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JPH09316070A - ラクチド合成用の反応装置 - Google Patents

ラクチド合成用の反応装置

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Publication number
JPH09316070A
JPH09316070A JP13203496A JP13203496A JPH09316070A JP H09316070 A JPH09316070 A JP H09316070A JP 13203496 A JP13203496 A JP 13203496A JP 13203496 A JP13203496 A JP 13203496A JP H09316070 A JPH09316070 A JP H09316070A
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JP
Japan
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lactide
reaction tank
reaction
heat exchanger
liquid level
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Application number
JP13203496A
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JP3572141B2 (ja
Inventor
Hiroshi Maeda
弘 前田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP13203496A priority Critical patent/JP3572141B2/ja
Publication of JPH09316070A publication Critical patent/JPH09316070A/ja
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Publication of JP3572141B2 publication Critical patent/JP3572141B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/24Stationary reactors without moving elements inside
    • B01J19/2415Tubular reactors
    • B01J19/2435Loop-type reactors

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳酸オリゴマーから高純度のラクチドを、簡
易な構成のもとで、連続かつ安定して合成でき、しかも
処理能力の増大に対応が容易なラクチド合成用の反応装
置を提供する。 【解決手段】 上部にガス抽出口(1a)を設けたジャケッ
ト付の反応槽(1) と、この反応槽(1) の側方に配され、
中途に循環ポンプ(4) 、残渣排出管(8) および原料導入
管(9) を配した断熱管路(3) を介して、上端部を反応槽
(1) 底部に接続されると共に、ジャケット(7a)付の連結
管(7) を介して、下端部を反応槽(1) の液面形成高さの
側部に接続されたシェルチューブ型の流下式熱交換器
(2) とを備えてなる構成とする。 【効果】 溶融状態とした原料を系内で循環させ、熱交
換器内でラクチド反応と蒸気化とを進行させて反応槽に
送ると共に、反応槽上部の気相部により気液分離して、
ガス化した高純度のラクチドを系外に安定かつ連続して
回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラクチド生成用の
反応装置に関し、詳細にはポリ乳酸の原料用としての高
純度ラクチドを連続して合成するための反応装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸は生体安全性の高い高分子化合
物であり、また生物学的あるいは加水分解的に劣化し、
生理学的および環境的に安全な乳酸に分解することよ
り、医療用の縫合糸、徐放性カプセル、体内充填補強材
などに用いられ、また自然環境下での分解性プラスチッ
クとしても注目されている。また、このようなポリ乳酸
の製造方法としては、出発原料としての乳酸を脱水縮重
合させて比較的低分子量の乳酸オリゴマーとし、これを
触媒(オクチル酸スズ等)の存在下で加熱して環状2量
体化させると共に減圧下で蒸発させ、蒸気生成物の流れ
の成分としてラクチドを回収し、次いで、このラクチド
を開環重合させて目的のポリ乳酸を得る方法が知られて
いる。
【0003】そして従来では、乳酸オリゴマーからラク
チドを合成するには、〔図4〕に示すバッチ処理式の反
応槽が一般的に用いられている。この反応槽(30)では、
一定量の乳酸オリゴマーを導入し、周壁のジャケット(3
1)に供給する熱媒により加熱すると共に攪拌翼(32)で均
一に攪拌し、減圧した反応槽(30)内でラクチド反応と蒸
発とを同時平行的に進行させて、蒸気化したラクチドを
上部から回収する。
【0004】また例えば、特表平7-500091号にあるよう
に、ワイプレン型の薄膜蒸発機により連続的に合成する
技術も知られている。この薄膜蒸発機では、〔図5〕に
示すように、ジャケット(41)付の筒状蒸発器(40)の内壁
面と、中心部の内部凝縮器(42)との間に回転可能な筒状
のワイパーブレート(43)を配置し、上部から連続供給し
た溶融乳酸オリゴマーを、蒸発器(40)内壁面に沿って流
下させると共に、回転するワイパーブレート(43)によっ
て内壁面全体に均一な厚さの薄膜に広げ、これによりラ
クチド反応と蒸発とを連続的に進行させて、蒸発したラ
クチドを上部から連続して回収する構成とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポリ乳酸の
原料用としてのラクチドに、合成の際の不純物(水や乳
酸のモノマー、ダイマーおよびトリマー等)が含まれる
と、これら不純物はラクチドの開環重合の阻害物として
働くため、高分子量のポリ乳酸を得るには高純度のラク
チドが必要となる。しかしながら、上記従来の反応槽
は、構造が簡易で設備費を低く抑えられるものの、バッ
チ処理であるがために、効率面で劣り、かつ熱ロスが多
くてランニングコストが大きくなる。しかも、槽内組成
が経時で変化し、かつ槽内で反応と蒸気化が同時に起こ
るため蒸気に未反応原料が同伴され易く、安定した品質
のラクチドを抜き出すことができない。ここで、反応シ
ステムでキーとなる問題は、所定温度下で所定反応時間
(滞留時間)を経て反応させ、反応物を蒸気化して抜き
出すこと、つまり系内液体積と反応および蒸気化に必要
な熱量供給のための伝熱面積とを適正にバランスさせる
ことにあるが、ジャケット付反応槽のみでは、滞留量
(槽内容積または液体積)に対する伝熱面積(ジャケッ
ト面積)は比例的に変化させられない。また、反応槽内
に伝熱コイル等の加熱手段を設けることもできるが、こ
の場合、槽内での液の流動が阻害されて非流動部が生じ
易く、かつ蒸気化の際に未反応物の同伴が生じ易く、こ
れが純度低下の原因となる。従って、反応槽の大型化に
よる処理能力の増大には限界が生じる。一方、上記薄膜
蒸発機では、溶融原料を薄膜化することで滞留量に対す
る伝熱面積を適正にバランさせられるものの、その内部
に複雑な回転機構を有するため、設備費が多くかかり、
かつ処理能力増大のための大型化は困難である。しか
も、内部の機構が複雑なため非流動部や堆積部が生じ易
く、これがコンタミの原因となり、更にまた、蒸発器内
壁面にヒールと呼ばれる残渣が付着形成されるため、こ
れらを除去するための溶媒の事前添加や定期的な洗浄が
必要となり、それら操作がプロセスを複雑化する。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
るため、乳酸オリゴマーから高純度のラクチドを連続か
つ安定して合成できてなお、構成が簡易で設備費および
保守負担を低く抑えることができ、しかも処理能力の増
大に対応可能なラクチド合成用の反応装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係るラクチド合成用の反応装置は、乳酸オリゴマ
ーを触媒の存在下で加熱して解重合反応させ、生成した
ラクチドを減圧下で蒸発させて回収するラクチド生成用
の反応装置であって、上部にガス抽出口を設けたジャケ
ット付の反応槽と、この反応槽の側方に配され、中途に
循環ポンプ、原料導入部および残渣排出部を配した断熱
管路を介して、上端部を該反応槽の底部に接続されると
共に、ジャケット付連結管を介して、下端部を該反応槽
の側部に接続されたシェルチューブ型の流下式熱交換器
とを備えてなることを特徴とする。
【0008】上記本発明の反応装置では、触媒を添加し
た原料の乳酸オリゴマーを、原料導入部を介して導入
し、流下式熱交換器を経て反応槽に送り、これを断熱管
路を経て再び流下式熱交換器に循環させる。このとき、
原料の乳酸オリゴマーは、流下式熱交換器のチューブ内
を流下し、周囲のシェルに供給された熱媒の熱を受けて
加熱され、ラクチド反応および蒸発を生じながら、ジャ
ケット付連結管を経て反応槽に流入する。そして、熱交
換器と連結管内で気液分離され、更に反応槽内上部の気
相部により完全に気液分離されてガス化したラクチド
は、槽上部のガス抽出口から系外に取り出される。一
方、反応槽内に流入した未反応原料は、この反応槽内で
一時滞留し、周壁のジャケットに供給された熱媒から温
度保持のために必要な熱量を受けると共に、更に反応お
よび気液分離を進行させた上で、槽底から断熱管路を経
て流下式熱交換器に向けて循環液として送られ、その中
途の原料導入部から導入される原料と混合されて流下式
熱交換器に入り、これにより流下式熱交換器と反応槽と
を循環し、順次目的のラクチドへと反応および気液分離
される。ここで、系内液量は、系外へのガス化物の回収
量とのバランスにおいて、残渣排出部からの残渣排出量
を原料導入部からの原料供給量と対応させて設定するこ
とで調整でき、また、系内滞留時間と供給熱量とのバラ
ンスは、循環ポンプによる循環流量制御と、熱交換器へ
の熱媒の供給量制御とにより調整できる。更に、反応お
よび蒸気化に必要な熱量供給のための伝熱面積は、熱交
換器のチューブの径、本数、長さ等の選定により、系内
設定液量に対応して変更できる。従って、非流動部のな
い理想的な反応操作のもとで、系内液量と伝熱面積とを
適正にバランスさせて、高純度のラクチドを連続かつ安
定して得ることができ、しかも処理能力増大のための大
容量化にも容易に対応することができる。
【0009】また、上記反応槽が、内部に攪拌翼を配置
していて良く、この構成によると、反応槽内で一時滞留
している液を攪拌し、ジャケットから液への入熱を均一
なものとして、該反応槽内での反応および気液分離をよ
り促進でき、特に操作条件での液粘度が高い場合や、反
応槽が大容量である場合に有効である。
【0010】また、上記反応槽内の液面レベルを検出す
る液面検出手段と、この液面検出手段で検出された液面
レベルに基づいて上記流下式熱交換器への熱媒供給量を
制御する供給熱量制御手段とを備えていても良く、この
構成によると、熱交換器での入熱量を反応槽内の液面レ
ベルに対応して制御し、幅広い操作条件を選定すること
ができ、外的要因の変動等に容易に対応して安定した反
応を継続できる。
【0011】また、上記流下式熱交換器の上端部が不活
性ガス供給源に接続されていても良く、この構成による
と、熱交換器の上部から少量の窒素ガス等を注入し、該
熱交換器内での反応により生じたガス(蒸気化ラクチ
ド)が上端部内で滞留することのないように下方へのガ
スの流れを促進して安定化させ、気液分離の効率を高め
ることができる。
【0012】また、上記ジャケット付連結管が、上記反
応槽内の液面の上方に位置して開口する上部連結管と、
同液面下に位置して開口する下部連結管とに分岐されて
いても良く、この構成によると、熱交換器内での反応に
より生じたガス(蒸気化ラクチド)を上部連結管を介し
て反応槽内上部の気相部に、未反応原料液を下部連結管
を介して反応槽内液面下にそれぞれ分離させて送り、反
応槽内での気液分離をより効率的なものとすることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。〔図1〕は、本発明に係る反応装
置の1実施形態を示す概略図である。
【0014】〔図1〕において、(1) は反応槽であっ
て、この反応槽(1) は、全周壁にジャケット(10)を設け
た縦型筒状の圧力容器に形成されると共に、その上部に
ガス抽出口(1a)、液面形成高さ位置に対応する側部に気
液流入口(1b)、下底部に液流出口(1c)を設けている。ま
た、その内部には、槽頂部に配したモータ(11)で駆動回
転されるパドル型の攪拌翼(12)を配置している。
【0015】また、この反応槽(1) の下底部の液流出口
(1c)は、中間に循環ポンプ(4) を装備した断熱管路(3)
を介して、該反応槽(1) の側方に配設された流下式の熱
交換器(2) の上部チャンネル(21)に接続されている。ま
た、この熱交換器(2) の下部チャンネル(23)は、L形に
曲げられたジャケット(7a)付の連結管(7) を介して、反
応槽(1) の気液流入口(1b)に接続されており、これによ
り反応槽(1) 〜断熱管路(3) 〜熱交換器(2) 〜連結管
(7) 〜反応槽(1) へと循環する液循環系が形成されてい
る。
【0016】ここで、熱交換器(2) は、上部チャンネル
(21)と下部チャンネル(23)とを多数のチューブ(22)で連
結すると共に、それらチューブ(22)回りの胴部シェル(2
0)内に、上下のノズル(20a),(20b) から熱媒を循環導入
し、各チューブ(22)の内面に沿って流下する液に熱を供
給するシェルチューブ型のものである。また、上部チャ
ンネル(21)内には、導入した液を各チューブ(22)に均一
に分散させて流入させるために上端縁を水平とした整流
板(21a) が設けてある。更に、その上部チャンネル(21)
の頂部には、図示省略の不活性ガス供給源に接続された
ガス導入孔(24)が設けてある。また、反応槽(1) のジャ
ケット(10)および連結管(7) のジャケット(7a)も、同様
に上下のノズル(10a),(10b) および(7b),(7c) から熱媒
を循環導入し、それぞれの内部の液に熱を供給する。
【0017】翻って、断熱管路(3) には、反応槽(1) 底
部寄りの部位にギヤーポンプ(8a)を装備した残渣排出管
(8) が分岐接続され、また循環ポンプ(4) と熱交換器
(2) との間にギヤーポンプ(9a)を装備した原料導入管
(9) が分岐接続されている。また、この原料導入管(9)
には、触媒を添加するための、触媒注入管(9b)が分岐接
続されている。更に、循環ポンプ(4) の直後流側には、
循環流量の制御のために、内部の流量を計測して循環ポ
ンプ(4) の回転数を制御する流量制御器(5) が介装され
ている。なお、循環流量の厳密な調整は必要でなく、循
環ポンプ(4) は可変モータで流量調整可能なものが望ま
しいが、流量制御器(5) は省略しても良い。また、原料
導入管(9) の直後流側には、この原料導入管(9) を介し
て導入する原料と循環流とを混合するスタチックミキサ
ー(6) が介装されている。
【0018】一方、反応槽(1) 上部のガス抽出口(1a)
は、図示省略の減圧手段を備えた回収管路に接続され、
これにより反応槽(1) 内は、3000Pa以下に減圧される。
また、この反応槽(1) は、内上部の気相部と液相部との
圧力差から液面(L) レベルを検出すると共に、検出した
液面レベルに基づき、熱交換器(2) の胴部シェル(20)に
熱媒を導入するノズル(20a) の流量制御弁(25)に対して
開度変更の指令を出す液面制御器(13)と、液温を検出す
る温度計(14)とを備えている。
【0019】上記構成の本例の反応装置では、加熱(120
℃前後)溶融された原料の乳酸オリゴマーを、原料導入
管(9) からギヤーポンプ(9a)により定量かつ連続に導入
する一方、このギヤーポンプ(9a)の流量と比例設定され
た触媒を、触媒注入管(9b)を介して注入し、これらを循
環ポンプ(4) により循環系内で循環させる。ここで、反
応槽(1) 内は3000Pa以下に減圧し、また、添加する触媒
としては、従来公知のオクチル酸スズ、3酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、ステアリン酸などを用いる。
【0020】このとき、原料の乳酸オリゴマーは、熱交
換器(2) の上部チャンネル(21)に入り、整流板(21a) に
より均一に分散されて各チューブ(22)内を流下し、周囲
の胴部シェル(20)に循環供給される熱媒の熱を受けて加
熱(150〜 225℃、好ましくは150〜 200℃の温度)さ
れ、環化反応(乳酸オリゴマーの解重合反応による環状
2量体化)および蒸発を生じながら、ジャケット(7a)付
の連結管(7) を経て反応槽(1) に送られる。そして、熱
交換器(2) と連結管(7) 内で気液分離され、更に反応槽
内(1) 上部の気相部により完全に気液分離されてガス化
したラクチドは、槽上部のガス抽出口(1a)から系外に取
り出される。
【0021】一方、熱交換器(2) での未反応原料は、反
応槽(1) 内に流入して一時滞留し、攪拌翼(12)によって
均一に攪拌混合されると共に、周壁のジャケット(10)に
循環供給される熱媒から温度保持のために必要な熱量(1
50〜 225℃の温度を保持する熱量)を受け、反応槽(1)
内で更に反応および気液分離を進行させた上で、槽底か
ら断熱管路(3) を経て熱交換器(2) に向けて循環液とし
て送られる。そして、中途のスタチックミキサー(6) に
よって原料導入管(9) から導入される原料と均一に混合
されて熱交換器(2) に入り、これにより必要な熱量を受
けてラクチド反応と気液分離が順次進行し、ガス化した
ラクチドが連続回収される。また、系内で濃縮される触
媒および高沸点残渣は、残渣排出管(8) からギヤーポン
プ(8a)により定量排出される。
【0022】また、熱交換器(2) の上部チャンネル(21)
内に、その頂部のガス導入孔(24)を介して少量のN2
スを注入し、熱交換器(2) 内での反応により生じたガス
(蒸気化ラクチド)が上部チャンネル(21)内で滞留しな
いように下方へのガスの流れを促進して安定化させる。
このN2 ガスは、反応槽(1) 内に流入して気液分離さ
れ、ガス化ラクチドと共に系外に取り出される。
【0023】ここで、上記操作時における処理量は、原
料導入管(9) のギヤーポンプ(9a)の回転数で設定され、
その流量に見合う触媒量が設定される。また、設定処理
量と系内での触媒の濃縮倍率とにより、残渣排出量を残
渣排出管(8) のギヤーポンプ(8a)の回転数で設定する。
また、処理量に見合う適正循環量が循環ポンプ(4) にて
設定される。そして、適正反応時間と処理量とより系内
滞留時間が決定され、その滞留時間に見合う液面が、液
面制御器(13)にて設定される。また、その液面の制御
は、熱交換器(2) への流量制御弁(25)の開度を変更し、
熱交換器(2) への入熱量を制御することにより、ラクチ
ド蒸発量を自動的に制御することによりなされる。更
に、適正反応時間は、処理温度および系内圧力の調整で
変更が可能であり、これらの設定・制御にて、簡単に幅
広い操作条件を選定することができる。
【0024】このように、溶融状態の原料を系内で循環
させながらラクチド反応と気液分離とを順次進行させ
て、蒸発生成物として製品ラクチドを取り出す本例の反
応装置では、非流動部のない理想的な反応操作のもと
で、系内液量と伝熱面積とを適正にバランスさせて、高
純度のラクチドを連続かつ安定して得ることができる。
しかも、その構成が簡易であって設備費および保守負担
を低く抑えることができ、また、反応および蒸気化に必
要な熱量供給のための伝熱面積は、熱交換器のチューブ
の径、本数、長さ等の選定により、系内での設定液量に
対応して変更できるので、処理能力増大のための大容量
化にも容易に対応することができる。
【0025】なお、上記例の反応装置では、反応槽(1)
内にパドル型の攪拌翼(12)を配置したが、これは大容量
に対応し、液を攪拌混合してジャケット(10)からの入熱
を均等かつ効率的なものとするためであって、その攪拌
翼は、適用する反応槽の容量および操作条件での液粘度
等を勘案してパドル型以外の形態のものを用いて良い
く、また、比較的容量が小さく、かつ操作条件での液粘
度が低くて反応槽内での流動混合が期待される場合に
は、この攪拌翼の配置は省略されても良い。
【0026】また、上記例の反応装置では、熱交換器
(2) の上部チャンネル(21)内に設けた整流板(21a) は、
上端縁を水平に形成されたものとしたが、その別の実施
形態の説明図である〔図2〕の (a)図に示すように、上
端縁に複数のVノッチ(21b) を切ることも液を均一分散
させるに有効であり、更に、上端縁の水平度を調整でき
るように、固定される下部と上下動可能な上部とを組み
合わせた構成とされることも好ましい実施形態である。
更にまた、下端部に複数のウイープホール(21c)を設け
ることも液の均一分散に有効である。一方、各チューブ
(22)は、液の均一分散のために必要な液深が取れるよう
に、それぞれの上端部を上部チャンネル(21)内に突出さ
せた状態で取り付けられるが、液の均等流入ためには互
いの上端面が水平であることが要求される。しかし、大
容量でチューブ数が多くなる場合には、各チューブの上
端面を水平に揃えることは製作上困難となるので、これ
に対処するには、各チューブを取り付けた後に、 (b)図
に示すように、各チューブ(22)の上端にVノッチ(22a)
を切ることや、(c)図に示すように、各チューブ(22)上
端にアダプター(26)を取り付けることが効果的であり、
更には (d)図に示すように、各チューブ(22)に、上端に
Vノッチ(27a) を切ったアダプター(27)をネジ等を介し
て高さ調整可能に取り付けることがより効果的で好まし
い実施形態である。更にまた、各チューブ(22)の上部チ
ャンネル(21)内での付け根部にウイープホール(22b) を
設けることも液の均一分散に有効である。
【0027】また、上記例の反応装置では、熱交換器
(2) は、その胴部シェル(20)の径よりも小さな径のジャ
ケット(7a)付の連結管(7) を介して、反応槽(1) の接続
したが、これは1例であって、相互間の取り合わせに特
段の制約がなければ、例えば、その別の実施形態の説明
図である〔図3〕の (a)図に示すように、熱交換器(2)
の胴部シェル(20)と同径のジャケット(7a)付の連結管
(7')を介して連結することも、効率的な気液分離流動が
得られて好ましい。更に、(b) 図に示すように、ジャケ
ット(7a)付の連結管(7")を、反応槽(1) 内の液面(L) の
上方に位置して開口する上部連結管(16)と、同液面(L)
下に位置して開口する下部連結管(17)とに分岐させ、熱
交換器(2) 内での反応により生じたガス(蒸気化ラクチ
ド)を上部連結管(16)を介して反応槽(1) 内上部の気相
部に、未反応原料液を下部連結管(17)を介して液面(L)
下にそれぞれ分離して流入させる構成とすることも、よ
り効率的な気液分離が行えると共に、液相の系内滞留時
間の調整幅が広げられて、より好ましい実施形態であ
る。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るラク
チド合成用の反応装置は、連続操作のもとで、乳酸オリ
ゴマーから高純度のラクチドを安定して合成できてな
お、構成が簡易で設備費および保守負担を低く抑えるこ
とができ、しかも処理能力増大のための大型化が容易
で、大容量連続処理に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応装置の1実施形態を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の反応装置に関わる熱交換器の別の実施
形態の説明図である。
【図3】本発明の反応装置に関わる連結管の別の実施形
態の説明図である。
【図4】従来のラクチド合成用反応槽を示す概略図であ
る。
【図5】従来のラクチド合成用薄膜蒸発機を示す概略図
である。
【符号の説明】
(1) --反応槽、(1a)--ガス抽出口、(1b)--気液流出口、
(1c)--液流出口、(2)--熱交換器、(3) --断熱管路、(4)
--循環ポンプ、(5) --流量制御器、(6) --スタチック
ミキサー、(7) --連結管、(7')--連結管、(7")--連結
管、(7a)--ジャケット、(7b)--ノズル、 (7c)-- ノズ
ル、(8) --残渣排出管、(8a)--ギヤーポンプ、(9) --原
料導入管、(9a)--ギヤーポンプ、(9b)--触媒注入管、(1
0)--ジャケット、(10a) --ノズル、 (10b)--ノズル、(1
1)--モータ、(12)--攪拌翼、(13)--制御器、(14)--温度
計、(16)--上部連結管、(17)--下部連結管、(20)--胴部
シェル、(20a) --ノズル、(20b) --ノズル、(21)--上部
チャンネル、(21a) --整流板、(21b) --Vノッチ、(21
c) --ウイープホール、(22)--チューブ、(22a) --Vノ
ッチ、(22b) --ウイープホール、(23)--下部チャンネ
ル、(24)--ガス導入孔、(25)--流量制御弁、(26)--アダ
プター、(27)--アダプター、(27a) --Vノッチ、(L)--
液面(L) 。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸オリゴマーを触媒の存在下で加熱し
    て解重合反応させ、生成したラクチドを減圧下で蒸発さ
    せて回収するラクチド生成用の反応装置であって、上部
    にガス抽出口を設けたジャケット付の反応槽と、この反
    応槽の側方に配され、中途に循環ポンプ、原料導入部お
    よび残渣排出部を配した断熱管路を介して、上端部を該
    反応槽の底部に接続されると共に、ジャケット付連結管
    を介して、下端部を該反応槽の側部に接続されたシェル
    チューブ型の流下式熱交換器とを備えてなることを特徴
    とするラクチド合成用の反応装置。
  2. 【請求項2】 前記反応槽が、内部に攪拌翼を配置して
    いる請求項1記載のラクチド合成用の反応装置。
  3. 【請求項3】 前記反応槽内の液面レベルを検出する液
    面検出手段と、この液面検出手段で検出された液面レベ
    ルに基づいて前記流下式熱交換器への熱媒供給量を制御
    する供給熱量制御手段とを備えている請求項1または2
    記載のラクチド合成用の反応装置。
  4. 【請求項4】 前記流下式熱交換器の上端部が不活性ガ
    ス供給源に接続されている請求項1、2または3記載の
    ラクチド合成用の反応装置。
  5. 【請求項5】 前記ジャケット付連結管が、前記反応槽
    内の液面の上方に位置して開口する上部連結管と、同液
    面下に位置して開口する下部連結管とに分岐されている
    請求項1、2、3または4記載のラクチド合成用の反応
    装置。
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