[go: up one dir, main page]

JPH0997419A - 磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置

Info

Publication number
JPH0997419A
JPH0997419A JP19184696A JP19184696A JPH0997419A JP H0997419 A JPH0997419 A JP H0997419A JP 19184696 A JP19184696 A JP 19184696A JP 19184696 A JP19184696 A JP 19184696A JP H0997419 A JPH0997419 A JP H0997419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording
guard band
disk
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19184696A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
Satoru Kikitsu
哲 喜々津
Koichi Tateyama
公一 館山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP19184696A priority Critical patent/JPH0997419A/ja
Publication of JPH0997419A publication Critical patent/JPH0997419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録磁区のサイドフリンジを低減することが
でき、磁気ヘッドの位置決め精度を狭スペーシング時に
も向上させることができる磁気ディスクを提供する。 【解決手段】 基板と、この基板上に設けられ、情報を
磁気的に記録再生する磁性部材でつくられた記録トラッ
ク部と、互いに隣接する前記記録トラック部間にトラッ
ク方向に実質的に連続するように設けられ、前記磁性部
材よりも硬く、かつ非磁性の材料でつくられたガードバ
ンド部材と、を具備し、上記ガードバンド部材の下方領
域には、上記磁性部材が存在しないか、又は、上記記録
トラック部をなす磁性部材の厚みとは異なる厚みの磁性
部材が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に計算機周辺記
憶装置に使用される磁気ディスク、磁気ディスクの製造
方法、及び磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクは、高面記録密度、高デー
タ転送速度、高速アクセス、高信頼性、低価格等の特長
を有しており、計算機周辺記憶装置の主流をなしてい
る。過去10年間に磁気ディスクの面記録密度は数10
倍の伸びを示しており、今後もその面記録密度の向上に
期待が持たれている。
【0003】磁気記録は、磁気ヘッドから発生する信号
磁界によって磁気記録層中に記録磁区列を形成して記録
を行い、この記録磁区列から記録層外部に漏洩する信号
磁界を磁気ヘッドによって再生する事を原理とする。面
記録密度を向上する上では、磁気記録層中に形成する記
録磁区をいかに微細化できるか、微細な記録磁区から漏
洩する微小磁界をいかに高感度に再生できるかがポイン
トである。
【0004】記録磁区を微細化する上では、第1に、磁
気記録層に最近接する磁気ヘッド先端部を微細化するこ
と、より具体的には、記録(再生)磁気ギャップを狭く
することと、記録(再生)磁極トラック幅を狭くするこ
とにあり、第2に、磁気ヘッド先端部と磁気記録層との
間隙(スペーシング)を狭くすること、第3に、磁気ヘ
ッド先端部から空間的に発散する磁界による記録磁区端
部のにじみ(フリンジング)を極力低減すること、第4
に、磁気ヘッド先端部を磁気記録層の所定の記録再生位
置にできるだけ高精度で位置決めすること、が重要であ
る。
【0005】また、微細記録磁区からの微小磁界を高感
度再生する上では再生原理的なブレークスルーが必要と
されている。近年、従来の誘導再生原理とは異なる磁気
抵抗効果を利用する再生原理が提案され実証されてきて
おり、さらに巨大磁気抵抗効果材料の研究開発が進めら
れていることから、今後の微小磁界再生の主流をなすも
のとみなされている。
【0006】上記した記録再生密度の高密度化への技術
ポイントは、現行の磁気記録で採用されている長手媒体
を用いたヘッド浮上形の記録再生形態(誘導再生型)で
も、垂直媒体を用いたヘッド接触形の記録再生形態(磁
気抵抗再生型)でも、共通する事項である。
【0007】従来からフリンジングを低減化する方策と
して、狭スペーシング化によるヘッドからのフリンジ磁
界の低減と、記録層の磁化転移幅の低減化と、をあげる
ことができる。しかしながら従来の磁気ディスクにおい
ては、原理的にフリンジングを無くすのは不可能である
ため、あるフリンジ値を見込んだ余裕のあるトラック幅
とする必要があり、狭トラック化の阻害要因となってい
る。
【0008】また、ヘッドの位置決めについては、磁気
記録ディスクと磁気ヘッドをドライブに設置した後で、
サーボライターを用いて記録層中に磁気的なサーボ信号
とアドレス信号を記録し、実動作中にこのサーボ情報を
用いて行っているのが現状である。しかしながら、磁気
記録層が単純に連続する平坦面である限り、トラッキン
グ精度はヘッドの機械的精度に制限されるので、これも
狭トラック化の阻害要因となっている。
【0009】高精度トラッキング化の一つのアプローチ
は、特開平2−201730号公報に開示されるディス
クリートトラックである。これは、予め磁気ディスク基
板に物理的な凹凸を設けておき、この上に磁気記録層を
形成して、凹部からの信号と凸部からの信号の違いを利
用してトラックサーボを行うものである。このようなP
ERM(Pre Embossed Rigid Magnetic )ディ
スクでは、トラッキング精度は基板に設けられる物理的
な凹凸の精度で決定され、凹凸は光ディスク基板プロセ
スにしたがって設ければ、変動量が0.01μmオーダ
程度の高精度化を実現することができる。
【0010】しかしながら、上記のPERMディスクに
おいてはガードバンドをなす部材が軟質のレジストであ
るために、レジストのみが選択的に摩耗しやすい。この
摩耗を防ぐためにディスク表面を硬質の保護膜で被覆す
る必要があり、狭スペーシング化しにくいことから、総
合的には高精度化技術とは言えない。
【0011】特開平2−189715号公報には、基板
上にレジストに代表される有機系の厚膜を設けて、それ
に凹凸状スタンパーを押し当てる等して有機膜上面に物
理的な凹凸を設け、凹部中に磁性体薄膜を埋め込み有機
膜と磁性体膜が実質的に平坦面をなす磁気記録媒体が開
示されている。この磁気記録媒体では磁性体膜の下部は
有機膜が存在するために、磁性体膜下部に界面無効層が
厚く形成され、所定の特性の磁性体膜を得るには磁性体
膜の厚さを厚くせざるをえず、高分解記録が困難である
ことから、やはり高密度化技術とは言えない。さらに、
この従来技術においては記録磁性体膜下部に高透磁率膜
を設けることができないので、将来の高密度記録技術と
して期待されている垂直磁気記録への適用が困難であ
る。
【0012】また、特願平5−205257号公報に
は、磁気記録層の記録トラック間領域にイオン注入もし
くはレーザ照射する等して記録機能を失わせてガードバ
ンドとなす技術が提案されている。しかしながら、この
従来技術ではガードバンドに記録層の変質部を使用して
いるため、均質なガードバンドを形成することが困難で
あり、また、記録トラックとガードバンドとの境界が不
明確になるといった問題点がある。
【0013】ところで、「磁気抵抗効果」とは、外部磁
界により電気抵抗が変化する効果であり、(a)再生用
の磁性体薄膜の電気抵抗値が電流の向きと再生磁性体の
磁化の向きの相対的角度に依存して変化する現象(AM
R)、(b)非磁性層を介して積層された磁性層間の磁
化の相対角度で抵抗が変化する現象(GMR)などがあ
る。これは従来の誘導再生に比較すると、再生感度が非
常に高く、再生信号強度がヘッド走行速度に依存しない
という特長がある。
【0014】磁気抵抗ヘッドに用いられる磁性体の構造
としては、異方性磁気抵抗効果を利用する、例えばNi
Fe単層膜、二つの磁性体薄膜で導電性非磁性膜を挟み
込んだスピンバルブ構造、例えばCoFe/Cu/Co
Fe三層膜、導電性非磁性部材中に磁性粒子を分散させ
たグラニュラー構造、例えばNiFe/Ag、多数の磁
性体薄膜と多数の導電性非磁性薄膜を交互に積層した磁
性人工格子構造、例えば(Co/Cu)n膜、の4種類
が上げられる。
【0015】これらのうち単層膜構造のものは素子の作
成が比較的簡単なことから実用レベルにあるが、抵抗変
化率が高々2%程度にすぎないので、今後さらに記録磁
区の微細化すなわち再生磁界の微小化が進展する上で
は、再生感度的に不十分とされている。
【0016】また、グラニュラー構造と磁性人工格子構
造は、数10%以上の抵抗変化率を呈し、将来的に極め
て期待度が高いが、大きな抵抗変化を得る上では数kO
e〜数10kOeもの大きな磁界を要するため、微小な
媒体磁界の再生は現状では困難とされている。
【0017】そこで、数百Oe未満の比較的小さな磁界
変化で10%程度の実用上十分な抵抗変化率を呈するス
ピンバルブ構造が注目を集め、単層膜構造の次の再生素
子として最もその実用化が期待されている。スピンバル
ブ構造の再生原理は、二つの磁性体薄膜の磁化の相対的
な向きによって電気抵抗率が変化するところにあり、実
際には一つの磁性体薄膜の磁化の向きを固定しておき、
もう一方の磁性体薄膜の磁化の向きを媒体磁界の向きに
追随させて二つの磁性体薄膜の磁化の相対的な向き関係
を変化させて用いる。片側の磁性体薄膜の磁化の固定の
ためには、保磁力の高い磁性体膜を磁化固着膜としてこ
の膜に交換結合し、磁化固定膜とする。もう片側の磁性
体薄膜はその磁化が媒体磁界に追随して回転するので、
以下これを「磁化回転膜」と略記する。媒体磁界の無い
状態でのこの磁化回転膜の磁化の向きは磁化固定膜の磁
化の向きと直交状態とすることが、再生信号の対称性を
確保する上では重要であり、媒体磁界の向きとの関係も
含めると、磁化固定膜の磁化方向は媒体磁界と同じ向
き、すなわち媒体面に垂直な方向に設定され、一方の磁
化回転膜の磁化方向は媒体磁界が無い状態では媒体のト
ラック幅方向に向いていることが好ましい。
【0018】上記した磁化固定膜と磁化回転膜の磁化方
向の設定には、幾つかの方式が採用されている。磁化固
定膜の磁化方向の設定には、磁化固着膜の利用が一般的
であり、一方の磁化回転膜の磁化方向の設定には次の2
つの方法が提案されている。第1にセンス電流によって
発生する磁界を利用する方法があり、第2に磁化回転膜
にも適度なバイアス磁界を印加するためのハード膜を交
換結合もしくは静磁結合する方法がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
センス電流を用いる方法では、センス電流値が磁化回転
膜へのバイアス磁界によって規定されるので、大電流化
による大出力化が図れないこと、磁化回転膜へのバイア
ス磁界は磁化固定膜に対してはその磁化方向を逆転させ
る向きに作用するので、動作上の信頼性が確保しにくい
こと等の問題点がある。
【0020】一方、後者のハード膜バイアスを用いる方
法では、ヘッドの膜構造が複雑化して製造プロセス工程
数が増加し、安価にヘッドを提供することが困難である
こと等の問題点がある。
【0021】以上、磁気抵抗効果素子を使用する際のバ
イアスの重要性と具体的な手段について、スピンバルブ
構造の例をとって説明したが、他のいずれの構造の磁気
抵抗効果膜を使用する場合においても、実用上は磁化の
回転を媒体磁界の向きに対して対称にすることが、波形
歪みを防止する上で必要であり、磁気抵抗効果膜に対し
て何等かの手段で磁界をバイアスさせて用いる。
【0022】本発明の目的は、記録磁区のサイドフリン
ジを低減することができ、磁気ヘッドの位置決め精度を
狭スペーシング時にも向上させることができる磁気ディ
スク及びその製造方法を提供することにある。
【0023】また、本発明の目的は、記録磁性体膜の膜
厚を高分解能記録可能な膜厚に設定することができ、将
来の垂直磁気記録もしくは接触記録にも適用することが
でき、とくに磁気抵抗効果型記録ヘッドに適する高密度
記録可能な磁気ディスク及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0024】さらに、本発明の目的は、磁気抵抗効果型
記録再生ヘッドに大きなセンス電流を流すことができ、
ヘッドの動作信頼性を確保することができ、かつ安価に
ヘッドを製造できる磁気ディスク及びその製造方法を提
供することにある。
【0025】さらに、本発明の目的は、サイドフリンジ
が少なく、かつトラッキングサーボ特性の安定した狭ス
ペーシング記録または接触記録の動作を可能とする磁気
ディスク及びその製造方法を提供することにある。
【0026】さらに、本発明の目的は、大容量で高密度
記録可能な磁気記録装置を提供することにある。
【0027】本発明に係る磁気ディスクは、基板と、こ
の基板上に設けられ、情報を磁気的に記録再生する磁性
部材でつくられた記録トラック部と、互いに隣接する前
記記録トラック部間にトラック方向に実質的に連続する
ように設けられ、前記磁性部材よりも硬く、かつ非磁性
の材料でつくられたガードバンド部材と、を具備し、上
記ガードバンド部材の下方領域には、上記磁性部材が存
在しないか、又は、上記記録トラック部をなす磁性部材
の厚みとは異なる厚みの磁性部材が設けられていること
を特徴とする。
【0028】本発明に係る磁気ディスクの製造方法は、
(a)実質的に平坦な表面をもつ基板上に磁性材料から
なる磁性層を形成する工程と、(b)この磁性層の一部
を除去してトラック方向に実質的に連続するように互い
に隣接する記録トラック部を規定するガードバンドスペ
ースをパターン形成する工程と、(c)このガードバン
ドスペースを、前記磁性層をなす磁性材料よりも硬く、
かつ非磁性の材料からなるガードバンド部材で満たす工
程と、(d)このガードバンド部材及び前記磁性層の表
面がそれぞれ実質的に平坦になるように加工する工程
と、を備えることを特徴とする。
【0029】上記ガードバンド部材は、ディスク表面に
あらわれてさえいればよく、その厚みは磁性部材の厚み
と同じであってもよいし、これより厚くてもよいし、こ
れより薄くてもよい。
【0030】また、ガードバンド部材は、非磁性の硬質
材料でできていることが望ましく、SiO2 ,Al2
3 ,TiO2 のような酸化物、Si3 4 ,AlN,T
iNのような窒化物、TiCのような炭化物、BNのよ
うな硼化物、あるいはC系,CH系,CF系のうちいず
れかの重合化合物でできていることが好ましい。ガード
バンド部材が非磁性であるため、サイドフリンジの問題
はほぼ完全に解決される。また、ガードバンド部材が磁
性部材より硬質であるため、コンタクトスタートストッ
プ(CSS)耐性に優れ、さらには将来の接触記録方式
においても耐久性に優れたものとなる。
【0031】本発明の磁気ディスクにおいては、磁性部
材そのものは微細な凹凸状の物理的な形状変化をなして
いる。この磁性部材の凹部に、ガードバンド部材が磁性
部材の凸部表面まで埋め込まれ、ディスク表面が実質的
に平坦面をなすことが望ましい。磁性部材の凹凸形状は
重要であり、サイドフリンジングを低減し、かつ高精度
のトラッキングを行なう上では、記録トラック方向に実
質的に連続して設けられることが好ましい。ガードバン
ド部材がこのような形態を採ることで、サイドフリンジ
ングの問題は本質的に解決できると同時に、光ディスク
に類似の高精度トラッキングが可能となる。
【0032】ここで、「実質的に連続」の意味は、ガー
ドバンド部材は必ずしもトラック一周に亘って連続して
いる必要は無いが、記録磁区列形成部分もしくは必要が
あれば設けられる磁気的サーボ情報記録部分に亘ってト
ラック方向に連続してさえいればよい。より好ましい凹
凸形状は、前記したトラック方向に実質的に連続する形
状に加えて、トラック方向に略連続する形状以外に必要
があれば設けられるアドレス信号が記録磁性層の形状変
化として情報記録されている形態である。このような形
態を採れば、従来から実施されているサーボライティン
グの必要性は全く無くなる。
【0033】また、高密度記録上重要な本発明の効果と
して、記録分解能の向上すなわち線記録密度の向上もあ
げることができる。これは記録磁性部材を非磁性ガード
バンド部材で記録トラック部ごとに分離することによっ
て、磁性部材の形状磁気異方性が記録トラック方向に付
与され、磁化転移部における再生信号の揺らぎが小さく
なることによっている。
【0034】記録磁性部材の凹凸部に埋め込まれている
ガードバンド部材と磁性部材面を実質的に平坦面とすれ
ば、記録層の上に耐摩耗性保護層を設けなくてもよくな
る。そのような場合はスペーシング損失を低減する上で
は最も好ましい形態である。磁気ヘッドをディスクの記
録面に接触走行させる場合は、ガードバンド部材は磁気
ヘッドを案内するガイドレールの役割をもつ。なお、接
触記録方式では記録磁性部材が露出していると十分な信
頼性が得られない場合には、保護層を設けてもよい。保
護層はガードバンド部材と同じ材質からなる硬質非磁性
部材であることが望ましい。
【0035】さらに、ガードバンド部材の電気抵抗は、
磁性部材の電気抵抗よりも大きいほうが望ましい。磁気
抵抗効果方式の記録再生を考慮する場合に、ガードバン
ド部材は記録磁性部材に比べて電気的に絶縁性を有する
ことが好ましく、比抵抗値として少なくとも記録磁性部
材よりも一桁程度高い値をもつことが好ましい。このよ
うにすれば、横通電方式の磁気抵抗ヘッドを用いて接触
再生させた場合においても、電流が媒体に漏洩して再生
出力を低下させてしまうといった問題をも解決すること
ができる。
【0036】磁性部材としては、通常の磁気ディスクに
用いられているCo系材料、例えばCoNiPt,Co
Pt,CoPtCr,CoTaCr,CoNiCr,将
来の垂直磁気記録材料として期待されているCoCr,
CoPtO,それ自体が硬質であることから接触記録材
料として研究されているBaフェライト系、Fe系もし
くはCo系粒子を硬質マトリクス中に分散させた材料系
等を用いることができる。
【0037】なお、記録磁性部材の下地には基板が直接
配置されてもよいが、好ましくは面内媒体に対しては配
向制御膜としてNiP,Cr等、垂直媒体に対しては閉
磁路形成膜として高透磁率膜、例えばNiFe膜等が形
成されているのがよい。基板の材料は特に限定されない
が、通常はアルミニウムやガラスを用いる。さらに、耐
薬品性に優れるガラス基板を用いることが好ましい。
【0038】本発明に係る磁気ディスクは、基板と、こ
の基板上に設けられ情報を磁気的に記録再生する磁性部
材でつくられた記録トラック部と、互いに隣接する前記
記録トラック部間にトラック方向に実質的に連続するよ
うに設けられ、上記記録トラック部をなす磁性部材とは
磁気的に異なる材料でつくられ、外部に直流磁界を供給
する磁石部材と、を備えることを特徴とする。
【0039】本発明に係る磁気ディスクの製造方法は、
(A)実質的に平坦な表面をもつ基板上に磁性材料から
なる磁性層を形成する工程と、(B)この磁性層の一部
を除去してトラック方向に実質的に連続するように互い
に隣接する記録トラック部を規定するスペースをパター
ン形成する工程と、(C)このスペースを、前記磁性材
料とは磁気的に異なる材料でつくられ、外部に直流磁界
を供給する磁石部材で満たす工程と、(D)この磁石部
材及び前記磁性層の表面がそれぞれ実質的に平坦になる
ように加工する工程と、を備えることを特徴とする。
【0040】「トラック方向に実質的に連続する」と
は、少なくとも情報信号の記録/再生部分に磁石部材が
存在していればよいことを意味する。したがって、アド
レス情報領域およびサーボ情報領域には磁石部材は有っ
ても無くてもよく任意のものである。
【0041】また、アドレス情報やサーボ情報を磁石部
材パターンによって設けてもよく、このような場合はこ
の部分の磁石部材はトラック方向に実質的に連続してい
なくとも構わない。
【0042】磁石部材から外部(ヘッド方向)に発生す
る直流磁界は媒体面に平行な記録トラックに平行な方向
とするのが一般的であるが、縦通電方式の磁気抵抗再生
素子を用いる場合は媒体面に垂直に発生させるのがよ
い。
【0043】さらに、磁気ディスクは、必要に応じて下
地層、保護層、潤滑層等を備えてもよい。
【0044】磁性部材には、Co−P、Co−Ni−P
メッキ膜、Co−Ni蒸着膜、Baフェライトスパッタ
膜、Co−Pt、Co−Cr、Co−Ni−Cr、Co
−Cr−Ta、Co−Ni−PtのCo系スパッタ膜を
用いることが望ましい。
【0045】磁石部材は、磁気ヘッドの記録媒体によっ
て磁化方向が変化しない程度に大きな保磁力を持つ材料
であればどのような材質のものであってもよい。発生磁
界の大きさも重要であるが、これは磁石部材の磁化の値
(材料特性と製造方法に依存する値)以外に磁石部材の
サイズ(幅と膜厚)や、磁石部材の下地に軟磁性膜を設
けることによっても調整可能である。例えば、磁石部材
としてフェライト系、SmCo系、NdFeB系等のバ
ルク磁石材料を薄膜化して用いてもよく、Pt/Co多
層膜系、MnBi系、TbCo系、TbFeCo系等の
主に光磁気記録媒体に使用されるような高保磁力薄膜材
料を用いてもよい。
【0046】本発明に係る磁気記録装置は、基板と、こ
の基板上に設けられ、情報を磁気的に記録再生する磁性
部材でつくられた記録トラック部と、互いに隣接する前
記記録トラック部間にトラック方向に実質的に連続する
ように設けられ、前記磁性部材よりも硬く、かつ非磁性
の材料でつくられたガードバンド部材と、を具備し、上
記ガードバンド部材の下方領域には、上記磁性部材が存
在しないか、又は、上記記録トラック部をなす磁性部材
の厚みとは異なる厚みの磁性部材が設けられている磁気
ディスクに対して、情報を磁気的に読み込み書き込む磁
気ヘッドと、外部装置から送られてくる書き込み情報を
データ処理し、データ処理された情報をリードライト回
路を介して前記磁気ヘッドに送る制御部と、を備え、上
記磁気ヘッドはスピンバルブ型の磁気抵抗素子を具備
し、このスピンバルブ型の磁気抵抗素子は、上記リード
ライト回路に接続され、上記磁気ディスクの面に垂直方
向に磁化が固定された第1の磁性層と、磁化が印加磁界
により変化する第2の磁性層と、この第2の磁性層と上
記第1の磁性層との間に挿入された非磁性導電層と、を
備えていることを特徴とする。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明の種々の実施の形態について説明する。
【0048】図1は本発明の実施例に係る磁気ディスク
の一部を示す拡大斜視図である。図中にて符号1aは基
板を、符号2は記録層を表わす。記録層2は、記録トラ
ック方向に長い帯状をなす記録磁性部材2aと、記録磁
性部材2aの間に埋め込まれた記録磁性部材2aとは異
なる材料からなるガードバンド部材4aと、を含んでい
る。このように記録層2においては、磁性部材2aとガ
ードバンド部材4aとがディスク半径方向にトラックピ
ッチを1周期として周期的に交互に配列されている。
【0049】帯状の記録磁性部材2aの幅すなわち記録
トラック幅をTとし、帯状のガードバンド部材4aの幅
すなわちガードバンド幅をGとし、記録磁区の長さをB
とすると、トラックピッチは(T+G)で与えられ、面
密度の逆数に相当する実効的な記録磁区面積は(T+
G)×Bで与えられる。本実施例においては、ディスク
基板1aとしては2.5インチサイズのものを用い、記
録トラック幅Tを1.8±0.1μm、ガードバンド幅
Gを0.2±0.1μmとした。これらは、記録セルの
アスペクト比(トラックピッチ/最短ビットピッチ)を
現行の磁気記録ディスク同様に10とし、ディスクへの
記録としてゾーンコンタクトアンギュラーヴェロシティ
(ZCAV)方式を採用するとした場合、面記録密度は
1.5Gbpsi程度、ディスク2枚4面のドライブで
は記憶容量が1.5GB、となるトラックピッチに相当
する。
【0050】次に、図2〜図6を参照しながら磁気ディ
スクの製造方法について説明する。洗浄済みのガラスデ
ィスク基板1aを、多元マグネトロンスパッタ装置の処
理台上に載置し、CoPt(20原子%Pt)ターゲッ
トを約1分間スパッタして膜厚が約20nmの面内磁化
の記録磁気層2aを形成した。さらに連続してSiO2
ターゲットを1分間スパッタして膜厚約10nmのSi
2 膜を形成して取り出した。
【0051】次に、この着膜後のディスクのSiO2
上にポジ形レジスト3を約50nmスピンコートしてプ
リベークした後に、Krレーザを光源とする光ディスク
用の原盤カッティング装置を用いて、ディスク1を高精
度で回転させながら、トラックピッチ2μm、露光幅
0.2μm(ガードバンド部4aの幅G1 ,G2
3,…Gn)でレジスト3を露光処理した。なお、デ
ィスク全面の露光に要する時間は約10分間とした。現
像処理に供して記録層2a上に同心円状のレジストパタ
ーンを形成した。FIG2に示すように、記録層2の記
録トラック部2aはSiO2 膜を介してレジスト被覆さ
れ、ガードバンド部4aに相当する部分はSiO2 膜の
みで被覆されレジストは無い状態にあった。
【0052】次に、このレジストパターンを有するディ
スク1をRIE装置内に装入し、CHF3 ガスを用いて
SiO2 膜を約30秒間だけ反応性イオンエッチングし
た。ガードバンド部4aの記録層2aを露出させた後
に、ディスクをレジストアッシング装置内に装入し、記
録トラック部2a上のレジストパターンを除去した。
【0053】次に、SiO2 膜パターンを有するディス
クをRIE装置内に装入し、ディスクを約200℃に加
熱して、塩素と三塩化硼素を主成分とする混合ガスプラ
ズマを用いてCoPt膜を約1分間だけ反応性イオンエ
ッチングした。下地の基板面までエッチング除去するこ
とにより、FIG3に示すように、隣り合うCoPt記
録層2aの相互間に帯状のガードバンドスペースを形成
した。さらに、FIG4に示すように、アッシング装置
によりレジスト3を除去した。
【0054】次に、ガードバンドスペースをもつディス
クをスパッタ装置内に装入し、ガードバンドスペースが
完全に埋まるまで約2分間スパッタし、FIG5に示す
ように、ディスク表面をSiO2 膜で覆った。これを取
