JPH10183294A - 蒸気タービン用ロータシャフト並びに耐熱鋼 - Google Patents
蒸気タービン用ロータシャフト並びに耐熱鋼Info
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- JPH10183294A JPH10183294A JP2294898A JP2294898A JPH10183294A JP H10183294 A JPH10183294 A JP H10183294A JP 2294898 A JP2294898 A JP 2294898A JP 2294898 A JP2294898 A JP 2294898A JP H10183294 A JPH10183294 A JP H10183294A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、高温強度が高く、加熱脆化の
少なく、少なくとも最終段で30インチ以上の動翼を植
設できる高低圧一体型蒸気タービン用ロータシャフトと
その製造法及び耐熱鋼を提供する。 【解決手段】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.8
%及びV0.15〜0.35%を含み、(Mn/Ni)比
が0.12 以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18
以下であるNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなること
を特徴とする高低圧一体型蒸気タービンシャフトと、そ
の耐熱鋼にあり、更にNb,Ta,Al,Ti,Zr,
B,Ca,希土類元素を含むことができ、焼入れ及び焼
戻す製造法にある。
少なく、少なくとも最終段で30インチ以上の動翼を植
設できる高低圧一体型蒸気タービン用ロータシャフトと
その製造法及び耐熱鋼を提供する。 【解決手段】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.8
%及びV0.15〜0.35%を含み、(Mn/Ni)比
が0.12 以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18
以下であるNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなること
を特徴とする高低圧一体型蒸気タービンシャフトと、そ
の耐熱鋼にあり、更にNb,Ta,Al,Ti,Zr,
B,Ca,希土類元素を含むことができ、焼入れ及び焼
戻す製造法にある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な高低圧一体型
蒸気タービン用ロータシャフトとその製造法及び耐熱鋼
に関する。
蒸気タービン用ロータシャフトとその製造法及び耐熱鋼
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高温(蒸気温度:約538℃)の
蒸気にさらされる高圧ロータ材としては、ASTM規格
材Cr−Mo−V鋼(Designation:A470−84,Cl
ass8)が、低圧(蒸気温度:約100℃)ロータ材として
は、ASTM規格材3.5NiCrMoV鋼(Designation:A4
70−84,Class7)が使用されている。前者のCr
−Mo−V鋼は高温強度が高いが、低温靭性が低い。後
者の3.5Ni−Cr− Mo−V鋼は低温靭性が高い
が、高温強度が低い。
蒸気にさらされる高圧ロータ材としては、ASTM規格
材Cr−Mo−V鋼(Designation:A470−84,Cl
ass8)が、低圧(蒸気温度:約100℃)ロータ材として
は、ASTM規格材3.5NiCrMoV鋼(Designation:A4
70−84,Class7)が使用されている。前者のCr
−Mo−V鋼は高温強度が高いが、低温靭性が低い。後
者の3.5Ni−Cr− Mo−V鋼は低温靭性が高い
が、高温強度が低い。
【0003】大容量タービンは、蒸気条件により高圧
部,中圧部及び低圧部からなっており、高圧及び中圧ロ
ータはCr−Mo−V鋼で、低圧ロータは3.5Ni−
Cr−Mo−V鋼で一般に作製されている。
部,中圧部及び低圧部からなっており、高圧及び中圧ロ
ータはCr−Mo−V鋼で、低圧ロータは3.5Ni−
Cr−Mo−V鋼で一般に作製されている。
【0004】10万KW未満の小容量及び10〜30万
KW中容量タービンは、ロータサイズが小さいことか
ら、上記の高圧ロータ材と低圧ロータ材の長所を兼ね備
えた材料があれば、高圧部から低圧部までを一体化(同
一材料の作製)することができる。一体化すると、ター
ビン全体がコンパクトとなり、著しい減価低減効果があ
る。この高低圧一体化ロータ材の一例が特開昭53−3091
5 号公報,同60−224766号公報に開示されてい
る。
KW中容量タービンは、ロータサイズが小さいことか
ら、上記の高圧ロータ材と低圧ロータ材の長所を兼ね備
えた材料があれば、高圧部から低圧部までを一体化(同
一材料の作製)することができる。一体化すると、ター
ビン全体がコンパクトとなり、著しい減価低減効果があ
る。この高低圧一体化ロータ材の一例が特開昭53−3091
5 号公報,同60−224766号公報に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記現有ロータ材で一
体化しようとすると、Cr−Mo−V鋼では低温の靭性
が低いために低圧部の脆性破壊に対する安全性が確保で
きず、3.5Ni−Cr−Mo−V鋼では高温強度が低
いために高温部のクリープ破壊に対する安全性が確保で
きない。
体化しようとすると、Cr−Mo−V鋼では低温の靭性
が低いために低圧部の脆性破壊に対する安全性が確保で
きず、3.5Ni−Cr−Mo−V鋼では高温強度が低
いために高温部のクリープ破壊に対する安全性が確保で
きない。
【0006】また、前述の特開昭53−30915 号公報には
C0.15〜0.3%,Si0.1%以下,Mn1.0%以
下,Cr0.5〜1.5%,Ni0.5〜1.5%,Mo
0.5%を越え1.5% 以下,V0.15〜0.30%,
Nb0.01〜0.1%、残部Feからなる高低圧一体ロ
ータが開示されているが、高温で長時間加熱後における
靭性が十分でなく、30インチ以上の長翼を植設するこ
とができない。
C0.15〜0.3%,Si0.1%以下,Mn1.0%以
下,Cr0.5〜1.5%,Ni0.5〜1.5%,Mo
0.5%を越え1.5% 以下,V0.15〜0.30%,
Nb0.01〜0.1%、残部Feからなる高低圧一体ロ
ータが開示されているが、高温で長時間加熱後における
靭性が十分でなく、30インチ以上の長翼を植設するこ
とができない。
【0007】特開昭60−224766号公報には、C0.10
〜0.35%,Si0.1% 以下,Mn1.0%以下,N
i1.5〜2.5%,Cr1.5〜3.0%,Mo0.3〜
1.5%,V0.05〜0.25%,残部Feからなる蒸気
タービンロータが開示され、更にこれにNb0.01〜
0.1%,N0.02〜0.1%を含むことが開示されて
いる。しかし、このロータはクリープ破断強度が低い。
〜0.35%,Si0.1% 以下,Mn1.0%以下,N
i1.5〜2.5%,Cr1.5〜3.0%,Mo0.3〜
1.5%,V0.05〜0.25%,残部Feからなる蒸気
タービンロータが開示され、更にこれにNb0.01〜
0.1%,N0.02〜0.1%を含むことが開示されて
いる。しかし、このロータはクリープ破断強度が低い。
【0008】特開昭62−189301号公報には高低圧一体型
蒸気タービンが開示されているが、ロータシャフトは靭
性が低いが高温強度の高い材料と高温強度は低いが靭性
の高い材料を機械的に結合したロータシャフトが用いら
れており、同じ組成で一体型のものにはなっていない、
このような機械的な結合では十分な強度を確保するには
大がかりな構造となり、小型化できないだけでなく、信
頼性が劣ってしまう。本発明の目的は高温強度が高く、
加熱脆化が少なく、少なくとも最終段で30インチ以上
の動翼を植設できる高低圧一体型蒸気タービン用ロータ
シャフトとその製造法及び耐熱鋼を提供するにある。
蒸気タービンが開示されているが、ロータシャフトは靭
性が低いが高温強度の高い材料と高温強度は低いが靭性
の高い材料を機械的に結合したロータシャフトが用いら
れており、同じ組成で一体型のものにはなっていない、
このような機械的な結合では十分な強度を確保するには
大がかりな構造となり、小型化できないだけでなく、信
頼性が劣ってしまう。本発明の目的は高温強度が高く、
加熱脆化が少なく、少なくとも最終段で30インチ以上
の動翼を植設できる高低圧一体型蒸気タービン用ロータ
シャフトとその製造法及び耐熱鋼を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一体のロータ
シャフトに蒸気の高圧側より低圧側にかけて多段にブレ
ードを植設した蒸気タービン用ロータシャフトにおい
て、該ロータシャフトは重量比で(Mn/Ni)比が
0.12以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18以下
であるベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V低
合金鋼からなり、且つ538℃,10万時間クリープ破
断強度が11kg/mm2 以上であることを特徴とする。
シャフトに蒸気の高圧側より低圧側にかけて多段にブレ
ードを植設した蒸気タービン用ロータシャフトにおい
て、該ロータシャフトは重量比で(Mn/Ni)比が
0.12以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18以下
であるベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V低
合金鋼からなり、且つ538℃,10万時間クリープ破
断強度が11kg/mm2 以上であることを特徴とする。
【0010】前記ロータシャフトは重量でC0.15〜
0.4%,Si0.1% 以下,Mn0.05〜0.25
%,Ni1.5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo
0.8〜2.5%及びV0.1〜0.35%を含み、(Mn
/Ni)比が0.12以下又は(Si+Mn)/Ni比が
0.18 以下であるベーナイト組織を有するNi−Cr
−Mo−V低合金鋼が好ましい。
0.4%,Si0.1% 以下,Mn0.05〜0.25
%,Ni1.5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo
0.8〜2.5%及びV0.1〜0.35%を含み、(Mn
/Ni)比が0.12以下又は(Si+Mn)/Ni比が
0.18 以下であるベーナイト組織を有するNi−Cr
−Mo−V低合金鋼が好ましい。
【0011】本発明に係る蒸気タービンは前記蒸気入口
温度が530℃以上、その出口温度が100℃以下であ
り、前記ブレードの少なくとも最終段の長さが30イン
チ以上のものであり、前記ロータシャフトはその中心部
のFATTが前記蒸気出口温度以下の温度及び538
℃,10万時間クリープ破断強度が11kg/mm2 以上特
に、12kg/mm2 以上であるベーナイト組織を有するN
i−Cr−Mo−V低合金鋼からなることを特徴とす
る。
温度が530℃以上、その出口温度が100℃以下であ
り、前記ブレードの少なくとも最終段の長さが30イン
チ以上のものであり、前記ロータシャフトはその中心部
のFATTが前記蒸気出口温度以下の温度及び538
℃,10万時間クリープ破断強度が11kg/mm2 以上特
に、12kg/mm2 以上であるベーナイト組織を有するN
i−Cr−Mo−V低合金鋼からなることを特徴とす
る。
【0012】本発明に係る蒸気タービン用ロータシャフ
トは538℃,10万時間クリープ破断強度が11kg/
mm2 以上、500℃,3000時間加熱後のVノッチ衝
撃値が3.0kg−m/cm2以上であるベーナイト組織を有
するNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなり、前記ブレ
ードの少なくとも最終段の長さを30インチ以上とでき
るものである。
トは538℃,10万時間クリープ破断強度が11kg/
mm2 以上、500℃,3000時間加熱後のVノッチ衝
撃値が3.0kg−m/cm2以上であるベーナイト組織を有
するNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなり、前記ブレ
ードの少なくとも最終段の長さを30インチ以上とでき
るものである。
【0013】本発明に係る蒸気タービンにおいては、初
段ブレードへの蒸気入口温度が530℃以上及び最終段
ブレードでの出口温度が100℃以下であり、ロータシ
ャフトの軸受間の長さ(L)と最終段ブレード部分のブ
レード先端間の直径(D)との比(L/D)が1.4〜
2.3であり、前記ブレードは少なくとも最終段で30
インチ以上の長さとすることができる。
段ブレードへの蒸気入口温度が530℃以上及び最終段
ブレードでの出口温度が100℃以下であり、ロータシ
ャフトの軸受間の長さ(L)と最終段ブレード部分のブ
レード先端間の直径(D)との比(L/D)が1.4〜
2.3であり、前記ブレードは少なくとも最終段で30
インチ以上の長さとすることができる。
【0014】前記ロータシャフトは前記530℃以上の
蒸気温度に耐える高温強度と前記100℃以下の蒸気温
度で前記30インチ以上の長さのブレードの植設に耐え
る衝撃値を有するベーナイト組織を有するNi−Cr−
Mo−V低合金鋼からなることを特徴とする。
蒸気温度に耐える高温強度と前記100℃以下の蒸気温
度で前記30インチ以上の長さのブレードの植設に耐え
る衝撃値を有するベーナイト組織を有するNi−Cr−
Mo−V低合金鋼からなることを特徴とする。
【0015】前記ブレードは低圧側で30インチ以上の
長さを有し、高圧側のブレードは低圧側のそれよりクリ
ープ破断強度が高い高Crマルテンサイト鋼からなり、
低圧側のブレードは高圧側のそれより靭性の高い高Cr
マルテンサイト鋼が好ましい。
長さを有し、高圧側のブレードは低圧側のそれよりクリ
ープ破断強度が高い高Crマルテンサイト鋼からなり、
低圧側のブレードは高圧側のそれより靭性の高い高Cr
マルテンサイト鋼が好ましい。
【0016】前記30インチ以上の長さのブレードは、
重量でC0.08〜0.15%,Si0.5%以下,Mn
1.5%以下,Cr10〜13%,Mo1〜2.5%,V
0.2〜0.5% ,N0.02〜0.1%を含むマルテン
サイト鋼からなり、前記高圧側ブレードは重量で、C
0.2〜0.3%,Si0.5% 以下,Mn1%以下,C
r10〜13%,Ni0.5% 以下,Mo0.5〜1.5
%,W0.5〜1.5%,V0.15〜0.35%を含むマ
ルテンサイト鋼からなり、前記30インチ以下の低圧側
ブレードは重量で、C0.05〜0.15%,Si0.5
% 以下,Mn1%以下、好ましくは0.2〜1.0%,
Cr10〜13%,Ni0.5%以下,Mo0.5%以下及
び残部Feであるマルテンサイト鋼からなる。
重量でC0.08〜0.15%,Si0.5%以下,Mn
1.5%以下,Cr10〜13%,Mo1〜2.5%,V
0.2〜0.5% ,N0.02〜0.1%を含むマルテン
サイト鋼からなり、前記高圧側ブレードは重量で、C
0.2〜0.3%,Si0.5% 以下,Mn1%以下,C
r10〜13%,Ni0.5% 以下,Mo0.5〜1.5
%,W0.5〜1.5%,V0.15〜0.35%を含むマ
ルテンサイト鋼からなり、前記30インチ以下の低圧側
ブレードは重量で、C0.05〜0.15%,Si0.5
% 以下,Mn1%以下、好ましくは0.2〜1.0%,
Cr10〜13%,Ni0.5%以下,Mo0.5%以下及
び残部Feであるマルテンサイト鋼からなる。
【0017】前記30インチ以上のブレードの先端リー
デングエッチ部にはエロージョン防止層が設けられてい
るのが好ましい。具体的な翼の長さとして、33.5″
,40″,46.5″等のものを用いることができる。
デングエッチ部にはエロージョン防止層が設けられてい
るのが好ましい。具体的な翼の長さとして、33.5″
,40″,46.5″等のものを用いることができる。
【0018】本発明は、発電機を蒸気タービン及びガス
タービンによって駆動するコンバインド発電システムに
係るものであり、前記蒸気タービンは一体のロータシャ
フトに蒸気の高圧側より低圧側にかけて多段にブレード
が植設されるロータシャフトを備え、前記蒸気入口温度
が530℃以上、その出口温度が100℃以下であり、
前記ケーシングは前記ブレードの高圧側から低圧側にか
けて一体に構成されるのが好ましく、前記蒸気が一方向
に流れるように蒸気入口を前記ブレードの初段前及びそ
の出口を前記ブレードの最終段後に設け、前記ブレード
は低圧側で30インチ以上の長さで植設されるのが好ま
しい。
タービンによって駆動するコンバインド発電システムに
係るものであり、前記蒸気タービンは一体のロータシャ
フトに蒸気の高圧側より低圧側にかけて多段にブレード
が植設されるロータシャフトを備え、前記蒸気入口温度
が530℃以上、その出口温度が100℃以下であり、
前記ケーシングは前記ブレードの高圧側から低圧側にか
けて一体に構成されるのが好ましく、前記蒸気が一方向
に流れるように蒸気入口を前記ブレードの初段前及びそ
の出口を前記ブレードの最終段後に設け、前記ブレード
は低圧側で30インチ以上の長さで植設されるのが好ま
しい。
【0019】本発明は、一体のロータシャフトに蒸気の
高圧側より低圧側にかけて多段にブレードを植設したロ
ータと、該ロータを被うケーシングとを備え、前記蒸気
が前記高圧側と低圧側とで各々異なった方向に流れる蒸
気タービンにおいても適用できる。
高圧側より低圧側にかけて多段にブレードを植設したロ
ータと、該ロータを被うケーシングとを備え、前記蒸気
が前記高圧側と低圧側とで各々異なった方向に流れる蒸
気タービンにおいても適用できる。
【0020】本発明における動翼は重量で、C0.05
〜0.15%,Si0.5% 以下,Mn0.2〜1%,C
r10〜13%,Ni0.5%以下,Mo0.5% 以下
及び残部が実質的にFeである焼戻し全マルテンサイト
鋼からなるのが好ましい。
〜0.15%,Si0.5% 以下,Mn0.2〜1%,C
r10〜13%,Ni0.5%以下,Mo0.5% 以下
及び残部が実質的にFeである焼戻し全マルテンサイト
鋼からなるのが好ましい。
【0021】本発明におけるケーシングは、重量でC
0.15〜0.30%,Si0.5% 以下,Mn1%以
下,Cr1〜2%,Mo0.5〜1.5%,V0.05〜
0.2%,Ti0.05% 以下を含むベーナイト組織を
有するCr−Mo−V鋳鋼よりなるのが好ましい。
0.15〜0.30%,Si0.5% 以下,Mn1%以
下,Cr1〜2%,Mo0.5〜1.5%,V0.05〜
0.2%,Ti0.05% 以下を含むベーナイト組織を
有するCr−Mo−V鋳鋼よりなるのが好ましい。
【0022】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%を含み、Mn/Ni比が
0.12以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下
であるベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V鋼
からなることを特徴とする耐熱鋼にある。
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%を含み、Mn/Ni比が
0.12以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下
であるベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V鋼
からなることを特徴とする耐熱鋼にある。
【0023】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%と、Al,Zr,Ca及び
希土類元素の1種以上を合計で0.001〜0.1%とを
含み、Mn/Ni比は0.12以下又は(Si+Mn)/
Ni比が0.18 以下であるベーナイト組織を有するN
i−Cr−Mo−V鋼からなることを特徴とする耐熱鋼
にある。
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%と、Al,Zr,Ca及び
希土類元素の1種以上を合計で0.001〜0.1%とを
含み、Mn/Ni比は0.12以下又は(Si+Mn)/
Ni比が0.18 以下であるベーナイト組織を有するN
i−Cr−Mo−V鋼からなることを特徴とする耐熱鋼
にある。
【0024】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%と、Nb及びTaの1種以
上0.005〜0.15%とを含み、Mn/Ni比が0.
12以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18以下で
ある主にベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V
鋼からなることを特徴とする耐熱鋼にある。
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%と、Nb及びTaの1種以
上0.005〜0.15%とを含み、Mn/Ni比が0.
12以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18以下で
ある主にベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V
鋼からなることを特徴とする耐熱鋼にある。
【0025】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%と、Al,Zr,Ca及び
希土類元素の1種以上を合計で0.001〜0.1%と、
Nb及びTaの1種以上を0.005〜0.15%とを含
み、Mn/Ni比が0.12以下又は(Si+Mn)/
Ni比が0.18以下であるベーナイト組織を有するN
i−Cr−Mo−V鋼からなることを特徴とする耐熱鋼
にある。
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.25% ,Ni1.
5〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5
%及びV0.10〜0.35%と、Al,Zr,Ca及び
希土類元素の1種以上を合計で0.001〜0.1%と、
Nb及びTaの1種以上を0.005〜0.15%とを含
み、Mn/Ni比が0.12以下又は(Si+Mn)/
Ni比が0.18以下であるベーナイト組織を有するN
i−Cr−Mo−V鋼からなることを特徴とする耐熱鋼
にある。
【0026】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.5% ,Ni1.6
〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%
及びV0.1〜0.5%を含み、残部がFeであり、(V
+Mo)/(Ni+Cr)比が0.45〜0.7であるこ
とを特徴とするNi−Cr−Mo−V低合金鋼又はそれ
を用いた高低圧一体型ロータシャフトにある。
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.5% ,Ni1.6
〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%
及びV0.1〜0.5%を含み、残部がFeであり、(V
+Mo)/(Ni+Cr)比が0.45〜0.7であるこ
とを特徴とするNi−Cr−Mo−V低合金鋼又はそれ
を用いた高低圧一体型ロータシャフトにある。
【0027】本発明は、重量で、C0.15〜0.4%,
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.5% ,Ni1.6
〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%
及びV0.1〜0.5%を含み、Nb0.005〜0.15
%,Ta0.005〜0.15%,Al0.001〜0.1
%,Zr0.001〜0.1%,Ca0.001〜0.1
%,希土類元素0.001〜0.1%,W0.1〜1.0
%,Ti0.001〜0.1%,B0.001〜0.1%の
少なくとも1種を含み、残部が実質的にFeであり、
(V+Mo)/(Ni+Cr)比が0.45〜0.7であ
ることを特徴とするNi−Cr−Mo−V低合金鋼又は
それを用いた高低圧一体型ロータシャフトにある。
Si0.1%以下,Mn0.05〜0.5% ,Ni1.6
〜2.5%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%
及びV0.1〜0.5%を含み、Nb0.005〜0.15
%,Ta0.005〜0.15%,Al0.001〜0.1
%,Zr0.001〜0.1%,Ca0.001〜0.1
%,希土類元素0.001〜0.1%,W0.1〜1.0
%,Ti0.001〜0.1%,B0.001〜0.1%の
少なくとも1種を含み、残部が実質的にFeであり、
(V+Mo)/(Ni+Cr)比が0.45〜0.7であ
ることを特徴とするNi−Cr−Mo−V低合金鋼又は
それを用いた高低圧一体型ロータシャフトにある。
【0028】これらのロータシャフトは本発明の蒸気タ
ービンに適用される。
ービンに適用される。
【0029】更に、前述に記載のCr−Mo−V低合金
鋼の酸素量が25ppm 以下であるのが好ましい。
鋼の酸素量が25ppm 以下であるのが好ましい。
【0030】前述に記載の組成を有するCr−Mo−V
鋼は、その鋼塊を特にエレクトロ再溶解又はアーク炉に
て大気中溶解後に真空炭素脱酸した鋼塊を製造し、該鋼
塊を熱間鍛造し、次いでオーステナイト化温度に加熱し
所定の冷却速度で冷却する焼入れを施した後焼戻し処理
を施し、主にベーナイト組織を有することを特徴とする
製造法にある。
鋼は、その鋼塊を特にエレクトロ再溶解又はアーク炉に
て大気中溶解後に真空炭素脱酸した鋼塊を製造し、該鋼
塊を熱間鍛造し、次いでオーステナイト化温度に加熱し
所定の冷却速度で冷却する焼入れを施した後焼戻し処理
を施し、主にベーナイト組織を有することを特徴とする
製造法にある。
【0031】焼入れ温度は900〜1000℃、焼戻し
温度は630〜700℃が好ましい。
温度は630〜700℃が好ましい。
【0032】本発明に係る蒸気タービンは特に10〜3
0万KW級の中容量火力発電に最も小型で熱効率の向上
の点から好適である。特に、最長翼として長さが33.
5 インチで、全周が90本以上のものとすることがで
きる。
0万KW級の中容量火力発電に最も小型で熱効率の向上
の点から好適である。特に、最長翼として長さが33.
5 インチで、全周が90本以上のものとすることがで
きる。
【0033】本発明の蒸気タービンロータを構成する低
合金鋼の組成及び熱処理条件の限定理由について説明す
る。
合金鋼の組成及び熱処理条件の限定理由について説明す
る。
【0034】Cは焼入性を向上し強度を確保するのに必
要な元素である。その量が0.15%以下では十分な焼
入性が得られず、ロータ中心に軟らかいフェライト組織
が生成し、十分な引張強さ及び耐力が得られない。また
0.4% 以上になると靭性を低下させるので、Cの範囲
は0.15〜0.4%に限定される。特にCは0.20〜
0.28%の範囲が好ましい。
要な元素である。その量が0.15%以下では十分な焼
入性が得られず、ロータ中心に軟らかいフェライト組織
が生成し、十分な引張強さ及び耐力が得られない。また
0.4% 以上になると靭性を低下させるので、Cの範囲
は0.15〜0.4%に限定される。特にCは0.20〜
0.28%の範囲が好ましい。
【0035】Si及びMnは従来脱酸剤として添加して
いたが、真空C脱酸法及びエレクトロスラグ再溶解法な
どの製鋼技術によれば、特に添加しなくとも健全なロー
タが溶製可能である。長時間使用による脆化の点から、
Si及びMnは低目にすべきであり、それぞれ0.1%
及び0.5%以下に限定され、特にSi≦0.05% ,
Mn≦0.25%より0.20%以下が好ましい。
いたが、真空C脱酸法及びエレクトロスラグ再溶解法な
どの製鋼技術によれば、特に添加しなくとも健全なロー
タが溶製可能である。長時間使用による脆化の点から、
Si及びMnは低目にすべきであり、それぞれ0.1%
及び0.5%以下に限定され、特にSi≦0.05% ,
Mn≦0.25%より0.20%以下が好ましい。
【0036】一方、適量のMn添加は、鋼中に不純物元
素として存在し熱間加工性を悪くする有害なSを、硫化
物MnSとして固定する作用がある。このために、Mn
の適量添加は、前述のSの害を減小する効果があるの
で、蒸気タービン用ロータシャフトのような大型鍛造品
の製造においては0.05% 以上にすべきである。特
に、0.08〜0.25%、より0.1〜0.2%が好まし
い。
素として存在し熱間加工性を悪くする有害なSを、硫化
物MnSとして固定する作用がある。このために、Mn
の適量添加は、前述のSの害を減小する効果があるの
で、蒸気タービン用ロータシャフトのような大型鍛造品
の製造においては0.05% 以上にすべきである。特
に、0.08〜0.25%、より0.1〜0.2%が好まし
い。
【0037】Niは焼入性を向上させ、靭性向上に不可
欠の元素である。1.5% 未満では靭性向上効果が十分
でない。また2.5% を超える多量の添加は、クリープ
破断強度を低下させてしまう。特に1.5 %を越え、
1.6〜2.0%の範囲が好ましい。
欠の元素である。1.5% 未満では靭性向上効果が十分
でない。また2.5% を超える多量の添加は、クリープ
破断強度を低下させてしまう。特に1.5 %を越え、
1.6〜2.0%の範囲が好ましい。
【0038】Crは焼入性を向上させ、靭性及び強度向
上効果がある。また蒸気中の耐食性も向上させる。0.
8% 未満ではこれらの効果が十分でなく、2.5% を
超える添加は、クリープ破断強度を低下させる。特に
1.2〜1.9%が好ましい。
上効果がある。また蒸気中の耐食性も向上させる。0.
8% 未満ではこれらの効果が十分でなく、2.5% を
超える添加は、クリープ破断強度を低下させる。特に
1.2〜1.9%が好ましい。
【0039】Moは焼もどし処理中に結晶粒内に微細炭
化物を析出させ、高温強度向上及び焼もどし脱化防止効
果がある。0.8% 未満ではこれらの効果が十分でな
く、2.5% を超える多量の添加は靭性を添加させる。
特に靭性の点からは1.2〜1.5% 、強度の点からは
1.5%を越え2.0%以下が好ましい。
化物を析出させ、高温強度向上及び焼もどし脱化防止効
果がある。0.8% 未満ではこれらの効果が十分でな
く、2.5% を超える多量の添加は靭性を添加させる。
特に靭性の点からは1.2〜1.5% 、強度の点からは
1.5%を越え2.0%以下が好ましい。
【0040】Vは、焼もどし処理中に結晶粒内に微細炭
化物を析出させ、高温強度及び靭性向上効果がある。
0.1% 未満ではこれらの効果が十分でなく、0.35
% を越える添加は効果が飽和してしまう。特に0.20
〜0.30%の範囲が好ましい。上述のNi,Cr,V
及びMoは靭性及び高温強度に大きく関与し、本発明鋼
においては、複合的に作用することが実験的に明らかに
された。即ち、高い高温強度と高い低温靭性を兼ね備え
た材料を得るためには、炭化物生成元素であり高温強度
向上効果のあるVとMoの和と、焼入性を向上し靭性向
上効果のあるNiとCrの和との比が、(V+Mo)/
(Ni+Cr)=0.45〜0.7が好ましい。
化物を析出させ、高温強度及び靭性向上効果がある。
0.1% 未満ではこれらの効果が十分でなく、0.35
% を越える添加は効果が飽和してしまう。特に0.20
〜0.30%の範囲が好ましい。上述のNi,Cr,V
及びMoは靭性及び高温強度に大きく関与し、本発明鋼
においては、複合的に作用することが実験的に明らかに
された。即ち、高い高温強度と高い低温靭性を兼ね備え
た材料を得るためには、炭化物生成元素であり高温強度
向上効果のあるVとMoの和と、焼入性を向上し靭性向
上効果のあるNiとCrの和との比が、(V+Mo)/
(Ni+Cr)=0.45〜0.7が好ましい。
【0041】また上記の組成からなる低合金を溶製する
ときに、希土類元素、Ca,Zr及びAlのいずれかを
添加することにより靭性が向上する。希土類元素は0.
05%未満では効果が不十分で、0.4 %を超える添加
はその効果が飽和する。Caは小量の添加で靭性向上効
果があるが、0.0005% 未満では効果が不十分で、
0.01% を超える添加はその効果が飽和する。Zrは
0.01% 未満では靭性向上効果が不十分であり、0.
2% を超える添加はその効果が飽和する。Alは0.0
01 %未満では靭性向上効果が不十分であり、0.02
% を超える添加はクリープ破断強度低下させる。
ときに、希土類元素、Ca,Zr及びAlのいずれかを
添加することにより靭性が向上する。希土類元素は0.
05%未満では効果が不十分で、0.4 %を超える添加
はその効果が飽和する。Caは小量の添加で靭性向上効
果があるが、0.0005% 未満では効果が不十分で、
0.01% を超える添加はその効果が飽和する。Zrは
0.01% 未満では靭性向上効果が不十分であり、0.
2% を超える添加はその効果が飽和する。Alは0.0
01 %未満では靭性向上効果が不十分であり、0.02
% を超える添加はクリープ破断強度低下させる。
【0042】さらに、酸素は高温強度に関与し、本発明
鋼においては、O2 を5〜25ppmの範囲に制御するこ
とにより、より高いクリープ破断強度が得られる。
鋼においては、O2 を5〜25ppmの範囲に制御するこ
とにより、より高いクリープ破断強度が得られる。
【0043】Nb及びTaの少なくとも1種が0.00
5〜0.15%添加される。これらの含有量が0.005
%未満では強度の向上に十分な効果が得られず、逆に
0.15%を越えると蒸気タービン用ロータシャフトの
如く大形構造物ではこれらの巨大な炭化物が晶出し強度
及び靭性を低めるので0.005〜0.15%とする。特
に0.01〜0.05%が好ましい。
5〜0.15%添加される。これらの含有量が0.005
%未満では強度の向上に十分な効果が得られず、逆に
0.15%を越えると蒸気タービン用ロータシャフトの
如く大形構造物ではこれらの巨大な炭化物が晶出し強度
及び靭性を低めるので0.005〜0.15%とする。特
に0.01〜0.05%が好ましい。
【0044】Wは強度を高めるため0.1% 以上加えら
れるが、1.0% を越えると大型鋼塊においては偏析の
問題が生じる等強度を低めるので、0.1〜1.0%とす
べきである。好ましくは0.1〜0.5%である。
れるが、1.0% を越えると大型鋼塊においては偏析の
問題が生じる等強度を低めるので、0.1〜1.0%とす
べきである。好ましくは0.1〜0.5%である。
【0045】Mn/Ni比又は(Si+Mn)/Ni比
は各々0.12又は0.18以下にすべきである。これに
より、ベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V低
合金鋼における加熱脆化を顕著に防止でき、高低圧一体
型ロータシャフトとして適用できる。
は各々0.12又は0.18以下にすべきである。これに
より、ベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V低
合金鋼における加熱脆化を顕著に防止でき、高低圧一体
型ロータシャフトとして適用できる。
【0046】(V+Mo)/(Ni+Cr)比を0.4
5〜0.7とすることによりクリープ破断強度が高く、
衝撃値が高い両者の特性を備えた鋼を得ることができ、
本発明の高低圧一体型ロータシャフトにおいてブレード
として30インチ以上の長さのものを植設することがで
きる。
5〜0.7とすることによりクリープ破断強度が高く、
衝撃値が高い両者の特性を備えた鋼を得ることができ、
本発明の高低圧一体型ロータシャフトにおいてブレード
として30インチ以上の長さのものを植設することがで
きる。
【0047】このような新しい材料をロータシャフトと
して使用することにより、最終段ブレードとして30イ
ンチ以上の長翼を植設できるとともに、ロータシャフト
軸受間の長さ(L)と翼直径(D)との比(L/D)を
1.4〜2.3とコンパクトにでき、好ましくは1.6〜
2.0とすることができる。又、ロータシャフト最大径
(d)と最終段長翼の長さ(l)との比(d/l)を
1.5〜2.0とすることができ、これにより蒸気量をロ
ータシャフトの特性との関係から最大限に増すことがで
き、小型で大容量の発電が可能となる。特に、この比を
1.6〜1.8とすることが好ましい。1.5 以上とする
ことはブレード数との関係から求められ、その数は多い
程よいが、遠心力による強度上の点から2.0 以下が好
ましい。
して使用することにより、最終段ブレードとして30イ
ンチ以上の長翼を植設できるとともに、ロータシャフト
軸受間の長さ(L)と翼直径(D)との比(L/D)を
1.4〜2.3とコンパクトにでき、好ましくは1.6〜
2.0とすることができる。又、ロータシャフト最大径
(d)と最終段長翼の長さ(l)との比(d/l)を
1.5〜2.0とすることができ、これにより蒸気量をロ
ータシャフトの特性との関係から最大限に増すことがで
き、小型で大容量の発電が可能となる。特に、この比を
1.6〜1.8とすることが好ましい。1.5 以上とする
ことはブレード数との関係から求められ、その数は多い
程よいが、遠心力による強度上の点から2.0 以下が好
ましい。
【0048】本発明の高低圧一体型ロータシャフトを用
いた蒸気タービンは小型で10〜30万KWの発電出力
が可能であり、そのロータシャフトとして軸受間距離を
発電出力として1万KW当り0.8m 以下の非常に短い
軸受間距離とすることができる。好ましくは1万KW当
り0.25〜0.6mである。
いた蒸気タービンは小型で10〜30万KWの発電出力
が可能であり、そのロータシャフトとして軸受間距離を
発電出力として1万KW当り0.8m 以下の非常に短い
軸受間距離とすることができる。好ましくは1万KW当
り0.25〜0.6mである。
【0049】前述のCr−Mo−V低合金鋼を高低圧一
体型ロータシャフトに用いることにより少なくとも最終
段に30インチ以上特に、33.5 インチ以上の長さの
動翼を植設することができ、単機出力を増加することが
できるとともに、小型化ができる。
体型ロータシャフトに用いることにより少なくとも最終
段に30インチ以上特に、33.5 インチ以上の長さの
動翼を植設することができ、単機出力を増加することが
できるとともに、小型化ができる。
【0050】
〔実施例1〕以下、本発明のタービンロータについて、
実施例により説明する。表1は靭性及びクリープ破断試
験に供した代表的な試料の化学組成を示す。試料は高周
波溶解炉で溶解・造塊し、温度850〜1150℃で3
0mm角に熱間鍛造した。試料No.1〜No.3及びNo.7
〜No.11は本発明材である。試料No.4〜No.6は発
明材と比較のため溶製したものであり、No.5はAST
M規格A470class8相当材、No.6はASTM規格
A470class7 相当材である。これら試料は、高低圧
一体型蒸気タービンロータシャフト中心部の条件をシミ
レートして、950℃に加熱しオーステナイト化した
後、100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、6
65℃×40h加熱し炉冷し、焼戻し処理した。本発明
に係るCr−Mo−V鋼はフェライト相を含まず、全ベ
ーナイト組織であった。
実施例により説明する。表1は靭性及びクリープ破断試
験に供した代表的な試料の化学組成を示す。試料は高周
波溶解炉で溶解・造塊し、温度850〜1150℃で3
0mm角に熱間鍛造した。試料No.1〜No.3及びNo.7
〜No.11は本発明材である。試料No.4〜No.6は発
明材と比較のため溶製したものであり、No.5はAST
M規格A470class8相当材、No.6はASTM規格
A470class7 相当材である。これら試料は、高低圧
一体型蒸気タービンロータシャフト中心部の条件をシミ
レートして、950℃に加熱しオーステナイト化した
後、100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、6
65℃×40h加熱し炉冷し、焼戻し処理した。本発明
に係るCr−Mo−V鋼はフェライト相を含まず、全ベ
ーナイト組織であった。
【0051】本発明鋼のオーステナイト化温度は900
〜1000℃にする必要である。
〜1000℃にする必要である。
【0052】900℃未満では高い靭性が得られるもの
で、クリープ破断強度が低くなってしまう。1000℃
を越える温度では高いクリープ破断強度が得られるもの
の、靭性が低くなってしまう。焼戻し温度は630℃〜
700℃にする必要がある。
で、クリープ破断強度が低くなってしまう。1000℃
を越える温度では高いクリープ破断強度が得られるもの
の、靭性が低くなってしまう。焼戻し温度は630℃〜
700℃にする必要がある。
【0053】630℃未満では高い靭性が得られず、7
00℃を越える温度では高いクリープ破断強度が得られ
ない。
00℃を越える温度では高いクリープ破断強度が得られ
ない。
【0054】
【表1】
【0055】表2は引張,衝撃及びクリープ破断試験結
果を示す。靭性は温度20℃で試験したVノッチシャル
ピー衝撃吸収エネルギーで示した。クリープ破断強度は
ラルソンミラー法で求めた538℃,105h 強度で示
した。表から明らかなように本発明材は、室温の引張強
さが88kg/mm2 以上,0.2%耐力70kg/mm2以上,
FATT40℃以下、衝撃吸収エネルギーが加熱前後で
いずれも2.5kg−m以上及びクリープ破断強度が約1
1kg/mm2 以上と高く、高低圧一体型タービンロータと
してきわめて有用であると言える。特に、33.5 イン
チ長翼を植設するタービンロータ材としては約15kg/
mm2 以上の強度を有するものがよい。
果を示す。靭性は温度20℃で試験したVノッチシャル
ピー衝撃吸収エネルギーで示した。クリープ破断強度は
ラルソンミラー法で求めた538℃,105h 強度で示
した。表から明らかなように本発明材は、室温の引張強
さが88kg/mm2 以上,0.2%耐力70kg/mm2以上,
FATT40℃以下、衝撃吸収エネルギーが加熱前後で
いずれも2.5kg−m以上及びクリープ破断強度が約1
1kg/mm2 以上と高く、高低圧一体型タービンロータと
してきわめて有用であると言える。特に、33.5 イン
チ長翼を植設するタービンロータ材としては約15kg/
mm2 以上の強度を有するものがよい。
【0056】
【表2】
【0057】図2は試料No.1〜No.6のデータを、炭
化物生成元素であるVとMoの和と焼入性向上元素であ
るNiとCrの和の比とクリープ破断強度及び衝撃吸収
エネルギーとの関係を示す。クリープ破断強度は、成分
比(V+Mo)/(Ni+Cr)が約0.7 までは、成
分比が大きくなるにつれて高くなる。衝撃吸収エネルギ
ーは上記の成分比が大きくなるにつれて低くなることが
わかる。高低圧一体型タービンロータとして必要な靭性
(vE 20>2.5kg/m)及びクリープ破断強度(σR≧
11kg/mm2)は(V+Mo)/(Ni+Cr)=0.45〜
0.7にすることによって得られることがわかる。また
発明材No.2,比較材No.5(現用高圧ロータ相当材)
及びNo.6(現用低圧ロータ材)の脱化特性を調べるた
め、500℃×3000h脱化処理前後の試料について
衝撃試験を行い50%破面遷移温度(FATT)を調べ
た。比較材No.5のFATTは119℃から135℃に
(ΔFATT=16℃),No.6のFATTは−20℃か
ら18℃に(ΔFATT=38℃)、脆化処理によって
FATTが上昇(脆化)してしまう。これに対し、本発
明材No.3のFATTは、脆化処理前後とも38℃で、
脆化しないことも確認された。
化物生成元素であるVとMoの和と焼入性向上元素であ
るNiとCrの和の比とクリープ破断強度及び衝撃吸収
エネルギーとの関係を示す。クリープ破断強度は、成分
比(V+Mo)/(Ni+Cr)が約0.7 までは、成
分比が大きくなるにつれて高くなる。衝撃吸収エネルギ
ーは上記の成分比が大きくなるにつれて低くなることが
わかる。高低圧一体型タービンロータとして必要な靭性
(vE 20>2.5kg/m)及びクリープ破断強度(σR≧
11kg/mm2)は(V+Mo)/(Ni+Cr)=0.45〜
0.7にすることによって得られることがわかる。また
発明材No.2,比較材No.5(現用高圧ロータ相当材)
及びNo.6(現用低圧ロータ材)の脱化特性を調べるた
め、500℃×3000h脱化処理前後の試料について
衝撃試験を行い50%破面遷移温度(FATT)を調べ
た。比較材No.5のFATTは119℃から135℃に
(ΔFATT=16℃),No.6のFATTは−20℃か
ら18℃に(ΔFATT=38℃)、脆化処理によって
FATTが上昇(脆化)してしまう。これに対し、本発
明材No.3のFATTは、脆化処理前後とも38℃で、
脆化しないことも確認された。
【0058】発明材試料No.8〜No.11は、それぞ
れ、希土類元素(La−Ce),Ca,Zr、及びAl
添加材であるが、これらの元素添加により靭性が向上す
る。特に希土類元素の添加が靭性向上に有効である。L
a−CeのほかY添加材についても調べ、著しい靭性向
上効果のあることを確認している。
れ、希土類元素(La−Ce),Ca,Zr、及びAl
添加材であるが、これらの元素添加により靭性が向上す
る。特に希土類元素の添加が靭性向上に有効である。L
a−CeのほかY添加材についても調べ、著しい靭性向
上効果のあることを確認している。
【0059】表3は本発明材のクリープ破断強度に及ぼ
す酸素の影響を調べるために溶製した試料の化学組成
と、そのクリープ破断強度を示す。これら試料の溶製・
鍛造方法は前述の試料No.1〜11と同じである。
す酸素の影響を調べるために溶製した試料の化学組成
と、そのクリープ破断強度を示す。これら試料の溶製・
鍛造方法は前述の試料No.1〜11と同じである。
【0060】
【表3】
【0061】熱処理は950℃に加熱しオーステナイト
化した後、100℃/hで冷却し焼入れした。ついで、
660℃×40h加熱の焼戻しを行った。表4に前述と
同様に538℃クリープ破断強度を示す。図3はクリー
プ破断強度と酸素の関係を示す線図である。O2 を10
0ppm 以下にすることにより約12kg/mm2 以上の高い
強度が得られ、特に80ppm 以下で15kg/mm2 以上
で、更に40ppm 以下で18kg/mm2 以上の高いクリー
プ破断強度が得られることがわかる。
化した後、100℃/hで冷却し焼入れした。ついで、
660℃×40h加熱の焼戻しを行った。表4に前述と
同様に538℃クリープ破断強度を示す。図3はクリー
プ破断強度と酸素の関係を示す線図である。O2 を10
0ppm 以下にすることにより約12kg/mm2 以上の高い
強度が得られ、特に80ppm 以下で15kg/mm2 以上
で、更に40ppm 以下で18kg/mm2 以上の高いクリー
プ破断強度が得られることがわかる。
【0062】
【表4】
【0063】図4は538℃,105 時間クリープ破断
強度とNi量との関係を示す線図である。図に示すよう
にNi量が増加するにつれてクリープ破断強度は急激に
低下することがわかる。特に、Ni量が2%以下では約
11kg/mm2 以上の強度を示す。特に、1.9% 以下で
は12kg/mm2 以上の強度を有する。
強度とNi量との関係を示す線図である。図に示すよう
にNi量が増加するにつれてクリープ破断強度は急激に
低下することがわかる。特に、Ni量が2%以下では約
11kg/mm2 以上の強度を示す。特に、1.9% 以下で
は12kg/mm2 以上の強度を有する。
【0064】図5は500℃,3000時間加熱後の衝
撃値とNi量との関係を示す線図である。図に示す如く
本発明の(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下又はM
n/Ni比が0.12 以下のものはNi量の増加によっ
て高い衝撃値が得られるが、比較のNo.12〜No.14
の(Si+Mn)/Ni比が0.18 を越えるもの又は
Mn/Ni比が0.12を越えるものは2.4kg−m以下
の低い値であり、Ni量が高くてもあまり関係しない。
撃値とNi量との関係を示す線図である。図に示す如く
本発明の(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下又はM
n/Ni比が0.12 以下のものはNi量の増加によっ
て高い衝撃値が得られるが、比較のNo.12〜No.14
の(Si+Mn)/Ni比が0.18 を越えるもの又は
Mn/Ni比が0.12を越えるものは2.4kg−m以下
の低い値であり、Ni量が高くてもあまり関係しない。
【0065】図6は同じく加熱脆化後の衝撃値とNi量
1.6〜1.9%を含むもののMn量又はSi+Mn量と
の関係を示す線図である。図に示す如く、特定のNi量
において衝撃値に及ぼすMn又はSi+Mnの影響がき
わめて大きいことが明らかである。Mn量が0.2% 以
下又はSi+Mn量が0.25 以下できわめて高い衝撃
値を有することがわかる。
1.6〜1.9%を含むもののMn量又はSi+Mn量と
の関係を示す線図である。図に示す如く、特定のNi量
において衝撃値に及ぼすMn又はSi+Mnの影響がき
わめて大きいことが明らかである。Mn量が0.2% 以
下又はSi+Mn量が0.25 以下できわめて高い衝撃
値を有することがわかる。
【0066】図7は同じくNi量が1.52〜2.0%を
含むもののMn/Ni又は(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図である。図に示す如く、Mn/Ni比が
0.12以下、Si+Mn/Ni比が0.18以下で2.5kg
−m以上の高い衝撃値を示す。
含むもののMn/Ni又は(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図である。図に示す如く、Mn/Ni比が
0.12以下、Si+Mn/Ni比が0.18以下で2.5kg
−m以上の高い衝撃値を示す。
【0067】〔実施例2〕表5は実験に供した代表的な
試料の化学組成(重量%)を示す。
試料の化学組成(重量%)を示す。
【0068】試料は高周波溶解炉で溶解・造塊し、温度
850〜1250℃で30mm角に熱間鍛造した。試料N
o.21及びNo.22は発明材と比較のためのものであ
る。
850〜1250℃で30mm角に熱間鍛造した。試料N
o.21及びNo.22は発明材と比較のためのものであ
る。
【0069】No.23〜No.32は本発明の高靭性ロー
タ材料である。
タ材料である。
【0070】これら試料No.23〜No.32は、高低圧
一体型蒸気タービンロータシャフト中心部の条件をシミ
レートして、950℃に加熱しオーステナイト化した
後、100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、6
50℃/50h加熱し炉冷し、焼戻し処理した。本発明
に係るCr−Mo−V鋼はフェライト相を含まず、全ベ
ーナイト組織であった。
一体型蒸気タービンロータシャフト中心部の条件をシミ
レートして、950℃に加熱しオーステナイト化した
後、100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、6
50℃/50h加熱し炉冷し、焼戻し処理した。本発明
に係るCr−Mo−V鋼はフェライト相を含まず、全ベ
ーナイト組織であった。
【0071】本発明鋼のオーステナイト化温度は900
〜1000℃にする必要がある。
〜1000℃にする必要がある。
【0072】900℃未満では、高い靭性が得られるも
のの、クリープ破断強度が低くなってしまう。1000
℃を越える温度では高いクリープ破断強度が得られるも
のの、靭性が低くなってしまう。焼戻し温度は630℃
〜700℃にする必要がある。630未満では高い靭性
が得られず、700℃を越える温度では高いクリープ破
断強度が得られない。
のの、クリープ破断強度が低くなってしまう。1000
℃を越える温度では高いクリープ破断強度が得られるも
のの、靭性が低くなってしまう。焼戻し温度は630℃
〜700℃にする必要がある。630未満では高い靭性
が得られず、700℃を越える温度では高いクリープ破
断強度が得られない。
【0073】
【表5】
【0074】表6は引張,衝撃及びクリープ破断試験結
果を示す。靭性は温度20℃で試験したVノッチシャル
ピー衝撃吸収エネルギー及び50%破面遷移温度(FA
TT)で示した。
果を示す。靭性は温度20℃で試験したVノッチシャル
ピー衝撃吸収エネルギー及び50%破面遷移温度(FA
TT)で示した。
【0075】切欠クリープ破断試験は、切欠底半径6.
6mm ,切欠外径9mm,45°Vノッチ形状(ノッチ底
先端r=0.16mm)を用い実施した。
6mm ,切欠外径9mm,45°Vノッチ形状(ノッチ底
先端r=0.16mm)を用い実施した。
【0076】クリープ破断強度はラルソンミラー法で求
めた538℃,105h 強度で示した。表から明らかな
ように本発明材は、室温引張強さが88kg/mm2 以上、
衝撃吸収エネルギーが5kg−m以上、50%FATTが
40℃以下及びクリープ破断強度が17kg/mm2 以上と
高く、高低圧一体型タービン用ロータ材料としてきわめ
て有用であると言える。
めた538℃,105h 強度で示した。表から明らかな
ように本発明材は、室温引張強さが88kg/mm2 以上、
衝撃吸収エネルギーが5kg−m以上、50%FATTが
40℃以下及びクリープ破断強度が17kg/mm2 以上と
高く、高低圧一体型タービン用ロータ材料としてきわめ
て有用であると言える。
【0077】これら本発明鋼は、現用高圧ロータ相当材
(試料No.21)に比べ著しく靭性が改善(衝撃吸収エ
ネルギーが高く、FAAが低い)されている。また現用
低圧ロータ相当材(試料No.22)に比べると、本発明
材料は538℃,105h 切欠クリープ破断強度が著し
く高い。
(試料No.21)に比べ著しく靭性が改善(衝撃吸収エ
ネルギーが高く、FAAが低い)されている。また現用
低圧ロータ相当材(試料No.22)に比べると、本発明
材料は538℃,105h 切欠クリープ破断強度が著し
く高い。
【0078】
【表6】
【0079】炭化物生成元素であるVとMoの和と焼入
性向上元素であるNiとCrの和の比とクリープ破断強
度及び衝撃吸収エネルギーとの関係成分比(V+Mo)
/(Ni+Cr)が約0.7 までは、成分比が大きくな
るにつれて高くなる。衝撃吸収エネルギーは上記の成分
比が大きくなるにつれて低くなる。高低圧一体型タービ
ンロータとして必要な靭性(vE 20>2.5kg−m)及び
クリープ破断強度(σR≧11kg/mm2)は(V+Mo)
/(Ni+Cr)0.45〜0.7にすることによって得
られる。また発明材,比較材No.21(現用高圧ロータ
相当材)及びNo.22(現用低圧ロータ材)の脆化特性
を調べるため、500℃/3000h脆化処理前後の試
料について衝撃試験を行い50%破断遷移温度(FAT
T)を調べた結果、比較材No.21のFATTは119
℃から135℃に(ΔFATT=16℃),No.2のF
ATTは−20℃から18℃に(ΔFATT=38
℃)、脆化処理によってFATTが上昇(脆化)してし
まう。これに対し、本発明材のFATTは、脆化処理前
後とも39℃以下で、脆化しないことも確認された。
性向上元素であるNiとCrの和の比とクリープ破断強
度及び衝撃吸収エネルギーとの関係成分比(V+Mo)
/(Ni+Cr)が約0.7 までは、成分比が大きくな
るにつれて高くなる。衝撃吸収エネルギーは上記の成分
比が大きくなるにつれて低くなる。高低圧一体型タービ
ンロータとして必要な靭性(vE 20>2.5kg−m)及び
クリープ破断強度(σR≧11kg/mm2)は(V+Mo)
/(Ni+Cr)0.45〜0.7にすることによって得
られる。また発明材,比較材No.21(現用高圧ロータ
相当材)及びNo.22(現用低圧ロータ材)の脆化特性
を調べるため、500℃/3000h脆化処理前後の試
料について衝撃試験を行い50%破断遷移温度(FAT
T)を調べた結果、比較材No.21のFATTは119
℃から135℃に(ΔFATT=16℃),No.2のF
ATTは−20℃から18℃に(ΔFATT=38
℃)、脆化処理によってFATTが上昇(脆化)してし
まう。これに対し、本発明材のFATTは、脆化処理前
後とも39℃以下で、脆化しないことも確認された。
【0080】発明材試料No.27〜No.32は、それぞ
れ、希土類元素(La−Ce),Ca,Zr、及びAl
添加材であるが、これらの元素添加により靭性が向上す
る。特に希土類元素の添加が靭性向上に有効である。L
a−CeのほかY添加材についても調べ、著しい靭性向
上効果のあることを確認している。
れ、希土類元素(La−Ce),Ca,Zr、及びAl
添加材であるが、これらの元素添加により靭性が向上す
る。特に希土類元素の添加が靭性向上に有効である。L
a−CeのほかY添加材についても調べ、著しい靭性向
上効果のあることを確認している。
【0081】また、538℃,105 時間クリープ破断
強度とNi量との関係を調べた結果、Ni量が増加する
につれてクリープ破断強度は急激に低下することがわか
る。特に、Ni量が2%以下では約11kg/mm2 以上の
強度を示す。特に、1.9%以下では12kg/mm2 以上
の強度を有する。
強度とNi量との関係を調べた結果、Ni量が増加する
につれてクリープ破断強度は急激に低下することがわか
る。特に、Ni量が2%以下では約11kg/mm2 以上の
強度を示す。特に、1.9%以下では12kg/mm2 以上
の強度を有する。
【0082】更に、500℃,3000時間加熱後の衝
撃値とNi量との関係を調べた結果、本発明の(Si+
Mn)/Ni比が0.18 以下のものはNi量の増加に
よって高い衝撃値が得られるが、比較の0.18 を越え
るものは2.4kg−m 以下の低い値であり、Ni量が高
くてもあまり関係しない。
撃値とNi量との関係を調べた結果、本発明の(Si+
Mn)/Ni比が0.18 以下のものはNi量の増加に
よって高い衝撃値が得られるが、比較の0.18 を越え
るものは2.4kg−m 以下の低い値であり、Ni量が高
くてもあまり関係しない。
【0083】加熱脆化後の衝撃値とNi量1.6〜1.9
%を含むもののMn量又はSi+Mn量との関係を調べ
た結果、特定のNi量において衝撃値に及ぼすMn又は
Si+Mnの影響がきわめて大きく、Mn量が0.2%
以下又はSi+Mn量が0.07〜0.25 できわめて
高い衝撃値を有することがわかった。
%を含むもののMn量又はSi+Mn量との関係を調べ
た結果、特定のNi量において衝撃値に及ぼすMn又は
Si+Mnの影響がきわめて大きく、Mn量が0.2%
以下又はSi+Mn量が0.07〜0.25 できわめて
高い衝撃値を有することがわかった。
【0084】Ni量が1.52〜2.0%を含むもののM
n/Ni又は(Si+Mn)/Ni比との関係を調べた
結果、Mn/Ni比が0.12 以下、Si+Mn/Ni
比が0.04〜0.18で2.5kg−m 以上の高い衝撃値
を示すことが分った。
n/Ni又は(Si+Mn)/Ni比との関係を調べた
結果、Mn/Ni比が0.12 以下、Si+Mn/Ni
比が0.04〜0.18で2.5kg−m 以上の高い衝撃値
を示すことが分った。
【0085】〔実施例3〕図1に本発明に係る高低圧一
体型ロータシャフトを用いた蒸気タービンの部分断面図
を示す。従来の主蒸気入口部の蒸気条件は圧力80atg
,温度480℃の高温高圧から排気部の圧力722mm
Hg,温度33℃の低温低圧の蒸気を一本のタービンロ
ータで消費する蒸気タービンに対し、この高低圧一体型
蒸気タービンの主蒸気入口部の蒸気圧力100atg ,温
度536℃に上昇させることによりタービンの単機出力
の増加を図ることができる。単機出力の増加は、最終段
動翼の翼長を増大し、蒸気流量を増す必要がある。例え
ば、最終段動翼の翼長を26インタから33.5 インチ
長翼にすると環帯面積が1.7 倍程度増える。したがっ
て、従来出力100MWから170MWに、さらに40
インチまで翼長を長くすれば、単機出力を2倍以上に増
大することができる。
体型ロータシャフトを用いた蒸気タービンの部分断面図
を示す。従来の主蒸気入口部の蒸気条件は圧力80atg
,温度480℃の高温高圧から排気部の圧力722mm
Hg,温度33℃の低温低圧の蒸気を一本のタービンロ
ータで消費する蒸気タービンに対し、この高低圧一体型
蒸気タービンの主蒸気入口部の蒸気圧力100atg ,温
度536℃に上昇させることによりタービンの単機出力
の増加を図ることができる。単機出力の増加は、最終段
動翼の翼長を増大し、蒸気流量を増す必要がある。例え
ば、最終段動翼の翼長を26インタから33.5 インチ
長翼にすると環帯面積が1.7 倍程度増える。したがっ
て、従来出力100MWから170MWに、さらに40
インチまで翼長を長くすれば、単機出力を2倍以上に増
大することができる。
【0086】この33.5 インチ以上の長さのロータシ
ャフト材として、0.5% Niを含むCr−Mo−V鋼
を高低圧一体ロータに使用した場合、本ロータ材は、も
ともと高温部域に使用するため、高温強度,クリープ特
性に優れているため、主蒸気入口部の蒸気圧力,温度の
上昇に対しては充分対応することが出来る。低温部域、
特に最終段動翼部のタービンロータ中心孔に、定格回転
状態にて生ずる接線方向応力は、26インチ長翼の場
合、応力比(作用応力/許容応力)で約0.95であ
り、また33.5 インチ長翼の場合では約1.1 とな
り、使用に耐えない。一方、3.5% Ni−Cr−Mo
−V鋼を使用した場合には、本ロータ材は低温域にて靭
性を有する材料であると供に、Cr−Mo−V鋼よりも
低温度域での抗張力,耐力が14%程度高いことから、
33.5 インチ長翼を使用しても、前記する応力比は約
0.96 である。また40インチ長翼を使用した場合、
前記の応力比は1.07 となり使用に耐えない。高温度
域に於いては、クリープ破断応力がCr−Mo−V鋼の
0.3 倍程度であることから高温強度不足となり使用に
耐えない。
ャフト材として、0.5% Niを含むCr−Mo−V鋼
を高低圧一体ロータに使用した場合、本ロータ材は、も
ともと高温部域に使用するため、高温強度,クリープ特
性に優れているため、主蒸気入口部の蒸気圧力,温度の
上昇に対しては充分対応することが出来る。低温部域、
特に最終段動翼部のタービンロータ中心孔に、定格回転
状態にて生ずる接線方向応力は、26インチ長翼の場
合、応力比(作用応力/許容応力)で約0.95であ
り、また33.5 インチ長翼の場合では約1.1 とな
り、使用に耐えない。一方、3.5% Ni−Cr−Mo
−V鋼を使用した場合には、本ロータ材は低温域にて靭
性を有する材料であると供に、Cr−Mo−V鋼よりも
低温度域での抗張力,耐力が14%程度高いことから、
33.5 インチ長翼を使用しても、前記する応力比は約
0.96 である。また40インチ長翼を使用した場合、
前記の応力比は1.07 となり使用に耐えない。高温度
域に於いては、クリープ破断応力がCr−Mo−V鋼の
0.3 倍程度であることから高温強度不足となり使用に
耐えない。
【0087】この様に高出力化を図るためには、高温度
域ではCr−Mo−V鋼、低温度域ではNi−Cr−M
o−V鋼の優れた特性を兼ね備えたロータ材が必要であ
る。30インチ以上40インチクラスの長翼を使用する
場合、従来のNi−Cr−Mo−V鋼(ASTMA47
0class7)では、前記の如く応力比が1.07 となるた
めに、引張強さ88kg/mm2 以上の材料が必要である。
域ではCr−Mo−V鋼、低温度域ではNi−Cr−M
o−V鋼の優れた特性を兼ね備えたロータ材が必要であ
る。30インチ以上40インチクラスの長翼を使用する
場合、従来のNi−Cr−Mo−V鋼(ASTMA47
0class7)では、前記の如く応力比が1.07 となるた
めに、引張強さ88kg/mm2 以上の材料が必要である。
【0088】さらに、30インチ以上の長翼を取付ける
高低圧一体型蒸気タービンロータ材としては、高圧側の
高温破壊に対する安全性確保の点から538℃,105
h クリープ破断強度15kg/mm2 以上、低圧側の脱性
破壊に対する安全性確保の点から室温の衝撃吸収エネル
ギー2.5kg−m(3kg−m/cm2)以上の材料が必要で
ある。
高低圧一体型蒸気タービンロータ材としては、高圧側の
高温破壊に対する安全性確保の点から538℃,105
h クリープ破断強度15kg/mm2 以上、低圧側の脱性
破壊に対する安全性確保の点から室温の衝撃吸収エネル
ギー2.5kg−m(3kg−m/cm2)以上の材料が必要で
ある。
【0089】このような観点から本発明に係る耐熱鋼は
前述の特性を満足したものが得られ、前述の如く単機出
力で高出力化が図れる。
前述の特性を満足したものが得られ、前述の如く単機出
力で高出力化が図れる。
【0090】本発明に係る蒸気タービンは高低圧一体型
ロータシャフト3に植設されたブレード4を13段備え
ており、蒸気は蒸気コントロールバルブ5を通って蒸気
入口1より前述の如く538℃,88atg の高温高圧で
流入する。蒸気は入口1より一方向に流れ、蒸気温度3
3℃,722mmHgとなって最終段のブレード4より出
口2より排出される。本発明に係る高低圧一体型ロータ
シャフト3は538℃蒸気から33℃の温度までさらさ
れるので、実施例1で記載した特性のNi−Cr−Mo
−V低合金鋼の鍛鋼が用いられる、ロータシャフト3の
ブレード4の植込み部はディスク状になっており、ロー
タシャフト3より一体に切削されて製造される。ディス
ク部の長さはブレードの長さが短いほど長くなり、振動
を少なくするようになっている。
ロータシャフト3に植設されたブレード4を13段備え
ており、蒸気は蒸気コントロールバルブ5を通って蒸気
入口1より前述の如く538℃,88atg の高温高圧で
流入する。蒸気は入口1より一方向に流れ、蒸気温度3
3℃,722mmHgとなって最終段のブレード4より出
口2より排出される。本発明に係る高低圧一体型ロータ
シャフト3は538℃蒸気から33℃の温度までさらさ
れるので、実施例1で記載した特性のNi−Cr−Mo
−V低合金鋼の鍛鋼が用いられる、ロータシャフト3の
ブレード4の植込み部はディスク状になっており、ロー
タシャフト3より一体に切削されて製造される。ディス
ク部の長さはブレードの長さが短いほど長くなり、振動
を少なくするようになっている。
【0091】本発明に係るロータシャフト3は実施例1
で示したNo.16及び実施例2で示したNo.24の合金
組成の鍛造をエクレトロスラグ再溶解によって各々製造
し、直径1.2m に鍛造し、950℃,10時間加熱保
持した後、中心部で100℃/hとなるようにシャフト
を回転しながら水噴霧冷却を行った。次いで665℃で
40時間加熱保持の焼戻しを行った。このロータシャフ
ト中心部より試験片を切り出しクリープ破断試験、加熱
前後(500℃,3000時間加熱後)のVノッチ衝撃
試験(試験片の断面積0.8cm2 )、引張試験を行った
が、実施例1及び2とほぼ同一の値であった。
で示したNo.16及び実施例2で示したNo.24の合金
組成の鍛造をエクレトロスラグ再溶解によって各々製造
し、直径1.2m に鍛造し、950℃,10時間加熱保
持した後、中心部で100℃/hとなるようにシャフト
を回転しながら水噴霧冷却を行った。次いで665℃で
40時間加熱保持の焼戻しを行った。このロータシャフ
ト中心部より試験片を切り出しクリープ破断試験、加熱
前後(500℃,3000時間加熱後)のVノッチ衝撃
試験(試験片の断面積0.8cm2 )、引張試験を行った
が、実施例1及び2とほぼ同一の値であった。
【0092】本実施例における各部の材料組成は次の通
りである。
りである。
【0093】(1)ブレード 高温高圧側の3段の長さが約40mmで、重量でC0.2
0〜0.30%,Cr10〜13%,Mo0.5〜1.5
%,W0.5〜1.5%,V0.1〜0.3%,Si0.5
% 以下,Mn1%以下及び残部Feからなるマルテン
サイト鋼の鍛鋼で構成した。
0〜0.30%,Cr10〜13%,Mo0.5〜1.5
%,W0.5〜1.5%,V0.1〜0.3%,Si0.5
% 以下,Mn1%以下及び残部Feからなるマルテン
サイト鋼の鍛鋼で構成した。
【0094】中圧部は低圧側になるに従って徐々に長さ
が大きくなり、重量でC0.05〜0.15%,Mn1%
以下,Si0.5% 以下,Cr10〜13%,Mo0.
5%以下,Ni0.5% 以下,残部Feからなるマルテ
ンサイト鋼の鍛造で構成した。
が大きくなり、重量でC0.05〜0.15%,Mn1%
以下,Si0.5% 以下,Cr10〜13%,Mo0.
5%以下,Ni0.5% 以下,残部Feからなるマルテ
ンサイト鋼の鍛造で構成した。
【0095】最終段として、長さ33.5 インチでは、
一周で約90本あり、重量でC0.08〜0.15%,Mn
1%以下,Si0.5% 以下,Cr10〜13%,Ni
1.5〜3.5% ,Mo1〜2%,V0.2〜0.5%,
N0.02〜0.08%,残部Feからなるマルテンサイ
ト鋼の鍛造によって構成した。また、この最終段にはス
テライト板からなるエロージョン防止のシールド板が溶
接によってその先端で、リーデングエッジ部に設けられ
る。またシールド板以外に部分的な焼入れ処理が施され
る。更に、40インチ以上の長いものにはAl5〜7
%,V3〜5%を含むTi翼が用いられる。
一周で約90本あり、重量でC0.08〜0.15%,Mn
1%以下,Si0.5% 以下,Cr10〜13%,Ni
1.5〜3.5% ,Mo1〜2%,V0.2〜0.5%,
N0.02〜0.08%,残部Feからなるマルテンサイ
ト鋼の鍛造によって構成した。また、この最終段にはス
テライト板からなるエロージョン防止のシールド板が溶
接によってその先端で、リーデングエッジ部に設けられ
る。またシールド板以外に部分的な焼入れ処理が施され
る。更に、40インチ以上の長いものにはAl5〜7
%,V3〜5%を含むTi翼が用いられる。
【0096】これらのブレードは各段で4〜5枚をその
先端に設けられた突起テノンのかしめによる同材質から
なるシュラウド板によって固定される。
先端に設けられた突起テノンのかしめによる同材質から
なるシュラウド板によって固定される。
【0097】3000rpm では40インチの長さでも上
述の12%Cr鋼が用いられ、3600rpm では40インチ
ではTi翼となるが33.5 インチまでは12%Cr鋼
が用いられる。
述の12%Cr鋼が用いられ、3600rpm では40インチ
ではTi翼となるが33.5 インチまでは12%Cr鋼
が用いられる。
【0098】(2)静翼7には、高圧の3段までは動翼と
同じ組成のマルテンサイト鋼が用いられるが、他には前
述の中圧部の動翼材と同じものが用いられる。
同じ組成のマルテンサイト鋼が用いられるが、他には前
述の中圧部の動翼材と同じものが用いられる。
【0099】(3)ケーシング6には、重量でC0.15
〜0.3%,Si0.5% 以下、Mn1%以下,Cr1
〜2%,Mo0.5〜1.5%,V0.05〜0.2%,T
i0.1%以下のCr−Mo−V鋳鋼が用いられる。
〜0.3%,Si0.5% 以下、Mn1%以下,Cr1
〜2%,Mo0.5〜1.5%,V0.05〜0.2%,T
i0.1%以下のCr−Mo−V鋳鋼が用いられる。
【0100】8は発電機であり、この発電機により10
〜20万KWの発電ができる。本実施例におけるロータ
シャフトの軸受12の間は約520cm、最終段ブレード
における外径316cmであり、この外径に対する軸間比
が1.65 である。発電容量として10万KWが可能で
ある。この軸受間の長さは発電出力1万KW当り0.52m
である。
〜20万KWの発電ができる。本実施例におけるロータ
シャフトの軸受12の間は約520cm、最終段ブレード
における外径316cmであり、この外径に対する軸間比
が1.65 である。発電容量として10万KWが可能で
ある。この軸受間の長さは発電出力1万KW当り0.52m
である。
【0101】また、本実施例において、最終段ブレード
として40インチを用いた場合の外径は365cmとな
り、この外径に対する軸受間比が1.43 となる。これ
により発電出力20万KWが可能であり、1万KW当り
の軸受間距離が0.26m となる。
として40インチを用いた場合の外径は365cmとな
り、この外径に対する軸受間比が1.43 となる。これ
により発電出力20万KWが可能であり、1万KW当り
の軸受間距離が0.26m となる。
【0102】これらの最終段ブレードの長さに対するロ
ータシャフトのブレード植込み部の外径との比は33.
5″ブレードでは1.70及び40″ブレードでは1.7
1 である。
ータシャフトのブレード植込み部の外径との比は33.
5″ブレードでは1.70及び40″ブレードでは1.7
1 である。
【0103】本実施例では蒸気温度を566℃としても
適用でき、その圧力を121,169及び224atg の各々の
圧力でも適用できる。
適用でき、その圧力を121,169及び224atg の各々の
圧力でも適用できる。
【0104】〔実施例4〕図8は再熱型高低圧一体型蒸
気タービンの構成例を示す一部切欠断面図である。53
8℃,126atg の蒸気は入口1から入り、ロータシャ
フト3の高圧部を通って9より温度367℃,38atg
となって出て、更に10より538℃,35atg に加熱
された蒸気がロータシャフト3の中圧部から低圧部へと
通り、約46℃,0.1atgの蒸気として出口2より排出
される再熱型のものである。9から出た蒸気は一部他の
熱源として使用され、10よりタービンの熱源として再
び供給される。実施例1の試料No.5で高低圧一体型蒸
気タービン用ロータを構成した場合には蒸気入口1附近
……a部……の高温強度は充分であるがロータシャフト
3中芯部の延性脆性遷移温度が80〜120℃と高いた
め蒸気出口2附近……b部……の温度が50℃程度であ
るタービンロータについては脆性破壊に対する安全性を
充分に保障し得ないと言う欠点がある。一方試料No.6
で構成した場合にはロータシャフト3中芯部の延性脆性
遷移温度が室温以下と低くいことから蒸気出口2附近…
…b部……のロータシャフト3の脆性破壊に対する安全
性を充分確保しうる反面、蒸気入口1附近……a部……
の高温強度が充分でなく、且つ構成合金がニツケルを多
量含むことから高温での長時間使用(運転)において脆
性し易いと言う不都合さがある。即ち、試料5,6のい
ずれを用いても構成された高低圧一体型蒸気タービン用
ロータには一長一短があり、実用に供し難いと言う不都
合さがある。尚図において4は動翼を、7は動翼を、6
はケーシングをそれぞれ示す。高圧部は5段,低圧部は
6段である。
気タービンの構成例を示す一部切欠断面図である。53
8℃,126atg の蒸気は入口1から入り、ロータシャ
フト3の高圧部を通って9より温度367℃,38atg
となって出て、更に10より538℃,35atg に加熱
された蒸気がロータシャフト3の中圧部から低圧部へと
通り、約46℃,0.1atgの蒸気として出口2より排出
される再熱型のものである。9から出た蒸気は一部他の
熱源として使用され、10よりタービンの熱源として再
び供給される。実施例1の試料No.5で高低圧一体型蒸
気タービン用ロータを構成した場合には蒸気入口1附近
……a部……の高温強度は充分であるがロータシャフト
3中芯部の延性脆性遷移温度が80〜120℃と高いた
め蒸気出口2附近……b部……の温度が50℃程度であ
るタービンロータについては脆性破壊に対する安全性を
充分に保障し得ないと言う欠点がある。一方試料No.6
で構成した場合にはロータシャフト3中芯部の延性脆性
遷移温度が室温以下と低くいことから蒸気出口2附近…
…b部……のロータシャフト3の脆性破壊に対する安全
性を充分確保しうる反面、蒸気入口1附近……a部……
の高温強度が充分でなく、且つ構成合金がニツケルを多
量含むことから高温での長時間使用(運転)において脆
性し易いと言う不都合さがある。即ち、試料5,6のい
ずれを用いても構成された高低圧一体型蒸気タービン用
ロータには一長一短があり、実用に供し難いと言う不都
合さがある。尚図において4は動翼を、7は動翼を、6
はケーシングをそれぞれ示す。高圧部は5段,低圧部は
6段である。
【0105】本実施例においても前述の実施例2と同様
にロータシャフト3,動翼4,静翼7,ケーシング6の
材料は同じものが用いられる。最終段の動翼は33.5
インチ以上の長さのものが用いられ、発電出力12万K
Wが可能である。実施例3と同様にこのブレードには1
2%Cr鋼又はTi合金翼が用いられる。軸受12間は
約545cmであり、最終段ブレードとして33.5 イン
チでは直径316cmで、この外径に対する軸受間比は
1.72 である。また、最終段として40インチブレー
ドを用いた場合には、発電出力20万KWが可能であ
る。ブレード部は直径365cmで、直径に対する軸受間
比は1.49 である。軸受間距離は発電出力1万KW当
り前者が0.45m、後者が0.27mである。本実施例
でも前述の蒸気温度及び圧力での適用が可能である。
にロータシャフト3,動翼4,静翼7,ケーシング6の
材料は同じものが用いられる。最終段の動翼は33.5
インチ以上の長さのものが用いられ、発電出力12万K
Wが可能である。実施例3と同様にこのブレードには1
2%Cr鋼又はTi合金翼が用いられる。軸受12間は
約545cmであり、最終段ブレードとして33.5 イン
チでは直径316cmで、この外径に対する軸受間比は
1.72 である。また、最終段として40インチブレー
ドを用いた場合には、発電出力20万KWが可能であ
る。ブレード部は直径365cmで、直径に対する軸受間
比は1.49 である。軸受間距離は発電出力1万KW当
り前者が0.45m、後者が0.27mである。本実施例
でも前述の蒸気温度及び圧力での適用が可能である。
【0106】〔実施例5〕蒸気タービンとしてシングル
フロー型のうち、ロータシャフトの中圧部に一部の蒸気
を暖房等の熱源として使用する方式のものにも本発明の
高低圧一体型ロータシャフトを用いることができる。本
実施例に使用されるロータシャフト,動翼,静翼,ケー
シングのいずれにも実施例2に記載と同様の材料を用い
ることができる。
フロー型のうち、ロータシャフトの中圧部に一部の蒸気
を暖房等の熱源として使用する方式のものにも本発明の
高低圧一体型ロータシャフトを用いることができる。本
実施例に使用されるロータシャフト,動翼,静翼,ケー
シングのいずれにも実施例2に記載と同様の材料を用い
ることができる。
【0107】〔実施例6〕実施例3〜5に記載の蒸気タ
ービンには発電機が直結される。この発電機に対してガ
スタービンが直結され、そのガスタービンの燃焼排ガス
によって排熱回収ボイラを用いて蒸気を作り、その蒸気
によって蒸気タービンを回転するコンバインド発電シス
テムに適用したものである。このコンバイド発電システ
ムによりガスタービンが約4万KW、蒸気タービンによ
り6万KWのトータルで10万KWの発電を得ることが
でき、本実施例における蒸気タービンはコンパクトとな
るので、大型蒸気タービンに比らべ同じ発電容量に対し
経済的に製造可能となり、発電量の変動に対して経済的
に運転できる大きなメリットが得られる。
ービンには発電機が直結される。この発電機に対してガ
スタービンが直結され、そのガスタービンの燃焼排ガス
によって排熱回収ボイラを用いて蒸気を作り、その蒸気
によって蒸気タービンを回転するコンバインド発電シス
テムに適用したものである。このコンバイド発電システ
ムによりガスタービンが約4万KW、蒸気タービンによ
り6万KWのトータルで10万KWの発電を得ることが
でき、本実施例における蒸気タービンはコンパクトとな
るので、大型蒸気タービンに比らべ同じ発電容量に対し
経済的に製造可能となり、発電量の変動に対して経済的
に運転できる大きなメリットが得られる。
【0108】ガスタービンはコンプレッサによって圧縮
された空気が燃焼器に送られ、燃焼ガス温度1100℃
以上の高い温度に燃焼され、その燃焼ガスをブレードを
植設されたディスクを回転させるものである。ディスク
は3段設けられ、動翼には重量で、C0.04〜0.1
%,Cr12〜16%,Al3〜5%,Ti3〜5%,
Mo及びNbが各々2〜5%を含むNi基鋳造合金が用
いられ、静翼にはC0.25〜0.45% ,Cr20〜30
%,Mo及びWの少なくとも1種が2〜5%,Ti及び
Nbの少なくとも1種が0.1〜0.5%を含むCo基鋳
造合金が用いられる。燃焼器ライナーには重量でC0.
05〜0.15%,Cr20〜30%,Ni30〜45
%,Ti及びNbの少なくとも1種が0.1〜0.5%及
びMo及びWの少なくとも1種が2〜7%を含むFe−
Ni−Crオーステナイト合金を用いられる。このライ
ナーには外表面にY2O2安定化ジルコニア溶射層の遮熱
コーティング層が火炎側に設けられ、合金とジルコニア
層との間にAl2〜5%,Cr20〜30%,Y0.1
〜1%を含むFe,Ni及びCoの1種以上からなるM
CrAlY合金層が用いられる。
された空気が燃焼器に送られ、燃焼ガス温度1100℃
以上の高い温度に燃焼され、その燃焼ガスをブレードを
植設されたディスクを回転させるものである。ディスク
は3段設けられ、動翼には重量で、C0.04〜0.1
%,Cr12〜16%,Al3〜5%,Ti3〜5%,
Mo及びNbが各々2〜5%を含むNi基鋳造合金が用
いられ、静翼にはC0.25〜0.45% ,Cr20〜30
%,Mo及びWの少なくとも1種が2〜5%,Ti及び
Nbの少なくとも1種が0.1〜0.5%を含むCo基鋳
造合金が用いられる。燃焼器ライナーには重量でC0.
