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JPH10224237A - 無線送信装置 - Google Patents

無線送信装置

Info

Publication number
JPH10224237A
JPH10224237A JP2052397A JP2052397A JPH10224237A JP H10224237 A JPH10224237 A JP H10224237A JP 2052397 A JP2052397 A JP 2052397A JP 2052397 A JP2052397 A JP 2052397A JP H10224237 A JPH10224237 A JP H10224237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
converter
voltage
fif
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2052397A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Arai
智 荒井
Shoji Otaka
章二 大高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2052397A priority Critical patent/JPH10224237A/ja
Publication of JPH10224237A publication Critical patent/JPH10224237A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】所望周波数の信号を減衰させることなく、高調
波スプリアスと直流オフセットを低減することができる
無線送信装置を提供する。 【解決手段】直交変調器(20)から出力される高調波
スプリアスを低域通過フィルタ(40)で抑圧し、直流
オフセットを直流遮断部(50)で抑圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディジタル無線
通信機に用いられる無線送信装置に関し、特にそれぞれ
異なる原因で発生する無線周波数付近の不要な2種類の
スプリアス成分を同時に抑圧できるように改善した無線
送信装置に関する。
【0002】
【従来技術】最近の携帯電話などのディジタル無線通信
システムにおいては、該機器の送受信部ともにヘテロダ
イン方式を採用して構成されるものが多い。
【0003】図8は、このヘテロダイン方式を用いたデ
ィジタル無線通信機の送信系無線部を示したものであ
る。
【0004】図8において、このディジタル無線通信機
の送信系無線部は、ベースバンド信号を発生するベース
バンド部110、ベースバンド部110から発生された
ベースバンド信号を直交変調する直交変調器120、直
交変調器120に対するローカル信号(周波数fL02
の第2ローカル信号L02)を発生する発振器130、
低域通過フィルタ(LPF)140、アップコンバータ
160、アップコンバータ160に対するローカル信号
(周波数fL01の第1ローカル信号L01)を発生す
る発振器170、発振器170とアップコンバータ16
0との間に接続されたバッファアンプ180、帯域通過
フィルタ(BPF)200、帯域通過フィルタ(BP
F)200の出力を電力増幅する電力増幅器210、送
受切換スイッチ220、アンテナ230から構成され
る。
【0005】まず、ベースバンド部110では、音声な
どのデータ信号を、当該無線通信システムで要求されて
いるディジタル変調方式により変調した後、DC〜数百
kHz程度の当該無線通信システムで要求される帯域に
制限された直交ベースバンド(BB)信号(I,Q)と
して出力する。
【0006】例えば、簡易型携帯電話(PHS)のシス
テムでは、このディジタル変調方式としてπ/4QPS
K変調が用いられ、ベースバンド部110からは、ロー
ルオフフィルタでDCから96KHz程度に帯域制限さ
れた90度の位相差を持つ2つの直交BB信号(I,
Q)が出力される。
【0007】ベースバンド部110から出力されたこの
直交BB信号は、直交変調器120で直交変調される。
【0008】直交変調器120は、2つの周波数変換器
124、125と発振器130から入力される第2ロー
カル信号L02を、90度の位相差の2つのローカル信
号L02−1,L02−2として出力する90度移相分
配器121から構成される。
【0009】直交変調器120における直交変調におい
ては、周波数変換器124、125のそれぞれに入力さ
れる位相差90度の2つのローカル信号L02−1,L
02−2の振幅誤差およびが位相誤差が変調精度の劣化
につながるので、どちらもできるだけ小さくすることが
求められる。
【0010】この振幅誤差や位相誤差等の誤差は、90
度移相分配器121を構成する素子の特性変動などの原
因で生じるため、この90度移相分配器121として
は、素子の特性変動に対する位相誤差の感度が低い回路
を用いて位相誤差を低減させるとともに、振幅誤差につ
いては90度移相分配器121と周波数変換器124、
125の間にそれぞれリミッタアンプ122、123を
設け、各LO2信号の振幅を制限している。
【0011】図9は、上記90度移相分配器121にお
けるリミッタアンプ122、123による振幅制限によ
る信号波形を示したものである。
【0012】図9に示すように、リミッタアンプ122
では、例えば、90度移相分配器121からそのまま出
力された移相0度のローカル信号L02−1の振幅A1
を振幅A3に制限し、リミッタアンプ123では、90
度移相分配器121で90度移相された移相90度のロ
ーカル信号L02−2の振幅A2を振幅A4に制限す
る。
【0013】したがって、振幅制限レベルA3、A4を
等しく設定することで90度移相分配器121の出力で
生じた振幅の誤差を吸収することができる。
【0014】さて、周波数変換器124、125では、
ベースバンド部110から出力された2つの直交BB信
号(I,Q)と、リミッタアンプ122、123でそれ
ぞれ振幅が等しくなるように振幅制限された位相差90
度の2つの第2ローカル信号L02−1,L02−2と
がそれぞれミキシングされ、これらが加算部126で加
算されて中間周波数(IF)信号として出力される。
【0015】例えば、上記直交BB信号の周波数をfB
B、第2ローカル信号LO2の周波数をfLO2(fL
O2>fBB)とすると、周波数変換器124、125
からはそれぞれ周波数(fLO2+fBB)および周波
数(fLO2−fBB)が出力される。
【0016】この2つの周波数成分のうち一方は所望出
力信号であり、他方は不要なイメージ成分であるが、こ
こで周波数変換器124、125の出力において所望信
号は同相でイメージ成分は逆相となるため、これらの出
力を加算すると所望信号は強調し、イメージ成分は減衰
させることができる。
【0017】周波数(fLO2+fBB)、周波数(f
LO2−fBB)のどちらの周波数成分が強調されるか
は、BB信号およびLO2信号の位相関係によって定ま
る。
【0018】ここでは、説明を簡単にするために、周波
数fIF=fLO2+fBBを所望信号とする。
【0019】直交変調器120の出力は、低域通過フィ
ルタ140により、不要な高周波成分が減衰させれれた
後、アップコンバータ160に入力される。
【0020】低域通過フィルタ140の説明については
後述する。
【0021】アップコンバータ160には、上述した周
波数fIFのIF信号と発振器170から出力された周
波数fLO1(fLO1>fIF)の第1ローカル信号
LO1が入力され、ミキシングされる。
【0022】この結果、アップコンバータ160から
は、周波数(fLO1+fIF)および周波数(fLO
1−fIF)の周波数成分が出力される。この2つの周
波数成分のうち一方は所望出力信号であり、他方は不要
なイメージ成分である。
【0023】例えば、周波数fRF=fRF+fIFの
信号を所望信号とすると周波数(fLO1−fIF)の
成分はイメージ成分となる。
【0024】このようなイメージ成分は帯域通過フィル
タ200によって減衰され、周波数fRFの所望信号の
みが電力増幅器210で増幅され、送受切換スイッチ2
20を経て、アンテナ230から出力される。
【0025】ところで、直交変調器120では、前述の
とおりLO2信号に振幅制限を加えているため、LO2
信号は図9に示すように矩形波状の信号となる。このよ
うな矩形波状の信号には周波数fLO2基本周波数成分
だけでなく、周波数2fLO2、3fLO2、4fLO
2・・・といった基本周波数の整数倍の高調波成分が含
まれている(完全な矩形波であれば奇数次高調波成分の
みが含まれる)。
【0026】図10は、上記直交変調器120から出力
されるIF信号に含まれる周波数成分を示したものであ
る。
【0027】図10に示すように、直交変調器120か
らは、周波数fIFの所望信号の他に高調波成分とBB
信号のミキシングにより生じる高調波スプリアス成分も
出力されてしまう。
【0028】このような高調波スプリアスは所望帯域近
傍あるいは所望帯域内にもスプリアスを生じさせる可能
性がある。
【0029】例えば、BB信号の周波数を0Hz、LO
2信号の周波数をfLO2==240MHz、第1ロー
カル信号LO1の周波数をfLO1=1660MHz、
送信系無線部の無線周波数をfRF=1900MHzと
した場合、ローカル信号LO2の8倍高調波成分とBB
信号のミキシングにより生ずる出力の周波数f8IFは
f8IF=8fLO2=1920MHzとなる。
【0030】ここで、この周波数f8IFの成分は無線
周波数fRFに近い周波数であるため、帯域通過フィル
タ200では十分減衰することができない。
【0031】また、ローカル信号LO2の第3次高調波
成分がLO1信号とアップコンバータ160でミキシン
グされ、さらにアップコンバータ160がその2倍高調
波を出力した場合も、周波数(fLO1−f3If)×
2=1880MHzのスプリアスとなり、帯域通過フィ
ルタ200では十分減衰することができない。
【0032】ところで、このようなスプリアスの抑圧に
は、アップコンバータ160に入力される第3次高調波
成分を低減する方法が有効な手段となる。
【0033】したがって、直交変調器120とアップコ
ンバータ160の間に周波数fIFの所望信号を通過
し、直交変調器120から出力される高調波スプリアス
成分を減衰することができる周波数特性を持つ低域通過
フィルタ140を設ける必要がある。
【0034】図11は、上記低域通過フィルタ140の
周波数特性を示したものである。
【0035】図11において、低域通過フィルタ140
は、周波数がfIF以下の信号を通過させ、周波数がf
IFより大きい信号を減衰させる。
【0036】しかし、直交変調器120の出力に直流
(0Hz)オフセット生じている場合、この低域通過フ
ィルタ140では、この直流成分を減衰できず、この直
流成分がアップコンバータ160に入力されてしまうこ
とになる。
【0037】あるいは、低域通過フィルタ140自体が
直流オフセットを発生させた場合もアップコンバータ1
60に直流成分が入力されることになる。
【0038】このような直流成分は、アップコンバータ
160で第1ローカル信号LO1とミキシングされ、ロ
ーカルリークと呼ばれる周波数fLO1のスプリアスと
してアップコンバータ160から出力されることにな
る。
【0039】例えば、IF信号の周波数fIF=240
MHz、第1ローカル信号LO1の周波数fLO1=1
660MHzの場合には、無線周波数fRFはfRF=
fLO1+fIF=1900MHzとなる。
【0040】また、イメージ成分の周波数はfLO1−
fIF=1420MHzとなり、所望信号とイメージ成
分の周波数差は480MHzとなる。
【0041】一方、キャリアリークは第1ローカル信号
LO1の周波数と同じなので周波数fLO1=1660
MHzとなり、所望信号との周波数差は240MHzと
なる。
【0042】したがって、イメージ成分ほど帯域通過フ
ィルタ200による減衰は期待できないため、ローカル
リークを抑えるためには、アップコンバータ160に入
力される直流成分をできるだけ低く抑える必要がある。
【0043】ここで、図12にアップコンバータ160
に入力される直流成分を遮断する送信系無線部の構成を
示す。
【0044】図12に示す送信系無線部は、図8に示す
送信系無線部の低域通過フィルタ140とアップコンバ
ータ160の間にキャパシタ150を挿入し、直流成分
遮断特性を持たせている。
【0045】アップコンバータ160には、一般的にギ
ルバートセル方式のダブルバランスドミキサ回路が用い
られ、キャパシタ150は実際にはこのアップコンバー
タ160のIF段に挿入される。
【0046】図13にこのアップコンバータ160の構
成を示す。
【0047】ギルバートセル回路はIF段の電圧電流変
換部161、第1ローカル信号LO1によるスイッチ部
163、電流電圧変換部165および電流源167−
1、167−2から構成されている。
【0048】ここで、電圧電流変換部161は、トラン
ジスタ162−1、162−2を具備して構成され、ス
イッチ部163は、トランジスタ164−1乃至164
−4を具備して構成され、電流電圧変換部165は、抵
抗166−1、166−2を具備して構成される。
【0049】このアップコンバータ160は、電圧電流
変換部161でIF信号を電流信号に変換し、スイッチ
部163でこの電流変換されたIF信号にLO1信号が
ミキシングされ、このミキシングされた信号が電流電圧
変換部165で再び電圧信号に変換されてRF信号とし
て出力される。
【0050】ここで、前述の直流成分遮断特性はトラン
ジスタ162−1とトランジスタ162−2のエミッタ
間をキャパシタ151で接続することで得られる。
【0051】このとき、電圧電流変換部161のトラン
スコンダクタンスGmは、式(1)で表される。
【0052】 Gm=1/jωC ・・・(1) ここで、ωは角周波数、Cは電圧電流変換部161全体
の容量値を示す。
【0053】したがって、直流成分に対する利得は理想
的に0となり、アップコンバータ160までに発生した
直流オフセットは除去できる。
【0054】しかし、図13に示した回路を設計する場
合、IF信号の入力信号振幅にもよるが、電圧電流変換
部161で生じる歪みを抑えるために線形性を考慮する
必要があり、一般的には式(2)を満たすように設計さ
れる。
【0055】 1/ωC≧50 ・・・(2) このように、アップコンバータ160を図13に示すよ
うな構成にした場合の高調波減衰特性を図14に示す。
【0056】図14に示すように、キャパシタ150に
よりアップコンバータ160に直流遮断特性を持たせた
場合、低域通過フィルタ140で高調波成分を抑圧し、
キャパシタ150で直流成分を遮断することができる。
【0057】しかし、このキャパシタ150により所望
信号も減衰され。所望信号に対する高調波スプリアスの
減衰比が小さくなってしまう。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の無線送信装置に用いられるアップコンバータの構成で
は、アップコンバータの内の電圧電流変換回路を含むI
Fブロックによりローカルリークの原因となる直流オフ
セットを低減する手段を講じると、アップコンバータの
IF信号入力段の周波数特性が所望のIF信号と高調波
スプリアスとの比を劣化させてしまうという問題が生じ
る。
【0059】そこで、この発明は、所望周波数の信号を
減衰させることなく、高調波スプリアスと直流オフセッ
トを低減することができる無線送信装置を提供すること
を目的とする。
【0060】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、ベースバンド信号を直交変調器
で直交変調して該直交変調した中間周波数信号をアップ
コンバータでアップコンバートして送信する無線送信装
置において、前記直交変調した信号から高調波成分を除
去する第1のフィルタと、前記直交変調した信号から該
信号に含まれる直流成分を除去する直流遮断手段とを具
備することを特徴とする。
【0061】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、前記直流遮断手段は、零点が0Hzにありか
つ極が0Hzから中間周波数信号の周波数fIFの間に
存在する特性を有することを特徴とする。
【0062】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
において、前記直流遮断手段は、前記アップコンバータ
の電圧電流変換部のペアトランジスタのエミッタ間に接
続された零点が0Hzにありかつ極が0Hzから中間周
波数信号の周波数fIFの間に存在するインピーダンス
素子あるいは回路であることを特徴とする。
【0063】また、請求項4の発明は、請求項3の発明
において、前記インピーダンス回路は、所定の抵抗とコ
ンデンサの直列回路からなることを特徴とする。
【0064】また、請求項5の発明は、請求項3の発明
において、前記インピーダンス回路は、コンデンサの両
端に所定の抵抗を接続した一個のコンデンサと2個の抵
抗の直列回路からなることを特徴とする。
【0065】また、請求項6の発明は、請求項1の発明
において、前記直流遮断手段は、前記アップコンバータ
の前段に設けられたバッファの電圧電流変換部のペアト
ランジスタのエミッタ間に接続された零点が0Hzにあ
りかつ極が0HzからfIFの間に存在するインピーダ
ンス素子あるいは回路であることを特徴とする。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる無線送信
装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明す
る。
【0067】図1は、この発明に係わる無線送信装置の
一実施の形態を示したものである。
【0068】図1において、この無線送信装置の送信系
無線部はベースバンド部10、直交変調器20、第2ロ
ーカル発振器30、低域通過フィルタ(LPF)40、
直流遮断部50、アップコンバータ60、第1ローカル
発振器70、バッファアンプ80から構成されている。
【0069】また、直交変調器20は90度移相分配器
21、リミッタアンプ22、23および周波数変換器2
4、25から構成されている。
【0070】さて、直交変調器20には第2ローカル発
振器30から出力される周波数fLO2の第2ローカル
信号LO2が入力される。
【0071】この第2ローカル信号LO2は、まず90
度移相分配器21に入力され、移相0度、90度の2つ
の信号に分配される。90度移相分配器21で分配され
た第2ローカル信号LO2はそれぞれリミッタアンプ2
2、23に入力され、等しい振幅になるように制限され
たのち、周波数変換器24、25に入力される。
【0072】また、周波数変換器24、25には、ベー
スバンド部10からから出力される直交BB信号(I,
Q)がそれぞれ入力され、周波数変換される。
【0073】例えば、BB信号の周波数をfBB、第2
ローカル信号LO2の周波数をfLO2(fLO2>f
BB)とすると周波数変換器24、25からは周波数
(fLO2+fBB)および周波数(fLO2−fB
B)の信号が出力されるが、この2つの周波数成分のう
ち一方は所望出力信号であるが、他方は不要なイメージ
成分である。
【0074】しかし、周波数変換器24、25の出力に
おいて所望信号は同相で、イメージ成分は逆相となるた
め、これらの出力を加算部26で加算すると所望信号は
強調し、イメージ成分は減衰させることができる。
【0075】周波数(fLO2+fBB)、周波数(f
LO2−fBB)のどちらの周波数成分が強調されるか
は、システムによって定められたBB信号および90度
移相分配器21で分配された第2ローカル信号LO2の
位相関係によって定まる。
【0076】ここでは、説明を簡単にするために周波数
fIF=fLO2+fBBの信号を所望信号とする。直
交変調器20では90度移相分配器21で分配された第
2ローカル信号LO2の振幅誤差を抑えるためにリミッ
タアンプ22、23によって振幅が等しくなるように制
限をかけられているため、リミッタアンプ22、23の
出力波形は矩形波状になる。
【0077】このため、リミッタアンプ22、23の出
力には基本周波数fLO2の基本周波数成分だけでな
く、周波数2fLO2、3fLO2、4LO2・・・と
いった基本周波数の整数倍の高調波成分が含まれる。
【0078】したがって、周波数変換器24、25にお
ける第2ローカル信号LO2とBB信号のミキシングに
より、直交変調器20の出力には周波数fIFの所望信
号の他にLO2信号の高調波成分とBB信号のミキシン
グにより生じる高調波スプリアスが出力される。
【0079】そのため、直交変調器20とアップコンバ
ータ60の間に、周波数fIFの所望信号を通過し、直
交変調器20から出力される高調波スプリアス成分を減
衰することができる周波数特性を持つ低域通過フィルタ
40を設けている。
【0080】さらに、直交変調器20の出力あるいは低
域通過フィルタ40から出力される直流(0Hz)オフ
セットを遮断する直流遮断部50を低域通過フィルタ4
0とアップコンバータ60の間に設けている。
【0081】ここで、図2に直流遮断部50の特性を、
図3に低域通過フィルタ40と直流遮断部50を組み合
わせた周波数特性を示す。
【0082】直流遮断部50は、図2に示すように、S
平面上で、零点が0Hzにあり、かつ極が0Hzからf
IFの間に存在する特性を持っており、これにより零点
のある直流(0Hz)成分を遮断できる。
【0083】また、直流遮断部50を、その極を0Hz
からfIFの間にあるように構成し、この直流遮断部5
0と低域通過フィルタ40とを組み合わせることで、図
3に示すような所望信号周波数fIF近傍に利得のピー
クを持ち、周波数が高くなるほど利得が低くなる周波数
特性を得ることができる。
【0084】この結果、図4に示すように、周波数fI
Fの所望信号に大きな影響を与えず高調波スプリアス成
分を抑圧することができる。
【0085】次に、直流遮断部50の詳細について説明
するが、この実施の形態においては、直流遮断部50が
アップコンバータ60に組み込まれているため、直流遮
断部50を組み込んだアップコンバータ60の構成につ
いて説明する。
【0086】図5は、このように構成したアップコンバ
ータ60−1を一構成例を回路図で示したものである。
【0087】図5において、このアップコンバータ60
−1は、電圧電流変換部61−1、スイッチ部63−
1、電流電圧変換部65−1および電流源67−1、6
7−2から構成されている。
【0088】ここで、電圧電流変換部61−1はトラン
ジスタ62−1、62−2および直流遮断部51−1を
具備して構成され、スイッチ部63−1はトランジスタ
64−1乃至64−4を具備して構成され、電流電圧変
換部65−1は抵抗66−1、66−2を具備して構成
される。
【0089】このアップコンバータ60−1は、電圧電
流変換部61−1でIF信号を電流信号に変換し、スイ
ッチ部63−1でこの電流信号に変換されたIF信号に
第1ローカル発振器70から出力される第1ローカル信
号LO1をミキシングし、これを電流電圧変換部65−
1で再び電圧信号に変換してRF信号として出力する。
【0090】ここで、直流遮断部51−1はインピーダ
ンスZの素子で構成され、IF信号入力段の電圧電流変
換部61−1を構成するトランジスタ62−1とトラン
ジスタ62−2のエミッタ間を接続している。
【0091】このインピーダンスZは、零点が0Hz
(直流)に存在し、また極は0Hzから周波数fIF間
に存在する特性を持つものである。
【0092】図6は、上記直流遮断部51−1のインピ
ーダンス素子の構成例を示したものである。
【0093】図6において、図6(a)では、インピー
ダンス素子Zが、キャパシタ52−1と抵抗53−1の
直列回路で構成される場合を示しており、図6(b)で
は、インピーダンス素子Zが、キャパシタ52−2と抵
抗53−2、53−3の直列回路で構成される場合を示
している。
【0094】すなわち、図6(a)に示す例では、電圧
電流変換部61−2を構成するトランジスタ62−3と
トランジスタ62−4のエミッタ間をキャパシタ52−
1と抵抗53−1の直列回路で接続している。
【0095】したがって、電圧電流変換部61−2は、
その零点が0Hzに存在することになり、また極は次式
(3)に示すfpに存在することになる。
【0096】 fp=1/(2πRC) ・・・(3) (ただし、Cはキャパシタ52−1の容量値、Rは抵抗
53−1の抵抗値)そこで、周波数fpが0Hzから周
波数fIFの間の値になるようにキャパシタ52−1お
よび抵抗53−1の値を選ぶことで直流オフセットを遮
断することができる。
【0097】また、図6(b)に示す例では、電圧電流
変換部61−3を構成するトランジスタ62−5とトラ
ンジスタ62−6のエミッタ間を抵抗53−2、キャパ
シタ52−2、抵抗53−3の直列回路で接続してい
る。
【0098】図6(b)では電圧電流変換部61−3を
対称的に構成することができ、差動回路を理想的に動作
させることができるので、非対称な図6(a)に示す回
路構成に比べ、偶数次の高調波スプリアスの抑圧に効果
がある。
【0099】この電圧電流変換部61−3においても零
点が0Hzに存在し、また極はキャパシタ52−2の容
量値をC、抵抗53−2と抵抗53−3の抵抗値の和を
Rとしたとき、上記式(3)で示される点に存在する。
【0100】ところで、図5に示すアップコンバータ6
0−1の電圧電流変換部61−1に大きな利得が必要な
場合は、電圧電流変換部61−1を構成するトランジス
タ62−1とトランジスタ62−2のエミッタ間に接続
される直流遮断部51−1のインピーダンス素子の抵抗
分を小さくする必要がある。
【0101】しかし、式(3)で示されるように極の存
在する周波数を一定に保つには抵抗値を小さくした分、
容量値は逆に大きくする必要がある。
【0102】ところで、キャパシタはIC内において抵
抗、トランジスタなどの素子と比べて大きな面積を必要
とし、また容量値が大きいほど必要な面積が大きくなる
ことから、ICの小形化の点からキャパシタの容量値は
小さくする必要がある。
【0103】ここで、トランジスタ62−1とトランジ
スタ62−2のエミッタ間に接続されるインピーダンス
素子の抵抗分を小さくした場合を第2の実施例として説
明する。
【0104】図7は、このように構成したアップコンバ
ータの他の構成例を回路図で示したものである。
【0105】図7において、このアップコンバータ60
−2は、電圧電流変換部61−4、スイッチ部63−
2、電流電圧変換部65−2および電流源67−7、6
7−8で構成される。
【0106】なお、このアップコンバータ60−2の説
明においては、電圧電流変換部61−4以外は、図5に
示したアップコンバータ60−1と同様であるのでその
説明は省略する。
【0107】図7において、電圧電流変換部61−4
は、トランジスタ62−7とトランジスタ62−8のエ
ミッタ間を抵抗68のみで接続している。
【0108】しかし、この抵抗68のみでは直流オフセ
ットを遮断することができないので、アップコンバータ
60−2の前段にバッファアンプ90を設け、バッファ
アンプ90で直流オフセットを遮断する。
【0109】バッファアンプ90は、電圧電流変換を行
うトランジスタ91−1、91−2と電流源92−1、
92−2、抵抗93−1、93−2および電流電圧変換
を行うトランジスタ94−1、94−2、電流源95−
1、95−2から構成される。
【0110】また、バッファアンプ90の電圧電流変換
部(IF入力部)を構成するトランジスタ91−1とト
ランジスタ91−2のエミッタ間に直流遮断部51−2
としてのインピーダンス素子を設け、このインピーダン
ス素子を零点が0Hz(直流)に存在し、極が0Hzか
ら周波数fIF間に存在する特性になるように設定す
る。
【0111】この実施例の場合、トランジスタ91−
1、91−2、94−1、94−2で生じる直流オフセ
ットがローカルリークの原因となってしまうが、バッフ
ァアンプ90の前段から入力される直流オフセットは抑
圧できるので、ローカルリークは小さい値に抑えられ
る。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、低域通過フィルタと直流遮断部を組み合わせて使用
することで、高調波と直流オフセットにより発生する無
線周波数付近の不要なスプリアス成分を所望周波数の信
号を減衰させることなく抑圧できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる無線送信装置の一実施の形態
を示した回路構成図。
【図2】図1に示した無線送信装置における直流遮断部
の特性を説明するためのS平面特性図。
【図3】図1に示した無線送信装置における低域通過フ
ィルタと直流遮断部を組み合わせた周波数特性を示した
周波数特性図。
【図4】図1に示した無線送信装置における低域通過フ
ィルタと直流遮断部を組み合わせた周波数特性および各
周波数成分を示した図。
【図5】図1に示した無線送信装置におけるアップコン
バータの第1の構成例を示す回路図。
【図6】図5に示したアップコンバータの直流遮断部を
構成するインピーダンス素子の構成例を示した回路図。
【図7】図1に示した無線送信装置におけるアップコン
バータの第2の構成例を示す回路図。
【図8】従来のヘテロダイン方式を用いたディジタル無
線通信機の送信系無線部の構成を示した回路構成図。
【図9】図8に示した直交変調器における振幅制限によ
る信号波形を説明するための波形図。
【図10】図8に示した従来の送信系無線部の直交変調
器が出力する信号に含まれる周波数成分を示した図。
【図11】図8に示した従来の送信系無線部の低域通過
フィルタの周波数特性を示した図。
【図12】図8に示した従来の送信系無線部においてア
ップコンバータに入力される直流成分を遮断する送信系
無線部の構成を示した図。
【図13】図12に示したアップコンバータの構成を示
した回路図。
【図14】図13に示したアップコンバータによる高調
波減衰特性を示した図。
【符号の説明】
10 ベースバンド部 20 直交変調器 21 90度移相分配器 22、23 リミッタアンプ 24、25 周波数変換器 30 第2ローカル発振器 40 低域通過フィルタ 50、51−1、51−2 直流遮断部 52−1、52−2 キャパシタ 53−1、53−2、53−3 抵抗 60、60−1、60−2 アップコンバータ 61−1〜61−4 電圧電流変換部 62−1〜62−8 トランジスタ 63−1、63−2 スイッチ部 64−1〜64−4 トランジスタ 65−1、65−2 電流電圧変換部 66−1、66−2 抵抗 67−1、67−2、67−7、67−8 電流源 68 抵抗 70 第1ローカル発振器 80 バッファアンプ 90 バッファアンプ 91−1、91−2 トランジスタ 92−1、92−2 電流源 93−1、93−2 抵抗 94−1、94−2 トランジスタ 95−1、95−2 電流源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースバンド信号を直交変調器で直交変
    調して該直交変調した中間周波数信号をアップコンバー
    タでアップコンバートして送信する無線送信装置におい
    て、 前記直交変調した信号から高調波成分を除去する第1の
    フィルタと、 前記直交変調した信号から該信号に含まれる直流成分を
    除去する直流遮断手段とを具備することを特徴とする無
    線送信装置。
  2. 【請求項2】 前記直流遮断手段は、 零点が0Hzにありかつ極が0Hzから中間周波数信号
    の周波数fIFの間に存在する特性を有することを特徴
    とする請求項1記載の無線送信装置。
  3. 【請求項3】 前記直流遮断手段は、 前記アップコンバータの電圧電流変換部のペアトランジ
    スタのエミッタ間に接続された零点が0Hzにありかつ
    極が0Hzから中間周波数信号の周波数fIFの間に存
    在するインピーダンス素子あるいは回路であることを特
    徴とする請求項1記載の無線送信装置。
  4. 【請求項4】 前記インピーダンス回路は、 所定の抵抗とコンデンサの直列回路からなることを特徴
    とする請求項3記載の無線送信装置。
  5. 【請求項5】 前記インピーダンス回路は、 コンデンサの両端に所定の抵抗を接続した一個のコンデ
    ンサと2個の抵抗の直列回路からなることを特徴とする
    請求項3記載の無線送信装置。
  6. 【請求項6】 前記直流遮断手段は、 前記アップコンバータの前段に設けられたバッファの電
    圧電流変換部のペアトランジスタのエミッタ間に接続さ
    れた零点が0Hzにありかつ極が0HzからfIFの間
    に存在するインピーダンス素子あるいは回路であること
    を特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
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