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JPH0938572A - 耐汚染性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 - Google Patents

耐汚染性に優れた表面処理金属板及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0938572A
JPH0938572A JP19871295A JP19871295A JPH0938572A JP H0938572 A JPH0938572 A JP H0938572A JP 19871295 A JP19871295 A JP 19871295A JP 19871295 A JP19871295 A JP 19871295A JP H0938572 A JPH0938572 A JP H0938572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
treated metal
film
resin
stain resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19871295A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Manabe
伸一 真鍋
Kenichi Kamiya
憲一 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP19871295A priority Critical patent/JPH0938572A/ja
Publication of JPH0938572A publication Critical patent/JPH0938572A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機物及び無機物に対する耐汚染性及び皮膜
の密着性に優れ、しかも低コスト且つ高生産性で製造し
て得ることが可能な表面処理金属板及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属板の表面に化学式R2Si(OR1)3で示さ
れる化合物及び/又は化学式R2R3Si(OR1)2で示される化
合物〔但し、R1はメチル基又はエチル基、R2、R3はアル
キル基又はそのハロゲン化物誘導体である。〕を有する
シリコーン樹脂を塗布し、乾燥することにより皮膜を形
成することを特徴とする表面処理金属板の製造方法、及
び、かかる製造方法により得られる表面処理金属板であ
って、金属板表面にシラノール結合を有する分子構造か
らなるシリコーン樹脂皮膜を有することを特徴とする表
面処理金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性に優れた
表面処理金属板及びその製造方法に関し、詳細には、表
面に耐汚染性皮膜を有する表面処理金属板及びその製造
方法に関し、特には、建材パネル、レンジフードカバー
や、家電製品、自動車等のシャーシパネルの如く、室内
室外を問わず汚染環境に曝されて使用される表面処理金
属板及びその製造方法に関する技術分野に属するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鋼板及びアルミニウム板に代表されるよ
うな金属板は、使用される環境における耐食性、耐熱
性、耐薬品性や、加工性等の様々な機能を付与するた
め、種々の無機化合物及び/又は有機化合物を用いた化
成処理や塗装処理等の様々な表面処理が施される。その
付与する機能の一つとして耐汚染性がある。即ち、金属
板表面が汚染されると美観が損なわれるのは勿論のこ
と、汚染された部分にて腐食が発生するという問題があ
り、その対策として耐汚染性の付与が行われる。
【0003】汚染には二種類あり、その一つは煤煙や油
分のような有機物によるもの、もう一つは砂塵や金属粉
のような無機物によるものである。この有機物による汚
染の防止方法としては、材料表面に極力有機物が付着し
ないように、材料の表面エネルギーを低下させる方法が
採られてきた。一方、無機物による汚染の防止方法とし
ては、この汚染原因は硬い砂塵や金属粉が材料表面に押
し込まれることにあることから、材料表面の硬度を高く
(硬く)するという方法が採られてきた。
【0004】このような耐汚染性を向上させる方法とし
て、これまで、様々な金属板の表面処理方法が提案され
ている。その詳細を以下説明する。 特許1161079 号、特許1549730 号、特開昭58-17747
5 号、特開平3-52976号、特開平3-224950号、特開平4-1
1671 号、特開平5-177766号公報では、フッ素樹脂及び
