JPH10202533A - ダイヤモンド切断砥石 - Google Patents
ダイヤモンド切断砥石Info
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- JPH10202533A JPH10202533A JP885397A JP885397A JPH10202533A JP H10202533 A JPH10202533 A JP H10202533A JP 885397 A JP885397 A JP 885397A JP 885397 A JP885397 A JP 885397A JP H10202533 A JPH10202533 A JP H10202533A
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- abrasive material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 砥材粒子の保持力を弱くして破砕あるいは磨
滅した砥材粒子の脱落を促進させることで、抵抗となる
破砕・磨滅した砥材粒子を少なくし、切れ刃となる新し
い完全な砥材粒子の数を増進することによって、良好な
切れ味が持続できるようにすること。 【解決手段】 砥材粒子の周辺を焼結可能な結合剤によ
って保持形成されるダイヤモンド切断砥石において、結
合剤を低強度として砥材粒子の周りを被覆し、更にこの
低強度の結合剤の外周を高強度の結合剤によって保持す
ることによって、砥材粒子周りの強度を小さくさせてお
き、切断過程で生じる破砕及び磨滅した砥材粒子を積極
的に脱落させるようにすることで、切断に対して抵抗と
してしか作用しない破砕及び磨滅した砥材粒子による切
断抵抗を抑制する。
滅した砥材粒子の脱落を促進させることで、抵抗となる
破砕・磨滅した砥材粒子を少なくし、切れ刃となる新し
い完全な砥材粒子の数を増進することによって、良好な
切れ味が持続できるようにすること。 【解決手段】 砥材粒子の周辺を焼結可能な結合剤によ
って保持形成されるダイヤモンド切断砥石において、結
合剤を低強度として砥材粒子の周りを被覆し、更にこの
低強度の結合剤の外周を高強度の結合剤によって保持す
ることによって、砥材粒子周りの強度を小さくさせてお
き、切断過程で生じる破砕及び磨滅した砥材粒子を積極
的に脱落させるようにすることで、切断に対して抵抗と
してしか作用しない破砕及び磨滅した砥材粒子による切
断抵抗を抑制する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結合剤粉末とダイ
ヤモンド砥材粒子を混合して焼結することによってダイ
ヤモンドホイールを形成したダイヤモンド切断砥石に関
する。
ヤモンド砥材粒子を混合して焼結することによってダイ
ヤモンドホイールを形成したダイヤモンド切断砥石に関
する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンド切断砥石は、鉄やステンレ
ス等の円盤状の基板の外周縁にダイヤモンドセグメント
チップを固着したものがその基本的な構成であり、たと
えばポータブル電動工具に取り付けられてコンクリート
や石材等の切断に使用される。このようなダイヤモンド
切断砥石においては、裸の砥材粒子と単一の結合剤によ
って構成されたもので、結合剤によって砥材粒子を被覆
して焼結させるものであり、砥材粒子を結合剤で被覆す
るための様々な方法が従来から知られている。たとえ
ば、特公昭39−9150号公報には、研摩材成形品の
製法において、研摩材に金属結合剤を被覆し球状のペレ
ットを形成し、これに圧力や熱を加えて所望の物品の形
状に集合的に成形することが記載されている。
ス等の円盤状の基板の外周縁にダイヤモンドセグメント
チップを固着したものがその基本的な構成であり、たと
えばポータブル電動工具に取り付けられてコンクリート
や石材等の切断に使用される。このようなダイヤモンド
切断砥石においては、裸の砥材粒子と単一の結合剤によ
って構成されたもので、結合剤によって砥材粒子を被覆
して焼結させるものであり、砥材粒子を結合剤で被覆す
るための様々な方法が従来から知られている。たとえ
