JPH10130037A - 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガラス - Google Patents
防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガラスInfo
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- C03C17/006—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面を
有し、以て乗物の安全運転性を向上した乗物用窓ガラス
を提供すること。 【解決手段】 窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光
触媒性酸化物粒子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを
含有する実質的に透明な表面層が形成されている、或い
は光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹
脂とを含有する実質的に透明な表面層が形成されている
乗物用窓ガラスであって、なおかつその表面の水との接
触角が90゜以上であるようにする。
有し、以て乗物の安全運転性を向上した乗物用窓ガラス
を提供すること。 【解決手段】 窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光
触媒性酸化物粒子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを
含有する実質的に透明な表面層が形成されている、或い
は光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹
脂とを含有する実質的に透明な表面層が形成されている
乗物用窓ガラスであって、なおかつその表面の水との接
触角が90゜以上であるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のフロント
ガラス、サイドガラス等に利用できる乗物用ガラスに関
する。
ガラス、サイドガラス等に利用できる乗物用ガラスに関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントガラス、サイドガラス
等に利用できる乗物用ガラスが雨天に降雨や水しぶきを
受けると、離散した多数の水滴が表面に付着して、可視
性が失われることはしばしば経験されることである。こ
のようにして可視性が失われると自動車の安全運転上支
障を来す。そこで、自動車その他の車両の風防ガラスに
は一般にワイパーやデフロスト装置やヒーターが組み込
んであり、それにより雨天視界性を確保している。
等に利用できる乗物用ガラスが雨天に降雨や水しぶきを
受けると、離散した多数の水滴が表面に付着して、可視
性が失われることはしばしば経験されることである。こ
のようにして可視性が失われると自動車の安全運転上支
障を来す。そこで、自動車その他の車両の風防ガラスに
は一般にワイパーやデフロスト装置やヒーターが組み込
んであり、それにより雨天視界性を確保している。
【0003】また、自動車のフロントガラス、サイドガ
ラス等に利用できる乗物用ガラスは、交通量の多い道路
走行中に、排気ガス中の煤煙やタイヤの摩耗粉や路面や
大地から舞い上がった煤塵によって汚される。乗物用ガ
ラスが汚れると透光性が低下するのでやはり自動車の安
全運転上支障を来す。
ラス等に利用できる乗物用ガラスは、交通量の多い道路
走行中に、排気ガス中の煤煙やタイヤの摩耗粉や路面や
大地から舞い上がった煤塵によって汚される。乗物用ガ
ラスが汚れると透光性が低下するのでやはり自動車の安
全運転上支障を来す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワイパ
ーやデフロスト装置やヒーターのみでは、雨天時に視界
性を確保する上で十分とは言い難い。また、乗物用ガラ
スが汚れて透光性が低下するのを防ぐには、頻繁な清掃
が要求される。そこで、本発明では、上記事情に鑑み、
汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面を有し、以て
乗物の安全運転性を向上した乗物用窓ガラスを提供する
ことを目的とする。
ーやデフロスト装置やヒーターのみでは、雨天時に視界
性を確保する上で十分とは言い難い。また、乗物用ガラ
スが汚れて透光性が低下するのを防ぐには、頻繁な清掃
が要求される。そこで、本発明では、上記事情に鑑み、
汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面を有し、以て
乗物の安全運転性を向上した乗物用窓ガラスを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光触
媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含
有する実質的に透明な表面層が形成されており、かつ前
記層表面は水との接触角が90゜以上であることを特徴
とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガ
ラスを提供する。光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥
水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている構
成にすることにより、光触媒を光励起したときに、光触
媒作用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合した
有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性
を呈するようになり、シリコーンが外気に露出した親水
性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した
撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された
構造となる。さらに、光触媒が存在することにより、光
触媒の光励起に応じてシリコーン分子中のケイ素原子に
結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換され
たシリコーンは恒久的に親水性を維持するので、上記親
水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造は維持される。このような構造
では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水性
表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性部
分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性
の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのた
め、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着さ
れることはなく、表面は清浄な状態に維持される。さら
に、水との接触角を90゜以上にすることにより、水滴
が付着しにくくなる。従って、汚れにくく、かつ水滴が
付着しにくい表面が形成可能となり、引いては乗物の安
全運転性を向上することができる。
解決すべく、窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光触
媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含
有する実質的に透明な表面層が形成されており、かつ前
記層表面は水との接触角が90゜以上であることを特徴
とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガ
ラスを提供する。光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥
水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている構
成にすることにより、光触媒を光励起したときに、光触
媒作用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合した
有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性
を呈するようになり、シリコーンが外気に露出した親水
性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した
撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された
構造となる。さらに、光触媒が存在することにより、光
触媒の光励起に応じてシリコーン分子中のケイ素原子に
結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換され
たシリコーンは恒久的に親水性を維持するので、上記親
水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造は維持される。このような構造
では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水性
表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性部
分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性
の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのた
め、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着さ
れることはなく、表面は清浄な状態に維持される。さら
に、水との接触角を90゜以上にすることにより、水滴
が付着しにくくなる。従って、汚れにくく、かつ水滴が
付着しにくい表面が形成可能となり、引いては乗物の安
全運転性を向上することができる。
【0006】窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光触
媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを
含有する実質的に透明な表面層が形成されており、かつ
前記層表面は水との接触角が90゜以上であることを特
徴とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓
ガラスを提供する。光触媒性酸化物粒子と無定型シリカ
と撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されてい
る構成にすることにより、表面層中の無定型シリカが外
気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂
が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存在す
ることにより、光触媒の光励起に応じて無定型シリカは
恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部
分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造は維持される。このような構造では、親水性表
面と撥水性表面が隣接するため、親水性表面になじみや
すい親水性の付着物は隣接する撥水性部分になじまな
い。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣
接する親水性部分になじまない。そのため、親水性付着
物も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはな
く、表面は清浄な状態に維持される。さらに水との接触
角を90゜以上にすることにより、水滴が付着しにくく
なる。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表
面が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上
することができる。
媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを
含有する実質的に透明な表面層が形成されており、かつ
前記層表面は水との接触角が90゜以上であることを特
徴とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓
ガラスを提供する。光触媒性酸化物粒子と無定型シリカ
と撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されてい
る構成にすることにより、表面層中の無定型シリカが外
気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂
が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存在す
ることにより、光触媒の光励起に応じて無定型シリカは
恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部
分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造は維持される。このような構造では、親水性表
面と撥水性表面が隣接するため、親水性表面になじみや
すい親水性の付着物は隣接する撥水性部分になじまな
い。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣
接する親水性部分になじまない。そのため、親水性付着
物も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはな
く、表面は清浄な状態に維持される。さらに水との接触
角を90゜以上にすることにより、水滴が付着しにくく
なる。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表
面が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上
することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における乗物用窓ガラスの
一態様においては、図1に示すように、窓ガラス基材の
表面には、光触媒粒子と、シリコーンと、撥水性フッ素
樹脂を含む表面層が形成されており、かつその表面にお
ける水との接触角は90゜以上である。図1に光触媒を
光励起することの可能な光が照射されると、外気に露出
したシリコーンの少なくとも一部が、光触媒作用により
シリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少な
くとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈するよう
になり、シリコーンが外気に露出した親水性を呈する部
分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。
さらに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起
に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するの
で、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双
方が表面に微視的に分散された構造は維持される。従っ
て、このような構造になることにより、親水性付着物
も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはなく、
表面は清浄な状態に維持される。さらに、水との接触角
を90゜以上にすることにより、水滴が付着しにくくな
る。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面
が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上す
ることができる。
一態様においては、図1に示すように、窓ガラス基材の
表面には、光触媒粒子と、シリコーンと、撥水性フッ素
樹脂を含む表面層が形成されており、かつその表面にお
ける水との接触角は90゜以上である。図1に光触媒を
光励起することの可能な光が照射されると、外気に露出
したシリコーンの少なくとも一部が、光触媒作用により
シリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少な
くとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈するよう
になり、シリコーンが外気に露出した親水性を呈する部
分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。
さらに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起
に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するの
で、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双
方が表面に微視的に分散された構造は維持される。従っ
て、このような構造になることにより、親水性付着物
も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはなく、
表面は清浄な状態に維持される。さらに、水との接触角
を90゜以上にすることにより、水滴が付着しにくくな
る。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面
が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上す
ることができる。
【0008】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、窓ガラス基材の表面には、光触媒粒子と、無定
型シリカと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成され
ており、かつその表面における水との接触角は90゜以
