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JPH09316019A - ナフタレンアルデヒド類の製造方法 - Google Patents

ナフタレンアルデヒド類の製造方法

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Publication number
JPH09316019A
JPH09316019A JP8159243A JP15924396A JPH09316019A JP H09316019 A JPH09316019 A JP H09316019A JP 8159243 A JP8159243 A JP 8159243A JP 15924396 A JP15924396 A JP 15924396A JP H09316019 A JPH09316019 A JP H09316019A
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ion
iii
ions
naphthalene
reaction
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JP8159243A
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Yoshiharu Matsuda
好晴 松田
Kyoko Hisayoshi
京子 久芳
Takao Takeuchi
孝夫 武内
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Daiwa Kasei Kenkyusho KK
Original Assignee
Daiwa Kasei Kenkyusho KK
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Publication date
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Publication of JPH09316019A publication Critical patent/JPH09316019A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナフタレンアルデヒド類の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ナフタレンアルデヒド類は、アルキルナ
フタレン類を溶解した有機溶媒相をCe(IV)イオン、C
o(III) イオン又はMn(III) イオンを溶解させた高濃
度酸水溶液相と接触させて酸化させることにより製造さ
れる。Ce(III) イオン、Co(II)イオン又はMn(II)
イオンを含有する高濃度酸水溶液を電解酸化することに
よって製造されたCe(IV)イオン、Co(III) イオン又
はMn(III) イオンを含有する高濃度酸水溶液をアルキ
ルナフタレン類を溶解した有機溶媒相との接触に使用し
て酸化反応を行うと、反応後に回収されたCe(III) イ
オン、Co(II)イオン又はMn(II)イオンを含有する水
性相は高濃度酸水溶液によって再調整した後、電解酸化
工程に再循環させ、電解酸化した後、アルキルナフタレ
ン類の酸化に再利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナフタレンアルデ
ヒド類の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは
セリウムイオン(Ce(III) /Ce(IV))、コバルトイ
オン(Co(II)/Co(III) )、マンガンイオン(Mn
(II)/Mn(III) )等をレドックスメディエーターとす
るナフタレンアルデヒド類の製造方法に関するものであ
る。ナフタレンアルデヒド類は、現在、ファインケミカ
ル、薬学、農学等の分野で工業的に重要な中間体であ
り、特にその一つであるナフタレン−1−アルデヒドは
染料中間体、光沢はんだめっき浴の添加剤等として広く
利用されている。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンアルデヒド類、例えばナフタ
レン−1−アルデヒドの化学的合成法には、我々がこれ
までに出願したトリフルオロ酢酸の存在下、ヘキサメチ
レンテトラミンとナフタレンを反応させ、加水分解して
生成物を得る方法がある(特願平4−092385
