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JPH0967777A - 繊維処理剤および繊維処理方法 - Google Patents

繊維処理剤および繊維処理方法

Info

Publication number
JPH0967777A
JPH0967777A JP22334195A JP22334195A JPH0967777A JP H0967777 A JPH0967777 A JP H0967777A JP 22334195 A JP22334195 A JP 22334195A JP 22334195 A JP22334195 A JP 22334195A JP H0967777 A JPH0967777 A JP H0967777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
enzyme
treatment
immobilized
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP22334195A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Mitsuhiro Murata
充弘 村田
Tomoko Kamishiro
智子 神代
Kenya Makino
健哉 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP22334195A priority Critical patent/JPH0967777A/ja
Publication of JPH0967777A publication Critical patent/JPH0967777A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酵素処理による効果を維持しつつ、繊維の強
度低下を抑制できる酵素による繊維処理剤およびそれを
使用する繊維の処理方法を提供する。 【解決手段】 水不溶性のポリマー微粒子に固定化され
た酵素を含有する繊維処理剤およびその繊維処理剤を使
用して繊維を処理する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維の糊ぬき、精錬、
加工、風合い改良などに使用する酵素による繊維処理剤
および繊維処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素反応が種々の産業分野にて利
用されるようになっており、特に繊維の分野では風合い
や手触りの向上のために酵素処理が広く一般的に行われ
ている。従来、繊維を処理する場合に用いられる酵素の
多くは、溶液に可溶な状態の酵素を使用するものであっ
て、通常、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペ
クチナーゼ、カタラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼな
どの酵素を用いて実施されている。しかし、これら酵素
処理により繊維の糊ぬき、精錬、加工、風合い改良など
の多くの効果があるものの過剰な酵素処理により繊維強
度が著しく低下するという問題があり、酵素処理効果を
維持しつつ繊維強度を維持することは従来不可能であっ
た。
【0003】例えば特開平6−341067号公報に
は、水溶性固定化酵素、具体的には、水溶性ポリマーで
あるメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
にアミラーゼなどの酵素を固定化した固定化酵素で繊維
を処理することが開示されている。この方法によれば、
固定化されていない酵素の使用と比べて繊維構造物の糊
抜き、精錬、改質などの加工処理を均一かつ安定して行
なえ、しかも繊維強度の低下などを防止でき、環境悪化
や不経済性も解決できると記載されている。しかしこの
方法によれば、糸や布の強度低下を防止するという点で
は満足すべき効果は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を解決するためになされたもので、酵素処理
の効果を維持しつつ、繊維の強度低下を防止できる繊維
処理剤を提供することおよび繊維処理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究によれ
ば、前記本発明の目的は、特定の粒子径を有するポリマ
ー微粒子に固定化された酵素を含有する繊維処理剤によ
って達成されることが見出された。
【0006】本発明によれば、水不溶性ポリマー微粒子
に固定化された酵素(以下、「固定化酵素」という)を
含有することを特徴とする繊維処理剤が提供される。さ
らに本発明によれば、水不溶性ポリマー微粒子に固定化
された酵素を含有する繊維処理剤の存在下繊維を処理す
ることを特徴とする繊維処理方法が提供される。以下、
本発明についてさらに詳細に説明する。
【0007】本発明において酵素を固定化するポリマー
微粒子は種々の方法で作製することができる。すなわ
ち、ポリマー微粒子は、例えば乳化重合、分散重合、懸
濁重合、または溶液重合によりポリマーを得た後、析出
させることにより作製することができる。重合方法およ
び析出方法は、本発明における所定の平均粒子径を有す
る微粒子が得られる限り特に制限されない。
【0008】本発明におけるポリマー微粒子の平均粒子
径は、0.02〜10μmの範囲、好ましくは0.05〜
5μmの範囲である。0.02μmより小さいポリマー
微粒子では固定化していない酵素との差が小さいため繊
維の強度低下を防止する効果が小さく、また10μmよ
り大きい平均粒子径では繊維の酵素処理に著しく時間が
かかるようになるため、経済的に問題が生じる。なお、
ここでの平均粒子径は重量平均から換算されたものとす
る。また凝集した状態の微粒子に酵素を固定化して繊維
処理剤とする場合は、電子顕微鏡写真よりそれを構成す
る一次粒子の大きさから求めるものとする。本発明にお
いて、用いられるポリマー微粒子は何らかの処理により
容易に洗浄でき、繊維より除去できるものである。その
ため、粒子を構成するポリマーのガラス転移点温度を処
理温度よりも高くするか、内部架橋して繊維への融着を
防止したり、逆に低分子にして溶剤で洗浄除去しやすく
したり、酵素処理後pHまたは温度をコントロールする
ことにより粒子が溶解し容易に洗浄除去できるようにす
る方法などが好ましい。
【0009】本発明のポリマー微粒子を形成するモノマ
ーの具体例としては、例えばスチレン、エチルビニルベ
ンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニ
ルピリジンなどの芳香族モノビニルモノマー;ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メ
タクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、
N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのア
クリル酸エステルモノマー;2−エチルヘキシルメタク
リレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステルモノマー;ブタ
ジエン、イソプレンなどの共役ジエンモノマー;酢酸ビ
ニルなどのビニルエステルモノマー;4−メチル−1−
ペンテン、その他のα−オレフィンが挙げられる。
【0010】モノマーの好ましい組合せとしては、モノ
またはジカルボン酸の少なくとも1種とアルデヒド基含
有モノマーの少なくとも1種との組合せ、モノまたはジ
カルボン酸の少なくとも1種と架橋性モノマーの少なく
とも1種との組合せなどが挙げられる。
【0011】また、官能基を有するモノマー、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸あるいは
酸無水物基含有モノマー;2−アクリロイルオキシエチ
ル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレートなどのエステル基含有モノマー;
N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、メチレンビスアミドなどのアミド基含有
モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のシアノ基含有モノマー;アクロレイン、メタクロレイ
ンなどアルデヒド基含有モノマーを挙げることができ、
またスチレンスルホン酸ナトリウムの如きスルホン酸塩
基含有モノマーであってもよい。さらに必要に応じ、ジ
ビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート
またはトリメチロールプロパントリメタクリレートなど
の架橋性モノマーを用いることができる。これらは1種
または2種以上で使用される
【0012】上記のポリマー微粒子の重合には、通常、
重合開始剤が使用される。その重合開始剤としては、例
えば乳化重合や懸濁重合において用いられるものであれ