ば、特公昭39−9150号公報には、研摩材成形品の
製法において、研摩材に金属結合剤を被覆し球状のペレ
ットを形成し、これに圧力や熱を加えて所望の物品の形
状に集合的に成形することが記載されている。
【0003】また、特関昭55−65075号公報は、
砥材粒子を厚さ10〜30umのチタニウムの第1層と
厚さ10〜200ミクロンの銅あるいは銀、ニッケル、
タングステンなどの第2層により被覆するメタルボンド
ダイヤモンド砥石の製造方法を開示している。
砥材粒子を厚さ10〜30umのチタニウムの第1層と
厚さ10〜200ミクロンの銅あるいは銀、ニッケル、
タングステンなどの第2層により被覆するメタルボンド
ダイヤモンド砥石の製造方法を開示している。
【0004】更に、砥材粒子に2層以上の金属被膜を被
覆した複合砥材粒子を焼結して作成し、最外層の被膜の
融点が内層の融点よりも低融点としたメタルボンド砥石
の製造方法が特開昭62−57871号公報に記載され
ている。
覆した複合砥材粒子を焼結して作成し、最外層の被膜の
融点が内層の融点よりも低融点としたメタルボンド砥石
の製造方法が特開昭62−57871号公報に記載され
ている。
【0005】これらの他にも、特開昭62−57872
号公報は、砥材粒子の周囲に複数の層が形成されている
メタルボンド砥石であって、複数層の最内層は他層に比
して高融点とし、複数層の最外層は他層に比して低融点
にした構成を開示している。また、特開昭48−159
96号公報には、焼結金属内に埋設した研摩粒を有する
研削工具において、焼結金属は研摩相粒を直接つつんで
いる粉末焼結金属製封入層と粗粒および封入層により占
有されていない工具内空間に充填された金属結合剤とか
ら構成され、この金属結合剤の様相は粉末焼結金属製封
入層とは物理学的に相違している研削工具が開示されて
いる。
号公報は、砥材粒子の周囲に複数の層が形成されている
メタルボンド砥石であって、複数層の最内層は他層に比
して高融点とし、複数層の最外層は他層に比して低融点
にした構成を開示している。また、特開昭48−159
96号公報には、焼結金属内に埋設した研摩粒を有する
研削工具において、焼結金属は研摩相粒を直接つつんで
いる粉末焼結金属製封入層と粗粒および封入層により占
有されていない工具内空間に充填された金属結合剤とか
ら構成され、この金属結合剤の様相は粉末焼結金属製封
入層とは物理学的に相違している研削工具が開示されて
いる。
【0006】更に、米国特許明細書第3826630号
には、第1層にモリブテンを第2層に鉄または鉄系金属
で被覆したダイヤモンド砥材粒子が記載され、米国特許
明細書第3929432号には、チタンで被覆したダイ
ヤモンド砥材粒子が開示されている。
には、第1層にモリブテンを第2層に鉄または鉄系金属
で被覆したダイヤモンド砥材粒子が記載され、米国特許
明細書第3929432号には、チタンで被覆したダイ
ヤモンド砥材粒子が開示されている。
【0007】そして更に、特開昭63−54488号公
報には、砥材粒子を核としこの砥材粒子の回りに焼結可
能な粉体を付着造粒した切断砥石用の造粒砥材であっ
て、砥材粒子が砥材の保持に適する高強度の造粒結合剤
によって被覆され、さらにこの造粒結合剤の周辺を、造
粒結合剤より低硬度のマトリックス結合剤によって画定
された2重構造の結合剤組織をもつ構成としたものが開
示されている。
報には、砥材粒子を核としこの砥材粒子の回りに焼結可
能な粉体を付着造粒した切断砥石用の造粒砥材であっ
て、砥材粒子が砥材の保持に適する高強度の造粒結合剤
によって被覆され、さらにこの造粒結合剤の周辺を、造
粒結合剤より低硬度のマトリックス結合剤によって画定
された2重構造の結合剤組織をもつ構成としたものが開
示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの公報に記載の
ダイヤモンドホイールを形成する切断用の砥石は、要す
るに、砥材粒子の寿命を長くすることをその基本的な課
題として、いずれも砥材粒子付近の結合剤を高強度とす
ることで砥材粒子に対する保持力を増強することによっ
て、砥材粒子の脱落を抑制しようとしたものである。
ダイヤモンドホイールを形成する切断用の砥石は、要す
るに、砥材粒子の寿命を長くすることをその基本的な課
