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JPH10180970A - パルプ紙を含む不透明積層体 - Google Patents

パルプ紙を含む不透明積層体

Info

Publication number
JPH10180970A
JPH10180970A JP9175276A JP17527697A JPH10180970A JP H10180970 A JPH10180970 A JP H10180970A JP 9175276 A JP9175276 A JP 9175276A JP 17527697 A JP17527697 A JP 17527697A JP H10180970 A JPH10180970 A JP H10180970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
pulp paper
opaque
paper
cane
Prior art date
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Pending
Application number
JP9175276A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Onda
昭雄 御田
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Individual
Original Assignee
Individual
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Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
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Publication of JPH10180970A publication Critical patent/JPH10180970A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの吸収乾燥性にすぐれ、かつインク滲
みを生じることがなく、画像記録用及び印刷用媒体とし
て好適なパルプ紙を含む不透明積層体及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 不透明支持体層と、その少なくとも一方
の面に形成された表面層からなり、該表面層は砂糖きび
のケーンラインドパルプを主成分とするパルプ紙からな
ることを特徴とする不透明積層体。植物パルプ紙からな
る不透明支持体層と、その少なくとも一方の面に形成さ
れた砂糖きびのケーンラインドパルプを主成分とするパ
ルプ紙からなる表面層とからなる不透明積層体を製造す
る方法において、植物パルプを主成分とする不透明湿潤
パルプ紙の少なくとも一方の面に砂糖きびのケーンライ
ンドパルプを主成分とする湿潤パルプ紙を積層し、圧縮
してその中に含まれる水分を除去した後、乾燥ドラムで
乾燥し、必要に応じ、表面平滑化処理することを特徴と
する不透明積層体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルプ紙を含む不透
明積層体及びその製造方法と、画像記録用印刷用媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】オフィスコンピュータ、パーソナルコン
ピュータ、ワードプロセッサー、電子カメラ、測定装置
等の電子機器のアウトプットを記録する媒体としては、
通常、上質紙が用いられている。しかしながら、このよ
うな紙をプリント方式がインクジェット方式の機器用の
記録媒体として適用する場合、その紙の上に記録された
画像にインクの滲みを生じて、画像の解像度が悪くなる
という問題がある。一方、このような画像滲みを防止す
るために、紙のサイズ度を高くすると、この場合には、
紙のインク吸収性が悪くなり、インク画像が容易に乾燥
しないという問題を生じる。従って、インクジェット用
記録紙としては、インクの吸収乾燥性が良くかつ高解像
度の画像を与える用紙の出現が要望されている。また、
一般的に、電子機器用記録用紙としては、表面平滑性に
すぐれ、かつ表面光沢に富むコート紙及びアート紙様質
感を与えるものが要望されている。このような用紙は、
特に、電子カメラ用記録媒体として用いることにより、
従来の写真印画紙上に形成された写真画像様の記録画像
を与えることが期待される。さらに、印刷用媒体として
も、水性インクを用いた印刷により、インク滲みのない