号)。また、酢酸水溶液中で1−クロロメチルナフタレ
ンにヘキサメチレンテトラミンを作用させる方法(S.
J.アンジアル、J.R.テトラツ及びJ.G.ウイル
ソン、Org.Synth.IV 690(196
3))、希硝酸を用いて1−クロロメチルナフタレンを
酸化する方法がある。一方、電解合成法では、1−ナフ
チルメタノールの電解酸化による合成法等がある。しか
し、これらの方法では、原料の価格が高く入手が困難で
あり、多品種の薬剤が必要であり、製造工程が長い等の
問題点がある。
【0003】例えば、ナフタレンを出発原料物質とする
ナフタレンアルデヒドの製造方法は、原料が安価で入手
が容易であるという利点はあるが、生成物と未反応ナフ
タレンを分解する蒸留工程において、ナフタレンの固化
析出が原因となって蒸留操作を困難にする問題がある。
従って、ナフタレンの固化析出を防ぐ対策が各反応工程
において必要であり、製造設備費に大きな負担を招いて
いる。また、トリフルオロ酢酸の存在下でヘキサメチレ
ンテトラミンを用いてナフタレンアルデヒドを合成する
方法(ダッフ法及び改良ダッフ法)では、反応後にトリ
フルオロ酢酸の一部を再利用できる長所はあるが、生成
物とトリフルオロ酢酸を分離する際に、反応溶液のpH
値を6〜8の範囲に中和処理する工程を要し、アルカリ
塩になったトリフルオロ酢酸を無水トリフルオロ酢酸と
して回収する操作に多大な労力を要すると共に製造工程
が長い等の問題点がある。さらに、アルキルナフタレン
類の直接電解酸化でナフタレンアルデヒド類を合成する
際には、反応速度が遅い、目的生成物の選択性に欠け、
生産効率が低い等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前記のような問題点を解決し、原料の価格が安く
入手が容易であり、多品種の薬剤が必要とせず、製造設
備が簡単で製造工程が短いナフタレンアルデヒド類の製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】まず、本発明者は、前記した従来技術の方
法とは異なった方法として、セリウムイオン等をメディ
エーターに用いたナフタレン化合物類を間接的に電解合
成する工業的製造方法を検討した。例えば、1−メチル
ナフタレンを電極上で直接酸化した場合、電極上で1−
メチルナフタレン基質の吸着による樹脂化が生じて電流
が流れにくくなり、その現象が電流効率と目的生成物の
選択性を低下させ、目的とするナフタレン−1−アルデ
ヒドの生成を困難なものにする。しかし、鋭意検討した
結果、電極上で基質を直接酸化させることが困難な場合
には、酸化剤的作用を示すレドックス系メディエーター
を基質と電極の電子移動の媒介体として用いて間接的に
電解酸化を行う合成方法が非常に有効であることを見出
した。
【0006】メディエーターを利用する間接的電解酸化
反応では、目的生成物を得る反応の選択性がメディエー
ターの種類によって大きな影響を受ける。これは、還元
電位がメディエーターとして利用する金属イオン種並び
に電解溶液種によって異なる(J.Org.Chem.
48、9(1983))ことが原因であって、このため
に基質に対する反応作用に相違を生じる。メディエータ
ーを用いた間接的電解酸化を行う場合には、このメディ
エーターの種類によって異なる還元電位と基質の酸化電
位との間に適切な関係が成り立つときに、目的生成物の
反応選択性が向上する。そこで、我々は、電解酸化法に
より、種々な酸溶液を用い、種々なナフタレンアルデヒ
ド類を合成するための最適な方法及びその条件について
種々な研究を行い、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明の概要 即ち、本発明は、アルキルナフタレン類を溶解した有機
溶媒相をCe(IV)イオン、Co(III) イオン又はMn(I
II) イオンを溶解させた高濃度酸水溶液相と接触させる
ことによってアルキルナフタレンを酸化してナフタレン
アルデヒド類を製造することを特徴とする、ナフタレン
アルデヒド類の製造方法である。
【0008】本発明の方法に従う酸化反応は、アルキル
ナフタレン類を含有する有機溶媒相とメディエーターイ
オン種を含有する酸水溶液相との二相系で撹拌下に接触
させることにより行われる。反応は、アルキルナフタレ
ンがナフタレンアルデヒド類に酸化されるにつれて、メ
ディエーターイオン種が還元されて不活性になると停止
する。反応は、20℃〜80℃、好ましくは40℃〜7
5℃、さらに好ましくは約60℃前後で行われる。約6