題として、いずれも砥材粒子付近の結合剤を高強度とす
ることで砥材粒子に対する保持力を増強することによっ
て、砥材粒子の脱落を抑制しようとしたものである。
【0009】ところが、砥材粒子は最初の段階では完全
な形状をしており、また結合剤レベルより突出している
ために有効な切れ刃であるが、使用しているうちに切断
時の被削材との衝撃で破砕または磨滅されると共に、結
合剤レベルからの突出量はなくなる。
な形状をしており、また結合剤レベルより突出している
ために有効な切れ刃であるが、使用しているうちに切断
時の被削材との衝撃で破砕または磨滅されると共に、結
合剤レベルからの突出量はなくなる。
【0010】このように破砕または磨滅された砥材粒子
は、切れ刃としての機能は既に消滅していて、逆に切断
の際の抵抗となって作用する。そして、このまま継続し
て使用すると、大きな振動を伴い切れ味を悪くすると同
時に切断面も不良となってしまう。
は、切れ刃としての機能は既に消滅していて、逆に切断
の際の抵抗となって作用する。そして、このまま継続し
て使用すると、大きな振動を伴い切れ味を悪くすると同
時に切断面も不良となってしまう。
【0011】したがって、重切断の作業には、従来のダ
イヤモンドホイールでは切味が長く続かず、途中で使用
できなくなる状況に陥り、切断砥石を交換する必要があ
り、作業効率の低下も招く。
イヤモンドホイールでは切味が長く続かず、途中で使用
できなくなる状況に陥り、切断砥石を交換する必要があ
り、作業効率の低下も招く。
【0012】また、一般的に、重切断の作業には摩耗性
の高い強度の低い結合剤を用いることになるが、全体を
強度の低い結合剤でホイールを形成した場合では、強度
不足のために破損等の危険性があり、ダイヤモンドホイ
ールの製造が実質的にできなくなる。
の高い強度の低い結合剤を用いることになるが、全体を
強度の低い結合剤でホイールを形成した場合では、強度
不足のために破損等の危険性があり、ダイヤモンドホイ
ールの製造が実質的にできなくなる。
【0013】本発明において解決すべき課題は、破砕・
磨滅した砥材粒子の保持力を弱くし脱落を促進させるこ
とで、抵抗となる破砕・磨滅した砥材粒子を少なくし、
切れ刃となる新しい完全な砥材粒子の数を増進すること
によって、安定して。良好な切れ味が持続できるように
することにある。
磨滅した砥材粒子の保持力を弱くし脱落を促進させるこ
とで、抵抗となる破砕・磨滅した砥材粒子を少なくし、
切れ刃となる新しい完全な砥材粒子の数を増進すること
によって、安定して。良好な切れ味が持続できるように
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、砥材粒子の周
辺を焼結可能な結合剤によって保持形成するダイヤモン
ド切断砥石において、前記砥材粒子の周りを低強度の結
合剤によって被覆し、更に前記低強度の結合剤によって
被覆された前記砥材粒子を高強度の結合剤によって保持
してなることを特徴とするこのような構成において、低
強度の結合剤の肉厚を砥材粒子の径の10〜35%とす
ることができ、また低強度の結合剤の強度を高強度の結
合剤の85〜65%としてもよい。
辺を焼結可能な結合剤によって保持形成するダイヤモン
ド切断砥石において、前記砥材粒子の周りを低強度の結
合剤によって被覆し、更に前記低強度の結合剤によって
被覆された前記砥材粒子を高強度の結合剤によって保持
してなることを特徴とするこのような構成において、低
強度の結合剤の肉厚を砥材粒子の径の10〜35%とす
ることができ、また低強度の結合剤の強度を高強度の結
合剤の85〜65%としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】砥材粒子の周りを低強度の結合剤
によって被覆して破砕または磨滅した砥材粒子の脱落を
促進することで、切断の際の抵抗となる破砕または磨滅
した砥材粒子を減少させて自生作用を促進させる。これ
により、重切断においても切味の良い切断が可能とな
る。また、低強度の結合剤によって被覆した砥材粒子を
高強度の結合剤によって固定することで、安全なダイヤ
モンドホイールを提供することができる。
によって被覆して破砕または磨滅した砥材粒子の脱落を
促進することで、切断の際の抵抗となる破砕または磨滅
