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JPH10239317A - 地帯現象抑制測定方法及び測定試薬 - Google Patents

地帯現象抑制測定方法及び測定試薬

Info

Publication number
JPH10239317A
JPH10239317A JP7073497A JP7073497A JPH10239317A JP H10239317 A JPH10239317 A JP H10239317A JP 7073497 A JP7073497 A JP 7073497A JP 7073497 A JP7073497 A JP 7073497A JP H10239317 A JPH10239317 A JP H10239317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
specific binding
test substance
sample
carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7073497A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Ishii
敬介 石井
Masahiro Naito
正宏 内藤
Katsuro Koike
克郎 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINOTESUTO KK
Japanese Foundation for Cancer Research
Shino Test Corp
Original Assignee
SHINOTESUTO KK
Japanese Foundation for Cancer Research
Shino Test Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINOTESUTO KK, Japanese Foundation for Cancer Research, Shino Test Corp filed Critical SHINOTESUTO KK
Priority to JP7073497A priority Critical patent/JPH10239317A/ja
Publication of JPH10239317A publication Critical patent/JPH10239317A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試料中に被検物質が過剰に存在しても地帯現象
を防ぐことができ、よって陽性の試料を陰性と誤って判
定することを防止でき、そして特別な装置を使用するこ
となく、簡便かつ正確に試料中の被検物質の測定を行う
ことができる測定方法及び測定試薬を提供する。 【構成】試料中の被検物質に対する特異的結合物質が固
定された面を有する担体の該面に試料を接触させる工
程、及び被検物質に対する特異的結合物質であって前記
担体に固定された特異的結合物質と同一又は異なる特異
的結合物質が固定された粒子を前記面に接触させる工程
を含む、前記面における前記粒子の分布状態から試料中
の被検物質の存在の測定を行う測定方法において、前記
担体に固定された特異的結合物質又は前記粒子に固定さ
れた特異的結合物質とは別に被検物質に対する特異的結
合物質を前記工程の一方又は両方において存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検物質に対する
特異的結合物質が固定された担体、及び被検物質に対す
る特異的結合物質が固定された粒子を用いて、担体の面
における粒子の分布状態から試料中の被検物質の存在の
測定を行う測定方法において、試料中に被検物質が過剰
に存在する場合でも、正確かつ簡便に測定を行うことが
できる測定方法及び測定試薬に関するものである。本発
明は、生命科学分野、特に臨床検査分野における疾病の
診断等に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】抗原と抗体、糖とレクチン、ヌクレオチ
ド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドとレセ
プター等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用
した試料中に含まれる微量の被検物質の測定方法は種々
のものが知られている。
【0003】中でも、抗原と抗体の間の抗原抗体反応
(免疫反応)を利用した免疫学的測定方法は広く実施さ
れている。この免疫学的測定方法として、抗体若しくは
抗原を固定した粒子の凝集を検出する間接凝集反応測定
法、又は抗原若しくは抗体に結合させた標識物質を検出
する放射免疫測定法(RIA法)、酵素免疫測定法(E
IA法)等が用いられてきた。
【0004】これらの免疫学的測定方法のうち間接凝集
反応測定法は、簡易かつ安価な方法であることより汎用
されている。
【0005】この間接凝集反応測定法は、被検物質に対
する抗体(被検物質が抗体の場合は抗原を使用すること
も可能)を固定した粒子(ラテックス粒子若しくはゼラ
チン粒子等の高分子粒子又は赤血球等)と被検物質を含
むと推定される試料を、マイクロタイタープレート等の
底面がU字状又はV字状になった測定容器内で混合し、
反応させて、被検物質を介して生じた粒子間の凝集の凝
集像を観察することにより、試料中の被検物質の存在の
有無を判定するものである。
【0006】図3は、この間接凝集反応測定法等の試料
中の被検物質の存在の有無を粒子の分布状態により測定
する測定方法における粒子の分布状態の像を示したもの
である。
【0007】
【図3】
【0008】試料中に被検物質が存在しない(陰性)場
合、抗体(又は抗原)を固定した粒子は凝集を起こさな
いので重力によりそのまま沈降し、U字状又はV字状等
の測定容器の内壁面に沿って転がり落ちて(滑り落ち
て)、測定容器の底面中央部に集まる。従って、陰性の
場合、測定容器の上方から見ると、測定容器の底面中央
部に粒子が収束した像が観察される(図3のA)。一
方、試料中に被検物質が存在する(陽性)場合、抗体
(又は抗原)を固定した粒子は被検物質を介して三次元
的な凝集を起こして凝集塊を生成する。この凝集塊は、
凝集を起こしていない粒子に比べると測定容器の内壁面
上を転がり難く(滑り落ち難く)、転がり速度(滑り落
ち速度)が小さいので、測定容器の内壁面に広がった状
態で止まる。従って、陽性の場合、測定容器の上方から
見ると、粒子が測定容器底面に広がった状態、即ち「ボ
タン」状の凝集像が観察でき(図3のB)、試料中に被
検物質が存在することを確認できる。
【0009】また、特開昭64−69954号公報に
は、検体試料中の被検物質である抗原又は抗体に対応す
る抗体又は抗原を内壁に固定させた測定容器に検体試料
を加え、同時に又は次いでこの検体試料を洗浄すること
なく測定容器に固定させたものと同一の抗体又は抗原或
いは特異的結合の類縁体を固定させた不溶性担体粒子を
測定容器に加え、発現する凝集反応の有無により検体試
料中の被検物質である抗原又は抗体の有無を判定する免
疫学的測定方法が開示されている。この測定方法におい
て検体試料中に被検物質である抗原(又は抗体)が存在
しない(陰性)場合の測定容器内の状態を上方から見る
と、図3のAに示した凝集像と同様の像が観察される。
そして、検体試料中に被検物質である抗原(又は抗体)
が存在する(陽性)場合に測定容器内の状態を上方から
見ると、図3のBに示した凝集像と同様の像が観察され
る。この特開昭64−69954号公報に記載の測定方
法は、低濃度の被検物質を測定することができ、地帯現
象を抑制でき、かつ短時間で明瞭な凝集像を得ることが
できるという特徴を持つ測定方法である。
【0010】更に、特開平2−124464号公報に
は、被測定物質(被検物質)に特異的に結合するか又は
これと競合する物質(抗体又は抗原等)を磁性粒子に固
定化した磁性マーカー粒子とサンプル溶液(試料)とを
混合し、この反応溶液に対し測定容器の所定の壁面領域
の外側に配置した磁石を作用させ、これにより所定の壁
面領域に集められた磁性マーカー粒子の分布状態に基づ
いてサンプル中の被測定物質を測定する免疫学的測定方
法が開示されている。この測定方法においてサンプル中
に被測定物質が存在しない(陰性)場合に測定容器内の
状態を上方から見ると、図3のAに示した凝集像と同様
の像が観察され、サンプル中に被測定物質が存在する
(陽性)場合に測定容器内の状態を上方から見ると図3
のBに示した凝集像と同様の像が観察される。この特開
平2−124464号公報に記載の測定方法は、磁性粒
子を磁石により測定容器底面に引き寄せて磁性粒子の沈
降速度を増大させることにより、測定容器底面の凝集像
の形成を短時間で行わせ、判定に要する時間を短縮する
ことができると記載されている。
【0011】しかしながら、上記の間接凝集反応測定
法、特開平2−124464号公報に記載の測定方法、
及び標識物質を検出する放射免疫測定法(RIA法)並
びに酵素免疫測定法(EIA法)等のいずれの免疫学的
測定方法においても、測定反応系中の被検物質に対する
特異的結合物質(抗体又は抗原)に対して試料中の被検
物質(抗原又は抗体)が過剰に存在する場合には、あた
かも試料中に被検物質が存在しないか、又は実際に存在
する量よりも少なく測定されてしまうことがある。(地
帯現象、プロゾーン現象 、ポストゾーン現象又はフッ
ク現象)この地帯現象では、試料中に被検物質が存在す
る(陽性)のに被検物質が存在しない(陰性)と判定し
てしまったり、実際に存在する量よりも少なく定量して
しまい、誤った結果が得られてしまう。なお、特開昭6
4−69954号公報に記載の測定方法は、地帯現象を
抑制できるものの、試料中の被検物質が余りに大過剰な
場合には影響を受けてしまうこともあるものであった。
このように陽性の試料を陰性と誤って判定する可能性が
あるということは、特に臨床検査による疾病の診断にお
いては重大な問題となっていた。
【0012】「ジャーナル オブ オートマティック
ケミストリー(Journal of Automat
ic Chemistry),第2巻,149〜152
頁,1980年」にリーク(Leek)らは、試料中の
ヒト胎盤ラクトーゲン(hPL)を、抗ヒト胎盤ラクト
ーゲン(hPL)抗体を結合させたラテックス粒子と反
応させ、生成する凝集粒子及び非凝集粒子を血球計数装
置で計数することにより測定を行う粒子計数免疫検定法
(PACIA)において、反応系に遊離の抗ヒト胎盤ラ
クトーゲン(hPL)抗体を添加することにより反応感
度を下げて、試料の希釈倍数が10倍であっても地帯現
象の影響を受けずに測定が行えたことを記載している。
しかしながら、この粒子計数免疫検定法(PACIA)
は、高価である血球計数装置を使用する特殊な測定方法
であって、限られた施設でしか実施することができない
ものである。
【0013】特開昭59−46856号公報には、液体
試料中の抗原を、抗体(抗原と結合して凝集を起こさせ
る試薬)を担持した微細粒子と混合し、これより生ずる
粒子の凝集の程度を測定して、液体試料中の抗原の存在
量を定量する粒子凝集検定法において、反応混合物中に
更に、抗原に対する1価の抗体〔F(ab)断片〕(抗
原と等価であって抗原と結合してその結合した抗原が粒
子を凝集し得ないようにする能力のある物質)を溶解含
有させることにより、地帯現象を抑制することができる
ことが記載されている。しかし、ここで示された測定方
法は粒子計数免疫検定法(PACIA)であるので、や
はり限られた施設でしか実施することができないもので
ある。
【0014】特開平6−324043号公報には、サン
プル液中の分析対象物を、粒子状キャリヤー物質に固定
した分析対象物に対する抗体(分析対象物に特異的に結
合することができるレセプターR1 )に結合させ、サン
プル液中の分析対象物を測定する方法において、分析対
象物へ2つの結合部位を有する抗体(分析対象物への少
なくとも2つの結合部位を有するレセプターR2 )を含
有させることにより、フック作用(地帯現象)による妨
害を回避、防止できることが記載されている。しかしな
がら、ここで示された測定方法は、サンプル液中の分析
対象物と粒子状キャリヤー物質に固定した分析対象物に
対する抗体の結合を、結合により生じた濁度を機器を用
いて測定するものであるので、濁度を測定することがで
きる装置の使用が必須なものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記し
た従来の測定方法及び測定試薬が有する問題点を解決す
べく鋭意検討を重ねた結果、試料中に被検物質が過剰に
存在しても地帯現象を防ぐことができ、よって陽性の試
料を陰性と誤って判定することを防止でき、そして特別
な装置を使用することなく、簡便かつ正確に試料中の被
検物質の測定を行うことができる測定方法及び測定試薬
を完成するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料中の被検
物質に対する特異的結合物質が固定された面を有する担
体の該面に試料を接触させる工程、及び被検物質に対す
る特異的結合物質であって前記担体に固定された特異的
結合物質と同一又は異なる特異的結合物質が固定された
粒子を前記面に接触させる工程を含む、前記面における
前記粒子の分布状態から試料中の被検物質の存在の測定
を行う測定方法において、前記担体に固定された特異的
結合物質又は前記粒子に固定された特異的結合物質とは
別に被検物質に対する特異的結合物質を前記工程の一方
又は両方において存在させることを特徴とする、試料中
の被検物質の測定方法である。また、本発明は、少なく
とも、試料中の被検物質に対する特異的結合物質が固定
された面を有する担体、被検物質に対する特異的結合物
質であって前記担体に固定された特異的結合物質と同一
又は異なる特異的結合物質が固定された粒子、及び遊離
の被検物質に対する特異的結合物質より構成される、試
料中の被検物質の測定試薬である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において測定を行う被検物
質としては、タンパク質、糖質、脂質、核酸のような有
機物質、無機物質等の生体関連物質であればいずれのも
のでもよい。具体的には、HBs抗原、抗HBs抗体、
HBe抗原、抗HBe抗体、抗HBc抗体、抗HCV抗
体、抗HIV抗体、抗ATLV抗体、抗HAV抗体、抗
HDV抗体、抗HEV抗体、抗HGV抗体等のウイルス
関連の抗原又は抗体;大腸菌O157抗原、抗トレポネ
ーマ・パリダム(TP)抗体、抗マイコプラズマ抗体、
抗ストレプトリジンO抗体(ASO)、抗クラミジア抗
体等の細菌関連の抗原又は抗体;免疫グロブリンG(Ig
G)、免疫グロブリンA(IgA) 、免疫グロブリンM(IgM)
、若しくは免疫グロブリンE(IgE) 等の免疫グロブリ
