JPH10133055A - 光結合器及びその製造方法 - Google Patents
光結合器及びその製造方法Info
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- JPH10133055A JPH10133055A JP8290899A JP29089996A JPH10133055A JP H10133055 A JPH10133055 A JP H10133055A JP 8290899 A JP8290899 A JP 8290899A JP 29089996 A JP29089996 A JP 29089996A JP H10133055 A JPH10133055 A JP H10133055A
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
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- G02B6/34—Optical coupling means utilising prism or grating
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- Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 結合効率の低下を抑制しつつ、結合効率の入
射位置に対する許容性を拡大できる光結合器を提供す
る。 【解決手段】 接着部15に、光導波路16の表面との
交線が直線となり、かつ光導入手段と該光導波路の表面
とのいずれにも接しない部分を有するエッジ面17が形
成され、第1誘電体層11の膜厚がテーパ形状に変化す
る部分のある区間Xn-1<X<Xnでの放射係数をαrnと
し、接着部15のエッジ面17からの距離がXnの位置
での振幅をanとしたとき、光結合器を用いて波長λの
光を光導波路から放射する際の放射パターンが、下記
(1)式の条件を満足するように、 an-1(1−rn)<an(1−rn+1) …(1) 第1誘電体層11のテーパ形状を設定する。
射位置に対する許容性を拡大できる光結合器を提供す
る。 【解決手段】 接着部15に、光導波路16の表面との
交線が直線となり、かつ光導入手段と該光導波路の表面
とのいずれにも接しない部分を有するエッジ面17が形
成され、第1誘電体層11の膜厚がテーパ形状に変化す
る部分のある区間Xn-1<X<Xnでの放射係数をαrnと
し、接着部15のエッジ面17からの距離がXnの位置
での振幅をanとしたとき、光結合器を用いて波長λの
光を光導波路から放射する際の放射パターンが、下記
(1)式の条件を満足するように、 an-1(1−rn)<an(1−rn+1) …(1) 第1誘電体層11のテーパ形状を設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光導波路型
光ピックアップの光導波路素子への光結合を行うために
用いられる光結合器及びその製造方法に関する。
光ピックアップの光導波路素子への光結合を行うために
用いられる光結合器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の光結合器の従来一般的なものと
して、光導入手段としてプリズムを備え、このプリズム
によりテーパ構造のない光導波路へ入射光を光結合する
ものが知られている。
して、光導入手段としてプリズムを備え、このプリズム
によりテーパ構造のない光導波路へ入射光を光結合する
ものが知られている。
【0003】ところで、最近の光導波路型光ピックアッ
プでは、記録/再生のより精細化を図るためにビームス
ポット径の一層の小径化が要請されている。しかるに、
光導波路型光ピックアップに搭載される光結合器では、
結合効率の入射位置に対する許容性は入射ビーム径が小
さくなる(ビームスポット径にして30μm以下)のに
応じて小さくなるという問題がある。このため、ビーム
スポット径の一層の小径化が要請される最近の傾向に対
処するには、この問題を解決する必要がある。
プでは、記録/再生のより精細化を図るためにビームス
ポット径の一層の小径化が要請されている。しかるに、
光導波路型光ピックアップに搭載される光結合器では、
結合効率の入射位置に対する許容性は入射ビーム径が小
さくなる(ビームスポット径にして30μm以下)のに
応じて小さくなるという問題がある。このため、ビーム
スポット径の一層の小径化が要請される最近の傾向に対
処するには、この問題を解決する必要がある。
【0004】そこで、上記問題を解決するものとして、
特開平4−289531号公報に開示されたプリズム結
合器(以下プリズムカプラと称する)がある。このプリ
ズムカプラでは、光導波路の光伝搬方向に伝搬定数(位
相定数を示す実部と、減衰定数を示す虚部をもつ、光導
波路の膜厚や屈折率によって決まる値)を変えて、結合
特性の入射位置に対する許容性を向上する手法を採用し
ている。具体的には、図20に示すように、第2ギャッ
ブ層104をテーパ化する手法を採用している。
特開平4−289531号公報に開示されたプリズム結
合器(以下プリズムカプラと称する)がある。このプリ
ズムカプラでは、光導波路の光伝搬方向に伝搬定数(位
相定数を示す実部と、減衰定数を示す虚部をもつ、光導
波路の膜厚や屈折率によって決まる値)を変えて、結合
特性の入射位置に対する許容性を向上する手法を採用し
ている。具体的には、図20に示すように、第2ギャッ
ブ層104をテーパ化する手法を採用している。
【0005】このプリズムカプラは、基板(Si基板)
101の上にSiO2層107を形成し、その上に光導
波路層102及び第1ギャップ層103を積層した後、
第1ギャップ層103の上に積層される第2ギャップ層
104をテーパ化し、テーパ化された第2ギャップ層1
04にプリズム106を接着した構造になっている。
101の上にSiO2層107を形成し、その上に光導
波路層102及び第1ギャップ層103を積層した後、
第1ギャップ層103の上に積層される第2ギャップ層
104をテーパ化し、テーパ化された第2ギャップ層1
04にプリズム106を接着した構造になっている。
【0006】ここで、第2ギャップ層104は光導波路
の表面にプリズムを押し付けてプリズムカプラを形成し
たときのプリズム304のエッジ(エッジ面)306
(図21参照)に相当する機能を持ち、第1ギャップ層
103が空気ギャップの役割を果たし光結合を成立させ
ている。
の表面にプリズムを押し付けてプリズムカプラを形成し
たときのプリズム304のエッジ(エッジ面)306
(図21参照)に相当する機能を持ち、第1ギャップ層
103が空気ギャップの役割を果たし光結合を成立させ
ている。
【0007】なお、図21はプリズムを光導波路に圧着
するタイプのプリズムカプラを示しており、図中301
は第1誘電体層、302は第2誘電体層、303は基
板、304はプリズム、305は光導波路、306はプ
リズムのエッジである。
するタイプのプリズムカプラを示しており、図中301
は第1誘電体層、302は第2誘電体層、303は基
板、304はプリズム、305は光導波路、306はプ
リズムのエッジである。
【0008】ここで、プリズムカプラ等の光結合器で
は、光結合器から光が出て行く場合の放射パターンに合
致する入射光に対して最も高い効率で結合する性質があ
るため、図20のプリズムカプラでは第2ギャップ層1
04のテーパ化により、放射パターンを所望の形に変え
ている。具体的には、第2ギャップ層104をテーパ化
(1:1000以上の緩やかなテーパ部分を形成)し、
このプリズムカプラで光を取り出すときの放射パターン
を、一様な強さで光導波路の伝搬方向でほぼ一様に放射
するような形にして(換言すれば入射位置変化にかかわ
らず放射パターンの強さがほぼ一定になるような放射パ
ターン形状に変形して)大きなビーム径の入射ビームの
結合効率を向上する目的に活用している。
は、光結合器から光が出て行く場合の放射パターンに合
致する入射光に対して最も高い効率で結合する性質があ
るため、図20のプリズムカプラでは第2ギャップ層1
04のテーパ化により、放射パターンを所望の形に変え
ている。具体的には、第2ギャップ層104をテーパ化
(1:1000以上の緩やかなテーパ部分を形成)し、
このプリズムカプラで光を取り出すときの放射パターン
を、一様な強さで光導波路の伝搬方向でほぼ一様に放射
するような形にして(換言すれば入射位置変化にかかわ
らず放射パターンの強さがほぼ一定になるような放射パ
ターン形状に変形して)大きなビーム径の入射ビームの
結合効率を向上する目的に活用している。
【0009】この種のプリズムカプラの他の従来例とし
て、特開平5−45532号公報に開示されたものがあ
る。図22はこのプリズムカプラの構造を示しており、
光導波路層(導波層)がテーパ化されたプリズムカプラ
である。
て、特開平5−45532号公報に開示されたものがあ
る。図22はこのプリズムカプラの構造を示しており、
光導波路層(導波層)がテーパ化されたプリズムカプラ
である。
【0010】ここで、特開平5−45532号公報の明
細書中には、結合特性の改善に関する記述はないが、図
22の構造でも、光結合器への入射光の結合特性の入射
位置に対する許容性の向上が期待できる。
細書中には、結合特性の改善に関する記述はないが、図
22の構造でも、光結合器への入射光の結合特性の入射
位置に対する許容性の向上が期待できる。
【0011】なお、図22のプリズムカプラは、基板2
01の上にテーパ状に膜厚が変化する部分を持つ光導波
路層202を形成した光導波路上に、底面(光導波路と
接着する側の面)206にギャップ層205を積層した
プリズム204を光導波路層202にほぼ等しい屈折率
の接着剤203で接着して構成されている。
01の上にテーパ状に膜厚が変化する部分を持つ光導波
路層202を形成した光導波路上に、底面(光導波路と
接着する側の面)206にギャップ層205を積層した
プリズム204を光導波路層202にほぼ等しい屈折率
の接着剤203で接着して構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図20
のプリズムカプラは緩やかなテーパ部分を第2ギャップ
層104に形成して、放射パターンを意識的に変える構
造をしているが、小さなビーム径のビームを入射させる
光結合器として、このプリズムカプラ(但し、テーパ部
分の斜度は変える)を用いた場合には、接着部のエッジ
111と第2ギャップ層104のテーパ部分のエッジ
(テーパ部分と平坦部分との境界)110との距離が結
合特性に多少の影響を与える。
のプリズムカプラは緩やかなテーパ部分を第2ギャップ
層104に形成して、放射パターンを意識的に変える構
造をしているが、小さなビーム径のビームを入射させる
光結合器として、このプリズムカプラ(但し、テーパ部
分の斜度は変える)を用いた場合には、接着部のエッジ
111と第2ギャップ層104のテーパ部分のエッジ
(テーパ部分と平坦部分との境界)110との距離が結
合特性に多少の影響を与える。
【0013】ここで、図20のプリズムカプラでは接着
部のエッジ111の直線性を規定する要素がないため、
第2ギャップ層104のテーパ部分のエッジ110に対
する距離を正確に定めて結合効率を最適化することがで
きない。このため、図20のプリズムカプラでは、小さ
なビーム径のビームを入射させる光結合器として用いる
場合は、結合効率の低下をできるだけ小さくして、その
結合効率の入射位置に対する許容性を拡大することが困
難であるという問題がある。
部のエッジ111の直線性を規定する要素がないため、
第2ギャップ層104のテーパ部分のエッジ110に対
する距離を正確に定めて結合効率を最適化することがで
きない。このため、図20のプリズムカプラでは、小さ
なビーム径のビームを入射させる光結合器として用いる
場合は、結合効率の低下をできるだけ小さくして、その
結合効率の入射位置に対する許容性を拡大することが困
難であるという問題がある。
【0014】加えて、入射ビームに対して最適な結合効
率を得るための入射位置に関しても、接着部のエッジ1
11と光導波路表面との交線に直線性が確保されないこ
とから、入射ビームの光導波路に対する最適な入射位置
を決めるのも困難であるという問題もある。
率を得るための入射位置に関しても、接着部のエッジ1
11と光導波路表面との交線に直線性が確保されないこ
とから、入射ビームの光導波路に対する最適な入射位置
を決めるのも困難であるという問題もある。
【0015】更には、第2ギャップ層をテーパ化するに
は、プリズムカプラから所望の放射パターンを得るため
に導波路素子の膜厚を増大する必要がある。このため、
素子設計の自由度が低下したり、膜応力が増加するた
め、精度よく作製しずらいという問題もある。
は、プリズムカプラから所望の放射パターンを得るため
に導波路素子の膜厚を増大する必要がある。このため、
素子設計の自由度が低下したり、膜応力が増加するた
め、精度よく作製しずらいという問題もある。
【0016】一方、図22のプリズムカプラでは、単に
光導波路層202をテーパ化しても結合特性の入射位置
に対する許容性を拡大することはできない。以下にその
理由を説明する。
光導波路層202をテーパ化しても結合特性の入射位置
に対する許容性を拡大することはできない。以下にその
理由を説明する。
【0017】まず、前提として、光結合器の結合効率
は、光結合器が光を放射するよう機能した際の放射特性
(光結合器が光導波路から光を取り出す目的で使用され
た場合の光の放射パターン)に、より近い位相及び強度
分布を持つ入射光が入って来たときに高効率になる。
は、光結合器が光を放射するよう機能した際の放射特性
(光結合器が光導波路から光を取り出す目的で使用され
た場合の光の放射パターン)に、より近い位相及び強度
分布を持つ入射光が入って来たときに高効率になる。
【0018】そして、光導波路層202をテーパ化する
場合、光結合器のテーパ部分の構造によって、放射パタ
ーンは図23に示すように、単調減少型、変形型のいず
れかになる。ここで、単調減少型の放射パターンは光導
波路層のテーパ化を行わない場合にも得られる放射パタ
ーンで、光導波路へ結合後の光の進行方向の入射位置変
化に対して結合効率が変化しやすい形になっており、変
形型の放射パターンに比べて入射位置に対する許容性が
小さくなる。従って、結合特性の入射位置に対する許容
性を拡大するには、光結合器の放射パターンが入射位置
の変化に対してその強さがほぼ一様になるような形にな
るほうが良く、そのためには、途中に最大点を有し、そ
の両側で緩やかな下り傾斜になるような曲線からなる変
形型の放射パターンを持つことが必要である。
場合、光結合器のテーパ部分の構造によって、放射パタ
ーンは図23に示すように、単調減少型、変形型のいず
れかになる。ここで、単調減少型の放射パターンは光導
波路層のテーパ化を行わない場合にも得られる放射パタ
ーンで、光導波路へ結合後の光の進行方向の入射位置変
化に対して結合効率が変化しやすい形になっており、変
形型の放射パターンに比べて入射位置に対する許容性が
小さくなる。従って、結合特性の入射位置に対する許容
性を拡大するには、光結合器の放射パターンが入射位置
の変化に対してその強さがほぼ一様になるような形にな
るほうが良く、そのためには、途中に最大点を有し、そ
の両側で緩やかな下り傾斜になるような曲線からなる変
形型の放射パターンを持つことが必要である。
【0019】しかるに、図22のプリズムカプラでは、
この点を考慮してテーパ部分の構造を規定するものでは
ないため上記の理由により、結合効率の入射位置に対す
る許容性を拡大することができないという問題がある。
この点を考慮してテーパ部分の構造を規定するものでは
ないため上記の理由により、結合効率の入射位置に対す
る許容性を拡大することができないという問題がある。
【0020】加えて、図22のプリズムカプラは、光導
波路層202と同じ屈折率の接着剤203で光導波路
に、裏面206にギャップ層205を積層したブリズム
204を接着した構造であるため、プリズム204を光
導波路に接着したときの位置決め誤差が、そのままプリ
ズム204のエッジ208と光導波路層202のテーパ
部分のエッジ207の最適位置関係(結合効率を最大に
する)からの位置ずれ量になる。
波路層202と同じ屈折率の接着剤203で光導波路
に、裏面206にギャップ層205を積層したブリズム
204を接着した構造であるため、プリズム204を光
導波路に接着したときの位置決め誤差が、そのままプリ
ズム204のエッジ208と光導波路層202のテーパ
部分のエッジ207の最適位置関係(結合効率を最大に
する)からの位置ずれ量になる。
【0021】更に、図22の光結合器では、接着部20
3の直線性も保証されていないため、プリズム204の
エッジ208と光導波路層202のテーパ部分のエッジ
207の距離を最適化するのが困難であり、かつ光導波
路層202の上に膜厚制御の難しい接着層203が挟ま
ることから、このエッジ間の距離の正確な設定が非常に
困難な構造になっている。
3の直線性も保証されていないため、プリズム204の
エッジ208と光導波路層202のテーパ部分のエッジ
207の距離を最適化するのが困難であり、かつ光導波
路層202の上に膜厚制御の難しい接着層203が挟ま
ることから、このエッジ間の距離の正確な設定が非常に
困難な構造になっている。
【0022】上記した理由により、図22のプリズムカ
プラでは、結合効率の低下をできるだけ小さくして、そ
の結合効率の入射位置に対する許容性を拡大することは
困難である。
プラでは、結合効率の低下をできるだけ小さくして、そ
の結合効率の入射位置に対する許容性を拡大することは
困難である。
【0023】このように、従来のプリズムカプラでは、
結合効率の低下をできるだけ小さくして、その結合効率
の入射位置に対する許容性を拡大することが困難であっ
たため、記録/再生のより精細化を図るためにビームス
ポット径の一層の小径化が要請される最近の技術傾向に
対処できないという問題があった。
結合効率の低下をできるだけ小さくして、その結合効率
の入射位置に対する許容性を拡大することが困難であっ
たため、記録/再生のより精細化を図るためにビームス
ポット径の一層の小径化が要請される最近の技術傾向に
対処できないという問題があった。
【0024】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、光結合器への入射光の結合効率の低下をで
きるだけ小さくして、その結合効率の入射位置に対する
許容性を拡大でき、記録/再生のより精細化を図るため
にビームスポット径の一層の小径化が要請される最近の
技術傾向に対処することができる光結合器及びその製造
方法を提供することを目的とする。
ものであり、光結合器への入射光の結合効率の低下をで
きるだけ小さくして、その結合効率の入射位置に対する
許容性を拡大でき、記録/再生のより精細化を図るため
にビームスポット径の一層の小径化が要請される最近の
技術傾向に対処することができる光結合器及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の光結合器は、基
板、該基板上に積層され、入射した光が結合後進行する
X軸方向に膜厚がテーパ形状に変化する部分を有する第
1誘電体層及び該第1誘電体層の上に積層された第2誘
電体層で構成される光導波路を有し、該光導波路上に接
着部を介して接着された光導入手段により光を該光導波
路の表面に所定角度で入射させる光結合器であって、
該接着部に、該光導波路の表面との交線が直線となり、
かつ該光導入手段と該光導波路の表面とのいずれにも接
しない部分を有するエッジ面が形成され、該第1誘電体
層の膜厚がテーパ形状に変化する部分のある区間Xn-1
<X<Xnでの放射係数をαrnとし、該接着部の該エッ
ジ面からの距離がXnの位置での振幅をanとしたとき、
該光結合器を用いて波長λの光を該光導波路から放射す
る際の放射パターンが、下記(1)式の条件を満足する
ように、 an-1(1−rn)<an(1−rn+1) …(1) 但し、 rn=exp(k0αrn△X) k0=2π/λ △X=Xn−Xn-1 該第1誘電体層のテーパ形状を設定しており、そのこと
により上記目的が達成される。
板、該基板上に積層され、入射した光が結合後進行する
X軸方向に膜厚がテーパ形状に変化する部分を有する第
1誘電体層及び該第1誘電体層の上に積層された第2誘
電体層で構成される光導波路を有し、該光導波路上に接
着部を介して接着された光導入手段により光を該光導波
路の表面に所定角度で入射させる光結合器であって、
該接着部に、該光導波路の表面との交線が直線となり、
かつ該光導入手段と該光導波路の表面とのいずれにも接
しない部分を有するエッジ面が形成され、該第1誘電体
層の膜厚がテーパ形状に変化する部分のある区間Xn-1
<X<Xnでの放射係数をαrnとし、該接着部の該エッ
ジ面からの距離がXnの位置での振幅をanとしたとき、
該光結合器を用いて波長λの光を該光導波路から放射す
る際の放射パターンが、下記(1)式の条件を満足する
ように、 an-1(1−rn)<an(1−rn+1) …(1) 但し、 rn=exp(k0αrn△X) k0=2π/λ △X=Xn−Xn-1 該第1誘電体層のテーパ形状を設定しており、そのこと
により上記目的が達成される。
【0026】好ましくは、前記テーパ形状のテーパ長
t、該第2誘電体層の膜厚s、該第1誘電体層の最大膜
厚D及び最小膜厚dが下記の条件を満足するように 5[μm]<t<15[μm],300[nm]<s<
400[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 前記テーパ形状を設定する。
t、該第2誘電体層の膜厚s、該第1誘電体層の最大膜
厚D及び最小膜厚dが下記の条件を満足するように 5[μm]<t<15[μm],300[nm]<s<
400[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 前記テーパ形状を設定する。
【0027】また、好ましくは、前記接着部のエッジ面
の前記光導波路の表面からの高さhが、入射ビームスポ
ットのエアリー半径をrAとし、該光導波路の表面への
入射角をθ1’としたとき、下記(2)式の条件を満足
するように h>2rA/sinθ1’ …(2) 設定する。
の前記光導波路の表面からの高さhが、入射ビームスポ
ットのエアリー半径をrAとし、該光導波路の表面への
入射角をθ1’としたとき、下記(2)式の条件を満足
するように h>2rA/sinθ1’ …(2) 設定する。
【0028】また、好ましくは、前記光導入手段として
プリズムを用いる。
プリズムを用いる。
【0029】また、好ましくは、前記光導入手段として
誘電体板を用いる。
誘電体板を用いる。
【0030】また、好ましくは、前記誘電体板の表面に
無反射コーティングを施す。
無反射コーティングを施す。
【0031】また、本発明の光結合器の製造方法は、上
記いずれかに記載の光結合器の製造方法であって、前記
光導波路の表面にフォトレジストを塗布する工程と、該
フォトレジスト上に接着剤注入用の溝を形成する工程
と、該光導波路の表面に光導入手段を位置調整して配置
する工程と、該光導入手段を該光導波路の表面に接着し
て固定する工程と、該フォトレジストを除去する工程と
を包含しており、そのことにより上記目的が達成され
る。
記いずれかに記載の光結合器の製造方法であって、前記
光導波路の表面にフォトレジストを塗布する工程と、該
フォトレジスト上に接着剤注入用の溝を形成する工程
と、該光導波路の表面に光導入手段を位置調整して配置
する工程と、該光導入手段を該光導波路の表面に接着し
て固定する工程と、該フォトレジストを除去する工程と
を包含しており、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0032】また、本発明の光結合器の製造方法は、前
記光導入手段がプリズムである光結合器の製造方法であ
って、前記光導波路の表面にフォトレジストを塗布する
工程と、該フォトレジスト上に接着剤注入用の溝を形成
する工程と、該光導波路の表面に該プリズムを該溝を跨
ぐ形で位置調整して配置する工程と、該光導入手段を該
光導波路の表面に接着して固定する工程と、該フォトレ
ジストを除去する工程とを包含しており、そのことによ
り上記目的が達成される。
記光導入手段がプリズムである光結合器の製造方法であ
って、前記光導波路の表面にフォトレジストを塗布する
工程と、該フォトレジスト上に接着剤注入用の溝を形成
する工程と、該光導波路の表面に該プリズムを該溝を跨
ぐ形で位置調整して配置する工程と、該光導入手段を該
光導波路の表面に接着して固定する工程と、該フォトレ
ジストを除去する工程とを包含しており、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0033】好ましくは、上記製造方法において、前記
フォトレジストの厚さwが、下記の条件を満足するよう
に、 w>h 但し、 h:接着部のエッジ面の光導波路の表面からの高さ 設定する。
フォトレジストの厚さwが、下記の条件を満足するよう
に、 w>h 但し、 h:接着部のエッジ面の光導波路の表面からの高さ 設定する。
【0034】また、好ましくは、前記フォトレジスト上
に溝を形成する工程の後処理として、前記光導波路の表
面にRIE処理を行う工程を包含する。
に溝を形成する工程の後処理として、前記光導波路の表
面にRIE処理を行う工程を包含する。
【0035】また、好ましくは、前記光導入手段を前記
光導波路の表面に接着して固定する工程を、光硬化性の
接着剤を用いて行う。
光導波路の表面に接着して固定する工程を、光硬化性の
接着剤を用いて行う。
【0036】なお、本発明でいうテーパ形状とは、第1
誘電体層の膜厚の最小部分と最大部分とが直線で結ばれ
る形状のみならず、膜厚が徐々に連続的に変化する形状
も含む概念である。
誘電体層の膜厚の最小部分と最大部分とが直線で結ばれ
る形状のみならず、膜厚が徐々に連続的に変化する形状
も含む概念である。
【0037】以下に、図1〜図3に基づき本発明の作用
を説明する。
を説明する。
【0038】図1は本発明の実施形態1に係るプリズム
カプラの構造を示しており、このプリズムカプラは、基
板3と、基板3の上に積層され、膜厚がテーパ状(テー
パ形状)に変化する部分を有する第1誘電体層1及び第
1誘電体層1の上に積層された第2誘電体層2によって
構成される光導波路6と、その表面に接着剤(接着部)
5によって接着され、所定の角度で光を光導波路6の表
面に入射させるプリズム4とで構成されている。
カプラの構造を示しており、このプリズムカプラは、基
板3と、基板3の上に積層され、膜厚がテーパ状(テー
パ形状)に変化する部分を有する第1誘電体層1及び第
1誘電体層1の上に積層された第2誘電体層2によって
構成される光導波路6と、その表面に接着剤(接着部)
5によって接着され、所定の角度で光を光導波路6の表
面に入射させるプリズム4とで構成されている。
【0039】ここで、第1誘電体層1のテーパ形状は、
上記(1)式の関係を満足する形状に設定されている。
また、図2は、上記(1)式中のrnを示す。但し、rn
は光結合器(プリズムカプラ)が光を放射するように機
能するとき、伝搬距離△Xの間の光の振幅減衰率、即ち
区間Xn-1〜Xnの間を伝搬する間の伝搬光の電界強度の
減衰率を表している。
上記(1)式の関係を満足する形状に設定されている。
また、図2は、上記(1)式中のrnを示す。但し、rn
は光結合器(プリズムカプラ)が光を放射するように機
能するとき、伝搬距離△Xの間の光の振幅減衰率、即ち
区間Xn-1〜Xnの間を伝搬する間の伝搬光の電界強度の
減衰率を表している。
【0040】(1)式を満たすようにテーパ形状を定め
た場合、後述する理由により、放射パターンは図23に
示す変形型になる。
た場合、後述する理由により、放射パターンは図23に
示す変形型になる。
【0041】ここで、放射係数αrnは、以下の(3a)
式〜(3d)式からなる(3)式(方程式)の解(複素
数の解を持つ)βTE、βTMの虚部として求めることがで
きる。
式〜(3d)式からなる(3)式(方程式)の解(複素
数の解を持つ)βTE、βTMの虚部として求めることがで
きる。
【0042】
【数1】
【0043】但し、上記(3)式は、図21のように屈
折率nsの基板303上に膜厚q、屈折率n1の第1誘電
体層301、厚さs、屈折率n2の第2誘電体層302
を積層した光導波路305とし、屈折率nbのプリズム
304を押し付けてプリズムカプラを構成した場合に成
り立つ方程式であり、図1のプリズムカプラの第1誘電
体層1のテーパ部8のある区間(xn-1<x<xn)での
放射係数αrnは、同区間での平均の膜厚をdnとして、
図21で空隙がない状態で、かつプリズム304が接着
部5と置き換わった状態(h=0)において、式(3)
の中でq=dnとしたときの解として求めることができ
る。なお、以後nbは接着部5の屈折率を表記する記号
として用いる。
折率nsの基板303上に膜厚q、屈折率n1の第1誘電
体層301、厚さs、屈折率n2の第2誘電体層302
を積層した光導波路305とし、屈折率nbのプリズム
304を押し付けてプリズムカプラを構成した場合に成
り立つ方程式であり、図1のプリズムカプラの第1誘電
体層1のテーパ部8のある区間(xn-1<x<xn)での
放射係数αrnは、同区間での平均の膜厚をdnとして、
図21で空隙がない状態で、かつプリズム304が接着
部5と置き換わった状態(h=0)において、式(3)
の中でq=dnとしたときの解として求めることができ
る。なお、以後nbは接着部5の屈折率を表記する記号
として用いる。
【0044】また、光結合器の結合効率は、入射ビーム
のプロファイル(ガウス分布状の振幅分布とする)に対
して光結合器の放射パターンがどの程度合致するかと、
入射光の位相定数と光結合器固有の位相定数(式(3)
の実部)の位相ずれの程度により決定され、具体的には
図23で示す光結合器の放射パターンに位相成分exp
{−jB(x)x}を乗じた関数と、入射ビームの振幅
分布を与える関数fi(x)との重なり積分で概ね正し
く求めることができる。
のプロファイル(ガウス分布状の振幅分布とする)に対
して光結合器の放射パターンがどの程度合致するかと、
入射光の位相定数と光結合器固有の位相定数(式(3)
の実部)の位相ずれの程度により決定され、具体的には
図23で示す光結合器の放射パターンに位相成分exp
{−jB(x)x}を乗じた関数と、入射ビームの振幅
分布を与える関数fi(x)との重なり積分で概ね正し
く求めることができる。
【0045】但し、B(x)はx軸方向へのβTE又はβ
TMの実部の変化を表す関数であり、関数fi(x)は下
記(4)式で表される。
TMの実部の変化を表す関数であり、関数fi(x)は下
記(4)式で表される。
【0046】 fi(x)=exp(−jk0nbsinθi’x−4x2/L2) …(4) 但し、 θi’:光導波路表面への入射角 We:光強度1/e2で定義したときの入射ビーム径 L=We/cosθi’ である。
【0047】従って、光結合器の放射パターンを光導波
路6での光の進行方向にほぼ一様となるような図23に
示す変形型の放射パターンとすれば、光導波路6への結
合効率の入射位置に対する許容性を拡大できることにな
る。
路6での光の進行方向にほぼ一様となるような図23に
示す変形型の放射パターンとすれば、光導波路6への結
合効率の入射位置に対する許容性を拡大できることにな
る。
【0048】ここで、本発明が適用される光結合器で
は、接着部を構成する接着剤、基板、第1誘電体層及び
第2誘電体層の材料としては、それぞれ屈折率1.56
〜1.58、屈折率1.44〜1.46、屈折率1.5
2〜1.56、屈折率1.42〜1.44のものが多用
されるため、テーパ形状のテーパ長t、第2誘電体層の
膜厚s、第1誘電体層の最大膜厚D及び最小膜厚dが下
記の条件を満足するように 5[μm]<t<15[μm],300[nm]<s<
400[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 前記テーパ形状を設定すると、上記した作用を奏する光
結合器を実現できる。
は、接着部を構成する接着剤、基板、第1誘電体層及び
第2誘電体層の材料としては、それぞれ屈折率1.56
〜1.58、屈折率1.44〜1.46、屈折率1.5
2〜1.56、屈折率1.42〜1.44のものが多用
されるため、テーパ形状のテーパ長t、第2誘電体層の
