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JPH10174822A - 耐熱性フィルター - Google Patents

耐熱性フィルター

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Publication number
JPH10174822A
JPH10174822A JP8354016A JP35401696A JPH10174822A JP H10174822 A JPH10174822 A JP H10174822A JP 8354016 A JP8354016 A JP 8354016A JP 35401696 A JP35401696 A JP 35401696A JP H10174822 A JPH10174822 A JP H10174822A
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JP
Japan
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heat
fiber
resistant
fibers
fusible
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Application number
JP8354016A
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English (en)
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Inventor
Osamu Yamaguchi
修 山口
Satohiko Tsutsui
聡彦 筒井
Satoshi Ogata
智 緒方
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
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Publication of JPH10174822A publication Critical patent/JPH10174822A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐薬品性及び耐圧性・形態保持性を有
し、かつ濾材の脱落が無く、かつ粒子の分別性に優れた
耐熱性フィルターを得ること。 【解決手段】 耐熱性繊維が熱融着性樹脂および/また
は熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる
耐熱性フィルターであって、特に耐熱性繊維がポリフェ
ニレンスルフィド繊維であり、熱融着繊維がメルトブロ
ー法で得られた半延伸状態のポリフェニレンスルフィド
繊維である耐熱性フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性フィルター
に関する。さらに詳しくは、従来のフィルターが使用不
可能であった酸化剤を含む高温流体、高温芳香族系流体
を始めとする高温流体や、高溶解性流体の濾過に好適に
使用でき、さらに耐圧性・形態保持性に優れ、かつ濾材
の脱落が無く、優れた濾過精度を有するフィルターに関
するものである。
【0011】
【従来の技術】近年、化学工業製品分野の高純度化が進
んだことに伴い、製品の溶液中に含まれる粒子径0.2μ
m〜数mm程度の異物を取り除くための、繊維を素材と
するフィルターの使用が急激にのびてきている。従来、
このようなフィルターに使用される繊維の素材としては
ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維などが多く
使われてきた。一般に繊維を素材とするフィルターは安
価であり、構成繊維の繊維径を選択することによって自
由に濾過精度を変更でき、繊維間の空隙部に多くの粒子
を捕らえることができるために濾過ライフが長い、とい
ったような長所を有している。しかしながら、そのフィ
ルターの耐熱性や耐薬品性は、構成繊維の化学的特性に
依存するため、これまでのポリオレフィン系繊維、ポリ
エステル系繊維などを素材とするフィルターでは高温溶
液、高温酸性溶液、高温アルカリ溶液などの、溶解性、
反応性の高い溶液によっては問題が生じることがあっ
た。
【0012】一方、耐熱性、耐薬品性共に優れた繊維と
して、ガラス繊維、アラミド繊維、フッソ系繊維、ポリ
イミド繊維、ポリアリーレン繊維等が一般に知られてい
る。このうち、アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維で
ULサーマルインデックス200〜220℃の耐熱性を
有し、パラ系アラミド繊維ではさらに耐熱性に優れてい
るが、高温下ではアルカリ、酸による強度劣化が起こ
り、高温高湿下では加水分解するという欠点を持つ。ま
た、テトラフルオロエチレン繊維は、ULサーマルイン
デックス260℃の良好な耐熱性と優れた耐薬品性を有
するが、強度が低いために加工性が悪く、加工された製
品も一般に強度が低くなる。また、特公昭52−306
09公報等で製法が示されるポリフェニレンスルフィド
(以下PPSと略記する)繊維は、ULサーマルインデ
ックス190℃を有し、高温での耐アルカリ性、耐酸性
に非常に優れており、高い繊維強度を持っている。
【0013】このように、これらの耐熱性繊維はそれぞ
れ短所と長所を併せ持っているが、いずれの繊維も一般
の熱融着性繊維に比べて熱接着性が悪いため、従来の技
術では、これを前述したようなフィルター、あるいは不
織布に成形することが難しかった。
【0014】これらの耐熱性繊維を不織布に加工する方
法として、これまでに提案されている方法の1つに、耐
熱性短繊維のウェブに高圧水流加工やニードルパンチ加
工を施して繊維間を交絡させる方法がある。この方法は
耐熱性繊維を比較的容易に不織布化できるため、PPS
繊維にニードルパンチ加工を施して作られたバグフィル
ターが、ゴミ焼却炉高温排ガス用フィルターのように非
