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JPH09310362A - 組立式仮土留め材と該仮土留め材を使用する擁壁築造工法 - Google Patents

組立式仮土留め材と該仮土留め材を使用する擁壁築造工法

Info

Publication number
JPH09310362A
JPH09310362A JP12688496A JP12688496A JPH09310362A JP H09310362 A JPH09310362 A JP H09310362A JP 12688496 A JP12688496 A JP 12688496A JP 12688496 A JP12688496 A JP 12688496A JP H09310362 A JPH09310362 A JP H09310362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flat plate
plate
water
drainage
mesh
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12688496A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Fujino
耕司 藤野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAKUBI KENSETSU KK
Original Assignee
HAKUBI KENSETSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAKUBI KENSETSU KK filed Critical HAKUBI KENSETSU KK
Priority to JP12688496A priority Critical patent/JPH09310362A/ja
Publication of JPH09310362A publication Critical patent/JPH09310362A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮土留め材の排水性を損なわずに、従来より
補強部材の必要量を少なくし、積み上げ時の上段と下段
の仮土留め材の間にできやすい空隙がなく、従来より早
く、簡便に施工できる組立式の排水仮土留め材とそれを
使用する擁壁築造工法を提供すること。 【解決手段】 複数の互いに独立した凸部6を設けた平
板7と凸部6の先端に網状体3等を接合した排水板2を
立て掛け、排水板2の底辺に水平方向に展開した柔軟な
網状体3等を接合して排水板2の上部と水平方向に展開
した網状体3等との間に方杖5を配置して排水板を自立
可能にした組立式仮土留め材1とする。この仮土留め材
1を用いて、平板7を地山床面上に築造するコンクリー
ト擁壁の裏部へ当接させ擁壁の裏型枠として使用し、か
つ背面土砂支持用としても使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築物造成地、道路
構築等の際に設けるコンクリート壁の築造工法及び該築
造工法に用いる組立式仮土留め材に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人の発明にかかる特許20018
94号(特公平7−39666号公報)にはコンクリー
ト壁築造工法が開示されているが、当該コンクリート壁
築造工法は地山床面上にコンクリート壁を築造し、地山
法面とコンクリート壁間に裏込め材と背面土砂とからな
る埋め戻し材料を埋め戻す方法である。また、前記本出
願人になる特許発明では、前記コンクリート壁築造工法
において、築造中のコンクリート壁と地山法面間の地山
床面上に順次積み重ねられる仮土留め材であって自立可
能な透水性枠構造体と該枠構造体に埋め込まれる透水性
裏込め材とからなる背面土砂支持用及び硬化中のコンク
リート壁支持用の透水性仮土留め材を用いることも開示
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記仮土留め材に埋め