膜厚s、第1誘電体層の最大膜厚D及び最小膜厚dが下
記の条件を満足するように 5[μm]<t<15[μm],300[nm]<s<
400[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 前記テーパ形状を設定すると、上記した作用を奏する光
結合器を実現できる。
【0049】また、前記接着部5に光導波路6の表面と
の交線が直線となり、かつ光導入手段、光導波路6の表
面のいずれにも接しない部分を有するエッジ面7を形成
する構成によれば、第1誘電体層1のテーパ部分のエッ
ジと、接着部のエッジ面7と光導波路6の表面との交線
との距離を正確に定めることができる。故に、第1誘電
体層1のテーパ部のエッジと接着部のエッジ面7との距
離の最適値からのずれdxを容易に解消できるので、図
3(a)に示すように、結合効率の低下を最小限に抑制
できる。
の交線が直線となり、かつ光導入手段、光導波路6の表
面のいずれにも接しない部分を有するエッジ面7を形成
する構成によれば、第1誘電体層1のテーパ部分のエッ
ジと、接着部のエッジ面7と光導波路6の表面との交線
との距離を正確に定めることができる。故に、第1誘電
体層1のテーパ部のエッジと接着部のエッジ面7との距
離の最適値からのずれdxを容易に解消できるので、図
3(a)に示すように、結合効率の低下を最小限に抑制
できる。
【0050】なお、図3(a)に示す結合特性は、図3
(b)に示す供試条件によって得られたものである。
(b)に示す供試条件によって得られたものである。
【0051】また、光導入手段としてプリズムを用い、
接着部のエッジ面の光導波路表面からの高さhを、上記
(2)式を満足するように設定すると、接着剤とプリズ
ム底面との界面での反射によって生じる多重反射光によ
って接着部が薄膜として機能して結合効率が不安定にな
る可能性を完全に除去できる。なお、その詳細について
は後述する。
接着部のエッジ面の光導波路表面からの高さhを、上記
(2)式を満足するように設定すると、接着剤とプリズ
ム底面との界面での反射によって生じる多重反射光によ
って接着部が薄膜として機能して結合効率が不安定にな
る可能性を完全に除去できる。なお、その詳細について
は後述する。
【0052】また、光導入手段として誘電体板を用いる
構成によれば、誘電体板がプリズムに比べて製造が容易
であるため製造コストを削減できる。
構成によれば、誘電体板がプリズムに比べて製造が容易
であるため製造コストを削減できる。
【0053】更に、この場合に、誘電体表面に無反射コ
ーティングを施す構成によれは、反射光を低減できる利
点がある。
ーティングを施す構成によれは、反射光を低減できる利
点がある。
【0054】また、本発明の製造方法によれば、接着剤
のエッジ部分の光導波路表面との交線の位置を、第1誘
電体層のテーパ部のエッジに対し、フォトリソグラフィ
ーの技術で調整できるので、高い精度で接着部のエッジ
の光導波路表面との交線と、第1誘電体層のテーパ部分
のエッジとの距離を定めることができる。また、接着部
のエッジ面と光導波路表面との交線の直線性についても
フォトマスクで実現できるので、高精度の直線性が実現
できる。
のエッジ部分の光導波路表面との交線の位置を、第1誘
電体層のテーパ部のエッジに対し、フォトリソグラフィ
ーの技術で調整できるので、高い精度で接着部のエッジ
の光導波路表面との交線と、第1誘電体層のテーパ部分
のエッジとの距離を定めることができる。また、接着部
のエッジ面と光導波路表面との交線の直線性についても
フォトマスクで実現できるので、高精度の直線性が実現
できる。
【0055】また、フォトレジストで形成された溝を跨
ぐ形で、プリズムをフォトレジスト上に配置する構成に
よれば、プリズムがフォトレジスト表面と2カ所で接す
るため、光導波路表面とプリズム底面との平行度を向上
できる。この結果、最適入射角(光結合器への結合効率
が最大となる入射角)で入射した時に、入射面での反射
が最小になるように決められたプリズムの底角φと、光
導波路表面への入射角とがなす角とのずれを小さくでき
る。このため、光結合器への入射角が最適入射角からず
れることによる結合効率の低下を抑制できる。
ぐ形で、プリズムをフォトレジスト上に配置する構成に
よれば、プリズムがフォトレジスト表面と2カ所で接す
るため、光導波路表面とプリズム底面との平行度を向上
できる。この結果、最適入射角(光結合器への結合効率
が最大となる入射角)で入射した時に、入射面での反射
が最小になるように決められたプリズムの底角φと、光
導波路表面への入射角とがなす角とのずれを小さくでき
る。このため、光結合器への入射角が最適入射角からず
れることによる結合効率の低下を抑制できる。
【0056】また、フォトレジストの厚さwと、接着部
のエッジ面の光導波路の表面からの高さhとが、w>h
になるように設定すると、接着部が薄膜として機能する
の防止できる。
のエッジ面の光導波路の表面からの高さhとが、w>h
になるように設定すると、接着部が薄膜として機能する
の防止できる。
【0057】また、フォトレジスト上に溝を形成する工
程の後処理として、RIE処理(酸素プラズマ処理)を
行う構成によれば、フォトレジストの現像液の有機残渣
や、光導波路表面にできた変質層を除去できるので、光
導波路への接着力を強めることができる。
程の後処理として、RIE処理(酸素プラズマ処理)を
行う構成によれば、フォトレジストの現像液の有機残渣
や、光導波路表面にできた変質層を除去できるので、光
導波路への接着力を強めることができる。
【0058】更に、接着剤に光硬化性の接着剤を用いる
ことで、硬化の時間を短縮でき、硬化過程における調整
位置変化を最小にすることができる。
ことで、硬化の時間を短縮でき、硬化過程における調整
位置変化を最小にすることができる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。
に基づき具体的に説明する。
【0060】(実施形態1)図1〜図3は本発明光結合
器の実施形態1を示す。
器の実施形態1を示す。
【0061】〈本実施形態1の光結合器の構造〉本実施
形態1の光結合器は、図1に示すように、基板3の上に
第1誘電体層1及び第2誘電体層2をこの順に所定の厚
みで積層し、これにより光導波路6を形成し、光導波路
6の表面に接着部(接着剤)5を介してプリズム4を接
着した基本構造になっている。即ち、本実施形態1の光
結合器はプリズムカプラである。
形態1の光結合器は、図1に示すように、基板3の上に
第1誘電体層1及び第2誘電体層2をこの順に所定の厚
みで積層し、これにより光導波路6を形成し、光導波路
6の表面に接着部(接着剤)5を介してプリズム4を接
着した基本構造になっている。即ち、本実施形態1の光
結合器はプリズムカプラである。
【0062】第1誘電体層1は、膜厚がテーパ状に変化
する部分(以下ではテーパ部8と称する)を有する。ま
た、接着部5の図上右側に相当する後端面は光結合用の
エッジ面7になっている。なお、テーパ部8の具体的に
形状については後述する。
する部分(以下ではテーパ部8と称する)を有する。ま
た、接着部5の図上右側に相当する後端面は光結合用の
エッジ面7になっている。なお、テーパ部8の具体的に
形状については後述する。
【0063】ここで、光結合器を構成する条件として、
第1誘電体層1の屈折率をn1、第2誘電体層の屈折率
をn2、基板3の屈折率をns、プリズム4の屈折率をn
p及び接着剤5の屈折率をnbとしたとき、各々の屈折率
はn1>n2、n1>ns、nb>n1の関係を満たしている
必要がある。また、接着部5となる接着剤は透明なもの
が好ましい。
第1誘電体層1の屈折率をn1、第2誘電体層の屈折率
をn2、基板3の屈折率をns、プリズム4の屈折率をn
p及び接着剤5の屈折率をnbとしたとき、各々の屈折率
はn1>n2、n1>ns、nb>n1の関係を満たしている
必要がある。また、接着部5となる接着剤は透明なもの
が好ましい。
【0064】また、この光結合器はプリズム4を光導波
路6に接着した形になっているが、プリズム4は光を空
気中から導波層より高い屈折率領域に導く役割をしてい
るだけである。つまり、実際に光結合に関係するのは接
着部5のエッジ面7であり、光の結合原理は次の通りで
ある。
路6に接着した形になっているが、プリズム4は光を空
気中から導波層より高い屈折率領域に導く役割をしてい
るだけである。つまり、実際に光結合に関係するのは接
着部5のエッジ面7であり、光の結合原理は次の通りで
ある。
【0065】〈光の結合原理〉プリズム4中を通って接
着部5のエッジ面7付近に達する入射光は、接着部5と
第2誘電体層2との境界に全反射の入射角で入射するに
もかかわらず、第2誘電体層2をトンネル効果的に透過
して、第1誘電体層1に入る。しかし、基板3側には透
過せず全反射され、光導波路6の表面方向に向かうが、
今度は導波層(第1誘電体層1)の上方に第2誘電体層
2と接する接着部がないので、そこで再び全反射され、
以後光は全反射を繰り返して伝搬していく。
着部5のエッジ面7付近に達する入射光は、接着部5と
第2誘電体層2との境界に全反射の入射角で入射するに
もかかわらず、第2誘電体層2をトンネル効果的に透過
して、第1誘電体層1に入る。しかし、基板3側には透
過せず全反射され、光導波路6の表面方向に向かうが、
今度は導波層(第1誘電体層1)の上方に第2誘電体層
2と接する接着部がないので、そこで再び全反射され、
以後光は全反射を繰り返して伝搬していく。
【0066】〈本実施形態1の光結合器の構成材料〉以
下に図1の光結合器の構成材料について説明する。基板
3は光結合器を形成する光導波路素子の用途に従って変
わり、ガラス基板のような単なる誘電体基板の他、受光
素子と一体化した光導波路素子の光結合器として用いる
場合のようにSi基板上に誘電体層(PSG[リンドー
プけい酸硝子]、SiO2、SOG[スピンコート可能
なガラス材料]等)が形成された基板を用いる。
下に図1の光結合器の構成材料について説明する。基板
3は光結合器を形成する光導波路素子の用途に従って変
わり、ガラス基板のような単なる誘電体基板の他、受光
素子と一体化した光導波路素子の光結合器として用いる
場合のようにSi基板上に誘電体層(PSG[リンドー
プけい酸硝子]、SiO2、SOG[スピンコート可能
なガラス材料]等)が形成された基板を用いる。
【0067】また、第1誘電体層1は、光結合器を形成
する光導波路素子の導波層によって変わり、光導波路素
子の導波層の材料として知られているSiONやコーニ
ング社の商品名#7059ガラス等が材料となりうる。
本実施形態1及び以下の実施形態では、第1誘電体層1
の材料として、コーニング社の商品名#7059ガラス
を用いている。
する光導波路素子の導波層によって変わり、光導波路素
子の導波層の材料として知られているSiONやコーニ
ング社の商品名#7059ガラス等が材料となりうる。
本実施形態1及び以下の実施形態では、第1誘電体層1
の材料として、コーニング社の商品名#7059ガラス
を用いている。
【0068】第2誘電体層の屈折率n2は、第1誘電体
層1の屈折率n1より低いことが条件であるから、例え
ば、第1誘電体層1としてコーニング社の商品名#70
59ガラスを用いた場合、第2誘電体層2の材料には、
これより屈析率の低いSiO2、SOG等を用いる。
層1の屈折率n1より低いことが条件であるから、例え
ば、第1誘電体層1としてコーニング社の商品名#70
59ガラスを用いた場合、第2誘電体層2の材料には、
これより屈析率の低いSiO2、SOG等を用いる。
【0069】なお、図2及び図3の内容については、上
記作用のところで説明したので、ここでは省略する。
記作用のところで説明したので、ここでは省略する。
【0070】(実施形態2)図4は本発明光結合器の実
施形態2を示す。本実施形態2の光結合器は、基板13
として、フォトダイオードを形成した場合のようにSi
基板20上に誘電体層21として、屈折率ns=1.4
4のSiO2層を形成した基板を用いている。本実施形
態2では、第1誘電体層11は、屈折率n1=1.53
の#7059ガラスを用い、第2誘電体層12は、その
屈折率n2がn1,np,nbより小さいSiO2(n2=
1.43)を用いている。これらにより光導波路16が
構成される。但し、ここでの屈折率の値、及び以下に示
す屈折率の値は入射光の波長が780[nm]の場合の
測定値をもとにしている。
施形態2を示す。本実施形態2の光結合器は、基板13
として、フォトダイオードを形成した場合のようにSi
基板20上に誘電体層21として、屈折率ns=1.4
4のSiO2層を形成した基板を用いている。本実施形
態2では、第1誘電体層11は、屈折率n1=1.53
の#7059ガラスを用い、第2誘電体層12は、その
屈折率n2がn1,np,nbより小さいSiO2(n2=
1.43)を用いている。これらにより光導波路16が
構成される。但し、ここでの屈折率の値、及び以下に示
す屈折率の値は入射光の波長が780[nm]の場合の
測定値をもとにしている。
【0071】〈プリズムの屈折率と接着剤の屈折率との
設定方法〉実施形態2の光結合器を例にとって、以下に
プリズムの屈折率と接着剤の屈折率との設定方法につい
て説明する。
設定方法〉実施形態2の光結合器を例にとって、以下に
プリズムの屈折率と接着剤の屈折率との設定方法につい
て説明する。
【0072】プリズム14の屈析率npについては、
n1,n2,nsより大きいことが好ましく、プリズム1
4と接着部15との界面での反射を抑制するため、接着
剤の屈折率nbと同じか、これに近いことがより好まし
い。例えば、図4に示すように、θbiをプリズム14と
接着部15との界面への入射角とし、プリズム14と接
着部15との界面での反射率を所望の値R以下に抑制し
ようとする場合は、接着剤5の屈折率nbを下記(5)
式及び(6)式を満たすように定める必要がある。
n1,n2,nsより大きいことが好ましく、プリズム1
4と接着部15との界面での反射を抑制するため、接着
剤の屈折率nbと同じか、これに近いことがより好まし
い。例えば、図4に示すように、θbiをプリズム14と
接着部15との界面への入射角とし、プリズム14と接
着部15との界面での反射率を所望の値R以下に抑制し
ようとする場合は、接着剤5の屈折率nbを下記(5)
式及び(6)式を満たすように定める必要がある。
【0073】 [npcosθbi−(nb 2−np 2sin2θbi)1/2]2 /[npcosθbi−(nb 2−np 2sin2θbi)1/2]2>R …(5) [nbcosθbi−(np/nb)・(nb 2−np 2sin2θbi)1/2]2 /[nbcosθbi−(np/nb)・(nb 2−np 2sin2θbi)1/2]2>R …(6) 従って、屈折率npが1.57のプリズム(例えば硝材
LF5(小原光学硝子製造所の商品名)を用いた場合、
プリズム14と接着部15との界面での反射をほぼ0に
するため、接着剤5には、その屈折率nbがプリズムの
屈折率np(=1.57)に近い接着剤を用いる。例え
ば、ロックタイト社のUV硬化性接着剤LX−2310
C等はこの条件にあてはまる。
LF5(小原光学硝子製造所の商品名)を用いた場合、
プリズム14と接着部15との界面での反射をほぼ0に
するため、接着剤5には、その屈折率nbがプリズムの
屈折率np(=1.57)に近い接着剤を用いる。例え
ば、ロックタイト社のUV硬化性接着剤LX−2310
C等はこの条件にあてはまる。
【0074】〈接着部のエッジ面の形状〉接着部15の
エッジ面17は光導波路16との交線が直線となるよう
に形成する。これにより、接着部15のエッジ面17を
形成する位置を光導波路16の第1誘電体層11のテー
パ部18のエッジ19に対して正確に定める条件が満た
され、接着部15のエッジ面17と光導波路16におけ
る第1誘電体層11のテーパ部18のエッジ19との距
離を結合効率が最大になるように定めることができるか
らである。
エッジ面17は光導波路16との交線が直線となるよう
に形成する。これにより、接着部15のエッジ面17を
形成する位置を光導波路16の第1誘電体層11のテー
パ部18のエッジ19に対して正確に定める条件が満た
され、接着部15のエッジ面17と光導波路16におけ
る第1誘電体層11のテーパ部18のエッジ19との距
離を結合効率が最大になるように定めることができるか
