JPH0957322A - 熱間圧延における板幅制御方法 - Google Patents
熱間圧延における板幅制御方法Info
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- JPH0957322A JPH0957322A JP7239081A JP23908195A JPH0957322A JP H0957322 A JPH0957322 A JP H0957322A JP 7239081 A JP7239081 A JP 7239081A JP 23908195 A JP23908195 A JP 23908195A JP H0957322 A JPH0957322 A JP H0957322A
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Abstract
(57)【要約】
【解決課題】 温度変動要因による板幅外乱を事前に予
測して板幅制御の応答性を変更することにより、板幅変
動を最小限に抑制することを可能とする板幅制御手段を
提供する。 【解決手段】 水平圧延機群の各スタンド間の板幅偏差
量から該偏差量除去に必要な張力変更量を求め、該変更
量に制御ゲインを乗算した値に基づいて各スタンド間の
ルーパを制御する際、水平圧延機群の前段のエッジャの
圧延荷重変動を計測し、該変動量からスキッドマーク周
期変動成分を抽出し、該変動成分の振幅値に応じて前記
制御ゲインを変更して板幅制御を行う。 【効果】 熱間連続圧延における板幅精度と歩留を向上
できる。
測して板幅制御の応答性を変更することにより、板幅変
動を最小限に抑制することを可能とする板幅制御手段を
提供する。 【解決手段】 水平圧延機群の各スタンド間の板幅偏差
量から該偏差量除去に必要な張力変更量を求め、該変更
量に制御ゲインを乗算した値に基づいて各スタンド間の
ルーパを制御する際、水平圧延機群の前段のエッジャの
圧延荷重変動を計測し、該変動量からスキッドマーク周
期変動成分を抽出し、該変動成分の振幅値に応じて前記
制御ゲインを変更して板幅制御を行う。 【効果】 熱間連続圧延における板幅精度と歩留を向上
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱間連続圧延にお
ける板幅の制御方法に関する。
ける板幅の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の熱間連続圧延においては、スキッ
ドマーク等に起因する板幅変動が発生し、ホットストリ
ップの歩留低下をもたらすという問題がある。この板幅
変動を解消する方法として従来種々の方法がこうじられ
ているが、その一つに張力調整による制御がある。この
張力調整による板幅制御は、板幅の変動に応じて張力を
調整し、ストリップの板幅を一定に制御する方法であ
り、例えば下記に示すような方法が知られている。
ドマーク等に起因する板幅変動が発生し、ホットストリ
ップの歩留低下をもたらすという問題がある。この板幅
変動を解消する方法として従来種々の方法がこうじられ
ているが、その一つに張力調整による制御がある。この
張力調整による板幅制御は、板幅の変動に応じて張力を
調整し、ストリップの板幅を一定に制御する方法であ
り、例えば下記に示すような方法が知られている。
【0003】(1)熱間連続圧延機の下流側スタンドの
ストリップの入側あるいは出側に設けた板幅計で計測し
た値に基づいて、各スタンド間に設けたルーパ装置にて
ストリップの張力を変動せしめて板幅を制御する方法
(特開昭52−143953号公報参照)。 (2)板幅計から圧延機のロールバイトまでの移送時間
だけ板幅信号を遅らせ、その板幅偏差信号に対応して圧
延機の張力調整を行う板幅制御装置(特公昭58−51
769号公報参照)。 (3)最終圧延機出側での板幅計測値に基づいて、板幅
目標値との偏差の対数を演算し、その結果から張力の補
正量を定め、それに従い板幅を制御する方法(特公平4
−8123号公報参照)。
ストリップの入側あるいは出側に設けた板幅計で計測し
た値に基づいて、各スタンド間に設けたルーパ装置にて
ストリップの張力を変動せしめて板幅を制御する方法
(特開昭52−143953号公報参照)。 (2)板幅計から圧延機のロールバイトまでの移送時間
だけ板幅信号を遅らせ、その板幅偏差信号に対応して圧
延機の張力調整を行う板幅制御装置(特公昭58−51
769号公報参照)。 (3)最終圧延機出側での板幅計測値に基づいて、板幅
目標値との偏差の対数を演算し、その結果から張力の補
正量を定め、それに従い板幅を制御する方法(特公平4
−8123号公報参照)。
【0004】しかし、前記した従来の(1)(2)の板
幅制御手段はいずれも板幅検出値に基づいてスタンド間
張力を調整する方法であるが、いずれも制御量の範囲設
定の考え方がないために、連続圧延機を有する設備で適
用した場合に、任意のスタンド間に張力負荷が集中する
ことがある等、必ずしも板幅を適正に制御し得る方法と
は言い得ないものであった。
幅制御手段はいずれも板幅検出値に基づいてスタンド間
張力を調整する方法であるが、いずれも制御量の範囲設
定の考え方がないために、連続圧延機を有する設備で適
用した場合に、任意のスタンド間に張力負荷が集中する
ことがある等、必ずしも板幅を適正に制御し得る方法と
は言い得ないものであった。
【0005】また、(3)の板幅制御方法には、以下に
示す問題点がある。すなわち、熱間圧延での板幅制御に
おいて、板幅制御のためのスタンド間張力の変更は、圧
延材の温度変動に起因する板幅変動増大化を抑制するた
めに、上流側スタンド群で行うことが好ましい。しか
し、(3)の板幅制御方法では、最終スタンド出側で板
幅実測値が目標値より十分大きい場合に張力増加変更を
起し、圧延材の温度変動に起因する幅変動の増大化を余
儀なくされ、その結果余幅が大きくなり、歩留向上を実
現できないという問題点があった。
示す問題点がある。すなわち、熱間圧延での板幅制御に
おいて、板幅制御のためのスタンド間張力の変更は、圧
延材の温度変動に起因する板幅変動増大化を抑制するた
めに、上流側スタンド群で行うことが好ましい。しか
し、(3)の板幅制御方法では、最終スタンド出側で板
幅実測値が目標値より十分大きい場合に張力増加変更を
起し、圧延材の温度変動に起因する幅変動の増大化を余
儀なくされ、その結果余幅が大きくなり、歩留向上を実
現できないという問題点があった。
【0006】一方、特開平6−15324号公報には、
ストリップの寸法、材質、温度等の条件によらず、高精
度でストリップの板幅ー張力影響係数(W/σ)をオン
ラインで推定し、それに基づいてスタンドの入側および
出側のルーパによるストリップの張力調整の配分を行っ
て板幅を制御する方法が提案されている。
ストリップの寸法、材質、温度等の条件によらず、高精
度でストリップの板幅ー張力影響係数(W/σ)をオン
ラインで推定し、それに基づいてスタンドの入側および
出側のルーパによるストリップの張力調整の配分を行っ
て板幅を制御する方法が提案されている。
【0007】図4はその板幅制御方法を示すブロック図
で、10´はFiスタンド入側に設置された第1ルー
パ、11´はFiスタンドとFi+1スタンドとの間に
設置された第2ルーパ、23´はFiスタンドとF
i+1スタンドとの間のストリップの板幅を測定するた
めの板幅計、27´は板幅歪パラメータ推定器である。
で、10´はFiスタンド入側に設置された第1ルー
パ、11´はFiスタンドとFi+1スタンドとの間に
設置された第2ルーパ、23´はFiスタンドとF
i+1スタンドとの間のストリップの板幅を測定するた
めの板幅計、27´は板幅歪パラメータ推定器である。
【0008】すなわち、この方法は、圧延機のFiスタ
ンド入側のストリップの張力、同Fiスタンド出側のス
トリップの張力、同Fiスタンド出側のストリップの板
幅、ストリップの仕上目標板厚に基づいて、前記Fiス
タンド入側のストリップの板幅方向歪パラメータ、およ
びFiスタンド出側のストリップの板幅方向歪パラメー
タを推定し、このようにして推定したパラメータに基づ
いて、前記Fiスタンド入側のストリップの板幅ー張力
影響係数とFiスタンド出側のストリップの板幅ー張力
影響係数を求め、この値に基づいてFiスタンド入側お
よび出側に設置されたルーパを調整して板幅を制御する
方法である。この板幅制御方法において、圧延中の板幅
ー張力影響係数については高精度に予測されており、定
常的な板幅偏差に対しては必要な張力変更量を精度よく
求めることができ、十分制御することが可能である。
ンド入側のストリップの張力、同Fiスタンド出側のス
トリップの張力、同Fiスタンド出側のストリップの板
幅、ストリップの仕上目標板厚に基づいて、前記Fiス
タンド入側のストリップの板幅方向歪パラメータ、およ
びFiスタンド出側のストリップの板幅方向歪パラメー
タを推定し、このようにして推定したパラメータに基づ
いて、前記Fiスタンド入側のストリップの板幅ー張力
影響係数とFiスタンド出側のストリップの板幅ー張力
影響係数を求め、この値に基づいてFiスタンド入側お
よび出側に設置されたルーパを調整して板幅を制御する
方法である。この板幅制御方法において、圧延中の板幅
ー張力影響係数については高精度に予測されており、定
常的な板幅偏差に対しては必要な張力変更量を精度よく
求めることができ、十分制御することが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平6
−15324号公報に記載されている板幅制御方法に
は、以下に示す問題点があった。熱間圧延においては、
加熱炉要因による圧延材長手方向の周期的な温度変化が
あり、高温部分では大きく幅縮みを起こし、低温部分で
はあまり幅縮みを起こさないことが知られている。この
幅変動発生メカニズムにより、圧延開始前に幅変動が生
じていなくても、スタンド間で徐々に板幅変動を起こし
てしまう。図5は従来法による板幅変動を示すチャート
図である。すなわち、このような板幅外乱に対しては、
時々刻々の板幅ー張力影響係数を精度よく予測すること
も必要であるが、板幅制御の応答性を最大限に上げるこ
とが重要となる。
−15324号公報に記載されている板幅制御方法に
は、以下に示す問題点があった。熱間圧延においては、
加熱炉要因による圧延材長手方向の周期的な温度変化が
あり、高温部分では大きく幅縮みを起こし、低温部分で
はあまり幅縮みを起こさないことが知られている。この
幅変動発生メカニズムにより、圧延開始前に幅変動が生
じていなくても、スタンド間で徐々に板幅変動を起こし
てしまう。図5は従来法による板幅変動を示すチャート
図である。すなわち、このような板幅外乱に対しては、
時々刻々の板幅ー張力影響係数を精度よく予測すること
も必要であるが、板幅制御の応答性を最大限に上げるこ
とが重要となる。
【0010】上記従来法の板幅制御システムにおいて
は、このような板幅外乱に対して板幅制御応答性を最適
に調整する考え方はなく、制御器の制御ゲイン(比例、
積分ゲイン)の設定は、制御系全体の安定性を確保する
ために、板幅偏差検出の遅れ時間を考慮して低応答に設
定され、かつ固定されている。したがって、上記のよう
な温度変化要因による板幅外乱には対応することができ
なかった。
は、このような板幅外乱に対して板幅制御応答性を最適
に調整する考え方はなく、制御器の制御ゲイン(比例、
積分ゲイン)の設定は、制御系全体の安定性を確保する
ために、板幅偏差検出の遅れ時間を考慮して低応答に設
定され、かつ固定されている。したがって、上記のよう
な温度変化要因による板幅外乱には対応することができ
なかった。
【0011】図6に、熱間圧延における低炭素鋼の張力
〜幅縮み率の関係図をもとに温度要因による板幅外乱が
発生した時に板幅制御の応答性が低い場合の幅変動パタ
ーンを示す。図中のA点が950℃の時の幅変化量を示
す。すなわち、圧延材の温度が変化して910℃になっ
た場合に、張力の制御を行わない場合には動作点はA点
からB点に移動する。ここで張力を操作して幅変化量が
変わらないようにした場合には、動作点はB点からC点
の位置に移動する。さらに、張力と幅変化量の関係がC
点の位置にある時に、圧延材の温度が変化して再び95
0℃になった場合に、張力を制御しないと動作点はC点
からD点に移動する。したがって、950℃でA点の位
置にある動作点は、温度が950℃→910℃→950
℃と周期的に変化し、かつ張力による幅制御が追従でき
なければ、最大でA点→B点→C点→D点→A点と移動
し、最大幅変動は図中の△Wとなり、かえって板幅制御
を行わない場合の板幅変動(△W´)より大きくなって
しまう。
〜幅縮み率の関係図をもとに温度要因による板幅外乱が
発生した時に板幅制御の応答性が低い場合の幅変動パタ
ーンを示す。図中のA点が950℃の時の幅変化量を示
す。すなわち、圧延材の温度が変化して910℃になっ
た場合に、張力の制御を行わない場合には動作点はA点
からB点に移動する。ここで張力を操作して幅変化量が
変わらないようにした場合には、動作点はB点からC点
の位置に移動する。さらに、張力と幅変化量の関係がC
点の位置にある時に、圧延材の温度が変化して再び95
0℃になった場合に、張力を制御しないと動作点はC点
からD点に移動する。したがって、950℃でA点の位
置にある動作点は、温度が950℃→910℃→950
℃と周期的に変化し、かつ張力による幅制御が追従でき
なければ、最大でA点→B点→C点→D点→A点と移動
し、最大幅変動は図中の△Wとなり、かえって板幅制御
を行わない場合の板幅変動(△W´)より大きくなって
しまう。
【0012】この発明は、上記のような圧延材に温度変
化による幅変動がある場合に、該温度変動を事前に予測
して板幅制御の応答性を変更することにより、幅変動を
最小限に抑制することを可能にする板幅制御方法を提案
しようとするものである。
化による幅変動がある場合に、該温度変動を事前に予測
して板幅制御の応答性を変更することにより、幅変動を
最小限に抑制することを可能にする板幅制御方法を提案
しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る板幅制御
方法は、エッジャー(垂直圧延機)、水平圧延機を有す
る仕上圧延設備により水平圧延機出側での圧延材の板幅
を制御する方法において、水平圧延機群の各スタンド間
の板幅偏差量から該偏差量除去に必要な張力変更量を求
め、該変更量に制御ゲインを乗算した値に基づいて各ス
タンド間のルーパを操作する際、水平圧延機群の前段に
設置されているエッジャの圧延荷重変動を計測し、該変
動量からスキッドマークによる幅変動量すなわちスキッ
ドマーク周期変動成分を抽出して当該周期変動成分の振
幅を求め、該振幅値に応じてルーパによる張力操作の応
答性すなわち制御ゲインを変更して板幅を制御すること
を特徴とするものである。
方法は、エッジャー(垂直圧延機)、水平圧延機を有す
る仕上圧延設備により水平圧延機出側での圧延材の板幅
を制御する方法において、水平圧延機群の各スタンド間
の板幅偏差量から該偏差量除去に必要な張力変更量を求
め、該変更量に制御ゲインを乗算した値に基づいて各ス
タンド間のルーパを操作する際、水平圧延機群の前段に
設置されているエッジャの圧延荷重変動を計測し、該変
動量からスキッドマークによる幅変動量すなわちスキッ
ドマーク周期変動成分を抽出して当該周期変動成分の振
幅を求め、該振幅値に応じてルーパによる張力操作の応
答性すなわち制御ゲインを変更して板幅を制御すること
を特徴とするものである。
【0014】この発明においては、エッジャでの圧延荷
重変動を実測することにより、圧延材長手方向温度変動
要因によりスタンド間に発生する板幅外乱を事前に予測
できる。すなわち、エッジャでの荷重変動において、ス
キッドマークの周期に対応する荷重変動振幅幅を△Pと
し、エッジャのミル剛性をKとすると、エッジャ直後の
スキッドマーク要因の幅変動△Wsは、 △Ws=△P/K で計算できる。したがって、スタンド間に発生する板幅
外乱を事前に予測することができる。この発明では、こ
の予測値を用いて張力制御の制御器のゲイン修正が行わ
れるため、板幅外乱の大きさに応じて張力制御の応答性
を変更でき、安定した板幅制御が行われるようになると
ともに、得られる製品板幅の精度向上が可能となる。
重変動を実測することにより、圧延材長手方向温度変動
要因によりスタンド間に発生する板幅外乱を事前に予測
できる。すなわち、エッジャでの荷重変動において、ス
キッドマークの周期に対応する荷重変動振幅幅を△Pと
し、エッジャのミル剛性をKとすると、エッジャ直後の
スキッドマーク要因の幅変動△Wsは、 △Ws=△P/K で計算できる。したがって、スタンド間に発生する板幅
外乱を事前に予測することができる。この発明では、こ
の予測値を用いて張力制御の制御器のゲイン修正が行わ
れるため、板幅外乱の大きさに応じて張力制御の応答性
を変更でき、安定した板幅制御が行われるようになると
ともに、得られる製品板幅の精度向上が可能となる。
【0015】つまり、温度変動が小さく板幅外乱量が小
さい圧延材の場合には、張力制御系の安定性を重視した
制御ゲインの設定を行えば安定操業が可能となり、温度
変動が大きく板幅外乱量が大きい圧延材の場合には、安
定性も考慮しながら張力制御の応答性を最大限上げるべ
く制御ゲインの変更を行うことにより板幅外乱を吸収す
ることができる。したがって、製品の板幅精度が向上す
るとともに、圧延材長手方向の板幅も安定し、所定の板
幅が製品の全長にわたって実現される。
さい圧延材の場合には、張力制御系の安定性を重視した
制御ゲインの設定を行えば安定操業が可能となり、温度
変動が大きく板幅外乱量が大きい圧延材の場合には、安
定性も考慮しながら張力制御の応答性を最大限上げるべ
く制御ゲインの変更を行うことにより板幅外乱を吸収す
ることができる。したがって、製品の板幅精度が向上す
るとともに、圧延材長手方向の板幅も安定し、所定の板
幅が製品の全長にわたって実現される。
【0016】なお、スタンド間に発生する幅変化を事前
に予測する手法としては、水平圧延機群より上流側に幅
計を設置する方法があるが、非常に高価につくことと、
計測環境が極端に悪いため、この方法の採用は事実上不
可能である。本方法は、それと比較して、通常設置され
ているエッジャの荷重計の信号を利用するもので、容易
に実現可能である。
に予測する手法としては、水平圧延機群より上流側に幅
計を設置する方法があるが、非常に高価につくことと、
計測環境が極端に悪いため、この方法の採用は事実上不
可能である。本方法は、それと比較して、通常設置され
ているエッジャの荷重計の信号を利用するもので、容易
に実現可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は7スタンドタンデムミルの
圧延にこの発明方法を適用する場合の装置構成例を示す
概略図で、1は被圧延材、2はエッジャ、3〜9は第1
〜第7の水平圧延機スタンド、10〜15は水平圧延機
スタンド間のルーパ、16〜21はルーパ制御器、2
2、23は板幅計、24はエッジャ荷重検出器、25は
エッジャ荷重検出器24の荷重検出値から任意の周期変
動成分の荷重振幅を抽出し、それに基づいてルーパ制御
器16〜21のゲインを演算する装置、26、27はそ
れぞれ板幅計22、23の出力信号により板幅偏差を修
正するのに必要な張力変更量を演算する装置である。
圧延にこの発明方法を適用する場合の装置構成例を示す
概略図で、1は被圧延材、2はエッジャ、3〜9は第1
〜第7の水平圧延機スタンド、10〜15は水平圧延機
スタンド間のルーパ、16〜21はルーパ制御器、2
2、23は板幅計、24はエッジャ荷重検出器、25は
エッジャ荷重検出器24の荷重検出値から任意の周期変
動成分の荷重振幅を抽出し、それに基づいてルーパ制御
器16〜21のゲインを演算する装置、26、27はそ
れぞれ板幅計22、23の出力信号により板幅偏差を修
正するのに必要な張力変更量を演算する装置である。
【0018】すなわち、本実施例ではまず、第4スタン
ド6と第5スタンド7間、第7スタンド9出側に設置さ
れた板幅計22、23により被圧延材1の各セグメント
の板幅偏差を測定する。このうち、第7スタンド9出側
(下流側)に設置された板幅計23により測定された板
幅偏差量△W7は、張力変更量演算装置27に入力さ
れ、この偏差量除去に必要な張力変更量△σirefを
下記(1)式により算出する。
ド6と第5スタンド7間、第7スタンド9出側に設置さ
れた板幅計22、23により被圧延材1の各セグメント
の板幅偏差を測定する。このうち、第7スタンド9出側
(下流側)に設置された板幅計23により測定された板
幅偏差量△W7は、張力変更量演算装置27に入力さ
れ、この偏差量除去に必要な張力変更量△σirefを
下記(1)式により算出する。
【0019】 △σiref=(эσ/эw)i・△Wi …(1)式 △Wi:iスタンド出側幅変動 (эσ/эw)i:i〜i+1スタンド間の張力〜幅変
化量の関係を表す影響係数
化量の関係を表す影響係数
【0020】また、第4スタンド6と第5スタンド7間
に設置された板幅計22により測定された板幅偏差量△
W4は、張力変更量演算装置26に入力され、この偏差
量除去に必要な張力変更量△σirefも上記(1)式
により算出する。
に設置された板幅計22により測定された板幅偏差量△
W4は、張力変更量演算装置26に入力され、この偏差
量除去に必要な張力変更量△σirefも上記(1)式
により算出する。
【0021】以上のようにして算出された張力変更量の
信号は、各スタンドのルーパ制御器16〜21に送ら
れ、制御器の中で下記(2)式のように比例ゲインG
pi、積分ゲインGIiを乗算し、張力変更指令△σia
ctを決定し、これに基づいて各スタンド間のルーパ1
0〜15を操作する。
信号は、各スタンドのルーパ制御器16〜21に送ら
れ、制御器の中で下記(2)式のように比例ゲインG
pi、積分ゲインGIiを乗算し、張力変更指令△σia
ctを決定し、これに基づいて各スタンド間のルーパ1
0〜15を操作する。
【0022】 △σiact=(Gpi+GIi/△t)・△σiref …(2)式 △t:ルーパ制御器の制御周期(sec)
【0023】ところで、各スタンドのルーパ制御器16
〜21の制御ゲイン(Gpi、GIi)は常に同じではな
く、以下のようにして修正決定される。すなわち、圧延
機の前に設置されているエッジャ2を被圧延材1が通過
するときの荷重変動△PE をエッジャ荷重検出器24で
検出し、ゲイン変更量演算器25にて次のような処理を
行う。
〜21の制御ゲイン(Gpi、GIi)は常に同じではな
く、以下のようにして修正決定される。すなわち、圧延
機の前に設置されているエッジャ2を被圧延材1が通過
するときの荷重変動△PE をエッジャ荷重検出器24で
検出し、ゲイン変更量演算器25にて次のような処理を
行う。
【0024】まず、検出荷重から重回帰法により下記
(3)式の式型で回帰を行いパラメータB1、B2を算
出することにより、スキッドマーク変動周期fsの成分
を抽出する。
(3)式の式型で回帰を行いパラメータB1、B2を算
出することにより、スキッドマーク変動周期fsの成分
を抽出する。
【0025】 △PE =B1・sin(2・π・fs・t)+B2・cos(2・π・fs・ t) …(3)式
【0026】次に、下記(4)式に従い周期fsの荷重
変動成分の振幅Aを演算する。
変動成分の振幅Aを演算する。
【0027】そして、算出した上記荷重変動振幅Aとエ
ッジャ荷重設定値Psを用いてスキッドマーク要因によ
る荷重変動比率rpを下記(5)式により算出する。 rp=A/Ps
ッジャ荷重設定値Psを用いてスキッドマーク要因によ
る荷重変動比率rpを下記(5)式により算出する。 rp=A/Ps
【0028】以上のようにして検出したエッジャ2での
スキッドマークによる荷重変動比率rpにより、ルーパ
制御器16〜21の制御ゲイン(Gpi、GIi)を決定
する。
スキッドマークによる荷重変動比率rpにより、ルーパ
制御器16〜21の制御ゲイン(Gpi、GIi)を決定
する。
【0029】図2は図1に示す7スタンドタンテムミル
による、低炭素鋼材で1250mmの幅材の荷重変動比
率(荷重変動振幅A/エッジャ設定荷重PE )と制御ゲ
インの設定例を示す図で、(a)は荷重変動率による比
例ゲイン設定例、(b)は荷重変動率による積分ゲイン
設定例、(c)は比例ゲイン、(d)は積分ゲインをそ
れぞれ示す。なお、(a)、(b)はそれぞれ、第1ス
タンド〜第2スタンド間、第2スタンド〜第3スタンド
間、第3スタンド〜第4スタンド間、第4スタンド〜第
5スタンド間、第5スタンド〜第6スタンド間、第6ス
タンド〜第7スタンド間の比例ゲイン、積分ゲインであ
り、(c)、(d)はそれぞれ第4スタンド〜第5スタ
ンド間の比例ゲイン、積分ゲイン設定例である。
による、低炭素鋼材で1250mmの幅材の荷重変動比
率(荷重変動振幅A/エッジャ設定荷重PE )と制御ゲ
インの設定例を示す図で、(a)は荷重変動率による比
例ゲイン設定例、(b)は荷重変動率による積分ゲイン
設定例、(c)は比例ゲイン、(d)は積分ゲインをそ
れぞれ示す。なお、(a)、(b)はそれぞれ、第1ス
タンド〜第2スタンド間、第2スタンド〜第3スタンド
間、第3スタンド〜第4スタンド間、第4スタンド〜第
5スタンド間、第5スタンド〜第6スタンド間、第6ス
タンド〜第7スタンド間の比例ゲイン、積分ゲインであ
り、(c)、(d)はそれぞれ第4スタンド〜第5スタ
ンド間の比例ゲイン、積分ゲイン設定例である。
【0030】この図によると、被圧延材1がエッジャ2
通過時に、スキッドマーク要因による荷重変動振幅が大
きくなり、荷重変動比率が大きくなると制御ゲインも増
加させ、さらに変動周期により積分ゲインの増加の割合
を変化させて応答性を高めている。また、板幅計22の
設置されている第4スタンド6と第5スタンド7間のル
ーパ制御器19の制御ゲインについては、他のスタンド
間のルーパ制御器と異なり高ゲインに設定されている。
これにより、板幅計直下のスタンド間の応答性の速さを
最大限利用できる。
通過時に、スキッドマーク要因による荷重変動振幅が大
きくなり、荷重変動比率が大きくなると制御ゲインも増
加させ、さらに変動周期により積分ゲインの増加の割合
を変化させて応答性を高めている。また、板幅計22の
設置されている第4スタンド6と第5スタンド7間のル
ーパ制御器19の制御ゲインについては、他のスタンド
間のルーパ制御器と異なり高ゲインに設定されている。
これにより、板幅計直下のスタンド間の応答性の速さを
最大限利用できる。
【0031】実施例 この発明の効果を確認するために、図1に示す7スタン
ドタンデムミルの圧延にこの発明方法を適用して板幅制
御を実施した結果を図3、図5に基づいて説明する。な
お、図3、図5に示す結果は、材質が低炭素鋼材で、製
造幅が1250mmの場合で同様のものである。
ドタンデムミルの圧延にこの発明方法を適用して板幅制
御を実施した結果を図3、図5に基づいて説明する。な
お、図3、図5に示す結果は、材質が低炭素鋼材で、製
造幅が1250mmの場合で同様のものである。
【0032】図3の結果では、スキッドマークによる荷
重変動率は0.18と計算し、比例ゲイン、積分ゲイン
各々を表1のように設定している。このゲイン設定は、
圧延材が水平圧延機群に入る前に完了する。各スタンド
間の張力は、幅偏差を除去するために、幅偏差に対して
十分速く応答しており(図中のa〜d)、7スタンド出
側幅変動として、±1mm以内に抑制されている。これ
に対し、従来法の場合は、図5に示すように幅変動a、
bに対して張力制御に遅れが発生し、結果的に7スタン
ド出側幅変動が4mmと増幅されている。
重変動率は0.18と計算し、比例ゲイン、積分ゲイン
各々を表1のように設定している。このゲイン設定は、
圧延材が水平圧延機群に入る前に完了する。各スタンド
間の張力は、幅偏差を除去するために、幅偏差に対して
十分速く応答しており(図中のa〜d)、7スタンド出
側幅変動として、±1mm以内に抑制されている。これ
に対し、従来法の場合は、図5に示すように幅変動a、
bに対して張力制御に遅れが発生し、結果的に7スタン
ド出側幅変動が4mmと増幅されている。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したごとく、この発明方法によ
れば、スタンド間に発生する板幅外乱を事前に予測し、
張力制御器のゲイン修正を行うことにより板幅外乱の大
きさに応じて張力制御の応答性を変更できるので、板幅
制御中に圧延材のスキッドマークによる硬度変動がある
場合でも、板幅変動量を十分小さく抑えることができ、
熱間連続圧延における板幅精度と歩留の向上に多大な効
果を奏する。
れば、スタンド間に発生する板幅外乱を事前に予測し、
張力制御器のゲイン修正を行うことにより板幅外乱の大
きさに応じて張力制御の応答性を変更できるので、板幅
制御中に圧延材のスキッドマークによる硬度変動がある
場合でも、板幅変動量を十分小さく抑えることができ、
熱間連続圧延における板幅精度と歩留の向上に多大な効
果を奏する。
【図1】7スタンドタンデムミルにこの発明方法を適用
する場合の装置構成例を示す概略図である。
する場合の装置構成例を示す概略図である。
【図2】図1に示す7スタンドタンテムミルによる、低
炭素鋼材で1250mmの幅材の荷重変動比率(荷重変
動振幅A/エッジャ設定荷重PE )と制御ゲインの関係
の一例を示す図で、(a)は荷重変動率と比例ゲインの
関係、(b)は荷重変動率と積分ゲインの関係、(c)
は比例ゲイン、(d)は積分ゲインをそれぞれ示す。
炭素鋼材で1250mmの幅材の荷重変動比率(荷重変
動振幅A/エッジャ設定荷重PE )と制御ゲインの関係
の一例を示す図で、(a)は荷重変動率と比例ゲインの
関係、(b)は荷重変動率と積分ゲインの関係、(c)
は比例ゲイン、(d)は積分ゲインをそれぞれ示す。
【図3】この発明の実施例2における板幅制御結果を示
すチャート図である。
すチャート図である。
【図4】従来の板幅制御方法の一例を示すブロック図で
ある。
ある。
【図5】図4に示す従来の板幅制御方法による板幅変動
を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
【図6】熱間圧延における低炭素鋼の張力〜幅縮み率の
関係図をもとに温度要因による板幅外乱が発生した時に
板幅制御の応答性が低い場合の幅変動パターンを示す図
である。
関係図をもとに温度要因による板幅外乱が発生した時に
板幅制御の応答性が低い場合の幅変動パターンを示す図
である。
1 被圧延材 2 エッジャ 3〜9 第1〜第7の水平圧延機スタンド 10〜15 水平圧延機スタンド間のルーパ 16〜21 ルーパ制御器 22、23 板幅計 24 エッジャ荷重検出器 25 ルーパ制御器のゲイン演算装置 26、27 張力変更量演算装置
Claims (1)
- 【請求項1】 エッジャー、水平圧延機を有する仕上圧
延設備により水平圧延機出側での圧延材の板幅を制御す
る方法において、水平圧延機群の各スタンド間の板幅偏
差量から該偏差量除去に必要な張力変更量を求め、該変
更量に制御ゲインを乗算した値に基づいて各スタンド間
のルーパを操作する際、水平圧延機群の前段に設置され
ているエッジャの圧延荷重変動を計測し、該変動量から
スキッドマーク周期変動成分を抽出して当該周期変動成
分の振幅を求め、該振幅値に応じて前記制御ゲインを変
更して板幅を制御することを特徴とする熱間圧延におけ
る板幅制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7239081A JPH0957322A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 熱間圧延における板幅制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7239081A JPH0957322A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 熱間圧延における板幅制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0957322A true JPH0957322A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=17039554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7239081A Pending JPH0957322A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 熱間圧延における板幅制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0957322A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012236203A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Hitachi Ltd | 熱間圧延機の張力制御装置および制御方法 |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP7239081A patent/JPH0957322A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012236203A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Hitachi Ltd | 熱間圧延機の張力制御装置および制御方法 |
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