した砥材粒子を減少させて自生作用を促進させる。これ
により、重切断においても切味の良い切断が可能とな
る。また、低強度の結合剤によって被覆した砥材粒子を
高強度の結合剤によって固定することで、安全なダイヤ
モンドホイールを提供することができる。
【0016】砥材粒子の周りに被覆された低強度の結合
剤は、切断時に発生する切粉によって磨耗されやすいた
めに、砥材粒子の埋め込み量を低くできるので、砥材粒
子を脱落しやすくする。また、低強度の結合剤には切断
時の衝撃で微小なクラックが発生するために、砥材粒子
の保持力をより低くでき、破砕あるいは磨滅した砥材粒
子を脱落しやすくする。
剤は、切断時に発生する切粉によって磨耗されやすいた
めに、砥材粒子の埋め込み量を低くできるので、砥材粒
子を脱落しやすくする。また、低強度の結合剤には切断
時の衝撃で微小なクラックが発生するために、砥材粒子
の保持力をより低くでき、破砕あるいは磨滅した砥材粒
子を脱落しやすくする。
【0017】
【実施例】図1は電動工具で使用する石材乾式切断用の
ダイヤモンドカッターの例を示すものであり、金属製の
円盤状の基板1の外周に沿ってダイヤモンドセグメント
チップ2を固着している。このダイヤモンドカッターの
諸元及び砥材粒子と結合剤の仕様は次のとおりである。
ダイヤモンドカッターの例を示すものであり、金属製の
円盤状の基板1の外周に沿ってダイヤモンドセグメント
チップ2を固着している。このダイヤモンドカッターの
諸元及び砥材粒子と結合剤の仕様は次のとおりである。
【0018】(1)寸法: 105D×2.0T×20H×32L×6.5X×8N
×1.4E ここで、D:外径,T:ホイールの厚さ,H:穴径,
L:砥粒層の厚さ,X:砥粒層の深さ,E:取付け部の
厚さとする。
×1.4E ここで、D:外径,T:ホイールの厚さ,H:穴径,
L:砥粒層の厚さ,X:砥粒層の深さ,E:取付け部の
厚さとする。
【0019】(2)砥材: 人造ダイヤ、粒度:#40/50、集中度:20 (3)結合剤: 2重構造 軟質部:Cu−Sn−Ni−Co−W−C(W量:50
%) 硬質部:Cu−Sn−Ni−Co−W(W量;30%) 図2は耐火れんが研用のメタルボンドダイヤモンドホイ
ールの例であり、同様に基板3の外周に沿ってダイヤモ
ンドセグメントチップ4を固着している。このダイヤモ
ンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとお
りである。
%) 硬質部:Cu−Sn−Ni−Co−W(W量;30%) 図2は耐火れんが研用のメタルボンドダイヤモンドホイ
ールの例であり、同様に基板3の外周に沿ってダイヤモ
ンドセグメントチップ4を固着している。このダイヤモ
ンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとお
りである。
【0020】(1)寸法: 450D×25T×40H×40L×6.5X×33N
×10E (2)砥材: 人造ダイヤ、粒度:#40/50、集中度:30 (3)結合剤: 2重構造 軟質部:CoにCを添加(C量:5%) 硬質部:Co 図3は焼入れ鋼溝入れ用のCBNレジノイドボンドホイ
ールの例であり、円盤状の基板5の外周に沿ってダイヤ
モンドチップ6を固着している。このレジノイドボンド
ホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとおりで
ある。
×10E (2)砥材: 人造ダイヤ、粒度:#40/50、集中度:30 (3)結合剤: 2重構造 軟質部:CoにCを添加(C量:5%) 硬質部:Co 図3は焼入れ鋼溝入れ用のCBNレジノイドボンドホイ
ールの例であり、円盤状の基板5の外周に沿ってダイヤ
モンドチップ6を固着している。このレジノイドボンド
ホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとおりで
ある。
【0021】(1)寸法: 200D×1.8T×30.5H×5X×1.5E (2)砥材: CBN、粒度:#100/120、集中度:75 (3)結合剤: 2重構造 軟質部:レジンボンドにCuを添加(Cu量:25%) 硬質部:レジンボンド 図4はガラス研削用のビトリファイドボンドダイヤモン
