JPH0977762A - 2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法 - Google Patents
2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法Info
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- JPH0977762A JPH0977762A JP7256894A JP25689495A JPH0977762A JP H0977762 A JPH0977762 A JP H0977762A JP 7256894 A JP7256894 A JP 7256894A JP 25689495 A JP25689495 A JP 25689495A JP H0977762 A JPH0977762 A JP H0977762A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 エチレンクロロヒドリンとアリルグリシ
ジルエーテルとを塩化第2錫触媒の存在下で接触させて
反応させた後、脱塩化水素剤を用いて分子内環化反応を
生じさせて、2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサ
ンを製造する方法において、上記エチレンクロロヒドリ
ンとアリルグリシジルエーテルとの反応及び上記分子内
環化反応時にそれぞれ分子中に少なくとも1個のSiO
結合を有するケイ素化合物を共存させることを特徴とす
る2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方
法。 【効果】 本発明によれば、2−アリロキシメチル−
1,4−ジオキサンを副生成物の生成を抑制して高収率
で製造し得る。
ジルエーテルとを塩化第2錫触媒の存在下で接触させて
反応させた後、脱塩化水素剤を用いて分子内環化反応を
生じさせて、2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサ
ンを製造する方法において、上記エチレンクロロヒドリ
ンとアリルグリシジルエーテルとの反応及び上記分子内
環化反応時にそれぞれ分子中に少なくとも1個のSiO
結合を有するケイ素化合物を共存させることを特徴とす
る2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方
法。 【効果】 本発明によれば、2−アリロキシメチル−
1,4−ジオキサンを副生成物の生成を抑制して高収率
で製造し得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和結合とジオ
キサン骨格の2つを分子中に持ち、親水性を示す2−ア
リロキシメチル−1,4−ジオキサンを99%以上とい
う極めて高収率で得る方法に関するものである。この2
−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンは、白金系あ
るいはロジウム系触媒を用いて容易にシロキサン中のS
iHとハイドロサイレーション反応を起し、下記に示す
基を生成するので、親水性シリコーン樹脂の基礎原料と
なり得るものである。
キサン骨格の2つを分子中に持ち、親水性を示す2−ア
リロキシメチル−1,4−ジオキサンを99%以上とい
う極めて高収率で得る方法に関するものである。この2
−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンは、白金系あ
るいはロジウム系触媒を用いて容易にシロキサン中のS
iHとハイドロサイレーション反応を起し、下記に示す
基を生成するので、親水性シリコーン樹脂の基礎原料と
なり得るものである。
【0002】
【化3】
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの合成法と
して、下記のような製造方法(ロシアの文献Khim.
Geterotsikl.Sodein,1973年第
2号,第161〜163頁)が知られている。
2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの合成法と
して、下記のような製造方法(ロシアの文献Khim.
Geterotsikl.Sodein,1973年第
2号,第161〜163頁)が知られている。
【0004】
【化4】
【0005】上記(1)と(2)の方法ではクロロエチ
ルグリシジルエーテルよりアリルグリシジルエーテルの
方が大量に生産できかつコスト的にも安価なので、
(2)の方法の方が工業的に有利である。
ルグリシジルエーテルよりアリルグリシジルエーテルの
方が大量に生産できかつコスト的にも安価なので、
(2)の方法の方が工業的に有利である。
【0006】しかし、2−アリロキシメチル−1,4−
ジオキサンを製造するのに工業的に有利な上記(2)の
方法において、触媒として使用される塩化第2錫は反応
促進の効果はあるが、そのイオン化し易い特性から、中
間体として生成する1−アリロキシ−3−(2−クロロ
エトキシ)−2−プロパノールのアリロキシ基を重合さ
せるため、下記式(i)で示される高分子量の副生成物
を多量に生成し、結果的に目的とする2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサンの収率を最高値でも70%に
とどめるという欠点がある。
ジオキサンを製造するのに工業的に有利な上記(2)の
方法において、触媒として使用される塩化第2錫は反応
促進の効果はあるが、そのイオン化し易い特性から、中
間体として生成する1−アリロキシ−3−(2−クロロ
エトキシ)−2−プロパノールのアリロキシ基を重合さ
せるため、下記式(i)で示される高分子量の副生成物
を多量に生成し、結果的に目的とする2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサンの収率を最高値でも70%に
とどめるという欠点がある。
【0007】
【化5】
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
上記式(i)のポリマーの副生を減少し、高収率で2−
アリロキシメチル−1,4−ジオキサンを製造する方法
を提供することを目的とする。
上記式(i)のポリマーの副生を減少し、高収率で2−
アリロキシメチル−1,4−ジオキサンを製造する方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため、上述した(2)
の方法で生成する高分子量の副生成物、即ち、上記式
(i)のポリマーの減少方法について鋭意研究を進めた
結果、偶然にも塩化第2錫に対し分子中に少なくとも1
個のSiO結合を有するケイ素化合物を共存させた場
合、このSiO結合含有ケイ素化合物が触媒となる塩化
第2錫の活性を損うことなく、副生ポリマーの生成を抑
制すること、更に1−アリロキシ−3−(2−クロロエ
トキシ)−2−プロパノールを脱塩化水素剤を用いて分
子内環化反応させる際にも、このSiO結合含有ケイ素
化合物を共存させることにより、同様に副生ポリマーの
生成を抑制し、目的とする2−アリロキシメチル−1,
4−ジオキサンを高収率で得ることができることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。なお、副生ポリ
マー抑止のメカニズムは明確にはわからないが、SiO
Sn結合が部分的に生成し、これが効果を発揮している
と推定される。
発明者らは、上記目的を達成するため、上述した(2)
の方法で生成する高分子量の副生成物、即ち、上記式
(i)のポリマーの減少方法について鋭意研究を進めた
結果、偶然にも塩化第2錫に対し分子中に少なくとも1
個のSiO結合を有するケイ素化合物を共存させた場
合、このSiO結合含有ケイ素化合物が触媒となる塩化
第2錫の活性を損うことなく、副生ポリマーの生成を抑
制すること、更に1−アリロキシ−3−(2−クロロエ
トキシ)−2−プロパノールを脱塩化水素剤を用いて分
子内環化反応させる際にも、このSiO結合含有ケイ素
化合物を共存させることにより、同様に副生ポリマーの
生成を抑制し、目的とする2−アリロキシメチル−1,
4−ジオキサンを高収率で得ることができることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。なお、副生ポリ
マー抑止のメカニズムは明確にはわからないが、SiO
Sn結合が部分的に生成し、これが効果を発揮している
と推定される。
【0010】従って、本発明は、エチレンクロロヒドリ
ンとアリルグリシジルエーテルとを塩化第2錫触媒の存
在下で接触させて反応させた後、脱塩化水素剤を用いて
分子内環化反応を生じさせて、2−アリロキシメチル−
1,4−ジオキサンを製造する方法において、上記エチ
レンクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの反
応及び上記分子内環化反応時にそれぞれ分子中に少なく
とも1個のSiO結合を有するケイ素化合物を共存させ
ることを特徴とする2−アリロキシメチル−1,4−ジ
オキサンの製造方法を提供する。
ンとアリルグリシジルエーテルとを塩化第2錫触媒の存
在下で接触させて反応させた後、脱塩化水素剤を用いて
分子内環化反応を生じさせて、2−アリロキシメチル−
1,4−ジオキサンを製造する方法において、上記エチ
レンクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの反
応及び上記分子内環化反応時にそれぞれ分子中に少なく
とも1個のSiO結合を有するケイ素化合物を共存させ
ることを特徴とする2−アリロキシメチル−1,4−ジ
オキサンの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造
方法は、下記反応式Aに示すように、塩化第2錫触媒の
存在下でアリルグリシジルエーテルとエチレンクロロヒ
ドリンとを反応させて1−アリロキシ−3−(2−クロ
ロエトキシ)−2−プロパノールを合成し、次いで反応
式Bに示すように、1−アリロキシ−3−(2−クロロ
エトキシ)−2−プロパノールの脱塩化水素反応によ
り、2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンを合成
するものであり、この場合、これら反応式A及びBの反
応系に分子中に少なくとも1個のSiO結合を有するケ
イ素化合物(以下、SiO化合物という)を存在させて
反応を行うものである。
明の2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造
方法は、下記反応式Aに示すように、塩化第2錫触媒の
存在下でアリルグリシジルエーテルとエチレンクロロヒ
ドリンとを反応させて1−アリロキシ−3−(2−クロ
ロエトキシ)−2−プロパノールを合成し、次いで反応
式Bに示すように、1−アリロキシ−3−(2−クロロ
エトキシ)−2−プロパノールの脱塩化水素反応によ
り、2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンを合成
するものであり、この場合、これら反応式A及びBの反
応系に分子中に少なくとも1個のSiO結合を有するケ
イ素化合物(以下、SiO化合物という)を存在させて
反応を行うものである。
【0012】
【化6】
【0013】以下、上記反応について詳しく述べる。 〔I〕アリルグリシジルエーテルとエチレンクロロヒド
リンとの反応による1−アリロキシ−3−(2−クロロ
エトキシ)−2−プロパノールの合成(反応式A) 本反応には、溶媒を利用してもしなくてもよい。溶媒の
利用は生成物のポットイールド(釜収量)を下げるの
で、むしろ溶媒のない系で反応を実施するのがよい。ま
た、本反応においては、エチレンクロロヒドリンと触媒
の塩化第2錫とSiO化合物とを混合した溶液に温度2
0〜130℃でアリルグリシジルエーテルを加えて反応
させることが好ましい。反応時間は通常1〜3時間であ
る。
リンとの反応による1−アリロキシ−3−(2−クロロ
エトキシ)−2−プロパノールの合成(反応式A) 本反応には、溶媒を利用してもしなくてもよい。溶媒の
利用は生成物のポットイールド(釜収量)を下げるの
で、むしろ溶媒のない系で反応を実施するのがよい。ま
た、本反応においては、エチレンクロロヒドリンと触媒
の塩化第2錫とSiO化合物とを混合した溶液に温度2
0〜130℃でアリルグリシジルエーテルを加えて反応
させることが好ましい。反応時間は通常1〜3時間であ
る。
【0014】反応は上記式Aのように進むが、この場合
使用するエチレンクロロヒドリンはアリルグリシジルエ
ーテルに対して等モル〜100倍モル、好ましくは1.
01〜30倍モル使用するのがよい。
使用するエチレンクロロヒドリンはアリルグリシジルエ
ーテルに対して等モル〜100倍モル、好ましくは1.
01〜30倍モル使用するのがよい。
【0015】触媒として使用する塩化第2錫の量は、ア
リルグリシジルエーテルに対して重量比で0.001〜
0.1倍、好ましくは0.005〜0.05倍である。
リルグリシジルエーテルに対して重量比で0.001〜
0.1倍、好ましくは0.005〜0.05倍である。
【0016】本反応においては、SiO化合物を共存さ
せて反応を行うことが必要である。この場合、SiO化
合物の添加量は、前述の高分量のポリマー(i)の生成
を効果的に抑制する点から、塩化第2錫に対して重量比
で0.01〜1000倍、特に0.05〜100倍とす
ることが好ましい。なお、SiO化合物は、エチレンク
ロロヒドリンに溶かして使用したり、触媒の塩化第2錫
に溶かして使用してもあるいはアリルグリシジルエーテ
ルに溶かして使用してもよい。
せて反応を行うことが必要である。この場合、SiO化
合物の添加量は、前述の高分量のポリマー(i)の生成
を効果的に抑制する点から、塩化第2錫に対して重量比
で0.01〜1000倍、特に0.05〜100倍とす
ることが好ましい。なお、SiO化合物は、エチレンク
ロロヒドリンに溶かして使用したり、触媒の塩化第2錫
に溶かして使用してもあるいはアリルグリシジルエーテ
ルに溶かして使用してもよい。
【0017】このSiO化合物としては、SiO結合を
有していれば特に制限されず、オイル状、レジン状、生
ゴム状のいずれでもよいが、反応終了後生成物の蒸留や
SiO結合含有ケイ素化合物の除去などの点から加水分
解性基等の反応性基が1分子中に2個以下であるものが
好ましい。これらの化合物として下記のものを例示する
ことができる。
有していれば特に制限されず、オイル状、レジン状、生
ゴム状のいずれでもよいが、反応終了後生成物の蒸留や
SiO結合含有ケイ素化合物の除去などの点から加水分
解性基等の反応性基が1分子中に2個以下であるものが
好ましい。これらの化合物として下記のものを例示する
ことができる。
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】なお、塩化第2錫触媒とSiO化合物を共
存させて反応を実施する場合、副反応は零に近く、定量
的に1−アリロキシ−3−(2−クロロエトキシ)−2
−プロパノールが得られるので、反応後にこの2−プロ
パノール中間体を取り出し、分離精製する必要もなく、
過剰量のエチレンクロロヒドリンのみを減圧下で留去さ
せ、次の脱塩化水素反応にまわすのがよい。
存させて反応を実施する場合、副反応は零に近く、定量
的に1−アリロキシ−3−(2−クロロエトキシ)−2
−プロパノールが得られるので、反応後にこの2−プロ
パノール中間体を取り出し、分離精製する必要もなく、
過剰量のエチレンクロロヒドリンのみを減圧下で留去さ
せ、次の脱塩化水素反応にまわすのがよい。
【0026】〔II〕1−アリロキシ−3−(2−クロ
ロエトキシ)−2−プロパノールの脱塩化水素反応によ
る2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの合成
(反応式B) 本反応には、溶媒を用いても用いなくてもよいが、反応
の進行と共に脱塩化水素剤が固化するので、通常は溶媒
を用いるのが得策である。使用できる溶媒としては、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテルなどの鎖状エーテル
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテ
ル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が
ある。
ロエトキシ)−2−プロパノールの脱塩化水素反応によ
る2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの合成
(反応式B) 本反応には、溶媒を用いても用いなくてもよいが、反応
の進行と共に脱塩化水素剤が固化するので、通常は溶媒
を用いるのが得策である。使用できる溶媒としては、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテルなどの鎖状エーテル
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテ
ル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が
ある。
【0027】脱塩化水素剤としては、トリエチルアミ
ン、ピリジンなどの有機アミン類やNaOH,LiO
H,KOH,Ca(OH)2,Mg(OH)2などの水酸
化アルカリ金属が使用できる。これらの中で工業的に安
価で取り扱い易いのはNaOHである。
ン、ピリジンなどの有機アミン類やNaOH,LiO
H,KOH,Ca(OH)2,Mg(OH)2などの水酸
化アルカリ金属が使用できる。これらの中で工業的に安
価で取り扱い易いのはNaOHである。
【0028】脱塩化水素剤の使用量は、発生するHCl
のモル比に対して当量以上〜10倍モルであるが、好ま
しくは1.01当量以上〜2倍モルである。
のモル比に対して当量以上〜10倍モルであるが、好ま
しくは1.01当量以上〜2倍モルである。
【0029】この反応にも、前記したSiO化合物の共
存が必要であり、その量は〔I〕の反応工程で使用され
た塩化第2錫に対して重量比で0.01〜1000倍、
好ましくは0.05〜100倍である。〔I〕の反応工
程でケイ素化合物を留去した場合はそれを補うとよい
が、通常ケイ素化合物は留去し難いので追加する必要は
ない。
存が必要であり、その量は〔I〕の反応工程で使用され
た塩化第2錫に対して重量比で0.01〜1000倍、
好ましくは0.05〜100倍である。〔I〕の反応工
程でケイ素化合物を留去した場合はそれを補うとよい
が、通常ケイ素化合物は留去し難いので追加する必要は
ない。
【0030】なお、本反応においては、脱塩化水素剤と
溶媒とを混合し、加熱還流しているものに〔I〕の工程
で得られた生成物を滴下することによってこの反応は実
施される。
溶媒とを混合し、加熱還流しているものに〔I〕の工程
で得られた生成物を滴下することによってこの反応は実
施される。
【0031】反応温度は使用する溶媒の沸点によって決
まるが、通常は30〜200℃である。反応時間は通常
10分〜20時間、好ましくは30分〜7時間である。
まるが、通常は30〜200℃である。反応時間は通常
10分〜20時間、好ましくは30分〜7時間である。
【0032】得られた粗2−アリロキシメチル−1,4
−ジオキサンは、脱塩化水素剤とHClとの生成物を除
去するために水洗し、次いで蒸留することによって精製
できる。
−ジオキサンは、脱塩化水素剤とHClとの生成物を除
去するために水洗し、次いで蒸留することによって精製
できる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0034】〔実施例1〕エチレンクロロヒドリン16
10.2g(20.0モル)と塩化第2錫2.0gの混
合溶液に、30gのジフェニルジメトキシシランを含有
するアリルグリシジルエーテル114.1g(1.0モ
ル)を35〜40℃にて1時間で滴下し、更に同じ温度
に保ち、2時間熟成した。
10.2g(20.0モル)と塩化第2錫2.0gの混
合溶液に、30gのジフェニルジメトキシシランを含有
するアリルグリシジルエーテル114.1g(1.0モ
ル)を35〜40℃にて1時間で滴下し、更に同じ温度
に保ち、2時間熟成した。
【0035】過剰のエチレンクロロヒドリンを減圧下で
留去し、濃縮残を分析したところ、定量的に1−アリロ
キシ−3−(2−クロロエトキシ)−2−プロパノール
が生成していることが確認された。この濃縮残に更に1
gのジフェニルジメトキシシランを追加した(このもの
をA液と略称する)。
留去し、濃縮残を分析したところ、定量的に1−アリロ
キシ−3−(2−クロロエトキシ)−2−プロパノール
が生成していることが確認された。この濃縮残に更に1
gのジフェニルジメトキシシランを追加した(このもの
をA液と略称する)。
【0036】水酸化ナトリウム60g(1.5モル)と
ジエチルエーテル200gを混合し、加熱還流させた。
この混合物にA液を1時間かけて滴下し、反応させた。
更に還流温度で5時間熟成させた。
ジエチルエーテル200gを混合し、加熱還流させた。
この混合物にA液を1時間かけて滴下し、反応させた。
更に還流温度で5時間熟成させた。
【0037】熟成後の液を室温に冷却後、水200gを
加えてよく撹拌した。撹拌後、水層をジエチルエーテル
50gで2回抽出してから、これを元の分液上層である
有機層に加え合わせ、次いで、加え合わせた有機層を5
%酢酸水溶液50gで洗浄した。ジエチルエーテルを留
去後、減圧蒸留して収率99.4%で2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサン157.3g(沸点90℃/
15mmHg)を得た。得られた化合物の分析値を下記
に示す。 比重及び屈折率 d20 41.029 η20 D1.4510赤外線吸収スペクトル (図1参照) 特定吸収 C=C 1719cm-1 C−O−C 1110cm-1
加えてよく撹拌した。撹拌後、水層をジエチルエーテル
50gで2回抽出してから、これを元の分液上層である
有機層に加え合わせ、次いで、加え合わせた有機層を5
%酢酸水溶液50gで洗浄した。ジエチルエーテルを留
去後、減圧蒸留して収率99.4%で2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサン157.3g(沸点90℃/
15mmHg)を得た。得られた化合物の分析値を下記
に示す。 比重及び屈折率 d20 41.029 η20 D1.4510赤外線吸収スペクトル (図1参照) 特定吸収 C=C 1719cm-1 C−O−C 1110cm-1
【0038】〔実施例2〕ケイ素化合物をジフェニルシ
ランジオールに代えた以外は実施例1と同一条件で同様
の操作を行ったところ、収率99.2%で2−アリロキ
シメチル−1,4−ジオキサンが得られた。
ランジオールに代えた以外は実施例1と同一条件で同様
の操作を行ったところ、収率99.2%で2−アリロキ
シメチル−1,4−ジオキサンが得られた。
【0039】〔実施例3〕ケイ素化合物を1,1,3,
3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキ
サンに代えた以外は実施例1と同一条件で同様の操作を
行ったところ、収率99.0%で2−アリロキシメチル
−1,4−ジオキサンが得られた。
3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキ
サンに代えた以外は実施例1と同一条件で同様の操作を
行ったところ、収率99.0%で2−アリロキシメチル
−1,4−ジオキサンが得られた。
【0040】〔実施例4〕ケイ素化合物を下記に示すト
リメチルシリル封鎖ジメチルポリシロキサンに代えた以
外は実施例1と同一条件で同様の操作を行ったところ、
収率99.3%で2−アリロキシメチル−1,4−ジオ
キサンが得られた。
リメチルシリル封鎖ジメチルポリシロキサンに代えた以
外は実施例1と同一条件で同様の操作を行ったところ、
収率99.3%で2−アリロキシメチル−1,4−ジオ
キサンが得られた。
【0041】
【化14】
【0042】〔実施例5〕脱塩化水素剤をKOHに代え
た以外は実施例1と同一条件で同様の操作を行ったとこ
ろ、収率99.1%で2−アリロキシメチル−1,4−
ジオキサンが得られた。
た以外は実施例1と同一条件で同様の操作を行ったとこ
ろ、収率99.1%で2−アリロキシメチル−1,4−
ジオキサンが得られた。
【0043】〔実施例6〕溶媒のジエチルエーテルをト
ルエンに代えた以外は実施例1と同一条件で同様の操作
を行ったところ、収率99.0%で2−アリロキシメチ
ル−1,4−ジオキサンが得られた。
ルエンに代えた以外は実施例1と同一条件で同様の操作
を行ったところ、収率99.0%で2−アリロキシメチ
ル−1,4−ジオキサンが得られた。
【0044】〔実施例7〕エチレンクロロヒドリンの使
用量1610.2g(20.0モル)を減量して24
1.5g(3.0モル)に代えた以外は実施例1と同一
条件で同様の操作を行ったところ、収率99.0%で2
−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンが得られた。
用量1610.2g(20.0モル)を減量して24
1.5g(3.0モル)に代えた以外は実施例1と同一
条件で同様の操作を行ったところ、収率99.0%で2
−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンが得られた。
【0045】〔比較例〕ケイ素化合物を全く使用しない
以外は実施例1と同一条件で同様の操作を行ったとこ
ろ、高分子量副生ポリマーが生成し、2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサンの収率は69.9%と低いも
のであった。
以外は実施例1と同一条件で同様の操作を行ったとこ
ろ、高分子量副生ポリマーが生成し、2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサンの収率は69.9%と低いも
のであった。
【0046】〔参考例〕触媒を塩化第2錫からBF3・
ジエチルエーテル飽和溶液に代えた以外は実施例1と同
一条件で同様の操作を行ったところ、2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサンの収率は70.0%と低いも
のであり、BF3・ジエチルエーテル溶液触媒を用いる
反応ではケイ素化合物が有効でないことが確認された。
ジエチルエーテル飽和溶液に代えた以外は実施例1と同
一条件で同様の操作を行ったところ、2−アリロキシメ
チル−1,4−ジオキサンの収率は70.0%と低いも
のであり、BF3・ジエチルエーテル溶液触媒を用いる
反応ではケイ素化合物が有効でないことが確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、2−アリロキシメチル
−1,4−ジオキサンを副生成物の生成を抑制して高収
率で製造し得る。
−1,4−ジオキサンを副生成物の生成を抑制して高収
率で製造し得る。
【図1】2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの
赤外線吸収スペクトルである。
赤外線吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 政晴 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 五十嵐 実 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 平井 隆史 神奈川県厚木市戸田1096 コーポ中富201 (72)発明者 番能 忠 神奈川県平塚市高村26 高村団地38−101 (72)発明者 梅野 正行 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎521−3
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレンクロロヒドリンとアリルグリシ
ジルエーテルとを塩化第2錫触媒の存在下で接触させて
反応させた後、脱塩化水素剤を用いて分子内環化反応を
生じさせて、2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサ
ンを製造する方法において、上記エチレンクロロヒドリ
ンとアリルグリシジルエーテルとの反応及び上記分子内
環化反応時にそれぞれ分子中に少なくとも1個のSiO
結合を有するケイ素化合物を共存させることを特徴とす
る2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方
法。 - 【請求項2】 ケイ素化合物が分子中に反応性基を2個
以下有するものであることを特徴とする請求項1記載の
製造方法。 - 【請求項3】 ケイ素化合物が下記一般式で示される化
合物の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項
1記載の製造方法。 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、
R1は互いに同一でも異なっていてもよいメチル基、フ
ェニル基、ビニル基又は3,3,3−トリフルオロプロ
ピル基、xは0,1,2又は3、yは3,4,5又は
6、mは0〜100の整数である。) - 【請求項4】 ケイ素化合物が下記に示される化合物の
1種又は2種以上であることを特徴とする請求項3記載
の製造方法。 【化2】 (式中、mは0〜100の整数である。) - 【請求項5】 ケイ素化合物の含有量が塩化第2錫に対
して重量比で0.01〜1000倍であることを特徴と
する請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP25689495A JP3279148B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25689495A JP3279148B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0977762A true JPH0977762A (ja) | 1997-03-25 |
JP3279148B2 JP3279148B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=17298887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25689495A Expired - Fee Related JP3279148B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3279148B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006049038A1 (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-11 | Kaneka Corporation | 光学活性3-(ヒドロキシメチル)モルホリン誘導体の製造方法 |
CN106278830A (zh) * | 2016-08-11 | 2017-01-04 | 南京林业大学 | 二烯丙基甘油醚的合成方法 |
RU2682255C1 (ru) * | 2018-06-29 | 2019-03-18 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Уфимский государственный нефтяной технический университет" | Способ получения 2-[(аллилокси)метил]-6-метил-1,4-диоксана |
CN114289039A (zh) * | 2021-11-12 | 2022-04-08 | 南京林业大学 | 一种膨润土负载四氯化锡固体酸催化剂及其制备方法和应用 |
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CN109836581B (zh) * | 2019-03-22 | 2020-10-30 | 上海杰视医疗科技有限公司 | 一种氟硅油的制备方法 |
-
1995
- 1995-09-08 JP JP25689495A patent/JP3279148B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN114289039A (zh) * | 2021-11-12 | 2022-04-08 | 南京林业大学 | 一种膨润土负载四氯化锡固体酸催化剂及其制备方法和应用 |
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---|---|
JP3279148B2 (ja) | 2002-04-30 |
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