上である。光触媒粒子と、無定型シリカと、撥水性フッ
素樹脂を含む表面層が形成されている構成にすることに
より、表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触
媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維
持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。従って、このような構造になることにより、親水性
付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着されることは
なく、表面は清浄な状態に維持される。さらに、水との
接触角を90゜以上にすることにより、水滴が付着しに
くくなる。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにく
い表面が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を
向上することができる。
ように、窓ガラス基材の表面には、光触媒粒子と、無定
型シリカと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成され
ており、かつその表面における水との接触角は90゜以
上である。光触媒粒子と、無定型シリカと、撥水性フッ
素樹脂を含む表面層が形成されている構成にすることに
より、表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触
媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維
持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。従って、このような構造になることにより、親水性
付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着されることは
なく、表面は清浄な状態に維持される。さらに、水との
接触角を90゜以上にすることにより、水滴が付着しに
くくなる。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにく
い表面が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を
向上することができる。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、太陽光、街灯等の走行環境にある光源を利
用してもよいし、及び付帯設備や携帯設備として、励起
光を照射しうる光源を使用してもよい。その場合使用す
る光源には、例えば、蛍光灯、白熱電灯、水銀ランプ、
殺菌灯等が好適に利用できる。光触媒の光励起により、
基材表面が高度に親水化されるためには、励起光の照度
は0.001mW/cm2以上あればよいが、0.01
mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上
だとより好ましい。
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、太陽光、街灯等の走行環境にある光源を利
用してもよいし、及び付帯設備や携帯設備として、励起
光を照射しうる光源を使用してもよい。その場合使用す
る光源には、例えば、蛍光灯、白熱電灯、水銀ランプ、
殺菌灯等が好適に利用できる。光触媒の光励起により、
基材表面が高度に親水化されるためには、励起光の照度
は0.001mW/cm2以上あればよいが、0.01
mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上
だとより好ましい。
【0010】乗物用ガラス基材には、ガラス、複層ガラ
ス、強化ガラス、透明プラスチック等の透明基材、さら
にその上に透明なハードコートを設けた透明体等が好適
に利用できる。
ス、強化ガラス、透明プラスチック等の透明基材、さら
にその上に透明なハードコートを設けた透明体等が好適
に利用できる。
【0011】乗物用ガラス基材と表面層との間には、基
材との密着性向上等の目的で中間層を設けてもよい。
材との密着性向上等の目的で中間層を設けてもよい。
【0012】シリコーンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0013】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0014】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0015】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0016】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0017】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0018】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添
加してもよい。
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添
加してもよい。
【0019】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXqO(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
組成式 RpSiXqO(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0020】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0021】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0022】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0023】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0024】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0025】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiXqO(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式SiX
4(式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上か
らなる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
組成式 SiXqO(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式SiX
4(式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上か
らなる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
【0026】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0027】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0028】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0029】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のソーダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のソーダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
【0030】実施例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコーティ
ング液を、スプレーコーティング法にて10cm角のソ
ーダライムガラス板上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#4
試料を得た。#4試料の水との接触角は110゜であっ
た。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブ
ラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3
mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試料を得
た。その結果、#5試料の水との接触角は97.2゜と
さほど変化がなかった。上記参考例より、シリコーンが
外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素原子に
結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。また水との接触角が97.
2゜と90゜以上であることにより、ガラスを傾けると
水滴は転がりながら落下した。
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコーティ
ング液を、スプレーコーティング法にて10cm角のソ
ーダライムガラス板上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#4
試料を得た。#4試料の水との接触角は110゜であっ
た。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブ
ラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3
mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試料を得
た。その結果、#5試料の水との接触角は97.2゜と
さほど変化がなかった。上記参考例より、シリコーンが
外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素原子に
結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。また水との接触角が97.
2゜と90゜以上であることにより、ガラスを傾けると
水滴は転がりながら落下した。
【0031】次に、#5試料及び比較のためソーダライ
ムガラス板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する
表面の清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表
面の清浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図
3のように試料を設置し、4か月暴露することにより行
った。その結果、ソーダライムガラス板では多少の汚れ
が観察されたのに対し、#5試料では汚れは観察されな
かった。
ムガラス板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する
表面の清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表
面の清浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図
3のように試料を設置し、4か月暴露することにより行
った。その結果、ソーダライムガラス板では多少の汚れ
が観察されたのに対し、#5試料では汚れは観察されな
かった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、乗物用窓ガラスの少な
くとも外側表面は、水滴及び汚れが付着しにくくなるの
で、乗物の安全運転性が向上する。
くとも外側表面は、水滴及び汚れが付着しにくくなるの
で、乗物の安全運転性が向上する。
【図1】 本発明に係る乗物用窓ガラスの表面構造を示
す図。
す図。
【図2】 本発明に係る乗物用窓ガラスの他の表面構造
を示す図。
を示す図。
【図3】 本発明の実施例にに係る試験の試料の設置方
法を示す図。
法を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/18 104 C09K 3/18 104 // B60S 1/02 B60S 1/02 A
Claims (2)
- 【請求項1】 窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光
触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを
含有する実質的に透明な表面層が形成されており、かつ
前記層表面は水との接触角が90゜以上であることを特
徴とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓
ガラス。 - 【請求項2】 窓ガラス基材の少なくとも外表面に、光
触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂と
を含有する実質的に透明な表面層が形成されており、か
つ前記層表面は水との接触角が90゜以上であることを
特徴とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用
窓ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8299680A JPH10130037A (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8299680A JPH10130037A (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10130037A true JPH10130037A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17875677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8299680A Pending JPH10130037A (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10130037A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004331969A (ja) * | 2003-05-05 | 2004-11-25 | Northrop Grumman Corp | 有害な生物学的病原体及び有毒化学物質に対する保護用の自己除染または自己洗浄コーティング |
EP1346962A4 (en) * | 2000-12-18 | 2008-12-31 | Bridgestone Corp | FILM REINFORCED LENSES |
US8263228B2 (en) | 2006-02-14 | 2012-09-11 | Pilkington Automotive Limited | Vehicle glazing |
JP2014037326A (ja) * | 2012-08-14 | 2014-02-27 | Asahi Glass Co Ltd | 窓ガラスおよびその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0751646A (ja) * | 1993-08-12 | 1995-02-28 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 固体表面の汚れ浄化方法 |
JPH07171408A (ja) * | 1993-06-28 | 1995-07-11 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 光触媒体およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-10-24 JP JP8299680A patent/JPH10130037A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07171408A (ja) * | 1993-06-28 | 1995-07-11 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 光触媒体およびその製造方法 |
JPH0751646A (ja) * | 1993-08-12 | 1995-02-28 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 固体表面の汚れ浄化方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1346962A4 (en) * | 2000-12-18 | 2008-12-31 | Bridgestone Corp | FILM REINFORCED LENSES |
JP2004331969A (ja) * | 2003-05-05 | 2004-11-25 | Northrop Grumman Corp | 有害な生物学的病原体及び有毒化学物質に対する保護用の自己除染または自己洗浄コーティング |
US8263228B2 (en) | 2006-02-14 | 2012-09-11 | Pilkington Automotive Limited | Vehicle glazing |
JP2014037326A (ja) * | 2012-08-14 | 2014-02-27 | Asahi Glass Co Ltd | 窓ガラスおよびその製造方法 |
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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