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JPH10177406A - 5軸加工機の制御装置 - Google Patents

5軸加工機の制御装置

Info

Publication number
JPH10177406A
JPH10177406A JP35328596A JP35328596A JPH10177406A JP H10177406 A JPH10177406 A JP H10177406A JP 35328596 A JP35328596 A JP 35328596A JP 35328596 A JP35328596 A JP 35328596A JP H10177406 A JPH10177406 A JP H10177406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
point
axis
program
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35328596A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Otsuki
俊明 大槻
Ryoji Eguchi
亮二 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP35328596A priority Critical patent/JPH10177406A/ja
Publication of JPH10177406A publication Critical patent/JPH10177406A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Numerical Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プログラム指令点を実際の被切削点に一致さ
せながら、ボールエンドミル側の切削点を先端からずら
せて加工を行なう5軸加工機。 【解決手段】 指定方向工具長補正機能を用い、ボール
エンドミル4の先端でプログラム指令点7に対する加工
を行なう工具姿勢(ワーク面に対する法線)をI,J,
Kまたは回転2軸値で指定する。この時の工具軸方向T
L’を基準に、工具1’を傾ける角度条件(α;基準姿
勢に対する傾斜角,β;加工進行方向に対してなす角
度)をプログラムまたはパラメータで指定しておく。プ
ログラム指令点7が実際の被切削点となる条件を破らず
に、ボールエンドミル側の切削点を先端からずらせるよ
うな補正ベクトル<q>を計算し、プログラム指令点7
の位置に加算した点を制御点3の位置とし、基本3軸の
移動目標点(位置)とする。また、その時の工具軸方向
TLに対応する回転2軸値を計算し、回転2軸の移動目
標点(姿勢)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基本3軸と工具を
回転させる回転軸2軸を有する5軸の工作機械(5軸加
工機)を制御するための制御装置に関し、更に詳しく言
えば、前記5軸加工機の工具軸方向を補正して適正な加
工を行なわせる機能を備えた数値制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】5軸加工機は、図1(a)に示すように、
基本3軸と工具を回転させる回転軸2軸を有する加工機
として知られている。同図において、工具1は先端部に
取り付けた4を工具軸TL周り(矢印SP)に回転させ
てワークWの切削加工を行なうものである。C軸(Z軸
方向周りの回転軸)で駆動される工具取付部2には、回
転中心3を通りZ軸に垂直な工具支承軸が設けられ、こ
の工具支承軸周りに回転自在な態様で工具1が取り付け
られている。
【0003】同図に付記したように、X軸周り及びY軸
周りの回転軸をそれぞれA軸、B軸と呼ぶ習慣に従え
ば、C軸の回転位置に応じて、5軸加工機の回転2軸
は、「C軸とA軸」あるいは「C軸とB軸」と言うこと
も出来るので、本明細書ではこれをA/B軸と表記す
る。基本3軸については、ワークWを載置するテーブル