常に耐薬品性、耐熱性を要求される分野で数多く用いら
れている。しかし、これらの方法で作られた不織布から
なるフィルターは、繊維が単に機械的に交絡しているだ
けなので、交絡が不十分な場合には耐圧性や形態安定性
が不十分であったり、構成繊維が下流側へ脱落する可能
性があり、フィルターへの使用には問題があった。ま
た、特開平7ー313823号公報では、多数の小孔を
有する筒体を芯として、その外周面にポリフェニレンス
ルフィド樹脂製の繊維を巻き付けた濾過材が提案されて
いる。しかしながら、この様な糸巻き上のフィルターで
は濾過精度に劣り、かつ濾過材が脱落し易いという欠点
を有する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性、耐薬品性を有し、構成繊維の脱落がなく、か
つ耐圧性と濾過精度にも優れたフィルターを提供するも
のであり、特に酸やアルカリ成分を含む高温流体等の従
来のフィルターが使用不可能であった高温、高反応性、
高溶解性流体の濾過に好適に使用できるフィルターを提
供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、耐熱性繊維と熱
融着性樹脂および/または熱融着性繊維からなる不織繊
維集合体を熱処理し、成形することにより、耐熱性繊維
本来の特性を損なうことなく繊維同士が強固に接着し
た、優れた耐圧性・形態安定性と濾過精度とを併せ持
ち、かつ構成繊維の脱落のないフィルターが提供できる
ことを知り、本発明を完成するに至った。
【0017】本発明は前記課題を解決するために以下の
構成を有する。 (1) 耐熱性繊維が熱融着性樹脂および/または熱融
着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる耐熱性
フィルター。 (2) 耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着
性繊維ウエブを重ね合わせ成形と同時に若しくは成形後
に熱融着性繊維を加熱融着することにより得られる
(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (3) 耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に熱融着
性繊維からなる熱接合された不織布を重ね合わせ、成形
と同時に若しくは成形後に熱融着性繊維を加熱融着する
ことにより得られる(1)項に記載の耐熱性フィルタ
ー。 (4) 熱接合された耐熱性不織繊維集合体が巻回積層
された(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (5) 耐熱性不織布をプリーツ状に折り曲げて両側面
部を接着した濾過材の中央開口部に、多孔支持体を配し
て、その両端部が接着された(1)項に記載の耐熱性フ
ィルター。 (6) 耐熱性繊維が、延伸されたポリフェニレンスル
フィド繊維である(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (7) 熱融着性繊維が繊維長3〜30mmの熱可塑性
繊維である(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (8) 熱融着性繊維が、メルトブロー法で得られた熱
可塑性繊維である(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (9) 熱融着性繊維が、融点差10℃以上を有する高
融点樹脂と低融点樹脂との熱可塑性複合繊維である
(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (10) 熱融着性繊維が、未延伸状態および/または
半延伸状態のポリフェニレンスルフィド繊維である
(1)項に記載の耐熱性フィルター。 (11) 熱融着性繊維が、ポリオレフィン系繊維、ポ
リエステル系繊維、ポリアミド系繊維の群から選ばれた
少なくとも1種である(1)項に記載の耐熱性フィルタ
ー。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る耐熱性フィルターとは、耐熱性繊維が熱融
着性樹脂および/または熱融着性繊維で熱接合された不
織繊維集合体により構成されるものである。
【0019】本発明でいう耐熱性繊維とは、高温雰囲気
中に長時間置いた後にも、顕著な表面劣化、強度低下等
が生じることがない繊維であればいかなるものでも良
い。例えば、延伸されたPPS繊維、アラミド繊維、ポ
リエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ポリ
テトラフルオロエチレン繊維、ポリエステル繊維、66
ナイロン繊維、フェノール繊維、ガラス繊維、セラミッ
クス繊維、金属繊維などである。しかし、本発明の耐熱
性フィルターに利用される耐熱性繊維には、強度、耐薬
品性、耐熱性及びコストや量産化を考えた場合、延伸さ
れたPPS繊維が最も好適である。また、これらの耐熱
性繊維の中に、通常使用される添加物、例えば顔料、カ
ーボン、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を、本発明の
効果を妨げない範囲において、必要に応じて使用しても
よい。
【0020】本発明において耐熱性繊維の原料として好
適に利用されるPPSとは、繰り返し単位として、p−
フェニレンスルフィド単位やm−フェニレンスルフィド
単位などのフェニレンスルフィド単位を含有するポリマ
ーを意味する。p−フェニレンスルフィド単位を70重
量%以上、好ましくは90重量%以上含む実質的に線状
ポリマーが好ましい。その製造方法は、工業的にはp−
ジハロベンゼンと硫化ナトリウムを反応させハロゲン元
素をハロゲン化ナトリウムとして取り除くという方法が
用いられることが多い。また、本発明の主旨を逸脱しな
いかぎり、他の芳香族スルフィドとの共重合体や混合物
であってもよい。また、これらの直線状重合体以外に分
子中に2個より多いハロゲン原子の置換基を有するポリ
ハロ芳香族化合物をp−ジハロベンゼンに対して、0.
