JPH10225633A - 排尿処理顆粒剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルプ粉を使用し、好適な固化性を有する可
燃性の排尿処理顆粒剤を提供する。 【解決手段】 ＪＩＳ Ｚ８８０１篩い分け網にて測定
される平均粒径が７０〜９５μｍのパルプ粉体を３０〜
６０重量％、ベントナイト粉３０〜５０重量％、水溶性
のヒドロキシアルキルアルキルセルロース５〜２０重量
％、及び界面活性剤２〜４重量％を含み、１〜８ｍｍ径
の顆粒状に作られており、かつ、みかけのゆるめ密度が
０．４０未満となるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、猫や子犬等の愛玩
用ペットの排尿を吸収して固形化して固まる排尿処理顆
粒剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】ペットの排尿を吸収して固化し、固化体
を廃棄するタイプの顆粒状のペット排尿処理顆粒剤は猫
用の場合には猫砂などと呼ばれ、ペットの排尿場所にひ
きつめた顆粒剤のうち、排尿によって固化した部分だけ
を取り出し廃棄することで固化していない顆粒部分を無
駄なく使える便利なものである。

【０００３】従来、これらの顆粒剤は吸水性の優れるベ
ントナイト等の無機成分が主成分となっており、固化し
たものを焼却廃棄できない問題点があった。近年、これ
らの問題点を改善すべく可燃性の有機物を使用して顆粒
剤とする検討がなされてきているが、有機物の中にベン
トナイトに匹敵する吸水固化性を有するものが少なく、
水溶性のヒドロキシアルキルアルキルセルロース類を使
用することで吸水固化性能を向上するものとして、特開
平７−９６１８０号等にかかる排尿処理顆粒剤が知られ
ている。ここで、可燃性の有機物として、従来は木材粉
がよく使用されているが、さらに清潔感のある白色のパ
ルプ粉を利用することが望まれてきている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、パルプ粉を使
用して顆粒状のペット排尿処理剤を製造しようとする
と、必ずしも満足のいく固化性を有する顆粒ができない
という問題点があった。したがって、本発明の目的は、
パルプ粉を使用し、好適な固化性を有する可燃性の排尿
処理顆粒剤を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点に鑑み鋭意検討した結果、特定の粒子径のパルプ
粉末を利用して顆粒剤を作り、主に、できあがった顆粒
剤のみかけ密度を特定の範囲に制御することで、好適な
固化性を有するパルプを利用した可燃性のペット排尿処
理剤ができることを見い出し、本発明を完成した。

【０００６】すなわち、上記目的を達成するため、請求
項１に記載された発明は、排尿処理顆粒剤であって、Ｊ
ＩＳ Ｚ８８０１篩分け網にて測定される平均粒径が７
０〜９５μｍのパルプ粉を３０〜６０重量％、ベントナ
イト粉３０〜５０重量％、水溶性のヒドロキシアルキル
アルキルセルロース５〜２０重量％、及び界面活性剤２
〜４重量％を含み、１〜８ｍｍ径の顆粒状に作られてお
り、かつ、みかけのゆるめ密度が０．４０未満であるこ
とを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明にかかる排尿処理顆粒剤で
は、吸水性の成分としてパルプ粉体及びベントナイト粉
を使用する。配合割合としては、パルプ粉体を３０〜６
０重量％とし、ベントナイト粉を３０〜５０重量％の範
囲とする。パルプ粉体又はベントナイト粉の配合がこの
範囲を越えてしまうと、目的とする可燃性の材料となら
なかったり、十分な吸水と固化がなされないものとなっ
てしまう。本発明に使用するパルプ粉体は、ＪＩＳ Ｚ
８８０１篩い分け網にて測定される平均粒径が７０〜９
５μｍのものである。粒子径は、ＪＩＳ Ｚ８８０１に
規定される金網により、たとえば関西網社製のロータッ
プふるいしんとう装置にて２０分間の篩分け測定により
得られる平均粒子径で規定される。使用されるベントナ
イト粉は特に限定されないが、平均粒径１００μｍ以下
のものが顆粒化に際して適切である。

【０００８】本発明では、ヒドロキシアルキルアルキル
セルロースを使用する。使用することができるヒドロキ
シアルキルアルキルセルロースとしては、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等を挙げる
ことができる。ヒドロキシアルキルアルキルセルロース
の添加量は、５〜２０重量％の範囲が好適である。この
範囲外では必要な固化がおきない状況となったり、顆粒
の成形が困難になったりする。

【０００９】本発明では、材料の濡れ性を改善するため
に、界面活性剤を添加する。具体的には、材料の濡れ性
を改善するものならいずれも使用できるが、例えば、ポ
リオキシエチレンオレイルエステル又はドデシルベンゼ
ンスルホン酸等のノニオン系又はアニオン系の界面活性
剤を挙げることができる。界面活性剤は、２〜４重量％
の割合で配合する。この範囲に足りない添加量ではその
効果が少なく、この範囲を越えて多くいれるのは経済的
に有利ではない。

【００１０】本発明にかかる排尿処理顆粒剤は、好適に
は１〜８ｍｍ径の顆粒状に製造される。顆粒化は、配合
原料を混合した後、水を適当量添加して転動造粒や押出
造粒したものを乾燥し、篩分け等によって粒度を調整し
て行う。顆粒剤のみかけのゆるめ密度は、０．４０未満
であることが好適である。このみかけのゆるめ密度と
は、その容器の容積Ｖ（ｃｃ）と入れた顆粒の重量Ｇ
（ｇ）の比Ｇ／Ｖ（ｇ／cc）と定義される。みかけのゆ
るめ密度は、例えば、細川ミクロン社のパウダーテスタ
ーにて、そのフルイを通過させた粉体を測定用カップ内
に収容して、測定することができる。なお、フルイのメ
ッシュは、顆粒剤の粒径に対応して適宜好適なものを選
択して行う。本発明にかかる顆粒剤については、４メッ
シュのものが最も好適である。

【００１１】顆粒化に際してバインダーとして水溶性の
澱粉類やカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビ
ニルアルコールなどの水溶性の高分子を添加して使用し
ても差し支えない。

【００１２】

【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を記載す
る。 実施例１から４及び比較例１から５ １．配合材料 以下の配合材料を、表１の割合で配合した。 (1) パルプ粉体 日本製紙株式会社製のＫＣフロックの篩分け品を使用し
た。平均粒径は表１に示した通りであり、ＪＩＳ Ｚ８
８０１篩により関西金網社製ロータップにて測定した。 (2) ベントナイト クニミネ工業株式会社製のネオクニボンドを使用した。 (3) ヒドロキシアルキルアルキルセルロース 信越化学工業株式会社製のヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース９０ＳＨ−３００００（表１でＭＣと表示し
た）を使用した。 (4) 界面活性剤 ポリエチレングリコールモノオレートを使用した。

【００１３】２．顆粒剤の調製方法 表１において記載された材料を川田製作所株式会社製の
２０リッタースーパーミキサー混合機で５００r.p.m で
１分混合した後、混合した材料１００重量部に対して表
１に記載された量の水を重量部で添加して３分間混合し
て造粒した。造粒品を１００℃で５時間乾燥した後目開
き１ｍｍと８ｍｍの篩で顆粒を篩分け１〜２ｍｍの顆粒
を調製した。 ３．みかけのゆるめ密度の測定 みかけのゆるめ密度は、細川ミクロン社のパウダーテス
ターにて、４メッシュのフルイを用いて測定した。

【００１４】４．顆粒剤の試験方法 調製した顆粒を２リッターのボール容器に入れペットの
人工尿として２％の食塩水２０ｃｃを顆粒にそそぎ、１
分後に固化部分を取り出し容器の底まで添加した食塩水
が浸透せず、固化体が手で取り出せるものを○として評
価し、取り出せないものを×として評価した。 ５．結果 本発明の配合範囲にある実施例１から４はいずれも良好
な固化状態を示した。これに対し、比較例１は、みかけ
のゆるめ密度が０．４と境界値であったが、固化状態は
不良であった。比較例２は、パルプ粉体の平均粒径が小
さく、みかけのゆるめ密度が大きく、固化状態は不良で
あった。比較例３は、パルプ粉体の平均粒径が大きく、
固化状態が不良であった。比較例４は、パルプ粉体の平
均粒径が非常に大きく、固化状態が不良であった。比較
例５は、パルプ粉体の含有量が多すぎて、固化状態が不
良であった。以上の比較例及び実施例の結果より、本発
明によれば、パルプ粉体を使用して良好な固化状態を呈
する排尿処理顆粒剤が得られることが了解される。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【発明の効果】上記したところから明かなように、本発
明によれば、パルプ粉を使用し、好適な固化性を有する
可燃性の排尿処理顆粒剤が提供される。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＪＩＳ Ｚ８８０１篩い分け網にて測定
   される平均粒径が７０〜９５μｍのパルプ粉体を３０〜
   ６０重量％、ベントナイト粉３０〜５０重量％、水溶性
   のヒドロキシアルキルアルキルセルロース５〜２０重量
   ％、及び界面活性剤２〜４重量％を含み、１〜８ｍｍ径
   の顆粒状に作られており、かつ、みかけのゆるめ密度が
   ０．４０未満である排尿処理顆粒剤。