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JPH10231963A - ブラスメッキワイヤ補強層と熱可塑性エラストマー組成物からなるホースおよびその製造方法 - Google Patents

ブラスメッキワイヤ補強層と熱可塑性エラストマー組成物からなるホースおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH10231963A
JPH10231963A JP3472497A JP3472497A JPH10231963A JP H10231963 A JPH10231963 A JP H10231963A JP 3472497 A JP3472497 A JP 3472497A JP 3472497 A JP3472497 A JP 3472497A JP H10231963 A JPH10231963 A JP H10231963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hose
reinforcing layer
brass
thermoplastic resin
elastomer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3472497A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Irii
井 代 輔 入
Noriaki Kuroda
田 紀 明 黒
Takashi Sato
藤 孝 志 佐
Jiro Watanabe
邊 次 郎 渡
Takeshi Kawaguchi
口 剛 川
Shigeru Yamauchi
内 茂 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP3472497A priority Critical patent/JPH10231963A/ja
Priority to PCT/JP1997/003987 priority patent/WO1998020068A1/ja
Priority to US09/101,204 priority patent/US6166143A/en
Priority to KR1019980705178A priority patent/KR100285667B1/ko
Priority to DE69719484T priority patent/DE69719484D1/de
Priority to EP19970909719 priority patent/EP0870800B1/en
Publication of JPH10231963A publication Critical patent/JPH10231963A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L58/00Protection of pipes or pipe fittings against corrosion or incrustation
    • F16L58/02Protection of pipes or pipe fittings against corrosion or incrustation by means of internal or external coatings
    • F16L58/04Coatings characterised by the materials used
    • F16L58/08Coatings characterised by the materials used by metal

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内管、外管および補強層が強固に接着され、良
好な耐久性と、高い柔軟性を併せ持ち、これらの特性が
高圧下でも優れるホースとその製造方法の提供。 【解決手段】内管と、少なくとも一層の補強層と、外管
とを有するホースであって、内管および外管が熱可塑性
樹脂の中に少なくともその一部が架橋されたエラストマ
ー成分が分散してなる熱可塑性エラストマー組成物を含
有し、補強層がブラスメッキワイヤであり、補強層と内
管との間、および、補強層と外管との間に、マレイン酸
変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を有することを特徴
とするホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物とブラスメッキワイヤ補強層との接合が強固
で、耐久性、柔軟性に優れたホースに関する。
【0002】
【従来の技術】内管、補強層、および外被層をこの順に
管状に積層してなるプラスチックホースであって、内管
にナイロン、ポリエステルエラストマー、ポリアセター
ル、ウレタン等の樹脂を用い、補強層に亜鉛メッキ硬鋼
線等を用い、各層間に官能基を有するポリオレフィン樹
脂層を介在させたプラスチックホースが、特開昭55−
97948号公報に開示されている。また、スチールワ
イヤの表面をトリアジンチオール誘導体で処理し、耐食
性およびゴムとの接着性が向上したスチールワイヤが、
特公平7−122225号公報に開示されている。しか
しこれまで、これらの技術が熱可塑性樹脂中に架橋され
たエラストマーを分散する熱可塑性エラストマー組成物
に適用された例は、知られていない。一方、ホース内層
と外被の間に、エポキシ樹脂等をコーティングした接着
用のシートや合成樹脂シートをはさむ2層のワイヤ補強
層を有するワイヤ補強プラスチックホースであって、ワ
イヤ被覆後、誘導加熱によりワイヤと接着用シート、外
被を接着させるワイヤ補強プラスチックホースの製造方
法が、特開昭54−159468号公報に開示されてい
る。これらのホースは、内管、外管にナイロン、ポリエ
ステル、ポリウレタン等の樹脂を用いたホースであり、
また、このような樹脂ホースを対象とした製造方法であ
る。しかしながら、ナイロン、ポリエステル、ポリウレ
タン等を用いたホースは、柔軟性や耐久性が十分ではな
かった。これまで、熱可塑性樹脂中に架橋されたエラス
トマーを分散する熱可塑性エラストマー組成物を用いた