ドホイールの例であり、基板7の外周縁を軸線方向に屈
曲させた部分の端面に沿ってダイヤモンドセグメントチ
ップ8を固着している。このビトリファイドボンドダイ
ヤモンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次の
とおりである。
ドホイールの例であり、基板7の外周縁を軸線方向に屈
曲させた部分の端面に沿ってダイヤモンドセグメントチ
ップ8を固着している。このビトリファイドボンドダイ
ヤモンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次の
とおりである。
【0022】(1)寸法: 400D×40T×120H×37L×5X×28N (2)砥材: 人造ダイヤ、粒度:#200/230、 集中度:35 (3)結合剤: 2重構造: 軟質部:ビトボンドにCを添加(C量:5%) 硬質部:ビトボンド 以上の各例において、結合剤を2重構造とする代わり
に、3重構造またはそれ以上の多層構造にすることも可
能である。
に、3重構造またはそれ以上の多層構造にすることも可
能である。
【0023】また、結合剤の強度を低くするためには、
W、C、CuやGC等のフィラーを添加させる方法、高
温の結合剤を使用する方法や微小気孔をもった結合剤を
使用する方法等のように、周囲の結合剤に合わせて選択
することができる。
W、C、CuやGC等のフィラーを添加させる方法、高
温の結合剤を使用する方法や微小気孔をもった結合剤を
使用する方法等のように、周囲の結合剤に合わせて選択
することができる。
【0024】図5は本発明のダイヤモンド切断砥石にお
ける砥材粒子Aと低強度結合剤B及び高強度結合剤Cの
関係示す模式図であり、砥材粒子Aはその表面を低強度
結合剤Bによって被覆され、この被覆されたものが高強
度結合剤Cによって保持されている。
ける砥材粒子Aと低強度結合剤B及び高強度結合剤Cの
関係示す模式図であり、砥材粒子Aはその表面を低強度
結合剤Bによって被覆され、この被覆されたものが高強
度結合剤Cによって保持されている。
【0025】図5の状態では砥材粒子Aは完全砥粒の形
態をとっているが、切断過程によって、図6の(a)に
示すように表面が磨滅した磨滅砥粒となったり、同図の
(b)に示すように磨滅した磨滅砥粒となったりする。
そして、いずれの過程を踏むものにおいても、最終的に
は低強度結合剤Bの層に微小なクラックが発生した後、
同図(c)に示すように砥材粒子Aが高強度結合剤Cに
よる拘束を解かれて脱落する。
態をとっているが、切断過程によって、図6の(a)に
示すように表面が磨滅した磨滅砥粒となったり、同図の
(b)に示すように磨滅した磨滅砥粒となったりする。
そして、いずれの過程を踏むものにおいても、最終的に
は低強度結合剤Bの層に微小なクラックが発生した後、
同図(c)に示すように砥材粒子Aが高強度結合剤Cに
よる拘束を解かれて脱落する。
【0026】図1に示したダイヤモンドカッターについ
て、従来のものと比較した試験を行った。表1において
試験No.1のものが図1で説明したものに対応し、N
o.2は結合剤を単一構造としてNo.1の硬質部のみ
を持つ組成としたもの、No.3は結合剤を同様に単一
構造とすると共にNo.1の軟質部のみを持つ組成とし
たものである。なお、試験条件は表2に示すものとし
た。
て、従来のものと比較した試験を行った。表1において
試験No.1のものが図1で説明したものに対応し、N
o.2は結合剤を単一構造としてNo.1の硬質部のみ
を持つ組成としたもの、No.3は結合剤を同様に単一
構造とすると共にNo.1の軟質部のみを持つ組成とし
たものである。なお、試験条件は表2に示すものとし
た。
【0027】
【表1】
【表2】 図7は以上の条件で行った試験により得られた切味と切
断長さの関係を測定した結果である。
断長さの関係を測定した結果である。
【0028】この測定結果から判るように、本発明品
(No.1)では切断長さが30mまで達しても切味が
安定して良好に切断することが可能であった。これに対
し、比較品(No.2)では、切断長さが10mを越え
たときから切断速度が次第に低下していって切味が悪く
なり、切断長さが30mの手前でテスト中止となった。
また、比較品(No.3)については、1カットでダイ
ヤモンドチッブが破損してしまい。テスト中止となっ
た。
(No.1)では切断長さが30mまで達しても切味が
安定して良好に切断することが可能であった。これに対
し、比較品(No.2)では、切断長さが10mを越え
たときから切断速度が次第に低下していって切味が悪く
なり、切断長さが30mの手前でテスト中止となった。
また、比較品(No.3)については、1カットでダイ
ヤモンドチッブが破損してしまい。テスト中止となっ
た。
【0029】図8はNo.1及びNo.2のカッターに
ついて、試験後の直径摩耗量を測定した結果を示すグラ
フであり、本発明を適用したNo.1では適正な摩耗量
であり、自生作用が順調に行われるのに対し、従来品の
No.2は表面の砥粒が摩耗・破砕した分だけしか摩耗
しておらず、自生作用が行われていないことが判る。図
9はNo.1及びNo.2のカッターについて試験後の
砥材粒子の形態を観察した結果を示すグラフであり、N
o.1のものについては切断長さが30m及びNo.2
では30m弱の切断長さを経たものである。
ついて、試験後の直径摩耗量を測定した結果を示すグラ
フであり、本発明を適用したNo.1では適正な摩耗量
であり、自生作用が順調に行われるのに対し、従来品の
No.2は表面の砥粒が摩耗・破砕した分だけしか摩耗
しておらず、自生作用が行われていないことが判る。図
9はNo.1及びNo.2のカッターについて試験後の
砥材粒子の形態を観察した結果を示すグラフであり、N
o.1のものについては切断長さが30m及びNo.2
では30m弱の切断長さを経たものである。
【0030】このグラフから明らかなように、本発明に
よるNo.1のカッターでは砥材粒子の脱落,破砕・磨
滅及び完全のそれぞれの比率がほぼ理想的な値に維持さ
れている。これに対し、No.2のカッターでは脱落及
び完全に比べると破砕・磨滅の比率が格段に大きく、切
断途中で破砕・磨滅した砥材粒子がそのまま残存して切
れ味を悪化させる原因となっていることが判る。
よるNo.1のカッターでは砥材粒子の脱落,破砕・磨
滅及び完全のそれぞれの比率がほぼ理想的な値に維持さ
れている。これに対し、No.2のカッターでは脱落及
び完全に比べると破砕・磨滅の比率が格段に大きく、切
断途中で破砕・磨滅した砥材粒子がそのまま残存して切
れ味を悪化させる原因となっていることが判る。
【0031】図10は前記の試験と同様の条件下で、低
強度結合剤の肉厚の変化による砥材粒子の形態の関係を
調べた試験結果を示すグラフである。この試験において
は、砥材粒子の径に対する低強度結合剤厚みの比率
(%)とは(1−砥材粒子径/被覆された砥材粒子径)
×100として表されるものである。
強度結合剤の肉厚の変化による砥材粒子の形態の関係を
調べた試験結果を示すグラフである。この試験において
は、砥材粒子の径に対する低強度結合剤厚みの比率
(%)とは(1−砥材粒子径/被覆された砥材粒子径)
×100として表されるものである。
【0032】このグラフからも明らかなように、低強度
の結合剤を大きくすると脱落砥材粒子が増加する傾向に
あることが判る。そして、切断中に脱落していく砥材粒
子の比率は25〜50%の範囲にあることが望ましいこ
とから、低強度結合剤の厚みの比率は10〜35%とす
ることが有効であることが判る。
の結合剤を大きくすると脱落砥材粒子が増加する傾向に
あることが判る。そして、切断中に脱落していく砥材粒
子の比率は25〜50%の範囲にあることが望ましいこ
とから、低強度結合剤の厚みの比率は10〜35%とす
ることが有効であることが判る。
【0033】更に、図11は高強度結合剤についてはそ
の強度を或る一定のものとし、低強度の結合剤について
のみその強度を変化させて試験した結果であって、結合
剤の強度がどのように砥粒形態に変化するかを調べたも
のである。
の強度を或る一定のものとし、低強度の結合剤について
のみその強度を変化させて試験した結果であって、結合
剤の強度がどのように砥粒形態に変化するかを調べたも
のである。
【0034】このグラフからは、低強度の結合剤の強度
が低いほど脱落砥材粒子が増えることが判る。そして、
同様に切断中に脱落していく砥材粒子の比率は25〜5