込まれる透水性裏込め材として透水性マット等を用いる
こと考えられる。ところが透水性マットは、その内部に
は分散した空隙があり、薄い透水性マットの場合、水平
方向の透水任は良いものの、鉛直方向下方、すなわち水
の流下する方向には透水性マット自体が障害となって、
必ずしも透水性が良いとは言えない。また枠構造体自体
も埋め込まれた裏込め材を遮断し、流下方向の透水性を
損ねる。
【0004】また前記仮土留め材を順次積み重ねる際、
下段側の仮土留め材の裏面へ裏込め材、埋め戻し材を埋
め戻し、その天端を平坦に整形したとしても、そこには
わずかな凹凸面ができる。そして、この仮土留め材の上
段側に前記仮土留め材と同じ仮土留め材を置いた場合、
上段の仮土留め材の底部水平面が剛体である枠構造体か
らできているので、下段の仮土留め材の埋め戻し材料の
天端と上段の仮土留め材の底部とは充分な接触面積が確
保できず、ここに空隙が発生しやすい。
【0005】擁壁の裏部と地山との間の埋め戻し材の内
部に、このような大きい空隙があると擁壁築造後に擁壁
裏部の沈下などが生じて、擁壁または擁壁上部に設置さ
れる道路等に悪影響が出やすい。また、前記本出願人の
発明になる自立可能な透水性枠構造体は製作上、工場で
の生産ラインに載せるのが難しく、大量生産に向かず経
済的でない。
【0006】そこで本発明の課題は、前記本出願人の発
明を改良して、仮土留め材の排水性を損なわずに、従来
より補強部材の必要量を少なくし、積み上げ時の上段と
下段の仮土留め材の間にできやすい空隙がなく、従来よ
り早く、簡便に施工できる組立式の排水仮土留め材とそ
れを使用する擁壁築造工法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成によって達成される。すなわち、複数の互いに独立
した凸部を設けた平板と凸部の先端に網状体等を接合し
た排水板を立て掛け、該排水板の底辺に水平方向に展開
した柔軟な網状体等を接合して排水板の上部と水平方向
に展開した網状体等との間に方杖を配置して排水板を自
立可能にした組立式仮土留め材である。
【0008】前記本発明の組立式仮土留め材において、
平板の凸部の先端に接合した網状体または透水マッ卜と
して、縦目と地山側に水を受ける傾斜面を有する横目と
からなる網状体を用いること、または略U字状の切り込
みを設けた薄膜と該薄膜に接合した網状体を用いること
ができる。
【0009】また、本発明の課題は次の構成により達成
される。すなわち、複数の互いに独立した凸部を設け、
該凸部の側面の一部に水の通る穴を設けた平板と該平板
の凸部の先端側に平面板を接合した排水板を立て掛け、
該排水板の底辺に水平方向に展開した柔軟な網状体、透
水マットまたは透水シートからなる網状体等を接合して
排水板の上部と水平方向に展開した網状体等との間に方
杖を配置して排水板を自立可能にした組立式仮土留め
材、または水を流す空隙をもたない平板を立て掛け、該
平板の底辺に水平方向に展開した柔軟な網状体等を接合
して平板の上部と水平方向に展開した網状体等との間に
方杖を配置して平板を自立可能にした組立式仮土留め材
である。
【0010】前記水を流す空隙をもたない平板を備えた
組立式仮土留め材を用いるときは、水を流す空隙をもた
ない平板の裏側に排水性の良好な背面土砂が現場にある
場合で、これを当該仮土留め材側に埋め込むことで、平
板に水を流す空隙を持たせる必要がない。しかし、排水
性の良好な背面土砂を使用できない場合には次ぎのよう
な構成とすることができる。
【0011】すなわち、水を流す空隙を持たない平板を
立て掛け、該平板の底辺に水平方向に展開した柔軟な網
状体等を接合して平板の上部と水平方向に展開した網状
体等との間に方杖を配置して平板を自立可能にし、さら
に、前記平板の後方であって、平板の底辺に接続する網
状体等の上に該平板と略平行となるように前記平板と所
定間隔を設けて抜き型枠を取り外し自在に配置した組立
式仮土留め材である。
【0012】このとき、水を流す空隙を持たない平板と
抜き型枠の間には排水性の良好な裏込め材を埋め込むこ
とで、水を流す空隙を持たない平板に排水性がなくても
組立式仮土留め材として使用することができる。
【0013】また、本発明には前記複数の互いに独立し