らである。
【0075】〈テーパ部のテーパ形状〉図4に示すよう
に、実施形態2のテーパ部18のテーパ形状は、長さが
t、厚さがdからDまで(D>d)変化する直線状のテ
ーパ部である。テーパ部18のエッジ19と接着部5の
エッジ面17との位置は必ずしも一致しなくともよい
が、本実施形態2では、結合効率が最大になるように光
結合器のテーパ部18のエッジ19の位置と接着部15
のエッジ面17の位置を一致させている。
に、実施形態2のテーパ部18のテーパ形状は、長さが
t、厚さがdからDまで(D>d)変化する直線状のテ
ーパ部である。テーパ部18のエッジ19と接着部5の
エッジ面17との位置は必ずしも一致しなくともよい
が、本実施形態2では、結合効率が最大になるように光
結合器のテーパ部18のエッジ19の位置と接着部15
のエッジ面17の位置を一致させている。
【0076】光結合器への入射光の結合効率の入射位置
(接着部15のエッジ面17からプリズム14側への距
離で表す)に対する許容性を拡大するために必要な条件
は、上述のように、プリズムカプラの放射特性が図23
の単調減少型にならず、図23の変形型になることが必
要である。
(接着部15のエッジ面17からプリズム14側への距
離で表す)に対する許容性を拡大するために必要な条件
は、上述のように、プリズムカプラの放射特性が図23
の単調減少型にならず、図23の変形型になることが必
要である。
【0077】そして、そのためには、入射した光が結合
後進行する方向をx軸とし、第1誘電体層11の膜厚が
テーパ状に変化する部分のある区間(xn-1<x<xn)
での放射係数をαrnとし、接着部15のエッジ面17か
らの距離がxnの位置での振幅をanとしたとき、光結合
器を用いて波長λの光を光導波路から放射する際の放射
パターンが、上記(1)式の関係を満たす必要がある。
後進行する方向をx軸とし、第1誘電体層11の膜厚が
テーパ状に変化する部分のある区間(xn-1<x<xn)
での放射係数をαrnとし、接着部15のエッジ面17か
らの距離がxnの位置での振幅をanとしたとき、光結合
器を用いて波長λの光を光導波路から放射する際の放射
パターンが、上記(1)式の関係を満たす必要がある。
【0078】ここで、本実施形態2の光結合器を構成す
る各部分の屈折率や膜厚の値、nb=1.57,na=
1.0,n2=1.43,n1=1.53,ns=1.4
4、h(図9参照)=0、q=dnをそれぞれ上記
(3)式に当てはめて、放射係数αrnを求め放射パター
ンを計算する。本実施形態2の光結合器では、SiO2
クラッド層(第2誘電体層)12の厚さ(sで表記)が
350[nm]であり、#7059導波層11のテーパ
部18の形状については、膜厚がd=320[nm]か
らD=570[nm]まで変化し、テーパ長tが10
[μm]のテーパとしている(以後、光結合器構造50
1と表す)。ここで、テーパ長tが10[μm]のとき
には、(1)式の関係を満たす図5(a)に示すような
放射パターンが得られる。但し、テーパ長tが20[μ
m]、あるいは30[μm]の場合においても、図5
(a)に示す放射パターンが得られる。
る各部分の屈折率や膜厚の値、nb=1.57,na=
1.0,n2=1.43,n1=1.53,ns=1.4
4、h(図9参照)=0、q=dnをそれぞれ上記
(3)式に当てはめて、放射係数αrnを求め放射パター
ンを計算する。本実施形態2の光結合器では、SiO2
クラッド層(第2誘電体層)12の厚さ(sで表記)が
350[nm]であり、#7059導波層11のテーパ
部18の形状については、膜厚がd=320[nm]か
らD=570[nm]まで変化し、テーパ長tが10
[μm]のテーパとしている(以後、光結合器構造50
1と表す)。ここで、テーパ長tが10[μm]のとき
には、(1)式の関係を満たす図5(a)に示すような
放射パターンが得られる。但し、テーパ長tが20[μ
m]、あるいは30[μm]の場合においても、図5
(a)に示す放射パターンが得られる。
【0079】また、テーパ長tが長いほど、結合効率の
入射位置(接着部15のエッジ面17からプリズム14
側への距離で表す)に対する変化は鈍化し、つまり放射
パターンの曲線の傾きが緩やかになり、図6(a)では
30[μm]のテーパ長の場合に結合効率の入射位置に
対する変化が最も鈍化して来る。但し、結合効率の最大
値の低下もこの鈍化によって発生するのでこれを防ぐこ
とが望ましい。
入射位置(接着部15のエッジ面17からプリズム14
側への距離で表す)に対する変化は鈍化し、つまり放射
パターンの曲線の傾きが緩やかになり、図6(a)では
30[μm]のテーパ長の場合に結合効率の入射位置に
対する変化が最も鈍化して来る。但し、結合効率の最大
値の低下もこの鈍化によって発生するのでこれを防ぐこ
とが望ましい。
【0080】例えば、入射ビームスポット径Lを30
[μm]としたとき結合効率の低下の抑制を考慮した場
合、光結合器の構造を前記の光結合器構造501に定め
た結合効率の入射位置に対する許容性が結合効率の低下
をできるだけ小さくした上で拡大される。以下に図24
(a),(b)の従来例との比較結果を示す。
[μm]としたとき結合効率の低下の抑制を考慮した場
合、光結合器の構造を前記の光結合器構造501に定め
た結合効率の入射位置に対する許容性が結合効率の低下
をできるだけ小さくした上で拡大される。以下に図24
(a),(b)の従来例との比較結果を示す。
【0081】本実施形態2による光結合器構造501の
入射位置に対する許容性(結合効率60%以上で定義)
は、#7059導波層11をテーパ化しないで入射ビー
ムスポット径L=30[μm]に対して結合効率が最大
となるように構造を最適化した図24の光結合器の放射
特性(図24(b))と比較すると、結合効率が最大と
なる最適入射位置からの許容性に関して±7.5[μ
m](図24(b)参照)から±9[μm](図6
(a)参照)に拡大される。
入射位置に対する許容性(結合効率60%以上で定義)
は、#7059導波層11をテーパ化しないで入射ビー
ムスポット径L=30[μm]に対して結合効率が最大
となるように構造を最適化した図24の光結合器の放射
特性(図24(b))と比較すると、結合効率が最大と
なる最適入射位置からの許容性に関して±7.5[μ
m](図24(b)参照)から±9[μm](図6
(a)参照)に拡大される。
【0082】更に、図5(b)に示すように、SiO2
クラッド層12の厚さsが350[nm]であり、#7
059導波層11に厚さがd=400[nm]からD=
570[nm]まで変化し、テーパ長tが10[μm]
(又は20[μm]、30[μm])のテーパを持つ光
結合器の構造でも、図5(a)同様の放射パターンが得
られ、図6(b)に示すように結合効率の入射位置に対
する許容性が拡大される。
クラッド層12の厚さsが350[nm]であり、#7
059導波層11に厚さがd=400[nm]からD=
570[nm]まで変化し、テーパ長tが10[μm]
(又は20[μm]、30[μm])のテーパを持つ光
結合器の構造でも、図5(a)同様の放射パターンが得
られ、図6(b)に示すように結合効率の入射位置に対
する許容性が拡大される。
【0083】ここで、上記光結合器の構造の中で、テー
パ長tが10[μm]の場合(以後、光結合器構造50
2と表す)には、結合効率の低下をできるだけ小さくし
た上で、結合効率の入射位置に対する許容性を拡大でき
る。具体的には、入射ビームスポット径Lを30[μ
m]としたときの入射位置に対する許容性(結合効率が
60%以上で定義)で見たとき、図24の光結合器の放
射パターン(図24(b)参照)と比較すると、最適入
射位置からの許容性は±7.5[μm](図24(b)
参照)から±9[μm](図6(b)参照)に拡大され
る。
パ長tが10[μm]の場合(以後、光結合器構造50
2と表す)には、結合効率の低下をできるだけ小さくし
た上で、結合効率の入射位置に対する許容性を拡大でき
る。具体的には、入射ビームスポット径Lを30[μ
m]としたときの入射位置に対する許容性(結合効率が
60%以上で定義)で見たとき、図24の光結合器の放
射パターン(図24(b)参照)と比較すると、最適入
射位置からの許容性は±7.5[μm](図24(b)
参照)から±9[μm](図6(b)参照)に拡大され
る。
【0084】〈プリズム形状〉プリズムの形状ついて
は、図4に示すような台形状のプリズムの場合、プリズ
ム14の底角φを下記(7)式で表されるθopに概ね等
しくすることで、TEモード偏光、TMモード偏光それ
ぞれの最適な入射方向にプリズムの斜面がほぼ垂直にな
り、結合効率をTEモード偏光、TMモード偏光間でほ
ぼ等しく、かつ最大に近付けることができる。
は、図4に示すような台形状のプリズムの場合、プリズ
ム14の底角φを下記(7)式で表されるθopに概ね等
しくすることで、TEモード偏光、TMモード偏光それ
ぞれの最適な入射方向にプリズムの斜面がほぼ垂直にな
り、結合効率をTEモード偏光、TMモード偏光間でほ
ぼ等しく、かつ最大に近付けることができる。
【0085】θop=(θTE+θTM)/2 …(7) (7)式で、θTE、θTMはそれぞれTEモード偏光、T
Mモード偏光の結合効率が最大となる場合の光導波路1
6の表面への入射角θi’を表すものである。これら
の、θTE、θTMはテーパ形状に依存して変化する結合効
率の入射角特性(図7参照)から決められる値であるた
め、プリズムの底角φも、テーパ構造の変化に対応して
変化する。前記の光結合器構造501に対しては、図7
からθTE=68.4°、θTM=68.0°と求められ、
プリズムの底角φは68.2°(=θop)となる。
Mモード偏光の結合効率が最大となる場合の光導波路1
6の表面への入射角θi’を表すものである。これら
の、θTE、θTMはテーパ形状に依存して変化する結合効
率の入射角特性(図7参照)から決められる値であるた
め、プリズムの底角φも、テーパ構造の変化に対応して
変化する。前記の光結合器構造501に対しては、図7
からθTE=68.4°、θTM=68.0°と求められ、
プリズムの底角φは68.2°(=θop)となる。
【0086】従って、光結合器構造501に対しては、
光結合器に対する入射角θiを68.2°とすること
で、最も良い結合特性を得ることができる。一方、光結
合器構造502に対しても、図7からθTE=69.3
°、θTM=68.9°と求められ、プリズムの底角φは
69.1°となり、光結合器に対する入射角θiを6
9.1°とすることで、最も良い結合特性を得ることが
できる。
光結合器に対する入射角θiを68.2°とすること
で、最も良い結合特性を得ることができる。一方、光結
合器構造502に対しても、図7からθTE=69.3
°、θTM=68.9°と求められ、プリズムの底角φは
69.1°となり、光結合器に対する入射角θiを6
9.1°とすることで、最も良い結合特性を得ることが
できる。
【0087】ここで、プリズムの形状は、光の入射方向
に対して反射による損失が最も小さくなるように定めれ
ば良く、テーパ形状に対応して変えればよい。加えて、
図1、図4の形状以外に、図8に示すように全反射させ
て入射させる形状のプリズム22を用いることも可能で
ある。
に対して反射による損失が最も小さくなるように定めれ
ば良く、テーパ形状に対応して変えればよい。加えて、
図1、図4の形状以外に、図8に示すように全反射させ
て入射させる形状のプリズム22を用いることも可能で
ある。
【0088】なお、図8において、プリズム22以外の
部分については、図4と対応する部分に同一の符号を付
してある。
部分については、図4と対応する部分に同一の符号を付
してある。
【0089】〈接着部のエッジ面の高さhの定め方〉次
に、図9に基づき接着部15に形成されるエッジ面17
の光導波路16の表面からの高さhの定め方について説
明する。本実施形態2の光結合器では、接着部15のエ
ッジ面17に対してプリズム14、あるいは接着部15
の一部が、接着部15のエッジ面17と光導波路16の
表面との交線の位置から長さPLだけ迫り出している場
合に(図1、図9参照;但し、図9は接着剤15がプリ
ズム14の光導波路16に面する側に付着した場合を示
す)光導波路16表面からの高さhが十分でないと、接
着部15の一部、あるいはプリズム14等の高屈折率領
域(第2誘電体層12、第1誘電体層11より高い屈折
率の領域)に向かって、光導波路16に結合した光、即
ち導波光が図9のように透過していき(再結合し)、結
合効率が低下する。
に、図9に基づき接着部15に形成されるエッジ面17
の光導波路16の表面からの高さhの定め方について説
明する。本実施形態2の光結合器では、接着部15のエ
ッジ面17に対してプリズム14、あるいは接着部15
の一部が、接着部15のエッジ面17と光導波路16の
表面との交線の位置から長さPLだけ迫り出している場
合に(図1、図9参照;但し、図9は接着剤15がプリ
ズム14の光導波路16に面する側に付着した場合を示
す)光導波路16表面からの高さhが十分でないと、接
着部15の一部、あるいはプリズム14等の高屈折率領
域(第2誘電体層12、第1誘電体層11より高い屈折
率の領域)に向かって、光導波路16に結合した光、即
ち導波光が図9のように透過していき(再結合し)、結
合効率が低下する。
【0090】従って、再結合の影響を除去するために
は、プリズム14あるいは接着部15の一部のはみ出し
た長さをPLとし、第1誘電体層11の膜厚が最大値D
になったときのTE、TMそれぞれの偏光に対する上記
(3)式で表される方程式の解βTE、βTMの虚部である
放射係数のうち絶対値が大きい方をαrD(hの関数)と
したとき、接着部15のエッジ面17の光導波路表面1
6からの高さhが下記(8)式の条件を満たすことが好
ましい。
は、プリズム14あるいは接着部15の一部のはみ出し
た長さをPLとし、第1誘電体層11の膜厚が最大値D
になったときのTE、TMそれぞれの偏光に対する上記
(3)式で表される方程式の解βTE、βTMの虚部である
放射係数のうち絶対値が大きい方をαrD(hの関数)と
したとき、接着部15のエッジ面17の光導波路表面1
6からの高さhが下記(8)式の条件を満たすことが好
ましい。
【0091】1−exp(k0αrDPL)≒1 …(8) 上記(8)式の条件を満たせば、再結合による結合効率
の低下をなくせるエッジ面高さを確保することができる
が、プリズム14、あるいは接着部15の一部が迫り出
していない場合でも、接着剤15の屈折率は周辺温度や
種々の条件で変化するので、プリズム14と光導波路1
6との間の接着部15が薄膜として機能しないように、
接着部15のエッジ面17の高さを決めるほうがより好
ましい。ここで、プリズム14と光導波路16との間の
接着部15が薄膜として機能しない条件は、多重反射を
抑制できるように高さhを定めることであり、入射ビー
ムスポットのエアリディスクの半径rAを基準にして、
エアリディスク内の多重反射を除去すれば、プリズム1
4と光導波路16との間の接着部15が薄膜として機能
する可能性をほぼ完全に除去できると考えられる。従っ
て、エッジ面の高さhは下記(2)式の条件を満足する
ように定めることが好ましい。
の低下をなくせるエッジ面高さを確保することができる
が、プリズム14、あるいは接着部15の一部が迫り出
していない場合でも、接着剤15の屈折率は周辺温度や
種々の条件で変化するので、プリズム14と光導波路1
6との間の接着部15が薄膜として機能しないように、
接着部15のエッジ面17の高さを決めるほうがより好
ましい。ここで、プリズム14と光導波路16との間の
接着部15が薄膜として機能しない条件は、多重反射を
抑制できるように高さhを定めることであり、入射ビー
ムスポットのエアリディスクの半径rAを基準にして、
エアリディスク内の多重反射を除去すれば、プリズム1
4と光導波路16との間の接着部15が薄膜として機能
する可能性をほぼ完全に除去できると考えられる。従っ
て、エッジ面の高さhは下記(2)式の条件を満足する
ように定めることが好ましい。
【0092】h>2rA/sinθi’ …(2) 例えば、本実施形態の光結合器構造501に対しては、
入射ビームスポット径Lが30[μm]のときには集光
レンズのNAはおおよそ0.057と計算できるので、
rAはrA=0.61λ(=780nm)/NAより8.
4[μm]となり、図7からθi’を68.2°(=θ
op)と定めた場合、接着部15のエッジ面17の高さh
は上記(2)式の条件から18[μm]以上とする。
入射ビームスポット径Lが30[μm]のときには集光
レンズのNAはおおよそ0.057と計算できるので、
rAはrA=0.61λ(=780nm)/NAより8.
4[μm]となり、図7からθi’を68.2°(=θ
op)と定めた場合、接着部15のエッジ面17の高さh
は上記(2)式の条件から18[μm]以上とする。
【0093】〈実施形態2の光結合器の製造方法〉次
に、光結合器構造501を形成する場合を例にとって、
エッジ面17を形成するためにフォトレジストに形成し
た溝を用いる光結合器の製造工程を図10(a)〜
(g)に従って説明する。
に、光結合器構造501を形成する場合を例にとって、
エッジ面17を形成するためにフォトレジストに形成し
た溝を用いる光結合器の製造工程を図10(a)〜
(g)に従って説明する。
【0094】まず、図10(a)に示すように、基板1
3上に第1誘電体層11及び第2誘電体層12を積層し
てなる光導波路16上にフォトレジスト51を塗布す
る。
3上に第1誘電体層11及び第2誘電体層12を積層し
てなる光導波路16上にフォトレジスト51を塗布す
る。
【0095】ここで、フォトレジスト51の厚さwはエ
ッジ面17の高さに対応し、接着剤15の屈折率は周辺
温度や種々の条件で変化するので、プリズム14と光導
波路16との間の接着部15が薄膜として機能しないよ
う、フォトレジストの厚さwを上記(2)式の条件を満
たすように定め、w>hの関係を満たす下限値18[μ
m]以上塗布することが好ましい。
ッジ面17の高さに対応し、接着剤15の屈折率は周辺
温度や種々の条件で変化するので、プリズム14と光導
波路16との間の接着部15が薄膜として機能しないよ
う、フォトレジストの厚さwを上記(2)式の条件を満
たすように定め、w>hの関係を満たす下限値18[μ
m]以上塗布することが好ましい。
【0096】なお、図10では光導波路16のテーパ部
18の形状に沿わない形でフォトレジスト51が塗布さ
れているように示されているが、これはフォトレジスト
51の厚さに比べテーパ部18の膜厚変化が小さいこと
により、塗布後のフォトレジスト51の表面は基板13
表面に対してほぼ平行になることを意味するものであ
る。
18の形状に沿わない形でフォトレジスト51が塗布さ
れているように示されているが、これはフォトレジスト
51の厚さに比べテーパ部18の膜厚変化が小さいこと
により、塗布後のフォトレジスト51の表面は基板13
表面に対してほぼ平行になることを意味するものであ
る。
【0097】次に、同図(b)及び(c)に示すよう
に、フォトレジスト51にパターニングによって接着剤
注入用の溝52を形成する。また、この溝52の形成
後、光導波路16の表面をRIE処理(酸素プラズマ処
理)を行うことで、フォトレジスト51の現像液の有機
残渣や、光導波路16の表面にできた変質層を除去する
ことができる。
に、フォトレジスト51にパターニングによって接着剤
注入用の溝52を形成する。また、この溝52の形成
後、光導波路16の表面をRIE処理(酸素プラズマ処
理)を行うことで、フォトレジスト51の現像液の有機
残渣や、光導波路16の表面にできた変質層を除去する
ことができる。
【0098】次に、同図(d)及び(e)に示すよう
に、プリズム14をそのエッジBがフォトレジスト51
上の溝のエッジCと平行になるように、位置調整装置5
3を用いて位置調整する。調整後、調整された位置に位
置調整装置53で保持したまま、光導波路16に塗布さ
れたフォトレジスト51上にプリズム14を押し付け
る。ここで、フォトレジスト51で形成された溝52を
跨ぐ形で、プリズム14をフォトレジスト51上に置く
と、プリズム14がフォトレジスト51表面と2カ所で
接するため、光導波路表面とプリズム底面との平行度が
良くなる。その結果、最適入射角(光結合器への結合効
率が最大となる入射角)で入射した時に、入射面での反
射が最小になるよう決められたプリズム14の底角φ
と、光導波路16の表面への入射角とがなす角とのずれ
を小さく抑制できる。このため、光結合器への入射角が
最適入射角からずれることによる結合効率の低下を抑制
できる。
に、プリズム14をそのエッジBがフォトレジスト51
上の溝のエッジCと平行になるように、位置調整装置5
3を用いて位置調整する。調整後、調整された位置に位
置調整装置53で保持したまま、光導波路16に塗布さ
れたフォトレジスト51上にプリズム14を押し付け
る。ここで、フォトレジスト51で形成された溝52を
跨ぐ形で、プリズム14をフォトレジスト51上に置く
と、プリズム14がフォトレジスト51表面と2カ所で
接するため、光導波路表面とプリズム底面との平行度が
良くなる。その結果、最適入射角(光結合器への結合効
率が最大となる入射角)で入射した時に、入射面での反
射が最小になるよう決められたプリズム14の底角φ
と、光導波路16の表面への入射角とがなす角とのずれ
を小さく抑制できる。このため、光結合器への入射角が
最適入射角からずれることによる結合効率の低下を抑制
できる。
【0099】次に、同図(f)に示すように、接着剤注
入用の溝52にUV硬化性等の光硬化性の接着剤15を
注入し、光照射(UV光の照射)で接着剤15を固化
(キュア)してプリズム14を固定する。ここで、使用
する接着剤15は光硬化性以外のものでもよいが、光硬
化性の接着剤15を用いれば、固定に要する時間が短
く、固定するまでの間のプリズムの位置ずれなどによる
結合効率の低下を低減できる利点がある。
入用の溝52にUV硬化性等の光硬化性の接着剤15を
注入し、光照射(UV光の照射)で接着剤15を固化
(キュア)してプリズム14を固定する。ここで、使用
する接着剤15は光硬化性以外のものでもよいが、光硬
化性の接着剤15を用いれば、固定に要する時間が短
く、固定するまでの間のプリズムの位置ずれなどによる
結合効率の低下を低減できる利点がある。
【0100】接着剤15とフォトレジスト51の選択
は、これらが接した際に互いに化学的に安定な組合せを
選ぶ。例えば、接着剤15にロックタイト社の商品名L
X−2310Cを用いる場合は、フォトレジスト51と
しては東京応化社のフォトレジスト(商品名ポジ型フォ
トレジストPMER)を選べばよい。
は、これらが接した際に互いに化学的に安定な組合せを
選ぶ。例えば、接着剤15にロックタイト社の商品名L
X−2310Cを用いる場合は、フォトレジスト51と
しては東京応化社のフォトレジスト(商品名ポジ型フォ
トレジストPMER)を選べばよい。
【0101】次に、同図(g)に示すように、プリズム
14を接着固定した後で、フォトレジスト51を除去す
る。
14を接着固定した後で、フォトレジスト51を除去す
る。
【0102】なお、接着剤15と光導波路16との間に
挟まれた部分のフォトレジスト51の除去は、接着剤1
5と光導波路16との間が広いほど速く進むので、接着
剤15と光導波路16との間に挟まれた部分のフォトレ
ジスト51が除去しやすいよう、フォトレジスト51は
厚く塗ることがより好ましい。本実施形態では、粘性の
高いフォトレジスト51を使って厚く塗布している。具
体的には、上記ポジ型フォトレジストPMERを重ねて
塗布して(一層目塗布後、ベークして重ね塗り)、フォ
トレジスト51の厚さwを合計30[μm]としてい
る。この結果、作製される光結合器の接着部15のエッ
ジ面17の高さhは30[μm]となる。
挟まれた部分のフォトレジスト51の除去は、接着剤1
5と光導波路16との間が広いほど速く進むので、接着
剤15と光導波路16との間に挟まれた部分のフォトレ
ジスト51が除去しやすいよう、フォトレジスト51は
厚く塗ることがより好ましい。本実施形態では、粘性の
高いフォトレジスト51を使って厚く塗布している。具
体的には、上記ポジ型フォトレジストPMERを重ねて
塗布して(一層目塗布後、ベークして重ね塗り)、フォ
トレジスト51の厚さwを合計30[μm]としてい
る。この結果、作製される光結合器の接着部15のエッ
ジ面17の高さhは30[μm]となる。
【0103】以上の製造工程を経て、フォトレジスト5
1の溝形状を写した形で、プリズム14のエッジBに相
当するエッジ面17が接着部15に形成される。
1の溝形状を写した形で、プリズム14のエッジBに相
当するエッジ面17が接着部15に形成される。
【0104】この製造方法を用いることで、接着部15
のエッジ面17の光導波路16の表面との交線の直線性
がフォトマスクの直線性に対応する精度で確保され、か
つ図4の光結合器において接着部15のエッジ面17と
第1誘電体層(#7059導波層)11のテーパ部18
のエッジ部19との位置合わせを高い精度で行うことが
できる。
のエッジ面17の光導波路16の表面との交線の直線性
がフォトマスクの直線性に対応する精度で確保され、か
つ図4の光結合器において接着部15のエッジ面17と
第1誘電体層(#7059導波層)11のテーパ部18
のエッジ部19との位置合わせを高い精度で行うことが
できる。
【0105】なお、フォトレジスト51のエッジ面は光
導波路16の表面に対して90°に限らず、図11に示
すように、光導波路16の表面に対して90°より小さ
い角度になってもよい。例えば、フォトレジスト51の
エッジ面が光導波路16の表面に対して70°の角度を
なした状態では、光結合器の接着部15のエッジ面17
も光導波路16の表面に対して70°の角をなす。
導波路16の表面に対して90°に限らず、図11に示
すように、光導波路16の表面に対して90°より小さ
い角度になってもよい。例えば、フォトレジスト51の
エッジ面が光導波路16の表面に対して70°の角度を
なした状態では、光結合器の接着部15のエッジ面17
も光導波路16の表面に対して70°の角をなす。
【0106】しかし、エッジ面17の光導波路16の表
面に対する傾斜は光結合器の結合効率を低下させる大き
な問題点にはならない。また、作製時点でのプリズム1
4とフォトレジスト51との密着は完全にできないの
で、接着状態は図11のようにプリズム14の光導波路
16に面する面に接着剤15の一部が余分に付着した状
態になるが、結合効率を低下する要因にはならない。
面に対する傾斜は光結合器の結合効率を低下させる大き
な問題点にはならない。また、作製時点でのプリズム1
4とフォトレジスト51との密着は完全にできないの
で、接着状態は図11のようにプリズム14の光導波路
16に面する面に接着剤15の一部が余分に付着した状
態になるが、結合効率を低下する要因にはならない。
【0107】(実施形態3)図12は本発明光結合器の
実施形態3を示す。本実施形態3の光結合器では、光導
入手段としてプリズムの代わりに誘電体板34を用いて
いる。誘電体板34はプリズムに比べて加工が容易なこ
とから、光結合器の製造コストを低減できる利点があ
る。
実施形態3を示す。本実施形態3の光結合器では、光導
入手段としてプリズムの代わりに誘電体板34を用いて
いる。誘電体板34はプリズムに比べて加工が容易なこ
とから、光結合器の製造コストを低減できる利点があ
る。
【0108】ここで、光結合器の入射原理は、上述の実
施形態2の場合と同じであり、誘電体板34に入射し
て、接着部35中を通過した光は接着部35のエッジ面
37を介して光導波路36に結合する。従って、誘電体
板34を用いた場合も接着部35に光導波路36の表面
から所定の高さhのエッジ面37が形成されていれば、
図4の光結合器と同等の機能を果たすことができる。そ
れ故、本実施形態3の光結合器においても、放射パター
ンが(1)式の条件を満たすように光結合器のテーパ構
造を定めることで、結合効率の入射位置に対する許容性
を拡大できる。
施形態2の場合と同じであり、誘電体板34に入射し
て、接着部35中を通過した光は接着部35のエッジ面
37を介して光導波路36に結合する。従って、誘電体
板34を用いた場合も接着部35に光導波路36の表面
から所定の高さhのエッジ面37が形成されていれば、
図4の光結合器と同等の機能を果たすことができる。そ
れ故、本実施形態3の光結合器においても、放射パター
ンが(1)式の条件を満たすように光結合器のテーパ構
造を定めることで、結合効率の入射位置に対する許容性
を拡大できる。
【0109】具体的には、Si基板40上に屈折率ns
=1.44のSiO2膜41を形成した基板33の上
に、第1誘電体層31として#7059ガラス(屈折率
n1=1.53)を積層し、その上に第2誘電体層32
としてSiO2(屈折率n2=1.43)を積層して光導
波路36を形成する。そして、光導波路36の表面に、
誘電体板34を屈折率nbが1.57の接着剤35を用
いて接着して光結合器を構成する。ここで、接着部35
と誘電体板34との屈折率差は小さいほうが好ましく、
接着部35と誘電体板34との境界での反射率をある値
R以下に抑制するには、誘電体板34にほぼ垂直に光が
入射していることから、接着部35を形成する接着剤1
5の屈折率nbと誘電体板34の屈折率npとの間に下記
(9)式の関係が成立するように定める。
=1.44のSiO2膜41を形成した基板33の上
に、第1誘電体層31として#7059ガラス(屈折率
n1=1.53)を積層し、その上に第2誘電体層32
としてSiO2(屈折率n2=1.43)を積層して光導
波路36を形成する。そして、光導波路36の表面に、
誘電体板34を屈折率nbが1.57の接着剤35を用
いて接着して光結合器を構成する。ここで、接着部35
と誘電体板34との屈折率差は小さいほうが好ましく、
接着部35と誘電体板34との境界での反射率をある値
R以下に抑制するには、誘電体板34にほぼ垂直に光が
入射していることから、接着部35を形成する接着剤1
5の屈折率nbと誘電体板34の屈折率npとの間に下記
(9)式の関係が成立するように定める。
【0110】 (nb−np)2/(nb+np)2<R …(9) 例えば、接着剤35として屈折率nbが1.57のUV
硬化性接着剤(ロックタイト社の商品名LX−2310
C)を用いる場合は、nbが1.57であるから、反射
率Rを0にするため、誘電体板には屈折率がnp=1.
57である誘電体板34を用いることが好ましい。
硬化性接着剤(ロックタイト社の商品名LX−2310
C)を用いる場合は、nbが1.57であるから、反射
率Rを0にするため、誘電体板には屈折率がnp=1.