ワイヤ補強ホースは知られておらず、柔軟で耐久性に優
れた熱可塑性樹脂を用いたワイヤ補強ホースの開発が望
まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情を
鑑みて成されたものであり、その目的は、内管、外管お
よび補強層が強固に接着され、良好な耐久性と、高い柔
軟性を併せ持ち、これらの特性が高圧下でも優れるホー
スとその製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、内
管と、少なくとも一層の補強層と、外管とを有するホー
スであって、内管および外管が熱可塑性樹脂の中に少な
くともその一部が架橋されたエラストマー成分が分散し
てなる熱可塑性エラストマー組成物を含有し、補強層が
ブラスメッキワイヤであり、補強層と内管との間、およ
び、補強層と外管との間に、マレイン酸変性ポリオレフ
ィン系熱可塑性樹脂を有するホースを提供する。
【0005】前記ブラスメッキワイヤが含硫黄トリアジ
ン化合物で処理されてなるブラスメッキワイヤであるこ
とが好ましい。
【0006】また、前記ホースを製造する方法におい
て、前記補強層を被覆した後、高周波誘導加熱によって
ブラスメッキワイヤを加熱し、前記マレイン酸変性ポリ
オレフィン系熱可塑性樹脂とブラスメッキワイヤを接合
させるワイヤ補強ホースの製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明のホースは、少なくとも内管と補強
層と外管とを有するホースであって、各層間は接着層で
接合される。内管、外管は、それぞれ一層でも多層で形
成されていてもよく、補強層は一層でも多層でもよい。
本発明のホースについて、添付の図面に記載の1実施態
様例に基づいて説明する。図1は、本発明のホースの各
層を切り欠いて示す説明用正面図である。ホース1は、
内管2、補強層3、および外管4を有し、補強層と内管
との層間、補強層と外管との層間にそれぞれ接着層5、
6を有する。本発明のホース1の内管2と外管4は、熱
可塑性樹脂の中に少なくともその一部が架橋されたエラ
ストマー成分が分散してなる熱可塑性エラストマー組成
物を含有し、補強層3はブラスメッキワイヤを編み組み
してなり、内管および外管と補強層との層間の接着層
5、6は、マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有
する。
【0008】内管2、外管4に含有される熱可塑性エラ
ストマー組成物は、熱可塑性樹脂マトリックス相にエラ
ストマー成分を分散させたエラストマー成分の少なくと
も一部が架橋してなる熱可塑性エラストマー組成物であ
れば特に限定されない。
【0009】上記熱可塑性樹脂マトリックス相として用
いられる熱可塑性樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂ま
たはその組成物が利用可能である。すなわち、単独の熱
可塑性樹脂あるいは組成物であっても、あるいは、それ
らの混合物からなる組成物であってもよい。具体的に
は、ポリオレフィン系樹脂(例えば、高密度ポリエチレ
ン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWP
E)、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタク
チックポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体樹
脂)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6(N
6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N4
6)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N1
2)、ナイロン610(N610)、ナイロン612
(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/6
6)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66
/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン
6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP
共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、ポリエス
テル系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共
重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフ
タレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシア
ルキレンジイミドジ酸/ポリブチレートテレフタレート
共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系
樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ
メタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重
合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合
体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合
体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えば、ポリメタク
リル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチ
ル)、ポリビニル系樹脂(例えば、酢酸ビニル(EV
A)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコ
ール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリ
デン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビ
ニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチ
ルアクリレート共重合体)、セルロース系樹脂(例え
ば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系
樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレ
ン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/エチレン
共重合体(ETFE))、イミド系樹脂(例えば、芳香
族ポリイミド(PI))、熱可塑性エラストマー(例え
ば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマ
ー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラスト
マー)などを挙げることができる。
【0010】上記熱可塑性樹脂マトリックス相に分散す
るエラストマー成分は、少なくとも一部が架橋されたも
のである。該エラストマー成分として利用されるものと
しては、ジエン系ゴムおよびその水添物(例えば、N
R、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シス
BRおよび低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素
化SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロ
ピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチ
レンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチ
レンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、ア
クリルゴム(ACM)、含ハロゲンゴム(例えば、Br
−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチ
レン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、CR、ヒ
ドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸
変性塩素化ポリエチレン(M−CM)、シリコンゴム
(例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコ
ンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオ
ウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム
(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビ
ニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピ
レン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスフ
ァゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチ
レン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エス
テル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー)が挙げられる。
【0011】特に、EPM系ゴムやEPDM系ゴム(あ
るいはこれらを含むゴム組成物)等のオレフィン系ゴム
(組成物)が、後述する本発明の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法による混練加工時や、本発明の熱可塑
性エラストマー組成物を用いた押出成型や射出成型等の
成型加工時における良好な熱安定性等の理由で好適に利
用される。中でも特に、エチレンおよびプロピレン、あ
るいはさらに若干のジシクロペンタジエン、エチリデン
ノルボーネン、1,4−ヘキサジエン等の若干のジエン
成分を有する2元または3元共重合体であるEPMおよ
び/またはEPDM、さらにこれらEPMおよび/また
はEPDMを無水マレイン酸等で変性してなるマレイン
酸変性EPMおよび/またはEPDMは好適に利用可能
である。具体的には、三井石油化学社製の三井EPT4
070等の市販品を用いることができる。
【0012】本発明の熱可塑性エラストマー組成物中の
エラストマー成分は、少なくともその一部が架橋されて
いるものである。エラストマー成分を架橋する方法は、
特に限定されず、従来公知の方法によればよいが、例え
ば、熱可塑性樹脂成分と架橋剤を含まないエラストマー
成分とを二軸混練押出機等で溶融混練し、熱可塑性樹脂
マトリックス相中にエラストマー成分を分散相(ドメイ
ン)として分散させながら、エラストマー成分を架橋さ
せる架橋剤を添加し、混練中に動的に架橋させることに
より形成することができる。また、動的な架橋として
は、上記方法の他に、イオウ系、有機過酸化物系、金属
酸化物系、フェノール樹脂、キノンジオキシム等の架橋
剤を用いて温度150〜300℃で架橋させることもで
きる。
【0013】加橋剤の種類や動的な加橋条件(温度、時
間)等は、エラストマー成分の組成に応じて適宜決定す
ればよく、特に限定はない。加橋剤としては、上記のも
のを用いることができるが、より詳細には、イオウ系加
橋剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオ
ウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジ
サルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が
例示される。その添加量は例えば、エラストマー100
重量部に対して0.5〜4重量部程度を用いればよい。
また、有機過酸化物系の加橋剤としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシル
ベンゾエート)等が例示され、例えば、エラストマー1
00重量部に対しては1〜15重量部程度を用いればよ
い。さらに、フェノール樹脂系の加橋剤としては、アル
キルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプ
レン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを
含有する混合架橋系等が例示され、例えばエラストマー
100重量部に対して1〜20重量部程度を用いればよ
い。その他として、亜鉛華(5重量部程度)、酸化マグ
ネシウム(4重量部程度)、リサージ(10〜20重量
部程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキ
ノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポ
リ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10重量部程度)、
メチレンジアニリン(0.2〜10重量部程度)が例示
される。
【0014】また、必要に応じて、加橋促進剤を添加し
てもよい。加橋促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加橋促進剤を、例えば0.5〜2重量部程度用いれ
ばよい。
【0015】具体的には、アルデヒド・アンモニア系加
橋促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グ
アニジン系加橋促進剤としては、ジフェニルグアニジン
等が;チアゾール系加橋促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチ
アゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩2
−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が;
スルフェンアミド系加橋促進剤としては、シクロヘキシ
ルベンゾチアゾリルスルフェンアマイドCBS)、N−
オキシジエチレンベンゾチアゾリル−2−スルフェンア
マイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチ
アゾール等が;チウラム系加橋促進剤としては、テトラ
メチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエ
チルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系加橋促進剤と
しては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジ
エチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチ
オカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメ
ート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメ
チルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバ
メート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等
が;チオウレア系加橋促進剤としては、エチレンチオウ
レア、ジエチルチオウレア等が; それぞれ開示され
る。
【0016】また、加橋促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5重量部程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこ
れらのZn塩(2〜4重量部程度)等を用いればよい。
【0017】エラストマー成分には、これ以外にも、老
化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の
着色剤、他の可塑剤、カーボンブラッックやシリカ等の
補強剤が必要に応じて含まれていてもよい。尚、熱可塑
性樹脂成分やエラストマー成分への各種配合剤(架橋剤
は除く)は、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分の混
練中に添加してもよいし、混練前に予め混合しておいて
もよい。
【0018】熱可塑性エラストマー組成物の熱可塑性樹
脂マトリックス相を形成する熱可塑性樹脂成分と、エラ
ストマー成分との割合には、特に制限はないが、好まし
くは熱可塑性樹脂の重量に対して、エラストマー成分が
10〜90重量%である。熱可塑性樹脂の配合量が多い
と、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が低
下してくる。逆に少なすぎると、熱可塑性エラストマー
組成物の溶融流動性が低下し、成形加工が困難となり更
に過度に少ない場合には、連続相としてこの熱可塑性樹
脂成分が、分散相(ドメイン)としてのエラストマー成
分を物理的に包みきれず、混練が困難となる傾向があ
る。
【0019】熱可塑性エラストマー組成物には、一般に
プロセス油もしくはエクステンダー油とよばれる石油系
軟化剤、可塑剤を添加してもよい。石油系軟化剤は、使
用するポリマーの加工時の粘度低減、架橋後もしくは加
工後製品の硬度低減、又は高温、低温特性等の物理特性
制御に使用される。石油系軟化剤は、重質油の精製によ
って得られ、含有する成分の違いにより、アルキルアロ
マチック系油、アルキルナフテニック系油、パラフィン
系油に大別され、使用するポリマーとの相溶性との関係
で適宜熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分の種類によ
り、これらの又はこれらの混合物で適するものを使用す
ればよい。また、上記プロセス油の一態様として、一般
に、ゴム及び熱可塑性樹脂に使用されている可塑剤とし
て高沸点のエステル類又は化学構造が使用するポリマー
と類似する液状化合物が好適に使用され得る。
【0020】これらの可塑剤は、ジオクチルフタレート
(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソデ
シルフタレート(DIDP)、ジイソノニルフタレート
(DINP)、ジオクチルアジペート(DOP)等の所
謂フタール酸エステル系可塑剤か;また、エポキシ化大
豆油、エポキシ化脂肪酸エステル等のエポキシ系の可塑
剤か;また、、塩素化脂肪酸エステル、塩素化パラフィ
ン等の塩素化系可塑剤か;また、トリクレジルフォスフ
ェート(TCP)、トリ−β−クロロエチルホスフェー
ト(TCEP)等の燐酸系可塑剤;ジオクチルアジペー
ト(DOA)、ジデシルアジペート(DDA)等のアジ
ピン酸系可塑剤、ジブチルセバケート(DBS)等のセ
バチン酸系可塑剤;ジオクチルアゼレート(DOZ)等
のアゼライン酸系可塑剤;トリエチル・シトレート(T
EC)等のクエン酸系可塑剤;ポリプロピレン、アジペ
ート(PPA)等のポリエステル系可塑剤が各々また
は、ブレンドされた状態で、好適に使用できる。耐熱性
を有する可塑剤、軟化剤であれば特に限定されないが、
好ましくはJIS K6220に示す、加熱減量が10
0℃×3時間で1%以下の低揮発性可塑剤、軟化剤が良
好な熱時特性を示すものとして好ましい。かかる特性を
示す軟化剤、可塑剤としては、上記軟化剤、可塑剤の組
成で、前記加熱減量を満足するものであればいずれでも
よいが、特に好ましくは、高沸点アロマ系軟化剤、パラ
フィン系軟化剤ナフテン系軟化剤及び、DIDP、DT
DP等のフタル酸系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポ
キシ系可塑剤及びTCEP等の燐酸系可塑剤が好適に使
用し得る。
【0021】上記プロセス油は、熱可塑性樹脂成分とエ
ラストマー成分の和100重量部に対して5〜100重
量部、好ましくは5〜80重量部、添加することができ
る。5重量部未満であると十分な柔軟性が得られず、1
00重量部より多いと熱可塑性樹脂成分、エラストマー
成分との混合が困難になる。
【0022】上記構成以外にも、例えば、本発明の熱可
塑性エラストマー組成物において熱可塑性樹脂成分とエ
ラストマー成分の相溶性が異なる場合には相溶化剤を用
いて両者を相溶化してもよい。系に相溶化剤を混合する
ことにより、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との
界面張力が低下し、その結果エラストマー分散相の粒子
が微細になることから両成分の特性はより有効に発現さ
れることになる。そのような相溶化剤としては一般に熱
可塑性樹脂成分とエラストマー成分の両方または片方の
構造を有する共重合体、あるいは熱可塑性樹脂成分また
はエラストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニ
ル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基
等を有した共重合体の構造を採るものとすることができ
る。これらは混合される熱可塑性樹脂成分またはエラス
トマー成分の種類によって選定すればよいが、通常使用
されるものにはスチレン・エチレン・ブチレンブロック
共重合体(SEBS)およびそのマレイン酸変成物、E
PM、EPDMのマレイン酸変成物、EPDM・スチレ
ンまたはEPDM・アクリロニトリルグラフト共重合体
およびそのマレイン酸変成物、スチレン/マレイン酸共
重合体、反応性フェノキシ樹脂等を挙げることができ
る。
【0023】熱可塑性エラストマー組成物は、これ以外
にも、加硫促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料や染料等の着色剤、他の可塑剤、カーボンブ
ラッックやシリカ等の補強剤及び加工助剤を必要に応じ
て添加・混練してもよい。
【0024】本発明のホースにおける補強層は、ブラス
メッキワイヤが用いられる。ブラスメッキワイヤは、例
えば、ブレード状、スパイラル状に編み組みされて形成
することができる。補強層のブラスメッキワイヤは、下
記式により表される含硫黄トリアジン化合物により処理
されているのが好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】式中、Rは、−OR’、−SR’、−NH
R’、−N(R’)2 、;R’はH、アルキル基、アル
ケニル基、フェニル基、フェニルアルキル基、アルキル
フェニル基、またはシクロアルキル基、MはH、Na、
Li、K、1/2Mg、1/2Ba、1/2Ca、脂肪
族1級、2級もしくは3級アミン、第4級アンモニウム
塩、またはホスホニウム塩を表す。具体的には、1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール・ジエ
タノールアミン、6−ジブチルアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール・モノエ
チレンジアミン、6−ジブチルアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジチオール・モノエタノールアミン
等を挙げることができる。
【0027】ブラスメッキワイヤの表面が上記含硫黄ト
リアジン化合物で処理されていると、ワイヤの耐食性、
およびエラストマー組成物に対する接着性が改善され
る。ブラスメッキワイヤの表面を上記含硫黄トリアジン
化合物で処理する方法(以下、トリアジン処理と記す)
は、特に限定されず、特公平7−122225号公報等
に開示される従来公知の方法によればよい。例えば、含
硫黄トリアジン化合物を含有する潤滑剤中でワイヤを伸
線する方法、含硫黄トリアジン化合物の溶液にワイヤと
対向電極とを浸漬し両者の間に電圧を印可する方法等が
挙げられる。
【0028】本発明のホースは、補強層と内管との層
間、および、補強層と外管との層間に、マレイン酸変性
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含有する接着層を有す
る。また、ホース耐久性の向上のために、補強層が複数
ある場合には、補強層間の少なくとも1層に本発明のマ
レイン酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を含有する
接着層を設けてもよい。ここで、変性されるポリオレフ
ィン樹脂としては、例えばアイソタクティック、シンジ
オタクティックあるいはエチレン等とのランダムあるい
はブロック共重合体等のポリプロピレン樹脂(PP)、
高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDP
E)等のポリエチレン樹脂やエチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共
重合体(EMA)等の一般的なポリオレフィン系樹脂を
用いることができる。
【0029】これらのポリオレフィン樹脂をマレイン酸
または無水マレイン酸で変性する方法は特に限定される
ものではなく、従来から公知の方法で行うことができる
が、例えば、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、単
軸押出機または二軸混練押出機を用い、ポリプロピレン
にマレイン酸、または、さらに無水マレイン酸、過酸化
物を加えて混練し、グラフト化反応を行うことで得るこ
とができる。マレイン酸変性率は、好ましくはマレイン
酸基換算で0.1〜10重量%とする。
【0030】本発明において好適な接着を得るには、1
90℃、荷重2.16kgf、オリフィス径1mmおよ
び10分間の測定条件で測定したメルトインデックスが
30g/10分以下のポリエチレン樹脂のマレイン酸変
性樹脂であるのが好ましく、メルトインデックスが20
〜0.5/10分であるのがさらに好ましい。
【0031】本発明の接着層として、マレイン酸変性ポ
リオレフィン系熱可塑性樹脂に加えて、エポキシ変性ポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂をブレンドし
た樹脂を用いることもでき、ブレンド樹脂の重量比はマ
レイン酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としての効
果が損なわれない範囲内で適宜決めることができる。
【0032】次に、本発明のホースの製造方法を、添付
の図面に記載の1実施態様例に基づいて説明する。図2
は、本発明のホースの製造工程の概略を示す概略図であ
る。本発明のホースは例えば、次のようにして製造する
ことができる。すなわち、図2に示すように、予め離型
剤を塗布したマンドレル7上に、内管材用押出機8から
内管用の熱可塑性エラストマー組成物を、その上に、接
着剤用押出機9から接着層を、同時に2層押出して、内
管成形用ダイス10内でチューブ状に成形を行って、内
管11を形成する。このとき、内管を予め押出した後、
接着層を内管の上に押出成形してもよい。次に、内管1
1と接着層の上に補強層成形機12を用いて補強層13
を形成するが、補強層13は、ブラスメッキワイヤを複
数本引きそろえてスパイラル状あるいはブレード状に編
み組みし形成される。ブラスメッキワイヤは、編み組み
する前に含硫黄トリアジン化合物で処理するのが好まし
い。このトリアジン処理を行うと、ワイヤの耐食性、ワ
イヤのエラストマー組成物に対する接着性がさらに高く
なる。次に、補強層13を形成し終えたホースに、高周
波誘導加熱装置14で高周波を印可し、補強層13の補
強用のワイヤに0.1〜5秒間、局部加熱を施す。この
時、ブラスメッキワイヤよりなる補強層13は100〜
350℃に加熱され接着層を溶融させて、十分接合させ
ることが可能となる。尚、補強材のワイヤの加熱は、高
周波炉を用いた誘導加熱の他、熱風加熱、赤外線加熱で
も行うことができる。加熱処理すると、接着層とワイヤ
が十分に接合しホースの耐久性が向上する。中でも特
に、高周波誘導加熱を行うと、ワイヤと接触している接
着層表面だけを部分溶融することができ補強層13と接
着層とを物理的、化学的に強固に接着させられるととも
に、材料の劣化も少ない。さらに、加熱による溶融が瞬
時に行われるので作業効率も高いというメリットが得ら
れる。最後に、十分に加熱された補強層13の上に、内
管同様に、接着剤用押出機16から接着層を、その上
に、外管材用押出機17から外管用の熱可塑性エラスト
マー組成物を同時に2層押出して、外管成形用ダイス1
5内でホース状に成形を行って、外管18を形成する。
外管成形時に、まず接着層を押出した後、外管用の熱可
塑性エラストマー組成物を押出し、外管18を形成して
もよい。また、図2においては、ブラスメッキワイヤ補
強層13の高周波誘導加熱は、外管18を形成する前に
行っているが、外管18を被覆した後に行っても、同様
に、外管18と接着層の間は強固に接着される。このよ
うにしてホースを形成した後にマンドレル7を除去する
ことにより所望のホースが得られる。
【0033】上述の製造方法で得られる本発明のホース
は、以下の特性を持つ。本発明のホースの製造方法にお
いては、通常のゴムホース等のホースのように後加硫工
程が不必要なので、製造工程が簡略化でき、ゴムホース
の製造より簡略である。後加硫工程が不必要なので加熱
時の熱による収縮変形等がなく、ホースの寸法が維持し
やすい。内管、外管には、プラスチックではなく、柔軟
な熱可塑性エラストマー組成物を用いているので、硬い
ワイヤブレードを補強層として用いても柔軟なホースと
なる。接着層にマレイン酸変性ポリオレフィン系熱可塑
性樹脂を用いるので、内管、外管と補強層との接合が強
固であり、耐久性に優れる。補強層に、従来用いられて
いた亜鉛メッキワイヤより強度の高いブラスメッキワイ
ヤを用いることにより、ホースの耐久性が向上する。さ
らに、ブラスメッキワイヤを含硫黄トリアジン化合物で
表面処理することにより、ワイヤの耐蝕性、およびワイ
ヤの内管、外管に対する接着性、ホースの耐久性がさら
に向上する。補強層形成後、もしくは外管形成後、接着
層の加熱を行うが、高周波誘導加熱を選択することによ
り、赤外線加熱、熱風加熱等の加熱方法に較べて、熱を
ワイヤ表面ではじいたり、失うことなく、接着層を加熱
することができ、作業性がよい。また、接着層の加熱も
均一にできる。
【0034】従って、本発明のホースは、高温高圧環境
下で長時間使用による耐久性が要求される高圧ホースと
して用いることができ、例えば、建設機械、自動車等の
耐油ホース、パワーステアリングホース、ウォータージ
ェット用ホース等として用いることができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。熱可塑性エラストマーの作製 ゴム組成物、熱可塑性コポリエステルエラストマー、相
溶化剤および架橋剤を用い、以下のようにして、表1に
示される配合の熱可塑性エラストマー組成物(ACM/
COPE)を作製した。表中、単位は〔重量部〕であ
る。
【0036】 1)ハイトレル5556、デュポン社製 2)ACM/ステアリン酸/FEF級カーボンブラック
/老化防止剤(イルガノックス1010、日本チバガイ
ギー社製)=100/2/40/3.3(重量比) 3)ブタンテトラカルボン酸、三井東圧ファイン社製 4)ボンドファースト7L、住友化学社製
【0037】ゴム組成物は、ACM、ステアリン酸、カ
ーボンブラック、老化防止剤を密閉式のゴム用バンバリ
ーミキサに投入して混練し、次いで、ゴム用ロールを用
いてシート状にした後、ゴム用ペレタイザーでペレット
状にして作製した。次に、熱可塑性コポリエステルエラ
ストマー、前記ペレット状のゴム、および相溶化剤を2
軸混練押出機に投入し、十分に混練した後、架橋剤を連
続的に投入することにより熱可塑性コポリエステルエラ
ストマーからなるマトリックス中にドメインとして分散
しているゴム成分を動的に架橋した。混練条件は、混練
温度250℃、剪断速度1000秒-1で、動的架橋終了
後、2軸混練押出機から連続的にストランド状に排出
し、水冷後、カッターで長さ約3mm(直径約2mm)
に切断し、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を
得た。
【0038】ホースの作製 (実施例1)上記方法で作製された共重合ポリエステル
樹脂に架橋されたアクリルゴムが分散する熱可塑性エラ
ストマー組成物(ACM/COPE)と接着剤とを、ポ
リエステルマンドレル上に2層押出して、内管(内径
9.5mm)を形成し、その上にブラスメッキワイヤ
(直径0.25mm)をブレード状に編み組みして補強
層を形成し、これを、赤外線により加熱した。赤外線に
よる加熱温度は140℃、ライン速度は0.5m/分と
した。さらに、加熱された補強層上に、接着剤、およ
び、ポリプロピレン樹脂に一部架橋されたエチレン・プ
ロピレン・ジエン共重合ゴムが分散した熱可塑性エラス
トマー組成物(EPDM/PP、サントプレーン101
−73、AES社製)を2層押出しして、外管(外径1
6.9mm)を形成した。なお、内管と補強層、およ
び、外管と補強層との間の接着層にはマレイン酸変性ポ
リプロピレン樹脂を用いた。
【0039】(実施例2)内管に、ポリプロピレン樹脂
に一部架橋されたアクリロニトリル・ブタジエンゴムが
分散する熱可塑性エラストマー組成物(NBR/PP、
ジオラスト701−70、AES社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にホースを作製した。 (実施例3)内管に実施例2で用いたのと同じNBR/
PPエラストマー組成物を用い、接着層にマレイン酸変
性高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂を用い、加熱方
法として高周波炉により誘導加熱を行った以外は、実施
例1と同様にホースを作製した。なお、高周波炉の2次
電力は15kw、加熱温度は180℃、ライン速度は5
m/分とした。
【0040】(実施例4)内管に実施例2で用いたのと
同じNBR/PPエラストマー組成物を用い、接着層に
マレイン酸変性線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
樹脂を用い、加熱方法として熱風加熱を行った以外は、
実施例1と同様にホースを作製した。なお、熱風加熱に
よる加熱温度は120℃、ライン速度は1m/分とし
た。 (実施例5)内管に実施例2で用いたのと同じNBR/
PPエラストマー組成物を用い、補強層にトリアジン処
理したブラスメッキワイヤを用いた以外は、実施例1と
同様にホースを作製した。 (実施例6)実施例5と同様にして、ただし補強層の加
熱は2次電力15kw、ライン速度5m/分で誘導加熱
を行った。得られたホースの耐久性、曲げ硬さは、実施
例5とほぼ同じ値が得られたが、実施例6の誘導加熱
は、実施例5の赤外線加熱に比べて1/10の時間で接
着層を介した補強層とその他の層との十分な接着が得ら
れた。
【0041】(従来例1)アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴムにて内管(内径9.5mm)をマンドレル上に押
出成形し、次いでブラスメッキワイヤ(直径0.25m
m)をブレード状に編み組みして補強層を形成した。そ
の後、クロロプレンゴムからなる外管(外径16.9m
m)を押出形成し、これを、150℃(20kg/cm
2 )×45分の条件で加硫接着した。
【0042】(比較例1)ナイロン11(リルサンBE
SNOTL、アトケム社製)と接着剤を2層押出して、
内管(内径9.5mm)を形成し、次いで亜鉛メッキワ
イヤ(直径0.25mm)をブレード状に編み組みして
補強層を形成した。その後、これを実施例3と同様にし
て高周波炉にて誘導加熱した。さらに、この上に接着剤
とポリウレタン(エステン58311、協和発酵社製)
とを2層押出して、外管(外径16.9mm)を形成し
た。なお、内管と補強層、および、外管と補強層との間
の接着層には、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を用
いた。 (比較例2)補強層にブラスメッキワイヤ(直径0.2
5mm)を用い、加熱方法として赤外線加熱を行った以
外は、比較例1と同様にしてホースを作製した。
【0043】(比較例3)内管に、ポリプロピレン樹脂
