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JPH09316731A - 複合繊維およびそれからなる電池セパレ−タ用不織布 - Google Patents

複合繊維およびそれからなる電池セパレ−タ用不織布

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Publication number
JPH09316731A
JPH09316731A JP8131700A JP13170096A JPH09316731A JP H09316731 A JPH09316731 A JP H09316731A JP 8131700 A JP8131700 A JP 8131700A JP 13170096 A JP13170096 A JP 13170096A JP H09316731 A JPH09316731 A JP H09316731A
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JP
Japan
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woven fabric
polyamide
acid
fiber
battery separator
Prior art date
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Application number
JP8131700A
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English (en)
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JP3712082B2 (ja
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Takashi Katayama
隆 片山
Junyo Nakagawa
潤洋 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP13170096A priority Critical patent/JP3712082B2/ja
Publication of JPH09316731A publication Critical patent/JPH09316731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3712082B2 publication Critical patent/JP3712082B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Nonwoven Fabrics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐アルカリ性、耐酸化劣化性、親水性、電解
液の保液性に優れ、かつアルカリ電池の小型化にも追従
できるような薄型化可能な電池セパレ−タ用不織布およ
び該不織布をなす繊維を提供する。 【解決手段】ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香
族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成
分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレ
ンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミド
と、該ポリアミドと非相溶性の熱可塑性ポリマ−からな
る複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は特定の半芳香族ポリ
アミドを一成分とする複合繊維に関し、またアルカリ液
を使用する電池のセパレ−タとして好適な不織布に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池は充放電特性、過充電過放
電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるために小型
軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使用されて
いる。このようなアルカリ電池の特性はアルカリ電池セ
パレ−タ用不織布の特性に大きく依存している。
【0003】かかる不織布として、電解液に濡れ易く、
その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で電気
抵抗が低いポリアミド繊維不織布がアルカリ電池セパレ
−タ用不織布として使用されている。また比較的高温に
おける耐久性の必要なアルカリ電池にはポリオレフィン
繊維不織布がアルカリ電池セパレ−タ用不織布として使
用されている。しかしながら、該ポリアミド繊維不織布
を構成しているポリアミド繊維は脂肪族ポリアミド繊維
であり、耐アルカリ性に優れ、親水性が高く電解液の保
持性に優れてはいるものの、化学的安定性に欠け、電解
液中で酸化され分解が生じる欠点がある。したがって、
かかる脂肪族ポリアミド繊維からなる不織布をセパレ−
タとして用いたアルカリ電池はセパレ−タの分解に起因
して自己放電が大きくなったり、また高温で充放電が繰
り返される2次電池ではサイクル寿命が短くなる問題が
あった。
【0004】一方、ポリオレフィン繊維不織布からなる
電池セパレ−タは耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れて
はいるものの、疎水性であるために電解液に対して濡れ
にくく、その保液量が少ない欠点がある。そのため、ポ
リオレフィン繊維不織布の電解保液性を改良する手段が
各種提案されている。たとえば、ポリオレフィン繊維不
織布に界面活性剤処理などを施す方法があるが、界面活
性剤は電解液に対する耐劣化性に問題があり、またサイ
クル使用しているとある期間を過ぎたところで界面活性
剤が遊離するために、電解液の吸液性や保液性を充分に
改善するには至っていない。
【0005】また、ポリアミド繊維とポリオレフィン繊
維を組み合わせた電池セパレ−タも提案されている。た
とえば、ポリアミドとポリオレフィンを混合紡糸した繊
維を不織布化して電池セパレ−タとし、ポリアミドが劣
化後もポリオレフィンが主体繊維として形態を維持する
ようにしたもの(特開昭52−3120号公報、特開昭
55−25921号公報、特開昭55−66864号公
報、特開平3−93154号公報参照)、ポリアミド繊
維とポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維を混合して
不織布化したものや、ポリアミドとポリプロピレンの混
合・複合紡糸繊維とポリエチレン−ポリプロピレン複合
繊維を混合して不織布化したものようにポリアミドが劣
化後も複合繊維が主体繊維として形態を維持するように
