JPH0987636A - バインダー用ピッチおよびその製造方法 - Google Patents
バインダー用ピッチおよびその製造方法Info
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- JPH0987636A JPH0987636A JP24571095A JP24571095A JPH0987636A JP H0987636 A JPH0987636 A JP H0987636A JP 24571095 A JP24571095 A JP 24571095A JP 24571095 A JP24571095 A JP 24571095A JP H0987636 A JPH0987636 A JP H0987636A
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Landscapes
- Working-Up Tar And Pitch (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 バインダーピッチとしての粘結性、熱安定
性、炭化率、黒鉛化性などが一段と改良された品質的に
安定性の高いバインダーピッチ、および該ピッチの製造
方法の提供。 【解決手段】 バインダー用ピッチ中に含まれるメソフ
ェーズの粒径が1〜10μmであり、しかもその表面がフ
リーカーボンにて覆われているバインダー用ピッチ、お
よびコールタールおよび/または石油系重質油から得ら
れる軟ピッチを熱処理するバインダー用ピッチの製造方
法において、前記軟ピッチのフリーカーボン含有量が5
〜10wt%になるように調整し、350 〜450 ℃の温度範
囲で、0.5〜5wt%のメソフェーズを発生せしめるよ
うに熱処理するバインダー用ピッチの製造方法。
性、炭化率、黒鉛化性などが一段と改良された品質的に
安定性の高いバインダーピッチ、および該ピッチの製造
方法の提供。 【解決手段】 バインダー用ピッチ中に含まれるメソフ
ェーズの粒径が1〜10μmであり、しかもその表面がフ
リーカーボンにて覆われているバインダー用ピッチ、お
よびコールタールおよび/または石油系重質油から得ら
れる軟ピッチを熱処理するバインダー用ピッチの製造方
法において、前記軟ピッチのフリーカーボン含有量が5
〜10wt%になるように調整し、350 〜450 ℃の温度範
囲で、0.5〜5wt%のメソフェーズを発生せしめるよ
うに熱処理するバインダー用ピッチの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼用黒鉛電極、
アルミニウム製錬用電極、電解ソーダ製造用黒鉛陽極、
機械用、化学構造用カーボン、および炭素耐火物等の炭
素製品の原料となるバインダー用ピッチおよびその製造
方法に関する。
アルミニウム製錬用電極、電解ソーダ製造用黒鉛陽極、
機械用、化学構造用カーボン、および炭素耐火物等の炭
素製品の原料となるバインダー用ピッチおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素製品は、一般に石油コークス、ピッ
チコークスなどの骨材コークスをバインダー用ピッチ
(以下バインダーピッチと記す)などの結合材で固めて
焼成して製造されている。この炭素製品の原料の一つで
あるバインダーピッチは、製品の用途に応じてその要求
特性がかなり異なるものであり、更には相手骨材コーク
スの品質に応じてバインダーピッチの品質を考慮せねば
ならず、優れた特性を持つバインダーピッチがあって初
めて優れた炭素製品が得られる。
チコークスなどの骨材コークスをバインダー用ピッチ
(以下バインダーピッチと記す)などの結合材で固めて
焼成して製造されている。この炭素製品の原料の一つで
あるバインダーピッチは、製品の用途に応じてその要求
特性がかなり異なるものであり、更には相手骨材コーク
スの品質に応じてバインダーピッチの品質を考慮せねば
ならず、優れた特性を持つバインダーピッチがあって初
めて優れた炭素製品が得られる。
【0003】バインダーピッチに要求される特性は、一
般的に、(1)ピッチの輸送と貯蔵が容易で、しかも骨
材コークスとの混合が充分に行われる軟化点を有するこ
と、(2)比抵抗の小さい、緻密な炭素製品を得るため
に、ピッチの真比重が高く、芳香族性に富み、固定炭素
の多いこと、(3)相手骨材コークスとのぬれ性を良く
するために、ピッチ中に適度のオイル分と低分子レジン
を含有すること、(4)ペーストの流動性を小さくし、
その温度感受性を減少させ、更には炭素製品のカサ比重
を上げ、強度を向上させるために、適度のキノリン不溶
分(QI)を含有すること、(5)結晶性の良いバイン
ダーコークスを与え、200 ℃までのピッチの熱安定性を
増し、温度感受性を小さくするために、適度の量のβ−
レジン成分(トルエン不溶分−キノリン不溶分)を含有
すること、(6)環境、作業性の点からピッチの揮発分
の少ないこと、などが挙げられる。
般的に、(1)ピッチの輸送と貯蔵が容易で、しかも骨
材コークスとの混合が充分に行われる軟化点を有するこ
と、(2)比抵抗の小さい、緻密な炭素製品を得るため
に、ピッチの真比重が高く、芳香族性に富み、固定炭素
の多いこと、(3)相手骨材コークスとのぬれ性を良く
するために、ピッチ中に適度のオイル分と低分子レジン
を含有すること、(4)ペーストの流動性を小さくし、
その温度感受性を減少させ、更には炭素製品のカサ比重
を上げ、強度を向上させるために、適度のキノリン不溶
分(QI)を含有すること、(5)結晶性の良いバイン
ダーコークスを与え、200 ℃までのピッチの熱安定性を
増し、温度感受性を小さくするために、適度の量のβ−
レジン成分(トルエン不溶分−キノリン不溶分)を含有
すること、(6)環境、作業性の点からピッチの揮発分
の少ないこと、などが挙げられる。
【0004】現在、使用されているバインダーピッチ
は、ほとんどがコールタールピッチが用いられている。
高温乾留コールタールからのピッチは芳香族性に富み、
炭化率も大きく、またその割には使用温度に於ける粘性
が低いという特性を有しており、優れたバインダーピッ
チである。
は、ほとんどがコールタールピッチが用いられている。
高温乾留コールタールからのピッチは芳香族性に富み、
炭化率も大きく、またその割には使用温度に於ける粘性
が低いという特性を有しており、優れたバインダーピッ
チである。
【0005】このコールタールピッチの製造方法は、原
料であるコールタールを蒸留して、カルボル油、ナフタ
リン油、アントラセン油等の低沸点油を留去させ、この
タール蒸留の残渣をピッチとする方法が一般的であり、
さらに、引き続いて熱処理を行いQI(キノリン不溶
分)を発生させ、固定炭素の多いピッチとする方法もあ
る。例えば、特開平3−197590号公報では、熱処理して
キノリン不溶分粒子の平均粒径を10〜30μmにする方法
が提案されている。
料であるコールタールを蒸留して、カルボル油、ナフタ
リン油、アントラセン油等の低沸点油を留去させ、この
タール蒸留の残渣をピッチとする方法が一般的であり、
さらに、引き続いて熱処理を行いQI(キノリン不溶
分)を発生させ、固定炭素の多いピッチとする方法もあ
る。例えば、特開平3−197590号公報では、熱処理して
キノリン不溶分粒子の平均粒径を10〜30μmにする方法
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、最も好ま
しいバインダーピッチの原料は、高温乾留によって得ら
れた芳香族性の高いタールであり、このタールを蒸留し
て得られる軟ピッチでも、バインダーピッチとしての特
性を具備するものが得られるものの、品質的にはまだ不
充分であり、前記の(1)〜(6)の特性を全てにわた
り満足すべきものではない。
しいバインダーピッチの原料は、高温乾留によって得ら
れた芳香族性の高いタールであり、このタールを蒸留し
て得られる軟ピッチでも、バインダーピッチとしての特
性を具備するものが得られるものの、品質的にはまだ不
充分であり、前記の(1)〜(6)の特性を全てにわた
り満足すべきものではない。
【0007】本発明は、バインダーピッチとしての粘結
性、熱安定性、炭化率、黒鉛化性などが更に一段と改良
された、品質的により一層安定性の高いバインダーピッ
チ、および該ピッチを経済的にしかも工業的規模で製造
する方法を提供することを目的とする。
性、熱安定性、炭化率、黒鉛化性などが更に一段と改良
された、品質的により一層安定性の高いバインダーピッ
チ、および該ピッチを経済的にしかも工業的規模で製造
する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、コールタ
ールおよび/または石油系重質油から得られる軟ピッチ
を熱処理して得られるバインダー用ピッチであって、バ
インダー用ピッチ中に含まれるメソフェーズの粒径が1
〜10μmであり、しかもその表面がフリーカーボンにて
覆われていることを特徴とするバインダー用ピッチであ
る。
ールおよび/または石油系重質油から得られる軟ピッチ
を熱処理して得られるバインダー用ピッチであって、バ
インダー用ピッチ中に含まれるメソフェーズの粒径が1
〜10μmであり、しかもその表面がフリーカーボンにて
覆われていることを特徴とするバインダー用ピッチであ
る。
【0009】また、第2の発明は、コールタールおよび
/または石油系重質油から得られる軟ピッチを熱処理す
るバインダー用ピッチの製造方法において、前記軟ピッ
チのフリーカーボン含有量が5〜10wt%になるように
調整し、350 〜450 ℃の温度範囲で、0.5 〜5wt%の
メソフェーズを発生せしめるように熱処理することを特
徴とするバインダー用ピッチの製造方法である。
/または石油系重質油から得られる軟ピッチを熱処理す
るバインダー用ピッチの製造方法において、前記軟ピッ
チのフリーカーボン含有量が5〜10wt%になるように
調整し、350 〜450 ℃の温度範囲で、0.5 〜5wt%の
メソフェーズを発生せしめるように熱処理することを特
徴とするバインダー用ピッチの製造方法である。
【0010】本第2の発明においては、前記軟ピッチの
軟化点が好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下
であることが好ましい。
軟化点が好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下
であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。石炭を高温乾留(1000〜1300℃)すると、フリーカ
ーボンと呼ばれるキノリン不溶分がタール中に存在す
る。フリーカーボンの含有量は、コークス炉の構造およ
び操業条件に依存し、更にこのフリーカーボンの大きさ
は直径1μm以下の微粒子であることが知られている。
る。石炭を高温乾留(1000〜1300℃)すると、フリーカ
ーボンと呼ばれるキノリン不溶分がタール中に存在す
る。フリーカーボンの含有量は、コークス炉の構造およ
び操業条件に依存し、更にこのフリーカーボンの大きさ
は直径1μm以下の微粒子であることが知られている。
【0012】このフリーカーボンは、コークス炉内で石
炭の熱分解で生成されたコールタール蒸気が1000〜1300
℃の熱履歴を受けて生成したもので(気相熱分解)、一
般にはコークス炉の操業条件がより高温である程、この
フリーカーボンの生成量も多くなり、また前記の炉温な
どコークス炉の操業条件によって大きく変動する。本発
明は、この石炭の高温乾留によって得られたフリーカー
ボンを含むコールタールを蒸留し、軟化点75℃以下の軟
ピッチを得て、引き続きこの軟ピッチを熱処理し、メソ
フェーズを発生せしめることに関するものである。
炭の熱分解で生成されたコールタール蒸気が1000〜1300
℃の熱履歴を受けて生成したもので(気相熱分解)、一
般にはコークス炉の操業条件がより高温である程、この
フリーカーボンの生成量も多くなり、また前記の炉温な
どコークス炉の操業条件によって大きく変動する。本発
明は、この石炭の高温乾留によって得られたフリーカー
ボンを含むコールタールを蒸留し、軟化点75℃以下の軟
ピッチを得て、引き続きこの軟ピッチを熱処理し、メソ
フェーズを発生せしめることに関するものである。
【0013】本発明において用いる軟ピッチの軟化点
は、好ましくは前記のとおり75℃以下、より好ましくは
50〜70℃の範囲内であることが好ましい。軟ピッチに含
まれるフリーカーボンの含有量は、熱処理前に予め5〜
10wt%に調整する必要があり、更に軟ピッチの熱処理
条件は、350 〜450 ℃で、好ましくは30分〜30時間、よ
り好ましくは5〜20時間熱処理することが好ましい。
は、好ましくは前記のとおり75℃以下、より好ましくは
50〜70℃の範囲内であることが好ましい。軟ピッチに含
まれるフリーカーボンの含有量は、熱処理前に予め5〜
10wt%に調整する必要があり、更に軟ピッチの熱処理
条件は、350 〜450 ℃で、好ましくは30分〜30時間、よ
り好ましくは5〜20時間熱処理することが好ましい。
【0014】熱処理後のピッチは、必要に応じてバイン
ダーピッチとして要求される軟化点(80〜120 ℃)に、
例えばスチーム蒸留、減圧蒸留、常圧蒸留等の方法で低
分子成分を留去して調整する。なお、前記した軟ピッチ
に含まれるフリーカーボンの含有量の調整は、蒸留前
のコールタールとしてフリーカーボン含有量の異なるコ
ールタールを適切な配合量で混合したものを用いる方
法、軟ピッチとして、フリーカーボン含有量の異なる
軟ピッチを適切な配合量で混合する方法、軟ピッチま
たは蒸留前のコールタールにフリーカーボン、グラファ
イト等の炭素質粉末を添加する方法(フリーカーボンが
少ない場合)、およびコールタールを遠心分離等によ
りフリーカーボンを除去する方法(フリーカーボンが多
い場合)等が例示され、フリーカーボン含有量および軟
化点両者の調整の容易さからの方法が特に好ましい
が、特には限定されるものではない。
ダーピッチとして要求される軟化点(80〜120 ℃)に、
例えばスチーム蒸留、減圧蒸留、常圧蒸留等の方法で低
分子成分を留去して調整する。なお、前記した軟ピッチ
に含まれるフリーカーボンの含有量の調整は、蒸留前
のコールタールとしてフリーカーボン含有量の異なるコ
ールタールを適切な配合量で混合したものを用いる方
法、軟ピッチとして、フリーカーボン含有量の異なる
軟ピッチを適切な配合量で混合する方法、軟ピッチま
たは蒸留前のコールタールにフリーカーボン、グラファ
イト等の炭素質粉末を添加する方法(フリーカーボンが
少ない場合)、およびコールタールを遠心分離等によ
りフリーカーボンを除去する方法(フリーカーボンが多
い場合)等が例示され、フリーカーボン含有量および軟
化点両者の調整の容易さからの方法が特に好ましい
が、特には限定されるものではない。
【0015】このようにして得られたバインダーピッチ
は、偏光顕微鏡によりメソフェーズの存在が認められ、
その大きさは1〜10μmの微細なものであり、その粒径
がそろっていて、メソフェーズのまわりがフリーカーボ
ンで覆われているのが特徴である。なお、熱処理によっ
て生成されるメソフェーズもキノリン不溶分であり、フ
リーカーボンもキノリン不溶分であるが、メソフェーズ
は偏光顕微鏡により、その成分が確認できる。
は、偏光顕微鏡によりメソフェーズの存在が認められ、
その大きさは1〜10μmの微細なものであり、その粒径
がそろっていて、メソフェーズのまわりがフリーカーボ
ンで覆われているのが特徴である。なお、熱処理によっ
て生成されるメソフェーズもキノリン不溶分であり、フ
リーカーボンもキノリン不溶分であるが、メソフェーズ
は偏光顕微鏡により、その成分が確認できる。
【0016】軟ピッチ中に含有されるフリーカーボン量
および熱処理により発生させるメソフェーズの量の違い
により種々のバインダーピッチが得られるが、本発明者
らは、バインダーピッチの偏光顕微鏡観察の結果、1〜
10μmの粒径のそろった微細なメソフェーズを含むもの
が、バインダーピッチとして優れた特性を有することを
見出した。
および熱処理により発生させるメソフェーズの量の違い
により種々のバインダーピッチが得られるが、本発明者
らは、バインダーピッチの偏光顕微鏡観察の結果、1〜
10μmの粒径のそろった微細なメソフェーズを含むもの
が、バインダーピッチとして優れた特性を有することを
見出した。
【0017】バインダーピッチ中にメソフェーズを全く
含有しないもの、あるいは10〜100μmの大きいメソフ
ェーズを含有するものは、いずれもバインダーピッチと
しての粘結性、熱安定性、炭化率に劣り、更には炭素製
品の一般的特性が満足すべきものではない。軟ピッチに
含まれるフリーカーボンは、ピッチの熱処理に際して、
メソフェーズ発生の核になるといわれているが、メソフ
ェーズの発生過程においては、フリーカーボンがメソフ
ェーズの中に抱き込まれることなく、メソフェーズのま
わりに付着し、メソフェーズ同士の合体を阻害すること
が知られている。
含有しないもの、あるいは10〜100μmの大きいメソフ
ェーズを含有するものは、いずれもバインダーピッチと
しての粘結性、熱安定性、炭化率に劣り、更には炭素製
品の一般的特性が満足すべきものではない。軟ピッチに
含まれるフリーカーボンは、ピッチの熱処理に際して、
メソフェーズ発生の核になるといわれているが、メソフ
ェーズの発生過程においては、フリーカーボンがメソフ
ェーズの中に抱き込まれることなく、メソフェーズのま
わりに付着し、メソフェーズ同士の合体を阻害すること
が知られている。
【0018】このフリーカーボンそれ自体は粘結性がな
く、また結晶性に劣る。一方、ピッチの熱処理によって
生成するメソフェーズは、光学的異方性組織であり、結
晶性に優れたものであり、その存在は偏光顕微鏡により
検知できる。バインダーピッチは炭素製品の製造時の焼
成過程において、骨材コークスを結合させるバインダー
コークスとなる。
く、また結晶性に劣る。一方、ピッチの熱処理によって
生成するメソフェーズは、光学的異方性組織であり、結
晶性に優れたものであり、その存在は偏光顕微鏡により
検知できる。バインダーピッチは炭素製品の製造時の焼
成過程において、骨材コークスを結合させるバインダー
コークスとなる。
【0019】バインダーピッチ中にフリーカーボン含有
量が少な過ぎると、この焼成過程において、メソフェー
ズが速やかに成長・合体してその結果得られるバインダ
ーコークスは異方性組織が過度に発達した織維状構造に
なりやすく、炭素製品の機械的強度が低下する。逆にバ
インダーピッチ中にフリーカーボン含有量が多過ぎる
と、この焼成過程において、メソフェーズの合体を阻害
し、バインダーコークスは異方性、結晶化に劣るものと
なり、炭素製品の結晶性が低下する。
量が少な過ぎると、この焼成過程において、メソフェー
ズが速やかに成長・合体してその結果得られるバインダ
ーコークスは異方性組織が過度に発達した織維状構造に
なりやすく、炭素製品の機械的強度が低下する。逆にバ
インダーピッチ中にフリーカーボン含有量が多過ぎる
と、この焼成過程において、メソフェーズの合体を阻害
し、バインダーコークスは異方性、結晶化に劣るものと
なり、炭素製品の結晶性が低下する。
【0020】以上の新たに得られた知見から、軟ピッチ
中のフリーカーボン含有量は5〜10wt%が最も好まし
い。更に注目すべきことは、5〜10wt%のフリーカー
ボンを含む軟ピッチを、熱処理によって粒径のそろった
1〜10μmの微細なメソフェーズを発生させることによ
ってのみ、優れたバインダーピッチとなることである。
中のフリーカーボン含有量は5〜10wt%が最も好まし
い。更に注目すべきことは、5〜10wt%のフリーカー
ボンを含む軟ピッチを、熱処理によって粒径のそろった
1〜10μmの微細なメソフェーズを発生させることによ
ってのみ、優れたバインダーピッチとなることである。
【0021】フリーカーボン含有量が5wt%未満の軟
ピッチを熱処理すれば、粒径が10μm超えのメソフェー
ズが生成してしまい、これをバインダーピッチとして用
い、炭素製品を製造すると、機械的強度が劣るものとな
る。更にフリーカーボン含有量が10wt%超えの軟ピッ
チを熱処理すれば、粒径が1μm未満のメソフェーズが
生成してしまい、これをバインダーピッチとして用い、
炭素製品を製造すると、結晶性が劣るものとなる。
ピッチを熱処理すれば、粒径が10μm超えのメソフェー
ズが生成してしまい、これをバインダーピッチとして用
い、炭素製品を製造すると、機械的強度が劣るものとな
る。更にフリーカーボン含有量が10wt%超えの軟ピッ
チを熱処理すれば、粒径が1μm未満のメソフェーズが
生成してしまい、これをバインダーピッチとして用い、
炭素製品を製造すると、結晶性が劣るものとなる。
【0022】すなわち、フリーカーボン含有量が5〜10
wt%の軟ピッチをメソフェーズの発生量が0.5 〜5w
t%となるように熱処理することで、1〜10μmの粒径
のそろった微細なメソフェーズとなる。さらに、本発明
における熱処理温度は350 〜450 ℃の範囲内にあること
を必須とする。350 ℃未満であるとメソフェーズが生成
せず、450 ℃超えであるとメソフェーズが5wt%を超
えて生成し、メソフェーズの粒径が大きいものとなり好
ましくない。
wt%の軟ピッチをメソフェーズの発生量が0.5 〜5w
t%となるように熱処理することで、1〜10μmの粒径
のそろった微細なメソフェーズとなる。さらに、本発明
における熱処理温度は350 〜450 ℃の範囲内にあること
を必須とする。350 ℃未満であるとメソフェーズが生成
せず、450 ℃超えであるとメソフェーズが5wt%を超
えて生成し、メソフェーズの粒径が大きいものとなり好
ましくない。
【0023】また、軟ピッチの熱処理時間は30分〜30時
間、より好ましくは5〜20時間であることが好ましい。
30分未満の場合メソフェーズが生成せず、30時間超えの
場合メソフェーズが5wt%を超えて生成し、メソフェ
ーズの粒径が大きいものとなり好ましくない。本発明に
おける軟ピッチの最も好ましい熱処理条件は、350 〜45
0 ℃の範囲内で5〜20時間熱処理することが好ましい。
間、より好ましくは5〜20時間であることが好ましい。
30分未満の場合メソフェーズが生成せず、30時間超えの
場合メソフェーズが5wt%を超えて生成し、メソフェ
ーズの粒径が大きいものとなり好ましくない。本発明に
おける軟ピッチの最も好ましい熱処理条件は、350 〜45
0 ℃の範囲内で5〜20時間熱処理することが好ましい。
【0024】以上のように、フリーカーボンを5〜10w
t%含有する軟ピッチを350 〜450℃の温度範囲内で熱
処理し、0.5 〜5wt%のメソフェーズを発生せしめた
バインダーピッチは、偏光顕微鏡観察の結果、1〜10μ
mの粒径のそろった微細なメソフェーズを含有し、しか
もそのメソフェーズのまわりは、粒径が1μm以下のフ
リーカーボンで覆われているのが観察される。
t%含有する軟ピッチを350 〜450℃の温度範囲内で熱
処理し、0.5 〜5wt%のメソフェーズを発生せしめた
バインダーピッチは、偏光顕微鏡観察の結果、1〜10μ
mの粒径のそろった微細なメソフェーズを含有し、しか
もそのメソフェーズのまわりは、粒径が1μm以下のフ
リーカーボンで覆われているのが観察される。
【0025】なお、本発明のバインダーピッチは、メソ
フェーズの表面がフリーカーボンにて覆われているが、
フリーカーボン量が多くあれば、メソフェーズ粒子表面
を全面的に覆うことになるが、少ない場合にはメソフェ
ーズ粒子表面を部分的に覆うことになる。以上、コール
タールから得られる軟ピッチを用いたバインダーピッチ
およびその製造方法について述べたが、本発明は、石油
系重質油から得られる軟ピッチにも適用可能である。
フェーズの表面がフリーカーボンにて覆われているが、
フリーカーボン量が多くあれば、メソフェーズ粒子表面
を全面的に覆うことになるが、少ない場合にはメソフェ
ーズ粒子表面を部分的に覆うことになる。以上、コール
タールから得られる軟ピッチを用いたバインダーピッチ
およびその製造方法について述べたが、本発明は、石油
系重質油から得られる軟ピッチにも適用可能である。
【0026】その場合は、石油系重質油中のフリーカー
ボン量の制限から、フリーカーボンを含有するコールタ
ールと石油系重質油との混合油を蒸留して得た軟ピッチ
を用いることが好ましい。また、用いる石油系重質油は
常圧での沸点が 200℃以上のものを用いることが好まし
い。
ボン量の制限から、フリーカーボンを含有するコールタ
ールと石油系重質油との混合油を蒸留して得た軟ピッチ
を用いることが好ましい。また、用いる石油系重質油は
常圧での沸点が 200℃以上のものを用いることが好まし
い。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。なお、本実施例におけるフリーカーボン含有量は
キノリン不溶分量(QI量)であり、メソフェーズの発
生量は下記式により求めた。 メソフェーズの発生量(wt%)={バインダーピッチの
QI量(wt%)−〔軟ピッチのQI量(wt%)〕/軟ピ
ッチのバインダーピッチ収率} 前記式中で、軟ピッチのバインダーピッチ収率とは、軟
ピッチがバインダーピッチとなる収率であり比で示され
る値である。
する。なお、本実施例におけるフリーカーボン含有量は
キノリン不溶分量(QI量)であり、メソフェーズの発
生量は下記式により求めた。 メソフェーズの発生量(wt%)={バインダーピッチの
QI量(wt%)−〔軟ピッチのQI量(wt%)〕/軟ピ
ッチのバインダーピッチ収率} 前記式中で、軟ピッチのバインダーピッチ収率とは、軟
ピッチがバインダーピッチとなる収率であり比で示され
る値である。
【0028】また、本実施例における曲げ強度の測定は
JIS R7202 に基づく3点曲げ試験法により行い、固有抵
抗の測定はJIS R7202 に基づく電圧降下法により行っ
た。 〔実施例1〕フリーカーボン含有量の異なるコールター
ルを所定比率で混合したコールタールを蒸留して軟ピッ
チを調製した。得られたフリーカーボン含有量7wt
%、軟化点65℃の軟ピッチを、20lオートクレーブを用
いて常圧で380 ℃、10時間熱処理し、更に減圧蒸留によ
り軽質分を留去し、軟化点100 ℃のバインダーピッチを
得た。
JIS R7202 に基づく3点曲げ試験法により行い、固有抵
抗の測定はJIS R7202 に基づく電圧降下法により行っ
た。 〔実施例1〕フリーカーボン含有量の異なるコールター
ルを所定比率で混合したコールタールを蒸留して軟ピッ
チを調製した。得られたフリーカーボン含有量7wt
%、軟化点65℃の軟ピッチを、20lオートクレーブを用
いて常圧で380 ℃、10時間熱処理し、更に減圧蒸留によ
り軽質分を留去し、軟化点100 ℃のバインダーピッチを
得た。
【0029】得られたバインダーピッチは、500 倍の偏
光顕微鏡観察により1〜3μmの粒径のそろったメソフ
ェーズが観察され、更にそのまわりにフリーカーボンが
付着しているのが分かった。この時のメソフェーズの生
成量は 2.5wt%であった。このバインダーピッチと針
状コークスとを、混合比(;針状コークス:バインダー
ピッチ=7:3)で混合し、電極ピースの形状(;40mm
φ×120mm )に成型し、1000℃で焼成し、電極ピースを
試作した。
光顕微鏡観察により1〜3μmの粒径のそろったメソフ
ェーズが観察され、更にそのまわりにフリーカーボンが
付着しているのが分かった。この時のメソフェーズの生
成量は 2.5wt%であった。このバインダーピッチと針
状コークスとを、混合比(;針状コークス:バインダー
ピッチ=7:3)で混合し、電極ピースの形状(;40mm
φ×120mm )に成型し、1000℃で焼成し、電極ピースを
試作した。
【0030】この電極ピースは曲げ強度260kgf/cm2、固
有抵抗78×10-4Ωcmで充分な特性を有していた。 〔実施例2〕フリーカーボン含有量の異なるコールター
ルを所定比率で混合したコールタールを蒸留して表1に
示す軟ピッチを調製した。得られたフリーカーボン含有
量が0〜15wt%、軟化点55〜65℃の軟ピッチ(A,
B,C,D)を、20lオートクレーブを用いて常圧で 3
90℃、8時間熱処理し、メソフェーズを生成させた。
有抵抗78×10-4Ωcmで充分な特性を有していた。 〔実施例2〕フリーカーボン含有量の異なるコールター
ルを所定比率で混合したコールタールを蒸留して表1に
示す軟ピッチを調製した。得られたフリーカーボン含有
量が0〜15wt%、軟化点55〜65℃の軟ピッチ(A,
B,C,D)を、20lオートクレーブを用いて常圧で 3
90℃、8時間熱処理し、メソフェーズを生成させた。
【0031】得られたバインダーピッチの軟化点は90〜
95℃であった。なお、軟ピッチA,Dはいずれも1種類
のコールタールを蒸留して調製した軟ピッチである。得
られたバインダーピッチのメソフェーズの発生量を求
め、さらに偏光顕微鏡によりメソフェーズの粒径を観察
した。
95℃であった。なお、軟ピッチA,Dはいずれも1種類
のコールタールを蒸留して調製した軟ピッチである。得
られたバインダーピッチのメソフェーズの発生量を求
め、さらに偏光顕微鏡によりメソフェーズの粒径を観察
した。
【0032】また、これらのバインダーピッチを用い
て、実施例1と同様に電極ピースを試作し、その曲げ強
度、固有抵抗を測定した。これらの結果を表1に併せて
示す。表1に示されるように、本発明のバインダーピッ
チであるCピッチが優れていることが分かる。
て、実施例1と同様に電極ピースを試作し、その曲げ強
度、固有抵抗を測定した。これらの結果を表1に併せて
示す。表1に示されるように、本発明のバインダーピッ
チであるCピッチが優れていることが分かる。
【0033】
【表1】
【0034】〔実施例3〕石油系重質油(常圧での沸点
が 200℃以上)とフリーカーボンを10wt%含有するコー
ルタールを混合した後、蒸留し、フリーカーボンを7wt
%含有する軟化点65℃の軟ピッチを得た。得られた軟ピ
ッチを実施例1と同様に熱処理しメソフェーズを生成さ
せ、更に減圧蒸留により軽質分を留去し、軟化点90℃の
バインダーピッチを得た。この時のメソフェーズの生成
量は3wt%であった。
が 200℃以上)とフリーカーボンを10wt%含有するコー
ルタールを混合した後、蒸留し、フリーカーボンを7wt
%含有する軟化点65℃の軟ピッチを得た。得られた軟ピ
ッチを実施例1と同様に熱処理しメソフェーズを生成さ
せ、更に減圧蒸留により軽質分を留去し、軟化点90℃の
バインダーピッチを得た。この時のメソフェーズの生成
量は3wt%であった。
【0035】このバインダーピッチは、500 倍の偏光顕
微鏡観察により1〜3μm の粒径のそろったメソフェー
ズが観察され、更にそのまわりにフリーカーボンが付着
しているのが分かった。さらに、このバインダーピッチ
を用いて実施例1と同様に電極ピースを試作した。
微鏡観察により1〜3μm の粒径のそろったメソフェー
ズが観察され、更にそのまわりにフリーカーボンが付着
しているのが分かった。さらに、このバインダーピッチ
を用いて実施例1と同様に電極ピースを試作した。
【0036】この電極ピースは曲げ強度250kgf/cm2、固
有抵抗70×10-4Ωcmで充分な特性を有していた。
有抵抗70×10-4Ωcmで充分な特性を有していた。
【0037】
【発明の効果】粒径が1〜10μmで、しかもその表面が
フリーカーボンで覆われたメソフェーズを含むバインダ
ーピッチは、粘結性、熱安定性、炭化率、黒鉛化性など
を一段と向上させた、品質的に安定したバインダーピッ
チであり、炭素製品の製造の焼成時において、骨材コー
クスの間に強固なバインダーコークスを形成し、炭素製
品の機械特性、結晶性を向上させる。
フリーカーボンで覆われたメソフェーズを含むバインダ
ーピッチは、粘結性、熱安定性、炭化率、黒鉛化性など
を一段と向上させた、品質的に安定したバインダーピッ
チであり、炭素製品の製造の焼成時において、骨材コー
クスの間に強固なバインダーコークスを形成し、炭素製
品の機械特性、結晶性を向上させる。
Claims (2)
- 【請求項1】 コールタールおよび/または石油系重質
油から得られる軟ピッチを熱処理して得られるバインダ
ー用ピッチであって、バインダー用ピッチ中に含まれる
メソフェーズの粒径が1〜10μmであり、しかもその表
面がフリーカーボンにて覆われていることを特徴とする
バインダー用ピッチ。 - 【請求項2】 コールタールおよび/または石油系重質
油から得られる軟ピッチを熱処理するバインダー用ピッ
チの製造方法において、 前記軟ピッチのフリーカーボン含有量が5〜10wt%に
なるように調整し、350 〜450 ℃の温度範囲で、0.5 〜
5wt%のメソフェーズを発生せしめるように熱処理す
ることを特徴とするバインダー用ピッチの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24571095A JPH0987636A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | バインダー用ピッチおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24571095A JPH0987636A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | バインダー用ピッチおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987636A true JPH0987636A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17137660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24571095A Pending JPH0987636A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | バインダー用ピッチおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987636A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007327033A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-12-20 | Jfe Chemical Corp | バインダーピッチおよびその製造方法 |
US9607729B2 (en) | 2014-10-09 | 2017-03-28 | Jfe Chemical Corporation | Binder pitch and method for producing the same |
-
1995
- 1995-09-25 JP JP24571095A patent/JPH0987636A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007327033A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-12-20 | Jfe Chemical Corp | バインダーピッチおよびその製造方法 |
US9607729B2 (en) | 2014-10-09 | 2017-03-28 | Jfe Chemical Corporation | Binder pitch and method for producing the same |
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