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JPH10217412A - 艶消しポリカーボネート樹脂積層板 - Google Patents

艶消しポリカーボネート樹脂積層板

Info

Publication number
JPH10217412A
JPH10217412A JP9021740A JP2174097A JPH10217412A JP H10217412 A JPH10217412 A JP H10217412A JP 9021740 A JP9021740 A JP 9021740A JP 2174097 A JP2174097 A JP 2174097A JP H10217412 A JPH10217412 A JP H10217412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
matte
coating layer
plate
resin laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9021740A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Miyauchi
雅弘 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP9021740A priority Critical patent/JPH10217412A/ja
Publication of JPH10217412A publication Critical patent/JPH10217412A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性を改良し、かつ熱転写による外観不良
もない艶消し表面を持ったポリカーボネート樹脂板を提
供する。 【解決手段】 基材層ポリカーボネート樹脂の片面もし
くは両面を、紫外線吸収剤が1〜20重量%配合された
被覆層ポリカーボネート樹脂で被覆し、この積層樹脂板
表面に艶消し形状を持った金型の凹凸を熱転写する等の
方法によって、表面の60度鏡面光沢度が80%以下で
ある艶消しポリカーボネート樹脂積層板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築材料等として
有用な、艶消し表面を持つ耐候性ポリカーボネート樹脂
積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から艶消し板といえば磨りガラスが
まず挙げられ、店装ディスプレーショーケース、パーテ
ーション、浴室ドア窓、窓ガラス、建築材料等に広く用
いられていた。しかし近年では軽量化と割れ防止の目的
から樹脂化が進み、アクリル樹脂やポリスチレン樹脂な
どから艶消し板が造られるようになってきた。このうち
アクリル樹脂製艶消し板は、耐候性に優れかつ任意に着
色が可能であることなどから、屋内屋外を問わず、磨り
ガラスの代替として広く用いられるようになった。
【0003】アクリル樹脂製艶消し板の製造方法として
は主に2通りあり、艶消し表面を持った金型に加熱溶融
状態のアクリル樹脂を密着し冷却固化させ、板表面にそ
の凹凸形状を転写する熱転写法と、アクリル樹脂にマイ
カやタルク、シリコーンビーズ等微粉末や微粒子を混
ぜ、板表面に微粉末や微粒子の凹凸を浮き出させ形成す
る内部マット法の2つが挙げられる。
【0004】前者の熱転写法は比較的簡単に艶消し表面
を形成することができるが、二次加工時に熱を加えると
転写された凹凸形状がもとに戻ってしまうといった問題
があり、逆に後者の内部マット法は二次加工でも凹凸形
状は維持できるが比較的高価である。さて、近年住宅建
物関係ではプライバシー保護の観点からテラスやベラン
ダ等に目隠し板を取り付けたいという要望が強く、耐候
性に優れ、軽量でかつ比較的安価なアクリル樹脂製艶消
し板が取り付けられることが多くなってきた。
【0005】ところが最近、火災事故の際、ベランダ等
に置かれた可燃物が延焼を早める一因になるという報道
などがあり、目隠し板自体の燃焼性能が注目されるよう
になってきた。具体的には、目隠し板を不燃性もしくは
自消性の材料に変更する動きである。残念ながらアクリ
ル樹脂板そのものは徐燃性であり、一度火がつくと燃え
続けてしまうため、この新しい動きに対応することが困
難である。そこでアクリル樹脂板に代わる自消性材料と
して最も注目されている材料がポリカーボネート樹脂板
である。
【0006】ポリカーボネート樹脂製艶消し板自体は特
に新しいものではなく、耐衝撃性や耐熱性、耐燃性など
が必要とされる部位では従来からアクリル樹脂製の代わ
りにポリカーボネート樹脂製が用いられていた。しかし
ながら、ポリカーボネート樹脂板は耐候性がアクリル樹
脂に比べて悪く、屋外等で紫外線に曝されると比較的短
時間に変色や強度低下など問題が多く発生する。そのた
め従来は、屋内でしかも紫外線の影響が少ない場所での
みしか用いることはできていなかった。
【0007】このポリカーボネート樹脂板の耐候性改良
として、ポリカーボネート樹脂板の表面をアクリル樹脂
で被覆する方法が近年数多く報告されている。特に、被
覆するアクリル樹脂に紫外線吸収剤を配合することによ
って、基材部がポリカーボネート樹脂であることを忘れ
させるほど耐候性が改良される。(例えば、特公昭47
−19119号公報、特公昭55−27848号公報、
特開昭55−59929号公報、特開昭59−1013
60号公報などが挙げられる。)これらの技術によって
ポリカーボネート樹脂板の耐候性は充分実用レベルまで
改良することができ、ポリカーボネート樹脂板の屋外使
用における用途拡大に大きく貢献している。
【0008】前述のテラスやベランダ等の目隠し板に
も、自消性材料であり、耐衝撃性に優れ、しかも、耐候
性も充分改良できたこのアクリル樹脂被覆ポリカーボネ
ート樹脂板が、まさに今、注目されており、前述の熱転
写法による表面艶消し加工が施され各社で検討が進めら
れているところである。ところが最近、このアクリル樹
脂被覆ポリカーボネート樹脂板を熱転写法によって表面
艶消し加工する際の問題点が指摘されるようになってき
た。
【0009】熱転写法は、艶消し表面を持った金型に加
熱溶融状態の樹脂を密着し冷却固化させ、板表面にその
凹凸形状を転写する方法であるが、アクリル樹脂被覆ポ
リカーボネート樹脂板の場合、被覆層のアクリル樹脂が
基材層のポリカーボネート樹脂より耐熱温度が40℃以
上低いため、金型の凹凸形状をうまく転写できないとい
う問題が発生しているのである。具体的には、例えば、
基材層ポリカーボネート樹脂の熱によって被覆層アクリ
ル樹脂が溶け、凹凸形状がつぶれてしまうといった不良
や、金型に被覆層アクリル樹脂が密着してしまい剥がせ
ない、剥がした痕跡が板表面に残ってしまうといった不
良、逆に被覆層アクリル樹脂の耐熱温度に合わせて加工
すると、基材層ポリカーボネート樹脂に大きな歪み発生
し、反り返ってしまうため凹凸の転写されない部分がで
きるなど様々な外観不良が発生しているのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐候
性を改良し、かつ熱転写による外観不良もない艶消し表
面を持ったポリカーボネート樹脂板を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意検討の結果、紫外線吸収剤を配合す
る被覆層を、基材層と同じポリカーボネート樹脂で構成
することにより、熱転写の際の外観不良を改善すること
ができることを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0012】即ち本発明は、基材層ポリカーボネート樹
脂の片面もしくは両面に、紫外線吸収剤が1〜20重量
%配合された被覆層ポリカーボネート樹脂が積層された
ポリカーボネート樹脂積層板であって、該積層板表面の
60度鏡面光沢度が80%以下である艶消しポリカーボ
ネート樹脂積層板である。また本発明は、上記の被覆層
ポリカーボネート樹脂層の厚みが1〜200μmである
前述の艶消しポリカーボネート樹脂積層板である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、被覆層及び基材層に用いるポリカーボネート樹
脂としては、ビスフェノールAに代表される二価のフェ
ノール系化合物から誘導される重合体が用いられる。該
ポリカーボネート樹脂の製造方法については特に限定さ
れず、ホスゲン法、エステル交換法、固相重合法などの
方法により製造できる。分子量についても特に限定され
ないが、押出成形等により所望の厚みの板に成形すると
いう観点から、重量平均分子量で2〜7万のものが好ま
しく、更に好ましくは3〜6万である。また該ポリカー
ボネート樹脂には、成形加工時の熱分解性や熱着色性を
改良するため各種の熱安定剤や酸化防止剤などを添加す
ることができる。また、有機系あるいは無機系の染料や
ブルーイング剤を配合して着色することもさしつかえな
いし、帯電防止剤などの各種添加剤を配合することもで
きる。
【0014】本発明において、被覆層ポリカーボネート
樹脂に配合される紫外線吸収剤としては、ベンゾトリア
ゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒドロキシ
フェニルトリアジン系化合物、サリチル酸フェニルエス
テル系化合物などからなる紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(5−メチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジ
メチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4
−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]、などが挙げられ、ベンゾフェノン系化合物として
は、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、2,2
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
等が挙げられる。
【0015】また、ヒドロキシフェニルトリアジン系化
合物からなる紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−
ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル
−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−
(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−
ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ
−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4
−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−
ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベン
ジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ブ
トキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ
−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4
−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−プ
ロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブト
キシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシル
オキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチ
ルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベ
ンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4
−(2−ヘキシルオキシエトキシ)フェニル)−1,
3,5−トリアジン等が挙げられ、また、サリチル酸フ
ェニルエステル系紫外線吸収剤としては、パラ−t−ブ
チルフェニルサリチル酸エステル、パラ−オクチルフェ
ニルサリチル酸エステル等が挙げられる。
【0016】このうち、より揮発しにくいベンゾトリア
ゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合
物からなる紫外線吸収剤がより好ましい。また、被覆層
ポリカーボネート樹脂中に配合される該紫外線吸収剤の
量は1〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜1
5重量%である。1重量%未満の場合、耐候性効果が小
さく、逆に20重量%を越えると耐候性は確かに優れて
いるが、初期着色が大きく外観上問題である。
【0017】被覆層ポリカーボネート樹脂に上記紫外線
吸収剤を配合する方法に特に制限はない。例えば、ドラ
ムブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで被覆層ポリカ
ーボネート樹脂と紫外線吸収剤をドライブレンドする方
法や、混合したあと押出機を通してペレット化する方
法、あるいは、被覆層ポリカーボネート樹脂を押出機を
用いて押し出しながら紫外線吸収剤を定量ポンプにて押
出機に注入し内部で混合する方法等のいずれを用いても
よい。
【0018】基材層ポリカーボネート樹脂板に、紫外線
吸収剤が配合された被覆層ポリカーボネート樹脂を被覆
してポリカーボネート樹脂積層板を作成する方法として
は、例えば、基材層ポリカーボネート樹脂板を押出法で
作成する工程の中で、紫外線吸収剤を配合した被覆層と
なるポリカーボネート樹脂を同時に溶融押出して積層す
る共押出法や、あらかじめフイルム状に成形した被覆層
となる紫外線吸収剤が配合されたポリカーボネート樹脂
フイルムを、基材層ポリカーボネート樹脂板表面に熱や
接着剤等で貼り合わせるフイルムラミネート法、紫外線
吸収剤が配合された被覆層ポリカーボネート樹脂を基材
層ポリカーボネート樹脂板表面にディッピングやロール
コート、スピンコート、フローコート等の方法で塗布す
るコーティング法などが挙げられる。
【0019】このようにして作製されたポリカーボネー
ト樹脂積層板の被覆層の厚みは1〜200μmが好まし
く、更に好ましくは5〜150μmである。被覆層厚み
が1μm未満の場合、耐候性改良効果が必ずしも十分と
はいえず、また、200μmを越えると、初期着色がや
や大きくなり外観上問題となる場合がある。本発明にお
いて、ポリカーボネート樹脂積層板表面を艶消し表面に
する方法としては、前述の熱転写法や内部マット法など
が挙げられるが、被覆層と基材層を同じポリカーボネー
ト樹脂にした効果が発揮されるのは熱転写法である。
【0020】熱転写法による艶消し表面加工方法を更に
詳しく説明すると、100〜150℃に加熱した艶消し
形状が施された金型に、加熱軟化状態もしくは溶融状態
の前記ポリカーボネート樹脂積層板を密着させ、金型表
面の凹凸形状をポリカーボネート樹脂積層板表面に転写
させる。その後、冷却固化させ艶消しポリカーボネート
樹脂積層板を得る方法である。
【0021】このようにして作製された艶消しポリカー
ボネート樹脂積層板表面の艶消し状態は、60度鏡面光
沢度で80%以下が好ましく、より好ましくは60%以
下である。この60度鏡面光沢度が80%を越えると、
表面の艶消し状態はギラギラした感じになり、美感上好
ましくない。なお、この60度鏡面光沢度の値は小さい
ほど好ましいのであるが、小さくするためには金型の形
状がより複雑になり技術的に容易とはいえず、また、金
型作製費も高価になるので、現状の技術水準においては
下限としては5%程度が実用的と考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に実施例、比較例を用いて本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによ
り何ら制限されるものではない。なお、各実施例及び比
較例で用いた評価、試験方法を以下に示した。 (1)60度鏡面光沢度;JIS K7105に基づ
き、作製した艶消しポリカーボネート樹脂積層板から切
り出した5cm角の試験片の60度鏡面光沢度をを測定
した。 (2)初期着色;JIS K7105に基づき、作製し
た艶消しポリカーボネート樹脂積層板から切り出した5
cm角の試験片の黄色度を測定した。
【0023】一般に、黄色度が4を越えると試験片の着
色が目視で明らかにわかる。本評価では、試験片の黄色
度が4未満の場合を初期着色◎、つまり初期着色が小さ
いとし、逆に黄色度が4以上の場合を初期着色×、つま
り初期着色が大きいとして評価した (3)耐候性;作製した艶消しポリカーボネート樹脂積
層板から切り出した10cm角の試験片を用い、スガ試
験機製のサンシャインウエザーメーターでサンシャイン
スーパーロングライフカーボンを使用し、温度63℃一
定下、降雨無し2時間と降雨18分のサイクルを繰り返
す条件で試験片を5000時間暴露した。
【0024】評価としては暴露前後の黄色度の変化をJ
IS K 7105に基づいて測定した。 黄変度=(暴露前の黄色度)−(暴露前の黄色度) 黄変度の値が大きいと、初期値に比べて耐候性試験の結
果、黄色味が濃くなった(着色した)ことを意味し、こ
の黄変度が4を超えると着色したことが目視で明らかに
わかる。
【0025】本評価では、黄変度が4未満の場合を耐候
性◎、つまり長期間使用しても着色しないとし、黄変度
が4以上の場合を耐候性×、つまり長期間使用すること
によって着色が発生するとして評価した。
【0026】
【実施例1】ポリカーボネート樹脂(帝人化成製、商
標;パンライト)に対して、2,4−ジフェニル−6−
(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−
1,3,5−トリアジンからなるヒドロキシフェニルト
リアジン系紫外線吸収剤3重量%を混合し、ベント付き
30mm二軸押出機内で押出温度280℃で溶融混練し
ペレット状に押出すことにより、被覆層ポリカーボネー
ト樹脂ペレットを得た。
【0027】このようにして得られた被覆層ポリカーボ
ネート樹脂ペレットを、東芝機械製、直径50mm、L
/D=32の押出機を用い、また同時に基材層用ポリカ
ーボネート樹脂(帝人化成製、商標;パンライト)を、
東芝機械製、直径100mm、L/D=32の押出機を
用い、共押出によって、基材層ポリカーボネート樹脂の
両面にヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が
配合された被覆層ポリカーボネート樹脂が被覆されたポ
リカーボネート樹脂積層板を得た。共押出ダイはフィー
ドブロック方式を用い、ダイ設定温度は270℃、押出
機シリンダー温度はいずれも290℃で実施した。被覆
層の厚みは片面30μmずつになるよう両押出機の吐出
量とダイの流量調整ボルトを調整することによって調整
を行った。
【0028】ダイから吐出された積層溶融樹脂は、通
常、温調された艶付けロールに通されることによって板
状に形成されるが、本実施例では140℃に温調された
艶消し形状に表面を加工された3本ロールに該積層溶融
樹脂を通すことにより、該ロールによって艶消しの凹凸
形状を積層板の表裏に連続的に転写し、押し出しながら
艶消しポリカーボネート樹脂積層板を得た。
【0029】このようにして得られた艶消しポリカーボ
ネート樹脂積層板の艶消し表面は、凹凸のつぶれ、擦り
傷、ロールからの剥がれ痕もなく非常に良好であり、こ
の艶消し表面の光沢度を測定したところ、60度鏡面光
沢度で40%であった。また、前述の試験方法に従って
得られた艶消しポリカーボネート樹脂積層板を評価した
ところ、初期着色◎(黄色度=0.5)、耐候性◎(黄
変度=2)と良好であった。
【0030】
【比較例1】アクリル樹脂(旭化成製、商標;デルペッ
ト)に対して、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロ
キシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジンからなるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外
線吸収剤3重量%を混合し、ベント付き30mm二軸押
出機内で押出温度260℃で溶融混練しペレット状に押
出すことによって、被覆層アクリル樹脂ペレットを得
た。
【0031】このようにして得られた被覆層アクリル樹
脂ペレットを東芝機械製、直径50mm、L/D=32
の押出機を用い、また同時に基材層用ポリカーボネート
樹脂(帝人化成製、商標;パンライト)を、東芝機械
製、直径100mm、L/D=32の押出機を用い、共
押出によって、基材層ポリカーボネート樹脂の両面にヒ
ドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が配合され
た被覆層アクリル樹脂が被覆されたアクリル樹脂被覆ポ
リカーボネート樹脂積層板を得た。共押出ダイはフィー
ドブロック方式を用い、ダイ設定温度は270℃、押出
機シリンダー温度は、基材層ポリカーボネート樹脂側は
290℃、被覆層アクリル樹脂側が270℃で実施し
た。
【0032】被覆層の厚みは片面30μmずつになるよ
う両押出機の吐出量とダイの流量調整ボルトを調整する
ことによって調整を行った。ダイから吐出された積層溶
融樹脂は、通常、温調された艶付けロールに通されるこ
とによって板状に形成されるが、本比較例では140℃
に温調された艶消し形状に表面を加工された3本ロール
に該積層溶融樹脂を通すことによって該ロールによって
艶消しの凹凸形状を積層板の表裏に連続的に転写し、押
し出しながら艶消しポリカーボネート樹脂積層板を得
た。
【0033】このようにして得られた艶消しポリカーボ
ネート樹脂積層板の艶消し表面は、凹凸がやや小さく、
ロールからの剥がれ痕が激しく積層板表面に現れてお
り、外観上問題が大きい。この艶消し表面の光沢度を測
定したところ、60度鏡面光沢度で90%であった。し
かし、前述の試験方法に従って得られた艶消しポリカー
ボネート樹脂積層板を評価した結果は、被覆層がアクリ
ル樹脂であるため非常に良好で、初期着色◎(黄色度=
0.5)、耐候性◎(黄変度=2)であった。
【0034】
【比較例2】被覆層を設けず、基材層用ポリカーボネー
ト樹脂(帝人化成製、商標;パンライト)のみを、東芝
機械製、直径100mm、L/D=32の押出機を用い
単独押出した。ダイから吐出された溶融樹脂は140℃
に温調された艶消し形状に表面を加工された3本ロール
に該溶融樹脂を通すことによって該ロールによって艶消
しの凹凸形状を単層板の表裏に連続的に転写し、押し出
しながら艶消しポリカーボネート樹脂単層板を得た。
【0035】このようにして得られた艶消しポリカーボ
ネート樹脂単層板の艶消し表面は、凹凸のつぶれ、擦り
傷、ロールからの剥がれ痕もなく非常に良好であり、こ
の艶消し表面の光沢度を測定したところ、60度鏡面光
沢度で40%であった。しかし、前述の試験方法に従っ
て得られた艶消しポリカーボネート樹脂単層板を評価す
ると、耐候性が悪く屋外での使用は困難であることがわ
かった。初期着色◎(黄色度=0.5)、耐候性×(黄
変度=15)であった。
【0036】
【比較例3】艶消しロール(金型)表面に切削加工を施
し、ロールそのものの60度鏡面光沢度を約1%にした
艶消しロール(金型)を用いた以外は実施例1と同様に
行い、艶消しポリカーボネート樹脂積層板を得た。しか
し、残念ながらロールの凹凸を完全に細部まで転写する
ことができず、艶消し表面に光沢度の高低によるムラが
発生してしまった。このときの60度鏡面光沢度は平均
すると約3%であった。
【0037】しかし、前述の試験方法に従って得られた
艶消しポリカーボネート樹脂積層板を評価した結果は非
常に良好で、初期着色◎(黄色度=0.5)、耐候性◎
(黄変度=2)であった
【0038】
【比較例4】比較例3とは逆に、ロールそのものの60
度鏡面光沢度を約100%にした艶消しロール(金型)
を用いた以外は実施例1と同様に行い、艶消しポリカー
ボネート樹脂積層板を得た。このようにして得られた艶
消しポリカーボネート樹脂積層板の艶消し表面は、凹凸
のつぶれも、擦り傷も、ロールからの剥がれ痕もなく非
常に良好ではあったが、表面の艶消し状態はギラギラし
た感じで美観上問題である。この艶消し表面の光沢度を
測定したところ、60度鏡面光沢度で100%であっ
た。
【0039】しかし、前述の試験方法に従って得られた
艶消しポリカーボネート樹脂積層板を評価したところ、
初期着色◎(黄色度=0.5)、耐候性◎(黄変度=
2)と良好であった。
【0040】
【実施例2〜5、比較例5〜8】被覆層ポリカーボネー
ト樹脂層の厚み、もしくは被覆層中に配合する紫外線吸
収剤の配合量を表1に示すとおり変更した以外は実施例
1と同様に行い、艶消しポリカーボネート樹脂積層板を
得た。以上のようにして得られた艶消しポリカーボネー
ト樹脂積層板の評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によって、耐候性を改良し、かつ
熱転写による外観不良もない艶消し表面を持ったポリカ
ーボネート樹脂板を提供することができるようになり、
屋内、屋外を問わず自消性、耐衝撃性、耐熱性材料とし
て建築材料など用途の拡大が期待される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層ポリカーボネート樹脂の片面もしく
    は両面に、紫外線吸収剤が1〜20重量%配合された被
    覆層ポリカーボネート樹脂が積層されたポリカーボネー
    ト樹脂積層板であって、該積層板表面の60度鏡面光沢
    度が80%以下である艶消しポリカーボネート樹脂積層
    板。
  2. 【請求項2】被覆層ポリカーボネート樹脂層の厚みが1
    〜200μmである請求項1記載の艶消しポリカーボネ
    ート樹脂積層板。
JP9021740A 1997-02-04 1997-02-04 艶消しポリカーボネート樹脂積層板 Withdrawn JPH10217412A (ja)

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