JPH10120818A - 吸収性材料の製造方法 - Google Patents
吸収性材料の製造方法Info
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- JPH10120818A JPH10120818A JP8270917A JP27091796A JPH10120818A JP H10120818 A JPH10120818 A JP H10120818A JP 8270917 A JP8270917 A JP 8270917A JP 27091796 A JP27091796 A JP 27091796A JP H10120818 A JPH10120818 A JP H10120818A
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Abstract
性や保形性に優れる吸収性材料を製造することができる
と共に、製造工程を簡略化することによって生産性を向
上させ、これにより、吸収性材料を安価に製造すること
ができる吸収性材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 親水性架橋重合体の気泡含有ゲルを加圧
(圧延)する。ドライヤードラム1における加圧ローラ
2の上流側に、例えば、架橋ポリ(メタ)アクリル酸
(塩)を含む気泡含有ゲル、グリセリン(多価アルコー
ル)、およびポリエステル繊維(成形補助材料)等から
なる気泡含有ゲル組成物10をフィードする。すると、
気泡含有ゲル組成物10は、加圧ローラ2によって加圧
(圧延)・加熱され、シート11とされる。これによ
り、少なくとも片面が平滑なシート状の吸収性材料が得
られる。
Description
(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、いわゆる失禁パ
ッド等の衛生材料、結露吸水シート、農園芸用保水材、
土木用止水材、メディカルシーツ等の医療材料、食品用
鮮度保持材、食品用ドリップ吸収材等の種々の用途に好
適に用いられる吸収性材料を製造する方法に関するもの
である。
ン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料には、その構成材
として、体液を吸収させることを目的とする吸収性材料
が幅広く利用されている。一般に、上記の吸収性材料
は、粉末状や粒子状の吸水性樹脂を紙等で挟持した後、
該紙等にエンボス加工等の加工処理を施すか、若しく
は、吸水性樹脂とパルプ等とを混合してシートやフィル
ム等を作成した後、該シート等にエンボス加工等の加工
処理を施すことにより製造される。また、上記加工処理
の代わりに、熱可塑性樹脂等を用いて吸水性樹脂を基材
に封入することも行われている。
して吸収性材料を製造する方法として、例えば、特開昭
53-141357号公報、米国特許第 4,066,583号には、乾燥
した粉末状の吸水性樹脂と多価アルコールとを混合して
なる混合物を、基材であるフッ素樹脂シートに挟持した
後、該シートを加圧する方法が開示されている。また、
特開平3-174414号公報、米国特許第 5,145,906号には、
ポリアクリル酸(塩)および多糖類等からなる乾燥した
粉末状の吸水性樹脂を用いた吸収性材料、並びに、吸収
性物品である紙オムツが開示されている。
第 4,826,880号には、乾燥した粉末状の吸水性樹脂に、
総重量の20重量%〜80重量%となるように水性液を添加
して水化物を形成し、この水化物を例えば押し出しや散
布により基材に固定する方法が開示されている。また、
米国特許第 5,428,076号には、乾燥した粉末状の吸水性
樹脂を基材に固定し、シート化する方法が開示されてい
る。
開昭 53-141357号公報、米国特許第 4,066,583号、特開
平3-174414号公報、米国特許第 5,145,906号に記載の製
造方法では、重合反応によって得られる含水ゲルを乾燥
して粉砕し、ふるい分けして粉末状の吸水性樹脂を一旦
製造した後、該吸水性樹脂を基材と混合する等してシー
ト状やフィルム状に成形している。従って、吸水性樹脂
を粉末状にする際に粉塵が発生するので、取り扱いが困
難であると共に、作業環境が劣悪となる。また、吸収性
材料を製造する製造工程が煩雑であり、吸収性材料を安
価に製造することができないという問題点を有してい
る。
性樹脂粒子同士のゲルブロッキングを防止するために、
繊維状マトリックス中に配合する吸水性樹脂粒子の量を
比較的少なくしなければならない。従って、吸水性樹脂
の含有量が比較的多い吸収性材料を製造することが困難
となっている。
収性材料は、柔軟性(フレキシビリティ)や強度に乏し
い。このため、該吸収性材料をロール等に巻き取った
り、張力(テンション)を加えることが困難であるの
で、吸収性材料を連続的に製造することができない。さ
らに、上記の吸収性材料を用いて紙オムツ等の衛生材料
(吸収性物品)を製造すると、得られる衛生材料の肌触
り(いわゆるソフト感や使い心地)が不良となるという
問題点も有している。
4,826,880号、米国特許第 5,428,076号に記載の方法
も、乾燥した粉末状の吸水性樹脂を一旦得た後、シート
化するため、シート状態を保持するための不織布等の基
材が別途必要であると共に、基材と吸水性樹脂粉末との
複合化工程が煩雑となる。また、シート化中に粉塵が発
生するという問題点も有している。しかも、得られた吸
収性材料は、シートの柔軟性が不充分であり、吸水速度
や加圧下の吸収倍率も小さく、シートの保形性から、単
位面積当たりの吸水性樹脂重量が少なくなり、吸水特性
が不充分になり易い。
られた吸収性材料は、何れも、吸水速度や加圧下の吸収
倍率等の各種吸収特性や保形性が充分であるとは言い難
い。このため、各種吸収特性や保形性、柔軟性、強度等
にさらに優れる吸収性材料が嘱望されている。
たものであり、その主たる目的は、吸収速度や加圧下の
吸収倍率等の各種吸収特性や保形性に優れる吸収性材料
を製造することができると共に、製造工程を簡略化する
ことによって生産性を向上させ、これにより、吸収性材
料を安価に製造することができる吸収性材料の製造方法
を提供することにある。
的を達成すべく鋭意検討した結果、親水性架橋重合体の
気泡含有ゲルを加圧することにより、吸収性材料を安価
に製造することができることを見い出すと共に、得られ
る吸収性材料が、吸収速度や加圧下の吸収倍率等の各種
吸収特性や保形性に優れることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
製造方法は、上記の課題を解決するために、親水性架橋
重合体の気泡含有ゲルを加圧することを特徴としてい
る。
法は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸
収性材料の製造方法において、上記気泡含有ゲルがさら
に多価アルコールを含むことを特徴としている。
法は、上記の課題を解決するために、請求項1または2
記載の吸収性材料の製造方法において、上記気泡含有ゲ
ル中の水分量が30重量%〜90重量%の範囲内であること
を特徴としている。
法は、上記の課題を解決するために、請求項1〜3の何
れか1項に記載の吸収性材料の製造方法において、加圧
しながら上記気泡含有ゲルの水分を減少させることを特
徴としている。
吸収倍率等の各種吸収特性や保形性に優れた吸収性材料
を提供することができる。そして、吸収性材料が成形補
助材料を含む場合には、該吸収性材料の保形性がより一
層良好となると共に、柔軟性や強度をより一層向上させ
ることができる。
ゲルを加圧することで、吸水性樹脂としての多孔質の親
水性架橋重合体粒子が偏平に歪められた状態で固定され
る。このため、該吸水性樹脂は、内在する歪みエネルギ
ーにより、水と接触すると素早く水を吸収し、加圧前の
状態に復元するように異方膨潤する。従って、上記の製
造方法によれば、上記吸水性樹脂が加圧前の形状を記憶
していることで、吸収速度や加圧下の吸収倍率等の各種
吸収特性や保形性に特に優れる吸収性材料を提供するこ
とができる。
ルがさらに多価アルコールを含むことで、シート状に成
形し易く、しかも、柔軟性や強度、クッション性等に優
れる吸収性材料を得ることができると共に、上記形状記
憶力を向上させることができる。また、上記親水性架橋
重合体の気泡含有ゲル中の水分量や可溶成分量、気泡の
孔径や単位体積あたりの数、親水性架橋重合体の主鎖の
種類、気泡含有ゲルの平均粒子径や乾燥平均粒子径等を
特定することで、より一層、形状記憶力を向上させるこ
とができる。
重合体の気泡含有ゲル、つまり、吸水性樹脂の気泡含有
ゲルを一旦粉末状にすることなく、しかも、気泡含有ゲ
ルから直接、親水性架橋重合体が固定された吸収性材料
を製造することができる。従って、乾燥して粉砕し、ふ
るい分けする等の各種工程が不要となるので、粉塵が発
生することがなく、取り扱いが容易となり、作業環境が
改善されると共に、製造工程が簡略化され、生産性を向
上させることができる。これにより、吸収性材料を安価
にかつ簡単に製造することができる。
製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1〜
4の何れか1項に記載の吸収性材料の製造方法におい
て、上記気泡含有ゲルを圧延してシート状にすることを
特徴としている。
に柔軟性や強度を付与することができると共に、親水性
架橋重合体の気泡含有ゲルを圧延してシート状にするの
で、該吸収性材料をロール等に巻き取ったり、張力(テ
ンション)を加えることができる。これにより、吸収性
材料を連続的に製造することができる。
の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項5
記載の吸収性材料の製造方法において、シートの第1面
と第2面とで温度差が生じるように加圧と同時に加熱す
ることを特徴としている。
2面とで温度差が生じるように加圧と同時に加熱するこ
とで、シートの第1面と第2面とで前記吸水性樹脂の架
橋構造の歪みの程度に差が生じる。このため、吸水、膨
潤時に、シートの第1面と第2面とで吸水性樹脂の復元
力が異なり、該吸収性材料は、平面のシートであって
も、低温域を内側として、曲率を有するようにカールし
ながら膨潤する。従って、上記の構成によれば、該吸収
性材料を、例えばオムツや生理用ナプキン等の衛生材料
(吸収性物品)に用いた場合、ボディーラインにフィッ
トし、液モレを防止することができる。
かかる吸収性材料の製造方法は、親水性架橋重合体の気
泡含有ゲルを加圧する方法であり、好ましくは加圧しな
がら同時に水分を減少させることで、偏平な状態に圧縮
成形する方法である。本発明において用いられる親水性
架橋重合体の気泡含有ゲルとは、水等の水性溶媒を吸収