0℃ほどの穏やかな反応温度は、作業条件が温和であっ
て、アルデヒド類の生成に対する選択性を高めるととも
に、メディエーター種の反応速度を増加させて反応時間
の短縮化に寄与する。好ましい方法によれば、所定の温
度に保持したメディエーターイオン種を含有する酸水溶
液相にアルキルナフタレン類を含有する有機溶媒相を激
しく撹拌しながら滴下し、二つの相を接触させることに
よって反応を進行させることができる。
【0009】アルキルナフタレン類を溶解させるのに使
用される有機溶媒は、アルキルナフタレン類を溶解させ
るとともに反応条件下で不活性であることが必要であ
り、更に、反応後の主成分とメディエーター相との分
離、回収及びメディエーターの再利用を進めるために、
水との相互溶解性が低いものが好ましく、特にベンゼ
ン、ヘキサン、リグロイン等が好ましい。
【0010】本発明において使用されるメディエーター
イオン種を含有する酸水溶液相を与える物質は、セリウ
ム、コバルト及びマンガンの塩類である。例えば、これ
ら金属の硫酸、硝酸、過塩素酸、クロルスルホン酸、メ
タンスルホン酸、酢酸等のような酸との塩類が挙げられ
る。例えば、硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、酢酸
等の酸のセリウム(IV)塩、コバルト(III) 塩、マンガン
(III) 塩等が特に好ましい。本発明で使用される高濃度
酸水溶液相は、これらの塩類をそれら塩を構成する酸と
同種の酸に溶解させることによって調製される。酸水溶
液相の濃度は、一般に0.1〜8M、好ましくは2〜4
Mの範囲である。本発明の方法で使用されるセリウム、
コバルト及びマンガンの塩類は、酸水溶液中でCe(IV)
イオン、Co(III) イオン及びMn(III) イオンをそれ
ぞれ与えるものである。これらのイオンは、アルキルナ
フタレンの酸化の結果として、Ce(III) イオン、Co
(II)イオン及びMn(II)イオンに還元される。このよう
に還元されるとこれらのイオン種は不活性となり、酸化
反応は終了する。このように還元された形態のイオン種
は、廃棄処分される。しかし、セリウム、コバルト及び
マンガンイオンは、高価なものであるから、そのまま廃
棄することは望ましくない。そこで、本発明では、Ce
(III) イオン、Co(II)イオン及びMn(II)イオンを電
解酸化によりCe(IV)イオン、Co(III) イオン及びM
n(III) イオンに変換し、これをアルキルナフタレンの
酸化に使用した後、上記のように還元されたイオン種を
回収し、再生再利用することが可能であることがわかっ
た。また、これらのメディエーターの再生工程は、同一
セル内に基質が存在していても実施可能であり、この場
合には、基質の酸化とメディエーターの再生を同時に行
うことができる。電解酸化は通常の電解酸化に使用され
る電解セルにおいて行われる。電解酸化の条件は当業者
により容易に決定することができる。電解酸化によって
上記のようなイオン種を与えるのに使用される物質は、
例えば、硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、酢酸等の
酸のセリウム(III) 塩、コバルト(II)塩、マンガン(II)
塩等が特に好ましい。メタンスルホン酸の塩類の場合に
は、炭酸のセリウム(III) 塩、コバルト(II)塩、マンガ
ン(II)塩等をメタンスルホン酸と反応させることにより
調製されたものを使用することができる。
【0011】しかして、本発明の他の観点によれば、C
e(III) イオン、Co(II)イオン又はMn(II)イオンを
含有する高濃度酸水溶液を電解酸化してCe(IV)イオ
ン、Co(III) イオン、Mn(III) イオンを含有する高
濃度酸水溶液を製造し、この高濃度酸水溶液の相をアル
キルナフタレン類を溶解した有機溶媒相と接触させるこ
とによってアルキルナフタレンをナフタレンアルデヒド
類に酸化するか、或いは、上記のCe(III) イオン、C
o(II)イオン又はMn(II)イオンから選ばれるイオンを
含有する高濃度酸水溶液相と、アルキルナフタレン類を
溶解した有機溶媒相の二相を同一の電解セル中に仕込
み、電解してメディエーターの生成とアルキルナフタレ
ン類の酸化反応及びメディエーターの再生工程を同時に
行い、次いで得られたナフタレンアルデヒド類を含有す
る有機相と還元されたCe(III) イオン、Co(II)イオ
ン又はMn(II)イオンを含有する水性相とを分離し、有
機相からナフタレンアルデヒド類を回収することを特徴
とする、ナフタレンアルデヒド類の製造方法が提供され
る。本発明のさらに好ましい具体例においては、本発明
の上記の方法は、分離されたCe(III) イオン、Co(I
I)イオン又はMn(II)イオンを含有する水性相を高濃度
酸水溶液に再調整した後、電解酸化工程に再循環するこ
とを包含する。
【0012】上記の方法において、ナフタレンアルデヒ
ド類を含有する有機相と還元されたイオン種を含有する
水性相との分離及びナフタレンアルデヒド類の回収は、
通常の液−液分離法によって行うことができる。例え
ば、反応終了後に、反応槽から水性相をデカンテーショ
ンにより回収する。次いで、反応槽に蒸留水を導入して
少量の残留酸を希釈すると共に有機相を洗浄する。次い
で、水性相と有機相を分離した後、有機相に適量のエー
テル溶媒類を添加して全溶液からナフタレンアルデヒド
類をエーテル相に抽出し、次いでエーテル抽出相に硫酸
マグネシウムのような乾燥剤を添加して水分を除去す
る。エバポレーターのような蒸発器を使用してエーテル
を除去した後、濃縮し、必要ならばろ過操作を行い、高
濃度のナフタレン−1−アルデヒドを得ることができ
る。一方、回収された還元されたイオン種を含有する水
性相については、イオン濃度及び酸濃度を再調整した後
に、高濃度酸水溶液として上記方法の電解酸化工程に再
循環することができる。これはメディエーターイオン種
の再利用を可能にし、また高濃度の酸水溶液の廃棄処理
の問題も解消させる。従って、本発明の方法は環境保全
の点からも優れたものである。
【0013】本発明において使用されるメディエーター
の生成工程の一例を示すフローシートを、電解槽を主体
として図1に示す。Ce(III) イオン、Co(II)イオン
又はMn(II)イオンの一つを含有する酸溶液を原料タン
クから電解セルの陽極室へ注入した後、直流電源にてこ
れらのイオンを電解酸化してCe(IV)、Co(III) 又は
Mn(III) のメディエーターを生成させる。生成したメ
ディエーターは反応系に輸送され、反応系で反応のため
に使用され、反応終了後、還元されたメディエーターは
貯蔵タンクを経て再度電解セルに導入することによって
再利用される。
【0014】図1に記載のようにして生成されたメディ
エーターは、反応槽に導き、基質(アルキルナフタレン
類)の酸化反応に使用される。本発明のナフタレンアル
デヒド類の製造方法の一例を示すフローシートを図2に
示す。窒素ガスを通気した反応槽において反応させた
後、水性相はメディエーターの再生のために電解セルに
再循環し、また生成したナフタレンアルデヒド類を含有
する有機相は製品を回収するために分離抽出操作及び脱
水工程に循環される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、メディエーターとしてセリ
ウムイオン(Ce(III) /Ce(IV))を用いて1−メチ
ルナフタレンをナフタレン−1−アルデヒドに間接的に
酸化する製造方法を一例として説明する。まず、1−メ
チルナフタレンの間接的電解酸化を行うに際して、第一
段階として、メディエーターとなるCe(III) イオンの
電解酸化を行う。メディエーター(酸化剤)種の生成の
ために用いる硫酸セリウム(III) 水溶液又は過塩素酸セ
リウム(III) 水溶液は、0.01〜0.3M、好ましく
は0.1Mのセリウム塩(硫酸セリウム(III) 又は過塩
素酸セリウム(III) )を2M〜8M、好ましくは4Mの
対応する酸(硫酸又は過塩素酸)を含む水溶液に溶解さ
せて調製する。メタンスルホン酸セリウム(III) 水溶液
の場合は、0.01〜0.3M、好ましくは0.1Mの
炭酸セリウム(III) を2M〜8M、好ましくは4.3M
のメタンスルホン酸を含む水溶液に加え、反応させて調
製する。この反応は以下の反応式に従って進行し、反応
には二酸化炭素の発生を伴う。
【化1】6CH3 SO3 H + Ce2 (CO33
2[(CH3 SO33 Ce]+3H2 O +3CO2
【0016】これらの水溶液を、ナフィオン膜(カチオ
ン交換膜)を隔膜として装備した電解セル中に仕込み、
2 ガスで電解セル内を脱気した後、室温から好ましく
は30〜50℃に保ち、各々の溶液に対応した酸化電位
で撹拌させながら、Ce(III) を定電位電解する。電解
に要する電気量は、Ce(III) のモル数の70%以上、
好ましくは90%以上を酸化できる理論電気量を通電し
た。次いでCe(IV)イオンが生成したアノード室の電解
液をメディエーター相として分取し、次工程の酸化反応
に使用した。カソード電解液は、水素発生による液面低
下を補うために酸を補足添加した。各々のCe(III) 水
溶液の酸化還元電位(Ered)を以下の表1に示す。
Ce(IV)濃度は、硫酸第一鉄アンモニウム水溶液と過マ
ンガン酸カリウム水溶液による逆適定で定量した。
【表1】
【0017】一方、原料となる1−メチルナフタレン
は、ベンゼン等の有機溶媒に溶解した後、有機相として
反応槽に加える。
【0018】次に、第二段階となる1−メチルナフタレ
ン基質の酸化反応を行う。まず、Ce(IV)イオン含有水
溶液を反応槽に仕込み、窒素ガスで槽内を脱気した後、
恒温槽等で反応温度を40℃〜75℃、好ましくは60
℃前後に保持した。反応液を激しく撹拌しながら、反応
槽の上部より1−メチルナフタレンを溶解した有機相を
滴下し、二相を接触させて基質の酸化反応を進行させ
る。好ましくは、この酸化反応時に窒素ガスのフローを
行う方法がよく、また反応は短時間で終了させる方法が
好ましい。
【0019】反応は、メディエーター種であるCe(IV)
イオンがCe(III) イオンに還元された場合に進行が停
止するので、反応終了後、還元されたCe(III) イオン
含有相の一部を回収する。回収された溶液のCe(III)
イオン濃度と酸濃度の調整を行った後、再び電解槽に仕
込んでCe(III) イオンの電解酸化によるCe(IV)への
再生を行う。この方法で再生したCe(IV)イオン含有溶
液は、再びメディエーターとして使用することが可能で
あり、繰り返して使用できる。
【0020】原料の1−メチルナフタレンの殆どがナフ
タレン−1−アルデヒドに酸化するまで、Ce(IV)メデ
ィエーターによる基質の酸化反応を数回繰り返した後、
全てのCe(III) イオン含有水性相を回収する。次い
で、槽内に蒸留水を加えて少量残った酸を希釈すると共
に有機相の洗浄を行う。有機相は、適量のエーテル溶液
類を用いて槽内の全溶液から抽出、次いで硫酸マグネシ
ウムを添加して水分を除去する。エバポレーター等を用
いてエーテル類を除去した後、濃縮、必要であれば濾過
操作を行い、高濃度のナフタレン−1−アルデヒドを得
た。回収したCe(III) イオン含有相は、再びCe(IV)
イオンに酸化し、繰り返し使用することが可能であっ
た。
【0021】以上、詳細に説明したように、本発明はメ
ディエーター種による基質の選択的酸化反応に関するも
のであり、メディエーターの作用により、アルキルナフ
タレン類を効果的にナフタレンアルデヒド類に酸化する
方法である。即ち、電解酸化法で生成したCe(IV)イオ
ンをメディエーターとして作用させて、1−メチルナフ
タレンを選択的に酸化してナフタレン−1−アルデヒド
を製造する方法であり、従来の方法と比較して、反応工
程の短略化、反応時間の短縮、使用試薬、廃液問題など
の点で工業的に有利な製造法だと言えよう。また、本法
は、 "ex−cell法" に基づくもので、メディエー
ター種の再生と、基質の酸化反応が同時に平行して行え
ることを特徴とする、操作上非常に都合の良い方法であ
る。
【0022】また、メディエーターの生成とアルキルナ
フタレン類の酸化反応を同一セル内で行う場合には、上
記と同様のCe(III) イオンを含む高濃度酸水溶液と、
アルキルナフタレン類を溶解させた有機溶媒の両方を同
一セル内に仕込み、一定の条件下で電解して、基質の酸
化とメディエーターの生成・再生を同時に行う。反応後
は、二相を分離し、ナフタレンアルデヒド類を含有する
有機相から生成物を回収し、メディエーター相は濃度調
節を行った後、再びセル内に循環させる。この方法は、
"in−cell法" に基づくものである。
【0023】また、上記のCe(III) イオンと同様に、
Co(II)イオン及びMn(II)イオンも、上記のように電
解酸化することによってそれぞれCo(III) イオン及び
Mn(III) イオンを含有する高濃度酸水溶液を調製する
ことができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はなく、各種のナフタレンアルデヒド類に適用できるも
のである。なお、実施例中で、「部」とあるのは重量部
を意味する。また、「M」はモル/リットルの単位を表
すものである。
【0025】実施例1 ナフィオン膜(カチオン交換膜)を備えたH型の電解セ
ル内に、0.05MのCe2 (SO43 と2MのH2
SO4 を含む水溶液を197部仕込み、作用極に白金
板、対極にGC板(グラシーカーボン)を使用して1.
50V(vs. SCE)の定電圧で電解酸化を行った。こ
の際の電流値は10〜50mAであった。電解には、C
e(III) の90%以上を電解するのに必要な理論電気量
を通電し、次いで、ナフィオン膜で仕切られたアノード
室電解液中のCe(IV)濃度を定量した。その結果、約9
2%の電流効率でCe(IV)が生成した。
【0026】実施例2 実施例1に従った方法で、Ce2 (SO43 /H2
4 、Ce(CH3 SO33 /CH3 SO3 H、Ce
(Cl O43 /HCl O4 の3種類のメディエーター
を生成させた。これらメディエーター種の酸化還元電位
の測定結果を示した表1から、酸化力の強さは、Ce
(Cl O43 >Ce(CH3 SO33>Ce2 (S
43 の順であった。次いで、これら3種類のメディ
エーター種が反応に関与する影響を検討するために、
0.1Mの1−メチルナフタレンを含むベンゼン溶液を
調製し、この溶液10ml とメディエーター溶液25m
l の合計35mlを三角フラスコに仕込み、窒素又はア
ルゴンガスでフラスコ内を脱気した。三角フラスコを2
5℃の恒温槽内に設置し、マグネットスターラーで激し
く撹拌して二相を接触させ、1−メチルナフタレン基質
の酸化を行った。下記の表2は、所定の反応時間終了後
のCe(IV)の反応消費量と1−メチルナフタレン及びナ
フタレン−1−アルデヒド濃度をガスクロマトグラフィ
ー分析等で測定した値から計算した電流効率、選択率及
び反応率を示したものである。
【表2】 ナフタレン−1−アルデヒドの生成に対する電流効率と
選択率は、メディエーター種によって異なり、各メディ
エーター種の酸化還元電位、即ち酸化力と相関した結果
が得られた。本反応条件では、“Ce2 (SO43
2 SO4 ”系を1−メチルナフタレン酸化のメディエ
ーターに使用した際に、反応所要時間は要するが、電流
効率とアルデヒド選択性に優れた結果が得られた。
【0027】実施例3 実施例2に従って作製した“Ce2 (SO43 /H2
SO4 ”系メディエーターを用いて、1−メチルナフタ
レン基質濃度の影響及びメディエーター相と有機相との
容量比の影響を検討した結果を、以下の表3及び表4に
それぞれ示す。
【表3】
【表4】 表3及び表4の結果から、ナフタレン−1−アルデヒド
の生成は、基質濃度の影響が大きく、メディエーター相
と有機相の容量比の影響は実験を行った範囲では殆どな
いことがわかる。
【0028】実施例4 実施例3と同様に、“Ce2 (SO43 /H2 SO
4 ”系のメディエーターを用いて、ナフタレン−1−ア
ルデヒドの選択性に対する、温度の影響を10℃と60
℃の温度条件で検討した。得られた結果を下記の表5に
示す。
【表5】 表5に示した結果から、反応温度を上昇させることによ
って、Ce(IV)と基質の反応速度が増加すると共に、ア
ルデヒド生成の選択性及びCe(IV)の反応率が向上して
反応時間の短縮化が可能であることが明かになった。
【0029】実施例5 実施例1〜4に記載の操作に従って、0.05Mの1−
メチルナフタレンを含む有機相と“Ce2 (SO43
/H2 SO4 ”系のメディエーター相を調製した後、有
機相:メディエーター相=10ml :25ml の合計3
5ml を三角フラスコ中に仕込み、60℃の温度で反応
を行い、メディエーターの再生利用効率を検討した。反
応3時間後にメディエーターの回収と再生を行い、さら
に引続き3時間の連続反応を実施した結果を下記の表6
に示す。
【表6】 反応3時間毎のCe(IV)の反応効率は約55%、メディ
エーターの回収と再生を約3時間の短時間サイクルで実
施すると、アルデヒドの生成に対する選択率の著しい低
下を防止することが出来た。更に、合計8時間の反応を
実施した後、メディエーター相を回収し、フラスコ内に
残った有機相を蒸留水で洗浄後中和し、有機相をジエチ
ルエーテルにて抽出した。抽出物に含まれるジエチルエ
ーテル等をエバポレーターで減圧除去した後、ガスクロ
マトグラフィーにて成分分析を行ない、その結果を下記
の表7に示した。
【表7】 分析結果から、反応溶媒であるベンゼンが12%残留、
含有副生成物25%中の23%成分がナフタレン−1−
アルデヒドよりも低沸点の物質であった。さらに、濃縮
操作を連続して行った結果、高濃度のナフタレン−1−
アルデヒドを容易に得ることができた。
【0030】実施例6 実施例1に従った方法で、Cu(II)、Fe(III) 、Mn
(III) 、Ce(IV)及びCo(III) イオンからなる各種の
メディエーターを調製した後、メディエーター種が1−
メチルナフタレンの酸化に与える影響を検討した。下記
の表8は、各種メディエーターのナフタレン−1−アル
デヒド生成に対する選択率と各種メディエーターの反応
率を測定した結果である。
【表8】 Cu(II)イオン又はFe(III) イオンをメディエーター
に用いた場合には、メディエーターの反応率が低く、ア
ルデヒドの生成が認められなかった。一方、Co(III)
イオンを用いた場合には、Co(III)イオンは100%
の高い反応性を示したが、副生成物が多く、アルデヒド
の選択率は27%であった。
【0031】実施例7 ナフィオン膜(カチオン交換膜)を備えたH型の電解セ
ルを用い、アノード室に5×10-3MのCe2 (SO
43 と2MのH2 SO4 を含有する水溶液70ml
と、1×10-2Mの1−メチルナフタレンを含有するベ
ンゼン溶液10mlを仕込み、カソード室には2MのH
2 SO4 を含有する水溶液70mlを仕込んだ。N2
スでセル内を脱気した後、アノード室を激しく撹拌しな
がら、0.25mA/cm3 の定電流で電解し、7時間
後に、有機相中の生成物の分析をガスクロマトグラフィ
ーによって行った。得られた結果を下記の表9に示す。
【表9】
【0032】
【発明の効果】反応系の中にメディエーター種を取り入
れた従来の方法とは全く異なった反応系で、ナフタレン
アルデヒド類を合成することができた。反応後のメディ
エーター相は回収及び再生処理することによって、繰り
返して反応に再利用できる工業的利点を有している。ま
た、メディエーター種の生成に電気エネルギーを用いる
ことや、製造時に高濃度の酸廃液等を殆ど生じないこと
は、環境保全の観点からも優れた製造方法と言えよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において使用されるメディエータ
ーの生成工程の一例を示すフローシートである。
【図2】本発明のナフタレンアルデヒド類の製造工程の
一例を示すフローシートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルナフタレン類を溶解した有機溶
    媒相をCe(IV)イオン、Co(III) イオン又はMn(II
    I) イオンから選ばれるイオンを溶解させた高濃度酸水
    溶液相と接触させることによってアルキルナフタレン類
    を酸化してナフタレンアルデヒド類を製造することを特
    徴とする、ナフタレンアルデヒド類の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記のCe(IV)イオン、Co(III) イオ
    ン又はMn(III) イオンを溶解させた高濃度酸水溶液が
    Ce(III) イオン、Co(II)イオン又はMn(II)イオン
    を含有する高濃度酸水溶液を電解酸化することによって
    製造されたものであることを特徴とする、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 Ce(III) イオン、Co(II)イオン又は
    Mn(II)イオンから選ばれるイオンを含有する高濃度酸
    水溶液相と、アルキルナフタレン類を溶解した有機溶媒
    相の二相を同一の電解槽中に仕込み、電解してメディエ
    ーターの生成とアルキルナフタレン類の酸化反応及びメ
    ディエーターの再生工程を同時に行い、ナフタレンアル
    デヒド類を含有する有機相を回収し、次いでこの有機相
    からナフタレンアルデヒド類を分離・精製することを特
    徴とする、ナフタレンアルデヒド類の製造方法。
  4. 【請求項4】 Ce(III) イオン、Co(II)イオン又は
    Mn(II)イオンから選ばれるイオンを含有する高濃度酸
    水溶液を電解酸化して、Ce(IV)イオン、Co(III) イ
    オン、Mn(III) イオンを含有する高濃度酸水溶液を製
    造し、この高濃度酸水溶液の相をアルキルナフタレン類
    を溶解した有機溶媒相と接触させることによってアルキ
    ルナフタレンをナフタレンアルデヒド類に酸化し、得ら
    れたナフタレンアルデヒド類を含有する有機相と還元さ
    れたCe(III) イオン、Co(II)イオン又はMn(II)イ
    オンを含有する水性相とを分離し、有機相からナフタレ
    ンアルデヒド類を回収することを特徴とする、ナフタレ
    ンアルデヒド類の製造方法。
  5. 【請求項5】 分離されたCe(III) イオン、Co(II)
    イオン又はMn(II)イオンを含有する水性相を高濃度酸
    水溶液によって再調整した後、電解酸化工程に再循環す
    ることを特徴とする、請求項4記載の方法。
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