た凸部を設けた平板または水を流す空隙をもたない平板
を地山床面上に築造する擁壁の裏部へ当接させ擁壁の裏
型枠として使用し、かつ背面土砂支持用としても使用す
る擁壁築造工法が含まれる。
【0014】本発明では前記網状体等とは網状体、透水
マットまたは透水シートなど透水性の平面体を言うもの
とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を次に説明す
る。図1は地山側からコンクリート擁壁の方向を見た斜
視図で示した仮土留め材1である。この仮土留め材1は
斜めに立て掛けた合成樹脂などから作製される排水板2
と排水板2の底辺から水平方向に展開される合成繊維な
どから作製される網状体3等(網状体、透水マットまた
は透水シート)と排水板2の上方と網状体3の端部とを
両端で支持する鋼材などから作製される方杖5からな
る。排水板2は市販のカルドレーン(商標名、三井石化
産資(株)製)のような複数の互いに独立した凸部6を
設けた樹脂製の平板7と凸部6の先端に綱状体3等を接
合した板である。
【0016】この排水板2に形成される凸部6は押し出
し成形により成形された丸柱状または四角柱状などの多
角柱状とし、平板7の平面に互いに連続しないように独
立した凸状突起を多数配置したものである。凸部(凸状
突起)6の内部は中空状または充填状とする。
【0017】凸部6の断面厚さとその大きさ(高さ、直
径)は仮土留め材1を擁壁裏面に配置して裏込め材を埋
め戻した場合に、凸部6と凸部6の間の空隙には水が流
れ、コンクリート擁壁の側圧、地山の土圧で凸部6が潰
れない程度のものとする。この凸部6の先端部(裏込め
材側)に網状体3等を接合して地山横方向からの水を土
砂と分けて隣接する凸部6間と網状体3等との間に形成
される空隙へ流し込むようにする(図1は凸部6の先端
部に網状体3、その外側に透水シート9を張り付けてい
る場合を示している。この網状体3が土砂と水とを分け
ることができる程の細い目であれば透水シート9は必要
ない。)。
【0018】図1に示す構造をなす排水板2は大きな四
角形の板からなるパネルとする。この排水板2の大きさ
は、その施工性に応じて任意の大きさでよい。この排水
板2を方杖5で立て掛けてた時に、その底辺に水平方向
に展開した網状体3等(網状体、透水マットまたは透水
シートなど)の一辺を接合する。この接合方法は溶着、
固定金具で接合するかまたは排水板2に抱き込むことに
より接合するなど、どのような接合方法でも良い。図1
には鋼板10からなる固定金具で網状体3等を排水板2
に固定した状態を示すが、この接合は埋め戻し材の土圧
で排水板2が離れない程度の強度を有する接合力がなけ
ればならない。
【0019】または排水板2の凸部6の先端部に接合し
てある網状体3等を連続延長させ、排水板2の底辺で折
り曲げて水平方向に展開させてもよい。この水平方向に
展開させる網状体3等の長さは50cm以上とし、埋め
戻し材による埋め戻し幅がそれより大きい場合は前記水
平展開する網状体3等の長さはさらに大きくしてよい。
または前記水平展開部の長さを50cm以上とした上
で、これを一度切断したものを自立可能な仮土留め材1
として使い、必要に応じて後から、所定幅の網状体3等
を水平展開部に図示しない締結具等で接続して水平展開
部の幅を広くしても良い。
【0020】そして排水板2と水平展開部の網状体等の
任意の位置へ方杖(棒鋼または型鋼等から作製)5の両
端を支持させて自立可能な仮土留め材1とする。方杖5
の配置本数は図1では2本にした例を示しているが排水
板1の大きさ、重さによって、2本以上に増やしても良
い。この方杖5と水平展開部の網状体3等との接合は水
平展開部の幅に相当する長さの一対の板材11、11で
網状体3等を挟んで行う。図1には方杖5の先端部に形
成したネジ部を一対の板材11、11にネジ込むことで
接合した例を示しているが、この接合方法により水平展
開部の網状体3等と方杖5との接合部に結合力が集中せ
ず、板材11に結合力を分散させることができる。
【0021】また、この方杖5の排水板側の端部は排水
板1を貫通させて、擁壁側から当て板12、ナット13
および座金14で固定できるネジ構造とする。このネジ