ン;C反応性タンパク質(CRP)、α1-酸性糖タンパク
質、ハプトグロビン、補体C3 、補体C4 、リウマトイ
ド因子等の炎症マーカー;α−フェトプロテイン、CE
A、CA19-9等の腫瘍マーカー;ヒト胎盤絨毛性ゴナド
トロピン等のホルモン;アレルゲン、アレルゲン特異Ig
E 抗体等のアレルギー関連の抗原又は抗体;抗トロンビ
ンIII(ATIII) 等の血液凝固系関連物質;フィブリン
体分解物(FDP) 、Dダイマー等の線溶系関連物質;AB
O式血液型抗体、不規則抗体等の血液型関連の抗原又は
抗体;ウイルスのDNA又はRNA;細菌のDNA又は
RNA;ヒト等の動物若しくは植物のDNA又はRN
A;リポタンパク質(a) 等の他の疾病に関連した物質又
は薬物等を例示することができる。特に、被検物質とし
て抗HBc抗体(抗B型肝炎ウイルス・コア抗体)は好
適である。
【0018】本発明において、試料とは、前記の被検物
質が存在する可能性があり、かつその被検物質の存在の
有無の確認又は場合によっては定量を行おうとする液状
のものをいう。例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血
漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水、鼻汁
等の体液;ヒト又は動物の脳等の臓器、毛髪、皮膚、
爪、筋肉、神経組織等の抽出液;ヒト又は動物の糞便の
抽出液又は懸濁液;細胞或いは菌体の抽出液;植物の抽
出液等が挙げられる。
【0019】本発明において、被検物質に対する特異的
結合物質(以下、単に特異的結合物質と言うことがあ
る)とは被検物質に対し親和性を有する物質を言い、被
検物質との特異的な相互作用により該被検物質に非共有
結合的に安定に結合する物質をいう。例えば、特異的結
合物質は、被検物質が抗原の場合にはその抗体であり、
被検物質が抗体の場合にはその抗原又はその抗体に対す
る抗体であり、被検物質がヌクレオチド鎖の場合にはそ
れと相補的なヌクレオチド鎖である。また、被検物質が
リガンドの場合にはそのレセプターである。粒子に固定
される特異的結合物質と、担体に固定される特異的結合
物質は、被検物質を介しての結合が可能であれば、それ
ぞれ同一でも異なってもよい。そして、「試料中の被検
物質に対する特異的結合物質が固定された面を有する担
体の該面に試料を接触させる工程」(以下、第1の工程
と言うことがある)及び「被検物質に対する特異的結合
物質であって前記担体に固定された特異的結合物質と同
一又は異なる特異的結合物質が固定された粒子を前記面
に接触させる工程」(以下、第2の工程と言うことがあ
る)の一方又は両方において存在させる被検物質に対す
る特異的結合物質は、担体に固定された被検物質に対す
る特異的結合物質、及び/又は、粒子に固定された被検
物質に対する特異的結合物質と、同一でも異なってもよ
い。遊離の被検物質に対する特異的結合物質も、担体に
固定された被検物質に対する特異的結合物質、及び/又
は、粒子に固定された被検物質に対する特異的結合物質
と、同一でも異なってもよい。第1の工程及び第2の工
程の一方又は両方において存在させる被検物質に対する
特異的結合物質、及び遊離の被検物質に対する特異的結
合物質は、被検物質に対する特異的結合部位を1箇所又
は2箇所以上持つものである。
【0020】本発明に用いられる粒子としては、一般に
間接凝集反応測定法に用いられる粒子でよい。例えば、
リポソ−ム、ラテックス粒子、ゼラチン粒子、ポリアク
リルアミド粒子、ポリスチレン粒子、マイクロカプセ
ル、エマルジョン等の有機高分子粒子、ガラスビ−ズ、
シリカビ−ズ、ベントナイト等の無機高分子粒子、他の
人工粒子、及び赤血球等を挙げることができる。
【0021】また、粒子として磁性粒子を用いることも
できる。この磁性粒子は、少なくとも外部から磁石を作
用させている間は磁化する粒子であればよい。この磁性
粒子としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強
磁性金属、これらの強磁性金属を含む合金、非磁性体中
に強磁性金属又は強磁性金属を含む合金を含有するも
の、強磁性金属中又は強磁性金属を含む合金中に非磁性
体を含有するもの等の強磁性体を単独で粒子状に成形し
た粒子、強磁性体を核としてその表面をポリスチレン、
シリカゲル、ゼラチン、ポリアクリルアミド等の高分子
物質で被覆した粒子、ポリスチレン、シリカゲル、ゼラ
チン、アクリルアミド等の高分子物質の粒子を核として
強磁性体を被覆した粒子、赤血球、リポソーム又はマイ
クロカプセル等の閉じた袋状の物質に強磁性体を封入し
た粒子等を挙げることができる。なお、この磁性粒子
は、外部から磁石を作用させている間は磁化し、外部か
らの磁石の遮断により速やかに減磁する性質を持つもの
であることが特に好ましく、そのような磁性粒子として
は、例えば、強磁性体である酸化鉄(III) (Fe2O3)を粒
子内に分散させた磁性粒子である「Dynabeads M-450 un
coated(商品名)〔ダイナル社製〕」が挙げられる。
【0022】更に、粒子としては、色素を被覆するか又
は色素を粒子中に分散若しくは封入させることにより着
色したものを使用してもよい。
【0023】粒子の粒子径は、好ましくは0.01〜100 μ
mであり、特に好ましくは 0.5〜10μmである。また、
粒子の比重は、分散媒中で沈降する比重であれば良く、
例えば比重1〜10のものが好ましい。
【0024】本発明においては、被検物質に対する特異
的結合物質が固定された粒子を用いるが、特異的結合物
質を粒子に固定するには、特異的結合物質を前記の粒子
の表面に疎水結合、親水吸着等の物理的吸着法、共有結
合等の化学的結合法又はこれらの方法の併用などにより
行うことができる。
【0025】特異的結合物質の粒子への固定を物理的吸
着法により行う場合は、公知の方法に従って、該特異的
結合物質と粒子とを緩衝液等の溶液中で混合し接触させ
ることにより行うことができる。例えば、特異的結合物
質と粒子を緩衝液等の溶液中で混合し撹拌することによ
り接触させ、約2℃〜約40℃で約10分〜約1日間吸着反
応を行わせた後、得られた粒子を緩衝液等で洗浄すれば
よい。
【0026】また、特異的結合物質の粒子への固定を架
橋試薬による化学的結合法によって行う場合は、日本臨
床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査
のためのイムノアッセイ−技術と応用−」, 臨床病理刊
行会, 1983年、日本生化学会編「新生化学実験講座1
タンパク質IV」, 東京化学同人, 1991年等に記載の公知
の方法に従い、特異的結合物質と粒子をグルタルアルデ
ヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミド、
トリニトロメタン等の二価性の架橋試薬と混合、接触さ
せ、特異的結合物質と粒子のそれぞれのアミノ基、カル
ボキシル基、チオール基、アルデヒド基、水酸基等の官
能基を架橋試薬と反応させることにより固定することが
できる。例えば、粒子を含む緩衝液等にグルタルアルデ
ヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミド、
トリニトロメタン等の二価性の架橋試薬を加え、撹拌し
反応させる。次にこれに特異的結合物質を加え、撹拌し
て反応させる。場合によっては、その後これに透析、ゲ
ルろ過などの処理により架橋試薬を除くか若しくは架橋
反応の反応停止剤を添加すること等により反応を停止さ
せる。そして、得られた粒子を緩衝液等で洗浄すればよ
い。
【0027】また、特異的結合物質の粒子への固定量を
変更することにより、試料中の被検物質の濃度の高低に
応じて容易に感度を変更することができる。例えば、粒
子に特異的結合物質を固定する際に、高濃度の特異的結
合物質を用いれば固定量が多くなって感度を高めること
ができる。
【0028】必要があれば非特異的反応を抑制するた
め、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、カゼイ
ン又はその塩などの各種タンパク質、脱脂粉乳等を特異
的結合物質を固定した粒子に接触させること等の公知の
方法により、該粒子をマスキングしてもよい。例えば、
マスキングは特異的結合物質を固定した粒子をウシ血清
アルブミン、ヒト血清アルブミン、カゼイン又はその塩
などの各種タンパク質などを含む緩衝液等に加え静置
し、該粒子の表面を各種タンパク質等でコーティングす
ることにより行うことができる。
【0029】本発明において、担体としては、被検物質
に対して特異的結合物質が固定された面を有する担体を
使用する。担体としては特異的結合物質を固定させる面
を有しており、該面に試料等の溶液(液体)を接触させ
ることができる限りいずれの形状、構造でもよく、例え
ば、測定容器や、板状体などが挙げられる。本発明にお
いて、担体としては、試料等の溶液(液体)を保持する
ことができるもので有ればその形状、大きさ、材質等は
特に問わない。例えば、間接凝集反応測定法において使
用される担体であれば特に制限無く用いることができ
る。この担体としては、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ナイロ
ン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン又
はポリメタクリレートなどから成る試験管、U型、V
型、若しくはUV型などのマイクロプレート又はトレイ
等の測定容器あるいは板状体等を用いることができる。
【0030】特異的結合物質の担体の面への固定化は、
物理的吸着法又は架橋試薬による化学的結合法によって
行うことができる。物理的吸着法による場合は、公知の
方法に従い、緩衝液等に溶解した特異的結合物質と担体
の面とを接触させることにより行うことができる。例え
ば、担体が測定容器の場合、緩衝液等に溶解した特異的
結合物質を該測定容器の凹部に入れて静置することによ
り接触させ、約2℃〜約40℃で約10分〜約1日間吸着反
応を行わせた後、凹部の液を吸引除去し、緩衝液等で洗
浄すればよい。
【0031】また、架橋試薬による化学的結合法により
行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特
集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応
用−」, 臨床病理刊行会, 1983年、日本生化学会編「新
生化学実験講座1 タンパク質IV」, 東京化学同人, 19
91年等に記載の公知の方法に従い、被検物質に対する特
異的結合物質と担体をグルタルアルデヒド、カルボジイ
ミド、イミドエステル、マレイミド、トリニトロメタン
等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、特異的結合物
質と担体のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオ
ール基、アルデヒド基、水酸基等と反応させることによ
り固定させることができる。例えば、担体が測定容器の
場合、該測定容器の凹部にグルタルアルデヒド、カルボ
ジイミド、イミドエステル、マレイミド、トリニトロメ
タン等の二価性の架橋試薬を加え、静置して反応させ
る。次いでこれに特異的結合物質を加えて静置すること
により反応させる。場合によっては、その後これに架橋
反応の反応停止剤を添加すること等により反応を停止さ
せる。そして、緩衝液等で洗浄を行う。
【0032】更に、必要があれば非特異的反応を抑制す
るため、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、オ
ボアルブミン、カゼイン、フィッシュ・プロテイン、ゼ
ラチン若しくはその塩などの各種タンパク質、脱脂粉乳
等を特異的結合物質を固定した担体に接触させること等
の公知の方法により、特異的結合物質を固定した担体を
マスキングしてもよい。例えば、担体が測定容器である
場合には、特異的結合物質を固定した該測定容器の凹部
にウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、オボアル
ブミン、カゼイン、フィッシュ・プロテイン、ゼラチン
又はその塩などの各種タンパク質などを含む緩衝液等を
加えて静置し、特異的結合物質を固定した測定容器の凹
部の表面を各種タンパク質等でコーティングした後、凹
部の液を吸引除去することにより行うことができる。
【0033】本発明の試料中の被検物質の測定方法にお
いては、まず、上記のように被検物質に対する特異的結
合物質が固定された面を有する担体の該面に被検物質の
存在が疑われる試料を接触させる。(第1の工程)
【0034】担体が例えば上記したような測定容器の場
合には、該測定容器の凹部に試料を添加することにより
測定容器の内壁面と試料とを接触させることができる。
【0035】試料は、例えば希釈液により希釈して担体
に接触させることができる。この試料の希釈液として
は、例えば、MES、Bis−Tris、ADA、AC
ES、PIPES、MOPSO、MOPS、HEPE
S、TES若しくはBESなどよりなるグッド(Goo
d)の緩衝液、クエン酸、クエン酸二ナトリウム、コハ
ク酸水素ナトリウム、マレイン酸水素ナトリウム、フタ
ル酸水素カリウム若しくはグリシンなどよりなる有機系
緩衝液、ホウ酸、リン酸若しくはイミダゾールなどより
なる無機系緩衝液又はリン酸緩衝生理食塩水等の各種緩
衝液、あるいは生理食塩水等を用いることができる。な
お、この緩衝液のpHについては、pH4〜12の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0036】また、試料の希釈液には、ウシ血清アルブ
ミン、ヒト血清アルブミン、カゼイン、又はその塩など
の各種タンパク質、塩化ナトリウムなどの各種塩類、各
種糖類、脱脂粉乳、正常ウサギ血清などの各種動物血
清、アジ化ナトリウムなどの各種防腐剤、非イオン性界
面活性剤、両イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性
剤などの各種界面活性剤等の添加剤を適宜加えて用いる
ことができる。
【0037】そして、これらの添加剤を加える際の濃度
は特に限定されるものではないが、0.001 〜10%(w/v)
が好ましく、特に0.01〜5%(w/v) が好ましい。
【0038】また、界面活性剤としては、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
フィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等
の非イオン性界面活性剤、酢酸ベタインなどの両性界面
活性剤又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩な
どの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0039】上記の特異的結合物質が固定された担体の
面に試料を接触させる工程(第1の工程)と同時に又は
その後に、被検物質に対する特異的結合物質であって前
記担体に固定された特異的結合物質と同一又は異なる特
異的結合物質が固定された粒子をこの担体の面に接触さ
せる。(第2の工程) なお、第2の工程の後に第1の工程を行っても構わな
い。
【0040】そして、粒子は、例えば適当な分散媒に分
散して担体の面に接触させることができる。この試料の
分散媒としては、例えば、MES、Bis−Tris、
ADA、ACES、PIPES、MOPSO、MOP
S、HEPES、TES若しくはBESなどよりなるグ
ッド(Good)の緩衝液、クエン酸、クエン酸二ナト
リウム、コハク酸水素ナトリウム、マレイン酸水素ナト
リウム、フタル酸水素カリウム若しくはグリシンなどよ
りなる有機系緩衝液、ホウ酸、リン酸若しくはイミダゾ
ールなどよりなる無機系緩衝液又はリン酸緩衝生理食塩
水等の各種緩衝液、あるいは生理食塩水等を用いること
ができる。なお、この緩衝液のpHについては、pH4〜12
の範囲内にあることが好ましい。
【0041】また、この粒子の分散媒には、上記の希釈
液の項で記載した添加剤をそれぞれ適宜加えて用いるこ
とができる。そして、これらの添加剤を加える際の濃度
は特に限定されるものではないが、0.001 〜10%(w/v)
が好ましく、特に0.01〜5%(w/v) が好ましい。
【0042】本発明においては、上記の特異的結合物質
が固定された担体の面に試料を接触させる工程(第1の
工程)及び特異的結合物質が固定された粒子をこの担体
の面に接触させる工程(第2の工程)の一方又は両方に
おいて、担体に固定された特異的結合物質又は粒子に固
定された特異的結合物質とは別に被検物質に対する特異
的結合物質を存在させる。これは、担体又は粒子のいず
れにも固定されていない遊離の「被検物質に対する特異
的結合物質」を含有させた、試料の希釈液及び/又は粒
子の分散媒を用いて、上記第1の工程及び第2の工程を
行うことにより実施することができる。また、上記第1
の工程及び第2の工程の前に、遊離の「被検物質に対す
る特異的結合物質」を含有させた溶液を担体の面に接触
させることにより実施することができる。この被検物質
に対する特異的結合物質を試料の希釈液及び/又は粒子
の分散媒等の溶液に含有させる濃度は、特に限定される
ものではないが、0.01〜100μg/mLが好まし
く、特に0.1〜10μg/mLが好ましい。
【0043】上記のように、担体の面に試料を接触させ
る工程(第1の工程)及び粒子をこの担体の面に接触さ
せる工程(第2の工程)を行った後、この担体の面にお
ける粒子の分布状態から試料中の被検物質の存在の測定
を行う。この担体の面上の粒子の分布状態、即ち像は、
目視により、又は吸光度測定やパターン認識によるマイ
クロプレートリーダー等の光学的読み取り装置により確
認することができる。
【0044】本発明の作用について従来の方法と比較し
ながら以下説明を行う。まず、従来の方法について説明
する。試料中の被検物質に対する特異的結合物質が固定
された面を有する担体の該面に試料を接触させると、試
料中の被検物質は担体の面に固定されている被検物質に
対する特異的結合物質に結合し、「担体−特異的結合物
質−被検物質」の結合を生じる。この担体の面に、被検
物質に対する特異的結合物質であって前記担体に固定さ
れた特異的結合物質と同一又は異なる特異的結合物質が
固定された粒子を接触させると、この特異的結合物質が
固定された粒子は担体に結合した被検物質に結合して、
「担体−特異的結合物質−被検物質−特異的結合物質−
粒子」の結合を生成する。この結合の生成を担体の面上
の粒子の分布状態により確認することによって、試料中
の被検物質の存在の測定を行うことができる。
【0045】また、担体の面に試料を接触させる工程と
粒子をこの担体の面に接触させる工程を同時に行う場合
には、試料中の被検物質は粒子に固定された特異的結合
物質に結合して「被検物質−特異的結合物質−粒子」の
結合を生じ、更にこれは担体に固定された特異的結合物
質に結合して、「担体−特異的結合物質−被検物質−特
異的結合物質−粒子」の結合を生成する。この場合も、
この結合の生成を担体の面上の粒子の分布状態により確
認することによって、試料中の被検物質の存在の測定を
行うことができる。担体の面上の粒子の分布状態による
「担体−特異的結合物質−被検物質−特異的結合物質−
粒子」の結合の生成の確認であるが、試料中に被検物質
が存在せず(陰性)この結合が生成しない場合には粒子
は収束し、図3のAに示した凝集像と同様の像を確認す
ることができる。また、試料中に被検物質が存在して
(陽性)この結合が生成する場合には粒子は面上に広が
り、図3のBに示した凝集像と同様の像を確認すること
ができる。
【0046】しかしながら、試料中に被検物質が過剰に
存在する場合には、担体に固定された特異的結合物質及
び粒子に固定された特異的結合物質それぞれにこの過剰
の被検物質が結合して、「担体−特異的結合物質−被検
物質」及び「被検物質−特異的結合物質−粒子」の結合
が生成してしまい、「担体−特異的結合物質−被検物質
−特異的結合物質−粒子」の結合が生成できない。よっ
て、試料中に被検物質が存在する(陽性)にもかかわら
ず、図3のBに示した凝集像と同様の像を得ることがで
きず図3のAに示した凝集像と同様の像が得られてしま
うので、試料中には被検物質が存在しない(陰性)と誤
って判定してしまうことになる。(地帯現象) この従来の方法の作用の模式図を図4に示した。
【0047】
【図4】
【0048】次に、本発明について説明する。本発明に
おいても、特異的結合物質が固定された面を有する担体
の該面に試料を接触させると、試料中の被検物質は担体
の面に固定されている特異的結合物質に結合し、「担体
−特異的結合物質−被検物質」の結合を生じる。この
時、試料中の被検物質が過剰に存在すると、担体の面に
固定されている特異的結合物質に結合できない遊離状態
の被検物質が出てくるが、この場合に遊離の「被検物質
に対する特異的結合物質」が存在すると、遊離状態の被
検物質は遊離の特異的結合物質に捕捉されて「被検物質
−特異的結合物質」の結合を生じる。この担体の面に、
前記担体に固定された特異的結合物質と同一又は異なる
特異的結合物質が固定された粒子を接触させると、この
特異的結合物質が固定された粒子は担体に結合した被検
物質に結合して、「担体−特異的結合物質−被検物質−
特異的結合物質−粒子」の結合を生成する。しかし、遊
離状態であった被検物質は遊離の特異的結合物質に捕捉
されていて、もう粒子に固定された特異的結合物質とは
結合できないので、「担体−特異的結合物質−被検物
質」及び「被検物質−特異的結合物質−粒子」の結合が
生成することはなく、「担体−特異的結合物質−被検物
質−特異的結合物質−粒子」の結合だけが生成する。つ
まり、地帯現象は生じない。そして、この結合の生成を
担体の面上の粒子の分布状態により確認することによっ
て、試料中の被検物質の存在の測定を行うことができ
る。
【0049】また、担体の面に試料を接触させる工程と
粒子をこの担体の面に接触させる工程を同時に行う場合
には、試料中の被検物質は粒子に固定された特異的結合
物質に結合して「被検物質−特異的結合物質−粒子」の
結合を生じるが、試料中の被検物質が過剰に存在する時
には、やはり、粒子に固定されている特異的結合物質に
結合できない遊離状態の被検物質が出てくる。この場合
に遊離の「被検物質に対する特異的結合物質」が存在す
ると、遊離状態の被検物質は遊離の特異的結合物質に捕
捉されて「被検物質−特異的結合物質」の結合を生じ
る。そして、粒子に固定された特異的結合物質に結合し
た被検物質は更に担体に固定された特異的結合物質に結
合して、「担体−特異的結合物質−被検物質−特異的結
合物質−粒子」の結合を生成する。しかし、この場合
も、遊離状態であった被検物質は遊離の特異的結合物質
に捕捉されていて、もう担体の面に固定された特異的結
合物質とは結合できないので、「担体−特異的結合物質
−被検物質」及び「被検物質−特異的結合物質−粒子」
の結合が生成することはなく、「担体−特異的結合物質
−被検物質−特異的結合物質−粒子」の結合だけが生成
する。つまり、地帯現象は生じない。そして、この結合
の生成を担体の面上の粒子の分布状態により確認するこ
とによって、試料中の被検物質の存在の測定を行うこと
ができる。この本発明における作用の模式図を図1に示
した。
【0050】
【図1】
【0051】本発明においては、段階的に希釈した試料
のそれぞれを本発明の測定方法により測定した時の、粒
子による凝集像が得られる最大の希釈倍数である凝集価
を求めることにより、試料中に含まれる被検物質の量を
確かめることができる。この凝集価の測定は、間接凝集
反応測定法の常法に準じて行えばよく、例えば、特異的
結合物質が固定された担体の凹部に試料を入れ、これを
試料の希釈液で段階的に希釈してその希釈列を作り、次
に各凹部に特異的結合物質が固定された粒子を加え、混
合攪拌した後静置して、粒子の面上での分布状態である
凝集の有無を確認し、凝集像が得られた最大の希釈倍数
を凝集価として採用し、求めることができる。
【0052】また、予め規定した希釈倍数で希釈した試
料を本発明の測定方法により測定し、この時の凝集の有
無から試料中における被検物質の存在の有無を定性的に
測定することもできる。
【0053】なお、本発明による試料中の被検物質の測
定方法においては、試料、特異的結合物質が固定された
粒子、及び遊離の特異的結合物質を予め混合接触し、次
いでこれを特異的結合物質が固定された担体に接触させ
ることにより測定を行ったり、又は予め特異的結合物質
が固定された粒子を加えておいた特異的結合物質が固定
された担体に、試料、そして遊離の特異的結合物質を接
触させて測定を行うこともできる。
【0054】そして、本発明による試料中の被検物質の
測定方法においては、特異的結合物質が固定された粒子
の粒子として磁性粒子を用い、この特異的結合物質が固
定された粒子に磁力を作用させることにより短時間で凝
集像を生じさせることができる、特開平4−21646
6号公報及び特開平4−242167号公報に記載され
ているような測定方法を適用することもできる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に詳述す
るが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるもの
ではない。
【0056】〔実施例〕 (血清試料中の抗HBc抗体の測定)本発明により血清
試料中の抗HBc抗体(抗B型肝炎ウイルス・コア抗
体)の測定を行った。
【0057】(1)HBc抗原の調製 (i)形質転換及び培養 まず、大腸菌BL21(DE3)を、HBc抗原の全遺
伝子配列を含む発現ベクターpGHBcにて「D.Ha
nahan,J.Mol.Biol.,166巻,55
7頁,1983年」に記載された方法により形質転換し
た。この形質転換された大腸菌(形質転換体)をLB培
地中にて37℃で一晩培養した後、遠心分離して菌体を
回収した。
【0058】(ii)超音波破砕 これを10mM EDTA及び1mM PMSFを含有
する50mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン緩衝液(pH7.5)に懸濁した後、「Power
Sonic Model150」ソニケーター(ヤマト
科学社製)にて超音波破砕し、遠心分離後上清を回収し
てHBc抗原を含有する物質を得た。
【0059】(iii)硫安分別 更に、このHBc抗原を含有する物質にDNaseI及
び塩化マグネシウムを加え、4℃にて30分間放置した
後、硫安(硫酸アンモニウム)を30%飽和になるよう
に添加し、4℃にて一晩撹拌し、その後遠心分離を行い
沈殿物を回収した。
【0060】(iv)加熱処理 このHBc抗原を含有する物質である沈殿物を、20m
M ビス−トリス緩衝液(pH6.2)に懸濁し、この
緩衝液中のHBc抗原を含有する物質を65℃で30分
間加熱した。次にこれを遠心分離して沈殿を分離し除去
し、上清を宿主(大腸菌)由来の夾雑物質が除去された
HBc抗原含有溶液として得た。
【0061】(v)ハイドロキシアパタイトクロマトグ
ラフィー処理 このHBc抗原含有溶液をイオン強度10mMのリン酸
緩衝液(pH6.8)にて透析し、これを同緩衝液にて
予め平衡化しておいたセラミックハイドロキシアパタイ
ト(バイオラッド社製)を充填したカラム(直径6c
m、長さ6cm)にかけ、同緩衝液を流速2.0mL/
分で流し、そして溶出される液を4mLずつ分取し、素
通りした画分(画分番号4〜10)を分取して更に純度
が高いHBc抗原(B型肝炎ウイルス・コア抗原)を得
た。
【0062】(2)HBc抗原固定化担体の調製 上記(1)で得たHBc抗原を1μg/mLになるよう
にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解し、これを9
6穴マイクロプレート(ヌンク社製)の各ウェルに50
μLずつ分注し、37℃にて一晩放置した後除去した。
次いで、0.5%カゼイン(メルク社製)を含む50m
Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン・塩酸緩衝
液(pH8.0)を各ウェルに200μLずつ添加し、
37℃にて1日放置した後除去して、HBc抗原固定化
担体を調製した。
【0063】(3)HBc抗原固定化粒子の調製 粒子(Dynabeads M-450 uncoated、ダイナル社製、粒
径:4.5μm、粒径のC.V.5%以下、比重1.
5、濃度3%(W/V))をリン酸緩衝生理食塩水にて濃
度が1%になるように希釈し、これに上記(1)で得た
HBc抗原を3μg/mLになるように溶解し計500
μLとし、37℃で1時間振とうした。次いで、この粒
子を0.5%カゼイン(メルク社製)を含む100mM
グリシン緩衝液(pH9.0)で洗浄した後、粒子の分
散媒として0.5%カゼイン(メルク社製)を含む10
0mMグリシン緩衝液(pH9.0)を5mL加えて、
37℃にて3日間放置してHBc抗原固定化粒子を調製
した。
【0064】(4)遊離HBc抗原を含むHBc抗原固
定化粒子液の調製 上記(3)で調製したHBc抗原固定化粒子の2.5m
Lに上記(1)で調製したHBc抗原を1μg/mLに
なるように加えて、遊離HBc抗原を含むHBc抗原固
定化粒子液を調製した。
【0065】(5)血清試料中の抗HBc抗体の測定 抗HBc抗体を含むことが分かっている3種類の血清試
料(血清試料1、血清試料2及び血清試料3)につい
て、抗HBc抗体を測定した。 (i)試料希釈液の添加 上記(2)で調製したHBc抗原固定化担体の第1列、
第2列、第3列、第4列、第5列及び第6列の各ウェル
(穴)に、試料の希釈液として0.5%カゼイン(メル
ク社製)を含む100mMグリシン緩衝液(pH9.
0)を25μLずつ加えた。
【0066】(ii)試料の段階希釈 次に、血清試料1の25μLをこの担体の第1列及び第
2列の第1ウェルに加え、血清試料2の25μLを第3
列及び第4列の第1ウェルに加え、そして血清試料3の
25μLを第5列及び第6列の第1ウェルに加え、この
後これらの各々の列の第1ウェル中の液の25μLを第
2ウェルに移し、これを第12ウェルについてまで繰り
返して行い、試料の段階希釈を行った。
【0067】(iii)粒子の添加 この担体の第1列、第3列及び第5列の各ウェルに遊離
HBc抗原を含まない上記(3)で調製したHBc抗原
固定化粒子を25μLずつ加え、また第2列、第4列及
び第6列の各ウェルに上記(4)で調製した遊離HBc
抗原を含むHBc抗原固定化粒子液を25μLずつ加え
て、この担体を10秒間攪拌した。
【0068】(iv)ウェルの粒子の分布状態の確認 その後1時間静置した後、この担体の第1列から第6列
の第2ウェルから第12ウェルまでの各ウェルの粒子の
分布状態を目視により確認した。なお、ウェルの底部に
粒子が収束し図3のAに示した凝集像と同様の像を示す
場合には、試料中に抗HBc抗体が存在しない(陰性)
と判定し、ウェル内に一様に粒子が広がり図3のBに示
した凝集像と同様の像を示す場合には、試料中に抗HB
c抗体が存在する(陽性)と判定した。
【0069】(v)測定結果 測定結果を表1に示した。
【0070】
【表1】
【0071】また、担体の第1列から第6列の第2ウェ
ルから第12ウェルまでの各ウェルの粒子の分布状態の
像を図2に示した。
【0072】
【図2】
【0073】遊離のHBc抗原を存在させていない第1
列、第3列及び第5列の測定では、いずれの試料におい
ても抗HBc抗体濃度が高い低希釈時には(第2ウェル
〜第4ウェル又は第5ウェル)、本来陽性であるものが
陰性となってしまっている。 (地帯現象)しかし、遊離のHBc抗原を存在させてい
る第2列、第4列及び第6列の測定では、いずれの試料
においても本来陽性のものが陰性となるような地帯現象
は見られない。これより、本発明による測定では、被検
物質が過剰に存在する試料であっても、地帯現象を防い
で正確に測定が行えることが確かめられた。
【0074】〔参考例〕 (本発明の作用の検証)本発明の作用が、過剰に存在す
る被検物質を遊離の特異的結合物質により捕捉するもの
であることを確かめる検証を行った。下記の3種類の測
定系(測定系A、測定系B及び測定系C)により抗HB
c抗体が過剰に存在する2種類の血清試料(血清試料1
及び血清試料2)を測定した。 測定系A:遊離HBc抗原非存在・過剰抗HBc抗体除
去処理無し 測定系B:遊離HBc抗原非存在・過剰抗HBc抗体除
去処理有り 測定系C:遊離HBc抗原存在 ・過剰抗HBc抗体除
去処理無し (1)測定系Aにおける測定 (i)試料希釈液の添加 上記実施例の(2)で調製したHBc抗原固定化担体の
第1列及び第4列の各ウェル(穴)に、試料の希釈液と
して0.5%カゼイン(メルク社製)を含む100mM
グリシン緩衝液(pH9.0)を25μLずつ加えた。
【0075】(ii)試料の段階希釈 次に、抗HBc抗体を過剰に含む血清試料1の25μL
をこの担体の第1列の第1ウェルに加え、また抗HBc
抗体を過剰に含む血清試料2の25μLをこの担体の第
4列の第1ウェルに加え、そしてこの各々の列の第1ウ
ェル中の液の25μLを第2ウェルに移し、これを第8
ウェルについてまで繰り返して行い、試料の段階希釈を
行った。
【0076】(iii)粒子の添加 この担体の第1列及び第4列の各ウェルに上記実施例の
(3)で調製したHBc抗原固定化粒子を25μLずつ
加えて、この担体を10秒間攪拌した。
【0077】(iv)ウェルの粒子の分布状態の確認 その後1時間静置した後、この担体の第1列及び第4列
の各ウェルの粒子の分布状態を目視により確認した。な
お、ウェルの底部に粒子が収束し図3のAに示した凝集
像と同様の像を示す場合には、試料中に抗HBc抗体が
存在しない(陰性)と判定し、ウェル内に一様に粒子が
広がり図3のBに示した凝集像と同様の像を示す場合に
は、試料中に抗HBc抗体が存在する(陽性)と判定し
た。 (2)測定系Bにおける測定 (i)試料希釈液の添加 上記実施例の(2)で調製したHBc抗原固定化担体の
第2列及び第5列の各ウェル(穴)に、試料の希釈液と
して0.5%カゼイン(メルク社製)を含む100mM
グリシン緩衝液(pH9.0)を25μLずつ加えた。
【0078】(ii)試料の段階希釈 次に、抗HBc抗体を過剰に含む血清試料1の25μL
をこの担体の第2列の第1ウェルに加え、そして抗HB
c抗体を過剰に含む血清試料2の25μLをこの担体の
第5列の第1ウェルに加え、そしてこの各々の列の第1
ウェル中の液の25μLを第2ウェルに移し、これを第
8ウェルについてまで繰り返して行い、試料の段階希釈
を行った。
【0079】(iii)過剰の抗HBc抗体の除去 この担体の第2列及び第5列の各ウェル中にある試料及
び試料希釈液をピペットで吸引して、過剰の抗HBc抗
体を除去した。そして、これらの各ウェルを0.5%カ
ゼイン(メルク社製)を含む100mMグリシン緩衝液
(pH9.0)で3回洗浄した。
【0080】(iv)粒子の添加 この担体の第2列及び第5列の各ウェルに上記実施例の
(3)で調製したHBc抗原固定化粒子を25μLずつ
加えて、この担体を10秒間攪拌した。
【0081】(v)ウェルの粒子の分布状態の確認 その後1時間静置した後、この担体の第2列及び第5列
の各ウェルの粒子の分布状態を目視により確認した。な
お、この分布状態の像の判定は上記(1)の(iv)の
測定系Aの場合と同様にして行った。 (3)測定系Cにおける測定 (i)試料希釈液の添加 上記実施例の(2)で調製したHBc抗原固定化担体の
第3列及び第6列の各ウェル(穴)に、試料の希釈液と
して0.5%カゼイン(メルク社製)を含む100mM
グリシン緩衝液(pH9.0)を25μLずつ加えた。
【0082】(ii)試料の段階希釈 次に、抗HBc抗体を過剰に含む血清試料1の25μL
をこの担体の第3列の第1ウェルに加え、そして抗HB
c抗体を過剰に含む血清試料2の25μLをこの担体の
第6列の第1ウェルに加え、そしてこの各々の列の第1
ウェル中の液の25μLを第2ウェルに移し、これを第
8ウェルについてまで繰り返して行い、試料の段階希釈
を行った。
【0083】(iii)遊離HBc抗原の添加 上記実施例の(1)で調製したHBc抗原を1μg/m
Lになるように0.5%カゼイン(メルク社製)を含む
100mMグリシン緩衝液(pH9.0)に溶解して遊
離HBc抗原液を調製した。そして、この遊離HBc抗
原液を上記(ii)の担体の第3列及び第6列の各ウェ
ルに25μLずつ加えて、この担体を10秒間攪拌し
た。
【0084】(iv)粒子の添加 この担体の第3列及び第6列の各ウェルに上記実施例の
(3)で調製したHBc抗原固定化粒子を25μLずつ
加えて、この担体を10秒間攪拌した。
【0085】(v)ウェルの粒子の分布状態の確認 その後1時間静置した後、この担体の第3列及び第6列
の各ウェルの粒子の分布状態を目視により確認した。な
お、この分布状態の像の判定は上記(1)の(iv)の
測定系Aの場合と同様にして行った。
【0086】(4)測定結果 上記(1)、(2)及び(3)の各測定系における測定
結果を表2に示した。
【0087】
【表2】
【0088】測定系A(第1列及び第4列)では、遊離
のHBc抗原を存在させておらず、かつ過剰の抗HBc
抗体の除去も行っていないので、抗HBc抗体濃度が高
い低希釈時には(第1ウェル〜第6ウェル又は第7ウェ
ル)、本来陽性であるものが陰性となってしまい、地帯
現象が生じてしまっている。しかし、測定系B(第2列
及び第5列)では、遊離のHBc抗原は存在させていな
いものの、過剰の抗HBc抗体は除去してしまっている
ので、本来陽性のものが陰性となるような地帯現象は見
られない。また、測定系C(第3列及び第6列)では、
過剰の抗HBc抗体の除去は行っていないが、遊離のH
Bc抗原を存在させているので、地帯現象は見られてい
ない。測定系Cは本発明の測定方法によるものである
が、ここで測定系に加えた遊離のHBc抗原は、担体に
固定されたHBc抗原に結合した試料よりの抗HBc抗
体には結合していないと考えられる。なぜなら、もし加
えた遊離のHBc抗原がこの抗HBc抗体に結合してい
るなら、後で加えたHBc抗原が固定された粒子はこの
担体にはもう結合できないはずであるが、実際は結合し
て陽性像を示している。従って本発明の測定方法におい
ては、加えた遊離のHBc抗原は固定されたHBc抗原
を介して担体に結合した抗HBc抗体に結合しているの
ではなく、つまり担体と粒子を架橋する役目を果たして
いるものではなく、測定系中に遊離状態で存在して過剰
の抗HBc抗体を捕捉し、これにより地帯現象が生じる
のを防いでいるものである。
【0089】
【発明の効果】本発明の試料中の被検物質の測定方法及
び測定試薬によれば、試料中に被検物質が過剰に存在し
ても地帯現象を防ぐことができ、よって陽性の試料を陰
性と誤って判定することを防止でき、そして特別な装置
を使用することなく、簡便かつ正確に試料中の被検物質
の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における作用を示した模式図である。
【図2】本発明による血清試料中の抗HBc抗体測定時
の担体の各ウェルの粒子の分布状態の像を示した写真で
ある。
【図3】試料中の被検物質の存在の有無を粒子の分布状
態により測定する測定方法における粒子の分布状態の像
を示した図である。
【図4】従来の方法における作用を示した模式図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 克郎 東京都豊島区上池袋一丁目37番1号 財団 法人癌研究会癌研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の被検物質に対する特異的結合物質
    が固定された面を有する担体の該面に試料を接触させる
    工程、及び被検物質に対する特異的結合物質であって前
    記担体に固定された特異的結合物質と同一又は異なる特
    異的結合物質が固定された粒子を前記面に接触させる工
    程を含む、前記面における前記粒子の分布状態から試料
    中の被検物質の存在の測定を行う測定方法において、前
    記担体に固定された特異的結合物質又は前記粒子に固定
    された特異的結合物質とは別に被検物質に対する特異的
    結合物質を前記工程の一方又は両方において存在させる
    ことを特徴とする、試料中の被検物質の測定方法。
  2. 【請求項2】試料中の被検物質に対する特異的結合物質
    が固定された面を有する担体の該面に試料を接触させる
    工程の後に、被検物質に対する特異的結合物質であって
    前記担体に固定された特異的結合物質と同一又は異なる
    特異的結合物質が固定された粒子を前記面に接触させる
    工程を行う、請求項1に記載の試料中の被検物質の測定
    方法。
  3. 【請求項3】試料中の被検物質に対する特異的結合物質
    が固定された面を有する担体の該面に試料を接触させる
    工程と、被検物質に対する特異的結合物質であって前記
    担体に固定された特異的結合物質と同一又は異なる特異
    的結合物質が固定された粒子を前記面に接触させる工程
    を同時に行う、請求項1に記載の試料中の被検物質の測
    定方法。
  4. 【請求項4】前記工程の一方又は両方において存在させ
    る被検物質に対する特異的結合物質が、担体に固定され
    た被検物質に対する特異的結合物質と同一である、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の試料中の被検物質の測
    定方法。
  5. 【請求項5】前記工程の一方又は両方において存在させ
    る被検物質に対する特異的結合物質が、粒子に固定され
    た被検物質に対する特異的結合物質と同一である、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の試料中の被検物質の測
    定方法。
  6. 【請求項6】前記工程の一方又は両方において存在させ
    る被検物質に対する特異的結合物質が、担体に固定され
    た被検物質に対する特異的結合物質及び粒子に固定され
    た被検物質に対する特異的結合物質のいずれとも異な
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の試料中の被検
    物質の測定方法。
  7. 【請求項7】担体が測定容器である、請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の試料中の被検物質の測定方法。
  8. 【請求項8】被検物質が抗原であり、被検物質に対する
    特異的結合物質が前記抗原に対する抗体である、請求項
    1〜7のいずれか1項に記載の試料中の被検物質の測定
    方法。
  9. 【請求項9】被検物質が抗体であり、被検物質に対する
    特異的結合物質が前記抗体に対する抗原又は抗体であ
    る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の試料中の被検
    物質の測定方法。
  10. 【請求項10】被検物質が抗B型肝炎ウイルス・コア抗
    体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の試料中
    の被検物質の測定方法。
  11. 【請求項11】少なくとも、試料中の被検物質に対する
    特異的結合物質が固定された面を有する担体、被検物質
    に対する特異的結合物質であって前記担体に固定された
    特異的結合物質と同一又は異なる特異的結合物質が固定
    された粒子、及び遊離の被検物質に対する特異的結合物
    質より構成される、試料中の被検物質の測定試薬。
  12. 【請求項12】遊離の被検物質に対する特異的結合物質
    が、担体に固定された被検物質に対する特異的結合物質
    と同一である、請求項11に記載の試料中の被検物質の
    測定試薬。
  13. 【請求項13】遊離の被検物質に対する特異的結合物質
    が、粒子に固定された被検物質に対する特異的結合物質
    と同一である、請求項11又は12に記載の試料中の被
    検物質の測定試薬。
  14. 【請求項14】遊離の被検物質に対する特異的結合物質
    が、担体に固定された被検物質に対する特異的結合物質
    及び粒子に固定された被検物質に対する特異的結合物質
    のいずれとも異なる、請求項11に記載の試料中の被検
    物質の測定試薬。
  15. 【請求項15】担体が測定容器である、請求項11〜1
    4のいずれか1項に記載の試料中の被検物質の測定試
    薬。
  16. 【請求項16】被検物質が抗原であり、被検物質に対す
    る特異的結合物質が前記抗原に対する抗体である、請求
    項11〜15のいずれか1項に記載の試料中の被検物質
    の測定試薬。
  17. 【請求項17】被検物質が抗体であり、被検物質に対す
    る特異的結合物質が前記抗体に対する抗原又は抗体であ
    る、請求項11〜15のいずれか1項に記載の試料中の
    被検物質の測定試薬。
  18. 【請求項18】被検物質が抗B型肝炎ウイルス・コア抗
    体である、請求項11〜17のいずれか1項に記載の試
    料中の被検物質の測定試薬。
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