したもの(特開昭50−154745号公報、特開昭5
9−101763号公報、特開昭59−196556号
公報、特開昭59−201365号公報、特開昭59−
201366号公報参照)が提案されている。これらの
電池セパレ−タ用不織布はポリアミド自身が劣化するの
で本質的な電池性能が低下する問題点があり、またポリ
アミドが劣化した後に形態を維持でき得る強度を保持す
る主体繊維が必要となり、アルカリ電池の小型化、すな
わち電池セパレ−タの薄型化には対応できない問題をも
有する。
【0006】上記のような問題に対して、芳香族ポリア
ミド繊維を用いてなる織布、不織布を電池セパレ−タに
使用すること(特開昭53−58636号公報、特開平
5−283054号公報参照)、芳香族ポリアミド繊維
からなる不織布とナイロン6、ナイロン66からなる不
織布とを張り合わせたものを電池セパレ−タに使用する
こと(特開昭58−147956号公報参照)が提案さ
れている。
【0007】しかしながら、芳香族ポリアミド繊維を用
いてなる不織布は親水性に優れ、電解液の保液性にも優
れてはいるが、耐アルカリ性、耐酸化劣化性が不十分な
ものがあり、また熱溶融性でないので不織布化のための
接着剤を別に必要とする場合があり、該接着剤の耐電解
液性の問題、接着剤としてバインダ−繊維を用いた場合
の接着性の問題、混綿斑の問題が生じる。さらにナイロ
ン6繊維、ナイロン66繊維からなる不織布を結合材と
して用いた場合には該ナイロン6繊維、ナイロン66繊
維が劣化し電池セパレ−タの性能が不十分となる問題が
ある。またポリアミド繊維として全芳香族ポリアミド繊
維を用いることも考えられるが、高価であること、高温
下での耐アルカリ性、耐酸化劣化性に問題があり実用化
されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような現状によ
り、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、親水性、電解液の保
液性に優れ、かつアルカリ電池の小型化にも追従できる
ような薄型化可能な電池セパレ−タ用不織布の開発、ひ
いては該不織布をなす繊維の開発が熱望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者などは上記目的
を達成させるために鋭意検討の結果、芳香族ジカルボン
酸および脂肪族アルキレンジアミンを含む半芳香族ポリ
アミドを一成分とする複合繊維を用いてなる不織布がア
ルカリ電池セパレ−タとして極めて優れた諸物性を有す
ることを見出だし、本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明はジカルボン酸成分の6
0モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸
成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜1
2の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とか
らなるポリアミドと、該ポリアミドと非相溶性の熱可塑
性ポリマ−からなる複合繊維であり、かかる複合繊維を
フィブリル化した繊維を含む不織布、または熱可塑性ポ
リマ−として熱融着性成分を用いた複合繊維を含む不織
布をアルカリ電池セパレ−タ用不織布として提供するも
のである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の複合繊維を構成するポリアミド
は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とからなり、ジカ
ルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸で
あること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素
数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであることに特
徴を有する。
【0012】芳香族ジカルボン酸としては電池用セパレ
−タの耐アルカリ性、耐酸化劣化性の点でテレフタル酸
が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナ
フタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ
酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン
酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスル
ホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用
して使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン酸
の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、
75モル%以上、とくに90モル%以上であることが好
ましい。芳香族ジカルボン酸が60モル%未満の場合、
電池セパレ−タに使用した場合の耐アルカリ性、耐酸化
劣化性が低下する。
【0013】上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン
酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、
3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメ
チルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、
トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることが
でき、これらの酸は1種類のみならず2種類以上を用い
ることができる。なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐
酸化劣化性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100
%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。さらにト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価
カルボン酸を、繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有
させることもできる。
【0014】また、ジアミン成分の60モル%以上は炭
素数が6〜12の脂肪族アルキレンジアミンで構成さ
れ、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6
−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,
9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,
11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミ
ン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−
オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミ
ン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンを挙げる
ことができる。なかでも耐熱性、耐加水分解性、耐薬品
性等の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジ
アミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併
用が好ましい。この脂肪族アルキレンジアミンの含有量
はジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%
以上、とくに90モル%以上であることが、電解液保液
性の点で好ましい。
【0015】上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジ
アミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シク
ロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、
イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、
トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミ
ン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル等の芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物を挙げ
ることができ、これらは1種類のみならず2種類以上を
用いることができる。
【0016】脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−
ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル
%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オ
クタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=4
0:60〜99:1、とくに前者:後者=70:30〜
95:5であることが好ましい。
【0017】また、上述のポリアミドにおける脂肪族ア
ルキレンジアミンとは側鎖を有していてもよいが、耐ア
ルカリ性、耐酸化劣化性、紡糸性等の点で、側鎖を有す
る脂肪族アルキレンジアミンは脂肪族アルキレンジアミ
ン中60モル%以下であることが好ましい。
【0018】上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸中3
0℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであることが
好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜1.6
dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリアミドは、
繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性が良好であ
り、さらに得られるセパレ−タの強度、耐アルカリ性、
耐酸化劣化性等が優れたものとなる。
【0019】さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末
端基の10%以上が末端封止剤により封止されているこ
とが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70
%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端
を封止することにより、得られるセパレ−タの強度、耐
アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。末端
封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカル
ボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば
とくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性等
の点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取扱
性の容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格等の点で
モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることが
できる。なお、末端の封止率は1 H−NMRにより、各
末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めること
ができる。
【0020】本発明に係わるポリアミドの製造方法はと
くに制限されず、結晶性ポリアミドを製造する方法とし
て公知の任意の方法を用いることができる。たとえば、
酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法ある
いは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のア
ルキルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、
固相重合法等の方法により製造できる。
【0021】一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジア
ミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、
ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度にお
いて極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリ
マ−とし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機
を用いて重合を行うことにより、容易に製造することが
できる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減
圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合
温度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大
きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制するこ
とができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機
により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリ
アミドの分解がほとんどなく、劣化のないポリアミドが
得られるので好ましい。
【0022】重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜
リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属
塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも
次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性等の点で
好ましい。また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着
色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤等を重
縮合反応時、またはその後に添加することができる。と
くに熱安定剤としてヒンダ−ドフェノ−ル等の有機系安
定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウ
ム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊
維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0023】本発明の複合繊維を構成する他方成分であ
る、上述のポリアミドに対し非相溶性の熱可塑性ポリマ
−とはナイロン6,ナイロン66、ナイロン10等の脂
肪族ポリアミド;ポリエチレン、ポリプロピレン、アイ
オノマ−、それらの共重合体等のポリオレフィン;エチ
レン−ビニルアルコ−ル系共重合体;ポリエチレンテレ
フタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリシクロ
ヘキサンテレフタレ−ト等のポリエステルなどを挙げる
ことができる。該熱可塑性ポリマ−として脂肪族ポリア
ミドを用いる場合には、電池セパレ−タとしての保液性
に優れるので電解液の保液性をさらに高めることができ
る。また、上述のポリアミドより融点が低いので熱融着
性成分としての働きをもする。該熱可塑性ポリマ−とし
てポリオレフィンを用いる場合には、電池セパレ−タと
しての耐酸化劣化性に優れているうえ、該ポリオレフィ
ンがポリアミドより融点が低いので熱融着性成分となっ
てバインダ−の働きをし、強固な接着性を長期間維持す
ることができる電池セパレ−タ用不織布が得られる。
【0024】上記の熱可塑性ポリマ−の融点がポリアミ
ドの融点よりも低い場合、とくに融点差が20℃以上の
場合、該熱可塑性ポリマ−が熱接着性成分となり、該成
分を含む複合繊維からなる不織布を作成する際、不織布
の接着は熱圧着により容易に行うことができる。接着法
は熱カレンダ−法、熱風エアスル−法、超音波接着法
等、適宜選択して行うことができる。
【0025】本発明の複合繊維において、複合形態は芯
鞘型、海島型、貼合せ型、これらの組み合わせ、静止型
混合器を用いた複合形態など適宜設定することができる
が、熱可塑性ポリマ−がポリアミドより融点が低い場合
には、該熱可塑性ポリマ−が熱融着性成分の働きをする
ので、かかる働きができ得る複合形態が好ましい。該熱
可塑性ポリマ−が繊維表面を構成していない複合繊維で
あっても、該複合繊維を用いて不織布を作成する際の熱
圧着時に、該複合繊維が潰れて繊維内部の該熱可塑性ポ
リマ−が繊維表面に滲出して接着成分となる複合形態で
あれば本発明の範囲に入るものである。たとえば、芯鞘
型複合繊維において、芯成分を該熱可塑性ポリマ−と
し、多芯にして繊維表面付近に芯が配置するようにする
と熱接着が容易に行われ好ましい。
【0026】該複合繊維の繊度は各種用途によって適宜
設定すればよく、とくに限定するものではないが、電池
セパレ−タ用不織布素材として使用する場合には、電解
液の保液性、正極および負極を構成する金属の析出防
止、電極活物質の移動による短絡防止のために0.1〜
5デニ−ルであることが好ましい。なお繊維断面は円形
断面でも、異形断面でもよく、異形断面の場合は円形断
面に換算した値を繊維径とする。また繊維長もとくに限
定するものでもないが、不織布の形成方法によって適宜
設定することができる。たとえば、湿式法によって不織
布を形成する場合は1〜30mmであることが好まし
く、カ−ド法やエアレイ法等の乾式法によって不織布を
形成する場合は10〜70mmであることが好ましい。
【0027】本発明においては、上述の複合繊維を主体
繊維として不織布を作成し、電池セパレ−タとして使用
することができる。該複合繊維は電池セパレ−タの電解
液の保液性に優れるように、不織布中50重量%以上で
あることが好ましく、とくに70重量%以上であること
が好ましい。
【0028】なお、上述の複合繊維以外の繊維としては
ナイロン6、ナイロン66等の汎用の脂肪族ポリアミ
ド;エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン
共重合体等のポリオレフィン系樹脂単独またはこれら2
種類からなる複合形態の繊維;天然セルロ−ス繊維をマ
−セル化したセルロ−ス系繊維;マ−セル化されたパル
プなどを挙げることができる。
【0029】本発明に係わる不織布は任意の製造方法で
得ることができる。まず繊維ウエッブ(不織布の絡合ま
たは結合前のもの)を形成して、繊維ウエッブ内の複合
繊維を接着または絡合させることにより不織布化する、
一般的な手段で製造することができる。得られた不織布
はそのまま使用してもよいし、複数枚の積層体として使
用してもよい。この際、該複合繊維をフィブリル化して
不織布となしてもよく、不織布化した後該不織布をフィ
ブリル化することもできる。複合繊維をフィブリル繊維
となすことにより毛細管現象で電池セパレ−タとしての
保液性が著しく向上する上、フィブリル繊維が互いに絡
み合って電池セパレ−タ(不織布)の強度をも著しく向
上させることができる。
【0030】フィブリル化は水流、気流によって繊維を
フィブリルする方法、摩擦により繊維をしごいてフィブ
リル化する方法、叩解機を用いる方法、溶媒により熱可
塑性ポリマ−を抽出除去する方法等を挙げることができ
る。このうち、水流、気流によりフィブリル化する方法
は不織布化した後にも行うことができ、同時に繊維の絡
合もできるので不織布の強度が高くなり好ましい方法で
ある。
【0031】繊維ウエッブの形成方法としては、たとえ
ばカ−ド法やエアレイ法等の乾式法、抄紙法等の湿式
法、スパンボンド法、メルトブロ−法などがあり、これ
らの中でも湿式法やメルトブロ−法によって得られる繊
維ウエッブは緻密で、均一な表面状態を有し、電池用セ
パレ−タとして使用すると、金属の析出や電極活物質の
移動を防止できるため、好適な繊維ウエッブの形成方法
である。また、上記各々の方法により形成された繊維ウ
エッブを組み合わせて積層して使用することもできる。
【0032】具体的に各方法を説明する。乾式法による
繊維ウエッブの形成はロ−ラカ−ド、ランダムカ−ド、
ウエッバ−等を用いて繊維ウエッブを製造することがで
き、該ウエッブは繊維の方向性によりパラレルウエッ
ブ、クロスウエッブ、クリスクロスウエッブ、セミラン
ダムウエッブ、ランダムウエッブに種別されるが、本発
明に係わる複合繊維において、それ自身が熱接着性を有
する場合はバインダ−繊維を必要とせず、したがって混
綿時のムラ等の心配はない。
【0033】このような繊維ウエッブから不織布を形成
する方法としては、たとえば、繊維ウエッブを水流やニ
−ドル等の作用によって絡合させる方法、バインダ−に
よって接着させる方法、縫糸でウエブを縦網状に縫合す
る方法等があり、これらの方法は単独で、あるいは組み
合わせることができる。なかでも水流やニ−ドル等の作
用によって絡合させる方法では、絡合中に複合繊維をフ
ィブリル化することができるので好ましい。
【0034】湿式法による繊維ウエッブの形成は抄紙法
が一般的であるが、かかる方法は生産速度が他の方法に
比べて速く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種
類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。すなわ
ち、繊維の形態もステ−プル状、パルプ状等と選択の幅
が広く、使用繊維径も極細繊維から太い繊維まで使用可
能であるといった極めて応用範囲が広く、地合の良好な
ウエッブが得られる。該方法は、まず、溶融紡糸して得
られた繊維をカットして水中に分散して緩やかに撹拌の
もと均一な抄紙スラリ−とし、この抄紙用スラリ−を丸
網、長網、傾斜式等のワイヤ−の少なくとも1つを有す
る抄紙機を用いて抄紙する方法である。またこのように
して得られた湿紙あるいは乾燥後の紙を単独、または積
層したシ−トに水流を当て絡合させてもよい。カットさ
れた繊維はビ−タ−あるいはリファイナ−等で叩解処理
が施された後に抄紙スラリ−と為してもよく、抄紙の際
に粘剤、分酸剤等を添加してもよい。この場合、繊維が
フィブリル化された後に抄紙されることになり、電池セ
パレ−タ用不織布として好適である。
【0035】上述の複合繊維100%の実質的に接着剤
や他の繊維を含まない不織布を形成する場合には、溶融
紡糸しながら周囲から高温気流を噴出して繊維をフィブ
リルし、これを捕集面上に集積するメルトブロ−法が好
適である。また、紡出された繊維を冷却しながら細化−
延伸−ウエッブ形成工程が直結したスパンボンド法も使
用でき、延伸方法はエアジェットによってもロ−ラによ
ってもよく、開繊は摩擦帯電法、強制帯電法、衝突拡散
法、気流拡散法などによって行うことができる。
【0036】このような方法によって形成された不織布
の表面は、表面平滑性の改善、不織布の厚さ調整、強
度、高密度化の発現等のために、不織布表面全体または
部分的に熱カレンダ−加工を行うことが好ましい。
【0037】メルトブロ−法では、上述の複合繊維を構
成するポリアミドと熱可塑性ポリマ−とを押出機のダイ
から集積スクリ−ン上に高速度気流で吹き飛ばし交絡す
ることによってウエッブを形成することができ、ウエッ
ブは捕集された時点で、熱可塑性ポリマ−として熱接着
性成分となるポリオレフィンを使用する場合には接着が
施されているが、さらにウエッブ強度と表面平滑性をも
たらすためにカレンダ−加工を施すことが好ましい。
【0038】上述した以外に、スプリットフィルム法や
発泡フィルム法とのバ−スとファイバ−法で不織布を形
成することも可能である。
【0039】本発明の複合繊維は各種の用途に適用可能
であるが、電池セパレ−タ用不織布として使用できる。
この電池は開放型でも密閉型でもよく、形状も円筒形、
偏平形、角形でもよい。より具体的にはアルカリマンガ
ン電池、水銀電池、酸化銀電池、鉛蓄電池、空気電池な
どの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電
池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケ
ル−水素電池、リチウムイオン二次電池などの二次電池
のセパレ−タ用不織布として好適に使用できる。電池セ
パレ−タ用不織布以外にエア−フィルタ−、液体フィル
タ−としても有用である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定
した値である。 (1)不織布の坪量(g/m2 ) JIS P 8124に準じて、不織布を10cm角に
裁断し、その重量Wを電子天秤(メトラ−社製、AE1
60型)で測定し、W/0.01により算出した。 (2)不織布の強力・裂断長(km) JIS P 8113に準じて、不織布を15mm×2
50mmに裁断した試験片を用いて強力(kg/15m
m)を測定し、裂断長を算出した。 (3)透気度(cc/m2 /sec) JIS L 1096に準じて、不織布を20cm角に
裁断して試験片とし、フラジ−ル型試験機を用いて試験
片を通過する空気量を求めた。
【0041】(4)耐アルカリ性 JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70
℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液中に60時間浸漬
処理した。処理前後の試験片の強力(kg/15mm)
を測定し、その強度保持率で表した。 (5)耐酸化劣化性 JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を5%
KMnO4 と30%水酸化カリウムの混合溶液(前者/
後者=250/50cc、50℃)に1時間浸漬処理し
た。処理前後の試験片の強力(kg/15mm)を測定
し、その強度保持率で表した。 (6)電解液保液性 不織布を5cm角に切断した試験片を20℃、30%の
水酸化カリウム溶液に30分間浸漬処理し、30秒間空
気中で自然落下による液切りを行った。処理前の試験片
の重量をW0 、処理後の試験片の重量をW1 とし、その
重量比(W1 /W0 )を総合吸液量(g/g)として算
出した。 (7)耐酸性 JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70
℃、10%の硫酸水溶液中に100時間浸漬処理した。
処理前後の試験片の強力(kg/15mm)を測定し、
その強度保持率で表した。
【0042】参考例1〜7 表1に示す量のテレフタル酸、1,9−ノナンジアミ
ン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、安息香
酸、次亜リン酸ナトリウム−水和物(原料に対して0.