ば特に制限されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤;ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤;過酸化
水素、有機過酸化物などの過酸化物を単独で、あるいは
アスコルビン酸などの各種還元剤と組合せて使用するこ
とができる。
【0013】乳化重合や懸濁重合においては、重合反応
系の安定性を高めるため、一般に界面活性剤または懸濁
保護剤が使用される。界面活性剤としては、例えばドデ
シルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ラウリル
硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩、ナフ
タレンスルホン酸のホルマリン縮合物などのアニオン系
界面活性剤を例示するこができる。ここで、塩としてナ
トリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩などを挙げる
ことができる。
【0014】さらに、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエ
ーテル、ソルビタンモノステアレートなどのノニオン系
界面活性剤を使用することも可能である。また、ナフタ
レンスルホン酸ナトリウムなど一般に知られている反応
性乳化剤を単独あるいは上記の界面活性剤と併用して使
用することも可能である。
【0015】また、懸濁保護剤としては、例えばポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメ
チルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロースなどの水溶性高分子を好適に使用
することができる。これらは、単独でもよく、また組み
合わせて使用することが可能である。
【0016】一方、溶液重合などでポリマーを重合した
のち、pH、温度などを制御することにより溶媒からポ
リマーを微粒子状に析出させることによりポリマー微粒
子を形成することもできる。この方法によれば、溶解し
た状態のポリマーにあらかじめ酵素を固定化した後、微
粒子状にポリマーを析出させることもできる。また、上
記ポリマー微粒子の表面に化学処理により官能基を付与
することもでき、例えばエポキシ基を持つポリマー微粒
子を得た後、アンモニア、メチルアミンなどで処理する
ことによるアミノ基の付与を、または亜硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸などで処理することによるスルホン基を付与
することができる。
【0017】本発明で使用できる酵素としては、処理す
べき繊維の種類および目的により効果的な酵素を選択す
ればよい。具体的には、例えばアミノペプチターゼ、キ
モトリプシン、パパイン、ウロキナーゼ、ウレアーゼ、
アミダーゼ、アスパラギナーゼ、プロテアーゼ、グルコ
ースフォスファターゼ、アミラーゼ、キチナーゼ、リゾ
チーム、セルラーゼ、インベルターゼ、ペクチナーゼ、
リパーゼ、リボヌクレアーゼ、各種制限酵素(エンドデ
オキシリボヌクレアーゼ)などの加水分解酵素;リシン
ラセマーゼ、UDPガラクトースエピメラーゼ、グルコ
ースイソメラーゼ、乳酸ラセマーゼ、リシンアミノムタ
ーゼなどの異性化酵素;グリシンメチルトランスフェラ
ーゼ、トランスケトラーゼ、リシンアセチルトランスフ
ェラーゼ、グルタミルトランスフェラーゼ、フォスフォ
リラーゼ、ヘキソキナーゼ、フォスフォグリセロムター
ゼ、グルタミン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラ
ギン酸アミノトランスフェラーゼ、ロイシンアミノペプ
チターゼ、クレアチンホスホキナーゼなどの転移酵素;
アルコールデハイドロゲナーゼ、アルデヒドデハイドロ
ゲナーゼ、フマレートリダクターゼ、ラクテートデハイ
ドロゲナーゼ、グルコースデハイドロゲナーゼ、アルコ
ールオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、ニコチネー
トデハイドロゲナーゼ、ハイドロキシルアミンオキシダ
ーゼ、グルタチオンデハイドロゲナーゼ、シトクロムc
オキシダーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、リポオ
キシゲナーゼ、スーパーオキサイドディスムターゼなど
のような酸化還元酵素;オルニチンデカルボキシラー
ゼ、リシンデカルボキシラーゼ、エノラーゼ、トリプト
ファンシンセターゼ、アデニレートシクラーゼなどのリ
アーゼ、tRNAシンセターゼ、アセチルCoAシンセ
ターゼ、グルタミンシンセターゼなどのリガーゼを挙げ
ることができる。好ましい酵素としては、セルラーゼ、
プロテアーゼなどが挙げられる。
【0018】酵素とポリマー微粒子の結合は、共有結合
法あるいはイオン結合法により達成される。共有結合法
による結合は、粒子表面のカルボキシル基、アミノ基、
エポキシ基、アルデヒド基、水酸基、塩素、スルホヒド
リル基などと、酵素のカルボキシル基、アミノ基、水酸
基、スルホヒドリル基などとの間での反応で達成される
が、その反応方法はいかなる方法を用いても良い。例え
ばペプチド法を利用するならば、ポリマー微粒子表面上
のカルボキシル基をアジド、クロリド、イソシアナート
などの誘導体とし、これと酵素のアミノ基と反応させる
方法、あるいはカルボジイミド試薬やウッドワード試薬
Kのような縮合試薬を用いて、微粒子表面上のカルボキ
シル基、アミノ基などと酵素のカルボキシル基、アミノ
基などとの間で反応させる方法が例示される。また、ア
ルキル化法では、粒子表面をハロゲン化アセチル誘導
体、トリアジニル誘導体、ハロゲン化メタクリル誘導体
などで活性化し、次いで酵素のアミノ基、フェノール性
水酸基またはチオール基などと反応させる方法があり、
また粒子表面上のアミノ基と酵素のアミノ基の間をグル
タルアルデヒドやヘキサメチレンジイソシアネートなど
の架橋剤で結合して反応させる方法もある。
【0019】特に好ましい方法は、ポリマー微粒子に予
めアルデヒド基やエポキシ基を導入しておくことによ
り、酵素を混ぜただけで酵素のアミノ基とポリマー粒子
とを反応させる方法である。ポリマー微粒子に対する固
定化される酵素の割合は、ポリマー微粒子の粒子系、酵
素の純度などにより異なるが、ポリマー微粒子を基準と
して、通常0.5〜50重量%、好ましくは1〜20重
量%である。
【0020】本発明の方法において処理の対象とする繊
維の素材としては、使用する酵素による分解を受ける繊
維であれば特に限定されるものではなく、具体的には、
綿、羊毛、絹などの天然繊維、これらの天然繊維と各種
合成繊維、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、
塩化ビニル、レーヨンなどとの混紡繊維、前記天然繊維
の再生繊維などを挙げることができる。処理する繊維の
形態としては、繊維状物の他に織編物、不織布など種々
の布帛であることができる。これらの繊維は固定化酵素
と接触させる前に、アルコールなどで脱脂しておくこと
もできる。
【0021】固定化酵素の繊維に対する使用割合、繊維
の処理時間、処理温度などの条件は、通常の繊維の酵素
処理における条件と特に変わりはないが一般には使用す
る酵素の種類により適宜調整する。例えばpHは3〜1
1、好ましくは4〜10、固定化酵素処理液中の濃度
は、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量
%である。また処理温度は0〜80℃程度、処理時間は
48時間以内である。固定化酵素による処理が終了した
繊維は、固定化ポリマー微粒子が繊維から脱離しやすく
なる条件または完全溶解する条件のpHの緩衝液で洗浄
する。例えば、カルボキシ基を有するポリマー微粒子の
場合はpH7以上の水などで洗浄すればよい。また必要
に応じトルエン、アセトン、アルコールなどの溶剤で洗
浄することもできる。
【0022】また、固定化酵素液のpHの調整は、既存
の如何なる方法にても実施できるが、酸性にするために
は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ほう酸などの無機酸;酢
酸、クエン酸、しゅう酸、乳酸などの有機酸を、一方ア
ルカリ性には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
無機アルカリ;アンモニア;エタノールアミンなどのア
ミンを用いることができる。なお、pH調整において、
高濃度の酸やアルカリを用いると局所的に酵素が失活す
るおそれがあるので、0.1〜2N程度の濃度で調整す
ることが好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例中、粒子径の測定、繊維の重量減少率および引張強度
低下率は下記方法または定義により測定されまたは計算
された値である。
【0024】粒子径の測定方法;ポリマー微粒子の平均
粒子径の測定は、透過型または走査型電子顕微鏡写真に
より直接500個の粒子について計測した粒子径(粒子
が円球でない場合は、長径と短径を測定しその平均値を
求めた。)の平均値を求めることにより行なった。
【0025】繊維の重量減少率(%);100−[(酵
素処理後の綿糸乾燥重量)/(酵素処理前の綿糸乾燥重
量)×100]繊維の引張強度低下率(% );100−[(固定化酵素
処理後の引張強度)/(固定化酵素処理前の引張強度)
×100] なお、引張強度は、引張試験機(NRM-2010J-C
W、不動工業(株)製)を使用し、温度20℃、湿度6
5%、つかみ間隔10cm、引張速度5cm/分で測定
した。
【0026】実施例1 (1)固定化酵素の合成 メタクリル酸20g、ジビニルベンゼン30g、メチル
メタクリレート50g、蒸留水1000gおよびラウリ
ル硫酸ナトリウム20gを2リットルオートクレーブに
仕込み70℃に昇温後重合開始剤として過硫酸カリウム
を添加し4時間重合した。重合転化率は96%で透明感
のある乳濁液が得られた。透過型電子顕微鏡で測定した
ところポリマー微粒子の粒子径は0.03μm、変動係
数は6%であり、比較的均一な粒子径分布であった。こ
のポリマー微粒子を2重量%水酸化ナトリウムと調整水
で、固形分濃度5重量%、pH=5のポリマー微粒子分
散体を得た。
【0027】上記ポリマー微粒子分散体10mlをと
り、20重量%水溶性カルボジイミドを50μl添加
後、pH5の酢酸緩衝液に5重量%濃度で溶解したセル
ラーゼ(Tricoderma reesei、Sigma製)を0.5ml添加
し、4℃、2時間反応させることにより固定化セルラー
ゼを作製した。
【0028】(2)繊維処理 綿糸を30cmの長さに切り、10本ずつ束ねてその両
端を結び、メタノールに一晩浸漬した後、減圧乾燥機で
7時間乾燥し、酵素処理用のサンプルとした。この綿糸
束を15mlの試験管に入れ、酢酸緩衝液でpH5に調
製した上記の固定化酵素を酵素として20単位加え(1
単位は、カルボキシメチルセルロースを基質とし、pH
5、温度37℃にて1μmol/時間のグルコースを生
成する酵素量)、55℃、160回/分で8時間振とう
した。反応終了後、綿糸を反応液から取り出し、0.1
mol/Lのリン酸緩衝液(pH=7)で2回、純水で
3回、メタノールで2回洗浄した後、7時間減圧乾燥し
た。固定化酵素で処理する前と後の繊維について重量お
よび引張強度を測定し、重量減少および引張強度低下率
を算出した。その結果を表1に示す。
【0029】実施例2 (1)固定化酵素の合成 メタクリル酸60gおよびメチルメタクリレート40g
をメタノール200gに溶解し重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル0.5gを加え70℃で8時間重
合した。重合転化率は98%であった。次いで、水酸化
ナトリウム20gと水400gを添加した後、減圧蒸留
によりメタノールを除去して水溶液とした。その後、1
規定の塩酸を添加してpH=4にすることによりポリマ
ーを析出させてポリマー微粒子を得た後、調整水を添加
することにより固形分濃度10重量%のポリマー微粒子
分散体とした。得られたポリマー微粒子は凝集していた
が走査型電子顕微鏡で測定したところ一次粒子の粒子径
は0.25μmであった。上記ポリマー微粒子分散体を
10gとり、pH4の酢酸緩衝液に5重量%濃度で溶解
しておいたセルラーゼ(Tricoderma reesei、Sigma製)
を0.5ml添加し混合した。その混合液に20重量%
水溶性カルボジイミドの50μlを添加し、4℃、2時
間反応することにより固定化酵素を作製した。
【0030】(2)繊維処理 綿糸を30cmの長さに切り、10本ずつ束ねてその両
端を結び、メタノールに一晩浸漬した後、減圧乾燥機で
7時間重量測定し、酵素処理用のサンプルとした。この
綿糸束を15mlの試験管に入れ、酢酸緩衝液でpH4
に調製した上記の微粒子化固定化セルラーゼを酵素とし
て20単位加え、55℃、160回/分で8時間振とう
した。反応終了後、綿糸を反応液から取り出し、0.1
mol/Lのリン酸緩衝液(pH=7)で2回、純水で
3回、メタノールで2回洗浄した後、7時間減圧乾燥し
た。次いで実施例1の(2)と同様にして重量減少率お
よび引張強度低下率を測定し、結果を表1に示した。
【0031】実施例3 (1)固定化酵素の合成 メタクリル酸60gおよびアクロレイン40gをメタノ
ール150gに溶解し重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル0.5gを加え70℃で8時間重合した。
重合転化率は88%であった。次いで、水酸化ナトリウ
ム20gと水400g添加した後、減圧蒸留によりメタ
ノールおよび残留モノマーを除去してpH=7のポリマ
ー水溶液とした。得られたポリマー水溶液を10gと
り、pH7のリン酸緩衝液に5重量%濃度で溶解してお
いたセルラーゼ(Tricoderma reesei、Sigma製)を0.5
ml添加し4℃、2時間混合しポリマーにセルラーゼを
固定化した。その後、1規定の塩酸を添加してpH=4
にすることによりポリマーを析出させてポリマー微粒子
を得た後、調整水を添加することにより固形分濃度10
重量%の固定化酵素とした。得られた固定化酵素は凝集
していたが、走査型電子顕微鏡で測定したところ一次粒
子の粒子径は0.15μmであった。
【0032】(2)繊維処理 上記実施例3の(1)で得られた固定化酵素を用いた以
外は実施例2の(2)と同様にして綿糸を処理した。次
いで、綿糸の重量減少率および引張強度低下率を実施例
1の(2)と同様にして測定し、結果を表1に示した。
【0033】比較例1 実施例1(2)において、固定化酵素の代わりに固定化
されていないフリーのセルラーゼ20単位を使用した以
外は実施例1の(2)と同様にして綿糸を処理した。次
いで、綿糸の重量減少率および引張強度低下率を実施例
1と同様に測定し、結果を表1に示した。
【0034】比較例2 実施例1(1)において、ポリマー微粒子を用いる代わ
りに分子量3万の水溶性ポリアクリル酸を使用した以外
は実施例1の(1)と同様にして水溶性固定化酵素を作
成した。次いで、実施例1(2)と同様にして綿糸を酵
素処理した。処理後の綿糸の重量減少率および引張強度
低下率を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示し
た。
【0035】比較例3 実施例3において、1規定の塩酸を添加して微粒子状に
析出させるかわりに、pH7の水溶性固定化酵素の状態
で繊維を処理する以外は実施例3と同様に綿糸を酵素処
理した後、引張試験を行ない結果を表1に示した。水溶
性固定化セルラーゼを用いた場合には、セルラーゼが繊
維の内部まで浸透することを防止する効果が不十分なた
め、引張強度が低下するするものと考えられる。
【0036】実施例4 (1)固定化酵素の合成 pH5の酢酸緩衝液に5重量%濃度で溶解したセルラー
ゼを0.5ml用いる代わりに、pH7のリン酸緩衝液
に5重量%濃度で溶解した中性プロテアーゼ(アマノプ
ロテアーゼN 天野製薬(株)製)2mlを用いた以外
は実施例1の(1)と同様にして固定化酵素を作成し
た。
【0037】(2)繊維処理 精製ウール糸を30cmの長さに切り、5本ずつ束ねて
その両端を結び、メタノールに一晩浸漬した後、減圧乾
燥機で7時間乾燥し、酵素処理用のサンプルとした。こ
のウール糸束を15mlの試験管に入れ、リン酸緩衝液
でpH7に調製した上記の固定化プロテアーゼを酵素と
して10単位(1単位はカゼインを基質として、pH
7、37℃で1.0μmol/分のチロシンを生成する
酵素量)加え、55℃、160回/分で2時間振とうし
た。反応終了後、ウール糸束を反応液から取り出し、
0.1mol/Lのリン酸緩衝液(pH=7)で2回、
純水で3回、メタノールで2回洗浄した後、7時間減圧
乾燥した。次いで、ウール糸の重量減少率および引張強
度低下率を実施例1の(2)と同様にして測定し結果を
表1に示した。
【0038】比較例4 実施例4の(2)において、固定化酵素の代わりに固定
化されていないフリーの中性プロテアーゼ10単位を使
用した以外は実施例4の(2)と同様にしてウール糸束
を処理した。次いで、ウール糸の重量減少率および引張
強度低下率を実施例1の(2)と同様に測定し、結果を
表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、酵素処理による風合い
などの繊維改質効果を維持しつつ、処理後の引張強度の
低下が少ないという優れた特徴を有する繊維処理剤が提
供されまたそれを使用した繊維処理方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 健哉 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性ポリマー微粒子に固定化された
    酵素を含有することを特徴とする繊維処理剤。
  2. 【請求項2】 水不溶性ポリマー微粒子に固定化された
    酵素を含有する繊維処理剤の存在下、繊維を処理するこ
    とを特徴とする繊維処理方法。
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