構造を排水板1より余裕をもって突出するように長めに
設けておき、排水板1の裏側に埋め戻し土などを入れな
がら、当該排水板2を利用したコンクリート擁壁の裏型
枠としての傾斜角度の微調整しろとしてネジ構造を利用
する。また、この排水板2は上段と下段の仮土留め材1
の隣接する排水板2同士の接合のための差し込み部7a
と受け部7bを平板7に設ける。
【0022】したがって、図2に上段と下段の仮土留め
材1の排水板2同士の接合部を示すように、前記当て板
12を横長の矩形として当該当て板12が取り付けられ
る排水板2の上側に配置される排水板2の差し込み部7
aの受け部7bの押さえとする。当て板12は樹脂板ま
たは平板鋼などから作製する。
【0023】また、この排水板2には切り込みで擁壁外
に水を排水する排水管の差し込み口(図示せず)を設け
ることができる。さらに、この排水板2をコンクリート
擁壁築造時の裏型枠として用いるが、このとき必要に応
じてコンクリート前型枠(図示せず)との間にコンクリ
ート打設用の幅を設けて連結するためのセパレートタイ
の穴(図示せず)を設けておく。また運搬時は、この仮
土留め材1から方杖5ははずし、排水板2と水平展開部
の網状体3等とを連結したままで重ねて運べば運搬車の
荷台のスペースを節約できる。
【0024】次に、図1の排水板2として用いることの
できるその他の構成を示す。まず、図3の斜視図に示す
樹脂製の排水板2はコンクリート擁壁裏面、すなわち地
山土砂側から見た組立て前の排水板2であり、図1で説
明したのと同様な樹脂製の平板7に丸い柱状、四角柱状
または三角柱状などの多角柱状凸部6を数多く設けてあ
る。
【0025】この多角柱状凸部6の先端部に張り付ける
網状体15としては、樹脂製の棒を間隔をあけながら縦
方向に複数並べてこれを縦目板15aとし、その上に縦
目板15aに対して90°回転させた方向(横目状)に
一定間隔をあけて水を受ける横傾斜板15bを複数個並
べたものを重ね、縦目板15aと横傾斜板15bの接触
点を接着あるいは溶着させて格子状にしたものを使用す
る。この網状体15の縦目板15aと横傾斜板15bは
それぞれプレス加工などの方法で制作しても良いし、ま
たは縦目板15aと横傾斜板15bを一体的に成型して
網状体15としても良い。
【0026】こうして得られた排水板2は網状体15の
方が地山側になるように配置して、図1に示す場合と同
様に図示していないが排水板2と水平展開部の網状体等
の任意の位置へ方杖の両端を支持させて自立可能な仮土
留め材とする。
【0027】こうして作製した自立可能な仮土留め材1
をもたれコンクリート擁壁の裏型枠として用いる場合の
概略の断面図を図4に示す。雨などで降った水は地表か
ら土砂17に浸透して重力によって下がって行く。この
とき、土砂17の含水比が高くなり、水頭が高くなって
水の流れ18は水頭の低い方へ導かれる。従って網状体
15の横傾斜板15bから樹脂排水材2の壁外へ通じた
樹脂板7の凸部6で作られた空隙19へ水の流れ18が
集められる事になる。このとき、透水シートを通過し、
水と土砂とを分けて後、水の流れ18は網状体15の横
傾斜板15bの目を通過し、縦目板15aを通り、空隙
19に至る。空隙19に入った水は流下し、図示しない
水抜きパイプで擁壁21前面に開放される。
【0028】水頭差が大きいと大部分の水は、この空隙
19をスムーズに流下できる。しかし水頭差が小さくな
ると重力により水は網状体15の網目を逆流しようとす
る。しかし、地山側にある横傾斜板15b部分は、土砂
17の方へ水が流れようとするのを阻止し、横傾斜板1
5b部分を流れる水は縦目板15aを流下する水の流れ
18に粘性で引かれる。また、横傾斜板15bは土砂1
7側から網状体15を伝わって流下しようとする水も停
滞させ、空隙17側へ導きやすくなる。このように、水
の粘性を利用した網状体15の網目による上述の作用に
より、水頭差が低い時には特に水が土砂17側に逆流す
ることを有効に防ぐことができる。図3に示す排水板2
を前面に配置した仮土留め材1を用いると擁壁10の裏
面が地面に対して垂直の場合または傾斜した場合でも従
来より大きく排水性を改善できる。
【0029】また、図1の排水板2として用いる他の例
を図5で説明する。この排水板2は物理的に水の流れの
土砂側への逆流を阻害するものである。図5には排水材
2を土砂側から見た斜視図を示すが、これは一定方向に
向いた小さい略U型の切り込み片23を全面に配置した
薄い膜22を図1で説明した互いに連続しないように独
立した凸部6を多数配置した平板7と図3で説明したも
のとは異なる網状体24で挟み込んだものである。
【0030】網状体24の目の大きさは略U型の切り込
み片23の面積より小さくし、かつ前記凸部6の先端側
を略U型の切り込み片23付きの薄膜22と接するよう
にして薄膜22を凸部6付きの樹脂製平板7と網状体2
4で挟み込む。こうして得られた排水板2を前面に配置
して図1と同様な仮土留め材とする。
【0031】図6には図5で説明した排水板2をもたれ
擁壁10の裏面に設置した場合の排水板2部分の概略の
断面図を示す。排水板2の略U字の切り込み片23の切
り放された方は下部に向けて配置している。
【0032】地山側の土砂17から擁壁21に向けて流
れてくる水は水頭差より平板7の凸部6間の空隙19の
方へ導かれ、水の流れ18は薄膜22の略U字状の切り
込み片23からなる弁を押し、空隙18にはいる。空隙
18に入った水の流れ18は、その下方の位置で重力に
よって逆流しようとするが、地山の土砂17方向へは略
U字状の切り込み片23の大きさより網状体24の方が
目の大きさが小さいので、網状体24により水の流れ1
8は逆流できない。従って水の流れ18は薄膜22を伝
って空隙19内を流下する。こうして排水板2の排水性
を改善できる。この網状体24は図示しないマットでも
良い。
【0033】また、図7には図1に示す排水板2のその
他の例を示す。図7には排水板2を地山土砂側から見た
組立前の斜視図を示す。この場合は、中空の凸部6を数
多く配置し、その凸部6の基部を開放した樹脂製平板7
を用い、その平板7を立てた状態で凸部6の側面の真下
を向く位置に通水のための穴6aを多数開けて、その凸
部6の先端部分に樹脂製の平坦板26を接着あるいは溶
着する。曲げ強度の向上、目づまり防止から平板7の凸
部6の基部の開放端には樹脂製の網状体27、あるいは
図示しないマットを重ねて接合しても良い。こうしてで
きた排水板2は図3、図5で説明した排水板2と異な
り、凸部6の基部の開放端側、すなわち網状体27側を
地山側とする。
【0034】この排水板2を図3〜図6に示す例と同じ
く、もたれ擁壁の裏面に設置する場合を図8の概略断面
図で示す。地山の土砂17側からの水の流れ18は網状
体27を通り凸部6付き平板7の基部開放端から入り凸
部6の中空へ入る。そして真下に向いた通水穴6aから
空隙19へ水が落ち流下していく。前記凸部6の真下の
位置にある別の凸部6の上部には通水穴6aがないの
で、その凸部6の中空部内には水は戻らない。このよう
に樹脂板7の凸部6は水の流下する空隙19を作る他、
逆流止めの傘の役目もする。従って凸部6の断面形状は
図8に示す円形の外に、水切りのできる三角形が好まし
いが、四角形でも良い。望ましくはプレスで凸部6と同
時に通水穴6aも形成できるように、凸部6の基部開放
端から先端側にいくほど径が小さくなるような形状のも
のが良い。
【0035】このように本発明の仮土留め材1により擁
壁10裏面側での排水性を改善し、排水板2部分は従来
用いられていた裏込め砕石の代替品となる。さらに、も
たれ擁壁等の逆勾配の擁壁21の裏面に張り付けても使
えるので、地山の床掘幅を減少させて急傾斜地における
土砂17の持ち出し量を減じるばかりでなく、床掘後の
地山背面の崩壊の危険性のある切り取り高さを減少さ
せ、さらに作業員の危険性を少なくできる。
【0036】図9に示すように、本発明の仮土留め材1
の排水板はコンクリート板、鋳物などから製造すること
もできる。図9にはコンクリート製の排水板31を示
す。このコンクリート製排水板31はコンクリート板3
2を方杖33で立て掛けるように支持し、コンクリート
板31の底辺には水平方向に展開する網状体35等を設
ける。仮土留め材31の地山側のコンクリート板32の
表面に互いに独立した凸状突起からなる複数の凸部36
を設け、この複数の凸部36の間には水の流下のための
溝状の凹部37を形成する。
【0037】そして、このコンクリート板32からなる
排水板31の凸部先端部(地山側)に図1で説明したも
のと同様の網状体35等を接合する。図1の樹脂製から
なる排水板2の凸部6と比べ、図9に示すコンクリート
製の排水板31の凸部36はサイズが大きくなってしま
うので、この場合、凸部36を直方体状としたが、凹部
に水の流れる連続した空間がとれれば、どんな形状の凸
部36でもよい。そして、排水板31を仮土留め材1と
して組み立てた時に、直方体状の凸部36の長手方向が
上下方向に少し傾斜するように形成させておくと、凸部
36は互いに独立した複数の直方体状であるので、排水
板31が立て掛けられた時に、略水平方向にも水が流れ
るよう溝状の凹部37が設けられることになり、コンク
リート擁壁外に水を排水するための排水管(図示せず)
に溝状の凹部37から水を誘導させることができ、排水
性が向上する。
【0038】また、図1で説明した場合と同様に、排水
板31の凸部36の先端部に接合する網状体35等と水
平方向に展開する網状体等とを兼ねて連続させた網状体
35等の一部を金具38で排水板に固定しても良いし、
コンクリート板32の中に排水板31の凸部36の先端
部に接合する網状体35等部分を埋め込んでも良い(図
10参照)。この方杖33と水平展開部の網状体35等
との接合は水平展開部の幅に相当する長さの一対の板材
40、40、で網状体35等を挟んで行う。
【0039】次に、図10は複数の独立した凸部を設け
ていないコンクリート平板41を利用した仮土留め材1
の例を示す。この仮土留め材1は地山土砂または埋め戻
し材が排水性のよい土質であるときに特に有利に利用で
きるものである。
【0040】この仮土留め材1は図1、図9に示すもの
と同様に擁壁の裏型枠兼用のコンクリート平板41を方
杖42で立て掛けるように支持し、コンクリート平板4
1の底辺には水平方向に展開する網状体43等を設けた
ものである。このとき、網状体43等はその一部をコン
クリート平板41内に埋め込むことでコンクリート平板
41と容易に接続させることができる。
【0041】埋め戻し材が排水性の良いものであれば、
これを仮土留め材1としてそのまま利用することができ
るが、埋め戻し材が粘土などのように排水性の悪いもの
であると、図10に示すように抜き型枠45をさらに組
み合わせて利用する。
【0042】抜き型枠45は前記コンクリート平板41
とほぼ同一形状の平板46と、該平板46の上部に上下
方向(矢印A方向)に自在に回転する間隔保持部材47
を取り付けたものからなり、平板46の下部には間隔保
持のために網状体43等に差し込む形の突起46aを設
けておく。そして、この抜き型枠45をコンクリート平
板41などからなる仮土留め材1の裏側に組みつけ、こ
の抜き型枠45と仮土留めのコンクリート平板41との
間に排水性の良好な裏込め材を埋め込み、また抜き型枠
45と地山の間には埋め戻し用の土砂を入れて仮土留め
材1とすることもできる。抜き型枠45と地山の間には
埋め戻す土砂は排水性の悪い粘土などでも良い。
【0043】抜き型枠45も組み込んで仮土留め材1と
し、裏込め材と埋め戻し土砂などを仮土留め材1の裏側
に埋め込んだ後に、さらに、この仮土留め材1の上段に
別の仮土留め材1を積み上げる前に、抜き型枠45を上
方向に引き抜き、何回も抜き型枠45して利用すること
ができる。この仮土留め材45のコンクリート平板41
の代わりに、図示していない補強した樹脂板を用いても
良いし、透水性コンクリート板を用いても良く、さらに
通常コンクリート板と透水コンクリートを重ねた板たも
のを用いても良い。これら裏型枠兼用の仮土留め材1を
使用したコンクリート擁壁築造現場での施工順序を説明
する。
【0044】まず、現場の仮土留め設置場所以外で仮土
留め材の排水板2(図1、図3、図5、図7)、31
(図9)、排水性のない平板41(図10)と綱状体
3、3’、35、43を展開させ、方杖5、33、42
で連結して組み立てておく。このとき、方杖5、33、
42の排水板2または平板41に差し込んだ方杖5、3
3、42は短めに固定しておき、排水板2または平板4
1が仮土留め材の底部水平面との成す角度(排水板の立
て掛け角度)を比較的小さくしておき、裏込め材を排水
板2または平板41の裏面に埋め戻す際に排水板2また
は平板41の立て掛け角度を調整できるようにする。
【0045】そして擁壁築造場所の床掘を行う。任意の
掘削が終了した時点でこの仮土留め材1を搬入し、擁壁
の裏型枠部分へ横に並べて置く。そして、仮土留め材1
を構成する網状体3、35、43等の上に少量の土砂あ
るいは裏込め材を置くと、この仮土留め材1が安定し、
固定しやすい。
【0046】この時網状体3、35、43等は柔軟であ
り、床堀面が少々岩が露出したり凹凸があっても、床掘
面になじみやすい。また、邪魔になる網状体等の部分は
切断しても良い。このように本発明の仮土留め材1は床
掘面の状態に柔軟に適合させやすい。
【0047】したがって、本発明の仮土留め材1は従来
技術の仮土留め材より、簡単にそして早期に複数のもの
を積み上げやすい。また、この仮土留め材1の底部が柔
軟な網状体3、35、43等からできているので、これ
を方杖5、33、42で支持していても、排水板2また
は平板41の立て掛け角度が変化する可能性がある。そ
こで、当該仮土留め材1の裏面に土砂、裏込め土などを
仮土留め材1の天端に達する高さまで埋め戻した後に、
排水板2または平板41を貫通して擁壁側に突出した方
杖5、33、42のネジ部を調整して排水板2または平
板41の立て掛け角度を変えて、排水板2または平板4
1を裏型枠として用いることができるように、その面を
設計通りのコンクリート擁壁裏面の立て掛け角度(擁壁
裏面と仮土留め材1の底部水平面に対する角度)になる
ように揃える。
【0048】この後、仮土留め材1の上部から裏込め材
をランマー等で転圧し、締め固め、整地する。これを順
次上段に1.5m程度つづ積み上げて擁壁築造の際の裏
型枠とする。このとき、前記排水板2を裏型枠とすれば
従来裏型枠として用いていたマットより水の流下する空
隙も大きくなり、下側の仮土留め材1まで枠構造体で区
切られる事なく、水の流れる空隙が連続する事になり排
水効率が良くなる。
【0049】また、図10に示す平板41を仮土留め材
の裏型枠部分に用いる方法でも間隔材付きの抜き型枠を
用いて排水裏込め材を埋め戻す場合、従来の箱形の仮土
留め材の埋め殺しにする部材が抜き型枠部分だけ減る
し、従来の本出願人の発明した特公平7−39666号
公報記載の仮土留め材の構成部材であるL型の枠構造体
に比べて枠構造体底部に枠体を設けてない分、部材が少
なくて良く、経済的である。また、前記本出願人の前記
従来技術の仮土留め材の構成部材であるL型の枠構造体
に比べて本発明の仮土留め材1の底部が柔軟に下側の仮
土留め材1と重ねることができ、この部分に空隙が生じ
ることがなくなり、裏込めの品質が向上する。
【0050】
【発明の効果】本発明の仮土留め材を擁壁を構築する際
の裏型枠として使用すると、擁壁築造中または築造後に
これを撤去をする必要がなく、省力化ができる。また、
擁壁用に打設したコンクリートの養生中にも次の上段に
配置する裏型枠を立ち上げる事ができ、擁壁築造工期の
短縮が図れ、同時に床掘直後の崩れ易い地山を早期に押
さることかでき、人身事故などを防ぎ、防災上の効果も
ある。また、仮土留め材の排水性を損なわずに、従来よ
り補強部材の必要量を少なくし、積み上げ時の上段と下
段の仮土留め材の間にできやすい空隙がなく、従来より
早く、簡便に施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる一実施例の仮土留め材の斜視図
である。
【図2】 図1の仮土留め材の上下方向の接合部を示す
図である。
【図3】 本発明の一実施例の排水板の組み立て前の斜
視図である。
【図4】 図3の排水板の排水性(図3のA−A線断
面)を説明する擁壁要部断面図である。
【図5】 本発明の一実施例の排水板の組み立て前の斜
視図である。
【図6】 図5の排水板の排水性を説明する擁壁要部断
面図である。
【図7】 本発明の一実施例の排水板の組み立て前の斜
視図である。
【図8】 図7の排水板の排水性を説明する擁壁要部断
面図である。
【図9】 本発明になる一実施例の仮土留め材の斜視図
である。
【図10】 本発明になる一実施例の仮土留め材の斜視
図である。
【符号の説明】
1 仮土留め材 2 排水板 3 網状体 5、33、42
方杖 6、36 排水板凸部 7、32 平板 9 透水シート 10 鋼板 11、40 板材 12 当て板 13 ナット 14 座金 15、24、27、35、43 網状体 15a 縦目板 15b 横傾斜
板 17 土砂 18 水の流れ 19 空隙 22 薄い膜 23 略U型の切り込み片 26 平坦板 31 コンクリート製の排水板 32 コンクリ
ート板 37 凹部 38 金具 41 コンクリート平板 45 抜き型枠 46 平板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の互いに独立した凸部を設けた平板
    と該平板の凸部の先端に網状体または透水マッ卜を接合
    した排水板を立て掛け、該排水板の底辺に水平方向に展
    開した柔軟な網状体、透水マットまたは透水シートから
    なる網状体等を接合して排水板の上部と水平方向に展開
    した網状体等との間に方杖を配置して排水板を自立可能
    にしたことを特徴とする組立式仮土留め材。
  2. 【請求項2】 平板の凸部の先端に接合した網状体また
    は透水マッ卜として、縦目と地山側に水を受ける傾斜面
    を有する横目とからなる網状体を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の組立式仮土留め材。
  3. 【請求項3】 平板の凸部の先端に接合した網状体また
    は透水マッ卜として、略U字状の切り込みを設けた薄膜
    と該薄膜に接合した網状体を用いることを特徴とする請
    求項1記載の組立式仮土留め材。
  4. 【請求項4】 複数の互いに独立した凸部を設け、該凸
    部の側面の一部に水の通る穴を設けた平板と該平板の凸
    部の先端側に平面板を接合した排水板を立て掛け、該排
    水板の底辺に水平方向に展開した柔軟な網状体、透水マ
    ットまたは透水シートからなる網状体等を接合して排水
    板の上部と水平方向に展開した網状体等との間に方杖を
    配置して排水板を自立可能にしたことを特徴とする組立
    式仮土留め材。
  5. 【請求項5】 水を流す空隙を持たない平板を立て掛
    け、該平板の底辺に水平方向に展開した柔軟な網状体、
    透水マットまたは透水シートからなる網状体等を接合し
    て平板の上部と水平方向に展開した網状体等との間に方
    杖を配置して平板を自立可能にしたことを特徴とする組
    立式仮土留め材。
  6. 【請求項6】 水を流す空隙を持たない平板を立て掛
    け、該平板の底辺に水平方向に展開した柔軟な網状体、
    透水マットまたは透水シートからなる網状体等を接合し
    て平板の上部と水平方向に展開した網状体等との間に方
    杖を配置して平板を自立可能にし、さらに、前記平板の
    後方であって、前期平板の底辺に接続する網状体等の上
    に該平板と略平行となるように前記平板と所定間隔を設
    け、前記間隔に排水性の良好な裏込め材を埋め込むため
    の抜き型枠を取り外し自在に配置したことを特徴とする
    組立式仮土留め材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の平板を地山床面上に築造する擁壁の裏部へ当接させ
    擁壁の裏型枠として使用し、かつ背面土砂支持用として
    も使用することを特徴とする擁壁築造工法。
JP12688496A 1996-05-22 1996-05-22 組立式仮土留め材と該仮土留め材を使用する擁壁築造工法 Pending JPH09310362A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101233095B1 (ko) * 2012-08-31 2013-02-14 정길수 개량형 옹벽구조 및 이의 시공방법
JP2016084641A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 日本興業株式会社 張出歩道ブロック

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