率よく働き、逆にV4はVAに向
かう方向成分は比較的少ない。
合には、可動部材31が図4の場合のように様々な方向
を向いていた気泡の圧力伝搬方向V1〜V4を下流側(吐出
口側)へ導き、VAの圧力伝搬方向に変換するものであ
り、これにより気泡40の圧力が直接的に効率よく吐出
に寄与することになる。そして、気泡40の成長方向自
体も圧力伝搬方向V1〜V4と同様に下流方向に導かれ、上
流より下流で大きく成長する。このように、気泡40の
成長方向自体を可動部材31によって制御し、気泡40
の圧力伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力ま
た吐出速度等の根本的な向上を達成することができる。
ッドの吐出動作について詳しく説明する。
等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体2
が熱を発生する前の状態である。ここで重要なことは、
可動部材31が、発熱体2の発熱によって発生した気泡
40に対し、この気泡40の少なくとも下流側部分に対
面する位置に設けられていることである。つまり、気泡
40の下流側が可動部材31に作用するように、液流路
構造上では少なくとも発熱体2の面積中心3(図1
(b)参照)より下流(発熱体2の面積中心3を通って
液流路10の長さ方向に直交する線より下流)の位置ま
で可動部材31が配されている。
等が印加されて発熱体2が発熱し、発生した熱によって
気泡発生領域11内を満たす液体の一部を加熱し、膜沸
騰に伴う気泡40を発生させた状態である。
基づく圧力により、気泡40の圧力の伝搬方向を吐出口
方向に導くように第1位置から第2位置へ変位する。こ
こで重要なことは前述したように、可動部材31の自由
端32を下流側(吐出口側)に配置し、支点33を上流
側(共通液室13側)に位置するように配置して、可動
部材31の少なくとも一部を発熱体2の下流部分すなわ
ち気泡40の下流部分に対面させることである。
態であるが、気泡40発生に伴う圧力に応じて可動部材
31はさらに変位している。発生した気泡40は上流よ
り下流に大きく成長すると共に可動部材31の第1の位
置(点線位置)を越えて大きく成長している。このよう
に気泡40の成長に応じて可動部材31が変位して行く
ことで気泡40の圧力伝搬方向や体積移動のしやすい方
向、すなわち自由端側への気泡40の成長方向を吐出口
18に均一的に向かわせることができることも吐出効率
を高めると考えられる。可動部材31は気泡40や発泡
圧を吐出口方向へ導く際もこの伝達の妨げになることは
ほとんどなく、伝搬する圧力の大きさに応じて効率よく
圧力の伝搬方向や気泡の成長方向を制御することができ
る。
発熱体2と対向する面からその反対側の面に向かって幅
が徐々に狭くなっているため、気泡40の発生に基づく
圧力で可動部材31が変位する際、可動部材31は液流
路10内に存在する液体の抵抗を受けにくくなり、低い
圧力でも変位する。従って、可動部材31の変位に費や
される気泡40の圧力成分は最小限ですみ、残りの圧力
成分のほとんどが、吐出口18の方向に成長させられ
る。
面は実質的に平面であり、また、発熱体2の表面と平行
となっているため、気泡40の発生に基づく圧力を受け
易くなっており、このことも可動部材31を効率的に変
位させる要因となっている。気泡40の発生に基づく圧
力を受けやすい構造としては、この他にも、例えば可動
部材31の発熱体2と対向する面になし地仕上げを施し
たり、凹凸を形成したり、あるいは可動部材31の少な
くとも発熱体2と対向する部位を概略凹状とし、気泡4
0の側面も覆うようにすること等が挙げられる。
騰の後、気泡内部圧力の減少によって収縮し、消滅する
状態を示している。
は、気泡40の収縮による負圧と可動部材自身のばね性
による復元力によって、図1(a)の初期位置(第1の
位置)に速やかに復帰する。また、消泡時には、気泡発
生領域11での気泡40の収縮体積を補うため、また、
吐出された液体の体積分を補うために上流側(B)、す
なわち共通液室側から流れのVD1、VD2のように、ま
た、吐出口18側から流れのVcのように液体が流れ込
んでくる。
の動作と液体の吐出動作について説明したが、以下に本
発明の液体吐出ヘッドにおける液体のリフィルについて
詳しく説明する。
ズムをさらに詳しく説明する。
態を経て消泡過程に入ったときには、消泡した体積を補
う体積の液体が気泡発生領域11に、液流路10の吐出
口18側と供給路12の共通液室側13から流れ込む。
可動部材31を持たない従来の液流路構造においては、
消泡位置に吐出口18側から流れ込む液体の量と共通液
室13から流れ込む液体の量は、気泡発生領域11より
吐出口18に近い部分と共通液室13に近い部分との流
抵抗の大きさに起因する。(流路抵抗と液体の慣性に基
づくものである。)
小さい場合には、多くの液体が吐出口18側から消泡位
置に流れ込み、メニスカスMの後退量が大きくなること
になる。特に、吐出効率を高めるために吐出口18に近
い側の流抵抗を小さくして吐出効率を高めようとするほ
ど、消泡時のメニスカスMの後退が大きくなり、リフィ
ル時間が長くなって高速印字を妨げることとなってい
た。
けたため、気泡の体積Wを、可動部材31の第1位置を
境に上側をW1、気泡発生領域11側をW2とした場
合、消泡時に可動部材31が元の位置に戻った時点でメ
ニスカスMの後退は止まり、その後残ったW2の体積分
の液体供給は主に供給路12の流れVD2からの液供給に
よって成される。これにより、従来、気泡40の体積の
半分程度に対応した量がメニスカスMの後退量になって
いたのに対して、それより少ないW1の半分程度のメニ
スカス後退量に抑えることが可能になった。
の圧力を利用して可動部材31の発熱体2側の面に沿っ
て、主に供給路12の上流側(VD2)から強制的に行う
ことができるためより速いリフィルを実現できた。
泡時の圧力を用いたリフィルを行った場合、メニスカス
の振動が大きくなってしまい画像品位の劣化につながっ
ていたが、本実施例の高速リフィルにおいては可動部材
31によって吐出口18側の液流路10の領域と、気泡
発生領域11との吐出口18側での液体の流通が抑制さ
れるためメニスカスMの振動を極めて少なくすることが
できることである。
の気泡発生領域11への強制リフィルと、上述したメニ
スカス後退や振動の抑制によって高速リフィルを達成す
ることで、吐出の安定や高速繰り返し吐出、また記録の
分野に用いた場合、画質の向上や高速記録を実現するこ
とができる。
有効な機能を兼ね備えている。それは、気泡40の発生
による圧力の上流側への伝搬(バック波)を抑制するこ
とである。発熱体2上で発生した気泡40の内、共通液
室13側(上流側)の気泡40による圧力は、その多く
が、上流側に向かって液体を押し戻す力(バック波)に
なっていた。このバック波は、上流側の圧力と、それに
よる液移動量、そして液移動に伴う慣性力を引き起こ
し、これらは液体の液流路10内へのリフィルを低下さ
せ高速駆動の妨げにもなっていた。本発明においては、
まず可動部材31によって上流側へのこれらの作用を抑
えることでもリフィル供給性の向上をさらに図ってい
る。
果について、以下に説明する。
に発熱体2と実質的に平坦につながる(発熱体表面が大
きく落ち込んでいない)内壁を持つ。このような場合、
気泡発生領域11および発熱体2の表面への液体の供給
は、可動部材31の気泡発生領域11に近い側の面に沿
って、VD2のように行われる。このため、発熱体2の表
面上に液体が淀むことが抑制され、液体中に溶存してい
た気体の析出や、消泡できずに残ったいわゆる残留気泡
が除去され易く、また、液体への蓄熱が高くなりすぎる
こともない。従って、より安定した気泡の発生を高速に
繰り返し行うことができる。なお、本実施例では実質的
に平坦な内壁を持つ供給路12を持つもので説明した
が、これに限らず、発熱体表面となだらかに繋がり、な
だらかな内壁を有する供給路であればよく、発熱体2上
に液体の淀みや、液体の供給に大きな乱流を生じない形
状であればよい。
は、可動部材31の側部(スリット35)を介してVD1
から行われるものもある。しかし、気泡発生時の圧力を
さらに有効に吐出口18に導くために図1で示すように
気泡発生領域11の全体を覆う(発熱体面を覆う)よう
に大きな可動部材31を用い、可動部材31が第1の位
置へ復帰することで、気泡発生領域11と液流路10の
吐出口18に近い領域との液体の流抵抗が大きくなるよ
うな形態の場合、前述のVD1から気泡発生領域11に向
かっての液体の流れが妨げられる。しかし、本発明のヘ
ッド構造においては、気泡発生領域11に液体を供給す
るための流れVD2があるため、液体の供給性能が非常に
高くなり、可動部材31で気泡発生領域11を覆うよう
な吐出効率向上を求めた構造を取っても、液体の供給性
能を落とすことがない。
点33の位置は、例えば図6で示されるように、自由端
32が相対的に支点33より下流側にある。このような
構成のため、前述した発泡の際に気泡の圧力伝搬方向や
成長方向を吐出口18側に導く等の機能や効果を効率よ
く実現できるのである。さらに、この位置関係は吐出に
対する機能や効果のみならず、液体の供給の際にも液流
路10を流れる液体に対する流抵抗を小さくしでき高速
にリフィルできるという効果を達成している。これは図
6に示すように、吐出によって後退したメニスカスMが
毛管力により吐出口18へ復帰する際や、消泡に対して
の液供給が行われる場合に、液流路10内を流れる流れ
S1、S2、S3に対し、逆らわないように自由端と支点
33とを配置しているためである。
述のように可動部材31の自由端32が、発熱体2を上
流側領域と下流側領域とに2分する面積中心3(発熱体
2の面積中心(中央)を通り液流路10の長さ方向に直
交する線)より下流側の位置に対向するように発熱体2
に対して延在している。これによって発熱体2の面積中
心位置3より下流側で発生する液体の吐出に大きく寄与
する圧力、又は気泡を可動部材31が受け、この圧力及
び気泡を吐出口18側に導くことができ、吐出効率や吐
出力を根本的に向上させることができる。
して多くの効果を得ている。
31の自由端32が瞬間的な機械的変位を行っているこ
とも、液体の吐出に対して有効に寄与している考えられ
る。
ッドの第2の実施例の模式断面図であり、図8は、図7
に示した液体吐出ヘッドを吐出口方向から見た模式断面
図である。
31の幅方向の両端部に、さらに発熱体2に向かって延
在する立面部31aを一体的に設けたものである。立面
部31aは、可動部材31の幅方向において気泡発生領
域11の外側に位置しており、気泡発生領域11で発生
した気泡の側方は立面部31aで覆われる。
は、実施例1と同様に液流路10に存在する液体の抵抗
が小さくなることに加え、発泡圧の側方への逃げが防止
され、発泡圧をより効果的に可動部材31の変位に利用
している。さらに、可動部材31の変位に伴う吐出口方
向以外への放圧を抑制し、より効果的に発泡圧を吐出口
18に向けることができるため、気泡の圧力をより効率
的に吐出に寄与させることができる。
ッドの第3の実施例の模式断面図である。
1を用いたものであるが、さらにその厚みが、支点33
から自由端32に向かって徐々に薄くなっている。これ
により、可動部材31が変位する際の際の、液流路10
に存在する液体による抵抗がさらに小さくなる上に、自
由端32の変位を大きくすることができるので、気泡を
より積極的に吐出口18に向けて成長させることができ
る。
例を示す。この図10において、Aは可動部材31が変
位している状態を示し(気泡は図示せず)、Bは可動部
材31が初期位置(第1位置)の状態を示し、このBの
状態をもって、気泡発生領域11を吐出口18に対して
実質的に密閉しているとする。(ここでは図示していな
いが、A、B間には流路壁があり流路と流路を分離して
いる。) 図10における可動部材31は、実施例1と同様の形状
である。また、土台34を側部に2点設け、その間に液
供給路12を設けている。これにより、可動部材31の
発熱体2側の面に沿って、また、発熱体2の面と実質的
に平坦もしくは、なだらかにつながる面を持つ液供給路
から液体の供給を成すことができる。
置)では、可動部材31は発熱体2の下流側および横方
向に配された発熱体下流壁36と発熱体側壁37に近接
または密着しており、気泡発生領域11の吐出口18側
に実質的に密閉されている。このため、発泡時の気泡の
圧力、特に気泡の下流側の圧力を逃がさず可動部材31
の自由端32側に集中的に作用させることができる。
置に戻り、発熱体2上への消泡時の液供給は気泡発生領
域11の吐出口18側が実質的に密閉状態になるため、
メニスカスの後退抑制等、先の実施例で説明した種々の
効果を得ることができる。また、リフィルに関する効果
においても先の実施例と同様の機能、効果を得ることが
できる。
のように、可動部材31を支持固定する土台34を、発
熱体2より離れた上流に設けると共に、液流路10より
小さな幅とすることで前述のような供給路12への液体
の供給を行っている。また、土台34の形状のこれに限
らず、リフィルをスムースに行えるものであればよい。
発熱体2の間隔を15μm程度としたが、気泡の発生に
基づく圧力が十分に可動部材31に伝わる範囲であれば
よい。
概念の一つを示すもので、本発明の実施例5となる。図
11は、一つの液流路10中に気泡発生領域11、そこ
で発生する気泡および可動部材31との位置関係を示し
ていると共に、本発明の液体吐出ヘッドによる液体吐出
方法やリフィル方法をより分かり易くした実施例であ
る。
由端32に対して、発生する気泡の圧力を集中して、急
峻な可動部材31の移動と同時に気泡の移動を吐出口1
8側に集中させることを達成している。これに対して、
本実施例は、発生する気泡の自由度を与えながら、滴吐
出に直接作用する気泡の吐出口18側である気泡の下流
側部分を可動部材31の自由端32側で規制するもので
ある。
図2(実施例1)に比較すると、図2で素子基板1上に
設けられた気泡発生領域の下流端に位置するバリヤーと
しての凸部(図1の斜線部分)が本実施例では設けられ
ていない。つまり、可動部材31の自由端領域および両
側端領域は、吐出口領域に対して気泡発生領域11を実
質的に密閉せずに開放している。その他可動部材31の
形状等は実施例1と同様である。
する下流側部分のうち、下流側先端部の気泡成長が許容
されているので、その圧力成分を吐出に有効に利用して
いる。加えて少なくともこの下流側部分の上方へ向かう
圧力(図4のV1 、V2 、V 3 の分力)を可動部材31
の自由端側部分が、この下流側先端部の気泡成長に加え
られるように作用するため吐出効率を上述した実施例と
同様に向上する。前記実施例に比較して本実施例は、発
熱体2の駆動に対する応答性が優れている。
製造上の利点がある。
部材31の面部に対して小さい幅の1つの土台34に固
定されている。従って、消泡時の気泡発生領域11への
液体供給は、この土台34の両側を通って供給される
(図の矢印参照)。この土台34は供給性を確保するも
のであればどのような構造でもよい。
例の場合には、可動部材31の存在によって気泡の消泡
にともなって上方から気泡発生領域11へ流れ込む流れ
が制御されるので、従来の発熱体のみの気泡発生構造に
対して優れたものとなる。無論、これによって、メニス
カスの後退量を減じることもできる。
31の自由端32に対する両側端(一方でも可)のみを
気泡発生領域11に対して実質的に密閉状態とすること
は好ましいものとして挙げられる。この構成によれば、
可動部材31の側方へ向かう圧力をも先に説明した気泡
の吐出口側端部の成長に変更して利用することができる
ので、一層吐出効率が向上する。
体の吐出力をさらに向上させた例を本実施例で説明す
る。図12はこのようなヘッド構造の横断面図である。
図12においては、可動部材31の自由端32の位置が
発熱体2のさらに下流側に位置するように、可動部材3
1が延在している実施例を示している。これによって自
由端位置での可動部材31の変位速度を高くすることが
でき、可動部材31の変位による吐出力の発生をさらに
向上させることができる。その他可動部材31の形状等
は実施例1と同様である。
吐出口18側に近づくことになるので気泡40の成長を
より安定した方向成分に集中できるので、より優れた吐
出を行うことができる。
度に応じて、可動部材31は変位速度R1で変位する
が、この位置より支点33に対して遠い位置の自由端3
2はさらに速い速度R2で変位する。これにより、自由
端32を高い速度で機械的に液体に作用せしめ液移動を
起こさせることで吐出効率を高めている。
(c)は本発明の実施例7を示す。
出口18と直接連通する領域は液室側と連通した流路形
状となっておらず、構造の簡略化が図れるものである。
域側の面に沿った供給路12からのみ行われるもので、
可動部材31の形状、自由端32や支点33の吐出口1
8に対する位置関係や発熱体2に面する構成は前述の実
施例と同様である。
した効果を実現するものであるが、特にメニスカスの後
退を抑制し消泡時の圧力を利用して、ほとんど全ての液
供給を消泡時の圧力を利用して、強制リフィルを行うも
のである。
させた状態を示しており、図13(b)は、前記発泡が
収縮しつつある状態で、このとき可動部材31の初期位
置への復帰とS3による液供給が行われる。
置に復帰する際のわずかなメニスカス後退を、消泡後に
吐出口18付近の毛細管力によって、リフィルしている
状態である。
して本発明の実施例8について説明する。
については先の実施例と同じであるが、本実施例におい
ては液流路を複流路構成にすることで、さらに、熱を加
えることで発泡させる液体(発泡液)と、主として吐出
される液体(吐出液)とを分けることができるものであ
る。
路方向の断面模式図を示しており、図15はこの液体吐
出ヘッドの部分破断斜視図を示している。
を発生させるための熱エネルギーを与える発熱体2が設
けられた素子基板1上に、発泡用の第2液流路16があ
り、その上に吐出口18に直接連通した吐出液用の第1
液流路14が配されている。第1液流路14の上流側
は、複数の第1液流路14に吐出液を供給するための第
1共通液室15に連通しており、第2液流路16の上流
側は、複数の第2液流路16に発泡液を供給するための
第2共通液室17に連通している。
は、金属等の弾性を有する材料で構成された分離壁30
が配されており、第1液流路14と第2液流路16とを
区分している。なお、発泡液と吐出液とができる限り混
ざり合わない方がよい液体の場合には、この分離壁30
によってできる限り完全に第1液流路14と第2液流路
16の液体の流通を分離した方がよいが、発泡液と吐出
液とがある程度混ざり合っても問題がない場合には、分
離壁30に完全分離の機能を持たせなくてもよい。
吐出圧発生領域という。;図14中のAの領域とBの気
泡発生領域11)に位置する部分の分離壁30は、スリ
ット35によって、吐出口18側(液体の流れの下流
側)が自由端32で、共通液室(15、17)側に支点
33が位置する片持梁形状の可動部材31となってい
る。この可動部材31は、気泡発生領域11(B)に面
して配されているため、発泡液の発泡によって第1液流
路14側の吐出口18側に向けて開口するように動作す
る(図中矢印方向)。図15においても、発熱体2とし
ての発熱抵抗部と、この発熱抵抗部に電気信号を印加す
るための配線電極5とが配された素子基板1上に、第2
液流路を構成する空間を介して分離壁30が配置されて
いる。
置と、発熱体2との配置の関係については先の実施例と
同様にしている。さらに、可動部材31の幅方向の断面
形状についても、先の実施例と同様に、発熱体2に対向
する面からその反対側の面に向かって徐々に幅が狭くな
った形状となっており、可動部材31が変位した際の、
第1液流路14内の液体に対する抵抗が少なくなるよう
にしている。
2との構造の関係について説明したが、本実施例におい
ても第2液流路16と発熱体2との構造の関係を同じく
している。
ッドの動作を説明する。
流路14に供給される吐出液と第2液流路16に供給さ
れる発泡液として同じ水系のインクを用いて動作させ
た。発熱体2が発生した熱が、第2液流路16の気泡発
生領域内11の発泡液に作用することで、先の実施例で
説明したのと同様に発泡液に米国特許4,723,129号に記
載されているような膜沸騰現象に基づく気泡40を発生
させる。
上流側を除く、3方からの発泡圧の逃げがないため、こ
の気泡発生にともなう圧力が吐出圧発生部に配された可
動部材31側に集中して伝搬し、気泡40の成長を伴っ
て可動部材31が図16(a)の状態から図16(b)
のように第1液流路14側に変位する。この可動部材3
1の動作によって第1液流路14と第2液流路16とが
大きく連通し、気泡40の発生に基づく圧力が第1液流
路14の吐出口側の方向(A方向)に主に伝わる。この
圧力の伝搬と、前述のような可動部材31の機械的変位
によって液体が吐出口から吐出される。
材31が図16(a)の位置まで戻ると共に、第1液流
路14では吐出された吐出液体の量に見合う量の吐出液
体が上流側から供給される。本実施例においても、この
吐出液体の供給は前述の実施例と同様に可動部材31が
閉じる方向であるため、吐出液体のリフィルを可動部材
31で妨げることがない。
こと、可動部材31の変位に伴う発泡圧力の伝搬、気泡
40の成長方向、バック波の防止等に関する主要部分の
作用や効果については先の実施例1等と同じであるが、
本実施例のような2流路構成をとることによって、さら
に次のような長所がある。
吐出液と発泡液とを別液体とし、発泡液の発泡で生じた
圧力によって吐出液を吐出することができる。このため
従来、熱を加えても発泡が十分に行われにくく吐出力が
不十分であったポリエチレングリコール等の高粘度の液
体であっても、この液体を第1液流路14に供給し、発
泡液として発泡が良好に行われる液体(エタノール:水
=4:6の混合液1〜2cp程度等)や低沸点の液体を
第2液流路16に供給することで良好に吐出させること
ができる。
2の表面にコゲ等の堆積物を生じない液体を選択するこ
とで、発泡を安定化し、良好な吐出を行うことができ
る。
先の実施例で説明したような効果をも生じるため、さら
に高吐出効率、高吐出力で高粘性液体等の液体を吐出す
ることができる。
の液体を第1液流路14に吐出液として供給し、第2液
流路16で熱的に変質しにくく良好に発泡を生じる液体
を供給すれば、加熱に弱い液体に熱的な害を与えること
なく、しかも上述のように高吐出効率、高吐出力で吐出
することができる。
出ヘッドや液体吐出方法の要部の実施例について説明を
行ったが、以下にこれらの実施例に好ましく適用できる
実施態様例について図面を用いて説明する。但し、以下
の説明においては前述の1流路形態の実施例と2流路形
態の実施例のいずれかを取り上げて説明する場合がある
が特に記載しない限り、両実施例に適用しうるものであ
る。
実施例では、可動部材の幅方向の断面形状として、図3
に示したような形状や図8に示したような形状を例に挙
げたが、その他にも種々の変形例が考えられる。それら
の例を図17に示す。
1は、それぞれ図3に示した可動部材31の変形例であ
り、発熱体と対向する面を平面として、それと反対側の
面の形状を変えたものである。図17(e)〜(h)に
示した可動部材31は、それぞれ図17(a)〜(d)
に示した可動部材31の発熱体と対向する面の形状が、
発熱体と反対側の面の形状と同じであり、幅方向の両端
部が中央部よりも発熱体側に突出した形状となってい
る。これにより、図8に示した可動部材31と同様の効
果を得ている。図17(i)に示した可動部材31は、
図17(a)に示した可動部材31の幅方向の両端部に
さらに立面部を設けたもので、これも図8に示した可動
部材31の変形例である。
体吐出ヘッドの流路方向断面図であるが、第1液流路1
4(若しくは図1における液流路10)を構成するため
の溝が設けられた溝付き部材50が分離壁30上に設け
られている。本実施例においては可動部材31の自由端
32位置近傍の流路天井の高さが高くなっており、可動
部材31の動作角度θをより大きく取れるようにしてい
る。この可動部材31の動作範囲は、液流路の構造、可
動部材31の耐久性や発泡力等を考慮して決定すればよ
いが、吐出口18の軸方向の角度を含む角度まで動作す
ることが望ましいと考えられる。なお、図9に示したよ
うに、支点33から自由端32に向かって可動部材31
の厚みを徐々に薄くすることで、可動部材31の動作角
度θをより大きくすることができる。
の直径より可動部材31の自由端32の変位高さを高く
することで、より十分な吐出力の伝達が成される。ま
た、この図で示されるように、可動部材31の自由端3
2位置の液流路天井の高さより可動部材31の支点33
位置の液流路天井の高さの方が低くなっているため、可
動部材31の変位による上流側への圧力波の逃げがさら
に有効に防止できる。
19は、上述の可動部材31と第2液流路16との配置
関係を説明するための図であり、同図(a)は分離壁3
0、可動部材31近傍を上方から見た図であり、同図
(b)は、分離壁30を外した第2液流路16を上方か
ら見た図である。そして、同図(c)は、可動部材6と
第2液流路16との配置関係を、これらの各要素を重ね
ることで模式的に示した図である。なお、いずれの図も
図面下方が吐出口が配されている前面側である。
流側(ここでの上流側とは第2共通液室側から発熱体位
置、可動部材、第1流路を経て吐出口に向う大きな流れ
の中の上流側のことである。)に狭窄部19を持ってお
り、発泡時の圧力が第2液流路16の上流側に容易に逃
げることを抑制するような室(発泡室)構造となってい
る。
体を吐出するための流路とが同じで、発熱体より液室側
に発生した圧力が共通液室側に逃げないように狭窄部を
設けるヘッドの場合には、液体のリフィルを充分考慮し
て、狭窄部における流路断面積があまり小さくならない
構成を採る必要があった。
の多くを第1液流路内の吐出液とすることができ、発熱
体2が設けられた第2液流路16内の発泡液はあまり消
費されないようにできるため、第2液流路16の気泡発
生領域への発泡液の充填量は少なくて良い。従って、上
述の狭窄部19における間隔を数μm〜十数μmと非常
に狭くできるため、第2液流路16で発生した発泡時の
圧力をあまり周囲に逃がすことをさらに抑制でき、集中
して可動部材31側に向けることができる。そしてこの
圧力を可動部材31を介して吐出力として利用すること
ができるため、より高い吐出効率、吐出力を達成するこ
とができる。ただ、第2液流路16の形状は上述の構造
に限られるものではなく、気泡発生に伴う圧力が効果的
に可動部材31側に伝えられる形状であれば良い。
は実質的に平面であり、さらに、図19(C)で示され
るように、可動部材31の側方は第2液流路16を構成
する壁の一部を覆っている。このことで、可動部材31
の第2液流路16への落ち込みが防止できる。これによ
って、前述した吐出液と発泡液との分離性をさらに高め
ることができる。また、気泡のスリット35からの逃げ
の抑制ができるため、さらに吐出圧や吐出効率を高める
ことができる。さらに、前述の消泡時の圧力による上流
側からのリフィルの効果を高めることができる。
可動部材31の第1液流路14側への変位に伴って、第
2液流路16の気泡発生領域11で発生した気泡40の
一部が第1液流路14側に延在しているが、この様に気
泡40が延在するような第2液流路16の高さにするこ
とで、気泡40が延在しない場合に比べ更に吐出力を向
上させることができる。この様に気泡40が第1液流路
14に延在するようにするためには、第2液流路16の
高さを最大気泡の高さより低くすることが望ましく、こ
の高さを数μm〜30μmとすることが望ましい。な
お、本実施例においてはこの高さを15μmとした。
材31の他の平面形状を示すもので、35は、分離壁に
設けられたスリットであり、このスリット35によって
可動部材31が形成されている。同図(a)は長方形の
形状であり、(b)は支点側が細くなっている形状で可
動部材の動作が容易な形状であり、同図(c)は支点側
が広くなっており、可動部材31の耐久性が向上する形
状である。動作の容易性と耐久性が良好な形状として、
図19(a)で示したように、支点側の幅が円弧状に狭
くなっている形態が望ましいが、可動部材31の形状は
第2液流路16側に入り込むことがなく、容易に動作可
能な形状で、耐久性に優れた形状であればよい。
1及びこの可動部材31を有する分離壁は厚さ5μmの
ニッケルで構成したが、これに限られることなく、可動
部材31、分離壁を構成する材質としては発泡液と吐出
液に対して耐溶剤性があり、可動部材31として良好に
動作するための弾性を有し、スリットの形成や厚み方向
の形状の制御が行えるものであればよい。
い、銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニュウム、
白金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、およ
びその合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、
スチレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等の
アミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキ
シル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基
を持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹
脂、そのほか液晶ポリマー等の樹脂およびその化合物、
耐インク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッ
ケル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金およ
び耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングし
たもの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹
脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトン等のケトン基を有する樹脂、ポ
リイミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール樹脂等
の水酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル基を有
する樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ樹脂、
エポキシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂
等のアミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチロール
基を持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化珪素等の
セラミックおよびその化合物が望ましい。
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレー
ト、ポリイミド、ポリサルフォン、液晶ポリマー(LC
P)等の近年のエンジニアリングプラスチックに代表さ
れる耐熱性、耐溶剤性、成型性の良好な樹脂、およびそ
の化合物、もしくは、二酸化珪素、チッ化珪素、ニッケ
ル、金、ステンレス等の金属、合金およびその化合物、
もしくは表面にチタンや金をコーティングしたものが望
ましい。
しての強度を達成でき、可動部材31として良好に動作
するという観点からその材質と形状等を考慮して決定す
ればよいが、0.5μm〜10μm程度が望ましい。
ット35の幅は本実施例では2μmとしたが、発泡液と
吐出液とが異なる液体であり、両液体の混液を防止した
い場合は、スリット幅を両者の液体間でメニスカスを形
成する程度の間隔とし、夫々の液体同士の流通を抑制す
ればよい。例えば、発泡液として2cp(センチポア
ズ)程度の液体を用い、吐出液として100cp以上の
液体を用いた場合には、5μm程度のスリットでも混液
を防止することができるが、3μm以下にすることが望
ましい。
ダーの厚さ(tμm)を対象としており、cmオーダー
の厚さの可動部材は意図していない。μmオーダーの厚
さの可動部材にとって、μmオーダーのスリット幅(W
μm)を対象とする場合、製造のバラツキをある程度考
慮することが望ましい。
リットとしては、このような数μmオーダであればより
確実である。
離させた場合、可動部材がこれらの実質的な仕切部材と
なる。この可動部材が気泡の生成に伴って移動する際に
吐出液に対して発泡液がわずかに混入することが見られ
る。画像を形成する吐出液は、インクジェット記録の場
合、色材濃度を3%乃至5%程度有するものが一般的で
あることを考慮すると、この発泡液が吐出液滴に対して
20%以下の範囲で含まれても大きな濃度変化をもたら
さない。従って、このような混液としては、吐出液滴に
対して20%以下となるような発泡液と吐出液との混合
を本発明に含むものとする。
せても上限で15%の発泡液の混合であり、5cp以下
の発泡液では、この混合比率は、駆動周波数にもよる
が、10%程度を上限とするものであった。
ばする程、この混液は低減(例えば5%以下)できる。
材の配置関係について、図を用いて説明する。ただし、
可動部材と発熱体の形状および寸法,数は、以下に限定
されるものではない。発熱体と可動部材の最適な配置に
よって、発熱体による発泡時の圧力を吐出圧として有効
に利用することが可能となる。
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆ
るバブルジェット記録方法の従来技術においては、図2
1に示すように、発熱体面積とインク吐出量は比例関係
にあるが、インク吐出に寄与しない非発泡有効領域Sが
存在していることがわかる。また、発熱体上のコゲの様
子から、この非発泡有効領域Sが発熱体の周囲に存在し
ていることがわかる。これらの結果から、発熱体周囲の
約4μm幅は、発泡に関与されていないとされている。
は、発熱体の周囲から約4μm以上内側の発泡有効領域
の直上が可動部材の可動領域で覆われるように、可動部
材を配置するのが効果的であると、言える。本実施例に
おいては、発泡有効領域を発熱体周囲から約4μm以上
内側としたが、発熱体の種類や形成方法によっては、こ
れに限定されるものではない。
可動領域の総面積が異なる可動部材31a((a)
図)、可動部材31b((b)図)を配置したときの上
部から見た模式図を示す。
mで、発熱体2の面積よりも小さいが、発熱体2の発泡
有効領域と同じ程度の寸法であり、該発泡有効領域を覆
うように、配置されている。一方、可動部材31bの寸
法は、53×220μmで発熱体2の面積よりも大きく
(幅寸法を同じにした場合、支点33〜可動先端間の寸
法が発熱体2の長さよりも長い)、可動部材31aと同
じように発泡有効領域を覆うように配置されている。上
記2種の可動部材31a,31bに対し、それらの耐久
性と吐出効率について測定を行った。測定条件は以下の
通りである。
関しては、(a)可動部材31aの方は、1×107パ
ルス印加したところで可動部材31aの支点部分に損傷
が見られた。(b)可動部材31bの方は、3×108
パルス印加しても、損傷は見られなかった。また、投入
エネルギーに対する吐出量と吐出速度からもとまる運動
エネルギーも約1.5〜2.5倍程度向上することが確
認された。
からみても、発泡有効領域の真上を覆うように可動部材
を設け、該可動部材の面積が発熱体の面積よりも大きい
方が、優れていることがわかる。
点までの距離と、可動部材の変位量の関係を示す。ま
た、図24に、発熱体2と可動部材31との位置関係を
側面方向から見た断面構成図を示す。発熱体2は40×
105μmのものを用いた。発熱体2のエッジから可動
部材31の支点33までの距離lが大きい程、変位量が
大きいことがわかる。したがって、要求されるインクの
吐出量や吐出液の流路構造および発熱体形状などによっ
て、最適変位量を求め、可動部材31の支点33の位置
を決めることが望ましい。
の発泡有効領域直上に位置する場合は、可動部材31の
変位による応力に加え、発泡圧力が直接支点33に加わ
るため可動部材31の耐久性が低下してしまう。本発明
者の実験によると、発泡有効領域の真上に支点33を設
けたものでは、1×106パルス程度で、可動壁に損傷
が生じており、耐久性が低下してしまうことが分かって
いる。したがって、可動部材31の支点33は、発熱体
2の発泡有効領域直上外に配置することで耐久性がそれ
程高くない形状や材質の可動部材31であっても実用可
能性が高くなる。ただし、前記発泡有効領域直上に支点
33がある場合でも形状や材質を選択すれば、良好に用
いることができる。かかる構成において、高吐出効率お
よび耐久性に優れた液体吐出ヘッドが得られる。
の発熱体が設けられた素子基板の構成について説明す
る。
図を示したもので、図25(a)は後述する保護膜(耐
キャビテーション層)があるヘッド、同図(b)は保護
膜がないものである。
0、第1液流路14、第1液流路14を構成する溝を設
けた溝付き部材50が配されている。
に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜またはチ
ッ化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体2を構
成するハフニュウムボライド(HfB2)、チッ化タン
タル(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気
抵抗層105(0.01〜0.2μm厚)とアルミニュ
ウム等の配線電極(0.2〜1.0μm厚)を図15の
ようにパターニングしている。この2つの配線電極10
4から電気抵抗層105に電圧を印加し、電気抵抗層1
05に電流を流し発熱させる。配線電極104間の電気
抵抗層105上には、酸化シリコンやチッ化シリコン等
の保護層103を0.1〜2.0μm厚で形成し、さら
にそのうえにタンタル等の耐キャビテーション層102
(0.1〜0.6μm厚)が成膜されており、インク等
の各種の液体から電気抵抗層105を保護している。
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層102として用いられる。
合わせにより上述の耐キャビテーション層102を必要
としない構成でもよく、その例を図25(b)に示す。
このような耐キャビテーション層を必要としない電気抵
抗層105の材料としてはイリジュウム−タンタル−ア
ルミ合金等が挙げられる。
体2の構成としては、前述の配線電極104間の電気抵
抗層(発熱部)105だけででもよく、また電気抵抗層
105を保護する保護層103を含むものでもよい。
信号に応じて発熱する電気抵抗層105で構成された発
熱部を有するものを用いたが、これに限られることな
く、吐出液を吐出させるのに十分な気泡を発泡液に生じ
させるものであればよい。例えば、発熱部としてレーザ
等の光を受けることで発熱するような光熱変換体や高周
波を受けることで発熱するような発熱部を有する発熱体
でもよい。
部を構成する電気抵抗層105とこの電気抵抗層105
に電気信号を供給するための配線電極104で構成され
る電気熱変換体の他に、この電気熱変換素子を選択的に
駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シ
フトレジスタ等の機能素子が一体的に半導体製造工程に
よって作り込まれていてもよい。
ている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出する
ためには、前述の電気抵抗層105に配線電極104を
介して図26で示されるような矩形パルスを印加し、配
線電極104間の電気抵抗層105を急峻に発熱させ
る。前述の各実施例のヘッドにおいては、それぞれ電圧
24V、パルス幅7μsec、電流150mA、電気信
号を6kHzで加えることで発熱体を駆動させ、前述の
ような動作によって、吐出口18から液体であるインク
を吐出させた。しかしながら、駆動信号の条件はこれに
限られることなく、発泡液を適正に発泡させることがで
きる駆動信号であればよい。
1、第2の共通液室に異なる液体を良好に分離して導入
でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能とする
液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
造を示す模式図であり、先の実施例と同じ構成要素につ
いては同じ符号を用いており、詳しい説明はここでは省
略する。
吐出口18を有するオリフィスプレート51と、複数の
第1液流路14を構成する複数の溝と、複数の第1液流
路14に共通して連通し、各第1液流路14に液体(吐
出液)を供給するための第1共通液室15を構成する凹
部とから概略構成されている。
0を接合することにより複数の第1液流路14を形成す
ることができる。このような溝付き部材50は、その上
部から第1共通液室15内に到達する第1液体供給路2
0を有している。また、溝付き部材50は、その上部か
ら分離壁30を突き抜けて第2共通液室17内に到達す
る第2液体供給路21を有している。
で示すように、第1液体供給路20を経て、第1共通液
室15、次いで第1液流路14に供給され、第2の液体
(発泡液)は、図27の矢印Dで示すように、第2液体
供給路21を経て、第2共通液室17、次いで第2液流
路16に供給されるようになっている。
は、第1液体供給路20と平行して配されているが、こ
れに限ることはなく、第1共通液室15の外側に配され
た分離壁30を貫通して、第2共通液室17に連通する
ように形成されればどのように配されてもよい。
に関しては、第2液体の供給量を考慮して決められる。
第2液体供給路21の形状は丸形状である必要はなく、
矩形状等でもよい。
0を分離壁30で仕切ることによって形成することがで
きる。形成の方法としては、図28で示す本実施例の分
解斜視図のように、素子基板1上にドライフィルムで共
通液室枠71と第2液路壁72を形成し、分離壁30を
固定した溝付き部材50と分離壁30との結合体と素子
基板1とを貼り合わせることにより第2共通液室17や
第2液流路16を形成してもよい。
属で形成された支持体70上に、前述のように、発泡液
に対して膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発生
する発熱体としての電気熱変換素子が複数設けられた素
子基板1が配されている。
より形成された第2液流路16を構成する複数の溝と、
複数の発泡液流路に連通し、それぞれの発泡液路に発泡
液を供給するための第2共通液室(共通発泡液室)17
を構成する凹部と、前述した可動壁31が設けられた分
離壁30とが配されている。
ることで吐出液流路(第1液流路)14を構成する溝
と、吐出液流路に連通し、それぞれの吐出液流路に吐出
液を供給するための第1共通液室(共通吐出液室)15
を構成するための凹部と、第1共通液室15に吐出液を
供給するための第1液体供給路(吐出液供給路)20
と、第2共通液室17に発泡液を供給するための第2液
体供給路(発泡液供給路)21とを有している。第2の
供給路21は、第1共通液室15の外側に配された分離
壁30を貫通して第2共通液室17に連通する連通路に
繋がっており、この連通路によって吐出液と混合するこ
となく発泡液を第2共通液室17に供給することができ
る。
の配置関係は、素子基板1の発熱体2に対応して可動部
材31が配置されており、この可動部材31に対応して
吐出液流路14が配されている。また、本実施形態例で
は、1つの第2液体供給路21を溝付き部材50に配し
た例を示したが、供給量に応じて複数設けてもよい。さ
らに第1液体供給路20と第2液体供給路21の流路断
面積は供給量に比例して決めればよい。このような流路
断面積の最適化により溝付き部材50等を構成する部品
をより小型化することも可能である。
2液流路16に第2液体を供給する第2液体供給路21
と、第1液流路14に第1液体を供給する第1液体供給
路20とが同一の溝付き部材50からなることにより部
品点数が削減でき、工程の短縮化とコストダウンが可能
となる。
室17への、第2液体の供給は、第1液体と第2液体を
分離する分離壁30を突き抜ける方向で第2液流路16
によって行なわれる構造であるため、前記分離壁30と
溝付き部材50と素子基板1との貼り合わせ工程が1度
で済み、作りやすさが向上すると共に、貼り合わせ精度
が向上し、良好に吐出することができる。
て第2共通液室17へ供給されるため、第2液流路16
に第2液体の供給が確実となり、供給量が十分確保でき
るため、安定した吐出が可能となる。
したように本発明においては、前述のような可動部材を
有する構成によって、従来の液体吐出ヘッドよりも高い
吐出力や吐出効率でしかも高速に液体を吐出することが
できる。本実施例の内、発泡液と吐出液とに同じ液体を
用いる場合には、発熱体から加えられる熱によって劣化
せずに、また加熱によって発熱体上に堆積物を生じにく
く、熱によって気化、凝縮の可逆的状態変化を行うこと
が可能であり、さらに液流路や可動部材や分離壁等を劣
化させない液体であれば種々の液体を用いることができ
る。
る液体(記録液体)としては従来のバブルジェット装置
で用いられていた組成のインクを用いることができる。
い、吐出液と発泡液を別液体とした場合には、発泡液と
して前述のような性質の液体を用いればよく、具体的に
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、トリクレ
ン、フレオンTF、フレオンBF、エチルエーテル、ジ
オキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、
アセトン、メチルエチルケトン、水等およびこれらの混
合物が挙げられる。
に関係なく様々な液体を用いることができる。また、従
来吐出が困難であった発泡性が低い液体、熱によって変
質、劣化しやすい液体や高粘度液体等であっても利用で
きる。
又は発泡液との反応によって、吐出や発泡また可動部材
の動作等を妨げるような液体でないことが望まれる。
等をも利用することができる。その他の吐出液体として
は、熱に弱い医薬品や香水等の液体を利用することもで
きる。
に用いることができる記録液体として以下のような組成
のインクを用いて記録を行ったが、吐出力の向上によっ
てインクの吐出速度が高くなったため、液滴の着弾精度
が向上し非常に良好な記録画像を得ることができた。
組成の液体を組み合わせて吐出させて記録を行った。そ
の結果、従来のヘッドでは吐出が困難であった十数cp
粘度の液体はもちろん150cpという非常に高い粘度
の液体でさえも良好に吐出でき、高画質な記録物を得る
ことができた。
くいとされていた液体の場合には、吐出速度が低いため
に、吐出方向性のバラツキが助長され記録紙上のドット
の着弾精度が悪く、また吐出不安定による吐出量のバラ
ツキが生じこれらのことで、高品位画像が得にくかっ
た。しかし、上述の実施例の構成においては、気泡の発
生を発泡液を用いることで充分に、しかも安定して行う
ことができる。このことで、液滴の着弾精度向上とイン
ク吐出量の安定化を図ることができ記録画像品位を著し
く向上することができた。
きな特徴である可動部材の製造工程の例について、前述
の実施例で示した様々の形状の中からいくつかを選んで
説明する。
一例について図29(a)〜(c)を用いて説明する。
μmのレジスト1101をパターニングする。パターニ
ングするレジスト1101の幅は、スリットとして残す
幅を3μmとしたとき、0.5μm厚のレジストの場
合、12μmとする。
ッキを行ってSUS基板1100上にニッケル層110
2を5μm成長させる。メッキ液としては、スルフォミ
ン酸ニッケルに応力減少剤(ワールドメタル社製:ゼオ
ロール)と、ほう酸、ピット防止剤(ワールドメタル社
製:NP−APS)、塩化ニッケルを使用した。電着時
の電界のかけ方としては、アノード側に電極を付け、カ
ソード側に既にレジスト1101をパターニングしたS
US基板1100を取り付け、メッキ液の温度を50℃
とし、電流密度を5A/cm2 とした。
せると、ニッケル層1102は、0.5μm成長した時
点から厚さ方向以外にレジスト1101を覆う方向にも
成長する。そして、総厚が5μmとなったときには、ニ
ッケル層1102はレジスト1101の両側方をそれぞ
れ約4.5μm覆う。その結果、レジスト1101上で
は3μm幅の隙間がレジスト1101のパターンに沿っ
て形成され、この隙間の部分でのニッケル層1102の
厚み方向での曲率半径は4.5μmとなる。
0に超音波振動を与え、ニッケル層1102の部分をS
USU基板1100から剥離し、図示上方に向かって幅
が徐々に狭くなっていく形状の可動部材31を得る。
スト1101の跡である段差が生じているが、この段差
の高さは0.5μmであるので、可動部材31の図示下
面は実質的に平面である。
の製法の一例について図30(a)〜(e)を用いて説
明する。
μmのレジスト1101aをパターニングする。パター
ニングするレジスト1101aの幅は、スリットとして
残す幅に合わせる。
ッキを行ってSUS基板1100上にニッケル層110
2aを2.5μm成長させる。メッキ液としては、スル
フォミン酸ニッケルに応力減少剤(ワールドメタル社
製:ゼオロール)と、ほう酸、ピット防止剤(ワールド
メタル社製:NP−APS)、塩化ニッケルを使用し
た。電着時の電界のかけ方としては、アノード側に電極
を付け、カソード側に既にレジスト1101a,110
1bをパターニングしたSUS基板1100を取り付
け、メッキ液の温度を50℃とし、電流密度を5A/c
m2 とした。
て、再び厚さ2.5μmのレジスト1101bをパター
ニングする。このレジスト110bの幅は、初めにパタ
ーニングしたレジスト1101aの幅よりも大きいもの
とする。
て再び電気メッキを行い、2層目のニッケル層1102
bを2.5μm成長させる。メッキの条件は、1層目の
ニッケル層1102aを形成したときと同じである。
除去した後、SUS基板1100に超音波振動を与え、
1層目のニッケル層1102aの部分をSUS基板11
00から剥離し、2段形状の可動部材31を得る。
の製法の一例について図31(a)〜(c)を用いて説
明する。
mのレジスト1101をパターニングする。この際、パ
ターニング後のレジスト1101の側面に傾斜がつくよ
うに、露光時の焦点をずらす。
ッキを行ってSUS基板1100上にニッケル層110
2を5μm成長させる。メッキ液としては、スルフォミ
ン酸ニッケルに応力減少剤(ワールドメタル社製:ゼオ
ロール)と、ほう酸、ピット防止剤(ワールドメタル社
製:NP−APS)、塩化ニッケルを使用した。電着時
の電界のかけ方としては、アノード側に電極を付け、カ
ソード側に既にレジスト1101をパターニングしたS
US基板1100を取り付け、メッキ液の温度を50℃
とし、電流密度を5A/cm2 とした。
S基板1100に超音波振動を与え、ニッケル層110
2の部分をSUS基板1100から剥離する。これを上
下反転すると、台形状の可動部材31が得られる。
の製法の一例について図32(a)〜(c)を用いて説
明する。
101aをパターニングする。
たSUS基板1100をエッチング液(塩化第2鉄また
は塩化第2銅の水溶液)に浸漬し、レジスト1101a
から露出している部分を5μmエッチングする。その
後、レジスト1101aを剥離する。
れた面全体に、再びレジスト1101bを塗布する。
1bを、SUS基板1100のエッチングされた部位の
底部のみにレジスト110bが残るように、露光により
パターニングする。
0を母材として、SUS基板1100に対して電気メッ
キを行ってSUS基板1100上にニッケル層1102
を5μm成長させる。メッキ液としては、スルフォミン
酸ニッケルに応力減少剤(ワールドメタル社製:ゼオロ
ール)と、ほう酸、ピット防止剤(ワールドメタル社
製:NP−APS)、塩化ニッケルを使用した。電着時
の電界のかけ方としては、アノード側に電極を付け、カ
ソード側に既にレジスト1101bをパターニングした
SUS基板1100を取り付け、メッキ液の温度を50
℃とし、電流密度を5A/cm2 とした。
S基板1100に超音波振動を与え、ニッケル層110
2の部分をSUS基板1100から剥離し、幅方向の両
端に立面部が一体的に設けられた可動部材31が得られ
る。
液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
には、素子基板1上に可動部材31を設けるための土台
34をドライフィルム等をパターニングすることで形成
し、この土台34に、例えば前述のようにして形成した
可動部材31を接着、もしくは溶着固定した。その後、
各液流路10を構成する複数の溝と吐出口18と共通液
室13を構成する凹部を有する溝付き部材を、溝と可動
部材31が対応するような状態で素子基板1に接合する
ことで形成した。
流路構成の液体吐出ヘッドの製造工程について説明す
る。
6の壁を形成し、その上に、可動部材31を有する分離
壁30を取り付け、さらにその上に第1液流路14を構
成する溝等が設けられた溝付き部材50を取り付ける。
もしくは、第2液流路16の壁を形成した後、この壁の
上に分離壁30を取り付けた溝付き部材50を接合する
ことでヘッドの製造を行った。
詳しく説明する。
出ヘッドの製造方法の一例を説明するための概略断面図
である。
子基板(シリコンウエハ)1上に半導体製造工程で用い
るのと同様の製造装置を用いてハフニュウムボライドや
チッ化タンタル等からなる発熱体2を有する電気熱変換
用素子を形成した後、次工程における感光性樹脂との密
着性の向上を目的として素子基板1の表面に洗浄を施し
た。さらに、密着性を向上させるには、素子基板1の表
面に紫外線−オゾン等による表面改質を行った後、例え
ばシランカップリング剤(日本ユニカ製:A189)を
エチルアルコールで1重量%に希釈した液を上記改質表
面上にスピンコートすることで達成される。
素子基板1上に、(b)に示すように、紫外線感光性樹
脂フィルム(東京応化製:ドライフィルム オーディル
SY−318)DFをラミネートした。
ムDF上にフォトマスクPMを配し、このフォトマスク
PMを介してドライフィルムDFのうち、第2流路壁と
して残す部分に紫外線を照射した。この露光工程は、キ
ヤノン(株)製:MPA−600を用いて行い、約60
0mJ/cm2の露光量で行った。
ムDFを、キシレンとブチルセルソルブアセテートとの
混合液からなる現像液(東京応化製:BMRC−3)で
現像し、未露光部分を溶解させ、露光して硬化した部分
を第2液流路16の壁部分として形成した。さらに、素
子基板1表面に残った残渣を酸素プラズマアッシング装
置(アルカンテック社製:MAS−800)で約90秒
間処理して取り除き、引き続き、150℃で2時間、さ
らに紫外線照射100mJ/cm2を行って露光部分を
完全に硬化させた。
分割、作製される複数のヒータボード(素子基板)に対
し、一様に第2液流路16を精度よく形成することがで
きる。シリコン基板を、厚さ0.05mmのダイヤモン
ドブレードを取り付けたダイシングマシン(東京精密
製:AWD−4000)で各々のヒータボード1に切
断、分離した。分離されたヒータボード1を接着剤(東
レ製:SE4400)でアルミベースプレート(支持
体)70上に固定した(図36)。次いで、予めアルミ
ベースプレート70上に接合しておいたプリント配線基
板73(図36)と、ヒータボード1とを直径0.05
mmのアルミワイヤ(図示略)で接続した。
ド1に、図33(e)に示すように、上述の方法で溝付
き部材50と分離壁30との接合体を位置決め接合し
た。すなわち、分離壁30を有する溝付き部材50とヒ
ータボード1とを位置決めし、押さえバネ78(図3
6)により係合、固定した後、インク・発泡液用供給部
材80(図36)をアルミベースプレート70上に接合
固定し、アルミワイヤ間、溝付き部材50とヒータボー
ド1とインク・発泡液用供給部材80との隙間をシリコ
ーンシーラント(東芝シリコーン製:TSE399)で
封止して完成させた。
とにより、各ヒータボード1の各発熱体2に対して位置
ズレのない精度の良い流路を得ることができる。特に、
溝付き部材50と分離壁30とをあらかじめ先の工程で
接合しておくことで、第1液流路14と可動部材31の
位置精度を高めることができる。
て、吐出安定化が図られ印字品位が向上する。また、ウ
エハ上に一括で形成することが可能なため、多量に低コ
ストで製造することが可能である。
るために紫外線硬化型のドライフィルムを用いたが、紫
外域、特に248nm付近に吸収帯域をもつ樹脂を用
い、ラミネート後、硬化させ、エキシマレーザで第2液
流路16となる部分の樹脂を直接除去することによって
も得ることが可能である。
出ヘッドの製造方法の他の例を説明するための概略断面
図である。
US基板1100上に厚さ15μmのレジスト101を
第2液流路の形状でパターニングした。
100に対して電気メッキを行ってSUS基板1100
上にニッケル層1102を同じく15μm成長させた。
メッキ液としては、スルフォミン酸ニッケルに応力減少
剤(ワールドメタル社製:ゼロオール)とほう酸、ピッ
ト防止剤(ワールドメタル社製:NP−APS)、塩化
ニッケルを使用した。電着時の電界のかけ方としては、
アノード側に電極を付け、カソード側に既にパターニン
グしたSUS基板1100を取り付け、メッキ液の温度
を50℃とし、電流密度を5A/cm2とした。
メッキを終了したSUS基板1100に超音波振動を与
え、ニッケル層1102の部分をSUS基板1100か
ら剥離し、所望の第2の液流路を得た。
ボードを、半導体と同様の製造装置を用いてシリコンウ
エハに形成した。このウエハを先の実施例と同様に、ダ
イシングマシンで各々のヒータボードに分離した。この
ヒータボード1を、予めプリント配線基板73が接合さ
れたアルミベースプレート70に接合し、プリント配線
基板73とアルミワイヤ(図示略)とを接続することで
電気的配線を形成した。このような状態のヒータボード
1上に、図34(d)に示すように、先の工程で得た第
2液流路16を位置決め固定した。この固定に際して
は、後工程で、図33を用いて説明した例と同様に分離
壁を固定した溝付き部材と押さえバネによって係合・密
着されるため、溝付き部材接合時に位置ズレが発生しな
い程度に固定されていれば十分である。
型接着剤(グレースジャパン製:アミコンUV−30
0)を塗布し、紫外線照射装置を用い、露光量を100
mJ/cm2として約3秒間で固定を完了した。
置ズレのない精度の高い第2液流路16を得ることがで
きることに加え、ニッケルで流路壁を形成しているた
め、アルカリ性の液体に強く、信頼性の高いヘッドを提
供することが可能となる。
出ヘッドの製造方法のさらに他の例を説明するための概
略断面図である。
ライメント穴1100aあるいはマークを有する厚さ1
5μmのSUS基板1100の両面にレジスト1103
を塗布した。ここで、レジスト1103としては、東京
応化製のPMERP−AR900を使用した。
1100のアライメント穴1100aに合わせて、露光
装置(キヤノン(株)製:MPA−600)を用いて露
光し、第2液流路を形成すべき部分のレジスト1103
を除去した。露光は800mJ/cm2の露光量で行っ
た。
ト1103がパターニングされたSUS基板1100
を、エッチング液(塩化第2鉄または塩化第2銅の水溶
液)に浸漬し、レジスト1103から露出している部分
をエッチングした後、レジスト1103を剥離した。
の例と同様に、ヒータボード1上に、エッチングされた
SUS基板1100を位置決め固定して第2液流路16
を有する液体吐出ヘッドを組み立てた。
ズレのない精度の高い第2液流路16を得ることができ
ることに加え、SUSで流路を形成しているため、酸や
アルカリ性の液体に強く信頼性の高い液体吐出ヘッドを
提供することができる。
れば、素子基板状に予め第2液流路の壁を配設すること
によって、発熱体と第2液流路とが高精度に位置決めす
ることが可能となる。また、切断、分離前の基板上の多
数の素子基板に対して第2液流路を同時に形成すること
ができるので、多量に、かつ、低コストの液体吐出ヘッ
ドを提供することができる。
体吐出ヘッドは、発熱体と第2液流路とが高精度に位置
決めされているので、電気熱変換体の発熱による発泡の
圧力を効率よく受けることができ、吐出効率に優れたも
のとなる。
記実施形態例に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
ヘッドカートリッジを概略説明する。
液体吐出ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であ
り、液体吐出ヘッドカートリッジは、主に液体吐出ヘッ
ド部200と液体容器90とから概略構成されている。
分離壁30、溝付き部材50、押さえバネ78、液体供
給部材80、アルミベースプレート(支持体)70等か
ら成っている。素子基板1には、前述のように発泡液に
熱を与えるための発熱抵抗体が、複数個、列状に設けら
れており、また、この発熱抵抗体を選択的に駆動するた
めの機能素子が複数設けられている。この素子基板1と
可動壁を持つ前述の分離壁30との間に発泡液路が形成
され発泡液が流通する。この分離壁30と溝付き部材5
0との接合によって、吐出される吐出液体が流通する吐
出流路(不図示)が形成される。
基板1方向への付勢力を作用させる部材であり、この付
勢力により素子基板1、分離壁30、溝付き部材50
と、後述する支持体70とを良好に一体化させている。
めのものであり、この支持体70上にはさらに素子基板
1に接続し電気信号を供給するためのプリント配線基板
73や、装置側と接続することで装置側と電気信号のや
りとりを行うためのコンタクトパッド74が配置されて
いる。
に供給される、インク等の吐出液体と気泡を発生させる
ための発泡液とを内部に区分収容している。液体容器9
0の外側には、液体吐出ヘッド部200と液体容器90
との接続を行う接続部材を配置するための位置決め部9
4と、接続部材を固定するための固定軸95が設けられ
ている。吐出液体の供給は、液体容器90の吐出液体供
給路92から接続部材の供給路84を介して液体供給部
材80の吐出液体供給路81に供給され、各部材の液供
給路83,79,20を介して第1の共通液室に供給さ
れる。発泡液も同様に、液体容器90の発泡液体供給路
93から接続部材の供給路を介して液体供給部材80の
発泡液供給路82に供給され、各部材の液供給路84,
79,21を介して第2液室に供給される。
ては、発泡液と吐出液が異なる液体である場合も、供給
を行いうる供給形態および液体容器90で説明したが、
吐出液体と発泡液体とが同じである場合には、発泡液と
吐出液の供給経路および容器を分けなくてもよい。
費後に液体を再充填して使用してもよい。このためには
液体容器90に液体注入口を設けておくことが望まし
い。又、液体吐出ヘッド部200と液体容器90とは一
体であってもよく、分離可能としてもよい。
出ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示してい
る。本実施例では特に吐出液体としてインクを用いたイ
ンク吐出記録装置IJRAを用いて説明する。液体吐出
装置のキャリッジHCは、インクを収容する液体容器9
0と液体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカー
トリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送さ
れる記録紙等の被記録媒体150の幅方向(矢印a,b
方向)に往復移動する。
HC上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この
信号に応じて液体吐出ヘッド部200から被記録媒体1
50に対して記録液体が吐出される。
は、被記録媒体搬送手段とキャリッジHCを駆動するた
めの駆動源としてのモータ111、駆動源からの動力を
キャリッジHCに伝えるためのギア112,113、及
びキャリッジ軸85等を有している。この記録装置及び
この記録装置で行う液体吐出方法によって、各種の被記
録媒体に対して液体を吐出することで良好な画像の記録
物を得ることができた。
したインク吐出記録装置を動作させるための装置全体の
ブロック図である。
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入出力インタフェイス301に一時保存される
と同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、
ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力さ
れる。CPU302はROM303に保存されている制
御プログラムに基づき、前記CPU302に入力された
データをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理
し、印字するデータ(画像データ)に変換する。
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙およびヘッド200を移動する駆動用モ
ータ306を駆動するための駆動データを作る。画像デ
ータおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ3
07と、モータドライバ305を介し、ヘッド200お
よび駆動モータ306に伝達され、それぞれ制御された
タイミングで駆動され画像を形成する。
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に対して記録
を行う、インクジェット記録システムの一例を説明す
る。
ドを用いたインクジェット記録システムの構成を説明す
るための模式図である。本実施例における液体吐出ヘッ
ドは、被記録媒体150の記録可能幅に対応した長さに
360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルライン型
のヘッドであり、イエロー(Y),マゼンタ(M),シ
アン(C),ブラック(Bk)の4色に対応した4つの
ヘッド201a〜201dをホルダ202によりX方向
に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されてい
る。
てそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ
307から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッ
ド201a〜201dの駆動が成される。
としてY,M,C,Bkの4色のインクがそれぞれイン
ク容器204a〜204dから供給されている。なお、
符号204eは発泡液が蓄えられた発泡液容器であり、
この発泡液容器204eから各ヘッド201a〜201
dに発泡液が供給される構成になっている。
には、内部にスポンジ等のインク吸収部材が配されたヘ
ッドキャップ203a〜203dが設けられており、非
記録時に各ヘッド201a〜201dの吐出口を覆うこ
とでヘッド201a〜201dの保守を成すことができ
る。
うな各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構成
する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロー
ラにより所定の経路に引き回されており、モータドライ
バ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
おいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の
処理を行う前処理装置251および後処理装置252を
それぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けてい
る。
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、染着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
01dとしてフルラインヘッドを用いて説明したが、こ
れに限らず、前述したような小型のヘッドを被記録媒体
の幅方向に搬送して記録を行う形態のものであってもよ
い。
出ヘッドを有するヘッドキットを説明する。図40は、
このようなヘッドキットを示した模式図である。このヘ
ッドキット500は、インクを吐出するインク吐出部5
11を有する本発明のヘッド510と、このヘッド51
0と不可分もしくは分離可能な液体容器であるインク容
器520と、このインク容器520にインクを充填する
ためのインクを保持したインク充填手段530とを、キ
ット容器501内に納めたものである。
容器520の大気連通口521やヘッド510との接続
部や、もしくはインク容器520の壁に開けた穴など
に、インク充填手段530の挿入部(注射針等)531
の一部を挿入し、この挿入部531を介してインク充填
手段530内のインクをインク容器520内に充填すれ
ばよい。
ンク容器520やインク充填手段530等を一つのキッ
ト容器501内に納めてキットにすることで、インクが
消費されてしまっても前述のようにすぐに、また容易に
インクをインク容器520内に充填することができ、記
録の開始を迅速に行うことができる。
は、インク充填手段530が含まれるもので説明を行っ
たが、ヘッドキットとしては、インク充填手段を持た
ず、インクが充填された分離可能タイプのインク容器と
ヘッドとがキット容器510内に納められている形態の
ものであってもよい。
に対してインクを充填するインク充填手段530のみを
示しているが、インク容器520の他に発泡液を発泡液
容器に充填するための発泡液充填手段をキット容器内に
納めた形態のものであってもよい。
う方向に設けられた液流路の一端に吐出口を有する、い
わゆるエッジシュータタイプの液体吐出ヘッドに限定さ
れることなく、例えば図41に示すような発熱体2の面
に対向する位置に吐出口18を有する、いわゆるサイド
シュータタイプの液体吐出ヘッドにも適用可能である。
体吐出ヘッドは、各吐出口18ごとに、液体に気泡を発
生させるための熱エネルギーを与える発熱体2が設けら
れた素子基板1上に、発泡液用の第2液流路16が形成
され、その上に溝付き部材50に設けられた吐出口18
に直接連通した吐出液用の第1液流路14が形成され、
第1液流路14と第2液流路16とは、金属等の弾性を
有する材料で構成された分離壁30により区分されてい
る点で、上述のエッジシュータタイプの液体吐出ヘッド
と同様である。
は、上記第1液流路14上に配された溝付き部材(オリ
フィスプレート)50のうち、発熱体2の直上の部分に
吐出口18が設けられている点に特徴がある。この吐出
口18と発熱体2との間の分離壁30には、観音開きに
開口しそれぞれ発熱体2と対向する面からその反対側の
面に向かって幅が小さくなっている一対の可動部材31
が設けられている。両可動部材31は支点33で支持さ
れる片持梁形状のもので、両方の自由端32同士は、非
吐出時においては、吐出口18の中央部分の直下に位置
するスリット35によりわずかに離間して対向してい
る。吐出時においては、両可動部材31は、図41中の
矢印で示すように、気泡発生領域11における発泡液の
発泡によって第1液流路14側に開口し、発泡液の収縮
によって閉口する。この領域Cには、吐出液を貯留する
吐出液タンク(不図示)から吐出液がリフィルされて吐
出可能状態となり、次の発泡液の発泡に備えることがで
きる。
液流路14とともに、第1共通液室15を介して吐出液
タンクに連絡しており、第2液流路16も、他の吐出口
18の第2液流路16とともに、第2共通液室17を介
して、発泡液を貯留する発泡液タンク(不図示)に連絡
している。
イプの液体吐出ヘッドにおいても、エッジシュータタイ
プの液体吐出ヘッドとほぼ同様に、吐出液のリフィルを
向上させつつ、高吐出効率、高吐出圧で液体を吐出する
ことができるという優れた効果を得ることができる。
0に設けられる吐出口18の位置が異なることと共通液
室15,17の位置及び構造が異なること以外は、エッ
ジシュータタイプの液体吐出ヘッドと実質的に同じであ
る。すなわち、可動部材31を有する分離壁30と第2
液流路16を構成する流路壁との関係は両者とも同じで
ある。
の形状によって、変位する際の液体に対する抵抗を小さ
くした例を示したが、発熱体と対向する面と反対側の面
の液体の接触角を、発熱体と対向する面のそれよりも小
さくするような処理を可動部材に行うことでも、変位す
る際の液体に対する抵抗を小さくすることもできる。
の液体に体する抵抗を小さくした可動部材を用い、気泡
の発生に基づく圧力により可動部材を変位させて液体を
吐出口側に導く本発明の液体吐出ヘッドによると、可動
部材が変位し易くなり、吐出効率及び吐出力をより向上
することができる。さらに、可動部材の発熱体との対向
面を平面としたり、あるいは幅方向の両端部を中央部よ
りも発熱体側に突出させた形状とすることで、可動部材
は気泡の圧力成分を受けやすく、あるいは逃し難くな
り、気泡の発生に基づく圧力をより効果的に可動部材の
変位に利用することができる。
温や低湿で長期放置を行った場合であっても不吐出にな
ることを防止でき、仮に不吐出になっても予備吐出や吸
引回復といった回復処理をわずかに行うだけで正常状態
に即座に復帰できる利点もある。これに伴い、回復時間
の短縮や回復による液体の損失を低減でき、ランニング
コストも大幅に下げることが可能である。
た構成によれば、連続吐出時の応答性、気泡の安定成
長、液滴の安定化を達成して、高速液体吐出による高速
記録また高画質記録を可能にすることができた。
として、発泡しやすい液体や、発熱体上への堆積物(こ
げ等)が生じにくい液体を用いることで、吐出液の選択
の自由度が高くなり、発泡が生じにくい高粘性液体、発
熱体上に堆積物を生じやすい液体等、従来のバブルジェ
ット吐出方法で吐出することが困難であった液体につい
ても良好に吐出することができた。
よる悪影響を与えず吐出することができた。
液体吐出記録ヘッドとして用いることで、さらに高画質
な記録を達成することができた。
体の吐出効率等がさらに向上した液体吐出装置や記録シ
ステム等を提供することができた。
図である。
である。
見た模式断面図である。
す模式図である。
力伝搬を示す模式図である。
明するための模式図である。
の模式断面図である。
見た模式断面図である。
の模式断面図である。
ドの部分破断斜視図である。
ドの部分破断斜視図である。
ドの断面図である。
ドの模式断面図である。
ド(2流路)の断面図である。
視図である。
す断面図である。
めの図である。
るための図である。
る。
フである。
る。
の変位量の関係を示すグラフである。
めの図である。
ための断面図である。
めの工程図である。
説明するための工程図である。
説明するための工程図である。
説明するための工程図である。
るための工程図である。
るための工程図である。
るための工程図である。
ある。
体吐出ヘッドの一例の断面図である。
るための図である。
Claims (33)
- 【請求項1】 液体を吐出する吐出口と、前記吐出口に
連通する液流路と、前記液流路内の液体に気泡を発生さ
せる気泡発生領域と、前記液流路内に前記気泡発生領域
に面して配され、前記気泡発生領域での気泡の発生に基
づく圧力によって変位して前記圧力を前記吐出口側へ導
き、気泡の収縮による負圧で元の位置に復帰する可動部
材とを有し、 前記可動部材は、変位するときの前記流路内の液体に対
する抵抗が、元の位置に復帰するときの抵抗よりも小さ
い液体吐出ヘッド。 - 【請求項2】 液体を吐出する吐出口と、前記吐出口に
連通した第1の液流路と、液体に熱を加えることで該液
体に気泡を発生させる気泡発生領域を有する第2の液流
路と、前記第1の液流路と前記気泡発生領域との間に配
され、前記気泡発生領域での気泡の発生に基づく圧力に
よって前記第1の液流路側へ変位して前記圧力を前記吐
出口側へ導き、気泡の収縮による負圧で元の位置に復帰
する可動部材とを有し、 前記可動部材は、変位するときの前記第1の液流路内の
液体に対する抵抗が、元の位置に復帰するときの抵抗よ
りも小さい液体吐出ヘッド。 - 【請求項3】 前記可動部材は前記第1の液流路と第2
の液流路との間に配された分離壁の一部として構成され
ている請求項2に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項4】 前記第1の液流路の複数に第1の液体を
供給するための第1の共通液室と、前記第2の液流路の
複数に第2の液体を供給するための第2の共通液室とが
配されている請求項2に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項5】 前記可動部材に面した位置に発熱体が設
けられており、前記可動部材と前記発熱体との間が前記
気泡発生領域である請求項1、2、3または4に記載の
液体吐出ヘッド。 - 【請求項6】 液体を吐出するための複数の吐出口と、
それぞれの吐出口に対応して直接連通する複数の第1の
液流路を構成するための複数の溝と、前記複数の第1の
液流路に液体を供給するための第1の共通液室を構成す
る凹部とを一体的に有する溝付き部材と、 液体に熱を与えることで液体に気泡を発生させるための
複数の発熱体が配された素子基板と、 前記溝付き部材と前記素子基板との間に配され、前記発
熱体に対応した第2の液流路の壁の一部を構成するとと
もに、前記発熱体に面した位置に、前記気泡の発生に基
づく圧力によって前記第1の液流路側に変位して前記圧
力を前記吐出口側へ導き、気泡の収縮による負圧で元の
位置に復帰する可動部材とを具備した分離壁とを有し、 前記可動部材は、変位するときの前記第1の液流路内の
液体に対する抵抗が、元の位置に復帰するときの抵抗よ
りも小さい液体吐出ヘッド。 - 【請求項7】 前記可動部材は、支点と、該支点よりも
前記吐出口側に位置する自由端をもつ板状の部材である
請求項5または6に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項8】 前記可動部材は、前記発熱体と対向する
面からその反対側の面に向かって幅が狭くなっている請
求項7に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項9】 前記可動部材の前記発熱体と対向する面
は、実質的に平面である請求項7または8に記載の液体
吐出ヘッド。 - 【請求項10】 前記可動部材の前記発熱体と対向する
面は、前記発熱体の表面と平行である請求項9に記載の
液体吐出ヘッド。 - 【請求項11】 前記可動部材は、その幅方向における
両端部が中央部よりも前記発熱体側に突出している請求
項7または8に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項12】 前記可動部材は、前記支点から前記自
由端に向かって厚みが薄くなっている請求項7ないし1
0のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項13】 前記可動部材は、前記発熱体と対向す
る面と反対側の面の液体の接触角が、前記発熱体と対向
する面の液体の接触角よりも小さい請求項7に記載の液
体吐出ヘッド。 - 【請求項14】 前記気泡は前記発熱体が発生する熱に
よって液体に膜沸騰を生じることで発生する気泡である
請求項5または6に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項15】 前記発熱体の有効発泡領域の総てが前
記可動部材に面している請求項14に記載の液体吐出ヘ
ッド。 - 【請求項16】 前記可動部材の総面積が前記発熱体の
総面積より大である請求項14に記載の液体吐出ヘッ
ド。 - 【請求項17】 前記可動部材の支点が前記発熱体の直
上から外れた位置に配されている請求項7に記載の液体
吐出ヘッド。 - 【請求項18】 前記可動部材の自由端は前記発熱体が
配された液流路を実質的に直交する形状を有する請求項
7に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項19】 前記可動部材の自由端は、前記発熱体
の面積中心よりも、前記液流路での前記吐出口へ向かう
液体の流れの下流側に位置する請求項7に記載の液体吐
出ヘッド。 - 【請求項20】 前記溝付き部材には、前記第1の共通
液室に液体を導入するための第1導入路と、前記第2の
共通液室に液体を導入するための第2導入路とを有する
請求項6に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項21】 前記溝付き部材には、前記第2導入路
が複数設けられている請求項20に記載の液体吐出ヘッ
ド。 - 【請求項22】 前記第1導入路の断面積と前記第2導
入路の断面積の比は、各液体の供給量に比例している請
求項20に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項23】 前記第2導入路は、前記分離壁を貫通
して前記第2の共通液室に液体を供給する導入路である
請求項20に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項24】 前記発熱体は電気信号を受けることで
熱を発生する発熱抵抗体を有する電気熱変換体である請
求項5または6に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項25】 前記電気熱変換体は前記発熱抵抗体上
に、保護膜を配したものである請求項24に記載の液体
吐出ヘッド。 - 【請求項26】 前記素子基板上には前記電気熱変換体
に電気信号を伝えるための配線と、前記電気熱変換体に
選択的に電気信号を与えるための機能素子が配されてい
る請求項24に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項27】 請求項1、2または6に記載の液体吐
出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持
する液体容器とを有するヘッドカートリッジ。 - 【請求項28】 請求項3または6に記載の液体吐出ヘ
ッドと、第1の液流路に供給される第1の液体と、第2
の液流路に供給される第2の液体とを保持する液体容器
とを有するヘッドカートリッジ。 - 【請求項29】 請求項1、2、または6に記載の液体
吐出ヘッドと、 該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号
を供給する駆動信号供給手段とを有する液体吐出装置。 - 【請求項30】 請求項1、2または6に記載の液体吐
出ヘッドと、 該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒
体を搬送する被記録媒体搬送手段とを有する液体吐出装
置。 - 【請求項31】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
し、被記録媒体にインクを付着させることで記録を行う
請求項29または30に記載の液体吐出装置。 - 【請求項32】 前記液体吐出ヘッドから複数色の記録
液体を吐出し、被記録媒体に前記複数色の記録液体を付
着させることでカラー記録を行う請求項29または30
に記載の液体吐出装置。 - 【請求項33】 前記吐出口が被記録媒体の記録可能領
域の全幅に渡って、複数配されている請求項29または
30に記載の液体吐出装置。
Priority Applications (7)
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