することによって膨潤したゲル状の親水性架橋重合体
が、その内部に気泡(空隙部)を含有している状態を示
す。
る方法としては、例えば、親水性架橋重合体の含水ゲル
を沸騰させることによりゲル内部に気泡を形成する方法
もあるが、物性面から、親水性架橋重合体を製造する際
に発泡剤を使用する方法が好ましい。
ン性不飽和単量体を含む単量体成分を、水性溶媒を溶媒
として用いて重合反応させることにより、容易に得るこ
とができる。尚、水性溶媒としては水がより好ましい
が、特に限定されるものではない。また、親水性架橋重
合体の含水ゲルを得る方法は、特に限定されるものでは
ない。
を有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和単量体と
しては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、β
−アクリロイルオキシプロピオン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不
飽和カルボン酸またはこれらの中和物;2−(メタ)ア
クリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイ
ルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸等のアニオン性単量体またはこれらの
塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリ
ルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の
ノニオン性の親水基を有する単量体;N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基
を有する単量体またはこれらの四級塩;等が挙げられ
る。これらエチレン性不飽和単量体は、単独で用いても
よく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
種吸収特性を考慮すると、上記例示のエチレン性不飽和
単量体のうち、(メタ)アクリル酸およびその中和物
(以下、(メタ)アクリル酸(塩)と記す)、2−(メ
タ)アクリロイルエタンスルホン酸(塩)、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(塩)、(メタ)アクリルアミド、メトキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、および、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその
四級塩、からなる群より選ばれる少なくとも一種類以上
の化合物がより好ましく、(メタ)アクリル酸(塩)を
含む少なくとも一種類以上の化合物がさらに好ましい。
特に、エチレン性不飽和単量体が(メタ)アクリル酸
(塩)を含んでなる場合には、該(メタ)アクリル酸の
0モル%〜90モル%が塩基性物質で中和されていること
が最も好ましい。さらに、(メタ)アクリル酸の中和率
が50モル%以下である場合には、単量体成分を重合反応
させた後、該重合物を含水ゲル(気泡含有ゲル)の状態
で、塩基性物質で中和することが好ましい。つまり、親
水性架橋重合体は、架橋ポリ(メタ)アクリル酸(塩)
を含むことがより好ましい。尚、上記塩基性物質として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、エタノ
ールアミン等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
重合体の親水性を実質的に阻害しない程度に、エチレン
性不飽和単量体と共重合可能な他の単量体(以下、共重
合体と称する)を含んでいてもよい。上記の共重合体と
しては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等の疎水性単量体;等が挙げ
られる。これら共重合体は、単独で用いてもよく、ま
た、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
含有ゲルを得る際に用いることができる発泡剤として
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば、窒素等の不活性気体;メチルアルコールやシクロヘ
キサン等の各種有機溶媒;炭酸(水素)ナトリウム、炭
酸(水素)アンモニウム、炭酸(水素)カリウム、炭酸
マグネシウム、二酸化炭素、エチレンカーボネート等の
炭酸類;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミジン)二塩酸塩、2,2−アゾビス(2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−
アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)
−プロピオンアミド〕等の水溶性アゾ化合物;2,2’
−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二アクリ
ル酸塩等の水均一分散性アゾ化合物;等が挙げられる。
また、発泡のコントロールのために、水溶性高分子や界
面活性剤を発泡剤と併用してもよい。
活性剤の使用量は、それぞれ適宜決定されるが、単量体
成分の全量に対して通常、炭酸類で 200重量%以下、好
ましくは 100重量%以下、アゾ化合物で5重量%以下、
好ましくは1重量%以下、水溶性高分子で10重量%以
下、好ましくは5重量%以下、界面活性剤で2重量%以
下、好ましくは1重量%以下で使用される。
えば、重合開始剤、或いは、放射線や電子線、紫外線、
電磁線等の活性エネルギー線等を用いることができる。
上記の重合開始剤としては、具体的には、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、
過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルハイドロパー
オキサイド、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオ
キサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(N,
N’−ジメチレンイソブチルアミジン)またはその塩、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)またはそ
の塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ
化合物;等のラジカル重合開始剤が挙げられる。これら
重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。また、重合開始剤として過酸化物を
用いる場合には、例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、L−
アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合を
行っても良い。
に対して 0.001重量%〜5重量%の範囲内が好ましく、
0.01重量%〜1重量%の範囲内がより好ましい。重合開
始剤の使用量が 0.001重量%よりも少ない場合には、重
合開始剤を用いる効果が乏しいので好ましくない。ま
た、重合開始剤を5重量%を超えて使用しても、上記の
範囲内で使用した場合と比較して、さらなる効果が期待
できず、しかも、得られる親水性架橋重合体の平均分子
量が低下し、形状記憶が不充分となるので好ましくな
い。尚、単量体成分の重合方法は、特に限定されるもの
ではない。
吸収特性を備えることができるように、複数の重合性不
飽和基および/または複数の反応性基を有する架橋剤と
反応または共重合させることにより、その内部が架橋さ
れていることが好ましい。即ち、親水性架橋重合体は、
三次元の網目構造を備えていることで形状記憶が達成さ
れる。上記親水性架橋重合体は、架橋剤を必要としない
自己架橋型であってもよいが、架橋剤を用いる方が好ま
しい。
ン性不飽和単量体またはその重合体と反応可能な化合物
であればよく、特に限定されるものではない。架橋剤と
しては、具体的には、例えば、テトラアリロキシエタ
ン、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルアミ
ン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、(ポリ)グリ
セリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、(ポ
リ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポ
リ)グリセロールポリグリシジルエーテル、エピクロル
ヒドリン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、
(ポリ)塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カ
ルシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。これら架
橋剤は、その反応性を考慮して、重合時または重合後
に、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。上記例示の架橋剤のうち、複数の重合性基を有
する架橋剤を用いること、中でも、トリアリルアミン、
テトラアリロキシエタン、N,N’−メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、および、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少
なくとも一種の架橋剤を単量体成分と混合して用いるこ
とがより好ましい。
して 0.001モル%〜2モル%の範囲内が好ましく、0.01
モル%〜1モル%の範囲内がより好ましい。架橋剤の使
用量が 0.001モル%よりも少ない場合、気泡含有ゲルが
圧縮時に潰れてしまい、所望の吸収特性を備えることが
できなくなる場合がある。一方、架橋剤の使用量が2モ
ル%よりも多い場合には、気泡含有ゲルの圧縮が困難で
あり、得られる吸収性材料が所望の吸収特性を備えるこ
とができなくなるので好ましくない。
ン、セルロース、キチン、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸(塩)やその架橋体、ポリエチレングリコー
ル等の親水性高分子の存在下で重合反応させてもよい。
これにより、単量体成分の重合反応と並行して、グラフ
ト結合やコンプレックスを形成する反応が進行する。つ
まり、単量体成分の重合物と親水性高分子との間でグラ
フト結合やコンプレックスが形成された親水性架橋重合
体を得ることができる。
に限定されるものではなく、水溶液重合法や逆相懸濁重
合法等の公知の各種重合方法を採用することができる。
単量体成分を水溶液重合させる場合には、単量体成分の
水溶液を攪拌しても攪拌しなくてもよいが、反応中に少
なくとも所定時間、単量体成分の水溶液を静置状態とす
ることが、発泡剤による発泡を効率的に行う上で好まし
い。そして、重合開始時から重合率が10%以上となるま
での時間、より好ましくは30%以上となるまでの時間、
さらに好ましくは50%以上となるまでの時間、特に好ま
しくは重合終了時までの時間、単量体成分の水溶液を静
置状態とすることにより、発泡剤による発泡をより一層
効率的に行うことができる。尚、発泡剤を分散させてか
ら単量体成分の重合を開始するまでの時間は、特に限定
されるものではないが、比較的短時間であるほうが好ま
しい。
合体は、水性溶媒を吸収することによって膨潤し、該親
水性架橋重合体と水性溶媒との合計量に対する該水性溶
媒の割合(以下、水分量と称する)が約30重量%以上に
なると、ゲル状態となる。つまり、本発明にかかる親水
性架橋重合体の気泡含有ゲルは、その水分量が約30重量
%以上、好ましくは30重量%〜90重量%の範囲内、より
好ましくは40重量%〜80重量%の範囲内である。これら
の水分量は、重合前の単量体濃度で調整してもよいし、
重合後、必要により、乾燥ないし水性溶媒の後添加を行
うことによって調整してもよい。
には、親水性架橋重合体がゲル状態とならないので該親
水性架橋重合体を圧延することが困難となる。つまり、
親水性架橋重合体(気泡含有ゲル)が剛直で、該親水性
架橋重合体を圧延する場合に、吸水性樹脂、即ち、親水
性架橋重合体粒子一粒一粒を、歪みをもたせた偏平な状
態になるまで充分に圧縮することが困難となる。
は、該気泡含有ゲルの取り扱い性が低下すると共に、該
気泡含有ゲルを圧延することが困難となる。この場合に
は、該気泡含有ゲルのゲル強度が不足し、該気泡含有ゲ
ルが水分を失って圧縮される際に、吸水性樹脂としての
親水性架橋重合体粒子が歪まず、単に潰れてしまうの
で、吸水により元の形状を回復させることができなくな
る虞れがある。つまり、形状記憶が困難となる。従っ
て、得られる吸収性材料の吸収速度や加圧下の吸収倍率
等の各種吸収特性が低下する場合があるので好ましくな
い。尚、本願において形状記憶とは、吸水性樹脂として
の親水性架橋重合体粒子が歪んだ状態で固定され、吸水
による膨潤時には、非相似形に膨潤して加圧(圧縮)前
の形状に戻る状態を示す。上記吸水性樹脂が非相似形に
膨潤(異方膨潤)することは、圧縮後の吸水性樹脂の形
状と、吸水、膨潤後の該吸水性樹脂の形状を比較すれ
ば、一目瞭然である。
血等の体液;肉や魚、野菜、果物等の食品から滲み出る
ドリップ(汁);等の水性液体をさらに吸収することが
できる。つまり、上記気泡含有ゲルは、水性液体と接触
すると、該水性液体を吸収して膨潤し、さらなる体積膨
張を引き起こす。該気泡含有ゲルは、自重(気泡含有ゲ
ルの重量)の少なくとも3倍重量以上の水性液体を吸収
する能力を備えていることが望ましい。
有ゲルが塊状である場合には、該気泡含有ゲルを所定の
粒子径を有する粒子状に解砕することがより好ましい。
該気泡含有ゲルを粒子状に解砕する解砕方法は、特に限
定されるものではなく、例えば、ゲル状重合体に剪断力
を加える方法等の公知の各種解砕方法を採用することが
できる。ゲル状重合体に剪断力を加えるのに好適な装置
としては、具体的には、例えば、ミートチョッパー等の
スクリュー型押出機;各種カッター;(機械)加圧ニー
ダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー等の
ニーダー等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。
えば、単量体成分の水溶液を分散剤の存在下で疎水性有
機溶媒に懸濁させて重合させる方法等が挙げられる。逆
相懸濁重合法を採用することにより、重合反応が終了し
た時点で、解砕することなく、球状(粒子状)の気泡含
有ゲルが得られる。
媒を用いて発泡剤の存在下で重合反応させることによ
り、親水性架橋重合体の気泡含有ゲルが生成する。つま
り、上記単量体成分に発泡剤を添加することで、単量体
水溶液中に溶解した発泡剤が、重合時に系内の温度上昇
に伴って析出、発泡し、得られる重合体(ゲル状重合
体)中に気泡(空隙部)を形成する。これにより、内部
に多数の気泡を有する多孔質の含水ゲル(気泡含有ゲ
ル)を得ることができる。
して、多孔質の含水ゲルが用いられる。本発明において
多孔質とは、含水ゲル(気泡含有ゲル)の体積1cm3 あ
たり、気泡を少なくとも10個、好ましくは 100個以上、
より好ましくは 1,000個以上、特に好ましくは10,000個
以上含むものを示す。尚、上記気泡が連続気泡である
か、独立気泡であるかは特に問わない。
含むことにより、該気泡含有ゲルは未発泡の含水ゲルの
1.01倍〜10倍、好ましくは1.05倍〜5倍、より好ましく
は 1.1倍〜3倍もの体積膨張率を示す。
張率が1.01倍未満の場合、上記含水ゲルが気泡を含むこ
とによる、吸収速度や通液性の向上効果が充分に得られ
ない場合がある。また、上記気泡の個数が 1,000,000個
を越えるか、体積膨張率が未発泡の含水ゲルの10倍を越
えると、製造装置の容積効率が低下し、コストアップに
繋がると共に、場合によっては圧縮復元が困難となる場
合がある。
によって該気泡含有ゲルの断面の画像分析を行うことに
より求められる。つまり、画像分析を行うことにより該
気泡含有ゲルの孔径の分布を表すヒストグラムを作成
し、該ヒストグラムから孔径の数平均を算出することに
より、平均孔径が求められる。尚、この場合の光学顕微
鏡写真の拡大倍率は特に限定されるものではないが、好
ましくは10倍〜 1,000倍、さらに好ましくは20倍〜 100
倍である。
よび通液性の面から、1μm〜1,000 μmの範囲内、好
ましくは10μm〜 300μmの範囲内、さらに好ましくは
20μm〜 200μmの範囲内に調節される。該気泡含有ゲ
ルの孔径が上記範囲内に調節されることで、吸収速度や
通液性に優れる吸収性材料を得ることができる。
孔質となっているので、無加圧下並びに加圧下におい
て、該気泡含有ゲル内部、つまり、吸水性樹脂内部に水
性液体が移行するのに必要な導液空間が充分に確保され
ている。従って、該気泡含有ゲルは、水性液体の通液性
や拡散性に優れており、かつ、毛細管現象により、吸水
速度や保水能等を向上させることができる。
ることが好ましい。該粒子、つまり、吸水時の吸水性樹
脂の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、立
方体状、多面体状、球状、円板状、角板状、棒状、針
状、繊維状、薄片(フレーク)状、或いは、不定形状
(不規則な形状)等の種々の形状を有することができ
る。さらに、上記気泡含有ゲルは、一次粒子であっても
よく、また、一次粒子が凝集した凝集体(二次粒子)で
あってもよい。これら形状のうち、粉砕工程を経て得ら
れた、粒子径が不揃いな不定形状、または、逆相懸濁重
合で得られた球状が好ましい。
度分布を有していてもよいが、所定範囲の粒度分布、お
よび、所定の平均粒子径を有していることが好ましい。
そして、該気泡含有ゲルは、該気泡含有ゲルを乾燥させ
たときの平均粒子径、即ち、親水性架橋重合体の平均粒
子径(以下、乾燥平均粒子径と称する)が、50μm〜2,
000μmの範囲内、より好ましくは50μm〜 1,500μm
の範囲内、さらに好ましくは50μm〜 1,000μmの範囲
内、特に好ましくは50μm〜 600μmの範囲内となるよ
うな平均粒子径を有していることがより望ましい。
収性物品にいわゆるソフト感や良好な使い心地、風合い
を付与することができるように、粒子径が5mm以上の粒
子を実質的に含んでいないことが好ましく、さらに、粒
子径が3mm以上の粒子を実質的に含んでいないことがよ
り好ましい。乾燥平均粒子径が 2,000μmを超える気泡
含有ゲルは、該気泡含有ゲルの単位重量当たりの表面積
が比較的小さくなる。従って、得られる吸収性材料の吸
収速度が小さくなるので好ましくない。乾燥平均粒子径
が50μmよりも小さい気泡含有ゲルは、該気泡含有ゲル
の取り扱い性や通液性が低下するので好ましくない。
分級した後、以下の方法で換算することにより求めるこ
とができる。即ち、先ず、所定の大きさのビーカ(容
器)をマグネチック・スターラ上に載置し、該ビーカ
に、塩化ナトリウムの20重量%水溶液 1,200gを入れ
る。次に、該水溶液に、粒子径の測定を所望する固形分
α重量%の気泡含有ゲル25gを投入した後、ビーカ内の
回転子を 300 rpmで回転させることにより、気泡含有ゲ
ルを分散させる。60分間攪拌した後、該分散液を、目開
きの細かさの順に積み上げた6つのふるい上(つまり、
最上段のふるい上)に注ぐ。上記6つのふるいの目開き
rn は、下から順に、r1 = 0.075mm、r2 =0.30mm、
r3 =0.60mm、r4 =0.85mm、r5 = 2.0mm、r6 =
9.5mmとする。さらに、最上段のふるい上に、塩化ナト
リウムの20重量%水溶液 6,000gをゆっくりと均一に注
ぐ。これにより、気泡含有ゲルを分級する。
含有ゲルを充分に水切りした後、該気泡含有ゲルの重量
をそれぞれ測定する。そして、各気泡含有ゲルの重量の
和、つまり、分級・水切りされた気泡含有ゲルの総重量
をW(g)とする。そして、次式、 Rn =〔(α/100 )・(25/W)〕1/3 ×rn に従って、上記の目開きrn を、乾燥させた気泡含有ゲ
ルを分級したと仮定した場合に相当する目開きRn (m
m)に換算する。また、各ふるい上に残った気泡含有ゲ
ルの重量の、総重量Wに対する割合(重量%)をそれぞ
れ算出する。
n と、各目開きRn (つまり、R1 、R2 、R3 、
R4 、R5 、R6 )の換算に用いた目開きrn を有する
ふるい上に残った気泡含有ゲルの割合とをプロットす
る。そして、該プロットによって得られるグラフから、
総重量Wに対する気泡含有ゲルの重量の割合が50重量%
となる目開きRを読み取り、この値を乾燥させた気泡含
有ゲルの平均粒子径(mm)とする。これにより、上記の
乾燥平均粒子径が求められる。
面から、該気泡含有ゲルを乾燥させたときのBET比表
面積が、 300μm〜 600μmの粒子において、0.025 m2
/g以上、好ましくは0.03m2/g以上、さらに好ましくは0.
04m2/g以上となるような比表面積を有していることが好
ましい。尚、上記比表面積の測定方法については実施例
にて後述する。
20重量%以下、好ましくは 0.1重量%〜20重量%の範囲
内、さらに好ましくは1重量%〜15重量%の範囲内で含
んでいることが好ましい。上記水可溶成分の含有量が20
重量%を越えると、該気泡含有ゲルのゲル強度が不充分
となるので好ましくない。また、上記水可溶成分の含有
量が 0.1重量%未満では、吸収倍率や吸収速度が不充分
となる場合がある。
〜 99.99%の範囲内であることが好ましい。上記気泡含
有ゲルの重合率が90%未満であれば、水分を減少させる
際に物性の低下を招くと共に、上記形状記憶が困難とな
る虞れがある。
や可溶成分量、気泡の孔径や単位体積あたりの数、親水
性架橋重合体の主鎖の種類、気泡含有ゲルの平均粒子径
や乾燥平均粒子径等を特定することで、より一層、形状
記憶力を向上させることができる。
上記気泡含有ゲルが、さらに多価アルコールを含んでい
ることが好ましい。上記の多価アルコールとしては、具
体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコ
ール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグ
リセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロ
パン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポ
リオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレ
ン・ブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、ポリビニルアルコール、グルコース、マンニッ
ト、ショ糖、ブドウ糖等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。これら多価アルコールは、単独で用い
てもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。上記例示の多価アルコールのうち、グリセリンが特
に好ましい。
を含むことで、シート状に成形し易く、また、柔軟性や
強度、クッション性に優れた吸収性材料を得ることがで
きる。しかも、該吸収性材料が水と接触した場合に、吸
水性樹脂、つまり、親水性架橋重合体粒子が、加圧前の
形状に復元し易くなる。つまり、上記形状記憶力を向上
させることができる。
ルとの合計量(以下、単に合計量と称する)に対する該
多価アルコールの割合は、 0.1重量%〜80重量%の範囲
内が好ましく、1重量%〜60重量%の範囲内がより好ま
しく、5重量%〜30重量%の範囲内がさらに好ましい。
尚、気泡含有ゲルの固形分とは、気泡含有ゲル中の親水
性架橋重合体の量(含有量)を示す。
とにより、シート状に成形し易く、しかも、気泡含有ゲ
ルが解砕され易くなると共に、吸収性材料の柔軟性や強
度(引張強度、引裂強度等)が向上する。上記合計量に
対する多価アルコールの割合が 0.1重量%よりも少ない
場合には、該多価アルコールを用いることによる効果が
乏しく、吸収性材料に柔軟性や強度を付与することがで
きないので好ましくない。一方、上記合計量に対する多
価アルコールの割合が80重量%よりも多い場合には、該
多価アルコールの使用量が多くなり過ぎ、吸収性材料が
べたつくと共に、該吸収性材料の各種吸収特性が低下す
るので好ましくない。尚、気泡含有ゲルと多価アルコー
ルとの混合方法、つまり、気泡含有ゲルと多価アルコー
ルとの混合物(以下、単に混合物と記す)の調製方法
は、特に限定されるものではない。
さらに、表面架橋剤を添加することにより、親水性架橋
重合体に表面架橋(二次架橋)を導入してもよい。上記
の表面架橋剤は、複数の反応性基を有し、親水性架橋重
合体が有するカルボキシル基等の官能基と反応する化合
物であればよく、一般に該用途に用いられる公知の表面
架橋剤を採用することができる。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリ
プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、
2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−
シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロ
ピレン、オキシエチレン−オキシプロピレン・ブロック
共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリ
ビニルアルコール、グルコース、マンニット、ショ糖、
ブドウ糖等の多価アルコール;エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロー
ルポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル等の多価エポキシ化合物;エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
ン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物;2,4
−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチ
レンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;
1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3
−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオ
キソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−
ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オ
ン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,
6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3
−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート
化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α
−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;
亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、
ジルコニウム等の多価金属の水酸化物や塩化物等の多価
金属化合物;等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら表面架橋剤は、単独で用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。これら表面架橋剤の
なかでも、多価エポキシ化合物が好ましい。
橋重合体に表面架橋を導入することにより、吸収性材料
の加圧下の吸収倍率がより一層向上する。また、水性液
体を吸収する際の該水性液体の拡散性および通液性等の
各種吸収特性が向上する。さらに、水性液体に接触した
ときに該水性液体に溶出する成分、即ち、いわゆる水可
溶性成分の量を低減することができる。
橋剤の種類や組み合わせ、所望する表面架橋の度合い等
に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものでは
ないが、0〜10重量%の範囲内、好ましくは 0.001重量
%〜5重量%の範囲内、さらに好ましくは0.01重量%〜
1重量%の範囲内である。
面架橋剤との混合方法は、特に限定されるものではな
い。上記気泡含有ゲルを加圧する際に加熱することによ
り、親水性架橋重合体と表面架橋剤との架橋反応をさら
に進行させることができる。
際には、必要に応じて、成形補助材料を用いることがで
きる。つまり、吸収性材料は、気泡含有ゲルおよび多価
アルコールの他に、成形補助材料を必要に応じて含んで
いてもよい。該成形補助材料としては、例えば、界面活
性剤、繊維、水に対して不溶な各種微粒子等が挙げられ
る。これら成形補助材料は、単独で用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。吸収性材料をシート
状に形成する場合には、該吸収性材料が繊維を含むこと
が好ましい。
面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性
剤、および、両性イオン界面活性剤等が挙げられる。ア
ニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、オ
レイン酸ナトリウムやヒマシ油カリ等の脂肪酸塩、ラウ
リル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウム等のア
ルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エ
ステル塩等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。ノニオン系界面活性剤としては、具体的には、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、オキシエチレン−オキシプロ
ピレン・ブロック共重合体等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。カチオン系界面活性剤としては、
具体的には、例えば、ラウリルアミンアセテートやステ
アリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリ
ルトリメチルアンモニウムクロライドやステアリルトリ
メチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。両性
イオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ラウ
リルジメチルアミンオキサイド等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これら界面活性剤は、単独で
用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。界
面活性剤を用いることにより、上記気泡含有ゲルをシー
ト状により一層容易に圧延することができる。
であってもよい。繊維としては、例えば、パルプ等の木
材繊維、麻等の天然繊維、ポリエステル等の合成繊維、
ガラス繊維等の無機繊維等が挙げられるが、その材質
は、特に限定されるものではない。また、ポリエステル
としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等が挙げられる。これら繊維は、単独で用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。また、これら
繊維からなる紙(和紙)、糸、織布、不織布等を用いる
こともできる。繊維を用いることにより、得られる吸収
性材料の吸収速度をより一層大きくすることができると
共に、保形性をより一層向上させることができる。ま
た、吸収性材料をシート状に形成する場合には、その厚
みをより一層薄くする(例えば、数mm程度)ことができ
る。尚、気泡含有ゲル或いは混合物と繊維とを混練機を
用いて混練する場合には、混練機の攪拌翼に繊維が絡ま
ないように、長さ2mm〜50mm、好ましくは10mm〜40mm、
より好ましくは20mm〜30mm程度の短繊維を用いる方が好
ましい。
ば、雲母、パイロフィライト、カオリナイト、ハルサイ
ト、およびこれら無機物に類似した粘土鉱物;例えばア
エロジル200(商品名:日本アエロジル株式会社
製)、カープレックス#80(商品名:塩野義製薬株式
会社製)等の、平均粒子径が50μm以下のシリカ(二酸
化ケイ素);カーボンブラック、活性炭;等が挙げられ
る。これら微粒子は、単独で用いてもよく、また、二種
類以上を併用してもよい。
材料の種類や組み合わせ等に応じて適宜設定すればよ
く、特に限定されるものではないが、例えば、気泡含有
ゲルの固形分(つまり、親水性架橋重合体) 100重量部
に対して、成形補助材料の合計量が0.01重量部〜 100重
量部の範囲内、好ましくは 0.1重量部〜50重量部の範囲
内、より好ましくは 0.1重量部〜30重量部の範囲内とな
るように設定すればよい。成形補助材料の使用量が 100
重量部を超える場合には、得られる吸収性材料が比較的
硬くなり易い。尚、気泡含有ゲル或いは混合物と成形補
助材料との混合方法や混合条件等は、特に限定されるも
のではない。
特に限定されるものではなく、公知の種々の方法を採用
することができる。また、加圧する際に用いられる加圧
装置としては、加圧しながら気泡含有ゲルの水分(水性
溶媒の量)を減少(蒸発)させることができる装置が好
適であり、さらに、圧延してシート状にすることができ
る装置が最適である。上記の加圧装置としては、具体的
には、例えば、圧縮装置を併置したドラムドライヤー等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。
と同時に気泡含有ゲルの水分の減少を行うことで圧縮成
形することが好ましい。これにより、加圧前の形状を記
憶した吸収性材料を得ることができる。
行うには、例えば、(i) 圧縮しながら室温以下で減圧し
て水分を減少させる方法、(ii)加圧しながら親水性有機
溶媒に浸漬して水分を除去する方法、(iii) 加圧しなが
ら加熱する方法等が挙げられる。そのなかでも、(iii)
の方法が最も好ましい。
ば、熱源の加熱面と直接接触させることにより気泡含
有ゲルの加熱を行う伝導伝熱型加熱方法、加熱空気や
水蒸気等による熱風伝熱型加熱方法、赤外線や遠赤外
線等による輻射伝熱型加熱方法、マイクロ波等による
誘電加熱等が適宜選択して用いられる。そのなかでも、
加熱プレートや加熱ドラム、加熱ローラー、加熱ベルト
等を用いた伝導伝熱型加熱方法が好ましく、吸収性材
料における加熱面、つまり、気泡含有ゲルの加熱面を、
プレート、ドラム、ローラー、ベルト等を複数組み合わ
せて加熱と同時に加圧する方法が特に好ましい。
ば加熱装置との接触面である加熱面(第1面)とその裏
面、つまり、第1面とは気泡含有ゲルの厚み方向の反対
面(第2面)とで温度差が生じるように上記気泡含有ゲ
ルの加熱面を、加熱と同時に加圧することにより、吸水
性樹脂の架橋構造に歪みの差を持たせてもよい。上記の
方法でシート状の吸収性材料を得る場合、吸水、膨潤時
に、シートの第1面(つまり、加熱面)と第2面(例え
ば、非加熱面或いは低温面)とで吸水性樹脂の復元力
(形状記憶力)が異なることから、上記シート状の吸収
性材料を、低温域を内側として、曲率を有するようにカ
ールさせることができる。上記シート状の吸収性材料
は、例えば、生理食塩水を、親水性架橋重合体の重量の
1倍〜50倍、好ましくは2倍〜25倍、さらに好ましくは
5倍〜20倍吸収することでカールする。
置したドラムドライヤーを用いた気泡含有ゲル(気泡含
有ゲル組成物)の加圧方法、つまり、圧延方法の一例に
ついて以下に簡単に説明する。尚、気泡含有ゲルの加圧
方法は、圧縮装置を併置したドラムドライヤーを用いた
方法にのみ限定されるものではない。
シングルドラムドライヤーであり、圧縮装置を併置した
ドラムドライヤー(シングルドラムドライヤー)は、図
1に示すように、ドライヤードラム1、圧縮装置として
の加圧ローラ2、スクレーパー3、および図示しない駆
動装置等を備えている。ドライヤードラム1は、ステン
レス等からなっており、例えば数 rpm以下の回転数で矢
印A方向に回転駆動するようになっている。また、ドラ
イヤードラム1には、該ドライヤードラム1表面を所定
温度に加熱することができる図示しない加熱装置が内蔵
されている。
おり、ドライヤードラム1表面との間に所定の間隔、つ
まり、隙間が形成されるように配設されている。また、
加圧ローラ2は、ドライヤードラム1の回転数に対応す
る所定の回転数で矢印B方向に回転駆動するようになっ
ている。そして、加圧ローラ2は、ドライヤードラム1
表面にフィードされた気泡含有ゲル組成物10(後述す
る)に対して、所定の圧力を加えることができるように
なっている。つまり、ドラムドライヤーは、気泡含有ゲ
ル組成物10を加圧しながら気泡含有ゲルの水分を減少
させるようになっている。
面に当接されており、該表面に貼着しているシート11
(後述する)を掻き取るようになっている。尚、ドライ
ヤードラム1表面および加圧ローラ2表面は、鏡面仕上
げがなされている。また、加圧ローラ2には、該加圧ロ
ーラ2表面を所定温度に加熱することができる加熱装置
が内蔵されていてもよい。
ラム1に併置した加圧ローラ2の上流側に、気泡含有ゲ
ル、多価アルコール、および必要に応じて成形補助材料
からなる気泡含有ゲル組成物10をフィードする。する
と、該気泡含有ゲル組成物10は、ドライヤードラム1
表面に付着した状態で、矢印A方向に搬送され、ドライ
ヤードラム1と加圧ローラ2との間の隙間に達する。
ローラ2によって、その厚みが、加圧していない状態に
おける厚みの15%以下、好ましくは10%以下、より好ま
しくは5%以下となるように加圧(圧延)され、シート
11とされる。そして、該シート11は、ドライヤード
ラム1表面に貼着した状態で矢印A方向に搬送されなが
ら、該ドライヤードラム1表面を介して上記の加熱装置
によって加熱される。ドライヤードラム1表面の温度、
つまり、気泡含有ゲル組成物10の加熱温度は、室温
(常温)〜 300℃が好ましく、50℃〜 200℃がより好ま
しく、 100℃〜 150℃がさらに好ましい。加熱温度が 3
00℃を超える場合には、親水性架橋重合体や多価アルコ
ールの分解等が生じるので好ましくない。シート11、
つまり、気泡含有ゲルは、加熱されることにより、その
水分(水性溶媒の量)が減少する。尚、加熱されること
により、多価アルコールの一部が蒸発してもよい。
圧する前の水性溶媒の量を基準として、好ましくは10重
量%〜90重量%の範囲内、より好ましくは40重量%〜80
重量%の範囲内とすればよいが、特に限定されるもので
はない。尚、気泡含有ゲル組成物10を加熱しない場
合、つまり、ドライヤードラム1表面の温度が室温であ
る場合には、減少率はほぼ0重量%である。水分減少が
少ない場合、形状記憶が困難であり、また、完全に水分
を減少させる場合(気泡含有ゲルの水分量0%)、諸物
性や柔軟性が低下する虞れがある。
する際には、形状記憶を可能とするために、気泡含有ゲ
ルを細分化(破壊)しない程度に加圧することが好まし
い。このためには、上記気泡含有ゲルは、上述した粒径
となるように予め細分化されていることが好ましい。
に搬送された後、スクレーパー3によってドライヤード
ラム1表面から掻き取られる。掻き取られたシート1
1、即ち、吸収性材料は、必要に応じて図示しないロー
ル等に巻き取られる。得られる吸収性材料は、多価アル
コールを含むことで適度な柔軟性や強度を備えているの
で、スクレーパー3によって掻き取られる際に、例えば
ほぼ90°、更には 180°に曲げられても、折れることは
ない。また、吸収性材料に張力(テンション)を加え
て、シート11をドライヤードラム1表面から引き剥が
すこともできる。
ト状の吸収性材料が得られる。該吸収性材料は、(例え
ばシート状に)成形されていても、その吸収速度が 150
秒以下、好ましくは 100秒以下、より好ましくは50秒以
下、特に好ましくは30秒以下、最も好ましくは20秒以下
の高吸収速度である。但し、上記吸水速度が1秒以下、
特に 0.5秒以下の場合、吸水速度が速すぎて液の拡散が
低下する虞れがあるので好ましくない。また、該吸収性
材料の加圧下での吸収倍率は、(例えばシート状に)成
形されていても、15 g/g以上、好ましくは20 g/g以上、
より好ましくは25g/g 以上、特に好ましくは30g/g 以上
の高倍率である。尚、従来は、粉末状の吸水性樹脂を成
形(シート化)した場合、得られる吸収性材料の加圧下
での吸収倍率や吸収速度は大幅に低下したが、本発明で
は、従来になく高い値の成形体(成形材料)を得ること
ができる。
ルを加圧し、該気泡含有ゲルの水分を減少させること
で、従来の、成形された吸収性材料に比べて吸水速度並
びに加圧下での吸収倍率に特に優れる吸収性材料を得る
ことができる。
を加圧する際に、該気泡含有ゲル粒子の三次元網目構造
から水性溶媒が脱離することで、この三次元網目構造に
加圧による歪みが生じる。このため、該気泡含有ゲルを
含む上記気泡含有ゲル組成物10を加圧することで、図
2(a)に示すように、気泡含有ゲル粒子、つまり、ゲ
ル状の親水性架橋重合体粒子としての吸水性樹脂30
は、水分減少分、加圧方向に大きく圧縮される一方、加
圧方向に対して垂直な方向に広がるように延伸される。
2以上、好ましくは5〜1000、より好ましくは10〜200
、さらに好ましくは15〜100 となるように、偏平に歪
んだ状態で圧縮、固定される。
0の圧縮方向の収縮率に対する、吸水性樹脂30の延伸
方向の収縮率の比で表される。上記圧縮比は、以下の方
法により測定することができる。ここでは、吸水性樹脂
30として、気泡含有ゲルの一次粒子を用いるものとす
る。
る。次いで、加圧後の吸水性樹脂30の圧縮方向の厚み
D1 と延伸方向の平均長さ(直径)D2 とを例えばノギ
ス等を用いて0.01mm単位で測定する。そして、用いた吸
水性樹脂30の平均粒子径で加圧後の吸水性樹脂30の
圧縮方向の厚みD1 を割って収縮比Xを求める。同様
に、用いた吸水性樹脂30の平均粒子径で加圧後の吸水
性樹脂30の延伸方向の平均長さ(直径)D2 を割って
膨張比Yを求める。上記の操作を10個〜 100個の粒子に
ついて測定し、Y/Xの平均値をもって本発明の圧縮比
とする。
水性樹脂30が嵩高く、吸収性材料、ひいては該吸収性
材料を含む吸収性物品を小型化することが困難となるの
で好ましくない。また、上記圧縮比が2未満であれば、
吸水性樹脂30の歪みが小さくなることから、充分な吸
収速度の向上効果が得難い。また、圧縮比が 1,000を越
える場合、吸水性樹脂30の歪みが大きくなりすぎてそ
の形状が破壊され、吸水、膨張後に元の形状に復元する
ことが困難となる虞れがある。
によりその架橋構造が歪められることで偏平に歪んだ状
態で圧縮、固定(不動化)されている。このため、該吸
水性樹脂30は内部に歪みエネルギーを有しており、水
と接触すると、この歪みエネルギーが解放されることか
ら、上記架橋構造の歪みに抗するように各座標軸(x,y,
z)の向きに異なる大きさの内部応力が生じる。この結
果、該吸水性樹脂30は、図2(b)に示すように、加
圧前の状態に復元すべく、水を素早く吸収し、上記内部
応力により異方性を有するように膨潤(異方膨潤)す
る。
(b)に示すゲル状の初期状態から、加圧により、図2
(a)に示す圧縮状態に移行し、吸水、膨潤により、再
び図2(b)に示す加圧前の状態に復元する。該吸水性
樹脂30は、加圧前と吸水後とで同じ形状を有してい
る。
5,344号、同第 5,145,906号等では、親水性架橋重合体
の含水ゲルを乾燥し、更に、必要により粉砕することで
吸水性樹脂粉末を得る方法が開示されている。しかし、
含水ゲルを単に乾燥しただけでは等方向に収縮して乾燥
するため、吸水性樹脂は歪みをもつことなく乾燥され、
粉末となる。その結果、吸水、膨潤時には相似形に膨潤
する。
を減少させることで加圧によって歪んだ気泡含有ゲルが
そのまま歪んだ形で収縮するため形状記憶する。尚、形
状記憶には、吸水性樹脂30が架橋構造を有しているこ
と、および、加圧前の状態がゲル状態にあることが必須
であり、架橋構造を持たない重合体では形状記憶が不可
能である。
発明の吸収性材料は、上記吸水性樹脂30が、加圧前の
形状を記憶していることで、吸収速度や加圧下の吸収倍
率等の各種吸収特性や保形性に特に優れている。
(a)(b)に示すように、気泡30aを有しているこ
とで、未発泡の吸水性樹脂の倍以上のBET比表面積
(乾燥時)を有すると共に、水性液体が移行するのに必
要な導液空間をその内部に充分に確保している。このた
め、本発明によれば、吸収速度が20秒以下、加圧下での
吸収倍率が30g/g 以上という極めて優れた吸収特性を得
ることができる。
以下が好ましく、5重量%〜50重量%の範囲内がより好
ましく、5重量%〜30重量%の範囲内がさらに好まし
く、6重量%〜20重量%の範囲内が特に好ましい。圧縮
装置を併置したドラムドライヤーを用いて気泡含有ゲル
組成物10を圧延(圧縮)してシート状にすることによ
り、気泡含有ゲル組成物10を連続的に処理することが
できる。即ち、吸収性材料を連続的に製造することがで
きる。
料に含まれる上記水性溶媒、親水性架橋重合体、および
多価アルコールの合計量に対する該水性溶媒の割合を示
す。そして、吸収性材料が成形補助材料やその他の構成
材を含む場合には、上記の含水率を算出する際に、これ
ら成形補助材料やその他の構成材の量を考慮に入れな
い。
の測定方法、並びに、吸収速度の測定方法については、
実施例にて詳述する。尚、上記の如く定義される含水率
は理論上の値であり、実施例にて測定される含水率は実
測値である。しかしながら、これら両値には殆ど差が無
く、従って、実測値を上記の如く定義される含水率であ
ると実質上、見なすことができる。
以上のように、親水性架橋重合体の気泡含有ゲルを加圧
(圧延)する方法であり、必要に応じて、加圧しながら
該気泡含有ゲルの水分を減少させる方法である。本発明
において、上記気泡含有ゲルは、さらに多価アルコール
を含むことが好ましい。
気泡含有ゲル、つまり、吸水性樹脂の気泡含有ゲルを一
旦粉末状にすることなく、該親水性架橋重合体が固定さ
れた吸収性材料を製造することができる。従って、乾燥
して粉砕し、ふるい分けする等の各種工程が不要となる
ので、粉塵が発生することがなく、取り扱いが容易とな
り、作業環境が改善されると共に、製造工程が簡略化さ
れ、生産性を向上させることができる。これにより、不
織布等の固定化基材を用いなくても、気泡含有ゲルより
直接、シート状の吸収性材料を安価にかつ簡単に製造す
ることができる。そして、上記の方法によれば、親水性
架橋重合体、即ち、吸水性樹脂の含有量が従来よりも多
い吸収性材料を製造することができる。
性材料に柔軟性や強度を付与することができると共に、
上記気泡含有ゲル或いは気泡含有ゲル組成物を圧延して
シート状にするので、該吸収性材料をロール等に巻き取
ったり、張力を加えることができる。これにより、吸収
性材料を連続的に製造することができる。
ートであっても、上記吸水性樹脂、つまり、親水性架橋
重合体粒子が、加圧前の形状を形状記憶していること
で、吸水膨潤時に、低温域を内側として、曲率を有する
ようにカールさせることができる。このため、該吸収性
材料を、例えばオムツや生理用ナプキン等の衛生材料
(吸収性物品)に用いた場合、吸水時に、該吸収性材料
が体の丸み(おしりの丸み等)に沿ってカーブを描くよ
うにカールしながら膨潤することでボディーラインにフ
ィットし、液モレを防止することができる。
材料は、含水率が80重量%以下であり、必要に応じて、
多価アルコールや成形補助材料をさらに含んでいる。ま
た、上記の方法により得られる吸収性材料は、吸収速度
が 150秒以下であり、かつ、加圧下の吸収倍率が15 g/g
以上である。
泡含有ゲルから直接、吸収速度や加圧下の吸収倍率等の
各種吸収特性や保形性に優れた吸収性材料を得ることが
できる。そして、吸収性材料が多価アルコールを含む場
合には、該吸収性材料のクッション性がより一層良好と
なると共に、形状記憶力が向上し、吸収速度や加圧下の
吸収倍率等の各種吸収特性や保形性をより一層向上させ
ることができる。さらに、吸収性材料が成形補助材料を
含む場合には、該吸収性材料の保形性がより一層良好と
なると共に、柔軟性や強度をより一層向上させることが
できる。
パルプや不織布等の基材に挟持ないし担持してなる従来
の吸収性材料と比較して、吸水性樹脂自身で保型してい
るため、単位面積当たりの親水性架橋重合体量、即ち、
吸水性樹脂量を多くできるので、吸収速度、および加圧
下の吸収倍率を従来よりも向上させることができる。つ
まり、本発明の製造方法により得られる吸収性材料は、
水や体液、ドリップ等の水性液体に接触したときに、該
水性液体を速やかに吸収することができる。
シート状に形成されている場合を例に挙げたが、該吸収
性材料の形状は、例えば、ブロック状、板状、フィルム
状等であってもよく、また、粉砕して粉末状にしてもよ
く、特に限定されるものではない。
体の気泡含有ゲルを加圧した後、一旦粉末状にしてから
シート化することによってシート状に形成されていても
よい。但し、取り扱い性や作業環境、生産性等の面から
は、上記気泡含有ゲルが多価アルコールを含み、上記気
泡含有ゲルを一旦粉末状にすることなく、直接シート化
することが好ましい。
は、気泡含有ゲルと多価アルコールとの混合物と、成形
補助材料としての繊維とが混合されてなる構成を例に挙
げたが、該吸収性材料の構成は、特に限定されるもので
はない。吸収性材料の構成としては、混合物と繊維とを
混合した構成の他に、例えば、織布や不織布、紙等のよ
うに、シート状に形成した複数の繊維間に混合物を挟持
した構成;混合物と繊維とを混合してシート状に形成し
た後、複数の該シートでもってシート状に形成した繊維
を挟持した構成;混合物と繊維とを混合してシート状に
形成した後、該シートを、シート状に形成した複数の繊
維でもって挟持した構成;等が挙げられる。
吸収性材料を含んでなっている。つまり、吸収性材料
は、それ自体で、或いは、他の素材と組み合わせること
により、吸収性物品とされる。該吸収性物品の構成は、
特に限定されるものではないが、吸収性物品を例えば紙
オムツや生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生材料とし
て供する場合には、上記構成のシート状の吸収性材料
を、透液性を有するシートと、不透液性を有するシート
とで挟持してなる構成、若しくは、シート状の吸収性材
料を、透液性を有する2枚のシートで挟持してなる構成
が好適である。吸収層としての吸収性材料は優れた吸収
特性を備えているので、例えば吸収性物品が紙オムツで
ある場合には、尿の漏れを防止することができると共
に、いわゆるドライ感を付与することができる。
過性シートと称する)は、水性液体を透過する性質を備
えた材料からなっている。液透過性シートの材料として
は、例えば、再生セルロース系不織布等の不織布、レー
ヨン等の合成繊維からなる織布、コットンカードウエブ
等のウエブ或いはマット;綿状パルプ、紙;ポリエチレ
ンやポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等から
なる多孔質の合成樹脂フィルム等が挙げられる。尚、液
透過性シートは、吸収性材料を収容することができる程
度の大きさを有する袋体状に形成されていてもよい。
不透過性シートと称する)は、水性液体を透過しない性
質を備えた材料からなっている。液不透過性シートの材
料としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等からなる
合成樹脂フィルム;これら合成樹脂と不織布との複合材
からなるフィルム;上記合成樹脂と織布との複合材から
なるフィルム等が挙げられる。尚、液不透過性シート
は、蒸気を透過する性質を備えていてもよい。
ものではなく、例えば、上記の液不透過性シート、吸収
性材料および液透過性シートを互いに重ね合わせるだけ
でよい。また、必要に応じて、重ね合わせたシートの周
縁部を貼着したり、或いは、エンボス加工等の加工処理
を施してもよい。尚、シート状の吸収性材料の片面に、
液不透過性シートまたは液透過性シートを重ね合わせる
ことにより、吸収性物品を形成することもできる。さら
に、例えば、液不透過性シート上または液透過性シート
上に気泡含有ゲル或いは前記気泡含有ゲル組成物を載置
(塗布)した後、該気泡含有ゲル或いは気泡含有ゲル組
成物を加圧(圧延)することにより、吸収性材料、即
ち、吸収性物品を製造することもできる。また、シート
状の吸収性材料を短冊状等に切断した後、セルロース繊
維等と混合することにより、吸収性物品を形成してもよ
い。
る吸収性物品の一例としての紙オムツについて以下に簡
単に説明する。尚、吸収性物品は、紙オムツにのみ限定
されるものではない。
性シートであるバックシート21、上記シート状の吸収
性材料22、および、液透過性シートであるトップシー
ト23等で構成されている。バックシート21並びにト
ップシート23は、所定形状に形成されている。そし
て、上記のバックシート21、吸収性材料22、およ
び、トップシート23は、両面テープ等を介して、この
順に互いに貼着されている。また、該貼着物における所
定位置に、いわゆるレッグギャザー24・24、およ
び、いわゆるウエストギャザー25・25が設けられて
いる。さらに、上記貼着物における所定位置に、いわゆ
るテープファスナー26・26が取り付けられている。
これにより、吸収性物品としての紙オムツが作成されて
いる。
収倍率等の各種吸収特性や保形性に優れ、かつ、柔軟性
や強度に優れている吸収性材料を用いてなるので、尿に
接触したときに、該尿を速やかに吸収することができ
る。つまり、尿の漏れ等が生じることなく、使用状態が
良好な紙オムツを提供することができる。
2が吸水膨潤時にカールしながら膨潤するため、ボディ
ーラインにフィットし、液モレをより一層防止すること
ができる。
材料を含んでなることで、吸収速度や加圧下の吸収倍率
等の各種吸収特性に優れる吸収性物品を提供することが
できると共に、得られる吸収性物品にいわゆるソフト感
や良好な使い心地を付与することができる。従って、肌
触りに優れた吸収性物品を提供することができる。ま
た、従来、吸収性物品の総重量に対する親水性架橋重合
体の割合は40重量%未満と比較的低濃度であったが、上
記の構成によれば、吸収性物品の総重量に対する親水性
架橋重合体の割合を、凡そ40重量%〜80重量%、より好
ましくは凡そ50重量%〜80重量%、さらに好ましくは凡
そ60重量%〜80重量%の高濃度とすることができる。従
って、従来の吸収性物品と同等以上の吸収特性を維持し
たまま、吸収性物品を薄型化、小型化することができ
る。また、気泡含有ゲルを加圧することにより吸収性材
料を形成しているので、吸収性材料および吸収性物品の
製造工程、包装工程、輸送工程等の各種工程において、
親水性架橋重合体が吸収性材料内において移動すること
はなく、また、吸収性材料から脱落する(こぼれ落ち
る)こともない。
各種薬剤、各種の無機粉末、水溶性高分子、植物育成助
剤、殺菌剤、防黴剤、発泡剤、顔料、染料、カーボンブ
ラック、活性炭、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元
剤、水、塩類等をさらに添加し、これにより、吸収性材
料または吸収性物品に種々の機能をさらに付与すること
もできる。
体の吸収や吸湿等を目的とする用途、例えば、紙オムツ
(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、タンポン、いわ
ゆる失禁パッド等の衛生材料、結露吸水シート、農園芸
用保水材、土木用止水材、メディカルシーツやベッドパ
ッド等の医療材料、食品用鮮度保持材、食品用ドリップ
吸収材、タオル、包帯等の種々の用途に好適に用いられ
る。尚、吸収性材料や吸収性物品の用途は、特に限定さ
れるものではない。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、吸収性材料の諸性能は、以
下の方法で測定した。
断し、該吸収性材料(以下、切断シートと称する)の重
量W0 (g)を測定した。次に、上記の切断シートを、
180℃に温度調節されたオーブン(東京理科器械株式会
社製:型式 NDO−450)に入れて3時間放置し
た。次いで、切断シートを取り出して、シリカゲルが入
っているデシケータ内に載置し、5分間放冷した後、そ
の重量W1(g)を測定した。そして、これら重量W0
・W1 から、次式、 含水率(重量%)=〔(重量W0(g)−重量W1(g))/重
量W0(g)〕×100 に従って含水率(重量%)を算出した。
×60mm)に入れ、開口部をヒートシールした後、 0.9重
量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬し
た。30分後にティーバッグ式袋を引き上げ、遠心分離機
を用いて 250Gで3分間水切りを行った後、ティーバッ
グ式袋の重量W2 (g)を測定した。また、同様の操作
を吸収性材料を用いないで行い、そのときの重量W
3 (g)を測定した。そして、これら重量W2 ・W3 か
ら、次式、 吸収倍率 (g/g)=(重量W2(g)−重量W3(g))/吸収性
材料の重量(g) に従って吸収倍率 (g/g)を算出した。
直径 120mmのガラス製フィルター板(G#1)を載置し
た後、該シャーレに 0.4重量%食塩水を注いだ。該食塩
水は、該食塩水の水面と、上記フィルター板の上面とが
ほぼ一致するような量とした。次に、フィルター板上
に、濾紙(東洋濾紙株式会社製:TOYO FILTER PAPER N
o.2)を載置した。
3.1cmの大きさに切断し、該吸収性材料(以下、切断シ
ートと称する)の重量W4 (g)を測定した。また、内
径55mm、高さ60mmのアクリル樹脂製円筒の底部に、 400
メッシュのステンレス製金網を固定することにより、支
持円筒を作成した。次に、上記の切断シートを、支持円
筒内、即ち、金網上に載置し、さらに、該切断シート上
に、重りとしての円柱状の真鍮製プランジャーを載置す
ることにより、測定円筒を作成した。プランジャーは、
切断シートに対して、50 g/cm2の荷重を均一に加えるこ
とができるように、その重量が調整されている。そし
て、上記切断シート、支持円筒およびプランジャーの合
計の重量、即ち、測定円筒の重量W5 (g)を測定し
た。
置した。そして、濾紙上に測定円筒を載置した時点か
ら、30分間にわたって測定円筒内の切断シートに上記食
塩水を吸収させた。つまり、切断シートに 0.4重量%食
塩水を加圧下で吸収させた。また、この間、上記食塩水
の量がほぼ一定となるように、即ち、上記食塩水の水面
とフィルター板の上面とがほぼ一致するように、シャー
レに 0.4重量%食塩水を適宜注ぎ足した。30分間経過
後、測定円筒の重量W6 (g)を測定した。そして、こ
れら重量W4 ・W5 ・W6 から、次式、 加圧下の吸収倍率 (g/g)=(重量W6(g)−重量W5(g))
/重量W4(g) に従って加圧下の吸収倍率 (g/g)を算出した。
インチ)の大きさに切断し、該吸収性材料(以下、切断
シートと称する)の重量を測定した。一方、内径55mm、
高さ15mmのポリプロピレン製容器に、切断シートの重量
に対して10倍重量の生理食塩水を注いだ。次いで、該生
理食塩水中に切断シートを投入した。そして、生理食塩
水中に切断シートを投入した時点から、生理食塩水が切
断シートに全て吸収されるまでの時間を測定し、この時
間を吸収速度(秒)とした。生理食塩水が切断シートに
全て吸収されたか否かは、ポリプロピレン製容器を45°
に傾けて、該生理食塩水の液溜まりが生じるか否かで判
断した。つまり、液溜まりが生じない時点を、生理食塩
水が切断シートに全て吸収された時点とした。
JIS標準篩で 300μm〜 600μmに分級することで乾
燥した粉末状の吸水性樹脂を得た。そして、この粉末状
の吸水性樹脂を 150℃で40分間脱気した後、液体窒素で
冷却しながらクリプトンガスを標準ガスとするBET
(Brunauer-Emmett-Teller) 吸着法を用いて比表面積を
測定した。
よび攪拌機を備えた反応器に、単量体成分としてのアク
リル酸およびアクリル酸ナトリウム(中和率75モル%)
の30重量%水溶液1,000gと、架橋剤としてのポリエチ
レングリコールジアクリレート(以下、架橋剤(1)と
記す)1.63gとを仕込んで反応液とした後、窒素ガスを
吹き込んで系を窒素ガス置換した。
液に、発泡剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)二アクリル酸塩(以下、発泡剤(1)と記
す)を添加し、均一に分散させた後、窒素雰囲気下、重
合開始剤としての過硫酸ナトリウムおよびL−アスコル
ビン酸を添加して静置重合を行ったところ、即座に重合
が開始し、約10分後には発泡も開始した。単量体成分の
固形分 100重量部に対する発泡剤(1)の使用量は、
0.2重量%であり、単量体成分に対する過硫酸ナトリウ
ムの使用量は、0.14モル%であり、L−アスコルビン酸
の使用量は、0.0008モル%である。
た、約1.05倍に膨張した塊状の多孔質の含水ゲル(気泡
含有ゲル)を細分化し、粒子径が 0.5mm〜2mmに細分化
された水分量70重量%の気泡含有ゲルを得た。該気泡含
有ゲルの固形分は30重量%であり、平均孔径は 150μm
であった。また、該気泡含有ゲルを乾燥させたときのB
ET比表面積は0.05m2/gであった。
1,000gを、回転径が 120mmであるシグマ型羽根を2本
有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型
ニーダーに仕込んだ。該ニーダーは、系内を密封する蓋
と、内容物に対して66kgの圧力を加えることができる加
圧蓋とを備えている。一方、多価アルコールとしてのグ
リセリン95gと、表面架橋剤としてのエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業株式会社製、
商品名 デナコールEX−810;以下、架橋剤(2)
と記す)1.9 gとの混合液を調製した。次に、ジャケッ
トに70℃の温水を通し、上記気泡含有ゲルを加温しなが
ら攪拌した。続いて、攪拌しながら、該気泡含有ゲル
に、上記の混合液を添加し、両者が均一に混合されるま
で攪拌した。
レフタレートからなる長さ20mm〜30mmのポリエステル繊
維(成形補助材料)12.5gを少しずつ添加し、該繊維の
塊が無くなるまで混練して乾燥平均粒子径 400μmの気
泡含有ゲルを含む気泡含有ゲル組成物を得た。
放式のシングルドラムドライヤー(カツラギ工業株式会
社製 型式・NRXM750−N35C)、並びに、併
置した圧延装置を用いて圧延すると共に、ドライヤード
ラムによって、上記気泡含有ゲル組成物におけるドライ
ヤードラムとの接触面を 150℃に加熱した。その後、得
られたシートをドライヤードラム表面からスクレーパー
を用いて掻き取った。これにより、 180°折り曲げ可能
で柔軟なシート状の吸収性材料を得た。
水率は 9.0重量%、吸収倍率は 20g/g、加圧下の吸収倍
率は31g/g 、吸収速度は13秒であった。これら測定結果
を、上記気泡含有ゲル組成物の主な製造条件と併せて表
1に記載した。また、吸水により上記気泡含有ゲルは圧
延前の状態に回復するように膨潤し、これにより吸収性
材料は、低温面を内側に、ドライヤードラムの曲面と逆
向きにカールした。
(1)に代えて、炭酸ナトリウム(以下、発泡剤(2)
と記す)を単量体成分の固形分 100重量部に対して 2.5
重量%となるように用いると共に、発泡剤の分散安定剤
として界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタン
モノステアレート(以下、分散安定剤(1)と記す)を
単量体成分の固形分 100重量部に対して 0.1重量%とな
るように用いた以外は、実施例1と同様の発泡重合を行
った。そして、得られた、約2倍に膨張した塊状の多孔
質の含水ゲル(気泡含有ゲル)を細分化し、粒子径が
0.5mm〜2mmに細分化された水分量68重量%の気泡含有
ゲルを得た。該気泡含有ゲルの固形分は30重量%であ
り、平均孔径は 200μmであった。また、該気泡含有ゲ
ルを乾燥させたときのBET比表面積は0.05m2/gであっ
た。
1,000gを、実施例1のニーダーと同様の構成を有する
ニーダーに仕込んだ。また、多価アルコールとしてのグ
リセリン75gと、架橋剤(2)1.5 gとの混合液を調製
した。次に、ジャケットに70℃の温水を通し、上記気泡
含有ゲルを加温しながら攪拌した。続いて、攪拌しなが
ら、該気泡含有ゲルに、上記の混合液を添加し、両者が
均一に混合されるまで攪拌した。
レフタレートからなる長さ20mm〜30mmのポリエステル繊
維(成形補助材料)13.5gを少しずつ添加し、該繊維の
塊が無くなるまで混練して乾燥平均粒子径 350μmの気
泡含有ゲルを含む気泡含有ゲル組成物を得た。該気泡含
有ゲル組成物の主な製造条件を表1に記載した。
施例1と同様の方法により圧延し、スクレーパーを用い
て掻き取った。これにより、 180°折り曲げ可能で柔軟
なシート状の吸収性材料を得た。
水率は10.0重量%、吸収倍率は 23g/g、加圧下の吸収倍
率は27g/g 、吸収速度は19秒であった。これら測定結果
を、上記気泡含有ゲル組成物の主な製造条件と併せて表
1に記載した。また、吸水により上記気泡含有ゲルは圧
延前の状態に回復するように膨潤し、これにより吸収性
材料は、低温面を内側に、ドライヤードラムの曲面と逆
向きにカールした。
に、本発明の製造方法により得られた吸収性材料は、加
圧下の吸収倍率、および、吸収速度に特に優れているこ
とが判る。
造方法は、以上のように、親水性架橋重合体の気泡含有
ゲルを加圧する構成である。
方法は、以上のように、請求項1記載の吸収性材料の製
造方法において、上記気泡含有ゲルがさらに多価アルコ
ールを含む構成である。
方法は、以上のように、請求項1または2記載の吸収性
材料の製造方法において、上記気泡含有ゲル中の水分量
が30重量%〜90重量%の範囲内である構成である。
方法は、以上のように、請求項1〜3の何れか1項に記
載の吸収性材料の製造方法において、加圧しながら上記
気泡含有ゲルの水分を減少させる構成である。
吸収倍率等の各種吸収特性や保形性に優れた吸収性材料
を提供することができる。そして、吸収性材料が成形補
助材料を含む場合には、該吸収性材料の保形性がより一
層良好となると共に、柔軟性や強度をより一層向上させ
ることができる。
ゲルを加圧することで、吸水性樹脂としての多孔質の親
水性架橋重合体粒子が偏平に歪められた状態で固定され
る。このため、該吸水性樹脂は、内在する歪みエネルギ
ーにより、水と接触すると素早く水を吸収し、加圧前の
状態に復元するように異方膨潤する。従って、上記の製
造方法によれば、上記吸水性樹脂が加圧前の形状を記憶
していることで、吸収速度や加圧下の吸収倍率等の各種
吸収特性や保形性に特に優れる吸収性材料を提供するこ
とができる。
ルがさらに多価アルコールを含むことで、シート状に成
形し易く、しかも、柔軟性や強度、クッション性等に優
れる吸収性材料を得ることができると共に、上記形状記
憶力を向上させることができる。また、上記親水性架橋
重合体の気泡含有ゲル中の水分量や可溶成分量、気泡の
孔径や単位体積あたりの数、親水性架橋重合体の主鎖の
種類、気泡含有ゲルの平均粒子径や乾燥平均粒子径等を
特定することで、より一層、形状記憶力を向上させるこ
とができる。
重合体の気泡含有ゲル、つまり、吸水性樹脂の気泡含有
ゲルを一旦粉末状にすることなく、しかも、気泡含有ゲ
ルから直接、親水性架橋重合体が固定された吸収性材料
を製造することができる。従って、乾燥して粉砕し、ふ
るい分けする等の各種工程が不要となるので、粉塵が発
生することがなく、取り扱いが容易となり、作業環境が
改善されると共に、製造工程が簡略化され、生産性を向
上させることができる。これにより、吸収性材料を安価
にかつ簡単に製造することができるという種々の効果を
奏する。
の製造方法は、以上のように、請求項1〜4の何れか1
項に記載の吸収性材料の製造方法において、上記気泡含
有ゲルを圧延してシート状にする構成である。
に柔軟性や強度を付与することができると共に、親水性
架橋重合体の気泡含有ゲルを圧延してシート状にするの
で、該吸収性材料をロール等に巻き取ったり、張力(テ
ンション)を加えることができる。これにより、吸収性
材料を連続的に製造することができるという効果を併せ
て奏する。
方法は、以上のように、請求項5記載の吸収性材料の製
造方法において、シートの第1面と第2面とで温度差が
生じるように加圧と同時に加熱する構成である。
2面とで温度差が生じるように加圧と同時に加熱するこ
とで、シートの第1面と第2面とで前記吸水性樹脂の架
橋構造の歪みの程度に差が生じる。このため、吸水、膨
潤時に、シートの第1面と第2面とで吸水性樹脂の復元
力が異なり、該吸収性材料は、平面のシートであって
も、低温域を内側として、例えば、実施例の場合はドラ
イヤードラムの曲面と逆向きに、曲率を有するようにカ
ールしながら膨潤する。従って、上記の構成によれば、
該吸収性材料を、例えばオムツや生理用ナプキン等の衛
生材料(吸収性物品)に用いた場合、ボディーラインに
フィットし、液モレを防止することができるという効果
を奏する。
説明するものであり、圧延装置を併置したドラムドライ
ヤーの概略の断面図である。
態を示す説明図であり、(a)は、該吸水性樹脂が圧縮
された状態を示す説明図であり、(b)は、(a)に示
す吸水性樹脂が吸水により膨潤した状態を示す説明図で
ある。
としての紙オムツを一部破断面で示す概略の斜視図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】親水性架橋重合体の気泡含有ゲルを加圧す
ることを特徴とする吸収性材料の製造方法。 - 【請求項2】上記気泡含有ゲルがさらに多価アルコール
を含むことを特徴とする請求項1記載の吸収性材料の製
造方法。 - 【請求項3】上記気泡含有ゲル中の水分量が30重量%〜
90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1また
は2記載の吸収性材料の製造方法。 - 【請求項4】加圧しながら上記気泡含有ゲルの水分を減
少させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に
記載の吸収性材料の製造方法。 - 【請求項5】上記気泡含有ゲルを圧延してシート状にす
ることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の
吸収性材料の製造方法。 - 【請求項6】シートの第1面と第2面とで温度差が生じ
るように加圧と同時に加熱することを特徴とする請求項
5記載の吸収性材料の製造方法。
Priority Applications (5)
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DE69635897T DE69635897T2 (de) | 1995-11-02 | 1996-10-31 | Wasserabsorbierendes harz, absorbierendes material und verfahren zur herstellung derselben |
EP96935509A EP0802238B1 (en) | 1995-11-02 | 1996-10-31 | Water absorbent resin, absorbent material, and process for the production thereof |
PCT/JP1996/003191 WO1997016492A1 (fr) | 1995-11-02 | 1996-10-31 | Resine absorbant l'eau, matiere absorbante et procede de production |
US08/860,445 US6001911A (en) | 1995-11-02 | 1996-10-31 | Absorbent resin, absorbent material and method of manufacturing the same |
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JPH10120818A true JPH10120818A (ja) | 1998-05-12 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002045395A (ja) * | 2000-05-09 | 2002-02-12 | Nippon Shokubai Co Ltd | 吸収体およびこれを用いた吸収性物品、並びに吸水性樹脂 |
JP2017514973A (ja) * | 2014-05-22 | 2017-06-08 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | フォームを含む不均質塊 |
-
1996
- 1996-10-14 JP JP27091796A patent/JP4046787B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2017514973A (ja) * | 2014-05-22 | 2017-06-08 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | フォームを含む不均質塊 |
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