1〜5モル%添加した分岐型重合体も好適に使用でき
る。
【0021】また、耐熱性繊維の形状は、特に限定され
るものではないが、ウェブへの加工性を考慮して、ステ
ープルファイバーであることが好ましい。また、耐熱性
繊維の断面は円形、扁平形、三角〜八角形等の角型、T
字形、多葉形、中空断面形等任意の形状とすることがで
きる。本発明において耐熱性繊維の形状としてステープ
ルファイバーを利用する場合、その単糸繊度、繊維長は
特に限定されるわけではないが、カーディング法、エヤ
レイド法等でウェブ化することを考慮して、単糸繊度1
〜100デニール、繊維長3〜90mmであることが好
ましい。また、トウを直接開繊してウェブを作製しても
よく、特開昭57−16954号公報に示されるような
方法でスパンボンド法等を用いて直接不織布にしても良
い。この方法は一般にステープルファイバーを利用する
方法よりも高度な技術が必要であるが、製品は構成繊維
の形状が長繊維であり、かつ繊維が相互に固着されてい
るため繊維の脱落が起こらず好ましい。
【0022】次に、本発明において耐熱性繊維として好
適に利用されるPPSステープルファイバーの製造方法
の例を述べる。先ず、PPSペレットを通常の溶融紡糸
工程により溶融紡糸する。すなわち、押出機により約3
00〜350℃に溶融されたPPS樹脂をノズルから押
し出し、空気、水、グリセリン等の媒体中で好ましくは
ガラス転移温度以下の温度で冷却し、ロールに巻取る。
ロール巻き取り速度は、通常、100〜1500m/分
で巻取ることができる。次に溶融紡糸によって得られた
PPS未延伸糸を、供給ロールと引き取りロールとの間
で自然延伸比以上で延伸する。延伸は、一段延伸でもよ
く、2段延伸以上の多段延伸で行ってもよい。延伸温度
は通常、PPSのガラス転移温度すなわち90℃付近か
ら270℃までの範囲で可能である。延伸によりPPS
繊維は、強度、耐熱性、耐薬品性などが付与される。延
伸した後、寸法安定性及び結晶化促進のために、必要に
応じて融点以下で定長熱処理または弛緩熱処理を行って
もよい。この熱処理は、常法により行うことができ、特
にその条件は限定されないが、例えば、200〜280
℃の乾熱雰囲気中、延伸比0.8〜1.2倍の条件下、
1〜50秒間熱処理を行う方法が挙げられる。そして得
られた延伸PPS繊維にクリンプを付与した後、所定長
に切断し、ステープルファイバーとする。
【0023】次に、耐熱性繊維をウェブまたは不織布と
する方法について述べる。耐熱性繊維の形状としてステ
ープルファイバーを利用する場合、まず、カーディング
法、エヤレイド法等を用いて必要な目付のウェブに加工
する。このウェブの目付は、特に限定されるものではな
いが、10〜100g/m2の範囲のものが好ましい。
10g/m2未満であると、目付が小さすぎて均一なウ
ェブを製造するのが困難であるばかりでなく、フィルタ
ーとした場合の利用価値も乏しい。一方、目付が100
g/m2を超えると熱融着性繊維との接着が不十分とな
り、耐熱性繊維の脱落が起こる場合がある。また、前記
のように作製した耐熱性繊維ウェブを予めニードルパン
チ法や高圧水流法等で不織布としておくと、繊維が三次
元絡合されるので、目付が100g/m2よりも厚くな
っても繊維抜けが起こらず好ましい。ニードルパンチ法
や高圧水流法は常法の方式を利用することができる。ニ
ードルパンチ法を使う場合には、30〜150ポイント
/cm2でニードルパンチ加工することが好ましい。高
圧水流法を使う場合には、例えば孔径が0.05〜1.
0mm、好ましくは0.1〜0.4mmの噴射孔を多数
配列した装置を用い、噴射圧力が20〜150kg/c
2の高圧液体を前記噴射孔から噴射する。噴射孔の配
列は、ウェブの進行方向と直交する方向に列状に配列す
る。この処理はウェブの片面あるいは両面のいずれに施
してもよいが、特に片面処理の場合は、噴射孔を複数列
に配列し、噴射圧力を前段階で低く後段階で高くして処
理すると、均一で緻密な交絡形態と均一な地合を有する
不織布を得ることができる。高圧流体としては、水ある
いは温水を用いるのが一般的である。また、この工程は
連続工程、別工程のいずれであってもよい。高圧流体処
理を施した後は、例えば熱風乾燥機等の乾燥設備を用い
て、ウェブを乾燥させる。
【0024】次に、本発明でいう熱融着性樹脂および/
または熱融着性繊維とは、耐熱性繊維に比べて融点また
は軟化温度が低く、耐熱性繊維と熱融着性樹脂および/
または熱融着性繊維との混合物または混繊物を加熱また
は加圧加熱した場合に耐熱性繊維と接着する。つまり耐
熱性繊維同士の繊維接点を熱接合できる樹脂および/ま
たは繊維であれば、特に限定されない。熱融着性樹脂
は、例えば粉末状、フレーク状、繊維状など種々の形態
のものを用いることができるが、本発明の場合は特に熱
融着性繊維を用いると不織繊維集合体または不織布とし
た場合に強度向上、形態保持性が良くなり好ましい。こ
れら熱融着性樹脂および/または熱融着性繊維として、
例えば、PPS樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれかの樹脂、また
はいずれかの樹脂よりなる繊維等が挙げられる。尚、こ
こで用いられるPPS樹脂は未延伸又は半延伸状態の物
をいい、この様な物は比較的低温で軟化し、熱圧着する
ことが可能であるために熱融着性樹脂若しくは熱融着性
繊維として使用することができるのである。繊維の形態
としては、特にメルトブロー不織布または繊維長3〜3
0mmの超短繊維が好適に用いられる。
【0025】本発明で用いられる熱融着性繊維は、融点
差が10℃以上の高融点樹脂と低融点樹脂を組み合わせ
た2種類以上の熱可塑性ポリマーからなる複合繊維であ
ってもよい。本発明において融点とは、示差走査型熱量
計によって得られる昇温示差熱曲線において極小値をと
る温度をいう。熱融着性繊維としてそのような高融点樹
脂と低融点樹脂からなる複合繊維を用いた場合、該複合
繊維を含む不織繊維集合体を熱処理した場合でも高融点
樹脂の融点以下の温度であれば該複合繊維が通常の熱融
着性繊維のように繊維形態を失うことがないため、熱融
着性繊維が繊維間空隙を埋めるといったようなフィルタ
ーの濾過能力の低下の原因となることがなく好ましい。
その形状は、鞘芯型、並列型、偏芯鞘芯型、多層型、あ
るいは海島型とすることができる。また、熱可塑性ポリ
マーの組み合わせとしてはPPS樹脂、ポリエーテルエ
ーテルケトン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂等を任意に組み合わせるこ
とができる。組み合わせの例として、PPS樹脂/ ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、PPS樹脂/ポリオレ
フィン樹脂、PPS樹脂/ポリエステル樹脂、PPS樹
脂/ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂/ポリオレフィ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリアミド樹脂などが利
用可能である。
【0026】本発明において熱融着性繊維として超短繊
維を用いる場合、その形状は繊維長3〜30mm程度で
エヤレイド法等によりウェブ化可能であれば特に限定さ
れない。超短繊維は通常の溶融紡糸、延伸法により得る
ことができる。この超短繊維は、耐熱性繊維との混繊が
容易でかつ3次元的方向にランダムに分級し、熱接合点
を大きくする。このため不織布層内は、理想的なポーラ
ス構造を有するので、フィルターとした場合に通気性、
通水性に優れる。
【0027】本発明において熱融着性繊維としてメルト
ブロー不織布を用いる場合、通常のメルトブロー法が使
用できる。すなわち、溶融紡糸しながら、両サイドから
高速加熱気流を噴射して繊維を細化し、それをメッシュ
スクリーン上に捕集し不織布とする方法である。メルト
ブロー不織布の繊維は、多くの非結晶部分を含み、比較
的低温でも軟化するため、接着成分として耐熱性繊維を
接着させることができる。つまりメルトブロー不織布と
耐熱性繊維とを、そのメルトブロー不織布を構成してい
る繊維のガラス転移点以上で加圧加熱して非結晶部分を
軟化させることで、耐熱性繊維の物性には影響は与えず
接着し、耐熱性不織布にすることができる。また、メル
トブロー法により紡糸された不織布は、一般に通常の溶
融紡糸法により作られた繊維よりも構成繊維径が細いた
めに、特に高精度のフィルターを製造する場合に好適に
用いることが出来る。メルトブロー不織布の平均繊維径
は特に限定されるものではないが、通常、1μm以上、
好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上であ
り、通常耐熱性繊維を構成するステープルファイバーの
繊維径以下であることが好ましい。耐熱性繊維よりも平
均繊維径が大きいと繊維接着交点が少なく、十分な強度
が得られにくい。一方、メルトブロー不織布の目付は、
20〜200g/m2程度のものが好適に用いられる。
【0028】次に、前記で得られた耐熱性繊維ウェブま
たは不織布を、熱融着性樹脂および/または熱融着性繊
維で熱接合して、本発明の耐熱性フィルターを製造する
方法について述べる。まず、前記で得られた耐熱性繊維
ウェブまたは不織布と熱融着性樹脂および/または熱融
着性繊維とを混在させる。熱融着性繊維を使う場合、混
繊物は耐熱性繊維不織布と熱融着性繊維不織布を各1枚
ずつ積層したものでもよいし、複数枚交互に積層したも
のでもよい。不織布の代わりにウェブを使用しても良
く、両者ウェブを混綿したものでもよい。あるいは、耐
熱性繊維と熱融着性超短繊維との混繊物をウェブ化した
ものでもよい。次に、この混在物を熱接着あるいは加圧
熱接着させて、耐熱性繊維を熱接合する。この処理に
は、公知の方法を利用することができる。例えば、表面
平滑なロールで処理する場合、プレスは、加圧圧力1〜
50kg/cmで行うことが必要である。加圧圧力が、
1kg/cm未満の場合には、十分な強度が得られな
い。50kg/cmを超える場合には、空隙率が低くな
りフィルターとして十分な通気性が得られないばかりで
はなく、耐熱性繊維そのものの強度劣化につながり好ま
しくない。
【0029】また、表面平滑なロールの一方をエンボス
ロールに変えて、エンボスロールのエンボスパターン部
に存在する繊維同士を部分的に熱接着させる場合、エン
ボスロールの圧接面積率は、5%以上が好ましい。この
圧接面積率が5%未満の場合、点状の融着区域が少なく
機械的強度が低下し、良好な寸法安定性を得るのが困難
となる。またエンボスパターンは圧接面積率が5%以上
であれば、特に限定されるものではなく、丸型、楕円
型、菱型、三角型、T字型、井型等任意の形状でよい。
ロール温度は、熱融着性繊維のガラス転移点以上融点以
下の温度範囲で熱接着すればよい。あらかじめホットエ
アー等で該不織布を予備加熱してもよい。
【0030】熱処理においては、例えば熱融着繊維に未
延伸状態および/または半延伸状態のPPS繊維を使用
する場合、PPSの融点に近い高温で熱処理を行うと、
空隙率の低いペーパーライクなものとなり、フィルター
に利用するのに適したものが得られにくい。このような
場合、前記したメルトブロー法で紡糸して得られたPP
S繊維は、未延伸状態および/または半延伸状態をな
し、かなり低温(例えば90〜95℃位)で軟化してお
り、これをうまく利用することにより、耐熱性繊維を熱
接合することができる。この結果、形態保持性に優れた
ものとなる。しかも、このような低温で熱接合された不
織布は、空隙率が高く、嵩高性に飛んでいるので、フィ
ルターの流量特性、濾過ライフに好影響を与える。熱融
着性繊維が前記複合繊維の場合、低融点樹脂の融点以
上、高融点樹脂の融点以下の温度で熱処理を行うと熱融
着性繊維の高融点樹脂の成分が繊維として残存し、熱接
合後の不織布強度向上に寄与し、空隙率と嵩高性にも優
れたものが得られる。
【0031】次に、前記方法で作製した耐熱性不織布を
フィルターの形状に成形する。フィルターの形状は特に
限定される物ではなく、例えば筒状フィルター、バグフ
ィルター、シート状フィルターとすることができる。し
かし、本発明の実施態様としては筒状フィルターがもっ
とも好ましい。
【0032】筒状フィルターに成形する方法には公知の
方法を用いることができる。その方法の1つに、前記耐
熱性不織布を多孔支持体に巻き付ける方法が挙げられ
る。巻き付ける方法は、単に多孔支持体に巻き付けても
良く、加熱しながら1〜50kg/cm程度の適当な加
圧圧力をかけて巻き付けても良い。また、多孔支持体の
材質や形状は特に限定されるものではないが、当初の目
的を達成するため、前記耐熱性不織布よりも耐熱性、耐
薬品性にすぐれ、かつ変形することがないよう十分な強
度を持つものが望ましい。例えばPPS、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂などの
樹脂を加工した射出成型品、セラミックスやステンレス
等の金属を加工したもの等を挙げることができる。ま
た、濾過精度は耐熱性不織布の構成繊維径や空隙率を変
えることによって任意のものに設定できる。さらに、耐
熱性不織布の繊維径や空隙率をフィルターの上流側から
下流側にかけて変化させることによって濾過ライフを延
ばすことも可能である。
【0033】また、前記の耐熱性繊維ウェブ若しくは不
織布と熱融着性繊維ウェブ若しくは不織布を後者を前者
の両側若しくは片側に重ね合わせ、特公昭56−431
39のようにサクションドライヤー法、熱風乾燥装置あ
るいは熱ロール法等の公知の方法で加熱しながら、1〜
50kg/cmの加圧圧力をかけて芯棒に巻き付けて筒
状フィルターとしても良い。この場合には多孔支持体が
不要であるため、フィルターを使用後廃棄する場合に多
孔支持体を処理する必要がなくなる。この場合も、前記
のような構成繊維径や空隙率を変えることにより濾過精
度や濾過ライフの調節が可能である。
【0034】また、別のフィルターへの加工方法とし
て、前記方法で作製した耐熱性不織布をプリーツ状に折
り曲げて筒状フィルターとすることもできる。この製造
法の1例をあげるが、特にこの方法に限定されるもので
はない。まず、前記の耐熱性不織布を1枚あるいは数枚
積層してプリーツ状に折り畳み、両側面部を超音波、高
周波等の熱シール法によって完全に溶着させる。この
時、補強あるいは有効濾過面積増大のために、耐熱性不
織布と適当なスペーサーとを交互に積層して折り畳んで
もよい。このスペーサーの形状は特に限定されるもので
はなく、編物、ネット、パンチングシートなど種々のも
のを用いることが出来る。また、積層する耐熱性不織布
の繊維径を変化させたり、密度勾配を付与することによ
り、濾過精度の変化やフィルターの交換寿命の延長を計
ることもできる。次に多孔支持体を内部に入れ、両端を
エンドキャップで接着する。接着には加熱溶融法を使用
しても良く、ホットメルトなどのバインダーで接着して
も良い。必要によってはフィルターエレメントの保護の
ために外層に多孔網筒を使用しても良い。これらのスペ
ーサー、エンドキャップ、バインダー、多孔網筒等の材
料や形状は特に限定されるものではないが、本発明の効
果を損なうことがないよう、いずれの材質も耐熱性不織
布と同程度以上の耐熱性、耐薬品性を持つことが望まし
い。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。本実施例における不織布、筒状フィルターの物性値
等の定義と測定方法は以下の通りである。 (濾過精度)循環式濾過性能試験機のハウジングにフィ
ルター1本(250mm)を取り付け、50リットル用
水槽からポンプで通水循環する。流量を毎分30リット
ルに調節後、水槽に試験粉体として基礎物性用標準粉体
であるACコース・テストダスト(ACCTDと略す。
中位径:27〜31μm)を60mg/分で連続添加
し、添加開始から5分後に原液と濾液を採取し、それぞ
れの液に含まれる粒子の粒度分布を光遮断式粒子検出器
を用いて計測する。この粒度分布測定結果を用いて、フ
ィルターが捕集した粒子の個数の割合を捕集効率として
算出し、99.9%捕集した粒径をフィルターの濾過精
度とした。
【0036】(濾過ライフ及び耐圧強度)前記、循環式
濾過性能試験器のハウジングにフィルター1本(250
mm)を取り付け、流量30リットル/分で通水循環す
る。ここに、ACCTDを400mg/分で連続添加
し、フィルターの1次側と2次側で圧力を測定して圧力
損失の変化を記録する。フィルターの圧力損失が2kg
/cm2に達するまでのケーキの添加量を濾過ライフと
した。引き続き、粉体の添加を行い、フィルターの圧力
損失が10kg/cm2に達するか、もしくはフィルタ
ーが変形した時点での圧力損失を耐圧強度とした。 (耐熱性および耐薬品性)循環式濾過性能試験機のハウ
ジングにフィルター1本(250mm)を取り付け、試
験流体を流量30リットル/分、入口圧0.5kg/c
2の条件で60分間通液循環した。その後、冷却、乾
燥して外観観察、外径変化測定、および構成繊維表面の
電子顕微鏡観察を行った。試験流体として、95℃の3
0重量%硫酸水溶液(溶液1)、95℃の30重量%水
酸化ナトリウム水溶液(溶液2)を使用した。
【0037】実施例1 (耐熱性繊維ウェブ)PPS樹脂(メルトフローレイト
(以下MFRと略す):50g/10分、310℃、
2.16kg荷重)を、140℃で2時間予備乾燥した
後、シリンダー径30mm押出機にて、紡糸温度320
℃、巻取速度800m/minにて紡糸した。得られた
未延伸糸を90℃で3倍に延伸し、ついで160℃で
1.2倍に二段延伸し、最後に220℃で弛緩熱処理を
行い、3デニール(繊維径18μm)、カット長51m
mのPPS繊維を得た。得られたステープルファイバー
をカードにて目付50g/m2のウェブに加工した。 (熱融着性繊維ウェブ)熱融着性繊維としてPPS(M
FR:130g/10分、310℃、2.16kg荷
重)を、メルトブロー法によって、平均繊維径が約10
μm、目付27g/m2のメルトブローウェブを作製し
た。 (本発明のフィルターの作製)これら得られた耐熱性繊
維ウェブを熱融着性繊維ウェブで挟み、サクションバン
ドドライヤーを用いて、90℃で加熱しながら加圧圧力
10kg/cmをかけてPPS樹脂製多孔射出成形体に
巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径65m
m、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィル
ターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、
耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。フィルターの
製造条件及びその性能の評価結果はそれぞれ表1及び表
2に示した。以下の実施例及び比較例でも同様である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例2 実施例1で作製した耐熱性繊維ウェブを同じく実施例1
で使用した熱融着性繊維ウェブで挟み、加工温度90
℃、加圧圧力10kg/cmの条件でカレンダー加工を
行い、耐熱性不織布とした。この耐熱性不織布1枚をプ
リーツ状に折り畳み、両側面部を超音波法によって完全
に溶着させ、次にPPS性多孔支持体を内部に入れ、両
端に加熱溶融法を使用してエンドキャップを接着して中
空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精
度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価し
た。
【0041】実施例3 耐熱性繊維として、単糸繊度2デニール、繊維長76m
mのポリ−m−フェニレンイソフタルアミド(コーネッ
クス、帝人(株)製)をカードにて目付50g/m2
ウェブを作製した。得られたウェブを実施例1で作製し
た熱融着性繊維ウェブで挟み、実施例1と同条件で成形
を行い、中空円筒状フィルターを得た。このフィルター
の濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性
を評価した。
【0042】実施例4 熱融着性繊維としてポリプロピレン(PPと略す。MF
R:16g/10分、230℃、2.16kg荷重)を
メルトブロー法によって、平均繊維径が約10μm、目
付23g/m2のメルトブロー不織布を作製した。得ら
れたPPメルトブロー不織布で実施例1で作製した耐熱
性繊維ウェブを挟み、160℃、加圧圧力10kg/c
mの条件でPPS樹脂製多孔射出成形体に巻き取った
後、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径3
0mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得
た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強
度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0043】実施例5 実施例1で得られた耐熱性繊維ウェブを、80メッシュ
の平織ネット上に置いて、ノズル径0.1mm、ピッチ
1mmのノズルプレートから、水圧20kg/cm2
予備処理した後、40kg/cm2の高水圧で3回処理
し、次いでこの交絡したトウウェブを反転させ、同様の
ノズルプレートから40kg/cm2の高水圧で3回処
理し、三次元結合させた。次に、この不織布を乾燥し
て、目付48g/m2のウォータージェット(以後W
J)加工耐熱性繊維不織布を得た。この不織布上に、実
施例1で得られた熱融着性繊維ウェブを乗せ、実施例1
と同条件で成形を行い、中空円筒状フィルターを得た。
このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐
熱性、耐薬品性を評価した。
【0044】実施例6 熱融着性繊維としてPP(MFR:16g/10分、2
30℃、2.16kg荷重)を芯成分とし、高密度ポリ
エチレン(PEと略す。MI:16g/10分、190
℃)を鞘成分として、メルトブロー法によって、平均繊
維径が約10μm、目付26g/m2の複合メルトブロ
ー不織布を作製した。得られた複合メルトブロー不織布
で実施例5で作製したWJ加工耐熱性繊維不織布を挟
み、130℃、加圧圧力10kg/cmの条件でPPS
樹脂製多孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長
さに切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250
mmの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの
濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を
評価した。
【0045】実施例7 熱融着性繊維として、PPS樹脂(MFR:50g/1
0分、310℃、2.16kg荷重)を、140℃で2
時間予備乾燥した後、シリンダー径30mm押出機に
て、紡糸温度320℃、巻取速度800m/minにて
紡糸した。得られた繊維は、繊維径18μm、カット長
5mmの低配向短繊維とした。実施例1で得られたPP
S繊維ウェブをエヤレイド不織布加工機に供給し、前記
低配向PPS短繊維をエヤレイド加工機によってPPS
繊維ウェブ上に、堆積させた。なおこの短繊維ウェブの
目付は、24g/m2とした。このPPS繊維と熱融着
性短繊維の混繊物をサクションバンドドライヤーを用い
て、90℃で加熱しながら加圧圧力10kg/cmをか
けて金属製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取
り、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径3
0mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得
た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強
度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0046】実施例8 熱融着性繊維として、芯成分に極限粘度[η]が0.6
5のポリエチレンテレフタレート(PETと略す)と鞘
成分にPP( MFR:16g/10分、230℃、
2.16kg荷重)の鞘芯複合型繊維を溶融紡糸装置を
用いて紡糸、延伸し、繊度2デニール、カット長5mm
の短繊維とした。実施例1で得られたPPS繊維ウェブ
をエヤレイド不織布加工機に供給し、前記複合短繊維を
エヤレイド加工機によってPPS繊維ウェブ上に、堆積
させた。なおこの短繊維ウェブの目付は、23g/m2
とした。このPPS繊維と熱融着性短繊維の混繊物を1
60℃の熱風乾燥機を通し、加圧圧力10kg/cmを
かけて金属製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き
取り、250mmの長さに切断し、外径65mm、内径
30mm、長さ250mmの中空円筒状フィルターを得
た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強
度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0047】実施例9 熱融着性繊維不織布として、PPS(MFR:130g
/10分、310℃、2.16kg荷重)をメルトブロ
ー法によって平均繊維径が約20μm、目付20g/m
2とした不織布を作製した。実施例5で得た耐熱性繊維
不織布の上に熱融着性繊維不織布を乗せ、160℃の熱
風乾燥機を通し、加圧圧力10kg/cmをかけて金属
製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、25
0mmの長さに切断し、外径65mm、内径30mm、
長さ250mmの中空円筒状フィルターを得た。このフ
ィルターの濾過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、
耐薬品性を評価した。
【0048】実施例10 PPS樹脂(MFR:50g/10分、310℃、2.
16kg荷重)を140℃で2時間予備乾燥した後、平
均粒子径70μmに粉砕したものを、ふるいで25g/
2になるように均一に実施例1で作製した耐熱性繊維
ウェブに堆積させた。これを260℃の熱風乾燥機に通
し、加圧圧力30kg/cmをかけて金属製の芯棒に巻
き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、250mmの長さ
に切断し、外径65mm、内径30mm、長さ250m
mの中空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾
過精度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評
価した。
【0049】比較例1 実施例5で作製したウォーターニードル加工耐熱性繊維
不織布のみを実施例1と同条件で成形を行ったが、耐熱
性繊維同士の接着はなく、フィルターとして使用するこ
とができなかった。
【0050】比較例2 熱融着性繊維としてPET(融点253℃)を芯成分と
し、共重合ポリエステル(融点195℃)を鞘成分とす
る繊維径22μm、カット長51mmの複合熱融着性繊
維を使用し、カードにて目付50g/m2のウェブを作
製した。そのウェブを200℃で加熱しながら加圧圧力
10kg/cmをかけてPET樹脂製多孔射出成形体に
巻き取った後、250mmの長さに切断し、外径60m
m、内径30mm、長さ250mmの中空円筒状フィル
ターを得た。このフィルターの濾過精度、濾過ライフ、
耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価した。
【0051】比較例3 熱融着性繊維としてPP(MFR:16g/10分、2
30℃、2.16kg荷重)を芯成分とし、高密度PE
(MFR:16g/10分、190℃、2.16kg荷
重)を鞘成分とする繊維径22μm、カット長51mm
の複合熱融着性繊維を使用し、カードにて目付50g/
2のウェブを作製した。そのウェブを130℃で加熱
しながら加圧圧力10kg/cmをかけてPE樹脂製多
孔射出成形体に巻き取った後、250mmの長さに切断
し、外径60mm、内径30mm、長さ250mmの中
空円筒状フィルターを得た。このフィルターの濾過精
度、濾過ライフ、耐圧強度、耐熱性、耐薬品性を評価し
た。
【0052】実施例1と比較例2を比較すると、濾過精
度、ライフ、耐圧強度は同程度であるが、実施例1の方
が高温アルカリ溶液である溶液2に対する耐熱・耐薬品
性で優っている。また、実施例1と比較例3を比較する
と、濾過精度、ライフ、耐圧強度は同程度であるが、実
施例1の方が高温酸性溶液である溶液1、高温アルカリ
性溶液である溶液2の何れに対しても耐熱・耐薬品性で
優っている。以上、熱融着性繊維については未延伸/半
延伸PPS繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊
維について評価したが、未延伸/半延伸ポリアミド繊維
についても同様の効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】本発明の耐熱性フィルターは、耐熱性繊
維が強固に熱接合されているため、濾材の脱落が無く、
耐熱性、耐薬品性、及び耐圧性が要求されるような分野
に好適に使用することができる。このため、使用時には
十分な耐圧強度と優れた濾過精度を発揮する。また、構
成繊維径や空隙率を変えることにより、さまざまな濾過
精度や寿命を持つフィルターを設計することも可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 181/02 C09J 181/02 201/00 201/00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性繊維が熱融着性樹脂および/また
    は熱融着性繊維で熱接合された不織繊維集合体からなる
    耐熱性フィルター。
  2. 【請求項2】 耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に
    熱融着性繊維ウエブを重ね合わせ成形と同時に若しくは
    成形後に熱融着性繊維を加熱融着することにより得られ
    る請求項1に記載の耐熱性フィルター。
  3. 【請求項3】 耐熱性繊維ウエブの両側若しくは片側に
    熱融着性繊維からなる熱接合された不織布を重ね合わ
    せ、成形と同時に若しくは成形後に熱融着性繊維を加熱
    融着することにより得られる請求項1に記載の耐熱性フ
    ィルター。
  4. 【請求項4】 熱接合された耐熱性不織繊維集合体が巻
    回積層された請求項1に記載の耐熱性フィルター。
  5. 【請求項5】 耐熱性不織布をプリーツ状に折り曲げて
    両側面部を接着した濾過材の中央開口部に、多孔支持体
    を配して、その両端部が接着された請求項1に記載の耐
    熱性フィルター。
  6. 【請求項6】 耐熱性繊維が、延伸されたポリフェニレ
    ンスルフィド繊維である請求項1に記載の耐熱性フィル
    ター。
  7. 【請求項7】 熱融着性繊維が繊維長3〜30mmの熱
    可塑性繊維である請求項1に記載の耐熱性フィルター。
  8. 【請求項8】 熱融着性繊維が、メルトブロー法で得ら
    れた熱可塑性繊維である請求項1に記載の耐熱性フィル
    ター。
  9. 【請求項9】 熱融着性繊維が、融点差10℃以上を有
    する高融点樹脂と低融点樹脂との熱可塑性複合繊維であ
    る請求項1に記載の耐熱性フィルター。
  10. 【請求項10】 熱融着性繊維が、未延伸状態および/
    または半延伸状態のポリフェニレンスルフィド繊維であ
    る請求項1に記載の耐熱性フィルター。
  11. 【請求項11】 熱融着性繊維が、ポリオレフィン系繊
    維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維の群から選
    ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の耐熱性フ
    ィルター。
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