り出してイオンポリッシング装置内に装入し、記録磁性
部材2aの上面が露出するまで約30秒間ディスク面を
研磨した。これにより同時に記録層上に凹凸面をなして
いたSiO2 膜4を平坦化する。その結果、FIG6に
示すように、帯状の記録磁性部材2a及びガードバンド
部材4aが交互に表面にあらわれたディスク1が得られ
た。
【0055】得られたディスク1の一部を破壊し、その
断面構造を電子顕微鏡で観察したところ、図1に示すよ
うに、記録磁性部材2aとガードバンド部材4aとは段
差の無い実質的に平滑な表面をもつことが確認された。
【0056】なお、本実施例におけるトータルプロセス
時間の増分は生産設備増強によって十分に補い得る程度
であり、ディスクコストの上昇は微々たる程度に抑える
ことができる。
【0057】また、上記実施例では磁性膜のパターニン
グに反応性イオンエッチングを用いた場合につき説明し
たが、イオンミリング法を用いることもできる。その場
合は磁性膜上にSiO2 を設ける必要はなく、直接レジ
ストをコートしてレーザ露光した後に、磁性膜をイオン
ミリングによりパターニングしてレジストを除去し、S
iO2 を埋め込みイオンポリッシュすればよい。ただ
し、加工精度は反応性イオンエッチングの方が優れてい
た。
【0058】磁性膜をパターニングする際のマスクある
いはガードバンドを成す材料にはSiO2 以外に適当に
記録磁性以外の材料を自由に用いることができるが、好
ましくは記録磁性部材よりも硬質で絶縁性の良好な材料
がよい。製造プロセス上は特に材料に限定されず、例え
ば、マスクにCを用いる場合は酸素ベースガスでマスク
パターニングすることができる。
【0059】上記した製造方法によって試作した本発明
の磁気ディスクを用いて以下の手順で本発明の効果を明
らかにする実証試験を実施した。また、以下に記述する
実証試験においては本発明の効果を明確化する目的で従
来技術に従って磁気記録ディスクを作成して同時に評価
した。この従来の磁気記録ディスクは、上記実施例にお
いて、ガラス基板上にCoPt磁性層をスパッタ形成し
た段階で取り出したもの(以降、比較ディスクAと略記
する)と、20nmのCoPt記録層と10nmのSi
2 層(従来技術においては保護層として機能する)を
スパッタした段階で取り出したもの(以降、比較ディス
クBと略記する)の2種類である。
【0060】以下、本発明の実施例に係るディスク(以
下、実施例ディスクCという)と、比較ディスクA及び
Bとについて試験した結果について説明する。
【0061】先ず、得られたディスクサンプルと各々同
一条件で作成した試料につきバイブレイティングサンプ
ルマグネトメーター(以下、VSMという)を用いて静
的磁気特性を測定した。本発明のディスク試料は記録層
中に記録磁性部材の他に非磁性部材を具備しているの
で、断面電子顕微鏡観察結果に基づき、正味の磁性部材
の体積を求めて磁化の大きさを決定した。
【0062】VSM測定を図1に示した膜面内平面の記
録トラックに平行な方向と垂直な方向の二通りで測定し
た結果、比較ディスクA及びBではトラック平行方向と
垂直方向でVSMループに有意差は見られなかったが、
実施例ディスクCでは、記録層の磁性部材の磁化がトラ
ックと平行に容易軸を有しているようであった。これ
は、記録トラックに平行に磁性部材が形状異方性を有し
たためと考えられ、磁気記録上は好ましいことであると
みなせる。
【0063】飽和磁化の大きさは、実施例ディスクC、
比較ディスクA,Bともに約650emu/ccと有意
差は見られなかった。
【0064】保磁力は、比較ディスクAとBとの間では
有意差は無く、2kOe程度であったが、実施例ディス
クCでは測定方向で値が異なり、トラック平行方向に磁
界を印加した場合が2.5kOe、トラックと垂直方向
に磁界を印加した場合が1.5kOeと、形状異方性を
反映する値を示した。磁気記録の高密度化上は高保磁力
であることが重要であるが、記録磁区は、記録トラック
方向に配列するので本発明の磁気記録ディスクの構造は
高密度化上、記録波長を短くする上でも静的磁気特性の
観点から効果的であることが判明した。
【0065】次に、実施例と比較用の2.5インチディ
スク(ルブリカントは塗布した)を磁気ディスク試験装
置に設置してトラッキングサーボ精度の比較評価と記録
再生動作を行った。磁気ヘッドは本発明の狭トラック動
作が可能なように特別に試作した横通電磁気抵抗効果再
生型の薄膜ヘッドを用いた。本発明の効果を明確にする
上で、磁気ヘッドのトラック幅は記録再生ともに2μm
とし、定格回転動作における浮上量を実施例ディスクC
と比較ディスクAでは0.04μmとし、比較ディスク
Bでは0.03μmとし、どのディスクでもヘッド−メ
ディアスペーシングが0.04μmになるようにした。
また、ディスク上の任意の半径に磁気ヘッドを位置合わ
せし、適当な信号を記録して機械的なトラックずれに対
して再生信号が最大になるようにトラッキングする制御
系を用いた。
【0066】先ず、トラッキング性能試験の結果を記述
する。実施例ディスクCと比較ディスクA,Bともに適
当な信号を記録した後のトラッキング特性はほぼ一致し
た。次に隣接するトラックには記録せずにその次のトラ
ックに信号の記録を行い、記録しなかったトラックにヘ
ッドを送ってディスクの回転を継続したところ、磁気記
録信号のみからトラッキング信号を得る比較用のディス
クはスピンドルモータの機械的回転精度が不足すること
に起因して次第にトラックのずれを発生し、隣接トラッ
クの記録信号を次第に再生するようになったのに対し
て、本発明の磁気ディスクは未記録状態のトラックでも
ガードバンド部とは磁気信号出力が全く異なるため、ト
ラッキングずれの発生は皆無であった。従って、本発明
の磁気ディスクでは実際のドライブで駆動する場合にと
くにトラッキングサーボ信号を予め記入する必要は無
く、フォーマット効率が向上してユーザデータ容量が増
加する他、アドレス信号もディスク作成時の磁性膜パタ
ーニング時に記入可能なので、サーボライティングの必
要が無いことが明らかである。
【0067】次に、図1に示すような狭トラックピッチ
の記録を行った場合のサイドフリンジ特性をオフトラッ
ク再生動作とオーバーライト動作とによって評価した。
用いた磁気ヘッドは前記したトラッキング評価に用いた
ものと同一である。先ず、適当な位置のトラックに信号
記録を行った後にトラッキング信号にオフセットをかけ
ながら少しずつオフトラックをかけ、オフトラック量と
再生信号強度の関係を測定した。その結果、比較ディス
クA,Bではヘッドトラック幅の両側にマグネティック
フォースマイクロスコープ(以下、MFMという)で観
察して0.2μm程度ずつのサイドフリンジを発生した
ために、2.2μm程度オフトラックしないと信号出力
が零レベルに定価しなかったのに対して、本発明のディ
スクではMFM観察では全くサイドフリンジの発生は無
く、2μmのオフトラック即ち隣接トラック上では信号
出力は零レベルに低下した。
【0068】さらに、隣接し合う3本のトラックに同一
周波数で信号記録を行い、次に真中のトラックに1.5
倍の周波数の信号を記録してオーバライト特性とクロス
トーク特性を調べた結果、比較ディスクA,Bでは隣接
トラックの信号を拾うと共に十分なオーバライト特性が
得にくかったのに対して、本発明のディスクでは隣接ト
ラック信号は全く無く十分なオーバライト特性が得られ
た。従って実施例ディスクCは狭トラック化に対して大
きな効果を有することが実証された。
【0069】次に、本発明のさらなる効果の一つを明ら
かにする目的で、実施例ディスクC、比較ディスクA及
びBの三種類のディスクをコンタクトスタートストップ
試験(以下、CSS試験という)に供して、その耐摩耗
性を調べた。CSS試験はディスクの回転起動から定格
回転に至るまでの時間(起動時間)を調べることと、5
万パス試験後のディスク表面状態を遮光観察して調べ
た。平坦な磁性膜上に保護膜を有していないルブリカン
トのみの比較ディスクAでは数百パス程度で起動時間が
数10秒という異常な値を示し、従来構造の保護膜とル
ブリカントの両方を有する比較ディスクBは5万パス後
も起動時間は2.5秒程度と正常値を維持した。これら
に対して本発明の磁性膜上には保護膜を有さないがSi
2 ガードバンドを有する実施例ディスクCでは比較デ
ィスクBと同様の結果が得られ、遮光観察の結果も特に
摩耗は認められなかった。これにより実施例ディスクC
は保護膜無しでもヘッドが硬質ガードバンド部材によっ
て案内されながら走行するので保護膜有りの場合と同様
の強い耐摩耗性を示すことが実証でき、狭いスペーシン
グ化する上でも有利であることが確認された。
【0070】さらに、磁気抵抗効果再生ヘッド再生での
優位性を実証する目的で再生ヘッドに通電した状態でヘ
ッド荷重を増加させてヘッドを媒体面に接触させて走行
試験を行った。比較ディスクAでは接触させた瞬間に再
生信号強度は半分以下に低下した。これは導電性の記録
層に電流が分流したためである。
【0071】また、比較用のディスクBでは接触走行さ
せても再生信号の低下は見られなかったが、接触動作を
連続的に行う試験を何回か行ったところ、突然信号が出
なくなる場合があった。信号が出なくなった磁気ヘッド
を調べてみると絶縁破壊に至っていることが明らかとな
った。これはディスクの保護膜が絶縁性であるために回
転動作で静電気が蓄積し、それがヘッドに集中して放電
を起こしたためと考えられる。
【0072】一方、実施例ディスクCでは接触走行時の
再生信号強度は浮上時よりも10%程度低下したもの
の、連続して接触再生試験を行っても全く絶縁破壊は発
生しなかった。信号の低下が比較ディスクAに比べて僅
かなのは導電性の記録層が絶縁性のガードバンドで隔絶
されているためであり、絶縁破壊が発生しないのはディ
スク面が完全に絶縁性の保護膜で覆われていないためと
考えられる。
【0073】上記の実施例では記録磁性材料としてCo
Ptを用い、特に下地層を設けない場合についてのべた
が、本発明は記録材料の種類や下地の有無には特に限定
を受けず、記録材料としてCoNiPt,CoCrP
t,CoTaCr,CoNiCr,垂直磁化のCoCr
等を自由に用いることができる。また、下地にNiPメ
ッキ層やCr配向制御層あるいはNiFe軟磁性層等が
設けられていても実施可能である。
【0074】さらに、ガードバンド部材は図1及び図6
に示したもののみに限られない。図7に示すように、横
断面V字状のガードバンド部材4bを磁性部材2aの膜
厚の途中まで設けてもよい。このようなガードバンド部
材4bは、磁性部材2aの結晶配向を所定方向に制御す
るとともに、特殊なエッチング法を用いることにより形
成される。なお、ガードバンド部材4bは横断面V字状
の他に横断面長円形状であってもよい。
【0075】また、図8に示すように、横断面矩形状の
ガードバンド部材4cを磁性部材2cの下方の下地層5
と基板1の境界まで設けてもよい。下地層5を有する媒
体に対してもこのようなガードバンド部材4cを形成す
ることができ、高密度の記録再生を実現できる。
【0076】さらに、図9に示すように、横断面長円形
状のガードバンド部材4dを基板1aの一部に入り込む
ように形成してもよい。下地層の無い媒体1において基
板1aの途中までこのようなガードバンド部材4dを形
成することができ、高密度の記録再生を実現できる。
【0077】本発明によれば、硬質ガードバンド部材に
より記録磁性部材を互いに分離することで、サイドフリ
ンジが大幅に低減化され、狭トラック化が容易となる。
また、保護膜が無くても高耐久性を達成でき、狭スペー
シング化が容易となり、かつ狭ビットピッチ化が容易と
なり、総合的に磁気記録の高密度化に貢献する所多大で
ある。さらに、高価格化を招くことなく、硬質ガードバ
ンド部材の形成が可能な磁気ディスク及びその製造方法
が提供される。
【0078】また、本発明によれば、記録層下部に配置
する膜に対する自由度が高く、面内媒体の場合は配向制
御膜を配置する等して記録磁性厚を高密度記録対応の薄
さに設定するのが簡単になり、垂直媒体では記録層下部
に高透磁率層を配置する等して記録再生磁界を強めるこ
とが容易になる。また、硬質のガードバンド部材を採用
することによりCSS耐性を大幅に向上することができ
るので、将来的には接触記録方式に対しても十分に応用
できる。さらに、絶縁性のガードバンド部材を採用すれ
ば磁気抵抗効果型ヘッドをディスク面に接触させること
も可能であり、総合的に磁気記録の高密度化に大いに寄
与する。
【0079】次に、図10〜図13を参照しながら磁気
記録装置及び磁気ヘッドについて説明する。
【0080】図10に示すように、磁気記録装置20の
ターンテーブル上にディスク1が載置され、スピンドル
モータ21によってディスク1がスピン回転されるよう
になっている。磁気ヘッド22はアーム28の先端部に
設けられている。アーム28の基端部はボイスコイルモ
ータ(VCM)29によって支持されている。
【0081】図11に示すように、マイクロプロセッサ
35は、スピンドルドライバ31、VCMドライバ3
9、ハードディスクドライブ(HDD)コントローラ3
3のそれぞれに接続され、これらに制御信号を送るよう
になっている。このマイクロプロセサ35はサーボ制御
とデータ処理の両方を実行するものである。例えばマイ
クロプロセサ35は、VCM29の動作を制御するため
に毎秒3000回のサンプリングを行なう一方で、サー
ボ制御のためのディジタル信号を生成する。このディジ
タル信号をD/A変換してVCMドライバ39の制御に
使用する。これによりアーム28のアクチュエータとし
てのVCM29を駆動制御し、磁気ヘッド22をディス
ク1の記録面の所望箇所に近接又は接触させる。また、
マイクロプロセッサ35は、ディスク1が所望速度で回
転するように、モータ21及びスピンドルドライバ31
を制御する。
【0082】さらに、書き込み/読み出しの処理もマイ
クロプロセッサ35の監視のもとで実行されるようにな
っている。すなわち、マイクロプロセッサ35は、HD
Dコントローラ33と信号をやりとりし、ディスク1に
記録すべきデータを信号化し、これをリードライト回路
32を介して磁気ヘッド22に送る。一方、HDDコン
トローラ33はホストインターフェース34を介して外
部のホストコンピュータ(図示せず)に接続されてい
る。ディスク1に記録すべきデータはホストコンピュー
タからHDDコントローラ33に入力され、この入力デ
ータがマイクロプロセッサ35にいったん送られ、マイ
クロプロセッサ35でデータ処理され、さらにこれがH
DDコントローラ33にもどされる。なお、アーム28
に複数のヘッドが搭載されている場合には、マイクロプ
ロセッサ35はこれらの多重化処理を実行する。
【0083】次に、図12,13を参照しながら磁気ヘ
ッドについて説明する。
【0084】図12は磁気ヘッドユニット22の原理的
構成を模式的に示した図である。磁気ヘッドユニット2
2には記録ヘッド23および再生ヘッド24が搭載され
ている。記録ヘッド23は通常用いられているような記
録磁極にコイルが巻回された機構を備える薄膜タイプの
誘導型ヘッドである。この記録ヘッド23は、端子25
を介して記録アンプ(図示せず)からデータ信号に応じ
た記録電流が供給されることによって、磁気ディスク1
上にデータ信号を記録するものである。
【0085】再生ヘッド24はスピンバルブ型磁気抵抗
素子(MR素子)を用いた巨大磁気抵抗効果型ヘッド
(GMRヘッド)である。この再生ヘッド24は磁気デ
ィスク1上に記録されたデータ信号や、データ信号の記
録に先立ち予め記録されたサーボ信号の再生を行う。再
生ヘッド24のMR素子には端子26を介してセンス回
路(図示せず)からセンス電流が供給されるようになっ
ている。また、磁気ディスク1上に記録された信号に基
づく磁界によるMR素子の磁気抵抗の変化がセンス電流
による電圧変化、すなわち電圧信号として端子26より
取り出され、この電圧信号が再生アンプ(図示せず)に
供給されるようになっている。
【0086】図13に示すように、記録ヘッド23のス
ピンバルブ型MR素子は、ピン層(第1の磁性層)23
a、フリー層(第2の磁性層)23b、非磁性導電層2
3c、並びに1対のリード23dを備えている。ピン層
23aは磁気ディスク1の面に垂直方向に磁化が固定さ
れている。フリー層23bは磁化が印加磁界により変化
する。非磁性導電層23cはピン層23aとフリー層2
3bとの間に挿入されている。1対のリード23dはピ
ン層23aのトラック幅方向両端部に接続されている。
各リード23dには端子25がそれぞれ接続されてい
る。各端子25はリードライト回路32に接続されてい
る。
【0087】ピン層23aおよびフリー層23bは例え
ばCo−Fe膜からなり、非磁性導電層23cは例えば
Cu膜からなる。ここで、フリー層23aはトラック幅
方向に磁気ディスク面と並行に磁化が揃うように配向さ
れている。信号磁界を記録ヘッド23のMR素子に印加
すると、フリー層23bの磁化方向が決まり、このフリ
ー層23bの磁化方向とピン層23aの磁化方向との関
係で、1対のリード23d間で見たMR素子の電気抵抗
が変化する。この電気抵抗の変化現象が巨大磁気抵抗効
果である。
【0088】次に、図14〜図19を参照しながら本発
明の他の好ましい実施の形態について説明する。
【0089】図14にて符号1aは基板、符号2は記録
層、符号11は磁石部材、符号12は記録磁性部材をそ
れぞれ示す。本実施形態では記録磁性部材12として2
0nm厚のCoPt膜を、磁石部材11として20nm
厚のTbCo膜を、基板1aとして2.5インチ径のガ
ラス基板を各々用いた。
【0090】記録層2は磁石部材11と記録磁性部材1
2とをディスク半径方向に交互に備えている。記録磁性
部材12は記録トラックT1,T2,…Tnをそれぞれ
形成し、磁石部材11は直流磁界を発生する記録トラッ
ク間領域M1,M2,…Mnをそれぞれ形成している。
記録磁性部材12の磁化の向きは、長手記録媒体の場合
は記録トラックに平行であり、垂直記録媒体の場合は膜
面に垂直である。
【0091】一方、磁石部材11の磁化の向きは、横通
電方式の磁気抵抗ヘッドで動作させる場合は膜面に垂直
であり、縦通電方式の磁気抵抗ヘッドで動作させる場合
は膜面内で記録トラックT1,T2,…Tnに垂直であ
る。なお、横通電方式であっても縦通電方式であっても
磁石部材11の磁化の向きは1トラック毎に逆向きに設
定するのがよい。
【0092】図14に示す磁気ディスク1Dは、例えば
以下の方法で製造することができる。 平坦面を成すガ
ラス基板1a上に先ず平坦なCoPt膜をスパッタリン
グによって形成し、連続してSiO2 膜を10nmの膜
厚まで形成する。次いで、SiO2 膜上にレジストをス
ピンコートし、光ディスクの原盤カッティングに使用さ
れるレーザ露光装置を使用してコンセントリックにレジ
ストの露光を行い、現像処理してレジストのパターニン
グを行う。
【0093】次に、RIE装置内に基板1を装入し、例
えばCHF3 ガスを用いてSiO2膜をエッチングす
る。さらに、アッシングによりレジストパターンを除去
し、CoPt膜上にSiO2 パターンを形成する。次い
でRIE装置により例えば塩素を三塩化硼素の混合ガス
を用いてCoPt磁性膜を基板面に至るまでエッチング
する。
【0094】さらに、スパッタ装置を用いて磁気的に補
償組成(Tb;22原子%程度)付近の高保磁力(10
kOe程度)のTbCo垂直磁化膜を20nmの膜厚ま
で形成し、その後イオンポリッシング装置を用いて記録
磁性部材12上に形成された余分なTbCo膜を除去
し、磁気ディスク1Dを得た。
【0095】磁石部材11として用いたTbCo膜は非
晶質合金で記録磁性部材12に用いたCoPt膜よりも
高硬度であるので、このまま保護膜を特に形成すること
なくディスク評価に供した。
【0096】ところで、得られたディスクを評価に供す
る前に磁石部材(磁石層)11の初期磁化方向を設定す
る必要がある。これはエアースピンドルモータを備えた
高精度位置決め可能な光磁気記録装置を用いて行なっ
た。先ず、光磁気記録装置にディスク1Dを設置する。
そして、膜面に対して垂直に記録磁界を印加して1トラ
ック毎に記録磁界の向きを上下反転させながら、TbC
o膜11に半導体レーザ光を集光照射して膜の磁化を上
向きもしくは下向きに1トラックに亘り一様に整え、2
μmのトラックピッチで光ヘッドをディスク半径方向に
コンセントリックに送った。このようにして磁石層11
の磁化方向が設定されたディスク1Dを磁気記録再生試
験装置内に設置して評価した。
【0097】図15は磁気ディスク1Dの評価試験に用
いた磁気抵抗再生型磁気ヘッドを再生部のABS面から
見込んで示す模式図である。図15に示す磁気ヘッドは
本実施形態の磁気ディスク1Dを評価するために特別に
試作したものである。図中にて符号41は磁化回転膜、
符号42は磁化固定膜、符号7は導電性非磁性膜、符号
8は磁化固着膜、符号6は電極膜をそれぞれ表わす。
【0098】磁化回転膜41および磁化固定膜42には
CoFe膜を、導電性非磁性膜7にはCuを、磁化固着
膜8にはFeMnを、電極膜6にはCuを各々用いた。
ヘッド試作の最終工程で真空中磁界中熱処理に供して磁
化固着膜8とそれに交換結合される磁化固定膜42の磁
化の向きを図15の紙面表側から裏側へ向かう向き(す
なわち媒体面に垂直な方向)に設定した。
【0099】実際に用いたヘッドは上部に絶縁膜と磁気
シールドと記録下磁極を兼ねたCoZrNb膜、記録ギ
ャップを介してNiFe上部磁極を形成したものであ
り、記録・再生トラック幅は2μmとした。本実施例の
磁気ディスクを回転させて磁気ヘッドを浮上量0.04
μmで浮上させ、記録再生試験を実施した。その結果、
本実施例の磁気ディスクでは未記録状態においても記録
磁性部材12からの磁気信号と磁石部材11からの磁気
信号とは異なるので、とくにサーボライトしない場合で
あっても安定してトラッキング動作を実現することがで
きた。これによって本発明の効果の一つが実証された。
【0100】次に、図16に示すように、上記の磁気抵
抗再生型磁気ヘッドを用いて本実施形態の磁気ディスク
1Dに情報の記録再生を行った。図16は動作中の未記
録状態の記録トラック上を走行するヘッドの磁化回転膜
41と記録媒体の様子を示す断面模式図である。
【0101】記録磁極への記録信号の印加と再生ヘッド
電極6への横通電(図15のなかで磁化回転膜41中に
図示した矢印に対して反対の向きに通電)とによって記
録再生動作を行った。トラックT2上の磁化回転膜41
の磁化の向きは磁石部材M2及びM3からの漏洩磁界の
向きに揃い、これは前述のように対称波形再生可能な磁
化方向である。
【0102】次に、記録動作を行うと磁化反転部からの
漏洩磁界(媒体面に垂直で上向きもしくは下向き)に従
って磁化回転膜41の磁化が回転し、抵抗が変化して対
称波形の再生信号が得られた。センス電流を増加させる
とほぼ線形に再生信号強度は増加し、センス電流磁界と
磁化固着膜8の磁化の向きが一致しているために磁化固
着膜8の磁化方向の変化は見られなかった。
【0103】トラックT2に隣接するトラックT3で動
作させた場合には、磁化回転膜41の磁化の向きはトラ
ックT2のときとは逆向きになるが、再生動作上はトラ
ックT2とT3とは等価なのでまったく問題無く記録再
生動作させることができた。
【0104】次に、再生ヘッドを記録済みのトラックか
ら未記録のトラックへ少しずつディスク半径方向に送っ
てオフトラック特性を調べた結果、トラックピッチの2
μmの送りで全く信号は無くなり、本実施形態のディス
ク1Dがサイドフリンジを低下させる上でも効果的であ
ることが明らかとなった。また、CSS試験を繰り返し
5千回行ったが、とくに媒体面の摩耗は認められなかっ
た。ただし、媒体面にルブリカントを塗布してCSS試
験した。これから明らかなように、磁石部材11が記録
磁性部材12よりも硬質であれば、磁石部材11がガイ
ドレール的に作用してCSS耐性を向上させる効果を有
することが判明した。
【0105】さらに、CSS耐性を向上する上では磁石
部材11としてTbCoの代わりにフェライト系の磁石
部材を用いることが効果的であり、そのような場合は保
護膜無しでも5万パス程度の実用的なCSS耐性が期待
でき、狭スペーシング化上も効果的である。なお、上記
実施例に用いたTbCo磁石層の場合は、媒体面上に1
0nm程度のSiO2 保護膜を設けるのが実用上は好ま
しい。
【0106】(比較例)以上、本発明の効果を明確にし
た実験の結果を記述したが、比較例として従来の方法を
用いて磁石部材を持たない磁気ディスクを作成し、これ
を上記実施形態のディスク1Dと同様に評価した。比較
例ディスクの構成は、ガラス基板上に20nmのCoP
t記録層と10nmのSi02 保護層をスパッタ形成
し、その上にディスク1Dに用いたのと同様のルブリカ
ントを塗布したものである。ディスク動作試験の条件
は、ヘッド浮上量を0.03μmとしてヘッド/メディ
ア間のスペーシングを変えたことを除き、ディスク1D
の条件と同じにした。
【0107】比較例ディスクからヘッドの磁化回転膜4
1へ漏洩する磁界は未記録状態ではランダムなので、磁
化回転膜41の磁化方向は平均的に見て磁化固着膜8と
磁化固定膜42の漏洩磁界の向き、すなわち図15で紙
面に垂直な(裏から表)に向く。これに起因して記録磁
区列を再生する際に、比較例ディスク媒体からの磁界が
図15中にて紙面の表から裏に向かう場合は磁化回転膜
41の磁化が回転して再生信号が得られたが、裏から表
に向かう場合は磁化回転膜41の磁化は回転せず信号が
得られなかった。すなわち、比較例ディスクでは再生信
号出力は得られたものの磁化転移の半分に相当する出力
しか得られなかった。
【0108】また、比較例ディスクにおいてはサーボラ
イト無しでは未記録状態のトラックからは何等トラッキ
ング情報が得られないので、次第にトラックずれを生じ
るとともに、サイドフリンジが大きくなって隣接トラッ
クからの余分なノイズ信号の混入が大きくなるという不
都合を生じた。
【0109】上記の実施例と比較例では、基板としてガ
ラス、記録磁性層としてCoPt膜、磁石層としてTb
Co膜、保護膜としてSiO2 を使用した例を述べた
が、本発明はとくにこれらの材料のみに限定されず、基
板にAl等の金属を、記録磁性部材12にCoCrT
a、CoNiPt、CoCr、Baフェライト等を、磁
石部材11にフェライト、SmCo、NdFe、MnB
i等を、また保護膜としてC等の様々な材料を用いるこ
とができる。さらに、記録磁性部材11の下地にCr等
の配向制御層、NiFe等の高透磁率層等が配置されて
いてもよい。
【0110】また、磁石部材の横断面形状も多用な変形
例があげられ、矩形状以外にV字状、半円状でもよい。
【0111】また、上記実施形態の磁気ディスク1Dで
は磁石部材11を設ける領域の深さを記録磁性層12の
膜厚と同じにしたが、磁石部材11の深さ(厚さ)は必
ずしも記録磁性層12の膜厚と同じであることを要しな
い。例えば図17に示すディスク1Eでは、磁石部材1
1aの深さを記録磁性部材12aの膜厚より小さくして
いる。また、図18に示すように、中間層(下地層)5
を基板1aと記録層2との間に有するディスク1Fで
は、磁石部材11bの深さを中間層3の膜厚と記録磁性
部材12bの膜厚とを合計したものとしてもよい。さら
に、図19に示すディスク1Gでは、磁石部材11cの
深さを記録磁性部材12cの膜厚より大きくしている。
【0112】また、スピンバルブ構造以外の磁気抵抗効
果形再生素子、例えば異方性磁気抵抗膜や、人工格子的
な多層構造膜や、グラニュラー膜等に対しても同様の効
果を得ることができる。すなわち、再生信号の対称性を
得る上で何等かの動作点バイアスを必要とする磁気抵抗
効果素子全般に対して同様の効果を奏する。
【0113】本実施形態の磁気ディスクを用いれば、磁
気抵抗効果型再生ヘッドを有する磁気記録再生装置にお
いて、大きなセンス電流を通電できるので高い再生信号
強度を得ることができ、良好な再生信号波形の対称性が
得られるのでエラーレートの少ない再生動作が安定して
でき、再生ヘッド構造が簡略化されるので安価にヘッド
を製造できる。さらに付随的効果として、サイドフリン
ジの少ない記録が可能となり、かつ安定したトラッキン
グ動作が可能となって狭トラック化が容易になり、かつ
狭スペーシング動作をも可能たらしめる。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、硬質ガードバンド部材
により記録磁性部材を互いに分離することで、サイドフ
リンジが大幅に低減化され、狭トラック化が容易とな
る。また、保護膜が無くても高耐久性を達成でき、狭ス
ペーシング化が容易となり、かつ狭ビットピッチ化が容
易となり、総合的に磁気記録の高密度化に貢献する所多
大である。さらに、高価格化を招くことなく、硬質ガー
ドバンド部材の形成が可能な磁気ディスク及びその製造
方法が提供される。
【0115】また、本発明によれば、記録層下部に配置
する膜に対する自由度が高く、面内媒体の場合は配向制
御膜を配置する等して記録磁性厚を高密度記録対応の薄
さに設定するのが簡単になり、垂直媒体では記録層下部
に高透磁率層を配置する等して記録再生磁界を強めるこ
とが容易になる。また、硬質のガードバンド部材を採用
することによりCSS耐性を大幅に向上することができ
るので、将来的には接触記録方式に対しても十分に応用
できる。さらに、絶縁性のガードバンド部材を採用すれ
ば磁気抵抗効果型ヘッドをディスク面に接触させること
も可能であり、総合的に磁気記録の高密度化に大いに寄
与する。
【0116】本発明の磁気ディスクによれば、媒体磁界
によって磁気抵抗効果形ヘッドに適当な動作点バイアス
を印加するので、簡単な再生素子構造を用いても対称波
型の安定した再生動作が可能となり、再生素子の製造が
簡便になる。
【0117】とくにサーボライトしない場合であっても
安定して高精度のトラッキング動作をすることが可能と
なり、サイドフリンジの少ない記録が実現でき、かつ狭
スペーシング動作がしやすくなるので、総合的に磁気記
録の高密度化と高性能化に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気ディ
スクの一部を切り欠いて記録トラック部分を拡大して示
す拡大斜視図。
【図2】図2は、磁気ディスクの製造方法を説明するた
めに製造プロセスの一工程にあるディスクを示す縦断面
図。
【図3】図3は、磁気ディスクの製造方法を説明するた
めに製造プロセスの一工程にあるディスクを示す縦断面
図。
【図4】図4は、磁気ディスクの製造方法を説明するた
めに製造プロセスの一工程にあるディスクを示す縦断面
図。
【図5】図5は、磁気ディスクの製造方法を説明するた
めに製造プロセスの一工程にあるディスクを示す縦断面
図。
【図6】図6は、磁気ディスクを示す縦断面図。
【図7】図7は、他の実施形態の磁気ディスクを示す縦
断面図。
【図8】図8は、他の実施形態の磁気ディスクを示す縦
断面図。
【図9】図9は、他の実施形態の磁気ディスクを示す縦
断面図。
【図10】図10は、磁気記録装置の全体概要斜視図。
【図11】図11は、磁気記録装置の制御系を示す構成
ブロック図。
【図12】図12は、磁気ヘッドユニット及び磁気ディ
スクを模式的に示す部分拡大概要図。
【図13】図13は、GMR型記録ヘッドの主要部を模
式的に示す斜視図。
【図14】図14は、本発明の第2実施形態に係る磁気
ディスクの一部を切り欠いて記録トラック部分を拡大し
て示す拡大斜視図。
【図15】図15は、本発明の効果を実証するための動
作試験に用いた磁気抵抗効果型再生素子を示す縦断面
図。
【図16】図16は、第2実施形態に係る磁気ディスク
と動作中のヘッドとの磁化の向きの関係を示す模式図。
【図17】図17は、本発明の他の実施形態に係る磁気
ディスクの記録トラック部分を示す縦断面図。
【図18】図18は、本発明の他の実施形態に係る磁気
ディスクの記録トラック部分を示す縦断面図。
【図19】図19は、本発明の他の実施形態に係る磁気
ディスクの記録トラック部分を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1a…基板、2…記録層、2a…記録磁性部材、3…レ
ジスト層、4a…ガードバンド部材、5…下地層、6…
再生ヘッド電極(Cu電極膜)、7…導電性非磁性膜
(Cu膜)、8…磁化固着膜、11,M2,M3,M
4,M5…磁石部材(TbCo膜)、12…記録磁性部
材(CoPt膜)、41…磁化回転膜、42…磁化固定
膜。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板上に設けられ、情報を
    磁気的に記録再生する磁性部材でつくられた記録トラッ
    ク部と、互いに隣接する前記記録トラック部間にトラッ
    ク方向に実質的に連続するように設けられ、前記磁性部
    材よりも硬く、かつ非磁性の材料でつくられたガードバ
    ンド部材と、を具備し、 上記ガードバンド部材の下方領域には、上記磁性部材が
    存在しないか、又は、上記記録トラック部をなす磁性部
    材の厚みとは異なる厚みの磁性部材が設けられているこ
    とを特徴とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 上記ガードバンド部材の電気抵抗のほう
    が、上記記録トラック部をなす磁性部材の電気抵抗より
    も大きいことを特徴とする請求項1記載の磁気ディス
    ク。
  3. 【請求項3】 上記磁性部材と上記ガードバンド部材と
    で形成されるディスク表面が実質的に平坦であることを
    特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の磁気ディ
    スク。
  4. 【請求項4】 上記ガードバンド部材の厚みは、上記記
    録トラック部をなす磁性部材の厚みと実質的に同じであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 上記ガードバンド部材の厚みは、上記記
    録トラック部をなす磁性部材の厚みより小さいことを特
    徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  6. 【請求項6】 上記ガードバンド部材の厚みは上記記録
    トラック部をなす磁性部材の厚みより大きく、上記ガー
    ドバンド部材の一部が基板のなかに埋設されていること
    を特徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  7. 【請求項7】 さらに、上記磁性部材と基板との間にN
    iPメッキ層、Cr配向制御層、NiFe軟磁性層のう
    ちのいずれかからなる下地層を有し、 上記ガードバンド部材の厚みは、この下地層の厚みと上
    記磁性部材の厚みとを合計した厚みと実質的に同じであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  8. 【請求項8】 基板と、この基板上に設けられ情報を磁
    気的に記録再生する磁性部材でつくられた記録トラック
    部と、互いに隣接する前記記録トラック部間にトラック
    方向に実質的に連続するように設けられ、上記記録トラ
    ック部をなす磁性部材とは磁気的に異なる材料でつくら
    れ、外部に直流磁界を供給する磁石部材と、を備えるこ
    とを特徴とする磁気ディスク。
  9. 【請求項9】 上記磁性部材と上記磁石部材とで形成さ
    れるディスク表面が実質的に平坦であることを特徴とす
    る請求項8記載の磁気ディスク。
  10. 【請求項10】 上記磁石部材の厚みは、上記記録トラ
    ック部をなす磁性部材の厚みと実質的に同じであること
    を特徴とする請求項8記載の磁気ディスク。
  11. 【請求項11】 上記磁石部材の厚みは、上記記録トラ
    ック部をなす磁性部材の厚みより小さいことを特徴とす
    る請求項8記載の磁気ディスク。
  12. 【請求項12】 上記磁石部材の厚みは上記記録トラッ
    ク部をなす磁性部材の厚みより大きく、上記磁石部材の
    一部が基板のなかに埋設されていることを特徴とする請
    求項8記載の磁気ディスク。
  13. 【請求項13】 さらに、上記磁性部材と基板との間に
    NiPメッキ層、Cr配向制御層、NiFe軟磁性層の
    うちのいずれかからなる下地層を有し、 上記磁石部材の厚みは、この下地層の厚みと上記磁性部
    材の厚みとを合計した厚みと実質的に同じであることを
    特徴とする請求項8記載の磁気ディスク。
  14. 【請求項14】 上記磁石部材は、記録用磁気ヘッドに
    よって磁化方向が変化しないような大きさの保磁力を有
    する材料でできていることを特徴とする請求項8記載の
    磁気ディスク。
  15. 【請求項15】 (a)実質的に平坦な表面をもつ基板
    上に磁性材料からなる磁性層を形成する工程と、 (b)この磁性層の一部を除去してトラック方向に実質
    的に連続するように互いに隣接する記録トラック部を規
    定するガードバンドスペースをパターン形成する工程
    と、 (c)このガードバンドスペースを、前記磁性層をなす
    磁性材料よりも硬く、かつ非磁性の材料からなるガード
    バンド部材で満たす工程と、 (d)このガードバンド部材及び前記磁性層の表面がそ
    れぞれ実質的に平坦になるように加工する工程と、を備
    えることを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  16. 【請求項16】 (A)実質的に平坦な表面をもつ基板
    上に磁性材料からなる磁性層を形成する工程と、 (B)この磁性層の一部を除去してトラック方向に実質
    的に連続するように互いに隣接する記録トラック部を規
    定するスペースをパターン形成する工程と、 (C)このスペースを、前記磁性材料とは磁気的に異な
    る材料でつくられ、外部に直流磁界を供給する磁石部材
    で満たす工程と、 (D)この磁石部材及び前記磁性層の表面がそれぞれ実
    質的に平坦になるように加工する工程と、を備えること
    を特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  17. 【請求項17】 基板と、この基板上に設けられ、情報
    を磁気的に記録再生する磁性部材でつくられた記録トラ
    ック部と、互いに隣接する前記記録トラック部間にトラ
    ック方向に実質的に連続するように設けられ、前記磁性
    部材よりも硬く、かつ非磁性の材料でつくられたガード
    バンド部材と、を具備し、上記ガードバンド部材の下方
    領域には、上記磁性部材が存在しないか、又は、上記記
    録トラック部をなす磁性部材の厚みとは異なる厚みの磁
    性部材が設けられている磁気ディスクに対して、情報を
    磁気的に読み込み書き込む磁気ヘッドと、外部装置から
    送られてくる書き込み情報をデータ処理し、データ処理
    された情報をリードライト回路を介して前記磁気ヘッド
    に送る制御部と、を備え、 上記磁気ヘッドはスピンバルブ型の磁気抵抗素子を具備
    し、 このスピンバルブ型の磁気抵抗素子は、 上記リードライト回路に接続され、上記磁気ディスクの
    面に垂直方向に磁化が固定された第1の磁性層と、 磁化が印加磁界により変化する第2の磁性層と、 この第2の磁性層と上記第1の磁性層との間に挿入され
    た非磁性導電層と、 を備えていることを特徴とする磁気記録装置。