05〜0.15%,Cr20〜30%,Ni30〜45
%,Ti及びNbの少なくとも1種が0.1〜0.5%及
びMo及びWの少なくとも1種が2〜7%を含むFe−
Ni−Crオーステナイト合金を用いられる。このライ
ナーには外表面にY2O2安定化ジルコニア溶射層の遮熱
コーティング層が火炎側に設けられ、合金とジルコニア
層との間にAl2〜5%,Cr20〜30%,Y0.1
〜1%を含むFe,Ni及びCoの1種以上からなるM
CrAlY合金層が用いられる。
【0109】また、前述の動翼及び静翼にはAl拡散コ
ーティング層が設けられる。
ーティング層が設けられる。
【0110】タービンディスク材には重量で、C0.1
5 〜0.25%,Si0.5%以下,Mn0.5% 以
下,Ni1〜2%,Cr10〜13%,Nb及びTaの
少なくとも1種0.02〜0.1%,N0.03 〜0.1
% ,Mo1.0〜2.0%を含むマルテンサイト鍛鋼が
用いられ、同じくタービンスペーサ,ディスタントピー
ス,コンプレッサディスクの最終段に各々前述のマルテ
ンサイト鋼が用いられる。
5 〜0.25%,Si0.5%以下,Mn0.5% 以
下,Ni1〜2%,Cr10〜13%,Nb及びTaの
少なくとも1種0.02〜0.1%,N0.03 〜0.1
% ,Mo1.0〜2.0%を含むマルテンサイト鍛鋼が
用いられ、同じくタービンスペーサ,ディスタントピー
ス,コンプレッサディスクの最終段に各々前述のマルテ
ンサイト鋼が用いられる。
【0111】〔実施例7〕図9は本発明に係る高低圧一
体型ロータシャフトを用いた蒸気タービンの部分断面図
である。本実施例に使用した高低圧一体型ロータシャフ
ト3は実施例3に記載の全ベーナイト組織を有するNi
−Cr−Mo−V鋼からなり、図中左側が高圧側で、右
側が低圧側で、最終段ブレードが33.5 インチ又は4
0インチの長さのブレードが用いられる。左側の高圧側
のブレードには実施例3に記載のもの、最終段のブレー
ドも前述と同様である。本実施例での入口蒸気温度は5
38℃,圧力102kg/cm2 、出力は温度46℃以下
で、常圧以下で、2よりコンデンサーに入る。本実施例
におけるロータシャフト材はFATTが40℃以下、室
温のVノッチ衝撃値が4.8kg−m(断面積0.8cm2)以
上、室温引張強さ81kg/mm2 以上,0.2%耐力63k
g/mm2以上,伸び率16%以上,絞り率45%以上,5
38℃,105 時間クリープ破断強度11kg/mm2 以上
を有するものである。蒸気は14より入り、高圧側ブレ
ードを通って15より出て再熱器13に入り、538
℃,35atg の高温蒸気となって16より低圧側に入
る。12は軸受で、両端に2ケあり、軸受間は約6mで
ある。本実施例での回転数3600rpmであり、発電出
力は12万KWである。ブレード4は高圧側が6段、低
圧側が10段である。本実施例では発電出力1万KW当
り0.5mであり、従来の1.1mに比較し約40%短く
なる。
体型ロータシャフトを用いた蒸気タービンの部分断面図
である。本実施例に使用した高低圧一体型ロータシャフ
ト3は実施例3に記載の全ベーナイト組織を有するNi
−Cr−Mo−V鋼からなり、図中左側が高圧側で、右
側が低圧側で、最終段ブレードが33.5 インチ又は4
0インチの長さのブレードが用いられる。左側の高圧側
のブレードには実施例3に記載のもの、最終段のブレー
ドも前述と同様である。本実施例での入口蒸気温度は5
38℃,圧力102kg/cm2 、出力は温度46℃以下
で、常圧以下で、2よりコンデンサーに入る。本実施例
におけるロータシャフト材はFATTが40℃以下、室
温のVノッチ衝撃値が4.8kg−m(断面積0.8cm2)以
上、室温引張強さ81kg/mm2 以上,0.2%耐力63k
g/mm2以上,伸び率16%以上,絞り率45%以上,5
38℃,105 時間クリープ破断強度11kg/mm2 以上
を有するものである。蒸気は14より入り、高圧側ブレ
ードを通って15より出て再熱器13に入り、538
℃,35atg の高温蒸気となって16より低圧側に入
る。12は軸受で、両端に2ケあり、軸受間は約6mで
ある。本実施例での回転数3600rpmであり、発電出
力は12万KWである。ブレード4は高圧側が6段、低
圧側が10段である。本実施例では発電出力1万KW当
り0.5mであり、従来の1.1mに比較し約40%短く
なる。
【0112】また、本実施例において最終段ブレードと
して33.5 インチの直径は316cmで、この直径に対
する軸間の比が2.22 である。更に、40インチの最
終段ブレードにおいては直径365cmに対する軸間の比
が1.92 となる。最終段ブレードを40インチ長さと
することにより発電出力として20万KWが得られる。
従って、本実施例における軸受間距離を発電出力1万K
W当り0.3m となり、きわめてコンパクト化ができ
る。
して33.5 インチの直径は316cmで、この直径に対
する軸間の比が2.22 である。更に、40インチの最
終段ブレードにおいては直径365cmに対する軸間の比
が1.92 となる。最終段ブレードを40インチ長さと
することにより発電出力として20万KWが得られる。
従って、本実施例における軸受間距離を発電出力1万K
W当り0.3m となり、きわめてコンパクト化ができ
る。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば30インチ以上の長翼を
取りつけた高低圧一体型蒸気タービンが製作可能となる
ので、小型で単機出力を著しく増大できる。また発電コ
ストの低減及びプラント建設コストの低減効果がある。
また、本発明によれば高温強度が高く、加熱脆化の少な
いロータシャフト及び耐熱鋼が得られ、特に30インチ
以上の長さのブレードを植設できる高低圧一体型ロータ
シャフトが得られる。
取りつけた高低圧一体型蒸気タービンが製作可能となる
ので、小型で単機出力を著しく増大できる。また発電コ
ストの低減及びプラント建設コストの低減効果がある。
また、本発明によれば高温強度が高く、加熱脆化の少な
いロータシャフト及び耐熱鋼が得られ、特に30インチ
以上の長さのブレードを植設できる高低圧一体型ロータ
シャフトが得られる。
【図1】本発明の高低圧一体型ロータシャフトを用いた
蒸気タービンの一部断面図。
蒸気タービンの一部断面図。
【図2】(V+Mo)/(Ni+Cr)比とクリープ破
断強度と衝撃値との関係を示す線図。
断強度と衝撃値との関係を示す線図。
【図3】クリープ破断強度と酸素との関係を示す線図。
【図4】クリープ破断強度とNiとの関係を示す線図。
【図5】加熱脆化後のVノッチ衝撃値とNi,Mn,S
i+Mn,Mn/Ni比,(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図。
i+Mn,Mn/Ni比,(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図。
【図6】加熱脆化後のVノッチ衝撃値とNi,Mn,S
i+Mn,Mn/Ni比,(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図。
i+Mn,Mn/Ni比,(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図。
【図7】加熱脆化後のVノッチ衝撃値とNi,Mn,S
i+Mn,Mn/Ni比,(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図。
i+Mn,Mn/Ni比,(Si+Mn)/Ni比との
関係を示す線図。
【図8】本発明の高低圧一体型ロータシャフトを用いた
蒸気タービンの一部断面図。
蒸気タービンの一部断面図。
【図9】本発明の高低圧一体型ロータシャフトを用いた
蒸気タービンの一部断面図。
蒸気タービンの一部断面図。
1…蒸気入口、2…蒸気出口、3…高低圧一体型ロータ
シャフト、4…動翼(ブレード)、5…蒸気コントロー
ルバルブ、6…ケーシング、7…静翼、8…発電機、1
1…くし歯、12…軸受、13…再熱器、17…安全
弁。
シャフト、4…動翼(ブレード)、5…蒸気コントロー
ルバルブ、6…ケーシング、7…静翼、8…発電機、1
1…くし歯、12…軸受、13…再熱器、17…安全
弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 慎太郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 栗山 光男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 諏訪 正輝 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 金子 了市 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 丹 敏美 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小野田 武志 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 渡辺 康雄 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会社 日立製作所勝田工場内 (72)発明者 梶原 英史 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会社 日立製作所勝田工場内 (72)発明者 平賀 良 東京都千代田区神田駿河台4丁目6番地 株式会社日立製作所内
Claims (9)
- 【請求項1】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.15〜0.35%を含み、(Mn/Ni)比が0.1
2以下又は(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下であ
るNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなることを特徴と
する高低圧一体型蒸気タービンロータシャフト。 - 【請求項2】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.5%,Ni1.6〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5 %及びV
0.15〜0.35%を含み、(V+Mo)/(Ni+C
r)比が0.45〜0.7であることを特徴とする高低圧
一体型蒸気タービンシャフト。 - 【請求項3】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%,V0.
1〜0.5%と、Nb及びTaの少なくとも1種0.005
〜0.15%と、W0.1〜1.0%とを含み、残部が実
質的にFeからなるNi−Cr−Mo−V低合金鋼から
なり、(Mn/Ni)比が0.12 以下であることを特
徴とする高低圧一体型ロータシャフト。 - 【請求項4】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.1〜0.5%を含み、Nb及びTaの少なくとも1種
0.005〜0.15%と、W0.1〜1.0% と、Ti,
Al,Zr,B,Ca及び希土類元素の少なくとも1種
を合計で0.001〜0.1%と少なくとも1種を含み、
残部が実質的にFeからなるNi−Cr−Mo−V低合
金鋼からなり、(Mn/Ni)比が0.12 以下である
ことを特徴とする高低圧一体型ロータシャフト。 - 【請求項5】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.15〜0.35%を含み、(Mn/Ni)比が0.1
2以下又は/及び(Si+Mn)/Ni比が0.18 以
下であるNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなることを
特徴とする耐熱鋼。 - 【請求項6】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.15〜0.35%と、Al,Zr,Ca及び希土類元
素の1種以上を合計で0.001〜0.1%とを含み、
(Mn/Ni)比が0.12以下又は/及び(Si+M
n)/Ni比が0.18 以下であるNi−Cr−Mo−
V鋼からなることを特徴とする耐熱鋼。 - 【請求項7】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.15〜0.35%、Nb及びTaの1種以上0.00
5〜0.15%とを含み、(Mn/Ni)比が0.12 以
下又は/及び(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下で
あるNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなることを特徴
とする耐熱鋼。 - 【請求項8】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.25%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.15〜0.35%と、Al,Zr,Ca及び希土類元
素の1種以上を合計で0.001〜0.1%と、Nb及び
Taの1種以上を0.005〜0.15%とを含み、(M
n/Ni)比が0.12 以下又は/及び(Si+Mn)
/Ni比が0.18 以下であるNi−Cr−Mo−V低
合金鋼からなることを特徴とする耐熱鋼。 - 【請求項9】重量で、C0.15〜0.4%,Si0.1
% 以下,Mn0.05〜0.5%,Ni1.5〜2.5
%,Cr0.8〜2.5%,Mo0.8〜2.5%及びV
0.15〜0.35%を含み、(Mn/Ni)比が0.1
2以下又は/及び(Si+Mn)/Ni比が0.18 以
下であるNi−Cr−Mo−V低合金鋼からなる鋼塊を
エレクトロ再溶解によって鋼塊を製造し、該鋼塊を熱間
鍛造し、次いで900〜1000℃のオーステナイト化
温度に加熱し所定の冷却速度で冷却する焼入れを施した
後、630〜700℃の温度で焼戻し処理を施すことを
特徴とする蒸気タービンロータシャフトの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2294898A JP3159954B2 (ja) | 1989-02-03 | 1998-02-04 | 高低圧一体型蒸気タービン及びそれを用いたコンバインド発電プラント |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2389089 | 1989-02-03 | ||
JP1-23890 | 1989-05-22 | ||
JP1-126622 | 1989-05-22 | ||
JP12662289 | 1989-05-22 | ||
JP2294898A JP3159954B2 (ja) | 1989-02-03 | 1998-02-04 | 高低圧一体型蒸気タービン及びそれを用いたコンバインド発電プラント |
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---|---|---|---|
JP02199690A Division JP3215405B2 (ja) | 1989-02-03 | 1990-02-02 | 高低圧一体型蒸気タービン |
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---|---|---|---|
JP2000181358A Division JP3247676B2 (ja) | 1989-02-03 | 2000-06-16 | 耐熱鋼 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10183294A true JPH10183294A (ja) | 1998-07-14 |
JP3106121B2 JP3106121B2 (ja) | 2000-11-06 |
JP3159954B2 JP3159954B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=27284038
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3159954B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7238005B2 (en) | 2003-07-30 | 2007-07-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Steam turbine power plant |
CN100445412C (zh) * | 2004-07-06 | 2008-12-24 | 株式会社日立制作所 | 耐热钢及使用它的转轴、蒸汽汽轮机以及发电装置 |
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