0%の範囲であることが望ましいので、低強度結合剤の
強度は高強度の結合剤のそれに対して65〜85%とす
ることが有効であることが判る。
が低いほど脱落砥材粒子が増えることが判る。そして、
同様に切断中に脱落していく砥材粒子の比率は25〜5
0%の範囲であることが望ましいので、低強度結合剤の
強度は高強度の結合剤のそれに対して65〜85%とす
ることが有効であることが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明では、破砕または磨滅した砥材粒
子の脱落を促進するので、これらの破砕及び磨滅して切
断に際しては抵抗としてしか作用しなくなる砥材粒子に
よる障害を無くすことができ、安定して低い切断抵抗で
の切断が可能となり、砥材粒子層を最後まで使用できる
ので、ダイヤモンドホイールの寿命の向上が図られる。
また、砥材粒子が脱落した部分はチップポケットとなる
ので、空冷効果や切粉排出効果がよくなり、切味が更に
向上する更に、マトリックスに高強度結合剤を使用でき
る為、セグメントチップの欠けや欠損等を生じることが
なく、切断砥石の製造及び使用の両面での安全性が増大
する。
子の脱落を促進するので、これらの破砕及び磨滅して切
断に際しては抵抗としてしか作用しなくなる砥材粒子に
よる障害を無くすことができ、安定して低い切断抵抗で
の切断が可能となり、砥材粒子層を最後まで使用できる
ので、ダイヤモンドホイールの寿命の向上が図られる。
また、砥材粒子が脱落した部分はチップポケットとなる
ので、空冷効果や切粉排出効果がよくなり、切味が更に
向上する更に、マトリックスに高強度結合剤を使用でき
る為、セグメントチップの欠けや欠損等を生じることが
なく、切断砥石の製造及び使用の両面での安全性が増大
する。
【図1】 本発明を適用した石材乾式切断用ダイヤモン
ドカッターであって、同図の(a)は正面図、同図の
(b)は縦断面図である。
ドカッターであって、同図の(a)は正面図、同図の
(b)は縦断面図である。
【図2】 本発明を適用した耐火レンガ研削用のメタル
ボンドダイヤモンドホイールであって、同図の(a)は
部分正面図、同図の(b)は縦断面図である。
ボンドダイヤモンドホイールであって、同図の(a)は
部分正面図、同図の(b)は縦断面図である。
【図3】 本発明を適用した焼入れ鋼溝入れ用のCBN
レジノイドボンドホイールであって、同図の(a)は正
面図、同図の(b)は縦断面図である。
レジノイドボンドホイールであって、同図の(a)は正
面図、同図の(b)は縦断面図である。
【図4】 本発明を適用したガラス研削用のビトリファ
イドボンドダイヤモンドホイールであって、同図の
(b)は部分正面図、同図の(b)は縦断面図である。
イドボンドダイヤモンドホイールであって、同図の
(b)は部分正面図、同図の(b)は縦断面図である。
【図5】 本発明における砥材粒子と低強度及び高強度
結合剤の関係を示す模式図であって、同図の(a)は平
面図、同図の(b)は縦断面図である。
結合剤の関係を示す模式図であって、同図の(a)は平
面図、同図の(b)は縦断面図である。
【図6】 図5に示した砥材粒子の磨滅及び破砕から脱
落までの過程を示す概略図である。
落までの過程を示す概略図である。
【図7】 従来品との比較を示す測定結果であって、切
断長さを切断速度の関係を示す図である。
断長さを切断速度の関係を示す図である。
【図8】 切断後の摩耗量の変化を従来品と比較して示
す図である。
す図である。
【図9】 切断後の砥材粒子の形態を本発明のものと従
来品と比較して示す図である。
来品と比較して示す図である。
【図10】 低強度結合剤の厚みと砥材粒子の形態の関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図11】 結合剤の強度と砥材粒子の形態の関係を示
す図である。
す図である。
A :砥材粒子 B :低強度結合剤 C :高強度結合剤 1 :基板 2 :セグメントダイヤモンドチップ 3 :基板 4 :セグメントダイヤモンドチップ 5 :基板 6 :ダイヤモンドチップ 7 :基板 8 :セグメントダイヤモンドチップ
Claims (3)
- 【請求項1】 砥材粒子の周辺を焼結可能な結合剤によ
って保持形成するダイヤモンド切断砥石において、前記
砥材粒子の周りを低強度の結合剤によって被覆し、更に
前記低強度の結合剤によって被覆された前記砥材粒子を
高強度の結合剤によって保持してなるダイヤモンド切断
砥石。 - 【請求項2】 前記低強度の結合剤の肉厚が前記砥材粒
子の径の10〜35%である請求項1記載のダイヤモン
ド切断砥石。 - 【請求項3】 前記低強度の結合剤の強度が前記高強度
の結合剤の85〜65%である請求項1記載のダイヤモ
ンド切断砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP885397A JPH10202533A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | ダイヤモンド切断砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP885397A JPH10202533A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | ダイヤモンド切断砥石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10202533A true JPH10202533A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11704302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP885397A Pending JPH10202533A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | ダイヤモンド切断砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10202533A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009039829A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ダイヤモンドホイール |
JP2013154440A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Jtekt Corp | ビトリファイドボンド砥石の製造方法およびビトリファイドボンド砥石 |
CN108188942A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-06-22 | 西安锐凝超硬工具科技有限公司 | 一种切割bga封装用金属结合剂金刚石切割片制备方法 |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP885397A patent/JPH10202533A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009039829A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ダイヤモンドホイール |
JP2013154440A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Jtekt Corp | ビトリファイドボンド砥石の製造方法およびビトリファイドボンド砥石 |
CN108188942A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-06-22 | 西安锐凝超硬工具科技有限公司 | 一种切割bga封装用金属结合剂金刚石切割片制备方法 |
CN108188942B (zh) * | 2017-12-18 | 2022-12-13 | 西安锐凝超硬工具科技有限公司 | 一种用于切割bga封装的含有金属结合剂的金刚石切割片的制备方法 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040123 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |