JPH095085A - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents
振動型ジャイロスコープInfo
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- JPH095085A JPH095085A JP7148650A JP14865095A JPH095085A JP H095085 A JPH095085 A JP H095085A JP 7148650 A JP7148650 A JP 7148650A JP 14865095 A JP14865095 A JP 14865095A JP H095085 A JPH095085 A JP H095085A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 振動板を用いた振動型ジャイロスコープにお
いて、安定した支持を可能にし且つトリミング調整の際
に圧電材料に加工変質を与えないものとする。 【構成】 恒弾性材料の金属板11に圧電材料12が積
層された弾性部材10に溝10dが形成されて、振動板
10a,10b,10cが形成されている。各振動板の
圧電材料12の表面に電極が形成され、電極に与えられ
る交流駆動電力により各振動板10a,10b,10c
がx方向へ駆動され、回転系内にて与えられるコリオリ
力により各振動板10a,10b,10cはz方向へ振
動する。この振動成分が検出用の電極にて検出され角速
度が得られる。弾性部材10の両側部では圧電材料12
が部分的に除去され金属板の露出部11bが保持体30
に保持されている。振動板の先端には、金属板の露出部
11cが設けられ、この部分をトリミングすることによ
り、振動数の調整がなされる。
いて、安定した支持を可能にし且つトリミング調整の際
に圧電材料に加工変質を与えないものとする。 【構成】 恒弾性材料の金属板11に圧電材料12が積
層された弾性部材10に溝10dが形成されて、振動板
10a,10b,10cが形成されている。各振動板の
圧電材料12の表面に電極が形成され、電極に与えられ
る交流駆動電力により各振動板10a,10b,10c
がx方向へ駆動され、回転系内にて与えられるコリオリ
力により各振動板10a,10b,10cはz方向へ振
動する。この振動成分が検出用の電極にて検出され角速
度が得られる。弾性部材10の両側部では圧電材料12
が部分的に除去され金属板の露出部11bが保持体30
に保持されている。振動板の先端には、金属板の露出部
11cが設けられ、この部分をトリミングすることによ
り、振動数の調整がなされる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転系の角速度を検出
する振動板を備えた振動型ジャイロスコープに係り、特
に支持を安定させ、またトリミング調整の際に圧電材料
が加工変質するのを防止できるようにした振動型ジャイ
ロスコープに関する。
する振動板を備えた振動型ジャイロスコープに係り、特
に支持を安定させ、またトリミング調整の際に圧電材料
が加工変質するのを防止できるようにした振動型ジャイ
ロスコープに関する。
【0002】
【従来の技術】回転角速度を検出するジャイロスコープ
は、航空機や船舶の慣性航法システムなどに使用されて
いるが、最近では、車載用ナビゲーションシステムやロ
ボットや無人走行車の姿勢制御、さらにはテレビカメラ
やビデオカメラの画面振れ防止装置、およびアミューズ
メント関連機器などにも使用されるようになってきてい
る。
は、航空機や船舶の慣性航法システムなどに使用されて
いるが、最近では、車載用ナビゲーションシステムやロ
ボットや無人走行車の姿勢制御、さらにはテレビカメラ
やビデオカメラの画面振れ防止装置、およびアミューズ
メント関連機器などにも使用されるようになってきてい
る。
【0003】このような種々の分野の使用に適するジャ
イロスコープとしては小型のものが必要になっており、
そこで振動型ジャイロスコープが着目されている。従来
の振動型ジャイロスコープは、エリンバなどの恒弾性材
料により形成された四角柱形状や三角柱形状などの弾性
体に、駆動用の圧電素子と検出用の圧電素子が貼着され
たものとなっている。この振動型ジャイロスコープで
は、駆動用の圧電素子による圧電歪み力により、弾性体
を所定の方向へ振動させる。振動している弾性体は回転
系内でコリオリ力を受け前記振動方向と交叉する方向へ
振動させられるが、この振動が検出用の圧電素子から電
圧または電流として検出される。
イロスコープとしては小型のものが必要になっており、
そこで振動型ジャイロスコープが着目されている。従来
の振動型ジャイロスコープは、エリンバなどの恒弾性材
料により形成された四角柱形状や三角柱形状などの弾性
体に、駆動用の圧電素子と検出用の圧電素子が貼着され
たものとなっている。この振動型ジャイロスコープで
は、駆動用の圧電素子による圧電歪み力により、弾性体
を所定の方向へ振動させる。振動している弾性体は回転
系内でコリオリ力を受け前記振動方向と交叉する方向へ
振動させられるが、この振動が検出用の圧電素子から電
圧または電流として検出される。
【0004】しかし、角柱形状の弾性体を使用した振動
型ジャイロスコープでは、弾性体の加工が難しく、共振
周波数の調整も困難であり、また振動特性を劣化させる
ことなく支持するのが難しい欠点がある。
型ジャイロスコープでは、弾性体の加工が難しく、共振
周波数の調整も困難であり、また振動特性を劣化させる
ことなく支持するのが難しい欠点がある。
【0005】そこで、図6に示すような振動板を使用し
た振動型ジャイロスコープが着目されている。この振動
型ジャイロスコープは、プレス工程による打ち抜きによ
る製造が可能であり、また振動板をトリミングすること
により共振周波数の調整が可能である。また一端を剛体
支持でき支持条件も楽である。
た振動型ジャイロスコープが着目されている。この振動
型ジャイロスコープは、プレス工程による打ち抜きによ
る製造が可能であり、また振動板をトリミングすること
により共振周波数の調整が可能である。また一端を剛体
支持でき支持条件も楽である。
【0006】図6に示す振動型ジャイロスコープは、エ
リンバなどの恒弾性材料で形成された一定幅寸法の金属
板1の表裏両面に、圧電材料4,4が積層されて、金属
板1と表裏の圧電材料4,4との積層体により振動板5
が構成されている。振動板5の表裏両面では、幅方向の
両側にて圧電材料4,4の表面に形成された駆動用の電
極6と、幅方向の中央にて圧電材料4,4の表面に形成
された検出用の電極7が設けられている。また、恒弾性
材料の金属板1がコモン電極となり、通常は接地電位に
設定されている。
リンバなどの恒弾性材料で形成された一定幅寸法の金属
板1の表裏両面に、圧電材料4,4が積層されて、金属
板1と表裏の圧電材料4,4との積層体により振動板5
が構成されている。振動板5の表裏両面では、幅方向の
両側にて圧電材料4,4の表面に形成された駆動用の電
極6と、幅方向の中央にて圧電材料4,4の表面に形成
された検出用の電極7が設けられている。また、恒弾性
材料の金属板1がコモン電極となり、通常は接地電位に
設定されている。
【0007】駆動用の電極6と金属板1との間に交流駆
動電力が与えられると、圧電材料4,4の歪みにより振
動板5がx方向へ振動させられる。振動板5がx方向へ
振動している状態でy軸回りの回転系内に置かれると、
コリオリ力により振動板5がz方向へ振動する。このと
きの圧電材料4,4の歪みによる検出電圧または検出電
流が、検出用の電極7と金属板1との間で取り出され、
この検出出力に基づいて角速度ωが求められる。
動電力が与えられると、圧電材料4,4の歪みにより振
動板5がx方向へ振動させられる。振動板5がx方向へ
振動している状態でy軸回りの回転系内に置かれると、
コリオリ力により振動板5がz方向へ振動する。このと
きの圧電材料4,4の歪みによる検出電圧または検出電
流が、検出用の電極7と金属板1との間で取り出され、
この検出出力に基づいて角速度ωが求められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記振動板5は、金属
板1の表裏両面に圧電セラミックなどの圧電材料4,4
が積層されたものであるため、例えば基端部(イ)が支
持体2により挟持されて剛体支持される場合、圧電材料
4,4の部分に挟持支持力が作用する。圧電材料4,4
は硬度の低いものであるため、支持体2により支持され
たときに基端部(イ)にて圧電材料4,4が変形しやす
く、よって振動板5を支持体2の支持面とy軸方向へ高
精度に平行とすることが困難である。また支持体2によ
る保持力を大きくすると、圧電材料4,4が押しつぶさ
れて劣化し、このとき金属板1と圧電材料4,4との接
着部での剥離が生じやすくなる。
板1の表裏両面に圧電セラミックなどの圧電材料4,4
が積層されたものであるため、例えば基端部(イ)が支
持体2により挟持されて剛体支持される場合、圧電材料
4,4の部分に挟持支持力が作用する。圧電材料4,4
は硬度の低いものであるため、支持体2により支持され
たときに基端部(イ)にて圧電材料4,4が変形しやす
く、よって振動板5を支持体2の支持面とy軸方向へ高
精度に平行とすることが困難である。また支持体2によ
る保持力を大きくすると、圧電材料4,4が押しつぶさ
れて劣化し、このとき金属板1と圧電材料4,4との接
着部での剥離が生じやすくなる。
【0009】また、振動板5の共振周波数を調整し、ま
たは振動モードの調整を行なう際に、振動板5の先端部
(ロ)をトリミングする必要が生じる。このとき、金属
板1と圧電材料4,4とが積層された状態で先端部
(ロ)を機械加工すると、圧電材料4,4が加工変質し
やすい。圧電材料4,4では、誘電分極方向が例えばz
軸方向へ設定され、これによりx方向への振動駆動や、
z方向へ振動したときの撓み変形の検出が可能となって
いる。しかし上記のように圧電材料4,4に加工変質が
生じると、先端部(ロ)にて圧電材料4,4の誘電分極
が乱れる。誘電分極が乱れると、x方向への振動駆動の
効率が低下し、またz方向への振動の際の検出感度およ
び検出出力が低下することになる。
たは振動モードの調整を行なう際に、振動板5の先端部
(ロ)をトリミングする必要が生じる。このとき、金属
板1と圧電材料4,4とが積層された状態で先端部
(ロ)を機械加工すると、圧電材料4,4が加工変質し
やすい。圧電材料4,4では、誘電分極方向が例えばz
軸方向へ設定され、これによりx方向への振動駆動や、
z方向へ振動したときの撓み変形の検出が可能となって
いる。しかし上記のように圧電材料4,4に加工変質が
生じると、先端部(ロ)にて圧電材料4,4の誘電分極
が乱れる。誘電分極が乱れると、x方向への振動駆動の
効率が低下し、またz方向への振動の際の検出感度およ
び検出出力が低下することになる。
【0010】本発明は、金属板と圧電材料との積層体に
より振動子が構成される場合に、この積層体を安定して
且つ確実に支持できるようにし、また振動調整などのた
めに振動子をトリミングするのを容易にし、またトリミ
ングにより圧電材料に加工変質が生じないようにした振
動型ジャイロスコープを提供することを目的としてい
る。
より振動子が構成される場合に、この積層体を安定して
且つ確実に支持できるようにし、また振動調整などのた
めに振動子をトリミングするのを容易にし、またトリミ
ングにより圧電材料に加工変質が生じないようにした振
動型ジャイロスコープを提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の振動型ジャイロ
スコープは、エリンバなどの金属板と、この金属板に積
層された圧電セラミックなどの圧電材料とから成る振動
板を有し、前記圧電材料の表面に、前記振動板を所定方
向へ撓み振動させる駆動用の電極と、振動している振動
板が回転系に置かれコリオリ力により前記撓み振動と交
叉する方向の振動が生じたときにこの振動に基づく検出
電力を得る検出用の電極とが形成されており、前記振動
板には圧電材料が部分的に除去されて金属板が露出して
いる部分が形成され、この露出している金属板が支持体
に挟持されて振動板が支持されていることを特徴とする
ものである。
スコープは、エリンバなどの金属板と、この金属板に積
層された圧電セラミックなどの圧電材料とから成る振動
板を有し、前記圧電材料の表面に、前記振動板を所定方
向へ撓み振動させる駆動用の電極と、振動している振動
板が回転系に置かれコリオリ力により前記撓み振動と交
叉する方向の振動が生じたときにこの振動に基づく検出
電力を得る検出用の電極とが形成されており、前記振動
板には圧電材料が部分的に除去されて金属板が露出して
いる部分が形成され、この露出している金属板が支持体
に挟持されて振動板が支持されていることを特徴とする
ものである。
【0012】また、金属板と、この金属板に積層された
圧電材料とからなる弾性部材に2つの溝が形成されて、
弾性部材に互いに平行な3枚の振動板が形成され、圧電
材料の表面には、中央の振動板と両側の振動板を互いに
逆の位相にて撓み振動させる駆動用の電極と、振動して
いる振動板が回転系に置かれコリオリ力により前記撓み
振動と交叉する方向の振動が生じたときにこの振動に基
づく検出電力を得る検出用の電極とが形成されており、
前記弾性部材の溝が形成されていない基部には、両側の
振動板の縁部よりもさらに側方へ突出する突出部が形成
され、この突出部では圧電材料が除去されて金属板が露
出しており、この露出している金属板が支持体に挟持さ
れて弾性部材が両側部にて支持されていることを特徴と
するものである。
圧電材料とからなる弾性部材に2つの溝が形成されて、
弾性部材に互いに平行な3枚の振動板が形成され、圧電
材料の表面には、中央の振動板と両側の振動板を互いに
逆の位相にて撓み振動させる駆動用の電極と、振動して
いる振動板が回転系に置かれコリオリ力により前記撓み
振動と交叉する方向の振動が生じたときにこの振動に基
づく検出電力を得る検出用の電極とが形成されており、
前記弾性部材の溝が形成されていない基部には、両側の
振動板の縁部よりもさらに側方へ突出する突出部が形成
され、この突出部では圧電材料が除去されて金属板が露
出しており、この露出している金属板が支持体に挟持さ
れて弾性部材が両側部にて支持されていることを特徴と
するものである。
【0013】さらに、金属板と、この金属板に積層され
た圧電材料とから成る振動板を有し、前記圧電材料の表
面に、前記振動板を所定方向へ撓み振動させる駆動用の
電極と、振動している振動板が回転系に置かれコリオリ
力により前記撓み振動と交叉する方向の振動が生じたと
きにこの振動に基づく検出電力を得る検出用の電極とが
形成されており、金属板の先部では、圧電材料が除去さ
れて金属板が露出している部分が形成され、この金属板
が露出している部分が、振動板を加工する加工部とされ
ていることを特徴とするものである。
た圧電材料とから成る振動板を有し、前記圧電材料の表
面に、前記振動板を所定方向へ撓み振動させる駆動用の
電極と、振動している振動板が回転系に置かれコリオリ
力により前記撓み振動と交叉する方向の振動が生じたと
きにこの振動に基づく検出電力を得る検出用の電極とが
形成されており、金属板の先部では、圧電材料が除去さ
れて金属板が露出している部分が形成され、この金属板
が露出している部分が、振動板を加工する加工部とされ
ていることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明の振動型ジャイロスコープでは、エリン
バなどの恒弾性材料の金属板と、圧電セラミックなどの
圧電材料とが積層された弾性部材により振動子が構成さ
れている。振動子は、長辺形状の1枚の板状のものとさ
れることも可能であり、また1つの溝により分離された
2枚の振動子を有する二脚音叉型の形状であってよい
が、好ましくは弾性部材に2つの溝が形成されて互いに
平行な3枚の振動板が形成された三脚音叉型として構成
される。また圧電材料は、金属板の片面に積層されてい
るものであっても、両面に積層されているものであって
もよい。
バなどの恒弾性材料の金属板と、圧電セラミックなどの
圧電材料とが積層された弾性部材により振動子が構成さ
れている。振動子は、長辺形状の1枚の板状のものとさ
れることも可能であり、また1つの溝により分離された
2枚の振動子を有する二脚音叉型の形状であってよい
が、好ましくは弾性部材に2つの溝が形成されて互いに
平行な3枚の振動板が形成された三脚音叉型として構成
される。また圧電材料は、金属板の片面に積層されてい
るものであっても、両面に積層されているものであって
もよい。
【0015】1枚構成の振動板、または三脚音叉型など
の弾性部材は、その基端が支持体により挟持されて片持
ち支持される。このとき、振動板または弾性部材の基端
では、圧電材料が部分的に除去されて金属板が露出して
いる。この金属板の露出している部分が支持体に挟持さ
れ、これにより振動板または弾性部材は片持ち状態にて
剛体支持される。支持体により金属板が挟持されること
により、支持体による挟持固定力を強固にでき、振動板
または弾性部材を安定して確実に支持することが可能で
ある。また振動板または弾性部材は、本来の延び方向に
対して高精度な平行状態に保てるように支持される。
の弾性部材は、その基端が支持体により挟持されて片持
ち支持される。このとき、振動板または弾性部材の基端
では、圧電材料が部分的に除去されて金属板が露出して
いる。この金属板の露出している部分が支持体に挟持さ
れ、これにより振動板または弾性部材は片持ち状態にて
剛体支持される。支持体により金属板が挟持されること
により、支持体による挟持固定力を強固にでき、振動板
または弾性部材を安定して確実に支持することが可能で
ある。また振動板または弾性部材は、本来の延び方向に
対して高精度な平行状態に保てるように支持される。
【0016】弾性部材に2つの溝が形成されて3枚の振
動板が形成された三脚音叉型の場合には、溝が形成され
ていない基部の端部が支持体により支持されたものでも
よいが、好ましくは弾性部材の基部にて、両側に位置す
る振動板の縁部よりもさらに突出する突出部が形成され
て、この突出部にて圧電材料が除去されて金属板が露出
する構造とする。そして基部の両側にて金属板が露出し
ている部分を支持体により挟持することにより、弾性部
材の振動板が形成されていない部分を両側方にて保持す
ることが可能である。この支持構造でも、金属板が露出
している部分が支持体に挟持されることにより、弾性部
材が安定して確実に支持される。また弾性部材の基部の
両側部を固定していると、3枚の各振動板が振動したと
きに、弾性部材全体のねじれを防止でき、圧電材料のね
じり変形による洩れ出力を防止できる。
動板が形成された三脚音叉型の場合には、溝が形成され
ていない基部の端部が支持体により支持されたものでも
よいが、好ましくは弾性部材の基部にて、両側に位置す
る振動板の縁部よりもさらに突出する突出部が形成され
て、この突出部にて圧電材料が除去されて金属板が露出
する構造とする。そして基部の両側にて金属板が露出し
ている部分を支持体により挟持することにより、弾性部
材の振動板が形成されていない部分を両側方にて保持す
ることが可能である。この支持構造でも、金属板が露出
している部分が支持体に挟持されることにより、弾性部
材が安定して確実に支持される。また弾性部材の基部の
両側部を固定していると、3枚の各振動板が振動したと
きに、弾性部材全体のねじれを防止でき、圧電材料のね
じり変形による洩れ出力を防止できる。
【0017】次に、振動板の共振周波数は、振動板の先
端部をトリミング加工することにより調整できる。特に
振動板が3枚設けられた三脚音叉型では、中央の振動板
の長さをトリミングすることにより、3枚の振動板から
なる弾性部材全体の共振周波数の調整が可能である。本
発明では、振動板の先端部分にて圧電材料が除去され金
属板が露出している。前記トリミングのときにこの金属
板の露出部分を加工することにより周波数の調整が可能
である。振動板の先部の圧電材料を加工する必要がない
ため、圧電材料に加工変質が生じることがなく、誘電分
極の乱れが生じることなどを防止できる。
端部をトリミング加工することにより調整できる。特に
振動板が3枚設けられた三脚音叉型では、中央の振動板
の長さをトリミングすることにより、3枚の振動板から
なる弾性部材全体の共振周波数の調整が可能である。本
発明では、振動板の先端部分にて圧電材料が除去され金
属板が露出している。前記トリミングのときにこの金属
板の露出部分を加工することにより周波数の調整が可能
である。振動板の先部の圧電材料を加工する必要がない
ため、圧電材料に加工変質が生じることがなく、誘電分
極の乱れが生じることなどを防止できる。
【0018】また、振動板または弾性部材の支持部にて
前述のように金属板を露出させてこの金属板を挟持でき
るようにし、且つ振動板の先部にて金属板を露出させ、
この露出部分を加工部としてもよい。
前述のように金属板を露出させてこの金属板を挟持でき
るようにし、且つ振動板の先部にて金属板を露出させ、
この露出部分を加工部としてもよい。
【0019】本発明の振動型ジャイロスコープは、基本
的には金属板と圧電材料との積層体から切り出されて形
成されるものであるため、前記支持体による支持部にて
金属板が露出している部分、および/または振動板の先
部にて金属板が露出している加工部を除く、これ以外の
全ての部分またはほとんどの部分は金属板と圧電材料と
が積層されたものとなる。
的には金属板と圧電材料との積層体から切り出されて形
成されるものであるため、前記支持体による支持部にて
金属板が露出している部分、および/または振動板の先
部にて金属板が露出している加工部を除く、これ以外の
全ての部分またはほとんどの部分は金属板と圧電材料と
が積層されたものとなる。
【0020】
【実施例】図1(A)は本発明の第1実施例の振動型ジ
ャイロスコープを示す平面図、図1(B)はその右側面
図、図2(A)は本発明の第2実施例の振動型ジャイロ
スコープを示す平面図、図2(B)は図2(A)のB−
B線の断面図である。図3は各振動板の電極配置例を示
す平面図、図4は圧電材料の誘電分極の方向を示すもの
であり、図3の右端面図である。
ャイロスコープを示す平面図、図1(B)はその右側面
図、図2(A)は本発明の第2実施例の振動型ジャイロ
スコープを示す平面図、図2(B)は図2(A)のB−
B線の断面図である。図3は各振動板の電極配置例を示
す平面図、図4は圧電材料の誘電分極の方向を示すもの
であり、図3の右端面図である。
【0021】図1に示す振動型ジャイロスコープでは、
平板状の弾性部材10が使用されている。この弾性部材
10は、エリンバなどの恒弾性材料の金属板11と、こ
の金属板11の表裏両面に積層された圧電材料12,1
2との積層体により構成されている。圧電材料12,1
2は圧電セラミックなどである。この弾性部材10は、
金属板11と圧電材料12,12とが積層された積層板
から切り出し加工される。
平板状の弾性部材10が使用されている。この弾性部材
10は、エリンバなどの恒弾性材料の金属板11と、こ
の金属板11の表裏両面に積層された圧電材料12,1
2との積層体により構成されている。圧電材料12,1
2は圧電セラミックなどである。この弾性部材10は、
金属板11と圧電材料12,12とが積層された積層板
から切り出し加工される。
【0022】弾性部材10の先部では、一対の溝10
d,10dが切り込まれ、3枚の振動板10a,10
b,10cが平行に形成されている。各振動板10a,
10b,10cの部分で積層されている圧電材料12,
12では、図4にて矢印で示す方向となるように誘電分
極が設定されている。
d,10dが切り込まれ、3枚の振動板10a,10
b,10cが平行に形成されている。各振動板10a,
10b,10cの部分で積層されている圧電材料12,
12では、図4にて矢印で示す方向となるように誘電分
極が設定されている。
【0023】弾性部材10の基端部(ハ)では、圧電材
料12,12が部分的に除去され、金属板11の基端が
露出している。この露出部11aが支持体20により支
持されている。図1に示す実施例では、支持体20が金
属またはプラスチック材料またはセラミック等の剛性を
有する素材からなるブロック状であり、この支持体20
に形成された保持溝21内に前記露出部11aが圧入ま
たは挿入されて必要に応じて接着剤で固定される。金属
板11の露出部11aが前記保持溝21内で挟持された
状態で保持固定されている。なお支持体20は回路基板
上などに固定される。
料12,12が部分的に除去され、金属板11の基端が
露出している。この露出部11aが支持体20により支
持されている。図1に示す実施例では、支持体20が金
属またはプラスチック材料またはセラミック等の剛性を
有する素材からなるブロック状であり、この支持体20
に形成された保持溝21内に前記露出部11aが圧入ま
たは挿入されて必要に応じて接着剤で固定される。金属
板11の露出部11aが前記保持溝21内で挟持された
状態で保持固定されている。なお支持体20は回路基板
上などに固定される。
【0024】金属板11の露出部11aが支持体20に
挟持されて固定されることにより、弾性部材10全体が
片持ち支持される。支持体20により金属板11が直接
に挟持されているため、弾性部材10は確実に保持さ
れ、またy方向への支持姿勢が安定したものとなる。よ
って例えば支持体20の底面20aが回路基板と平行に
固定されたときに、弾性部材10と回路基板との平行度
を確保できるものとなる。
挟持されて固定されることにより、弾性部材10全体が
片持ち支持される。支持体20により金属板11が直接
に挟持されているため、弾性部材10は確実に保持さ
れ、またy方向への支持姿勢が安定したものとなる。よ
って例えば支持体20の底面20aが回路基板と平行に
固定されたときに、弾性部材10と回路基板との平行度
を確保できるものとなる。
【0025】上記弾性部材10の各振動板10a,10
b,10cの部分の圧電材料12,12の誘電分極方向
は例えば図4にて矢印で示す通りである。また各振動板
10a,10b,10cでの圧電材料12,12の表裏
両面には、図3に示すように電極が形成される。
b,10cの部分の圧電材料12,12の誘電分極方向
は例えば図4にて矢印で示す通りである。また各振動板
10a,10b,10cでの圧電材料12,12の表裏
両面には、図3に示すように電極が形成される。
【0026】各振動板10a,10b,10cの幅方向
の両側部には、一対の駆動用の電極13が設けられてい
る。また振動板10a,10b,10cの幅方向の中央
部分には検出用の電極14が設けられている。駆動用の
各電極13に導通される駆動端子をAで示し、検出用の
各電極14に導通される検出端子をBで示している。ま
た金属板11は、前記各電極に共通して対向するコモン
電極であり、金属板11は接地端子Cを介して接地電位
に設定されている。
の両側部には、一対の駆動用の電極13が設けられてい
る。また振動板10a,10b,10cの幅方向の中央
部分には検出用の電極14が設けられている。駆動用の
各電極13に導通される駆動端子をAで示し、検出用の
各電極14に導通される検出端子をBで示している。ま
た金属板11は、前記各電極に共通して対向するコモン
電極であり、金属板11は接地端子Cを介して接地電位
に設定されている。
【0027】上記の電極13と14の配置、および圧電
材料12,12の誘電分極方向により、各振動板10
a,10b,10cはx方向へ振動駆動される。すなわ
ち、駆動端子Aに交流駆動電力が与えられると、圧電材
料12,12の各分極方向に応じた圧電歪みが生じ、各
振動板10a,10b,10cは板面方向(x方向)へ
振動する。ただし、図4に示すように、中央の振動板1
0aと左右両側の振動板10b,10cとで駆動用の電
極13が対向する部分での誘電分極を示す矢印の方向が
逆である。したがって、中央の振動板10aと両側の振
動板10b,10cでは、x方向への振動の位相が18
0度ずれる。ある時点で、中央の振動板10aの振幅方
向が+x方向のとき、両側の振動板10b,10cの振
幅方向は−x方向である。
材料12,12の誘電分極方向により、各振動板10
a,10b,10cはx方向へ振動駆動される。すなわ
ち、駆動端子Aに交流駆動電力が与えられると、圧電材
料12,12の各分極方向に応じた圧電歪みが生じ、各
振動板10a,10b,10cは板面方向(x方向)へ
振動する。ただし、図4に示すように、中央の振動板1
0aと左右両側の振動板10b,10cとで駆動用の電
極13が対向する部分での誘電分極を示す矢印の方向が
逆である。したがって、中央の振動板10aと両側の振
動板10b,10cでは、x方向への振動の位相が18
0度ずれる。ある時点で、中央の振動板10aの振幅方
向が+x方向のとき、両側の振動板10b,10cの振
幅方向は−x方向である。
【0028】上記弾性部材10が、y軸回りの回転系内
に置かれると、コリオリ力により各振動板10a,10
b,10cがz方向へ撓み変形させられる。このとき、
図5に示すように、中央の振動板10aのz方向への振
動と、両側の振動板10b,10cのz方向への振動と
では、位相が180度相違している。ある時点で中央の
振動板10aの振幅が+z方向のとき、両側の振動板1
0b,10cの振幅は−z方向である。図4に示すよう
に、中央の振動板10aと両側の振動板10b,10c
とで、検出用の電極14が設けられている部分での圧電
材料12,12の誘電分極の方向が逆である。よって異
なる位相で振動する各振動板10aと10b,10cに
おいて、電極14から検出される検出電力の位相(極
性)は同じである。検出端子Bからの検出出力のピーク
ツーピーク値はコリオリ力により比例し、この検出出力
から角速度ωを求めることができる。
に置かれると、コリオリ力により各振動板10a,10
b,10cがz方向へ撓み変形させられる。このとき、
図5に示すように、中央の振動板10aのz方向への振
動と、両側の振動板10b,10cのz方向への振動と
では、位相が180度相違している。ある時点で中央の
振動板10aの振幅が+z方向のとき、両側の振動板1
0b,10cの振幅は−z方向である。図4に示すよう
に、中央の振動板10aと両側の振動板10b,10c
とで、検出用の電極14が設けられている部分での圧電
材料12,12の誘電分極の方向が逆である。よって異
なる位相で振動する各振動板10aと10b,10cに
おいて、電極14から検出される検出電力の位相(極
性)は同じである。検出端子Bからの検出出力のピーク
ツーピーク値はコリオリ力により比例し、この検出出力
から角速度ωを求めることができる。
【0029】図1の実施例では、弾性部材10の基端部
(ハ)が支持体20により剛体支持されているが、各振
動板10a,10b,10cは図5に示すように互い違
いの位相でバランスよく振動するため、前記基端部
(ハ)が剛体支持されていても、各振動子10a,10
b,10cの振動特性に悪影響を与えることがない。
(ハ)が支持体20により剛体支持されているが、各振
動板10a,10b,10cは図5に示すように互い違
いの位相でバランスよく振動するため、前記基端部
(ハ)が剛体支持されていても、各振動子10a,10
b,10cの振動特性に悪影響を与えることがない。
【0030】図2に示す弾性部材10の構造は、図1に
示したものと同じである。図2に示す弾性部材10も金
属板11と圧電材料12,12とが積層されたものであ
り、先部には溝10d,10dで分離された振動板10
a,10b,10cが形成されている。図2に示す弾性
部材10では(図1に示すものも同じ形状であるが)、
弾性部材10の、振動板10a,10b,10cが形成
されていない基部10gの両側部において、両側の振動
板10bと10cの縁部よりもさらに段差10e,10
eを介してx方向両側へ突出する突出部10f,10f
が設けられている。
示したものと同じである。図2に示す弾性部材10も金
属板11と圧電材料12,12とが積層されたものであ
り、先部には溝10d,10dで分離された振動板10
a,10b,10cが形成されている。図2に示す弾性
部材10では(図1に示すものも同じ形状であるが)、
弾性部材10の、振動板10a,10b,10cが形成
されていない基部10gの両側部において、両側の振動
板10bと10cの縁部よりもさらに段差10e,10
eを介してx方向両側へ突出する突出部10f,10f
が設けられている。
【0031】図1(A)に示すものでは、上記突出部1
0f,10fの部分に圧電材料12,12が積層されて
いるが、図2に示す実施例では、前記突出部10f,1
0fにて圧電材料12,12が部分的に除去され、金属
板11が露出している。この金属板11の露出部11
b,11bが支持体30に挟持されて支持されている。
支持体30,30は金属またはプラスチック材料または
セラミック製であり、その側部に長手方向に延びる溝3
1,31が形成され、前記露出部11b,11bはこの
溝31,31内に圧入または挿入され、必要に応じて接
着剤で固定されている。
0f,10fの部分に圧電材料12,12が積層されて
いるが、図2に示す実施例では、前記突出部10f,1
0fにて圧電材料12,12が部分的に除去され、金属
板11が露出している。この金属板11の露出部11
b,11bが支持体30に挟持されて支持されている。
支持体30,30は金属またはプラスチック材料または
セラミック製であり、その側部に長手方向に延びる溝3
1,31が形成され、前記露出部11b,11bはこの
溝31,31内に圧入または挿入され、必要に応じて接
着剤で固定されている。
【0032】圧電材料12,12が設けられていない金
属板11の露出部11b,11bが支持体30の溝31
内に挟持されて保持固定されることにより、圧電材料1
2,12に何ら保持応力を与えることなく、弾性部材1
0の両側部(ニ)が支持体30,30により確実に固定
されるものとなる。なお支持体30,30は例えばその
底部30a,30aが回路基板に平行となるように固定
される。よって弾性部材10は回路基板に平行に固定支
持される。
属板11の露出部11b,11bが支持体30の溝31
内に挟持されて保持固定されることにより、圧電材料1
2,12に何ら保持応力を与えることなく、弾性部材1
0の両側部(ニ)が支持体30,30により確実に固定
されるものとなる。なお支持体30,30は例えばその
底部30a,30aが回路基板に平行となるように固定
される。よって弾性部材10は回路基板に平行に固定支
持される。
【0033】図2に示す各振動板10a,10b,10
cでの圧電材料12,12の誘電分極方向は図4と同じ
であり、また電極の配置も図3に示すものと同じであ
る。よって駆動時にて中央の振動板10aと左右両側の
振動板10b,10cとが異なる位相にてx方向へ駆動
され、また回転系内でのコリオリ力により、中央の振動
板10aと左右両側の振動板10b,10cはz方向へ
異なる位相にて振動する。図5に示すように、振動板1
0aと振動板10b,10cは互い違いの振動モードで
あるため、弾性部材10の振動板10a,10b,10
cが形成されていない基部10gは安定しており、よっ
てその両側部(ニ)が支持体30,30により剛体支持
されても、各振動板10a,10b,10cの振動モー
ドに悪影響を及ぼすことがない。
cでの圧電材料12,12の誘電分極方向は図4と同じ
であり、また電極の配置も図3に示すものと同じであ
る。よって駆動時にて中央の振動板10aと左右両側の
振動板10b,10cとが異なる位相にてx方向へ駆動
され、また回転系内でのコリオリ力により、中央の振動
板10aと左右両側の振動板10b,10cはz方向へ
異なる位相にて振動する。図5に示すように、振動板1
0aと振動板10b,10cは互い違いの振動モードで
あるため、弾性部材10の振動板10a,10b,10
cが形成されていない基部10gは安定しており、よっ
てその両側部(ニ)が支持体30,30により剛体支持
されても、各振動板10a,10b,10cの振動モー
ドに悪影響を及ぼすことがない。
【0034】各振動板10a,10b,10cが図5に
示すように互い違いのモードで振動するため、前述のよ
うに弾性部材10の基部10gは安定しているが、図1
に示すように基端部(ハ)のみが支持されているもので
は、各弾性板10a,10b,10cがz方向へ振動し
たときに両側の弾性板10bと10cの外側の縁部が共
に図5にてαで示す方向またはその逆の方向へねじられ
る変形が生じることを完全に防止することができない。
前記αで示すようなねじり振動が生じると、圧電材料1
2,12にこのねじり振動の歪みによるヌル電圧が発生
し、これが検出用の電極14,14からの検出出力に洩
れ出力として重畳される。しかし、図2に示すように、
弾性部材10の両側部(ニ)が支持体30,30に保持
された構造では、y軸まわりのねじり振動を押え込むこ
とが可能で、前記ヌル電圧を抑制でき、コリオリ力の検
出感度を高めることが可能である。
示すように互い違いのモードで振動するため、前述のよ
うに弾性部材10の基部10gは安定しているが、図1
に示すように基端部(ハ)のみが支持されているもので
は、各弾性板10a,10b,10cがz方向へ振動し
たときに両側の弾性板10bと10cの外側の縁部が共
に図5にてαで示す方向またはその逆の方向へねじられ
る変形が生じることを完全に防止することができない。
前記αで示すようなねじり振動が生じると、圧電材料1
2,12にこのねじり振動の歪みによるヌル電圧が発生
し、これが検出用の電極14,14からの検出出力に洩
れ出力として重畳される。しかし、図2に示すように、
弾性部材10の両側部(ニ)が支持体30,30に保持
された構造では、y軸まわりのねじり振動を押え込むこ
とが可能で、前記ヌル電圧を抑制でき、コリオリ力の検
出感度を高めることが可能である。
【0035】次に、上記弾性部材10では、振動板10
aと振動板10b,10cがx方向およびz方向へ互い
違いのモードで振動するときの共振周波数が、振動板の
長さにより決められる。よって溝10d,10dが形成
されて各振動板10a,10b,10cが形成された後
に、共振周波数の調整のために振動板10a,10b,
10cの先端部(ホ)をトリミングする必要が生じるこ
とがある。特に、3枚の振動板が形成された三脚音叉型
では、中央の振動板10aのy軸方向への長さを調整す
ることにより全体の共振周波数を調整できるという利点
がある。図2に示す実施例では、全ての振動板10a,
10b,10cの先端部(ホ)にて、圧電材料12,1
2が部分的に除去されて、金属板11が露出している。
aと振動板10b,10cがx方向およびz方向へ互い
違いのモードで振動するときの共振周波数が、振動板の
長さにより決められる。よって溝10d,10dが形成
されて各振動板10a,10b,10cが形成された後
に、共振周波数の調整のために振動板10a,10b,
10cの先端部(ホ)をトリミングする必要が生じるこ
とがある。特に、3枚の振動板が形成された三脚音叉型
では、中央の振動板10aのy軸方向への長さを調整す
ることにより全体の共振周波数を調整できるという利点
がある。図2に示す実施例では、全ての振動板10a,
10b,10cの先端部(ホ)にて、圧電材料12,1
2が部分的に除去されて、金属板11が露出している。
【0036】よって中央の振動板10aの先端をトリミ
ングするとき、あるいは両側の振動板10bと10cの
先端をトリミングする必要があるときには、先端部
(ホ)での金属板11の露出部11cの部分を切断す
る。この切断作業では、振動板10a,10b,10c
に積層されている圧電材料に加工応力または加工変質を
与えないものとなるため、図4に示すように設定された
分極方向に乱れが生じることがなくなる。なお、図1に
示す実施例においても、各振動板10a,10b,10
cの先端にて圧電材料を部分的に除去した露出部11c
を形成しておくことが好ましい。
ングするとき、あるいは両側の振動板10bと10cの
先端をトリミングする必要があるときには、先端部
(ホ)での金属板11の露出部11cの部分を切断す
る。この切断作業では、振動板10a,10b,10c
に積層されている圧電材料に加工応力または加工変質を
与えないものとなるため、図4に示すように設定された
分極方向に乱れが生じることがなくなる。なお、図1に
示す実施例においても、各振動板10a,10b,10
cの先端にて圧電材料を部分的に除去した露出部11c
を形成しておくことが好ましい。
【0037】また図1と図2に示す実施例では、支持体
20または30に溝21または31が形成され、金属板
11の露出部がこの溝21または31内に圧入または挿
入されて固定されるものとなっているが、例えば図1に
示す基端部(ハ)での露出部11aまたは、図2に示す
両側部(ニ)での露出部11b,11bをz方向の両側
から挟み込むような支持体を用いてもよい。さらに本発
明は三脚音叉型のジャイロスコープに限られず、二脚音
叉型、または図6に示すような単板形状の振動体にも実
施可能である。
20または30に溝21または31が形成され、金属板
11の露出部がこの溝21または31内に圧入または挿
入されて固定されるものとなっているが、例えば図1に
示す基端部(ハ)での露出部11aまたは、図2に示す
両側部(ニ)での露出部11b,11bをz方向の両側
から挟み込むような支持体を用いてもよい。さらに本発
明は三脚音叉型のジャイロスコープに限られず、二脚音
叉型、または図6に示すような単板形状の振動体にも実
施可能である。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明では、金属板と圧電
材料とが積層された積層体により振動板または弾性部材
が構成され、圧電材料を部分的に除去した金属板の露出
部が支持体により支持されるものとなっている。よって
振動板または弾性部材の支持が安定する。
材料とが積層された積層体により振動板または弾性部材
が構成され、圧電材料を部分的に除去した金属板の露出
部が支持体により支持されるものとなっている。よって
振動板または弾性部材の支持が安定する。
【0039】また振動板の先部の圧電材料が除去された
金属板の露出部がトリミングなどの加工部となっている
ため、トリミングなどの作業において、圧電材料に加工
変質が生じることがない。
金属板の露出部がトリミングなどの加工部となっている
ため、トリミングなどの作業において、圧電材料に加工
変質が生じることがない。
【図1】(A)は第1実施例の振動型ジャイロスコープ
を示す平面図、(B)は振動型ジャイロスコープの側面
図、
を示す平面図、(B)は振動型ジャイロスコープの側面
図、
【図2】(A)は第2実施例の振動型ジャイロスコープ
を示す平面図、(B)は同図(A)のB−B線の断面
図、
を示す平面図、(B)は同図(A)のB−B線の断面
図、
【図3】各振動板の電極配置を示す平面図、
【図4】圧電材料の誘電分極を示すものであり、図3の
右端面図、
右端面図、
【図5】各実施例の振動板の変形状態を示す斜視図、
【図6】従来の振動型ジャイロスコープの斜視図、
10 弾性部材 10a,10b,10c 振動板 10d 溝 10e 段差 10f 突出部 11 金属板 11a,11b,11c 露出部 12 圧電材料 13 駆動用の電極 14 検出用の電極 20,30 支持体
Claims (3)
- 【請求項1】 金属板と、この金属板に積層された圧電
材料とから成る振動板を有し、前記圧電材料の表面に、
前記振動板を所定方向へ撓み振動させる駆動用の電極
と、振動している振動板が回転系に置かれコリオリ力に
より前記撓み振動と交叉する方向の振動が生じたときに
この振動に基づく検出電力を得る検出用の電極とが形成
されており、前記振動板には圧電材料が部分的に除去さ
れて金属板が露出している部分が形成され、この露出し
ている金属板が支持体に挟持されて振動板が支持されて
いることを特徴とする振動型ジャイロスコープ。 - 【請求項2】 金属板と、この金属板に積層された圧電
材料とからなる弾性部材に2つの溝が形成されて、弾性
部材に互いに平行な3枚の振動板が形成され、圧電材料
の表面には、中央の振動板と両側の振動板を互いに逆の
位相にて撓み振動させる駆動用の電極と、振動している
振動板が回転系に置かれコリオリ力により前記撓み振動
と交叉する方向の振動が生じたときにこの振動に基づく
検出電力を得る検出用の電極とが形成されており、前記
弾性部材の溝が形成されていない基部には、両側の振動
板の縁部よりもさらに側方へ突出する突出部が形成さ
れ、この突出部では圧電材料が除去されて金属板が露出
しており、この露出している金属板が支持体に挟持され
て弾性部材が両側部にて支持されていることを特徴とす
る振動型ジャイロスコープ。 - 【請求項3】 金属板と、この金属板に積層された圧電
材料とから成る振動板を有し、前記圧電材料の表面に、
前記振動板を所定方向へ撓み振動させる駆動用の電極
と、振動している振動板が回転系に置かれコリオリ力に
より前記撓み振動と交叉する方向の振動が生じたときに
この振動に基づく検出電力を得る検出用の電極とが形成
されており、金属板の先部では、圧電材料が除去されて
金属板が露出している部分が形成され、この金属板が露
出している部分が、振動板を加工する加工部とされてい
ることを特徴とする振動型ジャイロスコープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7148650A JPH095085A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 振動型ジャイロスコープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7148650A JPH095085A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 振動型ジャイロスコープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH095085A true JPH095085A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15457555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7148650A Withdrawn JPH095085A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 振動型ジャイロスコープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH095085A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010266298A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Nec Tokin Corp | 圧電素子 |
US8063546B2 (en) * | 2008-02-20 | 2011-11-22 | Seiko Epson Corporation | Vibrator comprising two X-cut crystal substrates with an intermediate electrode |
-
1995
- 1995-06-15 JP JP7148650A patent/JPH095085A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8063546B2 (en) * | 2008-02-20 | 2011-11-22 | Seiko Epson Corporation | Vibrator comprising two X-cut crystal substrates with an intermediate electrode |
JP2010266298A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Nec Tokin Corp | 圧電素子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020903 |