高解像度の印刷物を与えるものが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクの吸
収乾燥性にすぐれ、かつインク滲みを生じることがな
く、画像記録用及び印刷用媒体として好適なパルプ紙を
含む不透明積層体及びその製造方法を提供することをそ
の課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、不透明支持体層と、そ
の少なくとも一方の面に形成された表面層からなり、該
表面層は砂糖きびのケーンラインドパルプを主成分とす
るパルプ紙からなることを特徴とする不透明積層体が提
供される。また、本発明によれば、植物パルプ紙からな
る不透明支持体層と、その少なくとも一方の面に形成さ
れた砂糖きびのケーンラインドパルプを主成分とするパ
ルプ紙からなる表面層とからなる不透明積層体を製造す
る方法において、植物パルプを主成分とする不透明湿潤
パルプ紙の少なくとも一方の面に砂糖きびのケーンライ
ンドパルプを主成分とする湿潤パルプ紙を積層し、圧縮
してその中に含まれる水分を除去した後、乾燥ドラムで
乾燥し、必要に応じ、表面平滑化処理することを特徴と
する不透明積層体の製造方法が提供される。さらに、本
発明によれば、前記不透明積層体からなる画像記録媒体
及び印刷用媒体が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】図1に本発明の不透明積層体(以
下、単に積層体とも言う)の説明構成図を示す。図1に
おいて、1は表面層を示し、2は不透明支持体層を示
す。表面層1は、砂糖きびのケーンラインド(幹茎の厚
い表皮)パルプを主成分とするパルプ紙からなる。一
方、不透明支持体層2は、表皮層1を支持し得るもので
あればどのようなものでもよく、従来公知の不透明植物
パルプ紙や不透明プラスチックフイルム、金属フイルム
等であることができる。不透明植物パルプ紙は、木材パ
ルプ紙や非木材パルプ紙であることができる。また、不
透明プラスチックフイルムは、充填剤を含有するプラス
チックフィルム(ポリエステルフイルムや、ポリアミド
フイルム、ポリカーボネットフイルム、ポリエチレンフ
イルム、ポリプロピレンフイルム等の各種の高分子フイ
ルム)であることができる。
【0006】表面層を構成するパルプ紙を得るには、砂
糖きびのケーンラインドを原料として用い、これをパル
プ化し、製紙する。砂糖きびのケーンラインドは、砂糖
きびの幹茎(ケーン)を破砕し、圧搾して汁液を分離し
た後のバガス(残渣物)から、ピス(節間柔軟細胞組
織)を分離除去することにより得ることができ、また、
砂糖きびの幹茎を縦に割り、汁液を含むピスを分離除去
することにより得ることができる。この場合、得られた
ケーンラインドには、ピスが少量混入していてもよい
が、ピスの混入は得られるパルプの濾水性を低下させる
のとともに、得られるパルプ紙の表面平滑度を低下させ
るので余り好ましいことではなく、そのピスの混入量
は、絶乾重量基準で、10重量%以下、好ましくは3重
量%以下にするのがよい。本発明においては、0.5〜
5重量%のピスの混入したケーンラインドをパルプ原料
として有利に用いることができる。前記ケーンラインド
のパルプ化法としては、ソーダ法、クラフト法、PA法
(過酸化水素−アルカリ法)等のアルカリ性蒸解液を用
いる従来公知の各種の化学パルプ化法を用いることがで
きるが、特にPA法の使用が好ましい。このPA法は蒸
解液として、過酸化水素とアルカリ(NaOH、Na2
CO3、NaHCO3、KOH、K2CO3、KHCO
3等)を含むアルカリ性水溶液を用いる方法である。こ
のPA法によれば、漂白性がよく、ペントサン含量の大
きい、叩解性の良好なパルプを得ることができる。ま
た、このPA法により得られるパルプは、強度にすぐれ
かつ密度が大きく、表面平滑性の良いパルプ紙を与え
る。前記のようにして得られたケーランドパルプは、必
要に応じ、漂白して漂白パルプ(晒パルプ)とした後、
粘状叩解する。この場合の叩解の目安は、C.S.F.
100〜450ml、好ましくは150〜350mlで
ある。
【0007】前記叩解処理に供給するケーンラインドパ
ルプ(湿潤パルプ)は、その主成分、好ましくは70重
量%以上、より好ましくは80重量%以上が、篩分け試
験で、20メッシュパスで100メッシュオン、好まし
くは40メッシュパスで80メッシュオンのメッシュ範
囲になるように調整するのがよい。このようなシャープ
な区分のケーンラインドパルプは、蒸解により得られた
ケーンラインドパルプを節分け処理することにより得る
ことができる。このようなシャープな区分からなるケー
ンラインドパルプは、解像度が一層高められた画像を与
える。
【0008】前記の叩解パルプには、紙料成分を加えて
完全紙料を調製する。この場合、前記砂糖きびのケーン
ラインドパルプ(以下、単にラインドパルプとも言う)
には、稲わらパルプ、スイートソルガムパルプ、とうも
ろこしの皮パルプ等の他の稲科植物のパルプを加えるこ
とができる。これらの稲科植物パルプも、PA法で得ら
れたパルプであることが好ましい。全パルプ中のライン
ドパルプの割合は、絶乾重量基準で、60重量%以上、
好ましくは80〜100重量%である。前記完全紙料
は、パルプの他、必要に応じ、填料を含むことができ
る。この填料としては、チャイナクレー、チタンホワイ
ト、沈降性炭酸カルシウム、タルク等が用いられる。こ
の填料は、パルプに対して、0〜40重量%、好ましく
は5〜25重量%である。前記ラインドパルプを含む完
全紙料は、これを抄紙機を用いて抄造し、パルプ紙とす
る。抄紙機としては、従来公知の各種のもの、例えば、
長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、コンビネーショ
ンマシン、ヤンキー抄紙機、多層抄き可能なツインワイ
ヤー抄紙機等が用いられる。抄紙機に供給する完全紙料
の全紙料成分の水中濃度は、0.05〜0.6重量%、
好ましくは0.1〜0.2重量%にするのがよい。
【0009】前記のようにしてパルプ紙を得る場合、そ
のパルプ紙の厚さは、5〜30g/m2、好ましくは1
0〜20g/m2の坪量を与えるような厚さに調節す
る。そのパルプ紙の表面平滑度は100秒以上、好まし
くは1000以上、より好ましくは1500〜3000
秒に調節するのがよい。パルプ紙の厚さは、抄紙機に供
給する完全紙料の懸濁液の濃度、液量又は/及び抄紙速
度によって調節することができる。一方、パルプ紙の表
面平滑度はパルプの叩解度と完全紙料を抄紙して得られ
る湿潤パルプを乾燥する際に用いる乾燥ドラムの表面平
滑度によっても調節することができる。また、抄紙機か
ら得られる乾燥紙を表面平滑化処理することにより所望
表面平滑度を有するパルプ紙を得ることができる。この
場合の表面平滑化処理は、プレートカレンダや、スーパ
カレンダ、シートカレンダ等のカレンダーを用いて行う
ことができる。パルプ紙の密度は、通常0.75g/c
3以上、好ましくは0.85〜1.05g/cm3であ
る。なお、本明細書で言う表面平滑度は、JIS P
8119−1976に規定されているベック表面平滑度
を意味する。本発明で用いるラインドパルプを主成分と
するパルプ紙は、サイジングを施さないか又は軽量のサ
イジングを施したものである。
【0010】本発明で用いるラインドパルプは、その繊
維長が短く、内孔が大きく、ペントサン含量が極めて大
きいため、容易に粘状叩解ができ、密度が大きく、表面
平滑性の良い良質の紙料パルプを与える。本発明者の研
究によれは、この紙料パルプは、サイジングを施すこと
なく、又は軽度のサイジングを施すことにより、吸水性
がありながら、インク滲みを生じないパルプ紙を与える
ことが確認された。この場合のサイジングには、表面サ
イジングと内面サイジングが包含され、従来公知の方法
により行うことができる。表面サイジングは、抄造乾燥
した紙の表面に対し、ニカワ、澱粉、カルボキンメチル
セルロース(CMC)、ポリビニルアルコール、アルキ
ルケテンダイマー等のサイズ剤を塗布し、乾燥すること
により実施される。一方、内面サイジングは、アルキル
ケテンダイマーや、ロジン、アルキルスチレンポリマ
ー、ワックス等のサイズ剤を紙料中に加えることにより
実施される。表面サイジングの場合、そのサイズ剤の使
用量は、パルプに対して、0.5重量%以下、好ましく
は0〜0.2重量%である。内面サイジングの場合、そ
のサイズ剤の使用量は、パルプに対して、1.0重量%
以下、好ましくは0〜0.5重量%である。
【0011】本発明で用いるラインドパルプ紙におい
て、チャイナクレーやチタンホワイト等の填料を含有し
ないものは、その湿潤パルプ紙を表面平滑な乾燥ドラム
表面に接触させて乾燥することにより、及び/又はカレ
ンダーを用いて表面平滑化処理することにより、透明性
の良いパルプ紙とすることができる。ラインドパルプ紙
が透明性の良いパルプ紙を与える理由は、そのラインド
パルプがペントサン含有量の大きいことによるものと考
えられる。
【0012】前記のようにして得られるラインドパルプ
を主成分とするパルプ紙は、これを不透明支持体に積層
接着させて不透明積層体とする。この場合の接着法に
は、接着剤を用いる方法及び熱融着法が包含される。ま
た、接着剤には、溶液型接着剤、エマルジョン型接着
剤、フイルム状接着剤、ホットメルト型接着剤等が包含
される。この接着剤を用いる接着法では、支持体の種類
は特に制約されず、パルプ紙、合成紙、合成繊維紙、不
織布、プラスチックフイルム、金属フイルム等の各種の
ものであることができる。一方、熱融着法の場合は、そ
の支持体は、その少なくとも表面部が熱溶融性高分子か
らなるもので、例えばプラスチックフイルムからなるも
のであり、そのフイルム上にパルプ紙を積層し、加熱、
加圧することで両者を接着させることができる。
【0013】本発明による好ましい積層体は、植物パル
プ紙の少なくとも一方の表面にラインドパルプを主成分
とするパルプ紙を湿潤状態で積層させ、次いで脱水させ
ることにより、両者のパルプ紙の繊維間の水素結合によ
り接合させた構造を有する積層パルプ紙である。このよ
うな積層パルプ紙を製造するには、植物繊維パルプを主
成分とする湿潤パルプ紙と、ラインドパルプを主成分と
する湿潤パルプ紙を用意する。これらの湿潤パルプ紙
は、抄紙機のワイヤーパートから得ることができ、その
湿潤パルプ紙の原質濃度は10〜30重量%、好ましく
は15〜20重量%である。次に、植物パルプを主成分
とする湿潤パルプ紙の一方の面又は両方の面にラインド
パルプを主成分とする湿潤パルプ紙を積層し、圧縮して
水を除去する。この場合、水の除去率は、湿潤パルプ紙
の原質濃度が45〜55重量%となるような割合であ
る。次に、この圧縮された湿潤積層パルプ紙は、これ
を、そのラインドパルプを主成分とする湿潤パルプ紙を
乾燥ドラム表面に密着させて加熱乾燥させた後、表面平
滑化処理を行う。この場合の表面平滑化処理は、プレー
トカレンダ、スーパーカレンダ、シートカレンダ等のカ
レンダ装置を用いて行うことができる。前記乾燥ドラム
として表面研磨された乾燥ドラムを用いる場合、例え
ば、ヤンキー抄紙機の乾燥ドラム等を用いる場合には、
後続の表面平滑化処理は省略することもできる。
【0014】前記植物パルプは、木材パルプや非木材パ
ルプであることができる。非木材パルプとしては、稲わ
らパルプ、バガスパルプ、とうもろこしの皮パルプ、ス
イートソルガムパルプ等が挙げられる。これらの植物パ
ルプは、各種のパルプ化法によって製造されたパルプで
あることができるが、好ましくはPA法によって得られ
たパルプである。前記ラインドパルプを主成分とする湿
潤パルプ紙の厚さは、乾燥紙としたときに、5〜30g
/m2、好ましくは10〜20g/m2の坪量を与えるよ
うな厚さである。一方、植物パルプを主成分とする湿潤
パルプ紙の厚さは、その紙の用途により異なるが、乾燥
紙としたときに、一般的に15〜300g/m2の坪量
を与える厚さであり、軽量紙では10〜30g/m2
普通紙では40〜80g/m2、板紙では100〜20
0g/m2の坪量を与えるような厚さである。
【0015】本発明の積層体において、その表面層に透
明パルプ紙を用い、その不透明支持体層に白色度の高い
ものを用いることにより、その支持体層の白色度に応じ
た高白色度を示す積層体を得ることができる。この積層
体が高白色度のものに見える理由は、その表面層が透明
パルプ紙であるため、その下層の高白色度の支持体層が
透視されることによる。本発明において、高白色を示す
積層体を得る場合には、その支持体層の表面白度は、ハ
ンター白色度で70%以上、好ましくは85〜100に
するのがよい。この場合、表面層を形成する透明パルプ
としては透明性の良いもの、好ましくは表面平滑度が1
00秒以上、好ましくは1000秒以上、より好ましく
は1500〜3000秒であるものを使用すればよく、
白色度が高ければ未晒パルプ紙であってもよい。透明パ
ルプ紙の白色度は、ハンター白色度で、65%以上、好
ましくは80〜100%程度であればよい。
【0016】本発明の媒体は、オフィスコンピュータ、
パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサー、電子カ
メラ、カラー複写機、ファクシミリ、測定装置等の電子
機器のアウトプットを記録するための画像記録用媒体と
して有利に用いられる他、オフセット印刷やグラビア印
刷等の印刷用媒体として有利に用いられる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。なお、以下に記す%は重量%である。また、以下に
示す白色度はハンター白色度(%)である。
【0018】実施例1 2層抄きで片面記録打ち出し用の画像記録用紙を製造し
た。先ず、ケーンラインド(砂糖きびの厚皮)の晒PA
法パルプ(PAP)100kg、稲わらの晒PAP5k
g及びとうもろこしの皮の晒PAP5kgをビーターに
入れ、水を加えて原質濃度3.5%とし、C.S.F.
150mlになるまで強い粘状叩解を行った。叩解後サ
イズ剤も填料もまったく加えず、原質濃度0.15%に
なるまで水で希釈し、円網で原質濃度17%の湿潤パル
プ紙A(乾物換算坪量12g/m2、密度0.93g/
cm3)を形成させた。次に、針葉樹の晒クラフトパル
プ(KP)300kg及び広葉樹の晒KP100kgを
取りそれぞれディスクリファイナーで前者はC.S.
F.480mlに、後者はC.S.F.450mlまで
それぞれ叩解後両者を合わせ、これにチャイナクレイ5
0kgと中性サイズ剤アルキルケテンダイマー1.5k
gを含む水を加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加
えて原質濃度0.32%となるまで希釈し、長網で原質
濃度18%の湿潤パルプ紙B(乾物換算坪量で45g/
2密度0.71g/cm3)を形成させた。次に、前記
湿潤パルプ紙Aと湿潤パルプ紙Bとを全く接着剤を使わ
ずにプレスパートを通すことによって水分51%になる
まで水を搾り、1枚の湿潤パルプ紙とした。この湿潤パ
ルプ紙の表面と平滑に磨かれたヤンキードライヤーの表
面が密着するようにして加熱乾燥して積層パルプ紙を得
た。この積層パルプ紙は、裂断長:縦6.2km、横
3.6km、比破裂強さ:3.6、平滑度:180秒、
白色度:87.1%であった。この積層パルプ紙の表面
(パルプ紙A側)は、コート紙の表面に酷似したもの
で、水分の吸収乾燥性に優れたものである。この積層パ
ルプ紙の表面に、インクジェット方式の360×360
dpiのプリンターを介してカラー画像を記録したとこ
ろ、解像度の高い鮮明なカラー画像が得られた。
【0019】実施例2 4層抄きで厚手の積層パルプ紙を製造した。先ず、実施
例1と同様にして、湿潤パルプ紙Aを得た。次に、砂糖
きびのケーンラインドをPA法でパルプ化し、漂白して
得られた濾水性のよい晒PAP(C.S.F.680m
l、白色度87.8%)800kgをC.S.F.38
0mlになるまで叩解した。叩解後チャイナクレイ12
0kgと中性サイズ剤アルキルケテンダイマー3.5k
gを含む水を加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加
えて原質濃度0.32%となるまで希釈し、短網で原質
濃度18%の湿潤パルプ紙C(乾物換算坪量で45g/
2、密度0.71g/cm3)を得た。次に、前記3つ
の湿潤パルプ紙Cを3枚重ね、その上に湿潤パルプ紙A
(坪量25g/m2)を重ね、これを接着剤を全く使用
せずにプレスパートを通すことにより水分51%になる
まで水を搾り、1枚の湿潤パルプ紙とした。この湿潤パ
ルプ紙を、その表面(湿潤パルプ紙A側)を表面平滑な
ヤンキードライヤーの表面に密着させて加熱乾燥して、
積層パルプ紙を得た。この積層パルプ紙(坪量:115
g/m2)は、外見がコート紙に酷似したもので、水分
の吸収乾燥性にすぐれたものである。この積層パルプ紙
は、裂断長:縦6.2km、横3.6km、比破裂強
さ:4.6、表面平滑度:120秒、白色度:87.2
%を示すものであった。この積層パルプ紙の表面に、イ
ンクジェット方式の180×180dpiのプリンター
を介してカラー画像を記録したところ、鮮明なカラー画
像が得られた。
【0020】実施例3 2層抄きで積層パルプ紙を製造した。先ず、砂糖きびの
ケーンラインドの晒PAP100kgをディスクリファ
イナーを通してC.S.F.170mlになるまで強い
叩解を行った。叩解後、チタン白6kg、中性サイズ剤
2kgを加え、原質濃度0.18%になるまで水をさら
に加え、円網で湿潤パルプ紙D(乾物換算坪量12g/
2)を形成させた。次に、針葉樹の晒KP250k
g、晒GP20kg、砂糖きびのケーンラインドの晒P
A法パルプ40kgのそれぞれを合わせ、水を加えて原
質濃度12%とし、ディスクテファイナーを通してC.
S.F.480mlまで叩解した。叩解後チャイナクレ
イ50kgと中性サイズ剤1.5kgを加え原質濃度
0.38%となるまで水をさらに加え短網で湿潤パルプ
紙E(乾物換算坪量で47g/m2)を形成させた。次
に、前記湿潤パルプ紙DとEとを、まったく接着剤等を
使わずにプレスパートを通すことによって水分49%に
なるまで水を搾りながら1枚の湿潤パルプ紙とした。こ
の湿潤パルプ紙を、その表面(湿潤パルプ紙D側)を表
面平滑に磨かれたヤンキードライヤーの表面に密着する
ようにして加熱乾燥して積層パルプ紙を得た。この紙は
裂断長:縦5.9km、横2.9km、比破裂強さ:
3.5、表面平滑度:210秒、白色度:87.2%を
示した。この積層パルプ紙の表面はコート紙の表面に酷
似したもので、インクジェット方式の360×360d
piのプリンターを介してカラー画像を記録したとこ
ろ、解像度の高い鮮明なカラー画像が得られた。
【0021】実施例4 3層抄きの積層パルプ紙をツインワイヤーの抄紙機で製
造した。先ず、砂糖きびのケーンラインドの晒PAP2
00kg、稲わらの晒PAP20kg、コーンの晒PA
P24kgをディスクリファイナーを通してC.S.
F.180mlになるまで強い叩解を行った。叩解後チ
タン白12kg、中性サイズ剤4kgを加え、原質濃度
0.18%となるまで水をさらに加え、湿潤パルプ紙F
(乾物換算坪量12g/m2)を調製した。次に、針葉
樹の晒KP250kg、晒広葉樹パルプ20kg、ケー
ンラインドの晒PA法パルプ40kgのそれぞれを合わ
せ、水を加えて原質濃度12%とし、ディスクリファイ
ナーを通してC.S.F.480mlまで叩解した。叩
解後チャイナクレイ50kgと中性サイズ剤1.0kg
を加え、原質濃度0.35%となるまで水を加えて、ワ
イヤーパートで湿潤パルプ紙Gを得た。次に、プレスパ
ートで湿潤パルプ紙Gの両側に湿潤パルプ紙Fをそれぞ
れ重ねプレス脱水し、これをドライパートを通して乾燥
し、表裏差の少ない積層パルプ紙とし、更にスーパーキ
ャレンダーを通して表面が平滑でアート紙酷似の両面記
録用の積層パルプ紙を得た。この紙は裂断長:縦5.7
km、横2.8km、比破裂強さ:3.5、表面平滑
度:1900秒、白色度:87.2%で、その表面はア
ート紙表面に酷似したもので、インクジェット方式の1
600×1600dpiのプリンターを介してカラー画
像を記録したところ、解像度の極めて高い鮮明なカラー
画像が得られた。
【0022】実施例5 実施例1に示した湿潤パルプ紙Aを表面平滑なヤンキー
ドライヤーの表面に密着させて乾燥して、パルプ紙を得
た。次に、このパルプ紙を厚さ50μmの内部にチタン
ホワイトを含有させた高白色度のポリエチレンテレフタ
レート(PET)フイルム上に重ね、そのPETフイル
ムの軟化温度で加圧プレスして、PETフイルムとパル
プ紙とのラミネート体を得た。このラミネート体のパル
プ紙表面に、インクジェット方式の360×360dp
iのプリンターを介してカラー画像を記録したところ、
解像度の良い鮮明なカラー画像が記録された。
【0023】実施例6 実施例5において、湿潤パルプ紙Aの代わりに、実施例
3で得た湿潤パルプ紙Dを用いた以外は同様にして、ラ
ミネート体を得た。このラミネート体のパルプ紙表面
に、インクジェット方式の360×360dpiのプリ
ンターを介してカラー画像を記録したところ、解像度の
良い鮮明なカラー画像が得られた。
【0024】実施例7 実施例4で得た積層紙の表面に、1600×1600d
piのカラー複写機を用いてカラー写真をコピーしたと
ころ、解像度の極めて良い鮮明なカラー画像が得られ
た。
【0025】
【発明の効果】本発明のパイプ紙を含む積層体は、その
表面層が水分の吸収乾燥性の良いパルプ紙からなるもの
で、各種の電子機器のアウトプット記録用及び印刷用媒
体として有利に用いられる。本発明の積層体は、特に、
インクジェット方式のカラープリンターを備えた電子機
器の記録媒体として好適のものである。さらに、本発明
の積層体は、その表面に感熱記録層を形成することによ
り感熱記録媒体として用いることもでき、さらにその表
面に熱転写受容層を形成することにより、熱転写記録媒
体として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不透明積層体の説明断面構成図であ
る。
【符号の説明】
1 表面層 2 不透明支持体層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明支持体層と、その少なくとも一方
    の面に形成された表面層からなり、該表面層は砂糖きび
    のケーンラインドパルプを主成分とするパルプ紙からな
    ることを特徴とする不透明積層体。
  2. 【請求項2】 該パルプ紙の坪量が、5〜30g/m2
    である請求項1の不透明積層体。
  3. 【請求項3】 該パルプ紙が、砂糖きびのケーンライン
    ドを過酸化水素を含むアルカリ性水溶液中で蒸解して得
    られたパルプを主成分とするパルプ紙である請求項1又
    は2の不透明積層体。
  4. 【請求項4】 該支持体層が、植物パルプ紙である請求
    項1〜3のいずれかの不透明積層体。
  5. 【請求項5】 該植物パルプ紙が、木材パルプ紙である
    請求項4の不透明積層体。
  6. 【請求項6】 該支持体層が、不透明プラスチックフイ
    ルムである請求項1〜3のいずれかの不透明積層体。
  7. 【請求項7】 該支持体層がハンター白色度70%以上
    の植物パルプ紙からなり、該表面層が透明パルプ紙から
    なる請求項4の不透明積層体。
  8. 【請求項8】 該表面層を形成するパルプ紙が、100
    秒以上のベック平滑度を有する請求項1〜7のいずれか
    の不透明積層体。
  9. 【請求項9】 該表面層を形成するパルプ紙が、100
    0秒以上のベック瀬滑度を有する請求項1〜7のいずれ
    かの不透明積層体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかの不透明積層
    体からなる画像記録用及び印刷用媒体。
  11. 【請求項11】 植物パルプ紙からなる不透明支持体層
    と、その少なくとも一方の面に形成された砂糖きびのケ
    ーンラインドパルプを主成分とするパルプ紙からなる表
    面層とからなる不透明積層体を製造する方法において、
    植物パルプを主成分とする不透明の湿潤パルプ紙の少な
    くとも一方の面に砂糖きびのケーンラインドパルプを主
    成分とする湿潤パルプ紙を積層し、圧縮してその中に含
    まれる水分を除去した後、乾燥ドラム上で乾燥し、必要
    に応じ、表面平滑化処理することを特徴とする不透明積
    層体の製造方法。
  12. 【請求項12】 該砂糖きびのケーンラインドパルプ
    が、砂糖きびのケーンラインドを過酸化水素を含むアル
    カリ性水溶液中で蒸解して得られた透明パルプ紙である
    請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 該不透明支持体がハンター白色度85
    %以上の植物パルプ紙からなり、該表面層が透明パルプ
    紙からなる請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 該砂糖きびのケーンラインドパルプの
    主成分が、篩分け試験で、20メッシュパスで100メ
    ッシュオンのメッシュの範囲にある請求項11〜13の
    いずれかの方法。
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