に一部架橋されたアクリロニトリル・ブタジエンゴムが
分散する熱可塑性エラストマー組成物(NBR/PP)
を用い、外管にポリプロピレン樹脂に一部架橋されたエ
チレン・プロピレン・ジエン共重合ゴムが分散した熱可
塑性エラストマー組成物(EPDM/PP)を用いた以
外は、比較例1と同様にしてホースを作製した。 (比較例4)内管に比較例3と同様にNBR/PPエラ
ストマー組成物を、外管に比較例3と同様にEPDM/
PPエラストマー組成物を、補強層にブラスメッキワイ
ヤを、接着層にポリプロピレン(PP)樹脂を用いた以
外は、比較例1と同様にしてホースを作製した。
【0044】なお、実施例、比較例で接着層として用い
た樹脂は以下のとおりである。 PP;トクヤマ社製、RB121D マレイン酸変性PP;三井石油化学社製、QB540 マレイン酸変性HDPE;三井石油化学社製、HB50
0 マレイン酸変性LLDPE;三井石油化学社製、NB5
50
【0045】ホースの物性 実施例1〜6、従来例1、比較例1〜4で作製したホー
スについて下記の物性を測定評価した。 (1)ホースの耐久性 耐久試験は、SAE J188 タイプ1に準拠して実
施した。油は、オートマルチ油を用い、温度100℃、
圧力140kg/cm2 の条件で繰り返し衝撃圧を加え
た。従来例1で作製したホースに異常が発生するまでの
回数を100とし、実施例1〜6、比較例1〜4で作製
したホースについて 加圧回数の相対値を求めた。 (2)ホースの曲げ硬さ 所定の半径(曲げ半径)を有する円弧に沿ってホースを
曲げ、曲げ力(曲げるために必要な荷重)を測定した。
曲げ半径は、ホース半径の10倍(10D)から測定し
始め、3倍まで順次曲げ力を2回測定し、その平均をと
った。この結果得られた曲げ力と半径との関係をプロッ
トした曲線より、規定の半径(4倍、4D)の時の曲げ
力を読み取った。従来例1で作製したホースの4Dの時
の曲げ力を100として、実施例1〜6、比較例1〜4
で作製したホースが同様に変形するために必要な曲げ力
を相対値として示した。結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ホースの内管、外管と
に熱可塑性樹脂の中に少なくともその一部が架橋された
エラストマー成分が分散してなる熱可塑性エラストマー
組成物を含有することにより、樹脂ホースに比較して優
れた柔軟性が得られる。また、接着層にマレイン酸変性
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を用いることにより、高
い接着力が得られ、ホースの耐久性が向上する。補強層
にトリアジン処理したブラスメッキワイヤを用いれば、
さらに接着力が向上し、ホース製造時、加熱法として高
周波誘導加熱を行なえば、内管、外管とワイヤとの接合
を時間をかけずに強固なものとすることができ、作業性
が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホースの一例を示す模式図である。
【図2】 本発明のホースの製造方法の一例を示す概略
図である。
【符号の説明】 1 ホース 2 内管 3 補強層 4 外管 5、6 接着層 7 マンドレル 8 内管材用押出機 9 接着剤用押出機 10 内管成形用ダイス 11 内管 12 補強層成形機 13 補強層 14 高周波誘導加熱装置 15 外管成形用ダイス 16 接着剤用押出機 17 外管材用押出機 18 外管
フロントページの続き (72)発明者 渡 邊 次 郎 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 川 口 剛 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 山 内 茂 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内管と、少なくとも一層の補強層と、外管
    とを有するホースであって、内管および外管が熱可塑性
    樹脂の中に少なくともその一部が架橋されたエラストマ
    ー成分が分散してなる熱可塑性エラストマー組成物を含
    有し、補強層がブラスメッキワイヤであり、補強層と内
    管との間、および、補強層と外管との間に、マレイン酸
    変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を有することを特徴
    とするホース。
  2. 【請求項2】前記ブラスメッキワイヤが含硫黄トリアジ
    ン化合物で処理されてなるブラスメッキワイヤであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のホース。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のホースを製造す
    る方法において、前記補強層を被覆した後、高周波誘導
    加熱によってブラスメッキワイヤを加熱し、前記マレイ
    ン酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とブラスメッキ
    ワイヤを接合させることを特徴とするホースの製造方
    法。
JP3472497A 1996-11-06 1997-02-19 ブラスメッキワイヤ補強層と熱可塑性エラストマー組成物からなるホースおよびその製造方法 Pending JPH10231963A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002098273A (ja) * 1999-05-27 2002-04-05 Kirin Brewery Co Ltd 飲料供給用ホース
JP2002257266A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Toyox Co Ltd 自動販売機用飲料ホース
CN100339633C (zh) * 2005-09-09 2007-09-26 中铝洛阳铜业有限公司 一种红色黄铜管的制作方法
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