1重量%)および蒸留水2.2リットルを、内容積20
リットルのオ−トクレ−ブに添加し、窒素置換を行っ
た。ついで100℃で30分間撹拌し、2時間かけて内
温を210℃に昇温した。この時、オ−トクレ−ブは2
2kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を続
けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に
保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2
保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を
10kg/cm2 まで下げ、さらに1時間反応を続けて
プレポリマ−を得た。このプレポリマ−を100℃、減
圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕し
た。粉砕物を230℃、0.1mmHg下にて10時間
固相重合することによりポリマ−を得た。得られたポリ
マ−の極限粘度を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1〜7 参考例1〜7で得られたポリアミドとポリプロピレン
(宇部興産社製:UBEポリプロ)を2台の押出機を用
いて表2に示す紡糸温度、吐出量比ポリアミド:ポリプ
ロピレン=1:1(重量比)で紡糸し、0.3mmΦ×
200ホ−ルの複合ノズルより吐出し、サイドバイサイ
ド型の複合繊維を得た。ついで、1浴が85℃、2浴が
95℃の水浴を用いて一段延伸・一段収縮処理を行い、
約300デニ−ル/100フィラメントのトウを得た。
延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。得られた
トウを捲縮数10個/インチに捲縮を施し、51mmの
長さに切断して綿状とした。この綿をロ−ラカ−ドを用
いてウエッブ状とし、ロ−ル温度150℃圧着部面積1
5%に設定したエンボスカレンダ−装置でエンボス加工
処理を行って繊維の一部を接着させた不織布を得た。こ
れらの不織布から電池セパレ−タを作成し、これらのセ
パレ−タ(不織布)の評価を行った。結果を表2に示
す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例8〜14 参考例1〜7で得られたポリアミドとポリプロピレン
(宇部興産社製:UBEポリプロ)を7:3の重量比率
で混合し押出機を用いて溶融混練して、表3に示す紡糸
温度、0.3mmΦ×100ホ−ルの複合ノズルより吐
出し、900デニ−ル/100フィラメントの海島型複
合繊維を得た。複合形態はポリアミドの海成分の中にポ
リプロピレンの島が存在する複合形態であった。得られ
た紡糸原糸を90℃の水浴中で3倍の倍率で延伸処理を
施し300デニ−ル/100フィラメントのトウを得
た。このトウに捲縮数10個/インチの捲縮を施し、5
1mmに切断して綿状にした。この綿をロ−ラカ−ドを
用いてウエッブ状にし、圧力80kg/cm2 の水流で
フィブリル化および水流絡合した後にロ−ル温度150
℃でカレンダ−処理を行い不織布を得た。これらの不織
布から電池セパレ−タを作成し、これらのセパレ−タ
(不織布)の評価を行った。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】実施例15 ポリアミドの原料として、テレフタル酸2159.8g
(13.0モル)、イソフタル酸830.2g(5.0
モル)、アジピン酸292.3g(2.0モル)、1,
6−ヘキサンジアミン2324.2g(20.0モ
ル)、安息香酸24.43g(0.2モル)、次亜リン
酸ナトリウム−水和物6.6g、蒸留水2.2リットル
を使用した以外は参考例1と同様にしてポリマ−(PA
66ITと称する)を重合した(極限粘度=0.8、C
ONH/CH2 =1/3.6)。得られたPA66IT
を用いて実施例1と同様にして不織布を得、電池セパレ
−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を
表4に示す。
【0049】実施例16 実施例15で得られたPA66ITを用いて、実施例8
と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。
このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0050】実施例17 ポリアミドとして、テレフタル酸1960.3g(1
1.8モル)、イソフタル酸1302.5g(7.8モ
ル)、1,10−デカンジアミン3446.2g(2
0.0モル)、安息香酸97.7g(0.8モル)、次
亜リン酸ナトリウム−水和物6.2g、蒸留水6リット
ルを使用した以外は参考例1と同様にしてポリマ−(P
A10ITと称する)を重合した(極限粘度=0.8、
CONH/CH2 =1/5)。得られたPA10ITを
用いて実施例8と同様にして不織布を得、電池セパレ−
タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表
4に示す。
【0051】実施例18 実施例11において、ポリプロピレンの代わりにナイロ
ン6(宇部興産社製:UBEナイロン1013BK)を
用い、カレンダ−温度を180℃にした以外は同様にし
て不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ
−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0052】実施例19 実施例11において、ポリプロピレンの代わりにポリエ
チレン[ダイヤポリマ−(株)社製:三菱ポリエチHD
HJ490)を用い、カレンダ−処理に代えて140
℃の熱風乾燥機で熱接着処理した以外は同様にして不織
布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの
評価を行い、結果を表4に示す。
【0053】実施例20 参考例4で得られたポリアミドとポリプロピレンとを
6:4(重量比)で混合し、押出機で溶融混練して紡糸
ヘッドの鞘側に導き、一方、参考例4で得られたポリア
ミドを別の押出機で紡糸ヘッドの芯側に導き、口金から
同時に吐出して芯鞘型複合繊維を得た。該複合繊維の断
面形態は、海状ポリアミド中に島状ポリプロピレンが存
在する海島構造をなす鞘部と、ポリアミドの芯部とから
なる断面形態であった。この複合繊維から実施例11と
同様にして不織布を作成し、電池セパレ−タを得た。こ
のセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0054】実施例21〜22 実施例11においてポリアミドとポリプロピレンを別々
の溶融押出機で溶融混練して紡糸ヘッドに導き、特殊形
状の紡糸口金を使用しこれらのポリマ−を同時に紡糸し
て放射状貼合せ型(実施例21)、多層貼合せ型(実施
例22)の複合繊維を得た。これらの複合繊維を用いて
実施例11と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを
作成した。これらのセパレ−タの評価を行い、結果を表
4に示す。
【0055】実施例23 実施例21において複合形態として静止型混合素子を用
いたランダム複合形態とした以外は同様にして複合繊
維、不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパ
レ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0056】実施例24 実施例11と同様にして得られたトウを5mmに切断
し、シングルディスクリファイナ−を用いて複合繊維を
フィブリル化してパルプ状物を得た。一方、参考例4で
得られたポリアミドを310℃で紡糸し、90℃の水浴
で3倍に延伸して300デニ−ル/100フィラメント
の繊維を得た。この繊維を5mmに切断してカットファ
イバ−とした。前述のパルプ状物70重量%とカットフ
ァイバ−30重量%とを標準離解機で離解してテスト抄
紙機で坪量70g/m2 の手すきシ−トを得た。このシ
−トを190℃の熱風乾燥機に入れて熱融着性成分であ
るポリプロピレンを溶融して接着処理を行い、不織布を
作成した。この不織布を用いて電池セパレ−タを作成
し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0057】実施例25 実施例11において、ポリアミドとポリプロピレンを
7:3の重量比で混合して押出機に入れ、溶融混練して
0.45×300Hの矩形ノズルを用いて、ノズル温度
330℃、空気温度350℃、空気圧力2.7kg/c
2 でメルトブロ−法により不織布を作成した。この不
織布を圧力80kg/cm2 の水流でフィブリル化処理
し、ついで150℃でカレンダ−処理した。処理後の不
織布から電池セパレ−タを作成し、評価を行った。結果
を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】比較例1 ポリアミドとしてカプロラクタムを開環重合させたナイ
ロン6(宇部興産社製:UBEナイロン6)を用いた以
外は実施例1と同様にして、複合繊維、不織布を作成し
た。不織布から電池セパレ−タを作成し、このセパレ−
タの評価を行った。結果を表5に示す。表5の結果から
明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性には優れ
るものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0060】比較例2 ポリアミドとしてカプロラクタムを開環重合させたナイ
ロン6(宇部興産社製:UBEナイロン6)を用いた以
外は実施例11と同様にして、複合繊維、不織布を作成
した。この不織布から電池セパレ−タを作成し、このセ
パレ−タの評価を行った。結果を表5に示す。表5の結
果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性に
は優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0061】比較例3 ポリアミドとしてヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジア
ミン)とアジピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなる
ナイロン66(宇部興産社製:UBEナイロン66)を
用いた以外は実施例1と同様にして、複合繊維・不織布
を作成した。この不織布から電池セパレ−タを作成し、
セパレ−タの評価を行い、結果を表5に示す。表5の結
果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性に
は優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0062】比較例4 ポリアミドとしてヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジア
ミン)とアジピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなる
ナイロン66(宇部興産社製:UBEナイロン66)を
用いた以外は実施例11と同様にして、複合繊維・不織
布を作成した。この不織布から電池セパレ−タを作成
し、セパレ−タの評価を行い、結果を表5に示す。表5
の結果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液
性には優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであっ
た。
【0063】比較例5 ポリアミドとしてメタキシリレンジアミン(芳香族ジア
ミン)とアジピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなる
ポリアミド(三菱ガス化学社製:MXナイロン600
7)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合繊維・
不織布を作成した。この不織布を用いて電池セパレ−タ
を作成し、このセパレ−タの評価を行った。結果を表5
に示す。ポリアミドが脂肪族ジカルボンで構成されてい
たので構造的にアミド結合が弱く、また結晶性が低いた
めと思われるが、耐酸化劣化試験において試験液中でポ
リアミドが著しく酸化劣化し、ポリプロピレンからなる
試験片がわずかに残っただけであった。
【0064】比較例6 ポリアミドとしてメタキシリレンジアミン(芳香族ジア
ミン)とアジピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなる
ポリアミド(三菱ガス化学社製:MXナイロン600
7)を用いた以外は実施例11と同様にして、複合繊維
・不織布を作成した。この不織布を用いて電池セパレ−
タを作成し、このセパレ−タの評価を行った。結果を表
5に示す。ポリアミドが脂肪族ジカルボンで構成されて
いたので構造的にアミド結合が弱く、また結晶性が低い
ためと思われるが、耐酸化劣化試験において試験液中で
ポリアミドが著しく酸化劣化し、ポリプロピレンからな
る試験片がわずかに残っただけであった。
【0065】比較例7 ポリプロピレン(宇部興産社製:UBEポリプロ)を紡
糸ヘッド温度200℃で紡糸し、水浴温度80℃で4倍
に延伸し、250デニ−ル/100フィラメントの繊維
を得た。この繊維を用い、実施例8と同様にして不織布
を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評
価を行い結果を表5に示す。表5の結果から明らかなよ
うに、耐アルカリ性と耐酸化劣化性に優れるものの、電
解保液性は非常に低いものであった。
【0066】比較例8 ナイロン6(宇部興産社製:UBEナイロン6)を紡糸
ヘッド温度250℃で紡糸し、水浴温度85℃で4倍に
延伸し、200デニ−ル/100フィラメントの繊維を
得た。この繊維を用い、実施例8と同様にして不織布を
得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価
を行い結果を表5に示す。表5の結果から明らかなよう
に、耐アルカリ性、電解液保液性に優れるものの、耐酸
化劣化性は非常に低いものであった。
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明の複合繊維は半芳香族ポリアミド
を一成分とするため、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、電
解液保液性などに優れ、また熱接着性成分と複合した
り、フィブリル化繊維とすることにより、電解液保液
性、不織布強度が向上することから、電池セパレ−タと
して有効な性能を有し、各種電池用途に長期間に亘って
使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香
    族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成
    分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレ
    ンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミド
    と、該ポリアミドと非相溶性の熱可塑性ポリマ−からな
    る複合繊維。
  2. 【請求項2】熱可塑性ポリマ−が熱融着性成分であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】請求項2記載の複合繊維を少なくとも50
    重量%用いた電池セパレ−タ用不織布。
  4. 【請求項4】ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香
    族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成
    分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレ
    ンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミドと
    該ポリアミドと非相溶性の熱可塑性ポリマ−からなるフ
    ィブリル化繊維を少なくとも50重量%用いた電池セパ
    レ−タ用不織布。
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