JP19184696A 1995-07-24 1996-07-22 磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置 Pending JPH0997419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19184696A JPH0997419A (ja) 1995-07-24 1996-07-22 磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18731395 1995-07-24
JP7-192015 1995-07-27
JP7-187313 1995-07-27
JP19201595 1995-07-27
JP19184696A JPH0997419A (ja) 1995-07-24 1996-07-22 磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0997419A true JPH0997419A (ja) 1997-04-08

Family

ID=27325866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19184696A Pending JPH0997419A (ja) 1995-07-24 1996-07-22 磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0997419A (ja)

Cited By (60)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002074654A (ja) * 2000-08-23 2002-03-15 Tdk Corp 機能素子の製造方法および機能素子
WO2004079725A1 (ja) 2003-03-05 2004-09-16 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
WO2005013264A1 (ja) * 2003-07-31 2005-02-10 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
WO2005015549A1 (ja) * 2003-08-07 2005-02-17 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
WO2005029471A1 (ja) * 2003-09-22 2005-03-31 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体
WO2005064598A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Tdk Corporation 凹凸パターンの凹部充填方法及び磁気記録媒体の製造方法
JP2006252772A (ja) * 2006-06-23 2006-09-21 Tdk Corp 磁気記録媒体の製造方法
CN1305035C (zh) * 2003-10-28 2007-03-14 Tdk股份有限公司 磁记录媒体的制造方法
US7223439B2 (en) 2003-03-26 2007-05-29 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium and magnetic recording medium
US7247251B2 (en) 2004-02-23 2007-07-24 Tdk Corporation Method for manufacturing a magnetic recording medium
US7247343B2 (en) 2003-08-27 2007-07-24 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
CN1328712C (zh) * 2003-03-05 2007-07-25 Tdk股份有限公司 磁记录介质的制造方法和制造设备
JP2007280609A (ja) * 2007-07-27 2007-10-25 Tdk Corp 磁気記録媒体の製造方法
CN100346397C (zh) * 2004-03-03 2007-10-31 Tdk株式会社 磁记录介质
CN100350462C (zh) * 2004-02-26 2007-11-21 Tdk株式会社 磁记录介质以及磁记录复制装置
CN100354936C (zh) * 2004-09-24 2007-12-12 Tdk股份有限公司 信息记录媒体、记录再生装置及磁盘原模
CN100362573C (zh) * 2004-08-03 2008-01-16 Tdk股份有限公司 磁记录介质和磁记录再生装置
JP2008016172A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Marvell World Trade Ltd ディスク装置および再生ヘッド
US7345838B2 (en) 2004-08-06 2008-03-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording media and magnetic recording and reproducing apparatus
CN100380453C (zh) * 2004-03-25 2008-04-09 Tdk股份有限公司 信息记录媒体
US7368184B2 (en) 2003-09-26 2008-05-06 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording device
US7378029B2 (en) 2004-02-23 2008-05-27 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
US7385785B2 (en) 2004-11-10 2008-06-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproduction apparatus
US7403355B2 (en) 2004-09-01 2008-07-22 Tdk Corporation Information recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7413819B2 (en) 2004-02-23 2008-08-19 Tdk Corporation Magnetic recording medium
US7423842B2 (en) 2004-02-26 2008-09-09 Tdk Corporation Magnetic recording medium having servo and data track regions with different arithmetical mean deviations
EP2009624A1 (en) 2007-06-29 2008-12-31 Fujifilm Corporation Method for producing magnetic recording medium, magnetic recording medium produced by the production method, and mold structure for use in the production method
US7474506B2 (en) 2005-02-28 2009-01-06 Tdk Corporation Magnetic recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7477485B2 (en) 2004-09-24 2009-01-13 Tdk Corporation Information recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7482070B2 (en) 2004-04-30 2009-01-27 Tdk Corporation Magnetic recording medium
US7488429B2 (en) 2004-06-28 2009-02-10 Tdk Corporation Method of dry etching, method of manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording medium
EP2026338A1 (en) 2007-08-07 2009-02-18 Fujifilm Corporation Apparatus and method for manufacturing magnetic recording medium
US7505220B2 (en) 2005-03-02 2009-03-17 Tdk Corporation Magnetic recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7538041B2 (en) 2004-09-22 2009-05-26 Tdk Corporation Magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and intermediate for magnetic recording medium
US7541106B2 (en) 2005-02-24 2009-06-02 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing device
US7554768B2 (en) 2004-09-01 2009-06-30 Tdk Corporation Information recording medium with concave/convex servo pattern having decreasing unit convex part length ratio
US7597972B2 (en) 2004-06-25 2009-10-06 Tdk Corporation Magnetic recording medium including a patterned intermediate layer and a non-patterned soft magnetic layer and manufacturing method thereof
EP2107560A1 (en) 2008-03-31 2009-10-07 Fujifilm Corporation Magnetic transfer master carrier and magnetic recording medium
US7616404B2 (en) 2006-12-25 2009-11-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium
US7615292B2 (en) 2004-03-23 2009-11-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium
US7662264B2 (en) 2005-04-19 2010-02-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Method for producing magnetic recording medium
US7682713B2 (en) 2005-02-01 2010-03-23 Tdk Corporation Magnetic recording medium with recording layer having a predetermined concavo-convex pattern and magnetic recording and reproducing apparatus
US7732005B2 (en) 2004-05-25 2010-06-08 Hitachi, Ltd. Method for producing recording medium, recording medium employing said method, and information recording and reproducing apparatus
US7740903B2 (en) 2006-02-22 2010-06-22 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
US7746598B2 (en) 2004-09-16 2010-06-29 Tdk Corporation Information recording medium and recording/reproducing apparatus
US7829267B2 (en) 2006-01-18 2010-11-09 Tdk Corporation Stamper, method of forming a concave/convex pattern, and method of manufacturing an information recording medium
US7864469B2 (en) 2007-12-28 2011-01-04 Tdk Corporation Information recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
JP2011023082A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Showa Denko Kk 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
US7923135B2 (en) 2008-03-21 2011-04-12 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Magnetic recording medium having a patterned exchange-coupling control layer and method of manufacturing same
WO2011048746A1 (ja) * 2009-10-23 2011-04-28 株式会社アルバック 磁気転写用原盤の製造方法
US7940494B2 (en) 2007-01-16 2011-05-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium
US8007860B2 (en) 2008-10-08 2011-08-30 Showa Denko K.K. Method for manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording and reproducing apparatus
US8023213B2 (en) 2008-03-25 2011-09-20 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd Patterned medium inspection method and inspection device
US8124255B2 (en) 2008-06-17 2012-02-28 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
US8233359B2 (en) 2006-11-09 2012-07-31 Sharp Kabushiki Kaisha Magnetic recording medium, magnetic recording/reproducing apparatus, and magnetic recording/reproducing method
US8298691B2 (en) 2009-03-18 2012-10-30 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
US8419951B2 (en) 2010-04-27 2013-04-16 Showa Denko K.K. Method of manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording/reproducing device
US8599509B2 (en) 2009-12-02 2013-12-03 HGST Netherlands B.V. Magnetic recording medium having non-magnetic separating regions and methods of manufacturing the same
US8637225B2 (en) 2008-03-18 2014-01-28 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus
US8840955B2 (en) 2008-10-23 2014-09-23 Fuji Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium and method of manufacturing same

Cited By (70)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002074654A (ja) * 2000-08-23 2002-03-15 Tdk Corp 機能素子の製造方法および機能素子
WO2004079725A1 (ja) 2003-03-05 2004-09-16 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
US7166318B2 (en) 2003-03-05 2007-01-23 Tdk Corporation Production method and production apparatus for magnetic recording medium
CN1328712C (zh) * 2003-03-05 2007-07-25 Tdk股份有限公司 磁记录介质的制造方法和制造设备
US7223439B2 (en) 2003-03-26 2007-05-29 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium and magnetic recording medium
WO2005013264A1 (ja) * 2003-07-31 2005-02-10 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
US7470374B2 (en) 2003-07-31 2008-12-30 Tdk Corporation Manufacturing method and manufacturing apparatus of magnetic recording medium
WO2005015549A1 (ja) * 2003-08-07 2005-02-17 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
US7247343B2 (en) 2003-08-27 2007-07-24 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
WO2005029471A1 (ja) * 2003-09-22 2005-03-31 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体
US7368184B2 (en) 2003-09-26 2008-05-06 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording device
US7225528B2 (en) 2003-10-28 2007-06-05 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
CN1305035C (zh) * 2003-10-28 2007-03-14 Tdk股份有限公司 磁记录媒体的制造方法
WO2005064598A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Tdk Corporation 凹凸パターンの凹部充填方法及び磁気記録媒体の製造方法
US7300595B2 (en) 2003-12-25 2007-11-27 Tdk Corporation Method for filling concave portions of concavo-convex pattern and method for manufacturing magnetic recording medium
US7247251B2 (en) 2004-02-23 2007-07-24 Tdk Corporation Method for manufacturing a magnetic recording medium
US7413819B2 (en) 2004-02-23 2008-08-19 Tdk Corporation Magnetic recording medium
US7378029B2 (en) 2004-02-23 2008-05-27 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
CN100350462C (zh) * 2004-02-26 2007-11-21 Tdk株式会社 磁记录介质以及磁记录复制装置
US7423842B2 (en) 2004-02-26 2008-09-09 Tdk Corporation Magnetic recording medium having servo and data track regions with different arithmetical mean deviations
US7352529B2 (en) 2004-02-26 2008-04-01 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing device using a magnetic recording layer formed with a predetermined concavo-convex pattern
CN100346397C (zh) * 2004-03-03 2007-10-31 Tdk株式会社 磁记录介质
US7438982B2 (en) 2004-03-03 2008-10-21 Tdk Corporation Magnetic recording medium including disk substrate, magnetic layer, and non-magnetic layer
US7615292B2 (en) 2004-03-23 2009-11-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium
CN100380453C (zh) * 2004-03-25 2008-04-09 Tdk股份有限公司 信息记录媒体
US7604880B2 (en) 2004-03-25 2009-10-20 Tdk Corporation Information recording medium
US7482070B2 (en) 2004-04-30 2009-01-27 Tdk Corporation Magnetic recording medium
US7732005B2 (en) 2004-05-25 2010-06-08 Hitachi, Ltd. Method for producing recording medium, recording medium employing said method, and information recording and reproducing apparatus
US7597972B2 (en) 2004-06-25 2009-10-06 Tdk Corporation Magnetic recording medium including a patterned intermediate layer and a non-patterned soft magnetic layer and manufacturing method thereof
US7488429B2 (en) 2004-06-28 2009-02-10 Tdk Corporation Method of dry etching, method of manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording medium
CN100362573C (zh) * 2004-08-03 2008-01-16 Tdk股份有限公司 磁记录介质和磁记录再生装置
US7494727B2 (en) 2004-08-03 2009-02-24 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
CN100411018C (zh) * 2004-08-06 2008-08-13 株式会社东芝 磁记录介质以及磁记录与再现设备
US7345838B2 (en) 2004-08-06 2008-03-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording media and magnetic recording and reproducing apparatus
US7403355B2 (en) 2004-09-01 2008-07-22 Tdk Corporation Information recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7554768B2 (en) 2004-09-01 2009-06-30 Tdk Corporation Information recording medium with concave/convex servo pattern having decreasing unit convex part length ratio
US7746598B2 (en) 2004-09-16 2010-06-29 Tdk Corporation Information recording medium and recording/reproducing apparatus
US7538041B2 (en) 2004-09-22 2009-05-26 Tdk Corporation Magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and intermediate for magnetic recording medium
US7477485B2 (en) 2004-09-24 2009-01-13 Tdk Corporation Information recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
CN100354936C (zh) * 2004-09-24 2007-12-12 Tdk股份有限公司 信息记录媒体、记录再生装置及磁盘原模
US7385785B2 (en) 2004-11-10 2008-06-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproduction apparatus
US7682713B2 (en) 2005-02-01 2010-03-23 Tdk Corporation Magnetic recording medium with recording layer having a predetermined concavo-convex pattern and magnetic recording and reproducing apparatus
US7541106B2 (en) 2005-02-24 2009-06-02 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing device
US7474506B2 (en) 2005-02-28 2009-01-06 Tdk Corporation Magnetic recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7505220B2 (en) 2005-03-02 2009-03-17 Tdk Corporation Magnetic recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US7662264B2 (en) 2005-04-19 2010-02-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Method for producing magnetic recording medium
US7829267B2 (en) 2006-01-18 2010-11-09 Tdk Corporation Stamper, method of forming a concave/convex pattern, and method of manufacturing an information recording medium
US7740903B2 (en) 2006-02-22 2010-06-22 Tdk Corporation Method for manufacturing magnetic recording medium
JP2006252772A (ja) * 2006-06-23 2006-09-21 Tdk Corp 磁気記録媒体の製造方法
JP2008016172A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Marvell World Trade Ltd ディスク装置および再生ヘッド
US8233359B2 (en) 2006-11-09 2012-07-31 Sharp Kabushiki Kaisha Magnetic recording medium, magnetic recording/reproducing apparatus, and magnetic recording/reproducing method
US7616404B2 (en) 2006-12-25 2009-11-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium
US7940494B2 (en) 2007-01-16 2011-05-10 Tdk Corporation Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium
EP2009624A1 (en) 2007-06-29 2008-12-31 Fujifilm Corporation Method for producing magnetic recording medium, magnetic recording medium produced by the production method, and mold structure for use in the production method
JP2007280609A (ja) * 2007-07-27 2007-10-25 Tdk Corp 磁気記録媒体の製造方法
EP2026338A1 (en) 2007-08-07 2009-02-18 Fujifilm Corporation Apparatus and method for manufacturing magnetic recording medium
US7864469B2 (en) 2007-12-28 2011-01-04 Tdk Corporation Information recording medium, recording/reproducing apparatus, and stamper
US8637225B2 (en) 2008-03-18 2014-01-28 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus
US7923135B2 (en) 2008-03-21 2011-04-12 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Magnetic recording medium having a patterned exchange-coupling control layer and method of manufacturing same
US8023213B2 (en) 2008-03-25 2011-09-20 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd Patterned medium inspection method and inspection device
EP2107560A1 (en) 2008-03-31 2009-10-07 Fujifilm Corporation Magnetic transfer master carrier and magnetic recording medium
US8124255B2 (en) 2008-06-17 2012-02-28 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
US8007860B2 (en) 2008-10-08 2011-08-30 Showa Denko K.K. Method for manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording and reproducing apparatus
US8840955B2 (en) 2008-10-23 2014-09-23 Fuji Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium and method of manufacturing same
US8298691B2 (en) 2009-03-18 2012-10-30 Tdk Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
JP2011023082A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Showa Denko Kk 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JPWO2011048746A1 (ja) * 2009-10-23 2013-03-07 株式会社アルバック 磁気転写用原盤の製造方法
WO2011048746A1 (ja) * 2009-10-23 2011-04-28 株式会社アルバック 磁気転写用原盤の製造方法
US8599509B2 (en) 2009-12-02 2013-12-03 HGST Netherlands B.V. Magnetic recording medium having non-magnetic separating regions and methods of manufacturing the same
US8419951B2 (en) 2010-04-27 2013-04-16 Showa Denko K.K. Method of manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording/reproducing device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6014296A (en) Magnetic disk, method of manufacturing magnetic disk and magnetic recording apparatus
JPH0997419A (ja) 磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、及び磁気記録装置
US6703099B2 (en) Perpendicular magnetic recording media with patterned soft magnetic underlayer
US6650598B2 (en) Magnetic head having magnetoresistance device and recording/reproducing apparatus incorporating the same
JP3172000B2 (ja) 磁気記録再生装置
JP3884394B2 (ja) 記録媒体、記録再生装置、記録媒体の製造装置、及び記録媒体の製造方法
JP2006127681A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法、磁気記録再生装置
JP5422912B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録再生装置
JP4185230B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2000298822A (ja) 磁気記録媒体
EP2037454A1 (en) Master carrier for magnetic transfer, magnetic transfer method and magnetic recording medium
JP4517329B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
US6963461B2 (en) Method for magnetic recording on laminated media with improved media signal-to-noise ratio
US6989952B2 (en) Magnetic recording disk drive with laminated media and improved media signal-to-noise ratio
JP3443971B2 (ja) 磁気記録信号再生方法
JP3394108B2 (ja) 磁気記憶装置及び多層磁性層磁気記録媒体
JP2004355729A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2003296917A (ja) 磁気記録媒体
Yogi High density magnetic recording for rigid disk systems
JPH09231525A (ja) 磁性積層体とそれを用いた磁気センサ及び磁気記録再生装置
JP2010129131A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録装置、および磁気記録媒体製造方法
JPH07182633A (ja) 磁気ヘッドおよびそれを用いた磁気記録装置
JP2001028125A (ja) 磁気転写方法および磁気転写装置
JP2000331340A (ja) 磁気記録媒体
JP2004111047A (ja) 記録再生ヘッドおよびそれを備えた記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040217

A02 Decision of refusal

Effective date: 20040615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02