【発明の詳細な説明】
体液性免疫の持続性抑制方法
発明の背景
免疫系は、外来性抗原に対する2つのタイプの抗原特異的応答を引き起こす能
力がある。細胞性免疫とは、Tリンパ球によって媒介される免疫系のエフェクタ
ー機能をいう場合に用いられる語句である。体液性免疫とは、Bリンパ球による
抗原特異的抗体の産生をいう場合に用いられる語句である。ほとんどの抗原に対
する体液性免疫の展開には、抗体産生Bリンパ球ばかりでなく、ヘルパーT(以
後、Thという)リンパ球の関与が必要であることが長い間認識されている。ミ
チソンの「Eur.J.Immunol.」,1:18〜25(1971年);クラマンおよび
チャパーロンの「Transplant Rev.」,1:92〜119(1969年);カッ
ツらの「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」,70:2624〜2629(1973年)
;ラッフらの「Nature」,226:1257〜1260(1970年)を参照。
特定のシグナルもしくは“ヘルプ”は、胸腺依存性(thymus-dependent,以後、
TDという)抗原による刺激に応答してTh細胞によって提供される。幾つかの
Bリンパ球のヘルプは、Th細胞によって放出される可溶性分子(たとえばIL
−4およびIL−5などのリンホカイン)によって媒介されるが、B細胞の活性
化には、B細胞とTh細胞間の接触依存性相互作用も必要である。ヒロハタらの
「J.Immunol.」,140:3736〜3744(1988年);バートレットら
の「J.Immunol.」,143:1745〜1754(1989年)を参照。これは
、B細胞の活性化には、B細胞とTh細胞上の細胞表面分子間の絶対的相互作用
が必要であることを示す。このような相互作用は、活性化されたT細胞の単離形
質膜がB細胞の活性化に必要なヘルパー機能を提供し得るという観察によってさ
らに支持される。ブライアンの「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」,85:564〜5
68(1988年);ホッジキンらの「J.Immunol.」,145:2025〜20
34(1990年);ノエルらの「J.Immunol.」,146:1118〜1124
(1991年)を参照。
細胞表面分子CD40は未成熟および成熟Bリンパ球の表面上で同定されてお
り、抗体と架橋したときにB細胞の増殖を誘導する。バルら、Eur.J.Immunol
.、19:1463〜1467(1989);ゴードンら、J.Immunol.、14
0:1425〜1430(1988);グルーバーら、J.Immunol.、142:
4144〜4152(1989)。CD40は分子レベルでクローニングされ、
特徴付けられている。スタメンコビッチら、EMBO J.、8:1403〜14
10(1989)。CD40のリガンドであるgp39(CD40リガンドまた
はCD40Lとも称する)もまた分子レベルでクローニングされ、特徴付けられ
ている。アーミテージら、Nature、357:80〜82(1992);レーダ
ーマンら、J.Exp.Med.、175:1091〜1101(1992);ホーレ
ンバーフら、EMBO J.、11:4313〜4319(1992)。gp39
タンパク質は活性化されたCD4+Th細胞では発現されるが、休止のCD4+T
h細胞では発現されない。スプリッグスら、J.Exp.Med.、176:1543
〜1550(1992);レインら、Eur.J.Immunol.、22:2573〜2
578(1992);ロイら、J.Immunol.、151:1〜14(1993)。
gp39遺伝子でトランスフェクトされ細胞表面上にgp39タンパク質を発現
する細胞はB細胞の増殖を誘導することができ、他の刺激性シグナルとともに抗
体の産生を誘導することができる。アーミテージら、Nature、357:80〜
82(1992);ホーレンバーフら、EMBO J.、11:4313〜431
9(1992)。
体液性免疫応答の誘発は重要な宿主防御メカニズムであるが、特定の抗原に対
する抗体産生を抑制することが有益である状況も考えられる。たとえば、アレル
ゲンに対する体液性応答の抑制することによって、個体におけるアレルギー反応
を予防または軽減することができる。さらに、治療用抗体を投与する場合、該抗
体に対する体液性応答を抑制することによって、抗体の治療的効能を持続性にす
ることができる。発明の要約
体液性免疫を抑制するためのひとつのアプローチは、B細胞の活性化を阻害す
ることである。本発明は、B細胞を刺激するTh細胞の能力を阻害し、それによ
っ
てB細胞の活性化および抗体の産生を妨害する、インビボにおけるTD抗原に対
する体液性免疫応答を阻害する方法に関する。本発明は少なくとも幾分かは、B
細胞の活性化のためのTh細胞上のgp39とB細胞上のCD40の間のインビ
ボ相互作用の必要性に基づいている。インビボにおいてgp39とCD40の間
の相互作用を阻害するのに有効であるgp39のアンタゴニストをTD抗原とと
もに被験者に投与してTD抗原に対する体液性免疫を抑制する。投与されるgp
39アンタゴニストはgp39に結合する抗体である。好ましい具体例において
、gp39アンタゴニストは、抗ヒトgp39抗体または抗マウスgp39抗体
(たとえばMR1)などのモノクローナル抗体である。キメラ抗体、ヒト型抗体お
よび抗体フラグメントもまた本発明の範囲に包含される。本発明の別の態様にお
いては、gp39アンタゴニストは、gp39のリガンドであるCD40の可溶
性形態である。CD40の可溶性融合タンパク質もまた本発明に包含される。
本発明方法によって阻害される体液性免疫応答は、抗原に対する最初の接触で
ある場合には一次体液性免疫応答であり、あるいは先に遭遇した抗原に対する再
接触である場合には二次体液性免疫応答である。たとえば、本明細書に記載され
た方法を用い、抗原特異的IgM抗体、IgG抗体、IgD抗体および/または
IgE抗体の産生を阻害することができる。さらに、本発明方法によって、イン
ビボにおいて体液性免疫応答の抑制を持続性にすることができる。
本発明の別の態様は、TD抗原に対する体液性免疫応答を阻害する法である。
本発明において取り扱う抗原は、特異的抗体を産生するためにgp39とB細胞
の表面上にあるリガンド(たとえばCD40)との相互作用を必要とする抗原で
ある。通常、TD抗原はタンパク様の抗原である。本発明の好ましい具体例にお
いては、該抗原は、治療用抗体、薬物、アレルゲンまたは外来性細胞である。本
発明方法は、胸腺非依存性II型(以後、TI−2という)抗原に対する体液性
免疫応答は残しながらも、TD抗原に対する体液性免疫応答を阻害するのに有効
である。
本発明のさらに別の態様は、gp39アンタゴニストを投与してgp39とB
細胞の表面上にあるリガンド(たとえばCD40)との相互作用を妨害すること
によって、インビボにおいて活性化されたTh細胞のヘルパー機能を特異的に阻
害する方法である。本発明にしたがって、Th細胞の機能を消滅あるいはアネル
ギー化することなく、インビボにおいて活性化Th細胞のヘルパー機能を阻害す
ることができる。
さらに本発明は、gp39アンタゴニストをその他の免疫抑制剤とを組み合わ
せて投与することによって、体液性免疫応答をインビボにおいて阻害する方法を
提供する。gp39アンタゴニストとともに投与しうる他の免疫抑制剤は、サイ
トカイン疎外剤、CD28/CTLA4T細胞共同刺激経路インヒビターまたは
免疫抑制薬物などである。
さらに本発明の別の態様は、抗原がTDまたはTI−2抗原のどちらであるか
を決定する方法である。これは、インビボにおける該抗原に対する体液性免疫応
答がgp39アンタゴニストの投与によって阻害されるかどうかによって決定で
きる。図面の簡単な説明
図1Aは、インビボにおける抗gp39処置による一次抗SRBC IgM抗
体産生の抑制を表す棒グラフである。
図1Bは、インビボにおける短期間の抗gp39処置後の一次抗SRBC I
gM抗体産生の持続性の抑制を表すグラフである。
図2Aは、インビボにおける抗gp39処置による二次抗KLH抗体産生(各
種イソタイプ)の抑制を表す棒グラフである。抗体力価は抗原投与の7日後に測
定した。
図2Bは、インビボにおける抗gp39処置による二次抗KLH抗体産生(各
種イソタイプ)の抑制を表す棒グラフである。抗体力価は抗原チャレンジの14
日後に測定した。
図3は、インビボにおける抗gp39処置による一次抗ChiL6 IgM抗
体産生(左)および二次抗ChiL6 IgG1抗体産生(右)の抑制を表す2
つの棒グラフである。
図4Aは、TNP−SRBCでの免疫感作およびインビボにおける抗gp39
処置による一次抗TNP IgM抗体産生の抑制を表す棒グラフである。
図4Bは、TNP−Ficollでの免疫感作およびインビボにおける抗gp39
処置による一次抗TNP IgM抗体産生の抑制を表す棒グラフである。
図5は、非処置マウスに対して養子移入を行う際に、前以てインビボ抗gp3
9処置に付したT細胞の無傷のヘルパー活性を表す棒グラフであり、抗gp39
投与がTh細胞の機能を消滅させないことを示している
図6Aは、インビボ投与の7、14および21日後の血清中に存在する抗gp
39抗体を表すウエスタンブロットである。
図6Bは、インビボ投与の7、14および21日後の血清中の残存抗gp39
活性のパーセントを表すグラフである。
図7A、7Bおよび7Cは、CD40Ig(パネルA)、mAb4D9−8(
パネルB)またはmAb4D9−9(パネルC)のいずれかによる6時間活性化
ヒト末梢血リンパ球の染色を示すフローサイトメトリープロフィールである。
図8A、8Bおよび8Cは、mAb4D9−8(パネルA)、mAb4D9−
9(パネルB)またはCD40Ig(パネルC)のいずれかで染色し、シクロス
ポリンAの存在下で培養した6時間活性化ヒト末梢血リンパ球の染色を示すフロ
ーサイトメトリープロフィールである。
図9Aおよび9Bは、非標識mAb4D9−8(パネルA)または非標識mA
b4D9−9(パネルB)の存在下、CD40Igによる6時間活性化ヒト末梢
血リンパ球の染色を示すフローサイトメトリープロフィールである。
図10は、細胞を抗ヒトgp39mAb4D9−8、4D9−9、24−31
、24−43、89−76または89−79の存在下で培養した場合の、可溶性
gp39およびIL−4によって誘導されたヒトB細胞増殖の抑制を示すグラフ
である。
図11は、細胞を抗ヒトgp39mAb24−31または89−79の存在下
で培養した場合の、アロ特異的混合リンパ球応答の抑制を示すグラフである。発明の詳細な記載
胸腺依存性(TD)抗原に対する体液性免疫の生成には、抗原に対する特異的
抗体を産生しうるBリンパ球だけでなく、Bリンパ球の活性化に必要なTh細胞
からの寄与も要求される。B細胞の活性化のためのTh細胞の必要性は、外来性
のサイトカインをB細胞に供しても取り去ることはできない。むしろ、B細胞と
Th細胞間の接触依存性で、細胞膜媒介性の相互作用は、体液性応答を誘発する
ために絶対必要なものである。この相互作用に関与する受容体−リガンドの対、
CD40およびgp39が同定されている。CD40はB細胞上に存在し、gp
39に結合する能力を持っており、gp39は活性化したTh細胞上に誘発され
てB細胞を刺激し、最終的に特異的抗体が産生される。CD40−gp39相互
作用を分断することが、特異的体液性免疫応答の生成を妨害する手段として提供
される。
このように、本発明は、インビボにおいてTD抗原に対する体液性免疫応答を
阻害する方法を提供する。体液性免疫応答は、接触依存性ヘルパーエフェクター
機能を媒介するTh細胞上の分子とBリンパ球の表面上のそのリガンドとの相互
作用を妨害することによって阻害される。好ましい具体例においては、インビボ
にて被験者にgp39アンタゴニストを投与しながらB細胞をTD抗原に接触さ
せてT細胞上のgp39とB細胞上のCD40との相互作用を妨害することによ
って体液性免疫応答を阻害する。ひとつの具体例においては、インビボにてgp
39アンタゴニストとともにTD抗原を投与することによってB細胞をTD抗原
に接触させる。好ましくは、このTD抗原は治療剤(治療用抗体または薬物など
)であり、この抗原を治療処置のために患者に投与し、これに対する体液性免疫
応答を阻害することによって、該薬剤の治療上の効能を持続性にすることができ
る。他の具体例においては、該TD抗原は、被験者が環境的に接触する抗原(た
とえばアレルゲンなど)であり、この場合、体液性免疫応答は被験者にとって有
害である(アレルギー反応が引き起こされるなど)。この状況においては、体液
性免疫応答を抑制することは、被験者にとって治療的に有益なことである。I.gp39アンタゴニスト
:
本発明の方法によれば、gp39アンタゴニストを被験者に投与して、T細胞
上のgp39とB細胞上のgp39リガンドとの相互作用を妨害する。gp39
アンタゴニストとは、この相互作用を妨害する分子として定義される。gp39
アンタゴニストは、gp39に対して向けられた抗体(たとえば、gp39に対
するモノクローナル抗体)、gp39に対して向けられた抗体のフラグメントま
たは誘導体(たとえば、FabまたはF(ab')2フラグメント、キメラ抗体ま
たはヒト型抗体)、可溶性形態のgp39リガンド(たとえば、可溶性CD40
)、可溶性形態のgp39リガンドの融合タンパク質(たとえば、可溶性CD4
0Ig)、またはgp39−CD40相互作用を破壊または妨害する薬剤であっ
てよい。A.抗体
哺乳動物(たとえば、マウス、ハムスター、またはウサギ)は、該哺乳動物に
おいて抗体応答を引き起こす免疫原の形態のgp39タンパク質またはタンパク
質断片(たとえば、ペプチド断片)で免疫することができる。その表面にgp3
9を発現する細胞もまた免疫原として用いることができる。他の免疫原としては
、精製したgp39タンパク質またはタンパク質断片が挙げられる。gp39の
精製は、標準精製法によりgp39発現細胞から行うことができる。gp39c
DNA(アーミテージら、Nature、357:80〜82(1992);レーダ
ーマンら、J.Exp.Med.、175:1091〜1101(1992);ホーレ
ンバーフら、EMBO J.、11:4313〜4319(1992))を宿主細
胞、たとえば細菌または哺乳動物細胞株中で発現させ、gp39タンパク質を精
製することができる。gp39ペプチドは、gp39のアミノ酸配列(アーミテ
ージら、Nature、357:80〜82(1992);レーダーマンら、J.Exp
.Med.、175:1091〜1101(1992);ホーレンバーフら、EMB
O J.、11:4313〜4319(1992)に開示)に基づき、合成するこ
とができる。タンパク質に免疫原性を付与する技術としては、担体への結合、ま
たは当該技術分野でよく知られた他の方法が挙げられる。たとえば、タンパク質
をアジュバントの存在下で投与することができる。免疫の進行は、血漿または血
清中の抗体力価の検出によりモニターすることができる。抗体レベルを評価する
ため、抗原として免疫原を用いた標準ELISAまたは他のイムノアッセイを用
い
ることができる。
免疫後、抗血清を得ることができ、所望ならポリクローナル抗体を該血清から
単離することができる。モノクローナル抗体を産生するには、抗体産生細胞(リ
ンパ球)を免疫動物から回収し、標準体細胞融合法によりミエローマ細胞と融合
させてこれら細胞を不死化し、ハイブリドーマ細胞を得る。かかる技術は当該技
術分野においてよく知られている。たとえば、コーラーおよびミルシュテインに
より最初に開発されたハイブリドーマ法(Nature(1975)256:495
〜497)、並びにヒトB細胞ハイブリドーマ法(コズバー(Kozbar)ら、Im
munol.Today(1983)4:72)、ヒトモノクローナル抗体を産生するため
のEBV−ハイブリドーマ法(コール(Cole)ら、Monoclonal Antibodies i
n Cancer Therapy(1985)(アレン・アール・ブリス、77〜96頁))
、および結合(combinatorial)抗体ライブラリーのスクリーニング(ヒューズ
(Huse)ら、Science(1989)246:1275)などの他の方法。該タ
ンパク質またはペプチドに特異的に反応する抗体の産生についてハイブリドーマ
細胞を免疫化学的にスクリーニングし、モノクローナル抗体を単離することがで
きる。
本明細書において用いる抗体なる語は、gp39タンパク質またはそのペプチ
ドまたはgp39融合タンパク質と特異的に反応するフラグメントをも包含する
。抗体は常法によりフラグメントとすることができ、全抗体について記載したの
と同様にしてフラグメントを有用性についてスクリーニングすることができる。
たとえば、F(ab')2フラグメントは抗体をペプシンで処理することにより生成
させることができる。得られたF(ab')2フラグメントは、ジスルフィド架橋を
還元すべく処理してFab'フラグメントとすることができる。本発明の抗体は
さらに、抗gp39部分を有する2特異的分子およびキメラ分子を包含する。
非ヒト被験者において産生された抗体をヒトの治療に用いる場合には、これら
抗体は種々の程度で外来のものとして認識され、該患者において免疫応答が生じ
るかもしれない。この問題を最小限に抑えまたは排除する(一般的な免疫抑制に
好ましい)一つの方法は、キメラ抗体誘導体、すなわち非ヒト動物の可変領域と
ヒトの定常領域とを組み合わせた抗体分子を作製することである。キメラ抗体分
子としては、たとえば、マウス、ラットまたは他の種からの抗体の抗原結合ドメ
インをヒト定常領域と組み合わせたものが挙げられる。種々のキメラ抗体の作製
法が記載されており、gp39を認識する免疫グロブリン可変領域を含むキメラ
抗体を作製するのに用いることができる。たとえば、モリソン(Morrison)ら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851(1985);タケダ(Tak
eda)ら、Nature 314:452(1985)、カビリー(Cabilly)ら、米
国特許第4,816,567号;ボス(Boss)ら、米国特許第4,816,397
号;タナグチ(Tanaguchi)ら、ヨーロッパ特許出願公開EP171496号;
ヨーロッパ特許出願公開第0173494号、英国特許第GB2177096B
号を参照。かかるキメラ抗体は、対応する非キメラ抗体に比べてヒト被験者にけ
る免疫原性が小さいことが期待される。
ヒトの治療目的に用いる場合、可変領域の一部、とりわけ抗原結合ドメインの
保存されたフレームワーク領域をヒト由来のものとし、超可変領域のみを非ヒト
由来のものとしたヒト定常部キメラを作成することによって、gp39タンパク
質またはペプチドに特異的に反応するモノクローナル抗体またはキメラ抗体をさ
らにヒト型することができる。かかる改変免疫グロブリン分子は当該技術分野で
知られた幾つかの技術(たとえば、テングら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
、80:7308〜7312(1983);コズバーら、Immunology Today、
4:7279(1983);オルソンら、Meth.Enzymol.、92:3〜16(
1982))のいずれによっても作製することができ、PCT公開WO92/0
6193号またはEP0239400号の教示に従って作成するのが好ましい。
ヒト型抗体は、たとえば、スコットジェン・リミテッド、グレートブリテン、ミ
ドルセックス、トゥイッケナム、ホリー・ロード2番によって商業的に製造する
ことができる。
gp39タンパク質またはペプチドに対して特異的に反応する特異的抗体、ま
たは抗体フラグメントの他の作製方法は、細菌中に発現された免疫グロブリン遺
伝子またはその一部をコードする発現ライブラリーをgp39タンパク質または
ペプチドでスクリーニングすることである。たとえば、ファージ発現ライブラリ
ーを用い、完全なFabフラグメント、VH領域およびFV領域を細菌中で発現
させることができる。たとえば、ウォードら、Nature、341:544〜54
6:(1989);ヒューズら、Science、246:1275〜1281(19
89);およびマクファーティら、Nature、348:552〜554(199
0)を参照。かかるライブラリーを、たとえばgp39ペプチドを用いてスクリ
ーニングすることにより、gp39に反応性の免疫グロブリンフラグメントを同
定することができる。別法として、SCID−huマウス(ジェンファームより
入手可能)を用いて抗体またはそのフラグメントを作製することができる。B.gp39の可溶性リガンド
体液性免疫を抑制するために投与しうる他のgp39アンタゴニストは、可溶
性形態のgp39リガンドである。可溶性CD40などのgp39の1価可溶性
リガンドはgp39に結合することができ、それによってgp39とB細胞上の
CD40との相互作用を抑制する。「可溶性」なる語は、リガンドが細胞膜に永
久的に結合していないことを示す。可溶性gp39リガンドは、化学合成によっ
て、または好ましくは組換えDNA法によって作製することができる。好ましい
可溶性gp39リガンドは可溶性CD40である。別の態様として、可溶性gp
39リガンドはまた融合タンパク質の形態であってもよい。かかる融合タンパク
質は、第二の分子に結合した少なくとも一部のgp39リガンドを含む。たとえ
ば、CD40は免疫グロブリンとの融合タンパク質(すなわち、CD40Ig融
合タンパク質)として発現させることができる。一つの態様において、Cγ1の
ヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域に対応する配列のアミノ酸残基に結合
したCD40分子の細胞外ドメイン部分のアミノ酸残基からなる融合タンパク質
を作製してCD40Ig融合タンパク質を生成する(たとえば、リンスレイら(
1991)J.Exp.Med.1783:721〜730;カポンら(1989)Na
ture 337、525〜531;およびカポン米国特許第5,116,964号を
参照)。融合タンパク質は、化学合成によって、または好ましくはCD40のc
DNAに基づいて組換えDNA法によって作製することができる(スタメンコビ
ッ
チら、EMBO J.、8:1403〜1410(1989))。
II.体液性免疫が抑制される抗原
本発明は、Th細胞によってもたらされる接触依存性ヘルパー機能を必要とす
る、抗原に対する体液性免疫に関する。胸腺依存性(TD)抗原と称されるクラ
スの抗原が本発明に包含される。Th細胞からの接触依存性“ヘルプ”が必要と
なるのは、T細胞上のgp39とB細胞上のCD40間の相互作用における必要
性に由来する。本発明で用いる定義において、語句“TD抗原”とは、抗原に対
する体液性免疫応答を誘発するために、T細胞とB細胞の間のgp39−CD4
0相互作用を必要とする抗原を意味する。本発明に包含されるTD抗原の他の形
体は、タンパク質に結合したハプテンと称される分子である。この場合、タンパ
ク質は、ハプテンに対する体液性免疫応答を誘発するためにT細胞のヘルプを誘
発するための担体として働く。
本発明においては、TD抗原を可溶性形態で被験者に投与することができる(
可溶性タンパク質の注射など)。あるいはTD抗原は、細胞表面タンパク質など
の細胞の表面上に存在するものであってもよい。該TD抗原を、gp39アンタ
ゴニストとともに被験者に投与することができ、あるいは被験者をTD抗原に環
境的に接触させてもよい(アレルゲンなど)。好ましい具体例において、TD抗
原は、治療の目的で被験者に投与された薬剤である。この薬剤はたとえば、治療
用抗体またはTD抗原である他の形態の治療剤であってよい。被験者中のたとえ
ば治療用抗体のクリアランスを妨害することによって、該治療用抗体に対する体
液性免疫応答をインビボにおいて阻害する効能を持続性にすることができる。治
療剤として働く小さい分子(ハプテンとして機能する)は、B細胞を活性化する
T細胞ヘルパー機能を誘発するタンパク質または他の担体とともに投与されるな
らば、これらの分子もまた体液性免疫応答を抑制する対象となる標的抗原になり
うる;これらの治療剤に対する体液性免疫の抑制もまた同様に、その効能を持続
性にすることができる。
本発明は、胸腺非依存性II型(TI−2)抗原に対する応答性に影響を与え
ることなくTD抗原に対する体液性免疫応答を抑制する方法を提供する。TI−
2抗原には、ポリクローナル手法でB細胞を非特異的に活性化する多糖および脂
質が包含される。本発明で用いる定義において、語句“TI−2抗原”とは、抗
原に対する体液性免疫応答を誘発するためにT細胞とB細胞の間のgp39−C
D40相互作用を必要としないすべての抗原を意味する。本発明は、抗原に対す
る体液性免疫応答がgp39アンタゴニストによって阻害されるかどうかを測定
することによって、抗原が本発明の定義におけるTD抗原であるかTI−2抗原
であるかを同定する方法を提供する。
III.体液性免疫の抑制
本発明は、TD抗原に対する体液性免疫応答を阻害する方法に関する。体液性
免疫応答は、TD抗原に対して最初の接触である場合には一次体液性免疫応答で
あり、あるいは該抗原に対する再接触である場合には二次体液性免疫応答である
。1種または2種以上のイソタイプ抗体の産生を阻害することができる。一次体
液性免疫応答の場合、優先的に産生される抗体はIgMであり、IgMの産生が
優占的に抑制される。二次体液性免疫応答の場合、IgM、IgGおよびIgE
などの数種のイソタイプの抗体の産生が抑制される。
本発明は、TD抗原に対する体液性免疫の持続性抑制方法を提供する。ここで
用いる“持続性”とは、TD抗原に対する抗体の産生の抑制が、インビボにおけ
るgp39アンタゴニストの投与が終了した後も持続することを意味する。
IV.gp39アンタゴニストの投与
本発明方法にしたがって、TD抗原に接触させた被験者にgp39アンタゴニ
ストを投与することにより、TD抗原に対する体液性免疫応答を阻害することが
できる。ひとつの具体例において、TD抗原とともにgp39アンタゴニストを
投与する。gp39アンタゴニストはTD抗原と同時に投与されるのが好ましい
が、TD抗原がB細胞の活性化を誘発する前にgp39アンタゴニストが投与さ
れる限りは、TD抗原を投与する前またはTD抗原の投与後に投与されてもよい
。その他の具体例においては、被験者を環境的に抗原に接触させる。この場合、
抗原に接触させた後、B細胞の活性化を予防するに十分なだけすばやく、gp3
9アンタゴニストがインビボ投与されるべきである。
本発明のアンタゴニストは、体液性免疫を抑制するため、インビボの医薬投与
に適した生物学的に両立しうる形態にて被験者に投与する。「インビボの医薬投
与に適した生物学的に両立しうる形態」とは、該タンパク質の治療効果が毒性作
用より重視されるように投与されるアンタゴニストの形態をいう。被験者なる語
は、免疫応答を引き起こしうる生物、たとえば哺乳動物を包含する。被験者の例
としては、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、およびこれらのトランスジェニ
ック種が挙げられる。gp39とCD40との相互作用を妨害するアンタゴニス
トの投与は、任意に医薬的に許容しうる担体中にて薬理学的形態で行うことがで
きる。治療学的に活性な量の本発明の治療用組成物の投与とは、所望の結果を達
成するのに必要な投与量および時間にて有効な量と定義される。たとえば、gp
39とCD40の相互作用を妨害するアンタゴニストの治療学的に活性な量は、
個体の疾患状態、年齢、性および体重、および該アンタゴニストが該個体におい
て所望の応答を引き起こす能力に従って変わってよい。投与計画は最適の治療応
答をもたらすように調節する。たとえば、幾つかの分割投与量を毎日投与するこ
とができるし、または治療状況の緊急性によって示されるように比例して投与量
を減らしていくこともできる。
活性化合物(たとえば、アンタゴニスト)の投与は、注射(皮下、静脈内など
)、経口投与、吸入、経皮投与、または直腸投与などの常法により行うことがで
きる。投与経路に応じて、活性化合物を不活化する酵素、酸または他の天然の条
件から該化合物を保護するために該化合物を物質中にコーティングすることがで
きる。
非経口以外の投与によりgp39とCD40の相互作用を妨害するアンタゴニ
ストを投与するには、不活化を防ぐ物質で該アンタゴニストをコーティングする
かまたは該物質と該アンタゴニストとを同時に投与する必要がある。たとえば、
アンタゴニストは、適当な担体または希釈剤中にて、または酵素阻害剤とともに
またはリポソームなどの適当な担体中にて一緒に投与することができる。薬理学
的に許容しうる希釈剤としては、食塩および水性緩衝液が挙げられる。酵素阻害
剤としては、膵臓トリプシンインヒビター、ジイソプロピルフルオロホスフェー
ト(DEP)およびトラシロール(trasylol)が挙げられる。リポソームとして
は、水中油中水懸濁液並びに通常のリポソーム(ストレジャン(Strejan)ら(
1984)J.Neuroimmunol 7:27)が挙げられる。
活性化合物はまた、非経口または腹腔内投与することもできる。グリセロール
、液体ポリエチレングリコール、およびそれら混合物中、および油中で分散液を
調製することもできる。通常の貯蔵および使用条件では、これら調製物には微生
物の増殖を防ぐための保存剤が含まれる。
注射用途に適した医薬組成物としては、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分
散液および滅菌注射用溶液または分散液を即座に調製するための滅菌粉末が挙げ
られる。いずれの場合においても組成物は滅菌されていなければならず、容易な
注射器操作が可能な程度に流体でなければならない。該組成物は製造および貯蔵
条件下で安定でなければならず、細菌や真菌などの混入微生物の作用から保護さ
れていなければならない。担体は、たとえば、水、エタノール、ポリオール(た
とえば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコ
ールなど)、およびこれらの適当な混合物を含む溶媒であるかまたは分散媒体で
あってよい。適当な流動性は、たとえば、レシチンなどのコーティングを使用す
ることによって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、および界
面活性剤を使用することによって維持することができる。微生物の作用からの保
護は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、たとえばパラベン、クロロブタノール、フ
ェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより行うことができる。多くの
場合、等張剤、たとえば糖、ポリアルコール、たとえばマンニトール、ソルビト
ール、塩化ナトリウムなどが組成物中に含まれているのが好ましいであろう。注
射用組成物の持続吸収は、吸収を遅らせる薬剤、たとえばモノステアリン酸アル
ミニウムやゼラチンなどを組成物中に配合することにより行うことができる。
滅菌注射用溶液の調製は、必要なら上記成分の1またはその組み合わせととも
に所要量の活性化合物(たとえば、gp39とCD40の相互作用を妨害するア
ンタゴニスト)を適当な溶媒中に配合し、ついで滅菌濾過することにより行うこ
とができる。一般に分散液の調製は、基本的な分散媒体と上記から選ばれた必要
な他の成分を含む滅菌ビヒクル中に活性化合物を配合することにより行う。滅菌
注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合は、好ましい調製法は真空乾燥および凍
結乾燥であり、これにより活性成分(たとえば、アンタゴニスト)と前以て滅菌
濾過した溶液からの所望の追加成分との粉末が得られる。
上記のように活性化合物を適切に保護してある場合は、該タンパク質は、たと
えば不活性な希釈剤または同化しうる食用担体とともに経口投与することができ
る。本明細書において「薬理学的に許容しうる担体」とは、溶媒、分散媒体、コ
ーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などのすべてを包
含する。薬理学的に活性な物質のためのかかる媒体および剤の使用は、当該技術
分野でよく知られている。通常の媒体または剤が活性化合物と両立しない場合以
外は、治療学的組成物中に使用することができる。補助的な活性化合物を該組成
物中に配合することもできる。
投与の容易および投与量の均一さのため、単位投与剤型で非経口組成物に調合
するのが特に有利である。本明細書において単位投与剤型とは、治療すべき哺乳
動物被験者に対する単位投与量として適した物理的に区別される単位をいう。各
単位には、所要の薬理学的担体と組み合わせて所望の治療効果を奏するように計
算された前以て決定された量の活性化合物が含まれる。本発明の単位投与剤型は
、(a)活性化合物の独特の特性および達成しようとする特定の治療効果、およ
び(b)個体における治療感受性(treatment of sensitivity)のためにかかる
活性化合物を調合する際の内在する技術的制約に直接依存して個々に特定される
。
V.gp39アンタゴニストと他の免疫抑制剤との併用投与
Th細胞上の協同剌激分子であるCD28の可溶性CTLA−4がトリガーと
なる妨害もまたTD抗体反応を抑制し(30)、異種移植片における拒絶反応を
遮断する(31)ことが解っている。抗gp39投与と同様に、可溶性CDは、
持続性免疫抑制状態を誘発する。抗gp39およびCTLA−4は、体液性免疫
応答における別の段階においてそれらの免疫抑制効果を媒介するので、これらの
2つの免疫抑制剤の併用投与によって、相加的または相乗的免疫抑制効果が得ら
れる。
アレルギー反応はIgE抗体によって媒介される。IgE応答が産生されるに
は、サイトカインIL−4が必要である。TD抗原に対するIgE応答の阻害は
、gp39アンタゴニストとIL−4の阻害剤(抗IL−4抗体など)とを併用
投与することによって、より効果的に行われる。
次に述べる実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに
よって限定されるものではない。本明細書に引用されたすべての引例文献および
発行された特許出願の内容が、本発明の参考文献である。ランドルフ・ジェイ・
ノエルらの名称で同日付で出願された特許出願の内容および“抗原特異的T細胞
寛容の誘発方法”と題する文献も本発明の参考文献である。
実施例においては以下の方法を用いた。材料および方法 実験動物
: この実験におけるインビボ実験用に6〜8週齢の雌のBalb/cマウ
ス(ジャクソン・ラボラトリーズ,バー・ハーバー,ME)を用いた。実験動物は
ダートマス・メディカル・スクールにおいて特別な病原体フリーの動物用施設で
飼育された。ヘルパーT細胞クローン(Th1)
: ウスターのユニバーシティ・オブ・マサ
チューセッツから、D1.6、すなわちI−Ad制限されたウサギIg特異的Th
1クローン(21)を入手した。本明細書中では、D1.6をTh1と表記する。試薬および抗体
: MR1、すなわちハムスター抗マウスgp39mAb(16
)は、腹水をDEAE HPLCにて精製して得た。対照抗体として用いたハム
スターIg(HIg)は、ハムスター血清(アキュレイト・ケミカル・アンド・
サイエンティフィック・コーポレイション,ウエストビューティ,NY)から同
様にして得た。RG7/7.6.HL、すなわちマウス抗ラットκ鎖(ハムスター
κ鎖と強い交差反応性がある)抗体(RG7と表記)(22)をHRPOまたは
FITCと結合させ、MR1およびHIgを検出するための第2試薬として用い
た。アフィニティー精製ヤギ抗マウスIgM、IgG1、IgG2a、IgG2bお
よびIgG3(サザン・バイオテクノドジー,バーミンガム,Al)を抗原特異
的ELISAおよびIgMおよびIgG1合同ELISAにおいて検出抗体とし
て用
いた。B1E3、すなわちモノクローナル抗マウスIgE(ユニバーシティ・オ
ブ・アイオワのT.ウォルドシュミット博士から提供を受けた)をIgE抗KL
H ELISAにおける検出抗体として用いた。キメラ−L6(Chi−L6と
表記)、すなわち腫瘍抗原L6に対して特異的なヒト型IgG1(23)は、ブ
リストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュティカル・リサーチ・インステ
ィチュート,シアトル,WAから提供を受けた。抗CD4、すなわちGK1.5
(24)は、腹水のHPLC精製によって調製した。ヒツジ赤血球細胞(SRB
C)は、コロラド・セイラム・コーポレイション(デンバー,CO)から購入し
た。抗SRBCプラークアッセイ用のシー・プラーク(Sea Plaque)寒天は、
FMC・コーポレイション(ロックランド,MA)から入手した。乳児ウサギ補
体は、セダーレイン(ホーンビイ,オンタリオ,カナダ)から購入した。KLH
、すなわちキーホールリンペットヘモシアニン(Megathura crenulata由来)は
、カルビオケム(ラジョラ,CA)から購入した。免疫感作用の完全フロイント
アジュバント(CFA)は、シグマ・ケミカル・コーポレイション(セントルイ
ス,MO)から入手した。TNP−SRBC、TNP−KLHおよびTNP−B
SAは、文献(25)の記載に従って調製した。インビボ一次および二次抗体反応の産生のための免疫感作
:
一次免疫応答: SRBCまたはTNP−SRBCに対する一次抗体反応を引
き起こすために、マウスを200μlの1%SRBCまたはTNP−SRBC懸
濁液(静脈注射)で免疫感作した。ジャーンのプラークアッセイ(26)に変更
を加え、抗原投与後第5日にIgMの抗SRBC応答をアッセイした。第6日に
ELISAを行ってIgMの抗TNP応答を測定した。100μgのChi−L
6/ミョウバン/マウスの腹腔内免疫感作によって、異種の免疫グロブリンCh
i−L6に対する一次応答を産生した。血清IgM抗Chi−L6抗体反応を第
7日に測定した。25μgのTNP−Ficollの腹腔内免疫感作によって、TNP
−Ficollに対する一次免疫応答を産生した。IgMの抗TNP応答をELIS
Aによって第6日に測定した。
二次免疫応答: KLHに対する二次体液性応答を産生するために、KLH/
CFA(50μg,腹腔内)で実験動物を免疫感作した。続いて3カ月後に、マ
ウスを10μgの可溶性KLH(腹腔内)にチャレンジさせた。イソタイプ特異
的ELISAを用いて免疫感作マウスの血清中の抗KLH抗体反応を第7日に測
定した。Chi−L6免疫感作マウスを10μgの可溶性Chi−L6(腹腔内
)にチャレンジさせることによって、Chi−L6に対する二次抗体反応を産生
した。血清IgG1抗Chi−L6抗体反応を第7日に測定した。抗g39処置
: 各実験において指示した免疫感作またはチャレンジ後第0日、
第2日および第4日に、滅菌したHPLC精製抗g39(MR1)またはHIg
(抗体対照として)を投与した(腹腔内)。抗原特異的ELISA
: イソタイプ特異的ELISAを用いて、抗原特異的I
gM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgEの抗体力価を測定し
た。要約すると、抗原(PBS中の1mg/mlのKLH、Chi−L6、TNP16−
BSAまたはTNP2−BSA)をフレキシブルポリビニルマイクロタイター皿
の上に4℃で一夜吸着させる。プレートを洗浄し、PBS−1%FCS−アジ化
ナトリウムでブロックする。希釈した血清サンプルを37℃で2時間インキュベ
ートする。サンプルを洗浄し、次のアルカリホスファターゼ結合検出抗体のひと
つを用いて抗原特異的抗体力価を測定する:ヤギ抗マウスIgM、IgG1、I
gG2a、IgG2b、IgG3(サザン・バイオテクノドジー,バーミンガム,A
l)。ビオチン結合B1E3、次いでアルカリホスファターゼアビジン(サウス
・サンフランシスコ,CA)を用いて、IgE特異的ELISAを検出した。す
べてのELISAを、アルカリホスファターゼとフォスファターゼ基質(シグマ
・ケミカル・コーポレイション,セントルイス,MO)との反応によって展開し
た。ダイナテックMR700ELISAリーダーを用い、410nmにおいてプ
レートを分析した。単位は、標準免疫血清の滴定曲線に基づく任意値を表す。す
べての実験グループを1:100から1:1000,000の範囲で滴定し、多
重点分析に基づいて力価を決定した。非チャレンジ対照における抗KLH、抗C
hi−L6および抗TNP抗体の濃度を下記のようにして検出した。血清抗gp39の検出
:
抗gp39処置マウスの血清中の活性化していない抗gp39の定量: 75
0μgの抗gp39を投与された(第0日、第2日および第4日に250μgずつ
投与)マウスからの血清を、抗gp39処置開始後第7日、第14日および第2
1日に採取した。非還元条件下で血清を7.5%SDSゲルに載せ、ニトロセル
ロースに転写し、HRPO結合RG7でブロットした。化学発光検出法を用いて
、150〜165kDaに対応する領域を走査し、アップル・スキャナーおよび
イメージ4.1ソフトウェアプログラムを用いて計数化した。
処置マウスの血清中の生物学的に活性な抗gp39の分析: 抗CD3活性化
Th1(gp39を示す)を、750μgの抗gp39投与マウス(第0日、第
2日および第4日に250μgずつ投与)からの血清の希釈物で固定し、血清中
に残る生物学的に活性なgp39を定量した。抗gp39含有血清の滴定物をT
h1細胞クローンとともに4℃で30分間インキュベートし、次いで洗浄し、続
いてFITC−RG7とともに4℃で30分間インキュベートした。精製抗gp
39を用いてMFIに対する抗gp39濃度の標準曲線を作成した。ベクトン・
ディッキンソン・FACスキャンでサンプルを分析し、標準曲線に基づいて血清
中に残る抗gp39のパーセントを求めた。第7日の抗gp39の濃度パーセン
トを100%と設定した。ヘルパーT細胞の養子移入
: SRBC(200μlの1%SRBC,静脈内)
でマウスを免疫感作し、抗gp39またはHIgを投与した(第0日、第2日お
よび第4日に250μgずつ投与)。第7日に非免疫感作あるいはSRBC免疫
感作マウスから脾細胞を取り出し、赤血球を除去し、洗浄し、免疫感作B細胞源
としてTNP−KLH感作(TNP−KLH−CFA,50μg,腹腔内)マウ
スの脾臓細胞5×106個を加えて、あるいは加えずに、照射宿主(600ラド
)に移入した(静脈内、50×106個/マウス)。移入時に、マウスをTNP
−SRBC(200μlの1%TNP−SRBC,静脈内)で免疫感作した。移
入後第7日に血清IgG1抗TNP力価を決定した。実施例1
抗gp39は赤血球抗原に対する一次抗体反応の産生を阻害する
HIM患者において観察されたTD免疫の減少、ならびに抗gp39の潜在的
阻害効果およびTh依存性B細胞上のCD40−Igのインビトロ活性化が、イ
ンビボにおける体液媒介免疫に対する抗gp39の潜在的免疫抑制効果の実験の
ための基準となった。一次TD体液性免疫応答におけるgp39−CD40相互
作用の役割を研究するために、ヒツジ赤血球細胞(SRBC)に抗gp39を投
与して、一次抗体反応における抗gp39のインビボ投与の効果を測定した。実
験動物をSRBCで免疫感作し、抗gp39mAb(または対照HIg)を4日
間投与した。第5日に、抗gp39処置、HIg処置をしたマウスおよび対照マ
ウスの一次抗SRBC抗体反応を決定した。合計1.5mgの抗gp39を投与
した(500μg/マウスを第0日、第2日および第4日に投与)マウスのIg
M抗SRBCプラーク産生細胞(PFC)応答は、対照またはHIg処置したマ
ウスの抗SRBCPFC応答と比べて99%減少した(図1A)。さらに、抗g
p39が、300μg/マウス程度の投与(100μg/マウスを第0日、第2日
および第4日に投与)であっても抗SRBC−次免疫応答は66%まで減少した
。これらの実験結果から、gp39処置がインビボにおける一次抗体反応を取り
除くことが示される。
続いて、SRBCに対する一次体液性免疫応答における抗gp39の免疫抑制
効果の期間を測定した。SRBCで免疫感作したマウスを抗gp39で4日間処
理し、処置後の種々の時点で一次抗SRBC応答を起こす能力をアッセイした。
この実験においては、第0日にすべての実験動物をSRBCで免疫感作し、第0
日、第2日および第4日に抗gp39またはHIgを投与した。さらなるSRB
C免疫感作グループを第7日または第14日にSRBCにチャレンジさせた。各
抗原チャレンジ後第5日(それぞれ第12日および第19日)に、IgM抗SR
BC応答を測定した。このような実験の結果を図1Bに示した。図1Aに示され
るように、一次抗SRBC応答は、抗gp39投与開始後第5日で80〜90%
阻害された。さらに、抗gp39処置後第12日および第19日の一次抗SRB
C応答もまた90%以上阻害された。これらの結果から、短期間の抗gp39処
置によって一次抗体反応が持続的に阻害されることが示される。実施例2
抗gp39は二次KLH抗体反応の産生を阻害する
一次抗体反応を審査する実験は、一次体液性免疫の開始において、gp39−
CD40相互作用が重大な役割を演じることを示唆している。しかし、これらの
実験からは、gp39依存性CD40シグナリングにおいて二次抗体反応の発生
が必要であるどうかについては明らかにはならない。したがって、可溶性KLH
へのチャレンジに対する二次免疫応答における抗gp39投与の効果をKLH免
疫マウスにて測定した。
一次抗SRBCPFC応答を減少する抗gp39投与スケジュールを用い、二
次抗体反応における抗gp39処置の効果を評価するための実験を設計した。こ
れらの実験において、KLH免疫マウス(CFAおよびKLH処置の3カ月前に
免疫感作)を可溶性KLHにチャレンジさせた(10μg/マウス/静脈内)。
抗原チャレンジ当日(第0日)に、マウスに250μgの抗gp39またはHI
gも与え、続いて第2日および第4日に抗gp39またはHIgを与えた。KL
Hチャレンジから第7日(図2A)および第14日(図2B)に、マウスから採
血してIgM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgE抗KLH抗
体の力価を測定した。その結果から幾つかの点が実証される:1)可溶性KLH
へのチャレンジは、14日まで持続する持続性の二次免疫応答を誘発した;2)
抗gp39の投与は、等量のHIgの投与と比較した場合、測定されたイソタイ
プの二次抗KLH応答を有意に減少した;3)抗gp39の免疫抑制効果は、抗
gp39処置の開始後少なくとも14日間持続すると思われた。まとめて言えば
、これらの実験の結果から、一次体液性免疫応答と同様に、抗gp39によって
二次体液性免疫の産生も遮断されることが証明される。実施例3
抗gp39は異種Igに対する抗体反応の産生を阻害する
図1に示した実験は、免疫原性の強い抗原SRBCに対する一次応答中の抗g
p39の免疫抑制活性を証明している。赤血球に独特である強い免疫応答誘発能
力は、赤血球の細胞的性質によるものである。異種Ig分子は、免疫原性が高い
というこの特性を分け持っており、したがって、一次および二次抗体反応の産生
における抗gp39処置の効果を審査するためのモデル抗原系がさらに提供され
る。異種Ig分子Chi−L6(ヒト型マウス抗腫瘍細胞mAb)で実験動物を
免疫感作し、抗gp39または対照HIgで処置をした。7日後、血清を採取し
、IgM抗Chi−L6抗体の産生に対するアッセイを行った。最初の免疫感作
および抗gp39処置から14日後、マウスをさらにChi−L6にチャレンジ
させ、第21日におけるIgG1抗Chi−L6抗体の産生に対するアッセイを
行った。図3は、このような実験のひとつの結果を描いたものである。抗gp3
9処置マウスにおけるChi−L6に対する一次抗体反応は、HIg処置マウス
と比較した場合、90%以上阻害される。さらにその上、Chi−L6に対する
二次IgG1応答が同様に阻害される。これらの結果から、抗gp39処置によ
って、2番目のタイプのTD抗原、すなわち異種Igに対する一次および二次抗
体反応も、赤血球および可溶性タンパク質抗原に対する応答が抑制されるのと同
じく効果的に抑制されることが実証される。実施例4
抗gp39はT−非依存性II型抗原、すなわちTNP−Ficollに対する一
次抗体反応の産生を阻害しない
これまでの実験では抗gp39がインビボにおいてTD抗原に対する一次およ
び二次抗体反応の産生を効果的に遮断することが実証されているが、TI抗原に
対する体液性応答の開始においてgp39−CD40相互作用がどのような役割
を演じているかは明らかになっていない。添付の書類に記載したデータから、T
I−II型抗原、すなわちTNP−Ficollによる免疫感作の結果、インビボに
おいてTh細胞によってgp39が発現されることが示される。このTI抗原に
対する抗体反応の産生においてgp39−CD40相互作用が必要であるかどう
かを提示するために、TNP−Ficollで免疫感作されたマウスにおける抗gp
39処置の影響を評価した。TNP−FicollまたはTNP−SRBCで免疫感
作したマウスを抗gp39またはHIgで処置し、6日後にIgM抗TNP抗体
反応を測定した。図4Aは、T抗原TNP−SRBCで免疫感作した実験動物が
、
有意の抗TNP血清抗体反応を引き起こすことを示す。これまでの実験から予測
されるように、抗gp39処置はこれらのマウスに産生された一次抗TNP反応
を劇的に阻害する。反対に、TNP−Ficollで免疫感作したマウスの抗TNP
抗体反応の力価は高い(図4B);しかし、抗gp39処置はTNP−Ficoll
に対する抗体反応を阻害しない。これらの実験結果は、TD抗原に対する応答と
は異なって、抗gp39はTNP−Ficollに対する体液性応答の産生を遮断し
ないことを実証し、TI抗原に対する応答がgp39非依存性であることを示唆
している。実施例5
抗gp39投与はSRBC特異的Thを機能的には消去しない
これまでの実験から、抗gp39がTD体液性免疫の展開を妨害することがわ
かっている;しかし、抗gp39処置が体液性応答を抑制するメカニズムは明ら
かではない。抗gp39による免疫抑制は、1)gp39産生T細胞の負シグナ
リングがThアネルギーを引き起こすこと;2)mAbが媒介する抗gp39の
細胞毒性消去がCD4+T細胞を産生すること;および/または3)gp39の
遮断物がCD40に結合することよって媒介される。これらのメカニズムのうち
どれが、抗gp39療法において観察された遅延型免疫抑制においてオペレータ
ーとなりうるのかという洞察を得るために一連の実験を行った。抗gp39療法
によって抗原特異的Thが消去あるいはアネルギー化される可能性を調査するた
めに、gp39処置マウスからの抗原特異的Th機能を養子移入によって測定し
た。簡単にいうと、マウスをSRBCで免疫感作し(SRBC特異的Thを感作
するために)、次いで抗gp39またはHIgを投与した(マウス一匹当たり、
第0日、第2日および第4日に250μgずつ投与)。第7日に非免疫感作マウ
スからの脾細胞あるいはHIg処置または抗gp39処置マウスからのSRBC
免疫感作脾細胞を、TNP感作B細胞源としてTNP−免疫感作脾細胞とともに
宿主マウスに養子移入した。同時に、マウスをTNP−SRBCにチャレンジさ
せ、IgG1抗TNP力価を第5日に決定した。非免疫感作ドナーからの脾細胞
を受容した宿主は、SRBC感作実験動物からの脾細胞を受容したマウスと比較
した
場合、実質的に低いIgG1抗TNPを産生したという事実から示されるように
、SRBC感作Tヘルパー細胞は、宿主マウスにおいて二次抗TNP反応が誘発
されることを必要とする(図5)。さらに重要なことに、これらの実験結果は、
HIg処置マウスおよび抗gp39処置マウスからのSRBCヘルパー活性が類
似していることを示し、抗gp39処置がTh機能を変えたり、Thの感作を遮
断したりしないことを示した。さらにその上、抗原応答性Thが移入の際にヘル
パーエフェクター機能を提供したように、抗gp39処置の結果として抗原応答
性Thが消去あるいはアネルギー化されるようなことはなかった。実施例6
ハムスター抗gp39のインビボにおけるクリアランス
これまでの研究によって、抗gp39(MR1)が、CD40に対するgp3
9の結合を遮断し(15)することが確立されており、このことは、抗gp39
のインビボにおける免疫抑制効果がgp39−CD40相互作用の遮断によるも
のであるという仮説をサポートしている。この仮説が正しいと仮定すれば、抗g
p39投与において観察された長期の免疫抑制には、宿主における抗gp39の
持続性が必要である。免疫抑制が明らかに現れているときに抗gp39が検出さ
れるかどうかを測定するために、抗gp39の血清からのインビボクリアランス
速度を測定した。マウスには4日間の実験期間中を通して抗体を処方し(3×2
50μgの抗gp39)、抗体投与開始後第7日、第14日および第21日にお
ける血清中の抗gp39濃度を測定した。変形されなかったMRIに対するウエ
スタンブロット分析(160kd)は、抗体処置開始後少なくとも21日間は無
傷の血清抗gp39を検出しうることを示した(図6A)。抗体療法開始後7日
に分析された実験動物の血清からもたらされたシグナルと比較した場合、第21
日における実験動物の抗gp39の血清中濃度はおよそ5%であった(走査デン
シトメトリーによる)。
無傷の抗gp39が血清中に存在することは測定されたけれども、抗gp39
が生物学的に活性であるかどうかを確認することもまた重要でる。したがって、
4日間の実験期間中を通して3×250μgの抗gp39を受容したマウスの血
清
を、gp39産生Thを染色するために用いた。最後の注射から3日後(抗体処
置開始から7日後)の血清抗gp39濃度を100%とした。抗体療法開始後第
14日には、およそ10〜15%の生物学的に活性な抗gp39mAbが血清中
に検出された。療法開始後第21日では、2〜3%の抗gp39が血清中に残っ
ていた。したがって、ウエスタンブロッティングによる無傷の抗gp39の測定
および生物学的に活性な抗gp39の測定の両方から、抗gp39療法開始後2
1日目には、およそ5%の抗gp39が存在することが示された。これらの結果
から、抗gp39の半減期が約12日であることが実証され、抗gp39による
体液性免疫応答の持続的抑制が、Th機能の持続的遮断によるものであるという
仮説と一致する証拠が提示される。
本発明の研究は、インビトロにおいてgp39−CD40相互作用を遮断する
抗gp39抗体をインビボ投与することがTD抗原に対する一次および二次体液
性免疫応答の両方を大いに阻害し、TI−II型抗原に対する応答は阻害しない
ことを実証する。さらにこの研究は、抗gp39処置が抗原感作Th細胞の感作
を遮断しないことを実証する。したがって、gp39−CD40というリガンド
−受容体対を、体液性免疫応答を治療する際の標的として用いることができる。
抗gp39の体液性免疫におけるその免疫抑制効果がどのように作動するかと
いう洞察を得るために、Th機能における抗gp39の直接的効果を提出した。
データは、抗gp39処置マウスのSRBC免疫感作Thが、養子移入に際して
のヘルプを提供することが完全に可能であったことを示し、抗gp39処置がイ
ンビボにおいてThの消去やアネルギー化を引き起こさないことを示唆している
。これらの結果から、抗gp39は、CD40へのgp39の結合を遮断するこ
とによってその免疫抑制効果を媒介するのであり、gp39産生Thの不活性化
によるものではないという考察が導かれた。この仮説のサポートとして、抗gp
39がCD40のgp39への結合を遮断するというインビトロ研究が行われた
(16)。さらに、免疫抑制が現れている期間中に、生物学的に活性な抗gp3
9を血清中で検出することができた。免疫抑制が明らかであるときに、血清中に
はたっ
た5%の抗gp39しか存在しないけれども、血清中の抗gp39の濃度と比較
して、二次リンパ器官の特定の部位における抗gp39の局部的組織中濃度は、
より高く、そしてクリアランス速度はより低くなることが可能である。抗gp3
9によるマウスの処置は、SRBCおよび異種Igに対する一次免疫応答を90
%以上阻害し、その阻害は持続性であった。gp39の機能を遮断することによ
って抗gp39が阻害を媒介していると仮定すると、これらのデータは、TD抗
原に対する一次免疫応答の展開に必須であるgp39−CD40相互作用に関係
してくる。免疫組織化学的分析によって、gp39がTD抗原による免疫感作の
結果として誘発され、機能的に重要であることが確証される。gp39発現のイ
ンシトゥ研究は、一次体液性免疫応答中のgp39−CD40相互作用の開始部
位が細動脈周囲リンパ球組織鞘(PALS)の末梢部分および末端細動脈(TA
)の周囲にあることを例証している。gp39発現Thと抗原特異的B細胞間の
複合体が並んでいるのが見られたのは、これらの部位においてであり、外層PA
LSが、一次体液性免疫応答中のT細胞−B細胞相互作用の主要部位であること
がが示唆される。したがって、PALSは、抗gp39がgp39発現Th細胞
と相互作用して最終的にT−B相互作用およびそれに続くIgの産生を阻害する
部位である。
一次免疫応答と同様に、CFA中のKLHで感作したマウスの二次体液性免疫
応答もまた抗gp39の投与によって阻害されることも示された。抗gp39に
よる抗SRBC PFCの減少と一致して、抗原チャレンジに対する血清中抗体
力価の減少も観察された。測定された血清中の全抗KLH Igイソタイプ(I
gM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgE)の力価が、マウス
の抗gp39処置によって減少した。抗gp39投与の効果は、第2の抗原チャ
レンジ後少なくとも14日間現れ、抗gp39による持続性免疫抑制を確証した
。異種Igおよび異種赤血球に対する二次免疫応答もまた、抗gp39療法によ
って阻害されるので、KLHに対する二次応答の抗gp39による免疫抑制は、
KLHに対してのみ見られるものではない。gp39発現Thの解剖学的分布は
、一次免疫感作において観察されるものと同じであったが、免疫感作脾臓中のg
p
39発現Thの頻度は一次免疫応答中に観察されるものより増加した。免疫感作
脾臓の胚中心または小胞では、gp39発現Thは発見されなかった。したがっ
て、脾臓のPALSおよびTA中の活性化Th細胞に応答してB細胞が触発され
、その後に小胞および胚中心へ移動することが明らかである。
本研究の焦点は、TD体液性免疫のコントロールにおける抗gp39の潜在的
用途を明らかにすることであった。抗gp39を用いる簡便な治療処方によって
、この治療用抗体の魅力的な属性である、持続性の抑制が得られた。特に興味深
いことは、抗gp39が、他の異種治療用抗体(Chi−L6など)に対する一
次および二次体液性応答を予防する能力をもっていることである。このことによ
って、異種治療用抗体を患者に繰り返し投与できるようになる。実施例7
抗gp39抗体の産生および特徴付け実験1−ヒトgp39に対する抗体
ヒト被験者において抗原特異的なT細胞寛容を誘導するには、ヒトgp39に
対する抗体を投与するのが好ましい。マウス抗ヒトgp39モノクローナル抗体
を作製するため、以下の方法を用いた。Balb/cマウスを完全フロイントア
ジュバント(CFA)中の可溶性gp39融合タンパク質、gp39−CD8で
免疫した。引き続き、マウスを不完全フロイントアジュバント(IFA)中の可
溶性gp39−CD8で6週間後に攻撃した。二次免疫の4週間後に可溶性gp
39−CD8を可溶性の形態で与えた。ついで、2週間後にマウスを活性化ヒト
末梢血リンパ球でブースター処理し、ついでさらに2週間後に活性化gp39−
CD8で最後のブースター処理を行った。最後の免疫から4日目に標準プロトコ
ールに従って脾臓細胞をNS−1融合相手と融合させた。
抗gp39抗体を産生する細胞を、複数スクリーニング法に基づいて選択した
。クローンをまず、gp39−CD8を用いたプレート結合アッセイによりスク
リーニングした。ついで、陽性のクローンを対照のCD8融合タンパク質である
CD72−CD8に対してスクリーニングした。CD8−CD72プレート結合
アッセイで陽性とされたクローンを排除した。残ったクローンを、引き続き休止
およ
び6時間活性化ヒト末梢血リンパ球(PBL)上でスクリーニングし、ついでフ
ローサイトメトリー分析を行った。活性化されたPBLは染色するが休止PBL
は染色しないハイブリドーマを陽性とした。最後に、残りのクローンをgp39
の結合したプレートへのCD40Igの結合を阻止する能力について試験した。
プレート結合アッセイにおいて、約300クローンがgp39−CD8および
CD72−CD8に対して最初にスクリーニングされた。これらクローンのうち
、30のクローンはプレートに結合したgp39を検出するがCD8は検出しな
いことがわかった。引き続き、これらクローンを活性化ヒトPBL上のgp39
の検出についてスクリーニングした。約15のクローンが活性化PBL上の分子
を検出したが、休止細胞上の分子は検出しなかった。これらクローンがプレート
に結合したgp39のCD40Ig検出を阻止する能力を決定することにより特
異性をさらに確認した。10のクローンのうち3つのクローンが、このアッセイ
においてCD40Ig結合を阻止することが試験された。これらクローンは、3
E4、2H5および2H8であった。かかるクローンは本発明の方法に使用する
のに好ましい。活性化PBLでは陽性だが休止PBLでは陽性ではないと試験さ
れたクローンを、活性化されたラットT細胞クローンであるPOMC8との反応
性についてもスクリーニングした。クローン2H8はこのラットT細胞株との交
差反応性を示した。実験2−ヒトgp39に対する抗体
実験1と同様の免疫手順を用い、ヒトgp39に対する別の抗体を産生させた
。1匹のBalb/cマウスをCFA中の可溶性gp39−CD8で免疫し、つ
いで4週間後に6時間活性化ヒト末梢血リンパ球で攻撃した。脾臓細胞をNS−
1融合相手と標準プロトコールに従って融合させる4日前に、マウスを可溶性g
p39−CD8でブースター処理した。ハイブリドーマクローンのスクリーニン
グを6時間活性化ヒトPBLのフローサイトメトリー染色により行った。活性化
ヒトPBLは染色するが休止ヒトPBLは染色しないクローンを選択した。6つ
のクローン、4D9−8、4D9−9、24−31、24−43、89−76お
よび89−79を選択し、さらに分析した。
これら選択した抗体の特異性を幾つかのアッセイにより確認した。まず、フロ
ーサイトメトリー分析は、6つのすべてのmAbが活性化末梢血T細胞を染色す
るが休止末梢血T細胞は染色しないことを示した(代表的な例について図7Bお
よび7Cを参照、それぞれ、活性化T細胞の4D9−8および4D9−9による
染色を示す)。これら6つの抗体のそれぞれによって認識される分子の発現は、
活性化の4時間以内には検出可能であり、活性化の6〜8時間で最大であり、活
性化の24時間後には検出できない。6つのすべてのmAbは活性化CD3+P
BL上に発現される分子(主としてCD4+表現型の)を認識するが、CD8+
T細胞の一部もまた該分子を発現する。これら6つのmAbによって認識される
分子の発現は、gp39の発現と同様に培地中のシクロスポリンAの存在によっ
て抑制される(代表的な例について図8Aおよび8Bを参照、それぞれ、シクロ
スポリン処理T細胞の4D9−8および4D9−9による染色を示す)。これら
6つのmAbによって認識される分子の発現の動力学および分布は、ヒトCD4
0Igの融合タンパク質によって検出されるようにgp39のものと同一である
。加えて、これら6つのすべてのmAbはCD40Igによるgp39の染色を
阻止する(代表的な例について図9Aおよび9Bを参照、それぞれ、4D9−8
および4D9−9の存在下でのCD40Igによるgp39染色の抑制を示す)
。ELISAアッセイにおいて、これら6つのすべてのmAbは可溶性融合形態
のgp39分子であるgp39−CD8を認識する。さらに、これら6つのすべ
てのmAbは、35S−メチオニン標識した活性化ヒトPBLから約36kdの分
子を免疫沈降させる。この免疫沈降した分子は、ヒトCD40Ig融合タンパク
質によって沈降したものと同一である。
上記6つのの選択したmAb(4D9−8、4D9−9、24−31、24−
43、89−76および89−79)の機能的活性を以下のようにしてアッセイ
した。まず、IL−4および可溶性gp39とともに培養した精製ヒトB細胞の
増殖をmAbが抑制する能力を測定した。精製ヒトB細胞を、精製モノクローナ
ル抗体またはCD40Ig(0〜12.5μg/mlの範囲の投与量)の存在下
または不在下でgp39およびIL−4とともに培養した。培養3日後にチミジ
ン導入によりB細胞増殖を決定した。得られた結果(図10に示す)は、6つの
すべてのmAbがgp39およびIL−4によって誘導されるB細胞増殖を抑制
しうることを示している。mAb89−76および24−31は誘導B細胞増殖
の抑制において最も効果的であった。
つぎに、抗CD3抗体活性化T細胞およびIL−2によって誘導されるIg産
生により測定されるように、B細胞分化をmAbが抑制する能力を調べた。精製
IgD+ヒトB細胞をFACSによる陽性選択により調製し、ついで精製抗gp
39モノクローナル抗体(0〜10μg/mlの範囲の投与量)の存在下または
不在下、抗CD3抗体活性化ヒトT細胞(マイトマイシンC処理)およびIL−
2とともに6日間培養した。IgM、IgGおよびIgA産生を第6日目にEL
ISAにより評価した。得られた結果(下記表3に示す)は、IgM、IgGお
よびIgA産生によって測定されるように、これら6つのすべての抗体はT細胞
依存性B細胞分化を抑制しうることを示している。実験3−マウスgp39に対する抗体
本発明のひとつの具体例においては、gp39アンタゴニストは抗マウスgp
39モノクローナル抗体、MRIである。次の方法でMRIモノクローナル抗体
を産生し、それをgp39に対する他の抗体を産生するのに使用することができ
る。
5−106の活性化Th1細胞(d1.6)を週に一回の間隔で6週間腹腔内投
与して、ハムスターを免疫感作した。マウスTh1に対する血清の力価が、約1
:10,000より大きい場合、免疫感作ハムスターの脾細胞およびNS−1を
用いてポリエチレングリコールで細胞融合を行った。成長ハイブリドーマを含有
するウエルの上清のフローサイトメトリーを行い、静止期および活性化Th1を
スクリーニングした。MR1を誘導するために、選択的に活性化Thを認識する
Mabを産生する特別なハイブリドーマをさらに試験してサブクローニングを行
った。腹水中でMR1を産生し、イオン交換HPLCにて精製した。ハイブリド
ーマMR1は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託され、受
託番号HB11048を付与された。
下記の文献は、実施例および発明の詳細な説明中に、番号で引用したものであ
る。
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生存”「Science」257:789。等価物
当業者であれば、ルーチン実験のみを用いて、本発の特定の具体例に対する多
数の等価物について認識し、理解し得るであろう。このような等価物も本発明の
請求の範囲に包含されることを意図されている。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT,
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Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU
,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,
LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI
,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN