JPH09323485A - 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 - Google Patents
溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法Info
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- JPH09323485A JPH09323485A JP8142888A JP14288896A JPH09323485A JP H09323485 A JPH09323485 A JP H09323485A JP 8142888 A JP8142888 A JP 8142888A JP 14288896 A JP14288896 A JP 14288896A JP H09323485 A JPH09323485 A JP H09323485A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 受容層表面の気孔径の制御が容易となり、記
録濃度が高く、階調再現性、ドット再現性およびカラー
鮮明性に優れる溶融転写型インク受像シートを提供す
る。 【解決手段】 シート状支持体と、この支持体の一面上
に、水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液から形成さ
れた多孔性インク受容層とを有し、前記水分散型樹脂の
過マンガン酸カリウム法による保水値が、固形分濃度3
8重量%において5から450秒の範囲にあり、かつ、
前記多孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が0.5
から30μmの範囲にある溶融転写型インク受像シート
およびその製造方法。
録濃度が高く、階調再現性、ドット再現性およびカラー
鮮明性に優れる溶融転写型インク受像シートを提供す
る。 【解決手段】 シート状支持体と、この支持体の一面上
に、水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液から形成さ
れた多孔性インク受容層とを有し、前記水分散型樹脂の
過マンガン酸カリウム法による保水値が、固形分濃度3
8重量%において5から450秒の範囲にあり、かつ、
前記多孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が0.5
から30μmの範囲にある溶融転写型インク受像シート
およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融転写型インク
受像シートおよびその製造方法に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は熱ヘッドを用いる溶融
転写型熱転写用プリンターに使用されたとき、記録濃度
が高く、階調再現性、ドット再現性およびカラー画像の
鮮明性が優れたプリントインク画像が得られる溶融転写
型インク受像シートおよびその製造方法に関するもので
ある。
受像シートおよびその製造方法に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は熱ヘッドを用いる溶融
転写型熱転写用プリンターに使用されたとき、記録濃度
が高く、階調再現性、ドット再現性およびカラー画像の
鮮明性が優れたプリントインク画像が得られる溶融転写
型インク受像シートおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱転写インクシートとサーマルヘッドと
を利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守が
容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリなどの
プリンターに広く用いられており、この記録方式に用い
られる溶融転写型インク受像シート(受像シート)とし
ては上質紙が使用されてきた。しかし近年、熱転写記録
のフルカラー化に伴い従来より高い階調再現性を得るた
め、プリンターにおいてはひとつのドットの大きさを変
えずに階調を得る従来の方法から、各ドットの大きさを
変更するドット可変方式に移行しており、また受像シー
トにおいては、低い印加エネルギーから高い印加エネル
ギーにわたるフルカラー記録において、溶融転写された
インクのドット形状が忠実に再現されるドット再現性に
優れ、かつ十分な量のインクが転写され、記録濃度が高
いことが記録画像の重要な品質として要求されるように
なっている。
を利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守が
容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリなどの
プリンターに広く用いられており、この記録方式に用い
られる溶融転写型インク受像シート(受像シート)とし
ては上質紙が使用されてきた。しかし近年、熱転写記録
のフルカラー化に伴い従来より高い階調再現性を得るた
め、プリンターにおいてはひとつのドットの大きさを変
えずに階調を得る従来の方法から、各ドットの大きさを
変更するドット可変方式に移行しており、また受像シー
トにおいては、低い印加エネルギーから高い印加エネル
ギーにわたるフルカラー記録において、溶融転写された
インクのドット形状が忠実に再現されるドット再現性に
優れ、かつ十分な量のインクが転写され、記録濃度が高
いことが記録画像の重要な品質として要求されるように
なっている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写方式において
通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起
因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の
不足によるドット再現性不良が発生することがある。ま
た、その表面が粗すぎる場合には、インクが転写されな
い部分を生じる現象、すなわちヌケが発生したり、逆に
表面が平滑すぎる場合には、インクの投錨効果が不十分
になり、転写されたインクがインクリボンに逆転写され
てしまう現象、すなわちヌケが発生しやすくなる。これ
らはいずれもドット再現性不良の原因となる。上記のよ
うなドット再現性の不良に起因する記録濃度の低下の他
に、溶融インク受像層のインク吸収性の低さに起因する
記録濃度の低下も発生することがある。
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写方式において
通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起
因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の
不足によるドット再現性不良が発生することがある。ま
た、その表面が粗すぎる場合には、インクが転写されな
い部分を生じる現象、すなわちヌケが発生したり、逆に
表面が平滑すぎる場合には、インクの投錨効果が不十分
になり、転写されたインクがインクリボンに逆転写され
てしまう現象、すなわちヌケが発生しやすくなる。これ
らはいずれもドット再現性不良の原因となる。上記のよ
うなドット再現性の不良に起因する記録濃度の低下の他
に、溶融インク受像層のインク吸収性の低さに起因する
記録濃度の低下も発生することがある。
【0004】これらの問題を解決する試みとして、支持
体上に中空粒子を含有するアンダーコート層を設けるこ
とが提案されている(特開平2−89690号公報、特
開昭64−27996号公報)。しかし、この試みで
は、受像シートのクッション性や断熱性の改善において
未だ不十分なものであった。また、この試みには、中空
粒子が受容層の有機溶媒などに溶解する場合には、耐有
機溶剤性の高分子を中空粒子の接着剤として使用する
か、あるいは中空粒子を含む層上に耐有機溶剤性の高分
子層を設けることが必要となり製造上の問題を提起して
いる。
体上に中空粒子を含有するアンダーコート層を設けるこ
とが提案されている(特開平2−89690号公報、特
開昭64−27996号公報)。しかし、この試みで
は、受像シートのクッション性や断熱性の改善において
未だ不十分なものであった。また、この試みには、中空
粒子が受容層の有機溶媒などに溶解する場合には、耐有
機溶剤性の高分子を中空粒子の接着剤として使用する
か、あるいは中空粒子を含む層上に耐有機溶剤性の高分
子層を設けることが必要となり製造上の問題を提起して
いる。
【0005】上記問題を解決するための他の試みとして
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水中に溶出する成分を含む樹脂層を形成し、この樹脂層
から水溶性成分を溶出除去して微細孔を形成させ、それ
によって受像シートのインク受容能力を向上させること
も提案されている(特開平2−41287号公報)。し
かしこの場合、最高濃度が未だ不十分であり、あるいは
印画像に光沢がないなどの欠点があり、受像シートに対
して高まりつつある要求品質を満足するには至っていな
い。また、この受像シートはプラスチックを主成分とし
ているため資源のリサイクルが困難である。
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水中に溶出する成分を含む樹脂層を形成し、この樹脂層
から水溶性成分を溶出除去して微細孔を形成させ、それ
によって受像シートのインク受容能力を向上させること
も提案されている(特開平2−41287号公報)。し
かしこの場合、最高濃度が未だ不十分であり、あるいは
印画像に光沢がないなどの欠点があり、受像シートに対
して高まりつつある要求品質を満足するには至っていな
い。また、この受像シートはプラスチックを主成分とし
ているため資源のリサイクルが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解消し、熱転写カラープリンターに使用し
たときに、階調再現性、ドット再現性およびカラー画像
の鮮明性に優れ、かつ記録濃度の高いインク画像記録が
得られる溶融転写型インク受像シートを提供しようとす
るものである。
上記問題点を解消し、熱転写カラープリンターに使用し
たときに、階調再現性、ドット再現性およびカラー画像
の鮮明性に優れ、かつ記録濃度の高いインク画像記録が
得られる溶融転写型インク受像シートを提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融転写型イン
ク受像シートは、シート状支持体と、この支持体の一面
上に、水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液から形成
された多孔性インク受容層とを有し、前記水分散型樹脂
の過マンガン酸カリウム法による保水値が、固形分濃度
38重量%において5から450秒の範囲にあり、か
つ、前記多孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が
0.5から30μmの範囲にあることを特徴とするもの
である。さらに、本発明の溶融転写型インク受像シート
においては、前記水分散型樹脂が、ポリウレタン、スチ
レン−アクリル共重合体、およびスチレン−ブタジエン
共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ま
しい。
ク受像シートは、シート状支持体と、この支持体の一面
上に、水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液から形成
された多孔性インク受容層とを有し、前記水分散型樹脂
の過マンガン酸カリウム法による保水値が、固形分濃度
38重量%において5から450秒の範囲にあり、か
つ、前記多孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が
0.5から30μmの範囲にあることを特徴とするもの
である。さらに、本発明の溶融転写型インク受像シート
においては、前記水分散型樹脂が、ポリウレタン、スチ
レン−アクリル共重合体、およびスチレン−ブタジエン
共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ま
しい。
【0008】また、本発明の溶融転写型インク受像シー
トの製造方法は、過マンガン酸カリウム法による保水値
が固形分濃度38重量%において5から450秒の範囲
にある水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液に機械的
攪拌を施して、発泡倍率(一定重量の塗料で比較した発
泡前後の体積比)が1倍を越え10倍以下の多数の微細
気泡を形成させた樹脂含有液を、シート状支持体の一面
上に塗工、乾燥して、表面の平均気孔直径が0.5から
30μmの範囲にある多孔性インク受容層を形成するこ
とを特徴とするものである。
トの製造方法は、過マンガン酸カリウム法による保水値
が固形分濃度38重量%において5から450秒の範囲
にある水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液に機械的
攪拌を施して、発泡倍率(一定重量の塗料で比較した発
泡前後の体積比)が1倍を越え10倍以下の多数の微細
気泡を形成させた樹脂含有液を、シート状支持体の一面
上に塗工、乾燥して、表面の平均気孔直径が0.5から
30μmの範囲にある多孔性インク受容層を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記目的を達成すべ
く鋭意検討した結果、溶融熱転写プリンターによる記録
において、特定の保水値を有する水分散型樹脂を主成分
とする樹脂含有液に機械的攪拌を施してシート状支持体
の一面上に塗工、乾燥することにより形成された多数の
微細気孔を有している多孔性インク受容層を有する受像
シートを用いることにより、ドット再現性、階調再現性
およびカラー画像の鮮明性などの優れた高濃度記録が実
現できることを見出し、本発明を完成するに至った。本
発明において、シート状支持体上に形成される多孔性イ
ンク受容層は、水分散型樹脂、または水分散型樹脂およ
び顔料を主成分として含むものである。このような多孔
性インク受容層は、水分散型樹脂、または水分散型樹脂
と顔料との混合物を含む液状物に、機械的撹拌を施して
これに微細な多数の気泡を形成分散含有させ、この気泡
含有樹脂含有液を支持体上に塗工、乾燥して形成するこ
とができる。ここで水分散型樹脂とは、親水基を含み、
そのため水中に安定に分散することが可能な樹脂を意味
するものである。
く鋭意検討した結果、溶融熱転写プリンターによる記録
において、特定の保水値を有する水分散型樹脂を主成分
とする樹脂含有液に機械的攪拌を施してシート状支持体
の一面上に塗工、乾燥することにより形成された多数の
微細気孔を有している多孔性インク受容層を有する受像
シートを用いることにより、ドット再現性、階調再現性
およびカラー画像の鮮明性などの優れた高濃度記録が実
現できることを見出し、本発明を完成するに至った。本
発明において、シート状支持体上に形成される多孔性イ
ンク受容層は、水分散型樹脂、または水分散型樹脂およ
び顔料を主成分として含むものである。このような多孔
性インク受容層は、水分散型樹脂、または水分散型樹脂
と顔料との混合物を含む液状物に、機械的撹拌を施して
これに微細な多数の気泡を形成分散含有させ、この気泡
含有樹脂含有液を支持体上に塗工、乾燥して形成するこ
とができる。ここで水分散型樹脂とは、親水基を含み、
そのため水中に安定に分散することが可能な樹脂を意味
するものである。
【0010】本発明における優れた溶融インク転写適性
の発現メカニズムは、多孔性インク受容層および受像シ
ートの構造的特性、圧縮特性などの物理的特性が関与し
ているものと考えられる。構造特性の面においては、支
持体上に形成された本多孔性インク受像層の表面には微
細な孔が多数存在するために、毛細管力による溶融イン
クの吸収があること、さらには多孔性インク受像層内に
含有されている多数の気孔が相互に連通している(連続
気泡を構成している)ので、多孔性インク受像層内への
溶融インクの浸透性が良好となって、高いインク受容能
力を発現すると考えられる。
の発現メカニズムは、多孔性インク受容層および受像シ
ートの構造的特性、圧縮特性などの物理的特性が関与し
ているものと考えられる。構造特性の面においては、支
持体上に形成された本多孔性インク受像層の表面には微
細な孔が多数存在するために、毛細管力による溶融イン
クの吸収があること、さらには多孔性インク受像層内に
含有されている多数の気孔が相互に連通している(連続
気泡を構成している)ので、多孔性インク受像層内への
溶融インクの浸透性が良好となって、高いインク受容能
力を発現すると考えられる。
【0011】この点において、受像シート上に形成され
た多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさは重要であ
る。すなわち、溶融インクを転写したとき、良好な画像
を本発明の受像シート上に形成するには、多孔性インク
受容層の表面の平均気孔直径が0.5から30μmの範
囲にあることが必要であり、好ましくは0.5から20
μmの範囲である。気孔直径は、その大きさ(サイズ)
に起因する毛細管現象により溶融インクを捕獲する能力
と関係しており、気孔が小さいほどその能力は大きい。
気孔のサイズが過大になると、気孔内に転写インクが埋
没したり、インクリボンと多孔性インク受容層表面との
良好な接触を阻害するために転写不良あるいは転写むら
の原因となり、またドット再現不良を起こして良好な画
像が形成できなくなる。なお、多孔性インク受容層表面
の気孔直径は、光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡写
真と画像解析装置を用いて、計測することが可能であ
る。
た多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさは重要であ
る。すなわち、溶融インクを転写したとき、良好な画像
を本発明の受像シート上に形成するには、多孔性インク
受容層の表面の平均気孔直径が0.5から30μmの範
囲にあることが必要であり、好ましくは0.5から20
μmの範囲である。気孔直径は、その大きさ(サイズ)
に起因する毛細管現象により溶融インクを捕獲する能力
と関係しており、気孔が小さいほどその能力は大きい。
気孔のサイズが過大になると、気孔内に転写インクが埋
没したり、インクリボンと多孔性インク受容層表面との
良好な接触を阻害するために転写不良あるいは転写むら
の原因となり、またドット再現不良を起こして良好な画
像が形成できなくなる。なお、多孔性インク受容層表面
の気孔直径は、光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡写
真と画像解析装置を用いて、計測することが可能であ
る。
【0012】本発明における多孔性インク受容層の表面
の気孔の大きさは、気泡形成・分散処理前の水分散型樹
脂含有混合液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、
気泡、塗工、乾燥後に多孔性インク受容層中の膜厚さに
直接関係する成分として残存する量、あるいは発泡倍
率、塗工方式など、種々の要因によって影響されること
が多いので適正な条件の設定が必要である。前記気孔の
大きさは、特に、機械的撹拌によって得た気泡含有樹脂
液中の気泡の大きさとも関係しており、おおむね樹脂含
有液中の気泡が小さいほど、塗工、乾燥後のインク受容
層表面の気孔も小さくなるので、水分散型樹脂含有混合
液の気泡含有状態には特に制限はないものの、前記の多
孔性インク受容層の表面と同じ大きさ、すなわち平均直
径が0.5から30μmの微細気泡が分散、混合されて
いることが好ましく、より好ましくは、平均直径が0.
5から20μmの範囲にあるのが良い。含有された気泡
の大きさは、その一部を光学顕微鏡で写真撮影し、画像
解析装置で計測することが可能である。
の気孔の大きさは、気泡形成・分散処理前の水分散型樹
脂含有混合液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、
気泡、塗工、乾燥後に多孔性インク受容層中の膜厚さに
直接関係する成分として残存する量、あるいは発泡倍
率、塗工方式など、種々の要因によって影響されること
が多いので適正な条件の設定が必要である。前記気孔の
大きさは、特に、機械的撹拌によって得た気泡含有樹脂
液中の気泡の大きさとも関係しており、おおむね樹脂含
有液中の気泡が小さいほど、塗工、乾燥後のインク受容
層表面の気孔も小さくなるので、水分散型樹脂含有混合
液の気泡含有状態には特に制限はないものの、前記の多
孔性インク受容層の表面と同じ大きさ、すなわち平均直
径が0.5から30μmの微細気泡が分散、混合されて
いることが好ましく、より好ましくは、平均直径が0.
5から20μmの範囲にあるのが良い。含有された気泡
の大きさは、その一部を光学顕微鏡で写真撮影し、画像
解析装置で計測することが可能である。
【0013】本発明に用いられる水分散型樹脂は、その
固形分濃度を38重量%に調節したときの過マンガン酸
カリウム法による保水値が5から450秒の範囲にある
ことが重要であり、好ましくは、50から450秒の範
囲である。保水値測定用の水分散型樹脂の固形分濃度に
ついては、濃度が高過ぎる場合には測定時間が不必要に
長くなり、一方、濃度が低過ぎる場合には測定精度が下
がることから、本発明においては、38重量%が最適で
あると判断される。保水値が5秒未満の水分散型樹脂の
場合には、その樹脂含有液に機械的攪拌を施して、形
成、分散した気泡の安定性が悪化して(破泡や気泡同士
の合一が起こり易い)、微細気泡が保持され難くなる。
その結果、好ましい多孔性インク受容層の表面上の気孔
直径が得られず、溶融型熱転写受像シートの記録性能が
低下する。一方、保水値が450秒を越える水分散型樹
脂を用いた樹脂含有液の場合には、気泡の安定性に問題
はないものの、気泡の形成、分散に伴って気泡含有樹脂
液の粘度が攪拌処理前よりも、大きく上昇したり、極端
な場合にはゲル化したりすることがある。その結果、支
持体一面上への塗工性が悪化して、塗工ムラを生じた
り、塗工不能になるなどの問題が起こることがある。ま
た機械的攪拌処理のため消費されるエネルギーが過大に
なるので、経済的および省エネルギーの観点からは不利
になる。
固形分濃度を38重量%に調節したときの過マンガン酸
カリウム法による保水値が5から450秒の範囲にある
ことが重要であり、好ましくは、50から450秒の範
囲である。保水値測定用の水分散型樹脂の固形分濃度に
ついては、濃度が高過ぎる場合には測定時間が不必要に
長くなり、一方、濃度が低過ぎる場合には測定精度が下
がることから、本発明においては、38重量%が最適で
あると判断される。保水値が5秒未満の水分散型樹脂の
場合には、その樹脂含有液に機械的攪拌を施して、形
成、分散した気泡の安定性が悪化して(破泡や気泡同士
の合一が起こり易い)、微細気泡が保持され難くなる。
その結果、好ましい多孔性インク受容層の表面上の気孔
直径が得られず、溶融型熱転写受像シートの記録性能が
低下する。一方、保水値が450秒を越える水分散型樹
脂を用いた樹脂含有液の場合には、気泡の安定性に問題
はないものの、気泡の形成、分散に伴って気泡含有樹脂
液の粘度が攪拌処理前よりも、大きく上昇したり、極端
な場合にはゲル化したりすることがある。その結果、支
持体一面上への塗工性が悪化して、塗工ムラを生じた
り、塗工不能になるなどの問題が起こることがある。ま
た機械的攪拌処理のため消費されるエネルギーが過大に
なるので、経済的および省エネルギーの観点からは不利
になる。
【0014】過マンガン酸カリウム法による保水値の測
定は、界面活性剤の分野において一般的に行われている
方法であり、例えば、一定サイズのろ紙を用いて、その
四周を内側に折った後に、シャーレに入れた一定固形分
濃度の水分散型樹脂上に浮かべ、このろ紙面上に、粉末
状の過マンガン酸カリウム0.1g程度を振りまき、水
分散型樹脂中(特にろ紙との界面部分)の水分が徐々に
吸い上げられ、ろ紙を透過して粉末状過マンガン酸カリ
ウムを赤色に溶かすまでの時間(秒)を測定して保水値
が求められる。
定は、界面活性剤の分野において一般的に行われている
方法であり、例えば、一定サイズのろ紙を用いて、その
四周を内側に折った後に、シャーレに入れた一定固形分
濃度の水分散型樹脂上に浮かべ、このろ紙面上に、粉末
状の過マンガン酸カリウム0.1g程度を振りまき、水
分散型樹脂中(特にろ紙との界面部分)の水分が徐々に
吸い上げられ、ろ紙を透過して粉末状過マンガン酸カリ
ウムを赤色に溶かすまでの時間(秒)を測定して保水値
が求められる。
【0015】一般に、保水値は水和力あるいは水分子の
捕獲のし易さなどを示す値で、樹脂中のヒドロキシル基
やその他の極性基などの親水基の存在量、あるいは分子
量、架橋構造などに起因するものである。水分散型樹脂
の保水性のコントロールについて、特に水和力を高める
ための合成方法としては、ヒドロキシル基やカルンボキ
シル基などを導入する方法があり、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸塩などのような構造を含むも
のが示される。また分子量が大きいほど、あるいは架橋
度が高い程、保水性は高くなる傾向がある。
捕獲のし易さなどを示す値で、樹脂中のヒドロキシル基
やその他の極性基などの親水基の存在量、あるいは分子
量、架橋構造などに起因するものである。水分散型樹脂
の保水性のコントロールについて、特に水和力を高める
ための合成方法としては、ヒドロキシル基やカルンボキ
シル基などを導入する方法があり、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸塩などのような構造を含むも
のが示される。また分子量が大きいほど、あるいは架橋
度が高い程、保水性は高くなる傾向がある。
【0016】保水値が5から450秒の範囲にある水分
散型樹脂としては、特に限定するものではないが、例え
ば、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体(S
BRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体(NBRラテックス)、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体(MBRラテックス)、スチレン−ア
クリル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタク
リル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリ
デンなどの水分散型樹脂などから選択して用いられる。
これらの中でも、ポリウレタン、スチレン−アクリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などが好ましく
用いられる。これらの水分散型樹脂は必要に応じて、単
独または2種類以上混合して使用することができる。具
体例としては、ゼネカ(株)製のポリウレタン樹脂(商
標:NeoRezR−9637、保水値420秒)、荒
川化学工業(株)製のスチレン−アクリル共重合体樹脂
(商標:KG−2010、保水値85秒)、旭化成工業
(株)製のSBRラテックス(商標:L−1763、保
水値6秒)などが挙げられる。
散型樹脂としては、特に限定するものではないが、例え
ば、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体(S
BRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体(NBRラテックス)、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体(MBRラテックス)、スチレン−ア
クリル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタク
リル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリ
デンなどの水分散型樹脂などから選択して用いられる。
これらの中でも、ポリウレタン、スチレン−アクリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などが好ましく
用いられる。これらの水分散型樹脂は必要に応じて、単
独または2種類以上混合して使用することができる。具
体例としては、ゼネカ(株)製のポリウレタン樹脂(商
標:NeoRezR−9637、保水値420秒)、荒
川化学工業(株)製のスチレン−アクリル共重合体樹脂
(商標:KG−2010、保水値85秒)、旭化成工業
(株)製のSBRラテックス(商標:L−1763、保
水値6秒)などが挙げられる。
【0017】本発明において階調再現性、ドット再現
性、カラー鮮明性などにおいて特に優れた効果の得られ
る理由については、保水値が5から450秒の範囲にあ
る保水性の高い水分散型樹脂を用いることにより、気泡
の合一が抑制され大きな気孔の生成が抑制され、表面の
平均孔径が小さく保たれ、かつ分布も良好な多孔性イン
ク受容層が形成されるためと考えられる。つまり、保水
性の不十分な水分散型樹脂を用いた場合、泡は泡膜間の
液体(水)の急激な移動(泡膜間の圧力差に起因する移
動、乾燥過程における蒸発、原紙への水分浸透など)に
より合一する傾向を有するが、泡膜間に保水性の高い物
質があれば、この急激な水分移動が緩和され泡の合一を
抑制できるものと考えられる。結果として、例えば特定
の発泡倍率において、最終的に得られる多孔性インク受
容層表面の気孔径をコントロールすることも容易とな
る。
性、カラー鮮明性などにおいて特に優れた効果の得られ
る理由については、保水値が5から450秒の範囲にあ
る保水性の高い水分散型樹脂を用いることにより、気泡
の合一が抑制され大きな気孔の生成が抑制され、表面の
平均孔径が小さく保たれ、かつ分布も良好な多孔性イン
ク受容層が形成されるためと考えられる。つまり、保水
性の不十分な水分散型樹脂を用いた場合、泡は泡膜間の
液体(水)の急激な移動(泡膜間の圧力差に起因する移
動、乾燥過程における蒸発、原紙への水分浸透など)に
より合一する傾向を有するが、泡膜間に保水性の高い物
質があれば、この急激な水分移動が緩和され泡の合一を
抑制できるものと考えられる。結果として、例えば特定
の発泡倍率において、最終的に得られる多孔性インク受
容層表面の気孔径をコントロールすることも容易とな
る。
【0018】本発明の多孔性インク受容層においては、
必要に応じて顔料を用いることも可能であり、例えば酸
化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、
クレー、タルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム、リトポン、コロイダルシリカなど
の無機顔料、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体など
の真球、中空あるいは、さまざまな形状に加工されたタ
イプのプラスチックピグメントと称される有機顔料やデ
ンプン粉末、セルロース粉末などを用いることができる
が、これらに限定されるものではない。また、これらの
顔料は必要に応じて単独でまたは2種以上混合して使用
することができる。
必要に応じて顔料を用いることも可能であり、例えば酸
化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、
クレー、タルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム、リトポン、コロイダルシリカなど
の無機顔料、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体など
の真球、中空あるいは、さまざまな形状に加工されたタ
イプのプラスチックピグメントと称される有機顔料やデ
ンプン粉末、セルロース粉末などを用いることができる
が、これらに限定されるものではない。また、これらの
顔料は必要に応じて単独でまたは2種以上混合して使用
することができる。
【0019】なお、本発明における多孔性樹脂塗膜は、
その構造から推察されるように、本質的に塗膜強度が強
いとは言い難いので、各種顔料を配合すると塗膜強度が
さらに低下して、画像剥離を生じるなどのトラブルの原
因となることもある。したがって、水分散型樹脂含有液
に各種の顔料を含ませて、多孔性インク受容層を形成す
る場合には、受像シートとしての総合的な品質を考慮し
て、適正な配合率で使用することは当然である。また、
気泡形成前の樹脂あるいは樹脂および顔料の混合物を含
む液状物中には、必要に応じて公知の保水剤、粘度調節
剤、分散剤、染色剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑
剤などを添加することができる。
その構造から推察されるように、本質的に塗膜強度が強
いとは言い難いので、各種顔料を配合すると塗膜強度が
さらに低下して、画像剥離を生じるなどのトラブルの原
因となることもある。したがって、水分散型樹脂含有液
に各種の顔料を含ませて、多孔性インク受容層を形成す
る場合には、受像シートとしての総合的な品質を考慮し
て、適正な配合率で使用することは当然である。また、
気泡形成前の樹脂あるいは樹脂および顔料の混合物を含
む液状物中には、必要に応じて公知の保水剤、粘度調節
剤、分散剤、染色剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑
剤などを添加することができる。
【0020】本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂含
有中に保水剤を用いることも可能である。例えば、天然
系ではカルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、およびアルギン酸ナトリウム、合成系では、ポリア
クリル酸ナトリウム、アルカリ増粘型のアクリル系エマ
ルション、ポリエーテル変性アクリル系ポリマーなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らの保水剤は必要に応じて、単独または2種類以上混合
して使用することができる。
有中に保水剤を用いることも可能である。例えば、天然
系ではカルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、およびアルギン酸ナトリウム、合成系では、ポリア
クリル酸ナトリウム、アルカリ増粘型のアクリル系エマ
ルション、ポリエーテル変性アクリル系ポリマーなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らの保水剤は必要に応じて、単独または2種類以上混合
して使用することができる。
【0021】また粘度調節剤としては、特に厳格な制限
はないが、例えば、種々の分子量およびケン化度のポリ
ビニルアルコールおよびその誘導体、デンプン、デンプ
ンの誘導体(例えば酸化デンプン、カチオン化デンプン
のような各種化工デンプン)、ポリエチレングリコール
などの水溶性の樹脂を含ませることができる。ポリビニ
ルアルコール類は螢光染料の染着性を向上させる効果が
ある。またデンプン類は生分解性を有するなどの利点が
ある。
はないが、例えば、種々の分子量およびケン化度のポリ
ビニルアルコールおよびその誘導体、デンプン、デンプ
ンの誘導体(例えば酸化デンプン、カチオン化デンプン
のような各種化工デンプン)、ポリエチレングリコール
などの水溶性の樹脂を含ませることができる。ポリビニ
ルアルコール類は螢光染料の染着性を向上させる効果が
ある。またデンプン類は生分解性を有するなどの利点が
ある。
【0022】本発明において、水分散型樹脂含有液に気
泡を形成、含有分散させる方法、および設備には特に厳
格な制限はないが、例えば遊星運動をしつつ回転する撹
拌翼を有するいわゆる製菓用の発泡機、一般に乳化分散
などに利用されているホモミキサー、カウレスディゾル
バーなどの撹拌機、あるいは、米国のガストンカウンテ
ィー社、オランダのストーク社などの連続発泡機のよう
に密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送
入しながら機械的に撹拌を施す装置を用いて、空気を微
細な気泡に分散、混合することができる。
泡を形成、含有分散させる方法、および設備には特に厳
格な制限はないが、例えば遊星運動をしつつ回転する撹
拌翼を有するいわゆる製菓用の発泡機、一般に乳化分散
などに利用されているホモミキサー、カウレスディゾル
バーなどの撹拌機、あるいは、米国のガストンカウンテ
ィー社、オランダのストーク社などの連続発泡機のよう
に密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送
入しながら機械的に撹拌を施す装置を用いて、空気を微
細な気泡に分散、混合することができる。
【0023】また、機械的撹拌を施すための設備の能力
が不足であるために、所期の気泡含有状態が得られなか
ったり、あるいは気泡含有樹脂液中の気泡の安定性を向
上する目的で、整泡剤、発泡剤と称される界面活性材料
を適宜選定して配合することも可能である。このような
界面活性剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、
高級脂肪酸のアルカリ塩などは、特に水分散型樹脂含有
液の発泡性を高める効果や、分散、含有させた気泡の安
定性向上効果が高いので使用することができる。これら
の選定にはまったく制限はないが、水分散型樹脂含有混
合液の流動性を著しく阻害したり、塗工作業性を損なう
おそれのある材料の使用は避けるのは当然である。上記
の整泡剤や発泡剤などのような界面活性剤の使用量は、
水分散型樹脂液、あるいは水分散型樹脂液と顔料との混
合液の固形分100重量部に対して、界面活性剤固形分
0〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは
1〜20重量部である。界面活性剤の添加量が30重量
部を越えて多量になっても、その効果は飽和し、却って
経済的に不利になることが多い。
が不足であるために、所期の気泡含有状態が得られなか
ったり、あるいは気泡含有樹脂液中の気泡の安定性を向
上する目的で、整泡剤、発泡剤と称される界面活性材料
を適宜選定して配合することも可能である。このような
界面活性剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、
高級脂肪酸のアルカリ塩などは、特に水分散型樹脂含有
液の発泡性を高める効果や、分散、含有させた気泡の安
定性向上効果が高いので使用することができる。これら
の選定にはまったく制限はないが、水分散型樹脂含有混
合液の流動性を著しく阻害したり、塗工作業性を損なう
おそれのある材料の使用は避けるのは当然である。上記
の整泡剤や発泡剤などのような界面活性剤の使用量は、
水分散型樹脂液、あるいは水分散型樹脂液と顔料との混
合液の固形分100重量部に対して、界面活性剤固形分
0〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは
1〜20重量部である。界面活性剤の添加量が30重量
部を越えて多量になっても、その効果は飽和し、却って
経済的に不利になることが多い。
【0024】本発明において、気泡を含有する水分散型
樹脂含有液の気泡含有状態に特に制限はないが、好まし
くは気泡含有液の原液に対する体積比(発泡倍率)が1
倍を越え10倍以下であることが好ましく、より好まし
くは1倍を越え5倍以下である。すなわち発泡倍率は気
泡含有水分散型樹脂含有液中の気泡含有率を示す尺度で
あり、発泡倍率が大きくなると気泡を構成する樹脂膜
(壁)の厚さが薄くなることを意味している。このよう
に、樹脂膜が薄くなると、得られる多孔性インク受容層
の強度を十分なレベルに維持することが困難になること
があり、この点において、発泡倍率と水分散型樹脂含有
混合液組成とのバランスには十分な注意を払うべきであ
る。
樹脂含有液の気泡含有状態に特に制限はないが、好まし
くは気泡含有液の原液に対する体積比(発泡倍率)が1
倍を越え10倍以下であることが好ましく、より好まし
くは1倍を越え5倍以下である。すなわち発泡倍率は気
泡含有水分散型樹脂含有液中の気泡含有率を示す尺度で
あり、発泡倍率が大きくなると気泡を構成する樹脂膜
(壁)の厚さが薄くなることを意味している。このよう
に、樹脂膜が薄くなると、得られる多孔性インク受容層
の強度を十分なレベルに維持することが困難になること
があり、この点において、発泡倍率と水分散型樹脂含有
混合液組成とのバランスには十分な注意を払うべきであ
る。
【0025】多孔性インク受容層を支持体上に形成する
ための塗工方式には、特に厳格な制限はないが、例えば
メイヤーバー方式、グラビアロール方式、ロール方式、
リバースロール方式、ブレード方式、ナイフ方式、エア
ーナイフ方式、押し出し方式、キャスト方式などの既知
の方法から任意に選定することができる。
ための塗工方式には、特に厳格な制限はないが、例えば
メイヤーバー方式、グラビアロール方式、ロール方式、
リバースロール方式、ブレード方式、ナイフ方式、エア
ーナイフ方式、押し出し方式、キャスト方式などの既知
の方法から任意に選定することができる。
【0026】本発明に用いられるシート状支持体として
は、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネート
紙などの紙類をはじめとして、織布、不織布などの布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロースなどのプラスチックフィルム類、ポ
リオレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレン
テレフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム
などの多孔質合成樹脂フィルムなどを使用することがで
きる。これらの支持体は、断熱性の良好なものほど同一
印加エネルギーでドット再現性や階調再現性が良好であ
り、記録濃度の増加を達成することができ、また、同一
濃度、および記録品質を得るために必要なエネルギー量
が少なくてすむため、省エネルギーにも有効である。ま
たパルプを主成分として含む紙や塗工紙を支持体として
用いた場合には、特にリサイクルが可能であるという利
点もある。
は、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネート
紙などの紙類をはじめとして、織布、不織布などの布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロースなどのプラスチックフィルム類、ポ
リオレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレン
テレフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム
などの多孔質合成樹脂フィルムなどを使用することがで
きる。これらの支持体は、断熱性の良好なものほど同一
印加エネルギーでドット再現性や階調再現性が良好であ
り、記録濃度の増加を達成することができ、また、同一
濃度、および記録品質を得るために必要なエネルギー量
が少なくてすむため、省エネルギーにも有効である。ま
たパルプを主成分として含む紙や塗工紙を支持体として
用いた場合には、特にリサイクルが可能であるという利
点もある。
【0027】多孔性インク受容層支持体上への塗工量
は、支持体の一面上の1m2 当たりの乾燥重量が2から
40g(2から40g/m2 )の範囲にあるようにする
のが好ましい。塗工量が2g/m2 より少ない場合に
は、支持体の表面の粗さを十分に被覆するのが困難にな
ることが多く、適正な平滑性を持った表面の受像シート
が得られなかったり、十分な断熱性や圧縮変形性が得ら
れないことがある。一方、それが40g/m2 を越える
ような場合は、多孔性インク受容層の厚さが過大とな
り、多孔性インク受容層内の結合強度が低下して、画像
を形成した際にこのインク受容層が剥離するなどのトラ
ブルを発生し、良好な画像が形成できないことがある。
したがって、多孔性インク受容層の塗工量の適正化は、
樹脂含有液組成の適正化と同様に十分な注意を払うのは
当然である。
は、支持体の一面上の1m2 当たりの乾燥重量が2から
40g(2から40g/m2 )の範囲にあるようにする
のが好ましい。塗工量が2g/m2 より少ない場合に
は、支持体の表面の粗さを十分に被覆するのが困難にな
ることが多く、適正な平滑性を持った表面の受像シート
が得られなかったり、十分な断熱性や圧縮変形性が得ら
れないことがある。一方、それが40g/m2 を越える
ような場合は、多孔性インク受容層の厚さが過大とな
り、多孔性インク受容層内の結合強度が低下して、画像
を形成した際にこのインク受容層が剥離するなどのトラ
ブルを発生し、良好な画像が形成できないことがある。
したがって、多孔性インク受容層の塗工量の適正化は、
樹脂含有液組成の適正化と同様に十分な注意を払うのは
当然である。
【0028】本発明の多孔性インク受容層を有するシー
トは、気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、乾燥
したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すことが
できるが、さらに金属製ロール2段以上で構成されるマ
シンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹脂製ロ
ールあるいは金属製ロールとコットン製ロールなどを適
宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用し
て、この多孔性インク受容層に仕上げ処理を施し、その
表面の平滑性をさらに向上させることができる。また塗
工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートの多孔
性インク受容層の表面を鏡面仕上げを施した加温あるい
は非加温状態のキャストドラムなどに接触させて、その
表面平滑性を向上させてもよい。しかし過度の加圧力下
で上記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性インク受容層中
の気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク受容層の緻
密化が生じて、断熱性やクッション性が低下するあるい
はインク受容層表面の気孔の変形や破壊が起こるため、
多孔性インク受容層が有するすぐれた溶融インク転写性
能が得られなくなることもある。したがって、前記の平
滑仕上げ処理に際しては処理条件を十分に検討すること
が必要である。
トは、気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、乾燥
したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すことが
できるが、さらに金属製ロール2段以上で構成されるマ
シンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹脂製ロ
ールあるいは金属製ロールとコットン製ロールなどを適
宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用し
て、この多孔性インク受容層に仕上げ処理を施し、その
表面の平滑性をさらに向上させることができる。また塗
工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートの多孔
性インク受容層の表面を鏡面仕上げを施した加温あるい
は非加温状態のキャストドラムなどに接触させて、その
表面平滑性を向上させてもよい。しかし過度の加圧力下
で上記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性インク受容層中
の気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク受容層の緻
密化が生じて、断熱性やクッション性が低下するあるい
はインク受容層表面の気孔の変形や破壊が起こるため、
多孔性インク受容層が有するすぐれた溶融インク転写性
能が得られなくなることもある。したがって、前記の平
滑仕上げ処理に際しては処理条件を十分に検討すること
が必要である。
【0029】本発明の受像シートを製造する際、塗工、
乾燥および巻き取りなどの工程において、シート自体が
その塗工面を内側あるいは外側にしてカールすることが
ある。この場合、当該シートを断裁により所定寸法の画
像形成用シートに加工したのち使用すると、熱転写プリ
ンターへの給紙が正常に行われないことがあり、あるい
は該プリンター内部における走行性が悪化するなどのト
ラブルを発生することがある。また溶融転写記録方式は
熱源をインクリボンと接触せしめ、リボン中の染料成分
を記録用シート上に転写する方式であるため、画像形成
面である多孔性インク受容層と、支持体層の加熱に伴う
収縮の差、もしくは膨張特性の差に起因して、受像シー
トが装置内部でカールを発生し、前記のようなトラブル
が発生する。このようなカール発生のために画像が正常
な紙面方向に対して斜めに形成されたり、装置内部でシ
ートにしわが発生しやすくなり、このためインクリボン
と受像シートとの接触が正常に行われず、インク転写不
良を起こし、その結果、画像品質が悪化することがあ
る。
乾燥および巻き取りなどの工程において、シート自体が
その塗工面を内側あるいは外側にしてカールすることが
ある。この場合、当該シートを断裁により所定寸法の画
像形成用シートに加工したのち使用すると、熱転写プリ
ンターへの給紙が正常に行われないことがあり、あるい
は該プリンター内部における走行性が悪化するなどのト
ラブルを発生することがある。また溶融転写記録方式は
熱源をインクリボンと接触せしめ、リボン中の染料成分
を記録用シート上に転写する方式であるため、画像形成
面である多孔性インク受容層と、支持体層の加熱に伴う
収縮の差、もしくは膨張特性の差に起因して、受像シー
トが装置内部でカールを発生し、前記のようなトラブル
が発生する。このようなカール発生のために画像が正常
な紙面方向に対して斜めに形成されたり、装置内部でシ
ートにしわが発生しやすくなり、このためインクリボン
と受像シートとの接触が正常に行われず、インク転写不
良を起こし、その結果、画像品質が悪化することがあ
る。
【0030】このようなカールが原因で生じる各種のト
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層と支持
体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の
差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために
該シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層に対し反
対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートして
もよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、
ラミネート量などにはまったく制限はなく、支持体の種
類、厚さ、あるいは多孔性インク受容層の性状、すなわ
ち材料組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案し
て最適化をはかることができる。
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層と支持
体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の
差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために
該シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層に対し反
対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートして
もよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、
ラミネート量などにはまったく制限はなく、支持体の種
類、厚さ、あるいは多孔性インク受容層の性状、すなわ
ち材料組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案し
て最適化をはかることができる。
【0031】また、支持体の材料選定によっては、得ら
れる受像シートがプリンター内で走行する際に装置の機
構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の
湿度低下などの影響が単独に、あるいは複合してこの受
像シートに静電気を帯電させることがある。このような
状態において連続的の多数枚の画像形成を行うと、この
受像シートの画像形成面と、次の受像シートの裏面とが
静電気的に密着して剥しにくくなる。特に各種プラスチ
ックシート類あるいは合成紙などは本質的に帯電しやす
い性質があるために、これらを支持体として利用する際
は、断裁によるシート化工程において、または加工後の
保管中に、静電気発生のためシートの表裏が剥しにくく
なる。当然のことながら紙類を支持体とした場合でも前
記のようなトラブルは起こり得る。このような帯電に伴
うトラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を受像シ
ートの裏面に形成することはきわめて有効である。また
帯電は帯電防止材料を使用すること、あるいは該シート
裏面と多孔性インク受容層とのシート間の摩擦係数を低
減することにより達成することができる。したがって帯
電防止層をカール防止層形成と同様に広範な材料および
方法の中から適宜選定して形成することができる。
れる受像シートがプリンター内で走行する際に装置の機
構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の
湿度低下などの影響が単独に、あるいは複合してこの受
像シートに静電気を帯電させることがある。このような
状態において連続的の多数枚の画像形成を行うと、この
受像シートの画像形成面と、次の受像シートの裏面とが
静電気的に密着して剥しにくくなる。特に各種プラスチ
ックシート類あるいは合成紙などは本質的に帯電しやす
い性質があるために、これらを支持体として利用する際
は、断裁によるシート化工程において、または加工後の
保管中に、静電気発生のためシートの表裏が剥しにくく
なる。当然のことながら紙類を支持体とした場合でも前
記のようなトラブルは起こり得る。このような帯電に伴
うトラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を受像シ
ートの裏面に形成することはきわめて有効である。また
帯電は帯電防止材料を使用すること、あるいは該シート
裏面と多孔性インク受容層とのシート間の摩擦係数を低
減することにより達成することができる。したがって帯
電防止層をカール防止層形成と同様に広範な材料および
方法の中から適宜選定して形成することができる。
【0032】前記のカール防止層、および帯電防止層
は、支持体の裏面に個別に形成して所期性能を得ること
は可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減
あるいは所期の機能水準など、必要に応じて材料、形成
方法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的
を達成するすることができる。すなわち単一層でカール
防止、および帯電防止などのトラブル防止性能を付与す
ることも可能である。したがってシート状支持体の裏面
に形成される層の数においてはなんら制限はない。
は、支持体の裏面に個別に形成して所期性能を得ること
は可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減
あるいは所期の機能水準など、必要に応じて材料、形成
方法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的
を達成するすることができる。すなわち単一層でカール
防止、および帯電防止などのトラブル防止性能を付与す
ることも可能である。したがってシート状支持体の裏面
に形成される層の数においてはなんら制限はない。
【0033】
【実施例】下記実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。但し本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。なお、実施例および比較例中の「部」は全て
水分散型樹脂の固形分に対する重量部数を表す。
説明する。但し本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。なお、実施例および比較例中の「部」は全て
水分散型樹脂の固形分に対する重量部数を表す。
【0034】実施例1 下記に示す組成を有する樹脂混合液(固形分濃度28重
量%)を、撹拌機(商標:ケンミックスアイコーPR
O、(株)愛工舎製作所製)を使用して、撹拌速度49
0rpmで7分間攪拌し発泡処理を行った。発泡倍率は
4.5倍であった。 樹脂混合液組成 ポリウレタン樹脂:保水値420秒 (商標:NeoRez R−9637、ゼネカ(株)製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ(株)製) 5部 粘度調節剤:ポリビニルアルコール (商標:PVA−124、(株)クラレ製) 15部 上記の気泡含有水分散型樹脂混合液を発泡処理後直ち
に、米坪75g/m2 の上質紙の表面上にアプリケータ
ーバーを用いて塗工量(乾物量)が15g/m2となる
ように塗工し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し
受像シートを作製した。
量%)を、撹拌機(商標:ケンミックスアイコーPR
O、(株)愛工舎製作所製)を使用して、撹拌速度49
0rpmで7分間攪拌し発泡処理を行った。発泡倍率は
4.5倍であった。 樹脂混合液組成 ポリウレタン樹脂:保水値420秒 (商標:NeoRez R−9637、ゼネカ(株)製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ(株)製) 5部 粘度調節剤:ポリビニルアルコール (商標:PVA−124、(株)クラレ製) 15部 上記の気泡含有水分散型樹脂混合液を発泡処理後直ち
に、米坪75g/m2 の上質紙の表面上にアプリケータ
ーバーを用いて塗工量(乾物量)が15g/m2となる
ように塗工し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し
受像シートを作製した。
【0035】実施例2 樹脂混合液組成において、ポリウレタン樹脂(商標:N
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、スチレン−アクリル共重合体樹脂(商標:
KG−2010、荒川化学工業(株)製、保水値85
秒)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして受
像シートを作製した。
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、スチレン−アクリル共重合体樹脂(商標:
KG−2010、荒川化学工業(株)製、保水値85
秒)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして受
像シートを作製した。
【0036】実施例3 樹脂混合液組成において、ポリウレタン樹脂(商標:N
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、SBRラテックス(商標:L−1763、
旭化成工業(株)製、保水値6秒)100部を用い、発
泡処理における攪拌を6分間にした以外は、実施例1と
同様にして受像シートを作製した。
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、SBRラテックス(商標:L−1763、
旭化成工業(株)製、保水値6秒)100部を用い、発
泡処理における攪拌を6分間にした以外は、実施例1と
同様にして受像シートを作製した。
【0037】実施例4 発泡処理における攪拌を2分間にして発泡倍率1.5倍
の気泡含有水分散型樹脂混合液を調製した以外は、実施
例1と同様にして受像シートを作製した。
の気泡含有水分散型樹脂混合液を調製した以外は、実施
例1と同様にして受像シートを作製した。
【0038】実施例5 発泡処理における攪拌を10分間にして発泡倍率9.0
倍の気泡含有水分散型樹脂混合液を調製した以外は、実
施例1と同様にして受像シートを作製した。
倍の気泡含有水分散型樹脂混合液を調製した以外は、実
施例1と同様にして受像シートを作製した。
【0039】比較例1 樹脂混合液の発泡処理を省略した以外は、実施例1と同
様にして受像シートを作製した。
様にして受像シートを作製した。
【0040】比較例2 樹脂混合液組成において、ポリウレタン樹脂(商標:N
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、ポリウレタン樹脂(商標:NeoRez
R−9208、ゼネカ(株)製、保水値3秒)100部
を用いた以外は、実施例1と同様にして受像シートを作
製した。
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、ポリウレタン樹脂(商標:NeoRez
R−9208、ゼネカ(株)製、保水値3秒)100部
を用いた以外は、実施例1と同様にして受像シートを作
製した。
【0041】比較例3 樹脂混合液組成において、ポリウレタン樹脂(商標:N
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、SBRラテックス(商標:L−1225、
旭化成工業(株)製、保水値2秒)100部を用い、発
泡処理における攪拌を6分間にした以外は、実施例1と
同様にして受像シートを作製した。
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、SBRラテックス(商標:L−1225、
旭化成工業(株)製、保水値2秒)100部を用い、発
泡処理における攪拌を6分間にした以外は、実施例1と
同様にして受像シートを作製した。
【0042】比較例4 樹脂混合液組成において、ポリウレタン樹脂(商標:N
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、ポリウレタン樹脂(商標:NeoRez
R−972、ゼネカ(株)製、保水値480秒)100
部を用いた以外は、実施例1と同様にして受像シートを
作製した。
eoRez R−9637、ゼネカ(株)製)100部
の代わりに、ポリウレタン樹脂(商標:NeoRez
R−972、ゼネカ(株)製、保水値480秒)100
部を用いた以外は、実施例1と同様にして受像シートを
作製した。
【0043】比較例5 発泡処理における攪拌を12分間にして発泡倍率12.
2倍の気泡含有水分散型樹脂混合液を調製した以外は、
実施例1と同様にして受像シートを作製した。
2倍の気泡含有水分散型樹脂混合液を調製した以外は、
実施例1と同様にして受像シートを作製した。
【0044】テスト 各実施例、および比較例において、保水値の測定、発泡
倍率測定、多孔性インク受容層の気孔サイズの測定、お
よび転写インク画像の評価については、下記の方法で行
った。これらの測定および評価結果を表1に示す。 〔保水値の測定〕JIS P8111(試験用紙の前処
理)記載の条件で前処理したろ紙(商標:ADVANT
EC No.2、東洋濾紙(株)製)を大きさ50mm
角に10枚とり、それぞれの四周を内側に折った後に、
その中の1枚を、シャーレに入れた固形分濃度38重量
%の水分散型樹脂(20℃)上に浮かべた。同時に、粉
末状の過マンガン酸カリウム0.1gを前記ろ紙表面上
に振りまき、水分散型樹脂中(特にろ紙との界面部分)
の水分が徐々に吸い上げられ、ろ紙を透過して粉末状過
マンガン酸カリウムを赤色に溶かすまでの時間(秒)を
測定して保水値を求めた。20℃、相対湿度65%の環
境下で試験を10回繰り返し、平均値を水分散型樹脂の
保水値(秒)とした。
倍率測定、多孔性インク受容層の気孔サイズの測定、お
よび転写インク画像の評価については、下記の方法で行
った。これらの測定および評価結果を表1に示す。 〔保水値の測定〕JIS P8111(試験用紙の前処
理)記載の条件で前処理したろ紙(商標:ADVANT
EC No.2、東洋濾紙(株)製)を大きさ50mm
角に10枚とり、それぞれの四周を内側に折った後に、
その中の1枚を、シャーレに入れた固形分濃度38重量
%の水分散型樹脂(20℃)上に浮かべた。同時に、粉
末状の過マンガン酸カリウム0.1gを前記ろ紙表面上
に振りまき、水分散型樹脂中(特にろ紙との界面部分)
の水分が徐々に吸い上げられ、ろ紙を透過して粉末状過
マンガン酸カリウムを赤色に溶かすまでの時間(秒)を
測定して保水値を求めた。20℃、相対湿度65%の環
境下で試験を10回繰り返し、平均値を水分散型樹脂の
保水値(秒)とした。
【0045】〔発泡倍率測定〕発泡処理前の樹脂含有液
(原液)100mlの重量を、発泡処理後の気泡を含有
する樹脂含有液100mlの重量で除して発泡倍率を求
めた。
(原液)100mlの重量を、発泡処理後の気泡を含有
する樹脂含有液100mlの重量で除して発泡倍率を求
めた。
【0046】〔気孔直径測定〕多孔性インク受容層の表
面の気孔直径は、走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡
を使用して、受容層の表面を写真撮影した後、表面の気
孔の輪郭を正確に透明フィルム上に黒色のペンなどで描
き写し、さらに、ドラムスキャナー(商標:2605型
ドラムスキャンデンシトメーター、(株)阿部設計製)
により、光学的に気孔の輪郭の情報を読み取り、これを
画像解析装置(商標:ルーゼックスIII、(株)ニレコ
製)を用いて測定した。なお、本多孔性インク受容層表
面上に形成された気孔の形状は、必ずしも真円ではない
ので、気孔直径は画像解析で得られる気孔の輪郭内の面
積をもとに、円相当直径に換算して表示した。
面の気孔直径は、走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡
を使用して、受容層の表面を写真撮影した後、表面の気
孔の輪郭を正確に透明フィルム上に黒色のペンなどで描
き写し、さらに、ドラムスキャナー(商標:2605型
ドラムスキャンデンシトメーター、(株)阿部設計製)
により、光学的に気孔の輪郭の情報を読み取り、これを
画像解析装置(商標:ルーゼックスIII、(株)ニレコ
製)を用いて測定した。なお、本多孔性インク受容層表
面上に形成された気孔の形状は、必ずしも真円ではない
ので、気孔直径は画像解析で得られる気孔の輪郭内の面
積をもとに、円相当直径に換算して表示した。
【0047】〔記録性能〕上記各実施例および比較例で
得られた多孔性インク受容層を有する受像シートについ
て20℃、相対湿度65%の環境下で一昼夜調湿した
後、熱転写カラープリンター(商標:Trueprin
t2200、日本ビクター(株)製:本来は昇華型転写
の画像形成装置だが、溶融転写方式の画像形成もできる
ように改造した)に供給して、その表面にインク画像を
溶融転写記録した。得られたインク転写画像について下
記のように、その反射濃度をマクベス反射型濃度計によ
り測定するとともに目視評価した。なお、下記評価基準
において○レベル以上は良好で実用に適するが、△レベ
ル以下では不十分で実用に適さない。 (1)17階調で形成されるインク画像(黒単色画像)
について、マクベス反射型濃度計RD−914(商標)
を用いて印加エネルギー別に、その反射濃度を測定し、
最高反射濃度と階調再現性とを評価した。階調再現性は
良好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4
段階で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受容層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4段
階で評価した。 (3)カラー画像の鮮明性を観察し、良好なものから順
に◎、○、△、×の4段階で評価した。 (4)剥離状態は、受容層上に形成された画像を観察
し、インクの剥離のない良好なものから順に、○、△、
×の3段階で評価した。これらの評価結果を表1に示
す。
得られた多孔性インク受容層を有する受像シートについ
て20℃、相対湿度65%の環境下で一昼夜調湿した
後、熱転写カラープリンター(商標:Trueprin
t2200、日本ビクター(株)製:本来は昇華型転写
の画像形成装置だが、溶融転写方式の画像形成もできる
ように改造した)に供給して、その表面にインク画像を
溶融転写記録した。得られたインク転写画像について下
記のように、その反射濃度をマクベス反射型濃度計によ
り測定するとともに目視評価した。なお、下記評価基準
において○レベル以上は良好で実用に適するが、△レベ
ル以下では不十分で実用に適さない。 (1)17階調で形成されるインク画像(黒単色画像)
について、マクベス反射型濃度計RD−914(商標)
を用いて印加エネルギー別に、その反射濃度を測定し、
最高反射濃度と階調再現性とを評価した。階調再現性は
良好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4
段階で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受容層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4段
階で評価した。 (3)カラー画像の鮮明性を観察し、良好なものから順
に◎、○、△、×の4段階で評価した。 (4)剥離状態は、受容層上に形成された画像を観察
し、インクの剥離のない良好なものから順に、○、△、
×の3段階で評価した。これらの評価結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明により、受容層表面の気孔径の制
御が容易となり、記録濃度が高く、階調再現性、ドット
再現性およびカラー鮮明性に優れる溶融転写インク受像
シートを実用することが可能となり、産業界に寄与する
ところが大である。
御が容易となり、記録濃度が高く、階調再現性、ドット
再現性およびカラー鮮明性に優れる溶融転写インク受像
シートを実用することが可能となり、産業界に寄与する
ところが大である。
Claims (3)
- 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の一面上
に、水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液から形成さ
れた多孔性インク受容層とを有し、前記水分散型樹脂の
過マンガン酸カリウム法による保水値が、固形分濃度3
8重量%において5から450秒の範囲にあり、かつ、
前記多孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が0.5
から30μmの範囲にあることを特徴とする溶融転写型
インク受像シート。 - 【請求項2】 前記水分散型樹脂が、ポリウレタン、ス
チレン−アクリル共重合体、およびスチレン−ブタジエ
ン共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1
記載の溶融転写型インク受像シート。 - 【請求項3】 過マンガン酸カリウム法による保水値が
固形分濃度38重量%において5から450秒の範囲に
ある水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液に機械的攪
拌を施して、発泡倍率(一定重量の塗料で比較した発泡
前後の体積比)が1倍を越え10倍以下の多数の微細気
泡を形成させた樹脂含有液を、シート状支持体の一面上
に塗工、乾燥して、表面の平均気孔直径が0.5から3
0μmの範囲にある多孔性インク受容層を形成すること
を特徴とする溶融転写型インク受像シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8142888A JPH09323485A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8142888A JPH09323485A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09323485A true JPH09323485A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15325936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8142888A Pending JPH09323485A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09323485A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6261670B1 (en) | 1998-06-16 | 2001-07-17 | Oji Paper Co., Ltd. | Hot melt ink transfer recording sheet and process for producing same |
EP1273267A2 (en) | 2001-07-02 | 2003-01-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Ultrasonic diagnostic apparatus |
-
1996
- 1996-06-05 JP JP8142888A patent/JPH09323485A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6261670B1 (en) | 1998-06-16 | 2001-07-17 | Oji Paper Co., Ltd. | Hot melt ink transfer recording sheet and process for producing same |
EP1273267A2 (en) | 2001-07-02 | 2003-01-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Ultrasonic diagnostic apparatus |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |