JPH0959206A - エイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法 - Google Patents
エイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法Info
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- JPH0959206A JPH0959206A JP24064595A JP24064595A JPH0959206A JP H0959206 A JPH0959206 A JP H0959206A JP 24064595 A JP24064595 A JP 24064595A JP 24064595 A JP24064595 A JP 24064595A JP H0959206 A JPH0959206 A JP H0959206A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】脂肪酸またはそのエステルの混合物から、有用
性の高いエイコサペンタエン酸またはそのエステルを、
機能阻害性を有するω6系の脂肪酸成分の濃縮を伴うこ
となく、基質劣化を招くことなく、簡便な方法により、
大量かつ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】エイコサペンタエン酸を含む脂肪酸混合物
またはエイコサペンタエン酸エステルを含む脂肪酸エス
テル混合物に、イソアルカンとアセトニトリルを加えて
混合したのち分層し、エイコサペンタエン酸またはエイ
コサペンタエン酸エステルをアセトニトリル層に濃縮す
ることを特徴とするエイコサペンタエン酸およびエイコ
サペンタエン酸エステルの製造方法。
性の高いエイコサペンタエン酸またはそのエステルを、
機能阻害性を有するω6系の脂肪酸成分の濃縮を伴うこ
となく、基質劣化を招くことなく、簡便な方法により、
大量かつ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】エイコサペンタエン酸を含む脂肪酸混合物
またはエイコサペンタエン酸エステルを含む脂肪酸エス
テル混合物に、イソアルカンとアセトニトリルを加えて
混合したのち分層し、エイコサペンタエン酸またはエイ
コサペンタエン酸エステルをアセトニトリル層に濃縮す
ることを特徴とするエイコサペンタエン酸およびエイコ
サペンタエン酸エステルの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エイコサペンタエ
ン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、エイコサペンタエ
ン酸またはエイコサペンタエン酸エステルを含有する脂
肪酸または脂肪酸エステルの混合物より、エイコサペン
タエン酸に対して機能阻害性を有するω6系の脂肪酸を
濃縮することなく、選択的にエイコサペンタエン酸また
はエイコサペンタエン酸エステルを濃縮することができ
るエイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エ
ステルの製造方法に関する。
ン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、エイコサペンタエ
ン酸またはエイコサペンタエン酸エステルを含有する脂
肪酸または脂肪酸エステルの混合物より、エイコサペン
タエン酸に対して機能阻害性を有するω6系の脂肪酸を
濃縮することなく、選択的にエイコサペンタエン酸また
はエイコサペンタエン酸エステルを濃縮することができ
るエイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エ
ステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の科学技術の進歩と相まって、脂肪
酸の構造と機能の相関が次第に明らかになってきてお
り、とりわけ、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコ
サヘキサエン酸(DHA)、α−リノレン酸などのω3
系の高度不飽和脂肪酸の生理活性作用に注目が集まって
いる。脂肪酸またはそのエステルは高純度になると固有
の物性や生理作用などをシャープに発現するようにな
り、さらに安全性や安定性、色、においなどの品質水準
も向上するので、医薬品、香粧品、食品などの生体関連
分野などにおいて、高度利用が可能となる。すでに、エ
イコサペンタエン酸はエチルエステルとして動脈硬化症
や高脂血症(中性脂肪)の治療薬として大型医薬品とな
っており、さらに新規な効能が追究されている状況下に
あって、高純度、高品質の製品を大量かつ安価に製造す
る方法が求められている。ω3系の不飽和脂肪酸は、抗
血栓、抗動脈硬化、抗脂血、抗炎症、免疫調整などの優
れた生理作用を発現するが、ω6系の不飽和脂肪酸、と
りわけアラキドン酸とは競合的阻害関係にあることが明
らかになってきている。従って、EPAの生理作用や薬
効を高めるためには、EPAの純度を高めると共にアラ
キドン酸の含量を低下させることが肝要となっている。
EPAとアラキドン酸の阻害関係に関する文献等は多数
あるが、熊谷朗著「EPAの医学」(中山書店、199
4年)、田中汎著「機能性脂質の開発と応用」142頁
(シーエムシー、1992年)などの著書に詳しく述べ
られている。脂肪酸またはそのエステルの混合物から、
エイコサペンタエン酸またはそのエステルを濃縮するた
めの従来技術としては、蒸留法、尿素付加法、液体クロ
マトグラフィ、カラムクロマトグラフィ、超臨界ガス抽
出法、液液分配法などの方法が報告されている。蒸留法
は沸点あるいは蒸気圧の差による分離法であり、その差
の少ない物質間の分離はできない。脂肪酸では炭素数の
異なる脂肪酸の分離は可能であるが、炭素数が同じで二
重結合の数またはその位置の異なる脂肪酸の分離はでき
ない。また、蒸留は高温の熱履歴を受けるので、熱安定
性の悪い不飽和脂肪酸、特に高度不飽和脂肪酸に適用す
るには注意を要する(特開平6−33088号公報、特
公平1−40817号公報、特公平5−25870号公
報、特開平2−268133号公報、特開平4−414
57号公報、特開平4−128250号公報など)。尿
素付加法は、尿素が炭素数7個以上の飽和直鎖状炭化水
素鎖を有している脂肪酸と付加体を形成する性質のある
ことを利用して、脂肪酸の分離を行う方法である。この
方法の分離特性は、一般に、二重結合数が3個以下の脂
肪酸の分離には有効であるが、二重結合を4個以上有す
る脂肪酸はほとんどが炭素数7個以上の飽和直鎖状炭化
水素鎖を有しないので尿素付加体を形成しない。従っ
て、魚油などに含まれているC16:4、C18:4、
C20:4、C20:5(エイコサペンタエン酸)、C
21:5、C22:5,C22:6(ドコサヘキサエン
酸)などの高度不飽和脂肪酸は尿素付加体を形成しない
ので、これらの脂肪酸の分離は全く不可能である。さら
に、尿素付加法では大量の尿素や溶媒を用いるので製造
コストが高く、操作もやや煩雑である(特公平1−40
817号公報、特公平3−47259号公報、特公平5
−25870号公報など)。液体クロマトグラフィは分
析的手法であり、工業的生産手段とするには生産性が低
く、設備費やランニングコストが高いなどの問題点があ
る(特開昭61−37752号公報、特開昭63−29
5527号公報など)。カラムクロマトグラフィは吸着
剤との親和性によって分離する方法であり、大量の溶剤
を用いること、生産性が低く設備が大型化することなど
の問題点がある(特開昭61−192797号公報、特
開昭63−290845号公報、特開平3−16729
4号公報など)。最近になって、硝酸銀カラム法が不飽
和度の異なる脂肪酸間の分離に有効であることが報告さ
れているが、高価な硝酸銀を使用することなどの点から
工業生産手段としての問題点がある(特開平4−103
558号公報、特開平4−154896号公報、特開平
5−159398号公報など)。超臨界ガス抽出法は、
近年になってエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン
酸の分離に活発に検討されているが、その分離効果は原
料脂肪酸組成に強く依存するので、他の方法で事前に組
成調整したものでないと分離効果が期待できない(特開
昭60−214757号公報、特開昭60−21729
9号公報、特開平2−8298号公報など)。超臨界ガ
ス抽出法は設備費が高く、大がかりなものとなるなどの
難点がある。液液分配法は、非混和性の2種類の溶媒間
に成分を分配させることによる分離法である。本法の分
離効果を支配する要因は2つの溶媒の種類と量、溶媒間
比率、分配温度、原料脂肪酸組成などであるが、キーフ
ァクターは2つの溶媒の種類である。特開昭64−83
043号公報には炭化水素系溶媒と極性溶媒の組合せ、
特にn−ヘプタンと含水アセトニトリルの2溶媒系を用
いる液液分配法による高度不飽和脂肪酸の濃縮方法が開
示されているが、この方法では魚油などに含まれている
二重結合数が3個以上の不飽和脂肪酸がすべて濃縮され
るので、ω3系の脂肪酸であるEPAの機能阻害性脂肪
酸であるω6系のアラキドン酸(C20:4)やC1
6:3、C16:4、C18:3、C18:4、C2
1:5、C22:5、C22:6なども同時に濃縮され
るという欠点がある。このように、従来のエイコサペン
タエン酸またはそのエステルの濃縮方法は、種々の問題
点を有しており、エイコサペンタエン酸またはそのエス
テルのみを簡便かつ効率的に濃縮する方法は見当たらな
い。
酸の構造と機能の相関が次第に明らかになってきてお
り、とりわけ、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコ
サヘキサエン酸(DHA)、α−リノレン酸などのω3
系の高度不飽和脂肪酸の生理活性作用に注目が集まって
いる。脂肪酸またはそのエステルは高純度になると固有
の物性や生理作用などをシャープに発現するようにな
り、さらに安全性や安定性、色、においなどの品質水準
も向上するので、医薬品、香粧品、食品などの生体関連
分野などにおいて、高度利用が可能となる。すでに、エ
イコサペンタエン酸はエチルエステルとして動脈硬化症
や高脂血症(中性脂肪)の治療薬として大型医薬品とな
っており、さらに新規な効能が追究されている状況下に
あって、高純度、高品質の製品を大量かつ安価に製造す
る方法が求められている。ω3系の不飽和脂肪酸は、抗
血栓、抗動脈硬化、抗脂血、抗炎症、免疫調整などの優
れた生理作用を発現するが、ω6系の不飽和脂肪酸、と
りわけアラキドン酸とは競合的阻害関係にあることが明
らかになってきている。従って、EPAの生理作用や薬
効を高めるためには、EPAの純度を高めると共にアラ
キドン酸の含量を低下させることが肝要となっている。
EPAとアラキドン酸の阻害関係に関する文献等は多数
あるが、熊谷朗著「EPAの医学」(中山書店、199
4年)、田中汎著「機能性脂質の開発と応用」142頁
(シーエムシー、1992年)などの著書に詳しく述べ
られている。脂肪酸またはそのエステルの混合物から、
エイコサペンタエン酸またはそのエステルを濃縮するた
めの従来技術としては、蒸留法、尿素付加法、液体クロ
マトグラフィ、カラムクロマトグラフィ、超臨界ガス抽
出法、液液分配法などの方法が報告されている。蒸留法
は沸点あるいは蒸気圧の差による分離法であり、その差
の少ない物質間の分離はできない。脂肪酸では炭素数の
異なる脂肪酸の分離は可能であるが、炭素数が同じで二
重結合の数またはその位置の異なる脂肪酸の分離はでき
ない。また、蒸留は高温の熱履歴を受けるので、熱安定
性の悪い不飽和脂肪酸、特に高度不飽和脂肪酸に適用す
るには注意を要する(特開平6−33088号公報、特
公平1−40817号公報、特公平5−25870号公
報、特開平2−268133号公報、特開平4−414
57号公報、特開平4−128250号公報など)。尿
素付加法は、尿素が炭素数7個以上の飽和直鎖状炭化水
素鎖を有している脂肪酸と付加体を形成する性質のある
ことを利用して、脂肪酸の分離を行う方法である。この
方法の分離特性は、一般に、二重結合数が3個以下の脂
肪酸の分離には有効であるが、二重結合を4個以上有す
る脂肪酸はほとんどが炭素数7個以上の飽和直鎖状炭化
水素鎖を有しないので尿素付加体を形成しない。従っ
て、魚油などに含まれているC16:4、C18:4、
C20:4、C20:5(エイコサペンタエン酸)、C
21:5、C22:5,C22:6(ドコサヘキサエン
酸)などの高度不飽和脂肪酸は尿素付加体を形成しない
ので、これらの脂肪酸の分離は全く不可能である。さら
に、尿素付加法では大量の尿素や溶媒を用いるので製造
コストが高く、操作もやや煩雑である(特公平1−40
817号公報、特公平3−47259号公報、特公平5
−25870号公報など)。液体クロマトグラフィは分
析的手法であり、工業的生産手段とするには生産性が低
く、設備費やランニングコストが高いなどの問題点があ
る(特開昭61−37752号公報、特開昭63−29
5527号公報など)。カラムクロマトグラフィは吸着
剤との親和性によって分離する方法であり、大量の溶剤
を用いること、生産性が低く設備が大型化することなど
の問題点がある(特開昭61−192797号公報、特
開昭63−290845号公報、特開平3−16729
4号公報など)。最近になって、硝酸銀カラム法が不飽
和度の異なる脂肪酸間の分離に有効であることが報告さ
れているが、高価な硝酸銀を使用することなどの点から
工業生産手段としての問題点がある(特開平4−103
558号公報、特開平4−154896号公報、特開平
5−159398号公報など)。超臨界ガス抽出法は、
近年になってエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン
酸の分離に活発に検討されているが、その分離効果は原
料脂肪酸組成に強く依存するので、他の方法で事前に組
成調整したものでないと分離効果が期待できない(特開
昭60−214757号公報、特開昭60−21729
9号公報、特開平2−8298号公報など)。超臨界ガ
ス抽出法は設備費が高く、大がかりなものとなるなどの
難点がある。液液分配法は、非混和性の2種類の溶媒間
に成分を分配させることによる分離法である。本法の分
離効果を支配する要因は2つの溶媒の種類と量、溶媒間
比率、分配温度、原料脂肪酸組成などであるが、キーフ
ァクターは2つの溶媒の種類である。特開昭64−83
043号公報には炭化水素系溶媒と極性溶媒の組合せ、
特にn−ヘプタンと含水アセトニトリルの2溶媒系を用
いる液液分配法による高度不飽和脂肪酸の濃縮方法が開
示されているが、この方法では魚油などに含まれている
二重結合数が3個以上の不飽和脂肪酸がすべて濃縮され
るので、ω3系の脂肪酸であるEPAの機能阻害性脂肪
酸であるω6系のアラキドン酸(C20:4)やC1
6:3、C16:4、C18:3、C18:4、C2
1:5、C22:5、C22:6なども同時に濃縮され
るという欠点がある。このように、従来のエイコサペン
タエン酸またはそのエステルの濃縮方法は、種々の問題
点を有しており、エイコサペンタエン酸またはそのエス
テルのみを簡便かつ効率的に濃縮する方法は見当たらな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、脂肪酸また
はそのエステルの混合物から、有用性の高いエイコサペ
ンタエン酸またはそのエステルを、機能阻害性を有する
ω6系の脂肪酸成分の濃縮を伴うことなく、基質劣化を
招くことなく、簡便な方法により、大量かつ安価に製造
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
はそのエステルの混合物から、有用性の高いエイコサペ
ンタエン酸またはそのエステルを、機能阻害性を有する
ω6系の脂肪酸成分の濃縮を伴うことなく、基質劣化を
招くことなく、簡便な方法により、大量かつ安価に製造
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エイコサペンタ
エン酸を含む脂肪酸またはエイコサペンタエン酸エステ
ルを含む脂肪酸エステルに、イソアルカンとアセトニト
リルを加えて混合したのち分層することにより、エイコ
サペンタエン酸またはエイコサペンタエン酸エステルが
選択的にアセトニトリル層に濃縮されることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)エイコサペンタエン酸を含む
脂肪酸混合物に、イソアルカンおよびアセトニトリルを
加えて混合したのち分層し、エイコサペンタエン酸をア
セトニトリル層に濃縮することを特徴とするエイコサペ
ンタエン酸の製造方法、(2)エイコサペンタエン酸を
含む脂肪酸混合物に、イソアルカンおよびアセトニトリ
ルを加えて混合したのち分層し、得られたアセトニトリ
ル層に新たなイソアルカンを加えて混合したのち分層す
る操作を繰り返し、エイコサペンタエン酸をアセトニト
リル層に濃縮することを特徴とするエイコサペンタエン
酸の製造方法、(3)エイコサペンタエン酸エステルを
含む脂肪酸エステル混合物に、イソアルカンおよびアセ
トニトリルを加えて混合したのち分層し、エイコサペン
タエン酸エステルをアセトニトリル層に濃縮することを
特徴とするエイコサペンタエン酸エステルの製造方法、
および、(4)エイコサペンタエン酸エステルを含む脂
肪酸エステル混合物に、イソアルカンおよびアセトニト
リルを加えて混合したのち分層し、得られたアセトニト
リル層に新たなイソアルカンを加えて混合したのち分層
する操作を繰り返し、エイコサペンタエン酸エステルを
アセトニトリル層に濃縮することを特徴とするエイコサ
ペンタエン酸エステルの製造方法、を提供するものであ
る。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エイコサペンタ
エン酸を含む脂肪酸またはエイコサペンタエン酸エステ
ルを含む脂肪酸エステルに、イソアルカンとアセトニト
リルを加えて混合したのち分層することにより、エイコ
サペンタエン酸またはエイコサペンタエン酸エステルが
選択的にアセトニトリル層に濃縮されることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)エイコサペンタエン酸を含む
脂肪酸混合物に、イソアルカンおよびアセトニトリルを
加えて混合したのち分層し、エイコサペンタエン酸をア
セトニトリル層に濃縮することを特徴とするエイコサペ
ンタエン酸の製造方法、(2)エイコサペンタエン酸を
含む脂肪酸混合物に、イソアルカンおよびアセトニトリ
ルを加えて混合したのち分層し、得られたアセトニトリ
ル層に新たなイソアルカンを加えて混合したのち分層す
る操作を繰り返し、エイコサペンタエン酸をアセトニト
リル層に濃縮することを特徴とするエイコサペンタエン
酸の製造方法、(3)エイコサペンタエン酸エステルを
含む脂肪酸エステル混合物に、イソアルカンおよびアセ
トニトリルを加えて混合したのち分層し、エイコサペン
タエン酸エステルをアセトニトリル層に濃縮することを
特徴とするエイコサペンタエン酸エステルの製造方法、
および、(4)エイコサペンタエン酸エステルを含む脂
肪酸エステル混合物に、イソアルカンおよびアセトニト
リルを加えて混合したのち分層し、得られたアセトニト
リル層に新たなイソアルカンを加えて混合したのち分層
する操作を繰り返し、エイコサペンタエン酸エステルを
アセトニトリル層に濃縮することを特徴とするエイコサ
ペンタエン酸エステルの製造方法、を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、エイコサペンタエ
ン酸を含む脂肪酸混合物およびエイコサペンタエン酸エ
ステルを含む脂肪酸エステル混合物に適用することがで
きる。エイコサペンタエン酸を含む脂肪酸混合物は、主
として魚油の加水分解によって得ることができ、このよ
うな脂肪酸混合物を与える魚油としては、例えば、イワ
シ油、タラ肝油、カツオ油、ニシン油、マグロ油、サン
マ油などを挙げることができる。高度不飽和脂肪酸は高
温にさらされると変質しやすいので、加水分解は常温付
近で行うことができるリパーゼ分解法などを好適に使用
することができる。本発明方法において、エイコサペン
タエン酸エステルを含む脂肪酸エステルとしては、メチ
ルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、
イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチ
ルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエス
テルなどの低級アルキルエステルを好適に使用すること
ができる。このようなエイコサペンタエン酸エステルを
含む脂肪酸エステルは、エイコサペンタエン酸を含む脂
肪酸の直接エステル化により、あるいは、脂肪酸成分と
してエイコサペンタエン酸を有する油脂のアルコリシス
によって得ることができる。本発明方法においては、エ
イコサペンタエン酸を含む脂肪酸またはエイコサペンタ
エン酸エステルを含む脂肪酸エステルに、非混和性のイ
ソアルカンとアセトニトリルを加えて混合したのち分層
して、エイコサペンタエン酸またはそのエステルをアセ
トニトリル層に濃縮する。イソアルカンとは、分岐を持
つアルカンのことであり、本発明方法においては、イソ
ペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタ
ン、イソノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソド
デカンなどのイソアルカンを好適に使用することができ
る。
ン酸を含む脂肪酸混合物およびエイコサペンタエン酸エ
ステルを含む脂肪酸エステル混合物に適用することがで
きる。エイコサペンタエン酸を含む脂肪酸混合物は、主
として魚油の加水分解によって得ることができ、このよ
うな脂肪酸混合物を与える魚油としては、例えば、イワ
シ油、タラ肝油、カツオ油、ニシン油、マグロ油、サン
マ油などを挙げることができる。高度不飽和脂肪酸は高
温にさらされると変質しやすいので、加水分解は常温付
近で行うことができるリパーゼ分解法などを好適に使用
することができる。本発明方法において、エイコサペン
タエン酸エステルを含む脂肪酸エステルとしては、メチ
ルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、
イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチ
ルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエス
テルなどの低級アルキルエステルを好適に使用すること
ができる。このようなエイコサペンタエン酸エステルを
含む脂肪酸エステルは、エイコサペンタエン酸を含む脂
肪酸の直接エステル化により、あるいは、脂肪酸成分と
してエイコサペンタエン酸を有する油脂のアルコリシス
によって得ることができる。本発明方法においては、エ
イコサペンタエン酸を含む脂肪酸またはエイコサペンタ
エン酸エステルを含む脂肪酸エステルに、非混和性のイ
ソアルカンとアセトニトリルを加えて混合したのち分層
して、エイコサペンタエン酸またはそのエステルをアセ
トニトリル層に濃縮する。イソアルカンとは、分岐を持
つアルカンのことであり、本発明方法においては、イソ
ペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタ
ン、イソノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソド
デカンなどのイソアルカンを好適に使用することができ
る。
【0006】本発明方法においては、イソアルカンと非
混和性の溶媒としてアセトニトリルを使用する。アセト
ニトリルは、純粋な状態で使用することができ、あるい
は、アセトニトリル/水、アセトニトリル/メタノー
ル、アセトニトリル/エタノールなどの混合溶媒の状態
で使用することができる。本発明方法において、イソア
ルカンとアセトニトリルの使用量は、原料脂肪酸または
そのエステルの組成、分離対象成分、分離温度、目標収
率などによって適宜選定することができるが、一般的に
は、原料脂肪酸またはそのエステルに対する2種の溶媒
の合計量が、重量比で1〜50倍であることが好まし
く、2〜20倍であることがより好ましい。また、イソ
アルカンとアセトニトリルの使用比率は、重量比で1:
50〜50:1であることが好ましく、1:20〜2
0:1であることがより好ましい。本発明方法におい
て、脂肪酸または脂肪酸エステルを含むイソアルカンと
アセトニトリルを混合および分層する方法には、特に制
限はなく、バッチ式または連続式のいずれの方法も用い
ることができる。バッチ式の場合は、温度制御装置を備
えた撹拌機つきの容器に、イソアルカン、アセトニトリ
ルおよび脂肪酸または脂肪酸エステルを仕込み、撹拌す
ることにより脂肪酸または脂肪酸エステルをイソアルカ
ン層およびアセトニトリル層に分配し、静置により分層
したのち、エイコサペンタエン酸またはそのエステルが
濃縮されたアセトニトリル層を抜き出すことができる。
連続式の場合は、脂肪酸または脂肪酸エステルをイソア
ルカンもしくはアセトニトリルまたはその両方に溶解
し、充填塔、プレート塔などを用いて、比重の大きいア
セトニトリルを上から、比重の小さいイソアルカンを下
から送って向流接触させることができる。連続的に向流
接触させる方法は、少ない溶媒量で高い分離効果が得ら
れるので有利である。連続式においては、遠心抽出機、
回転円板筒、脈動抽出塔なども使用することができる。
本発明方法において、液液分配温度は、原料脂肪酸また
はそのエステルの組成や、分離対象成分、目標収率、溶
媒の種類などによって適宜定めることができるが、一般
的には−40〜40℃で行うことが好ましい。低温にな
るとエイコサペンタエン酸またはそのエステルの濃縮効
果は向上するが、収率は低下する傾向にある。
混和性の溶媒としてアセトニトリルを使用する。アセト
ニトリルは、純粋な状態で使用することができ、あるい
は、アセトニトリル/水、アセトニトリル/メタノー
ル、アセトニトリル/エタノールなどの混合溶媒の状態
で使用することができる。本発明方法において、イソア
ルカンとアセトニトリルの使用量は、原料脂肪酸または
そのエステルの組成、分離対象成分、分離温度、目標収
率などによって適宜選定することができるが、一般的に
は、原料脂肪酸またはそのエステルに対する2種の溶媒
の合計量が、重量比で1〜50倍であることが好まし
く、2〜20倍であることがより好ましい。また、イソ
アルカンとアセトニトリルの使用比率は、重量比で1:
50〜50:1であることが好ましく、1:20〜2
0:1であることがより好ましい。本発明方法におい
て、脂肪酸または脂肪酸エステルを含むイソアルカンと
アセトニトリルを混合および分層する方法には、特に制
限はなく、バッチ式または連続式のいずれの方法も用い
ることができる。バッチ式の場合は、温度制御装置を備
えた撹拌機つきの容器に、イソアルカン、アセトニトリ
ルおよび脂肪酸または脂肪酸エステルを仕込み、撹拌す
ることにより脂肪酸または脂肪酸エステルをイソアルカ
ン層およびアセトニトリル層に分配し、静置により分層
したのち、エイコサペンタエン酸またはそのエステルが
濃縮されたアセトニトリル層を抜き出すことができる。
連続式の場合は、脂肪酸または脂肪酸エステルをイソア
ルカンもしくはアセトニトリルまたはその両方に溶解
し、充填塔、プレート塔などを用いて、比重の大きいア
セトニトリルを上から、比重の小さいイソアルカンを下
から送って向流接触させることができる。連続的に向流
接触させる方法は、少ない溶媒量で高い分離効果が得ら
れるので有利である。連続式においては、遠心抽出機、
回転円板筒、脈動抽出塔なども使用することができる。
本発明方法において、液液分配温度は、原料脂肪酸また
はそのエステルの組成や、分離対象成分、目標収率、溶
媒の種類などによって適宜定めることができるが、一般
的には−40〜40℃で行うことが好ましい。低温にな
るとエイコサペンタエン酸またはそのエステルの濃縮効
果は向上するが、収率は低下する傾向にある。
【0007】本発明方法において、分離されたアセトニ
トリル層からの濃縮されたエイコサペンタエン酸または
そのエステルを含有する脂肪酸または脂肪酸エステルの
回収は、アセトニトリルを減圧留去することにより行う
ことができる。本発明方法においては、イソアルカンと
アセトニトリルの間の液液分配により濃縮されたエイコ
サペンタエン酸を含有する脂肪酸またはそのエイコサペ
ンタエン酸エステルを含有する脂肪酸エステルについ
て、イソアルカンとアセトニトリルによる液液分配を繰
り返すことにより、エイコサペンタエン酸またはそのエ
ステルの濃度を高めることができる。また、濃縮された
エイコサペンタエン酸またはそのエステルを含有するア
セトニトリル層に、新たなイソアルカンを加えて液液分
配を繰り返すことにより、アセトニトリル層中のエイコ
サペンタエン酸またはそのエステルの全脂肪酸または脂
肪酸エステルに占める割合を高めることができる。ある
いは、イソアルカンとアセトニトリルにより液液分配を
行ったのち、イソアルカン層に新たなアセトニトリルを
加えて液液分配を行うことを繰り返し、イソアルカン層
に溶解しているエイコサペンタエン酸またはそのエステ
ルを抽出し、エイコサペンタエン酸またはそのエステル
の収量を高めることができる。 本発明方法のイソアルカンおよびアセトニトリルを用い
る液液分配によれば、エイコサペンタエン酸、ドコサヘ
キサエン酸などのω3系の脂肪酸またはそのエステルの
みがアセトニトリル層に濃縮され、アラキドン酸、リノ
ール酸などのω6系の脂肪酸、パルミトレイン酸、オレ
イン酸などの不飽和脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン
酸などの飽和脂肪酸またはこれらのエステルはすべてイ
ソアルカン層に濃縮される。従来の液液分配による分離
方法では、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸
などのω3系の脂肪酸とともに、アラキドン酸などのω
6系の脂肪酸も極性溶媒側に濃縮され、ω3系の脂肪酸
とω6系の脂肪酸を分離することができなかった。ω6
系の脂肪酸は、ω3系の脂肪酸に対して機能阻害性を有
するので、エイコサペンタエン酸を医薬品、香粧品、食
品などの生体関連分野において高度利用する上で大きな
障害となっていた。本発明方法によれば、ω6系の脂肪
酸を含まない高純度のエイコサペンタエン酸またはエイ
コサペンタエン酸エステルを容易に製造することができ
る。本発明方法のイソアルカンおよびアセトニトリルを
用いる液液分配においては、ω3系の脂肪酸または脂肪
酸エステルとω6系を含むその他の脂肪酸または脂肪酸
エステルが共存する場合は、ω3系の脂肪酸または脂肪
酸エステルがアセトニトリル層に濃縮され、ω6系を含
むその他の脂肪酸または脂肪酸エステルはイソアルカン
層に濃縮される。しかし、ω3系の脂肪酸または脂肪酸
エステルの含有量が多く、その他の脂肪酸または脂肪酸
エステルの含有量が少ない混合物の場合は、アセトニト
リル層にはエイコサペンタエン酸またはエイコサペンタ
エン酸エステルが選択的に濃縮され、エイコサペンタエ
ン酸またはエイコサペンタエン酸エステル以外のω3系
の脂肪酸または脂肪酸エステルは、その他の脂肪酸また
は脂肪酸エステルとともにイソアルカン層に濃縮される
ので、最終的にエイコサペンタエン酸またはエイコサペ
ンタエン酸エステルを純粋に単離し、エイコサペンタエ
ン酸またはエイコサペンタエン酸以外のすべての脂肪酸
または脂肪酸エステルを分離することが可能である。
トリル層からの濃縮されたエイコサペンタエン酸または
そのエステルを含有する脂肪酸または脂肪酸エステルの
回収は、アセトニトリルを減圧留去することにより行う
ことができる。本発明方法においては、イソアルカンと
アセトニトリルの間の液液分配により濃縮されたエイコ
サペンタエン酸を含有する脂肪酸またはそのエイコサペ
ンタエン酸エステルを含有する脂肪酸エステルについ
て、イソアルカンとアセトニトリルによる液液分配を繰
り返すことにより、エイコサペンタエン酸またはそのエ
ステルの濃度を高めることができる。また、濃縮された
エイコサペンタエン酸またはそのエステルを含有するア
セトニトリル層に、新たなイソアルカンを加えて液液分
配を繰り返すことにより、アセトニトリル層中のエイコ
サペンタエン酸またはそのエステルの全脂肪酸または脂
肪酸エステルに占める割合を高めることができる。ある
いは、イソアルカンとアセトニトリルにより液液分配を
行ったのち、イソアルカン層に新たなアセトニトリルを
加えて液液分配を行うことを繰り返し、イソアルカン層
に溶解しているエイコサペンタエン酸またはそのエステ
ルを抽出し、エイコサペンタエン酸またはそのエステル
の収量を高めることができる。 本発明方法のイソアルカンおよびアセトニトリルを用い
る液液分配によれば、エイコサペンタエン酸、ドコサヘ
キサエン酸などのω3系の脂肪酸またはそのエステルの
みがアセトニトリル層に濃縮され、アラキドン酸、リノ
ール酸などのω6系の脂肪酸、パルミトレイン酸、オレ
イン酸などの不飽和脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン
酸などの飽和脂肪酸またはこれらのエステルはすべてイ
ソアルカン層に濃縮される。従来の液液分配による分離
方法では、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸
などのω3系の脂肪酸とともに、アラキドン酸などのω
6系の脂肪酸も極性溶媒側に濃縮され、ω3系の脂肪酸
とω6系の脂肪酸を分離することができなかった。ω6
系の脂肪酸は、ω3系の脂肪酸に対して機能阻害性を有
するので、エイコサペンタエン酸を医薬品、香粧品、食
品などの生体関連分野において高度利用する上で大きな
障害となっていた。本発明方法によれば、ω6系の脂肪
酸を含まない高純度のエイコサペンタエン酸またはエイ
コサペンタエン酸エステルを容易に製造することができ
る。本発明方法のイソアルカンおよびアセトニトリルを
用いる液液分配においては、ω3系の脂肪酸または脂肪
酸エステルとω6系を含むその他の脂肪酸または脂肪酸
エステルが共存する場合は、ω3系の脂肪酸または脂肪
酸エステルがアセトニトリル層に濃縮され、ω6系を含
むその他の脂肪酸または脂肪酸エステルはイソアルカン
層に濃縮される。しかし、ω3系の脂肪酸または脂肪酸
エステルの含有量が多く、その他の脂肪酸または脂肪酸
エステルの含有量が少ない混合物の場合は、アセトニト
リル層にはエイコサペンタエン酸またはエイコサペンタ
エン酸エステルが選択的に濃縮され、エイコサペンタエ
ン酸またはエイコサペンタエン酸エステル以外のω3系
の脂肪酸または脂肪酸エステルは、その他の脂肪酸また
は脂肪酸エステルとともにイソアルカン層に濃縮される
ので、最終的にエイコサペンタエン酸またはエイコサペ
ンタエン酸エステルを純粋に単離し、エイコサペンタエ
ン酸またはエイコサペンタエン酸以外のすべての脂肪酸
または脂肪酸エステルを分離することが可能である。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、脂肪酸
組成は、脂肪酸についてはメチルエステル化した後、エ
チルエステルはそのままガスクロマトグラフィによって
分析し、エイコサペンタエン酸エステル及びエイコサペ
ンタエン酸エステルと保持時間が近い成分について含有
量を示した。ガスクロマトグラフィの条件は、次の通り
である。 ガスクロマトグラフ:島津GC−17A カラム:DB−WAX(J&W)、30m×0.25mm
×0.25μmFilm キャリアガス(He)流量:1ml/分 サンプル濃度:100mg/mlイソオクタン 注入量:0.2μl インジェクション温度:240℃ カラム温度:210℃ 検出器温度:240℃ 検出器:FID スプリット比:50:1 実施例1 液液分配分離槽に、エイコサペンタエン酸エチル67.
9重量%、ドコサヘキサエン酸エチル2.8重量%、ア
ラキドン酸エチル3.7重量%、オレイン酸エチル1.2
重量%、アラキン酸エチル0.7重量%、ω11〜7の
二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル
4.8重量%を含む脂肪酸エチルエステルの混合物1.0
kg、イソオクタン4.0kgおよびアセトニトリル4.0kg
を加えて激しく撹拌混合しながら液液分配温度を20℃
として20分間撹拌混合を続けた。次いで10分間静置
して分層したのちアセトニトリル層を分取し、ロータリ
ーエバポレーターによりアセトニトリルを留去して脂肪
酸エチルエステル0.30kgを得た。この脂肪酸エチル
エステルをガスクロマトグラフィで分析を行った結果、
その組成は、エイコサペンタエン酸エチル78.8重量
%、ドコサヘキサエン酸エチル3.4重量%、アラキド
ン酸エチル2.1重量%、オレイン酸エチル0.6重量
%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7の二重
結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル1.3
重量%であった。 実施例2 実施例1における液液分配温度を−10℃に変える以外
は、実施例1と全く同じ操作を繰り返し、アセトニトリ
ル層から脂肪酸エチルエステル0.20kgを得た。この
脂肪酸エチルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸
エチル82.1重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.5
重量%、アラキドン酸エチル2.2重量%、オレイン酸
エチル0.2重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω
11〜7の二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチル
エステル0.6重量%であった。 実施例3 実施例2における使用溶媒量を、イソオクタン2.5kg
およびアセトニトリル5.5kgに変える以外は、実施例
1と全く同じ操作を繰り返し、アセトニトリル層から脂
肪酸エチルエステル0.39kgを得た。この脂肪酸エチ
ルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル8
1.6重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.3重量%、
アラキドン酸エチル1.9重量%、オレイン酸エチル0.
3重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7
の二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル
0.8重量%であった。 比較例1 実施例1におけるイソオクタン4.0kgの代わりにn−
ヘプタン4.0kgを用いる以外は、実施例1と全く同じ
操作を繰り返し、アセトニトリル層から脂肪酸エチルエ
ステル0.26kgを得た。この脂肪酸エチルエステルの
組成は、エイコサペンタエン酸エチル80.1重量%、
ドコサヘキサエン酸エチル3.4重量%、アラキドン酸
エチル4.4重量%、オレイン酸エチル0.8重量%、ア
ラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7の二重結合1
個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル2.7重量%
であった。 実施例1〜3および比較例1の結果を、まとめて第1表
に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、脂肪酸
組成は、脂肪酸についてはメチルエステル化した後、エ
チルエステルはそのままガスクロマトグラフィによって
分析し、エイコサペンタエン酸エステル及びエイコサペ
ンタエン酸エステルと保持時間が近い成分について含有
量を示した。ガスクロマトグラフィの条件は、次の通り
である。 ガスクロマトグラフ:島津GC−17A カラム:DB−WAX(J&W)、30m×0.25mm
×0.25μmFilm キャリアガス(He)流量:1ml/分 サンプル濃度:100mg/mlイソオクタン 注入量:0.2μl インジェクション温度:240℃ カラム温度:210℃ 検出器温度:240℃ 検出器:FID スプリット比:50:1 実施例1 液液分配分離槽に、エイコサペンタエン酸エチル67.
9重量%、ドコサヘキサエン酸エチル2.8重量%、ア
ラキドン酸エチル3.7重量%、オレイン酸エチル1.2
重量%、アラキン酸エチル0.7重量%、ω11〜7の
二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル
4.8重量%を含む脂肪酸エチルエステルの混合物1.0
kg、イソオクタン4.0kgおよびアセトニトリル4.0kg
を加えて激しく撹拌混合しながら液液分配温度を20℃
として20分間撹拌混合を続けた。次いで10分間静置
して分層したのちアセトニトリル層を分取し、ロータリ
ーエバポレーターによりアセトニトリルを留去して脂肪
酸エチルエステル0.30kgを得た。この脂肪酸エチル
エステルをガスクロマトグラフィで分析を行った結果、
その組成は、エイコサペンタエン酸エチル78.8重量
%、ドコサヘキサエン酸エチル3.4重量%、アラキド
ン酸エチル2.1重量%、オレイン酸エチル0.6重量
%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7の二重
結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル1.3
重量%であった。 実施例2 実施例1における液液分配温度を−10℃に変える以外
は、実施例1と全く同じ操作を繰り返し、アセトニトリ
ル層から脂肪酸エチルエステル0.20kgを得た。この
脂肪酸エチルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸
エチル82.1重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.5
重量%、アラキドン酸エチル2.2重量%、オレイン酸
エチル0.2重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω
11〜7の二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチル
エステル0.6重量%であった。 実施例3 実施例2における使用溶媒量を、イソオクタン2.5kg
およびアセトニトリル5.5kgに変える以外は、実施例
1と全く同じ操作を繰り返し、アセトニトリル層から脂
肪酸エチルエステル0.39kgを得た。この脂肪酸エチ
ルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル8
1.6重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.3重量%、
アラキドン酸エチル1.9重量%、オレイン酸エチル0.
3重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7
の二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル
0.8重量%であった。 比較例1 実施例1におけるイソオクタン4.0kgの代わりにn−
ヘプタン4.0kgを用いる以外は、実施例1と全く同じ
操作を繰り返し、アセトニトリル層から脂肪酸エチルエ
ステル0.26kgを得た。この脂肪酸エチルエステルの
組成は、エイコサペンタエン酸エチル80.1重量%、
ドコサヘキサエン酸エチル3.4重量%、アラキドン酸
エチル4.4重量%、オレイン酸エチル0.8重量%、ア
ラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7の二重結合1
個、炭素数20の脂肪酸のエチルエステル2.7重量%
であった。 実施例1〜3および比較例1の結果を、まとめて第1表
に示す。
【0009】
【表1】
【0010】第1表に見られるように、脂肪酸エチルエ
ステルをイソオクタンおよびアセトニトリルを溶媒とし
て分層することにより、ω3系の脂肪酸のエチルエステ
ルであるエイコサペンタエン酸エチルおよびドコサヘキ
サエン酸エチルは濃縮されて濃度が上昇しているが、ω
6系の脂肪酸のエチルエステルであるアラキドン酸エチ
ルは濃度が低下し、さらにω9脂肪酸、ω11〜7の二
重結合1個の脂肪酸および二重結合を有しない脂肪酸の
エチルエステルの濃度も低下している。この結果から、
イソオクタンおよびアセトニトリルを溶媒として分層す
ることにより、ω3系の脂肪酸のエチルエステルを選択
的に濃縮することができることが分かった。これに対し
て脂肪酸エチルエステルをn−ヘプタンおよびアセトニ
トリルを溶媒として分層した比較例1では、ω3系の脂
肪酸のエチルエステルであるエイコサペンタエン酸エチ
ルおよびドコサヘキサエン酸エチルが濃縮され濃度が上
昇しているが、ω3系の脂肪酸の機能阻害性を有するω
6系の脂肪酸のエチルエステルであるアラキドン酸エチ
ルも濃縮されて濃度が上昇している。さらに、比較例1
では、エイコサペンタエン酸の濃縮効果と収率が本発明
の実施例1よりも低い結果となっている。 実施例4 実施例2の操作を繰り返し、得られたアセトニトリル層
を重量が1.0kgになるまで濃縮し、イソオクタン0.8
kgを加えて0℃において液液分配を行った。アセトニト
リル層を少量サンプリングしてアセトニトリルを蒸発さ
せたところ、アセトニトリル層には脂肪酸エチルエステ
ル0.06kgが含まれていることが分かった。この脂肪
酸エチルエステルを分析したところ、その組成は、エイ
コサペンタエン酸エチル87.8重量%、ドコサヘキサ
エン酸エチル3.6重量%、アラキドン酸エチル1.2重
量%、オレイン酸エチル0.0重量%、アラキン酸エチ
ル0.0重量%、ω11〜7の炭素数20の脂肪酸のエ
チルエステル0.0重量%であった。 実施例5 実施例4で得られたアセトニトリル層を重量が0.30k
gになるまで濃縮し、イソオクタン0.24kgを加えて1
0℃において液液分配を行い、アセトニトリル層から脂
肪酸エチルエステル0.03kgを得た。この脂肪酸エチ
ルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル9
0.4重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.8重量%、
アラキドン酸エチル0.8重量%、オレイン酸エチル0.
0重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7
の炭素数20の脂肪酸のエチルエステル0.0重量%で
あった。 実施例4〜5の結果を、実施例2の結果と併せて第2表
に示す。
ステルをイソオクタンおよびアセトニトリルを溶媒とし
て分層することにより、ω3系の脂肪酸のエチルエステ
ルであるエイコサペンタエン酸エチルおよびドコサヘキ
サエン酸エチルは濃縮されて濃度が上昇しているが、ω
6系の脂肪酸のエチルエステルであるアラキドン酸エチ
ルは濃度が低下し、さらにω9脂肪酸、ω11〜7の二
重結合1個の脂肪酸および二重結合を有しない脂肪酸の
エチルエステルの濃度も低下している。この結果から、
イソオクタンおよびアセトニトリルを溶媒として分層す
ることにより、ω3系の脂肪酸のエチルエステルを選択
的に濃縮することができることが分かった。これに対し
て脂肪酸エチルエステルをn−ヘプタンおよびアセトニ
トリルを溶媒として分層した比較例1では、ω3系の脂
肪酸のエチルエステルであるエイコサペンタエン酸エチ
ルおよびドコサヘキサエン酸エチルが濃縮され濃度が上
昇しているが、ω3系の脂肪酸の機能阻害性を有するω
6系の脂肪酸のエチルエステルであるアラキドン酸エチ
ルも濃縮されて濃度が上昇している。さらに、比較例1
では、エイコサペンタエン酸の濃縮効果と収率が本発明
の実施例1よりも低い結果となっている。 実施例4 実施例2の操作を繰り返し、得られたアセトニトリル層
を重量が1.0kgになるまで濃縮し、イソオクタン0.8
kgを加えて0℃において液液分配を行った。アセトニト
リル層を少量サンプリングしてアセトニトリルを蒸発さ
せたところ、アセトニトリル層には脂肪酸エチルエステ
ル0.06kgが含まれていることが分かった。この脂肪
酸エチルエステルを分析したところ、その組成は、エイ
コサペンタエン酸エチル87.8重量%、ドコサヘキサ
エン酸エチル3.6重量%、アラキドン酸エチル1.2重
量%、オレイン酸エチル0.0重量%、アラキン酸エチ
ル0.0重量%、ω11〜7の炭素数20の脂肪酸のエ
チルエステル0.0重量%であった。 実施例5 実施例4で得られたアセトニトリル層を重量が0.30k
gになるまで濃縮し、イソオクタン0.24kgを加えて1
0℃において液液分配を行い、アセトニトリル層から脂
肪酸エチルエステル0.03kgを得た。この脂肪酸エチ
ルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル9
0.4重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.8重量%、
アラキドン酸エチル0.8重量%、オレイン酸エチル0.
0重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω11〜7
の炭素数20の脂肪酸のエチルエステル0.0重量%で
あった。 実施例4〜5の結果を、実施例2の結果と併せて第2表
に示す。
【0011】
【表2】
【0012】第2表に見られるように、脂肪酸エチルエ
ステルをイソオクタンおよびアセトニトリルを溶媒とし
て分層し、得られたアセトニトリル層にさらに新たなイ
ソオクタンを加えて分層することにより、ω3系の脂肪
酸のエチルエステルであるエイコサペンタエン酸エチル
およびドコサヘキサエン酸エチルは濃縮されて濃度が上
昇しているが、ω6系の脂肪酸のエチルエステルである
アラキドン酸エチルは濃度が低下し、さらにω9脂肪
酸、ω11〜7脂肪酸および二重結合を有しない脂肪酸
のエチルエステルは含有されなくなることから、イソオ
クタンおよびアセトニトリルを溶媒として分層を繰り返
すことによりω3系の脂肪酸のエチルエステルを選択的
に濃縮することができることが分かった。 実施例6 実施例3において得られたイソオクタン層に、アセトニ
トリル5.5kgを加えて−10℃において液液分配によ
り2回目のアセトニトリル抽出を行い、アセトニトリル
層から脂肪酸エチルエステル0.28kgを得た。この脂
肪酸エチルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エ
チル80.0重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.3重
量%、アラキドン酸エチル2.1重量%、オレイン酸エ
チル0.3重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω1
1〜7の二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエ
ステル0.8重量%であった。 実施例3および実施例6の結果を、併せて第3表に示
す。
ステルをイソオクタンおよびアセトニトリルを溶媒とし
て分層し、得られたアセトニトリル層にさらに新たなイ
ソオクタンを加えて分層することにより、ω3系の脂肪
酸のエチルエステルであるエイコサペンタエン酸エチル
およびドコサヘキサエン酸エチルは濃縮されて濃度が上
昇しているが、ω6系の脂肪酸のエチルエステルである
アラキドン酸エチルは濃度が低下し、さらにω9脂肪
酸、ω11〜7脂肪酸および二重結合を有しない脂肪酸
のエチルエステルは含有されなくなることから、イソオ
クタンおよびアセトニトリルを溶媒として分層を繰り返
すことによりω3系の脂肪酸のエチルエステルを選択的
に濃縮することができることが分かった。 実施例6 実施例3において得られたイソオクタン層に、アセトニ
トリル5.5kgを加えて−10℃において液液分配によ
り2回目のアセトニトリル抽出を行い、アセトニトリル
層から脂肪酸エチルエステル0.28kgを得た。この脂
肪酸エチルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エ
チル80.0重量%、ドコサヘキサエン酸エチル3.3重
量%、アラキドン酸エチル2.1重量%、オレイン酸エ
チル0.3重量%、アラキン酸エチル0.0重量%、ω1
1〜7の二重結合1個、炭素数20の脂肪酸のエチルエ
ステル0.8重量%であった。 実施例3および実施例6の結果を、併せて第3表に示
す。
【0013】
【表3】
【0014】第3表の結果から、イソオクタンおよびア
セトニトリルを溶媒として分層したのち、さらにイソオ
クタン層にアセトニトリルを加えて分層すると、アセト
ニトリル層からは1回目の分層のときよりはエイコサペ
ンタエン酸エチルの濃度がわずかに低いが、1回目とほ
ぼ同様にω3系の脂肪酸のエチルエステルが濃縮され、
それ以外の脂肪酸のエチルエステルの濃度が低下した混
合物が得られることが分かった。 実施例7 エイコサペンタエン酸エチル88.3重量%、ドコサヘ
キサエン酸エチル2.5重量%、アラキドン酸エチル2.
5重量%、二重結合4個、炭素数18のω3脂肪酸のエ
チルエステル4.6重量%、二重結合5個、炭素数21
のω3脂肪酸のエチルエステル0.9重量%および二重
結合5個、炭素数22のω3脂肪酸のエチルエステル
0.3重量%を含む脂肪酸エチルエステル1.0kgに、イ
ソオクタン4.0kgとアセトニトリル4.0kgを加え、液
液分配温度−20℃で実施例1と同様に操作してアセト
ニトリル層を分取し、このアセトニトリル層から脂肪酸
エチルエステル0.38kgを得た。この脂肪酸エチルエ
ステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル93.2
重量%、ドコサヘキサエン酸エチル2.0重量%、アラ
キドン酸エチル1.0重量%、二重結合4個、炭素数1
8のω3脂肪酸のエチルエステル3.5重量%、二重結
合5個、炭素数21のω3脂肪酸のエチルエステル0.
3重量%および二重結合5個、炭素数22のω3脂肪酸
のエチルエステル0.0重量%であった。結果を第4表
に示す。
セトニトリルを溶媒として分層したのち、さらにイソオ
クタン層にアセトニトリルを加えて分層すると、アセト
ニトリル層からは1回目の分層のときよりはエイコサペ
ンタエン酸エチルの濃度がわずかに低いが、1回目とほ
ぼ同様にω3系の脂肪酸のエチルエステルが濃縮され、
それ以外の脂肪酸のエチルエステルの濃度が低下した混
合物が得られることが分かった。 実施例7 エイコサペンタエン酸エチル88.3重量%、ドコサヘ
キサエン酸エチル2.5重量%、アラキドン酸エチル2.
5重量%、二重結合4個、炭素数18のω3脂肪酸のエ
チルエステル4.6重量%、二重結合5個、炭素数21
のω3脂肪酸のエチルエステル0.9重量%および二重
結合5個、炭素数22のω3脂肪酸のエチルエステル
0.3重量%を含む脂肪酸エチルエステル1.0kgに、イ
ソオクタン4.0kgとアセトニトリル4.0kgを加え、液
液分配温度−20℃で実施例1と同様に操作してアセト
ニトリル層を分取し、このアセトニトリル層から脂肪酸
エチルエステル0.38kgを得た。この脂肪酸エチルエ
ステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル93.2
重量%、ドコサヘキサエン酸エチル2.0重量%、アラ
キドン酸エチル1.0重量%、二重結合4個、炭素数1
8のω3脂肪酸のエチルエステル3.5重量%、二重結
合5個、炭素数21のω3脂肪酸のエチルエステル0.
3重量%および二重結合5個、炭素数22のω3脂肪酸
のエチルエステル0.0重量%であった。結果を第4表
に示す。
【0015】
【表4】
【0016】第4表の結果から、エイコサペンタエン酸
エチルを含むω3系の脂肪酸のエチルエステルの含有量
が多い脂肪酸のエチルエステルを、イソオクタンとアセ
トニトリルにより分層すると、アセトニトリル層におい
て、ω6系の脂肪酸であるアラキドン酸の濃度は低下す
るが、エイコサペンタエン酸エチル以外のω3系の脂肪
酸のエチルエステルの濃度も低下し、ω3系の脂肪酸の
エチルエステルの中でもエイコサペンタエン酸エチルが
アセトニトリルに対して特に強い親和性を有し、選択的
に濃縮されることが分かる。 実施例8 エイコサペンタエン酸エチル18.1重量%、ドコサヘ
キサエン酸エチル6.9重量%、アラキドン酸エチル1.
2重量%、パルミチン酸エチル17.9重量%、パルミ
トレイン酸エチル8.1重量%およびオレイン酸エチル
12.9重量%を含む魚油脂肪酸のエチルエステル1.0
kgに、イソオクタン4.0kgおよびアセトニトリル4.0
kgを加え、液液分配温度−10℃で実施例1と同様に操
作してアセトニトリル層を分取し、アセトニトリル層か
ら脂肪酸エチルエステル0.12kgを得た。この脂肪酸
エチルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル
39.4重量%、ドコサヘキサエン酸エチル14.9重量
%、アラキドン酸エチル1.1重量%、パルミチン酸エ
チル5.0重量%、パルミトレイン酸エチル4.2重量%
およびオレイン酸エチル4.3重量%であった。結果を
第5表に示す。
エチルを含むω3系の脂肪酸のエチルエステルの含有量
が多い脂肪酸のエチルエステルを、イソオクタンとアセ
トニトリルにより分層すると、アセトニトリル層におい
て、ω6系の脂肪酸であるアラキドン酸の濃度は低下す
るが、エイコサペンタエン酸エチル以外のω3系の脂肪
酸のエチルエステルの濃度も低下し、ω3系の脂肪酸の
エチルエステルの中でもエイコサペンタエン酸エチルが
アセトニトリルに対して特に強い親和性を有し、選択的
に濃縮されることが分かる。 実施例8 エイコサペンタエン酸エチル18.1重量%、ドコサヘ
キサエン酸エチル6.9重量%、アラキドン酸エチル1.
2重量%、パルミチン酸エチル17.9重量%、パルミ
トレイン酸エチル8.1重量%およびオレイン酸エチル
12.9重量%を含む魚油脂肪酸のエチルエステル1.0
kgに、イソオクタン4.0kgおよびアセトニトリル4.0
kgを加え、液液分配温度−10℃で実施例1と同様に操
作してアセトニトリル層を分取し、アセトニトリル層か
ら脂肪酸エチルエステル0.12kgを得た。この脂肪酸
エチルエステルの組成は、エイコサペンタエン酸エチル
39.4重量%、ドコサヘキサエン酸エチル14.9重量
%、アラキドン酸エチル1.1重量%、パルミチン酸エ
チル5.0重量%、パルミトレイン酸エチル4.2重量%
およびオレイン酸エチル4.3重量%であった。結果を
第5表に示す。
【0017】
【表5】
【0018】第5表の結果から、魚油脂肪酸のエチルエ
ステルをイソオクタンとアセトニトリルで分層すること
により、ω3系の脂肪酸のエチルエステルであるエイコ
サペンタエン酸エチルおよびドコサヘキサエン酸エチル
が濃縮されて濃度が上昇し、ω3系の脂肪酸以外の脂肪
酸のエチルエステルの濃度が低下していることが分か
る。 実施例9 エイコサペンタエン酸97.9重量%、ドコサヘキサエ
ン酸0.8重量%、アラキドン酸0.8重量%、二重結合
5個、炭素数21のω3脂肪酸0.3重量%および二重
結合5個、炭素数22のω3脂肪酸0.2重量%を含む
脂肪酸1.0kgに、イソオクタン4.0kgおよびアセトニ
トリル4.0kgを加え、液液分配温度−20℃で実施例
1と同様に操作してアセトニトリル層を分取し、このア
セトニトリル層から脂肪酸0.47kgを得た。この脂肪
酸の組成は、エイコサペンタエン酸99.5重量%、ド
コサヘキサエン酸0.3重量%、アラキドン酸0.2重量
%、二重結合5個、炭素数21のω3脂肪酸0.0重量
%および二重結合5個、炭素数22のω3脂肪酸0.0
重量%であった。結果を第6表に示す。
ステルをイソオクタンとアセトニトリルで分層すること
により、ω3系の脂肪酸のエチルエステルであるエイコ
サペンタエン酸エチルおよびドコサヘキサエン酸エチル
が濃縮されて濃度が上昇し、ω3系の脂肪酸以外の脂肪
酸のエチルエステルの濃度が低下していることが分か
る。 実施例9 エイコサペンタエン酸97.9重量%、ドコサヘキサエ
ン酸0.8重量%、アラキドン酸0.8重量%、二重結合
5個、炭素数21のω3脂肪酸0.3重量%および二重
結合5個、炭素数22のω3脂肪酸0.2重量%を含む
脂肪酸1.0kgに、イソオクタン4.0kgおよびアセトニ
トリル4.0kgを加え、液液分配温度−20℃で実施例
1と同様に操作してアセトニトリル層を分取し、このア
セトニトリル層から脂肪酸0.47kgを得た。この脂肪
酸の組成は、エイコサペンタエン酸99.5重量%、ド
コサヘキサエン酸0.3重量%、アラキドン酸0.2重量
%、二重結合5個、炭素数21のω3脂肪酸0.0重量
%および二重結合5個、炭素数22のω3脂肪酸0.0
重量%であった。結果を第6表に示す。
【0019】
【表6】
【0020】第6表に見られるように、エイコサペンタ
エン酸の濃度は上昇し、アラキドン酸の濃度は低下して
いるが、ω3系の脂肪酸であるドコサヘキサエン酸の濃
度も低下し、炭素数21および炭素数22のω3脂肪酸
は含まれていない。この結果から、エイコサペンタエン
酸の濃度が高い場合には、イソオクタンとアセトニトリ
ルによる分層において、ω3系の脂肪酸の中でエイコサ
ペンタエン酸がアセトニトリルに対する親和性が特に強
く濃縮され、エイコサペンタエン酸以外のω3系の脂肪
酸はアセトニトリル層から排除される傾向にあることが
分かる。 実施例10 エイコサペンタエン酸25.4重量%、ドコサヘキサエ
ン酸7.5重量%、アラキドン酸2.3重量%、二重結合
5個、炭素数22のω3脂肪酸2.4重量%、ステアリ
ン酸4.3重量%およびオレイン酸15.1重量%を含む
脂肪酸1.0kgに、イソオクタン4.0kgおよびアセトニ
トリル4.0kgを加え、液液分配温度20℃で実施例1
と同様に操作してアセトニトリル層を分取し、このアセ
トニトリル層から脂肪酸0.27kgを得た。この脂肪酸
の組成は、エイコサペンタエン酸40.8重量%、ドコ
サヘキサエン酸14.2重量%、アラキドン酸1.9重量
%、二重結合5個、炭素数22のω3脂肪酸2.7重量
%、ステアリン酸1.4重量%およびオレイン酸8.0重
量%であった。結果を第7表に示す。
エン酸の濃度は上昇し、アラキドン酸の濃度は低下して
いるが、ω3系の脂肪酸であるドコサヘキサエン酸の濃
度も低下し、炭素数21および炭素数22のω3脂肪酸
は含まれていない。この結果から、エイコサペンタエン
酸の濃度が高い場合には、イソオクタンとアセトニトリ
ルによる分層において、ω3系の脂肪酸の中でエイコサ
ペンタエン酸がアセトニトリルに対する親和性が特に強
く濃縮され、エイコサペンタエン酸以外のω3系の脂肪
酸はアセトニトリル層から排除される傾向にあることが
分かる。 実施例10 エイコサペンタエン酸25.4重量%、ドコサヘキサエ
ン酸7.5重量%、アラキドン酸2.3重量%、二重結合
5個、炭素数22のω3脂肪酸2.4重量%、ステアリ
ン酸4.3重量%およびオレイン酸15.1重量%を含む
脂肪酸1.0kgに、イソオクタン4.0kgおよびアセトニ
トリル4.0kgを加え、液液分配温度20℃で実施例1
と同様に操作してアセトニトリル層を分取し、このアセ
トニトリル層から脂肪酸0.27kgを得た。この脂肪酸
の組成は、エイコサペンタエン酸40.8重量%、ドコ
サヘキサエン酸14.2重量%、アラキドン酸1.9重量
%、二重結合5個、炭素数22のω3脂肪酸2.7重量
%、ステアリン酸1.4重量%およびオレイン酸8.0重
量%であった。結果を第7表に示す。
【0021】
【表7】
【0022】第7表の結果から、イソオクタンとアセト
ニトリルを用いた分層により、ω3系の脂肪酸であるエ
イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸および二重結
合5個、炭素数22のω3脂肪酸の濃度はすべて上昇
し、それ以外の脂肪酸は、ω6系の脂肪酸であるアラキ
ドン酸を含めてすべて濃度が低下していることから、イ
ソオクタンとアセトニトリルを用いる分層により、ω3
系の脂肪酸が選択的に濃縮されることが分かる。 実施例11 エイコサペンタエン酸13.9重量%、ドコサヘキサエ
ン酸8.8重量%、アラキドン酸1.1重量%、パルミチ
ン酸17.1重量%、パルミトレイン酸9.7重量%およ
びオレイン酸13.7重量%を含む魚油脂肪酸1.0kg
に、イソヘキサン3.0kgおよびアセトニトリル4.0kg
を加え、液液分配温度−10℃で実施例1と同様に操作
してアセトニトリル層を分取し、このアセトニトリル層
から脂肪酸0.15kgを得た。この脂肪酸の組成は、エ
イコサペンタエン酸33.2重量%、ドコサヘキサエン
酸15.8重量%、アラキドン酸1.0重量%、パルミチ
ン酸8.1重量%、パルミトレイン酸6.9重量%および
オレイン酸7.3重量%であった。結果を第8表に示
す。
ニトリルを用いた分層により、ω3系の脂肪酸であるエ
イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸および二重結
合5個、炭素数22のω3脂肪酸の濃度はすべて上昇
し、それ以外の脂肪酸は、ω6系の脂肪酸であるアラキ
ドン酸を含めてすべて濃度が低下していることから、イ
ソオクタンとアセトニトリルを用いる分層により、ω3
系の脂肪酸が選択的に濃縮されることが分かる。 実施例11 エイコサペンタエン酸13.9重量%、ドコサヘキサエ
ン酸8.8重量%、アラキドン酸1.1重量%、パルミチ
ン酸17.1重量%、パルミトレイン酸9.7重量%およ
びオレイン酸13.7重量%を含む魚油脂肪酸1.0kg
に、イソヘキサン3.0kgおよびアセトニトリル4.0kg
を加え、液液分配温度−10℃で実施例1と同様に操作
してアセトニトリル層を分取し、このアセトニトリル層
から脂肪酸0.15kgを得た。この脂肪酸の組成は、エ
イコサペンタエン酸33.2重量%、ドコサヘキサエン
酸15.8重量%、アラキドン酸1.0重量%、パルミチ
ン酸8.1重量%、パルミトレイン酸6.9重量%および
オレイン酸7.3重量%であった。結果を第8表に示
す。
【0023】
【表8】
【0024】第8表にの結果から、イソヘキサンとアセ
トニトリルを用いた分層においても、ω3系の脂肪酸で
あるエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸は
濃縮されて濃度が上昇し、ω6系の脂肪酸であるアラキ
ドン酸を含む他のすべての脂肪酸の濃度は低下している
ことが分かる。
トニトリルを用いた分層においても、ω3系の脂肪酸で
あるエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸は
濃縮されて濃度が上昇し、ω6系の脂肪酸であるアラキ
ドン酸を含む他のすべての脂肪酸の濃度は低下している
ことが分かる。
【0025】
【発明の効果】本発明方法によれば、エイコサペンタエ
ン酸を含有する脂肪酸またはエイコサペンタエン酸エス
テルを含有する脂肪酸エステルより、機能阻害性を有す
るω6系の脂肪酸を含まないエイコサペンタエン酸また
はそのエステルを濃縮し、高純度のエイコサペンタエン
酸またはそのエステルを製造することができる。
ン酸を含有する脂肪酸またはエイコサペンタエン酸エス
テルを含有する脂肪酸エステルより、機能阻害性を有す
るω6系の脂肪酸を含まないエイコサペンタエン酸また
はそのエステルを濃縮し、高純度のエイコサペンタエン
酸またはそのエステルを製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】エイコサペンタエン酸を含む脂肪酸混合物
に、イソアルカンおよびアセトニトリルを加えて混合し
たのち分層し、エイコサペンタエン酸をアセトニトリル
層に濃縮することを特徴とするエイコサペンタエン酸の
製造方法。 - 【請求項2】エイコサペンタエン酸を含む脂肪酸混合物
に、イソアルカンおよびアセトニトリルを加えて混合し
たのち分層し、得られたアセトニトリル層に新たなイソ
アルカンを加えて混合したのち分層する操作を繰り返
し、エイコサペンタエン酸をアセトニトリル層に濃縮す
ることを特徴とするエイコサペンタエン酸の製造方法。 - 【請求項3】エイコサペンタエン酸エステルを含む脂肪
酸エステル混合物に、イソアルカンおよびアセトニトリ
ルを加えて混合したのち分層し、エイコサペンタエン酸
エステルをアセトニトリル層に濃縮することを特徴とす
るエイコサペンタエン酸エステルの製造方法。 - 【請求項4】エイコサペンタエン酸エステルを含む脂肪
酸エステル混合物に、イソアルカンおよびアセトニトリ
ルを加えて混合したのち分層し、得られたアセトニトリ
ル層に新たなイソアルカンを加えて混合したのち分層す
る操作を繰り返し、エイコサペンタエン酸エステルをア
セトニトリル層に濃縮することを特徴とするエイコサペ
ンタエン酸エステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24064595A JPH0959206A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | エイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24064595A JPH0959206A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | エイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959206A true JPH0959206A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=17062584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24064595A Pending JPH0959206A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | エイコサペンタエン酸およびエイコサペンタエン酸エステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959206A (ja) |
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