TBあるいは工具取付部2を搭載した駆動機構(図示省
略)に振り分けられる。
【0004】これら5軸を駆動するサーボモータを数値
制御装置で制御する場合、制御点3を工具1の回転中心
として、指定方向工具長補正機能を用いてボールエンド
ミル4の先端5を被切削希望位置に一致させる手法が用
いられている。この指定方向工具長補正機能は次の手順
で実行される機能である。
【0005】(1)図1(b)に示したように、任意の
長さのベクトルDを定める3個1組の値(I,J,K)
を以て工具軸TLの向きを指定する。工具軸TLの向き
は、ボールエンドミル先端5から制御点(回転中心)3
へ向かうものとする。例えば、図示した例に即して言え
ば、(1.00,1.80,6.00)などと指定す
る。
【0006】(I,J,K)の指定は、加工プログラム
中で指定されても良いし、加工プログラムとは別のパラ
メータ設定機能によっても良い。数値制御装置を指定方
向工具長補正モードにした状態でプログラム再生運転を
行なうと、加工プログラムで指定された加工点にボール
エンドミル先端5の位置を一致させ、且つ、(I,J,
K)で指定した工具軸TLの方向が実現されるように、
回転2軸(C軸とA/B軸)と基本3軸が制御される。
なお、基本3軸の制御には、(I,J,K)の他に、予
め設定された工具長L(制御点3とボールエンドミル先
端5の間の距離)のデータが用いられる。
【0007】このように、指定方向工具長補正機能を利
用すれば、希望する工具姿勢を保ちながら、ボールエン
ドミル先端5を加工プログラムで指定した経路に沿って
移動させながら切削加工を行なうことが出来る。即ち、
指定方向工具長補正機能は、ボールエンドミル先端5を
切削点とみなして指定された工具姿勢を実現するように
制御点3の位置(基本3軸)・姿勢(回転2軸)を補正
する機能である。
【0008】ここで問題となるのは、特殊なケースを除
き、ボールエンドミル先端5が実際に切削を行なう点と
しては適切でないということである。何故ならば、ボー
ルエンドミル先端5はボールエンドミル自身の回転(自
転)軸上にあり、ボールエンドミルが回転(自転)して
もワーク面との間に相対速度が“0”となるからであ
る。
【0009】また、もう一つの問題は、指定方向工具長
補正機能を用いて工具1の工具軸TLの方向を(I,
J,K)で指定した場合、それがワーク面に垂直である
場合を除き、図2に示したように、ボールエンドミル4
の先端5をワーク面上の被切削希望点7に対応させるこ
とが出来ないことである。図示したモデルでは、ボール
エンドミル先端5からはずれた点8付近のワーク表面が
事実上の切削点となり、被切削希望点7からはずれてし
まう。しかも、点8は原理的はワーク面下に食い込んだ
位置にあるから、その意味でも適正とは言えない。
【0010】これらの問題に対処するため、従来は、実
際の加工に際してオペレータが経験と勘に基づいて制御
点3の微量位置シフト、工具長Lの設定値の微修正、加
工プログラムの加工点データの微修正などを含む微調整
作業を追加的に実行し、図3に示したように、ボールエ
ンドミル先端5からずれたボールエンドミル表面上の点
6が被切削希望点7に一致させようとしていた。しか
し、このような微調整作業は煩雑であり、オペレータの
熟練度によって加工品質にばらつきが出易い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来の指定方向工具長補正機能を改良した補正
機能を5軸加工機の制御装置に持たせ、被切削希望点
(典型的にはプログラム指令点)を被切削点とする条件
を崩さずに、工具を指定する傾斜角条件に従って傾斜さ
せ、ボールエンドミル側の切削点を先端からずらせるこ
とが出来るようにすることである。また、本発明は、そ
のことを通して、5軸加工機を用いた加工作業の効率化
と加工品質の向上・安定化を図るものである。なお、本
明細書では、上記補正を切削点補正、その機能を切削点
補正機能と言う。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、プログラム指令点を実際の被切削点に一
致させながら、ボールエンドミル側の切削点を先端から
ずらせて加工を行なうように5軸加工機を制御すること
が出来る制御装置を提供する。
【0013】本発明に従った制御装置は、基本3軸と、
先端部にボールエンドミルを装備した工具を回転させる
回転軸2軸を有し、工具の基部に制御点を持つ5軸加工
機を制御するものであり、加工プログラムを記憶する手
段と、加工プログラムを再生して前記5軸加工機を動作
させるための移動指令を出力する手段と、ワーク面に対
する法線方向に前記工具の軸方向が一致する工具基準姿
勢を表わす工具基準姿勢データを記憶する手段に加えて
次の手段を備えている。
【0014】(1)工具基準姿勢から傾斜した工具姿勢
を表わす工具傾斜条件データを記憶する手段と、工具基
準姿勢データと、工具傾斜条件データと、加工プログラ
ムから定められる加工進行方向を表わすデータに基づい
て、加工プログラムから定められる指令点を被切削点と
する条件で前記工具傾斜条件データに従って工具を傾斜
させた状態を実現するために必要な基本3軸の位置補正
量を、制御点に関して算出する手段 (2)指令点を表わすデータと算出された基本3軸の位
置補正量に基づいて、制御点に関する基本3軸の移動目
標点を定める手段並びに工具傾斜条件データに基づい
て、回転2軸の移動目標点を定める手段 工具基準姿勢データを記憶する手段による工具基準姿勢
データの記憶は、ワーク面に対する法線方向を表わすベ
クトルの成分比を記述するパラメータの設定あるいは、
ワーク面に対して前記工具の軸方向が垂直になるような
回転2軸の値を記述するパラメータの設定によって行な
うことが出来る。
【0015】また、工具傾斜条件データは加工プログラ
ム中で指定しても良く、加工プログラムとは別のパラメ
ータ設定によって行なわれても良い。
【0016】本発明の制御装置は、従来の指定方向工具
長補正機能を用い、ボールエンドミルの先端でプログラ
ム指令点7に対する加工を行なう工具姿勢(ワーク面に
対する法線)をベクトル成分比I,J,Kまたは回転2
軸値で指定する。この時の工具軸方向を基準に、工具を
傾ける角度条件、より具体的に言えば、基準姿勢に対す
る傾斜角α並びに加工進行方向に対してなす角度βをプ
ログラムまたはパラメータで指定しておく。
【0017】制御装置内部では、プログラム指令点が実
際の被切削点となる条件を破らずに、ボールエンドミル
側の切削点を先端からずらせるような補正量(ベクトル
量)が計算され、プログラム指令点から補正量に従った
シフトをかけた点を制御点3の位置とされ、基本3軸の
移動目標点(位置)とされる。また、その時の工具軸方
向に対応する回転2軸値が求められ、回転2軸の移動目
標点(姿勢)とされる。そして、これら5軸の移動目標
点への移動のための指令が5軸加工機の各軸サーボに出
力される。
【0018】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の一つの実施形態
に係る制御装置としての数値制御装置(CNC)のハー
ドウェア構成を要部ブロック図で示したものである。同
図において、符号10で示された数値制御装置(CN
C)は、全体を統括制御するプロセッサ11を備える。
プロセッサ11は、バス21を介して、ROM12に格
納されたシステムプログラムを読み出し、このシステム
プログラムに従って、数値制御装置(CNC)10全体
の制御を実行する。例えばDRAMで構成されるRAM
13には、一時的に計算データ、表示データ等が格納さ
れる。
【0019】CMOS14には、加工プログラム及び各
種パラメータが格納される。また、後述する切削点補正
を行なう為のプログラム並びに関連パラメータが格納さ
れる。以下、これらプログラムを合わせて動作プログラ
ムと呼ぶこととする。CMOS14は図示されないバッ
テリでバックアップされ、数値制御装置(CNC)10
の電源がオフされてもデータが消去されない不揮発性メ
モリとして機能する。
【0020】インターフェイス15は、外部機器用との
入出力を行なう為に設けられ、オフラインプログラミン
グ装置、プリンタ等の外部機器31が接続される。オフ
ラインプログラミング装置で作成された動作プログラム
のデータは、インターフェイス15を介して数値制御装
置(CNC)10に読み込まれる。数値制御装置(CN
C)10で編集された動作プログラムのデータは、例え
ばプリンタで出力可能である。
【0021】PMC(プログラマブル・マシン・コント
ローラ)16は、数値制御装置(CNC)10に内蔵さ
れ、ラダー形式で作成されたシーケンスプログラムで機
械を制御する。即ち、動作プログラムで指令されたM機
能、S機能及びT機能に従って、これらをシーケンスプ
ログラムで必要な信号に変換し、I/Oユニット17か
ら機械側(ここでは5軸加工機)に出力する。この出力
信号は、機械側の各種動作部(エアシリンダ、ネジ、電
気アクチュエータ等)を作動させる。また、機械側の各
種スイッチや機械操作盤のスイッチ等の信号を受けて、
必要な処理をして、プロセッサ11に渡す。
【0022】グラッフィク制御回路18は、各軸(5
軸)の現在位置、アラーム、パラメータ、画像データ等
のディジタルデータを画像信号に変換して出力する。こ
の画像信号は、CRT/MDIユニット25の表示装置
26に送られ、表示装置26に表示される。インターフ
ェイス19は、CRT/MDIユニット25内のキーボ
ード27からデータを受けて、プロセッサ11へ渡す。
【0023】インターフェイス20は、手動パルス発生
器32に接続され、手動パルス発生器32からのパルス
を受ける。手動パルス発生器32は機械操作盤に実装さ
れ、ワークテーブルを含む機械本体の可動部を手動で移
動・位置決めするために使用することが出来る。
【0024】軸制御回路41〜45は、プロセッサ11
からの各軸(5軸)の移動指令を受けて、各軸の指令を
サーボアンプ51〜55に出力する。サーボアンプ51
〜55は、この移動指令を受けて、各軸のサーボモータ
61〜65を駆動する。これら各軸のサーボモータ61
〜65は、加工機の基本3軸(X軸、Y軸、Z軸)並び
に回転2軸(C軸、A/B軸)を駆動する。
【0025】符号651はA/B軸駆動用のサーボモー
タ65に付設された位置検出器としてのパルスコーダで
あり、図示は省略したが、他軸のサーボモータ61〜6
4にも同様にパルスコーダが付設される。これらパルス
コーダの出力パルスは、位置フィードバック信号や速度
のフィードバック信号の生成に使用される。
【0026】スピンドル制御回路71は、スピンドル回
転指令の指令を受けて、スピンドルアンプ72にスピン
ドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ72は、こ
のスピンドル速度信号を受けて、スピンドルモータ73
を指令された回転速度で回転し、5軸加工機の工具1の
ボールエンドミル4を回転させる。
【0027】以上述べたハードウェア構成は、通常の数
値制御装置と特に変わりはない。即ち、本発明は数値制
御装置のハードウェア構成に新規な条件を要求するもの
ではなく、次に説明する内容の切削点補正を実行するた
めのソフトウェア手段が備わっていれば良い。以下、切
削点補正の原理(計算内容)から順を追って説明する。
【0028】今、指定方向工具長補正機能を用いて、図
5に示したように、ボールエンドミル4の先端で被切削
希望点(加工プログラム指令点)7に対する加工が行な
われる工具姿勢(I,J,K)の指定がなされたものと
する。この時の工具を符号1’(破線)、工具軸をT
L’、ボールエンドミル4の先端を5’でそれぞれ表わ
せば、工具軸TL’のはワーク面に対して垂直になって
いる。
【0029】この状態(工具基準姿勢)を基準として、
被切削希望点7が被切削点となる条件を破らずに、工具
1’を新たに指定する傾斜角だけ傾けて、ボールエンド
ミル4側の切削点を先端からずらせることを考える。図
5には、傾斜後の工具を符号1(実線)、工具軸を符号
TL、ボールエンドミル4の先端を符号5、制御点を符
号3でそれぞれ表わした。また、傾斜前後の状態に関連
して、次の記号を使用する。
【0030】r:ボールエンドミル4の半径 l:ボールエンドミル4の中心9から制御点3までの距
離 <e>:傾斜前に(I,J,K)で規定される単位ベク
トルで、ここではプログラム指令点7においてワーク面
に対して立てた法線ベクトルでもある。 <q>:プログラム指令点7から、傾斜後の制御点3に