57である誘電体板34を用いることが好ましい。
【0111】本実施形態3の光結合器において、np=
1.57である誘電体板34を用いるとき、第2誘電体
層32(SiO2クラッド層)の膜厚sを350[n
m]とし、第1誘電体層31(#7059導波層)のテ
ーパ部38の構造を、その膜厚がd=320[nm]か
らD=570[nm]まで変化して、テーパ長tが10
[μm](あるいは20[μm]、30[μm])の構
造にすれば、図12の光結合器でも図5(a)と同じ放
射パターンが得られ、光導入手段にプリズムを用いた場
合と同じ結合効率の入射位置特性(図6(a)参照)が
得られる。
1.57である誘電体板34を用いるとき、第2誘電体
層32(SiO2クラッド層)の膜厚sを350[n
m]とし、第1誘電体層31(#7059導波層)のテ
ーパ部38の構造を、その膜厚がd=320[nm]か
らD=570[nm]まで変化して、テーパ長tが10
[μm](あるいは20[μm]、30[μm])の構
造にすれば、図12の光結合器でも図5(a)と同じ放
射パターンが得られ、光導入手段にプリズムを用いた場
合と同じ結合効率の入射位置特性(図6(a)参照)が
得られる。
【0112】特に実施形態2と同様に、テーパ長tを1
0[μm]としたときに、結合効率の入射位置に対する
許容性が、結合効率の低下を抑えた上で拡大され、入射
ビームスポット径Lを30[μm]としたときの入射位
置に対する許容性(結合効率60%以上で定義)は、第
1誘電体層31(#7059導波層)をテーパ化しない
で結合効率を最適化した場合(図24参照)と比較し
て、最適入射位置からの許容性が±7.5[μm]から
±9[μm]に拡大される。
0[μm]としたときに、結合効率の入射位置に対する
許容性が、結合効率の低下を抑えた上で拡大され、入射
ビームスポット径Lを30[μm]としたときの入射位
置に対する許容性(結合効率60%以上で定義)は、第
1誘電体層31(#7059導波層)をテーパ化しない
で結合効率を最適化した場合(図24参照)と比較し
て、最適入射位置からの許容性が±7.5[μm]から
±9[μm]に拡大される。
【0113】図12に示すように、本実施形態3の光結
合器では、誘電体板34を、光結合器の最適入射角θop
(上記(7)式で定義)で規定される入射方向に垂直に
なるように(誘電体板34の光導波路表面に対してなす
角φがθopとほぼ同じ角度になるよう)調整、配置す
る。位置調整後、誘電体板34は接着剤で光導波路36
に固定される。
合器では、誘電体板34を、光結合器の最適入射角θop
(上記(7)式で定義)で規定される入射方向に垂直に
なるように(誘電体板34の光導波路表面に対してなす
角φがθopとほぼ同じ角度になるよう)調整、配置す
る。位置調整後、誘電体板34は接着剤で光導波路36
に固定される。
【0114】また、接着部35には下記に示す方法でエ
ッジ面37が形成される。本実施形態3でもエッジ面3
7が光導波路36への結合を成立させるから、接着剤3
5に屈折率nbが1.57の接着剤を用いるとき、図1
2の光結合器の入射角特性は図7と同じで、最適な光導
波路表面への入射角θi’も実施形態2の光結合器構造
501の場合と同じになる。従って、誘電体板34の配
置角度φは本実施形態3の場合、θop(=68.2°)
に等しく定める。これにより、光結合器に対する入射角
θiを68.2°とすることで、光結合器の結合特性が
最も良くなる。なお、誘電体板34の表面での反射低減
のため誘電体34の表面には無反射コーティングを行う
ことが望ましい。
ッジ面37が形成される。本実施形態3でもエッジ面3
7が光導波路36への結合を成立させるから、接着剤3
5に屈折率nbが1.57の接着剤を用いるとき、図1
2の光結合器の入射角特性は図7と同じで、最適な光導
波路表面への入射角θi’も実施形態2の光結合器構造
501の場合と同じになる。従って、誘電体板34の配
置角度φは本実施形態3の場合、θop(=68.2°)
に等しく定める。これにより、光結合器に対する入射角
θiを68.2°とすることで、光結合器の結合特性が
最も良くなる。なお、誘電体板34の表面での反射低減
のため誘電体34の表面には無反射コーティングを行う
ことが望ましい。
【0115】また、他の実施形態として、np=1.5
7である誘電体板34を用い、接着剤35に屈析率nb
=1.57のものを用いた場合で、かつ第2誘電体層3
2(SiO2クラッド層)の膜厚sを350[nm]と
し、第1誘電体層31(#7059導波層)のテーパ部
38の構造を、その膜厚がd=400[nm]からD=
570[nm]まで変化して、テーパ長tが10[μ
m]という構造にした場合でも、実施形態2の光結合器
構造502の結合効率の入射位置に対する許容性の拡大
効果と同じ拡大効果を示す。更に、誘電体板34の配置
角度φを69.1に定めると、光結合器に対する入射角
θiを69.1°とすることで、光結合器の結合特性が
最も良くなる。
7である誘電体板34を用い、接着剤35に屈析率nb
=1.57のものを用いた場合で、かつ第2誘電体層3
2(SiO2クラッド層)の膜厚sを350[nm]と
し、第1誘電体層31(#7059導波層)のテーパ部
38の構造を、その膜厚がd=400[nm]からD=
570[nm]まで変化して、テーパ長tが10[μ
m]という構造にした場合でも、実施形態2の光結合器
構造502の結合効率の入射位置に対する許容性の拡大
効果と同じ拡大効果を示す。更に、誘電体板34の配置
角度φを69.1に定めると、光結合器に対する入射角
θiを69.1°とすることで、光結合器の結合特性が
最も良くなる。
【0116】以上の光結合器構造に対して、光導波路3
6の表面からの接着部のエッジ面37の高さhも、実施
形態2と同じように上記(8)式の条件を満たすように
定めればよい。
6の表面からの接着部のエッジ面37の高さhも、実施
形態2と同じように上記(8)式の条件を満たすように
定めればよい。
【0117】〈実施形態3の光結合器の製造工程〉次
に、エッジ面37の形成方法を合めて、実施形態3の光
結合器の製造工程を図13(a)〜(g)に従って説明
する。
に、エッジ面37の形成方法を合めて、実施形態3の光
結合器の製造工程を図13(a)〜(g)に従って説明
する。
【0118】まず、図13(a)に示すように、基板3
3の上に第1誘電体層31及び第2誘電体層32を積層
してなる光導波路36の上にフォトレジスト51を塗布
する。ここで、フォトレジスト51の厚さについては、
接着部35のエッジ面37の位置から長さPLだけ迫り
出した接着部35の一部への再結合の影響を除去するよ
うに、実施形態2の定め方が採用できる。即ち、フォト
レジスト51によって形成される接着部35のエッジ面
37の高さhは、再結合による結合効率の低下を防ぐた
め、上記(8)式の条件を満たすように定めればよいの
で、w>hの条件を満たすようにフォトレジスト51の
厚さwを定める。
3の上に第1誘電体層31及び第2誘電体層32を積層
してなる光導波路36の上にフォトレジスト51を塗布
する。ここで、フォトレジスト51の厚さについては、
接着部35のエッジ面37の位置から長さPLだけ迫り
出した接着部35の一部への再結合の影響を除去するよ
うに、実施形態2の定め方が採用できる。即ち、フォト
レジスト51によって形成される接着部35のエッジ面
37の高さhは、再結合による結合効率の低下を防ぐた
め、上記(8)式の条件を満たすように定めればよいの
で、w>hの条件を満たすようにフォトレジスト51の
厚さwを定める。
【0119】次に、同図(b)及び(c)に示すよう
に、フォトレジスト51にパターニングによって接着剤
注入用の溝52を形成する。また、この溝52の形成
後、光導波路36の表面をRIE処埋を行うことで、フ
ォトレジスト61の現像液の有機残渣や、光導波路表面
にできた変質層を除去することができる。
に、フォトレジスト51にパターニングによって接着剤
注入用の溝52を形成する。また、この溝52の形成
後、光導波路36の表面をRIE処埋を行うことで、フ
ォトレジスト61の現像液の有機残渣や、光導波路表面
にできた変質層を除去することができる。
【0120】次に、同図(d)及び(e)に示すよう
に、誘電体板34を、その入射面が所望の入射角に垂直
になるような角度φを光導波路36に対してなすよう
に、かつエッジB’がフォトレジスト51上の溝52の
エッジC’と平行になるように、位置調整装置57を用
いて位置調整する。調整後、位置調整用装置57で保持
したまま、光導波路36の上に塗布されたフォトレジス
ト51の表面に誘電体板34を置く。
に、誘電体板34を、その入射面が所望の入射角に垂直
になるような角度φを光導波路36に対してなすよう
に、かつエッジB’がフォトレジスト51上の溝52の
エッジC’と平行になるように、位置調整装置57を用
いて位置調整する。調整後、位置調整用装置57で保持
したまま、光導波路36の上に塗布されたフォトレジス
ト51の表面に誘電体板34を置く。
【0121】次に、同図(d)及び(e)の状態で、同
図(f)に示すように、接着剤注入用の溝52を覆うよ
うに光硬化性の接着剤35を注入する。続いて、光照射
で接着部35を固化し、誘電体板34を固定する。ここ
で、使用する接着剤35は光硬化性以外のものも用いる
ことができるが、実施形態2と同じ理由で、UV硬化性
等光硬化性の接着剤を用いれば、固定に要する時間が短
く、固定の間のプリズムの位置ずれなどによる結合効率
の低下を低減できる利点がある。
図(f)に示すように、接着剤注入用の溝52を覆うよ
うに光硬化性の接着剤35を注入する。続いて、光照射
で接着部35を固化し、誘電体板34を固定する。ここ
で、使用する接着剤35は光硬化性以外のものも用いる
ことができるが、実施形態2と同じ理由で、UV硬化性
等光硬化性の接着剤を用いれば、固定に要する時間が短
く、固定の間のプリズムの位置ずれなどによる結合効率
の低下を低減できる利点がある。
【0122】次に、同図(g)に示すように、接着剤3
5を固化して誘電体板34を固定した後で、フォトレジ
スト51を除去する。
5を固化して誘電体板34を固定した後で、フォトレジ
スト51を除去する。
【0123】ここで、接着剤35と光導波路36との間
に挟まれた部分のフォトレジスト51の除去は、接着剤
35と光導波路36との間が広いほど速く進むので、接
着剤35と光導波路36との間に挟まれた部分のフォト
レジスト51が除去しやすいよう、本実施形態3でも粘
性の高いフォトレジスト51を使ってレジストを厚く塗
布している。
に挟まれた部分のフォトレジスト51の除去は、接着剤
35と光導波路36との間が広いほど速く進むので、接
着剤35と光導波路36との間に挟まれた部分のフォト
レジスト51が除去しやすいよう、本実施形態3でも粘
性の高いフォトレジスト51を使ってレジストを厚く塗
布している。
【0124】具体的には、上記実施形態2同様に、東京
応化社のフォトレジスト(商品名ポジ型フォトレジスト
PMER)を15μmずつ重ねて塗布して、フォトレジ
スト51の厚さwを合計30μmとしている。従って、
接着部35のエッジ面37の高さhは30μmとなる。
応化社のフォトレジスト(商品名ポジ型フォトレジスト
PMER)を15μmずつ重ねて塗布して、フォトレジ
スト51の厚さwを合計30μmとしている。従って、
接着部35のエッジ面37の高さhは30μmとなる。
【0125】なお、図13でも光導波路36のテーパ部
38の形状に沿わない形でフォトレジスト51が塗布さ
れているように示しているが、これは上記同様に、フォ
トレジスト51を十分に厚く塗布した際には、フォトレ
ジスト51の厚さに比ベテーパ部38の膜厚変化が相対
的に小さくなり、塗布後のフォトレジスト51の表面は
基板33表面に対してほぼ平行になることを意味するも
のである。
38の形状に沿わない形でフォトレジスト51が塗布さ
れているように示しているが、これは上記同様に、フォ
トレジスト51を十分に厚く塗布した際には、フォトレ
ジスト51の厚さに比ベテーパ部38の膜厚変化が相対
的に小さくなり、塗布後のフォトレジスト51の表面は
基板33表面に対してほぼ平行になることを意味するも
のである。
【0126】〈上記各実施形態の光結合器における理想
的な構造条件〉次に、上述の各実施形態の光結合器にお
ける理想的な構造条件について説明する。上述のよう
に、入射ビームのビームスポット径が30[μm]近辺
で、入射位置に関する許容性の改善効果が理想的な状態
は、光結合器の構造が図5(a)に示したテーパ長tが
10[μm]のときの放射パターンを示す場合である。
従って、図5(a)におけるテーパ長tが10[μm]
の放射パターンからの変化が小さい光結合器の構造が、
光結合器の構造に関する結合効率を比較的高く保てる条
件となる。
的な構造条件〉次に、上述の各実施形態の光結合器にお
ける理想的な構造条件について説明する。上述のよう
に、入射ビームのビームスポット径が30[μm]近辺
で、入射位置に関する許容性の改善効果が理想的な状態
は、光結合器の構造が図5(a)に示したテーパ長tが
10[μm]のときの放射パターンを示す場合である。
従って、図5(a)におけるテーパ長tが10[μm]
の放射パターンからの変化が小さい光結合器の構造が、
光結合器の構造に関する結合効率を比較的高く保てる条
件となる。
【0127】そこで、テーパ長tが10[μm]のとき
に、接着剤の屈折率nb、クラッド層(第2誘電体層)
の屈折率nc、導波層の屈折率ng、基板の屈折率ns、
クラッド層の厚さs、導波層の最大膜厚D、導波層の最
小膜厚dのそれぞれを変化させたときの放射パターンの
変化を調べると、図14(a),(b),図15
(a),(b),図16(a),(b),図17(a)
までの各図のようになる。なお、各図において中央の一
点鎖線はnb=1.57、nc=1.43、ng=1.5
3、ns=1.45、s=350[nm]、D=570
[nm]、d=360[nm]の場合を示している。
に、接着剤の屈折率nb、クラッド層(第2誘電体層)
の屈折率nc、導波層の屈折率ng、基板の屈折率ns、
クラッド層の厚さs、導波層の最大膜厚D、導波層の最
小膜厚dのそれぞれを変化させたときの放射パターンの
変化を調べると、図14(a),(b),図15
(a),(b),図16(a),(b),図17(a)
までの各図のようになる。なお、各図において中央の一
点鎖線はnb=1.57、nc=1.43、ng=1.5
3、ns=1.45、s=350[nm]、D=570
[nm]、d=360[nm]の場合を示している。
【0128】図14(a)は接着剤の屈折率nbが1.
56、1.57、1.58と変化したときの放射パター
ンの変化を示しており、放射パターンの変化はほとんど
なく、接着剤の屈折率nbが1.56→1.58と大き
くなるほど放射パターンは傾斜が緩やかな曲線に近づ
く。
56、1.57、1.58と変化したときの放射パター
ンの変化を示しており、放射パターンの変化はほとんど
なく、接着剤の屈折率nbが1.56→1.58と大き
くなるほど放射パターンは傾斜が緩やかな曲線に近づ
く。
【0129】図14(b)はクラッド層の屈折率ncが
1.42、1.43、1.44と変化したときの放射特
性を示しており、クラッド層の屈折率ncが1.42→
1.44と大きくなるほど放射パターンは傾斜が緩やか
な曲線に近づく。
1.42、1.43、1.44と変化したときの放射特
性を示しており、クラッド層の屈折率ncが1.42→
1.44と大きくなるほど放射パターンは傾斜が緩やか
な曲線に近づく。
【0130】図15(a)は導波層の屈折率ngが1.
52、1.53、1.55と変化したときの放射特性の
変化を示している。導波層の屈折率ngがこの範囲で変
化したときの放射パターンの変化は小さく、nsが1.
55→1.52と小さくなるほど放射パターンは傾斜が
緩やかな曲線に近づく。
52、1.53、1.55と変化したときの放射特性の
変化を示している。導波層の屈折率ngがこの範囲で変
化したときの放射パターンの変化は小さく、nsが1.
55→1.52と小さくなるほど放射パターンは傾斜が
緩やかな曲線に近づく。
【0131】図15(b)は導波路の基板の誘電体層部
分の屈折率nsが1.44、1.45、1.46と変化
したときの放射パターンの変化を示している。このとき
も放射パターンはあまり変化しないが、屈折率nsが
1.44、1.45、1.46と大きくなると放射パタ
ーンは傾斜が緩やかな曲線に近づく。
分の屈折率nsが1.44、1.45、1.46と変化
したときの放射パターンの変化を示している。このとき
も放射パターンはあまり変化しないが、屈折率nsが
1.44、1.45、1.46と大きくなると放射パタ
ーンは傾斜が緩やかな曲線に近づく。
【0132】一方、膜厚に対しては、クラッド層の厚さ
sが300[nm]、350[nm]、400[nm]
と変化したときの放射パターンの変化を図16(a)に
示す。この図が示すように、膜厚の変化の大きさに比べ
放射パターンの変化は小さく、厚さsが小さいほど放射
パターンは傾斜が緩やかな曲線に近づく。
sが300[nm]、350[nm]、400[nm]
と変化したときの放射パターンの変化を図16(a)に
示す。この図が示すように、膜厚の変化の大きさに比べ
放射パターンの変化は小さく、厚さsが小さいほど放射
パターンは傾斜が緩やかな曲線に近づく。
【0133】図16(b)は導波層の最大膜厚Dが54
0[nm]、570[nm]、600[nm]と変化し
たときの放射パターンの変化を示す。最大膜厚Dが60
0[nm]→540[nm]と変化したとき、放射パタ
ーンは傾斜が緩やかな曲線に近づく。
0[nm]、570[nm]、600[nm]と変化し
たときの放射パターンの変化を示す。最大膜厚Dが60
0[nm]→540[nm]と変化したとき、放射パタ
ーンは傾斜が緩やかな曲線に近づく。
【0134】図17(a)は導波層の最小膜厚が320
[nm]、360[nm]、400[nm]と変化した
ときの放射パターンの変化を示す。このときの変化もあ
まり大きいものではなく、最小膜厚が320[nm]→
400[nm]と変化したときに放射パターンは傾斜が
緩やかな曲線に近づく。
[nm]、360[nm]、400[nm]と変化した
ときの放射パターンの変化を示す。このときの変化もあ
まり大きいものではなく、最小膜厚が320[nm]→
400[nm]と変化したときに放射パターンは傾斜が
緩やかな曲線に近づく。
【0135】以上の特性変化から、テーパ長tが10
[μm]のときは、上記(1)式の条件を満たし、かつ
ほぼ最適に近い放射パターンは接着剤の屈折率nb、ク
ラッド層の屈折率nc、導波層の屈折率ng、基板の屈折
率ns、クラッド層の厚さs、導波層の最大膜厚D、導
波層の最小膜厚dの条件範囲として下記の範囲内が有効
である可能性がある。
[μm]のときは、上記(1)式の条件を満たし、かつ
ほぼ最適に近い放射パターンは接着剤の屈折率nb、ク
ラッド層の屈折率nc、導波層の屈折率ng、基板の屈折
率ns、クラッド層の厚さs、導波層の最大膜厚D、導
波層の最小膜厚dの条件範囲として下記の範囲内が有効
である可能性がある。
【0136】 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44, 1.52<ng<1.55,1.44<ns<1.46
、 300[nm]<s<400[nm],540[nm]
<D<600[nm], 320[nm]<d<400
[nm] しかし、実際にはこれらの全てのパラメータを放射パタ
ーンが最大点を有し、その位置から緩やかに傾斜する変
化型のパターンを持つような曲線となるように組み合せ
で選ぶと、上記(1)式の条件すら満たさなくなる。そ
こで、実際の構造に関するほぼ最適な範囲は、導波層の
屈折率ng、クラッド層の厚さsを固定した構造条件と
なる。図18に下記の各条件のときの放射パターンを示
す。
、 300[nm]<s<400[nm],540[nm]
<D<600[nm], 320[nm]<d<400
[nm] しかし、実際にはこれらの全てのパラメータを放射パタ
ーンが最大点を有し、その位置から緩やかに傾斜する変
化型のパターンを持つような曲線となるように組み合せ
で選ぶと、上記(1)式の条件すら満たさなくなる。そ
こで、実際の構造に関するほぼ最適な範囲は、導波層の
屈折率ng、クラッド層の厚さsを固定した構造条件と
なる。図18に下記の各条件のときの放射パターンを示
す。
【0137】条件1:nb=1.58、nc=1.44、
ng=1.53、ns=1.46s=350[nm]、D
=540[nm]、d=400[nm] 条件2:nb=1.57、nc=1.43、ng=1.5
3、ns=1.45s=350[nm]、D=570
[nm]、d=360[nm] 条件3:nb=1.56、nc=1.42、ng=1.5
3、ns=1.44s=350[nm]、D=600
[nm]、d=320[nm] 図18に示すように、放射パターンに大きな形の崩れは
なく、テーパ長tが10[μm]であるとき、下記の条
件Aを満たす範囲が有効なプリズムカプラの構造条件の
一つとなる。
ng=1.53、ns=1.46s=350[nm]、D
=540[nm]、d=400[nm] 条件2:nb=1.57、nc=1.43、ng=1.5
3、ns=1.45s=350[nm]、D=570
[nm]、d=360[nm] 条件3:nb=1.56、nc=1.42、ng=1.5
3、ns=1.44s=350[nm]、D=600
[nm]、d=320[nm] 図18に示すように、放射パターンに大きな形の崩れは
なく、テーパ長tが10[μm]であるとき、下記の条
件Aを満たす範囲が有効なプリズムカプラの構造条件の
一つとなる。
【0138】条件A: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
ng=1.53 1.44<ns<1.46 s=350[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 同様に、ng=1.52、ng=1.54等のときも構造
条件が決められる。例えば、図19(a)に示すよう
に、条件:ng=1.52、s=320[nm](nb=
1.58、nc=1.44、ns=1.46、D=540
[nm]、d=400[nm])のときも、条件:ng
=1.54、s=380[nm](nb=1.58、nc
=1.44、ns=1.46、D=540[nm]、d
=400[nm])のときも、上記図17の条件1の場
合とほぼ同じ放射パターンを示しており、テーパ長tが
10[μm]であるとき、下記の条件も有効である。
ng=1.53 1.44<ns<1.46 s=350[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 同様に、ng=1.52、ng=1.54等のときも構造
条件が決められる。例えば、図19(a)に示すよう
に、条件:ng=1.52、s=320[nm](nb=
1.58、nc=1.44、ns=1.46、D=540
[nm]、d=400[nm])のときも、条件:ng
=1.54、s=380[nm](nb=1.58、nc
=1.44、ns=1.46、D=540[nm]、d
=400[nm])のときも、上記図17の条件1の場
合とほぼ同じ放射パターンを示しており、テーパ長tが
10[μm]であるとき、下記の条件も有効である。
【0139】条件B: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
ng=1.52 1.44<ns<1.46 s=380[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 条件C: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
ng=1.54 1.44<ns<1.46 s=320[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 条件A,B,Cから、クラッド層の厚さsと導波層の屈
折率ngとには、およそ次の関係式が成り立つ。
ng=1.52 1.44<ns<1.46 s=380[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 条件C: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
ng=1.54 1.44<ns<1.46 s=320[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 条件A,B,Cから、クラッド層の厚さsと導波層の屈
折率ngとには、およそ次の関係式が成り立つ。
【0140】 s≒3000(1.53−ng)+350[nm] 従って、テーパ長tが10[μm]であるときには、下
記の構造条件が好ましいことになる。
記の構造条件が好ましいことになる。
【0141】条件D: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+350[n
m] また、テーパ長tを長くした場合にも、結合効率の低下
はあるものの入射ビームスポット径30μmの時に対し
ても適用は可能である。但し、放射パターンがより平坦
な形になるため、入射ビームスポット径が30μmより
大きい時に結合効率が大きくなる点で有効である。ここ
では、図19(b)に示したようにテーパ長tが15
[μm]のときの放射パターンの変化を示す。図に示す
ようにng=1.53、nb=1.58、nc=1.4
4、ns=1.46、D=540[nm]、d=400
[nm]のとき、s=400[nm]での放射パターン
は、条件Aによる放射パターンを全体的に平坦化した形
を示している。さらに、ng=1.52(nb=1.5
8、nc=1.44、ns=1.46、D=540[n
m]、d=400[nm])のときはs=430[n
m]で同様の放射パターンが得られ、ng=1.54
(nb=1.58、nc=1.44、ns=1.46、D
=540[nm]、d=400[nm])のときはs=
430[nm]で同様の放射パターンが得られる。以上
のことから、テーパ長tが15[μm]のときの放射パ
ターンが良好になる構造条件は以下の条件Eとなる。
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+350[n
m] また、テーパ長tを長くした場合にも、結合効率の低下
はあるものの入射ビームスポット径30μmの時に対し
ても適用は可能である。但し、放射パターンがより平坦
な形になるため、入射ビームスポット径が30μmより
大きい時に結合効率が大きくなる点で有効である。ここ
では、図19(b)に示したようにテーパ長tが15
[μm]のときの放射パターンの変化を示す。図に示す
ようにng=1.53、nb=1.58、nc=1.4
4、ns=1.46、D=540[nm]、d=400
[nm]のとき、s=400[nm]での放射パターン
は、条件Aによる放射パターンを全体的に平坦化した形
を示している。さらに、ng=1.52(nb=1.5
8、nc=1.44、ns=1.46、D=540[n
m]、d=400[nm])のときはs=430[n
m]で同様の放射パターンが得られ、ng=1.54
(nb=1.58、nc=1.44、ns=1.46、D
=540[nm]、d=400[nm])のときはs=
430[nm]で同様の放射パターンが得られる。以上
のことから、テーパ長tが15[μm]のときの放射パ
ターンが良好になる構造条件は以下の条件Eとなる。
【0142】条件E: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+400[n
m] この逆に、テーパ長tを短くした場合にも、結合効率の
低下はあるものの入射ビームスポット径30μmのとき
に対しても適用は可能である。但し、放射パターンがよ
り急峻な形になるため、入射ビームスポット径が30μ
mより小さい時に結合効率が大きくなる点でより有効で
ある。図19(c)はテーパ長tが5[μm]のときの
放射パターンの変化を示す。図に示すようにng=1.
53、nb=1.58、nc=1.44、ns=1.4
6、D=540[nm]、d=400[nm]のとき、
s=290[nm]での放射パターンは、条件Aによる
放射パターンを全体的に急峻化した形を示している。さ
らに、ng=1.52(nb=1.58、nc=1.4
4、ns=1.46、D=540[nm]、d=400
[nm])のときはs=320[nm]で同様の放射パ
ターンが得られ、ng=1.54(nb=1.58、nc
=1.44、ns=1.46、D=540[nm]、d
=400[nm])のときはs=260[nm]で同様
の放射パターンが得られる。以上のことから、テーパ長
tが5[μm]のときの放射パターンが良好になる構造
条件は条件Fのようになる。
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+400[n
m] この逆に、テーパ長tを短くした場合にも、結合効率の
低下はあるものの入射ビームスポット径30μmのとき
に対しても適用は可能である。但し、放射パターンがよ
り急峻な形になるため、入射ビームスポット径が30μ
mより小さい時に結合効率が大きくなる点でより有効で
ある。図19(c)はテーパ長tが5[μm]のときの
放射パターンの変化を示す。図に示すようにng=1.
53、nb=1.58、nc=1.44、ns=1.4
6、D=540[nm]、d=400[nm]のとき、
s=290[nm]での放射パターンは、条件Aによる
放射パターンを全体的に急峻化した形を示している。さ
らに、ng=1.52(nb=1.58、nc=1.4
4、ns=1.46、D=540[nm]、d=400
[nm])のときはs=320[nm]で同様の放射パ
ターンが得られ、ng=1.54(nb=1.58、nc
=1.44、ns=1.46、D=540[nm]、d
=400[nm])のときはs=260[nm]で同様
の放射パターンが得られる。以上のことから、テーパ長
tが5[μm]のときの放射パターンが良好になる構造
条件は条件Fのようになる。
【0143】条件F: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+290[n
m] ここで、テーパ長t[nm]を考慮すると、s,ng、
tを関係付けして、s≒3000(1.53−ng)+
T,T≒1000(t−0.01)+350[nm]と
概ね書ける。最後に、これらをまとめると、光結合器の
構造条件は条件Gとなる。
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+290[n
m] ここで、テーパ長t[nm]を考慮すると、s,ng、
tを関係付けして、s≒3000(1.53−ng)+
T,T≒1000(t−0.01)+350[nm]と
概ね書ける。最後に、これらをまとめると、光結合器の
構造条件は条件Gとなる。
【0144】条件G: 1.56<nb<1.58,1.42<nc<1.44,
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+T[nm], T≒10000(t−0.01)+350[nm] (5[μm]<t<15[μm]) なお、以上の各条件は本発明者等によるシュミレーショ
ン結果によって得られたものである。
1.44<ns<1.46 540[nm]<D<600[nm],320[nm]
<d<400[nm] 1.52<ng<1.54 但し、s≒3000(1.53−ng)+T[nm], T≒10000(t−0.01)+350[nm] (5[μm]<t<15[μm]) なお、以上の各条件は本発明者等によるシュミレーショ
ン結果によって得られたものである。
【0145】〈本発明が適用されるテーパ形状の範囲〉
本発明のような光結合器の作製に用いる材料としては、
接着剤に関しては、その屈折率と透過性の制約から屈折
率が1.56〜1.58のものが多用され、クラッド層
(第2誘電体層)の材料としては、SiO2などの屈折
率が1.42〜1.44の材料が多用される。また、導
波層(第1誘電体層)の材料としては、#7059ガラ
スやSiONといった、その屈折率が1.52〜1.5
6の材料が多用され、更に、このような素子はSi基板
(表面にSiO2層等誘電体層が形成されたもの)上や
吸収の小さい石英ガラス基板などの、屈折率が1.44
〜1.45の材料が基板として用いられるのが一般的で
ある。
本発明のような光結合器の作製に用いる材料としては、
接着剤に関しては、その屈折率と透過性の制約から屈折
率が1.56〜1.58のものが多用され、クラッド層
(第2誘電体層)の材料としては、SiO2などの屈折
率が1.42〜1.44の材料が多用される。また、導
波層(第1誘電体層)の材料としては、#7059ガラ
スやSiONといった、その屈折率が1.52〜1.5
6の材料が多用され、更に、このような素子はSi基板
(表面にSiO2層等誘電体層が形成されたもの)上や
吸収の小さい石英ガラス基板などの、屈折率が1.44
〜1.45の材料が基板として用いられるのが一般的で
ある。
【0146】そこで、このような条件下で、テーパ形状
を検討すると、図14(a),(b),図15(a),
(b),図16(a),(b),図17(a),(b)
に示すような状態で、図5で示した高い結合効率を示す
ような放射特性に近い放射特性が得られる。ここで、本
発明のような光結合器が構成される材料はほぼ決まると
いう点から、これらの図から求められるテーパの形状の
条件が理想的な条件と言える。
を検討すると、図14(a),(b),図15(a),
(b),図16(a),(b),図17(a),(b)
に示すような状態で、図5で示した高い結合効率を示す
ような放射特性に近い放射特性が得られる。ここで、本
発明のような光結合器が構成される材料はほぼ決まると
いう点から、これらの図から求められるテーパの形状の
条件が理想的な条件と言える。
【0147】即ち、テーパの形状の条件は以下のように
なる。
なる。
【0148】5[μm]<t<15[μm]、300
[nm]<s<400[nm]、540[nm]<D<
600[nm]、320[nm]<d<400[nm]
[nm]<s<400[nm]、540[nm]<D<
600[nm]、320[nm]<d<400[nm]
【0149】
【発明の効果】以上の本発明光結合器によれば、光結合
器の放射パターンが光導波路での光の進行方向にほぼ一
様となるような変形型の放射パターンとなるので、光導
波路への結合効率の入射位置に対する許容性を拡大でき
る。
器の放射パターンが光導波路での光の進行方向にほぼ一
様となるような変形型の放射パターンとなるので、光導
波路への結合効率の入射位置に対する許容性を拡大でき
る。
【0150】加えて、接着部に光導波路表面との交線が
直線となり、かつ光導入手段、光導波路表面のいずれに
も接しない部分を有するエッジ面を形成するので、第1
誘電体層のテーパ部分のエッジと、接着部のエッジ面と
光導波路表面との交線との距離を正確に定めることがで
きる。故に、第1誘電体層のテーパ部のエッジと接着部
のエッジ面との距離の最適値からのずれを容易に解消で
きるので、結合効率の低下を最小限に抑制できる。
直線となり、かつ光導入手段、光導波路表面のいずれに
も接しない部分を有するエッジ面を形成するので、第1
誘電体層のテーパ部分のエッジと、接着部のエッジ面と
光導波路表面との交線との距離を正確に定めることがで
きる。故に、第1誘電体層のテーパ部のエッジと接着部
のエッジ面との距離の最適値からのずれを容易に解消で
きるので、結合効率の低下を最小限に抑制できる。
【0151】また、特に請求項2記載の光結合器によれ
ば、この種の光結合器で多用される材料を用いた場合に
好適なテーパ形状の範囲を設定できる。
ば、この種の光結合器で多用される材料を用いた場合に
好適なテーパ形状の範囲を設定できる。
【0152】また、特に請求項4記載の光結合器におい
て、接着部のエッジ面の光導波路表面からの高さhを、
上記(2)式を満足するように設定すると、接着剤とプ
リズム底面との界面での反射によって生じる多重反射光
によって接着部が薄膜として機能して結合効率が不安定
になる可能性を完全に除去できる。
て、接着部のエッジ面の光導波路表面からの高さhを、
上記(2)式を満足するように設定すると、接着剤とプ
リズム底面との界面での反射によって生じる多重反射光
によって接着部が薄膜として機能して結合効率が不安定
になる可能性を完全に除去できる。
【0153】また、特に請求項5記載の光結合器によれ
ば、誘電体板がプリズムに比べて製造が容易であるため
製造コストを削減できる利点がある。
ば、誘電体板がプリズムに比べて製造が容易であるため
製造コストを削減できる利点がある。
【0154】また、特に請求項6記載の光結合器によれ
ば、誘電体表面に無反射コーティングを施す構成をとる
ので、反射光を低減できる利点がある。
ば、誘電体表面に無反射コーティングを施す構成をとる
ので、反射光を低減できる利点がある。
【0155】また、本発明の製造方法によれば、接着剤
のエッジ部分の光導波路表面との交線の位置を、第1誘
電体層のテーパ部のエッジに対し、フォトリソグラフィ
ーの技術で調整できるので、高い精度で接着部のエッジ
の光導波路表面との交線と、第1誘電体層のテーパ部分
のエッジとの距離を定めることができる。また、接着部
のエッジ面と光導波路表面との交線の直線性についても
フォトマスクで実現できるので、高精度の直線性が実現
できる。
のエッジ部分の光導波路表面との交線の位置を、第1誘
電体層のテーパ部のエッジに対し、フォトリソグラフィ
ーの技術で調整できるので、高い精度で接着部のエッジ
の光導波路表面との交線と、第1誘電体層のテーパ部分
のエッジとの距離を定めることができる。また、接着部
のエッジ面と光導波路表面との交線の直線性についても
フォトマスクで実現できるので、高精度の直線性が実現
できる。
【0156】また、特に請求項8記載の光結合器の製造
方法によれば、フォトレジストで形成された溝を跨ぐ形
で、プリズムをフォトレジスト上に配置する構成をとる
ので、プリズムがフォトレジスト表面と2カ所で接する
ため、光導波路表面とプリズム底面との平行度を向上で
きる。この結果、最適入射角で入射した時に、入射面で
の反射が最小になるように決められたプリズムの底角φ
と、光導波路表面への入射角とがなす角とのずれを小さ
くできる。このため、光結合器への入射角が最適入射角
からずれることによる結合効率の低下を抑制できる。
方法によれば、フォトレジストで形成された溝を跨ぐ形
で、プリズムをフォトレジスト上に配置する構成をとる
ので、プリズムがフォトレジスト表面と2カ所で接する
ため、光導波路表面とプリズム底面との平行度を向上で
きる。この結果、最適入射角で入射した時に、入射面で
の反射が最小になるように決められたプリズムの底角φ
と、光導波路表面への入射角とがなす角とのずれを小さ
くできる。このため、光結合器への入射角が最適入射角
からずれることによる結合効率の低下を抑制できる。
【0157】また、特に請求項9記載の光結合器の製造
方法によれば、フォトレジストの厚さwと、接着部のエ
ッジ面の光導波路の表面からの高さhとが、w>hにな
るように設定するので、接着部が薄膜として機能するの
防止できる。
方法によれば、フォトレジストの厚さwと、接着部のエ
ッジ面の光導波路の表面からの高さhとが、w>hにな
るように設定するので、接着部が薄膜として機能するの
防止できる。
【0158】また、特に請求項10記載の光結合器の製
造方法によれば、フォトレジスト上に溝を形成する工程
の後処理として、RIE処理を行う構成をとるので、フ
ォトレジストの現像液の有機残渣や、光導波路表面にで
きた変質層を除去でき、光導波路への接着力を強めるこ
とができる。
造方法によれば、フォトレジスト上に溝を形成する工程
の後処理として、RIE処理を行う構成をとるので、フ
ォトレジストの現像液の有機残渣や、光導波路表面にで
きた変質層を除去でき、光導波路への接着力を強めるこ
とができる。
【0159】また、特に請求項11記載の光結合器の製
造方法によれば、接着剤に光硬化性の接着剤を用いるこ
とで、硬化の時間を短縮でき、硬化過程における調整位
置変化を最小にすることができる。
造方法によれば、接着剤に光硬化性の接着剤を用いるこ
とで、硬化の時間を短縮でき、硬化過程における調整位
置変化を最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す、光結合器の断面
図。
図。
【図2】(1)式中のrnを示す説明図。
【図3】(a)は縦軸に結合効率を、横軸に入射位置を
とって、テーパ部のエッジと接着部のエッジとの距離を
パラメータとした結合効率の入射位置特性を示すグラ
フ、(b)は(a)の実験結果を得た供試用光結合器を
示す断面図。
とって、テーパ部のエッジと接着部のエッジとの距離を
パラメータとした結合効率の入射位置特性を示すグラ
フ、(b)は(a)の実験結果を得た供試用光結合器を
示す断面図。
【図4】本発明の実施形態2を示す、光結合器の断面
図。
図。
【図5】(a),(b)共に縦軸に規格化放射光強度
を、横軸に接着部エッジからの距離をとって、光結合器
の放射特性を示すグラフ。
を、横軸に接着部エッジからの距離をとって、光結合器
の放射特性を示すグラフ。
【図6】(a),(b)共に縦軸に結合効率を、横軸に
入射位置をとって、結合効率の入射位置依存性を示すグ
ラフ。
入射位置をとって、結合効率の入射位置依存性を示すグ
ラフ。
【図7】縦軸に結合効率を、横軸に入射角をとって、結
合効率の入射角特性を示すグラフ。
合効率の入射角特性を示すグラフ。
【図8】本発明が適用される光結合器の他の例を示す断
面図。
面図。
【図9】接着部のエッジ面の高さhの定めかたを示す断
面図。
面図。
【図10】実施形態2の光結合器の製造工程を示す工程
図。
図。
【図11】本発明が適用される光結合器の他の例を示す
断面図。
断面図。
【図12】本発明の実施形態3を示す、光結合器の断面
図。
図。
【図13】実施形態3の光結合器の製造工程を示す工程
図。
図。
【図14】(a)は接着剤の屈折率を変化させた場合の
放射パターンの変化を示すグラフ、(b)は第2誘電体
層の屈折率を変化させた場合の放射パターンの変化を示
すグラフ。
放射パターンの変化を示すグラフ、(b)は第2誘電体
層の屈折率を変化させた場合の放射パターンの変化を示
すグラフ。
【図15】(a)は第1誘電体層の屈折率を変化させた
場合の放射パターンの変化を示すグラフ、(b)は基板
の屈折率を変化させた場合の放射パターンの変化を示す
グラフ。
場合の放射パターンの変化を示すグラフ、(b)は基板
の屈折率を変化させた場合の放射パターンの変化を示す
グラフ。
【図16】(a)は第2誘電体層の厚さsを変化させた
場合の放射パターンの変化を示すグラフ、(b)は第1
誘電体層の最大膜厚を変化させた場合の放射パターンの
変化を示すグラフ。
場合の放射パターンの変化を示すグラフ、(b)は第1
誘電体層の最大膜厚を変化させた場合の放射パターンの
変化を示すグラフ。
【図17】(a)は第1誘電体層の最小膜厚を変化させ
た場合の放射パターンの変化を示すグラフ、(b)テー
パ長を変化させた場合の放射パターンの変化を示すグラ
フ。
た場合の放射パターンの変化を示すグラフ、(b)テー
パ長を変化させた場合の放射パターンの変化を示すグラ
フ。
【図18】条件1,2,3の場合の放射パターンを比較
して示すグラフ。
して示すグラフ。
【図19】(a)〜(c)共に放射パターンを示すグラ
フ。
フ。
【図20】光結合器の従来例を示す断面図。
【図21】光結合器の他の従来例を示す断面図。
【図22】光結合器のまた別の従来例を示す断面図。
【図23】放射パターンの種類を示すグラフ。
【図24】(a)は(b)の実験結果を得た従来の供試
用光結合器を示す断面図、(b)は縦軸に結合効率を、
横軸に入射位置をとって示す、従来例の結合効率の入射
位置特性を示すグラフ。
用光結合器を示す断面図、(b)は縦軸に結合効率を、
横軸に入射位置をとって示す、従来例の結合効率の入射
位置特性を示すグラフ。
1、11、31 第1誘電体層 2、12、32 第2誘電体層 3、13、33 基板 4、14 プリズム 5、15、35 接着部 6、16、36 光導波路 7、17、37 接着部のエッジ 18、38 テーパ部 19、39 テーパ部のエッジ 20 反射入射型プリズム 21、40 Si基板 22、41 SiO2層 34 誘電体板 51 フォトレジスト 52 接着剤注入用溝 53 位置調整装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上塚 尚登 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 大内 博文 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内
Claims (11)
- 【請求項1】 基板、該基板上に積層され、入射した光
が結合後進行するX軸方向に膜厚がテーパ形状に変化す
る部分を有する第1誘電体層及び該第1誘電体層の上に
積層された第2誘電体層で構成される光導波路を有し、
該光導波路上に接着部を介して接着された光導入手段に
より光を該光導波路の表面に所定角度で入射させる光結
合器であって、 該接着部に、該光導波路の表面との交線が直線となり、
かつ該光導入手段と該光導波路の表面とのいずれにも接
しない部分を有するエッジ面が形成され、 該第1誘電体層の膜厚がテーパ形状に変化する部分のあ
る区間Xn-1<X<Xnでの放射係数をαrnとし、該接着
部の該エッジ面からの距離がXnの位置での振幅をanと
したとき、 該光結合器を用いて波長λの光を該光導波路から放射す
る際の放射パターンが、下記(1)式の条件を満足する
ように、 an-1(1−rn)<an(1−rn+1) …(1) 但し、 rn=exp(k0αrn△X) k0=2π/λ △X=Xn−Xn-1 該第1誘電体層のテーパ形状を設定した光結合器。 - 【請求項2】 前記テーパ形状のテーパ長t、該第2誘
電体層の膜厚s、該第1誘電体層の最大膜厚D及び最小
膜厚dが下記の条件を満足するように 5[μm]<t<15[μm],300[nm]<s<
400[nm],540[nm]<D<600[n
m],320[nm]<d<400[nm] 前記テーパ形状を設定した請求項1記載の光結合器。 - 【請求項3】 前記接着部のエッジ面の前記光導波路の
表面からの高さhが、入射ビームスポットのエアリー半
径をrAとし、該光導波路の表面への入射角をθ1’とし
たとき、下記(2)式の条件を満足するように h>2rA/sinθ1’ …(2) 設定した請求項1又は請求項2記載の光結合器。 - 【請求項4】 前記光導入手段がプリズムである請求項
1〜請求項3のいずれかに記載の光結合器。 - 【請求項5】 前記光導入手段が誘電体板である請求項
1〜請求項4のいずれかに記載の光結合器。 - 【請求項6】 前記誘電体板の表面に無反射コーティン
グを施してある請求項5記載の光結合器。 - 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
光結合器の製造方法であって、 前記光導波路の表面にフォトレジストを塗布する工程
と、 該フォトレジスト上に接着剤注入用の溝を形成する工程
と、 該光導波路の表面に光導入手段を位置調整して配置する
工程と、 該光導入手段を該光導波路の表面に接着して固定する工
程と、 該フォトレジストを除去する工程とを包含する光結合器
の製造方法。 - 【請求項8】 前記光導入手段がプリズムである光結合
器の製造方法であって、 前記光導波路の表面にフォトレジストを塗布する工程
と、 該フォトレジスト上に接着剤注入用の溝を形成する工程
と、 該光導波路の表面に該プリズムを該溝を跨ぐ形で位置調
整して配置する工程と、 該光導入手段を該光導波路の表面に接着して固定する工
程と、 該フォトレジストを除去する工程とを包含する光結合器
の製造方法。 - 【請求項9】 前記フォトレジストの厚さwが、下記の
条件を満足するように、 w>h 但し、 h:接着部のエッジ面の光導波路の表面からの高さ 設定した請求項7又は請求項8記載の光結合器の製造方
法。 - 【請求項10】 前記フォトレジスト上に溝を形成する
工程の後処理として、前記光導波路の表面にRIE処理
を行う工程を包含する請求項7〜請求項9のいずれかに
記載の光結合器の製造方法。 - 【請求項11】 前記光導入手段を前記光導波路の表面
に接着して固定する工程を、光硬化性の接着剤を用いて
行う請求項7〜請求項10のいずれかに記載の光結合器
の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8290899A JPH10133055A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 光結合器及びその製造方法 |
US08/960,417 US6021239A (en) | 1996-10-31 | 1997-10-29 | Photocoupler and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8290899A JPH10133055A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 光結合器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10133055A true JPH10133055A (ja) | 1998-05-22 |
Family
ID=17761956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8290899A Pending JPH10133055A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 光結合器及びその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6021239A (ja) |
JP (1) | JPH10133055A (ja) |
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-
1997
- 1997-10-29 US US08/960,417 patent/US6021239A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210125098A (ko) * | 2016-11-08 | 2021-10-15 | 루머스 리미티드 | 광학 컷오프 에지를 구비한 도광 장치 및 그 제조 방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
US6021239A (en) | 2000-02-01 |
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