フッ素系界面活性剤を添加した樹脂を塗装した後、焼き
付けることにより、金属板表面に皮膜を形成させる方法
(以降、従来法Aという)が提案されている。 特許1101649 号、特開昭53-77234号、特開昭59-194
838 号、特開昭60-112865 号公報、特許1101649 号、特
開平2-103216号、特開平3-258374号、特開平3-261551
号、特開平4-284239号、特開平5-193017号、特開平5-28
5450号、特開平6-47340 号、特開平6-47341 号公報で
は、放射線、電子線、及び/又は、紫外線で樹脂を硬化
させることにより、金属板表面に皮膜を形成させる方法
(以降、従来法Bという)が提案されている。 特開昭54-127428 号、特開平4-135841号、特開平4-
146132号、特開平4-146133号、特開平4-146136号、特開
平4-146127号、特開平5-38782 号、特開平5-185555号、
特開平5-318654号、特開平6-23319 号、特開平6-8369号
公報では、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、PVC 樹脂等
のフイルムを金属板表面に接着させる方法(以降、従来
法Cという)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら従来
法においては次のような問題点がある。即ち、従来法A
においては、フッ素樹脂が高価であるためにコストが高
くつくこと、200 ℃以上の高温で焼き付けるために金属
板に歪みが生じ易いこと、皮膜が柔らかいために砂塵や
金属粉のような硬質な無機物の表面への押し込みには弱
いこと等の問題点がある。従来法Bにおいては、放射
線、電子線、及び/又は、紫外線で硬化する樹脂を用い
る必要があるが、その樹脂が高価であるためにコストが
高くつくこと、放射線、電子線、及び/又は、紫外線の
発生に大量の電気を使用するために生産コストが高くつ
くこと、形成される皮膜と金属板との密着性が不充分で
あること等の問題点がある。従来法Cにおいては、樹脂
フイルムを金属板表面に接着させるために、生産コスト
が高くつくこと、生産性が低いこと等の問題点がある。
【0006】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、前記従来法の有する問題点
を解消し、耐汚染性及び皮膜の密着性に優れ、しかも低
コスト且つ高生産性で製造して得ることが可能な表面処
理金属板及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る表面処理金属板及びその製造方法
は、請求項1〜4記載の表面処理金属板の製造方法、請
求項5〜8記載の表面処理金属板としており、それは次
のような構成としたものである。即ち、請求項1記載の
表面処理金属板の製造方法は、金属板の表面に下記化学
式(1) で示される化合物及び/又は化学式(2) で示され
る化合物を有するシリコーン樹脂を塗布し、乾燥するこ
とにより皮膜を形成することを特徴とする耐汚染性に優
れた表面処理金属板の製造方法である(第1発明)。 R2Si(OR1)3 ------ 化学式(1) R2R3Si(OR1)2 ------ 化学式(2) 但し、上記化学式において、R1はメチル基又はエチル
基、R2はアルキル基又はそのハロゲン化物誘導体、R3
アルキル基又はそのハロゲン化物誘導体である。
【0008】請求項2記載の表面処理金属板の製造方法
は、前記乾燥する際の乾燥温度が室温〜150 ℃である請
求項1記載の耐汚染性に優れた表面処理金属板の製造方
法である(第2発明)。請求項3記載の表面処理金属板
の製造方法は、前記シリコーン樹脂を塗布する前に下地
処理として金属板の表面にクロメート処理又は有機樹脂
被覆処理を施す請求項1又は2記載の耐汚染性に優れた
表面処理金属板の製造方法である(第3発明)。請求項
4記載の表面処理金属板の製造方法は、前記有機樹脂被
覆処理における有機樹脂がエポキシ系樹脂、ポリアクリ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂の1種又は2種以上から
なる請求項3記載の耐汚染性に優れた表面処理金属板の
製造方法である(第4発明)。
【0009】請求項5記載の表面処理金属板は、前記請
求項1、2、3又は4に記載の製造方法によって得られ
る耐汚染性に優れた表面処理金属板である(第5発
明)。請求項6記載の表面処理金属板は、金属板表面
に、シラノール結合を有する分子構造からなるシリコー
ン樹脂皮膜を有することを特徴とする耐汚染性に優れた
表面処理金属板である(第6発明)。請求項7記載の表
面処理金属板は、前記シリコーン樹脂皮膜と金属板との
間にクロメート皮膜を有する請求項6記載の耐汚染性に
優れた表面処理金属板である(第7発明)。請求項8記
載の表面処理金属板は、前記シリコーン樹脂皮膜と金属
板との間にエポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂の1種又は2種以上からなる有機樹脂皮
膜を有する請求項6記載の耐汚染性に優れた表面処理金
属板である(第8発明)。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は例えば次のようにして実
施する。先ず、下記化学式(1) で示される化合物及び/
又は化学式(2) で示される化合物を有するシリコーン樹
脂を準備する。 R2Si(OR1)3 ------ 化学式(1) R2R3Si(OR1)2 ------ 化学式(2) 但し、上記化学式において、R1はメチル基又はエチル
基、R2はアルキル基又はそのハロゲン化物誘導体、R3
アルキル基又はそのハロゲン化物誘導体である。次に、
金属板の表面に上記シリコーン樹脂を塗布した後、これ
を所定の乾燥温度、例えば80℃にして乾燥させることに
より、皮膜を形成させる。これにより、金属板の表面に
皮膜が形成された表面処理金属板が得られる。
【0011】このようにして形成された皮膜は耐汚染性
及び耐食性並びに密着性に優れているため、かかる皮膜
を有する表面処理金属板は耐汚染性及び耐食性に優れ、
又、皮膜と金属板との密着性に優れている。
【0012】この詳細を以下説明する。前記シリコーン
樹脂の塗布後の乾燥の過程において(により)、このシ
リコーン樹脂〔即ち、R2Si(OR1)3及び/又はR2R3Si(O
R1)2を有する〕は下記に示す反応式(但しR2R3Si(OR1)2
の場合は省略する。即ちR2Si(OR1)3=R2(OR1)1Si-O-R1
の場合のみを示す。)にて反応し、架橋が進み、皮膜と
なる。 R2(OR1)2Si-O-R1 + H2O = R2(OR1)2Si-OH + R1-OH --- 式 R2(OR1)2Si-OH + HO-SiR2(OR1)2 = R2(OR1)2-Si-O-Si-R2(OR1)2 + H2O --- 式
【0013】即ち、式にてシリコーン樹脂と水とが反
応し、脱メタノール(もしくは脱エタノール)反応が生
じ、シリコーン樹脂はヒドロキシル化(-OH )される。
その後、式にて、前記ヒドロキシル化されたシリコー
ン樹脂のヒドロキシル基間で脱水縮合が生じ、シラノー
ル結合(-Si-O-Si- )が生じる。以降、この、式の
反応が次々と生じ、上記シリコーン樹脂の構造中の-OR1
の部分でシラノール結合化していき皮膜となる。
【0014】ここで、シラノール結合は強固な結合であ
り、又、Siは硬い物質であるため、上記反応により形成
される皮膜は硬い皮膜となる。従って、砂塵や金属粉の
ような硬質な無機物の表面への押し込みに起因する汚染
を防ぐことが可能となり、かかる無機物に対する耐汚染
性を向上させることが可能となる。
【0015】また、上記、式にて皮膜が形成される
ときに、アルキル基又はそのハロゲン化物誘導体である
R2、アルキル基又はそのハロゲン化物誘導体であるR
3は、下記化学構造式に示すように皮膜最表面に密に
並んだ構造となるため、皮膜表面の表面エネルギーが極
端に低下する。従って、水ばかりでなく煤煙や油分も付
着し難い表面となり、かかる有機物に対する耐汚染性を
向上させることが可能となる。
【0016】更に、上記式にて生じるヒドロキシル化
されたシリコーン樹脂の一部のヒドロキシル基が金属表
面のヒドロキシル基との間で脱水縮合を生じ、 -Si-O-M
e(金属) の結合を生じるため、皮膜と金属表面との間で
優れた密着性を有する。
【0017】従って、上記のようにして形成される皮膜
は耐汚染性及び耐食性並びに密着性に優れているので、
かかる皮膜を有する表面処理金属板は耐汚染性及び耐食
性に優れ、又、皮膜と金属板との密着性に優れている。
本発明によれば、このように優れた特性を有する表面処
理金属板が得られる。
【0018】又、本発明は、R2Si(OR1)3及び/又はR2R3
Si(OR1)2を有するシリコーン樹脂の塗布、乾燥という簡
単な工程により表面処理金属板の製造ができること、及
び、このシリコーン樹脂は従来法Aに係るフッ素樹脂や
従来法Bに係る放射線等で硬化する特殊な樹脂と異な
り、一般的なものであって比較的低コストであることか
ら、従来法A、B及びCに比較して、低コスト且つ高生
産性で表面処理金属板を得ることができる。又、後述の
如く乾燥温度は室温等でよいので、従来法Aの如き高温
焼き付けによる金属板の歪みが生じない利点がある。
【0019】ところで、上記式の反応に関与する水は
空気中の水分を吸湿することにより付与されるため、
式の反応は室温で充分に進行する。また、式での脱メ
タノール反応(もしくは脱エタノール反応)により生じ
る R1-OH:メタノール(もしくはエタノール)の沸点は
64.7℃(78.3℃)であり、水の沸点は100 ℃であるた
め、これらの物質を皮膜中から除去するのには乾燥温
度:100 ℃にすれば充分であり、又、これらの物質は室
温でもある程度の時間で揮発し充分に除去可能である。
更に、乾燥温度を室温以下にしても皮膜形成は充分に可
能であるが、わざわざ室温以下の乾燥条件にすることは
無意味であり、冷却操作を要する他、生産性の低下を招
く。一方、乾燥温度を150 ℃以上に高くすると、上記
、式で生じる R1-OH、H2O(水) が急激に蒸発するた
め、シラノール結合により形成された皮膜の収縮が急激
に生じ、それにより皮膜にひび割れが入り易くなる。以
上の点から、乾燥温度は室温〜150 ℃にすることが望ま
しい(第2発明)。
【0020】前記シリコーン樹脂を塗布する前に下地処
理として金属板の表面にクロメート処理又は有機樹脂被
覆処理を施すことが望ましい(第3発明)。そうする
と、クロメート処理の場合はクロメート皮膜が形成さ
れ、この皮膜は表面に金属板表面よりも多くのヒドロキ
シル基を有するため、より多くの -Si-O-Me(金属) 即ち
-Si-O-Cr(クロメート皮膜) 結合を生じ、その結果、金
属表面(クロメート皮膜)とその上層の皮膜(耐汚染性
等を発揮する皮膜)との密着性がより向上し、又、耐食
性も向上する。一方、有機樹脂被覆処理の場合は有機樹
脂皮膜が形成され、この皮膜が上記クロメート皮膜の場
合と同様の作用効果を奏し、密着性がより向上し、又、
耐食性も向上する。但し、この場合、-Si-O-Cr結合では
なく、-Si-O-C(有機樹脂皮膜) 結合を生じる。
【0021】前記有機樹脂被覆処理における有機樹脂
は、エポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂の1種又は2種以上からなることが望ましい
(第4発明)。この場合、より多くの-Si-O-C 結合が生
じ、ひいては、密着性がより確実に向上する。
【0022】以上のような方法により得られる表面処理
金属板は、金属板表面に、シラノール結合を有する分子
構造からなるシリコーン樹脂皮膜を有している。そし
て、この皮膜は、前述の如く、シラノール結合が強固な
結合であることと、Siが硬い物質であることに起因して
硬く、そのため、砂塵や金属粉のような硬質な無機物に
対する耐汚染性に優れている。又、皮膜表面の表面エネ
ルギーが低いことに起因して有機物に対する耐汚染性に
優れており、更に、-Si-O-Me結合等に起因して密着性に
優れている。
【0023】従って、金属板表面に、シラノール結合を
有する分子構造からなるシリコーン樹脂皮膜を有するよ
うにした表面処理金属板は、砂塵や金属粉のような硬質
な無機物に対する耐汚染性、及び、有機物に対する耐汚
染性に優れ、又、その耐汚染性皮膜の密着性が優れて耐
久性に優れている(第6発明)。
【0024】かかる表面処理金属板において、シリコー
ン樹脂皮膜と金属板との間にクロメート皮膜を有するよ
うにすることは、前記第3発明の場合の説明からわかる
如く、耐汚染性皮膜の密着性をより向上させる点で好ま
しい(第7発明)。
【0025】又、シリコーン樹脂皮膜と金属板との間に
エポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂の1種又は2種以上からなる有機樹脂皮膜を有する
ようにすることは、前記第4発明の場合の説明からわか
る如く、耐汚染性皮膜の密着性をより向上させる点で好
ましい(第8発明)。
【0026】尚、本発明においてシリコーン樹脂はR2Si
(OR1)3及び/又はR2R3Si(OR1)2を有するシリコーン樹脂
であり、必ずR2Si(OR1)3、R2R3Si(OR1)2の1種又は2種
を含むものであるが、その他に必要に応じて有機系もし
くは無機系の架橋促進剤、架橋剤、脱水剤、着色剤等を
含むことができる。又、R2Si(OR1)3及び/又はR2R3Si(O
R1)2の量や、R2Si(OR1)3量とR2R3Si(OR1)2量との比率に
ついては特には限定されるものではない。
【0027】本発明に係る金属板の種類は特には限定さ
れるものではなく、鋼板、アルミニウム板、銅板、亜鉛
板及びその他の金属板を使用することができ、又、それ
らの大きさについても限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
(実施例1)アルミニウム合金板(材質:5000系合金、
厚さ:0.3 mm)について脱脂し、水洗した後、充分に乾
燥させた。しかる後、このアルミニウム合金板表面にR2
Si(OR1)3及びR2R3Si(OR1)2を有するシリコーン樹脂(信
越化学工業株式会社製)を乾燥後の膜厚が10μm となる
ように塗布した後、室温で10分間乾燥して皮膜を形成
し、表面処理金属板を得た。
【0029】(実施例2)塗布後の乾燥条件を前記室温
で10分間の条件に代えて100 ℃で1分間の条件とし、こ
の点を除き、実施例1と同様の方法により表面処理金属
板を得た。
【0030】(実施例3)前記シリコーン樹脂の塗布前
にアルミニウム合金板にCr量が20mg/m2 となるようにク
ロメート処理を施した。この点を除き、実施例1と同様
の方法により表面処理金属板を得た。
【0031】(実施例4)前記シリコーン樹脂の塗布前
にアルミニウム合金板にポリエポキシ系樹脂の被覆処理
を乾燥後の膜厚が3μm となるように施した。この点を
除き、実施例1と同様の方法により表面処理金属板を得
た。
【0032】(実施例5)前記シリコーン樹脂の塗布前
にアルミニウム合金板にポリアクリル系樹脂の被覆処理
を乾燥後の膜厚が3μm となるように施した。この点を
除き、実施例1と同様の方法により表面処理金属板を得
た。
【0033】(実施例6)前記シリコーン樹脂の塗布前
にアルミニウム合金板にポリウレタン系樹脂の被覆処理
を乾燥後の膜厚が3μm となるように施した。この点を
除き、実施例1と同様の方法により表面処理金属板を得
た。
【0034】(実施例7)シリコーン樹脂塗布後の乾燥
条件を実施例3での室温で10分間の条件に代えて200 ℃
で1分間の条件とし、この点を除き、実施例3と同様の
方法により表面処理金属板を得た。
【0035】(比較例1)アルミニウム合金板(材質:
5000系合金、厚さ:0.3 mm)について脱脂し、水洗した
後、充分に乾燥させた。次に、このアルミニウム合金板
にCr量が20mg/m2となるようにクロメート処理を施し
た。次に、その表面に合成樹脂プライマーを乾燥後の膜
厚が5μm となるように塗布した後、220 ℃で1分間乾
燥してプライマー皮膜を形成した。しかる後、フッ素樹
脂塗料を乾燥後の膜厚が10μm となるように塗布した
後、230 ℃で1分間乾燥して皮膜を形成し、表面処理金
属板を得た。
【0036】(比較例2)前記フッ素樹脂塗料に代えて
ポリエステル系樹脂塗料を用い、この点を除き、比較例
1と同様の方法により表面処理金属板を得た。
【0037】(比較例3)前記比較例1と同様の脱脂、
水洗、乾燥、そしてクロメート処理が施されたアルミニ
ウム合金板にアクリレート系紫外線硬化型塗料を乾燥後
の膜厚が10μm となるように塗布した後、紫外線を5秒
間照射して皮膜を形成し、表面処理金属板を得た。
【0038】(評価試験)上記実施例1〜7、比較例1
〜3に係る表面処理金属板について、下記の如き各種評
価試験を行った。
【0039】(1) 有機物に対する耐汚染性の評価試験 油はじき性評価試験 水平放置:表面処理金属板の表面に鉱物油(粘度:8cS
t)を滴下し、この金属板を水平に放置した状態で、鉱物
油のはじき性を評価した。評価結果は、水玉状に集まる
場合を○、若干水玉状に集まる場合を△、拡がる場合を
×で示した。垂直放置:表面処理金属板の表面に鉱物油
(粘度:8cSt)を滴下し、この金属板を垂直に放置した
状態で、鉱物油の流れ落ち性を評価した。評価結果は、
流れ落ちる場合を○、垂れる場合を×で示した。 マジック不描性評価試験 表面処理金属板の表面を黒色油性マジックで線引きし、
マジックのはじき具合で評価した。評価結果は、完全に
はじくものを○、少しはじくものを△、はじかないもの
を×で示した。 耐マジック汚染性評価試験 a.水拭き試験:表面処理金属板の表面を黒色油性マジ
ックで線引きし、15分間放置した後、水にひたしたガー
ゼにて上記線引き部分を10回拭き取った。そしてマジッ
クの残存状況にて評価した。評価結果は、完全に取れ痕
跡の残らないものを○、取れて痕跡が僅かに残るものを
△、取れないものを×で示した。 b.ベンジン拭き試験:上記水にひたしたガーゼに代え
てベンジンにひたしたガーゼを用い、上記と同様の方法
により同様の評価を行った。
【0040】(2) 表面硬度の評価試験(無機物に対する
耐汚染性の評価試験の一種) JIS 規格のK5400 の鉛筆引掻き試験方法により、表面鉛
筆硬度を測定し、表面処理金属板の表面硬度を評価し
た。
【0041】(3) 表面処理皮膜の密着性の評価試験 表面処理金属板の表面に刃物でクロスカットを入れ、そ
の部分にセロハンテープをはった後、一気に引き剥がす
こと(クロスカットテープ剥離試験)により、表面処理
皮膜の密着性を評価した。評価結果は、剥離の無いもの
を○、若干剥離部分が認められるものを△、完全に剥離
するものを×で示した。
【0042】(4) 耐食性の評価試験 JIS Z2371 の塩水噴霧試験(連続噴霧1000時間)、JIS
H8681 のCASS試験(連続噴霧 200時間)を行った。評価
結果は、レイティングナンバーにて示した。
【0043】
【表1】
【0044】(評価試験結果)上記評価試験結果をまと
めて表1に示す。表1からわかる如く、実施例1〜6に
係る表面処理金属板は、油はじき性、マジック不描性及
び耐マジック汚染性が良好(○)であり、有機物に対す
る耐汚染性に優れており、又、鉛筆引掻き試験での鉛筆
硬度が7Hであって皮膜表面硬度が高く、無機物に対す
る耐汚染性にも優れている。又、密着性及び耐食性も良
好である。中でも、実施例3、4〜6の場合は、実施例
1、2よりも密着性及び耐食性に優れていた。
【0045】実施例7に係る表面処理金属板は、シリコ
ーン樹脂塗布後の乾燥温度が高い(200℃)ことに起因し
て皮膜に微小なクラックが多数発生し、そのため、密着
性が低く(△)、又、耐食性も若干低いが、有機物及び
無機物に対する耐汚染性は実施例1〜6の場合と同様に
優れている。
【0046】比較例1に係る表面処理金属板は、有機物
に対する耐汚染性は良好(○)であるが、鉛筆引掻き試
験での鉛筆硬度が2Hであって皮膜表面硬度が低く、無
機物に対する耐汚染性が不充分である。比較例2に係る
表面処理金属板は、油がはじかず(×)、マジックがは
じき難く(△)、又、マジックが水拭き試験で取れず
(×)、有機物に対する耐汚染性が不充分である。又、
鉛筆硬度が3Hであって皮膜表面硬度が低く、無機物に
対する耐汚染性が不充分である。比較例3に係る表面処
理金属板は、有機物に対する耐汚染性が不充分(△)で
あり、又、密着性が悪い(×)。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、有機物及び無機物に対
する耐汚染性、耐食性及び皮膜の密着性に優れた表面処
理金属板が得られ、しかも、かかる優れた特性を有する
表面処理金属板を低コスト且つ高生産性で得ることがで
きるようになる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面に下記化学式(1) で示され
    る化合物及び/又は化学式(2) で示される化合物を有す
    るシリコーン樹脂を塗布し、乾燥することにより皮膜を
    形成することを特徴とする耐汚染性に優れた表面処理金
    属板の製造方法。 R2Si(OR1)3 ------ 化学式(1) R2R3Si(OR1)2 ------ 化学式(2) 但し、上記化学式において、R1はメチル基又はエチル
    基、R2はアルキル基又はそのハロゲン化物誘導体、R3
    アルキル基又はそのハロゲン化物誘導体である。
  2. 【請求項2】 前記乾燥する際の乾燥温度が室温〜150
    ℃である請求項1記載の耐汚染性に優れた表面処理金属
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコーン樹脂を塗布する前に下地
    処理として金属板の表面にクロメート処理又は有機樹脂
    被覆処理を施す請求項1又は2記載の耐汚染性に優れた
    表面処理金属板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機樹脂被覆処理における有機樹脂
    がエポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン
    系樹脂の1種又は2種以上からなる請求項3記載の耐汚
    染性に優れた表面処理金属板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1、2、3又は4に記載の製
    造方法によって得られる耐汚染性に優れた表面処理金属
    板。
  6. 【請求項6】 金属板表面に、シラノール結合を有する
    分子構造からなるシリコーン樹脂皮膜を有することを特
    徴とする耐汚染性に優れた表面処理金属板。
  7. 【請求項7】 前記シリコーン樹脂皮膜と金属板との間
    にクロメート皮膜を有する請求項6記載の耐汚染性に優
    れた表面処理金属板。
  8. 【請求項8】 前記シリコーン樹脂皮膜と金属板との間
    にエポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン
    系樹脂の1種又は2種以上からなる有機樹脂皮膜を有す
    る請求項6記載の耐汚染性に優れた表面処理金属板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221201A (ja) * 2007-02-16 2008-09-25 Fujifilm Corp 親水性部材及びその製造方法

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