向かうベクトルで、求めるべき補正ベクトルである。 α:プログラム指令点7におけるワーク面に対する法線
方向から測った工具1の傾斜角 図5における傾斜後の工具軸方向、法線ベクトル等をプ
ログラムで指定される工具進行方向との関係で3次元的
に描き直すと図6のようになる。また、本図にに関連し
て、次の記号を更に使用する。
【0031】<p>:プログラムで指定される工具進行
方向を表わす単位ベクトル <N>:工具進行方向ベクトル<p>と法線ベクトル<
e>に垂直な方向を表わすベクトル β:プログラムで指定される工具進行方向から測った工
具1の傾斜角 ここで、α、βいずれも、プログラムで指定、あるい
は、別途パラメータ設定により数値制御装置10に教示
しておくことが出来る量である。また、ボールエンドミ
ル4の半径r及びボールエンドミル4の中心9から制御
点3までの距離lは、数値制御装置10に予め設定され
る。更に、(I,J,K)については、それがワーク面
に対する法線方向を表わすように数値制御装置10に設
定する。但し、I,J,Kの値を設定する代わりに、ワ
ーク面に垂直な工具姿勢を与える回転2軸(C軸とA/
B軸)の回転位置(θA/B0,θC0)を設定しても良い
(数値制御装置10内部でI,J,Kに換算可能)。
【0032】以下、I,J,Kの値が設定されている
か、あるいは、数値制御装置10内部で換算計算により
求められているものとして説明を続ける。法線ベクトル
<e>の各成分ex ,ey ,ez は、I,J,Kを用い
て次式(1)で表わされる。
【0033】
【数1】 一方、工具進行方向ベクトル<p>と法線ベクトル<e
>に垂直な方向を表わすベクトル<N>の各成分Nx
y ,Nz は、<Δp>=(Δx,Δy,Δz)と<e
>の外積から次のように求めることが出来る。 N=(Nx ,Ny ,Nz ) =((ey ・Δz−ez Δy),(ez ・Δx−ex Δz),(ex ・Δ y−ey Δx)) ・・・(2) これを正規化したものを<n>=(n1 ,n2 ,n3
とすると、次式(3)が得られる。
【0034】
【数2】 ここで、補正ベクトル<q>を正規化したものを<d>
とし、<n>を中心軸とする角度αの回転を表わす行列
を[M1 ]、<e>を中心軸とする角度βの回転を表わ
す行列を[M2 ]とすれば、<d>は次式(4)で表わ
される。 <d>=[M1 ][M2 ]<e> ・・・(4) そして、[M1 ],[M2 ]は<n> ,<e>の各成
分及びα,βを使って次式(5),(6)で表わされ
る。
【0035】
【数3】 切削点補正を行なうための、プログラム指令点7に対す
る基本3軸X,Y,Zの補正量は、補正ベクトルqの各
成分ΔX,ΔY,ΔZに他ならない。従って、求めるべ
きプログラム指令点7に対する基本3軸X,Y,Zの補
正量はまとめて次式(7)となる。 <q>=(ΔX,ΔY,ΔZ)=r<e>+l<d> ・・・(7) また、この<q>に対応する工具1の工具軸方向TLの
方向を与える回転2軸A/B軸及びC軸の値θA/B ,θ
C は、それぞれ次式(8),(9)のようになる。
【0036】
【数4】 以上のことから、数値制御装置10の内部で、任意のプ
ログラム指令点(一般には、被切削希望点)7に対して
上記(7)〜(9)を切削点補正計算を行なえば、プロ
グラム指令点7が実際の被切削点となる条件を破らず
に、指定された傾斜条件に応じてボールエンドミル4側
の切削点を先端からずらせる切削点補正が達成出来る。
傾斜条件は対ワーク面法線方向のデータと傾斜角度α,
βのデータで数値制御装置10に与えれば良い。
【0037】前述したように、対ワーク面法線方向のデ
ータは、指定方向工具長補正機能を用いた工具軸方向ベ
クトル成分I,J,Kの指定あるいは回転2軸(A/B
軸及びC軸)の回転位置の指定によって数値制御装置1
0に与えることが出来る。これら指定は、プログラム中
への書き込み、あるいはパラメータ設定のいずれによっ
ても良い。
【0038】図7は、数値制御装置10が内部で行なう
処理の概略を記したフローチャートである。本処理は、
各軸(5軸)の移動目標位置の計算周期毎に行なわれ、
その際に用いられるI,J,Kの値あるいはこれに代わ
る回転2軸の指定値θA/B0,θC0は、加工プログラムに
書き込まれた値、または別途パラメータとして設定され
た値を用いる。本発明に従った補正を行なう前の移動目
標点は、通常、加工プログラムから算出されるが、マニ
ュアル指令に移動指令に従って算出する場合も有り得
る。
【0039】各ステップS1〜ステップS9の要点を記
せば、次の通りである。 ステップS1;指定されているI,J,Kあるいはθ
A/B0,θC0に基づいて、指定方向工具長補正の計算を行
なう。I,J,Kでの指定の場合は、基本3軸の補正量
ΔX,ΔY,ΔZと回転2軸値θA/B0,θC0を求める。
また、θA/B0,θC0による指定の場合には、補正量Δ
X,ΔY,ΔZを求める。I,J,Kが指定されている
場合のΔX0 ,ΔY0 ,ΔZ0 ,θA/B0,θC0は次式
(10)〜(14)で計算される。
【0040】
【数5】 ステップS2;切削点補正を表わす指令(ここではG4
1.9を例示)の有無、即ち、プログラムまたはパラメ
ータで(α,β)指定がなされているか否かをチェック
する。イエスであればステップS3へ進み、ノーであれ
ばステップS4へ進む。 ステップS3;切削点補正実行/非実行の別を表わすフ
ラグFを反転または再書込によりF=1(実行)とす
る。(反転または再書込)。
【0041】ステップS4;切削点補正キャンセルを表
わす指令(ここではG40を例示)の有無をチェックす
る。イエスであればステップS5へ進み、ノーであれば
ステップS6へ進む。 ステップS5;切削点補正実行/非実行の別を表わすフ
ラグFを反転または再書込によりF=0(非実行)とす
る。
【0042】ステップS6;フラグFの値をチェックす
る。F=1であればステップS7へ進み、F=0であれ
ばステップS9へ進む。 ステップS7;指定されているα,βに基づいて、前述
(1)〜(9)計算を行い、基本3軸の補正量ΔX,Δ
Y,ΔZと回転2軸値θA/B,θC を求める。
【0043】ステップS8;各軸(5軸)について、プ
ログラム指令点を切削点補正した位置・姿勢を移動目標
点とする移動指令を作成し、サーボへ渡し、1計算周期
分の処理を終了する。プログラム指令点の位置成分を
(x,y,z)とすれば、移動目標点の各軸成分は(x
+ΔX,y+ΔY,z+ΔZ;θA/B,θC )となる。
【0044】ステップS9;各軸(5軸)について、プ
ログラム指令点を指定方向工具長補正した位置・姿勢を
移動目標点とする移動指令を作成し、サーボへ渡し、1
計算周期分の処理を終了する。プログラム指令点の位置
成分を(x,y,z)とすれば、移動目標点の各軸成分
はステップS1の計算結果から、(x+ΔX0 ,y+Δ
Y0 ,z+ΔZ0 ;θA/B0,θC0)となる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、5軸加工機の制御装置
に、ボールエンドミル先端からはずれたボールエンドミ
ル表面上の点を被切削希望点に自動的に一致させる切削
点補正機能を持たせることが出来るので、5軸加工機を
用いた加工作業の効率化と加工品質の向上・安定化を図
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、加工機の軸構成を説明する図であ
り、(b)は、指定方向工具長補正におけるI,J,K
の指定について説明する図である。
【図2】指定方向工具長補正機能の問題点を説明する図
である。
【図3】ボールエンドミル先端からずれたボールエンド
ミル表面上の点を被切削希望点7に一致させた状態を説
明する図である。
【図4】本発明の一つの実施形態に係る数値制御装置
(CNC)のハードウェア構成を要部ブロック図で示し
たものである。
【図5】ボールエンドミルの先端で被切削希望点(加工
プログラム指令点)に対する加工が行なわれる工具姿勢
から、被切削希望点が被切削点となる条件を破らずに、
工具を傾けて工具側の切削点をずらせた状態を説明する
図である。
【図6】図5における傾斜後の工具軸方向、法線ベクト
ル等をプログラムで指定される工具進行方向との関係で
3次元的に描き直したす図である。
【図7】数値制御装置が行なう処理の概略を記したフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1,1’ 工具 2 工具取付部 3 回転中心 4 ボールエンドミル 5 ボールエンドミル先端 6 ボールエンドミル先端からずれたボールエンドミル
表面上の点 7 被切削希望点(プログラム指令点) 10 数値制御装置(CNC) 11 プロセッサ 12 ROM 13 RAM 14 CMOS 15 インターフェイス 16 PMC(プログラマブル・マシン・コントロー
ラ) 17 I/Oユニット 18 グラッフィク制御回路 19 インターフェイス 20 インターフェイス 21 バス 25 CRT/MDIユニット 26 表示装置 27 キーボード 31 外部機器 32 手動パルス発生器 41〜45 軸制御回路 51〜55 サーボアンプ 61〜65 サーボモータ 651 パルスコーダ 71 スピンドル制御回路 72 スピンドルアンプ 73 スピンドルモータ TL,TL’ 工具軸 W ワーク TB テーブル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本3軸と、先端部にボールエンドミル
    を装備した工具を回転させる回転軸2軸を有し、前記工
    具の基部に制御点を持つ5軸加工機の制御装置であっ
    て、 加工プログラムを記憶する手段と、 前記加工プログラムを再生して前記5軸加工機を動作さ
    せるための移動指令を出力する手段と、 ワーク面に対する法線方向に前記工具の軸方向が一致す
    る工具基準姿勢を表わす工具基準姿勢データを記憶する
    手段と、 前記工具基準姿勢から傾斜した工具姿勢を表わす工具傾
    斜条件データを記憶する手段と、 前記工具基準姿勢データと、工具傾斜条件データと、前
    記加工プログラムから定められる加工進行方向を表わす
    データに基づいて、前記加工プログラムから定められる
    指令点を被切削点とする条件で前記工具傾斜条件データ
    に従って前記工具を傾斜させた状態を実現するために必
    要な基本3軸の位置補正量を、前記制御点に関して算出
    する手段と、 前記指令点を表わすデータと前記算出された基本3軸の
    位置補正量に基づいて、前記制御点に関する基本3軸の
    移動目標点を定める手段と、 前記工具傾斜条件データに基づいて、回転2軸の移動目
    標点を定める手段を備えた、 前記5軸加工機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記工具基準姿勢データを記憶する手段
    による前記工具基準姿勢データの記憶が、前記ワーク面
    に対する法線方向を表わすベクトルの成分比を記述する
    パラメータの設定によって行なわれる、請求項1に記載
    された5軸加工機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記工具基準姿勢データを記憶する手段
    による前記工具基準姿勢データの記憶が、前記ワーク面
    に対して前記工具の軸方向が垂直になるような前記回転
    2軸の値を記述するパラメータの設定によって行なわれ
    る、請求項1に記載された5軸加工機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記工具傾斜条件データが前記加工プロ
    グラムに包含されており、 前記加工プログラムを記憶する手段が、前記工具傾斜条
    件データを記憶する手段を兼ねている、請求項1〜請求
    項3に記載された5軸加工機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記工具傾斜条件データを記憶する手段
    による前記工具傾斜条件データの記憶が、前記工具傾斜
    条件を記述するパラメータの設定によって行なわれる、
    請求項1〜請求項3に記載された5軸加工機の制御装
    置。
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